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特許7308614熱電モジュール及び熱電モジュールの調整方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】熱電モジュール及び熱電モジュールの調整方法
(51)【国際特許分類】
   H10N 10/17 20230101AFI20230707BHJP
   H10N 10/10 20230101ALI20230707BHJP
   H02N 11/00 20060101ALI20230707BHJP
   F25B 21/02 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
H10N10/17 Z
H10N10/10 C
H02N11/00 A
F25B21/02 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018245551
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020107748
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸澤 利彦
(72)【発明者】
【氏名】藤本 慎一
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-181185(JP,A)
【文献】国際公開第2018/174173(WO,A1)
【文献】特開2005-251950(JP,A)
【文献】特開2005-117835(JP,A)
【文献】特開2007-150231(JP,A)
【文献】特開2016-015861(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0239591(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 10/17
H10N 10/10
H02N 11/00
F25B 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面に配置された複数の電極と、
複数の前記電極のそれぞれに接続される複数の熱電素子と、
異なる前記電極のそれぞれに直列に接続され、第1負荷及び第2負荷の一方又は両方に接続される少なくとも3つの端子と、を備え
前記端子は、
前記第1負荷に接続される第1端子と、
前記第1負荷及び前記第2負荷のそれぞれに接続される第2端子と、
前記第2負荷に接続される第3端子と、を含み、
前記第3端子は、複数設けられ、
前記基板は、第1軸方向に延在する第1縁部を有し、
複数の前記第3端子は、前記第1軸方向において前記第1端子と前記第2端子との間に配置され、
前記第1端子は、プラス端子であり、
前記第2端子は、マイナス端子であり、
前記第3端子は、プラス端子である、
熱電モジュール。
【請求項2】
前記端子は、前記基板の表面において前記電極と前記基板の縁部との間に配置される、
請求項1に記載の熱電モジュール。
【請求項3】
記第1端子と前記第2端子と前記第3端子とは、前記電極と前記第1縁部との間において前記第1軸方向に配置される、
請求項に記載の熱電モジュール。
【請求項4】
前記端子は、前記電極から前記第1縁部に向かって突出する第1部分と、前記第1部分の先端部に接続され前記電極と前記第1縁部との間において前記第1軸方向に延在する第2部分と、前記第2部分から前記第1縁部に向かって突出する第3部分とを含み、
前記第1軸方向において、前記第1端子及び前記第3端子は、前記基板の中心よりも一方側に配置され、前記第2端子は、前記基板の中心よりも他方側に配置され、
前記第1端子、前記第2端子、及び前記第3端子のそれぞれの前記第2部分は、前記第1部分の先端部から前記基板の中心に向かって突出する、
請求項に記載の熱電モジュール。
【請求項5】
基板と、
前記基板の表面に配置された複数の電極と、
複数の前記電極のそれぞれに接続される複数の熱電素子と、
異なる前記電極のそれぞれに直列に接続され、第1負荷及び第2負荷の一方又は両方に接続される少なくとも3つの端子と、を備え
前記端子は、
前記第1負荷に接続される第1端子と、
前記第1負荷に接続される第2端子と、
前記第2負荷に接続される第3端子と、
前記第2負荷に接続される第4端子と、を含み、
前記基板は、第1軸方向に延在する第1縁部を有し、
前記第3端子及び前記第4端子は、前記第1軸方向において前記第1端子と前記第2端子との間に配置され、
前記第1端子は、プラス端子であり、
前記第2端子は、マイナス端子であり、
前記第3端子は、プラス端子であり、
前記第4端子は、マイナス端子である、
熱電モジュール。
【請求項6】
記第1端子と前記第2端子と前記第3端子と前記第4端子とは、前記電極と前記第1縁部との間において前記第1軸方向に配置される、
請求項に記載の熱電モジュール。
【請求項7】
前記端子は、前記電極から前記第1縁部に向かって突出する第1部分と、前記第1部分の先端部に接続され前記電極と前記第1縁部との間において前記第1軸方向に延在する第2部分と、前記第2部分から前記第1縁部に向かって突出する第3部分とを含み、
