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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】ツボ刺激具
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
A61H39/04 B
A61H39/04 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018179531
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2019155058
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2018071173
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】513241073
【氏名又は名称】長 秀明
(72)【発明者】
【氏名】長 秀明
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-027993(JP,A)
【文献】特開2007-044218(JP,A)
【文献】特開平11-169427(JP,A)
【文献】特開平09-164177(JP,A)
【文献】実開平01-161731(JP,U)
【文献】実開平05-013438(JP,U)
【文献】登録実用新案第3180267(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0348175(US,A1)
【文献】中国実用新案第2604991(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が把持するベース板の片面側に複数の突起物が配置され、
前記複数の突起物によって、ツボを押圧し、かつ、筋を把持可能なツボ刺激具であり、
前記突起物は、前記ベース板に嵌入して直立姿勢であり、その先端から末端にかけて斜面を有し、前記斜面の先端に位置する頭頂部近傍は丸みを帯びている前記斜面と連なる先細りした形状であり、前記複数の突起物の1の突起物とそれに隣接する他の突起物とは、前記斜面が所定方向に向かい合うように配置されていることを特徴とするツボ刺激具。
【請求項2】
長短略矩形状のベース板に立設する前記突起物は、長手方向の第1列に3本、長手方向の第2列に2本の計5本であり、
第1列の中央に位置する突起物と第2列の先頭及び後尾に位置する突起物との前記頭頂部は前記ベース板の各々の側面側に配置され、第1列の先頭及び後尾に位置する突起物の頭頂部は前記ベース板の中央寄りに配置され、
少なくとも前記第1列の前記斜面が所定方向に向かい合うように配置されていることを特徴とする請求項記載のツボ刺激具。
【請求項3】
前記突起物は、長短略矩形状のベース板の長手方向に位置ズレして複数列有し、同列において隣接する突起物の前記斜面が対向配置されることで断面視V字溝を形成し、
前記長手方向に対して、前記各列の突起物は千鳥状に配置されて前記頭頂部が左右に振れていることを特徴とする請求項1からのいずれか記載のツボ刺激具。
【請求項4】
請求項1からのいずれか記載の前記突起物を内包して、利用者の刺激を和らげる
緩衝材を使用したツボ刺激具。
【請求項5】
前記ベース板は、流線形状であることを特徴とする請求項1記載のツボ刺激具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の患部に在るツボを押圧することで効果的な刺激を与えて疲労を回復させるような構造及び形状を備えるツボ刺激具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のツボを刺激する器具としては、平面を有するベース板に複数の突起物を立設したものがある。これらの治癒具は、ベース板に先端の丸い複数の突起物を立設したものが多く、その他の特徴としてはその突起物の大きさも数も様々であり、各突起物間の間隔を調整可能なものや、その突起物の高さを調整可能なものが開発されている。また、それらの突起物の先端形状は、半球状のものが多く、それらを単に直線状に複数列設け、脊柱の両側に位置するように並べたものが多い。