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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20230707BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20230707BHJP
   B65D 3/00 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
B65D81/34 U
B65D43/08 200
B65D3/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019066908
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020164205
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】松村 謙一郎
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-095118(JP,A)
【文献】特開2005-263319(JP,A)
【文献】特開2015-151150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
B65D 43/08
B65D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を備えた容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うように、前記容器本体に外嵌合可能な中皿と、蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記蓋体は、前記中皿に外嵌合できる第一蓋体嵌合部と、前記容器本体に外嵌合できる第二蓋体嵌合部とを備え、
前記第一蓋体嵌合部が前記中皿に外嵌合している場合は、前記第二蓋体嵌合部は前記容器本体に外嵌合しないように構成される、ことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
開口部を備えた容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うように、前記容器本体に外嵌合可能な中皿と、蓋体とを備えた包装用容器であって、
前記蓋体は、前記中皿に外嵌合できる第一蓋体嵌合部と、前記容器本体に外嵌合できる第二蓋体嵌合部とを備え、
前記中皿の周縁に設けられた中皿フランジ部は、前記中皿の中心から前記中皿フランジ部の下部までの幅が、前記中皿の中心から前記中皿フランジ部の上部までの幅よりも大きくなるように形成されており、当該中皿フランジ部の下部の内側には、前記容器本体に外嵌合する中皿嵌合部が設けられており、
前記蓋体の周縁に設けられた蓋体フランジ部は、前記蓋体の中心から前記蓋体フランジ部の下部までの幅が、前記蓋体の中心から前記蓋体フランジ部の上部までの幅よりも大きくなるように形成されており、
前記第一蓋体嵌合部は、前記蓋体フランジ部の下部側に設けられ、
前記第二蓋体嵌合部は、前記蓋体フランジ部の上部側に設けられている、ことを特徴とする包装用容器。
【請求項3】
前記容器本体は紙製であり、開口部の周縁に外側に湾曲したカール部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記蓋体は、前記容器本体を段積みできると共に、前記中皿も段積みできるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、容器本体と中皿と蓋体とからなる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等を収容した状態で、蓋体が容器本体に嵌合する包装用容器が知られている。例えば、特許文献1の包装用容器は、容器本体と中皿と蓋体とを備えており、中皿は容器本体に外嵌合し、蓋体は中皿に内嵌合するものである。そして、中皿内の食品のみをレンジ等で温める場合は、容器本体から中皿を取り出して中皿に蓋体を内嵌合させ、その中皿のみをレンジ等で温めていた。また、容器本体内の食品のみをレンジ等で温める場合は、中皿を取り外して、容器本体に蓋体を内嵌合させて、その容器本体のみをレンジで温めていた。しかしながら、容器本体は、中皿を外嵌合出来ると共に、蓋体を内嵌合出来るように構成されている、つまり、容器本体は他の部材を内外の両方から嵌合できるように構成されているので、容器本体側の嵌合箇所の形状にはかなり制約があり、利用可能な容器本体の種類は限られていた。例えば、紙製の容器本体は、開口部の外縁が外側に湾曲したカール部となっている場合があり、蓋体を内嵌合させることは出来ないことがある。
