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特許7308930筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック
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  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図1
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図2
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図3
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図4
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図5A
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図5B
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図5C
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図6
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図7
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図8
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図9
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図10
  • 特許-筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法、およびそのような筐体を有する熱交換器ブロック
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/00 20060101AFI20230707BHJP
   F28D 9/00 20060101ALI20230707BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20230707BHJP
   B21D 53/04 20060101ALI20230707BHJP
   B21D 53/02 20060101ALI20230707BHJP
   F28F 21/06 20060101ALI20230707BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
F28F9/00 331
F28D9/00
F28F3/08 311
B21D53/04 C
B21D53/02 B
F28F21/06
F28F21/08 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021512947
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 IB2019059471
(87)【国際公開番号】W WO2020095188
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】01347/18
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】514212744
【氏名又は名称】ツェンダー グループ インターナショナル アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシュ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】サバチュク,フランク
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-140942(JP,A)
【文献】特開2004-003824(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009011201(DE,A1)
【文献】特表平09-512895(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0262144(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0774637(EP,A2)
【文献】欧州特許出願公開第1779965(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2017/0370609(US,A1)
【文献】国際公開第2018/132014(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 1/00 - 99/00
F28D 1/00 - 13/00
B21D 53/02 - 53/04
F24F 7/08
F24F 3/147
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(H)を熱交換器ブロック(B)に備え付ける方法であって、
前記熱交換器ブロック(B)が:
複数の第1の空気流通路(AFP1)と、前記複数の第1の空気流通路に隣接する複数の第2の空気流通路(AFP2)とであって、前記複数の第1の空気流通路(AFP1)を通過する第1の空気流(AF1)と、前記複数の第2の空気流通路(AFP2)を通過する第2の空気流(AF2)との間で熱エネルギーを交換する空気流通路と;
前記第1の空気流(AF1)の流入口開口を有する第1の流入口開口領域(O11)と;
前記第1の空気流(AF1)の流出口開口を有する第1の流出口開口領域(O12)と;
前記第2の空気流(AF2)の流入口開口を有する第2の流入口開口領域(O21)と;
前記第2の空気流(AF2)の流出口開口を有する第2の流出口開口領域(O22)と;
第1の外側表面領域(B1)と;
前記第1の外側表面領域(B1)に対向する第2の外側表面領域(B2)と、を具備し、
前記筐体(H)が、少なくとも:
前記熱交換器ブロック(B)の前記第1の外側表面領域(B1)を覆っている/係合している第1の筐体部分(W1)であって、第1の外側筐体表面(WS1)を有する筐体部分と;
前記第1の筐体部分(W1)と対向し、前記熱交換器ブロック(B)の前記第2の外側表面領域(B2)を覆っている/係合している第2の筐体部分(W2)であって、第2の外側筐体表面(WS2)を有する筐体部分と;
前記第1の空気流(AF1)の第1の流入口開口(H11)と;
前記第1の空気流(AF1)の第1の流出口開口(H12)と;
前記第2の空気流(AF2)の第2の流入口開口(H21)と;
前記第2の空気流(AF2)の第2の流出口開口(H22)と、を具備する、
以下の:
a) 前記第1の外側表面領域(B1)に前記第1の筐体部分(W1)をモールド成型するステップと;
b) 前記第2の外側表面領域(B2)に前記第2の筐体部分(W2)をモールド成型するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
ステップa)が、以下の:
a1) 前記第1の外側筐体表面(WS1)に対して相補的な第1の内側空洞表面(CS1)を、第1の空洞(C1)を有する第1のモールド(M1)に備え付けるステップと;
a2) 前記第1の空洞(C1)に流動性の状態の流動性ポリマー(FP)を部分的に充填するステップと;
a3) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第1のモールド(M1)に向けて移動させることにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第1の外側表面領域(B1)を、前記部分的に充填された第1の空洞部分(C1)に挿入し、これにより前記第1の外側表面領域(B1)と前記第1の内側空洞表面(CS1)との間の第1の間隙領域(G1)内の前記流動性ポリマー(FP)を変位させて伸展させるステップと;
a4) 前記第1の間隙領域(G1)内の前記流動性ポリマー(FP)を、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマー(SP)に転換させるステップと;
a5) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第1のモールド(M1)から遠ざけるように移動させることにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第1の外側表面領域(B1)を、前記部分的に充填された第1の空洞部分(C1)から引き出し、これにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第1の外側表面領域(B1)を、前記モールド成型された第1の筐体部分(W1)が覆っている/係合している状態にして残すステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップb)が、以下の:
b1) 前記第2の外側筐体表面(WS2)に対して相補的な第2の内側空洞表面(CS2)を、第2の空洞(C2)を有する第2のモールド(M2)に備え付けるステップと;
b2) 前記第2の空洞(C2)に流動性の状態にある流動性ポリマー(FP)を部分的に充填するステップと;
b3) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第2のモールド(M2)に向けて移動させることにより、前記熱交換ブロック(B)の前記第2の外側表面領域(B2)を、前記部分的に充填された第2の空洞部分(C2)に挿入し、これにより、前記第2の外側表面領域(B2)と前記第2の内側空洞表面(CS2)との間の第2の間隙領域(G2)内の前記流動性ポリマー(FP)を変位させて伸展させるステップと;
