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特許7309472電力変換装置、及び、電力変換装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】電力変換装置、及び、電力変換装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20230710BHJP
【FI】
H02M7/48 L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019115768
(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公開番号】P2021002943
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】森下 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】南 祐輔
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-130845(JP,A)
【文献】特開2018-098959(JP,A)
【文献】国際公開第2011/111208(WO,A1)
【文献】特開2003-088144(JP,A)
【文献】特開2004-015892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリが出力するバッテリ電圧を電力変換して、負荷に供給するための交流の出力電圧を出力する電力変換装置であって、
前記バッテリ電圧に基づいた直流電圧が供給される第1の直流電圧端子と第2の直流電圧端子との間に接続された平滑化コンデンサと、
前記直流電圧が入力され、スイッチ素子のスイッチング動作により、変換電圧を第1の変換電圧端子と第2の変換電圧端子との間に出力するブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路が出力した前記変換電圧をフィルタリングして前記出力電圧を出力するフィルタと、
前記ブリッジ回路を制御することにより、前記変換電圧に基づいた前記出力電圧を第1の出力電圧端子と第2の出力電圧端子との間に出力させる制御部と、
前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に接続された放電手段と、
前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に、前記放電手段と直列に接続され、前記制御部により制御される制御スイッチ素子と、
前記制御スイッチ素子に流れる電流を検出する検出回路と、
前記バッテリ電圧が入力され、前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に前記直流電圧を出力するDC/DCコンバータと、を備え、
前記制御部は、
前記電力変換装置の通常運転時には、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の前記出力電圧を前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間に出力させ、
一方、前記電力変換装置の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間内に、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を前記駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、前記平滑化コンデンサを放電させるとともに前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間を前記目標値よりも低い値の安全電圧にし、
前記DC/DCコンバータの動作を制御し、前記DC/DCコンバータを動作させている時に、前記検出回路が検出した電流が予め設定した設定範囲外になった場合には、前記DC/DCコンバータの動作を強制的に停止させる
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間の電圧が前記安全電圧になるように、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を動作させることで、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子の損失により前記平滑化コンデンサの電荷を放電させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記安全電圧は、0Vであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に、前記放電手段及び前記制御スイッチ素子を含む回路が、前記平滑化コンデンサと並列に接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記放電手段は、前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に、前記制御スイッチ素子と直列に接続された放電抵抗であることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記制御部は、
制御電源が供給されることで動作するようになっており、
前記制御部は、
