(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】トルクセンサ
(51)【国際特許分類】
G01L 3/10 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
G01L3/10 315
(21)【出願番号】P 2021133680
(22)【出願日】2021-08-18
(62)【分割の表示】P 2021521066の分割
【原出願日】2021-02-18
【審査請求日】2023-03-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511071234
【氏名又は名称】株式会社トライフォース・マネジメント
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】岡田 和廣
(72)【発明者】
【氏名】関根 美穂
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132442(JP,A)
【文献】特開2019-179039(JP,A)
【文献】特開2019-207120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0310142(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0049579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
G01L 5/16-5/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
XYZ三次元座標系におけるZ軸まわりのモーメントを検出するトルクセンサであって、
前記Z軸を中心に形成された第1構造体と、
前記Z軸を中心に形成された第2構造体であって、前記Z軸に沿って見たときに前記第1構造体の内側に配置された第2構造体と、
前記第1構造体と前記第2構造体との間に設けられた起歪体であって、前記第1構造体と前記第2構造体とを接続し、前記モーメントの作用により弾性変形を生じる起歪体と、
前記第1構造体と前記起歪体とを接続する2つの第1構造体接続部と、
前記起歪体と前記第2構造体とを接続する2つの第2構造体接続部と、
検出素子と、
前記検出素子の検出結果に基づいて、前記モーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、を備え、
前記起歪体は、弾性変形によって
Z軸方向に変位する変位部を含み、
前記検出素子は、前記変位部の
前記Z軸方向の変位を検出
することにより静電容量値の変化を検出する容量素子を含み、
2つの前記第1構造体接続部は、前記Z軸を中心とした放射方向に沿って延びる第11構造体接続部および第12構造体接続部を含み、
前記第12構造体接続部は、前記放射方向に直交する方向の寸法である幅が前記第11構造体接続部よりも小さくなるように形成され、
2つの前記第2構造体接続部は、前記放射方向に沿って延びる第21構造体接続部および第22構造体接続部を含み、
前記第22構造体接続部は、前記放射方向に直交する方向の寸法である幅が前記第21構造体接続部よりも小さくなるように形成されている、トルクセンサ。
【請求項2】
前記第1構造体接続部および前記第2構造体接続部は、前記Z軸に沿って延び、
前記第1構造体接続部の前記幅は、前記第1構造体接続部のZ軸方向の寸法よりも小さく、
前記第2構造体接続部の前記幅は、前記第2構造体接続部のZ軸方向の寸法よりも小さい、請求項1に記載のトルクセンサ。
【請求項3】
前記起歪体は、前記Z軸に沿って見たときに、円形リング状に形成されている、請求項1または2に記載のトルクセンサ。
【請求項4】
前記Z軸に沿って見たときに、前記第11構造体接続部と前記第22構造体接続部は、前記Z軸を中心とした半径方向に沿って配置されている、請求項3に記載のトルクセンサ。
【請求項5】
前記Z軸に沿って見たときに、前記第21構造体接続部と前記第12構造体接続部は、前記Z軸を中心とした半径方向に沿って配置されている、請求項3または4に記載のトルクセンサ。
【請求項6】
前記第1構造体と前記起歪体は、4つの前記第1構造体接続部で接続され、
4つの前記第1構造体接続部は、2つの前記第11構造体接続部と、2つの前記第12構造体接続部と、を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のトルクセンサ。
【請求項7】
前記起歪体と前記第2構造体は、4つの前記第2構造体接続部で接続され、
4つの前記第2構造体接続部は、2つの前記第21構造体接続部と、2つの前記第22構造体接続部と、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のトルクセンサ。
【請求項8】
前記起歪体は、2つの起歪体接続部を含み、
前記変位部は、2つの前記起歪体接続部の間に配置され、
一方の前記起歪体接続部に前記第11構造体接続部が接続されるとともに前記第22構造体接続部が接続され、
他方の前記起歪体接続部に前記第12構造体接続部が接続されるとともに前記第21構造体接続部が接続されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のトルクセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の回転軸まわりに作用したモーメント(トルク)を電気信号として出力するトルクセンサが知られている(例えば、特許文献1参照)。このトルクセンサは、産業用ロボットを初めとして、協働ロボット、生活支援ロボット、医療用ロボットおよびサービスロボット等の各種ロボットのトルク制御に幅広く利用されている。このため、高精度で高感度、そして低価格のトルクセンサが求められている。
【0003】
例えば、一般的なトルクセンサは、円形リング状の受力体と、円形リング状の起歪体と、円形リング状の支持体と、を備えている。受力体の内側に起歪体が配置され、起歪体の内側に支持体が配置されている。受力体、起歪体および支持体は、XY平面上に配置されており、起歪体は、受力体および支持体にそれぞれ接続されている。Z軸まわりのモーメントが受力体に作用すると、起歪体が半径方向に弾性変形する。この起歪体の弾性変形は、固定電極と変位電極とを有する静電容量素子で検出される。変位電極は、起歪体の外周面に取り付けられ、この変位電極に対向するように固定電極が受力体の内周面に取り付けられている。固定電極は、支持体の外周面に取り付けられる場合もあり、この場合には、変位電極は、起歪体の内周面に取り付けられる。
【0004】
このように構成されたトルクセンサにおいては、変位電極と固定電極は、対向面がXY平面に対して垂直になるように配置される。この場合、変位電極と固定電極との位置合わせが困難になり、トルクセンサの生産効率が低下し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、生産効率を向上させることができるトルクセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
XYZ三次元座標系におけるZ軸まわりのモーメントを検出するトルクセンサであって、
前記Z軸を中心に形成された第1構造体と、
前記Z軸を中心に形成された第2構造体と、
前記第1構造体と前記第2構造体との間に設けられた起歪体であって、前記第1構造体と前記第2構造体とを接続し、前記モーメントの作用により弾性変形を生じる起歪体と、
前記第1構造体と前記起歪体とを接続する2つの第1構造体Y軸接続部と、
前記起歪体と前記第2構造体とを接続する2つの第2構造体X軸接続部と、
検出素子と、
前記検出素子の検出結果に基づいて、前記モーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、を備え、
前記第1構造体Y軸接続部は、前記起歪体に対してY軸の正側および負側に配置され、
前記第2構造体X軸接続部は、前記第2構造体に対してX軸の正側および負側に配置され、
前記起歪体は、弾性変形によってZ軸方向に変位する変位部を含む4つの変形体を含み、
第1象限、第2象限、第3象限および第4象限の各々に、前記変形体が配置され、
前記検出素子は、各々の前記変形体の前記変位部の前記Z軸方向の変位により静電容量値の変化を検出する容量素子を含む、トルクセンサ、
を提供する。
【0008】
なお、上述したトルクセンサにおいて、
前記Z軸に沿って見たときに、前記第2構造体は、前記第1構造体の内側に配置されている、
ようにしてもよい。
【0009】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体Y軸接続部は、前記Y軸および前記Z軸に沿って延び、
前記第1構造体Y軸接続部のZ軸方向の寸法は、前記第1構造体Y軸接続部のY軸方向の寸法よりも大きく、
前記第2構造体X軸接続部は、前記X軸およびZ前記軸に沿って延び、
前記第2構造体X軸接続部のZ軸方向の寸法は、前記第2構造体X軸接続部のX軸方向の寸法よりも大きい、
ようにしてもよい。
【0010】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体と前記第2構造体とを接続する2つの第1構造体X軸接続部と、
前記起歪体と前記第2構造体とを接続する2つの第2構造体Y軸接続部と、を更に備え、
前記Z軸に沿って見たときに、前記第1構造体X軸接続部は、前記起歪体に対して前記X軸の正側および負側に配置されるとともに、前記第2構造体Y軸接続部は、前記第2構造体に対して前記Y軸の正側および負側に配置され、
前記第1構造体X軸接続部は、前記X軸に沿って延び、
前記第2構造体Y軸接続部は、前記Y軸に沿って延びている、
ようにしてもよい。
【0011】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体X軸接続部および前記第2構造体Y軸接続部は、前記Z軸に沿って延び、
前記第1構造体X軸接続部のZ軸方向の寸法は、前記第1構造体X軸接続部のX軸方向の寸法よりも大きく、
前記第2構造体Y軸接続部のZ軸方向の寸法は、前記第2構造体Y軸接続部のY軸方向の寸法よりも大きい、
ようにしてもよい。
【0012】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体X軸接続部のY軸方向の寸法は、前記第1構造体Y軸接続部のX軸方向の寸法よりも小さく、
前記第2構造体Y軸接続部のX軸方向の寸法は、前記第2構造体X軸接続部のY軸方向の寸法よりも小さい、
ようにしてもよい。
【0013】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記起歪体は、前記Z軸に沿って見たときに、円形リング状に形成されている、
ようにしてもよい。
【0014】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記起歪体のうち前記第1構造体Y軸接続部が接続された位置では、前記起歪体と前記第2構造体とは接続されておらず、
前記起歪体のうち前記第2構造体X軸接続部が接続された位置では、前記第1構造体と前記起歪体とは接続されていない、
ようにしてもよい。
【0015】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体X軸接続部のX軸方向の寸法は、前記第1構造体Y軸接続部のY軸方向の寸法よりも大きく、
前記第2構造体Y軸接続部のY軸方向の寸法は、前記第2構造体X軸接続部のX軸方向の寸法よりも大きい、
ようにしてもよい。
【0016】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記起歪体は、前記Z軸に沿って見たときに、前記Y軸に沿う長軸と、前記X軸に沿う短軸とを有するように楕円形リング状に形成されている、
ようにしてもよい。
【0017】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体Y軸接続部は、前記第1構造体と前記起歪体との接続位置に形成され、
前記第2構造体X軸接続部は、前記起歪体と前記第2構造体との接続位置に形成されている、
ようにしてもよい。
【0018】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記起歪体の外周面は、前記Z軸に沿って見たときに、前記Y軸に沿う長軸と、前記X軸に沿う短軸とを有するように楕円形状に形成されている、
ようにしてもよい。
【0019】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第2構造体の外周面は、前記Z軸に沿って見たときに、前記X軸に沿う長軸と、前記Y軸に沿う短軸とを有するように楕円形状に形成されている、
ようにしてもよい。
【0020】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体と前記起歪体とを接続する2つの第1構造体X軸接続部と、
前記起歪体と前記第2構造体とを接続する2つの第2構造体Y軸接続部と、を更に備え、
前記Z軸に沿って見たときに、前記第1構造体X軸接続部は、前記起歪体に対して前記X軸の正側および負側に配置されるとともに、前記第2構造体Y軸接続部は、前記第2構造体に対して前記Y軸の正側および負側に配置され、
