(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】プレートフィン熱交換器を用いて1つ又は複数の飲料成分を冷却するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F28D 1/03 20060101AFI20230707BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20230707BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20230707BHJP
F28D 20/02 20060101ALI20230707BHJP
F28F 1/30 20060101ALI20230707BHJP
F28F 9/24 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
F28D1/03
B67D1/08 A
F28D1/053 Z
F28D20/02 D
F28F1/30 A
F28F9/24
(21)【出願番号】P 2019516125
(86)(22)【出願日】2017-09-28
(86)【国際出願番号】 US2017053875
(87)【国際公開番号】W WO2018064252
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-08-31
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-29
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ガン,ミンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウェルチ,ディック ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ルディック,アーサー ジー.
【合議体】
【審判長】西村 泰英
【審判官】白土 博之
【審判官】間中 耕治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0285956(US,A1)
【文献】中国実用新案第202304511(CN,U)
【文献】特開2010-144952(JP,A)
【文献】特開2004-61032(JP,A)
【文献】米国特許第4204613(US,A)
【文献】特開2000-18786(JP,A)
【文献】特開2006-97970(JP,A)
【文献】実開平2-62380(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D1/03
B67D1/08
F28D1/053
F28D20/02
F28F1/30
F28F9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサの内部又は
飲料ディスペンサのアイスビンの下部で冷却媒体と熱接触して配置され
、当該飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するプレート熱交換器であって、
上部プレートと、
下部プレートと、
外部境界壁と、
前記上部プレートと前記下部プレートとの間に配置された
複数の流体流路
と、
前記
複数の流体流路
のそれぞれの内
部に配置され、前記上部プレート及び前記下部プレートと
熱接触しているフィンと、
を備え
、
前記複数の流体流路のそれぞれは、入口流路及び出口流路を備え、
前記複数の流体流路における互いに隣接する流体流路同士では、その前記入口流路同士が隣接して配置され、
この隣接する入口流路同士は、内壁により分離され、かつ、当該内壁を共有する、プレート熱交換器。
【請求項2】
共に積み重なった複数の前記プレート熱交換器を更に備える、請求項1に記載のプレート熱交換器。
【請求項3】
前記各流体流路の入口流路が、それに隣接して積み重なる各流体流路の別の入口流路に隣接して配置される、請求項2に記載のプレート熱交換器。
【請求項4】
前記各流体流路の出口流路が、それに隣接して積み重なる各流体流路の別の出口流路に隣接して配置される、請求項2に記載のプレート熱交換器。
【請求項5】
前記フィンが、複数のU字型チャネルを形成するように折り畳まれた単一の一体構造を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のプレート熱交換器。
【請求項6】
前記フィンが、複数の行及び複数の列を有する単一の一体構造を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のプレート熱交換器。
【請求項7】
前記複数の行が、隣接する行から少なくとも部分的にオフセットされている、請求項6に記載のプレート熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2016年9月28日に出願された米国仮特許出願第62/400,760号に対する優先権及びその利益を主張し、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示は更に、2017年1月27日に出願された米国仮特許出願第62/451,403号に対する優先権及びその利益を主張し、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は概して飲料に関し、より具体的にはプレートフィン熱交換器を用いて1つ又は複数の飲料成分を冷却するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
様々な種類の飲料ディスペンサが、炭酸飲料、水、及び他の飲料等の冷飲料を分配するために一般的に使用されている。特定の飲料ディスペンサは、所望の飲料をディスペンサから分配する前にディスペンサ内で飲料又は飲料原料、例えば、炭酸水、淡水、及びシロップを冷却するためのコールドプレートを備えることができる。コールドプレートは、複数のチューブ又はスリーブが内部に配置され、飲料原料が流動するように構成されたアルミニウム鋳物として形成可能であると一般的に言われている。コールドプレートは概して、飲料ディスペンサ内に配置し、ディスペンサのアイスビンと物理的に直接接触させることができる。例えば、コールドプレートは、アイスビンの下部を形成することができるか、又はアイスビンの下部周辺に配置することができる。飲料原料がコールドプレートのチューブ又はスリーブを通過する際、熱は、アイスビン内に含まれる原料と、コールドプレートと、氷との間で交換することができる。このように、飲料ディスペンサが購入者に冷飲料を提供するように、飲料原料は、ノズルを介して分配される前に、コールドプレート内で適切に冷却することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のコールドプレートは、多くの種類の飲料原料の冷却に適しているが、得られる冷却の程度は、コールドプレートの熱伝達効率に応じて変化する場合がある。したがって、コールドプレートの熱伝達効率の増加が所望されている。更に、様々な原料を収容するために、コールドプレート構造の柔軟性の増加が所望されている。尚更、使用する材料を減少させることによるコールドプレートのコスト削減が、所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
プレート熱交換器を本明細書に開示する。プレート熱交換器は、1つ又は複数の流体を冷却するために、飲料ディスペンサの内部又は近くで冷却媒体(氷等)と熱接触させて配置することができる。コールドプレートはまた、冷却媒体と熱接触することができ、これにより、コールドプレートを介して原料から熱を抽出することができる。例えば、冷媒は、コールドプレート内の多数の流路を通過することができる。コールドプレート熱交換器は、上部プレート、下部プレート、外部境界壁、及び上部プレートと下部プレートとの間に配置された流体流路を備えることができる。流体流路は、入口及び出口を備えることができる。フィンは、上部プレートから下部プレートにかけて流体流路内で、入口と出口との間に配置することができる。