前記制御電源が供給され動作している場合には、前記制御スイッチ素子をオフするように制御し、前記電力変換装置の停止の際には前記ブリッジ回路による放電動作を実行するようになっており、
一方、前記制御部への前記制御電源の供給が遮断されて前記制御部が停止した場合には、前記放電手段による放電を実行するようになっている
ことを特徴とする請求項4または5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記制御部は、
ユーザが入力する外部信号に応じて、前記制御スイッチ素子をオンすることで、前記放電手段に放電電流が流れるようにして、前記平滑化コンデンサを放電させる
ことを特徴とする請求項4ないしのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記電力変換装置は、車両に積載され、前記電力変換装置が出力する前記出力電圧は、前記車両の負荷に供給されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記制御電源の喪失時において、前記ブリッジ回路を動作できないため、前記制御スイッチ素子をオンすることで、前記放電手段に放電電流が流れるようにして、前記平滑化コンデンサを放電させる
ことを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
【請求項10】
前記ブリッジ回路は、
単相のフルブリッジ回路、又は、3相のフルブリッジ回路であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
バッテリが出力するバッテリ電圧を電力変換して、負荷に供給するための交流の出力電圧を出力する電力変換装置であって、前記バッテリ電圧に基づいた直流電圧が供給される第1の直流電圧端子と第2の直流電圧端子との間に接続された平滑化コンデンサと、前記直流電圧が入力され、スイッチ素子のスイッチング動作により、変換電圧を第1の変換電圧端子と第2の変換電圧端子との間に出力するブリッジ回路と、前記ブリッジ回路が出力した前記変換電圧をフィルタリングして前記出力電圧を出力するフィルタと、前記ブリッジ回路を制御することにより、前記変換電圧に基づいた前記出力電圧を第1の出力電圧端子と第2の出力電圧端子との間に出力させる制御部と、前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に接続された放電手段と、前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に、前記放電手段と直列に接続され、前記制御部により制御される制御スイッチ素子と、前記制御スイッチ素子に流れる電流を検出する検出回路と、前記バッテリ電圧が入力され、前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に前記直流電圧を出力するDC/DCコンバータと、を備えた電力変換装置の制御方法であって、
前記制御部は、
前記電力変換装置の通常運転時には、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の前記出力電圧を前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間に出力させ、
一方、前記電力変換装置の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間内に、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を前記駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、前記平滑化コンデンサを放電させるとともに前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間を前記目標値よりも低い値の安全電圧にし、
前記DC/DCコンバータの動作を制御し、前記DC/DCコンバータを動作させている時に、前記検出回路が検出した電流が予め設定した設定範囲外になった場合には、前記DC/DCコンバータの動作を強制的に停止させる
ことを特徴とする電力変換装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置、及び、電力変換装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力変換装置では、動作停止時に製品内部の直流電圧の平滑化コンデンサに安全電圧よりも高い電圧が保持された場合に、製品内部の電荷を素早く放電する動作が要求されている。
【0003】
そして、例えば、従来の放電抵抗を用いて放電を行う電力変換装置では、放電用の回路の追加とともに、周囲温度の上昇や繰り返し動作を考慮すると許容電力の大きな放電抵抗が必要となる。
【0004】
これにより、大型の放電抵抗を選定する必要があり、当該電力変換装置が大型化してしまう問題がある。
【0005】
さらに、例えば、特許文献1に記載の他の従来の電力変換装置では、負荷である3相モータを駆動する電圧を出力するためのパワーモジュールのスイッチ素子のスイッチングにより平滑化コンデンサを放電させている。
【0006】
しかしながら、当該特許文献1には、放電動作時に当該パワーモジュールが出力する出力電圧が安全電圧(例えば、0V)に制御される旨の記載は無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-123202
