(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】アタッチメント及び建設機械
(51)【国際特許分類】
B66C 23/70 20060101AFI20230710BHJP
B66C 23/26 20060101ALI20230710BHJP
B66C 23/42 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
B66C23/70 Z
B66C23/26 C
B66C23/42 A
(21)【出願番号】P 2019130222
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】山崎 健太
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-081627(JP,A)
【文献】特開2018-144993(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01291312(EP,A2)
【文献】実開平02-108916(JP,U)
【文献】実開平01-068307(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00 - 23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームが設けられる建設機械において、ブームの前端部に取付け可能なアタッチメントであって、
後方側から前方側へ長手方向に沿って延設され、前記ブームの前記前端部に後端部が連結可能なアームであって、前記ブームの前記前端部への連結位置を中心として前記ブームに対して回動することにより、前記ブームに対して起きる又は伏せるアームと、
前記アームの前端部に設けられ、前記アームの長手方向及び前記アームの起伏方向の両方に交差する前記アームの幅方向に沿って延設されるシャフトと、
第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部を有し、前記第1のハンドル端部から前記第2のハンドル端部までハンドル長手方向に沿って延設されるハンドルであって、前記第2のハンドル端部が前記シャフトに連結可能であるとともに、前記シャフトに前記第2のハンドル端部が連結された状態において、前記第1のハンドル端部への操作力の印加によって、前記アームを前記ブームに対して起こす作用力を前記第2のハンドル端部から前記アームに前記シャフトを介して作用させることが可能なハンドルと、
前記シャフトを中心として回動可能に前記シャフトに取付けられる中継部材と、
を具備し、
前記ハンドルは、前記中継部材を介して前記シャフトに連結されるとともに、前記中継部材への接続位置を中心として回動可能であり、前記中継部材への前記接続位置を中心として回動することにより、前記アームに対して起きる又は伏せる、
アタッチメント。
【請求項2】
前記ハンドルは、前記第2のハンドル端部において前記ハンドル長手方向について後方側へ突出する第1の突起及び第2の突起を備え、
前記ハンドルは、前記第1の突起が前記第2の突起に対して前記ハンドルが起きる側に位置する状態で、前記中継部材を介して前記シャフトに連結され、
前記ハンドルは、前記第1の突起と前記第2の突起との間の部位が前記シャフトに当接可能な第1の連結状態、及び、前記第2の突起において前記ハンドルが伏せる側を向く部位が前記シャフトに当接可能な第2の連結状態で、前記シャフトに連結可能である、
請求項1のアタッチメント。
【請求項3】
前記ハンドルは、前記アームに格納可能である、
請求項1又は2のアタッチメント。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項のアタッチメントと、
前記アタッチメントの前記アームが前記前端部に回動可能に連結されるブームと、
を具備する建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械においてブームの前端部に取付け可能なアタッチメント、及び、そのアタッチメントを備える建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走行車体及び旋回体を備えるクレーンが、建設機械として開示されている。このクレーンの旋回体では、旋回台にブームの後端部が取付けられ、ブームは、旋回台に対して起伏可能である。このクレーンでは、ブームの前端部のブームヘッドに、長手方向の寸法が短いジブが、アタッチメントとして取外し可能に連結される。アタッチメント(短いジブ)がブームヘッドに連結された状態では、ブームヘッドへの連結位置を中心としてアタッチメントをブームに対して回動することにより、アタッチメントがブームに対して起きる又は伏せる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のような短いジブ等のアタッチメントを用いる場合は、ブームの前端部へアタッチメントを連結する作業において、手間等が低減されることが求められる。すなわち、ブームの前端部へのアタッチメントの連結が、容易に行われることが求められる。
【0005】
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ブームの前端部への連結が容易に行われるアタッチメント、及び、そのアタッチメントを備える建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のある態様は、ブームが設けられる建設機械において、ブームの前端部に取付け可能なアタッチメントであって、後方側から前方側へ長手方向に沿って延設され、前記ブームの前記前端部に後端部が連結可能なアームであって、前記ブームの前記前端部への連結位置を中心として前記ブームに対して回動することにより、前記ブームに対して起きる又は伏せるアームと、前記アームの前端部に設けられ、前記アームの長手方向及び前記アームの起伏方向の両方に交差する前記アームの幅方向に沿って延設されるシャフトと、第1のハンドル端部及び第2のハンドル端部を有し、前記第1のハンドル端部から前記第2のハンドル端部までハンドル長手方向に沿って延設されるハンドルであって、前記第2のハンドル端部が前記シャフトに連結可能であるとともに、前記シャフトに前記第2のハンドル端部が連結された状態において、前記第1のハンドル端部への操作力の印加によって、前記アームを前記ブームに対して起こす作用力を前記第2のハンドル端部から前記アームに前記シャフトを介して作用させることが可能なハンドルと、前記シャフトを中心として回動可能に前記シャフトに取付けられる中継部材と、を備え、前記ハンドルは、前記中継部材を介して前記シャフトに連結されるとともに、前記中継部材への接続位置を中心として回動可能であり、前記中継部材への前記接続位置を中心として回動することにより、前記アームに対して起きる又は伏せる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ブームの前端部への連結が容易に行われるアタッチメント、及び、そのアタッチメントを備える建設機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るクレーンを示す概略図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るブームヘッド、サーチャフック及びその近傍を、ブームに対するアームの角度が第1の角度になる状態で概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るブームヘッド、サーチャフック及びその近傍を、アームのシャフトにハンドルが連結され、かつ、ガイド部材のガイドフック(第1のガイドフック)がアームの係合片に係合した状態で概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るブームヘッド、サーチャフック及びその近傍を、ブームに対するアームの角度が第2の角度になる状態で概略的に示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るブームヘッド、サーチャフック及びその近傍を、アームのシャフトにハンドルが連結され、かつ、ガイド部材のガイドフック(第2のガイドフック)がアームの係合片に係合した状態で概略的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係るサーチャフックを、ハンドルがアームに格納され、かつ、ガイド部材がハンドルに格納された状態で概略的に示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係るサーチャフックを、ハンドルがアームに格納された状態で概略的に示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係るハンドル及びガイド部材を概略的に示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係るハンドルを概略的に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係るハンドルを、ハンドルが起きる側から視た状態で示す概略図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係るハンドルを、ハンドル幅方向の一方側から視た概略図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態に係るハンドルがアームのシャフトに連結された状態を、ハンドルが起きる側から視た概略図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係るハンドルが第1の連結状態でアームのシャフトに連結された状態を示す概略図である。
【
図14】
図14は、第1の実施形態に係るハンドルが第2の連結状態でアームのシャフトに連結された状態を示す概略図である。
【
図15】
図15は、第1の実施形態に係るガイド部材を示す概略図である。
【
図16】
図16は、第1の実施形態に係るサーチャフックをブームヘッドへ連結する作業において、アームをブームヘッドに連結し、かつ、ハンドルをアームのシャフトに第1の連結状態で連結したある状態を示す概略図である。
【
図17】
図17は、
図16の状態から、ハンドルへの操作力の印加によってアームを起こし、ガイド部材のガイドフック(第1のガイドフック)をアームの係合片に係合させた状態を示す概略図である。
【
図18】
図18は、
図17の状態から、中継リンクのそれぞれをアタッチメント側リンクの対応する一方に接続した状態を示す概略図である。
【
図19】
図19は、
図18の状態から、ハンドル及びガイド部材を格納し、かつ、フックをシャフトに取付けた状態を示す概略図である。
【
図20】
図20は、
図19の状態から、中継リンクのそれぞれのアタッチメント側リンクの対応する一方への接続を解除し、かつ、ハンドルをシャフトに第2の連結状態で連結する等したある状態を示す概略図である。
【
図21】
図21は、
図20の状態から、中継リンクのそれぞれをブーム側リンクの対応する一方から取外し、かつ、ハンドルへの操作力の印加によってアームを起こし、ガイド部材のガイドフック(第2のガイドフック)をアームの係合片に係合させた状態を示す概略図である。
【
図22】
図22は、
図21の状態から、片方のブーム側リンクをアタッチメント側リンクの対応する一方に接続した状態を示す概略図である。
【
図23】
図23は、
図22の状態から、中継リンク、ハンドル及びガイド部材を格納し、かつ、フックをシャフトに取付けた状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、
図1乃至
図23を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のクレーン1を示す図である。
図1に示すように、建設機械であるクレーン1は、走行車体2と、走行車体2上に設置される旋回体3と、を備える。旋回体3は、鉛直方向に平行又は略平行な旋回軸を中心として、走行車体2に対して旋回可能である。走行車体2には、前方側の部位に一対のアウトリガ5Aが設けられ、後方側の部位に一対のアウトリガ5Bが設けられる。旋回体3は、旋回台6、運転室7及びブーム8を備える。旋回台6、運転室7及びブーム8は、走行車体2に対して、一緒に旋回する。運転室7では、作業者によってクレーン1の操作等が行われる。