【0006】
以下の図面及び発明を実施するための形態を調べると、本開示の他の特徴及び態様は、当業者に明らかとなるか、又は明白になる。他の全ての特徴及び態様、並びに他のシステム、方法、及びアセンブリの実施形態は、発明を実施するための形態に含まれることを意図し、添付の特許請求の範囲内にあることを意図するものである。
【0007】
図面の簡単な説明
発明を実施するための形態は、添付の図面を参照して記載されている。同じ参照番号を使用した場合は、類似又は同一の物品を示すことができる。様々な実施形態は、図面に示されるもの以外の要素及び/又は構成要素を利用することができ、いくつかの要素及び/又は構成要素は、様々な実施形態に存在しない場合がある。図中の要素及び/又は構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。本開示全体で、文脈に応じて、専門用語の単数形及び複数形を互換的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うアイスビンに配置されたプレートフィン熱交換器を示す。
【
図2】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うプレートフィン熱交換器を示す。
【
図3】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うプレートフィン熱交換器を示す。
【
図4】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、上部プレート及びフィンを省いたプレートフィン熱交換器を示す。
【
図5】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うフィンを示す。
【
図6】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うフィンを示す。
【
図7】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、上部プレート及びフィンを省いたプレートフィン熱交換器を示す。
【
図8】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、上部プレート及びフィンを省いたプレートフィン熱交換器を示す。
【
図9】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うプレートフィン熱交換器の積み重ねを示す。
【
図10】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、上部プレート及びフィンを省いたプレートフィン熱交換器を示す。
【
図11】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、上部プレート及びフィンを省いたプレートフィン熱交換器を示す。
【
図12】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、上部プレート及びフィンを省いたプレートフィン熱交換器を示す。
【
図13】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う熱交換器の上面図を示す。
【
図14】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、
図13のライン2-2に沿った部分横断面図を示す。
【
図15】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、
図13のライン3-3に沿った部分横断面図である。
【
図16】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う熱交換器の上面図を示す。
【
図17】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、
図16のライン5-5に沿った部分横断面図である。
【
図18】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う熱交換器の部分横断面図である。
【
図19】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う熱交換器の上面図である。
【
図20】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、
図19のラインA-Aに沿った部分横断面図である。
【
図21】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、
図20のラインB-Bに沿った部分横断面図である。
【
図22】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図23】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図24】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図25】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図26】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図27】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図28】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図29】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図30】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図31】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【
図32】飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
プレートフィン熱交換器(及びプレートフィン熱交換器の個々の構成要素)の実施形態について以下に記載する。ある場合では、プレートフィン熱交換器は、コールドプレートであり得る。一例では、プレートフィン熱交換器は、水、炭酸水、マクロ原料、及び/又はマイクロ原料等の1つ又は複数の流体を冷却するために、飲料ディスペンサのアイスビン内に配置することができる。プレートフィン熱交換器は、飲料ディスペンサの内部又は近くでいかなる冷却媒体とも熱接触することができる。プレートフィン熱交換器を使用して、いかなる飲料成分も冷却することができる。プレートフィン熱交換器は、フィンを備え、その内部での流体流動の経路が決定しているため、アイスビン内の氷とプレートフィン熱交換器内を流動する流体との間の熱伝達を向上させることができる。
【0010】