前記第1軸方向において、前記第1端子及び前記第3端子は、前記基板の中心よりも一方側に配置され、前記第2端子及び前記第4端子は、前記基板の中心よりも他方側に配置され、
前記第1端子、前記第2端子、前記第3端子、及び前記第4端子のそれぞれの前記第2部分は、前記第1部分の先端部から前記基板の中心に向かって突出する、
請求項に記載の熱電モジュール。
【請求項8】
基板の表面に配置された複数の電極及び複数の前記電極のそれぞれに接続される複数の熱電素子を備え、第1負荷と第2負荷とに分配される電気エネルギーを発生する熱電モジュールの調整方法であって、
前記第2負荷に与える電圧に基づいて、前記第2負荷に分配される電気エネルギーを示す消費電力を算出することと、
前記熱電モジュールの熱抵抗、前記熱電モジュールを加熱する熱源の温度、及び前記熱電モジュールの周囲の大気空間の温度に基づいて、前記熱電モジュールの高温側の端面の温度及び低温側の端面の温度を算出することと、
前記高温側の端面の温度及び前記低温側の端面の温度に基づいて、前記熱電モジュールが発生する電気エネルギーを示す発電出力を算出することと、
前記消費電力と前記発電出力とに基づいて、前記第1負荷に分配される電気エネルギーを示す実効出力を算出することと、を含み、
前記第2負荷に与える前記電圧を順次変更することにより算出された複数の前記実効出力に基づいて、前記第2負荷に与える最適電圧を決定する、
熱電モジュールの調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電モジュール及び熱電モジュールの調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼーベック効果により熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電モジュールが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-164947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱電モジュールから発生した電気エネルギーを第1負荷と第2負荷とに分配する場合がある。例えば熱電モジュールを冷却するファンを回転させるモータが設けられる場合、熱電モジュールから発生した電気エネルギーの一部をモータに供給し、余剰の電気エネルギーを外部負荷に供給する場合がある。モータに供給される電気エネルギーが大きいと、外部負荷に供給される電気エネルギーが低下してしまう。モータに供給される電気エネルギーが小さいと、熱電モジュールが十分に冷却されず、熱電モジュールから発生する電気エネルギーが低下してしまう。
【0005】
本発明の態様は、熱電モジュールから発生した電気エネルギーを第1負荷と第2負荷とに分配する場合において、第1負荷及び第2負荷のそれぞれに電気エネルギーを効率良く供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、基板と、前記基板の表面に配置された複数の電極と、複数の前記電極のそれぞれに接続される複数の熱電素子と、異なる前記電極のそれぞれに接続され、第1負荷及び第2負荷の一方又は両方に接続される少なくとも3つの端子と、を備える熱電モジュールが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、熱電モジュールから発生した電気エネルギーを第1負荷と第2負荷とに分配する場合において、第1負荷及び第2負荷のそれぞれに電気エネルギーを効率良く供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る熱電装置の一例を示す模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係る熱電モジュールを示す模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係る第1基板の一例を示す平面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る端子と第1負荷及び第2負荷との接続形態を示す模式図である。
図5図5は、第1実施形態に係る第1端子を示す平面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る第2端子を示す平面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る熱電装置の熱抵抗を示す模式図である。
図8図8は、第1実施形態に係る熱電モジュールの調整方法の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、第1実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
図10図10は、第1実施形態に係るモータに与える電圧とファンが発生する風量との関係を示す図である。
図11図11は、第1実施形態に係る放熱部材に与える風量と放熱部材の熱抵抗との関係を示す図である。
図12図12は、第1実施形態に係るモータに与える電圧と放熱部材の熱抵抗との関係を示す図である。
図13図13は、第1実施形態に係るモータに与える電圧と実効出力との関係を示す図である。
