(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】農芸化学的な組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 59/16 20060101AFI20230707BHJP
A01N 31/16 20060101ALI20230707BHJP
A01N 65/28 20090101ALI20230707BHJP
A01N 65/24 20090101ALI20230707BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20230707BHJP
A01N 25/08 20060101ALI20230707BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230707BHJP
A01M 1/20 20060101ALI20230707BHJP
A01G 7/06 20060101ALI20230707BHJP
A01C 1/08 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
A01N59/16 Z
A01N31/16
A01N65/28
A01N65/24
A01N25/04 102
A01N25/08
A01P3/00
A01M1/20 A
A01G7/06 A
A01C1/08
(21)【出願番号】P 2021528023
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(86)【国際出願番号】 IB2019056402
(87)【国際公開番号】W WO2020021506
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2018/055632
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519392292
【氏名又は名称】サワント、アルン ヴィットハル
(73)【特許権者】
【識別番号】521039301
【氏名又は名称】ドーシ ハイトシュクマー アニルカント
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サワント、アルン ヴィットハル
(72)【発明者】
【氏名】ドーシ ハイトシュクマー アニルカント
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/049996(WO,A2)
【文献】国際公開第2016/004326(WO,A1)
【文献】特開昭59-216817(JP,A)
【文献】特開昭55-017319(JP,A)
【文献】国際公開第2013/188366(WO,A2)
【文献】S.C.BAYNE; ET AL.,ZINC EUGENOLATE CRYSTALS: SEM DETECTION AND CHARACTERIZATION,DENTAL MATERIALS,NL,1986年02月,VOL.2, NO.1,P1-5,https://doi.org/10.1016/S0109-5641(86)80061-6
【文献】BARTELS; H A; ET AL.,THE EFFECT OF ZINC OXIDE EUGENOL CEMENT ON PENICILLIN,AMERICAN JOURNAL OF ORTHODONTICS AND ORAL SURGERY,1946年06月,VOL:32, NR:6,,PAGE(S):A344 - A350,http://dx.doi.org/10.1016/0096-6347(46)90135-4
【文献】CHUNMEI WANG; ET AL.,ANTIFUNGAL ACTIVITY OF EUGENOL AGAINST BOTRYTIS CINEREA,TROPICAL PLANT PATHOLOGY,2010年06月30日,VOL.35, NO.3,P137-143,https://www.scielo.br/j/tpp/a/4VvtsZzfwdCwsQZgBhPmQWk/?lang=en
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 59/16
A01N 31/16
A01N 65/28
A01N 65/24
A01N 25/04
A01N 25/08
A01P 3/00
A01M 1/20
A01G 7/06
A01C 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i.a.元素状の亜鉛またはその塩の少なくとも1つ、
b.オイゲノールまたはその原料の少なくとも1つ、
によって形成される錯体と、
ii.少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と、
を含む組成物であって、
前記組成物が0.1ミクロンから50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含み、
前記錯体が、トータルの前記組成物の1~95%w/wの濃度範囲で存在し、
前記オイゲノールの原料が精油、植物エキス、またはそれらの混合物のうちの1つ以上であり、
前記組成物が、水分散性の顆粒、散布顆粒、水崩壊性の顆粒、水和性粉末、もしくはマイクロ顆粒の固体の形態、または
、油中分散液、液体懸濁液、水系懸濁液
、種子
処理のための種子ドレッシン
グ、もしくはそれらの組み合わせの液体の形態、または、ゲルの形態である、農芸化学用の組成物。
【請求項2】
前記組成物が少なくとも30%の懸濁性を有する、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項3】
前記錯体が、トータルの前記組成物の5~95%w/wの範囲で存在する、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項4】
前記水分散性の顆粒、前記水崩壊性の顆粒、前記散布顆粒が0.1から6mmのサイズ範囲である、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項5】
前記マイクロ顆粒が0.1から2.5mmのサイズ範囲である、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項6】
前記亜鉛の
塩が、水可溶性の亜鉛塩、水不溶性の亜鉛塩
;および
それらの混合物の1つ以上を含む、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項7】
前記水不溶性の亜鉛塩が、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛
、および
それらの混合物の1つ以上を含む、請求項6に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項8】
前記水可溶性の亜鉛塩が、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、臭化亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、ヨウ化亜鉛
、および
それらの混合物の1つ以上を含む、請求項6に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項9】
前記精油または前記植物エキスがクローブ、ナツメグ、シナモン、バジル、ベイリーフ、ショウガ、セロリ、バニラ、レモンバーム、ディル、ジャパニーズ・スターアニス、シンナモムム、ニガヨモギ、およびそれらの混合物の1つ以上を包含する、請求項
1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、さらに、多量栄養素、微量栄養素から選択される栄養素;バイオスティミュラント;殺虫剤活性成分;植物成長制御剤;微生物;藻類;細菌胞子;窒素肥料、リン、カリウム肥料、硫黄肥料から選択される肥料;それらの塩または錯体または誘導体および混合物の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項11】
農芸化学的に受け入れられる前記賦形剤が、フィラーまたは担体または希釈剤、展着剤、着色料、バインダ、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、沈降防止剤、水混和性溶媒、浸透剤、保存料、紫外吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、界面活性剤、分散剤、乳化剤、濡れ剤、構造形成剤、崩壊剤、増粘剤、キレートまたは錯化または封鎖剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジー調整剤、沈降防止剤、保水剤、凍結防止剤、付着剤、およびそれらの混合物の1つ以上から選択される、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の農芸化学用の組成物の調製のプロセス。
【請求項13】
前記組成物が作物保護組成物、殺虫剤組成物、殺真菌剤組成物、殺細菌剤組成物、肥料組成物、栄養素組成物、作物活性化剤組成物の少なくとも1つである、請求項1に記載の農芸化学用の組成物。
【請求項14】
作物を保護するか、その健康および成長を改善するか、または作物の収量を増強する方法であって、前記方法は、植物、作物、植物増殖材料、場所もしくはそれらの一部、種子、苗、または周囲の土壌の少なくとも1つを請求項1に記載の組成物によって処理することを含む方法。
【請求項15】
作物を保護し、作物の収量を増強する方法であって、前記方法は、農芸化学用の組成物を種子、苗、作物、植物またはその一部、植物増殖材料、場所、または周囲の土壌に施用することを含み、
前記農芸化学用の組成物は、
i.a.元素状の亜鉛またはその塩の少なくとも1つ、
b.オイゲノールまたはその原料の少なくとも1つ、
によって形成される錯体と、
ii.少なくとも1つの農芸化学用の賦形剤と、
を含
み、前記オイゲノールの原料が精油、植物エキス、またはそれらの混合物のうちの1つ以上であり、
前記組成物が、水分散性の顆粒、散布顆粒、水崩壊性の顆粒、水和性粉末、もしくはマイクロ顆粒の固体の形態、または、油中分散液、液体懸濁液、水系懸濁液、種子処理のための種子ドレッシング、もしくはそれらの組み合わせの液体の形態、または、ゲルの形態である、組成物である、方法。
【請求項16】
前記錯体が、トータルの前記組成物の1~95%w/wの濃度範囲で存在する、請求項
15に記載の、作物を保護し、作物の収量を増強する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、元素状亜鉛またはその塩もしくは誘導体あるいはそれらの混合物の少なくとも1つとオイゲノールあるいはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体を;少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤と共に含む農芸化学的な組成物に関する。農芸化学的な組成物は、水和性粉末、水系懸濁液、サスポエマルション、水系エマルション、乳化可能な濃縮物、懸濁液濃縮物、水分散性の顆粒、マイクロ顆粒、散布顆粒、水崩壊性の顆粒、油中分散液または懸濁液、種子ドレッシングまたは種子処理のためのエマルション、およびそれらの組み合わせの形態である。さらに、農芸化学的な組成物は0.1ミクロンから50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。さらにその上、本発明は、農芸化学的な組成物を調製するプロセスに、および植物、種子、作物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または土壌を農芸化学的な組成物によって処理する方法に関する。
【0002】
農芸化学的な組成物は植物の保護にとって好適であり、植物の成長を増強し、植物の防御、生物的および非生物的ストレスからの植物の保護を増大させる。
【背景技術】
【0003】
本発明の実施形態を記載する際には、明瞭性のために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択された特定の用語に限定されることは意図されず、各特定の用語は類似の目的を達成するために類似の様式で働く全ての技術的同等物を包含するということは理解されるはずである。
【0004】
殺虫剤は農業においては植物保護のために普通に用いられる;しかしながら、合成殺虫剤の使用は農芸化学セクタにおいて環境および消費者両方にとっての懸念事項である。これに、さらに、ある種の害虫および植物の病気に対する合成殺虫剤の長引く使用は、有効な結果のためには殺虫剤の増大した用量を要求する害虫の抵抗性の発生と、それゆえに植物農作物中の殺虫剤残留物という主要な懸念とをもたらすことが観察されている。さらに、環境汚染、生物多様性に対するインパクト、および運用コストは、環境的により安全でありかつ残留物フリーな植物保護を提供する代替的な解決策を開発する必要を作り出している。環境上の懸念を縮減して消費者への安全性を保証するためには、植物由来の材料は合成殺虫剤の優良な代替であるということが注目された。
【0005】
本発明の発明者は、元素状亜鉛またはその塩もしくはその誘導体の1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体を;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に含む農芸化学的な組成物が、種々の害鳥、病気に対する有効なコントロールを提供し、改善された作物の収量、植物の生理学的パラメータ、例えば作物の増大した根生長、改善された発葉、病気抵抗性、増大した緑色度の点で、優良な圃場効力を実証し、それゆえに栄養に富む作物を提供するということを見いだした。本発明の組成物は、葉面噴霧剤として、あるいは土壌、種子処理、種子塗布に、散布によってまたは点滴もしくはトリクル灌漑によって、施用され得る。
【0006】
本発明の組成物は植物保護にとって高度に有効であるのみならず、合成殺虫剤の施用によって一般的に形成される具体的な残留物の負のインパクトをもまた有さないということが本発明者によって指摘された。その麻酔および抗細菌特性ゆえに、酸化亜鉛オイゲノールは矯正歯科の分野において歯科用セメント充填材料として普通に用いられる。これらのセメントは、ペイントの抗微生物添加剤などとして、深いプレパレーションにおける鎮静効果を提供することのような他の用途を有することもまた公知である。国際特許出願公開第2000/049996号は、防臭組成物としてのオイゲノールを有する酸化亜鉛コーティングされたマイクロスフェアの使用を開示している。EP58091972は抗潰瘍薬としてのオイゲノールまたはイソオイゲノール亜鉛塩の使用を開示している。しかしながら、錯体が元素状亜鉛、その塩、その誘導体とオイゲノールまたはその原料によって形成され、錯体が農芸化学的な使用のために、つまり水分散性のもしくは水崩壊性の顆粒または懸濁液濃縮物またはサスポエマルションなどとして、特定の顆粒および粒子サイズでもって製剤され、種々の害虫、病気に対する有効なコントロール、および作物収量の改善につながるという当分野における開示または教示はない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、元素状亜鉛またはその塩もしくは誘導体あるいはそれらの混合物の少なくとも1つとオイゲノールあるいはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体を;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に含む農芸化学的な組成物が、害虫および作物に感染する種々の植物病原体に対する優良なコントロールを実証し、より高温下における長期の保存においてさえも増強された安定性を見せるということを決定した。
【0008】
さらに、農芸化学的な組成物は固体または液体またはゲルの形態であり、0.1ミクロンから50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0009】
