(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】超音波診断装置、医用画像処理装置、及び超音波画像表示プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/06 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
A61B8/06
(21)【出願番号】P 2018170793
(22)【出願日】2018-09-12
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 明日香
(72)【発明者】
【氏名】吉新 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 武
(72)【発明者】
【氏名】生田目 富夫
(72)【発明者】
【氏名】増田 貴志
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-296402(JP,A)
【文献】特開2015-097634(JP,A)
【文献】国際公開第2011/086774(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0227910(US,A1)
【文献】特表2010-521198(JP,A)
【文献】ILLUNGA-MBUYAMBA,Elisee et al.,Vascular Structure Identification in Intraoperative 3D Contrast-Enhanced Ultrasound Data,Sensors,スイス,MDPI,2016年04月08日,16, 496,pp.1-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造影像
と組織像とを
順次収集すると共に、微小血管構造をとらえることができる画像収集モードにより血管構造を含む画像である血管構造画像を収集する画像収集部と、
前記血管構造画像に基づいて、前記血管構造の輪郭を抽出する抽出部と、
前記造影像
と前記組織像とが重畳された画像に前記血管構造の輪郭
が合成
された合成画像を表示部に
順次表示させる画像合成部と、
を有する超音波診断装置。
【請求項2】
前記画像合成部は、3次元画像である前記合成画像の、レンダリング処理の投影方向に沿って手前側に存在する血管構造について、半透明となる処理を施す、
請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記造影像は、造影断面像であり、
前記画像合成部は、前記造影断面像に、前記血管構造の輪郭を合成して前記合成画像を生成し、前記血管構造の両端の輪郭に挟まれる領域におけ
る造影剤の様子を示す前記合成画像を前記表示部に表示させる、
請求項1
又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
造影像
と組織像とを順次収集すると共に、微小血管構造をとらえることができる画像収集モードによ
り血管構造を含む
画像である血管構造画像
を収集する画像
収集部と、
前記血管構造画像に基づいて、前記血管構造の輪郭を抽出する抽出部と、
前記造影像
と前記組織像とが重畳された画像に前記血管構造の輪郭
が合成
された合成画像を表示部に
順次表示させる画像合成部と、
を有する医用画像処理装置。
【請求項5】
コンピュータに、
造影像
と組織像とを順次収集すると共に、微小血管構造をとらえることができる画像収集モードによ
り血管構造を含む
画像である血管構造画像
を収集する機能と、
前記血管構造画像に基づいて、前記血管構造の輪郭を抽出する機能と、
前記造影像
と前記組織像とが重畳された画像に前記血管構造の輪郭
が合成
された合成画像を表示部に
順次表示させる機能と、
を実現させる超音波画像表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波診断装置、医用画像処理装置、及び超音波画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用分野では、超音波プローブの複数の振動子(圧電振動子)を用いて発生させた超音波を利用して、被検体内部を画像化する超音波診断装置が使用されている。超音波診断装置は、超音波診断装置に接続された超音波プローブから被検体内に超音波を送信させ、反射波に基づくエコー信号を生成し、画像処理によって所望の超音波画像を得る。
【0003】
超音波診断装置における血管情報と組織像とによる2画面表示では、操作者は、組織像によりスキャン位置を確認しながら血管構造を観察することができる。しかしながら、造影像は同時に観察できない。また、超音波診断装置における造影像と組織像とによる2画面表示では、操作者は、組織像によりスキャン位置を確認しながら造影像を観察することができる。しかしながら、後期相になると血管から組織まで造影剤が広がり、血管構造をとらえづらくなってしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、毛細血管等の微小血管構造に加え、造影像を観察可能な画像を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る超音波診断装置は、画像収集部と、抽出部と、画像合成部とを有する。画像収集部は、造影像を収集すると共に、微小血管構造をとらえることができる画像収集モードにより血管構造を含む画像である血管構造画像を収集する。抽出部は、血管構造画像に基づいて、血管構造を示す情報を抽出する。画像合成部は、造影像に、血管構造を示す情報を合成して合成画像を生成し、合成画像を表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す概略図。
