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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】飛行体用安全装置
(51)【国際特許分類】
   B64D 17/46 20060101AFI20230707BHJP
   B64D 17/72 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
B64D17/46
B64D17/72
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019198940
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021070425
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004086
【氏名又は名称】日本化薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127203
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】芦田 祥一
(72)【発明者】
【氏名】八木橋 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】福元 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】大坪 秀礎
(72)【発明者】
【氏名】中村 博
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04709885(US,A)
【文献】国際公開第2019/181989(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0318615(US,A1)
【文献】中国実用新案第206704527(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 17/40
B64D 17/46
B64D 17/52
B64D 17/70
B64D 17/72
B64D 17/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被展開体と、
初期状態において、前記被展開体を収納している有底筒状の収容器と、
作動時において、前記収容器内の前記被展開体を前記収容器内から前記収容器外へ射出する射出装置と、
を備え、
前記収容器は、
第1底部が一端側に設けられ、前記第1底部と反対側に第1開口部を形成する筒状の側壁部を有した有底筒状の第1部材と、
第2底部が一端側に設けられ、前記第1開口部と取り外し可能に結合する第2開口部を前記第2底部と反対側に形成する筒状の側壁部を有した有底筒状の第2部材と、
作動時に前記第1開口部と前記第2開口部との結合の状態を解除して取り外す取り外し機構と、
を有し、
前記第2部材の前記側壁部は、前記被展開体の少なくとも一部と対向するように設けられており、
作動時に前記取り外し機構によって前記第2部材が前記第1部材から取り外された際、前記被展開体において前記第2部材の前記側壁部と対向していた部分のうち少なくとも一部が前記収容器の外部空間に対して露出される位置に、前記第1開口部の端部が形成されており、
前記取り外し機構が、前記第2部材の前記第2底部の内側と当接する押し上げ部材と、前記押し上げ部材を押し上げる駆動力を発生する駆動部と、を備えていることを特徴とする飛行体用安全装置。
【請求項2】
前記第1開口部と前記第2開口部とは、いずれか一方の大きさが他方の大きさよりも大きいものであるとともに嵌合するものであり、
材料の弾性を利用してはめ込む機械的接合方式によって前記嵌合を解除可能に固定するものであることを特徴とする請求項1記載の飛行体用安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラシュート等の被展開体を射出する飛行体用安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律制御技術および飛行制御技術の発展に伴って、例えばドローンと呼ばれる複数の回転翼を備えた飛行体の産業上における利用が加速しつつある。ドローンは、例えば複数の回転翼を同時にバランスよく回転させることによって飛行し、上昇および下降は回転翼の回転数の増減によって行い、前進および後進は回転翼の回転数の増減を介して機体を傾けることによって成し得る。このような飛行体は今後世界的に拡大することが見込まれている。
【0003】
一方で、上記のような飛行体の落下事故のリスクが危険視されており、飛行体の普及の妨げとなっている。こうした落下事故のリスクを低減するために、安全装置として飛行体用パラシュート装置が製品化されつつある。
【0004】