前記第1構造体X軸接続部は、前記X軸に沿って延び、
前記第2構造体Y軸接続部は、前記Y軸に沿って延びている、
ようにしてもよい。
【0021】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第1構造体X軸接続部のY軸方向の寸法は、前記第1構造体Y軸接続部のX軸方向の寸法よりも小さく、
前記第2構造体Y軸接続部のX軸方向の寸法は、前記第2構造体X軸接続部のY軸方向の寸法よりも小さい、
ようにしてもよい。
【0022】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記起歪体のうち前記第1構造体Y軸接続部が接続された位置では、前記起歪体と前記第2構造体とは接続されておらず、
前記起歪体のうち前記第2構造体X軸接続部が接続された位置では、前記第1構造体と前記起歪体とは接続されていない、
ようにしてもよい。
【0023】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記第2構造体は、前記起歪体に対して前記Z軸の負側に配置されている、
ようにしてもよい。
【0024】
また、上述したトルクセンサにおいて、
前記起歪体は、前記第1構造体に対して前記Z軸の負側に配置されている、
ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態におけるトルクセンサを適用したロボットの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態におけるトルクセンサを示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図2の変形体および容量素子を示す断面図である。
【
図8】
図8は、
図2のトルクセンサにZ軸まわりのモーメントが作用した場合を示す平面図である。
【
図9】
図9は、
図6の容量素子の静電容量値が減少する様子を示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図6の容量素子の静電容量値が増大する様子を示す断面図である。
【
図15】
図15は、第2の実施の形態におけるトルクセンサを示す平面図である。
【
図17】
図17は、第3の実施の形態におけるトルクセンサを示す平面図である。
【
図19】
図19は、第4の実施の形態におけるトルクセンサを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0028】
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「等しい」等の用語や寸法、物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0029】
(第1の実施の形態)
まず、
図1~
図14を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるトルクセンサについて説明する。
【0030】
本実施の形態に係るトルクセンサについて説明する前に、当該トルクセンサのロボットへの適用例について
図1を参照して説明する。
図1は、本実施の形態におけるトルクセンサを適用したロボットの一例を示す斜視図である。
【0031】
図1に示すように、産業用ロボット1000は、ロボット本体1100と、エンドエフェクタ1200と、電気ケーブル1300と、制御部1400と、トルクセンサ1と、を有している。ロボット本体1100は、ロボットのアーム部を含んでいる。ロボット本体1100とエンドエフェクタ1200の間には、トルクセンサ1が設けられている。
【0032】
電気ケーブル1300は、ロボット本体1100の内部に延設されている。この電気ケーブル1300は、トルクセンサ1のコネクタ(図示せず)に接続されている。
【0033】
なお、
図1では、制御部1400はロボット本体1100の内部に配置されているが、他の場所(例えばロボット外部の制御盤)に配置されてもよい。また、トルクセンサ1のロボットへの装着態様は
図1に示すものに限られない。
【0034】
トルクセンサ1は、グリッパーとして機能するエンドエフェクタ1200に作用するモーメントを検出する。検出されたモーメントを示す電気信号は、電気ケーブル1300を介して産業用ロボット1000の制御部1400に送信される。制御部1400は、受信した電気信号に基づいてロボット本体1100およびエンドエフェクタ1200の動作を制御する。また、トルクセンサは、ロボット本体1100の図示しない関節に設けられていてもよい。この場合、関節を駆動するための駆動部に連結された減速機と並列に配置されていてもよい。
【0035】
なお、トルクセンサ1は、産業用ロボットに限られず、協働ロボット、生活支援ロボット、医療用ロボットおよびサービスロボット等の各種ロボットに適用可能である。
【0036】
以下、
図2~
図7を参照して本発明の実施の形態に係るトルクセンサについて説明する。
図2は、第1の実施の形態におけるトルクセンサを示す平面図である。
図3は、
図2のA-A線断面図である。
図4は、
図2のトルクセンサを示す斜視図である。
図5は、
図2の変形体を示す拡大平面図であり、
図6は、
図2の変形体および容量素子を示す断面図である。
図7は、
図2の各接続部を示す斜視図である。
【0037】
トルクセンサ1は、所定の回転軸まわりに作用したモーメント(トルク)を検出し、検出したモーメントを電気信号として出力する機能を有している。しかしながら、このことに限られることはなく、トルクセンサ1は、他の回転軸まわりに作用したモーメントを追加的に電気信号として出力する機能を有していてもよい。また、トルクセンサ1は、所定方向の力を追加的に電気信号として出力するように構成されていてもよい。
【0038】
本実施の形態では、XYZ三次元座標系におけるZ軸まわりのモーメントを検出するトルクセンサ1について説明する。以下の説明では、Z軸方向を上下方向とし、XY平面上に受力体10、支持体20および起歪体30が配置されるようにトルクセンサ1を配置した状態で説明を行う。本実施の形態におけるトルクセンサ1は、Z軸方向を上下方向とした姿勢で使用されることに限られることはない。
【0039】
トルクセンサ1は、
図2~
図4に示すように、受力体10と、支持体20と、起歪体30と、受力体Y軸接続部41と、支持体X軸接続部51と、検出素子60と、検出回路70と、を備えている。以下、各構成要素についてより詳細に説明する。受力体10は、第1構造体の一例であり、支持体20は、第2構造体の一例である。受力体Y軸接続部41は、第1構造体Y軸接続部の一例であり、支持体X軸接続部51は、第2構造体X軸接続部の一例である。
【0040】
受力体10は、Z軸を中心に形成されている。受力体10は、平板状に形成されていてもよい。Z軸に沿って見たときに、受力体10は、円形リング状に形成されていてもよい。
【0041】
受力体10は、検出対象となるモーメントの作用を受ける。この作用を受けることにより、受力体10は支持体20に対して相対移動する。上述した
図1の例で言えば、受力体10はエンドエフェクタ1200に固定されており、エンドエフェクタ1200からモーメントを受ける。受力体10は、
図3に示すように、エンドエフェクタ1200に固定される取合面10aを含んでいる。取合面10aは、受力体10のうちZ軸正側に配置されており、受力体10の上面(Z軸正側の面)に相当する。取合面10aは、起歪体30(後述する起歪体接続部32a~32d)の上面30aおよび支持体20の上面20aよりも、Z軸正側に配置されていてもよい。このことにより、エンドエフェクタ1200にトルクセンサ1を固定する場合に、エンドエフェクタ1200とトルクセンサ1とが干渉することを防止できる。起歪体30の上面30aと支持体20の上面20aは、Z軸方向において同じ位置に配置されていてもよい。起歪体30の上面30aと、後述する各接続部41、42、51、52の上面は、Z軸方向において同じ位置に配置されていてもよい。
【0042】
図2および
図4に示すように、支持体20は、Z軸を中心に形成されている。支持体20は、平板状に形成されていてもよい。Z軸に沿って見たときに、支持体20は、円形リング状に形成されていてもよい。支持体20の内側に、トルクセンサ1のセンサ開口2が形成されている。このセンサ開口2には、ロボットで用いられるケーブルおよびチューブが通される場合がある。支持体20は、Z軸に沿って見たときに、受力体10の内側に配置されており、受力体10に対して離間している。支持体20は、受力体10とともにXY平面上に配置されており、受力体10と同心に形成されていてもよい。
【0043】
支持体20は、受力体10を支持している。上述した
図1の例で言えば、支持体20はロボット本体1100(アーム部)の先端に固定されており、ロボット本体1100に支持される。支持体20は、
図3に示すように、ロボット本体1100に固定される取合面20bを含んでいる。取合面20bは、支持体20のうちZ軸負側に配置されており、支持体20の下面(Z軸負側の面)に相当する。取合面20bは、受力体10の下面10bおよび起歪体30(後述する起歪体接続部32a~32d)の下面30bよりも、Z軸負側に配置されていてもよい。また、後述するように、受力体10の下面10bに、後述する電極支持体80が設けられる場合には、取合面20bは、電極支持体80の下面80aよりもZ軸負側に配置されていてもよい。この場合、ロボット本体1100にトルクセンサ1を固定する場合に、ロボット本体1100とトルクセンサ1とが干渉することを防止できる。
【0044】
図2~
図4に示すように、起歪体30は、受力体10と支持体20との間に設けられている。本実施の形態においては、Z軸に沿って見たときに、起歪体30は、円形リング状に形成されていてもよい。起歪体30は、Z軸に沿って見たときに、受力体10の内側であって、支持体20の外側に配置されている。起歪体30は、受力体10に対して離間するとともに、支持体20に対して離間している。起歪体30は、受力体10と同心に形成されていてもよく、支持体20と同心に形成されていてもよい。起歪体30の幅(半径方向の寸法)は、全周にわたって一定であってもよい。
【0045】
起歪体30は、受力体10と支持体20を接続している。受力体10は、起歪体30を介して支持体20に支持されている。起歪体30は、受力体10がモーメントの作用を受けると、弾性変形するように構成されている。
【0046】
図2および
図4に示すように、起歪体30は、4つの変形体31a~31dを含んでいる。各変形体31a~31dは、モーメントの作用により弾性変形を生じるように構成されている。4つの変形体31a~31dは、第1象限に配置された第1変形体31aと、第2象限に配置された第2変形体31bと、第3象限に配置された第3変形体31cと、第4象限に配置された第4変形体31dと、を含んでいる。
【0047】
第1変形体31aおよび第3変形体31cは、第1象限と第3象限を通るとともにX軸およびY軸に対して45°をなす線L1上に配置されていてもよい。第1変形体31aおよび第3変形体31cの後述する各変形部33、34および変位部35は、当該線L1に平行に配置されていてもよい。第2変形体31bおよび第4変形体31dは、第2象限と第4象限を通るとともにX軸およびY軸に対して45°をなす線L2上に配置されていてもよい。第2変形体31bおよび第4変形体31dの後述する各変形部33、34および変位部35は、当該線L2に平行に配置されていてもよい。第1変形体31aおよび第2変形体31bは、X軸に対して、第4変形体31dおよび第3変形体31cと対称に配置されていてもよい。第1変形体31aおよび第4変形体31dは、Y軸に対して、第2変形体31bおよび第3変形体31cと対称に配置されていてもよい。各変形体31a~31dは、Z軸に沿って見たときに、原点Oに対して、点対称に配置されていてもよい。
【0048】
起歪体30は、4つの起歪体接続部32a~32dを含んでいる。各起歪体接続部32a~32dは、対応する2つの変形体31a~31dを接続している。4つの起歪体接続部32a~32dは、第1起歪体接続部32aと、第2起歪体接続部32bと、第3起歪体接続部32cと、第4起歪体接続部32dと、を含んでいる。第1起歪体接続部32aは、第1変形体31aと第2変形体31bとを接続している。第2起歪体接続部32bは、第2変形体31bと第3変形体31cとを接続している。第3起歪体接続部32cは、第3変形体31cと第4変形体31dとを接続している。第4起歪体接続部32dは、第4変形体31dと第1変形体31aとを接続している。
【0049】
図5および
図6に示すように、本実施の形態においては、各変形体31a~31dは、第1変形部33と、第2変形部34と、変位部35と、を含んでいる。第1変形部33は、対応する起歪体接続部32a~32dに接続されるとともに、第2変形部34は、対応する他の起歪体接続部32a~32dに接続されている。第1変形部33と第2変形部34との間に変位部35が配置されており、第1変形部33と第2変形部34とは、変位部35を介して接続されている。
【0050】
第1変形部33および第2変形部34は、板状に形成されており、半径方向で見たときに、起歪体接続部32a~32dよりも薄い厚みを有している。第1変形部33および第2変形部34は、板ばねとしての機能を有しており、容易に弾性変形可能になっている。変位部35も板状に形成されており、起歪体接続部32a~32dよりも薄い厚みを有している。第1変形部33の厚みと、第2変形部34の厚みと、変位部35の厚みは、等しくてもよい。あるいは、変位部35の厚みは、第1変形部33の厚みおよび第2変形部34の厚みよりも厚くてもよい。