【
図2】
図2は、実施形態に係る超音波診断装置の機能を示すブロック図。
【
図3】
図3は、実施形態に係る超音波診断装置の動作をフローチャートとして示す図。
【
図4】
図4は、実施形態に係る超音波診断装置において、CHI画像の一例を示す図。
【
図5】
図5は、実施形態に係る超音波診断装置において、微小血管構造を示す血管構造画像の一例を示す図。
【
図6】
図6は、実施形態に係る超音波診断装置において、合成画像の第1例を示す図。
【
図8】
図8は、実施形態に係る超音波診断装置において、合成画像の第2例を示す図。
【
図9】
図9は、実施形態に係る超音波診断装置において、合成画像の第2例を示す図。
【
図10】
図10は、実施形態に係る超音波診断装置において、実施形態に係る合成画像(3次元画像)を説明するための図。
【
図11】
図11は、実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示す概略図。
【
図12】
図12は、実施形態に係る医用画像処理装置の構成及び機能を示すブロック図。
【
図13】
図13は、実施形態に係る医用画像処理装置において、合成画像の表示を、その要素としてのCHI画像とSMI画像と組織像との並列表示に切り替える概念を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、超音波診断装置、医用画像処理装置、及び超音波画像表示プログラムの実施形態について詳細に説明する。
【0009】
1.超音波診断装置
図1は、実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す概略図である。
【0010】
図1は、実施形態に係る超音波診断装置10を示す。また、
図1は、超音波プローブ20、入力インターフェース30、及びディスプレイ40を示す。なお、超音波診断装置10に、超音波プローブ20、入力インターフェース30、及びディスプレイ40のうちの少なくとも1個を加えた装置を超音波診断装置と称する場合もある。以下の説明では、超音波診断装置10の外部に、超音波プローブ20、入力インターフェース30、及びディスプレイ40の全てが備えられる場合について説明する。
【0011】
超音波診断装置10は、送受信回路11、Bモード処理回路12、ドプラ処理回路13、画像生成回路14、画像メモリ15、ネットワークインターフェース16、処理回路17、及びメインメモリ18を備える。回路11~14は、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるものである。しかしながら、その場合に限定されるものではなく、回路11~14の機能の全部又は一部は、処理回路17がプログラムを実行することで実現されるものであってもよい。
【0012】
送受信回路11は、送信回路及び受信回路(図示省略)を有する。送受信回路11は、処理回路17による制御の下、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。なお、送受信回路11が超音波診断装置10に設けられる場合について説明するが、送受信回路11は、超音波プローブ20に設けられてもよいし、超音波診断装置10及び超音波プローブ20の両方に設けられてもよい。なお、送受信回路11は、送受信部の一例である。
【0013】
送信回路は、パルス発生回路、送信遅延回路、及びパルサ回路等を有し、超音波振動子に駆動信号を供給する。パルス発生回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。送信遅延回路は、超音波プローブ20の超音波振動子から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波振動子に駆動パルスを印加する。送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波ビームの送信方向を任意に調整する。
【0014】
受信回路は、アンプ回路、A/D(Analog to Digital)変換器、及び加算器等を有し、超音波振動子が受信したエコー信号を受け、このエコー信号に対して各種処理を行ってエコーデータを生成する。アンプ回路は、エコー信号をチャンネル毎に増幅してゲイン補正処理を行う。A/D変換器は、ゲイン補正されたエコー信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理されたエコー信号の加算処理を行ってエコーデータを生成する。加算器の加算処理により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
【0015】
