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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】屋根下葺材
(51)【国際特許分類】
   E04D 12/00 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
E04D12/00 P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019181121
(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公開番号】P2021055463
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000107907
【氏名又は名称】セーレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】出口 雅貴
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/031236(WO,A1)
【文献】特開2006-219878(JP,A)
【文献】特開2010-37728(JP,A)
【文献】特開2006-177106(JP,A)
【文献】特開2009-275415(JP,A)
【文献】特開2007-290136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 12/00
B32B 5/02
B32B 27/00
E04B 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム、不織布および吸水樹脂層が積層された内部層と、
内部層の両面に積層されたアルミニウム箔を有する屋根下葺材であって、
アルミニウム箔の厚みが7~50μmであり、
アルミニウム箔の表面に樹脂層が積層されてなり、
内部層の厚みが300~700μmであり、
以下の方法によって測定される90°形状保持性が10°以内である屋根下葺材。
250mm×25mmにカットされた屋根下葺材を長手方向中央で、90°になるよう垂直に折り曲げた後、手を離してから1分間で変化した角度を測定する。
【請求項2】
前記フィルムの厚みが12~150μmである請求項1に記載の屋根下葺材。
【請求項3】
前記内部層が、フィルム、吸水樹脂層、不織布およびフィルムの順に積層されてなる請求項1または2に記載の屋根下葺材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、瓦などの屋根上葺材の下側に用いられる屋根下葺材に関し、屋根の各納まりの形に合わせて隙間なく施工ができ、更に高温多湿の環境下でも高耐久性が得られる屋根下葺材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根下葺材に求められる主な性能は防水性や強度であったが、近年は更に長期耐久性が求められ、多層構造化し厚みが増す傾向にある。そのため柔軟性が失われ、折り曲げても元の形状に戻ろうとする力が強いため、建材同士の接合部、所謂、納まりの形に合わせことが困難になり、屋根下葺材と建材の間に隙間が生まれて、雨が入り易くなる虞がある。
また、屋根下葺材の劣化を抑制するためにも、なるべく湿気にさらされないように屋根下葺材の下側になる木材と隙間なく施工されなければならない。そのため、各納まりの形に合わせて保形し易い屋根下葺材が要求される。
【0003】
また従来、屋根下葺材はアスファルトを主体としていたが、熱に弱く酸化劣化し易いため、本出願人は、特許文献1~6のようにアスファルトを使用せず合成樹脂のみを使用した屋根下葺材を提案している。
しかしながら、エラストマーの合成樹脂で構成された屋根下葺材は、折り曲げた場合に元の形状に戻ろうとする力があるため、納まりの形に合わせることが困難になる虞があった。また、施工後の屋根下葺材がさらされる環境は、熱だけではなく湿気もある。例えば板金の屋根材を使用し、屋根材と屋根下葺材の間に通気層がある工法など高温多湿の環境になり易い構造では、合成樹脂やアスファルトの加水分解が進行し易い。従来よりも更なる高耐久性を発揮させるには、熱による酸化劣化を防止するだけではなく、熱と湿気による加水分解も考慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2012/026532号
【文献】特開2013-83148号公報
【文献】特開2015-194048号公報
【文献】特開2016-094735号公報
【文献】国際公開第2016/031236号
【文献】国際公開第2016/027799号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、防水性を有することに加え、屋根の納まりの凹凸形状に合わせて隙間なく施工ができ、更に耐久性が得られる屋根下葺材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる屋根下葺材は、フィルム、不織布および吸水樹脂層が積層された内部層と、内部層の両面に積層されたアルミニウム箔を有する屋根下葺材であって、アルミニウム箔の厚みが7~50μmであり、アルミニウム箔の表面に樹脂層が積層されてなり、内部層の厚みが300~700μmであり、90°形状保持性が10°以内である。
また、前記フィルムの厚みが12~150μmであると好ましい。