【0051】
第1変形部33は、対応する起歪体接続部32a~32dの端面32e(
図6参照)のうち上端部から変位部35に向かって下方に延びている。例えば、第1変形体31aの第1変形部33は、第4起歪体接続部32dの端面32eのうち上端部から変位部35に向かって下方に延びている。第1変形部33は、半径方向で見たときに、Z軸に対して傾斜しており、直線状に延びている。第2変形部34は、対応する起歪体接続部32a~32dの端面32eのうち上端部から変位部35に向かって下方に延びている。例えば、第1変形体31aの第2変形部34は、第1起歪体接続部32aの端面32eのうち上端部から変位部35に向かって下方に延びている。第2変形部34は、半径方向で見たときに、Z軸に対して傾斜しており、直線状に延びている。
【0052】
変位部35は、Z軸に垂直に、すなわちXY平面に沿って配置されている。変位部35は、半径方向で見たときに、XY平面に沿うように直線状に形成されている。
図6に示すように、変位部35の下面35aは、起歪体接続部32a~32d(起歪体30)の下面30bよりもZ軸正側の位置に配置されていてもよい。変位部35は、第1変形部33および第2変形部34の弾性変形によって、Z軸方向に変位するように構成されている。
【0053】
図5に示すように、第1変形部33、第2変形部34および変位部35は、Z軸に沿って見たときに、湾曲状に形成されている。より具体的には、第1変形部33、第2変形部34および変位部35は、起歪体30の円形リング形状の一部を構成しており、円弧状に形成されている。第1変形部33、第2変形部34および変位部35は、受力体10または支持体20と同心に形成されていてもよい。
【0054】
図2~
図4に示すように、受力体Y軸接続部41は、受力体10と起歪体30とを接続している。受力体10と起歪体30とは、2つの受力体Y軸接続部41で接続されている。Z軸に沿って見たときに、受力体Y軸接続部41は、起歪体30に対してY軸の正側およびY軸の負側に配置されている。本実施の形態においては、起歪体30に対してY軸の正側の位置に、1つの受力体Y軸接続部41が配置されている。当該受力体Y軸接続部41が、受力体10と第1起歪体接続部32aとを接続している。Y軸の負側の位置に、他の1つの受力体Y軸接続部41が配置されている。当該受力体Y軸接続部41が、受力体10と第3起歪体接続部32cとを接続している。
【0055】
本実施の形態による受力体Y軸接続部41は、Y軸上に配置されており、Y軸に沿って延びている。本実施の形態においては、
図7に示すように、受力体Y軸接続部41は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。受力体Y軸接続部41のZ軸方向の寸法(
図7のLzに相当)は、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(
図2のP1y)よりも大きくなっている。
【0056】
図2~
図4に示すように、支持体X軸接続部51は、起歪体30と支持体20とを接続している。起歪体30と支持体20とは、2つの支持体X軸接続部51で接続されている。Z軸に沿って見たときに、支持体X軸接続部51は、支持体20に対してX軸の正側およびX軸の負側に配置されている。本実施の形態においては、X軸の正側の位置に、1つの支持体X軸接続部51が配置されている。当該支持体X軸接続部51が、支持体20と第4起歪体接続部32dとを接続している。X軸の負側の位置に、他の1つの支持体X軸接続部51が配置されている。当該支持体X軸接続部51が、支持体20と第2起歪体接続部32bとを接続している。
【0057】
本実施の形態による支持体X軸接続部51は、X軸上に配置されており、X軸に沿って延びている。本実施の形態においては、受力体Y軸接続部41と同様に、支持体X軸接続部51は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。支持体X軸接続部51のZ軸方向の寸法(
図7のLzに相当)は、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(
図2のQ1x)よりも大きくなっている。
【0058】
図2~
図4に示すように、本実施の形態におけるトルクセンサ1は、受力体X軸接続部42と、支持体Y軸接続部52と、を備えている。受力体X軸接続部42は、第1構造体X軸接続部の一例であり、支持体Y軸接続部52は、第2構造体Y軸接続部の一例である。
【0059】
受力体X軸接続部42は、受力体10と起歪体30とを接続している。受力体10と起歪体30とは、2つの受力体X軸接続部42で接続されている。Z軸に沿って見たときに、受力体X軸接続部42は、起歪体30に対してX軸の正側およびX軸の負側に配置されている。本実施の形態においては、起歪体30に対してX軸の正側の位置に、1つの受力体X軸接続部42が配置されている。当該受力体X軸接続部42が、受力体10と第4起歪体接続部32dとを接続している。X軸の負側の位置に、他の1つの受力体X軸接続部42が配置されている。当該受力体X軸接続部42が、受力体10と第2起歪体接続部32bとを接続している。
【0060】
本実施の形態による受力体X軸接続部42は、X軸上に配置されており、X軸に沿って延びている。本実施の形態においては、受力体Y軸接続部41と同様に、受力体X軸接続部42は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。受力体X軸接続部42のZ軸方向の寸法(
図7のLzに相当)は、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(
図2のP2x)よりも大きくなっている。
【0061】
図2に示すように、本実施の形態においては、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(
図2のP2y)は、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(
図2のP1x)よりも小さくなっている。言い換えると、Z軸に沿って見たときに、受力体X軸接続部42の幅が、受力体Y軸接続部41の幅よりも小さくなっている。なお、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)は、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)と等しくてもよい。
【0062】
図2~
図4に示すように、支持体Y軸接続部52は、起歪体30と支持体20とを接続している。起歪体30と支持体20とは、2つの支持体Y軸接続部52で接続されている。Z軸に沿って見たときに、支持体Y軸接続部52は、支持体20に対してY軸の正側およびY軸の負側に配置されている。本実施の形態においては、支持体20に対してY軸の正側の位置に、1つの支持体Y軸接続部52が配置されている。当該支持体Y軸接続部52が、支持体20と第1起歪体接続部32aとを接続している。Y軸の負側の位置に、他の1つの支持体Y軸接続部52が配置されている。当該支持体Y軸接続部52が、支持体20と第3起歪体接続部32cとを接続している。
【0063】
本実施の形態による支持体Y軸接続部52は、Y軸上に配置されており、Y軸に沿って延びている。本実施の形態においては、受力体Y軸接続部41と同様に、支持体Y軸接続部52は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。支持体Y軸接続部52のZ軸方向の寸法(
図7のLzに相当)は、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(
図2のQ2y)よりも大きくなっている。
【0064】
本実施の形態においては、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)は、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっている。言い換えると、Z軸に沿って見たときに、支持体Y軸接続部52の幅が、支持体X軸接続部51の幅よりも小さくなっている。なお、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)は、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)と等しくてもよい。
【0065】
図6に示すように、検出素子60は、上述した各変形体31a~31dの変位部35のZ軸方向の変位を検出するように構成されている。検出素子60は、上述した4つの変形体31a~31dに生じた弾性変形を検出する。検出素子60は、静電容量を検出する素子として構成されている。より具体的には、
図2に示すように、検出素子60は、第1容量素子61aと、第2容量素子61bと、第3容量素子61cと、第4容量素子61dと、を含んでいる。第1容量素子61aは、第1変形体31aの弾性変形によって生じた変位部35のZ軸方向の変位を検出する。第2容量素子61bは、第2変形体31bの弾性変形によって生じた変位部35のZ軸方向の変位を検出する。第3容量素子61cは、第3変形体31cの弾性変形によって生じた変位部35のZ軸方向の変位を検出する。第4容量素子61dは、第4変形体31dの弾性変形によって生じた変位部35のZ軸方向の変位を検出する。
【0066】
図6に示すように、各容量素子61a~61dは、変位電極62と、固定電極63と、を含んでいる。変位電極62は、変位部35の下面35aに設けられている。変位部35が導電性材料で形成されている場合には、変位部35と変位電極62との間に絶縁層64が介在されていてもよい。固定電極63は、後述する電極支持体80の上面80bに設けられている。電極支持体80が導電性材料で形成されている場合には、電極支持体80と固定電極63との間に絶縁層65が介在されていてもよい。変位電極62と固定電極63は、互いに離間するとともに、互いに対向している。このことにより、変位電極62と固定電極63との間の静電容量が検出可能になっている。変位電極62が、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向に変位した場合であっても、Z軸に沿って見たときに、変位電極62が全体として固定電極63に重なっていてもよい。このことにより、変位電極62が変位した場合であっても、変位電極62と固定電極63との対向面積が変化することを抑制することができる。このため、静電容量値の変化に、対向面積の変化が影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0067】
図3および
図6に示すように、各容量素子61a~61dの固定電極63は、電極支持体80に支持されている。より具体的には、固定電極63は、電極支持体80の上面80bに設けられている。電極支持体80は、図示しないボルト等を用いて支持体20に取り付けられていてもよい。このことにより、受力体10にモーメントMzが作用した場合であっても、電極支持体80が変位することを抑制することができる。電極支持体80は、Z軸に沿って見たときに、円形リング状に形成されていてもよい。なお、
図3においては、便宜上、受力体10の下面10bに電極支持体80の上面80bが接している。しかしながら、受力体10と電極支持体80との間に隙間が形成されていてもよい。あるいは、受力体10と電極支持体80との間に、後述するパッキン84(
図14参照)が介在されていてもよい。
【0068】
図3に示すように、検出回路70は、検出素子60の検出結果に基づいて、モーメントを示す電気信号を出力するように構成されている。この検出回路70は、例えばマイクロプロセッサにより構成された演算機能を有していてもよい。また、検出回路70は、上述した検出素子60から受信したアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換機能や、信号を増幅する機能を有してもよい。検出回路70は、電気信号を出力する端子を含んでいてもよく、この端子から電気ケーブル1300(
図1参照)を介して上述した制御部1400に電気信号が送信される。
【0069】
次に、このような構成からなる本実施の形態におけるトルクセンサ1に作用するモーメントを検出する方法について、
図8~
図10を用いて説明する。
図8は、本実施の形態におけるトルクセンサ1にZ軸まわりのモーメントが作用した場合を示す平面図である。
図9は、
図6の容量素子の静電容量値が減少する様子を示す断面図であり、
図10は、
図6の容量素子の静電容量値が増大する様子を示す断面図である。
【0070】
図2に示すトルクセンサ1の受力体10がZ軸まわりのモーメントMzの作用を受けると、各変形体31a~31dの第1変形部33および第2変形部34が弾性変形し、変位部35にZ軸方向の変位が生じる。このため、検出素子60の各変位電極62と対応する固定電極63との間の距離が変化し、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化する。この静電容量値の変化が、起歪体30に生じた変位として検出素子60で検出される。各容量素子61a~61dの静電容量値の変化は異なり得る。このため、検出回路70は、検出素子60で検出された各容量素子61a~61dの静電容量値の変化に基づいて、受力体10に作用したモーメントMzの大きさを検出することができる。