【0011】
ブーム8は、前端(先端)及び後端(基端)を有し、後方側(矢印C2側)から前方側(矢印C1側)へ長手方向に沿って延設される。旋回台6には、ブーム8の後端部(基端部)が取付けられる。ブーム8は、旋回台6に対して起伏可能である。ブーム8の起伏方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)は、ブーム8の長手方向(矢印C1及び矢印C2で示す方向)に対して交差する(垂直又は略垂直である)。また、ブーム8の前端部(先端部)には、ブームヘッド17が設けられる。本実施形態では、ブーム8は、多段ブームであり、長手方向について伸縮可能である。なお、
図1は、状態B1を実線で示し、状態B1に対してブーム8が伏せた状態B2を破線で示す。
【0012】
ブーム8の外表面は、ブーム上面13及びブーム下面15を有する。ブーム上面13は、ブーム8が起きる側(矢印Y1側)を向き、ブーム下面15は、ブーム8が伏せる側(矢印Y2側)を向く。また、本実施形態のクレーン1は、ジブ10を備える。ジブ10は、後端(基端)及び前端(先端)を有し、後方側から前方側へ長手方向に沿って延設される。
図1では、ジブ10は、ブーム下面15に沿って格納された状態で示される。ジブ10がブーム下面15に格納された状態、すなわち、ジブ10がブーム8に対して下抱きされた状態では、ジブ10の長手方向がブーム8の長手方向に対して平行又は略平行になる。そして、ジブ10がブーム下面15に格納された状態では、ジブ10の前方側がブーム8の後方側と一致又は略一致し、かつ、ジブ10の後方側がブーム8の前方側と一致又は略一致する。
【0013】
また、本実施形態のクレーン1には、一対のテンションロッド11A,11Bが設けられる。テンションロッド11A,11Bのそれぞれの一端(前端)は、ジブ10に接続される。ジブ10がブーム下面15に格納された状態では、テンションロッド11A,11Bも、ジブ10と一緒に、ブーム下面15に沿って格納される。また、クレーン1では、ジブ10とは別体のアタッチメントとして、サーチャフック20が、ブームヘッド17に取外し可能に連結される。本実施形態では、ジブ10がブーム下面15に格納された状態において、サーチャフック20をブームヘッド17に取付け可能である。
【0014】
図2乃至
図5は、ブームヘッド17にサーチャフック20が連結された状態でのブームヘッド17(ブーム8の前端部)及びその近傍を示す。ここで、ブーム8の長手方向に対して交差し(垂直又は略垂直で)、かつ、ブーム8の起伏方向に交差する(垂直又は略垂直な)方向を、ブーム8の幅方向(矢印W1及び矢印W2で示す方向)とする。
図1乃至
図5等に示すように、ブーム8の外表面は、ブーム側面16A,16Bを備える。ブーム側面16A,16Bは、ブーム8の幅方向について外側を向き、ブーム8の幅方向について互いに対して反対側を向く。
【0015】
ブームヘッド17には、トップシーブ25、ルースターシーブ27及びガイドシーブ31が配置される。トップシーブ25は、シャフト26を介してブームヘッド17に取付けられ、ルースターシーブ27は、シャフト28を介してブームヘッド17に取付けられる。また、ガイドシーブ31は、シャフト32を介してブームヘッドに取付けられる。シャフト26,28,32のそれぞれは、ブーム8の幅方向に対して平行又は略平行に延設される。ガイドシーブ31及びシャフト32は、トップシーブ25、ルースターシーブ27及びシャフト26,28に対して、ブーム8が起きる側、すなわち、ブーム上面13に近い側に位置する。また、ルースターシーブ27及びシャフト28は、トップシーブ25、ガイドシーブ31及びシャフト26,32に対して、ブーム8の前方側に位置する。
【0016】
クレーン1の作業では、フック(主フック)19を用いて吊荷を吊上げることがある。この場合、旋回台6のウィンチ(図示しない)からロープ(主巻きロープ)18が延出され、ロープ18は、ブーム上面13において後方側から前方側に向かって延設される。そして、ロープ18は、トップシーブ25に掛けられ、フック19は、トップシーブ25からロープ18を介して吊下げられる。
【0017】
ブームヘッド17では、ガイドシーブ31用のシャフト32に、一対のブーム側リンク35A,35Bの一端(後端)が連結される。ブーム側リンク35Aの一端は、ブーム側面16Aにおいてシャフト32に連結され、ブーム側リンク35Bの一端は、ブーム側面16Bにおいてシャフト32に連結される。ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれは、シャフト32を中心として、回動可能である。ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれは、シャフト32を中心として回動することにより、ブームヘッド17(ブーム8の前端部)に対してブーム8の前方側から近づく又はブーム8の前方側へ離れる。
【0018】
また、ブームヘッド17には、リンク受け38A,38Bが設けられる。リンク受け38A,38Bは、シャフト32に対して、ブーム8が伏せる側、すなわち、ブーム下面15に近い側に位置する。ブーム側リンク35Aは、リンク受け38Aに係合可能であり、ブーム側リンク35Bは、リンク受け38Bに係合可能である。ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれは、リンク受け38A,38Bの対応する一方に係合した状態において、ブームヘッド17に最も近づく。また、リンク受け38A,38Bのそれぞれには、連結ピン39A,39Bの対応する一方を取付け可能である。ブーム側リンク35Aがリンク受け38Aに係合した状態では、リンク受け38Aに連結ピン39Aが取付けられることにより、ブーム側リンク35Aのシャフト32を中心とする回動が規制され、ブーム側リンク35Aがブームヘッド17に格納される。同様に、ブーム側リンク35Bがリンク受け38Bに係合した状態では、リンク受け38Bに連結ピン39Bが取付けられることにより、ブーム側リンク35Bのシャフト32を中心とする回動が規制され、ブーム側リンク35Bがブームヘッド17に格納される。
