(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】飲料成分容器
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20230707BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20230707BHJP
A47J 31/40 20060101ALI20230707BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20230707BHJP
B67D 1/08 20060101ALN20230707BHJP
【FI】
A47J31/44 510
A47J31/06 210
A47J31/40 107
B65D33/00 A
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2021532534
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2019000928
(87)【国際公開番号】W WO2020035737
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-04-15
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521069973
【氏名又は名称】ラバッツァ プロフェッショナル ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】ノウルズ、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ホブデン、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイ、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ダイキエル、マチーユ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-533757(JP,A)
【文献】特開2015-006604(JP,A)
【文献】特開2012-035119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0236609(US,A1)
【文献】登録実用新案第3203550(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
B65D 33/00-33/38
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料分配装置による飲料の調製に使用される飲料成分容器であって、
前記容器は、
裏面および該裏面の反対側の前面と、
前記容器の前記裏面上の第1の光学コードと、
前記容器の前記前面上の第2の光学コードと、
を含み、
前記容器は、前記容器の前記裏面が前記飲料分配装置の光学スキャナーに面し、前記容器の前面が前記飲料分配装置の前記光学スキャナーに面しない第1の向き、または前記容器の前記前面が前記光学スキャナーに面し、前記容器の前記裏面が前記飲料分配装置の前記光学スキャナーに面しない第2の向きのいずれかで、前記飲料分配装置のホルダー内で収容されるように構成され、
前記第1の光学コードは、前記容器が前記第1の向きにあるときに前記飲料分配装置の前記光学スキャナーによって読み取られるように前記裏面上に配置され、
前記第2の光学コードは、前記容器が前記第2の向きにあるときに前記飲料分配装置の前記光学スキャナーによって読み取られるように前記前面上に配置され、
前記第1の光学コードおよび前記第2の光学コードはそれぞれ、前記飲料分配装置の前記光学スキャナーによって読み取られると、前記飲料分配装置によって飲料調製を制御するために使用され得る容器識別子を含む容器関連情報を格納し、
前記第2の光学コードは、前記第1の光学コードとは異なる、飲料成分容器。
【請求項2】
前記第1の光学コードおよび前記第2の光学コードのうちの少なくとも1つは、前記容器識別子に加えて、追加の容器関連情報を格納する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第1の光学コードは、前記第2の光学コードよりも多くの容器関連情報を格納する、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記
裏面上の前記第1の光学コードによって占められる表面積が、前記
前面上の前記第2の光学コードによって占められる表面積よりも大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記第1の光学コードは、第1のバーコードの形態であり、前記第2の光学コードは、前記第1のバーコードとは異なる第2のバーコードの形態である、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記容器関連情報は、UPC-Aバーコード標準に従って前記第1のバーコードに符号化され、前記容器関連情報は、Code-2of5バーコード標準に従って前記第2のバーコードに符号化される、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
飲料を調製するための装置であって、
前記装置は、飲料調製装置と、請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料成分容器と、を含み、前記飲料調製装置は、
前記容器を受け取るためのホルダーと、
前記容器が第1の向きで前記ホルダーに収容された場合に前記第1の光学コードに格納された前記容器関連情報を読み取るとともに、前記容器が第2の向きで前記ホルダーに収容された場合に前記第2の光学コードに格納された前記容器関連情報を読み取るように構成された光学スキャナーと、
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に含まれる前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御するように構成されたコントローラと、
を含む、装置。
【請求項8】