b4) 前記第2の間隙領域(G2)内の前記流動性ポリマー(FP)を、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマー(SP)に転換させるステップと;
b5) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第2のモールド(M2)から遠ざけるように移動させることにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第2の外側表面領域(B2)を、前記部分的に充填された第2の空洞部分(C2)から引き出し、これにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第2の外側表面領域(B2)を、前記モールドされた第2の筐体部分(W2)が覆っている/係合している状態にして残すステップと、
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱交換器ブロック(B)が:
第3の外側表面領域(B3)と;
前記第3の外側表面領域(B3)に対向する第4の外側表面領域(B4)と、をさらに具備し、
前記筐体(H)が、少なくとも:
前記熱交換器ブロック(B)の前記第3の外側表面領域(B3)を覆っている/係合している第3の筐体部分(W3)であって、第3の外側筐体表面(WS3)を有する筐体部分と;
前記第3の筐体部分(W3)と対向し、前記熱交換器ブロック(B)の前記第4の外側表面領域(B4)を覆っている/係合している第4の筐体部分(W4)であって、第4の外側筐体表面(WS4)を有する筐体部分と、をさらに具備する、
以下の:
c) 前記第3の外側表面領域(B3)に前記第3の筐体部分(W3)をモールド成型するステップと;
d) 前記第4の外側表面領域(B4)に前記第4の筐体部分(W4)をモールド成型するステップと、
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップc)が、以下の:
c1) 前記第3の外側筐体表面(WS3)に対して相補的な第3の内側空洞表面(CS3)を、第3の空洞(C3)を有する第3のモールド(M3)に備え付けるステップと;
c2) 前記第3の空洞(C3)に流動性の状態の流動性ポリマー(FP)を部分的に充填するステップと;
c3) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第3のモールド(M3)に向かって移動させることにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第3の外側表面領域(B3)を、前記部分的に充填された第3の空洞部分(C3)に挿入し、これにより、前記第3の外側表面領域(B3)と前記第3の内側空洞表面(CS3)との間の第3の間隙領域(G3)内の前記流動性ポリマー(FP)を変位させて伸展させるステップと;
c4) 前記第3の間隙領域(G3)内の前記流動性ポリマー(FP)を、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマー(SP)に転換させるステップと;
c5) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第3のモールド(M3)から遠ざけるように移動させることにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第3の外側表面領域(B3)を、前記部分的に充填された第3の空洞部分(C3)から引き出し、これにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第1の外側表面領域(B3)を、前記モールド成型された第1の筐体部分(W3)が覆っている/係合している状態にして残すステップと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップd)が、以下の:
d1) 前記第4の外側筐体表面(WS4)に対して相補的な第4の内側空洞表面(CS4)を、第4の空洞(C4)を有する第4のモールド(M4)に備え付けるステップと;
d2) 前記第4の空洞(C4)に流動性の状態の流動性ポリマー(FP)を部分的に充填するステップと;
d3) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第4のモールド(M4)に向けて移動させることにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第4の外側表面領域(B4)を、前記部分的に充填された第4の空洞部分(C4)に挿入し、これにより、前記第4の外側表面領域(B4)と前記第4の内側空洞表面(CS4)との間の第4の間隙領域(G4)内の前記流動性ポリマー(FP)を変位させて伸展させるステップと;
d4) 前記第4の空隙領域(G4)内の前記流動性ポリマー(FP)を、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマー(SP)に転換させるステップと;
