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特許7308933非侵襲的プロセス流体温度表示のための低接触クランプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】非侵襲的プロセス流体温度表示のための低接触クランプ
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20230707BHJP
   G01K 13/02 20210101ALI20230707BHJP
【FI】
G01K1/14 E
G01K13/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021516616
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019051901
(87)【国際公開番号】W WO2020068550
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】16/139,319
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】キャバノー,ジャック・エム
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/012075(WO,A1)
【文献】特表2017-502299(JP,A)
【文献】特開2013-7427(JP,A)
【文献】特開2010-31948(JP,A)
【文献】特開2004-239634(JP,A)
【文献】特開昭63-125880(JP,A)
【文献】国際公開第2017/131546(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/14- 1/143
G01K 13/02-13/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスパイプの外面を感知するように構成された少なくとも1つの感温素子が内部に配置されたセンサカプセル、
前記センサカプセルに結合された測定回路であって、温度とともに変化する、少なくとも1つの感温素子の特性を検出し、センサカプセル温度情報を提供するように構成された測定回路、並びに
測定回路に結合されたコントローラであって、基準温度を取得し、基準温度及びセンサカプセル温度情報を用いた伝熱計算を使用して推定プロセス温度出力を生成するように構成されるコントローラ、
プロセスパイプの外面に前記センサカプセルを取り付けるように構成された取付けアセンブリを含み、
取付けアセンブリが、
プロセスパイプの外面からオフセットされているクランプ本体と、
ロセスパイプの外面に接触するように及びプロセスパイプの外面からクランプ本体をオフセットするように構成されたスタンドオフであって、クランプ本体とプロセスパイプの外面との間のオフセットを調節するように作動可能であるスタンドオフと、を含む、
プロセス流体温度推定システム。
【請求項2】
スタンドオフが、クランプ本体の対応するねじ山部分と係合するように構成されたねじ山部分を含む、請求項記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項3】
スタンドオフが、プロセスパイプの外面に直接接触し、プロセスパイプの外面に直接接触するように構成された接触部分を含み、接触部分が、スタンドオフの別の部分とは異なる材料を含む、請求項1記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項4】
クランプ本体が、設置されたプロセスパイプ上で互いに結合されるように構成された2つ以上の小片を含む、請求項1記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項5】
取付けアセンブリの一部とプロセスパイプとの間に配置された断熱体をさらに含む、請求項1記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項6】
断熱体が、前記センサカプセルの周りに配置され、請求項記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項7】
クランプ本体が、前記センサカプセルを受容し、前記センサカプセルに結合するように構成されたアパーチャを含む、請求項1記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項8】
クランプ本体が第1の小片と第2の小片とを含み、第1の小片と第2の小片とが連動するように構成された、請求項1記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項9】
第1の小片又は第2の小片の一方の本体が、その中に形成された少なくとも1つの突出部を有し、第1の小片又は第2の小片の他方の本体は、前記突出部を受けるように構成されたスロットを有する、請求項記載のプロセス流体温度推定システム。
【請求項10】
第1の方向へのスタンドオフの作動は、クランプ本体とプロセスパイプの外面との間のオフセットを増加させ、第2の方向へのスタンドオフの作動は、クランプ本体とプロセスパイプの外面との間のオフセットを減少させる、請求項1記載のプロセス流体温度推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
多くの工業プロセスは、パイプ又は他の導管を通してプロセス流体を運ぶ。そのようなプロセス流体には、液体、ガス、及び場合によっては混入固体が含まれ得る。これらのプロセス流体流は、非限定的に、衛生的な食品及び飲料の製造、水処理、高純度医薬品の製造、化学処理、炭化水素の抽出及び処理を含む炭化水素燃料産業、並びに研磨剤及び腐食性スラリーを利用する水圧破砕技術を含む様々な産業のいずれにも見出され得る。
【0002】
一般的には、温度センサがサーモウェル内に配置され、サーモウェルが導管のアパーチャを通してプロセス流体流に挿入される。ただし、このアプローチは、プロセス流体が非常に高温であるか、非常に腐食性であるか、その両方であり得るという点で、常に実用的であるとは限らない。加えて、サーモウェルは、一般的に、導管内にねじ付きポート又は他の堅牢な機械的マウント/シールを必要とするため、規定された位置でプロセス流体流システム内に設計されなければならない。したがって、サーモウェルは、正確なプロセス流体温度を提供するのに有用であるが、多くの制限を有する。
【0003】
さらに最近では、プロセス流体温度は、パイプなどのプロセス流体導管の外部温度を測定し、熱流計算を使用することによって推定されている。この外部アプローチは、導管にアパーチャ又はポートを画定する必要がないため、非侵襲的であると考えられる。したがって、そのような非侵入的アプローチは、導管に沿った実質的に任意の位置に配置することができる。ただし、場合によっては、導管の外面温度は、温度センサの通常の動作範囲を超える可能性がある。したがって、非侵襲的プロセス流体温度推定技術を適用することができる用途の数を拡大する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
プロセス流体温度推定システムは、プロセスパイプの外面を感知するように構成された感温素子が内部に配置されたセンサカプセルを含む。プロセス流体温度推定システムは、センサカプセルに結合され、温度とともに変化する、少なくとも1つの感温素子の特性を検出し、センサカプセル温度情報を提供するように構成された測定回路と、測定回路に結合されたコントローラとを含み、コントローラは、基準温度を取得し、基準温度及びセンサカプセル温度情報を用いた伝熱計算を使用して推定プロセス温度出力を生成するように構成される。プロセス流体温度推定システムは、プロセスパイプの外面にプロセス流体温度推定システムを取り付けるように構成された取付けアセンブリを含み、取付けアセンブリの一部は、プロセスパイプの外面からオフセットされている。
【0005】
この「発明の概要」は、以下の「発明を実施するための形態」でさらに説明される、簡略化された形式の概念の選択を紹介するために提供される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求される主題の範囲を決定する助けとして使用されることを意図したものでもない。特許請求される主題は、背景に記載された何らかの又はすべての欠点を解決する実装に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本発明の実施態様が特に適用可能な熱流測定システムの概略図である。
図1B】本発明の実施態様が特に適用可能なセンサカプセルの概略断面図である。
図2】熱流測定システム内の、熱流測定システム内の回路のブロック図である。
図3】高温熱流測定システムの概略図である。
図4】本発明の別の実施態様による高温熱流測定システムの概略図である。
図5】クランプシステムの一例の斜視図である。
図6】熱流測定システムの一例の動作方法である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上述のように、プロセス流体温度は、パイプなどのプロセス流体導管の外部温度を測定し、熱流計算を使用することによって推定されている。そのようなシステムは、一般的に、パイプスキン(外面)温度Tskin、及び伝送器端子温度などの基準温度、並びに熱流計算における熱インピーダンス値を使用して、導管内のプロセス流体温度を推測又は推定する。この特徴は、一般的に、プロセス流体から伝送器端子までの熱伝導率が分かっていることを必要とするため、センサが一般的にプロセス流体温度伝送器に接続されることを必要とする。
【0008】
理想的な状況では、パイプ外表面に可能な限り近い位置でパイプに締め付けられた感温素子によって、パイプスキン温度が測定される。この密接な結合は、感温素子とプロセス流体との間の最小熱インピーダンスから生じる時定数の減少によって、プロセス流体温度の変化に対する感度を改善することを可能にする。
【0009】
ただし、感温素子とパイプの外面との間の密接な接続を維持するために現在使用されているクランプも、いくらかの測定誤差をもたらし得る。例えば、パイプとの大きな表面接触を有するクランプは、感温素子の精度に影響を及ぼすヒートシンクとして作用し得る。例えば、プロセスからの漂遊熱がクランプを通って伝送器に移動し、これにより、感知されたスキン温度又は感知された基準温度に影響が及ぼされ得る。したがって、最小表面接触を有するクランプを使用して、測定精度に対する熱漂遊の影響を最小限に抑えることができる。