前記コントローラが、少なくとも部分的に前記容器識別子に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することによって、飲料調製を制御するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラが、前記容器識別子および追加の容器関連情報に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することによって、飲料調製を制御するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれているかどうかを決定し、そして前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていないと決定された場合、前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得する一方で、前記光学スキャナーで読み取った前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていると決定された場合、前記光学スキャナーで読み取った前記容器関連情報から前記追加の容器関連情報を取得することによって、前記追加の容器関連情報を取得するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得することが、前記容器識別子に対応するデータベースのエントリから前記追加の容器関連情報を取得することを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は、前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを使用して前記容器から前記飲料を調製するように構成される、請求項8-11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、電子ディスプレイを含むユーザーインターフェースであって、前記装置のユーザーによる入力を受信するように構成される、ユーザーインターフェースをさらに含み、
前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットは、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを含み、
前記コントローラは、前記電子ディスプレイ上に前記ユーザーに前記容器について定められた前記代替飲料製造パラメータを表示するとともに、前記ユーザーインターフェースが、前記電子ディスプレイ上に表示される前記代替飲料製造パラメータの1つの選択に対応する入力を受信した場合、選択された前記飲料製造パラメータを使用して前記容器から飲料を調製するように構成される、請求項8-11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
容器の裏面に配置された第1の光学コードと、前記容器の前面に配置された第2の光学コードと、を含む飲料成分容器から飲料を調製するのに適した飲料分配装置を操作する方法であって、
前記第1の光学コードおよび前記第2の光学コードは、互いに異なり、かつそれぞれ、容器識別子を含む容器関連情報を格納しており、
前記容器の前記裏面上の前記第1の光学コードが前記飲料分配装置の光学スキャナーに面する第1の向き、または前記容器の前記前面上の前記第2の光学コードが前記光学スキャナーに面する第2の向きのいずれかで、前記飲料分配装置のホルダー内に前記容器を受け取ることと、
前記容器が前記第1の向きまたは前記第2の向きのどちらで前記ホルダーによって受け取られるかに応じて、前記第1の光学コードまたは前記第2の光学コードのいずれかに格納された前記容器関連情報を前記光学スキャナーによって読み取ることと、
前記飲料分配装置のコントローラにより、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に含まれる前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御することは、少なくとも部分的に前記容器識別子に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御することは、少なくとも部分的に前記容器識別子および追加の容器関連情報に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれているかどうかを決定し、
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていないと決定された場合、前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得する一方で、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていると決定された場合、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報から前記追加の容器関連情報を取得することによって、前記追加の容器関連情報を取得することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得することは、前記容器識別子に対応するデータベースのエントリから前記追加の容器関連情報を取得することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを使用して前記容器から前記飲料を調製する飲料分配装置をさらに含む、請求項15-18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットが、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを含み、前記方法は、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを、前記飲料分配装置のユーザーに電子ディスプレイ上に表示することと、前記電子ディスプレイに表示される代替飲料製造パラメータの1つの選択に対応するユーザー入力を受信することと、選択された前記飲料製造パラメータを使用して、前記容器から前記飲料を調製することと、をさらに含む、請求項15-18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
容器から飲料を調製するための装置であって、
前記容器は、第1の表面上の第1の光学コード
と、前記容器の第2の表面上の第2の光学コードと、を含み、前記第1の光学コードは、容器識別子を含み、前記装置は、
前記容器の前記第1の表面
が飲料分配装置の光学スキャナーに面する
第1の向きで前記容器を受け入れるためのホルダーと、
前記容器が前記第1の向きで前記ホルダーによって受け取られた場合に、前記第1の光学コードに格納された容器関連情報を読み取るように構成された光学スキャナーと、
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に含まれる前記容器識別子に基づいて飲料の調製を制御し;
少なくとも部分的に前記容器識別子および追加の容器関連情報に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定し;
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に前記追加の容器関連情報が含まれているかどうかを決定し;
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に前記追加の容器関連情報が含まれていないと決定された場合、前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得する一方で、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に前記追加の容器関連情報が含まれていると決定された場合、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報から前記追加の容器関連情報を取得する
ように構成されたコントローラと、