上記飛行体用パラシュート装置のパラシュート飛行体用安全装置として、たとえば特許文献1には、収容器の底部側から開口部側にかけて上下方向に折り重ねるように畳まれたパラシュートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許第3050805号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のようなパラシュート飛行体用安全装置においては、作動時におけるパラシュートの展開までの時間短縮の観点から、パラシュートの展開のスムーズさが求められている。
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、パラシュートがパラシュート収容器の内壁と接触する部分が多いために、パラシュートの射出時において、比較的大きな摺動抵抗が発生してしまう。したがって、パラシュート射出時におけるパラシュート展開に影響が出やすく、パラシュートをスムーズかつ迅速に展開することができない場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、簡易な構成でありながら、従来よりも展開時にスムーズかつ迅速にパラシュート等の被展開体を展開できる飛行体用安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明に係る飛行体用安全装置は、被展開体と、初期状態において、前記被展開体を収納している有底筒状の収容器と、作動時において、前記収容器内の前記被展開体を前記収容器内から前記収容器外へ射出する射出装置と、を備え、前記収容器は、第1底部が一端側に設けられ、前記第1底部と反対側に第1開口部を形成する筒状の側壁部を有した有底筒状の第1部材と、第2底部が一端側に設けられ、前記第1開口部と取り外し可能に結合する第2開口部を前記第2底部と反対側に形成する筒状の側壁部を有した有底筒状の第2部材と、作動時に前記第1開口部と前記第2開口部との結合の状態を解除して取り外す取り外し機構と、を有し、前記第2部材の前記側壁部は、前記被展開体の少なくとも一部と対向するように設けられており、作動時に前記取り外し機構によって前記第2部材が前記第1部材から取り外された際、前記被展開体において前記第2部材の前記側壁部と対向していた部分のうち少なくとも一部が前記収容器の外部空間に対して露出される位置に、前記第1開口部の端部が形成されており、前記取り外し機構が、前記第2部材の前記第2底部の内側と当接する押し上げ部材と、前記押し上げ部材を押し上げる駆動力を発生する駆動部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
上記(1)の構成によれば、作動時において摩擦抵抗となる収容器の側壁の一部(第2部材)を取り外してしまうので、簡易な構成でありながら、スムーズかつ迅速に被展開体を収容器外部に射出するとともに展開できる飛行体用安全装置を提供できる。また、従来に比べて作動時における上記摩擦抵抗を低下させることができるので、射出されてから所定時間まで被展開体を塊の状態で存在させることができるので空気抵抗を比較的小さくすることができ、射出時から所定時間までは被展開体16が外乱(風の影響など)を受けにくいものとすることができる。また、上記(1)の構成によれば、簡易な構成でありながら、製造しやすく、かつ、作動時に第2部材を押し上げ部材で押し上げることによって容易に取り外すことができる。
【0013】
) 上記(1)飛行体用安全装置においては、前記第1開口部と前記第2開口部とは、いずれか一方の内径が他方の内径よりも大きいものであるとともに嵌合するものであり、材料の弾性を利用してはめ込む機械的接合方式によって前記嵌合を解除可能に固定するものであることが好ましい。
【0014】
上記()の構成によれば、簡易な構成でありながら、製造しやすく、かつ、作動時に第2部材が取り外されやすい構成とすることができる。さらに、一旦、第1部材に第2部材を取り付けた場合、多少の衝撃では第1部材から第2部材が外れることがないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る飛行体用安全装置を示す模式断面図である。
図2】(a)は図1の飛行体用安全装置から収容器の第2部材を取り外した状態の第1部材およびシリンダの平面図、(b)は図1の飛行体用安全装置における収容器の第1部材の平面図である。
図3図1の飛行体用安全装置の一部拡大図である。
図4図1の飛行体用安全装置の作動について説明するための模式断面図である。
図5図1の飛行体用安全装置の収納器へ格納される被展開体の折り畳み方を説明するための模式図である。
図6図1の飛行体用安全装置が適用される飛行体を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る飛行体用安全装置を示す模式断面図である。
図8図1の飛行体用安全装置に対する比較例の飛行体用安全装置を示す模式断面図である。