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の治癒具は、先端が半球状である複数の突起物を異なる高さで山型状に2列設置し、各列の突起物を其々両背筋に宛がい、背中を反らせて押圧することで、その効果を得ようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-47228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような特許文献1に記載の治癒具では、使用時の姿勢や動作によっては、その突起物が目的のツボから外れてしまうことが多々あり、所望する効果が充分に得られなかった。このように、従来のものは、欲するツボをしっかり捉えて押圧できるものがなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) ツボ刺激具は、ベース板の上面に複数の突起物が配置され、突起物は、その先端から末端にかけて斜面を有し、斜面の頭頂部近傍は丸みを帯びていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、突起物の先端から末端にかけた斜面と、丸みを帯びている斜面の頭頂部近傍と、によって、ツボを効果的に刺激することができる。すなわち、斜面の斜辺により筋を捉えて押圧することができ、特に複数の突起物による斜面によって筋を把持できることができる。また、斜面の頭頂部によりツボを押圧することができる。
【0008】
(2) ツボ刺激具の頭頂部は略平坦であることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、略平坦な頭頂部と丸みを帯びている頭頂部近傍とによって、使用者に痛くない心地よい刺激を与えることができる。頭頂部の大きさは突起物の全周に比べて半分以下であり、斜面及び突起物周面に連なる頭頂部は全体的に丸みを帯びている形状を呈することにより、使用者に心地よさを提供することができる。
【0010】
(3) ツボ刺激具の突起物は2本であり、1の突起物と他の突起物とは、斜面が所定方向に位置ズレして向かい合うように配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、ベース板の上面に配置された2本の突起物は、斜面が所定方向に位置ズレして向かい合うように配置されていることから、1の斜面と他の斜面との間で筋を把持することで、ピンポイント的に確実に筋を捉えて効果的な刺激を与えることができる。また、斜面が所定方向に位置ズレしていることにより、斜面同士を対向配置するのに比べて筋の位置合わせがしやすく、細い筋や太い筋など筋の幅広い筋の態様に関係なく、ピンポイント的に確実に筋を捉えて効果的な刺激を与えることができる。
【0012】
(4) ツボ刺激具の突起物は、長手方向の第1列に3本、長手方向の第2列に2本の計5本であり、第1列の中央に位置する突起物と第2列の先頭及び後尾に位置する突起物との頭頂部はベース板の各々の側面側に配置され、第1列の先頭及び後尾に位置する突起物の頭頂部はベース板の中央寄りに配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、ベース板の上面に配置された5本の突起物は、ベース板に対する頭頂部の位置関係を規定することにより、適切にツボを捉えて刺激を与えることができる。このため、第2列に位置する突起物は、ベース板のスペース内で出来る限りの間隔をとるために、ベース板の外側寄りに頭頂部が位置するように配置している。また、第1列に位置する突起物は、互いに向き合うように離間して対向配置されることで筋を把持することも可能であるが、5本の指先の先端をイメージして配置することで、人がマッサージをする時と同じようなツボの捉え方ができ、筋を押圧したり、押圧しながら押す・回す・揺らす等の動作を加えて極く自然な心地よい刺激を与えることができる。
【0014】
(5) ツボ刺激具の突起物は、ベース板の長手方向に複数列有し、同列において隣接する突起物の斜面が反対方向に位置ズレして配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、ベース板の長手方向に隣り合う突起物の斜面が、反対方向に位置ズレして配置されている。すなわち、各列の長手方向に隣り合う2本の突起物の斜面が、一方は長手方向に平行な直線に対して左側を向き、他方は長手方向に平行な直線に対して右側を向いていることから、長い背筋などはこの向き合う斜面で形成されるV字溝によって確実に把持されることとなる。よって、目的のツボを正確に押圧することが可能になる。
【0016】
(6) ツボ刺激具の各列の突起物は、長手方向に垂直な短手方向に、行毎に同じ高さで平行に立設され、頭頂部上の仮想平面は、ベース板に対して斜めとなることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、ベース板に対して突起物の頭頂部上の仮想平面が斜めとなることから、突起物の高さが長手方向に暫増又は暫減することにより、突起物を目的のツボに合わせやすいとともに、斜面によって筋を把持することで、筋を捉えて効果的な刺激を与えることができる。