を含む、装置。
【請求項22】
容器の第1の表面に配置された第1の光学コード
と、前記容器の第2の表面に配置された第2の光学コードと、を含む飲料成分容器から飲料を調製するのに適した飲料分配装置を操作する方法であって、
前記第1の光学コードが容器識別子を含む容器関連情報を格納し、
前記第1の光学コードが前記飲料分配装置の光学スキャナーに面する第1の向きで、前記飲料分配装置のホルダーに容器を受け取ることと、
前記容器が前記第1の向きで前記ホルダーによって受け取られたかどうかに応じて、前記第1の光学コードに格納された前記容器関連情報を前記光学スキャナーによって読み取ることと、
前記飲料分配装置のコントローラにより、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に含まれる前記容器識別子に基づいて飲料の調製を制御すること
を含み、
前記制御することは、
少なくとも部分的に前記容器識別子および追加の容器関連情報に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定すること;
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に前記追加の容器関連情報が含まれているかどうかを決定すること;
前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に前記追加の容器関連情報が含まれていないと決定された場合、前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得する一方で、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に前記追加の容器関連情報が含まれていると決定された場合、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報から前記追加の容器関連情報を取得すること
をさらに含む、方法。
【請求項23】
前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得することが、前記容器識別子に対応するデータベースのエントリから前記追加の容器関連情報を取得することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記飲料分配装置が、前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを用いて、前記容器から前記飲料を調製することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットは、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを含み、
前記方法は
、電子ディスプレイ上に前記飲料分配装置のユーザーに前記容器について定められた前記代替飲料製造パラメータを表示し、前記電子ディスプレイ上に表示された前記代替飲料製造パラメータの1つの選択に対応するユーザー入力を受信し、前記選択された飲料製造パラメータを用いて前記容器から前記飲料を調製することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記容器識別子に基づいて前記異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得するために、前記コントローラが、前
記容器識別子に対応するデータベースのエントリから前記追加の容器関連情報を取得するように構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記飲料分配装置が、前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを用いて、前記容器から前記飲料を調製するように構成されている、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットは、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを含み、
前記コントローラは、電子ディスプレイ上に前記飲料分配装置のユーザーに前記容器について定められた前記代替飲料製造パラメータを表示し、前記電子ディスプレイ上に表示された前記代替飲料製造パラメータの1つの選択に対応するユーザー入力を受信し、前記選択された飲料製造パラメータを用いて前記容器から前記飲料を調製するようにさらに構成されている、請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連アプリケーションへの相互参照
本出願は、2018年8月17日に出願された英国特許出願第1813477.5号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の技術は、飲料成分容器、飲料分配装置、およびそのような装置を操作する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
飲料成分容器は、コーヒーまたは茶などの飲料を調製するための飲料分配装置で使用されることが知られている。飲料成分容器は、典型的には、飲料製造成分を含み、飲料分配装置のホルダーに挿入されるように形作られている。次に、飲料分配装置は、容器に水を注入して、飲料成分を溶解するか、または水を注入して、飲料を形成する。飲料は、適切な出口を通って容器から流出する。これは、単に容器の開口部またはミシン目であり得る。容器は、挽いたコーヒーなどの固形成分が容器から出て行くのを防ぐためにフィルターを組み込むことができる。
【0004】
飲料分配装置は、多くの場合、広範囲の飲料タイプに対応する様々な異なる容器(容器タイプ)を受け入れるように構成され、ユーザーは、ホルダーの中に所望の飲料を挿入することによって、所望の飲料の調製に使用される容器を選択する。異なる飲料タイプは、しばしば異なる方法で調製する必要があり、飲料分配装置は、容器を通る水の量、水の流量、容器内の水滞留時間および水温などの異なる飲料製造パラメータのセットを使用してこれを行うことができる。
【0005】
典型的な飲料分配装置では、ユーザーが、ホルダーに挿入された、または挿入される予定の容器(または飲料タイプ)を飲料分配装置に通知しなければならないユーザーインターフェースが提供される。次に、ユーザーは、飲料の調製に使用するための1つまたは複数の飲料製造パラメータを選択する必要がある。
【0006】
改善された飲料成分容器および飲料分配装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に記載の技術の一態様によれば、飲料分配装置による飲料の調製に使用される飲料成分容器が提供される。前記容器は、前記容器の第1の表面が前記飲料分配装置の光学スキャナーに面する第1の向き、または前記容器の第2の表面が前記光学スキャナーに面する第2の向きのいずれかで、前記飲料分配装置のホルダー内で収容可能であり、前記容器は、前記容器の前記第1の表面上の第1の光学コードであって、前記容器が前記第1の向きにあるときに前記飲料分配装置の前記光学スキャナーによって読み取られるように第1の光学コードが前記第1の表面上に配置される、第1の光学コード、および前記容器の第2の表面上の第2の光学コードであって、前記容器が前記第2の向きにあるときに前記飲料分配装置の前記光学スキャナーによって読み取られるように前記第2の光学コードが前記第2の表面上に配置される、第2の光学コード