マクロ原料は、そのままの濃度(希釈なし)~約6対1(ただし、一般的には約10対1未満)の範囲内の再構成比を有することができると一般的に言われている。本明細書で使用される再構成比とは、希釈液(例えば、水又は炭酸水)対飲料原料の比率を指す。したがって、5:1の再構成比を有するマクロ原料とは、完成飲料中のマクロ原料全体に対して5の割合の希釈液と混合されるマクロ原料を指す。多くのマクロ原料は、約3:1~5.5:1の範囲内の再構成比、例えば、4.5:1、4.75:1、5:1、5.25:1、及び5.5:1の再構成比を有することができる。マクロ原料には、甘味料、例えば、液糖、HFCS(「高果糖コーンシロップ(High Fructose Corn Syrup)」)、FIS(「完全転化糖(Fully Inverted Sugar)」)、MIS(「中間転化糖(Medium Inverted Sugar)」)、栄養性甘味料及び非栄養性甘味料、又は高甘味度甘味料のブレンドから構成される中間カロリー甘味料、並びに他のこのような栄養性甘味料を含むことができる。これらの甘味料は、特に約35~45°Fの標準的な飲料分配温度に冷却された後、約10:1超の濃度でポンピングして正確に測定することが困難である。エリスリトール甘味料は、飲料用の主要な甘味料源として使用された場合、マクロ原料甘味料とみなすことができるが、エリスリトールは典型的には、他の甘味料源とブレンドされ、より高い再構成比で溶液中で使用されることになり、このため、以下で説明するマイクロ原料とみなすことができる。また、マクロ原料には、濃縮抽出物、ピューレ、及び同様の種類の原料を含むこともできる。他の原料には、従来のBIB(「バッグインボックス(bag-in-box)」)フレーバーシロップ(例えば、COCA-COLAバッグインボックスシロップ)、ジュース濃縮物、乳製品、大豆、及び米の濃縮物を含むことができる。同様に、マクロ原料ベースの製品には、甘味料、及び香味料、酸、並びに飲料シロップの他の一般的な成分を含むことができる。糖、HFCS、又は他のマクロ原料ベースの製品を含む飲料シロップは概して、ディスペンサから離れた従来のバッグインボックス容器に保存することができる。冷却した場合のマクロ原料の粘度は、約1~約10,000センチポアズの範囲内、一般的には100センチポアズ超程度であり得る。本明細書では、他の種類のマクロ原料を使用することもできる。
【0011】
マイクロ原料は、約10:1及びより大きな範囲の再構成比を有することができる。具体的には、多くのマイクロ原料は、約20:1~50:1、20:1~100:1、20:1~300:1以上の範囲内の再構成比を有することができる。マイクロ原料の粘度は、典型的には、約1~約6センチポアズ程度の範囲内であるが、この範囲から変化する場合がある。マイクロ原料の例には、天然香味料又は人工香味料、香味添加物、天然着色料又は人工着色料、人工甘味料(強力なもの、非栄養性のもの、又は別のもの)、消泡剤、非栄養性原料、酸味、例えば、クエン酸又はクエン酸カリウムを制御するための添加物、機能性添加物、例えば、ビタミン、ミネラル、ハーブ抽出物、機能性食品、及び一般用(さもなければ別の)医薬品、例えば、プソイドエフェドリン、アセトアミノフェン、並びに同様の種類の原料が含まれる。食用酸濃縮物、例えば、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、又は他のこのような一般的な任意の食用酸を含む様々な酸をマイクロ原料で使用することができる。様々な種類のアルコールを、マクロ原料又はマイクロ原料のいずれかとして使用することができる。マイクロ原料は、液体、気体、又は粉末の形態(及び/又はそれらの組み合わせ、例えば、様々な媒体の可溶性原料及び懸濁状原料、例えば、水、有機溶媒、及び油)であってもよい。本明細書では他の種類のマイクロ原料を使用することができる。
【0012】
典型的には、完成飲料製品用のマイクロ原料には、完成飲料の香気成分を構成する別個に保存された非甘味料飲料成分濃縮物が含まれる。非甘味料飲料成分濃縮物は、完成飲料の主要な甘味料源として機能せず、甘味料無添加であるが、一部の非甘味料飲料成分濃縮物は甘味香気成分又は香気成分を有することができ、これらは濃縮物の甘味として知覚される。これらの非甘味料飲料成分濃縮物には、香味料の食用酸濃縮物及び食用酸分解性(又は非酸性)濃縮物成分、例えば、共同所有された米国特許出願第11/276,553号(発明の名称「Methods and Apparatus for Making Compositions Comprising and Acid and Acid Degradable Component and/or Compositions Comprising a Plurality of Selectable Components」)(この全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものを含むことができる。上述の通り、マイクロ原料は、約10対1及びより大きな範囲の再構成比を有することができ、この場合、完成飲料の香気成分を構成する別個に保存された非甘味料飲料成分濃縮物用のマイクロ原料は、典型的には、50:1、75:1、100:1、150:1、300:1以上の範囲の再構成比を有する。
【0013】
例えば、コーラ完成飲料の非甘味料香気成分は、別個に保存された第1の非甘味料飲料成分濃縮物及び第2の非甘味料飲料成分濃縮物から得ることができる。第1の非甘味料飲料成分濃縮物は、コーラ完成飲料の食用酸濃縮物成分、例えば、リン酸を含むことができる。第2の非甘味料飲料成分濃縮物は、第1の非甘味料成分濃縮物に別個に保存されたリン酸又は他の食用酸濃縮物成分と共に保存された場合に非甘味料飲料成分濃縮物と反応し、非甘味料飲料成分濃縮物の味及び貯蔵期限に影響を及ぼすコーラ完成飲料の食用酸分解性濃縮物成分、例えば、香味油を含むことができる。第2の非甘味料飲料成分濃縮物は、第1の非甘味料飲料成分濃縮物の食用酸濃縮物成分(例えば、リン酸)を含まないが、依然として高酸飲料成分溶液(例えば、pH4.6未満)であることができる。
【0014】
完成飲料は、完成飲料の酸濃縮物成分以外の香味料の複数の非甘味料濃縮物成分を有することができる。例えば、チェリーコーラ完成飲料の非甘味料香気成分は、上記例で説明した別個に保存された非甘味料飲料成分濃縮物、及びチェリーの非甘味料成分濃縮物から得ることができる。チェリーの非甘味料成分濃縮物は、チェリーコーラ完成飲料用レシピと一致する量で分配することができる。このようなレシピでは、チェリーの非甘味料成分濃縮物を含む他の完成飲料用の他のレシピよりも、チェリーの非甘味料成分濃縮物の量が多い、少ない、又は他のレシピと同じであってもよい。例えば、各完成飲料バージョンに対して最適な味プロファイルを提供するために、チェリーコーラ完成飲料用レシピで規定されるチェリーの量は、チェリーレモンライム完成飲料用レシピで規定されるチェリーの量より多くてもよい。このようなレシピに基づく香味料バージョンの完成飲料は、下記のような香味添加物又はフレーバーショットを添加したものとは対照的なものとなる。
【0015】
完成飲料製品の他の典型的なマイクロ原料には、マイクロ原料甘味料を含むことができる。マイクロ原料甘味料には、高甘味度甘味料、例えば、アスパルテーム、Ace-K、ステビオール配糖体(例えば、Reb A、Reb M)、スクラロース、サッカリン、又はそれらの組み合わせを含むことができる。また、マイクロ原料甘味料は、1つ若しくは複数の他の甘味料源と組み合わせて分配された場合、又はエリスリトールと1つ若しくは複数の高甘味度甘味料とのブレンドを単一の甘味料源として使用する場合、エリスリトールを含むことができる。
【0016】
完成飲料製品を補完するための他の典型的なマイクロ原料には、マイクロ原料香味添加物を含むことができる。マイクロ原料香味添加物には、ベースの飲料の香味料に添加することができる追加の香味料オプションを含むことができる。マイクロ原料香味添加物は、非甘味料飲料成分濃縮物であってもよい。例えば、ベースの飲料は、コーラ風味の飲料であってよく、一方でチェリー、ライム、レモン、オレンジ等は、コーラ飲料に香味添加物(フレーバーショットと称される場合がある)として添加されてもよい。レシピに基づく香味料バージョンの完成飲料とは対照的に、完成飲料を補完するために添加するマイクロ原料香味添加物の量は、異なる完成飲料間で一致する場合がある。例えば、香味添加物又はフレーバーショットとしてコーラ完成飲料に含まれるチェリーの非甘味料成分濃縮物の量は、香味添加物又はフレーバーショットとしてレモンライム完成飲料に含まれるチェリーの非甘味料成分濃縮物の量と同じであってもよい。更に、レシピに基づく香味料バージョンの完成飲料は、単一の完成飲料選択アイコン又はボタン(例えば、チェリーコーラアイコン/ボタン)により選択可能である一方、香味添加物又はフレーバーショットは、完成飲料選択アイコン又はボタンに追加する補完的な選択肢である(例えば、コーラアイコン/ボタン選択にチェリーアイコン/ボタン選択が続く)。
【0017】