図9】本発明の実施例に係る実験結果を示すグラフである。
図10】本発明の実施例に係る実験No.1の作動状態について経時変化を示す写真である。
図11】本発明の実施例に係る実験No.2の作動状態について経時変化を示す写真である。
図12】本発明の比較例に係る実験No.3の作動状態について経時変化を示す写真である。
図13】本発明の比較例に係る実験No.4の作動状態について経時変化を示す写真である。<第1実施形態> 以下、本発明の第1実施形態に係る飛行体用安全装置について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る飛行体用安全装置100は、摺動部材であるピストン部材10と、当該ピストン部材10を収容し、作動時に当該ピストン部材10が外方(図1では上方向)に突出するための孔部13が設けられたシリンダ14と、ピストン部材10により一方向(図1では上方向)に押し上げられる押し上げ部材15と、当該押し上げ部材15により支持されつつ押し上げられる被展開体16と、ピストン部材10をシリンダ14内で移動させる動力源としてのガス発生器(マイクロガスジェネレータ等)17と、ピストン部材10、シリンダ14、押し上げ部材15、被展開体16、およびガス発生器17を収容する筒状の収容器となる第1部材18および第2部材21と、を備えている。ここで、一変形例として、ガス発生器17の代わりに、バネ等の弾性体や磁気等の磁性体を動力源として用いてもよい。
【0017】
収容器および押し上げ部材15は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と、ガラス繊維又は炭素繊維などからなる繊維束又は繊維糸とを用いた繊維強化部材(繊維強化複合材料を主成分とする部材)からなるものである。ここで、使用することができる熱硬化性樹脂の代表例として、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアネートエステル樹脂等に代表される熱硬化性樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂の代表例として、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイドが挙げられ、これらを単体、もしくは混合物として使用してもよい。
【0018】
収容器表面と、押し上げ部材15の収容部に接触する表面とは、動摩擦係数および静摩擦係数を小さくするために、黒鉛、二硫化モリブデン、六方晶窒化ホウ素、フッ素重合体、及びシリコーン・ベース材料から成る群から選択される少なくとも1つの添加剤を塗布してもよい。特に、フッ素重合体として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);フッ化エチレンプロピレン(FEP);ペルフルオロアルコキシポリマー(PFA);ペルフルオロメチルアルコキシポリマー(MFA);ポリフッ化ビニリデン(PVDF);ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE);ポリエチレン塩化三フッ化エチレン(ECTFE);及びテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデン(THV)のポリマーから成る群から選択される、少なくとも1つのフッ素重合体を含む材料が望ましい。
【0019】
ガス発生器17は、シリンダ14の下方の開口端に圧入された状態で、ピストン部材10の後述の本体部11の下方に配置されている。また、シリンダ14の下部は、第1部材18の底部に固定されている。
【0020】
ピストン部材10は、シリンダ14の内径とほぼ同じ外径の部分を備える本体部11と、この本体部11に接続され、上方に延びかつ本体部11よりも小径の棒状部12と、を有している。棒状部12の上端は、シリンダ14の孔部13を介して押し上げ部材15の後述の有底筒状部19の上端内面に固定されている。また、シリンダ14内の上部には、ピストン部材10の棒状部12の一部を取り囲むように配置されたストッパー23が設けられている。すなわち、棒状部12はストッパー23に挿通された状態で配されている。このことによって、ピストン部材10が上方に移動した際に、本体部11がストッパー23に接触して停止することで、本体部11がシリンダ14内から外方に放出されないようになっている。
【0021】
また、図1に示すように、押し上げ部材15は、シリンダ14の一部、つまり当該シリンダ14のうちガス発生器17が配されている開口端を除く外側の部分を覆うように配置された有底筒状部19と、当該有底筒状部19の開口縁部にフランジ(鍔状部)として設けられ被展開体16を支持する円盤状の支持部20と、を有している。このような構成において、支持部20の底部は、初期状態で収容器の底部となる第1部材18の底部内面側に当接するように設けられている。また、支持部20の外周部は、第1部材18の内側に接触しないように形成されている。