【0003】
また、特許文献2の包装用容器は、容器本体と中皿と蓋体とを備えており、中皿内の食品のみをレンジ等で温める場合は、容器本体から中皿を取り出し、中皿用内嵌合蓋によって中皿を閉じていた。また、容器本体内の食品のみをレンジ等で温める場合は、中皿を取り外して、容器本体用外嵌合蓋によって容器本体を閉じていた。しかしながら、中皿と容器本体を個別に温める場合は、二種類の中皿用内嵌合蓋と容器本体用外嵌合蓋をそれぞれ用意しなくてはならず、非常に面倒であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-131248
【文献】実用新案登録3157861
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、容器本体の嵌合箇所の形状の制約が少なく、中皿と容器本体とを個別の蓋体で閉じる必要がない包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、開口部を備えた容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うように、前記容器本体に外嵌合可能な中皿と、蓋体とを備えた包装用容器であって、前記蓋体は、前記中皿に外嵌合できる第一蓋体嵌合部と、前記容器本体に外嵌合できる第二蓋体嵌合部とを備え、前記第一蓋体嵌合部が前記中皿に外嵌合している場合は、前記第二蓋体嵌合部は前記容器本体に外嵌合しないように構成されることを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、蓋体が、中皿に外嵌合できる第一蓋体嵌合部と、容器本体に外嵌合できる第二蓋体嵌合部を備えているので、中皿及び容器本体の両方を被蓋することができ、従来のように、中皿と容器本体を個別に被蓋するための二種類の蓋体を用意する必要がなく、非常に利便性が高いのである。さらに、蓋体及び中皿の両方が、容器本体に外嵌合するように構成されているので、容器本体の嵌合箇所の形状の制約が少ないのである。
【0008】
さらに、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、前記中皿の周縁に設けられた中皿フランジ部は、前記中皿の中心から前記中皿フランジ部の下部までの幅が、前記中皿の中心から前記中皿フランジ部の上部までの幅よりも大きくなるように形成されており、当該中皿フランジ部の下部の内側には、前記容器本体に外嵌合する中皿嵌合部が設けられており、前記蓋体の周縁に設けられた蓋体フランジ部は、前記蓋体の中心から前記蓋体フランジ部の下部までの幅が、前記蓋体の中心から前記蓋体フランジ部の上部までの幅よりも大きくなるように形成されており、前記第一蓋体嵌合部は、前記蓋体フランジ部の下部側に設けられ、前記第二蓋体嵌合部は、前記蓋体フランジ部の上部側に設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、中皿の中心から中皿フランジ部の下部までの幅は、中心から中皿フランジ部の上部までの幅よりも大きいため、中皿フランジ部は、上部から下部へ向けて末広がりの形状となっている。そのため、中皿を容器本体の上から覆い被せるようにして、中皿嵌合部を容器本体に外嵌合させ易いのである。さらに、蓋体の中心から蓋体フランジ部の下部までの幅は、中心から蓋体フランジ部の上部までの幅よりも大きいため、蓋体の蓋体フランジ部は、上部から下部へ向けて末広がりの形状となっている。そのため、蓋体を中皿の上から覆い被せるように外嵌合し易く、また、蓋体を容器本体の上から覆い被せるように外嵌合し易いのである。
【0010】
さらに、蓋体では、中皿に外嵌合する第一蓋体嵌合部が、蓋体フランジ部の下部側に設けられている。そのため、容器本体と中皿と蓋体を三重に重ねて密閉する際、最も外側に覆い被さる蓋体が、蓋体フランジ部の下部側、つまり、包装用容器の最も外側において、中皿にしっかりと外嵌合している。これにより、包装用容器内部にゴミ等が侵入しにくく、高い密閉性を備えるのである。一方、蓋体の第二蓋体嵌合部は、蓋体フランジ部の上部側に設けられているので、蓋体を容器本体に直接取り付ける際は、容器本体と中皿と蓋体を三重に重ねる部分が存在しない分、蓋体を奥側まで容器本体へ深く覆い被せてしっかりと外嵌合することができるので、容器本体内部にゴミ等が侵入しにくく、高い密閉性を備えるのである。
