(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】成形装置及び成形方法
(51)【国際特許分類】
B29C 33/00 20060101AFI20230707BHJP
B29C 43/36 20060101ALN20230707BHJP
【FI】
B29C33/00
B29C43/36
(21)【出願番号】P 2021080632
(22)【出願日】2021-05-11
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 和司
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-034335(JP,U)
【文献】特開2001-001376(JP,A)
【文献】特開2005-007631(JP,A)
【文献】特開平02-229020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
B30B 15/00 - 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上金型と下金型との間のキャビティ内で被成形材料を成形する成形装置であって、
上記上金型は、
中央に
、四辺を含む平面視矩形状の調整部収容開口を有する枠状の上金型ベース部と、
上面部よりも水平方向に広がるフランジ部を含み、該上面部が上記調整部収容開口の周縁に対して隙間を保って収容される上金型調整部と、
上記フランジ部に設けられ、
上記四辺のうち少なくとも直交する二辺のいずれかの辺に向かって垂直方向に締め付け又は緩めることで上記上金型調整部を水平方向に移動させて隙間を
それぞれ調整する
複数の位置調整ボルトと、
上記隙間に上方又は側方から出し入れ可能なシムと、
隙間調整した状態で上記上金型ベース部に上記上金型調整部を固定する固定ボルトとを有する
ことを特徴とする成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の成形装置であって、
上記固定ボルトは、上記上金型の上方又は側方から締結可能に構成されている
ことを特徴とする成形装置。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の成形装置であって、
上記少なくとも直交する二辺には、上記調整部収容開口に連続し、上記シムを出し入れ操作するための指入れ用凹部が形成されている
ことを特徴とする成形装置。
【請求項4】
請求項3に記載の成形装置であって、
上記シムは、矩形板状であり、
上記指入れ用凹部は、上記矩形板状のシムの両側端部を持ち上げることができるように、それぞれの辺に一対設けられている
ことを特徴とする成形装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の成形装置であって、
上記下金型には、少なくとも1つの中子が上記上金型ベース部に対して位置決めされた状態で固定可能に構成されており、
上記上金型調整部は、上記上金型を上記下金型に載せた状態で上方又は側方から位置調整可能に構成されている
ことを特徴とする成形装置。
【請求項6】
上金型と下金型との間のキャビティ内で被成形材料を成形する成形方法であって、
上記上金型の枠状の上金型ベース部の四辺を含む平面視矩形状の調整部収容開口に、上面部よりも水平方向に広がるフランジ部を含む上金型調整部を上記上面部が上記調整部収容開口の周縁に対して隙間を保って嵌め込んだ状態で、上記下金型の上に上記上金型を載置する上金型載置工程と、
上記隙間に上方からシムを挿入するシム挿入工程と、
上記フランジ部に設けられた複数の位置調整ボルトを上記四辺のうち少なくとも直交する二辺のいずれかの辺に対して垂直方向にそれぞれ締め付け又は緩めることで上記上金型調整部を水平方向に移動させて上記隙間を調整する隙間調整工程と、
上方から固定ボルトを締め付け、上記上金型ベース部に上記上金型調整部を固定する調整部固定工程とを含む
ことを特徴とする成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上金型と下金型との間のキャビティ内で被成形材料を成形する成形装置及び成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂製品の成形時にドライスポットの発生を確実に防止するために第1金型及び第2金型間の隙間を調整するシムを備えた樹脂成形金型は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献2のように、被加工材料の製品としての精度が落ちないように、下金型底面に形成された凹部内にシムを介して下金型底面よりも下方へ突出する下突出部材を配設し、上金型上面に形成された凹部内にシムを介して上金型上面よりも上方へ突出する上突出部材を配設したプレス金型装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-181895号公報
【文献】特開2007-326135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、
