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  • 特許-鞄及び鞄の使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】鞄及び鞄の使用方法
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/30 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
A45C13/30 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019112576
(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2020202978
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】516112093
【氏名又は名称】株式会社LA・PITA
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(72)【発明者】
【氏名】澤 直樹
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3088440(JP,U)
【文献】登録実用新案第3062121(JP,U)
【文献】特開2011-229553(JP,A)
【文献】実開平06-020143(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0142171(US,A1)
【文献】登録実用新案第3017111(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/30
B62B 9/26
A47C 7/62
A61G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子の背もたれの背面に当接可能な本体部(10)と、
前記本体部(10)の左側及び右側に設けられるとともに、前記背もたれの左右から前記背もたれの前面を抱え込むようにして互いを係止可能な一対の横バンド(20,21)と、
前記本体部(10)の上側に設けられるとともに、前記背もたれの上から前記背もたれの前面に回して前記横バンド(20,21)に係止可能な縦バンド(22)と、を備え、
前記一対の横バンド(20,21)は、固定式横バンド(20)と着脱式バンド(21)を備え、
前記固定式横バンド(20)は、前記本体部(10)に着脱不可に取付けられ、
前記着脱式バンド(21)は、前記固定式横バンド(20)とともに前記背もたれを抱え込むときは前記固定式横バンド(20)と同じ高さに設けられる一方の着脱式バックル(24a)に取付けられ、人がたすき掛けにして持ち運ぶときは前記一方の着脱式バックル(24a)より高い位置に設けられる他方の着脱式バックル(24b)に取付けられることを特徴とする鞄(1)。
【請求項2】
前記本体部(10)の背面に、左右及び上に開口(15a,15b,15c)を備えるとともに前記一対の横バンド(20,21)及び前記縦バンド(22)をそれぞれの位置に対応する前記開口(15a,15b,15c)から収容可能なバンド収容部(14)を備える請求項1に記載の鞄(1)。
【請求項3】
椅子の背もたれの背面に当接可能な本体部(10)と、
前記本体部(10)の左側又は右側に着脱不可に取付けられる固定式横バンド(20)と、
前記本体部(10)の左側又は右側のうち前記固定式横バンド(20)と反対側かつ同じ高さに設けられる一方の着脱式バックル(24a)と、
前記一方の着脱式バックル(24a)より高い位置に設けられる他方の着脱式バックル(24b)と、
前記一方の着脱式バックル(24a)又は前記他方の着脱式バックル(24b)のいずれかに着脱可能に取付けられ、前記固定式バンド(20)とともに前記背もたれの前面を抱え込むようにして互いを係止可能な着脱式バンド(21)と、
前記本体部(10)の上側に設けられるとともに、前記背もたれの上から前記背もたれの前面に回して前記固定式横バンド(20)及び前記着脱式バンド(21)に係止可能な縦バンド(22)と、を備える鞄(1)の使用方法であって、
固定式横バンド(20)及び前記着脱式バンド(21)によって前記背もたれの前面を抱え込むときは前記着脱式バンド(21)を一方の着脱式バックル(24a)に取付けて、人がたすき掛けにして持ち運ぶときには前記着脱式バンド(21)を他方の前記着脱式バックル(24b)に取付けることを特徴とする鞄(1)の使用方法
【請求項4】