また、前記内部層が、フィルム、吸水樹脂層、不織布およびフィルムの順に積層されてなると好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、防水性を有することに加え、屋根の各納まりの凹凸形状に合わせて隙間なく施工ができ、高温多湿の条件下でも使用でき、更に耐久性が得られる屋根下葺材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の一例である屋根下葺材を示す断面模式図である。
図2】本発明の実施形態の一例である屋根下葺材の内部層を示す断面模式図である。
図3】90°形状保持性の測定方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の屋根下葺材について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は、以下に説明する構成に限定されることを意図するものではない。なお、図面において、本発明の屋根下葺材を構成される複数の層が図示されているが、各層の厚みや大きさは説明容易化のため適宜変更しており、実際の屋根下葺材における各層の厚みの大小関係(縮尺)を正確に反映したものではない。
【0010】
本発明の屋根下葺材1は、図1に示すように、内部層2の両方の面にアルミニウム箔3および樹脂層4が順に積層されている。図2には内部層2が例示され、フィルム5、吸水樹脂層6および不織布7が積層されている。
【0011】
内部層2は、フィルム5、吸水樹脂層6および不織布7を少なくとも各1層が積層されてなり、これらを積層することによって、強度を保ちつつ、防水性や釘穴からの浸水防止の効果を得ることができる。内部層2が、建材側から、フィルム5、吸水樹脂層6、不織布7、フィルム5の順に積層されていると防水、補強、釘穴浸水防止の効果を得やすくより好ましい。屋根下葺材1としては、建材側から、樹脂層4、アルミニウム箔3、フィルム5、吸水樹脂層6、不織布7、フィルム5、アルミニウム箔3、樹脂層4の順に積層されていると好ましい。
【0012】
内部層2の両面にアルミニウム箔3が積層されているため、防湿効果を有し、内部層2の劣化を抑制することができる。また塑性変形するため形状保持性が発揮され、納まりの凹凸形状に合わせて隙間なく施工ができる。アルミニウム箔3は、JIS H4160 アルミニウムおよびアルミニウム合金はくに規定されているものであれば、特に限定するものではないが、箔に加工し易く耐食性が良い合金番号1N30が好ましい。
また、アルミニウム箔3の厚みは、施工中の破れ難さと曲げ易さと、湿気の通り難さ、腐食のし難さの点から、7~50μmの範囲であることが必須であり、9~30μmの範囲であることが好ましい。
内部層2とアルミニウム箔3は合成樹脂接着層を介して積層されていると強度面で好ましい。また、合成樹脂接着層の厚みが12~150μmであると強度面と柔軟性の面で好ましく、30~140μmであると接着力と柔軟性の面からより好ましい。
【0013】
両面のアルミニウム箔3の外側に、樹脂層4が積層されているため、滑り止めの効果を得つつ、アルミニウム箔の腐食を抑制することができる。樹脂層4は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。なかでも生産性、加工性、強度の点でポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。
また、より滑り止め効果を発揮させるために添加材を付与することができ、例えば、微細な凹凸を形成できる無機系粉末、鉱物粉末、および不活性ガスを内包する熱膨張性マイクロカプセルや、摩擦抵抗を向上させる微粉末ゴム、ウレタンビーズ等が挙げられる。これらの添加材は単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
また、樹脂層4には撥水剤を添加することが好ましい。撥水剤を添加することで、樹脂膜の加水分解を抑制し、アルミニウム箔の腐食を抑制する効果が高まる。
【0014】
内部層2内のフィルム5の素材は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。なかでも生産性、加工性の点でポリオレフィン系樹脂が好ましい。
また、フィルム5の厚みは12~150μmであることが好ましく、より好ましくは30~100μmである。厚みが12μm以上であれば、強度を得やすく、作業中に破れにくくなる点で好ましい。厚みが150μm以下であれば、柔軟性が得られやすく、形状をより保ちやすい点で好ましい。
また、フィルム5の面にアルミニウム箔3を積層する場合、フィルム5の表面には活性化処理を行うことが好ましい。活性化処理はフィルム5の表面の濡れ性を改善するものであり、アルミニウム箔3との密着性を上げるために施される。活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、グロー処理やオゾン処理等が挙げられる。なかでも生産性、加工性の点でコロナ処理が好ましい。また、活性化処理により、濡れ性が34~42dyneになるように処理されることが好ましい。
【0015】
内部層2内の吸水樹脂層6の素材は、水と接触した場合に水を吸収し膨潤して非流動状態を維持しうる樹脂からなるものであればよく、水溶性の電解質ポリマーに架橋結合を導入したものであり、天然吸水樹脂や合成吸水樹脂のいずれも用いることができるが、耐久性の点から合成吸水樹脂が好ましい。素材の例としては、ポリビニルアルコール系であるポリビニルアルコール架橋重合体、アクリル系であるポリアクリル酸塩架橋体、アクリル酸ナトリウム-ビニルアルコール共重合体、ポリエーテル系であるポリエチレングリコールジアクリレート架橋重合体、その他の付加重合体では無水マレイン酸系重合体、ビニルピロリドン系重合体が挙げられる。