Bモード処理回路12は、処理回路17による制御の下、受信回路からエコーデータを受信し、対数増幅、及び包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(2次元又は3次元データ)を生成する。このデータは、一般に、Bモードデータと呼ばれる。なお、Bモード処理回路12は、Bモード処理部の一例である。
【0016】
なお、Bモード処理回路12は、フィルタ処理により、検波周波数を変化させることで、映像化する周波数帯域を変えることができる。Bモード処理回路12のフィルタ処理機能を用いることにより、コントラストハーモニックイメージング(CHI:Contrast Harmonic Imaging)や、ティッシュハーモニックイメージング(THI:Tissue Harmonic Imaging)等のハーモニックイメージングを実行可能である。すなわち、Bモード処理回路12は、造影剤が注入された被検体の反射波データから、造影剤(微小気泡、バブル)を反射源とするハーモニック成分の反射波データ(高調波データ又は分周波データ)と、被検体内の組織を反射源とする基本波成分の反射波データ(基本波データ)とを分離することができる。Bモード処理回路12は、また、ハーモニック成分の反射波データ(受信信号)から、造影画像データを生成するためのBモードデータを生成することができ、また、基本波成分の反射波データ(受信信号)から、基本波(ファンダメンタル)画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
【0017】
また、Bモード処理回路12のフィルタ処理機能を用いることによるTHIにおいて、被検体の反射波データから、ハーモニック成分の反射波データ(受信信号)である高調波データ又は分周波データを分離することができる。そして、Bモード処理回路12は、ハーモニック成分の反射波データ(受信信号)から、ノイズ成分を除去した組織画像データを生成するためのBモードデータを生成することができる。
【0018】
さらに、CHIやTHIのハーモニックイメージングを行なう際、Bモード処理回路12は、上述したフィルタ処理を用いた方法とは異なる方法により、ハーモニック成分を抽出することができる。ハーモニックイメージングでは、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)法や位相変調(PM:Phase Modulation)法、AM法及びPM法を組み合わせたAMPM法と呼ばれる映像法が行なわれる。AM法、PM法及びAMPM法では、同一の走査線に対して振幅や位相が異なる超音波送信を複数回行なう。これにより、送受信回路11は、各走査線で複数の反射波データ(受信信号)を生成し出力する。そして、Bモード処理回路12は、各走査線の複数の反射波データ(受信信号)を、変調法に応じた加減算処理することで、ハーモニック成分を抽出する。そして、Bモード処理回路12は、ハーモニック成分の反射波データ(受信信号)に対して包絡線検波処理等を行なって、Bモードデータを生成する。
【0019】
例えば、PM法が行なわれる場合、送受信回路11は、処理回路17が設定したスキャンシーケンスにより、例えば(-1,1)のように、位相極性を反転させた同一振幅の超音波を、各走査線で2回送信させる。そして、送受信回路11は、「-1」の送信による受信信号と、「1」の送信による受信信号とを生成し、Bモード処理回路12は、これら2つの受信信号を加算する。これにより、基本波成分が除去され、2次高調波成分が主に残存した信号が生成される。そして、Bモード処理回路12は、この信号に対して包絡線検波処理等を行なって、THIのBモードデータやCHIのBモードデータを生成する。
【0020】
又は、例えば、THIでは、受信信号に含まれる2次高調波成分と差音成分とを用いて映像化を行なう方法が実用化されている。差音成分を用いた映像化法では、例えば、中心周波数が「f1」の第1基本波と、中心周波数が「f1」より大きい「f2」の第2基本波とを合成した合成波形の送信超音波を、超音波プローブ20から送信させる。この合成波形は、2次高調波成分と同一の極性を持つ差音成分が発生するように、互いの位相が調整された第1基本波の波形と第2基本波の波形とを合成した波形である。送受信回路11は、合成波形の送信超音波を、位相を反転させながら、例えば、2回送信させる。かかる場合、例えば、Bモード処理回路12は、2つの受信信号を加算することで、基本波成分が除去され、差音成分及び2次高調波成分が主に残存したハーモニック成分を抽出した後、包絡線検波処理等を行なう。
【0021】
ドプラ処理回路13は、処理回路17による制御の下、受信回路からのエコーデータから速度情報を周波数解析し、平均速度、分散、パワー等の移動体の移動情報を多点について抽出したデータ(2次元又は3次元データ)を生成する。このデータは、一般に、ドプラデータと呼ばれる。ここで、移動体とは、例えば、血流や、心壁等の組織、造影剤である。なお、ドプラ処理回路13は、ドプラ処理部の一例である。
【0022】