【0019】
ジブ10がブーム下面15に配置された状態、すなわち、ジブ10がブーム8に対して下抱きされた状態では、ジブ10は、ブームヘッド17に対して後方側の部位において、1つ以上の箇所でブーム8に連結される。ジブ10の使用時には、ジブ10がブーム8に対して下抱きされた状態で、ブームヘッド17のトップシーブ25用のシャフト26に、ジブ10の後端部を連結させる。ジブ10の後端部は、ブーム側面16A,16Bのそれぞれにおいてシャフト26に連結される。そして、シャフト26以外の箇所でのジブ10のブーム8への連結を解除する。これにより、ジブ10は、シャフト26を中心としてブーム8に対して回動可能になる。
【0020】
また、ジブ10の使用時には、テンションロッド11A,11Bのそれぞれが、ブーム側リンク35A,35Bの対応する一方に接続される。これにより、テンションロッド11A,11Bのそれぞれが、ブーム側リンク35A,35Bの対応する一方を介して、ブームヘッド17に接続される。ジブ10の使用時には、ブームヘッド17とジブ10との間にテンションロッド11Aとブーム側リンク35Aとの接続体、及び、テンションロッド11Bとブーム側リンク35Bとの接続体が張られた状態で、シャフト26を中心としてジブ10を回動させる。これにより、ジブ10がブーム8に対して起きる又は伏せる。
【0021】
図6及び
図7は、アタッチメントであるサーチャフック20を示す図である。
図1乃至
図7等に示すように、サーチャフック20は、アーム21、一対のアタッチメント側リンク37A,37B及びフック22を備える。アーム21は、前端(先端)及び後端(基端)を有し、後方側(矢印C4側)から前方側(矢印C3側)へ長手方向に沿って延設される。アーム21の長手方向についての寸法は、ジブ10の長手方向についての寸法に比べて、小さい。また、サーチャフック20(アーム21)では、アーム21の長手方向(矢印C3及び矢印C4で示す方向)に対して交差する(垂直又は略垂直な)幅方向(矢印W3及び矢印W4で示す方向)が規定される。サーチャフック20がブームヘッド17に連結された状態では、サーチャフック20(アーム21)の幅方向は、ブーム8の幅方向(矢印W1及び矢印W2で示す方向)と、一致又は略一致する。
【0022】
アーム21は、一対の柱51A,51Bを備え、柱51A,51Bのそれぞれは、アーム21の後端から前端に渡って連続して延設される。柱51A,51Bは、アーム21の幅方向について互いに対して離れて配置される。また、柱51Aの後端部には、アームフート52Aが形成され、柱51Bの後端部には、アームフート52Bが形成される。また、アームフート(アーム連結部)52A,52Bのそれぞれには、フートピン33A,33Bの対応する一方を取付け可能である。
【0023】
サーチャフック20の使用時には、ブームヘッド17のルースターシーブ27用のシャフト28に、アームフート52A,52Bを係合させる。そして、アームフート52Aがシャフト28と係合した状態で、アームフート52Aにフートピン33Aを取付け、アームフート52Bがシャフト28と係合した状態で、アームフート52Bにフートピン33Bを取付ける。これにより、アーム21の後端部が、ブームヘッド17のルースターシーブ27用のシャフト28に、連結される。アームフート52Aは、ブーム側面16Aにおいてシャフト28に連結され、アームフート52Bは、ブーム側面16Bにおいてシャフト28に連結される。前述のようにアーム21がシャフト28でブームヘッド17に連結されることにより、サーチャフック20は、シャフト28を中心としてブーム8に対して回動可能になる。
【0024】
サーチャフック20がシャフト28を中心として回動することにより、サーチャフック20はブーム8に対して起きる又は伏せる。サーチャフック20(アーム21)の起伏方向(矢印Y3及び矢印Y4で示す方向)は、アーム21の長手方向に対して交差し(垂直又は略垂直で)、かつ、アーム21(サーチャフック20)の幅方向に対して交差する(垂直又は略垂直である)。前述のように、サーチャフック20がブーム8に対して起きる又は伏せることにより、ブーム8の長手方向に対するアーム21の長手方向の角度(オフセット角)θが変化する。また、アーム21の外表面は、アーム上面43及びアーム下面45を有する。アーム上面43は、サーチャフック20が起きる側(矢印Y3側)を向き、アーム下面45は、サーチャフック20が伏せる側(矢印Y4側)を向く。
【0025】
なお、前述のようにサーチャフック20のアーム21は、シャフト28でブームヘッド17に連結され、ブーム側リンク35A,35Bは、シャフト32でブームヘッド17へ接続される。このため、ブーム8の前端部へのサーチャフック20(アーム21)の連結位置に対して、ブーム8の前端部へのブーム側リンク35A,35Bの連結位置は、ブーム8が起きる側、すなわち、ブーム上面13に近い側に位置する。
【0026】
また、本実施形態でサーチャフック20は、ブーム8に対するアーム21の角度θが第1の角度θ1になる状態、及び、ブーム8に対するアーム21の角度θが第1の角度θ1とは異なる第2の角度θ2になる状態で、使用可能である。ブーム8に対するアーム21の角度θが第2の角度θ2になる場合、ブーム8に対するアーム21の角度θが第1の角度θ1になる場合に比べて、サーチャフック20がブーム8に対して起きる。
図1の状態B1及び
図2の状態では、ブーム8に対するアーム21の角度θが第1の角度θ1になる。そして、
図1の状態B2及び
図4の状態では、ブーム8に対するアーム21の角度θが第2の角度θ2になる。
【0027】
また、サーチャフック20では、柱51Aの前端部に、アタッチメント側リンク37Aの一端(前端)が接続され、柱51Bの前端部に、アタッチメント側リンク37Bの一端(前端)が接続される。アーム21へのアタッチメント側リンク37A,37Bの接続位置は、アームフート52A,52Bに対して、アーム21の前方側に位置する。アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれは、接続ピン55A,55Bの対応する一方を介して、アーム21に接続される。