【0010】
さらに、現在使用されているクランプは、プロセスパイプに対して感温素子を断熱するために最適化されていない。パイプ外表面に対して感温素子を断熱して、外部熱要因が感知に影響を及ぼすのを最小限に抑えることが有益であり得る。したがって、プロセスパイプからある程度のスタンドオフを有するクランプを使用して、断熱体を収容し、測定精度を高めることができる。
【0011】
本明細書に記載される実施態様は、一般的に、クランプとプロセスパイプとの間の表面接触を減少させること、及びプロセスパイプからクランプを離すことの両方の利点を活用する。
【0012】
図1Aは、熱流測定システムの一例を示す概略図である。図示されるように、システム200は、一般的に、パイプクランプ202を含み、パイプクランプ202は、導管又はパイプ100の周囲を締め付けるように構成される。パイプクランプ202は、クランプ部分202がパイプ100に位置決めされ締め付けられることを可能にするために、1つ以上のクランプ耳204を有し得る。パイプクランプ202が開いてパイプ上に位置決めされ、その後、クランプ耳204によって閉じられ固定され得るように、パイプクランプ202は、クランプ耳204の1つをヒンジ部分に置き換えてもよい。図1に関して図示されるクランプは特に有用であるが、他の例では、パイプの外面の周りにシステム200を確実に位置決めするための任意の好適な機械的構成が使用され得る。
【0013】
システム200は、熱流センサカプセル206を含み、熱流センサカプセル206は、ばね208によってパイプ100の外面116に対して付勢されている。用語「カプセル」は、いかなる特定の構造又は形状も意味することを意図するものではなく、したがって、様々な形状、サイズ及び構成で形成され得る。ばね208が図示されているが、当業者であれば、様々な技術を使用して、外面116と連続的に接触するようにセンサカプセル206を付勢することができることを理解するであろう。センサカプセル206は、一般的に、抵抗温度装置(RTD)などの1つ以上の感温素子を含む。カプセル206内のセンサは、ハウジング210内の伝送器回路に電気的に接続され、伝送器回路は、センサカプセル206から1つ以上の温度測定値を取得し、センサカプセル206からの測定値、及びハウジング210内で測定された温度又は他の方法でハウジング210内の回路に提供される温度などの基準温度に基づいて、プロセス流体温度の推定値を計算するように構成される。
【0014】
一例では、基本的な熱流計算は以下ように単純化され得る:
corrected=Tskin+(Tskin-Treference)*(Rpipe/Rsensor)。
【0015】
この式では、Tskinは、導管の外面の測定温度である。さらに、Treferenceは、Tskinを測定する温度センサからの固定熱インピーダンス(Rsensor)を有する位置に対して取得される第2の温度である。Rpipeは、導管の熱インピーダンスであり、パイプ材料情報、パイプ壁厚情報を取得することによって手動で取得され得る。さらに、又は代替的に、Rpipeに関連するパラメータを較正中に決定し、その後の使用のために記憶することができる。したがって、ハウジング210内の回路は、上記のような好適な熱流束計算を使用して、プロセス流体温度の推定値(Tcorrected)を計算し、好適な装置及び/又は制御室に、そのようなプロセス流体温度に関する表示を伝達することができる。
【0016】
図1Bは、本発明の実施態様が特に適用可能なセンサカプセルの概略図である。センサカプセル206は、一般的に、円筒形の側壁250と、それに結合されたエンドキャップ252とを含む。一例では、エンドキャップ252は銀から形成される。1つ以上のRTD素子254が、エンドキャップ252に近接して配置され、サーマルグリース256を介してエンドキャップ252と熱的に連通して設けられる。導体258は、RTD素子254をハウジング210内の測定回路に電気的に結合する。一実施態様では、素子254は、薄膜RTD技術に従って形成される。薄膜RTDは、一般的に、非常に頑丈であり、一般的に低コストであると考えられる。薄膜素子は、典型的には、温度感受性金属(白金など)の非常に薄い(.0001インチなど)膜による小さなセラミックチップの被覆、次いで、レーザ切断又は化学物質若しくは化学的エッチングによって、金属膜中の抵抗経路として製造される。
【0017】
図2は、本発明の実施態様が特に適用可能な、熱流測定システム200のハウジング210内の回路のブロック図である。システム200は、コントローラ222に結合された通信回路220を含む。通信回路220は、推定プロセス流体温度に関する情報を伝達することができる任意の好適な回路であり得る。通信回路220は、熱流測定システム200がプロセス通信ループ又はセグメントを介してプロセス流体温度出力を通信することを可能にする。プロセス通信ループプロトコルの好適な例には、4~20ミリアンペアプロトコル、Highway Addressable Remote Transducer(HART(登録商標))プロトコル、FOUNDATION(商標)Fieldbusプロトコル、及びWirelessHARTプロトコル(IEC 62591)が挙げられる。