図5に示すような半導体ウエハを研磨する研磨装置40では、その円板状の回転ヘッド42にメンブレン30が取り付けられており、その下面に貼り付けられた半導体ウエハを、スラリー43を垂らしながら回転定盤44に設けた研磨パッド41に押付力Fで押し付けて均一に研磨するので、メンブレン30の膜厚均一性が非常に重要となる。
【0006】
しかしながら、メンブレン30は、例えば、
図6に示すように、外周側壁32だけでなく、同心状のヒダ31を複数有することが多く、メンブレン30を成形する金型(図示省略)の構造は複雑形状で且つ部品点数も多くなる。このため、膜厚均一性の要求精度を満足させるのは非常に困難である。
【0007】
また、金型の個々の部品精度を測定し、できあがりの寸法を確認することは可能であるが、製品の膜厚に関しては表面と裏面それぞれが別の金型部品で成形されるため、金型を組み合わせた状態で膜厚を形成するキャビティ幅の寸法精度を確認するのは困難である。
【0008】
さらに、個々の金型部品を高精度に作成しても、設計的に正しい寸法からのわずかなずれが積み上がると、最終的に必要な部位で大きなずれを起こしてしまうため、金型完成後に試作品を作成し、製品のできあがり寸法に合わせて金型の寸法補正ができる構造にして欲しいというニーズがある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来の一般的なテーパブロックを用いた金型構造よりも迅速且つ簡単確実に仕上がり寸法の補正ができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明では、上金型を下金型に載せた状態で上方又は側方から隙間調整できるようにした。
【0011】
具体的には、第1の発明では、上金型と下金型との間のキャビティ内で被成形材料を成形する成形装置であって、
上記上金型は、
中央に調整部収容開口を有する枠状の上金型ベース部と、
上面部よりも水平方向に広がるフランジ部を含み、該上面部が上記調整部収容開口の周縁に対して隙間を保って収容される上金型調整部と、
上記フランジ部に設けられ、締め付け又は緩めることで上記上金型調整部を水平方向に移動させて隙間を調整する位置調整ボルトと、
上記隙間に上方又は側方から出し入れ可能なシムと、
隙間調整した状態で上記上金型ベース部に上記上金型調整部を固定する固定ボルトとを有する。
【0012】
上記の構成によると、上金型を下金型に載置したままの状態で上方又は側方からシムを出し入れして位置調整ボルトを調整して固定ボルトで固定すれば金型の位置調整を行うことができるので、従来のように上型と下型(又は中型)を分離して裏返す必要もない。このため、ホイストで吊り上げて裏返す手間がかからず、また、裏返してシムを出し入れするときのように調整方向を間違えるということはない。さらに、中子や中型を組み付けたままで上金型調整部の調整をできるので、中子や中型の再調整の必要がない。このため、簡単に金型における隙間の微調整を行える。なお、ここで言う下金型には、中型や中子がある場合に、これらを含むものとする。
【0013】
第2の発明では、第1の発明において、
上記固定ボルトは、上記上金型の上方又は側方から締結可能に構成されている。
【0014】
上記の構成によると、上金型を下金型に載置したまま締め付けたり、緩めたりできるので、作業が容易である。
【0015】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記調整部収容開口は、四辺を有する平面視矩形状であり、少なくとも直交する二辺で出し入れするシムを調整することで上記上金型調整部の位置調整可能に構成されている。
【0016】
上記の構成によると、金型調整部の調整方向両側にシムを出し入れする必要がなく、1方向に1ヵ所のシムの出し入れをすればよいため、調整作業が容易となる。
【0017】
第4の発明では、第3の発明において、
上記少なくとも直交する二辺には、上記調整部収容開口に連続し、上記シムを出し入れ操作するための指入れ用凹部が形成されている。
【0018】
上記の構成によると、上金型を下金型に載置した状態で、指入れ用凹部に指を入れてシムを出し入れできるので、上金型の調整作業が極めて容易である。
【0019】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記下金型には、少なくとも1つの中子が上記上金型ベース部に対して位置決めされた状態で固定可能に構成されており、
上記上金型調整部は、上記上金型を上記下金型に載せた状態で上方又は側方から位置調整可能に構成されている。
【0020】
上記の構成によると、被成形品の形状が複雑で中子を含むような場合にでも、中子を下型に固定したままで上金型の調整を行えるため、中子の調整が不要である。このため、上金型の調整作業が容易である。
【0021】
第6の発明では、上金型と下金型との間のキャビティ内で被成形材料を成形する成形方法を対象とし、
上記成形方法は、
上記上金型の枠状の上金型ベース部の調整部収容開口に、上面部よりも水平方向に広がるフランジ部を含む上金型調整部を上記上面部が上記調整部収容開口の周縁に対して隙間を保って嵌め込んだ状態で、上記下金型の上に上記上金型を載置する上金型載置工程と、
必要に応じて上記隙間に上方からシムを挿入するシム挿入工程と、
上記フランジ部に設けられた位置調整ボルトを締め付け又は緩めることで上記上金型調整部を水平方向に移動させて上記隙間を調整する隙間調整工程と、
上方から固定ボルトを締め付け、上記上金型ベース部に上記上金型調整部を固定する調整部固定工程とを含む。