また、吸水樹脂層6の吸水膨潤倍率は180倍以上であることが好ましく、より好ましくは300倍以上である。吸水膨潤倍率が180倍未満では、釘を打ち込んだ穴に水が浸入した際に水を吸収しても、隙間を十分に充填できずに漏水するおそれがある。
【0016】
また、吸水樹脂層6はバインダー樹脂を介して不織布7に固着させることが好ましい。バインダー樹脂としては、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エステル系樹脂等が採用できる。特に、加工時の取扱性のよさやコストの点で、アクリル系樹脂が好ましく使用される。固着方法としては、例えば、吸水樹脂層6とバインダー樹脂とトルエンなどの溶媒からなる樹脂液をコーティング法、グラビアロール法等の方法により不織布7に付与し、熱処理をして固化させる方法が挙げられるが、特に限定はされない。吸水樹脂層6の塗布量は、樹脂固形分で5~40g/mが好ましい。塗布量が5g/m未満であると釘穴に水が浸入した際に、水を吸収しても隙間を十分に充填することができず、漏水するおそれがある。塗布量が40g/mより多いと、吸水膨潤時に積層が剥がれるおそれがある。
これらの積層方法としては、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法が挙げられるが、生産性とアルミニウム箔の補強効果の面で押出ラミネート法を用いることが好ましい。
【0017】
内部層2内の不織布7の素材は、ポリエステル系、ポリアミド系、または、ポリオレフィン系のフィラメント繊維から構成されることが好ましい。特に、強度と耐久性の面からポリエステル系繊維が好ましく用いられる。また種類としては、スパンボンド、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンレース、ニードルパンチなどが挙げられる。特に、強度や後加工性の点からスパンボンドが好ましい。
また、不織布7の目付は40~200g/mが好ましく、より好ましくは60~150g/mである。不織布7の目付が40g/m以上であれば、強度を得やすい面で好ましい。目付が200g/m以上であれば柔軟性が得られやすく、形状をより保ちやすい点で好ましい。
【0018】
内部層2の総厚みは、300~700μmの範囲であることが必須である。300μm未満であると、屋根下葺材としての強度が維持できない虞があり、釘穴からの水の浸入を抑えることが出来ない虞がある。総厚みが700μmより大きいと、柔軟性が無くなり、納まりの形に合せ難くなるため施工性を損なう虞がある。
【0019】
本発明の屋根下葺材は、以下の方法によって測定される90°形状保持性が10°以内であることが必須であり、8°以内がより好ましい。10°以内にすることにより、納まりが凹凸形状であっても、その形状に合わせて隙間なく施工することができ、凹凸形状に合わせて折り癖を付けた状態で保つことができる。
250mm×25mmにカットされた屋根下葺材を長手方向中央で、90°になるよう垂直に折り曲げた後、手を離してから1分間で変化した角度を測定する。
【実施例
【0020】
以下に述べる実施例、比較例によって本発明の屋根下葺材を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例における物性測定および評価は、以下の方法により行った。
【0021】
<防水性>
JIS L1092 耐水度試験(静水圧法)7.1.2B法(高水圧法)に準じて測定した。
【0022】
<釘穴シーリング性>
アスファルトルーフィング工業会規格「改質アスファルトルーフィング材」に準じて合板表面の濡れ数から評価した。10個の試験体中8個以上濡れていなければ評価を〇とし、8個未満では×とする。
【0023】
<折り曲げ易さ>
縦250mm×横25mmにカットした屋根下葺材を、長手方向中央を90°に指先で折り、その折り曲げ易さを、以下の評価基準で評価した。なお、評価が△以上であれば、通常の使用では問題ない。評価が×であると、施工時に隙間ができてしまうため、使用できない。
評価基準
○:90°に折り曲げ易い。
△:90°に折り曲げできるが、折り曲げる際の抵抗が強い。
×:90°に折り曲げられない。または、曲がってもすぐに元に戻ろうとする。
【0024】
<90°形状保持性(1分後)>
縦250mm×横25mmにカットし、平面に置いた屋根下葺材を、表面と裏面からそれぞれ、長手方向中央、すなわち、両端から125mmの位置で90°の角度に垂直に折り曲げ、手を離してから1分後に傾いた角度を測定し、表面と裏面の平均を取り、以下の評価基準で評価した。なお、評価が〇であれば、通常の使用で問題ないが、隙間から浸水するリスクが高くなる。なお、測定時に湾曲して曲がった場合は、図3のようにして接線を引き、垂直面からの変化した角度Aを確認する。
評価基準
○:傾いた角度が10°以内(80~100°)
×:傾いた角度が10°を超える(0~79°、101~180°)
【0025】
<耐折り曲げ性>
縦250mm×横25mmにカットした屋根下葺材を、長手方向中央で180°に折り、折り曲げた部分の状態を観察し、以下の評価基準で評価した。なお、評価が△以上であれば、通常の使用では問題ない。
評価基準
○:表面にヒビ、裂け、破れは認められず、異常なし。
△:表面にヒビはあるが、裂けや破れなし。
×:表面に裂けや破れあり。
【0026】