を含み、前記第1の光学コードおよび前記第2の光学コードはそれぞれ、前記飲料分配装置の前記光学スキャナーによって読み取られると、前記飲料分配装置によって飲料調製を制御するために使用され得る容器識別子を含む容器関連情報を格納する。
【0008】
このようにして、容器タイプは、飲料分配装置によって自動的に識別され得、装置は、識別された容器が関連する特定の飲料タイプに応じて、飲料が調製される方法に自動的に影響を与えることができる。例えば、容器タイプを識別した後、飲料分配装置のユーザーインターフェースを使用して、飲料タイプをその要件に送達する方法について消費者を案内することができる。
【0009】
容器識別子が容器の2つの異なる方向に対して読み取り可能であるように、容器の2つの表面に光学コードを提供することにより、容器が装置のホルダー内でどちらの向きに向けられても、装置が上記のように動作できることが保証されて、ユーザーの使いやすさが向上する。すなわち、本明細書に記載の技術により、ユーザーは、飲料分配装置が依然として上記の方法で飲料調製を制御できることを保証しながら、容器を飲料分配装置のホルダーに複数の向きで挿入することができる。
【0010】
さらに、本明細書に記載の技術は、ユーザーが、ホルダーに挿入された、または挿入される予定の容器タイプを飲料分配装置に通知する必要をなくし、それによって、単純化されたユーザーインターフェースを提供する。
【0011】
さらに、容器識別子は、飲料分配装置が、容器が複数容器の飲料を調製するために使用される順序を監視または追跡することを可能にする。例えば、飲料分配装置は、容器(複数容器の飲料調製プロセスの後半で使用されるべきである)が飲料分配装置に時期尚早に挿入されたことを検出すると、誤った容器が使用されたことをユーザーに示すことができる。
【0012】
飲料成分容器は、前面シートおよび裏面シートを含み得る。前面シートおよび裏面シートは、(少なくとも部分的に)液体および空気不透過性のシート材料から形成することができる。前面シートおよび裏面シートは、それらの上端と側面の縁の周りで恒久的に結合されて、小袋またはポーチを形成することができる。前面シートと裏面シートは、容器の下端に沿って解放可能に結合することもできる。容器の下端に沿った結合は、容器内の熱または圧力の影響下で解放可能である可能性がある。容器の下端に沿った結合は、感圧接着剤によるものであり得る。容器は、前面シートおよび裏面シートの内壁に結合された(例えば、その上に飲料成分を支持するのに適した)フィルター材料の折り畳まれたウェブを含み得る。容器は、管状の穴を有するノズルを含み得る。ノズルは、小袋の上端に挿入され、前面シートおよび裏面シートに気密に接着され得る。
【0013】
光学スキャナーは、走査されている光学コードの画像をキャプチャするように構成され得る。光学スキャナーは、キャプチャされた画像を処理して、光学コード内に符号化された情報を抽出するように構成され得る。これは、キャプチャされた画像を複数のデジタル値に変換し、複数のデジタル値をデコードして、光学コード内に符号化されたた情報(例えば、容器識別子)を抽出することによって行うことができる。
【0014】
前記第1の光学コードおよび前記第2の光学コードのうちの少なくとも1つは、前記容器識別子に加えて、追加の容器関連情報を格納し得る。
【0015】
追加の容器関連情報は、以下のうちの1つまたは複数を含み得る:容器識別子に関連付けられた飲料タイプの識別子;容器内に貯蔵された飲料成分の重量の表示、容器の形状の表示;容器と互換性のある噴射ノズルの識別子。
【0016】
前記第1の光学コードは、前記第2の光学コードよりも多くの容器関連情報を格納し得る。
【0017】
前記第1の表面上の前記第1の光学コードによって占められる表面積が、前記第2の表面上の前記第2の光学コードによって占められる表面積よりも大きくてもよい。
【0018】
第1の表面は、容器の裏面であってもよく、第2の表面は、容器の前面であってもよい。このようにして、容器の前面のより大きな表面積を、マーケティング材およびブランディングに使用することができる。
【0019】
前記第1の光学コードは、前記第1のバーコードの形態であり得る。前記第2の光学コードは、前記第1のバーコードとは異なる第2のバーコードの形態であり得る。
【0020】
前記容器関連情報は、UPC-Aバーコード標準に従って前記第1のバーコードに符号化され得る。前記容器関連情報は、Code-2of5バーコード標準に従って前記第2のバーコードに符号化され得る。
【0021】
本明細書に記載の技術のさらなる態様によれば、前述のいずれかの請求項に記載の容器から飲料を調製するための装置であって、前記容器を受け取るためのホルダーと、前記容器が第1の向きで前記ホルダーに収容された場合に前記第1の光学コードに格納された前記容器関連情報を読み取るとともに、前記容器が第2の向きで前記ホルダーに収容された場合に前記第2の光学コードに格納された前記容器関連情報を読み取るように構成された光学スキャナーと、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に含まれる前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御するように構成されたコントローラと、を含む、装置が提供される。
【0022】
前記コントローラが、少なくとも部分的に前記容器識別子に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することによって、飲料調製を制御するように構成され得る。
【0023】
これを容易にするために、飲料分配装置(例えば、そのコントローラ)は、それぞれの容器タイプ(容器識別子)のための複数の異なる飲料製造パラメータのセットを含むデータベースを含むか、またはデータベースと通信することができる。その場合、少なくとも部分的に容器識別子に基づいて、飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することは、容器識別子に対応するデータベースのエントリから飲料製造パラメータのセットを取得することを含み得る。
【0024】
1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを使用して、容器から飲料を調製することができる(すなわち、ユーザーからのさらなる入力なしで)。あるいは、1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを使用して、飲料タイプを要件に合わせて調製する方法をユーザーに案内することができる。例えば、1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットは、飲料タイプを調製するのに適した代替飲料製造パラメータを含み得、ユーザーは、飲料を調製するために容器とともに使用される1つまたは複数の飲料製造パラメータから選択することができる。
【0025】