図14図14は、第2実施形態に係る第1基板の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向(第1軸方向)、所定面内においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向(第2軸方向)、所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。X軸方向とY軸方向とZ軸方向とは直交する。X軸及びY軸を含むXY平面は、所定面と平行である。Y軸及びZ軸を含むYZ平面は、XY平面と直交する。X軸及びZ軸を含むXZ平面は、XY平面及びYZ平面のそれぞれと直交する。
【0011】
[第1実施形態]
<熱電装置>
図1は、本実施形態に係る熱電装置1の一例を示す模式図である。熱電装置1は、熱電モジュール2と、熱電モジュール2の-Z側の端面21Tに接続される吸熱部材3と、熱電モジュール2の+Z側の端面22Tに接続される放熱部材4と、放熱部材4よりも+Z側に配置されるファン5と、ファン5を回転させる動力を発生する第2負荷6とを備える。
【0012】
熱電モジュール2は、ゼーベック効果を利用して電気エネルギーを発生する。熱電モジュール2の-Z側の端面21Tが加熱され、熱電モジュール2の+Z側の端面22Tが冷却されることによって、熱電モジュール2は電気エネルギーを発生する。
【0013】
図2は、本実施形態に係る熱電モジュール2を示す模式図である。熱電モジュール2は、第1基板21と、第2基板22と、第1基板21の表面21Sに配置された複数の電極23と、第2基板22の表面22Sに配置された複数の電極24と、複数の電極23及び複数の電極24のそれぞれに接続される複数の熱電素子25とを備える。
【0014】
第1基板21及び第2基板22のそれぞれは、セラミックス又はポリイミドのような電気絶縁材料によって形成される。第1基板21は、熱電素子25よりも-Z側に配置される。第2基板22は、熱電素子25よりも+Z側に配置される。第1基板21は、+Z側を向く表面21Sと、-Z側を向く端面21Tとを有する。第1基板21の表面21S及び端面21Tのそれぞれは、XY平面と平行である。第2基板22は、-Z側を向く表面22Sと、+Z側を向く端面22Tとを有する。第2基板22の表面22S及び端面22Tのそれぞれは、XY平面と平行である。第1基板21の端面21Tは、熱電モジュール2の端面21Tを含む。第2基板22の端面22Tは、熱電モジュール2の端面22Tを含む。
【0015】
電極23は、第1基板21の表面21Sにマトリクス状に複数配置される。電極24は、第2基板22の表面22Sにマトリクス状に複数配置される。
【0016】
熱電素子25は、例えばBiTe系熱電材料を含む。熱電素子25は、n型熱電半導体素子25N及びp型熱電半導体素子25Pを含む。n型熱電半導体素子25Nとp型熱電半導体素子25Pとは、XY平面内において交互に配置される。電極23は、n型熱電半導体素子25Nの-Z側の端面及びp型熱電半導体素子25Pの-Z側の端面のそれぞれに接続される。電極24は、n型熱電半導体素子25Nの+Z側の端面及びp型熱電半導体素子25Pの+Z側の端面のそれぞれに接続される。
【0017】
第1基板21が加熱され、第2基板22が冷却されることによって、n型熱電半導体素子25N及びp型熱電半導体素子25Pのそれぞれの-Z側の端面と+Z側の端面との間に温度差が与えられる。n型熱電半導体素子25Nの-Z側の端面と+Z側の端面との間に温度差が与えられると、n型熱電半導体素子25Nにおいて、-Z側の端面から+Z側の端面に向かって電子が移動する。p型熱電半導体素子25Pの-Z側の端面と+Z側の端面との間に温度差が与えられると、p型熱電半導体素子25Pにおいて、-Z側の端面から+Z側の端面に向かって正孔が移動する。n型熱電半導体素子25Nとp型熱電半導体素子25Pとは電極23及び電極24を介して直列に接続される。電子と正孔とによって電極23と電極24との間に電位差が発生する。電極23と電極24との間に電位差が発生することにより、熱電モジュール2は電気エネルギーを発生する。
【0018】
吸熱部材3は、熱源からの熱を受けて、熱電モジュール2に伝達する。吸熱部材3は、アルミニウム又は銅のような金属材料によって形成される。吸熱部材3は、熱電モジュール2の端面21Tに接続される。
【0019】
放熱部材4は、熱電モジュール2から熱を奪う。放熱部材4は、アルミニウムのような金属材料によって形成される。放熱部材4は、Z軸方向において熱電モジュール2とファン5との間に配置される。
【0020】
放熱部材4は、ヒートシンクを含む。放熱部材4は、熱電モジュール2の端面22Tに接続される放熱板4Pと、放熱板4Pに支持されるフィン4Fとを有する。フィン4Fは、ピンフィンである。なお、フィン4Fは、プレートフィンでもよい。
【0021】
ファン5は、放熱部材4の周囲において空気を流通させて熱電モジュール2の端面22Tを冷却するために回転する。ファン5は、熱電モジュール2及び放熱部材4よりも+Z側に配置される。ファン5が回転することにより、放熱部材4及び第2基板22が冷却される。
【0022】
モータ6は、ファン5を回転させる動力を発生する。モータ6が駆動することにより、ファン5が回転する。ファン5が回転することにより、放熱部材4の周囲において空気が流通し、放熱部材4による放熱が促進される。放熱部材4が放熱することにより、第2基板22が冷却される。