【0018】
熱流測定システム200はまた、電力供給モジュール224を含み、電力供給モジュール224は、矢印226によって示されるように、システム200の全構成要素に電力を供給する。熱流測定システム200が、HART(登録商標)ループ、又はFOUNDATION(商標)Fieldbusセグメントなどの有線プロセス通信ループに結合される例では、電力モジュール224は、ループ又はセグメントから受容した電力を調整してシステム200の様々な構成要素を動作させるための好適な回路を含んでもよい。したがって、そのような有線プロセス通信ループの実施態様では、電力供給モジュール224は、それが結合されているループによって装置全体が電力を供給されることを可能にする好適な電力調整を提供し得る。他の例では、無線プロセス通信が使用される場合、電力供給モジュール224は、電池などの電源、及び好適な調整回路を含んでもよい。
【0019】
コントローラ222は、カプセル206内のセンサからの測定値と、ハウジング210内の端子温度などの追加の基準温度とを使用して、熱流に基づくプロセス流体温度推定値を生成することができる任意の好適な構成を含む。一例では、コントローラ222はマイクロプロセッサである。推定値を他の装置に通信するために、コントローラ222は通信回路220に通信可能に結合される。
【0020】
測定回路228は、コントローラ222に結合され、1つ以上の温度センサ230から取得された測定値に関するデジタル表示を提供する。測定回路228は、1つ以上のアナログ-デジタル変換器及び/又は好適な多重化回路を含み、1つ以上のアナログ-デジタル変換器をセンサ230にインタフェースすることができる。加えて、測定回路228は、使用される様々なタイプの温度センサに適切であり得る好適な増幅及び/又は線形化回路を含むことができる。
【0021】
図3は、本発明の実施態様が特に適用可能な熱流測定システムの概略図である。図3は、図1Aに示す実施態様と多くの類似点を有し、同様の構成要素には同様の番号が付されている。図3に示す実施態様と図1Aの実施態様との主な差は、センサカプセル206をパイプ100に近接して固定するために使用されるクランプのタイプである。
【0022】
図3に示すように、クランプ302は、図1Aのクランプ202に取って代わる。クランプ302は、クランプ302が耳204を含み、センサアセンブリ201に結合するという点で、クランプ202と設計が同様である。クランプ302は、クランプ302がパイプ100に接触しないという点で、クランプ202と異なる。代わりに、クランプ302は、パイプ100から所定の距離だけ離れてスタンドオフ304によって保持される。
【0023】
例示的に、4つのスタンドオフ、すなわち、スタンドオフ304-1、スタンドオフ304-2、スタンドオフ304-3及びスタンドオフ304-4がある。典型的な状況では、複数のスタンドオフは同じタイプである。図示されるように、各スタンドオフ304は異なるタイプのスタンドオフである。これは、パイプにクランプを固定するために使用され得るスタンドオフの異なる例を示す説明目的のためのものに過ぎない(例えば、クランプ302又はクランプ402)。例えば、スタンドアップ304-1は、ボルト、小ねじ又は同様の締結具を含む。304-2のスタンドは、クランプ302に結合されたシャフトを含む。スタンドオフ304-3は、止めねじを含む。スタンドオフ304-4は、ねじ棒並びにナット及び止め座金を含む。言うまでもなく、他のタイプのスタンドオフも使用することができる。
【0024】
図3には、断熱体306も示されている。設備306は、センサカプセル206とパイプ100との接合部の周りに配置される。断熱体306は、外部熱源が温度Tskinの測定精度に影響を及ぼすのを低減するように作用し得る。一例では、断熱体306は、カプセル206とパイプ100との接合部の周りに留まらず配置され得る。いくつかの例では、断熱体306は、クランプ302の内径とパイプ100の外径との間の空隙全体に配置され得る。
【0025】
図4は、熱流測定システムの一例を示す概略図である。図4は、図1A及び図3に示す例と多くの類似点を有し、同様の構成要素には同様の番号が付されている。図4に示す例と図3の例との差は、センサカプセル206をパイプ100に近接して固定するために使用されるクランプ又は取付けアセンブリのタイプである。
【0026】
図4に示すように、クランプ402は、図1Aのクランプ202及び図3のクランプ302に取って代わる。図3のクランプ302と同様のクランプ402は、スタンドオフ304を有する。クランプ302又は202とは異なり、クランプ402は耳204を有しない。代わりに、クランプ402は、パイプ100上に組み立てられ、嵌合部308によって一緒に保持される。嵌合部308は、ワイヤ放電加工(EDM)、ウォータージェット加工、標準機などによってクランプ402の小片に切断された嵌合機構310を含む。
【0027】
図5は、クランプ402の一例を示す斜視図である。図示されるように、クランプ402は2つの小片412を含む。別の例では、クランプ402は、単数の小片412を含んでもよい。他の例では、クランプ402は、2つよりも多い小片412を含んでもよい。例えば、クランプ402は、図示される2つの半片412の代わりに4つの四分片412を含んでもよい。小片412を一緒に結合するために、各小片412は、嵌合機構310又は嵌合機構312のいずれかを含む。言うまでもなく、嵌合機構310及び312の形状は、他の例では異なっていてもよい。