【0011】
さらに、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、前記容器本体は紙製であり、開口部の周縁に外側に湾曲したカール部を備えることを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、容器本体のカール部を蓋体と中皿とに外嵌合する嵌合箇所として利用することが出来る。
【0013】
さらに、本願発明の請求項4に係る包装用容器は、前記蓋体は、前記容器本体を段積みできると共に、前記中皿も段積みできるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
上記特徴によれば、蓋体上に、中皿及び容器本体の両方を段積みすることができ、利便性が良いのである。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本願発明の包装用容器は、容器本体の嵌合箇所の形状の制約が少なく、中皿と容器本体とを個別の蓋体で閉じる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は本願発明の包装用容器の蓋体の平面図、(b)は蓋体の側面図、(c)はA-A端面図である。
図2】(a)は本願発明の包装用容器の中皿の平面図、(b)は中皿の側面図、(c)はB-B端面図である。
図3】(a)は本願発明の包装用容器の容器本体の平面図、(b)は、容器本体の側面図、(c)はC-C端面図である。
図4】(a)は本願発明の包装用容器の平面図、(b)は包装用容器の側面図である。
図5】(a)は、図4のD-D端面図、(b)は、図5(a)における、包装用容器の嵌合部分の拡大端面図である。
図6】(a)は本願発明の包装用容器の蓋体を容器本体に取り付けた状態の平面図、(b)は蓋体を容器本体に取り付けた状態の側面図である。
図7】(a)は図6(a)のE-E端面図、(b)は、図7(a)における、蓋体と容器本体との嵌合部分の拡大端面図である。
図8】(a)は本願発明の包装用容器の蓋体を中皿に取り付けた状態の平面図、(b)は蓋体を中皿に取り付けた状態の側面図である。
図9】(a)は図8(a)のF-F端面図、(b)は、図9(a)における、蓋体と中皿との嵌合部分の拡大端面図である。
【符号の説明】
【0017】
100 蓋体
150 第一蓋体嵌合部
160 第二蓋体嵌合部
200 中皿
300 容器本体
301 開口部
400 包装用容器
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器の容器本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0019】
まず、図1には、本願発明の包装用容器400の蓋体100を示す。なお、図1(a)は蓋体100の平面図、図1(b)は蓋体100の側面図、図1(c)はA-A端面図である。
【0020】
図1に示すように、蓋体100は下方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な天板120と、当該天板120の縁部121から下方へ向けて連続する側壁130と、当該側壁130の下端から外側へ延びる蓋体フランジ部140とを備える。この蓋体100の周縁に設けられた蓋体フランジ部140は、上部141側が水平方向へ延びる平坦な形状となっており、下部142側は上部141から下方へ延出する形状となっている。そして、蓋体100の中心O1から蓋体フランジ部140の下部142までの幅L1は、中心O1から上部141までの幅L2よりも大きくなっている。つまり、蓋体フランジ部140は、上部141から下部142へ向けて末広がりの形状となっている。なお、蓋体フランジ部140は、上部141から下部142へ向けて末広がりの形状となっているが、これに限定されることはなく、適宜任意の形状とすることができる。
【0021】