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、小型化を図りつつ、運転停止時に直流電圧の平滑化コンデンサに蓄積された電荷を放電するとともに出力電圧を安全電圧に制御することが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る電力変換装置は、
バッテリが出力するバッテリ電圧を電力変換して、負荷に供給するための交流の出力電圧を出力する電力変換装置であって、
前記バッテリ電圧に基づいた直流電圧が供給される第1の直流電圧端子と第2の直流電圧端子との間に接続された平滑化コンデンサと、
前記直流電圧が入力され、スイッチ素子のスイッチング動作により、変換電圧を第1の変換電圧端子と第2の変換電圧端子との間に出力するブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路が出力した前記変換電圧をフィルタリングして前記出力電圧を出力するフィルタと、
前記ブリッジ回路を制御することにより、前記変換電圧に基づいた前記出力電圧を第1の出力電圧端子と第2の出力電圧端子との間に出力させる制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記電力変換装置の通常運転時には、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の前記出力電圧を前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間に出力させ、
一方、前記電力変換装置の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間内に、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を前記駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、前記平滑化コンデンサを放電させるとともに前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間を前記目標値よりも低い値の安全電圧にする
ことを特徴とする。
【0010】
前記電力変換装置において、
前記制御部は、
前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間の電圧が前記安全電圧になるように、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を動作させることで、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子の損失により前記平滑化コンデンサの電荷を放電させる
ことを特徴とする。
【0011】
前記電力変換装置において、
前記安全電圧は、0Vである
ことを特徴とする。
【0012】
前記電力変換装置において、
前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に接続された放電手段と、
前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に、前記放電手段と直列に接続され、前記制御部により制御される制御スイッチ素子と、
前記制御スイッチ素子に流れる電流を検出する検出回路と、をさらに備え、
前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に、前記放電手段及び前記制御スイッチ素子を含む回路が、前記平滑化コンデンサと並列に接続されている
ことを特徴とする。
【0013】
前記電力変換装置において、
前記放電手段は、前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に、前記制御スイッチ素子と直列に接続された放電抵抗である
ことを特徴とする。
【0014】
前記電力変換装置において、
前記制御部は、
制御電源が供給されることで動作するようになっており、
前記制御部は、
前記制御電源が供給され動作している場合には、前記制御スイッチ素子をオフするように制御し、前記電力変換装置の停止の際にはブリッジ回路による放電動作を実行するようになっており、
一方、前記制御部への前記制御電源の供給が遮断されて前記制御部が停止した場合には、前記放電手段による放電を実行するようになっている
ことを特徴とする。
【0015】
前記電力変換装置において、
前記バッテリ電圧が入力され、前記第1の直流電圧端子と前記第2の直流電圧端子との間に前記直流電圧を出力するDC/DCコンバータをさらに備え、
前記制御部は、
前記DC/DCコンバータの動作を制御する
ことを特徴とする。
【0016】
前記電力変換装置において、
前記制御部は、
前記DC/DCコンバータを動作させている時に、前記制御スイッチ素子に流れる電流を検出する検出回路が検出した電流が予め設定した設定範囲外になった場合には、前記DC/DCコンバータの動作を強制的に停止させる
ことを特徴とする。
【0017】
前記電力変換装置において、
前記制御部は、
ユーザが入力する外部信号に応じて、前記制御スイッチ素子をオンすることで、前記放電手段に放電電流が流れるようにして、前記平滑化コンデンサを放電させる
ことを特徴とする。
【0018】
前記電力変換装置において、
前記電力変換装置は、車両に積載され、前記電力変換装置が出力する前記出力電圧は、前記車両の負荷に供給される
ことを特徴とする。
【0019】
前記電力変換装置において、
前記制御部は、
前記制御電源の喪失時において、前記ブリッジ回路を動作できないため、前記制御スイッチ素子をオンすることで、前記放電手段に放電電流が流れるようにして、前記平滑化コンデンサを放電させる