【0023】
熱電モジュール2から発生した電気エネルギーは、第1負荷と第2負荷とに分配される。本実施形態において、第1負荷は、熱電装置1の外部に設けられる外部負荷7である。第2負荷は、モータ6である。モータ6は、熱電モジュール2から発生した電気エネルギーにより駆動する。熱電装置1は、熱電モジュール2から発生した電気エネルギーにより熱電装置1に設けられているモータ6を駆動する自立型熱電装置である。
【0024】
以下の説明においては、外部負荷7を適宜、第1負荷7、と称し、モータ6を適宜、第2負荷6、と称する。
【0025】
<端子>
図3は、本実施形態に係る第1基板21の一例を示す平面図である。図3に示すように、熱電モジュール2は、第1基板21と、第1基板21の表面21Sに配置された複数の電極23と備える。複数の電極23のそれぞれに熱電素子25が接続される。複数の電極23は、複数の熱電素子25を介して直列に接続される。
【0026】
XY平面内において、第1基板21の外形は、四角形である。第1基板21は、4つの縁部21Eを有する。縁部21Eは、X軸方向に延在する一対の第1縁部21EXと、Y軸方向に延在する一対の第2縁部21EYとを含む。
【0027】
XY平面内において、電極23の外形は、四角形である。複数の電極23の形状及び大きさは等しい。複数の電極23は、第1基板21の表面21Sにマトリクス状に配置される。電極23は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに一定の間隔で配置される。
【0028】
熱電モジュール2は、異なる電極23のそれぞれに接続され、第1負荷7及び第2負荷6の一方又は両方に接続される少なくとも3つの端子8を備える。端子8は、第1基板21の表面21Sにおいて電極23と第1基板21の縁部21Eとの間に配置される。本実施形態において、端子8は、Y軸方向に配置される複数の電極23のうち最も-Y側の電極23と-Y側の第1基板21の第1縁部21EXとの間に配置される。
【0029】
本実施形態において、端子8は、第1負荷7に接続される第1端子81と、第1負荷7及び第2負荷6のそれぞれに接続される第2端子82と、第2負荷6に接続される第3端子83と、を含む。
【0030】
第1端子81と第2端子82と第3端子83とは、電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に配置される。
【0031】
第1端子81は、X軸方向に配置される複数の電極23のうち最も+X側の電極23に接続される。第2端子82は、X軸方向に配置される複数の電極23のうち最も-X側の電極23に接続される。第3端子83は、X軸方向において第1端子81と第2端子82との間に配置される。すなわち、第3端子83は、第1端子81が接続される電極23と第2端子82が接続される電極23との間の電極23に接続される。
【0032】
図4は、本実施形態に係る端子8と第1負荷7及び第2負荷6との接続形態を示す模式図である。図3及び図4に示すように、第1端子81は、プラス端子である。第2端子82は、マイナス端子である。第3端子83は、プラス端子である。第1端子81は、リード線11を介して第1負荷7に接続される。第1端子81は、第2負荷6には接続されない。第2端子82は、リード線12を介して第1負荷7及び第2負荷6の両方に接続される。第3端子83は、リード線13を介して第2負荷6に接続される。第3端子83は、第1負荷7には接続されない。第1端子81と第2端子82との間の電圧Velは、第2端子82と第3端子83との間の電圧Vfanよりも大きい。電圧Velは、第1負荷7に与えられる電圧である。電圧Vfanは、第2負荷6に与えられる電圧である。
【0033】
図3に示すように、第3端子83は、異なる電極23のそれぞれに接続される複数の第3端子83A,83B,83Cを含む。第3端子83A,83B,83Cと接続される3つの電極23のうち、第3端子83Aと接続される電極23が第2端子82と接続される電極23から最も遠く、第3端子83Cと接続される電極23が第2端子82と接続される電極23に最も近い。複数の第3端子83A,83B,83Cからリード線13と接続される第3端子83が選択されることにより、電圧Vfanが調整される。リード線13が第3端子83Aに接続されることにより、電圧Vfanは大きい電圧に調整される。リード線13が第3端子83Cに接続されることにより、電圧Vfanは小さい電圧に調整される。リード線13が第3端子83Bに接続されることにより、電圧Vfanは中間の電圧に調整される。
【0034】
本実施形態において、プラス端子である第1端子81及び第3端子83は、X軸方向において第1基板21の中心よりも+X側に配置される。第2端子82は、X軸方向において第1基板21の中心よりも-X側に配置される。
【0035】
図5は、本実施形態に係る第1端子81を示す平面図である。図5に示すように、プラス端子である第1端子81は、電極23から第1縁部21EXに向かって突出する第1部分71と、第1部分71の-Y側の先端部に接続され電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に延在する第2部分72と、第2部分72から第1縁部21EXに向かって突出する第3部分73とを含む。第1端子81の第2部分72は、第1部分71の先端部から第1基板21のX軸方向の中心に向かって突出する。