一般的に理解されているように、このような飲料選択は、飲料ディスペンサ上のタッチスクリーンユーザインターフェース又は他の典型的な飲料ユーザインターフェース選択機構(例えば、ボタン)を介して行うことができる。飲料ディスペンサが、タッチスクリーンユーザインターフェース上の別個の分配ボタンを介して、又は別個の注出機構、例えば注出ボタン(電気機械的、静電容量式タッチ、又は別の方法)若しくは注出レバーとのインタラクションを介して、更に分配コマンドを受信したときに、任意の選択された香味添加物を含む選択された飲料を分配することができる。
【0018】
従来の完成飲料のBIBフレーバーシロップ送達では、完成飲料の甘味料、香味料、及び酸の全てを含有するマクロ原料フレーバーシロップは、希釈液源、例えば、淡水又は炭酸水と、約3:1~6:1の希釈液対シロップの比で混合される。対照的に、完成飲料のマイクロ原料送達では、完成飲料の甘味料及び非甘味料飲料成分濃縮物は全て、別個に保存され、完成飲料の分配時にノズル周辺で一緒に混合される。このようなマイクロ原料の分配に適した例示的なノズルには、共同所有された米国仮特許出願第62/433,886号(発明の名称「Dispensing Nozzle Assembly」)、PCT特許出願第PCT/US15/026657号(発明の名称「Common Dispensing Nozzle Assembly」)、米国特許第7,866,509号(発明の名称「Dispensing Nozzle Assembly」)、又は米国特許第7,578,415号(発明の名称「Dispensing Nozzle Assembly」)(これらは全て、全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものが含まれる。
【0019】
飲料ディスペンサは動作中に、上述のマクロ原料又はマイクロ原料源のいずれか1つ又は複数から完成飲料を分配することができる。例えば、従来の完成飲料のBIBフレーバーシロップ送達と同様に、完成飲料を製造するために、マクロ原料フレーバーシロップを、希釈液源、例えば、淡水又は炭酸水と共に分配することができる。更に、飲料ディスペンサが提供する飲料の種類を増やすために、従来のBIBフレーバーシロップを、希釈液及び1つ又は複数のマイクロ原料香味添加物と共に分配することができる。
【0020】
完成飲料の2つ以上の非甘味料飲料成分濃縮物のそれぞれを甘味料及び希釈液と共に別個に分配することにより、マイクロ原料ベースの完成飲料を分配することができる。甘味料はマクロ原料甘味料又はマイクロ原料甘味料であってよく、希釈液は水又は炭酸水であってもよい。例えば、コーラ完成飲料の食用酸濃縮物成分、例えばリン酸、コーラ完成飲料の食用酸分解性濃縮物成分、例えば香味油、マクロ原料甘味料、例えば、HFCS、及び炭酸水を別個に分配することにより、マイクロ原料ベースのコーラ完成飲料を分配することができる。別の例では、ダイエットコーラ完成飲料の食用酸濃縮物成分、ダイエットコーラ完成飲料の食用酸分解性濃縮物成分、マイクロ原料甘味料、例えば、アスパルテーム又はアスパルテームブレンド、及び炭酸水を別個に分配することによって、マイクロ原料ベースのダイエットコーラ完成飲料を分配することができる。更なる例として、中間カロリーコーラ完成飲料の食用酸濃縮物成分、中間カロリーコーラ完成飲料の食用酸分解性濃縮物成分、減少量のマクロ原料甘味料、減少量のマイクロ原料甘味料、及び炭酸水を別個に分配することによって、中間カロリーマイクロ原料ベースのコーラ完成飲料を分配することができる。減少量のマクロ原料及びマイクロ原料甘味料とは、コーラ完成飲料及びダイエットコーラ完成飲料で使用されるマクロ原料又はマイクロ原料甘味料の量と比較したものを意味する。最後の例として、補完的に香味付けされたマイクロ原料ベースの飲料、例えば、オレンジフレーバーショットを有するチェリーコーラ飲料又はコーラ飲料は、香味付けされたコーラ完成飲料の食用酸濃縮物成分、香味付けされたコーラ完成飲料の食用酸分解性濃縮物成分、1つ又は複数の非甘味料マイクロ原料香味添加物(レシピに基づく香味料バージョンの完成飲料又はフレーバーショットのいずれかとして分配される)、甘味料(マクロ原料甘味料、マイクロ原料甘味料、又はそれらの組み合わせ)、及び炭酸水を個別に分配することによって、分配することができる。上記例は、炭酸飲料用に提供されているが、炭酸水を淡水で置き換えることで、非炭酸飲料にも適用することができる。
【0021】
様々な原料を、飲料ディスペンサにより連続注出モードで分配することができる。この場合、所与の流速の飲料に対する適切な割合(例えば、所定の比率)の適切な原料が分配される。言い換えると、所定量の原料を組み合わせる従来のバッチ操作とは対照的に、飲料ディスペンサにより、任意の体積で注出される原料が正確な比率で連続的に混合及び流動される。この連続混合及び流動の方法は、飲料サイズボタンを選択して、それぞれの飲料サイズに対する所定の分配時間を設定することにより選択される特定サイズの飲料の分配に適用することができる。
【0022】
図1は、プレートフィン熱交換器100を示す。プレートフィン熱交換器100は、飲料ディスペンサのアイスビン101内に配置することができる。ある場合では、プレートフィン熱交換器100は、アイスビン101の下部103に配置することができる。このように、氷102は、プレートフィン熱交換器100の上部上に配置することができる。氷102は、プレートフィン熱交換器100から、その内部を流動する1つ又は複数の流体を冷却するために熱を抽出することができる。
【0023】
図2及び
図3に示すように、プレートフィン熱交換器100は、上部プレート104、下部プレート106、及び外部境界壁108を備えることができる。上部プレート104は、下部プレート106から間隔を空けることができる。ある場合では、外部境界壁108は、少なくとも部分的に、バー等により形成することができる。外部境界壁108は、相対的なものである。すなわち、ある場合では、外部境界壁108は、プレートフィン熱交換器100の周囲で延在して、上部プレート104と下部プレート106と外部境界壁108との間に集合的にエンクロージャー110を形成することができる。他の場合では、外部境界壁108はエンクロージャー110内に配置され、流体流路112を囲むことができる。ある場合では、エンクロージャー110は密封することができる。
【0024】
流体流路112は、上部プレート104と下部プレート106との間に形成することができる。
図4は、上部プレート104及びフィン118(以下で考察する)を省いたプレートフィン熱交換器100の上面図を概略的に示す。
図4に示すように、流体流路112は、入口114及び出口116を備えることができる。ある場合では、フィン118は少なくとも部分的に、入口114と出口116との間に配置することができる。入口114は、流体導管117を経由して流体115(例えば、水、炭酸水、マクロ原料、及び/又はマイクロ原料)と連通することができる。入口114及び出口116は、プレートフィン熱交換器100の同じ側、又はプレートフィン熱交換器100の反対側に配置することができる。このように、流体115は、入口114から出口116まで流体流路112に沿って流動することができる。流体は、入口114から出口116まで流動する際、アイスビン101からの氷102による熱伝達により冷却させることができる。以下でより詳細に考察するように、ある場合では、プレートフィン熱交換器100は、エンクロージャー110内に複数の流体流路112を備えることができる。同じ又は異なる流体が、流体流路112内を流動することができる。
【0025】
図2及び
図3に戻ると、流体流路112での熱伝達を向上させるために、フィン118は、上部プレート104と下部プレート106との間の流体流路112内で配置することができる。例示的な一実施形態では、フィン118は、上部プレート104及び下部プレート106と面接触することができる。ある場合では、フィン118は、流体流路112全体に沿って入口114と出口116との間に配置することができる。他の場合では、フィン118は、流体流路112の一部に沿って入口114と出口116との間に配置することができる。フィンのスペース及び厚さは、様々な冷却要件に応じて調整することができる。
【0026】
例示的な一実施形態では、
図3及び