【0028】
アーム21では、柱51A,51Bの間に、シャフト47が延設される。シャフト47は、アーム21の幅方向に沿って延設される。アーム21では、シャフト47は、接続ピン55A,55B(アタッチメント側リンク37A,37Bのアーム21への接続位置)に対して、前方側に配置され、アーム21の前端部に設けられる。シャフト47には、回動リンク48を介して、フック22が連結される。フック22は、連結ピン49を介して、回動リンク48に取外し可能に連結される。
【0029】
また、サーチャフック20は、一対の中継リンク36A,36Bを備える。ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれの一端(後端)は、前述のように、ブームヘッド17のシャフト32に連結される。中継リンク36A,36Bのそれぞれは、ブーム側リンク35A,35Bの対応する一方の他端(前端)に、取外し可能に接続される。
【0030】
アーム21がブーム8に対して前述の第1の角度θ1になる状態でサーチャフック20を使用する場合は、中継リンク36A,36Bのそれぞれは、ブーム側リンク35A,35Bの対応する一方に接続される。そして、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれは、中継リンク36A,36Bの対応する一方、及び、アタッチメント側リンク37A,37Bの対応する一方を間に介して、アーム21に接続される。このため、アーム21がブーム8に対して第1の角度θ1になる状態でサーチャフック20を使用する場合は、ブームヘッド17とアーム21との間にブーム側リンク35A、中継リンク36A及びアタッチメント側リンク37Aの接続体、及び、ブーム側リンク35B、中継リンク36B及びアタッチメント側リンク37Bの接続体が張られた状態になる。この際、ブーム側リンク35Aは、連結ピン39Aを介して中継リンク36Aに接続され、ブーム側リンク35Bは、連結ピン39Bを介して中継リンク36Bに接続される。そして、アタッチメント側リンク37Aは、連結ピン66Aを介して中継リンク36Aに接続され、アタッチメント側リンク37Bは、連結ピン66Bを介して中継リンク36Bに接続される。
【0031】
一方、アーム21がブーム8に対して前述の第2の角度θ2になる状態でサーチャフック20を使用する場合は、中継リンク36A,36Bは、ブーム側リンク35A,35Bに取付けられない。そして、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれは、アタッチメント側リンク37A,37Bの対応する一方のみを間に介して、アーム21に接続される。このため、アーム21がブーム8に対して第2の角度θ2になる状態でサーチャフック20を使用する場合は、ブームヘッド17とアーム21との間にブーム側リンク35A及びアタッチメント側リンク37Aの接続体、及び、ブーム側リンク35A及びアタッチメント側リンク37Bの接続体が張られた状態になる。この際、ブーム側リンク35Aは、前述の連結ピン39Aを介してアタッチメント側リンク37Aに接続され、ブーム側リンク35Bは、前述の連結ピン39Bを介してアタッチメント側リンク37Bに接続される。
【0032】
また、
図6及び
図7等に示すように、サーチャフック20の不使用時等には、アタッチメント側リンク37A,37Bは、アーム21に格納可能である。アタッチメント側リンク37Aがアーム21に格納された状態では、アタッチメント側リンク37Aは、接続ピン55Aを介して柱51Aに接続されるとともに、前述のフートピン33Aを介しても、柱51Aに取付けられる。そして、アタッチメント側リンク37Bがアーム21に格納された状態では、アタッチメント側リンク37Bは、接続ピン55Bを介して柱51Bに接続されるとともに、前述のフートピン33Bを介しても、柱51Bに取付けられる。アタッチメント側リンク37A,37Bがアーム21に格納された状態では、フートピン33A,33Bは、接続ピン55A,55Bに対して、アーム21の後方側に位置する。なお、
図6及び
図7では、アタッチメント側リンク37A,37Bはアーム21に格納された状態で、示される。
【0033】
アーム21では、柱51Aに係合片58A,65A,68Aが形成され、柱51Bに係合片58B,65B,68Bが形成される。係合片65A,65Bは、接続ピン55A,55B(アタッチメント側リンク37A,37Bのアーム21への接続位置)に対して、アーム21の後方側に配置される。また、アタッチメント側リンク37A,37Bがアーム21に格納された状態では、係合片65A,65Bは、フートピン33A,33Bに対して、アーム21の後方側に配置される。また、係合片68A,68Bは、係合片65A,65Bに対して後方側に配置され、アームフート52A,52Bに対して前方側に配置される。また、アーム21では、係合片58A,58Bは、係合片65A,65Bに対して後方側に配置され、係合片68A,68Bに対して前方側に配置される。
【0034】
中継リンク36A,36Bは、中継リンク36A,36Bの不使用時等には、アーム21に格納可能である。中継リンク36Aがアーム21に格納された状態では、中継リンク36Aは、前述の連結ピン66Aを介して係合片65Aに取付けられ、係合片68Aと係合する。そして、中継リンク36Bがアーム21に格納された状態では、中継リンク36Bは、前述の連結ピン66Bを介して係合片65Bに取付けられ、係合片68Bと係合する。アタッチメント側リンク37A,37B及び中継リンク36A,36Bがアーム21に格納された状態では、中継リンク36A,36Bは、アタッチメント側リンク37A,37Bに対して、アーム21の後方側に位置する。
図4及び
図6では、中継リンク36A,36Bはアーム21に格納された状態で、示される。
【0035】
図3、
図5乃至
図7に示すように、サーチャフック20は、ハンドル70及びガイド部材71を備える。
図8は、ハンドル70及びガイド部材71を示し、
図9乃至