さらにその上、本発明は、元素状亜鉛またはその塩もしくは誘導体あるいはそれらの混合物の少なくとも1つとオイゲノールあるいはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体を含む農芸化学的な組成物を調製するプロセスに関する。
【0010】
本発明は、さらに、作物を保護するか、作物の健康および成長を改善するか、作物収量を増強するか、植物を活性化するか、作物の防御を増大させるか、作物を生物的および非生物的ストレスから保護するか、または土壌を改良する方法に関し;方法は、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、元素状亜鉛またはその塩もしくはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体を;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に包含する有効量の農芸化学的な組成物によって処理することを含む。
【0011】
さらに、本発明の農芸化学的な組成物は、優れた物理的特徴、例えば、懸濁性、分散性、流動性、濡れ性、粘度、注加性、および熱、光、温度、固化などへの安定性を見せるということが観察された。本発明の組成物は加速保存条件下における優れた性能をもまた実証した。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を記載する際には、明瞭性のために特定の術語が選ばれた。しかしながら、本発明がそのように選択された特定の用語に限定されることは意図されず、かかる特定の用語は類似の目的を達成するために類似の様式で働く全ての技術的同等物を包含するということは理解されるはずである。本明細書に記載されるいずれかの数的範囲は、含められる全ての部分範囲を包含することが意図されるということは理解される。また、別様に指示されない限り、組成物中の構成成分のパーセンテージは重量パーセントとして提示される。
【0013】
本発明に従うと、用語「オイゲノールまたはその原料の少なくとも1つと元素状亜鉛またはその塩もしくは誘導体の少なくとも1つによって形成される錯体」はそれの「塩」または「キレート」を包摂する。
【0014】
水分散性の顆粒は、水に追加されたときに急速に分散または溶解して微小粒子懸濁液を与える製剤として定められる。本明細書に記載される「WG」または「WDG」は水分散性の顆粒を指す。
【0015】
本発明に従うと、用語の液体懸濁液は「水系懸濁液」または「水系分散液」または「懸濁液濃縮物(SC)」または「サスポエマルション(SE)」組成物を包摂する。液体懸濁液は、固体粒子が液体中に分散または懸濁されている組成物として定められ得る。基剤としての液体は水および/または水混和性溶媒であり得る。
【0016】
本明細書において定められるWPは水和性粉末を指し、これは水中における分散後に懸濁液として施用されるべき粉末製剤であり得る。
【0017】
本明細書において定められるECは乳化可能な濃縮物を指し、これは水中における希釈後にエマルションとして施用されるべき液体の均質な製剤であり得る。
【0018】
本明細書において定められるSEはサスポエマルションを指し、これは懸濁液濃縮物(SC)および濃縮水系エマルション(EW)テクノロジーの組み合わせである。
【0019】
本明細書に記載されるZCは、液体中の活性成分およびカプセルの安定な懸濁液を指し、通常は使用前に水による希釈を意図される。
【0020】
本明細書において定められるODは油中分散液または油中懸濁液を指し、固体の活性成分が油中に分散されている。油はパラフィン系から芳香族系の溶媒型および野菜油またはメチル化種子油まで様々であり得る。
【0021】
本発明は、少なくとも1つの元素状亜鉛またはその塩もしくはその誘導体とオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体を;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に含む農芸化学的な組成物に関する。
【0022】
ある実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の1%から95%w/wの濃度範囲で存在する。さらなる実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の5%から95%w/wの範囲で存在する。さらなる実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の5%から90%w/wの範囲で存在する。さらなる実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の5%から85%w/wの範囲で存在する。さらなる実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の5%から80%w/wの範囲で存在する。さらなる実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の5%から70%w/wの範囲で存在する。さらなる実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の5%から60%w/wの範囲で存在する。さらなる実施形態に従うと、錯体はトータルの組成物の5%から50%w/wの範囲で存在する。
【0023】
ある実施形態に従うと、亜鉛塩またはその誘導体は、水可溶性のおよび/または水不溶性の亜鉛塩、またはそれらの誘導体および混合物の1つ以上を包含する。
【0024】
ある実施形態に従うと、亜鉛塩、それらの誘導体は、具体的には水不溶性の亜鉛塩またはそれらの誘導体および混合物を包含する。ある実施形態に従うと、水不溶性の亜鉛塩は酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、またはそれらの誘導体および混合物の1つ以上を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の水不溶性の亜鉛塩または誘導体を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0025】
ある実施形態に従うと、亜鉛塩、それらの誘導体は、具体的には水可溶性の亜鉛塩またはそれらの誘導体および混合物を包含する。ある実施形態に従うと、水可溶性の塩は、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、臭化亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、ヨウ化亜鉛、またはそれらの誘導体および混合物の1つ以上を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の水可溶性の亜鉛塩または誘導体を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0026】
ある実施形態に従うと、オイゲノールは合成的に調製されるか天然の原料から得られるかどちらかであり得、広い種々のサプライヤから商業的に入手可能である。ある実施形態に従うと、オイゲノールの原料は精油もしくは植物エキスまたはそれらの混合物の1つ以上を包含する。さらなる実施形態に従うと、精油または植物エキスはクローブ、ナツメグ、シナモン、バジル、ベイリーフ、ショウガ、セロリ、バニラ、レモンバーム、ディル、ジャパニーズ・スターアニス、シンナモムム、ニガヨモギ、およびそれらの混合物の1つ以上を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の精油または植物エキスをオイゲノールの原料として利用することが可能であるということを了解するであろう。精油または植物エキスは商業的に製造されており、インドおよび国外の種々のサプライヤから容易に入手可能である。本発明の組成物を調製する目的で使用されるオイゲノールは外国のベンダから調達された。
【0027】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は、0.1ミクロンから50ミクロンのサイズ範囲の、好ましくは0.1ミクロンから20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。農芸化学的な組成物の0.1~50ミクロンの粒子サイズ範囲は、施用の容易さの点でのみならず効力の点でもまた重要であることが見いだされた。
【0028】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は固体形態または液体形態またはゲル形態である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は水和性粉末、水系懸濁液、サスポエマルション、懸濁液濃縮物、水系エマルション、油中分散液、液体懸濁液、水分散性の顆粒、散布顆粒、水崩壊性の顆粒、マイクロ顆粒、種子ドレッシングまたは種子処理のためのエマルション、乳化可能な濃縮物、およびそれらの組み合わせの形態であり得る。
【0029】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は固体の形態である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は水分散性の顆粒、散布顆粒、水崩壊性の顆粒、マイクロ顆粒、および水和性粉末の形態である。
【0030】
ある実施形態に従うと、固体の農芸化学的な組成物は、トータルの組成物の1%から95%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。ある実施形態に従うと、固体の農芸化学的な組成物は、トータルの組成物の10%から95%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。ある実施形態に従うと、固体の農芸化学的な組成物は、トータルの組成物の10%から90%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。ある実施形態に従うと、固体の農芸化学的な組成物は、トータルの組成物の10%から85%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。ある実施形態に従うと、固体の農芸化学的な組成物は、トータルの組成物の10%から80%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。
【0031】
ある実施形態に従うと、固体の農芸化学的な組成物は、0.1から50ミクロンのサイズ範囲の、好ましくは0.1から20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0032】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は水分散性の顆粒、散布顆粒、水崩壊性の顆粒の形態であり、顆粒は0.1~6mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~5mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~4mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~3mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~2.5mmのサイズ範囲である。
【0033】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はマイクロ顆粒の形態であり、顆粒は0.1~2.5mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~2mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~1.5mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~1mmのサイズ範囲、好ましくは0.1~0.5mmのサイズ範囲である。
【0034】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は液体の形態である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は水系懸濁液、サスポエマルション、懸濁液濃縮物、水系エマルション、油中分散液または懸濁液、液体懸濁液、種子ドレッシングまたは種子処理のためのエマルション、乳化可能な濃縮物、およびそれらの組み合わせの形態である。
【0035】
ある実施形態に従うと、液体の農芸化学的な組成物はトータルの組成物の1%から70%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。ある実施形態に従うと、液体の農芸化学的な組成物はトータルの組成物の5%から70%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。ある実施形態に従うと、液体の農芸化学的な組成物はトータルの組成物の5%から60%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。ある実施形態に従うと、液体の農芸化学的な組成物はトータルの組成物の5%から50%w/wの濃度範囲で存在する錯体を包含する。
【0036】
ある実施形態に従うと、液体の農芸化学的な組成物は0.1から50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含み、好ましくは液体の農芸化学的な組成物は0.1から20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む。
【0037】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は任意に少なくとも1つの肥料を含み得る。肥料の施用は、収量を増大させることおよび健康な作物を促進することを補助するのみならず、害虫および病気の攻撃に対する防御の発生をもまた助ける。
【0038】
別の実施形態に従うと、肥料は単一栄養素肥料、多栄養素肥料、二元素肥料、複合肥料、有機肥料、およびそれらの混合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに当分野において公知の他の肥料を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0039】
なお別の実施形態に従うと、肥料は、水可溶性の肥料または水不溶性の肥料、あるいはそれらの塩または錯体または誘導体および混合物の1つ以上を含む。
【0040】
さらなる実施形態に従うと、肥料は、窒素、リン酸、カリ、アンモニア、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、過リン酸、リン酸石膏、三重過リン酸、硫黄肥料、NPK肥料、あるいはそれらの塩または錯体または誘導体および混合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の肥料を用いることが可能であるということを了解するであろう。
【0041】
ある実施形態に従うと、肥料はトータルの組成物の1%から90%w/wの範囲で存在する。好ましくは、肥料はトータルの組成物の1%から40%w/wの範囲で存在する。
【0042】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は、さらに任意に、栄養素、バイオスティミュラント、殺虫剤活性成分、植物成長制御剤、微生物、細菌胞子、藻類、あるいはそれらの塩または錯体または誘導体および混合物の1つ以上を含む。ある実施形態に従うと、栄養素、バイオスティミュラント、殺虫剤活性成分、植物成長制御剤、微生物、細菌胞子、藻類、あるいは塩または錯体または誘導体および混合物は、本発明の組成物中に包含されるように別個に製剤され得る。
【0043】
別の実施形態に従うと、栄養素は、それらの元素形態の多量栄養素、微量栄養素、あるいはそれらの塩または錯体、誘導体、および混合物の1つ以上を含む。
【0044】