d5) 前記熱交換器ブロック(B)を前記第4のモールド(M4)から遠ざけるように移動させることにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第4の外側表面領域(B4)を、前記部分的に充填された第4の空洞部分(C4)から引き出し、これにより、前記熱交換器ブロック(B)の前記第4の外側表面領域(B4)を、前記モールド成型された第4の筐体部分(W4)が覆っている/係合している状態にして残すステップと、
を含む、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記熱交換器ブロック(B)が、賦形された/波板状にされた熱交換器プレートの積層を具備するプレート式熱交換器である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プレート式熱交換器が、PS、PVC、PET、PPなどのポリマーから作られた熱交換器プレートを具備する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プレート式熱交換器が、AlまたはAlを含む合金などの金属から作られた熱交換器プレートを具備する、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記モールド成型ステップ(a、b、c、d)のいずれか1つに使用されるポリマー材料が熱可塑性材料であり、前記固化ステップ(a4、b4、c4、d4)のいずれか1つが、前記熱可塑性材料を冷却することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記モールド成型ステップ(a、b、c、d)(反応性モールド成型)のいずれか1つに使用されるポリマー材料が架橋性材料であり、前記固化ステップ(a4、b4、c4、d4)のいずれか1つが、前記架橋性材料を架橋させることを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記架橋性材料が、PURなどの熱硬化性ポリマー、または加硫可能なポリマーである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記熱交換器ブロック(B)の前記第1の外側表面領域(B1)、第2の外側表面領域(B2)、第3の外側表面領域(B3)、および第4の外表面領域(B4)のうちのいずれか1つが、それぞれ前記モールド成型ステップ(a、b、c、d)の後に、そこから延出する、そして前記熱交換器ブロック(B)と、前記第1の筐体部分(W1)、第2の筐体部分(W2)、第3の筐体部分(W3)、および第4の筐体部分(W4)のうちのいずれか1つとの間で、それぞれ押し込み式の結合(フォーム・クロージャー(form closure)/フォルムシュルス(Formschluss))を可能にする構造を具備する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
離型剤(トレンミッテル(Trennmittel))を、前記モールド成型ステップ(a、b、c、d)のいずれか1つに先立って、前記モールド(M1、M2、M3、M4)の前記空洞(C1、C2、C3、C4)のいずれか1つに塗布する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の外側表面領域(B1)と前記第2の外側表面領域(B2)とが同一形状を有し、前記第1の筐体部分(W1)と前記第2の筐体部分(W2)とが同一形状を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第3の外側表面領域(B3)と前記第4の外側表面領域(B4)とが同一形状を有し、前記第3の筐体部分(W3)と前記第4の筐体部分(W4)とが同一形状を有する、請求項4から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
筐体(H)を有する熱交換器ブロック(B)を具備する熱交換器(HEX)であって、前記筐体(H)が、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法を用いて前記熱交換器ブロック(B)に提供される熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に熱交換器ブロックを備え付ける方法、および前記方法により製造された筐体を有する熱交換器ブロックを具備する熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器ブロックと、そのような熱交換器ブロックの筐体または筐体部分とを別々に製造し、ついで組み立て作業において、熱交換器ブロックと筐体または筐体部分とを一体にすることは公知である。
【0003】