【0022】
第1部材18は、図2(a)、(b)に示したように、底部18aと、第1開口部26を一端側に形成する筒状の側壁部18bを有した有底筒状の部材である。第1部材18の底部には、図1図2(b)に示すように、第1部材18内部と外部とを連通する複数の通気孔24が設けられている。各通気孔24は、押し上げ部材15が第1部材18内において急速で移動する際には、当該押し上げ部材15と第1部材18の底面との間の領域に負圧が生じる。そのため、押し上げ部材15を移動させ難くなる。そこで、上記通気孔24を設けることで、負圧現象を低減することができ、押し上げ部材15をスムーズに移動させることが可能となる。なお、通気孔24の開孔面積をガス発生器17の出力調整とともに適宜調整することで、被展開体16の射出スピードおよび射出距離を制御することが可能である。
【0023】
第2部材21は、収容器の天部となる部材であって、底部21aと、第1開口部26と取り外し可能に嵌合する第2開口部27を底部21aと反対側に形成する筒状の側壁部21bとを有した有底筒状のものである。側壁部21bは、被展開体16の少なくとも一部と対向するように形成されている。また、第2開口部27と第1開口部26とは、形状差による嵌合または留め具などを用いることによって結合可能に形成されている。
【0024】
ここで、第1開口部26および第2開口部27においては、図3に示したように、第2部材21の第2開口部27の外径側から第1部材18の第1開口部26の内径に嵌合するスナップフィット方式(材料の弾性を利用してはめ込む機械的接合方式の一種)を用いて結合するものであってもよい。具体的には、図3に示したように、第2開口部27の外周部に凸部21cが設けられており、この凸部21cが噛み合う凹部18cが第1部材18の第1開口部26の内周部に設けられている。これにより、第1部材18と第2部材21とを嵌合して、容易に第1部材18に第2部材21を固定することができるだけでなく、作動時には、ガス発生器17により発生した力により押し上げられた押し上げ部材15が支持部22を介して第2部材21を押し上げ、噛み合っていた凸部21cを凹部18cから外して上記固定を解除することによって、図4に示したように、第1部材18から第2部材21が取り外されるので、被展開体16をスムーズに射出できる。ここで、一変形例として、第2部材21の第2開口部27の内径側から第1部材18の第1開口部26の外径に嵌合するスナップフィット方式を用いてもよい。
【0025】
被展開体16は、たとえば、パラシュートの傘部分またはパラグライダーのキャノピーなどである。被展開体16は、以下の方法で、第1部材18および第2部材21からなる収容器に収容される。まず、たとえば、被展開体16がパラシュートの場合、被展開体16のうち展開した場合に頂点となる部分を一端部として、図5(a)に示した複数のライン25(収容器または後述する飛行体30の機体31などと被展開体16とを連結する紐状の連結部材)が接続されている側の部分をまとめて細長い状態とする。
【0026】
このとき、図5に示したように被展開体16を折り畳むことによって、細長い状態とすることが好ましい。具体的には、以下の通りである。まず、被展開体16(パラシュート)の平面図(側部から見た図)である図5(a)に示したように、点線部分を山、点線の間の実線部分を谷として、図5(b)の状態(左右対称)となるように折り畳む。このとき、複数のライン25は、ひとまとめにして直線状に並べておく。次の工程は、図5(b)の模式図を用いて説明する。図5(b)の模式図は、図5(b)の平面図のB-B矢視図であって、模式的に示した図であるが、図5(b)の平面図の被展開体16の点線部分を山、一点鎖線部分を谷として、被展開体16の中心から図面右側の断面が略S字状となるように、かつ、被展開体16の中心から図面左側の断面が逆略S字状となるように(図5(c)の状態(左右対称)となるように)折り畳む。ここで、図5(c)の模式図は、図5(c)の平面図のC-C矢視図であって、模式的に示した図であるが、最後に、図5(c)の平面図の被展開体16中心線を山として、図5(d)に示した状態となるように折り畳む。ここで、図5(d)の模式図は、図5(d)の平面図のD-D矢視図であって、模式的に示した図である。そして、複数のライン25をまとめたままの状態として、次のようにして、飛行体用安全装置100の収容器となる第1部材18および第2部材21内に格納する。
【0027】
すなわち、ライン25の一端を第1部材18または機体31に連結して、ライン25を押し上げ部材15の支持部20の上に載置した後、図2(a)に示したように、被展開体16の一端部16aを押し上げ部材15の有底筒状部19の側面の周りに巻きつけて一端部16aまで到達させ、被展開体16の第1層16Aを形成する。その後、形成した第1層16Aを保持しつつ、被展開体16のうち巻きつけられてない部分を反対方向に折り返し、被展開体16の第1層16Aに対して径方向に重なるようにしつつ一端部16aまで一周巻きつけて、第2層16Bを形成する。同じ要領で、形成した第1層16Aおよび第2層16Bを保持しつつ、被展開体16のうち巻きつけられてない部分を反対方向に折り返して、被展開体16の第2層16Bに対して径方向に重なるように一周巻きつけて、第3層16Cを形成する。第4層16D、第5層16Eも同じ要領で形成し、最後に、被展開体16の他端部16bを含む第6層16Fも同じ要領で形成する。