図5に示すように、フィン118は、複数のチャネル120を形成する複数の折り畳みを有する単一の一体構造であってもよい。ある場合では、チャネル120はU字型であってもよい。例えば、フィン118は波形パネルであってもよい。このように、流体115は、チャネル120を介して、流体流路112内を入口114から出口116まで流動することができる。ある場合では、チャネル120の形状に起因して、フィン118は、上部パネル104と接触する上壁122、下部パネル106と接触する下壁124、及び上壁122から下壁124まで延在する内壁126を備えることができる。チャネル120により、その内部の流体流動による熱伝達をより大きくするために、表面積を増加させることができる。また、フィン118は、上部プレート104と下部プレート106との間の熱伝導率を増加させることができる。
【0027】
別の実施形態では、
図6に示すように、フィン118は、複数の行128及び複数の列130を有する単一の一体構造を備えることができる。ある場合では、行128は、隣接する行128から少なくとも部分的にオフセットされていてもよい。すなわち、行128は、千鳥状であってもよい。行128のオフセットは均一又は不均一であってもよい。行128のオフセットにより、流体流路112内の乱流が増加し、これにより熱伝達が増加し得る。流体115は、矢印132が示す方向又は矢印134が示す方向に流動することができる。オフセットされた行128に起因して、開口136が、行128と列130との間に形成され得る。これにより、任意の方向への流体の流動が可能になる。オフセットされた行128に形成された歪曲した経路により、流体流動内で乱流が生じ、これにより熱伝達が増加し得る。更に、異なる種類及び形状のフィン(例えば、ルーバー状、ランス状、波状等)を使用して、熱伝達を増加させることができる。
【0028】
図4に戻ると、ある場合では、リブ138(又は分割バー)を、上部プレート104と下部プレート106との間の流体流路112内に配置することができる。リブ138は、流体流路112を第1の部分140と第2の部分142とに分割することができる。このような場合、入口114を第1の部分140に配置することができ、出口116を第2の部分142に配置することができる。フィン118を、第1の部分140、第2の部分142、又はそれらの組み合わせに配置することができる。ある場合では、第1のフィンは、第1の部分に少なくとも部分的に配置することができ、第2のフィンは、第2の部分142に少なくとも部分的に配置することができる。リブ138は、流体流路112を実質的にU字型となるように区分することができる。このような場合、流体流路112の第1の部分140における第1の流れ方向144は、流体流路114の第2の部分142における第2の流れ方向146とは逆であってもよい。リブ138は、プレートフィン熱交換器100の全長にわたって延在しなくてもよい。代わりに、リブ138は、プレートフィン熱交換器100の一端から他方まで部分的に延在してもよい。リブ138は、開口148に延在しなくてもよい。入口114及び出口116は、リブ138の反対側に配置することができる。このように、流体は、第1の部分140内の第1の流れ方向144の入口114から、開口148に流動することができ、ここで流体は、出口116に向かって反対方向146に方向転換することができる。
【0029】
任意の数のリブ138を使用することができる。他の場合、リブ138は除外してもよい。複数のリブ138を使用する場合、流体流路112を3つ以上の部分に区分することができる。バーフレームアセンブリ及びヘッダを使用して、様々な流路を形成することができる。
【0030】
図4、
図7、
図8、及び
図10~
図12に示すように、プレートフィン熱交換器100は、上部プレート104と下部プレート106との間に配置された複数の流体流路112を備えることができる。流体流路112のそれぞれは、入口流れ部分150及び出口流れ部分152を備えることができる。入口流れ部分150及び出口流れ部分152はそれぞれ、リブ138により区分された第1の部分140及び第2の部分142に対応することができる。ある場合では、入口流れ部分150は、出口流れ部分152よりも比較的温かい流体流動を含むことができる。すなわち、プレートフィン熱交換器100内の流体115は典型的には、入口114では、116を出るときよりも温かい。流体115は典型的には、流体流路112に沿って入口114から出口116まで流動する際、徐々に冷たくなる。その結果、入口流れ部分150を、隣接する流体流路112の出口流れ部分152に隣接させて配置することが望ましくない場合がある。このような流体流動の配置により、熱伝達を減少させることができる。したがって、
図7、
図8、及び
図11に示すように、各流体流路112の入口流れ部分150は、それに隣接する各流体流路112の別の入口流れ部分150に隣接させて配置することができる。隣接する入口流れ部分150は、内壁154により分離することができ、またこれを共有することができる。同様に、
図4、
図8、及び
図12に示すように、各流体流路112の出口流れ部分152は、それに隣接する各流体流路112の別の出口流れ部分152に隣接させて配置することができる。隣接する出口流れ部分152は、内壁154により分離することができ、またこれを共有することができる。このように、隣接する入口流れ部分150又は隣接する出口流れ部分152の間の内壁154を介して交換されたいかなる熱も、最小限のものであり得るか、又はプレートフィン熱交換器100の全体の熱伝達に最小限の影響を及ぼし得る。
【0031】
図9は、共に積み重なった複数のコールドプレート熱交換器100を示す。このような構造では、各流体流路112の入口流れ部分150は、それに隣接して積み重なる各流体流路112の別の入口流れ部分150に隣接させて(その上に及び/又は下に)配置することができる。同様に、各流体流路112の出口流れ部分152は、それに隣接して積み重なる各流体流路112の別の出口流れ部分152に隣接させて(その上に及び/又は下に)配置することができる。
【0032】
図10は、複数の流体流路112を使用する特定の流体115を示す。例えば、導水管158は、第1の入口導管160及び第2の入口導管162に分かれることができる。入口導管160及び162のそれぞれは、流体流路112の各入口114と関連する。この特定の実施形態では、各流体流路112の出口流れ部分152が互いに隣接して配置されるように、各入口114は、コールドプレート熱交換器100の両側で間隔を置くことができる。このように、隣接する出口流れ部分152間の内壁154を介して交換されたいかなる熱も、最小限のものであり得るか、又はプレートフィン熱交換器100の全体の熱伝達に最小限の影響を及ぼし得る。他の実施形態では、各流体流路112の入口流れ部分150が互いに隣接して配置されるように、各入口114は、互いに隣接させて配置することができる。このように、隣接する入口流れ部分150間の内壁154を介して交換されたいかなる熱も、最小限のものであり得るか、又はプレートフィン熱交換器100の全体の熱伝達に最小限の影響を及ぼし得る。
【0033】
図13~
図21は、飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態に関する。飲料業界で使用するベイパーチャンバスタイルの熱交換器は、冷却すべき液体を含有する複数のチューブ、ヒートシンク表面(水浴若しくは氷のプレート、別のチュービングセット、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい)、及び熱輸送機構(エチルアルコール等の食品安全化合物が好ましい)を伴う。
【0034】
飲料分配装置内では、カーボネータを使用して水と炭酸ガスを合わせて炭酸水を生成することができる。炭酸水は、カーボネータのスタイルに応じて、高圧且つ常温のもの(この場合、二酸化炭素がガスに導入されている)、又は低温のもの(別名「冷炭酸化」)(この場合、二酸化炭素が様々な機構を介して冷水(32~34Fが好ましい)に導入されている)であってもよい。冷炭酸化では、炭酸化プロセスに、常温炭酸化の場合よりも低圧のCO2を使用することができる。
【0035】