図11は、ハンドル70を示す。ここで、ハンドル70は、第1のハンドル端部E1及び第2のハンドル端部E2を有し、ハンドル70では、ハンドル長手方向(矢印C5及び矢印C6で示す方向)が規定される。そして、ハンドル70は、第1のハンドル端部E1から第2のハンドル端部E2までハンドル長手方向に沿って延設される。ハンドル長手方向について第1のハンドル端部E1が位置する側がハンドル70の前方側(矢印C5側)となり、ハンドル長手方向について第2のハンドル端部E2が位置する側がハンドル70の後方側(矢印C6側)となる。また、ハンドル70では、ハンドル長手方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)ハンドル幅方向(矢印W5及び矢印W6で示す方向)が規定される。なお、
図11では、ハンドル70は、ハンドル幅方向の一方側から視た状態で示される。
【0036】
ハンドル70は、柱部72~76,77A,77Bを備える。柱部72は、ハンドル70の第1のハンドル端部E1を形成し、ハンドル幅方向に沿って延設される。また、柱部73,74のそれぞれは、ハンドル長手方向についてハンドル70の中央部に配置され、ハンドル幅方向に沿って延設される。柱部74は、柱部73に対して、第2のハンドル端部E2に近い側、すなわち、ハンドル70の後方側に位置する。柱部75は、柱部72から柱部73まで、ハンドル長手方向に沿って後方側へ延設される。そして、柱部76は、柱部73から柱部74まで、ハンドル長手方向に沿って後方側へ延設される。なお、ハンドル幅方向についてのハンドル70の仮想上の中央面は、柱部75,76を通る。
【0037】
柱部77A,77Bのそれぞれは、柱部73から、ハンドル長手方向に沿って後方側へ延設される。柱部77A,77Bは、ハンドル70の第2のハンドル端部E2を形成する。柱部77A,77Bは、ハンドル幅方向について互いに対して離れて配置され、ハンドル幅方向についてのハンドル70の仮想上の中央面は、柱部77A,77Bの間を通る。また、柱部74は、柱部77A,77Bの間にハンドル幅方向に沿って延設される。また、ハンドル70の柱部77A,77Bは、第2のハンドル端部(ハンドル後端部)E2において、シャフト47に連結可能である。
【0038】
図3、
図5、
図12乃至
図14は、ハンドル70がアーム21のシャフト47に連結された状態を示す。
図3、
図5、
図12乃至
図14等に示すように、ハンドル70がアーム21のシャフト47に連結された状態では、ハンドル70のハンドル幅方向は、アーム21の幅方向(矢印W3及び矢印W4で示す方向)と、一致又は略一致する。また、
図2、
図4及び
図12等に示すように、シャフト47には、一対の中継部材81A,81Bが取付けられる。中継部材81A,81Bは、アーム21の幅方向について互いに対して離れて配置され、回動リンク48は、アーム21の幅方向について中継部材81A,81Bの間に配置される。中継部材81A,81Bのそれぞれは、シャフト47を中心として回動可能である。
【0039】
ハンドル70では、柱部77Aが中継部材81Aを介してシャフト47に連結され、柱部77Bが中継部材81Bを介してシャフト47に連結される。第2のハンドル端部E2を形成する柱部77Aの後端部には、一対の板状部82A,83Aが形成される。そして、板状部82A,83Aは、ハンドル幅方向について離れて配置され、板状部82A,83Aの間には、隙間が形成される。同様に、第2のハンドル端部E2を形成する柱部77Bの後端部には、一対の板状部82B,83Bが形成される。そして、板状部82B,83Bは、ハンドル幅方向について離れて配置され、板状部82B,83Bの間には、隙間が形成される。本実施形態では、板状部83Aは、板状部82Aに対してハンドル幅方向の内側に配置され、板状部83Bは、板状部82Bに対してハンドル幅方向の内側に配置される。板状部82A,83Aは、板状部82A,83Aの間の隙間に中継部材81Aが挿入された状態で、連結ピン85Aを介して中継部材81Aに接続される。同様に、板状部82B,83Bは、板状部82B,83Bの間の隙間に中継部材81Bが挿入された状態で、連結ピン85Bを介して中継部材81Bに接続される。
【0040】
前述のようにハンドル70が中継部材81A,81Bを介してシャフト47に連結されることにより、ハンドル70は、連結ピン85A,85Bを中心として、すなわち、中継部材81A,81Bへの接続位置を中心として回動可能になる。中継部材81A,81Bへの接続位置を中心としてハンドル70が回動することにより、ハンドル70はアーム21に対して起きる又は伏せる。ハンドル70の起伏方向(矢印Y5及び矢印Y6で示す方向)は、ハンドル長手方向に対して交差し(垂直又は略垂直で)、かつ、ハンドル幅方向に対して交差する(垂直又は略垂直である)。なお、
図10及び
図12では、ハンドル70は、ハンドル70が起きる側(矢印Y5側)から視た状態で示される。
【0041】
また、柱部77Aの後端部に形成される板状部83Aには、ハンドル長手方向について後方側へ突出する突起86A,87Aを備える。同様に、柱部77Bの後端部に形成される板状部83Bには、ハンドル長手方向について後方側へ突出する突起86B,87Bを備える。ハンドル70は、突起(第1の突起)86A,86Bが突起(第2の突起)87A,87Bに対してハンドル70が起きる側に位置する状態で、中継部材81A,81Bを介してシャフト47に連結される。また、ハンドル70は、
図13に示す第1の連結状態、及び、
図14に示す第2の連結状態の2つの連結状態で、シャフト47に連結可能である。
【0042】
図13に示すように、第1の連結状態では、突起86A,87Aの間の部位、及び、突起86B,87Bの間の部位がシャフト47の外周面に当接可能になる。そして、第1の連結状態では、作業者等は、連結ピン85A,85Bを中心として起きる側にハンドル70を回動させる操作力を、第1のハンドル端部E1の柱部72に印加する。これにより、突起86A,87Aの間の部位、及び、突起86B,87Bの間の部位がシャフト47に当接する。そして、ハンドル70の第2のハンドル端部E2のシャフト47への当接部分からシャフト47を介して、アーム21をブーム8に対して起こす作用力が、アーム21に作用する。