【0071】
図2のトルクセンサ1の受力体10に、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合について、より詳細に説明する。ここでは、Z軸方向正側に向かって時計回りのモーメントMzが作用した場合について説明する。
【0072】
図2に示すように、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)が、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(P1x)よりも小さくなっている。このことにより、モーメントMzが作用した場合、受力体Y軸接続部41よりも受力体X軸接続部42が、ばね定数が小さくなり、弾性変形しやすくなる。受力体Y軸接続部41は、ばね定数が大きくなり、実質的に剛体として機能する。また、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)が、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、支持体X軸接続部51よりも支持体Y軸接続部52が、ばね定数が小さくなり、弾性変形しやすくなる。支持体X軸接続部51は、ばね定数が大きくなり、実質的に剛体として機能する。
【0073】
第1容量素子61aの静電容量値の変化について説明する。第1起歪体接続部32aは、受力体Y軸接続部41を介して受力体10に接続されているとともに、支持体Y軸接続部52を介して支持体20に接続されている。このことにより、
図8に示すように、第1起歪体接続部32aが、受力体Y軸接続部41に支持されて、モーメントMzの作用方向に変位する。一方、第4起歪体接続部32dは、支持体X軸接続部51を介して支持体20に接続されているとともに、受力体X軸接続部42を介して受力体10に接続されている。このことにより、第4起歪体接続部32dは、支持体X軸接続部51に支持されて、実質的に変位しない。このため、第1変形体31aに引張力が与えられ、
図9に示すように、第1変形体31aの変位部35がZ軸正側に変位する。この場合、第1容量素子61aを構成する変位電極62と固定電極63との電極間距離が増大し、第1容量素子61aの静電容量値が減少する。
【0074】
第2容量素子61bの静電容量値の変化について説明する。
図8に示すように、第1起歪体接続部32aは、受力体Y軸接続部41に支持されて、モーメントMzの作用方向に変位する。一方、第2起歪体接続部32bは、支持体X軸接続部51を介して支持体20に接続されているとともに、受力体X軸接続部42を介して受力体10に接続されている。このことにより、第2起歪体接続部32bは、支持体X軸接続部51に支持されて、実質的に変位しない。このため、第2変形体31bに圧縮力が与えられ、
図10に示すように、第2変形体31bの変位部35がZ軸負側に変位する。この場合、第2容量素子61bを構成する変位電極62と固定電極63との電極間距離が減少し、第2容量素子61bの静電容量値が増大する。
【0075】
同様にして、
図8に示すように、第3変形体31cに引張力が与えられ、
図9に示すように、第3変形体31cの変位部35がZ軸正側に変位する。この場合、第3容量素子61cを構成する変位電極62と固定電極63との電極間距離が増大し、第3容量素子61cの静電容量値が減少する。また、
図8に示すように、第4変形体31dに圧縮力が与えられ、
図10に示すように、第4変形体31dの変位部35がZ軸負側に変位する。この場合、第4容量素子61dを構成する変位電極62と固定電極63との電極間距離が減少し、第4容量素子61dの静電容量値が増大する。
【0076】
受力体10に作用したモーメントMzは、
Mz=-ΔC1+ΔC2-ΔC3+ΔC4
で検出される。なお、以下の式では、便宜上、モーメントと静電容量値の変化量とを「=」で結んでいる。しかしながら、モーメントと、静電容量値とは互いに異なる物理量であるため、実際には、静電容量値の変化量を変換することにより、モーメントが算出される。上記式中のΔC1は、第1容量素子61aの静電容量値の変化量を示し、ΔC2は、第2容量素子61bの静電容量値の変化量を示している。ΔC3は、第3容量素子61cの静電容量値の変化量を示し、ΔC4は、第4容量素子61dの静電容量値の変化量を示している。
【0077】
ニュートラル状態における第1容量素子61aの静電容量値をC01とし、モーメントMzが受力体10に作用したときの第1容量素子61aの静電容量値をC1とすると、
C1=C01+ΔC1
で表される。同様にして、
C2=C02+ΔC2
C3=C03+ΔC3
C4=C04+ΔC4
で表される。C01~C04が同一である場合には、モーメントMzは、
Mz=-C1+C2-C3+C4
としてもよい。C01~C04は相殺されるからである。ニュートラル状態とは、受力体10に、力もモーメントも作用していない状態を意味する。
【0078】
このようにして、本実施の形態におけるトルクセンサ1は、上述したZ軸まわりのモーメントMzを効果的に検出することができる。しかしながら、本実施の形態におけるトルクセンサ1は、モーメントMz以外の力またはモーメントを検出することには適していない。このことについて、以下に説明する。
【0079】
(Fxが作用した場合)
図2のトルクセンサ1の受力体10にX軸方向正側に力Fxが作用した場合、X軸の正側に位置する受力体X軸接続部42と、X軸正側に位置する支持体X軸接続部51に、引張力が与えられる。X軸の負側に位置する受力体X軸接続部42と、X軸の負側に位置する支持体X軸接続部51に、圧縮力が与えられる。しかしながら、各受力体X軸接続部42と各支持体X軸接続部51は、X軸に沿って延びているため、X軸方向の力に対してばね定数が大きく、実質的に剛体として機能する。このため、起歪体30が弾性変形することを抑制でき、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制できる。受力体10にX軸方向負側に力Fxが作用した場合も同様に、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制できる。本実施の形態のように起歪体30が円形リング状に形成されている場合、力Fxに対して起歪体30が弾性変形することをより一層抑制できる。
【0080】
(Fyが作用した場合)
図2のトルクセンサ1の受力体10にY軸方向正側に力Fyが作用した場合について説明する。Fxが作用した場合と同様に、各受力体Y軸接続部41と各支持体Y軸接続部52は、Y軸に沿って延びているため、Y軸方向の力Fyに対してばね定数が大きく、実質的に剛体として機能する。このため、力Fyが作用した場合であっても、起歪体30が弾性変形することを抑制でき、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制できる。
【0081】
(Fzが作用した場合)
図2のトルクセンサ1の受力体10にZ軸方向の力Fzが作用した場合について説明する。上述したように、各受力体Y軸接続部41のZ軸方向の寸法が、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きく、各受力体X軸接続部42のZ軸方向の寸法が、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)よりも大きくなっている。また、各支持体X軸接続部51のZ軸方向の寸法が、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きく、各支持体Y軸接続部52のZ軸方向の寸法が、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y))よりも大きくなっている。このことにより、各接続部41、42、51、52は、Z軸方向の力に対してばね定数が大きく、実質的に剛体として機能する。支持体20に支持体X軸接続部51および支持体Y軸接続部52が接続されていることにより、起歪体30は、支持体20に対してZ軸方向に変位することが抑制される。起歪体30に受力体Y軸接続部41および受力体X軸接続部42が接続されていることにより、受力体10は、起歪体30に対してZ軸方向に変位することが抑制される。このため、受力体10に力Fzが作用した場合であっても、起歪体30が弾性変形することを抑制でき、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制できる。本実施の形態のように起歪体30が円形リング状に形成されている場合、力Fzに対して起歪体30が弾性変形することをより一層抑制できる。
【0082】
(Mxが作用した場合)
図2のトルクセンサ1の受力体10にX軸まわりのモーメントMxが作用した場合について説明する。この場合、各受力体X軸接続部42および各支持体X軸接続部51には、X軸まわりの捻じり力が作用する。各受力体Y軸接続部41および各支持体Y軸接続部52には、Z軸方向の曲げモーメントが作用する。しかしながら、各受力体Y軸接続部41および各支持体Y軸接続部52は、Z軸方向の力に対してばね定数が大きく、実質的に剛体として機能する。このため、受力体10にモーメントMxが作用した場合であっても、起歪体30が弾性変形することを抑制でき、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制できる。本実施の形態のように起歪体30が円形リング状に形成されている場合、モーメントMxに対して起歪体30が弾性変形することをより一層抑制できる。
【0083】
(Myが作用した場合)
図2のトルクセンサ1の受力体10にY軸まわりのモーメントMyが作用した場合について説明する。Mxが作用した場合と同様に、各受力体X軸接続部42および各支持体X軸接続部51は、Z軸方向の力に対してばね定数が大きく、実質的に剛体として機能する。このため、受力体10にモーメントMyが作用した場合であっても、起歪体30が弾性変形することを抑制でき、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制できる。本実施の形態のように起歪体30が円形リング状に形成されている場合、モーメントMyに対して起歪体30が弾性変形することをより一層抑制できる。
【0084】
以上により、本実施の形態によるトルクセンサ1は、Z軸まわりのモーメントMz以外の力またはモーメントを検出することに適していない。このため、Z軸まわりのモーメントMzを精度良く検出することができる。
【0085】
このように本実施の形態によれば、受力体10と起歪体30とを接続する受力体Y軸接続部41が、起歪体30に対してY軸の正側および負側に配置されるとともに、起歪体30と支持体20とを接続する支持体X軸接続部51が、支持体20に対してX軸の正側および負側に配置されている。起歪体30は、弾性変形によってZ軸方向に変位する変位部35を含む4つの変形体31a~31dを含み、検出素子60が、各々の変形体31a~31dの変位部35のZ軸方向の変位により静電容量値の変化を検出する容量素子61a~61dを含んでいる。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが受力体10に作用した場合には、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに引張力または圧縮力を与えることができる。このため、各変形体31a~31dの変位部35をZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dを構成する変位電極62と固定電極63とを、Z軸方向で対向させるように配置させることができる。この場合、変位電極62と固定電極63の対向面をXY平面に沿うように配置することができ、変位電極62と固定電極63との位置合わせを容易化させることができる。また、電極支持体80上に配置された4つの固定電極63を、共通の固定電極に一体化させることもでき、この場合においても、変位電極62と固定電極63との位置合わせを容易化させることができる。この結果、トルクセンサ1の生産効率を向上させることができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、Z軸に沿って見たときに、支持体20は、受力体10の内側に配置されている。このことにより、受力体10と起歪体30と支持体20とをXY平面に沿うように配置することができる。このため、トルクセンサ1の厚み(Z軸方向寸法)を小さくすることができ、トルクセンサ1を薄く形成することができる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、受力体Y軸接続部41のZ軸方向の寸法は、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくなっている。また、支持体X軸接続部51のZ軸方向の寸法は、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きくなっている。このことにより、受力体Y軸接続部41および支持体X軸接続部51を、Z軸方向の力に対して実質的に剛体として機能させることができる。このため、受力体10にZ軸方向の力Fzが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。同様に、受力体10にX軸まわりのモーメントMxおよびY軸まわりのモーメントMyが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。このため、力Fz、モーメントMxまたはモーメントMyが作用した場合であっても、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、力Fz、モーメントMxおよびモーメントMyを検出することを抑制できる。