また、蓋体フランジ部140の下部142側の内側には、後述する中皿200に外嵌合できる第一蓋体嵌合部150が設けられ、蓋体フランジ部140の上部141側の内側には、後述する容器本体300に外嵌合できる第二蓋体嵌合部160が設けられている。この第一蓋体嵌合部150及び第二蓋体嵌合部160は、内側に突出する凸形状となっている。そして、側壁130、蓋体フランジ部140、第一蓋体嵌合部150、第二蓋体嵌合部160は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。なお、蓋体フランジ部140の下部142側に第一蓋体嵌合部150が設けられ、蓋体フランジ部140の上部141側に第二蓋体嵌合部160が設けられているが、これに限定されることはなく、例えば、蓋体フランジ部140の下部142側に第二蓋体嵌合部160が設けられ、蓋体フランジ部140の上部141側に第一蓋体嵌合部150が設けられてもよい。
【0022】
また、蓋体100の側壁130と蓋体フランジ部140の上部141との間の連結部143は、段部となっている。また、蓋体フランジ部140の下部142の一部には、外側へ延出する摘まみ部144が設けられている。また、天板120は、後述する中皿200を段積みできると共に、容器本体300も段積みできるように構成されている。そのため、蓋体100の上には、中皿200及び容器本体300の両方を段積みすることができ、利便性が良いのである。例えば、中皿200に蓋体100を取り付けた状態で段積みして店頭等に陳列する場合や、容器本体300に蓋体100を取り付けた状態で段積みして店頭等に陳列する場合に利便性が高い。
【0023】
さらに、天板120の上面には、天板120の周方向へ一周する環状の溝部122が設けられており、この溝部122には、後述する容器本体300の底面320の脚部321を嵌め合わせるように載置することができる。そのため、蓋体100の上に、容器本体300をより安定して載置させることが出来るのである。また、天板120の上面には、蓋体100の中心O1から広がる円盤状の凸部123が設けられており、この凸部123を囲むように、中皿200の底面220の脚部221を載置させることが出来る。そのため、蓋体100の上に、中皿200をより安定して載置させることが出来るのである。
【0024】
なお、天板120は、中皿200及び容器本体300の両方をより安定して載置させた
めに、溝部122と凸部123を備えているが、これに限定されず、中皿200及び容器本体300の両方を蓋体100に載置できるのであれば、溝部122と凸部123の構成以外にも、任意の構成を採用することができる。また、天板120は、中皿200及び容器本体300の両方を段積みできるように構成されているが、これに限定されることはなく、中皿200及び容器本体300の一方のみを段積みできるように構成してもよい。
【0025】
次に、図2に本願発明の包装用容器400の中皿200を示す。なお、図2(a)は中皿200の平面図、図2(b)は中皿200の側面図、図2(c)はB-B端面図である。
【0026】
図2に示すように、中皿200は上方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底面220と、当該底面220の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁230と、当該側壁230の上部231から外側へ延びる中皿フランジ部240が設けられている。この中皿200の周縁に設けられた中皿フランジ部240は、上部241側が略水平方向へ延びる平坦な形状となっており、下部242側は上部241から下方へ延出する形状となっている。そして、中皿200の中心O2から中皿フランジ部240の下部242までの幅L3は、中心O2から上部241までの幅L4よりも大きくなっている。つまり、中皿フランジ部240は、上部241から下部242へ向けて末広がりの形状となっている。なお、中皿フランジ部240は、上部241から下部242へ向けて末広がりの形状となっているが、これに限定されることはなく、適宜任意の形状とすることができる。
【0027】
また、中皿フランジ部240の下部242側の内側には、後述する容器本体300に外嵌合できる中皿嵌合部250が設けられ、この中皿嵌合部250は、内側に突出する凸形状となっている。そして、側壁230、中皿フランジ部240、中皿嵌合部250は、中皿200の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
【0028】
また、中皿200の側壁230と中皿フランジ部240の上部241との間の連結部243は、段部となっている。また、底面220の縁部には、下方へ膨出する脚部221が、底面220の周方向へ一周するように環状に設けられている。そして、脚部221は、蓋体100の凸部123の周囲を囲むように載置できるため、蓋体100の上に中皿200を安定して段積みできる。
【0029】