別の実施形態に従うと、栄養素は、それらの元素形態の硫黄、鉄、ホウ素、カルシウム、マグネシウム、銅、マンガン、ケイ素、コバルト、塩素、ナトリウム、モリブデン、クロム、バナジウム、セレン、ニッケル、ヨウ素、塩素、フッ素、リン、カリウム、あるいはそれらの塩または錯体または誘導体および混合物の1つ以上を含む。組成物はさらに任意に他の栄養素、つまりビタミン、有機酸、あるいはそれらの塩または錯体または誘導体および混合物の1つ以上からなり得る。しかしながら、栄養素の上のリストは例示的であり、本発明の範囲を限定することを意味されない。
【0045】
ある実施形態に従うと、栄養素はトータルの組成物の0.1%から70%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、栄養素はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの範囲で存在する。
【0046】
ある実施形態に従うと、植物成長促進剤は、フミン酸、アスコルビン酸、フルボ酸、乳酸、シュウ酸、フィチン酸、フマル酸、ジベレリン酸、オーキシン、クエン酸、N-アセチルチアゾリジン-4カルボン酸、パクロブトラゾール、トリアコンタノール、およびそれらの混合物の1つ以上を包含する。しかしながら、植物成長促進剤の上のリストは例示的であり、本発明の範囲を限定することを意味されない。
【0047】
ある実施形態に従うと、植物成長促進剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、植物成長促進剤はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの範囲で存在する。
【0048】
ある実施形態に従うと、殺虫剤活性成分は、防汚剤、殺昆虫剤、殺真菌剤、除草剤、殺線虫剤、フェロモン、枯葉剤、殺ダニ類剤、植物成長制御剤、殺藻剤、摂食抑制物質、鳥殺し、殺細菌剤、鳥忌避剤、バイオ農薬、殺生物剤、化学不妊薬、薬害軽減剤、昆虫誘引剤、昆虫忌避剤、昆虫成長制御剤、哺乳類忌避剤、交配撹乱剤、消毒剤、軟体動物駆除剤、抗微生物剤、殺ダニ剤、殺卵剤、燻蒸剤、植物活性化剤、殺鼠剤、共力剤、抗ウイルス剤、微生物農薬、植物に組み込まれた保護剤、他の雑多な殺虫剤活性成分、またはそれらの塩もしくは誘導体および混合物の1つ以上を包含する。
【0049】
ある実施形態に従うと、殺虫剤は組成物の0.1%から80%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、殺虫剤は組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、殺虫剤は組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。
【0050】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも1つの農芸化学的に受け入れられる賦形剤を含む。さらなる実施形態に従うと、農芸化学的に受け入れられる賦形剤は、界面活性剤、分散剤、乳化剤、濡れ剤、バインダまたは結合剤、崩壊剤、フィラーまたは担体または希釈剤、展着剤、コーティング剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、抑泡剤または破泡剤、浸透剤、保存料、紫外吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、色素、着色料、構造形成剤、キレートまたは錯化または封鎖剤、沈降防止剤、増粘剤、懸濁剤または懸濁助剤薬剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、保水剤、レオロジー調整剤、付着剤、凍結防止剤または凝固点降下剤、有機流体または油、非水系溶媒、水系溶媒を包含する溶媒、およびそれらの混合物の1つ以上を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに追加の農芸化学的に受け入れられる賦形剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0051】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~95%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~90%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~80%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~70%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~60%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~50%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~40%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~30%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~20%w/wの濃度範囲で存在する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な賦形剤はトータルの組成物の1%~10%w/wの濃度範囲で存在する。
【0052】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、およびポリマー性界面活性剤の1つ以上を包含する。ある実施形態に従うと、界面活性剤は乳化剤、濡れ剤、および分散剤の1つ以上を包含する。
【0053】
アニオン性界面活性剤は、脂肪酸の塩、安息香酸、ポリカルボン酸、アルキル硫酸エステルの塩、アルキルエーテル硫酸、アルキル硫酸、アルキルアリール硫酸、アルキルジグリコールエーテル硫酸、アルコール硫酸エステルの塩、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アリールスルホン酸、リグニンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、アルキルリン酸エステルの塩、アルキルアリールリン酸、スチリルアリールリン酸、スルホン酸ドクサート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸、アルキルサルコシン酸、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、スルホコハク酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸遊離酸およびナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステルの塩、スルホコハク酸-モノおよび他のジエステル、リン酸エステル、アルキルナフタレンスルホン酸イソプロピルおよびブチル誘導体、アルキルエーテル硫酸ナトリウムおよびアンモニウム塩;アルキルアリールエーテルリン酸、エチレンオキシドおよびその誘導体、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステルの塩、モノアルキルスルホコハク酸、芳香族炭化水素スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ドクサート、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロノナン酸、カルボキシレート、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸、リン脂質、ラウリル硫酸カリウム、石鹸、石鹸代替物、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、パレス硫酸ナトリウム、アルキルカルボン酸、ステアリン酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物ナトリウム塩、フルオロカルボン酸、脂肪族アルコールサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸縮合物ナトリウム塩、ホルムアルデヒドと縮合したナフタレンスルホン酸、もしくはホルムアルデヒドと縮合したアルキルナフタレンスルホン酸の塩;またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0054】
カチオン性界面活性剤は、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルメチルエトキシル化アンモニウムクロリドまたは塩、ドデシル、ココ、ヘキサデシル、オクタデシル、オクタデシル/ベヘニル、ベヘニル、コカミドプロピル、トリメチルアンモニウムクロリド;ココ、ステアリル、ビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、アルキル、テトラデシル、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクチル、ジ(オクチルデシル)、ジデシル、ジヘキサデシルジステアリル、ジ(水添牛脂)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水添牛脂)ベンジル、トリオクチル、トリ(オクチルデシル)、トリドデシル、トリヘキサデシルメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチル、ドデシルジメチルベンジル、ジ(オクチルデシル)ジメチル、ジデシルジメチルアンモニウムブロミド、第四級化アミンエトキシレート、塩化ベヘントリモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゾドデシニウム、ブロニドックス、第四級アンモニウム塩、カルベトペンデシニウムブロミド、塩化セタルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、臭化ドミフェン、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド、オクテニジン二塩酸塩、Olaflur、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、パフトキシン、ステアラルコニウムクロリド、水酸化テトラメチルアンモニウム、臭化トンゾニウム;それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0055】
非イオン性界面活性剤は、ポリオールエステル、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシル化エステル、ポリエトキシル化アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化アルコール、EO/POコポリマー;EOおよびPOブロックコポリマー、ジ、トリブロックコポリマー;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポロキサマー、ポリソルベート、アルキル多糖、例えばアルキルポリグリコシドおよびそれらのブレンド、アミンエトキシレート、ソルビタン脂肪酸エステル、グリコールおよびグリセロールエステル、グルコシジルアルキルエーテル、牛脂脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタン誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル(Span)、およびそれらのエトキシル化誘導体(Tween)、および脂肪酸のスクロースエステル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コカミドDEA、コカミドMEA、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、モノステアリン酸グリセロール、ラウリルグルコシド、マルトシド、モノラウリン、ナローレンジエトキシレート、ノニデットP-40、ノノキシノール-9、ノノキシノール、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-オクチルベータ-D-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、PEG-10ヒマワリグリセリド、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリドカノール、ポロキサマー、ポロキサマー407、ポリエトキシル化タローアミン、ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、サーファクチン、ラウリン酸グリセリル、ラウリルグルコシド、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、ヒマシ油エトキシレート、ポリグリコールエーテル、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのポリアダクト、ポリアルキレングリコールエーテルおよびヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、エトプロポキシル化トリスチリルフェノール、エトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸ポリグリセリド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、アルコールエトキシレート-C6からC16/18アルコール、直鎖および分枝、アルコールアルコキシレート-種々の疎水基ならびにEO/PO含量および比、脂肪酸エステル-モノおよびジエステル;ラウリン、ステアリン、およびオレイン;グリセロールエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、ココア、およびトール油由来、エトキシル化グリセリン、ソルビタンエステル-EOありおよびなし;ラウリン、ステアリン、およびオレイン系;モノおよびトリエステル、ヒマシ油エトキシレート-5から200モルEO;非水添および水添、ブロックポリマー、アミンオキシド-エトキシル化および非エトキシル化;アルキルジメチル、脂肪族アミンエトキシレート-ココ、タロー、ステアリル、オレイルアミン、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、もしくはポリオキシプロピレン脂肪酸エステル;それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0056】
両性または双性イオン性界面活性剤は、ベタイン、ココおよびラウリルアミドプロピルベタイン、ココアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルベタイン;C8からC18、アルキルジプロピオン酸-ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリン、リン脂質、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、およびスフィンゴミエリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、アルキルアンホ酢酸およびプロピオン酸、アルキルアンホ(ジ)酢酸およびジプロピオン酸、レシチンおよびエタノールアミン脂肪族アミド;またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。
【0057】