【0018】
(7) ツボ刺激具の長手方向に対して、各列の突起物は、左右に振れて配置されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、各列の突起物が直線的な場合に比べて左右に振れてジグザグ状に配置されていることから、隣接する突起物の斜面によって形成される溝の間隔が大きくなり、斜面によって筋を把持しやすく、筋を捉えて効果的な刺激を与えることができる。
【0020】
(8) 突起物を内包する緩衝材。
【0021】
本発明によれば、突起物の全部又は一部を内包する緩衝材により、突起物を意図せずに踏み付けたりした場合でも衝撃を和らげることができ、安全面を考慮したツボ刺激具の提供に資することができる。また、突起物による刺激が強すぎて痛い場合には、緩衝材によって刺激を和らげることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、突起物が目的のツボから外れることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態であるツボ刺激具の全体の斜視図を示す。
図2】ベース板の上面図。
図3】ツボ刺激具の上面図。
図4】突起物の外観を示す図であり、(A)は、突起物の単体を示し、(B)は、突起物を第一の方向に並べた状態を示し、(C)は、図3のA-A’断面図。
図5】ツボ刺激具の使用状態を示す図であり、(A)は、突起物対の一方が対象に当接した状態を示し、(B)は、突起物対の他方が対象に当接した状態を示し、(C)は、突起物対の両方が対象に当接した状態を示す図。
図6】本発明の変形例に係るツボ刺激具の特徴部分の構造を示す図。
図7】本発明の別の実施の形態であるツボ刺激具の全体の構成図を示す図であり、(A)は、上面、(B)は、下面である。
図8】ツボ刺激具の突起物の配置の様子を示す図である。
図9】本発明の別の実施の形態であるツボ刺激具の全体の構成図を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態にかかるツボ刺激具について図を用いて具体的に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成のすべてが、本発明の必須条件とは限らない。
【0025】
(ツボ刺激具1)
ツボ刺激具1は、図1に示すように突起物3を立設する支持台であるベース板2と、身体患部を押圧するための複数の突起物3(3L1~3L7、3R1~3R7)と、で構成されており、先の尖ったベース板2の上に7本の突起物3がジグザグ状に並んで1つの列をつくり、これが平行に2列配置されている。
【0026】
(ベース板2)
ベース板2は複数の突起物3を支持するもので、図2に示すように、その表面には複数の突起物3を嵌入する穴41が同じ深さで形成されている。
そして、その複数の穴41は、第一の方向Y(長手方向)に2列形成されている(穴41L1~41L7と穴41R1~41R7)。
そして、複数の穴41は、第二の方向X(短手方向)に、行毎に平行に形成されている。例えば、穴41L1-41R1と穴41L2-41R2は、平行に形成されている。
また、その複数の穴41は、第一の方向Yに平行な直線に対して千鳥状に左右に振れて2列形成されている。
尚、その複数の穴の列は、第二の方向X(短手方向)に沿って、2列に限らず複数列形成してもよい。
【0027】
(突起物3)
次に、突起物3について説明する。
この突起物3は、図4(A)に示すように棒状である。
そして、その先端から末端にかけて、ベース板2の上面に対して斜面4が形成されている。
そして、その先端は頭頂部5を有し丸みを帯びている。
また、その突起物3の末端の太さは、ベース板2の穴41に嵌入可能な大きさである。
突起物3の長さは、それぞれ同じ長さであってもよいし、後述するように異なる長さであってもよい。
【0028】
図4(A)に示す突起物3を図2に示すベース板2の穴41に嵌入すると、図3に示すようにベース板2上に突起物3が立設配置される。
このように、突起物3は、第一の方向Y(長手方向)に於いて千鳥状に配置される。即ち、突起物3は、第一の方向Yに平行な直線に対して、左右に振れて立設されている。
このとき、突起物3L1~3L7を第一の突起物列Lと言い、また、突起物3R1R7を第二の突起物列Rと言う。