【0088】
また、本実施の形態によれば、受力体10と起歪体30とを接続する受力体X軸接続部42が、起歪体30に対してX軸の正側および負側に配置されている。起歪体30と支持体20とを接続する支持体X軸接続部51が、支持体20に対してX軸の正側および負側にそれぞれ配置されている。受力体X軸接続部42および支持体X軸接続部51は、X軸に沿ってそれぞれ延びている。このことにより、受力体10にX軸方向の力Fxが作用した場合であっても、受力体X軸接続部42および支持体X軸接続部51が実質的に剛体として機能することができ、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。このため、X軸方向の力Fxが作用した場合であっても、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、力Fxを検出することを抑制できる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、受力体10と起歪体30とを接続する受力体Y軸接続部41が、起歪体30に対してY軸の正側および負側に配置されている。起歪体30と支持体20とを接続する支持体Y軸接続部52が、支持体20に対してY軸の正側および負側に配置されている。受力体Y軸接続部41および支持体Y軸接続部52は、Y軸に沿ってそれぞれ延びている。このことにより、受力体10にY軸方向の力Fyが作用した場合であっても、受力体Y軸接続部41および支持体Y軸接続部52が実質的に剛体として機能することができ、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。このため、Y軸方向の力Fyが作用した場合であっても、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、力Fyを検出することを抑制できる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、受力体X軸接続部42のZ軸方向の寸法は、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)よりも大きくなっている。また、支持体Y軸接続部52のZ軸方向の寸法は、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)よりも大きくなっている。このことにより、受力体X軸接続部42および支持体Y軸接続部52を、Z軸方向の力に対して実質的に剛体として機能させることができる。このため、受力体10にZ軸方向の力Fzが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することをより一層抑制できる。同様に、受力体10にX軸まわりのモーメントMxおよびY軸まわりのモーメントMyが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することをより一層抑制できる。このため、力Fz、モーメントMxまたはモーメントMyが作用した場合であっても、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することをより一層抑制でき、力Fz、モーメントMxおよびモーメントMyを検出することをより一層抑制できる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)が、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法)(P1x)よりも小さくなっているとともに、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)が、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、受力体Y軸接続部41および支持体X軸接続部51を実質的に剛体として機能させることができるとともに、受力体X軸接続部42および支持体Y軸接続部52を容易に弾性変形させることができる。このため、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに、引張力または圧縮力を容易に与えることができる。この結果、各変形体31a~31dの各変位部35を容易にZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dの静電容量値の変化を容易に検出することができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、起歪体30は、Z軸に沿って見たときに、円形リング状に形成されている。このことにより、各変形体31a~31dを互いに接続することができる。このため、Z軸まわりのモーメントMz以外の力またはモーメントが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。この結果、モーメントMz以外の力またはモーメントが作用した場合であっても、容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、モーメントMz以外の力またはモーメントを検出することを抑制できる。
【0093】
なお、上述した本実施の形態においては、受力体10と起歪体30が、受力体X軸接続部42で接続されるとともに、起歪体30と支持体20が、支持体Y軸接続部52で接続されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。
【0094】
例えば、
図11に示すように、起歪体30のうち受力体Y軸接続部41が接続された位置では、起歪体30と支持体20とは接続されていなくてもよい。すなわち、第1起歪体接続部32aおよび第3起歪体接続部32cは、支持体20と、
図2に示すような支持体Y軸接続部52で接続されていなくてもよい。また、起歪体30のうち支持体X軸接続部51で接続された位置では、受力体10と起歪体30とが接続されていなくてもよい。すなわち、第2起歪体接続部32bおよび第4起歪体接続部32dは、受力体10と、
図2に示すような受力体X軸接続部42で接続されていなくてもよい。
図11は、
図2のトルクセンサの変形例を示す平面図である。
【0095】
図11に示すトルクセンサ1においても、受力体10と起歪体30が受力体Y軸接続部41で接続されるとともに、起歪体30と支持体20が支持体X軸接続部51で接続されている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合には、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに、引張力または圧縮力を与えることができる。このため、各変形体31a~31dの変位部35をZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dを構成する変位電極62と固定電極63とを、Z軸方向で対向させるように配置させることができる。この場合、変位電極62と固定電極63の対向面をXY平面に沿うように配置することができ、変位電極62と固定電極63との位置合わせを容易化させることができる。この結果、トルクセンサ1の生産効率を向上させることができる。
【0096】
このように
図11に示す変形例によれば、起歪体30のうち受力体Y軸接続部41が接続された位置では、起歪体30と支持体20とは接続されておらず、起歪体30のうち支持体X軸接続部51が接続された位置では、受力体10と起歪体30とは接続されていない。このことにより、トルクセンサ1の生産効率を向上させながら、トルクセンサ1の構造を簡素化させることができ、低価格化を図ることができる。
【0097】
また、上述した本実施の形態においては、起歪体30に対してY軸の正側およびY軸の負側に、1つの受力体Y軸接続部41がそれぞれ配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。
【0098】
例えば、
図12に示すように、各受力体Y軸接続部41が、2つの受力体Y軸分割部41aを含んでいてもよい。
図12は、
図2のトルクセンサの他の変形例を示す平面図である。
【0099】
図12に示す変形例においては、起歪体30に対してY軸の正側およびY軸の負側に、2つの受力体Y軸分割部41aがそれぞれ配置される。受力体Y軸分割部41aは、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されていてもよい。受力体Y軸分割部41aのX軸方向の寸法は、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)よりも大きくてもよい。1つの受力体Y軸接続部41を構成する2つの受力体Y軸分割部41aは、X軸方向に互いに離間しており、互いに平行であってもよい。1つの受力体Y軸接続部41を構成する2つの受力体Y軸分割部41aは、Y軸に対して対称に配置されていてもよい。すなわち、当該2つの受力体Y軸分割部41aのうちの一方が、Y軸に対してX軸の正側に配置され、他方が、Y軸に対してX軸の負側に配置されている。なお、1つの受力体Y軸接続部41を構成する2つの受力体Y軸分割部41aは、Y軸に対して非対称に配置されていてもよい。当該2つの受力体Y軸分割部41aは、Y軸に対するX軸の正側および負側のうちの一方に配置されて、他方に配置されていなくてもよい。受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(
図12のP1x)は、
図12に示すように、2つの受力体Y軸分割部41aのX軸方向の寸法であってもよい。
【0100】
同様に、
図12に示すように、各支持体X軸接続部51が、2つの支持体X軸分割部51aを含んでいてもよい。
【0101】
図12に示す変形例においては、起歪体30に対してX軸の正側およびX軸の負側に、2つの支持体X軸分割部51aがそれぞれ配置される。支持体X軸分割部51aは、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されていてもよい。支持体X軸分割部51aのY軸方向の寸法は、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)よりも大きくてもよい。1つの支持体X軸接続部51を構成する2つの支持体X軸分割部51aは、Y軸方向に互いに離間しており、互いに平行であってもよい。1つの支持体X軸接続部51を構成する2つの支持体X軸分割部51aは、X軸に対して対称に配置されていてもよい。すなわち、当該2つの支持体X軸分割部51aのうちの一方が、X軸に対してY軸の正側に配置され、他方が、X軸に対してY軸の負側に配置されている。なお、1つの支持体X軸接続部51を構成する2つの支持体X軸分割部51aは、X軸に対して非対称に配置されていてもよい。当該2つの支持体X軸分割部51aは、X軸に対するY軸の正側および負側のうちの一方に配置されて、他方に配置されていなくてもよい。支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(
図12のQ1y)は、
図12に示すように、2つの支持体X軸分割部51aのY軸方向の寸法であってもよい。
【0102】
このように
図12に示す変形例によれば、受力体Y軸接続部41が、2つの受力体Y軸分割部41aを含んでいる。このことにより、受力体10にZ軸まわりのモーメントMzが作用した場合に、受力体Y軸接続部41の剛性を増大させることができる。このため、起歪体30の各変形体31a~31dの各変位部35をZ軸方向に変位させやすくすることができ、容量素子61a~61dの静電容量値の変化を検出させやすくすることができる。
【0103】
また、
図12に示す変形例によれば、支持体X軸接続部51が、2つの支持体X軸分割部51aを含んでいる。このことにより、受力体10にZ軸まわりのモーメントMzが作用した場合に、支持体X軸接続部51の剛性を増大させることができる。このため、起歪体30の各変形体31a~31dの各変位部35をZ軸方向に変位させやすくすることができ、容量素子61a~61dの静電容量値の変化を検出させやすくすることができる。
【0104】
なお、
図12に示す変形例においては、各受力体Y軸接続部41は、3つ以上の受力体Y軸分割部41aを含んでいてもよい。同様に、各支持体X軸接続部51は、3つ以上の支持体X軸分割部51aを含んでいてもよい。
【0105】
また、
図12に示す変形例においては、
図11に示す変形例のように、受力体10と起歪体30とは、受力体X軸接続部42で接続されていなくてもよい。起歪体30と支持体20とは、支持体Y軸接続部52で接続されていなくてもよい。
【0106】