【0022】
上記の構成によると、下金型(中子や中型を含む)に上金型を載置した状態で上金型調整部の位置を調整できるので、上金型を吊り上げて裏返す必要もなく、調整作業が極めて容易である。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、従来の一般的なテーパブロックを用いた金型構造よりも迅速且つ簡単確実に仕上がり寸法の補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態係る成形方法のシム挿入工程を示す斜視図である。
【
図5】メンブレンが取り付けられた回転ヘッドを含む半導体研磨装置の概略を示す斜視図である。
【
図7】従来技術に係る上金型及び下金型を示す斜視図である。
【
図8】従来技術に係る上金型及び下金型を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
(実施形態1)
図5は本発明の実施形態に係る成形装置で成形したメンブレン30が取り付けられた回転ヘッド42を含む半導体研磨装置の概略を示す斜視図である。このメンブレン30は、例えば、シリコンゴムよりなり、実際の製品としては、
図6に示すように、円周方向に延びる外周側壁32を有するだけでなく、複数のヒダ31が同心状に設けられていることが多い。この場合、複数の中子が下金型3内に設けられることになるが、以下は説明を容易にするために、メンブレン30の複数のヒダ31、中子等についてはないものとして説明する。しかし、中子等が下金型3に設けられる場合についても本発明は適用可能である。
【0027】
図1~
図4には、本発明の実施形態に係る成形装置(全体は図示せず)を構成する金型1の上金型2及び下金型3を示す。この成形装置は、上金型2と下金型3との間のキャビティ10内でシリコンゴムなどの被成形材料を成形する装置である。詳細な説明は省略するが、この成形装置は、例えばプレス機であり、下金型3を載置するプラテンと、上金型2が固定され、下金型3に向かって上金型2を押し付ける昇降部とを備えている。メンブレン30の成形後は、昇降部を上金型2と共に上昇させた状態で成形後のメンブレン30を離型できるようになっている。
【0028】
上金型2は、中央に略矩形状の調整部収容開口2aを有する枠状の上金型ベース部2cを備えている。この調整部収容開口2aの周縁に対して隙間を保って上金型調整部4が収容されている。具体的には、上金型調整部4は、上記調整部収容開口2aに合わせて角部が面取りされた矩形状の上面部4aと、この上面部4aよりも水平方向に広がる略円環状のフランジ部4bとを含む。
【0029】
このフランジ部4bの例えば4ヵ所には、締め付け又は緩めることで上金型調整部4を水平方向に移動させて隙間を調整する位置調整ボルト6がそれぞれ設けられている。図示しないが、フランジ部4b側に位置調整ボルト6が螺合する雌ネジが設けられている。
【0030】
調整部収容開口2a内周面と上金型調整部4の上面部4a外周との間の隙間(シムセット隙間)には、その直線部分に合わせた形状のシム5が上方又は側方から出し入れ可能となっている。
【0031】
このシム5による調整を行った状態で上金型ベース部2cに上金型調整部4を上下方向に延びる固定ボルト9で固定するように構成されている。固定ボルト9は、例えば8本設けられており、それぞれ上金型2の上方から締結可能に構成されている。この固定ボルト9は、本数は限定されず、場合によっては側方から締結可能に構成されていてもよい。
【0032】
調整部収容開口2aは、四辺を有する平面視矩形状であり、少なくとも直交する二辺で出し入れするシム5の厚さや枚数を調整することで上金型調整部4の位置調整可能に構成されている。
【0033】
また、少なくとも直交する二辺には、調整部収容開口2aに連続し、シム5を出し入れ操作するための指入れ用凹部2bが形成されている。本実施形態では、四辺それぞれに対応する指入れ用凹部2bが設けられている。シム5は上方から出し入れ可能となっているが、場合によっては側方から水平に挿入できるようにしてもよい。
【0034】
図示しないが、上述したように、下金型3には、少なくとも1つの中子が上金型ベース部2cに対して位置決めされた状態で固定可能に構成されていてもよい。
【0035】
このように上金型調整部4は、上金型2を下金型3に載せた状態で上方から位置調整可能に構成されている。上述したように、少なくとも一部が側方から位置調整可能に構成されていてもよい。
【0036】
なお、上金型2及び下金型3には、公知のノックピン7及びブッシュ8が四角に設けられている。本実施形態のノックピン7は、後述する比較例のノックピン107よりも格段に短くなっている。
【0037】
-メンブレンの成形方法-
次に、本実施形態に係るメンブレンの成形方法について説明する。
【0038】
まず、上金型載置工程において、上金型2の枠状の上金型ベース部2cの調整部収容開口2aに、下方から水平方向に広がるフランジ部4bを含む上金型調整部4を調整部収容開口2aの周縁に対して隙間を保って嵌め込んだ状態で、下金型3の上に上金型2を載置する。
【0039】
次いで、シム挿入工程において、必要に応じてシムセット隙間に上方からシム5を挿入する。
【0040】
次いで、隙間調整工程において、フランジ部4bに設けられた位置調整ボルト6を締め付け又は緩めることで上金型調整部4を水平方向に移動させて隙間を調整する。