図3に示すように、ベース板2の上面には、第一の突起物列Lと第二の突起物列Rの2列を有し、さらに第一の突起物列L及び第二の突起物列Rは、各々が千鳥状に左右に振れて2列配置されている。
また、突起物3は、第二の方向X(短手方向)に於いて、行毎に平行に立設さている。
【0029】
図3に示すように、突起物3(例えば、3L2)は、近隣する突起物3(例えば、3L1,3L3,3R2)とは斜面4が異なる向きに配置されている。
また、ベース板2の第一の方向Yに於いて、行毎に異なる向きに配置されている。
例えば、奇数行突起物3L1, L3, L5, L7の斜面4は、図示左を向くように配置され、一方、偶数行突起物3L2, L4,L6の斜面4は、図示右を向くように配置されている。
【0030】
また、これら突起物3は、ベース板2の第二の方向Xに於いて、行毎に対向配置されている。
例えば、突起物3L1の斜面4は、図示左を向くように配置されており、一方、突起物3R1の斜面4は、図示右を向くように配置されている。
同様に、突起物3L2L7は、突起物3R2R7と反対方向に配置されている。
【0031】
次に、図4(B)を参照して、突起物3がベース板2の第一の方向Yに配置された状態について説明する。
図示するように、突起物3の長さは、ベース板2の第一の方向Yに沿って異なる長さになっており、その長さは漸次変化している。
例えば、突起物3L1から突起物3L7に向かって徐々に長くなっている。同様に、突起物3R1から突起物3R7に向かって徐々に長くなっている。
尚、上述の例示では、突起物3の長さを、突起物3R1から突起物3R7に向かって長くする説明をしたが、反対に、突起物3R1から突起物3R7に向かって短くしてもよい。
【0032】
また、突起物3の長さは、図3に示すベース板2の第二の方向Xに於いて、行毎に同じ長さになっている。例えば、突起物3L1と突起物3R1は、同じ長さになっており、同様に突起物3L2~L7は、其々突起物3R2~R7と同じ長さになっている(図4(B)参照)。
【0033】
上述のように立設された各突起物3の先端を結ぶことで、ベース板2上面に対して斜めとなる仮想平面が形成される。この仮想平面はベース板2に対して斜めとなることから、利用者の身体凹凸部位に合わせた押圧が可能となる。
【0034】
(突起物列の間隔)
次に、図3を参照して、突起物列の間隔について説明する。
第一の突起物列Lと第二の突起物列Rの間隔は、突起物3が背骨の両側に位置する両背筋(例えば、最長筋)の押圧可能な間隔である。
尚、突起物列の間隔とは、例えば、千鳥状に配置された突起物3のうち、背骨に最も近い位置に配置される突起物3を基準とした間隔である。例えば、突起物列の間隔とは、ベース板2上における同じ行間の突起物列の間隔であり、突起物3L1,L3,L5,L7と突起物3R1,R3,R5,R7との間隔である。
【0035】
(突起物対)
次に、突起物対について説明する。
上述のように、突起物3をベース板2の穴41に嵌入すると、ベース板2の第一の方向Yに突起物列L,Rが設けられる。
ここで、突起物列L,Rを構成する突起物3の対を突起物対42とする。例えば、突起物3L6と突起物3L7を突起物対42とし、突起物3R6と突起物3R7を突起物対42とする(図3参照)。
尚、この突起物対は、近隣する突起物3の組み合わせに限らず、離間した突起物を組み合わせてもよい。例えば、突起物3L1と突起物3L4を組み合わせても良い。
【0036】
上述した突起物対42の形状について、図4(C)を参照して説明する。
図4(C)は、図3のA―A’断面図である。
図示の通り、突起物対42では、構成する突起物3の斜面4によって、断面視V字状のV字溝6が形成される。例えば、第一の突起物列Lに於いて、突起物3L6と3L7によって構成される突起物対42では、V字溝6が形成され、他方、第二の突起物列に於いて、突起物3R6と3R7によって構成される突起物対42では、V字溝6が形成される。
同様に、例えば、突起物3L4と3L5、突起物3L2と3L3によって突起物対42が形成され、各突起物3の斜面4によってV字溝6が形成される。
V字溝6の間隔(突起物対を構成する両突起物の先端の間隔)は、後述する利用者の筋を把持できる程度の間隔である。
【0037】
(使い方)
上述の構成を有するツボ刺激具1の使用例について説明する。尚、以下、ツボ刺激具1を、利用者の背中に使用する場合について説明する。
ツボ刺激具1を利用者の背中に宛がう(仰向けに寝て突起物3が脊椎を跨ぐようにして両背筋に宛がう)と、二つの突起物列(第一の突起物列Lと第二の突起物列R)が皮膚(後述する皮膚8)を介して両背筋に当たる。