また、上述した本実施の形態においては、変形体31a~31dが、第1変形部33と第2変形部34と変位部35とを含んでおり、第1変形部33および第2変形部34が、半径方向で見たときに、Z軸に対して傾斜しており、直線状に延びている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。
【0107】
例えば、
図13Aに示すように、変形体31a~31dは、半径方向で見たときに、Z軸負側に向かって凸となるように連続状に湾曲していてもよい。
図13Aは、
図6の変形体の変形例を示す断面図である。
【0108】
図13Aに示す変形例においても、受力体10にモーメントMzが作用した場合に、各変形体31a~31dに引張力または圧縮力を与えることができる。このため、各変形体31a~31dの変位部35をZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dを構成する変位電極62と固定電極63とを、Z軸方向で対向させるように配置させることができる。
図13Aに示す変形例においては、第1変形部33および第2変形部34は、半径方向で見たときに湾曲している。変位部35は、半径方向で見たときに、
図6に示す変位部35と同様に直線状に形成されていてもよい。しかしながら、
図13Aに示すように、変位部35は、半径方向で見たときに湾曲していてもよい。この場合、変位部35に、変位電極62を取り付けるための座36が設けられていてもよい。
【0109】
図13Aに示す変形例によれば、第1変形部33の応力集中および第2変形部34の応力集中を緩和することができ、トルクセンサ1の信頼性を向上することができる。
【0110】
更に、例えば、
図13Bに示すように、第1変形部33の下面33aと起歪体接続部32a~32dの端面32eが、湾曲面37で接続されていてもよい。湾曲面37は、半径方向で見たときに、Z軸正側に向かって凸となるように湾曲している。この場合、第1変形部33の応力集中をより一層緩和することができる。第2変形部34の下面34aと起歪体接続部32a~32dの端面32eも同様に、湾曲面38で接続されていてもよい。
図13Bは、
図6の変形体の他の変形例を示す断面図である。
【0111】
また、上述した本実施の形態によるトルクセンサ1は、カバー81を更に備えていてもよい。例えば、
図14に示すように、受力体10の内周面10cに、カバー81が取り付けられていてもよい。
図14は、
図3のトルクセンサの変形例を示す断面図であって、
図2のA-A線断面に相当する図である。
【0112】
カバー81は、図示しないボルト等で受力体10に取り付けられていてもよい。カバー81は、カバー開口81aを有していてもよい。カバー81は、Z軸に沿って見たときに円形リング状に形成されていてもよい。この場合、トルクセンサ1のセンサ開口2が塞がれることを防止でき、ロボットで用いられるケーブルおよびチューブをセンサ開口2に通すことができる。
【0113】
図14に示すように、カバー81と支持体20との間に、パッキン82が介在されていてもよい。この場合、カバー81と支持体20との間の隙間から受力体10と支持体20との間の空間83に、ゴミ等の異物が侵入することを防止でき、トルクセンサ1の信頼性を向上させることができる。パッキン82は、モーメントMzが作用したときに、受力体10と支持体20との間の相対変位を阻害しない程度に柔らかい材料であってもよい。パッキン82は、例えば、シリコーンゴムで作製されていてもよい。パッキン82は、Z軸に沿って見たときに、支持体20と同様に円形リング状に形成されていてもよい。
【0114】
また、
図14に示すように、受力体10と電極支持体80との間に、パッキン84が介在されていてもよい。この場合、受力体10と電極支持体80との間の隙間から受力体10と支持体20との間の空間83に、ゴミ等の異物が侵入することを抑制でき、トルクセンサ1の信頼性を向上させることができる。パッキン84は、モーメントMzが作用したときに、受力体10と支持体20との間の相対変位を阻害しない程度に柔らかい材料であってもよい。パッキン84は、例えば、シリコーンゴムで作製されていてもよい。パッキン84は、Z軸に沿って見たときに、受力体10と同様に円形リング状に形成されていてもよい。
【0115】
また、上述した本実施の形態においては、Z軸に沿って見たときに、支持体20が、受力体10の内側に配置され、受力体10が第1構造体に相当するとともに支持体20が第2構造体に相当する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、Z軸に沿って見たときに、受力体10が、支持体20の内側に配置されて、受力体10が第2構造体に相当するとともに支持体20が第1構造体に相当するようにしてもよい。この場合においても、起歪体30は、受力体10と支持体20との間に配置されてもよい。
【0116】
(第2の実施の形態)
次に、
図15および
図16を用いて、本発明の第2の実施の形態におけるトルクセンサについて説明する。
【0117】
図15および
図16に示す第2の実施の形態においては、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2X)が、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1Y)よりも大きく、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2Y)が、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1X)よりも大きくなっている点が主に異なり、他の構成は、
図1~
図14に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図15および
図16において、
図1~
図14に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0118】
本実施の形態によるトルクセンサ1について、
図15を参照して説明する。
図15は、第2の実施の形態におけるトルクセンサを示す平面図である。
【0119】
本実施の形態によるトルクセンサ1においては、
図15に示すように、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)は、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくなっている。言い換えると、Z軸に沿って見たときに、受力体X軸接続部42の長さが、受力体Y軸接続部41の長さよりも長くなっている。
図15においては、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)は、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(P1x)と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、
図2に示すように、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)は、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(P1x)よりも小さくなっていてもよい。
【0120】
同様に、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)は、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きくなっている。言い換えると、Z軸に沿って見たときに、支持体Y軸接続部52の長さが、支持体X軸接続部51の長さよりも長くなっている。
図15においては、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)は、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、
図2に示すように、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)は、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっていてもよい。
【0121】
図15に示すように、起歪体30は、Z軸に沿って見たときに、Y軸に沿う長軸と、X軸に沿う短軸と、を有するように楕円形リング状に形成されていてもよい。この場合においても、受力体10、起歪体30および支持体20は、同心に形成されていていてもよい。起歪体30の幅は、全周にわたって一定であってもよい。なお、本実施の形態においては、各変形体31a~31dは、Z軸に沿って見たときに、起歪体30に沿う方向において、対応する受力体Y軸接続部41(または支持体Y軸接続部52)と対応する受力体X軸接続部42(または支持体X軸接続部51)との中間点に位置していてもよい。
【0122】
起歪体30のうち受力体Y軸接続部41が接続されている位置は、支持体20よりも受力体10に近い位置に配置されている。また、起歪体30のうち支持体X軸接続部51が接続されている位置は、受力体10よりも支持体20に近い位置に配置されている。このようにして、起歪体30のうち受力体Y軸接続部41が接続されている位置は、受力体X軸接続部42が接続されている位置よりも、受力体10に近い位置に配置されている。このことにより、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)を、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくすることができる。また、起歪体30のうち支持体X軸接続部51が接続されている位置は、支持体Y軸接続部52が接続されている位置よりも、支持体20に近い位置に配置されている。このことにより、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)を、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きくすることができる。
【0123】
上述したように、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)が、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくなっている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、受力体Y軸接続部41よりも受力体X軸接続部42が、ばね定数が小さくなり、弾性変形しやすくなる。受力体Y軸接続部41は、ばね定数が大きくなり、実質的に剛体として機能する。また、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)が、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きくなっている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、支持体X軸接続部51よりも支持体Y軸接続部52が、ばね定数が小さくなり、弾性変形しやすくなる。支持体X軸接続部51は、ばね定数が大きくなり、実質的に剛体として機能する。
【0124】
Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合には、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに、
図8に示すような引張力または圧縮力を与えることができる。このため、各変形体31a~31dの変位部35をZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dを構成する変位電極62と固定電極63とを、Z軸方向で対向させるように配置させることができる。この場合、変位電極62と固定電極63の対向面をXY平面に沿うように配置することができ、変位電極62と固定電極63との位置合わせを容易化させることができる。この結果、トルクセンサ1の生産効率を向上させることができる。
【0125】
このように本実施の形態によれば、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)は、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくなっているとともに、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)は、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きくなっている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、受力体Y軸接続部41および支持体X軸接続部51を実質的に剛体として機能させることができるとともに、受力体X軸接続部42および支持体Y軸接続部52を容易に弾性変形させることができる。このため、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに、引張力または圧縮力を容易に与えることができる。この結果、各変形体31a~31dの各変位部35を容易にZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dの静電容量値の変化を容易に検出することができる。