このタイプの組み立て体では、熱交換器ブロックと筐体との間の強力で気密性の高い接続が保証されない。熱交換器ブロックと筐体との間の強力で気密性の高い接続を提供するために、エラストマーのシールおよび/または接着剤を使用することが公知である。しかし、このことによって、筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法が複雑になっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法を単純化することを目的とする。
【0005】
したがって本発明は、請求項1から16のいずれか一項に記載の、筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法と、前記方法により製造された熱交換器ブロックおよび筐体を具備する、請求項17に記載の熱交換器とを提供するものである。
【0006】
換言すると、本発明は、筐体を熱交換器ブロックに備え付ける方法を提供するものであり、前記熱交換器ブロックは:
- 前記熱交換器ブロックを通過可能な第1の空気流と前記熱交換器ブロックを通過可能な第2の空気流との間で、熱エネルギーを交換する空気流通路と;
- 第1の空気流の第1の流入口開口と;
- 前記第1の空気流の第1の流出口開口と;
- 第2の空気流の第2の流入口開口と;
- 前記第2の空気流の第2の流出口開口と;
を具備し、前記方法は:
- 前記筐体の一部によって覆われることになる、前記熱交換器ブロックの外側表面領域を選択することであって、前記選択された表面領域が、前記第1の流入口開口、前記第1の流出口開口、前記第2の流入口開口、および前記第2の流出口開口とは異なるものであることと;
- 選択された各外側表面領域に前記筐体の一部をモールド成型することと、
を含む。
【0007】
以下の説明および図面に、熱交換器ブロックと、筐体を有する前記熱交換器ブロックを具備する熱交換器を提供するために前記熱交換器ブロックに前記筐体を提供する方法とを用いて、本発明の例示的な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に記載の熱交換器ブロックの斜視図である。
図2図2は、実施形態に記載の方法において使用されるモールドの斜視図である。
図3図3に、流動性ポリマーで充填された図2のモールドを示す。
図4図4に、筐体部分を前記熱交換器ブロックに備え付ける方法ステップを示す。
図5A図5Aは、1つの筐体部分を備えた前記熱交換器ブロックの斜視図である。
図5B図5Bは、前記筐体部分を備えた前記熱交換器ブロックの側面図である。
図5C図5Cは、前記筐体部分を備えた前記熱交換器ブロックの別の斜視図である。
図6図6Aは、実施形態に記載の方法において使用されるモールドの斜視図である。図6Bに、流動性ポリマーで充填された図6Aのモールドを示す。
図7図7は、4つの筐体部分を備えた前記熱交換器ブロックの斜視図である。
図8図8は、実施形態に記載の方法において使用されるモールドの斜視図である。
図9図9に、筐体部分を前記熱交換器ブロックに備え付ける方法ステップを示す。
図10図10Aは、5つの筐体部分を備えた前記熱交換器ブロックの斜視図である。図10Bは、前記5つの筐体部分を備えた前記熱交換器ブロックの正面図である。
図11図11Aは、6つの筐体部分を具備する筐体を有する前記熱交換器ブロックを具備する熱交換器の第1の斜視図である。図11Bは、6つの筐体部分を具備する前記筐体を有する前記熱交換器ブロックを具備する前記熱交換器の第2の斜視図である。図11Cは、6つの筐体部分を具備する前記筐体を有する前記熱交換器ブロックを具備する前記熱交換器の第3の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、実施形態に記載の熱交換器ブロックBの斜視図である。
【0010】
熱交換器ブロックBは、複数の第1の空気流通路AFP1(実線で示す)と、前記複数の第1の空気流通路に隣接する複数の第2の空気流通路AFP2(破線で示す)とであって、前記複数の第1の空気流通路AFP1を通過する第1の空気流AF1(黒矢印で示す)と、前記複数の第2の空気流通路AFP2を通過する第2の空気流AF2(白矢印で示す)との間で熱エネルギーを交換する空気流通路と、を具備する。
【0011】
第1の空気流通路AFP1は、互いに平行な隣接する熱交換器プレートの第1の対の間に画定される。同様に、第2の空気流通路AFP2は、互いに平行な隣接する熱交換器プレートの第2の対の間に画定される。熱交換器ブロックは、N枚の積層されたプレートと、積層になった隣接する熱交換器プレートの連続した(N-1)対とを具備し、隣接する熱交換器プレートの各対は、第1の空気流通路AFP1と第2の空気流通路AFP2とを交互に構成する。
【0012】
また熱交換器ブロックBは、前記第1の空気流AF1の流入口開口を有する第1の流入口開口領域O11と、前記第1の空気流AF1の流出口開口を有する第1の流出口開口領域O12と、前記第2の空気流AF2の流入口開口を有する第2の流入口開口領域O21と、前記第2の空気流AF2の流出口開口を有する第2の流出口開口領域O22と、を具備する。
【0013】
熱交換器ブロックBは、第1の外側表面領域B1と、前記第1の外側表面領域B1に対向する第2の外側表面領域B2、加えて第3の外側表面領域B3と、前記第3の外側表面領域B3に対向する第4の外側表面領域B4、加えて第5の外側表面領域B5と、前記第5の外側表面領域B5に対向する第6の外側表面領域B6を具備する。