前記本体部(10)の背面に、左右及び上に開口(15a,15b,15c)を備えるとともに前記一対の横バンド(20,21)及び前記縦バンド(22)をそれぞれの位置に対応する前記開口(15a,15b,15c)から収容可能なバンド収容部(14)を備え、鞄(1)を人がたすき掛けにして持ち運ぶときには、前記縦バンド(22)を前記バンド収容部(14)に収容して持ち運ぶ請求項3に記載の鞄(1)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常時は椅子の背もたれに掛けておき、使用時に背もたれから取外して使用することができる鞄及び鞄の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベビーカーのハンドル部及び背もたれに背負いバンドを掛合させるとともに、ホルダーバンドをベビーカーの背もたれに緊締して巻付けて固定する、カバンやバック等におけるベビーカー用掛け止め装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3062121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている装置では、背負いバンドとホルダーバンドとは互いに独立した存在で、これらのバンド同士を係止させるものはない。このため、使用状況によっては背負いバンドが背もたれから外れてしまう可能性が否定できず、背もたれに掛けたときの安定性に課題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、横バンドと縦バンドとを係止させるとともに、これらのバンドで椅子の背もたれを左右方向及び上方向から抱き込むように構成し、背もたれに掛けたときの安定性に優れた鞄及び鞄の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の鞄は、
椅子の背もたれの背面に当接可能な本体部と、
前記本体部の左側及び右側に設けられるとともに、前記背もたれの左右から前記背もたれの前面を抱え込むようにして互いを係止可能な一対の横バンドと、
本体部の上側に設けられるとともに、前記背もたれの上から前記背もたれの前面に回して前記横バンドに係止可能な縦バンドと、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の鞄及び鞄の使用方法によれば、背もたれのうち座る人の背中に当接される側である前方で一対の横バンド同士が係止される。また、背もたれの上から回された縦バンドと一対の横バンドが互いに係止される。このため、背もたれを左右及び上からの3方向から包むように保持することができ、安定性に優れ、人が椅子を使用することによる鞄のずれやバンドの外れを防止することができる。
【0008】
(2)本発明の鞄の好ましい例は、
前記縦バンドが1本であり、前記本体部の左右方向の中央に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の鞄の好ましい例によれば、縦バンドが1本であり左右方向の中央に配置されている。このため、背もたれを保持する安定性に優れながら、バンドの構成を簡素にすることができる。また、縦バンドが座る人の脊柱に沿って配置されるため、座ったときの縦バンドに対する違和感が少なくなる。
【0010】
(3)本発明の鞄の好ましい例は、
前記縦バンドの幅が前記本体部の幅の1/4~3/4であることを特徴とする。
【0011】
本発明の鞄の好ましい例によれば、縦バンドが幅広に構成されている。このため、縦バンドが背中に当接されたときの違和感が少ない。
【0012】
(4)本発明の鞄の好ましい例は、
前記縦バンドの先端が、前記一対の横バンドの下から前記一対の横バンドを抱え込むように上に折り返され、前記縦バンドの面に係止する構成となっていることを特徴とする。
【0013】
本発明の鞄の好ましい例によれば、縦バンドと一対の横バンドとの係止を、縦バンドと一対の横バンドとで直接に係止する構成としていない。このため、縦バンドと一対の横バンドとが重なる部分での厚みの増加を抑えることができる。また、縦バンドが一対の横バンドを覆うことで座る人の背中と一対の横バンドとの接触が柔らかくなり、座ったときの一対の横バンドに対する違和感も少なくなる。
【0014】
(5)本発明の鞄の好ましい例は、
前記本体部の背面に左右及び上に開口を備えるバンド収容部が設けられ、前記バンド収容部に前記一対の横バンド及び前記縦バンドがそれぞれの位置に対応する前記開口から収容可能であることを特徴とする。
【0015】
本発明の鞄の好ましい例によれば、一対の横バンドと縦バンドとをバンド収容部に収納することができる。このため、鞄を背もたれに掛けずに載置させるときに美観に優れる。また、人が鞄を持ち運ぶときに、縦バンドのみをバンド収容部に収納して、一対の横バンドをたすき掛けのようにして鞄を保持することができる。
【0016】
(6)本発明の鞄の好ましい例は、
前記本体部の正面、及び前記一対の横バンドのうち前記一対の横バンドを用いてたすき掛けにして持ったときの人の胸の位置に反射材又は蓄光材が配置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の鞄の好ましい例によれば、避難時において鞄をたすき掛けにして持ったときに、反射材または蓄光材が人の正面と背面に配置される。これにより、避難者の捜索及び発見が容易となる。
【0018】
(7)本発明の鞄の好ましい例は、
前記本体部が直方体状をなし、高さ及び幅がPPC用紙用のファイルボックスと同じ大きさであることを特徴とする。
【0019】
本発明の鞄の好ましい例によれば、本体部の大きさが事務用の規格された紙として一般的に使用されているPPC用紙用のファイルボックスと略同じであるため、鞄を机の引き出しやファイルキャビネット等に保管することができる。
【0020】
(8)本発明の鞄の好ましい例は、
前記鞄が防災用品を収納して常備するためのものであることを特徴とする。
【0021】