【0028】
ここで、各図面においては、便宜上、被展開体16を巻きつけた際において、被展開体16の外側が第1部材18の内側に接触しないように収容されている様子が描画されているが、被展開体16の基布は比較的柔軟な材料(たとえば、帆布、ポリアミド合成樹脂繊維、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂を用いた布、など)で形成されているため、実際には、被展開体16の外周部分が第1部材18の側壁部18b内側などに接触することがある。
【0029】
以上のような構成において、飛行体用安全装置100が搭載されるたとえば飛行体などが落下する際にガス発生器17が作動すると、当該作動により発生するガスの圧力によってピストン部材10がシリンダ14内を上方に推進する。これにより、ピストン部材10の棒状部12に接続された有底筒状部19を有する押し上げ部材15が第1部材18内において上方に推進する。これによって、押し上げ部材15が支持部22を介して第2部材21を押し上げ、噛み合っていた凸部21cを凹部18cから外して、第1開口部26と第2開口部27との固定(結合)を解除する。このようにして、作動に関連する各部位は、第1部材18から第2部材21を取り外す取り外し機構として機能する。その結果として、第1開口部26の端部が被展開体16の最上部位置よりも低い位置に位置していることから、被展開体16のうち第2部材21の側壁部21bと対向していた部分のうち少なくとも一部は外部空間に露出される。その後、第2部材21の側壁部21b内壁に対する摩擦抵抗を受けることなく、押し上げ部材15の推進力を受けて、被展開体16は第1部材18内から外方(図1紙面の上方向)にスムーズかつ迅速に射出される。このとき、被展開体16は、図2(a)に示したように折り畳まれているものであるため、射出後において、スムーズかつ迅速に展開する。
【0030】
なお、飛行体用安全装置100は、図6に示したように、飛行体30の機体31に連結部材40を介して連結固定されている。このとき、図6に示したように、連結部材40は、通気孔24を閉塞しない位置において、第1部材18と機体31とを連結している。したがって、飛行体30は、機体31と、当該機体31に結合される飛行体用安全装置100と、機体31に結合され、当該機体31を推進させる1つ以上の推進機構(たとえばプロペラ等)32と、機体31の下部に設けられた複数の脚部33と、を備えている。ここで、実際には、ガス発生器17の下部の電極(図示せず)に通電用のソケットが嵌合されているが、説明の便宜上、図1においては省略して表現している。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、作動時において摩擦抵抗となる収容器の側壁の一部(第2部材21)を取り外してしまうので、簡易な構成でありながら、スムーズかつ迅速に被展開体16を収容器外部に射出するとともに展開できる飛行体用安全装置100を提供できる。
【0032】
また、従来に比べて作動時における上記摩擦抵抗を低下させることができるので、射出されてからラインテンションがかかるまで被展開体16を塊の状態で存在させることができるので空気抵抗を比較的小さくすることができ、射出時に被展開体16が外乱(風の影響など)を受けにくいものとなる。
【0033】
また、第1部材と第2部材との結合をスナップフィット方式で行っているため、第1部材に第2部材を取り付けた場合、多少の衝撃では第1部材から第2部材が外れることがないようにすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る飛行体用安全装置について、図7を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と下二桁が同じ番号の符号は、同様のものであるので、説明を省略することがある。また、特に説明しない部分に関しては、上記第1実施形態の飛行体用安全装置および飛行体と同様であるので、説明を省略することがある。
【0034】
本実施形態に係る飛行体用安全装置200は、被展開体116の収納器への収納状態が第1実施形態の被展開体16の収納状態と異なっているが、その他の部位については同様である。なお、被展開体116と被展開体16とは、展開後には同形状のパラシュートになるものである。
【0035】