【0014】
図2は、実施形態に記載の方法において使用される第1のモールドM1または第2のモールドM2の斜視図である。第1および第2のモールドM1およびM2は、内側空洞表面CS1およびCS2をそれぞれ有する第1の空洞C1および第2の空洞C2を、それぞれ有する。例示的な実施形態では、熱交換器ブロックBおよびそのブロックにモールド成型された筐体Hは対称であり、第1の外側表面領域B1および第2の外側表面領域B2が互いに対称である。
【0015】
図3に、図2のモールドM1およびM2に流動性ポリマーFPを部分的に充填したものを示す。
【0016】
図4に、第1の筐体部分W1を前記熱交換器ブロックBに備え付ける方法ステップを示す。この方法ステップは、前記熱交換器ブロックBを前記第1のモールドM1に向けて移動させることにより、前記熱交換器ブロックBの前記第1の外側表面領域B1を、前記部分的に充填された第1の空洞部分C1内に挿入し、これにより前記第1の外側表面領域B1と前記第1の内側空洞表面CS1との間の第1の間隙領域G1内の前記流動性ポリマーFPを変位させて伸展させることを含む。この方法ステップは、前記第1の間隙領域G1内の前記流動性ポリマーFPを、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマーSPに転換させることをさらに含む。この方法ステップは、前記熱交換器ブロックBを前記第1のモールドM1から遠ざけるように移動させることにより、前記部分的に充填された第1の空洞部分C1から前記熱交換器ブロックBの前記第1の外側表面領域B1を引き出し、これにより前記熱交換器ブロックBの前記第1の外側表面領域B1を、前記モールド成型された第1の筐体部分W1が覆っている/係合している状態にして残すことを、さらに含む。
【0017】
図5Aは、図4に関して先の段落に記載した方法ステップの結果として得られる、前記第1の筐体部分W1を備えた前記熱交換器ブロックBの斜視図である。
【0018】
図5Bは、前記第1の筐体部分W1を備えた前記熱交換器ブロックBの側面図である。
【0019】
図5Cは、前記第1の筐体部分W1を備えた前記熱交換器ブロックBの別の斜視図である。
【0020】
同様にして、第2の筐体部分W2(明示せず)を前記熱交換器ブロックBに備え付ける方法ステップが提供されている。この方法ステップは、前記熱交換器ブロックBを前記第2のモールドM2に向けて移動させることにより、前記熱交換器ブロックBの前記第2の外側表面領域B2を、前記部分的に充填された第2の空洞部分C2内に挿入し、これにより前記第2の外側表面領域B2と前記第2の内側空洞表面CS2との間の第2の間隙領域G2内の前記流動性ポリマーFPを変位させて伸展させることを含む。この方法ステップは、前記第1の間隙領域G2内の前記流動性ポリマーFPを、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマーSPに転換させることをさらに含む。この方法ステップは、前記熱交換器ブロックBを前記第2のモールドM2から遠ざけるように移動させることにより、前記熱交換器ブロックBの前記部分的に充填された第2の空洞部分C2から前記熱交換器ブロックBの前記第2の外側表面領域B2を引き出し、これにより、前記熱交換器ブロックBの前記第2の外側表面領域B2を、前記モールドされた第2の筐体部分W2が覆っている/係合している状態にして残すことを、さらに含む。
【0021】
図6Aは、実施形態に記載の方法において使用される第3のモールドM3および第4のモールドM4の斜視図である。第3および第4のモールドM3およびM4は、第3の内側空洞表面CS3および第4の内側空洞表面CS4をそれぞれ有する第3の空洞C3および第4の空洞C4を、それぞれ有する。例示的な実施形態では、熱交換器ブロックBおよびそのブロックにモールド成型された筐体Hは対称であり、第3の外側表面領域B3および第4の外側表面領域B4が互いに対称である。
【0022】
図6Bに、図6AのモールドM3およびM4に流動性ポリマーFPを部分的に充填したものを示す。
【0023】
第1のモールドM1を使用して、第1の外表面領域B1に第1の筐体部分W1をモールド成型するのと同様にして、そして第2のモールドM2を使用して、第2の外側表面領域B2に第2の筐体部分W2をモールド成型するのと同様にして、第3のモールドM3を使用して、第3の外表面領域B3に第3の筐体部分W3をモールド成型し、第4のモールドM4を使用して、第4の外表面領域B4に第4の筐体部分W4をモールド成型する
【0024】
図7は、4つの筐体部分W1、W2、W3、およびW4を備えた前記熱交換器ブロックBの斜視図である。第1および第2の筐体部分W1およびW2は、互いに対称であり、第3および第4の筐体部分W3およびW4が、互いに対称および/または同一および/または合同である。
【0025】