【0043】
一方、
図14に示すように、第2の連結状態では、突起87Aにおいてハンドル70が伏せる側(矢印Y6側)を向く部位、及び、突起87Bにおいてハンドル70が伏せる側を向く部位がシャフト47の外周面に当接可能になる。そして、第2の連結状態では、作業者等は、連結ピン85A,85Bを中心として伏せる側にハンドル70を回動させる操作力を、第1のハンドル端部E1の柱部72に印加する。これにより、突起87Aにおいてハンドル70が伏せる側を向く部位、及び、突起87Bにおいてハンドル70が伏せる側を向く部位がシャフト47に当接する。そして、梃子の原理によって、ハンドル70の第2のハンドル端部E2のシャフト47への当接部分からシャフト47を介して、アーム21をブーム8に対して起こす作用力が、アーム21に作用する。ここで、柱部72に印加される操作力が同一の大きさならば、第1の連結状態に比べ、第2の連結状態において、アーム21に作用するアーム21を起こす作用力が、大きくなる。
【0044】
また、ハンドル70は、アーム21に格納可能である。ハンドル70では、柱部77Aに板状部91Aが形成され、柱部77Bに板状部91Bが形成される。板状部91A,91Bは、ハンドル長手方向について柱部73,74の間に配置される。ハンドル70がアーム21に格納された状態では、板状部91Aが前述の連結ピン85Aを介してアーム21に取付けられ、板状部91Bが前述の連結ピン85Bを介してアーム21に取付けられる。そして、ハンドル70がアーム21に格納された状態では、連結ピン85A,85Bは、接続ピン55A,55B(アタッチメント側リンク37A,37Bのアーム21への接続位置)に対してアーム21の後方側に配置され、係合片65A,65Bに対してアーム21の前方側に配置される。また、ハンドル70がアーム21に格納された状態では、ハンドル70の柱部72がアーム21の係合片58A,58Bと係合する。
【0045】
前述のようにハンドル70が格納されることにより、ハンドル70がアーム21に格納された状態では、ハンドル70の前方側(第1のハンドル端部E1側)がアーム21の後方側と一致又は略一致し、かつ、ハンドル70の後方側(第2のハンドル端部E2側)がアーム21の前方側と一致又は略一致する。そして、ハンドル70がアーム21に格納された状態でも、ハンドル70のハンドル幅方向は、アーム21の幅方向と一致又は略一致する。
【0046】
また、ハンドル70の柱部76には、係合片92が形成される。ハンドル70がアーム21に格納された状態では、係合片92は、接続ピン55A,55Bに対してアーム21の後方側に配置され、係合片65A,65Bに対してアーム21の前方側に配置される。
図6等に示すように、サーチャフック20の不使用時等には、フック22は、ハンドル70と一緒にアーム21に格納可能である。フック22が格納された状態では、フック22は、ハンドル70の係合片92に係合し、係合片92に引掛けられる。
【0047】
図15は、ガイド部材71を示す。
図8及び
図15等に示すように、ガイド部材71は、第1のガイド端部E3及び第2のガイド端部E4を有し、第1のガイド端部E3から第2のガイド端部E4までガイド軸方向(矢印C7及び矢印C8で示す方向)に沿って延設される。ガイド軸方向について第1のガイド端部E3が位置する側がガイド部材71の前方側(矢印C7側)となり、ガイド軸手方向について第2のガイド端部E4が位置する側がガイド部材71の後方側(矢印C8側)となる。
【0048】
ガイド部材71は、バー部95,96を備える。バー部95は、第2のガイド端部E4を形成し、第2のガイド端部E4からガイド部材71の前方側へ向かって延設される。バー部96は、第1のガイド端部E3を形成し、第1のガイド端部E3からガイド部材71の後方側へ向かって延設される。また、ガイド部材71では、ガイド軸方向についてバー部95,96の間に中継部97が設けられる。ガイド部材71では、例えば、作業者等の操作によってガイド部材71の中心軸の軸回りにバー部95を中継部97に対して回転させることにより、ガイド軸方向についての中継部97の寸法が変化する。これにより、ガイド軸方向についてのガイド部材71の寸法が、変化する。
【0049】
また、ガイド部材71では、ガイドフック(第1のガイドフック)101Aが連結ピン102Aを介してバー部96に取付けられ、ガイドフック(第2のガイドフック)101Bが連結ピン102Bを介してバー部96に取付けられる。ガイドフック101Aは、連結ピン102Aを中心として回動可能であり、ガイドフック101Bは、連結ピン102Bを中心として回動可能である。ガイド部材71では、ガイドフック101Aは、ガイドフック101Bに対して、前方側、すなわち、第1のガイド端部E3に近い側に配置される。
【0050】
また、ガイドフック101A及びバー部96には、規制ピン103Aを取付け可能であり、ガイドフック101B及びバー部96には、規制ピン103Bを取付け可能である。ガイドフック101Aには、孔105A,106Aが形成され、ガイドフック101Bには、孔105B,106Bが形成される。規制ピン103Aが孔105Aに挿通された状態で規制ピン103Aがガイドフック101A及びバー部96に取付けられることにより、ガイドフック101Aは係合位置で保持され、ガイドフック101Aの係合位置からの回動が規制される。一方、規制ピン103Aが孔106Aに挿通された状態で規制ピン103Aがガイドフック101A及びバー部96に取付けられることにより、ガイドフック101Aは非係合位置で保持され、ガイドフック101Aの非係合位置からの回動が規制される。ガイドフック101Bについても、規制ピン103Bによって、ガイドフック101Aと同様にして、係合位置及び非係合位置で保持可能である。
【0051】
また、
図3及び
図5等に示すように、ガイド部材71は、ブーム8のブームヘッド17に連結可能である。ガイド部材71は、第2のガイド端部E4、すなわち、バー部95の後端部において、ブームヘッド17に接続される。ガイド部材71は、ブーム側面16Aにおいて、連結ピン110を介してブームヘッド17に接続される。ガイド部材71のブーム8の前端部への連結位置は、サーチャフック20(アーム21)のブーム8の前端部への連結位置(シャフト28)に対して、ブーム8が起きる側、すなわち、ブーム上面13に近い側に位置する。そして、ガイド部材71のブーム8の前端部への連結位置は、ブーム側リンク35A,35Bのブーム8の前端部への連結位置(シャフト32)に対して、ブーム8が伏せる側、すなわち、ブーム下面15に近い側に位置する。