商標によって商業的に入手可能である界面活性剤は、Atlas-G5000、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer-8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、Cetomacrogol1000、CHEMONIC-OE-20、Triton-N-101、Triton-X-100、Tween20、40、60、65、80、Span20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Atlox4912、Atlas-G5000、TERMUL3512、TERMUL3015、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC12A4、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel-P135、Hypermer8261、Hypermer-B239、Hypermer-B261、Hypermer-B246sf、Solutol-HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor-7961P、Soprophor-TSP/461、Soprophor-TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet-R26、CHEMONIC-OE-20、Triton(商標)N-101、IGEPAL-CA-630、およびIsoceteth-20の1つ以上に限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の界面活性剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0058】
ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、界面活性剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0059】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる溶媒は水混和性溶媒を包含する。水混和性溶媒は、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、グリセロール、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ソルビトール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルオクタンアミド、ジメチルデカンアミドの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の水混和性溶媒を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0060】
ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~95%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~60%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~40%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、溶媒はトータルの組成物の0.1~30%w/wの量で存在する。
【0061】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる崩壊剤は、無機の水可溶性塩、例えば塩化ナトリウム、硝酸塩;水可溶性有機化合物、例えば寒天、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプンエーテル、トラガカント、ゼラチン、カゼイン、微結晶セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、金属ステアリン酸塩、セルロース粉末、デキストリン、メタクリレートコポリマー、Polyplasdone(登録商標)XL-10(架橋ポリビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアミノカルボン酸、スルホン酸化スチレン-イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、メタクリレートのポリアクリレートの塩、デンプン-ポリアクリロニトリルグラフトコポリマー、重炭酸/炭酸ナトリウムもしくはカリウムまたはそれらの混合物もしくはクエン酸およびフマル酸などの酸との塩;あるいはそれらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる崩壊剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0062】
ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、崩壊剤は組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。
【0063】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる結合剤またはバインダは、タンパク質、リポタンパク質、脂質、糖脂質、糖タンパク質、炭水化物、例えば単糖、二糖、オリゴ糖、および多糖、複雑な有機物質、合成有機ポリマー、またはそれらの誘導体および組み合わせの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる結合剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0064】
ある実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から50%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、結合剤は組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0065】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる担体は、固体担体またはフィラーまたは希釈剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。別の実施形態に従うと、担体は鉱物担体、植物担体、合成担体、水可溶性の担体を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0066】
固体担体は、粘土のような天然鉱物、例えば陶土、酸性粘土、カオリン、例えばカオリナイト、ディッカイト、ナクライト、およびハロイサイト、蛇紋石、例えばクリソタイル、リザーダイト、アンチゴライト、およびアメサイト、合成および珪藻シリカ、モンモリロナイト鉱物、例えばナトリウムモンモリロナイト、スメクタイト、例えばサポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、およびハイデライト、雲母、例えばパイロフィライト、タルク、アガルマトライト、マスコバイト、フェンジャイト、セリサイト、およびイライト、シリカ、例えばクリストバライトおよび石英、例えばアタパルジャイトおよびセピオライト;バーミキュライト、ラポナイト、軽石、ボーキサイト、水和アルミナ、パーライト、重炭酸ナトリウム、火山灰、バーミキュライト、石灰岩、天然および合成ケイ酸塩、木炭、シリカ、湿式シリカ、乾式シリカ、湿式シリカのか焼生成物、表面改質シリカ、雲母、ゼオライト、珪藻土、それらの誘導体;チョーク(Omya(登録商標))、フラー土、レス、ミラビライト、ホワイトカーボン、消石灰、合成ケイ酸、デンプン、加工デンプン(松谷化学工業株式会社から入手可能なパインフロー)、セルロース、植物担体、例えばセルロース、籾殻、小麦粉、木粉、デンプン、米糠、小麦ふすま、および大豆粉、タバコ粉、野菜粉、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニリデン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カゼインナトリウム、スクロース、芒硝、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、マレイン酸、フマル酸、およびリンゴ酸、またはそれらの誘導体および混合物を包含する。商業的に入手可能なケイ酸塩はAerosilブランド、Sipernat(登録商標)50SとしてSipernatブランド、およびCALFLO-E、およびカオリン1777である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる固体担体を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0067】
ある実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から98%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から80%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から60%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から40%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、担体は組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。
【0068】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる固化防止剤は、多糖、例えばデンプン、アルギン酸、マンノース、ガラクトース;ポリ(ビニルピロリドン)、フュームドシリカ(ホワイトカーボン)、エステルガム、石油樹脂、Foammaster(登録商標)Soap-Lステアリン酸ナトリウム、Brij(登録商標)700ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、Aerosol(登録商標)OT-Bジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、Silwet(登録商標)L-77シリコン-ポリエーテルコポリマー、酢酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、炭酸もしくは重炭酸ナトリウム、それらの塩または誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる固化防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0069】
ある実施形態に従うと、固化防止剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、固化防止剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、固化防止剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、固化防止剤はトータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。
【0070】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる抑泡剤または破泡剤は、シリカ、シロキサン、シリコンジオキシド、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリル酸アルキル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、シリコンオイル、およびステアリン酸マグネシウム、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。好ましい抑泡剤は、シリコンエマルション(例えば、例えばSilikon(登録商標)SRE、ワッカー、またはローディアからのRhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール、脂肪酸、フッ素有機化合物を包含する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の抑泡剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0071】
ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、抑泡剤はトータルの組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。
【0072】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられるpH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機または無機型の酸および塩基両方ならびにそれらの混合物を包含する。さらなる実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機酸、無機酸、およびアルカリ金属化合物、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。ある実施形態に従うと、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、および酒石酸、またはそれらの塩もしくは誘導体;ならびにこれらの酸の一、二、もしくは三塩基性塩、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。アルカリ金属化合物は、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、アルカリ金属の炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウム、ならびにアルカリ金属リン酸塩、例えばリン酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。ある実施形態に従うと、無機酸の塩は、アルカリ金属塩、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、および同類の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。pH調整剤または緩衝剤または中和剤を作り出すためには、混合物もまた用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の従来公知のpH調整剤または緩衝剤または中和剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0073】
ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、pH調整剤または緩衝剤はトータルの組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。
【0074】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる展着剤は、セルロース粉末、デキストリン、加工デンプン、架橋ポリ(ビニルピロリドン)、スチレン化合物とのマレイン酸のコポリマー、(メタ)アクリル酸コポリマー、ジカルボン酸無水物との多価アルコールからなるポリマーの半エステル、ポリスチレンスルホン酸の水可溶性塩、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の展着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0075】
ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、展着剤はトータルの組成物の0.1%から1%w/wの量で存在する。