【0126】
また、本実施の形態によれば、起歪体30は、Z軸に沿って見たときに、Y軸に沿う長軸と、X軸に沿う短軸と、を有するように楕円形リング状に形成されている。このことにより、各変形体31a~31dを互いに接続することができる。このため、Z軸まわりのモーメントMz以外の力またはモーメントが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。この結果、モーメントMz以外の力またはモーメントが作用した場合であっても、容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、モーメントMz以外の力またはモーメントを検出することを抑制できる。また、起歪体30が上述のように楕円形リング状に形成されていることにより、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)は、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくすることができるとともに、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)は、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きくすることができる。
【0127】
なお、上述した本実施の形態においては、起歪体30は、Z軸に沿って見たときに、Y軸に沿う長軸と、X軸に沿う短軸と、を有するように楕円形リング状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。
【0128】
例えば、
図16に示すように、起歪体30は、Z軸に沿って見たときに、円形リング状に形成されて、受力体10および支持体20に同心に形成されていてもよい。
図16は、
図15のトルクセンサの変形例を示す平面図である。
【0129】
この場合、受力体Y軸接続部41と起歪体30との間に、付根部85が介在されていてもよい。付根部85は、受力体10に作用する力またはモーメントに対してばね定数が大きく、実質的に剛体として機能するように形成されていてもよい。受力体X軸接続部42は、起歪体30に直接的に接続されていてもよい。このことにより、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)を、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくすることができる。付根部85は、受力体Y軸接続部41と起歪体30との間ではなく、受力体10と受力体Y軸接続部41との間に介在されていてもよい。あるいは、付根部85は、受力体10と受力体Y軸接続部41との間、および受力体Y軸接続部41と起歪体30との間の両方に介在されていてもよい。
【0130】
同様に、起歪体30と支持体X軸接続部51との間に、上述した付根部85と同様な付根部86が介在されていてもよい。付根部86は、起歪体30と支持体X軸接続部51との間ではなく、支持体X軸接続部51と支持体20との間に介在されていてもよい。あるいは、付根部86は、起歪体30と支持体X軸接続部51との間、および支持体X軸接続部51と支持体20との間の両方に介在されていてもよい。
【0131】
(第3の実施の形態)
次に、
図17および
図18を用いて、本発明の第3の実施の形態におけるトルクセンサについて説明する。
【0132】
図17および
図18に示す第3の実施の形態においては、受力体Y軸接続部41が、受力体10と起歪体30との接続位置に形成されているとともに、支持体X軸接続部51が、起歪体30と支持体20との接続位置に形成されている点が主に異なり、他の構成は、
図1~
図14に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図17および
図18において、
図1~
図14に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0133】
本実施の形態によるトルクセンサ1について、
図17を参照して説明する。
図17は、第3の実施の形態におけるトルクセンサを示す平面図である。
【0134】
本実施の形態によるトルクセンサ1においては、
図17に示すように、受力体Y軸接続部41が、受力体10と起歪体30との接続位置に形成されている。起歪体30の外周面30cは、Z軸に沿って見たときに、Y軸に沿う長軸と、X軸に沿う短軸とを有するように楕円形状に形成されていてもよい。起歪体30の内周面30dは、Z軸に沿って見たときに、Y軸に沿う長軸と、X軸に沿う短軸とを有するように楕円形状に形成されていてもよい。
図17に示す例では、起歪体30の幅は、全周にわたって一定であるが、これに限られることはなく、モーメントMz以外の力またはモーメントを検出することを抑制できれば、起歪体30の幅は、一定でなくてもよい。また、便宜上、
図17に示す起歪体30の幅は、
図15等に示す起歪体30よりも太く示しているが、本実施の形態による上述した受力体Y軸接続部41および後述する支持体X軸接続部51を形成することができれば、起歪体30の幅は、任意である。受力体10と起歪体30は、受力体X軸接続部42で接続されている。
【0135】
起歪体30の第1起歪体接続部32aは、受力体10の内周面10cに接続されている。受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)は、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(P1x)よりも小さくなっている。このことにより、受力体Y軸接続部41は、Z軸まわりのモーメントMzに対してばね定数が大きくなり、実質的に剛体として機能している。受力体X軸接続部42は、Z軸まわりのモーメントMzに対して弾性変形しやすくなっている。
【0136】
支持体X軸接続部51が、起歪体30と支持体20との接続位置に形成されている。支持体20の外周面20cは、Z軸に沿って見たときに、X軸に沿う長軸と、Y軸に沿う短軸とを有するように楕円形状に形成されていてもよい。支持体20の内周面20dは、Z軸に沿って見たときに、円形状に形成されていてもよい。この内周面20dが、センサ開口2を画定している。
図17においては、支持体20の内側には、トルクセンサ1の円形状のセンサ開口2が形成されている。起歪体30と支持体20は、支持体Y軸接続部52で接続されている。
【0137】
支持体20は、起歪体30(第2起歪体接続部32bおよび第4起歪体接続部32d)の内周面30dに接続されている。支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)は、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっている。このことにより、支持体X軸接続部51は、Z軸まわりのモーメントMzに対してばね定数が大きくなり、実質的に剛体として機能している。支持体Y軸接続部52は、Z軸まわりのモーメントMzに対して弾性変形しやすくなっている。
【0138】
Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合には、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに、
図8に示すような引張力または圧縮力を与えることができる。このため、各変形体31a~31dの変位部35をZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dを構成する変位電極62と固定電極63とを、Z軸方向で対向させるように配置させることができる。この場合、変位電極62と固定電極63の対向面をXY平面に沿うように配置することができ、変位電極62と固定電極63との位置合わせを容易化させることができる。この結果、トルクセンサ1の生産効率を向上させることができる。
【0139】
このように本実施の形態によれば、受力体Y軸接続部41が、受力体10と起歪体30との接続位置に形成されるとともに、支持体X軸接続部51が、起歪体30と支持体20との接続位置に形成されている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合に、受力体Y軸接続部41および支持体X軸接続部51を実質的に剛体として機能させることができるとともに、受力体X軸接続部42および支持体Y軸接続部52を容易に弾性変形させることができる。このため、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに引張力または圧縮力を容易に与えることができる。この結果、各変形体31a~31dの各変位部35を容易にZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dの静電容量値の変化を容易に検出することができる。
【0140】
また、本実施の形態によれば、起歪体30の外周面30cは、Z軸に沿って見たときに、Y軸に沿う長軸と、X軸に沿う短軸とを有するように楕円形に形成されている。このことにより、起歪体30を、受力体10の内周面10cに接続することができ、受力体10と起歪体30との接続位置に、受力体Y軸接続部41を形成することができる。このため、受力体Y軸接続部41を、Z軸まわりのモーメントMzに対して実質的に剛体として機能させることができる。
【0141】
また、本実施の形態によれば、支持体20の外周面20cは、Z軸に沿って見たときに、X軸に沿う長軸と、Y軸に沿う短軸とを有するように楕円形に形成されている。このことにより、支持体20を、起歪体30の内周面30dに接続することができ、起歪体30と支持体20との接続位置に支持体X軸接続部51を形成することができる。このため、支持体X軸接続部51を、Z軸まわりのモーメントMzに対して実質的に剛体として機能させることができる。
【0142】
また、本実施の形態によれば、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2Y)が、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(P1x)よりも小さくなっているとともに、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)が、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、受力体Y軸接続部41および支持体X軸接続部51を実質的に剛体として機能させることができるとともに、受力体X軸接続部42および支持体Y軸接続部52を容易に弾性変形させることができる。このため、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに引張力または圧縮力を容易に与えることができる。この結果、各変形体31a~31dの各変位部35を容易にZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dの静電容量値の変化を容易に検出することができる。
【0143】
なお、上述した本実施の形態においては、支持体20の外周面20cが、Z軸に沿って見たときに、X軸に沿う長軸と、Y軸に沿う短軸とを有するように楕円形状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、支持体20の外周面20cは、
図2等に示すように、円形状に形成されていてもよい。また、支持体20の内周面20dは、Z軸に沿って見たときに、X軸に沿う長軸と、Y軸に沿う短軸とを有するように楕円形状に形成されていてもよい。
【0144】
また、上述した本実施の形態においては、受力体10と起歪体30が、受力体X軸接続部42で接続されるとともに、起歪体30と支持体20が、支持体Y軸接続部52で接続されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。
【0145】
例えば、
図18に示すように、起歪体30のうち受力体Y軸接続部41が接続された位置では、起歪体30と支持体20とは接続されていなくてもよい。すなわち、第1起歪体接続部32aおよび第3起歪体接続部32cは、支持体20と、
図17に示すような支持体Y軸接続部52で接続されていなくてもよい。また、起歪体30のうち支持体X軸接続部51で接続された位置では、受力体10と起歪体30とが接続されていなくてもよい。すなわち、第2起歪体接続部32bおよび第4起歪体接続部32dは、受力体10と、
図17に示すような受力体X軸接続部42で接続されていなくてもよい。
図18は、
図17のトルクセンサの変形例を示す平面図である。
【0146】
図18に示すトルクセンサにおいても、受力体10と起歪体30が受力体Y軸接続部41で接続されるとともに、起歪体30と支持体20が支持体X軸接続部51で接続されている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合には、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに、引張力または圧縮力を与えることができる。このため、各変形体31a~31dの変位部35をZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dを構成する変位電極62と固定電極63とを、Z軸方向で対向させるように配置させることができる。この場合、変位電極62と固定電極63の対向面をXY平面に沿うように配置することができ、変位電極62と固定電極63との位置合わせを容易化させることができる。この結果、トルクセンサ1の生産効率を向上させることができる。