【0036】
プラス端子である第3端子83は、第1端子81と同様の形状である。すなわち、第3端子83も、電極23から第1縁部21EXに向かって突出する第1部分71と、第1部分71の-Y側の先端部に接続され電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に延在する第2部分72と、第2部分72から第1縁部21EXに向かって突出する第3部分73とを含む。第3端子83の第2部分72は、第1部分71の先端部から第1基板21のX軸方向の中心に向かって突出する。
【0037】
図6は、本実施形態に係る第2端子82を示す平面図である。図6に示すように、-端子である第2端子82は、電極23から第1縁部21EXに向かって突出する第1部分71と、第1部分71の-Y側の先端部に接続され電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に延在する第2部分72と、第2部分72から第1縁部21EXに向かって突出する第3部分73とを含む。第2端子82の第2部分72は、第1部分71の先端部から第1基板21のX軸方向の中心に向かって突出する。
【0038】
<熱電モジュールの調整方法>
次に、熱電モジュール2の調整方法について説明する。なお、以下で説明する調整方法は一例であり、本開示はこれに限定されない。上述のように、本実施形態においては、熱電モジュール2から発生した電気エネルギーが第1負荷7(外部負荷)と第2負荷6(モータ)とに分配される。熱電モジュール2が発生する電気エネルギーを示す発電出力をPg、第1負荷7に分配される電気エネルギーを示す実効出力をPe、第2負荷6に分配される電気エネルギーを示す消費電力をPfとしたとき、(1)式が成立する。
【0039】
【数1】
【0040】
本実施形態において、熱電モジュール2を調整することは、実効出力Peが最大になる電圧Vfanを決定することを含む。以下の説明においては、実効出力Peが最大になる電圧Vfanを適宜、最適電圧Vfan_opと称する。なお、最適電圧Vfan_opは、実効出力Peが最大になる電圧Vfanでなくてもよく、実効出力Peが予め定められている所定値以上になる電圧Vfanでもよい。
【0041】
図7は、本実施形態に係る熱電装置1の熱抵抗を示す模式図である。図7に示すように、吸熱部材3と熱電モジュール2と放熱部材4とは直列に接続される。熱電モジュール2を加熱する熱源の温度をTとする。熱電モジュール2の周囲の大気空間の温度をTとする。吸熱部材3の熱抵抗をRとする。熱電モジュール2の熱抵抗をRとする。放熱部材4の熱抵抗をRとする。吸熱部材3に接続される熱電モジュール2の高温側の端面21Tの温度をThjとする。放熱部材4に接続される熱電モジュール2の低温側の端面22Tの温度をTcjとする。吸熱部材3、熱電モジュール2、及び放熱部材4を含む熱源から大気空間までの熱電装置1の貫通熱量をQとする。
【0042】
図8は、本実施形態に係る熱電モジュール2の調整方法の一例を示すフローチャートである。熱電モジュール2の調整方法は、最適電圧Vfan_opの決定方法を含む。
【0043】
図9は、本実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。コンピュータシステム1000は、最適電圧Vfan_opを決定する。最適電圧Vfan_opを決定するためのプログラムがストレージ1003に記憶される。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って最適電圧Vfan_opを決定する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0044】
プロセッサ1001は、第2負荷6に与える電圧Vfanと放熱部材4の熱抵抗Rとの相関データを取得する(ステップS1)。
【0045】
本実施形態において、電圧Vfanと放熱部材4の熱抵抗Rとの相関データは、電圧Vfanと放熱部材4の熱抵抗Rとの関係を示す関係式を含む。
【0046】
図10は、本実施形態に係る第2負荷6に与える電圧Vfanとファン5が発生する風量Ffanとの関係を示す図である。図11は、本実施形態に係る放熱部材4に与える風量Ffanと放熱部材4の熱抵抗Rとの関係を示す図である。
【0047】
図10において、横軸は第2負荷6に与える電圧Vfan[V]を示し、縦軸は第2負荷6に電圧Vfanを与えたときにファン5が発生する風量Ffan[m/min]を示す。図11において、横軸は放熱部材4に与える風量Ffanを示し、縦軸は風量Ffanを与えたときの放熱部材4の熱抵抗R[K/W]を示す。
【0048】
第2負荷6に与える電圧Vfanと第2負荷6に電圧Vfanを与えたときにファン5が発生する風量Ffanとの間に(2)式が成立する。(2)式において、aは定数である。
【0049】
【数2】
【0050】
ファン5から放熱部材4に与えられる風量Ffanと風量Ffanを与えたときの放熱部材4の熱抵抗Rとの間に(3)式が成立する。(3)式において、b及びcは定数である。
【0051】
【数3】
【0052】
図10は、(2)式をグラフ化したものである。図11は、(3)式をグラフ化したものである。