【0076】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる付着剤は、パラフィン、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン、ワックス、ポリビニルアルキルエーテル、アルキルフェノール-ホルマリン縮合物、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、野菜油、例えば綿実、または無機油、石油蒸留物、修飾トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、合成樹脂エマルション、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の付着剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0077】
ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、付着剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0078】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる安定剤は、過酸化化合物、例えば過酸化水素および有機過酸化物、亜硝酸アルキル、例えば亜硝酸エチル、およびグリオキシル酸アルキル、例えばグリオキシル酸エチル、ゼオライト、抗酸化剤、例えばフェノール化合物、リン酸化合物、および同類;紫外吸収剤、例えばベンゾフェノン化合物、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の安定剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0079】
ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、安定剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。
【0080】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる保存料は、殺細菌剤、抗真菌剤、殺生物剤、抗微生物剤、および抗酸化剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。保存料の限定しない例は、パラベン、そのエステルおよび塩、プロピオン酸およびその塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)およびその塩、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩、無機亜硫酸塩および重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)尿素)、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)塩酸塩、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、ジクロロフェン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン酢酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシメチル尿素、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)プロパン-1,2-ジオール、Hyamine、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル(C8-C18)ジメチルベンジルアンモニウムサッカリン酸塩、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、および2Hイソチアゾール-3-オンの誘導体(いわゆるイソチアゾロン誘導体)、例えばアルキルイソチアゾロン(例えば2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、MIT;クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、CIT)、ベンゾイソチアゾロン(例えば1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、BIT、ICIからProxel(登録商標)型として商業的に入手可能)または2-メチル-4,5-トリメチレン-2H-イソチアゾール-3-オン(MTIT)、C1-C4アルキルパラヒドロキシ安息香酸、ジクロロフェン、ICIからのProxel(登録商標)またはThor-ChemieからのActicide(登録商標)RSおよびRohm&HaasからのKathon(登録商標)MK、Bacto-100、チメロサール、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸カリウム、硝酸フェニル水銀、フェニルエチルアルコール、ナトリウム、エチルパラベン、メチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルアルコール、塩化ベンゾトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、1,2-ベンゾチアゾール-3-オン、プリベントール(登録商標)(ランクセス(登録商標))、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸カリウム、ヨウ素含有有機化合物、例えば3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルエチルカーボネート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、およびパラクロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマール;ベンゾイミダゾール化合物およびベンゾチアゾール化合物、例えば2-(4-チアゾリル)ベンゾイミダゾールおよび2-チオシアノメチルチオベンゾチアゾール;トリアゾール化合物、例えば1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、およびα-(2-(4-クロロフェニル)エチル)-α-(1,1-ジメチルエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール;ならびに天然に存在する化合物、例えば4-イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)、およびボラックス、またはそれらの塩もしくは誘導体の1つ以上を包含する。抗酸化剤は、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体(例えばウロカニン酸)、4,4’-チオビス-6-t-ブチル-3-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、およびペンタエリスリチルテトラキス[3-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート;アミン抗酸化剤、例えばN,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン;ヒドロキノリン抗酸化剤、例えば2,5-ジ(t-アミル)ヒドロキノリン;リン含有抗酸化剤、例えばリン酸トリフェニル、カロテノイド、カロテン(例えばαカロテン、βカロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、およびさらなるチオ化合物(例えばチオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、それらのN-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)、およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびにスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサ、ヘプタチオニンスルホキシイミン)を非常に低い忍容ドーズ(例えばpmol/kgからpmol/kg)で、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸エステル(例えば没食子酸プロピル、オクチル、およびドデシル)、不飽和脂肪酸および誘導体、ヒドロキノンおよびその誘導体(例えばアルブチン)、ユビキノンおよびユビキノール、およびそれらの誘導体、パルミチン酸、ステアリン酸、ジパルミチン酸、酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、リン酸および硫酸アスコルビル二ナトリウム、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、イソアスコルビン酸およびその誘導体、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン、ルチン酸およびその誘導体、ルチニル二硫酸二ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、p-オクチルフェノール、モノ(ジまたはトリ)メチルベンジルフェノール、2,6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ペンタエリスリトール-テトラキス3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤチック酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、セレンおよびセレン誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびスチルベン誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)、およびそれらの混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の保存料を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0081】
ある実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から20%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から5%w/wの量で存在する。さらなる実施形態に従うと、保存料または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または抗酸化剤はトータルの組成物の0.1%から1%w/wの量で存在する。
【0082】
ある実施形態に従うと、液体組成物に用いられる構造形成剤は増粘剤、粘度調整剤、タッキファイヤ、懸濁助剤、レオロジー調整剤、または沈降防止剤の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。構造形成剤は長引く保存後の活性成分粒子の沈殿を防止する。
【0083】
ある実施形態に従うと、液体組成物に用いられる構造形成剤は、1つ以上のポリマー、例えばポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、多糖、疎水化セルロース誘導体、セルロース誘導体のコポリマー、カルボキシビニルまたはポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールおよび誘導体;粘土、例えばベントナイト粘土、カオリン、スメクタイト、アタパルジャイト、高表面積シリカによるアタクレイ、および天然ガム、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム、ビーガム、ゼラチン、コラーゲン;ポリアクリル酸およびそれらのナトリウム塩;脂肪族アルコールのポリグリコールエーテル、およびポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド縮合生成物、ならびにそれらの混合物を包含するが、これらに限定されず、エトキシル化アルキルフェノール(当分野においては、アルキルアリールポリエーテルアルコールともまた称される);エトキシル化脂肪族アルコール(またはアルキルポリエーテルアルコール);エトキシル化脂肪酸(またはポリオキシエチレン脂肪酸エステル);エトキシル化アンヒドロソルビトールエステル(またはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、塩基性溶液中において非イオン性である長鎖アミンおよび環状アミンオキシド;長鎖第三級ホスフィンオキシド;ならびに長鎖ジアルキルスルホキシド、フュームドシリカ、フュームドシリカおよびフュームド酸化アルミニウムの混合物、膨潤性ポリマー、ポリアミド、またはその誘導体;ポリオール、例えばグリセリン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、リン脂質(例えばセファリンおよび同類);スタキオース、フラクトオリゴ糖、アミロース、ペクチン、アルギン酸、ハイドロコロイド、ならびにそれらの混合物を包含する。また、セルロース、例えばヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース;デンプン、例えば酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、イオン性デンプン、長鎖アルキルデンプン、デキストリン、マルトデキストリン、コーンスターチ、アミンデンプン、リン酸デンプン、およびジアルデヒドデンプン;植物デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;他の炭水化物、例えばペクチン、デキストリン、アミロペクチン、キシラン、グリコーゲン、寒天、グルテン、アルギン酸、フィココロイド、キチン、またはそれらの誘導体である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の構造形成剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0084】
好ましい構造形成剤は、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、メチルセルロース、多糖、アルカリ土類金属ケイ酸塩、ゼラチン、およびポリビニルアルコールの1つ以上を包含する。
【0085】
ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から10%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から5%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から4%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から3%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から2%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から1%w/wの量で存在する。ある実施形態に従うと、構造形成剤は組成物の0.01%から0.1%w/wの量で存在する。
【0086】
ある実施形態に従うと、液体組成物に用いられる凍結防止剤または凝固点降下剤は、多価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、グリセロール、一価または多価アルコール、グリコールエーテル、グリコールエーテル、グリコールモノエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチル、エチル、プロピル、およびブチルエーテル、グリコールジエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチルおよびエチルジエーテル、または尿素、グリセロール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジまたはトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、またはシクロヘキサノール、炭水化物、例えばグルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、キシロース、アラビノース、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる凍結防止剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0087】