ことを特徴とする。
【0020】
前記電力変換装置において、
前記ブリッジ回路は、
単相のフルブリッジ回路、又は、3相のフルブリッジ回路である
ことを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る電力変換装置の制御方法は、
バッテリが出力するバッテリ電圧を電力変換して、負荷に供給するための交流の出力電圧を出力する電力変換装置であって、前記バッテリ電圧に基づいた直流電圧が供給される第1の直流電圧端子と第2の直流電圧端子との間に接続された平滑化コンデンサと、前記直流電圧が入力され、スイッチ素子のスイッチング動作により、変換電圧を第1の変換電圧端子と第2の変換電圧端子との間に出力するブリッジ回路と、前記ブリッジ回路が出力した前記変換電圧をフィルタリングして前記出力電圧を出力するフィルタと、前記ブリッジ回路を制御することにより、前記変換電圧に基づいた前記出力電圧を第1の出力電圧端子と第2の出力電圧端子との間に出力させる制御部と、を備えた電力変換装置の制御方法であって、
前記制御部は、
前記電力変換装置の通常運転時には、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の前記出力電圧を前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間に出力させ、
一方、前記電力変換装置の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間内に、前記ブリッジ回路の前記スイッチ素子を前記駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、前記平滑化コンデンサを放電させるとともに前記第1の出力電圧端子と前記第2の出力電圧端子との間を前記目標値よりも低い値の安全電圧にする
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係る電力変換装置は、バッテリが出力するバッテリ電圧を電力変換して、負荷に供給するための交流の出力電圧を出力する電力変換装置であって、バッテリ電圧に基づいた直流電圧が供給される第1の直流電圧端子と第2の直流電圧端子との間に接続された平滑化コンデンサと、直流電圧が入力され、スイッチ素子のスイッチング動作により、変換電圧を第1の変換電圧端子と第2の変換電圧端子との間に出力するブリッジ回路と、ブリッジ回路が出力した変換電圧をフィルタリングして出力電圧を出力するフィルタと、ブリッジ回路を制御することにより、変換電圧に基づいた出力電圧を第1の出力電圧端子と第2の出力電圧端子との間に出力させる制御部と、を備える。
【0023】
そして、制御部は、電力変換装置の通常運転時には、ブリッジ回路のスイッチ素子を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の出力電圧を第1の出力電圧端子と第2の出力電圧端子との間に出力させる。
【0024】
一方、制御部は、電力変換装置の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間内に、ブリッジ回路のスイッチ素子を駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、平滑化コンデンサを放電させるとともに第1の出力電圧端子と第2の出力電圧端子との間を目標値よりも低い値の安全電圧にする。
【0025】
これにより、本発明の電力変換装置によれば、小型化を図りつつ、運転停止時に直流電圧の平滑化コンデンサに蓄積された電荷を放電するとともに出力電圧を安全電圧に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置100の構成の一例を示す回路図である。
図2図2は、図1に示す電力変換装置100の通常運転時の変換電圧VYの波形の一例を示す波形図である。
図3図3は、図1に示す電力変換装置100の通常運転時の出力電圧VOの波形の一例を示す波形図である。
図4図4は、図1に示す電力変換装置100の放電動作時の変換電圧VYの波形の一例を示す波形図である。
図5図5は、図1に示す電力変換装置100の放電動作時の出力電圧VO波形の一例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る電力変換装置について、図面とともに説明する。
【実施例1】
【0028】
図1は、図1は、本発明の実施形態に係る電力変換装置100の構成の一例を示す回路図である。
【0029】
ここで、図1に示す電力変換装置100は、バッテリBが出力するバッテリ電圧VBを電力変換して、負荷Loadに供給するための交流の出力電圧VOを出力するようになっている。
【0030】
この電力変換装置100は、例えば、車両(図示せず)に積載されるようになっている。この場合、バッテリBは、当該車両に積載されており、この電力変換装置100が出力する出力電圧VOは、当該車両の負荷Loadに供給されるようになっている。
【0031】
この電力変換装置100は、例えば、図1に示すように、第1のバッテリ端子TB1と、第2のバッテリ端子TB2と、DC/DCコンバータXと、平滑化コンデンサCSと、放電抵抗(放電手段)RDと、検出回路IDと、制御スイッチ素子CSWと、第1の直流電圧端子TV1と、第2の直流電圧端子TV2と、ブリッジ回路Yと、第1の変換電圧端子TY1と、第2の変換電圧端子TY2と、LCフィルタ(フィルタ)Fと、第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2と、を備える。
【0032】