あるいは、前記コントローラが、前記容器識別子および追加の容器関連情報に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することによって、飲料調製を制御するように構成され得る。
【0026】
この構成では、1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットが、光学スキャナーによって読み取られる光学コードに格納された容器関連情報に基づいて決定される程度は、光学コードに格納されている追加の容器関連情報の完全性に依存し得る。
【0027】
いくつかの構成では、1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定するために必要な追加の容器関連情報のすべては、光学コードによって提供され、その場合、コントローラは、その情報を使用して、1つ以上の飲料製造パラメータを決定し得る。ただし、他の配置では、すべてではないが一部の容器関連情報(例えば、容器識別子のみ)が、読み取られる光学コード(例えば、第2の光学コード)で提供され得、飲料分配装置は、保存されたデータベースまたはオンラインデータベースなどの他のソースから追加の情報を取得し得る。
【0028】
前記コントローラは、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれているかどうかを決定し、そして前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていないと決定された場合、前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得する一方で、前記光学スキャナーで読み取った前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていると決定された場合、前記光学スキャナーで読み取った前記容器関連情報から前記追加の容器関連情報を取得することによって、前記追加の容器関連情報を取得するように構成され得る。
【0029】
前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得することが、前記容器識別子に対応するデータベースのエントリから前記追加の容器関連情報を取得することを含み得る。
【0030】
前記装置は、前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを使用して前記容器から前記飲料を調製するように構成され得る。
【0031】
前記装置は、電子ディスプレイを含むユーザーインターフェースをさらに含み得る。前記ユーザーインターフェースは、前記装置のユーザーによる入力を受信するように構成され得る。前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットは、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを含み得る。前記コントローラは、前記電子ディスプレイ上に前記ユーザーに前記容器について定められた前記代替飲料製造パラメータを表示するとともに、前記ユーザーインターフェースが、前記電子ディスプレイ上に表示される前記代替飲料製造パラメータの1つの選択に対応する入力を受信した場合、選択された前記飲料製造パラメータを使用して前記容器から飲料を調製するように構成され得る。
【0032】
本明細書に記載の技術のさらなる態様によれば、容器の第1の表面に配置された第1の光学コードと、前記容器の第2の表面に配置された第2の光学コードと、を含む飲料成分容器から飲料を調製するのに適した飲料分配装置を操作する方法であって、前記第1の光学コードおよび前記第2の光学コードはそれぞれ、容器識別子を含む容器関連情報を格納しており、前記第1の光学コードが前記飲料分配装置の光学スキャナーに面する第1の向き、または前記第2の光学コードが前記光学スキャナーに面する第2の向きのいずれかで、前記飲料分配装置のホルダー内に前記容器を受け取ることと、前記容器が前記第1の向きまたは前記第2の向きのどちらで前記ホルダーによって受け取られるかに応じて、前記第1の光学コードまたは前記第2の光学コードのいずれかに格納された前記容器関連情報を前記光学スキャナーによって読み取ることと、前記飲料分配装置のコントローラにより、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に含まれる前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御することと、を含む、方法が提供される。
【0033】
前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御することは、少なくとも部分的に前記容器識別子に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することを含み得る。
【0034】
前記容器識別子に基づいて飲料調製を制御することは、前記容器識別子および追加の容器関連情報に基づいて、前記飲料を調製するための1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することを含み得る。
【0035】
前記方法は、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれているかどうかを決定することによって、前記追加の容器関連情報を取得することをさらに含み得る。前記方法は、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていないと決定された場合、前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得することを含み得る。前記方法は、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報に追加の容器関連情報が含まれていると決定された場合、前記光学スキャナーによって読み取られた前記容器関連情報から前記追加の容器関連情報を取得することを含み得る。
【0036】
前記容器識別子に基づいて異なるソースから前記追加の容器関連情報を取得することは、前記容器識別子に対応するデータベースのエントリから前記追加の容器関連情報を取得することを含み得る。
【0037】
前記方法が、前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを使用して前記容器から前記飲料を調製する飲料分配装置をさらに含む。
【0038】
前記1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットが、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを含み得る。前記方法は、前記容器について定められた代替飲料製造パラメータを、前記飲料分配装置のユーザーに電子ディスプレイ上に表示することと、前記電子ディスプレイに表示される代替飲料製造パラメータの1つの選択に対応するユーザー入力を受信することと、選択された前記飲料製造パラメータを使用して、前記容器から前記飲料を調製することと、をさらに含み得る。
【0039】