被展開体116は、以下の方法で、第1部材118および第2部材121からなる収容器に収容される。まず、たとえば、被展開体116がパラシュートの場合、第1実施形態と同様、図5(d)の状態となるように折り畳む。そして、複数のライン(図示しないが、第1実施形態のライン25と同様のもの)をまとめたままの状態として、次のようにして、飛行体用安全装置200の収容器となる第1部材118および第2部材121内に格納する。
【0036】
すなわち、ラインの一端を第1部材118または飛行体の機体(図示しないが、第1実施形態の飛行体の機体と同様のもの)に連結して、ラインを押し上げ部材115の支持部120の上に載置した後、図7(b)に示したように、被展開体116の一端部116aを押し上げ部材115の支持部120の上面に載置した後、有底筒状部119を中心として反時計回りに一端部116aまで到達させ、被展開体116の第1層116Aを形成する。その後、形成した第1層116Aを保持しつつ、被展開体116のうち支持部120に接触していない部分を反対方向に折り返し、被展開体116の第1層116Aに対して有底筒状部119の軸方向に重なるようにしつつ、有底筒状部119を中心として時計回りに一端部116aまで到達させ、第2層116Bを形成する。同じ要領で、形成した第1層116Aおよび第2層116Bを保持しつつ、被展開体116のうちまだ層を形成していない部分を反対方向に折り返して、被展開体116の第2層116Bに対して有底筒状部119の軸方向に重なるようにしつつ、有底筒状部119を中心として反時計回りに一周させ、第3層116Cを形成する。第4層116D、第5層116E、第6層116F、第7層116Gも同じ要領で形成し、最後に、被展開体116の他端部116bを含む第8層116Hも同じ要領で形成する。
【0037】
ここで、被展開体116は、その外側が第1部材118の内側に接触しないように収容されている。なお、被展開体116は、その外側が第1部材118の内側に接触するように収容されていてもよい。
【0038】
以上のような構成において、飛行体用安全装置200が搭載されるたとえば飛行体などが落下する際にガス発生器117が作動すると、当該作動により発生するガスの圧力によってピストン部材110がシリンダ114内を上方に推進する。これにより、ピストン部材110の棒状部112に接続された有底筒状部119を有する押し上げ部材115が第1部材118内において上方に推進する。これによって、押し上げ部材115が支持部122を介して第2部材121を押し上げ、第1部材118から第2部材121を取り外す取り外し機構として機能する。その結果として、第1開口部126の端部が被展開体116の最上部位置よりも低い位置に位置していることから、被展開体116のうち第2部材121の側壁部121bと対向していた部分のうち少なくとも一部は外部空間に露出される。その後、第2部材121の側壁部121b内壁に対する摩擦抵抗を受けることなく、押し上げ部材115の推進力を受けて、被展開体116は第1部材118内から外方(図7紙面の上方向)にスムーズかつ迅速に射出される。このとき、被展開体116は、図7に示したように折り畳まれているものであるため、射出後において、スムーズかつ迅速に展開する。
【0039】
上記構成によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。たとえば、上記各実施形態の被展開体について、展開時に破断または解体されるような包装体によって包装されたものであってもよい。
【0041】
上記各実施形態では、動力源としてガス発生器を採用したが、摺動部材がシリンダ内を推進するための駆動力を当該摺動部材に付与することが可能なものであればその構成は限定されるものではなく、たとえばバネ等の弾性体や磁気等の磁性体を採用してもよい。
【0042】
また、上記各実施形態では、押し上げ部材の支持部を、第1部材の底部に当接するように設けた。しかし、これに限定されるものではない。たとえば、支持部をピストン部材の棒状部の長さ方向における中間付近に配置してもよい。
【0043】
また、上記各実施形態では、棒状部の上端を、押し上げ部材の有底筒状部の上端内面に固定することとしたが、これに限らず、棒状部の上端を前記内面に固定しなくともよい。
【0044】
また、上記各実施形態においては、ガス発生器の作動に合わせて、モータなどの駆動装置によって自動で第2部材を第1部材から取り外すものであってもよい。
【0045】
また、上記各実施形態では、収容器を円筒状に形成したが、これに限定されるものではなく、たとえば四角筒のような他の形状に形成してもよい。
【0046】
また、上記各実施形態におけるピストン部材をテレスコピック構造として構成してもよい。
【0047】