そして、第1のバッテリ端子TB1は、バッテリBの正極が接続されるようになっている。
【0033】
また、第2のバッテリ端子TB2は、バッテリBの負極が接続されるようになっている。
【0034】
すなわち、これらの第1のバッテリ端子TB1と第2のバッテリ端子TB2との間にバッテリBのバッテリ電圧VBが印加されるようになっている。
【0035】
また、DC/DCコンバータXは、入力側が第1のバッテリ端子TB1と第2のバッテリ端子TB2に接続されている。
【0036】
そして、このDC/DCコンバータXは、出力側が第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2に接続されている。
【0037】
すなわち、このDC/DCコンバータXは、バッテリBのバッテリ電圧VBが第1、第2のバッテリ端子TB1、TB2を介して入力され、第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間に直流電圧VDを出力するようになっている。
【0038】
また、第1の直流電圧端子TV1は、DC/DCコンバータXの出力の高圧側に接続されている。
【0039】
また、第2の直流電圧端子TV2は、DC/DCコンバータXの出力の低圧側に接続されている。
【0040】
すなわち、これらの第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間には、バッテリ電圧VBに基づいた直流電圧VDが供給されるようになっている。
【0041】
また、平滑化コンデンサCSは、第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間に接続されている。
【0042】
この平滑化コンデンサCSは、第1の直流電圧端子TV1及び第2の直流電圧端子TV2を介して、バッテリ電圧VBに基づいた直流電圧VDが供給されるようになっている。
【0043】
また、放電手段である放電抵抗RDは、例えば、図1に示すように、第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間に、制御スイッチ素子CSWと直列に接続されている。 特に、図1の例では、放電抵抗RDは、一端が第1の直流電圧端子TV1に接続され、他端が制御スイッチ素子CSWの一端(ドレイン)に接続されている。
【0044】
また、制御スイッチ素子CSWは、例えば、図1に示すように、第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間に、放電抵抗RDと直列に接続されている。
【0045】
そして、第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間に、放電抵抗RD段及び制御スイッチ素子CSWを含む回路が、平滑化コンデンサCSと並列に接続されている。
【0046】
この制御スイッチ素子CSWは、制御部CNTにより制御されるようになっている。
【0047】
特に、図1の例では、この制御スイッチ素子CSWは、一端(ドレイン)が放電抵抗RDの他端に接続され、他端(ソース)が検出回路IDに接続されている。
【0048】
そして、この制御スイッチ素子CSWは、図1の例では、ゲート電圧が制御部CNTにより制御されるnMOSトランジスタである。このnMOSトランジスタのソース・ドレイン間には、図1に示すようにボディダイオードが接続されている。
【0049】
したがって、第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間に所定の電位差がある場合には、この制御スイッチ素子CSWがオンすることで、放電抵抗RDに放電電流が流れることとなる。
【0050】
一方、この制御スイッチ素子CSWがオフしている場合には、放電抵抗RDに放電電流が流れない。
【0051】
また、検出回路IDは、例えば、図1に示すように、制御スイッチ素子CSWに流れる電流(すなわち、放電抵抗に流れる放電電流)を検出するようになっている。
【0052】
特に、図1の例では、検出回路IDは、制御スイッチ素子CSWの他端(ソース)と第2の直流電圧端子TV2との間に接続されている。
【0053】
したがって、制御スイッチ素子CSWをオンして、この検出回路IDが所定の電流を検出した場合には、放電抵抗RDに放電電流が流れていると判断される。
【0054】
また、後述のように、制御部CNTは、正常に動作している場合には、制御スイッチ素子CSWをオフしている。そして、例えば、この制御部CNTが誤動作して制御スイッチ素子CSWがオンした場合には、放電抵抗RDに放電電流が流れて、検出回路IDが電流を検出する。この検出回路IDの電流検出に基づいて、DC/DCコンバータXの動作を停止させるようにしてもよい。
【0055】
また、ブリッジ回路Yは、例えば、図1に示すように、直流電圧VDが入力され、第1ないし第4のスイッチ素子SW1、SW2、SW3、SW4のスイッチング動作により、変換電圧VYを第1の変換電圧端子TY1と第2の変換電圧端子TY2との間に出力するようになっている。
【0056】
このブリッジ回路Yは、図1の例では、単相のフルブリッジ回路であるが、必要に応じて、3相のフルブリッジ回路であってもよい。
【0057】
このブリッジ回路Yは、例えば、図1に示すように、第1のスイッチ素子SW1と、第2のスイッチ素子SW2と、第3のスイッチ素子SW3と、第4のスイッチ素子SW4と、を備える。
【0058】
そして、第1のスイッチ素子SW1は、一端(ドレイン)が第1の直流電圧端子TV1に接続され、他端(ソース)が第1の変換電圧端子TY1に接続されている。