本発明の鞄の好ましい例によれば、鞄が災害時の非常持出品を収納して常備するためのものであるため、人のすぐ側に非常持出品を置くことができる。これにより、非常持出品を緊急時にすぐに手に取って避難することができる。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明の鞄及び鞄の使用方法によれば、横バンドと縦バンドとを係止可能とするとともに、これらのバンドで椅子の背もたれの左右方向及び上方向から抱き込むように構成し、背もたれに掛けたときの安定性に優れた鞄とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る鞄の正面斜視図である。
図2】鞄の背面斜視図である。
図3】鞄の右側面図である。
図4】一対の横バンド及び縦バンドを広げた状態の正面図である。
図5】一対の横バンド及び縦バンドを広げた状態の背面図である。
図6】一対の横バンド及び縦バンドをバンド収容部に収容した状態の背面図である。
図7】鞄を椅子の背もたれに掛けた状態を示す図である。
図8】鞄を椅子の背もたれに掛けた状態での一対の横バンド及び縦バンドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の鞄及び鞄の使用方法の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1ないし図6に示すように、本実施形態の鞄1は、本体部10と、一対の横バンド20,21と、縦バンド22と、バンド収容部14とを備える。
【0025】
本体部10は、直方体状をなしており、その上面に開閉のためのファスナ11が設けられる。また、本体部10の正面側にはポケット12とポケットカバー13が設けられる。この本体部10の大きさは、PPC用紙用のファイルボックスと略同じ大きさとされる。このファイルボックスの大きさとしてはA判であればA4用ファイルボックス、A3用ファイルボックスが好適であり、B判であればB5用ファイルボックス、B4用ファイルボックスが好適である。これらの具体的な大きさとしては、例えばA4用ファイルボックスと略同じ大きさであれば、高さhが210~270mm、幅wが300~360mmが採用される。A3用ファイルボックスと略同じ大きさであれば、高さhが300~360mm、幅wが420~480mmが採用される。B5用ファイルボックスと略同じ大きさであれば、高さhが190~250mm、幅wが260~320mmが採用される。B4用ファイルボックスと略同じ大きさであれば、高さhが260~320mm、幅wが370~430mmが採用される。また、奥行きdは前記ポケット12を含まずに30~100mm、ポケット12を含んで50~150mmが採用される。なお、高さhと幅wの寸法を入れ替えて本体部10を縦長とすることもできる。本実施形態の鞄1では、A4用ファイルボックスと略同じ大きさとしている。また、本体部10には、厚みのある防災用品を入れておき、ポケット12には比較的薄い防災用品を入れておくことが好ましい。また、ポケット12には、折りたたみ式のヘルメットを入れておくこともできる。
【0026】
一対の横バンド20,21は、正面から見て本体部10の左側に縫製等によって設けられる固定式横バンド20と、正面から見て本体部10の右側に着脱式バックル24aによって設けられる着脱式横バンド21とを備える。また、固定式横バンド20の裏面と着脱式横バンド21の表面とには、それぞれ面ファスナ23a,23bが貼設され、固定式横バンド20と着脱式横バンド21とを互いに係止することができる。また、着脱式横バンド21は、本体部10の右側のやや上部に設けられた別の着脱式バックル24bにも接続可能である。例えば、本実施形態の鞄1を人が持ち運ぶようなときには、着脱式横バンド21をこの別の着脱式バックル24bに接続することもできる。
【0027】
縦バンド22は、本体部10の上側のうち、左右方向の略中央に設けられる幅広のシート状ないし帯状のものである。この縦バンド22は、表地と裏地、必要に応じて芯材を縫い合わせて構成される。この縦バンド22の幅w1として、例えば本体部10の幅wの1/4~3/4の寸法が採用される。本実施形態の鞄1では約2/3とされる。また、縦バンド22の長さLは、本体部10の高さhの1.5倍から2倍である。この縦バンド22の裏面には、先端と、根元からその長さ方向の略半分までにそれぞれ面ファスナ23c,23dが貼設され、互いの面ファスナ23c,23dを係着可能としている。この縦バンド22は、一対の横バンド20,21を下から抱えむようにして先端を上に折り返し、縦バンド22の裏面の面ファスナ23c,23d同士を係着させることで、一対の横バンド20,21と係止される。なお、縦バンド22は本実施形態に用いられるような幅広状の1本に限られず、例えば本体部10の左右方向に所定の距離を持って複数本の縦バンド22を設けてもよい。また、一対の横バンド20,21と縦バンド22とにフックやボタン等を設けて、これらを直接に係止させる構成としてもよい。
【0028】
バンド収容部14は、本体部10の背面に、左右及び上に開口15a,15b,15cを備えて設けられるものであり、1枚の布状の部品の上下端を本体部10の上下端にそれぞれ縫製等の方法で固定してある。そして、バンド収容部14と本体部10との間に、一対の横バンド20,21及び縦バンド22を収容することができる。このバンド収容部14の左開口15aからは固定式横バンド20が収容され、右開口15bからは着脱式横バンド21が収容され、上開口15cからは縦バンド22が収容される。このように、全てのバンドをバンド収容部14に収容することで、本実施形態の鞄1は全ての構成要素を備えた状態で略直方体状とすることができる。