次に、図3には、本願発明の包装用容器400の容器本体300を示す。なお、図3(a)は、容器本体300の平面図、図3(b)は、容器本体300の側面図、図3(c)はC-C端面図である。
【0030】
図3に示すように、容器本体300は上方に開口した開口部301を備えた深皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な底面320と、当該底面320の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁330と、当該側壁330の上端を外側に湾曲するように折り返して、側壁330よりも外側に湾曲して突出しているカール部340とを備える。そして、側壁330及びカール部340は、容器本体300の周方向へ全周にわたり連続または断続して設けられている。
【0031】
また、底面320の縁部には、下方へ突出する脚部321が、底面320の周方向へ一周するように環状に設けられている。そして、脚部321は、蓋体100の溝部122に嵌まるように載置できるため、蓋体100の上に容器本体300を安定して段積みできる。
【0032】
なお、容器本体300全体は紙によって製造されており、カール部340は紙製の側壁
330の上端側を外側に湾曲させて形成している。一般的に、容器本体300が紙製の場合は、開口部301周辺の強度を向上させるためや、開口部301の周縁での怪我の防止等のため、側壁330の上端側を外側に湾曲させてカール部340を形成している。ただし、容器本体300は紙製に限定されず、合成樹脂等の任意の素材で製造することができる。また、容器本体300は、平面視略円形であるが、この他にも平面視多角形など、適宜形状を変更することできる。
【0033】
また、本実施形態に係る蓋体100(図1参照)、及び中皿200(図2参照)は、厚さが約0.1mmから1.00mm程度のシート状の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100や中皿200の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものを用いることができる。また、蓋体100及び中皿200は、平面視略円形であるが、この他にも平面視多角形など、適宜形状を変更することができる。
【0034】
では次に、図4及び図5を参照して、本願発明の包装用容器400について説明する。なお、図4(a)は包装用容器400の平面図、図4(b)は包装用容器400の側面図、図5(a)は、図4のD-D端面図、図5(b)は、図5(a)における、包装用容器400の嵌合部分の拡大端面図である。
【0035】
図4及び図5に示すように、包装用容器400は、蓋体100、中皿200、及び容器本体300の3つの部材から構成されている。そして、包装用容器400を使用して商品を店頭等で陳列する際は、容器本体300内部に食品等を収容した状態で、容器本体300の開口部301を覆うように中皿200が載置され、さらにその上から、食品等が収容された中皿200を覆うように蓋体100が被せられ、包装用容器400は密閉された状態となる。
【0036】
より詳しく説明すると、図5に示すように、容器本体300の開口部301を覆うように中皿200を載せ、容器本体300の側壁330のカール部340に、中皿200の中皿フランジ部240の中皿嵌合部250を外嵌合させる。これにより、中皿200は容器本体300にしっかり取り付けられる。さらに、蓋体100が中皿200を上から覆うように被せられ、中皿200の中皿フランジ部240の下部242に、蓋体100の第一蓋体嵌合部150を外嵌合させる。これにより、蓋体100は中皿200にしっかりと取り付けられるのである。
【0037】
なお、中皿200の段状の連結部243と蓋体100の段状の連結部143は略同一形状となっており、互いに接触又は近接するようになっているため、蓋体100と中皿200の隙間から、内部にゴミ等が侵入することを防ぐことができる。また、蓋体100の連結部143は中皿200の連結部243に当接し、中皿フランジ部240は容器本体300の側壁330のカール部340に当接しているので、蓋体100が下方へ押された際にかかる力や、包装用容器400の段積み時にかかる力は、蓋体100の連結部143から、中皿200の中皿フランジ部240を介して、容器本体300のカール部340及び側壁330へと分散されていくので、蓋体100が押し潰されることを防止できる。なお、中皿200の連結部243と蓋体100の連結部143は略同一形状となっているが、これに限定されることはなく、互いに接触又は近接することができれば、傾斜面等の任意の形状とすることができる。