【0059】
この第1のスイッチ素子SW1は、図1の例では、ゲート電圧が制御部CNTにより制御されるnMOSトランジスタである。このnMOSトランジスタのソース・ドレイン間には、図1に示すようにボディダイオードが接続されている。
【0060】
また、第2のスイッチ素子SW2は、一端(ドレイン)が第1の変換電圧端子TY1に接続され、他端(ソース)が第2の直流電圧端子TV2に接続されたnMOSトランジスタである。
【0061】
この第2のスイッチ素子SW2は、図1の例では、ゲート電圧が制御部CNTにより制御されるnMOSトランジスタである。このnMOSトランジスタのソース・ドレイン間には、図1に示すようにボディダイオードが接続されている。
【0062】
また、第3のスイッチ素子SW3は、一端(ドレイン)が第1の直流電圧端子TV1に接続され、他端(ソース)が第2の変換電圧端子TY2に接続されたnMOSトランジスタである。
【0063】
この第3のスイッチ素子SW3は、図1の例では、ゲート電圧が制御部CNTにより制御されるnMOSトランジスタである。このnMOSトランジスタのソース・ドレイン間には、図1に示すようにボディダイオードが接続されている。
【0064】
また、第4のスイッチ素子SW4は、一端(ドレイン)が第2の変換電圧端子TY2に接続され、他端(ソース)が第2の直流電圧端子TV2に接続されnMOSトランジスタである。
【0065】
この第4のスイッチ素子SW4は、図1の例では、ゲート電圧が制御部CNTにより制御されるnMOSトランジスタである。このnMOSトランジスタのソース・ドレイン間には、図1に示すようにボディダイオードが接続されている。
【0066】
このような構成を有するブリッジ回路Yは、既述のように、直流電圧VDが入力され、第1ないし第4のスイッチ素子SW1、SW2、SW3、SW4のスイッチング動作により、変換電圧VYを第1の変換電圧端子TY1と第2の変換電圧端子TY2との間に出力する。
【0067】
また、第1の変換電圧端子TY1は、第1のスイッチ素子SW1の他端と第2のスイッチ素子SW2の一端との間に接続されるとともに、LCフィルタFの一方の入力に接続されている。
【0068】
そして、第2の変換電圧端子TY2は、第3のスイッチ素子SW3の他端と第4のスイッチ素子SW4の一端との間に接続されるとともに、LCフィルタFの他方の入力に接続されている。
【0069】
これらの第1の変換電圧端子TY1と第2の変換電圧端子TY2から変換電圧VYがLCフィルタFに供給されるようになっている。
【0070】
また、LCフィルタFは、例えば、図1に示すように、ブリッジ回路Yが出力した変換電圧VYをフィルタリングして、出力電圧VOを第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に出力するようになっている。
【0071】
このLCフィルタFは、例えば、図1に示すように、第1のチョークコイルL1と、第2のチョークコイルL2と、出力コンデンサCOと、を備える。
【0072】
そして、第1のチョークコイルL1は、例えば、図1に示すように、一端が第1の変換電圧端子TY1に接続され、他端が第1の出力電圧端子TO1に接続されている。
【0073】
また、第2のチョークコイルL2は、例えば、図1に示すように、一端が第2の変換電圧端子TY2に接続され、他端が第2の出力電圧端子TO2に接続されている。
【0074】
この第2のチョークコイルL2は、第1のチョークコイルL1とトランスを構成している。
【0075】
また、出力コンデンサCOは、例えば、図1に示すように、第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に接続されている。
【0076】
このような構成を有するLCフィルタFは、既述のように、ブリッジ回路Yが出力した変換電圧VYをフィルタリングして、出力電圧VOを第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に出力する。
【0077】
なお、この図1に示すLCフィルタFに代えて、同様の機能を有する他のフィルタを電力変換装置100に適用するようにしてもよい。
【0078】
また、第1の出力電圧端子TO1は、負荷Loadの一端が接続されるようになっている。
【0079】
そして、第2の出力電圧端子TO2は、負荷Loadの他端が接続されるようになっている。
【0080】
これらの第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間からフィルタリングされた出力電圧VOが負荷Loadに供給されるようになっている。
【0081】
ここで、制御部CNTは、ブリッジ回路Yを制御するようになっている。より詳しくは、制御部CNTは、第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4を制御するようになっている。
【0082】
例えば、制御部CNTは、電力変換装置100の通常運転時には、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の出力電圧VOを第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に出力させるようになっている。
【0083】
このように、制御部CNTは、ブリッジ回路Yを制御することにより、変換電圧VYに基づいた出力電圧VOを第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に出力させるようになっている。
【0084】