【0041】
次いで、調整部固定工程上方から固定ボルト9を締め付け、上金型ベース部2cに上金型調整部4を固定する。
【0042】
このように上金型調整部4の位置調整が完成した状態で、上金型2を持ち上げ、キャビティ10内に被成型材料であるシリコンゴムを流し込む。
【0043】
その後、昇降部を下げて上金型2を下金型3に押し付けてシリコンゴムが固まる温度で加熱してシリコンゴムを固める。
【0044】
次いで、昇降部を上昇させて成形されたメンブレン30を取り出す。
【0045】
-比較例-
次いで、本実施形態との比較のために、
図7~
図10は本発明の実施形態の比較例に係る成形装置を示す。この比較例では、金型101は、上金型102及び下金型103を有し、これら上金型102と下金型103との間のキャビティ110内でシリコンゴムなどの被成形材料を成形する装置である。本比較例の成形装置もプレス機であり、下金型103を載置するプラテンと、上金型102が固定され、下金型103に向かって上金型102を押し付ける昇降部とを備えている。
【0046】
上金型102は、上記実施形態のような調整部収容開口2aを有さない。上金型調整部104は、上金型102の下側に積み重ねられており、公知のテーパブロック105によって位置調整できるようになっている。テーパブロック105の周囲にシムセット隙間106が設けられ、そこに側方から図示しないシムを挿入できるようになっている。シム調整した状態で、固定ボルト109によって上金型調整部104と上金型102とが固定されるようになっている。
【0047】
両者が固定された状態の上金型102が下金型103に対してノックピン107を用いて固定されるようになっている。
【0048】
本比較例では、シムの調整箇所が多く、しかも入れ難い。また、ホイストで吊り上げた後、裏返してシムの調整作業を行うので、場所を間違えやすい。
図7に拡大して示すように、1ヵ所の調整に同一平面上の前後左右につき各2ヵ所計8ヵ所のシム厚の調整が必要である。そして、1ヵ所でも厚みを間違えると、正しい位置に調整できなかったり、使用中に位置ずれが生じたりする可能性がある。高精度を得るためには、隙間とほぼ同寸法のシムを差し込む必要があり、入れ難い。
【0049】
そして、上金型102を分解するためには、プレス機から上金型102を取り外し、ホイストで吊り上げて分解する必要があるので、調整作業が重労働となる。
【0050】
上金型調整部104を跨ぐ必要があるので、長いノックピン107が必要となり、上金型102と下金型103の位置決め精度が不利である。
【0051】
上金型102が上下二分割構造のため、合わせ面の精度の影響も受けて平行度が悪い。
【0052】
テーパブロック105を固定する構造の影響で調整機構無しの金型よりも上金型102の厚さが厚くなる。
【0053】
さらに部品点数が多くなるので、金型洗浄の手間が増えるというデメリットがある。
【0054】
したがって、本実施形態に係る成形装置及び成形方法によると、比較例のような一般的なテーパブロック105を用いた金型構造よりも迅速且つ簡単確実に仕上がり寸法の補正を行うことができる。また、比較例に比べてシム調整箇所が2ヵ所で作業が容易である。
【0055】
また本実施形態では、上金型2を下金型3に載せたままでシム5の出し入れして隙間調整した後、固定ボルト9の締結ができるので、ホイストで上金型102を吊り上げる比較例に比べて格段に作業が楽である。
【0056】
本実施形態では、比較例のようにシムセット隙間106とシム厚とをほぼ同一にする必要がない。
【0057】
本実施形態では、テーパブロック105を取り付けるスペースが不要なので、ノックピン7の長さが短いので、ノックピン107の長さが長い比較例に比べて上金型2の高さを低くできる。
【0058】
本実施形態では、シム5を挟む方向に位置調整ボルト6を締め付けるので、シム5と方との間に隙間ができない。
【0059】
本実施形態では、金型構造が簡易となり、シム5の枚数も少なくてよいので、比較例に比べて部品点数が格段に少なくなる。
【0060】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0061】
すなわち、上記実施形態では、成形装置は、プレス機としたが、型締めした状態で被成形材料をキャビティ内に射出する射出成形機であってもよい。被成形材料は、シリコンゴムに限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。また、被成形品は、メンブレンに限定されないことはもちろんである。
【0062】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0063】
1 金型
2 上金型
2a 調整部収容開口
2b 指入れ用凹部
2c 上金型ベース部
3 下金型
4 上金型調整部
4a 上面部
4b フランジ部
5 シム
6 位置調整ボルト
7 ノックピン
8 ブッシュ
9 固定ボルト
10 キャビティ
30 メンブレン(被成形材料)
31 ヒダ
32 外周側壁
40 研磨装置
41 研磨パッド
42 回転ヘッド
43 スラリー
44 回転定盤
101 金型
102 上金型
103 下金型
104 上金型調整部
105 テーパブロック
106 シムセット隙間
107 ノックピン
108 ブッシュ
109 固定ボルト
110 キャビティ