さらに、上記各実施形態では、パラシュートを被展開体の例として挙げたが、これに限らず、揚力発生部材を含むものを被展開体として射出してもよい。揚力発生部材としては、たとえば、パラフォイル、トライアングル型、ロガロ型パラシュート、シングルサーフェース型パラシュート、2枚布のパラグライダー、飛行機の翼、プロペラ、バルーン等が挙げられる。また、揚力発生部材がコントロールラインを有する場合、飛行体用安全装置は、コントロールラインを利用して、射出した揚力発生部材の傾斜角度の変更などを行うことができる操舵機構を備えておくことが望ましい。この操舵機構は、たとえば、揚力発生部材に連結された複数のコントロールラインをそれぞれ巻き取る複数のリールと、これらのリールの動力となるモータと、を備えたものであり、モータの駆動により、コントロールラインを巻き取ったり、出したりすることで、適宜、揚力発生部材を引っ張ったり、引っ張りを緩めたりすることができる。
【0048】
また、上記各実施形態においては通気孔を収容器の底部に設けたが、この位置に限られない。作動時に収容器と押し上げ部材との間で発生する負圧を抑制することができる位置であれば、どの位置でもよい。
【0049】
また、上記各実施形態におけるシリンダ、動力源、および収容器は、機体にゴムバンド、ベルト、ひも、その他(機械的接合、ボルト、ファスナー、接着剤)等の手段により連結または固定されていることが好ましい。
【0050】
また、上記各実施形態において、被展開体を支持する支持部の形状は、円盤状(円、楕円を含む)、多角形、放射状のいずれであってもよい。なお、支持部の形状が楕円または多角形の場合、収容器の内面は支持部の外周部に沿って形成されることが望ましい。
【0051】
また、上記各実施形態において、第2開口部27と第1開口部26との結合に留め具を用いた場合は、留め具による第2開口部27と第1開口部26との結合を飛行体用安全装置の作動に合わせて自動解除する解除機構(たとえば、モータの駆動力と、カム、歯車などの駆動力を伝達する部材とを利用したものなど)が設けられていてもよい。
【0052】
また、上記各実施形態において、収容器内において被展開体を押し上げ部材の有底筒状部に巻きつけるような構成を示したが、これに限られない。たとえば、本発明は、収容器内に設けた発射台(押し上げ部材の一種)の上に載置した被展開体を発射台の作動に応じて押し上げて、収容器外に被展開体を射出するものであれば、どのような装置にでも適用できる。
【0053】
(実施例)
次に、本発明に係る実施例について説明する。具体的には、第1実施形態と同構成の飛行体用安全装置と、図8に示した飛行体用安全装置300と同構成の飛行体用安全装置とを製作し、それぞれの装置について行った被展開体の射出・展開実験および結果について説明する。なお、図8に示した飛行体用安全装置300において、下二桁が同じ番号の符号は、第1実施形態と同様のものであるので、説明を省略することがある。また、特に説明しない部分に関しては、上記第1実施形態の飛行体用安全装置および飛行体と同様であるので、説明を省略することがある。
【0054】
図8に示した飛行体用安全装置300は、図1に示した第1実施形態の装置と収容器の形状が異なっている以外、他に異なっている点はない。以下、当該異なっている点を中心に、飛行体用安全装置300について具体的に説明する。
【0055】
図8に示した装置の収容器は、底部218aと側壁部218bとを有した有底筒状の第1部材218と、底部221aと側壁部221bとを有した蓋状の第2部材221と、を備えたものである。
【0056】
側壁部218bの上端部には第1開口部226が形成され、側壁部221bの下端部には第2開口部227が形成されている。また、第1開口部226に側壁部221bが挿入されることによって、第1実施形態と同様、スナップフィット方式で第1開口部226と第2開口部227とが結合するようになっている。すなわち、第2部材221は、第1部材218の第1開口部226を閉塞する蓋部材となっている。
【0057】
上記構成によれば、作動時において第2部材221が第1実施形態と同様の取り外し機構によって取り外されても、被展開体216の全周と側壁部218bとは接触しやすい状態となっており、射出する際には被展開体216の全周と側壁部218bとの間で摩擦抵抗が発生しやすい状況となるものである。これに対して、第1実施形態と同構成の飛行体用安全装置100においては、少なくとも第2部材21が被展開体16の射出時に存在しない状態となっているので、摩擦抵抗が発生するとしても第1部材18の側壁部18bと被展開体16の一部とが接触している部分のみとなる。なお、第1実施形態と同構成の飛行体用安全装置の第1部材の側壁部の被展開体と接触する可能性のある部分の面積は、図8に示した飛行体用安全装置300と同構成の飛行体用安全装置の収容器の第1部材の側壁部の被展開体と接触する可能性のある部分の半分となるように構成した。
【0058】
実験は、押し上げ部材の速度(射出速度)の測定、および、作動時からラインテンションがかかる(ラインが伸びきって張った状態となる)までの時間測定について、おこなった。また、それぞれの実験は、第1実施形態と同構成の飛行体用安全装置について2回(実験No.1、No.2)、図8に示した装置と同構成の飛行体用安全装置について2回(実験No.3、No.4)行った。
【0059】