一方、制御部CNTは、電力変換装置100の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間(例えば3秒)内に、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4を駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、平滑化コンデンサCSを放電させるとともに第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間を目標値よりも低い値の安全電圧にするようになっている。
【0085】
特に、制御部CNTは、第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間の電圧が予め設定された安全電圧になるように、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4を動作させることで、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4の損失により平滑化コンデンサCSの電荷を放電させるようになっている。
【0086】
なお、既述の安全電圧は、例えば、0Vである。
【0087】
ここで、この制御部CNTは、制御電源が供給されることで動作するようになっている。
【0088】
この制御部CNTは、既述の制御電源が供給され動作している場合には、制御スイッチ素子CSWをオフするように制御し、電力変換装置100の停止の際にはブリッジ回路Yによる放電動作を実行するようになっている。
【0089】
一方、制御部CNTは、当該制御部CNTへの制御電源の供給が遮断されて制御部CNTが停止した場合には、制御スイッチ素子CSWはオンして、放電抵抗RDによる放電を実行するようになっている。
【0090】
すなわち、制御部CNTは、既述の制御電源の喪失時において、ブリッジ回路Yを動作(制御)できないため、制御スイッチ素子CSWをオンすることで、放電抵抗RDに放電電流が流れるようにして、平滑化コンデンサCSを放電させるようになっている。
【0091】
このように、制御部CNTは、当該制御電源の喪失時において、ブリッジ回路Yを動作(制御)できないため、バックアップ動作として放電抵抗RDによる放電を実行するものである。
【0092】
この制御部CNTの動作は、非常時のみの単発動作であり、繰り返し動作は発生しないため、放電抵抗RDとしては定格電力が低く小型な抵抗を選定することができる。
【0093】
また、この制御部CNTは、DC/DCコンバータXの動作を制御するようになっている。
【0094】
そして、制御部CNTは、DC/DCコンバータXを動作させている時に、検出回路IDが検出した電流が予め設定した設定範囲外になった場合には、DC/DCコンバータXの動作を強制的に停止させるようになっている。
【0095】
また、既述のように、制御部CNTは、正常に動作している場合には、制御スイッチ素子CSWをオフしている。そして、例えば、この制御部CNTが誤動作して制御スイッチ素子CSWがオンした場合には、放電抵抗RDに放電電流が流れて、検出回路IDが電流を検出する。この検出回路IDの電流検出に基づいて、DC/DCコンバータXの動作を停止させるようにしてもよい。
【0096】
また、制御部CNTは、ユーザが入力する外部信号SAに応じて、制御スイッチ素子CSWをオンすることで、放電抵抗RDに放電電流が流れるようにして、平滑化コンデンサCSを放電させるようになっている。
【0097】
次に、以上のような構成を有する電力変換装置100の制御方法の例について説明する。
【0098】
ここで、図2は、図1に示す電力変換装置100の通常運転時の変換電圧VYの波形の一例を示す波形図である。また、図3は、図1に示す電力変換装置100の通常運転時の出力電圧VOの波形の一例を示す波形図である。また、図4は、図1に示す電力変換装置100の放電動作時の変換電圧VYの波形の一例を示す波形図である。また、図5は、図1に示す電力変換装置100の放電動作時の出力電圧VO波形の一例を示す波形図である。
【0099】
既述のように、制御部CNTは、電力変換装置100の通常運転時には、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の出力電圧VOを第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に出力させる。
【0100】
この場合、例えば、ブリッジ回路Yは、図2に示すような波形の変換電圧VYを出力し、LCフィルタFによりフィルタリングされた出力電圧VOは、図3に示すような交流波形になる。
【0101】
一方、制御部CNTは、電力変換装置100の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間(例えば3秒)内に、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4を駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、平滑化コンデンサCSを放電させるとともに第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間を目標値よりも低い値の安全電圧にする。
【0102】
特に、制御部CNTは、第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間の電圧が予め設定された安全電圧になるように、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4を動作させることで、ブリッジ回路Yの第1ないし第4のスイッチ素子SW1~SW4の損失により平滑化コンデンサCSの電荷を放電させる。