図8は、実施形態に記載の方法において使用される第5のモールドM5および第6のモールドM6の斜視図である。第5および第6のモールドM5およびM6は、第5の内側空洞表面CS5および第6の内側空洞表面CS6をそれぞれ有する第5の空洞C5および第6の空洞C6を、それぞれ有する。例示的な実施形態では、熱交換器ブロックBおよびそのブロックにモールド成型された筐体Hは対称であり、第5の外側表面領域B5および第6の外側表面領域B6が、互いに対称および/または同一および/または合同である。
【0026】
図9に、第5の筐体部分W5を前記熱交換器ブロックBに備え付ける方法ステップを示す。この方法ステップは、前記熱交換器ブロックBを前記第5のモールドM5に向けて移動させることにより、前記熱交換器ブロックBの前記第5の外側表面領域B5を、前記部分的に充填された第5の空洞部分C5内に挿入し、これにより前記第5の外側表面領域B5と前記第5の内側空洞表面CS5との間の第5の間隙領域G5内の前記流動性ポリマーFPを変位させて伸展させることを含む。この方法ステップは、前記第5の間隙領域G5内の前記流動性ポリマーFPを、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマーSPに転換させることをさらに含む。この方法ステップは、前記熱交換器ブロックBを前記第5のモールドM5から遠ざけるように移動させることにより、前記部分的に充填された第5の空洞部分C5から前記熱交換器ブロックBの前記第5の外側表面領域B5を引き出し、これにより、前記熱交換器ブロックBの前記第5の外側表面領域B5を、前記モールド成型された第5の筐体部分W5が覆っている/係合している状態にして残すことを、さらに含む。
【0027】
図10Aは、図9に関して先の段落に記載した方法ステップの結果として得られる、前記第5の筐体部分W5を備えた前記熱交換器ブロックBの斜視図である。
【0028】
図10Bは、前記筐体部分W5を備えた前記熱交換器ブロックBの側面図である。
【0029】
同様に、第6の筐体部分W6(明示せず)を前記熱交換器ブロックBに備え付ける方法ステップが提供されている。この方法ステップは、前記熱交換器ブロックBを前記第6のモールドM6に向けて移動させることにより、前記熱交換器ブロックBの前記第6の外側表面領域B6を、前記部分的に充填された第6の空洞部分C6内に挿入し、これにより前記第6の外側表面領域B6と前記第6の内側空洞表面CS6との間の第6の間隙領域G6内の前記流動性ポリマーFPを変位させて伸展させることを含む。この方法ステップはさらに、前記第6の間隙領域G6内の前記流動性ポリマーFPを、その流動性の状態から、固体状態または前記流動性ポリマーよりも流動性の少ない状態の固体ポリマーSPに転換させることを含む。この方法ステップはさらに、前記熱交換器ブロックBを前記第6のモールドM6から遠ざけるように移動させることにより、前記熱交換器ブロックBの前記第6の外側表面領域B6を、前記部分的に充填された第6の空洞部分C6から引き出し、これにより、前記熱交換器ブロックBの前記第6の外側表面領域B6を、前記モールド成型された第6の筐体部分W6が覆っている/係合している状態にして残すことを含む。
【符号の説明】
【0030】
B 熱交換器ブロック
H 熱交換器ブロックの筐体
AFP1 第1の空気流通路
AFP2 第2の空気流通路
AF1 第1の空気流
AF2 第2の空気流
O11 第1の流入口開口領域
O12 第1の流出口開口領域
O21 第2の流入口開口領域
O22 第2の流出口開口領域
B1 第1の外側表面領域
B2 第2の外側表面領域
B3 第3の外側表面領域
B4 第4の外側表面領域
B5 第5の外側表面領域
B6 第6の外側表面領域
W1 第1の筐体部分
WS1 第1の外側筐体表面
W2の第2の筐体部分
WS2 第2の外側筐体表面
W3 第3の筐体部分
WS3 第3の外側筐体表面
W4 第4の筐体部分
WS4 第4の外側筐体表面
W5 第5の筐体部分
WS5 第5の外側筐体表面
W6 第6の筐体部分
WS6 第6の外側筐体表面
H11 第1の流入口開口
H12 第1の流出口開口
H21 第2の流入口開口
H22 第2の流出口開口
FP 流動性の状態にある流動性ポリマー
SP 固体状態または流動性のさらに少ない状態の固体ポリマー
M1 第1のモールド
C1 第1の空洞、第1の凹部
CS1 第1の内側空洞表面
G1 第1間隙領域(B1とCS1の間)
M2 第2のモールド
C2 第2の空洞、第2の凹部
CS2 第2の内側空洞表面
G2 第2の間隙領域(B2とCS2の間)
M3 第3のモールド
C3 第3の空洞、第3の凹部
CS3 第3の内側空洞表面
G3 第3の間隙領域(B3とCS3の間)
M4 第4のモールド
C4 第4の空洞、第4の凹部
CS4 第4の内側空洞表面
G4 第4の空隙領域(B4とCS4の間)
M5 第5のモールド
C5 第5の空洞、第5の凹部
CS5 第5の内側空洞表面
G5 第5の間隙領域(B5とCS5の間)
M6 第6のモールド
C6 第6の空洞、第6の凹部
CS6 第6の内側空洞表面
G6 第6の間隙領域(B6とCS6の間)
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11