【0038】
また、図5(b)に示すように、蓋体100の第二蓋体嵌合部160は、第一蓋体嵌合部150よりも上部141側に配置され、中皿200の中皿嵌合部250付近に外側から当接可能に配置されている。さらに、第二蓋体嵌合部160は内側へ凸形状に形成されて
いるので、包装用容器400から蓋体100を取り外す際に、第一蓋体嵌合部150の嵌合が外れるように第一蓋体嵌合部150を指等で外側へ広げると、第一蓋体嵌合部150は第二蓋体嵌合部160を起点に外側へ広がりやすくなる。そして、第一蓋体嵌合部150が第二蓋体嵌合部160を起点に外側へ広げられても、第二蓋体嵌合部160は中皿嵌合部250に当接したままなので、中皿嵌合部250は容器本体300のカール部340に外嵌合した状態を維持できる。そのため、第一蓋体嵌合部150を外側へ広げて、蓋体100を包装用容器400から取り外す際に、蓋体100と一緒に中皿200が容器本体300から不用意に外れてしまうことを防止することが出来るのである。
【0039】
また、蓋体100の中心O1から蓋体フランジ部140の下部142までの幅L1(図1参照)は、中皿200の中心O2から中皿フランジ部240の上部241までの幅L4(図2参照)よりも大きくなっている。そのため、図5に示すように、蓋体100を中皿200の上から被せて取り付けやすくなっている。
【0040】
この包装用容器400は、内部に中皿200を取り付けた状態で包装用容器400全体をそのままレンジ等で温めることができるが、例えば、以下の図6及び図7に示すように、包装用容器400から中皿200を取り外して、容器本体300内の食品のみをレンジで温めたい場合や、以下の図8及び図9に示すように、包装用容器400から容器本体300を取り外して、中皿200内の食品のみをレンジで温めたい場合もある。
【0041】
具体的には、容器本体300内の食品のみをレンジで温めたい場合は、図6及び図7に示すように、中皿200を取り外して、蓋体100を容器本体300に直接被せて容器本体300を密閉する。なお、図6(a)は蓋体100を容器本体300に取り付けた状態の平面図、図6(b)は蓋体100を容器本体300に取り付けた状態の側面図、図7(a)は図6(a)のE-E端面図、図7(b)は、図7(a)における、蓋体100と容器本体300との嵌合部分の拡大端面図である。
【0042】
図7に示すように、容器本体300の開口部301を覆うように蓋体100を被せ、側壁330のカール部340に、蓋体100の蓋体フランジ部140の第二蓋体嵌合部160を外嵌合させる。これにより、蓋体100は容器本体300にしっかり取り付けられる。なお、蓋体100の連結部143の平坦部分が、容器本体300のカール部340上に載置されているので、蓋体100は容器本体300に安定して載置された状態となっている。また、蓋体100が下方へ押された際にかかる力は、蓋体100の連結部143を介して、容器本体300のカール部340及び側壁330へと分散されていくので、蓋体100が押し潰されることを防止できる。
【0043】
次に、中皿200内の食品のみをレンジで温めたい場合は、図8及び図9に示すように、包装用容器400から容器本体300を取り外して、蓋体100を中皿200に直接被せて中皿200を密閉する。なお、図8(a)は蓋体100を中皿200に取り付けた状態の平面図、図8(b)は蓋体100を中皿200に取り付けた状態の側面図、図9(a)は図8(a)のF-F端面図、図9(b)は、図9(a)における、蓋体100と中皿200との嵌合部分の拡大端面図である。
【0044】
図9に示すように、中皿200を覆うように蓋体100を被せ、中皿200の中皿フランジ部240の下部242に、蓋体100の蓋体フランジ部140の第一蓋体嵌合部150を外嵌合させる。これにより、蓋体100は中皿200にしっかり取り付けられる。なお、蓋体100の連結部143の平坦部分が、中皿200の連結部243上に載置されているので、蓋体100は中皿200に安定して載置された状態となっている。また、蓋体100が下方へ押された際にかかる力は、蓋体100の連結部143を介して、中皿200の連結部243側へと分散されていくので、蓋体100が押し潰されることを防止でき
る。
【0045】