電子ディスプレイまたはディスプレイスクリーン、オンラインデータベースおよびコントローラなどの、容器から飲料を調製するための装置に関して本明細書に記載される様々な要素は、無線リンクを介して互いに結合され、その結果、トランシーバ回路および1つまたは複数のアンテナを含み得る。追加的または代替的に、本明細書に記載の要素は、有線リンクを介して互いに結合することができ、その結果、インターフェース回路を含むことができる。本明細書に記載の要素は、有線および/または無線リンクの任意の組み合わせを介して互いに結合することができることを理解されたい。
【0040】
本明細書に記載の装置(および様々な関連要素)は、本明細書に記載され、図に示されるような方法の性能を引き起こすための任意の適切な回路を含み得る。この装置は、方法を実行するために以下を備えることができる:少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC):および/または少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA);および/またはシングルまたはマルチプロセッサアーキテクチャ;および/またはシーケンシャル(フォンノイマン)/並列アーキテクチャ;および/または少なくとも1つのプログラマブルロジックコントローラ(PLC);および/または少なくとも1つのマイクロプロセッサ;および/または少なくとも1つのマイクロコントローラ;および/または中央処理装置(CPU);および/またはグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)。
【0041】
装置は、本明細書に記載のデータを格納する、および/または本明細書に記載のプロセスを実行するためのソフトウェアを格納する1つまたは複数のメモリを備え、および/またはそれと通信することができる。メモリは、任意の適切な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、データ記憶デバイスまたは複数のデバイスであり得、ハードディスクおよび/またはソリッドステートメモリ(フラッシュメモリなど)を含み得る。メモリは、永続的な取り外し不可能なメモリである場合もあれば、取り外し可能なメモリ(ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブなど)である場合もある。
【0042】
メモリは、コントローラまたはプロセッサによって読み取られると、本明細書に記載され、図に示されるような方法の実行を引き起こす、コンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムを格納することができる。コンピュータプログラムは、ソフトウェアまたはファームウェア、あるいはソフトウェアとファームウェアの組み合わせであり得る。
【0043】
任意の態様は、相互に排他的であるそのような特徴の組み合わせを除いて、上記のステートメントのいずれかに関して言及された特徴および/または制限の任意の組み合わせを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本明細書で説明される技術の構成は、ここで、例として、添付の図面を参照して説明される。
【0045】
【
図1】例示的な配置による飲料分配装置の斜視図である。
【0046】
【
図2】例示的な配置による、
図1の飲料分配装置および飲料成分容器の正面図である。
【0047】
【
図3】例示的な配置による
図2の飲料成分容器を示している。
【
図4】例示的な配置による
図2の飲料成分容器を示している。
【0048】
【
図5】飲料分配装置における
図2-4の飲料成分容器の挿入を示している。
【
図6】飲料分配装置における
図2-4の飲料成分容器の挿入を示している。
【0049】
【
図7】飲料分配装置のホルダーに受け取られたときに、飲料分配装置のスキャナーに対して、飲料成分容器がとることができる異なる向きを示している。
【
図8】飲料分配装置のホルダーに受け取られたときに、飲料分配装置のスキャナーに対して、飲料成分容器がとることができる異なる向きを示している。
【0050】
【
図9】例示的な配置による飲料成分容器を概略的に示している。
【0051】
【
図10】飲料分配装置の動作を概略的に示すフローチャートである。
【0052】
【
図11】
図10のフローチャートに従って、飲料分配装置の動作中の飲料分配装置のユーザーインターフェースを概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1を参照して、例示的な飲料分配装置200が示されている。
【0054】
飲料分配装置200は、飲料分配装置200の上部の蓋202を介してアクセス可能な水タンクと、使い捨て飲料成分容器(一般に、フィルターパック、フレッシュパックまたはポーチ)と、を備える。飲料分配装置200は、容器コンパートメントの下に位置し、使用後に飲料成分容器を受け入れるビン206をさらに備える。ビン206は、飲料分配装置200に形成された空洞内に受け入れられる。取り外し可能なドリップトレイ208は、飲料分配装置200の底部に提供される。ドリップトレイ208は、飲料分配装置200から飲料を受け取るためのカップまたは他の容器を支持するための支持面を形成するグリル、およびグリルを通過するこぼれを捕らえるためのグリルの下のトレイ部分を含む。
【0055】
飲料分配装置200は、表示画面210の形態のユーザーインターフェースと、ユーザーが飲料分配装置200の機能を制御することを可能にするための複数の選択ボタン212とをさらに備える。例えば、複数の選択ボタン212は、以下でさらに説明されるように、ユーザーが飲料製造パラメータを選択することを可能にする。
【0056】
図2は、
図3および4を参照して以下で詳細に説明されるような例示的な飲料成分容器100を備えた組み立てられた飲料分配装置を示す。
【0057】
図3および4に示されるように、例示的な飲料成分容器100は、液体および空気不透過性シート材料の前面および裏面シート110、112を含み、これらは、それらの上端および側面縁部114、116の周りで一緒に永久に結合されて以下でより詳細に説明するように小袋を形成する。前面および裏面シート110、112もまた、容器の下端120に沿って一緒に結合されているが、この結合は、容器内の熱または圧力の影響下で解放可能である。例えば、下端120の結合は、感圧接着剤によるものであり得る。容器100内には、前面および裏面シートの内壁に結合されたフィルター材料130の折り畳まれたウェブがある。濾材130のウェブは、挽いたコーヒーまたはリーフティーなどの飲料調製成分150を支持する。容器100は、管状ボア142を有するノズル140をさらに備える。ノズル140は、小袋の上端に挿入され、前部および後部シートに気密に結合され、ノズルは、容器100を飲料分配装置200の中に正しく配置するのを助けるためにフランジ付けされる。ノズルボア142は、最初に、適切な気密鮮度バリアによって密封される。
【0058】
図4に示すように、インジェクターチューブおよびノズルボア142を介して温水を導入すると、容器100に含まれる飲料調製成分150が温水と混合され、飲料が抽出される。容器100の底部シーム120は、容器内の熱および液圧の影響下で開いて、飲料分配点を規定し、飲料は、フィルターウェブ130および容器の開いた底部を通過し、カップまたはその下にある他の容器に集められる。