画像生成回路14は、処理回路17による制御の下、超音波プローブ20が受信したエコー信号に基づいて、所定の輝度レンジで表現された超音波画像を画像データとして生成する。例えば、画像生成回路14は、超音波画像として、Bモード処理回路12によって生成された2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。また、画像生成回路14は、超音波画像として、ドプラ処理回路13によって生成された2次元のドプラデータから移動態情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。なお、画像生成回路14は、画像生成部の一例である。
【0023】
ここで、画像生成回路14は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成回路14は、超音波プローブ20による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成回路14は、スキャンコンバート以外に、種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成回路14は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
【0024】
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成回路14が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像生成回路14は、スキャンコンバート処理前の2次元超音波画像データから、表示用の2次元超音波画像データを生成する。
【0025】
更に、画像生成回路14は、Bモード処理回路12によって生成された3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路14は、ドプラ処理回路13によって生成された3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元ドプラ画像データを生成する。画像生成回路14は、「3次元のBモード画像データや3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)」として生成する。
【0026】
さらに、画像生成回路14は、ボリュームデータをディスプレイ40にて表示するための各種の2次元画像データを生成するために、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行なう。画像生成回路14は、レンダリング処理として、例えば、断面再構成法(MPR:Multi Planer Reconstruction)を行なってボリュームデータからMPR画像データを生成する処理を行う。また、画像生成回路14は、レンダリング処理として、例えば、3次元の情報を反映した2次元画像データを生成するボリュームレンダリング(VR:Volume Rendering)処理を行う。
【0027】
画像メモリ15は、1フレーム当たり2軸方向に複数のメモリセルを備え、それを複数フレーム分備えたメモリである2次元メモリを含む。画像メモリ15としての2次元メモリは、処理回路17の制御による制御の下、画像生成回路14によって生成された1フレーム、又は、複数フレームに係る超音波画像を2次元画像データとして記憶する。なお、画像メモリ15は、記憶部の一例である。
【0028】
画像生成回路14は、処理回路17による制御の下、画像メモリ15としての2次元メモリに配列された超音波画像に対し、必要に応じて補間処理を行う3次元再構成を行うことで、画像メモリ15としての3次元メモリ内に超音波画像をボリュームデータとして生成する。補間処理方法としては、公知の技術が用いられる。
【0029】
画像メモリ15は、3軸方向(X軸、Y軸、及びZ軸方向)に複数のメモリセルを備えたメモリである3次元メモリを含む場合もある。画像メモリ15としての3次元メモリは、処理回路17の制御による制御の下、画像生成回路14によって生成された超音波画像をボリュームデータとして記憶する。
【0030】
ネットワークインターフェース16は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワークインターフェース16は、この各種プロトコルに従って、超音波診断装置10と、外部の医用画像管理装置60及び医用画像処理装置70等の他の機器とを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続等を適用することができる。ここで、電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線の病院基幹のLAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワーク及び衛星通信ネットワーク等を含む。
【0031】
また、ネットワークインターフェース16は、非接触無線通信用の種々のプロトコルを実装してもよい。この場合、超音波診断装置10は、例えば超音波プローブ20と、ネットワークを介さず直接にデータ送受信することができる。なお、ネットワークインターフェース16は、ネットワーク接続部の一例である。
【0032】