このように、本願発明の包装用容器400によれば、蓋体100が、中皿200に外嵌合できる第一蓋体嵌合部150と、容器本体300に外嵌合できる第二蓋体嵌合部160を備えているので、図8及び図9に示すように、蓋体100を中皿200に取り付けることが出来ると共に、図6及び図7に示すように、蓋体100を容器本体300にも取り付けることが出来る。そのため、従来のように、中皿200と容器本体300を個別に被蓋するための二種類の蓋体を用意する必要がなく、本願発明の一つの蓋体100で、中皿200及び容器本体300の両方を被蓋することが出来るため、非常に利便性が高いのである。
【0046】
さらに、本願発明の包装用容器400によれば、包装用容器400を構成する蓋体100及び中皿200の両方が、容器本体300に外嵌合するように構成されているので、容器本体300の嵌合箇所の形状の制約が少ない。
【0047】
具体的には、従来の包装用容器の容器本体では、中皿を外嵌合出来ると共に、蓋体を内嵌合出来るように構成されている、つまり、容器本体は他の部材を内外の両方から嵌合できるように構成されているので、容器本体側の嵌合箇所の形状にはかなり制約があった。しかしながら、本願発明の包装用容器400の容器本体300では、図5に示すように、中皿200は容器本体300の嵌合箇所の外側部分(図5に示す、側壁330の上端付近の外側)と外嵌合しており、更に、図7に示すように、蓋体100は容器本体300の嵌合箇所の外側部分(図7に示す、側壁330の上端付近の外側)と外嵌合している。そのため、本願発明の包装用容器400によれば、蓋体100及び中皿200の両方が、容器本体300に外嵌合するように構成されているので、容器本体300の嵌合箇所の外側部分の形状が制約を受けるのみで、容器本体300の嵌合箇所の内側部分の形状は、蓋体100と中皿200との外嵌合には関係がなく、任意の形状とすることができるのである。よって、本願発明の包装用容器400によれば、容器本体300の嵌合箇所の形状の制約が少ないのである。
【0048】
また、本願発明の包装用容器400によれば、図2に示すように、中皿200の中心O2から中皿フランジ部240の下部242までの幅L3は、中心O2から中皿フランジ部240の上部241までの幅L4よりも大きいため、中皿フランジ部240は、上部241から下部242へ向けて末広がりの形状となっている。そのため、図5に示すように、中皿200を容器本体300の上から覆い被せるようにして、中皿嵌合部250を容器本体300に外嵌合させ易いのである。さらに、図1に示すように、蓋体100の中心O1から蓋体フランジ部140の下部142までの幅L1は、中心O1から蓋体フランジ部140の上部141までの幅L2よりも大きいため、蓋体100の蓋体フランジ部140は、上部141から下部142へ向けて末広がりの形状となっている。そのため、図5図9に示すように、蓋体100を中皿200の上から覆い被せるように外嵌合し易く、また、図7に示すように、蓋体100を容器本体300の上から覆い被せるように外嵌合し易いのである。
【0049】
さらに、図1に示すように、蓋体100では、中皿200に外嵌合する第一蓋体嵌合部150が、蓋体フランジ部140の下部142側に設けられている。そのため、図5に示すように、容器本体300と中皿200と蓋体100を三重に重ねて密閉する際、最も外側に覆い被さる蓋体100が、蓋体フランジ部140の下部142側、つまり、包装用容器400の最も外側において、中皿200にしっかりと外嵌合している。これにより、包装用容器400内部にゴミ等が侵入しにくく、高い密閉性を備えるのである。一方、蓋体100の第二蓋体嵌合部160は、蓋体フランジ部140の上部141側に設けられているので、図7に示すように蓋体100を容器本体300に直接取り付ける際は、図5に示すような容器本体300と中皿200と蓋体100を三重に重ねる部分が存在しない分、蓋体100を奥側まで容器本体300へ深く覆い被せてしっかりと外嵌合することができるので、容器本体300内部にゴミ等が侵入しにくく、高い密閉性を備えるのである。
【0050】
さらに、本願発明の包装用容器400の容器本体300が紙製であり、開口部の周縁に外側に湾曲したカール部340を備えているので、当該カール部340を蓋体100と中皿200とに外嵌合する嵌合箇所として利用することが出来る。特に、本願発明の容器本体300が紙製の場合において、開口部の周縁に外側に湾曲するカール部340を備えると、開口部の周縁の内側に、蓋体100と中皿200との嵌合箇所を設けることは難しい。そこで、本願発明では、カール部340を蓋体100と中皿200との嵌合箇所として有効に利用したのである。
【0051】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
図9