<耐熱試験>
90℃に設定された恒温層内に、JIS A5758 建築用シーリング材 4.2区分:変性シリコーン系(MS)で縁を封じた屋根下葺材を60日間放置後、常温(25℃)になるまで養生し、防水性と耐折り曲げ性を評価した。
【0027】
<耐高温多湿試験>
90℃、湿度90%に設定された恒温恒湿層内に、JIS A5758 建築用シーリング材 4.2区分:変性シリコーン系(MS)で縁を封じた屋根下葺材を60日間放置後、常温常湿(25℃、65%)になるまで養生し、防水性と耐折り曲げ性を評価した。
【0028】
[実施例1]
100g/mのポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡績株式会社製、エクーレ3A01A)に、吸水樹脂(株式会社日本触媒製、アクアリックCS-6、吸水膨潤倍率:200倍)をバインダー樹脂(株式会社トウぺ製、アクリル樹脂XE-3782)100重量部に対して97重量部添加した混合物を、グラビアコーティング法により固形分が10g/mになるように塗布し、吸水樹脂層を形成した。この吸水樹脂層を形成した不織布の両面に、濡れ性が40dyneになるようコロナ処理された、厚み60μmのポリエチレンフィルム(酒井化学工業株式会社製、LLシート)を、ポリエチレンペレット(東ソー株式会社製、ペトロセン212)を用い、押出ラミネート法にて20μm厚の層を形成しながらラミネートし、厚み510μmの内部層を作製した。
【0029】
作製した内部層の両面、すなわち、両方のポリエチレンフィルム上に、厚み20μmアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製、合金番号1N30)を、ポリエチレンペレット(東ソー株式会社製、ペトロセンDLZ19A)を用い、押出ラミネート法にて20m厚の接着層を形成しながらラミネートした。その後、両アルミニウム箔表面に、アクリル樹脂(根上工業株式会社製、パラクロンW248E)100重量部に対し、イソシアネート系架橋剤(大日精化工業株式会社製、NE架橋剤)を3重量部、架橋促進剤(DIC株式会社製、クリスボンアクセルT81)を0.3重量部、アクリル樹脂からなる熱発泡剤(松本油脂製薬株式会社製、マツモトマイクロスフェアーF-36D)を22重量部、フッ素系撥水剤(ダイキン株式会社製、ダイフリーFB-961)を1.7重量部添加した樹脂を添加した樹脂を、グラビアコーティング法よって、固形分が3g/m付着するように塗布し樹脂層を形成して、図1のような屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0030】
[実施例2]
アルミニウム箔の厚みを9μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0031】
[実施例3]
アルミニウム箔の厚みを50μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0032】
[実施例4]
不織布を40g/mのポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡績株式会社製エクーレ3401A)にし、フィルムを厚み30μmのポリエチレンフィルム(酒井化学工業株式会社製LLシート)にし、内部層の総厚みを330μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0033】
[実施例5]
不織布を150g/mのポリエステルスパンボンド不織布(東レ株式会社製アクスターG2150-1S)にし、フィルムを厚み80μmのポリエチレンフィルム(酒井化学工業株式会社製LLシート)にし、内部層の総厚みを680μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0034】
[実施例6]
アルミニウム箔の厚みを8μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0035】
[比較例1]
アルミニウム箔を積層せず、内部層の両面に直接樹脂層を形成した以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0036】
[比較例2]
アルミニウム箔の厚みを80μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0037】
[比較例3]
不織布を30g/mのポリエステルスパンボンド不織布(東洋紡績株式会社製エクーレ3301A)にし、フィルムを厚み10μmのポリエチレンフィルム(酒井化学工業株式会社製HDシート)にし、内部層の総厚みを250μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0038】
[比較例4]
アルミニウム箔の厚みを5μmにした以外は、実施例1と同様に加工して、屋根下葺材を得た。各物性の測定結果および評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1に示すように、実施例に係る屋根下葺材は、防水性、釘穴シーリング性、折り曲げ易さ、耐折り曲げ性、耐熱試験、耐高温多湿試験のいずれの評価も優れていた。
【0041】
これに対して、比較例に係る屋根下葺材は、いずれかの評価が不良であり、耐高温多湿処理後に劣化する結果となった。
【符号の説明】
【0042】
1 屋根下葺材
2 内部層
3 アルミニウム箔
4 樹脂層
5 フィルム
6 吸水樹脂層
7 不織布
A 角度
図1
図2
図3