ある実施形態に従うと、液体組成物に用いられるキレートまたは錯化または封鎖剤は、ポリカルボン酸、例えばポリアクリル酸、および種々の加水分解ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸);N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、N,N,N’,N’-エチレンジアミン四酢酸、N-ヒドロキシエチル-N,N’,N’-エチレンジアミン三酢酸およびN,N,N’,N”,N”-ジエチレントリアミン五酢酸;α-ヒドロキシ酸、例えばクエン酸、酒石酸、およびグルコン酸;オルトリン酸塩、例えばリン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウム;縮合リン酸、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、およびテトラポリリン酸ナトリウム;5-スルホ-8-ヒドロキシキノリン;および3,5-ジスルホピロカテコール、ポリカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン二(o-ヒドロキシフェニル酢)酸(EDDHA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ポリエチレンアミンポリ酢酸、リグノスルホン酸、リグノスルホン酸Ca、K、Na、およびアンモニウム、フルボ酸、ウルミン酸、核酸、シクロデキストリン、フミン酸、ピロリン酸の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他のキレートまたは錯化または封鎖剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0088】
ある実施形態に従うと、液体組成物に用いられる浸透剤は、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、エステル、アミン、アルカノールアミン、アミンオキシド、第四級アンモニウム化合物、トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、モノオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ジオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、トリオレイン酸ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヘキサオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールの1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる浸透剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0089】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる紫外吸収剤は、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、ベンゾトリアゾール化合物、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;ベンゾフェノン化合物、例えば2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンおよび2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン;サリチル酸化合物、例えばサリチル酸フェニルおよびサリチル酸p-t-ブチルフェニル;2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、およびコハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、もしくは誘導体、または同類の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なる紫外吸収剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0090】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられるUV線散乱剤は二酸化チタンを包含するが、これに限定されず、または同類が用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに異なるUV線散乱剤またはそれらの混合物を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0091】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる保水剤は、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、具体的にはブロックコポリマー、例えばUniqemaから入手可能なコポリマーのSynperonic-PEシリーズまたはそれらの塩、誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。他の保水剤は、プロピレングリコール、モノエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、グリセロールおよび同類;多価アルコール化合物、例えばプロピレングリコールエーテル、それらの誘導体である。また、他の保水剤は、アロエベラゲル、アルファヒドロキシ酸、例えば乳酸、三酢酸グリセリル、ハチミツ、塩化リチウムなどを包含する。上で言及されている非イオン性界面活性剤は保水剤としてもまた作用する。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の従来公知の保水剤を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0092】
ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から90%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から70%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から60%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から50%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から30%w/wの範囲で存在する。ある実施形態に従うと、保水剤はトータルの組成物の0.1%から10%w/wの範囲で存在する。
【0093】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物に用いられる有機流体は、芳香族系および非芳香族系炭化水素、ハロゲン化芳香族系および非芳香族系炭化水素、芳香族系および非芳香族系エーテル、エステル、またはアミド、および油の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。さらなる実施形態に従うと、油は、鉱油、石油、野菜油、もしくは動物油、またはそれらの誘導体もしくは混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の油を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0094】
ある実施形態に従うと、鉱油または石油は、脂肪族系またはイソパラフィン系シリーズ、ならびに芳香族系および脂肪族系炭化水素の混合物;ハロゲン化芳香族系または脂肪族系炭化水素の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。パラフィン系の油は、直鎖または分枝のC8からC30パラフィン、例えば、例えばオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、またはそれらの混合物、ならびにより高沸点のホモログ、例えばヘプタ、オクタ、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、およびそれらの分枝鎖異性体とのそれらの混合物、無置換または置換の芳香族系または環状脂肪族系のC7からC18炭化水素化合物、例えばモノもしくはポリアルキル置換されたベンゼンまたはモノもしくはポリアルキル置換されたナフタレン、あるいはそれらのエステル交換生成物、C1からC12アルコール、例えばブタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、ドデカノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、エチレングリコールまたはプロピレングリコールの、C2からC12カルボンまたはポリカルボン酸、例えばカプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、コハク酸、およびグルタル酸によるか;または芳香族系カルボン酸、例えば安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、およびフタル酸による液体エステル、C1からC5アミン、アルキルアミン、またはアルカノールアミンのC6からC18カルボン酸による液体アミド、あるいはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。本発明の油中分散液に用いられるエステルは、酢酸ベンジル、カプロン酸エチルエステル、ペラルゴン酸エチルエステル、安息香酸メチルまたはエチルエステル、サリチル酸メチル、プロピル、またはブチルエステル、飽和の脂肪族系または脂環式C1からC12アルコールによるフタル酸のジエステル、例えばフタル酸ジメチルエステル、ジブチルエステル、ジイソオクチルエステル、あるいはC1~C3アミン、アルキルアミン、またはアルカノールアミンのC6~C18カルボン酸による液体アミド、あるいはそれらの誘導体および混合物の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の鉱または石油を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0095】
ある実施形態に従うと、野菜油は種子油の1つ以上を包含するが、これに限定されない。野菜油は、大豆油、ナタネ油、オリーブ油、ひまし油、ヒマワリ種子油、ココナッツ油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、カポック油、パパイヤ油、カメリア油、米糠油、桐油、および同類;および上の野菜油のエステル、またはそれらのエステル交換生成物、例えば大豆油メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、またはそれらの誘導体の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。動物油は、鯨油、タラ肝油、またはミンク油の1つ以上を包含するが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の野菜または動物油を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0096】
本発明者は、さらに、本発明の組成物が、分散性、懸濁性、流動性、崩壊、濡れ時間、粘度、安定性、注加性の優良な物理的特性を有し、取り扱いの容易さを提供し、かつパッケージング時におよび圃場施用中に製品を取り扱う間の材料の損失をもまた縮減するということを決定した。
【0097】
水分散性のマイクロ顆粒状の農芸化学的な組成物の分散性は、パーセント分散の尺度である。分散性は最小のパーセント分散によって計算される。分散性は、水または溶媒などの液体への追加の際に顆粒が分散する能力として定められる。CIPAC規格MT174試験に従って顆粒状組成物の分散性を決定するためには、既知量の顆粒状組成物が定められた体積の水に追加され、撹拌によって混合されて、懸濁液を形成した。短時間の静置後に、上の10分の9が抜かれ、残りの10分の1が乾燥され、重力測定的に決定される。方法は実質的に懸濁性の省略型試験であり、顆粒状組成物が水中に一様に分散した容易さを確定することにとって適当である。
【0098】
ある実施形態に従うと、固体、とりわけ水分散性の顆粒およびマイクロ顆粒の形態の農芸化学的な組成物は、ほぼ即座の分散を見せ、それゆえに活性成分を作物にとって難なく利用可能にする。
【0099】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも30%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも40%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも50%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも60%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも70%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも80%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも90%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも99%の分散性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は100%の分散性を有する。
【0100】
崩壊は、土壌の水分または水との接触をすることによって顆粒が見せる完全な分解として定められる。サンプルはCIPACハンドブック「錠剤の崩壊のためのMT197」に従って崩壊時間について試験され得る。試験を実施するためには、1つの無傷の水崩壊性顆粒が定められた体積のCIPAC標準水に追加され、錠剤の規定の崩壊時間に渡って穏やかな撹拌によって混合される。それから、懸濁液は2000μmふるいに通される。スクリーン上の残渣の不在は錠剤の完全な崩壊を指示している。
【0101】
ある実施形態に従うと、水崩壊性顆粒または散布顆粒の形態の農芸化学的な組成物は、優れた崩壊特性を見せる。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも120分である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも90分である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも70分である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも50分である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも30分である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも20分である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも10分である。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる崩壊時間は少なくとも5分である。本発明の農芸化学的な組成物はそれが難なく崩壊するような様式で製剤され得、5分未満でさえ崩壊し得るということが可能である。崩壊時間はエレクトロラボ(Electrolab)、エデュテック(Edutec)、アレンテック(Arentek)、および島津によって提供されるものなどの崩壊試験装置によって見積もられる。