【0053】
図12は、本実施形態に係る第2負荷6に与える電圧Vfanと放熱部材4の熱抵抗Rとの関係を示す図である。図12において、横軸は第2負荷6に与える電圧Vfan[V]を示し、縦軸は第2負荷6に電圧Vfanを与えたときの放熱部材4の熱抵抗R[K/W]を示す。(2)式及び(3)式より、第2負荷6に与える電圧Vfanと第2負荷6に電圧Vfanを与えたときの放熱部材4の熱抵抗Rとの間に(4)式が成立する。
【0054】
【数4】
【0055】
図12は、(4)式をグラフ化したものである。
【0056】
(4)式に示した電圧Vfanと熱抵抗Rとの関係式を含む相関データは、ストレージ1003に予め記憶されている。プロセッサ1001は、電圧Vfanと熱抵抗Rとの相関データとして、(4)式に示した電圧Vfanと熱抵抗Rとの関係式をストレージ1003から取得する。
【0057】
電圧Vfanと熱抵抗Rとの相関データを取得した後、プロセッサ1001は、電圧Vfanを初期値に設定する(ステップS2)。
【0058】
電圧Vfanが初期値に設定された後、プロセッサ1001は、第2負荷6に与える電圧Vfanと、電圧Vfanが与えられたときに第2負荷6に流れる電流Ifanとに基づいて、消費電力Pfを算出する(ステップS3)。
【0059】
第2負荷6に与えられる電圧Vfanと電圧Vfanが与えられたときに第2負荷6に流れる電流Ifanとの関係は、第2負荷6の諸元データから導出可能な既知データであり、ストレージ1003に予め記憶されている。なお、電圧Vfanと電流Ifanとの関係は、例えば予備実験又はシミュレーションにより導出されてもよい。プロセッサ1001は、(5)式に基づいて消費電力Pfを算出する。
【0060】
【数5】
【0061】
プロセッサ1001は、吸熱部材3の熱抵抗R、熱電モジュール2の熱抵抗R、放熱部材4の熱抵抗R、熱源の温度T、及び大気空間の温度Tに基づいて、熱電モジュール2の高温側の端面21Tの温度Thj及び低温側の端面22Tの温度Tcjを算出する(ステップS4)。
【0062】
一般に、熱抵抗Rの物体の両端面の温度差がΔTのとき、その物体の貫通熱量Qは、(6)式で表わされる。
【0063】
【数6】
【0064】
したがって、熱電装置1の貫通熱量Qは、(7)式に基づいて算出される。また、熱電モジュール2の高温側の温度Thjn+1及び低温側の温度Tcjn+1は、(8)式及び(9)式に基づいて算出される。
【0065】
【数7】
【数8】
【数9】
【0066】
(7)式及び(9)式において、熱抵抗Rは、ステップS2において設定した電圧Vfanの初期値を(4)式に代入することによって算出される。(7)式において、熱抵抗Rは、(10)式及び(11)式に基づいて算出される。
【0067】
【数10】
【数11】
【0068】
(10)式に示すように、温度Tは、熱電モジュール2の高温側の端面21Tの温度Thjと低温側の端面22Tの温度Tcjとの平均値である。(11)式において、定数a、定数b、定数c、及び定数dのそれぞれは、熱電素子25の材料により決定される固有の値である。(11)式に示すように、熱電モジュール2の熱抵抗Rは、温度T(温度Thj、温度Tcj)の関数である。
【0069】
プロセッサ1001は、演算[Thjn+1-Thjn]及び演算[Tcjn+1-Tcjn]を実行し、[Thjn+1-Thjn]の値及び[Tcjn+1-Tcjn]の値が0に近似したか否かを判定する(ステップS5)。
【0070】
プロセッサ1001は、[Thjn+1-Thjn]の値と0との差が予め定められている閾値以下である場合、[Thjn+1-Thjn]の値が0に近似したと判定する。プロセッサ1001は、[Tcjn+1-Tcjn]の値と0との差が予め定められている閾値以下である場合、[Tcjn+1-Tcjn]の値が0に近似したと判定する。
【0071】
なお、第1回目の演算において、高温側の温度Thjnに初期値Thj0が与えられ、低温側の温度Tcjnに初期値Tcj0が与えられる。初期値Thj0及び初期値Tcj0のそれぞれは、任意の値である。
【0072】
ステップS5において、[Thjn+1-Thjn]の値及び[Tcjn+1-Tcjn]の値が0に近似しないと判定した場合(ステップS5:No)、プロセッサ1001は、ステップS4の処理に戻る。プロセッサ1001は、[Thjn+1-Thjn]の値及び[Tcjn+1-Tcjn]の値が0に近似すると判定するまで、上述の処理を繰り返す。
【0073】
ステップS5において、[Thjn+1-Thjn]の値及び[Tcjn+1-Tcjn]の値が0に近似すると判定した場合(ステップS5:Yes)、プロセッサ1001は、[Thjn+1-Thjn]の値及び[Tcjn+1-Tcjn]の値が0に近似したときの温度Thjn及び温度Tcjnに基づいて、発電出力Pgを算出する(ステップS6)。
【0074】
発電出力Pgは、(12)式に基づいて算出される。(12)式において、定数Aは、熱電素子25の材料に基づいて決定される固有の定数である。
【0075】
【数12】
【0076】
プロセッサ1001は、ステップS3で算出された消費電力Pfと、ステップS7で算出された発電出力Pgとに基づいて、実効出力Peを算出する。すなわち、プロセッサ1001は、(1)式に基づいて、実効出力Peを算出する(ステップS7)。
【0077】