このとき、図5(A)に示すように、突起物対42の一方(例えば、第一の突起物列を構成する突起物3L7)が筋9を図示右へ押しやっている。同様に、図5(B)に示すように、突起物対42の他方(例えば、第一の突起物列を構成する突起物3L6)が筋9を図示左へ押しやっている。
このようにして、突起物対42によって、筋9が両側に位置する斜面4によって互い違いに把持される(図5(C)参照)。
尚、説明を省略するが、第二の突起物列に於いても、突起物対によって筋が把持される。
【0038】
以上のように、ツボ刺激具1によれば、突起物対が利用者の筋を挟み込んで把持することで、突起物の先端が患部を的確に捉えることができ、尚且つ、利用者の姿勢の変化に起因する突起物の位置ずれが解消される。よって、安定してツボ刺激の施術を行うことができる。
一方、従来のツボ刺激具では、突起物の先端形状が半球状であったことから、利用者の姿勢の変化に起因する突起物の位置ずれが生じ、安定した施術が行えていなかった。
【0039】
図7は、本発明の別の実施の形態であるツボ刺激具1’の全体の構成図を示す図であり、(A)は、上面、(B)は、下面である。ツボ刺激具1’は、ツボ刺激具1と同様に、ベース板2の上面に突起物3を嵌入する穴41が2個形成されており、突起物3がそれぞれの穴41に嵌入されている。
【0040】
突起物3に形成されている斜面4は、所定方向に位置ズレして向かい合うように配置されている。例えば、図8に示すように、1の突起物3の斜面4の向きに対して他の突起物3の斜面4の向きは位置ズレして開いており、あらゆる箇所の筋を斜面4によって捉えることで、ツボ刺激具1’の使い勝手をよくすることができる。
【0041】
ツボ刺激具1’を使用する際には、ベース板2の下面を掌に当接し、ベース板2の側周面近傍に形成された緩やかな湾曲部分を手の指で把持する。このように、ベース板2の側周は指で握りやすい形状を呈しており、特に親指で把持する部分(図7(A)の下側)は平滑でなだらかに凹んでおり、親指以外の他の4本の指で把持する部分(図7(A)の上側)は平滑でなだらかに凸している。すなわち、ベース板2は、非常に手になじみやすい流線形状になっており、とても握りやすくなっている。なお、ベース板2の上面のうち突起物3を配置する部分は平滑な平坦となっている。
【0042】
図9は、本発明の別の実施の形態であるツボ刺激具1”の全体の構成図を示す図である。ツボ刺激具1”は、ツボ刺激具1,1’と同様に、ベース板2の上面に突起物3を嵌入する穴41が5個形成されており、突起物3がそれぞれの穴41に嵌入されている。
【0043】
突起物3は、長手方向の第1列に3本(3V1,3M1,3B1)、長手方向の第2列に2本(3V2,3B2)の計5本がベース板2上に配置されている。第1列の中央に位置する突起物3M1と第2列の先頭及び後尾に位置する突起物3V2,3B2との頭頂部5はベース板2の各々の側面側に位置するように配置されている。すなわち、ベース板2に対して突起物3M1,3V2,3B2の各斜面4は内側を向き、各頭頂部5は外側寄りに配置されている。また、第1列の先頭及び後尾に位置する突起物3V1,3B1の頭頂部5はベース板2の中央寄りに配置されている。
【0044】
ツボ刺激具1”を使用する際には、ベース板2の下面を掌に当接し、ベース板2の側周面近傍に形成された緩やかな湾曲部分を手の指で把持する。このように、ベース板2の側周は指で握りやすい形状を呈しており、特に親指で把持する部分(図9の右側)は平滑でなだらかに凹んでおり、親指以外の他の4本の指で把持する部分(図9の左側)は平滑でなだらかに凸している。なお、ベース板2の上面のうち突起物3を配置する部分は平滑な平坦となっている。
【0045】
以上、本実施の形態に係るツボ刺激具について説明したが、これに限定されることなく、種々の変更が可能であり、例えば、左右対称のもので左手用・右手用のツボ刺激具としてもよい。
例えば、突起物3を緩衝材31で内包してもよく、図6に示すように、突起物3をその先端部を除いて緩衝材31に内包してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
身体の疲労を癒す。頻繁に身体をマッサージすることで、毎日の健康を維持することができる。身近に在って、気軽に手に取り使用できるコンパクトなマッサージ器具であれば、毎日の生活に支障なくツボ以外には負担を掛けずに押圧ができる。そして、このツボ刺激具は、多くの人々を癒し、多くの人々の生活に貢献できる。
【符号の説明】
【0047】
1 ツボ刺激具
2 ベース板
3 突起物
4 斜面
41 ベース板の穴
42 突起物対
5 頭頂部(先端)
6 V字溝
8 皮膚
9 筋
31 緩衝材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9