【0102】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は良好な懸濁性を見せる。懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量として定められ、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。水分散性顆粒はCIPACハンドブック「MT184懸濁性試験」に従って懸濁性について試験され得る。これによると、CIPAC標準水中の組成物の既知濃度の懸濁液が調製され、一定温度で所定のメスシリンダー中に置かれ、規定の時間に渡って乱されないままであることを許された。上の9/10が抜かれ、それから、残りの1/10が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によってアッセイされ、懸濁性が計算された。
【0103】
液体懸濁液の懸濁性は、決まった高さの液柱中における所与の時間後に懸濁された活性成分の量であり、元の懸濁液中の活性成分の量のパーセンテージとして表される。液体懸濁液濃縮物の懸濁性はCIPAC-MT161に従って決定され、250mlの希釈された懸濁液を調製すること、それを定められた条件下のメスシリンダー中において静置することを許すこと、および上の10分の9を除去することによる。それから、残りの10分の1が化学的に、重力測定的に、または溶媒抽出によってアッセイされ、懸濁性が計算される。
【0104】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも30%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも40%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも50%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも60%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも70%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも80%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも90%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は少なくとも99%の懸濁性を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は100%の懸濁性を有する。
【0105】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は熱、光、温度、および固化への優れた安定性を実証する。より高温下における長期の保存においてさえも、組成物は硬い固化物を形成せず、増強された安定性を見せる。これは翻って優れた圃場性能をもたらす。さらなる実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる安定性は少なくとも3年である。さらなる実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる安定性は少なくとも2年である。さらなる実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる安定性は少なくとも1年である。さらなる実施形態に従うと、農芸化学的な組成物が見せる安定性は少なくとも6ヶ月である。
【0106】
濡れ性は、濡れ性である条件または状態であり、固体が液体によって濡らされる度合いとして定められ得、固体および液体相の間の付着力によって測定される。顆粒状組成物の濡れ性は、水和性製剤の完全な濡れの時間の決定のための手続きを記載するCIPAC規格MT53試験を用いて測定される。秤量された量の顆粒状組成物が規定の高さからビーカー中の水面に投入され、完全な濡れの時間が決定された。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒、マイクロ顆粒、および散布顆粒の形態の農芸化学的な組成物は2分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒、マイクロ顆粒、および散布顆粒の形態の農芸化学的な組成物は1分未満の濡れ性を有する。別の実施形態に従うと、水分散性顆粒、マイクロ顆粒、および散布顆粒の形態の農芸化学的な組成物は30秒未満の濡れ性を有する。
【0107】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は湿式ふるい残分試験に合格する。試験は、水中の分散液として施用される製剤中の非分散性材料の量を決定するために用いられる。液体懸濁液および水分散性顆粒の形態の農芸化学的な組成物の湿式ふるい残分値は、ふるい上に保持された材料の量を測定することのための手続きを記載するCIPAC規格MT185試験を用いることによって測定される。製剤のサンプルが水中に分散され、形成された懸濁液はふるいに移され、洗浄される。ふるい上に保持された材料の量が乾燥および秤量によって決定される。
【0108】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は10%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は7%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は5%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は2%未満の75ミクロンふるいによる湿式ふるい残分値を有する。
【0109】
ある実施形態に従うと、液体組成物の粘度はCIPAC-MT192に従って決定される。サンプルが標準的な測定系に移される。測定は異なるせん断条件下において実施され、見かけ上の粘度が決定される。試験中は、液体の温度は一定に保たれる。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約3000cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約2500cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約2000cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約1500cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約1200cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約500cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約500cps未満の25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約400cpsの25℃における粘度を有する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は約10cpsから約300cpsの25℃における粘度を有する。
【0110】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物は、加速保存条件(ATS)下における懸濁性の点で優れた安定性を実証する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はATS下における90%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はATS下における80%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はATS下における70%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はATS下における60%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はATS下における50%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はATS下における40%超の懸濁性を実証する。ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物はATS下における30%超の懸濁性を実証する。
【0111】
ある実施形態に従うと、本発明は、元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体;および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を含む、農芸化学的な組成物を調製するためのプロセスに関する。
【0112】
ある実施形態に従うと、農芸化学的な組成物を調製するためのプロセスは、さらに、栄養素、バイオスティミュラント、殺虫剤活性成分、植物成長制御剤、微生物、藻類、細菌胞子、肥料、あるいはそれらの塩もしくは錯体もしくは誘導体または混合物の少なくとも1つを包含する。
【0113】
さらなる実施形態に従うと、本発明に従う元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体は、下に略述されている通り調製され得る。簡略には、亜鉛が酸化亜鉛である錯体形成技術の1つには、ステアリン酸亜鉛、酢酸亜鉛などの促進剤または可塑剤の1つ以上の存在下において1モルの酸化亜鉛を2モルのオイゲノールに反応させることが関わり;酸化亜鉛対オイゲノールの比は19:79である。代替的には、プロセスは44:55という酸化亜鉛対オイゲノールの比を保つことによって変えられ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに他の技術を利用することが可能であるということを了解するであろう。
【0114】
さらなる実施形態に従うと、本発明は農芸化学的な組成物を調製するためのプロセスに関し、組成物はサスポエマルション、水系エマルション、油中分散液または懸濁液、水分散性の顆粒、散布顆粒、水崩壊性の顆粒、マイクロ顆粒、液体懸濁液、水系懸濁液、懸濁液濃縮物、水和性粉末、乳化可能な濃縮物、および種子ドレッシングまたは種子処理のためのエマルション、ならびにそれらの組み合わせの形態である。
【0115】
本発明が関係する製剤の性質に依存して、本発明の農芸化学的な組成物は種々の手段によって作られる。
【0116】
別の実施形態に従うと、本発明は、水分散性顆粒、散布顆粒、水崩壊性顆粒、マイクロ顆粒、水和性粉末の形態の固体の農芸化学的な組成物を調製するためのプロセスに関する。
【0117】
別の実施形態に従うと、水分散性顆粒、散布顆粒、水崩壊性顆粒、マイクロ顆粒の形態の農芸化学的な組成物は、種々の技術、例えば噴霧乾燥、流動層造粒、パン造粒、押出成形、フリーズドライなどによって作られる。
【0118】
ある実施形態に従うと、水分散性の顆粒状またはマイクロ顆粒状組成物を調製するプロセスには、元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体のブレンドを;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共にミリングして、スラリーまたはウェットミックスを得ることが関わる。それから、得られたウェットミックスは例えば噴霧乾燥機、流動層乾燥機、またはいずれかの好適な造粒装置によって乾燥され、要求される場合には、次にふるい分けをされて、アンダーサイズのおよびオーバーサイズの顆粒を除去して、所望のサイズの水分散性の顆粒またはマイクロ顆粒を得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、プロセスまたはプロセスパラメータを改変または修正または変更して、水分散性の顆粒状またはマイクロ顆粒状組成物を得ることが可能であるということを了解するであろう。
【0119】
別の実施形態に従うと、水分散性顆粒またはマイクロ顆粒の形態の農芸化学的な組成物は、元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体;および少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤を、空気粉砕機またはジェットミルによって乾式ミリングして、0.1から50ミクロンの範囲の所望の粒子サイズを得ることによってもまた作られる。水が乾燥粉末に追加され、混合物がブレンドされてドウまたはペーストを得る。それから、これが押出機から押出成形されて所望のサイズの顆粒を得る。顆粒は低温メルト押出成形によってもまた形成され得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、プロセスまたはプロセスパラメータを改変または修正または変更して、水分散性の顆粒状またはマイクロ顆粒状組成物を得ることが可能であるということを了解するであろう。
【0120】
ある実施形態に従うと、水和性粉末組成物を調製するプロセスには、元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体のブレンドを;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共にミリングして、所望の粒子サイズを有する水和性粉末組成物を得ることが関わる。さらに、散布顆粒、水崩壊性顆粒は、種々のプロセス、例えばペレット化、圧縮、凝集、または当分野において公知の他の技術によって作られ得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、プロセスまたはプロセスパラメータを改変または修正または変更して、水和性粉末、散布顆粒状、水崩壊性顆粒状組成物を得ることが可能であるということを了解するであろう。
【0121】
別の実施形態に従うと、本発明は、液体の農芸化学的な組成物を、サスポエマルション、水系エマルション、油中分散液または懸濁液、液体懸濁液、水系懸濁液、懸濁液濃縮物、乳化可能な濃縮物、および種子ドレッシングまたは種子処理のためのエマルション、ならびにそれらの組み合わせの形態で調製するためのプロセスに関する。
【0122】
ある実施形態に従うと、液体懸濁液、水系懸濁液、懸濁液濃縮物を調製するプロセスには、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることによる賦形剤の1つ以上のホモジナイゼーションが関わる。元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体が、ホモジナイゼーションされたブレンドに追加され、トータルの混合物が均質になるまで約5から10分に渡って連続的に撹拌される。その後に、得られた懸濁液は湿式ミルに通されて、0.1から50ミクロンの範囲の所望の粒子サイズを得る。それから、要求される数量の構造形成剤が、連続的なホモジナイゼーション下において得られた懸濁液に追加される。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、プロセスまたはプロセスパラメータを改変または修正または変更して、液体懸濁液、水系懸濁液、懸濁液濃縮物組成物を得ることが可能であるということを了解するであろう。
【0123】
所望のサイズのサスポエマルション組成物を得るために、液体懸濁液、水系懸濁液、懸濁液濃縮物組成物は、少なくとも1つの肥料、栄養素、殺虫剤活性成分、バイオスティミュラント、植物成長制御剤、藻類、微生物、細菌胞子、それらの塩、誘導体、錯体、または混合物を含有する水系エマルションと、少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤の存在下においてさらに混合され得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、プロセスまたはプロセスパラメータを改変または修正または変更して、サスポエマルション組成物を得ることが可能であるということを了解するであろう。