処理回路17は、専用又は汎用のCPU(central processing unit)、MPU(micro processor unit)、又はGPU(Graphics Processing Unit)の他、ASIC、及び、プログラマブル論理デバイス等を意味する。プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:simple programmable logic device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:complex programmable logic device)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)等が挙げられる。
【0033】
また、処理回路17は、単一の回路によって構成されてもよいし、複数の独立した回路要素の組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、メインメモリ18は回路要素ごとに個別に設けられてもよいし、単一のメインメモリ18が複数の回路要素の機能に対応するプログラムを記憶するものであってもよい。なお、処理回路17は、処理部の一例である。
【0034】
メインメモリ18は、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ(flash memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって構成される。メインメモリ18は、USB(universal serial bus)メモリ及びDVD(digital video disk)等の可搬型メディアによって構成されてもよい。メインメモリ18は、処理回路17において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。また、OSに、操作者に対するディスプレイ40への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力インターフェース30によって行うことができるGUI(graphical user interface)を含めることもできる。なお、メインメモリ18は、記憶部の一例である。
【0035】
超音波プローブ20は、前面部に複数個の微小な振動子(圧電素子)を備え、スキャン対象を含む領域、例えば管腔体を含む領域に対して超音波の送受波を行う。各振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルスを超音波パルスに変換し、また、受信時には反射波を電気信号(受信信号)に変換する機能を有する。超音波プローブ20は小型、軽量に構成されており、ケーブル(又は無線通信)を介して超音波診断装置10に接続される。
【0036】
超音波プローブ20は、スキャン方式の違いにより、リニア型、コンベックス型、及びセクタ型等の種類に分けられる。また、超音波プローブ20は、アレイ配列次元の違いにより、アジマス方向に1次元(1D)的に複数個の振動子が配列された1Dアレイプローブと、アジマス方向かつエレベーション方向に2次元(2D)的に複数個の振動子が配列された2Dアレイプローブとの種類に分けられる。なお、1Dアレイプローブは、エレベーション方向に少数の振動子が配列されたプローブを含む。
【0037】
ここで、3Dスキャン、つまり、ボリュームスキャンが実行される場合、超音波プローブ20として、リニア型、コンベックス型、及びセクタ型等のスキャン方式を備えた2Dアレイプローブが利用される。又は、ボリュームスキャンが実行される場合、超音波プローブ20として、リニア型、コンベックス型、及びセクタ型等のスキャン方式を備え、エレベーション方向に機械的に揺動する機構を備えた1Dプローブが利用される。後者のプローブは、メカ4Dプローブとも呼ばれる。
【0038】
入力インターフェース30は、操作者によって操作が可能な入力デバイスと、入力デバイスからの信号を入力する入力回路とを含む。入力デバイスは、トラックボール、スイッチ、マウス、キーボード、操作面に触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力デバイス、及び音声入力デバイス等によって実現される。操作者により入力デバイスが操作されると、入力回路はその操作に応じた信号を生成して処理回路17に出力する。なお、入力インターフェース30は、入力部の一例である。
【0039】
ディスプレイ40は、例えば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等の一般的な表示出力装置により構成される。ディスプレイ40は、処理回路17の制御に従って各種情報を表示する。なお、ディスプレイ40は、表示部の一例である。
【0040】
また、
図1は、超音波診断装置10の外部機器である医用画像管理装置60及び医用画像処理装置70を示す。医用画像管理装置60は、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)サーバであり、ネットワークNを介してデータ送受信可能に超音波診断装置10等の機器に接続される。医用画像管理装置60は、超音波診断装置10によって生成された超音波画像等の医用画像をDICOMファイルとして管理する。
【0041】