コールドカーボネータは、従来のコールドプレートと近接しているか又は接触していることが多い。ベイパーチャンバコールドプレート内では、1つ又は複数の流体を含むチューブにCO2ラインを配管して、コールドプレートに不可欠なカーボネータを形成することができる。カーボネータをベイパーチャンバコールドプレートに一体化させることにより、低コスト且つ効率的な冷炭酸化システムを提供する。
【0036】
ベイパーチャンバ内の相変化冷媒は概して、カーボネータからアイスビン内の氷へと熱を伝達する。カーボネータは、ベイパーチャンバ内に設置するか、又はベイパーチャンバから離して設置することができ、また熱サイフォンを介してベイパーチャンバと接続させることができる。また、CO2を予め冷却して、その密度を増加させ、炭酸化工程中に熱が水に導入されるのを最小限に抑えることができる。
【0037】
図13~
図15を参照すると、ベイパーチャンバコールドプレート10は、剛性シェル20により全ての側面に接続させることができる。ベイパーチャンバコールドプレート10は、任意の数の原料冷却回路を備えることができる。例えば、原料回路30は、ベイパーチャンバコールドプレートの外側のフィッティング31で始まり、ベイパーチャンバコールドプレート内部を横断することができ、ベイパーチャンバコールドプレートの外側のフィッティング32で終わることができる。ベイパーチャンバコールドプレートはまた、カーボネータ40を備えることができる。カーボネータは、冷却前回路50及び冷却後回路60で配管することができる。冷却前回路50は、ベイパーチャンバコールドプレートの外側に設置されたフィッティング51で始まり、ベイパーチャンバコールドプレートの内部を横断し、カーボネータ40のフィッティング52で終わることができる。冷却後回路60は、カーボネータ40のフィッティング61で始まり、ベイパーチャンバコールドプレートの内部を横断し、ベイパーチャンバコールドプレート10の外側のフィッティング62で終わることができる。
【0038】
ベイパーチャンバ内部の全ての熱成分が相変化冷媒の液相と熱的に連通するように、ベイパーチャンバは水平面26にある量の相変化冷媒25を含むことができる。
【0039】
カーボネータ40は、一端に設置されたネック43を備えることができる。ネック43は、ボトルの開口端に類似し得る。ネック43は、ストッパー70で塞ぐことができる。ストッパー70は、高レベルプローブ71及び低レベルプローブ72を備えることができる。レベルプローブ71及び72は、カーボネータ40内の水45の水平面46を測定することができる。カーボネータ40は、大部分がベイパーチャンバの内側にあるように設置することができるが、一端がシェル20を通って延在することができ、それにより、ストッパー70とプローブ71及び72とは、ベイパーチャンバカーボネータ10の外側から容易に接近することができるようになる。カーボネータ40の露出端に設置可能なチューブ44を介して、CO2をカーボネータに導入することができる。
【0040】
カーボネータ40は動作中、実質的に冷媒(25)に浸される。熱はカーボネータ40から冷媒25に伝達される。これにより冷媒が沸騰して蒸発する。その後、蒸気形態の冷媒は、ベイパーチャンバの頂部で凝縮することができ、これにより、ベイパーチャンバコールドプレートの上部の氷に熱が伝達される。
【0041】
図16及び
図17を参照すると、CO
2は、カーボネータ40に導入する前に、ベイパーチャンバコールドプレート内で予め冷却することができる。CO
2冷却前回路80は、ベイパーチャンバコールドプレート10の外側に設置されたフィッティング81で始まり、ベイパーチャンバコールドプレートの内部を横断し、カーボネータ40のフィッティング82で終わることができる。CO
2を予め冷却することにより、その密度を増加させ、炭酸化プロセス中に熱が水に導入されるのを最小限に抑えることができる。
【0042】
図18を参照すると、カーボネータ200は、ベイパーチャンバコールドプレート10から離して設置することができる。冷媒回路202は、冷媒水平面26の下に設置されたフィッティング204で始まることができる。冷媒回路202は、カーボネータ200の下部に下ることができる。冷媒回路202は、カーボネータ200との熱接触部206の廻り路を介して上ることができる。熱接触部206の上り廻り路は、例えば、螺旋状であり得る。冷媒回路202は、冷媒水平面26の上に設置されたフィッティング208でベイパーチャンバコールドプレート10に戻ることができる。
【0043】
冷媒回路202は動作中、熱サイフォンとして動作することができる。液体冷媒は、重力により、ベイパーチャンバコールドプレート10の内部からフィッティング204を通って、冷媒回路202の下方に、上り廻り路206中で冷媒がカーボネータ200と熱接触するまで移動することができる。この場合、冷媒25は、カーボネータ200から熱を吸収して沸騰し始める。上り廻り路206中で気泡が生じる。上り廻り路206の終わりまでに、冷媒25は全て蒸発し、冷媒の気相が、冷媒回路202を介してフィッティング208を通ってベイパーチャンバコールドプレート10の内部に戻る。その後、蒸気形態の冷媒は、ベイパーチャンバコールドプレートに戻ったとき、ベイパーチャンバコールドプレートの頂部で凝縮することができ、それにより、ベイパーチャンバコールドプレートの上部の氷に熱が伝達される。カーボネータ200及び冷媒回路202は絶縁することができる。
【0044】
図19~
図21は、熱パイプが連結したプレート熱交換器300を示す。熱パイプが連結したプレート熱交換器300は、従来の鋳造アルミニウムコールドプレートの低コスト代替物であることが示されている。熱交換器300は、アイスビン302の下部に設置することができ、傾斜上面304を備えることができる。上面304は氷306と接触することができる。氷306は、融解すると、コールドプレートの上面304の下方に流動し、傾斜の上部で、アイスビン302内に設置された従来の氷処理機構(図示せず)により、連続して追加の氷で置き換えられる。
【0045】
熱パイプが連結したプレート熱交換器300の下部部分は、チャネル308を備えることができ、これを介して、冷却される飲料原料が分配前に流動する。原料が流動するチャネル308が冷媒310の液相に連続して曝露されるように、熱交換器300の内部には十分な相変化冷媒310を含むことができる。概略図ではチャネルは単層で示されているが、チャネルは、液体冷媒が原料チャネルの全ての層に浸透するように設計された多層で配置することができる。冷媒の種類及び熱交換器の内圧は、33°F~35°F(.56℃~1.67℃)の範囲内で相変化が生じるように選択することができる。一例では、冷媒は、約28psiでR134aであってもよい。従来の冷却システムで使用される全密閉型圧縮機と同様に、ポート(図示せず)を介してシステムを充電することができる。
【0046】
最初は温かい飲料原料は、チャネル308を介して流動するとき、チャネル壁を介して廃熱され、この熱を冷媒310が吸収する。これにより、冷媒310が沸騰して気化する。気化した冷媒は上昇して熱交換器300の内部の上面312と接触し、ここで蒸気が上面304を介して廃熱され、この熱を氷306が吸収する。これにより、氷が融解し、気化した冷媒が液体に凝縮される。液体冷媒は、重力により、熱交換器300の下部部分に戻り、このサイクルが連続して繰り返される。熱交換器の上面にわたる相変化に起因して、熱交換器の上面の温度は実質的に均一となる。
【0047】
熱交換器のプレート314は、飲料原料と適合する金属(例えば、304ステンレス鋼)からプレス加工することができる。プレート314は、飲料原料と不適合であり得る材料を導入しないプロセスにより組み立てることができる。このようなプロセスの一例は、拡散接合316となる。熱交換器の下部表面は、チャネルを介した飲料原料の流動を容易にするために、チャネルと整列させた複数のポート(例えば、入口318及び出口320)を備えることができる。
【0048】
原料冷却チャネル308は、プレス加工されて接合されたチャネルとして示されているが、原料チャネルは、他の方法、例えば、プレス加工されたチャネルの代わりにチューブを使用することにより形成することができる。
【0049】
このように、
図13~