【0124】
ある実施形態に従うと、本発明のゲル組成物は、より多くの量の粘度調整剤を懸濁液濃縮物組成物に追加することによって調製される。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、プロセスまたはプロセスパラメータを改変または修正または変更して、ゲル組成物を得ることが可能であるということを了解するであろう。
【0125】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、油中分散液の形態の農芸化学的な組成物の調製のプロセスに関する。プロセスには、油、元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体;乳化剤または界面活性剤の1つ以上、および任意に1つ以上の他の農芸化学的な賦形剤、例えばレオロジー調整剤を、高せん断下において混合することが関わり、それによってサンプルを所望の粒子サイズまで粉砕して油中分散液組成物を得る。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなしに、プロセスまたはプロセスパラメータを改変または修正または変更して、油中分散液組成物を得ることが可能であるということを了解するであろう。
【0126】
ある実施形態に従うと、本発明の組成物は殺虫剤組成物、栄養素組成物、作物活性化剤組成物、作物保護、収量増強剤組成物、殺真菌剤組成物、殺細菌剤組成物、および肥料組成物の少なくとも1つである。
【0127】
ある実施形態に従うと、本発明は、さらに、作物を保護するか、作物の健康および成長を改善するか、作物収量を増強するか、植物を活性化するか、作物の防御を増大させるか、作物を生物的および非生物的ストレスから保護するか、または土壌を改良する方法に関し;方法は、種子、苗、作物、植物、植物増殖材料、場所、それらの一部、または周囲の土壌の少なくとも1つを、元素状亜鉛またはその塩またはその誘導体の少なくとも1つとオイゲノールまたはその原料の少なくとも1つとによって形成される錯体を;少なくとも1つの農芸化学的な賦形剤と共に包含する有効量の農芸化学的な組成物によって処理することを含む。
【0128】
組成物は種々の方法によって施用される。土壌に施用する方法は、組成物が土壌に浸透することを保証するいずれかの好適な方法、例えば、育苗トレイ施用、溝施用、土壌灌注、土壌注入、点滴灌漑、スプリンクラー灌漑、種子処理、種子塗布、およびかかる他の方法を包含する。組成物は葉面噴霧剤の形態でもまた施用される。
【0129】
組成物の施用速度および用量は、使用の型、作物の型、または組成物中の特定の活性成分に依存するが、農芸化学的な活性成分が所望の作用を提供するための有効量であるようにする。
【0130】
ある実施形態に従うと、本発明の組成物は、植物病原体、例えば細菌、真菌、線虫、原生生物、ウイルス、および害虫、例えば昆虫、ダニ、および同類の成長をコントロールすることに有効である。
【実施例】
【0131】
[A.調製例]
次の実施例は本発明の組成物の基本的な方法論および多用途性を例証している。調製例においては、亜鉛、オイゲノールの原料が例示されており、亜鉛、オイゲノールのいずれかの他の原料によって置き換えられ得る。本発明はこれらの例示に限定されず、構成成分の総体的な請求される濃度範囲に合わせて拡張され得ることは指摘されるべきである。
【0132】
A.亜鉛およびオイゲノールを含有する錯体の固体の農芸化学的な組成物
【0133】
実施例1:酸化亜鉛およびオイゲノールを用いて形成される40%錯体を含む水分散性の顆粒状組成物:40部の錯体、30部のナフタレンスルホン酸縮合物、20部のリグノスルホン酸ナトリウム、10部のカオリンをブレンドしてブレンドを得ることによって、水分散性の顆粒状組成物を調製した。得られたブレンドをミリングして50ミクロンの粒子サイズ未満の粉末を手に入れた。粉末を好適な混合装置によって水と混合してスラリーまたはウェットミックスを形成した。
【0134】
得られたスラリーを好適な湿式粉砕装置によって湿式粉砕した。得られた湿式ミリングされたスラリーを140℃未満の入口温度および90℃未満の出口温度で噴霧乾燥して、顆粒状粉末を手に入れた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:2.5ミクロン未満のD10;6.5ミクロン未満のD50、および18.1ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~2.5mmの範囲であった。組成物は70%の分散性、75%の懸濁性、1.5%の湿式ふるい残分値、28sec未満の濡れ性を有した。組成物は、さらに、加速保存条件下において約69%の懸濁性を実証した。
【0135】
実施例2:酸化亜鉛およびクローブ油を用いて形成される80%錯体を含むマイクロ顆粒状組成物:この組成物は実施例1と類似に調製し、80部の錯体、11部のナフタレンスルホン酸、6部のデンプン、および3部のシリカを用いた。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:1.8ミクロン未満のD10;5.2ミクロン未満のD50、および16.5ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~1.5mmの範囲であった。組成物は96%の分散性、91%の懸濁性、0.3%の湿式ふるい残分値、および40sec未満の濡れ性を有した。組成物は、さらに、加速保存条件下において約85%の懸濁性を実証した。
【0136】
実施例3:炭酸亜鉛およびクローブ、シナモン油の組み合わせを用いて形成される65%錯体の散布顆粒状組成物:この組成物は、65部の錯体、12部のナトリウムナフタレンホルムアルデヒド縮合物、10部のカオリン、13部の架橋カルボキシメチルセルロースを用いて調製した。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:3.5ミクロン未満のD10;6.8ミクロン未満のD50、および20ミクロン未満のD90。組成物の顆粒サイズは0.1~5mmの範囲であった。組成物は10分の崩壊時間、45sec未満の濡れ性を有した。
【0137】
B.亜鉛およびオイゲノールを含有する錯体の液体の農芸化学的な組成物
【0138】
実施例4:酸化亜鉛およびオイゲノールを用いて形成される50%錯体の液体懸濁液組成物:50部の錯体、6部のナフタレンスルホン酸縮合物、5部のプロピレングリコール、37部の水を混合することによって液体懸濁液組成物を調製し、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることによって、トータルの混合物が均質であるまでホモジナイゼーションした。その後に、得られた懸濁液を湿式ミルに通して、0.1から50ミクロンの粒子サイズを有する懸濁液を得た。それから、2部のアラビアガム(3%)を連続的なホモジナイゼーション下において追加して、懸濁液濃縮物を得た。組成物は約2ミクロン未満のD10;3.8ミクロン未満のD50、および8.5ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約80%の懸濁性、約850cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約75%の懸濁性を有した。
【0139】
実施例5:元素状亜鉛およびクローブ油を用いて形成される25%錯体の液体懸濁液組成物:この組成物は実施例6と類似に調製し、25部の錯体、16部のナフタレンスルホン酸縮合物、5部のモノラウリン酸グリセロール、14部のポリエチレングリコール、4部のアラビアガムの3%溶液、および36部の水を用いた。組成物は約3.0ミクロン未満のD10;4.8ミクロン未満のD50、および10ミクロン未満のD90という粒子サイズ分布を有した。サンプルは約96%の懸濁性、約480cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約92%の懸濁性を有した。
【0140】
実施例6:炭酸亜鉛およびクローブ油、ペッパーオイルの組み合わせを用いて形成される40%錯体のサスポエマルション組成物:40部の錯体、4部のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、2部のポリカルボン酸のナトリウム塩、2部のパーライト、および30部の水を用いて、液体懸濁液組成物を調製した。前記の組成物を、7%石油系溶媒中の15%ピラクロストロビンを用いることによって調製された乳化可能な濃縮物組成物とブレンドして、サスポエマルション製剤を得た。組成物は次の粒子サイズ分布を有した:2.0ミクロン未満のD10;5ミクロン未満のD50、および12ミクロン未満のD90。サンプルは約91%の懸濁性、約600cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約86%の懸濁性を有した。
【0141】
実施例7:酸化亜鉛およびオイゲノールを用いて形成される10%錯体の油中分散液組成物:82部のダイズ油脂肪酸メチル、1%シリカを80~85℃において加熱することによって、油中分散液組成物を得た。もたらされた混合物を冷却し、10部の錯体、6部のEO/POブロックコポリマーとブレンドし、撹拌機能を備えたベッセルにそれらをフィードすることによって、トータルの混合物が均質であるまでホモジナイゼーションした。その後に、得られた懸濁液を湿式ミルに2回通した。それから、1部のシリカを連続的なホモジナイゼーション下において追加して、35ミクロン未満の粒子サイズを有する油中分散液組成物を得た。サンプルは約76%の懸濁性、約800cpsの粘度を有した。組成物は加速保存条件下において約71%の懸濁性を有した。
【0142】
[圃場研究]
本発明の実施形態に従う錯体の農芸化学的な組成物の効果を研究する:
【0143】
実験No.1:組成物の異なる濃度において、根腐病を引き起こすリゾクトニアspp.、萎凋病を引き起こすフザリウム・オキシスポラム、カラーロット病を引き起こすアスペルギルス・ニガー、炭疽病を引き起こすコレトトリカムspp.、白絹病を引き起こすスクレロティウム・ロルフシイなどの種々の真菌病原体の株に対する本発明の組成物の効力の評価のために、ラボ試験(インビボ抗真菌試験)を実行した。
【0144】
下で言及されている本発明の組成物による処理(T1およびT2)を、「寒天プレートアッセイ法」によって、それぞれ1000ppm、2000ppm、および5000ppmの濃度で、上で言及されている真菌病原体に対してスクリーニングした。真菌病原体の平均コロニー直径の観察を記録し、菌糸体成長の%阻害の形態で表1に提示した。
【0145】
【0146】
本発明の実施形態に従う処理T1およびT2は病原体リゾクトニアspp.をコントロールするための有効な処理に見えるということが指摘された。
【0147】
表1からは、1000ppmの活性成分濃度における本発明の実施形態に従うT1およびT2による%成長コントロールはそれぞれ約60.7%および53.7%であったが、2000ppm、5000ppmの濃度では、それは両方の処理について約100%であったということが分かる。それゆえに、水分散性顆粒および懸濁液濃縮物の形態の錯体の組成物は、試験された真菌に対して2000ppmおよび5000ppmの用量で優良な効果を例証している。さらに、活性成分錯体の1000から5000ppmまで試験されるときに、本発明の組成物T1、T2は漸増的な効力を示すということが観察された。
【0148】
類似に、表1から分かる通り、本発明の組成物は、他の試験された真菌をコントロールすることに効力あることが見いだされた。
【0149】
実験No.2:レモンのカンキツかいよう病(細菌性の病気)に対する本発明の錯体の組成物の効果を評価する。
【0150】
マハーラーシュトラ州アコラにおいて、レモンのカンキツかいよう病に対する水分散性の顆粒および懸濁液濃縮物の形態の本発明の農芸化学的な組成物の効力の評価をした。
【0151】
圃場実験方法論:
試験は、無処理のコントロールを包含する下に記載されている処理について、乱塊法(RBD)によってカリフ季に計画し、3回反復した。
【0152】
例1:本発明の実施形態に従う錯体の25%SC組成物;
【0153】
例2:本発明の実施形態に従う錯体の40%WDG組成物
【0154】
各処理について、3つの植物をタグ付けし、3回反復した。2つの噴霧間に15日のインターバルで、下で言及されている処理詳細に従う処理を葉面噴霧剤として2回施用した。第1の噴霧は植物の葉および果実における病気の初期症状の発生の直後に始めた。各区画/植物における処理の施用のすぐ前に、ランダムに選択された20個の感染した葉および果実をタグ付けおよび標識した。
【0155】
[実験の詳細]
a)試験場:アコラ(マハーラーシュトラ州)
b)作物:カンキツ
c)実験季節:2018~19年ラビ(7月から10月)
d)試験設計:乱塊法
e)反復:3
f)処理:7
g)植物数/処理:3
h)施用日:1st=29.07.2018;2nd=14.08.2018
j)施用の方法:植物あたり5Lの水を用いる葉面噴霧
【0156】
葉および果実両方の病気の進行を、第2の噴霧の20日後に0~5格付けスケールを用いて記録し、無処理区画と比べて計算されたパーセントの病気のコントロールを表2に提示している。果実収量データをもまた各収穫から記録し、各区画からのトータルの収量を表2に提示した。パーセントの病気のコントロールを次式を用いて計算した。
【0157】
病気のコントロール(%)=[コントロールの植物の枯死率-処理された植物の枯死率)/コントロールの植物の枯死率]×100
【0158】
【0159】
表2に表されているデータからは、無処理のコントロールと比較されるときに、本発明の実施形態に従う処理T3はそれぞれ葉および果実において80.4%および63.1%の病気のコントロールを示すということが観察された。類似に、無処理のコントロールと比較されるときに、本発明の実施形態に従う処理T6はそれぞれ葉および果実において88.3%および69.4%の病気のコントロールを示し、それゆえに、細菌性の病気をコントロールする点で本発明の組成物の高度に効力ある性質を例証する。
【0160】
%の病気のコントロールは、水のリットルあたり2グラムの活性成分の用量において優れており(T3およびT6から分かる通り)、次に、水のリットルあたり1グラムの活性成分の用量における%の病気のコントロールであった(T2およびT5から分かる通り)。
【0161】
さらに、レモン作物では、無処理のコントロールと比較して、水分散性顆粒および懸濁液濃縮物の形態の異なる濃度の本発明の組成物は有意に高い収量を現すということもまた注目された。例えば、本発明の実施形態に従うT1~T6は約17.9kg/植物から22.3kg/植物の範囲の果実収量を現したが、処理T7(無処理)では、果実収量は15.3kg/植物であった。
【0162】
それゆえに、本発明の組成物は、圃場において増強された効力あるかつ優れた結果を実証することが観察された。
【0163】
さらに、本発明の組成物への他の栄養素、殺虫剤、バイオスティミュラント、植物成長制御剤、微生物、藻類、細菌胞子、肥料の追加は、殺虫剤活性を改善すること以外に、作物の特徴、作物収量をさらに増強し得、作物の栄養価を増し得ることが観察された。
【0164】
本発明は、良好な植物成長、生物的および非生物的ストレス管理などの作物の品質を改善する、植物による栄養素取り込みを支持する、根および新芽成長を管理する、分枝、開花を増大させる、落花および落果などを防止するために、ならびに当業者に熟知される他の利点のためにもまた用いられ得る。それゆえに、無処理のコントロールと比較して、本発明の組成物は、収量などの作物の定量的特徴のみならず、定性的パラメータ、例えば分げつ数、穂長などをもまた改善することを助けるということが指摘された。
【0165】
また、本発明の組成物は農業的な組成物の他の施用方法に加えて点滴灌漑またはスプリンクラー灌漑にとっても好適である。組成物はユーザーおよび環境にとって高度に安全である。
【0166】
上述から、本発明の新規概念の真の趣旨および範囲から逸脱することなしに、数々の改変および変形が成し遂げられ得ることに気づかれるであろう。例証された特定の実施形態についての限定は意図されていないということは理解されるはずであるか、または推量されるはずである。