以上により、電圧Vfanが初期値であるときの実効出力Peが算出される。プロセッサ1001は、電圧Vfanを任意の値に変更して、ステップS3からステップS7の処理を実行する。すなわち、プロセッサ1001は、電圧Vfanを順次変更し、複数の電圧Vfanのそれぞれについて、ステップS3からステップS7の処理を実行する。
【0078】
プロセッサ1001は、電圧Vfanの変更を終了するか否かを判定する(ステップS8)。
【0079】
ステップS8において、電圧Vfanの変更を終了しないと判定した場合(ステップS8:No)、プロセッサ1001は、電圧Vfanを変更した後(ステップS9)、ステップS3からステップS7の処理を実行する。
【0080】
図13は、本実施形態に係る第2負荷6に与える電圧Vfanと実効出力Peとの関係を示す図である。図13において、横軸は第2負荷6に与えられた電圧Vfanを示し、縦軸は第2負荷6に電圧Vfanが与えられたときの実効出力Peを示す。プロセッサ1001は、電圧Vfanを順次変更して、ステップS3からステップS7の処理を実行して、モータ10に電圧Vfanが与えられたときの実効出力Peを算出する。図13に示す例においては、第2負荷6に電圧Vfan_1、Vfan_2、Vfan_3、Vfan_4、Vfan_5のそれぞれが与えられたときの実効出力Peが算出される。
【0081】
ステップS8において、電圧Vfanの変更を終了する判定した場合(ステップS8:Yes)、プロセッサ1001は、図13に示したような電圧Vfanと実効出力Peとの関係から、実効出力Peが最大になる最適電圧Vfan_opを決定する(ステップS9)。
【0082】
すなわち、プロセッサ1001は、第2負荷6に与える電圧Vfanを順次変更することにより算出された複数の実効出力Peに基づいて、第2負荷6に与える最適電圧Vfan_opを決定する。図13に示す例では、実効出力Peが最大になる電圧Vfan_3が最適電圧fan_opに決定される。
【0083】
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、異なる電極23のそれぞれに接続される少なくとも3つの端子8が設けられる。端子8は、リード線を介して第1負荷7及び第2負荷6の一方又は両方に接続される。これにより、熱電モジュール2から発生した電気エネルギーを第1負荷7と第2負荷6とに分配する場合において、第1負荷7及び第2負荷6のそれぞれに電気エネルギーを効率良く供給することができる。
【0084】
端子8は、第1基板21の表面21Sにおいて電極23と第1基板21の縁部21Eとの間に配置される。これにより、端子8とリード線との接続を円滑に実行することができる。
【0085】
端子8は、第1負荷7のみに接続される第1端子81と、第1負荷7及び第2負荷6の両方に接続される第2端子82と、第2負荷6のみに接続される第3端子83と、を含む。これにより、端子8の数を抑制した状態で、第1負荷7及び第2負荷6のそれぞれに電気エネルギーを効率良く供給することができる。
【0086】
第1基板は、X軸方向に延在する第1縁部21EXを有する。第1端子81と第2端子82と第3端子83とは、電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に配置される。これにより、第1端子81、第2端子82、及び第3端子83と、リード線11、リード線12、及びリード線13のそれぞれとの接続を円滑に実行することができる。
【0087】
第3端子83は、X軸方向において第1端子81と第2端子82との間に配置される。これにより、第1負荷7に与える電圧Velを第2負荷6に与える電圧Vfanより大きくすることができる。
【0088】
端子8は、電極23から第1縁部21EXに向かって突出する第1部分71と、第1部分71の先端部に接続され電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に延在する第2部分72と、第2部分72から第1縁部21EXに向かって突出する第3部分73とを含む。X軸方向において、プラス端子である第1端子81及び第3端子83は、第1基板21の中心よりも+X側に配置され、マイナス端子である第2端子82は、第1基板21の中心よりも-X側に配置される。第1端子81、第2端子82、及び第3端子83のそれぞれの第2部分72は、第1部分71の先端部から第1基板21の中心に向かって突出する。これにより、作業者は、端子8の形状に基づいて、その端子8がプラス端子であるかマイナス端子であるかを区別することができる。すなわち、作業者は、視覚を通じて、端子8がプラス端子であるかマイナス端子であるかを区別することができる。
【0089】
第2負荷6に与える電圧Vfanを順次変更することにより算出された複数の実効出力Peに基づいて、実効出力Peを最大にする最適電圧Vfan_opが決定される。これにより、熱電モジュール2から発生した電気エネルギーを第1負荷7と第2負荷6とに効率良く分配することができる。
【0090】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0091】