【0147】
このように
図18に示す変形例によれば、起歪体30のうち受力体Y軸接続部41が接続された位置では、起歪体30と支持体20とは接続されておらず、起歪体30のうち支持体X軸接続部51が接続された位置では、受力体10と起歪体30とは接続されていない。このことにより、トルクセンサ1の生産効率を向上させながら、トルクセンサ1の構造を簡素化させることができ、低価格化を図ることができる。
【0148】
(第4の実施の形態)
次に、
図19~
図22を用いて、本発明の第4の実施の形態におけるトルクセンサについて説明する。
【0149】
図19~
図22に示す第4の実施の形態においては、起歪体30が、受力体10に対してZ軸の負側に配置されているとともに、支持体20が、起歪体30に対してZ軸の負側に配置されている点が主に異なり、他の構成は、
図1~
図14に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図19~
図22において、
図1~
図14に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0150】
本実施の形態によるトルクセンサ1について、
図19~
図21を参照して説明する。
図19は、第4の実施の形態におけるトルクセンサを示す断面図である。
図20は、
図19のB-B線断面図であり、
図21は、
図19のC-C線断面図である。
【0151】
本実施の形態によるトルクセンサ1においては、
図19に示すように、起歪体30は、受力体10に対してZ軸の負側に配置されている。支持体20は、起歪体30に対してZ軸の負側に配置されている。すなわち、受力体10、起歪体30および支持体20が、Z軸方向に積層されている。受力体10、起歪体30および支持体20は、Z軸に沿って見たときに、それぞれ円形リング状に形成されていてもよく、互いに同心に形成されていてもよい。
図20および
図21に示すように、受力体10の内側、起歪体30の内側および支持体20の内側に、トルクセンサ1のセンサ開口2が形成されている。
【0152】
図19に示すように、本実施の形態における受力体Y軸接続部41は、Z軸方向において、受力体10と起歪体30との間に配置されている。
図20に示すように、受力体Y軸接続部41は、Z軸に沿って見たときに、受力体10および起歪体30に重なっている。受力体Y軸接続部41は、Y軸に沿って延びているとともに、Z軸に沿って延びている。本実施の形態においては、受力体Y軸接続部41は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。受力体Y軸接続部41のZ軸方向の寸法は、受力体Y軸接続部41のY軸方向の寸法(P1y)よりも大きくなっていてもよいが、大きくなっていなくてもよい。
【0153】
図19に示すように、本実施の形態における受力体X軸接続部42は、Z軸方向において、受力体10と起歪体30との間に配置されている。
図20に示すように、受力体X軸接続部42は、Z軸に沿って見たときに、受力体10および起歪体30に重なっている。受力体X軸接続部42は、X軸に沿って延びているとともに、Z軸に沿って延びている。本実施の形態においては、受力体X軸接続部42は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。受力体X軸接続部42のZ軸方向の寸法は、受力体X軸接続部42のX軸方向の寸法(P2x)よりも大きくなっていてもよいが、大きくなっていなくてもよい。
【0154】
本実施の形態においては、起歪体30の変形体31a~31dの変位部35は、支持体20の上面20aに対向していてもよい。この場合、容量素子61a~61dを構成する固定電極63は、支持体20の上面20aに設けられていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、変位部35が、受力体10の下面10bに対向していてもよい。この場合、固定電極63は、受力体10の下面10bに設けられていてもよい。
【0155】
図20に示すように、本実施の形態においては、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)は、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(P1x)よりも小さくなっている。
【0156】
図19に示すように、本実施の形態における支持体X軸接続部51は、Z軸方向において、起歪体30と支持体20との間に配置されている。
図21に示すように、支持体X軸接続部51は、Z軸に沿って見たときに、起歪体30および支持体20に重なっている。支持体X軸接続部51は、X軸に沿って延びているとともにZ軸に沿って延びている。本実施の形態においては、支持体X軸接続部51は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。支持体X軸接続部51のZ軸方向の寸法は、支持体X軸接続部51のX軸方向の寸法(Q1x)よりも大きくなっていてもよいが、大きくなっていなくてもよい。
【0157】
図19に示すように、本実施の形態における支持体Y軸接続部52は、Z軸方向において、起歪体30と支持体20との間に配置されている。
図21に示すように、支持体Y軸接続部52は、Z軸に沿って見たときに、起歪体30および支持体20に重なっている。支持体Y軸接続部52は、Y軸に沿って延びているとともにZ軸に沿って延びている。本実施の形態においては、支持体Y軸接続部52は、X軸、Y軸およびZ軸に沿って矩形状に形成されている。支持体Y軸接続部52のZ軸方向の寸法は、支持体Y軸接続部52のY軸方向の寸法(Q2y)よりも大きくなっていてもよいが、大きくなっていなくてもよい。
【0158】
図21に示すように、本実施の形態においては、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)は、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっている。
【0159】
Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、受力体Y軸接続部41が実質的に剛体として機能し、受力体X軸接続部42が弾性変形する。また、支持体X軸接続部51が実質的に剛体として機能し、支持体Y軸接続部52が弾性変形する。このことにより、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに、
図8に示すような引張力または圧縮力を与えることができる。このため、各変形体31a~31dの変位部35をZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dを構成する変位電極62と固定電極63とを、Z軸方向で対向させるように配置させることができる。この場合、変位電極62と固定電極63の対向面をXY平面に沿うように配置することができ、変位電極62と固定電極63との位置合わせを容易化させることができる。この結果、トルクセンサ1の生産効率を向上させることができる。
【0160】
このように本実施の形態によれば、支持体20は、起歪体30に対してZ軸の負側に配置されている。このことにより、トルクセンサ1のセンサ開口2を、大きくすることができる。トルクセンサ1は、ロボットに適用される場合、ロボットで用いられるケーブルおよびチューブをトルクセンサ1のセンサ開口2に通すことが多い。このため、本実施の形態のように、起歪体30および支持体20をZ軸方向に積層した場合には、トルクセンサ1のセンサ開口2を大きくすることができ、ケーブルおよびチューブを容易に通すことができる。トルクセンサ1の使い勝手を向上させることができる。
【0161】
また、本実施の形態によれば、起歪体30は、受力体10に対してZ軸の負側に配置されている。このことにより、トルクセンサ1のセンサ開口2を、より一層大きくすることができる。このため、ロボットで用いられるケーブルおよびチューブをより一層容易に通すことができ、トルクセンサ1の使い勝手をより一層向上させることができる。
【0162】
また、本実施の形態によれば、受力体X軸接続部42と支持体X軸接続部51は、X軸に沿ってそれぞれ延びている。このことにより、受力体10にX軸方向の力Fyが作用した場合であっても、受力体X軸接続部42および支持体X軸接続部51が実質的に剛体として機能することができ、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。このため、X軸方向の力Fxが作用した場合であっても、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、力Fxを検出することを抑制できる。
【0163】
また、本実施の形態によれば、受力体Y軸接続部41および支持体Y軸接続部52は、Y軸に沿ってそれぞれ延びている。このことにより、受力体10にY軸方向の力Fyが作用した場合であっても、受力体Y軸接続部41および支持体Y軸接続部52が実質的に剛体として機能することができ、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。このため、Y軸方向の力Fyが作用した場合であっても、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、力Fyを検出することを抑制できる。
【0164】
また、本実施の形態によれば、受力体Y軸接続部41、受力体X軸接続部42、支持体X軸接続部51および支持体Y軸接続部52は、Z軸に沿ってそれぞれ延びている。このことにより、各接続部41、42、51、52を、Z軸方向の力に対して実質的に剛体として機能させることができる。このため、受力体10にZ軸方向の力Fzが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。同様に、受力体10にX軸まわりのモーメントMxおよびY軸まわりのモーメントMyが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。このため、力Fz、モーメントMxまたはモーメントMyが作用した場合であっても、各容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、力Fz、モーメントMxおよびモーメントMyを検出することを抑制できる。
【0165】
また、本実施の形態によれば、受力体X軸接続部42のY軸方向の寸法(P2y)が、受力体Y軸接続部41のX軸方向の寸法(P1x)よりも小さくなっているとともに、支持体Y軸接続部52のX軸方向の寸法(Q2x)が、支持体X軸接続部51のY軸方向の寸法(Q1y)よりも小さくなっている。このことにより、Z軸まわりのモーメントMzが作用した場合、受力体Y軸接続部41および支持体X軸接続部51を実質的に剛体として機能させることができるとともに、受力体X軸接続部42および支持体Y軸接続部52を容易に弾性変形させることができる。このため、第1象限から第4象限に配置された起歪体30の各変形体31a~31dに引張力または圧縮力を容易に与えることができる。この結果、各変形体31a~31dの各変位部35を容易にZ軸方向に変位させることができ、容量素子61a~61dの静電容量値の変化を容易に検出することができる。
【0166】
また、本実施の形態によれば、起歪体30は、Z軸に沿って見たときに、円形リング状に形成されている。このことにより、各変形体31a~31dを互いに接続することができる。このため、Z軸まわりのモーメントMz以外の力またはモーメントが作用した場合であっても、起歪体30の各変形体31a~31dが弾性変形することを抑制できる。この結果、モーメントMz以外の力またはモーメントが作用した場合であっても、容量素子61a~61dの静電容量値が変化することを抑制でき、モーメントMz以外の力またはモーメントを検出することを抑制できる。
【0167】
なお、上述した本実施の形態においては、起歪体30が、受力体10に対してZ軸の負側に配置されるとともに、支持体20が、起歪体30に対してZ軸の負側に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、
図22に示すように、受力体10と起歪体30をXY平面に沿うように配置して、支持体20を起歪体30に対してZ軸の負側に配置するようにしてもよい。この場合においても、
図19に示すトルクセンサ1と同様の効果を奏することができるとともに、トルクセンサ1の高さ寸法を低減することができる。また、この場合、検出素子60の固定電極63は、支持体20の上面20aに取り付けられていてもよい。
図22は、
図19のトルクセンサの変形例を示す断面図であって、
図2のA-A線断面に相当する図である。
【0168】
本発明は上記実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態および変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。