医用画像処理装置70は、ネットワークNを介してデータ送受信可能に超音波診断装置10や医用画像管理装置60等の機器に接続される。医用画像処理装置70としては、例えば、超音波診断装置10によって生成された超音波画像に対して各種画像処理を施すワークステーションや、タブレット端末等の携帯型情報処理端末等が挙げられる。なお、医用画像処理装置70はオフラインの装置であって、超音波診断装置10によって生成された超音波画像を可搬型の記憶媒体を介して読み出し可能な装置であってもよい。
【0042】
続いて、超音波診断装置10の機能について説明する。
【0043】
図2は、超音波診断装置10の機能を示すブロック図である。
【0044】
処理回路17は、メインメモリ18に記憶された、又は、処理回路17内に直接組み込まれたプログラムを読み出して実行することで、画像収集機能171、抽出機能172、及び画像合成機能173を実現する。以下、機能171~173がソフトウェア的に機能する場合を例に挙げて説明するが、機能171~173の全部又は一部は、超音波診断装置10にASIC等の回路等として設けられるものであってもよい。
【0045】
画像収集機能171は、送受信回路11、Bモード処理回路12、ドプラ処理回路13、及び画像生成回路14等を制御して、超音波プローブ20を用いたスキャンを実行させて超音波画像(例えば、ライブ画像)を収集する機能を含む。具体的には、画像収集機能171は、CHI(Contrast Harmonic Imaging)によりCHI画像を収集すると共に、毛細血管等の微小血管構造をとらえることができる画像収集モード(以下、「血管収集モード」という)により、血管構造を含む画像である血管構造画像を収集する。血管収集モードは、血管の中でも特に微小血管内の血流を描出することができるものであり、微小血管内の血流の抽出により、微小血管構造の境界情報を抽出することができる。
【0046】
例えば、画像収集機能171は、血管収集モードとして出願人による特許(特許第3724846号)に示すような技術により、血管構造画像を収集する。ちなみに、この技術はモーションアーティファクトの特徴を分析することで、臨床上有用な微小信号を残したままモーションアーティファクトだけを抑制する技術であり、出願人はこの技術を例えばSMI(Superb Microvascular Imaging)と称することもある。以下、血管構造画像が上記特許に示す技術を想定し説明するが、その場合に限定されるものではない。
【0047】
抽出機能172は、画像収集機能171による制御に従って生成された血管構造画像に基づいて、血管構造を抽出する機能を含む。抽出機能172による血管構造の抽出は、カラードプラ画像やパワードプラ画像からの血管構造の抽出と同様の方法で行われればよい。
【0048】
画像合成機能173は、画像収集機能171によって収集された造影像に、抽出機能172によって抽出された血管構造を示す情報を合成することで合成画像を生成する機能を含む。
【0049】
機能171~173の詳細については、
図3~
図10を用いて説明する。
【0050】
続いて、超音波診断装置10の動作について説明する。
【0051】
図3は、超音波診断装置10の動作をフローチャートとして示す図である。
図3において、「ST」に数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
【0052】
画像収集機能171は、造影剤の注入開始後、送受信回路11、Bモード処理回路12、ドプラ処理回路13、及び画像生成回路14等を制御して、超音波プローブ20を用いた第1のスキャンを開始させる(ステップST1)。ステップST1により、画像収集機能171は、CHIによりCHI画像を収集する。
【0053】
図4は、CHI画像の一例を示す図である。
図4(A)は、第nのタイミングに係るCHI画像を示し、
図4(B)は、第n+1のタイミングに係るCHI画像を示す。
図4(A)に示すタイミングから
図4(B)に示すタイミングまで時間が経過すると、造影剤が進行することになる。
【0054】
図3の説明に戻って、画像収集機能171は、画像生成回路14等を制御して、CHI画像を生成し(ステップST2)、CHI画像をディスプレイ40に表示させる(ステップST3)。
【0055】
画像収集機能171は、造影後期のタイミングに至ったか否か、つまり、画像合成を開始するか否かを判断する(ステップST4)。ステップST4において、画像収集機能171は、造影剤の注入開始のタイミングに基づく時間が経過、又は、CHI画像の画像認識により、造影後期のタイミングに至ったか否かを判断する。ステップST4の判断にてNO、つまり、画像合成を開始しないと判断される場合、画像収集機能171は、次のタイミングにおいて、CHI画像を生成する(ステップST2)。
【0056】
一方、ステップST4の判断にてYES、つまり、画像合成を開始すると判断される場合、画像収集機能171は、造影剤の注入開始後、送受信回路11、Bモード処理回路12、ドプラ処理回路13、及び画像生成回路14等を制御して、超音波プローブ20を用いた第2のスキャンを開始させる(ステップST5)。ステップST5により、画像収集機能171は、CHIによりCHI画像を収集すると共に、血管収集モードにより血管構造画像を収集する。
図5は、微小血管構造を示す血管構造画像の一例を示す図である。
【0057】