図21は、熱交換器の少なくとも1つの寸法に沿って延在する複数の流体チャネルを備える熱交換器であって、各流体チャネルが流体入口及び流体出口を備える、熱交換器を開示する。熱交換器はまた、複数の流体チャネル周辺の領域を囲繞する熱交換器の上面を備えることができる。更に、熱交換器は、複数の流体チャネルを通過する流体から廃棄された熱を吸収するように適合させた領域内の動作流体を含むことができる。
【0050】
動作流体は更に、熱交換器の上面を介して廃熱するように適合させることができる。動作流体はまた、複数の流体チャネルを通過する流体から廃棄された熱の吸収時に沸騰するように適合させることができ、また、動作流体は、上面を介した廃熱時に凝縮するように適合させることができる。動作流体及び領域の内圧により、約33~40°Fでの動作流体の沸騰を容易にすることができる。
【0051】
複数の流体チャネルは、第2の層に固定された第1の層から形成することができる。第1の層は、複数の流体チャネルのそれぞれの体積及び流路を規定し、第2の層は、複数の流体チャネルのそれぞれの流体入口及び流体出口を含む。熱交換器は、熱交換器の上面及び複数の流体チャネル周辺の領域を規定する第3の層を備えることができる。第3の層は、第1の層の上部に固定されている。第1の層、第2の層、及び第3の層は、プレス加工された鋼プレートであってもよく、拡散接合により互いに固定することができる。第1の層は更に、第2の層と接触するための、各流体チャネル周辺の接触面を規定することができる。
【0052】
複数の流体チャネルはチューブであってもよい。領域には、複数の流体チャネルの上面を含むことができる。上面は傾斜上面であってもよい。
【0053】
熱交換器は更に、動作流体と熱的に連通するカーボネータを備えることができる。複数の流体チャネルのうちの1つは、カーボネータへの入口で終わる静水冷却前回路を備えることができる。複数の流体チャネルのうちの1つは、カーボネータの出口で始まる炭酸水冷却後回路を備えることができる。複数の流体チャネルのうちの1つは、カーボネータへの入口で終わるCO2冷却前回路であってもよい。カーボネータは、実質的に動作流体に浸されていてもよい。カーボネータの1つ又は複数の表面は、動作流体と流体接触していなくてもよい。カーボネータの垂直最表面は、動作流体と流体接触していなくてもよい。カーボネータは、領域内で水平に方向付けることができる。動作流体は、カーボネータと熱接触しているチューブ内にあってもよい。カーボネータは、領域内の動作流体の流体水平面の下に配置することができる。チューブは、動作流体の流体水平面の下の先端の領域内に入口を備えることができる。チューブは、動作流体の流体水平面の上の先端の領域内に出口を備えることができる。チューブは、カーボネータの下部からカーボネータの上部まで熱接触経路を辿ることができる。カーボネータは、垂直に方向付けることができる。
【0054】
図13~
図21はまた、複数の流体チャネルそれぞれに対する流体入口及び流体出口を有する第1の層を備える熱交換器を開示することができる。熱交換器はまた、第1の層の上部に固定された第2の層を備えることができる。第2の層は、複数の流体チャネルの体積及び流路を規定する複数のトラフを備える。更に、熱交換器は、第2の層の上部に固定された第3の層を備えることができる。第3の層は、複数のトラフを囲繞して囲繞された領域を規定するように寸法決定されたビンを備える。
【0055】
熱交換器は更に、複数の流体チャネルを通過する流体から廃棄された熱を吸収するように適合させた囲繞された領域内に位置する動作流体を含むことができる。動作流体は更に、熱交換器の第3の層の上面を介して廃熱するように適合させることができる。動作流体は、複数の流体チャネルを通過する流体から廃棄された熱の吸収時に沸騰するように適合させることができ、また、動作流体は、第3の層の上面を介した廃熱時に凝縮するように適合させることができる。動作流体及び領域の内圧により、華氏約33度~40度での動作流体の沸騰を容易にすることができる。動作流体は、約28psiでR134aであってもよい。
【0056】
第3の層の上面は、傾斜面であってもよい。第1の層、第2の層、及び第3の層のそれぞれは、第1の層、第2の層、及び第3の層のそれぞれを一緒に流動して封止するためのフランジを備えることができる。第2の層は更に、複数のトラフそれぞれの周辺に又はその間に接触面を備えることができ、接触面は、第2の層を第1の層の上部に流動して封止するように適合されている。第1の層、第2の層、及び第3の層は、鋼プレートであってもよく、拡散接合により互いに固定することができる。第3の層は、囲繞された領域に動作流体を充填するように適合させたポートを備えることができる。
【0057】
図22~
図26は、飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器の追加の実施形態に関する。典型的には、コールドプレートは、アルミニウムブロックに不動態化ステンレス鋼鋳造物のチューブを備えることができ、これが、ファウンテン飲料マシンで氷を使用してマクロ流体を冷却するための基礎となり得る。
【0058】
コールドプレートは、次の機能を提供する。(1)マクロ流体からコールドプレートの氷で冷却された表面に熱を伝達すること、(2)氷が融解して排水されるまでの管理、(3)氷側とマクロ流体側の両方にNSFの要件に対する清掃性、及び(4)熱質量(熱電池)として働き、マクロ流体を急速に冷却すること。
【0059】
液体間熱交換技術の範囲内の1つの手法は、積み重なったプレート熱交換器を使用することである。これらデバイスの各プレートは、流体導通路を規定し、プレート間の交互のスペースには、冷却される2つの流体が含まれる。
【0060】
本明細書の開示は、交換器により複数のマクロ流体を冷却することができるように流体経路を再設計することである。プレート機構によってより効果的な冷却を可能にするために、融解した氷は流体の1つとして使用することができる。
【0061】
任意選択的に、ユニットの熱質量を増加させるために、氷よりも少し高い融点(又は沸点)を有する相変化材料、及び比較的高い潜熱を有する融合物、例えば、パラフィン、落花生油、又はグリセロールトリアセテートは、選択されたプレート間でフィラーとして使用することができる。代替として、デバイスの熱質量を増加させるために、対象の領域で、水を高熱質量(但し、非相変化)媒体として使用することもできる。
【0062】
図22~
図26は、積み重なったプレート熱交換器を示す。例えば、
図22は、内部に複数の流体流動チャネルを有する複数の積み重なったプレートを示す。
図23は、プレート熱交換器552ごとの単一のチャネル550を示す。チャネル550は、プレス加工されたシート内に配置することができる。ある場合では、チャネル550は、流体流動の入口及び出口を備えることができ、この流体流動には、特に、水、炭酸水、マクロ原料、及びHFCSを含むことができる。流体流動は、氷の融解流動とは逆に流動することができる。
図24は、共に積み重なった複数のプレート熱交換器554を示す。氷556は、プレート熱交換器554の上のビン558内に配置することができる。1つ又は複数の流体流ラインは、プレート熱交換器554のそれぞれを通過することができる。例えば、水、炭酸水、マクロ原料、HFCS、及び氷融解物は、プレート熱交換器554を介して流れを方向付けることができる。
図25は、複数のチャネル570、572を有するプレート熱交換器を示す。
図26は、氷融解物及び相変化材料を使用する例示的なプレート熱交換器を示す。例えば、熱交換器は、排水ポート591を有するアイスビン590を備えることができる。アイスビンはまた、氷融解物入口593に送り込まれる第2の排水ポート592を備えることができる。氷橋の形成を防止するために、着脱可能なスクリーン594は、入口前の熱交換器590の上部上に配置することができる。原料が氷融解物と熱を交換するために、熱交換器590は、複数の入口595及び出口596を備えることができる。
【0063】
図27~
図32は、飲料ディスペンサの1つ又は複数の流体を冷却するための熱交換器、特に、プレート熱交換器(PHE)の追加の実施形態に関する。瞬間的な熱伝達能力は、少なくとも5秒間で20kW超である(甘味料及び水が25℃で入って4℃で離れると仮定する)。本コールドプレートと同様のPHE体積を仮定した場合、単位体積当たりの熱伝達率は830kW/m