【0059】
使用中、容器100は、
図5および6に示されるように、ドア204内のホルダー216を介して飲料分配装置200の容器区画に導入される。ドア204は、開位置と閉位置との間で旋回可能である。
【0060】
図6に示されるように、容器コンパートメントの上面は、容器100のノズル140を受け入れるノズルガイドトラック214を備える。ドア204が閉じられ、ガイドトラック214がインジェクターチューブ(示さず)と整合するようにノズル140を案内すると、ノズル140は、ガイドトラック214に沿ってスライドする。それにより、インジェクターチューブは、ノズルボア142に挿入され、それによって鮮度バリアを貫通する。飲料分配装置200の水タンクは、ポンプおよび給湯器を備えた流体供給ラインによってインジェクターチューブに接続されている。それにより、水タンクからの水は、注入管から容器100に排出される前に、ポンプで送られ、加熱される。
【0061】
図4に示すように、インジェクターチューブおよびノズルボア142を介して温水を導入すると、容器100に含まれる飲料調製成分150が温水と混合され、飲料が抽出される。容器100の底部シーム120は、容器内の熱および液圧の影響下で開き、飲料は、フィルターウェブ130および容器の開いた底部を通過し、その下に位置するカップまたは他の容器に集められる。
【0062】
図7および8に最もよく示されるように、容器100は、
図7に示された第1の向き(容器100の第1の裏面シートの表面112が飲料分配装置200の本体218に面する)、または
図8に示された第2の向き(容器100の第2の前面シートの表面110が本体218に面する)のいずれかにあるドア204のホルダー216に保持される。特に、容器100が第1の向きで受け取られたときに、裏面112が装置200の本体218内に収容された光学スキャナー701に面し、そして容器100が第2の向きで受け取られたときに、前面110が光学スキャナー701に面するように、容器100は、飲料分配装置200のホルダー216に保持される。容器100の一部または全部は、ドア204が閉位置にあるとき、スキャナー701の視野702内に入る。さらに、スキャナー701は、赤外線スペクトルで動作することができる。
【0063】
図9に概略的に示されるように、容器100は、容器100の裏面112上に第1の光学コード91を含み、第1の光学コード91は、容器100が第1の向きにあるときに、飲料分配装置200の光学スキャナー701の視野702内に入る位置で裏面112上に配置される。容器100はまた、容器100が第2の向きにあるときに、光学スキャナー701の視野702内に入る位置で容器100の前面110上に第2の光学コード92を備える。
【0064】
光学スキャナーは、スキャンされている光学コード(例えば、バーコードシーケンス、例えば、平行線)の画像(すなわち、画像データを表す)をキャプチャするように構成され、次いで、処理されて、光学コード内に符号化された情報を抽出することができる。例えば、画像は、光学コード内に符号化された情報(例えば、容器識別子)を抽出するためにデコードされ得る複数のデジタル値に変換される。画像は、飲料分配装置自体の内部のプロセッサによって処理される。これは、飲料分配装置から遠隔に処理するために、インターネット等のネットワークを介して、または1つ以上のクラウドサーバーを使用して、画像をリモートコンピュータに送信できる架空の配置とは対照的である。
【0065】
画像データが複数のデジタル値に変換されてデコードされる正確な方法は、情報が光学コードにエンコードされた方法に依存する。図に示されている例では、第1の光学コード91および第2の光学コード92はそれぞれ、データの光学的で機械可読な表現であるバーコードの形態である。当技術分野で知られている任意の適切なバーコード技術を使用することができる。ただし、
図9の例では、バーコードは平行線の幅と間隔を体系的に変化させることによって情報をエンコード(つまり、格納)し、1次元(1D)バーコードと呼ばれる場合がある。もちろん、必ずしも平行棒を使用しない二次元バーコードなど、他のタイプのバーコードを代わりに使用することもできる。同様に、光学スキャナーは、バーコードリーダーの形態であり、任意の既知のバーコードリーダー技術に従って動作するように構成することができる。例えば、バーコードリーダーは、当技術分野で知られているように、ペン型スキャナー、レーザースキャナー、CCDリーダー、および全方向性バーコードスキャナーのうちの任意の1つまたは複数に従って動作することができる。
【0066】
第1の光学コード91および第2の光学コード92はそれぞれ、容器100自体(またはむしろそこに含まれる飲料タイプまたは飲料成分)を示す情報を含む容器関連情報を格納する。
図9の例では、第1の光学コード91および第2の光学コード92はそれぞれ、少なくとも容器識別子を格納する。この場合の容器識別子は、在庫管理単位(SKU)であり、これは一意の識別子、例えば、関連する容器を使用して調製される飲料のタイプを識別する別個の番号またはコードである。容器識別子は、飲料調製の態様を制御するために飲料分配装置200によって使用され得る。例えば、SKUは、容器100が特定のコーヒー(または、あるいは、例えば、お茶、または冷たい飲み物)を調製するために使用されることを飲料分配装置200に示すことができ、飲料分配装置は、この情報を使用して、容器100から飲料を調製するために使用される適切な飲料製造パラメータ(例えば、水量、水滞留時間など)を決定する。
【0067】
容器識別子としてSKUを使用することはまた、そのような容器の製造業者の在庫を管理するために使用することができるという点で有利であり得ることが理解できる。たとえば、企業が自社の在庫を取得する場合、各SKUの数量をカウントできる。
【0068】
場合によっては、容器識別子に加えて、さらなる容器関連情報に基づいて飲料製造パラメータを決定することが望ましい場合がある。そのような追加情報は、本明細書では追加の容器関連情報と呼ばれ、飲料分配装置によって、飲料調製を制御するための容器識別子とともに使用され得る。追加の容器関連情報は、容器識別子に関連する飲料タイプの識別子、容器内に貯蔵された飲料成分の重量の表示、容器の形状の表示、および容器と互換性のある液体注入管の識別子のうちの1つまたは複数を含む。
【0069】
追加情報が飲料調製を制御するために容器識別子と共に使用される場合、容器に含まれる光学コードは、飲料分配装置が容器の1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定することを可能にするために望まれる追加の容器関連情報のすべてを格納し得る。しかしながら、光学コードによって記憶される情報の量が多いほど、その情報を効果的に符号化するために光学コードがとらなければならない表面積が大きくなることが分かる。これは、消費者にマーケティング資料を提供するためなど、他の目的のために使用され得る容器100の表面上の貴重なスペースを占める。したがって、場合によっては、表面上のスペースを解放するために、一方の光学コードを他方よりも小さくすることが望ましい。したがって、