【0028】
クランプ402は、非限定的に、鋼、ステンレス鋼、真鍮などを含む様々な異なる材料から作製することができる。
【0029】
図示されるクランプ402は、様々なスタンドオフアパーチャ314を含む。スタンドオフアパーチャ314は、スタンドオフ304を受容及び結合して、プロセスパイプにクランプ402を取り付ける。例えば、スタンドオフアパーチャ314は、スタンドオフのねじ山に結合するねじ山を含むことができる。クランプを取り付ける際にスタンドオフを使用する利点は、許容可能なクランプ寸法公差が増加することである。例えば、スタンドオフを使用するクランプは、比較的大きなスタンドオフが使用される限り、それが結合しているパイプに比べて大幅に大きくなり得る。これまで、様々なサイズのパイプとともに使用するには、様々なクランプサイズが必要であった。
【0030】
図示されるように、4つのスタンドオフ304があるが、他の例では3つよりも多いスタンドオフ304があってよい。同じく図示されるように、スタンドオフ304は単一の材料から構成される。他の例では、スタンドオフ304は、複数の材料を含んでもよい。例えば、スタンドオフ304の大部分は、構造材料(例えば、ステンレス鋼)から構成され得るのに対して、プロセスパイプに接触するスタンドオフ304の部分は、高温耐性などの特定の所望の熱特性を有する材料を含む。接触表面積が低減されるため、各スタンドオフ304の端部に、新奇性の高い材料が費用効果的に使用され得る。過去のクランプでは、プロセスパイプに接触するクランプの内側表面積全体を網羅しなければならなかったため、新奇な材料を使用することはコスト的に効果がなかった。
【0031】
図6は、上記のシステムの動作の一例を示すフローチャートである。動作600は、図4の構成要素に関して説明されているが、動作600は、他のシステムとともに使用されてもよい。
【0032】
動作600は、クランプがプロセスパイプ上に配向されるブロック610で開始する。プロセスパイプ上にクランプを配向することは、ブロック612によって示されるように、各クランプ片の耳を整列させることを含み得る。例えば、図3のクランプ302のクランプ片の耳204を整列させること。プロセスパイプ上にクランプを配向することは、ブロック614によって示されるように、特許請求される小片の連動構成要素を係合させることを含み得る。例えば、図4の嵌合部308にクランプ402の連動構成要素を係合させること。言うまでもなく、プロセスパイプ上にクランプを配向することは、ブロック616によって示されるように、他の工程も含み得る。
【0033】
動作600は、必要に応じてクランプ構成要素が固定されるブロック620で継続する。例えば、図3のクランプ302のクランプ片の耳204は、プロセスパイプ上に固定された状態を維持するためにボルト締めされるか、他の方法で互いに結合されなければならない。
【0034】
動作600は、クランプがプロセスパイプに固定されるブロック630で継続する。クランプは、例えば、クランプ402のスタンドオフアパーチャ314を通して挿入されるスタンドオフ304など、クランプのアパーチャを通して挿入されるねじ付き締結具によってプロセスパイプに固定され得る。スタンドオフ304は、スタンドオフアパーチャ314のねじ付き機構と嵌合するねじ付き機構を有することができ、これにより、パイプ100上にスタンドオフ304を締め付けることができる。
【0035】
動作600は、測定アセンブリがクランプに固定されるブロック640で継続する。クランプに測定アセンブリを固定することは、ブロック622によって示されるように、測定アセンブリが、クランプに含まれるねじ穴によって受容されることによって達成され得る。例えば、測定アセンブリアパーチャ316内のねじ山に対応するねじ山部分を有する測定アセンブリが、測定アセンブリアパーチャ316にねじ込まれる。測定アセンブリは、ブロック644によって示されるように、他の方法でもクランプに固定され得る。例えば、クランプが接続のためにパイプ上に配置される前に、測定アセンブリがクランプの一部に固定され得る。
【0036】
動作600は、所望であれば、測定部206がパイプ100の外面に対して断熱されるブロック650で継続する。例えば、断熱体306が、測定部206とパイプ100との間の接合部の周りに設置されて、外部熱源がパイプ100の測定に影響を及ぼすのを低減する。
【0037】
動作600は、測定部206がパイプ100の外面の温度を感知するブロック660で継続する。ブロック670では、測定部206の出力に基づいて、パイプ100の外面の測定温度と、基準温度と、パイプの外面から固定基準温度位置までの熱流に関する熱伝導率情報とを使用して、パイプ100内の流体の温度を推定することができる。
【0038】
好ましい実施態様を参照して本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に変更を加えることができることを認識するであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6