なお、第1実施形態と同構成の飛行体用安全装置においては、押し上げ部材の移動速度(射出速度)が10m/s程度となるように設計し、押し上げ部材の動き出しから停止までの時間を測定し、所定の移動距離(ここでは、65mm)に対して当該測定時間で割り算することによって、実際の押し上げ部材の移動速度(射出速度)を求めた。図8に示した装置と同構成の飛行体用安全装置においては、第1実施形態と同構成の飛行体用安全装置に対して収容器のみ変更し、第1実施形態と同構成の飛行体用安全装置の場合と同様の方法で、実際の押し上げ部材の移動速度(射出速度)を求めた。結果を下記表1および図9に示す。
【0060】
ここで、押し上げ部材の動き出しの時間および停止時間は、押し上げ部材の支持部(フランジ)の上面にひずみゲージを設け、このひずみゲージによってひずみを検知したタイミングを測定することによって得ている。具体的には、本実施例の飛行体用安全装置の実験作動時間中において、ひずみゲージによって、押し上げ部材の支持部(フランジ)のひずみが最初に発生したことを検知した時間を「押し上げ部材の動き出しの時間」、押し上げ部材が停止する際に発生する支持部(フランジ)のひずみを検知した時間を「押し上げ部材の停止時間」として、押し上げ部材の動き出しから停止までの時間を測定している。
【0061】
【表1】
ラインテンションがかかる時間については、高感度カメラと、動画解析(運動解析)ソフトウェア(株式会社フォトロン製 TEMA)とを用いて、測定した。具体的には、動作時からラインが伸びきって張った状態となるまでを高感度カメラで撮影し、撮影して得た動画情報から上記ソフトウェアを用いてラインテンションがかかる時間を演算した。結果を図9に示す。また、実験No.1~No.4において得た高感度カメラで撮影した連続写真を図10図13に示す。なお、図10は実験No.1、図11は実験No.2、図12は実験No.3、図13は実験No.4、についての写真である。また、これら図10図13の写真は、各装置の作動時を開始時間0(s)として、0.1(s)ごとに撮影したものを示している。
【0062】
表1及び図9から、実験No.1、No.2の押し上げ部材の移動速度(射出速度)の平均値は、実験No.3、No.4の押し上げ部材の移動速度(射出速度)の平均値に対して、0.45(m/s)速くなったことがわかった。また、実験No.1、No.2のラインテンションがかかるまでの平均時間は、実験No.3、No.4のラインテンションがかかるまでの平均時間に対して、0.044(s)速くなったことがわかった。
【0063】
また、図10図11から、実験No.1、No.2の被展開体は、射出されてから0.3(s)程度まで塊(写真中の移動している白い塊部分のものでラインが連結されている)の状態で存在していることがわかる。そして、その後に、実験No.1、No.2の被展開体は、ラインテンションがかかってから、この塊が解かれた状態となっている。これに対して、図12図13から、実験No.3、No.4の被展開体は、初期から塊の状態が解けたような状態で射出されていることがわかる。ここで、実験No.1、No.2の被展開体が0.3(s)程度まで塊の状態で存在したことは、装置作動時における押し上げ部材の移動時に、実験No.1、No.2の被展開体に対する収容器の摺動抵抗が実験No.3、No.4よりも低くなったことが要因と考えられる。
【0064】
これらの結果および考察から、図8に示した飛行体用安全装置300と同構成の飛行体用安全装置と比較して、本発明に係る飛行体用安全装置の被展開体の射出速度の向上が認められる。また、実験No.1、No.2の被展開体は、射出されてからラインテンションがかかる0.3(s)程度まで塊の状態で存在していることから空気抵抗を比較的小さくすることができ、本発明に係る飛行体用安全装置においては、射出時に被展開体が外乱(風の影響など)を受けにくいものとなっている。以上により、本発明は、従来に比べて優れたものとなっていることがわかった。
【符号の説明】
【0065】
10、110、210 ピストン部材
11、111、211 本体部
12、112、212 棒状部
13、113、213 孔部
14、114、214 シリンダ
15、115、215 押し上げ部材
16、116、216 被展開体
16a、116a 一端部
16b、116b 他端部
17、117、217 ガス発生器
18、118,218 第1部材
18a、21a、118a、121a、218a、221a 底部
18b、21b、118b、121b、218b、221b 側壁部
18c 凹部
19、119、219 有底筒状部
20、22、120、122、220、222 支持部
21、121、221 第2部材
21c 凸部
23、123、223 ストッパー
24、124、224 通気孔
25 ライン
26、126、226 第1開口部
27、127、227 第2開口部
30 飛行体
31 機体
33 脚部
40 連結部材
100、200、300 飛行体用安全装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13