図3の説明に戻って、画像収集機能171は、画像生成回路14等を制御して、CHI画像及び血管構造画像を生成し(ステップST6)。抽出機能172は、ステップST6によって生成された血管構造画像に基づいて、微小血管構造を抽出する(ステップST7)。ステップST7による微小血管構造の抽出は、カラードプラ画像やパワードプラ画像からの血管構造の抽出と同様の方法で行われればよい。
【0058】
画像合成機能173は、ステップST6によって生成されたCHI画像に、ステップST7によって抽出された微小血管構造を示す情報を合成して合成画像を生成する(ステップST8)。微小血管構造を示す情報とは、例えば、微小血管構造の輪郭である。
【0059】
図6は、合成画像の第1例を示す図である。
図6(A)は、第n+1のタイミングに係るCHI画像と、それに合成された微小血管構造の輪郭Mとを示し、
図6(B)は、第n+2のタイミングに係るCHI画像と、それに合成された微小血管構造の輪郭Mとを示す。
図6(A)に示すタイミングから
図6(B)に示すタイミングまで時間が経過すると、造影剤が進行することになる。
【0060】
図6(A),(B)に示すような、微小血管構造の輪郭Mが合成された合成画像を生成することで、操作者は、微小血管構造を明瞭に視認できるばかりでなく、微小血管構造に造影剤が流入する様子をも視認することができる。
【0061】
図3の説明に戻って、画像合成機能173は、合成画像をディスプレイ40に表示させる(ステップST9)。画像合成機能173は、ステップST5によって開始された第2のスキャンを終了するか否かを判断する(ステップST10)。ステップST8の判断にてYES、つまり、ステップST5によって開始された第2のスキャンを終了すると判断された場合、超音波診断装置10は動作を終了する。
【0062】
一方、ステップST10の判断にてNO、つまり、ステップST5によって開始された第2のスキャンを終了しないと判断された場合、画像収集機能171は、次のタイミングにおいて、CHI画像及び血管構造画像を生成する(ステップST6)。
【0063】
超音波診断装置10によると、血管収集モードによる微小血管構造に加え、CHIによる造影像を観察可能な画像を略リアルタイムで提供することができる。それにより、煩雑な操作なしに診断に適した画像を操作者に対して簡易に提供することができる。
【0064】
2.第1の変形例
画像合成機能173は、CHI画像に微小血管構造を示す情報を合成するものに限定されるものではない。例えば、CHI画像に組織像が合成された画像に、さらに微小血管構造を示す情報を合成してもよい。
【0065】
図7は、比較例に係る合成画像を示す図である。
図7(A)は、第n+1のタイミングに係るCHI画像と、それに合成された組織像とを示し、
図7(B)は、第n+2のタイミングに係るCHI画像と、それに合成された組織像とを示す。
図7(A)に示すタイミングから
図7(B)に示すタイミングまで時間が経過すると、造影剤が進行することになる。
【0066】
一方で、
図8は、実施形態に係る合成画像の第2例を示す図である。
図8(A)は、第n+1のタイミングに係るCHI画像及び組織像と、それに合成された微小血管構造の輪郭Mとを示し、
図8(B)は、第n+2のタイミングに係るCHI画像及び組織像と、それに合成された微小血管構造の輪郭Mとを示す。
図8(A)に示すタイミングから
図8(B)に示すタイミングまで時間が経過すると、造影剤が進行することになる。ここで、組織像は、Bモード画像を示す。また、Bモード画像は、CHI画像とは別のスキャンで生成されたいわゆるBモード画像や、基本波成分の反射波データ(受信信号)から生成された、CHI画像と同一のスキャンで生成されたファンダメンタル画像等を含む。
【0067】
図8(A),(B)に示すような、微小血管構造の輪郭Mが合成された合成画像を生成することで、
図7(A),(B)と比較して、操作者は、組織像によりスキャン位置を確認しながら、微小血管構造を明瞭に視認できるばかりでなく、微小血管構造に造影剤が流入する様子をも視認することができる。
【0068】
3.第2の変形例
画像収集機能182は、
図3のステップST1による第1のスキャンにより、組織像及びCHI画像を生成及び表示し、ステップST5による第2のスキャンにより、組織像、CHI画像、及び血管構造画像を生成及び表示する。
【0069】
【0070】
図9(A)に示すように、造影早期はCHI画像及び組織像からなる並列表示とする。そして、造影後期に至った場合、画像合成部は、CHI画像と組織像との並列表示を、合成画像と組織像との並列表示に切り替える(
図9(B)に図示)。これにより、操作者は、煩雑な操作なく、微細血管構造を観察可能となる。
【0071】
4.第3の変形例
本発明の技術思想を、3次元表示や4次元表示(空間かつ時間)に応用することもできる。造影後期において、CHI画像に組織像が合成された3次元画像に、血管構造画像に基づく微小血管構造を示す情報を合成する場合は、微小血管構造を示す情報を半透明で表示する。
【0072】
図10は、実施形態に係る合成画像(3次元画像)を説明するための図である。
図10(A)は、比較例に係る合成画像(3次元画像)を示す。
図10(B)は、第3の変形例に係る合成画像(3次元画像)を示す。
【0073】