図14は、本実施形態に係る第1基板21の一例を示す平面図である。図14に示すように、端子8は、第1負荷7に接続される第1端子81と、第1負荷7に接続される第2端子82と、第2負荷6に接続される第3端子83と、第2負荷6に接続される第4端子84と、を含む。第1端子81は、リード線11を介して第1負荷7に接続される。第2端子82は、リード線12を介して第1負荷7に接続される。第3端子83は、リード線13を介して第2負荷6に接続される。第4端子84は、リード線14を介して第2負荷6に接続される。
【0092】
第1端子81及び第3端子83は、プラス端子である。第2端子82及び第4端子84は、マイナス端子である。X軸方向において、第1端子81及び第3端子83は、第1基板21の中心よりも+X側に配置され、第2端子82及び第4端子84は、第1基板21の中心よりも-X側に配置される。
【0093】
上述の実施形態と同様、第1基板21は、X軸方向に延在する第1縁部21EXを有する。第1端子81と第2端子82と第3端子83と第4端子94とは、電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に配置される。
【0094】
第3端子83及び第4端子84は、X軸方向において第1端子81と第2端子82との間に配置される。
【0095】
第1端子81、第2端子82、第3端子83、及び第4端子84のそれぞれは、電極23から第1縁部21EXに向かって突出する第1部分71と、第1部分71の-Y側の先端部に接続され電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に延在する第2部分72と、第2部分72から第1縁部21EXに向かって突出する第3部分73とを含む。
【0096】
第1端子81、第2端子82、第3端子83、及び第4端子84のそれぞれの第2部分72は、第1部分71の先端部から第1基板21のX軸方向の中心に向かって突出する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態においても、熱電モジュール2から発生した電気エネルギーを第1負荷7と第2負荷6とに分配する場合において、第1負荷7及び第2負荷6のそれぞれに電気エネルギーを効率良く供給することができる。
【0098】
第1基板21は、X軸方向に延在する第1縁部21EXを有する。第1端子81と第2端子82と第3端子83と第4端子84とは、電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に配置される。これにより、第1端子81、第2端子82、第3端子83、及び第4端子84と、リード線11、リード線12、リード線13、及びリード線14のそれぞれとの接続を円滑に実行することができる。
【0099】
第3端子83及び第4端子84は、X軸方向において第1端子81と第2端子82との間に配置される。すなわち、第3端子83及び第4端子84のそれぞれは、第1端子81が接続される電極23と第2端子82が接続される電極23との間の電極23に接続される。これにより、第1負荷7に与える電圧Velを第2負荷6に与える電圧Vfanより大きくすることができる。
【0100】
端子8は、電極23から第1縁部21EXに向かって突出する第1部分71と、第1部分71の先端部に接続され電極23と第1縁部21EXとの間においてX軸方向に延在する第2部分72と、第2部分72から第1縁部21EXに向かって突出する第3部分73とを含む。X軸方向において、プラス端子である第1端子81及び第3端子83は、第1基板21の中心よりも+X側に配置され、マイナス端子である第2端子82及び第4端子84は、第1基板21の中心よりも-X側に配置される。第1端子81、第2端子82、第3端子83、及び第4端子84のそれぞれの第2部分72は、第1部分71の先端部から第1基板21の中心に向かって突出する。これにより、作業者は、端子8の形状に基づいて、その端子8がプラス端子であるかマイナス端子であるかを区別することができる。すなわち、作業者は、視覚を通じて、端子8がプラス端子であるかマイナス端子であるかを区別することができる。
【0101】
[その他の実施形態]
なお、上述の実施形態においては、第1負荷7が外部負荷であり、第2負荷6がファン5を回転させるモータであることした。例えば第1負荷7及び第2負荷6の両方が、熱電装置1の外部に配置される外部負荷でもよい。また、負荷が3つ以上の形態でも適用できる。
【0102】
なお、上述の実施形態において、吸熱部材3及び放熱部材4の一方又は両方が省略されてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1…熱電装置、2…熱電モジュール、3…吸熱部材、4…放熱部材、4F…フィン、4P…放熱板、5…ファン、6…モータ、7…外部負荷、8…端子、11…リード線、12…リード線、13…リード線、14…リード線、21…第1基板、21E…縁部、21EX…第1縁部、21EY…第2縁部、21S…表面、21T…端面、22…第2基板、22S…表面、22T…端面、23…電極、24…電極、25…熱電素子、25N…n型熱電半導体素子、25P…p型熱電半導体素子、71…第1部分、72…第2部分、73…第3部分、81…第1端子、82…第2端子、83…第3端子、83A…第3端子、83B…第3端子、83C…第3端子、84…第4端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14