図9の配置では、第1の光学コード91は、前面110の第2の光学コード92よりも裏面112の表面積が大きくて、第1の光学コード91は、第2の光学こうーど82より多くの容器関連情報を格納する。第1の光学コード91は、「UPC-A」バーコード規格に従って符号化され、すなわち、それは、12桁のユニバーサル製品コードの形態であり、一方、第2の光学コード92は、「Code-2of5」、すなわちインターリーブ2of5(ITF)、連続2幅バーコード標準に従って符号化される。
【0070】
第1の光学コード91は、容器100の1つまたは複数の飲料製造パラメータの対応するセットを決定するために飲料分配装置によって必要とされる追加の容器関連情報のすべてを格納する。前面110の第2の光学コードは、容器識別子のみを格納する。このようにして、容器100は、容器100がホルダー216によって受け取られたときにどの向きをとるかに関係なく、飲料分配装置200が、第2の光学コード92によって占められている容器100の前面110上の領域表面の量を最小限に抑えながら、少なくとも容器識別子を決定できるように構成される。
【0071】
飲料分配装置200は、追加情報がその光学コードに格納されている範囲でのみ読み取られる光学コードから追加情報を決定するように構成される。例えば、飲料分配装置200は、読み取られる光学コードが追加の容器関連情報を含まない場合、または容器の飲料製造パラメータのセットを決定するために必要とされる追加の容器関連情報のすべてではないが一部を含む場合、必要に応じて、他のソースから容器関連の追加情報の少なくとも一部を取得する。
【0072】
特に、飲料分配装置200は、光学スキャナー701によって読み取られた容器関連情報が追加の容器関連情報を含むかどうかを最初に決定するように構成される。光学コードに格納された情報に基づいて、光学スキャナー701によって読み取られた容器関連情報が追加の容器関連情報を含まないと判断された場合、飲料分配装置200は、容器識別子に基づいて、内部または外部、例えば、オンライン、データベースなどの別のソースから追加の容器関連情報を取得する。例えば、データベースは、それぞれの容器識別子の複数のエントリを含み得、各エントリは、飲料分配装置200によって適切に検索される、容器識別子の飲料製造パラメータの完全なセットを含み得る。
【0073】
光学スキャナー701によって読み取られた容器関連情報が追加の容器関連情報を含むと決定された場合、飲料分配装置200は、以下の容器関連情報から追加の容器関連情報を取得する。場合によっては、飲料分配装置200は、光学コードが必要な追加の容器関連情報のすべてを格納するかどうかを決定し、格納しない場合は、どの追加の容器関連情報を格納するかを決定するように構成され得る。不足している。次に、飲料分配装置200は、上記のように、他のソースから欠落している情報を取得する。
【0074】
次に、
図9に関して上記のタイプの飲料成分容器から飲料を調製するときの飲料分配装置200の全体的な動作を、
図10に関して説明する。この配置において、飲料分配装置は、2002は、容器識別子および追加の容器関連情報に基づいて決定される飲料製造パラメータのセットに従って、容器100から飲料を調製することによって飲料調製を制御するように構成される。
【0075】
図10に示されるように、この方法は、飲料分配装置のユーザーがボタンを押して装置の電源を入れるとき、ステップ101で始まる。この後、ユーザーは、ステップ102で、装置のホルダー内に容器を配置する。容器は、第1の光学コードが飲料分配装置の光学スキャナーに面する第1の向きおよび第2の光学コードが光スキャナーに面する第2の向きのいずれかでホルダーに挿入される。
【0076】
飲料分配装置は、ステップ103で、容器が第1の向きまたは第2の向きのどちらでホルダーによって受け取られるかに応じて、第1の光学コードまたは第2の光学コードのいずれかに格納された容器関連情報を読み取る。ステップ103で容器関連情報を読み取った後、飲料分配装置は、例の光学コードを復号することによって読み取られた光学コードから容器識別子を決定する。
【0077】
飲料分配装置はまた、ステップ104で追加の容器関連情報を決定する。上記のように、これが行われる方法は、スキャナーによって読み取られている光学コードに格納されている容器関連情報に依存する。特に、光学コードが容器識別子のみを格納する場合、飲料分配装置は、異なるソースから追加の容器関連情報を取得する。しかしながら、すべての追加の容器関連情報が光学コードに格納されている場合、飲料分配装置は、例の光学コードから追加の容器関連情報を取得および決定する。他の構成では、飲料分配装置は、読み取られている光学コードと1つまたは複数の他のソースの両方から追加情報を決定するように構成される。
【0078】
ステップ105において、飲料分配装置は、容器識別子および決定された追加の容器関連情報の両方に基づいて、1つまたは複数の飲料製造パラメータのセットを決定する。
図11に示されるように、飲料製造パラメータのセットは、容器関連情報のために定義された代替パラメータオプションのセット、この場合は代替水量オプションを含み得る。これらのオプションは、電子ディスプレイ210上で、例の特定の容器からコーヒーを調製するために使用される「小」61、「中」62、または「大」63のいずれかの量の水に対応するアイコンとしてユーザーに提供され得る。ここで、ユーザーに表示されるアイコンに対応する代替の水量オプションは、どの飲料が調製されるのかに関係なくユーザーに提供され得る一般的な量オプションではなく、特定であり、容器に関連する飲料タイプに合わせて調整され得ることが分かる。
【0079】
次に、ユーザーは、ステップ106で、電子ディスプレイ210に表示される代替の飲料製造パラメータのうちの1つを選択する。「大」のアイコン63、および飲料分配装置は、それに応じて、ステップ107で選択された飲料製造パラメータを使用して、容器から飲料を準備する。
【0080】
飲料分配装置の動作は、
図10および11に関して、ユーザー選択段階を含むものとして上で説明されてきたが、これは必須ではない。代わりに、飲料分配装置は、ユーザーからのさらなる入力なしに、容器から飲料を調製するために使用されるべき飲料製造パラメータのみを決定することができる。
【0081】
記載されるように、本明細書に記載される技術は、飲料分配装置200が単一の光学スキャナー701のみを備えられることを可能にする。これは、装置200の本体218内に収容されると記載されているが、代わりに、装置200のドア204または他の任意の要素に配置することができる。
【0082】
さらに、本明細書に記載の技術は、光学コードとしてバーコードを使用するが、これは必須ではないことが理解されよう。無線周波数識別、色または形状認識技術などの他のコーディング方法を使用することも同様に可能であり、場合によっては望ましい。例えば、各容器タイプは、異なる色(この場合、容器識別子)に関連付けられ得、スキャナーは、検出された色に基づいて容器タイプ(容器識別子)を検出するように構成され得る。
【0083】
本明細書に記載の技術は、上記の構成に限定されず、本明細書に記載の概念から逸脱することなく、様々な修正および改善を行うことができることが理解されよう。相互に排他的である場合を除いて、機能のいずれかを個別に、または他の機能と組み合わせて使用することができ、本開示は、本明細書に記載の1つまたは複数の機能のすべての組み合わせおよびサブ組み合わせにまで及び、それらを含む。