3となる。本コールドプレートの冷却能力は、その体積及びアルミニウムの特性に基づいて、60kJ/Kであると推定される。
【0064】
図27~
図32には、PHEに基づく代替のコールドプレート設計の5つの実施形態が示されている。基本的に、2種類の熱伝達の機構、すなわち能動機構及び受動機構が存在する。
図27及び
図28は能動冷却であり、これは、水(炭酸水を含む)が主要な冷却媒体として、簡略化されたコールドプレート(
図27)又はPHEプレートの第1の層(
図28)のいずれかによる冷却を受け、PHEのコアに冷却をもたらして、甘味料又は他の原料から熱を吸収することを意味する。このように、水(炭酸水を含む)は、主要な熱交換媒体として働く。これは、後に説明する受動冷却よりも高い伝達係数を有する。しかし、PHEを離れる水の温度が悪影響を受ける場合がある。
図27に示すように、水ライン400はコールドプレート402を通過することができる。氷404は、コールドプレート402上に配置することができる。冷水は、PHE406に提供することができる。更に、HFCS及びマクロ原料ライン408は、PHE406を通過することができる。
図28では、PHE500は、それを通過する複数のラインを含むことができる。氷502は、PHE500の上部上に配置することができる。ラインには、水ライン504及び複数のマクロライン506を含むことができる。更に、HFCSライン508は、PHE500を通過することができる。
【0065】
図29~
図31は、受動冷却を示す。導通(
図29は、個々のプレートを連結する固体バーを示す)、融解水(
図30の向流、
図31の交差流)により、冷却がPHEにわたってもたらされる。しかし、熱伝達能力は、チャネル(
図30)又はプレート(
図31)に沿った水膜形成に限定される。
図29に示すように、PHE600は、その上に配置された氷602を備えることができる。冷水604は、PHE600を通過することができる。更に、HFCS及びマクロ原料ライン606は、PHE600を通過することができる。プレートを連結するために、PHE600は、それを通って延在する複数の固体バー608を備えることができる。
図30に示すように、PHE700は、その上に配置される氷702を備える。冷水704は、PHE700を通過することができる。更に、HFCS及びマクロ原料ライン706は、PHE700を通過することができる。融解した氷を流動させるために、PHE700は、それを通って延在する複数の通路708を備えることができる。
図31では、PHE800は、それを通る複数のラインを含む。ラインには、水ライン802、HFCSライン804、及びマクロ原料ライン806が含まれる。氷808は、PHE800の上部上に配置することができる。融解した氷を流動させるために、PHE800は、それを通って延在する複数の通路810を備えることができる。
【0066】
図32は、プレート熱交換器冷却回路900を示す。回路900は、冷媒層(又はライン)906と原料層(又はライン)908とを分離することができる空気又は相変化材料904が充填された層を有するプレート熱交換器902を備えることができる。回路はまた、ポンプ910、熱交換器912、スロットルデバイス914を備えることができる。このように、1つ又は複数の原料ライン916は、プレート熱交換器902を通過することができ、一方で冷媒は、冷媒サイクル918を通過することができる。プレート熱交換器902は、単位体積当たりの高い熱伝達率を提供することができる。相変化材料904は、原料凍結を防止することができ、また、ピーク負荷を満たすために蓄熱として働くことができる。
【0067】
特にPrinted Circuit Heat Exchanger及びMarbond Heat Exchangerに関心を持って、Qiら(2011)が言及している他のCHEを評価すべきである。
【0068】
最新の設計改良がなされたPhase Change Material(PCM)の適用(Sharma et al. 2009)と関連して、Thermal Capacitor(TC)(Nielson et al. 2013)についても広範に考察することができる。最新の飲料ディスペンサでは、冷却負荷の需要は1日を通して著しく変化し、ある程度予測することができる。これにより、エネルギー効率及び財政的側面の両方に合わせて、負荷を、日中から低率の夜間にかけて、変化させる機会がもたらされる。しかし、ピーク負荷の計算に加えて、PCMの充電率及び放電率の計算は、それらがこの代替のコールドプレート設計(Chiu, 2011)に確実に適用されて成功するように実行しなければならない。
【0069】
参考文献
D. A. Reay, Compact heat exchangers: A review of current equipment and R&D in the field, Heat Recovery Systems & CHP Vol. 14, No. 5, pp. 459-474, 1994
Qi Li, Gilles Flamant, Xigang Yuan, Pierre Neveu, Lingai Luo, Compact heat exchangers: A review and future applications for a new generation of high temperature solar receivers, Renewable and Sustainable Energy Reviews 15, pp 4855-4875, 2011
Nielson, Karen and Cox, Jordan Tracy,“Design and Optimization of a Thermal Capacitor”(2013). Undergraduate Honors Theses. Paper 135.
Atul Sharma, V.V.Tyagi, C.R. Chen, D. Budhhi, Review on thermal energy storage with phase change materials and applications, Renewable and Sustainable Energy Reviews 13, pp 318-345, 2009Justin Ning-Wei Chiu, Heat transfer aspects of using phase change material in thermal energy storage applications, Thesis, KTH Industrial Engineering and Management, ISBN 978-91-7501-034-2, 2011
【0070】
本開示の特定の実施形態について説明してきたが、他の多くの変更形態及び代替の実施形態が本開示の範囲内にある。例えば、特定のデバイス又は構成要素に関して説明される機能のいずれかを、別のデバイス又は構成要素により実行することができる。更に、特定のデバイスの特性について説明してきたが、本開示の実施形態は、他の多くのデバイスの特性に関連していてもよい。更に、構造特性及び/又は方法論的行為に特有の専門用語で実施形態について説明してきたが、本開示は、記載される特定の特徴又は行為に必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴及び行為は、本実施形態を実行する例示的な形態として開示される。条件付きの文言、特に、「~することができる(can)」、「~することができる(could)」、「~してもよい(might)」、又は「~してもよい(may)」等は概して、別途特に示されない限り、又は別途使用される文脈の範囲内で理解されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、及び/又はステップを含み得るが、他の実施形態はそれらを含み得ないと伝達することを意図するものである。したがって、このような条件付きの文言は概して、特徴、要素、及び/又はステップが、1つ又は複数の実施形態に多少なりとも必要であると暗示することを意図するものではない。