【0103】
この場合、例えば、ブリッジ回路Yは、図4に示すような波形の変換電圧VYを出力し、LCフィルタFによりフィルタリングされた出力電圧VOは、図5に示すような0Vの安全電圧になる。
【0104】
ここで、既述のように、この制御部CNTは、制御電源が供給されることで動作する。
【0105】
この制御部CNTは、既述の制御電源が供給され動作している場合には、制御スイッチ素子CSWをオフするように制御し、電力変換装置100の停止の際にはブリッジ回路Yによる放電動作を実行する。
【0106】
これにより、第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間を目標値よりも低い値の安全電圧にすることができる。
【0107】
一方、制御部CNTは、当該制御部CNTへの制御電源の供給が遮断されて制御部CNTが停止した場合には、制御スイッチ素子CSWはオンして、放電抵抗RDによる放電を実行する。
【0108】
すなわち、制御部CNTは、既述の制御電源の喪失時において、ブリッジ回路Yを動作(制御)できないため、制御スイッチ素子CSWをオンすることで、放電抵抗RDに放電電流が流れるようにして、平滑化コンデンサCSを放電させる。
【0109】
このように、制御部CNTは、当該制御電源の喪失時において、ブリッジ回路Yを動作(制御)できないため、バックアップ動作として放電抵抗RDによる放電を実行するものである。
【0110】
この制御部CNTの動作は、非常時のみの単発動作であり、繰り返し動作は発生しないため、放電抵抗RDとしては定格電力が低く小型な抵抗を選定することができる。
【0111】
また、制御部CNTは、DC/DCコンバータXを動作させている時に、検出回路IDが検出した電流が予め設定した設定範囲外になった場合には、DC/DCコンバータXの動作を強制的に停止させる。
【0112】
これにより、例えば、DC/DCコンバータXが誤動作して直流電圧VDが大きくなりすぎた場合に、過電圧が回路内部に印加されるのを抑制することができる。
【0113】
また、制御部CNTは、ユーザが入力する外部信号SAに応じて、制御スイッチ素子CSWをオンすることで、放電抵抗RDに放電電流が流れるようにして、平滑化コンデンサCSを放電させる。
【0114】
これにより、ユーザの操作に応じて、放電抵抗RDに放電電流が流れるようにして、平滑化コンデンサCSを放電させて、第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間の電圧を安全電圧に制御することができる。
【0115】
以上のように、本発明の一態様に係る電力変換装置100は、バッテリBが出力するバッテリ電圧VBを電力変換して、負荷Loadに供給するための交流の出力電圧VOを出力する電力変換装置100であって、バッテリ電圧VBに基づいた直流電圧VDが供給される第1の直流電圧端子TV1と第2の直流電圧端子TV2との間に接続された平滑化コンデンサCSと、直流電圧VDが入力され、スイッチ素子SW1~SW4のスイッチング動作により、変換電圧VYを第1の変換電圧端子TY1と第2の変換電圧端子TY2との間に出力するブリッジ回路Yと、ブリッジ回路Yが出力した変換電圧VYをフィルタリングして出力電圧VOを出力するフィルタ(LCフィルタ)Fと、ブリッジ回路Yを制御することにより、変換電圧VYに基づいた出力電圧VOを第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に出力させる制御部CNTと、を備える。
【0116】
そして、制御部CNTは、電力変換装置100の通常運転時には、ブリッジ回路Yのスイッチ素子SW1~SW4を所定の範囲の駆動周波数で制御して、予め設定された目標値の出力電圧VOを第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間に出力させる。
【0117】
一方、制御部CNTは、電力変換装置100の運転停止時には、出力の停止後予め設定した期間内に、ブリッジ回路Yのスイッチ素子SW1~SW4を駆動周波数よりも高い出力停止用周波数で制御して、平滑化コンデンサCSを放電させるとともに第1の出力電圧端子TO1と第2の出力電圧端子TO2との間を目標値よりも低い値の安全電圧にする。
【0118】
これにより、本発明の電力変換装置によれば、小型化を図りつつ、運転停止時に直流電圧の平滑化コンデンサに蓄積された電荷を放電するとともに出力電圧を安全電圧に制御することができる。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0120】
100 電力変換装置
CNT 制御部
B バッテリ
Load 負荷
TB1 第1のバッテリ端子
TB2 第2のバッテリ端子
X DC/DCコンバータ
CS 平滑化コンデンサ
RD 放電抵抗(放電手段)
ID 検出回路
CSW 制御スイッチ素子
TV1 第1の直流電圧端子
TV2 第2の直流電圧端子
Y ブリッジ回路
TY1 第1の変換電圧端子
TY2 第2の変換電圧端子
F LCフィルタ(フィルタ)
TO1 第1の出力電圧端子
TO2 第2の出力電圧端子
SW1 第1のスイッチ素子
SW2 第2のスイッチ素子
SW3 第3のスイッチ素子
SW4 第4のスイッチ素子
L1 第1のチョークコイル
L2 第2のチョークコイル
CO 出力コンデンサ
VO 出力電圧
VY 変換電圧
VD 直流電圧
図1
図2
図3
図4
図5