【0029】
なお、本実施形態の鞄1には、ポケットカバー13の表面とその周縁、縦バンド22の表面、及び着脱式横バンド21の表面とに、光を反射する反射材16a,16b,16c,16d(又は蓄光材)が設けられている。これらのうち、着脱式横バンド21に設けられた反射材16dは、鞄1をたすき掛けにして持ったときに、人の胸の位置に来て正面を向くように配置されている。
【0030】
次に、図7及び図8を参照しつつ、上述した本実施形態の鞄1の各構成要素を踏まえて、本実施形態の鞄1の使用方法を説明する。
先ず、本体部10の背面(バンド収容部14)を椅子30の背もたれ31の背面に当接させる。次に、固定式横バンド20と着脱式横バンド21とを、背もたれ31の背面かつ左右から抱え込むように背もたれ31の前面に回し、固定式横バンド20の裏面と着脱式横バンド21の表面とに貼設された面ファスナ23a,23bで互いを係止させる。
【0031】
次に、縦バンド22を背もたれ31の背面かつ上から背もたれ31の前面に回し、一対の横バンド20,21の前に垂らす。次に、縦バンド22の先端を縦バンド22の裏面側に折り返して、一対の横バンド20,21を下から抱え込むようにして上に回す。そして、縦バンド22の裏面の先端の面ファスナ23cと、縦バンド22の根元から中程まで設けられてる面ファスナ23dとを係着させ、一対の横バンド20,21と縦バンド22とを係止させる。このようにすることで、椅子30の背もたれ31に本実施形態の鞄1を掛けることができる。また、鞄1を椅子30の背もたれ31から取外すときは、上記の逆の手順をしてもよいし、一対の横バンド20,21を両手で持って、一対の横バンド20,21と縦バンド22とが係止されている状態のまま上方に引き抜いても良い。
【0032】
また、図6に示すように、一対の横バンド20,21と縦バンド22とをバンド収容部14に収容することで、鞄1がA4ファイルボックスと略同じ大きさになる。この状態で、本実施形態の鞄1をファイルキャビネットや机の引き出し等にそのまま収納することもできる。
【0033】
また、本実施形態の鞄1には、非常時に用いる防災用品を入れておき、普段から椅子30の背もたれ31に掛けておき、災害発生時には速やかに鞄1を手に取って避難することができる。その場合、縦バンド22はバンド収容部14に収容して、一対の横バンド20,21のみを使用してたすき掛けのようにすることもできる。
【0034】
以上、説明したように、本実施形態の鞄1及び鞄の使用方法によれば、横方向から椅子30の背もたれ31を保持する一対の横バンド20,21と、縦方向から背もたれ31を保持する縦バンド22とが互いに係止され、三方向から背もたれ31を抱え込むように一体的に構成される。これにより、鞄1の安定性に優れ、背もたれ31から落下したり位置がずれたりするようなことがない。
【0035】
また、縦バンド22が一対の横バンド20,21と係止されるため、縦バンド22の下端が一対の横バンド20,21の高さと同じとなるとともに、上記のように一対の横バンド20,21と縦バンド22とが一体的に構成される。このため、一対の横バンド20,21を持って上に引き抜くことによって、縦バンド22も同時に引き抜かれる。これにより、普段は鞄1自体の重力によって背もたれ31に安定して掛けられているが、災害発生時等の使用時には上に引き抜くことによって、速やかに背もたれ31から取外すことができる。
【0036】
また、縦バンド22がシート状の幅広であり、かつ一対の横バンド20,21を抱え込むように構成されるため、一対の横バンド20,21と縦バンド22が椅子30に座る人の背中に優しく当たり、座る人が違和感を感じにくくすることができる。また、反射材16a,16b,16cが縦バンド22とポケットカバー13とに設けられているため、鞄1を背もたれ31に掛けた状態で、椅子30の前方と後方から反射材16a,16b,16cを目視することができ、災害時の灯りが乏しいときであっても容易に鞄1の位置を把握することができる。さらに、避難時において鞄1をたすき掛けにして持ったとき、ポケットカバー13に設けられた反射材16aが背面を向き、着脱式横バンド21に設けられた反射材16dが正面を向く。これにより、捜索する者からの発見も容易となる。
【0037】
また、全てのバンドをバンド収容部14に収容することで、ファイルキャビネットや机の引き出し等に収納することができ、鞄1の予備の管理や保管が容易である。
【0038】
なお、上述の鞄及び鞄の使用方法は本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・鞄、
10・・本体部、11・・ファスナ、12・・ポケット、13・・ポケットカバー、14・・バンド収容部、15a,15b,15c・・開口、16a,16b,16c,16d・・反射材、
20・・固定式横バンド、21・・着脱式横バンド、22・・縦バンド、23a,23b,23c,23d・・面ファスナ、24a,24b・・着脱式バックル、
30・・椅子、31・・背もたれ、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8