図10(A)では、操作者は、レンダリング処理の投影方向に沿って重なる2つの微小血管構造Mのうち、当該方向に沿って奥側に存在する微小血管構造が視認できない。一方で、
図10(B)では、画像合成機能173により、当該方向に沿って手前側に存在する微小血管構造について、半透明となる処理が施されている。その結果、
図10(B)によれば、操作者は、3次元画像である合成画像の回転(視線方向の変更)操作をしなくても、奥側の微小血管構造を視認することができると共に、微小血管構造Mを立体的にとらえることが可能となる。
【0074】
5.医用画像処理装置
図11は、実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示す概略図である。
【0075】
図11は、実施形態に係る医用画像処理装置70を示す。医用画像処理装置70は、医用画像管理装置(画像サーバ)や、ワークステーションや、読影端末等であり、ネットワークを介して接続された医用画像システム上に設けられる。なお、医用画像処理装置70は、オフラインの装置であってもよい。
【0076】
医用画像処理装置70は、処理回路71、メモリ72、入力インターフェース73、ディスプレイ74、及びネットワークインターフェース75を備える。処理回路71、メモリ72、入力インターフェース73、及びディスプレイ74は、
図1及び
図2に示す処理回路17、メインメモリ18、入力インターフェース30、及びディスプレイ40と同等の構成を有するものとして説明を省略する。
【0077】
ネットワークインターフェース75は、パラレル接続仕様やシリアル接続仕様に合わせたコネクタによって構成される。医用画像処理装置70が医用画像システム上に設けられる場合、ネットワークインターフェースは、ネットワーク上の外部装置と情報の送受信を行なう。例えば、ネットワークインターフェースは、処理回路71の制御の下、外部装置から、CT画像データ等の医用画像データを受信する。
【0078】
続いて、医用画像処理断装置70の機能について説明する。
【0079】
図12は、医用画像処理断装置70の機能を示すブロック図である。
【0080】
処理回路71は、メモリ72に記憶されたプログラムを実行することで、画像取得機能711、抽出機能712、及び画像合成機能713を実現する。なお、機能711~713の全部又は一部は、医用画像処理装置70のプログラムの実行により実現される場合に限定されるものではなく、医用画像処理装置70にASIC等の回路として備えられる場合であってもよい。
【0081】
画像取得機能711は、ネットワークインターフェース75を介して医用画像管理装置50又は超音波診断装置50から、対応するCHI画像、組織像、及び血管構造画像を取得する機能を含む。なお、画像取得機能711は、画像取得部の一例である。
【0082】
抽出機能712は、
図2に示す抽出機能172と同等の機能を含む。なお、抽出機能712は、抽出部の一例である。
【0083】
画像合成機能713は、
図2に示す画像合成機能173と同等の機能を含む。なお、画像合成機能713は、画像合成部の一例である。
【0084】
なお、医用画像処理装置70の動作については、
図3に示す超音波診断装置10の動作と同等であるので、説明を省略する。
【0085】
医用画像処理装置70によると、血管収集モードによる微小血管構造に加え、CHIによる造影像を観察可能な画像を提供することができる。それにより、煩雑な操作なしに診断に適した画像を操作者に対して簡易に提供することができる。
【0086】
6.第4の変形例
上述したように、超音波診断装置10においてスキャン中はCHI画像、組織像、微小血管組織を示す情報を重ねて1画面で表示する場合について説明した。しかし、医用画像処理装置70において検査後に再度画像を確認する場合には、画像合成機能713は、入力インターフェース73を用いた操作により、合成画像の表示を、その要素としてのCHI画像と血管構造画像との並列表示に切り替えるか、CHI画像と血管構造画像と組織像との並列表示に切り替える。
【0087】
図13は、合成画像の表示を、その要素としてのCHI画像と血管構造画像と組織像との並列表示に切り替える概念を説明するための図である。
【0088】
図13の左側は、合成画像の単独表示例を示す。
図13の右側は、CHI画像と血管構造画像と組織像との並列表示例を示す。左側の単独表示が右側の並列表示に切り替わることにより、画像種ごとの詳細な観察や計測が可能となる。また、並列表示後に再保存することで、所望のデータ量を小さくして保存することが可能となる。
【0089】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、毛細血管等の微小血管構造に加え、造影像を観察可能な画像を提供することである。
【0090】
なお、画像収集機能171は、画像収集部の一例である。抽出機能172,712は、抽出部の一例である。画像合成機能173,713は、画像合成部の一例である。画像取得機能711は、画像取得部の一例である。
【0091】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0092】
10 超音波診断装置
17 処理回路
70 医用画像処理装置
71 処理回路
171 画像収集機能
172,712 抽出機能
173,713 画像合成機能
711 画像取得機能