【0052】
ガイド部材71がブームヘッド17に連結され、かつ、ガイドフック101Aが係合位置に位置する状態では、ガイドフック101Aは、アーム21の係合片68Aと係合可能である。ガイドフック101Aは、中継リンク36Aがアーム21に格納されていない状態において、係合片68Aと係合する。ガイドフック101Aが係合片68Aと係合することにより、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第1の角度θ1になる状態、又は、角度θが第1の角度θ1になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。
図3では、ガイド部材71のガイドフック(第1のガイドフック)101Aがアーム21の係合片68Aと係合した状態が、示される。
【0053】
ガイド部材71がブームヘッド17に連結され、かつ、ガイドフック101Bが係合位置に位置する状態では、ガイドフック101Bは、アーム21の係合片68Aと係合可能である。ガイドフック101Bは、中継リンク36Aがアーム21に格納されていない状態において、係合片68Aと係合する。ガイドフック101Bが係合片68Aと係合することにより、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第2の角度θ2になる状態、又は、角度θが第2の角度θ2になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。
図5では、ガイド部材71のガイドフック(第2のガイドフック)101Bがアーム21の係合片68Aと係合した状態が、示される。
【0054】
また、
図6及び
図8等に示すように、ガイド部材71は、ハンドル70に格納可能である。したがって、アーム21には、ガイド部材71が格納された状態のハンドル70を格納可能である。ハンドル70の柱部73には、係合溝111が形成される。本実施形態のハンドル70では、柱部73において、ハンドル幅方向について柱部77Bが位置する側の端部に、係合溝111が形成される。ガイド部材71がハンドル70に格納された状態では、ガイド部材71のバー部96が係合溝111に挿入され、バー部96が係合溝111と係合する。また、ガイド部材71がハンドル70に格納された状態では、規制ピン103Bが、ガイド部材71のバー部96及びハンドル70の柱部73に取付けられ、規制ピン103Bによって、係合溝111からバー部96が抜けることが防止される。
【0055】
また、ガイド部材71がハンドル70に格納された状態では、規制ピン103Aは、孔105Aに挿通された状態で、ガイドフック101A及びバー部96に取付けられる。このため、ガイドフック101Aは、係合位置で保持される。ガイド部材71がハンドル70に格納された状態では、係合位置で保持されたガイドフック101Aが、ハンドル70の柱部72に係合し、柱部72に引掛けられる。
【0056】
また、ガイド部材71の第1のガイド端部(前端部)E3には、ワイヤ112の一端が接続される。ガイド部材71の第2のガイド端部E4がブームヘッド17に連結された状態では、作業者等は、ワイヤ112に操作力を印加することにより、連結ピン110を中心としてガイド部材71を回動させる等、ガイド部材71を移動させる。
【0057】
次に、本実施形態のアタッチメントであるサーチャフック20及び建設機械であるクレーン1の作用及び効果について説明する。サーチャフック20の使用時には、前述のように、アーム21をブームヘッド17に連結する。そして、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれをアーム21に接続する。サーチャフック20を用いた作業では、
図1等に示すように、フック22に吊荷(A1又はA2等)を引掛け、サーチャフック20によって吊荷(A1又はA2等)を吊上げる。サーチャフック20は、屋内等の上空制限がある作業環境において、吊荷の吊上げに用いられる。ここで、サーチャフック20では、フック22は、アーム21のシャフト47から回動リンク48のみを介して吊下げられ、フック22の吊下げには、ロープ等は用いられない。このため、上空制限がある作業環境において吊荷を吊上げる際にも、アーム21の前端部からフック22の下端までの距離が小さくなることにより、クレーン1の揚程(地面からフック22の下端までの距離)が大きく確保される。
【0058】
なお、本実施形態のサーチャフック20は、ブーム8に対するアーム21の角度θが第1の角度θ1になる状態、及び、ブーム8に対するアーム21の角度θが第2の角度θ2になる状態で、使用可能である。このため、サーチャフック20を使用する際には、天井(T1又はT2等)までの高さ等の作業環境、及び、ブーム8の起伏状態等に対応させて、ブーム8の長手方向に対するアーム21の長手方向の角度θ、すなわち、サーチャフック20のブーム8に対する起伏状態を、決定する。この際、作業環境及びブーム8の起伏状態等に対応させて、クレーン1の揚程が最大限に確保される状態に、角度θを決定する。例えば、天井T1の屋内で作業が行われる状態B1では、角度θを第1の角度θ1にして、サーチャフック20を用いて吊荷A1を吊上げる。また、地面からの高さが天井T1より低い天井T2の屋内で作業が行われる状態B2では、状態B1に比べてブーム8を伏せ、かつ、角度θを第2の角度θ2にして、サーチャフック20を用いて吊荷A2を吊上げる。
【0059】
ここで、ブームヘッド17(ブーム8の前端部)へサーチャフック20を連結する作業、及び、ブーム8に対するアーム21の角度θを変更する作用等について説明する。サーチャフック20をブームヘッド17に取付ける際には、アウトリガ5A,5Bのそれぞれを地面に接地し、ブーム8を最も伏せた状態にする。また、アーム21に前述のように格納されているフック22、ハンドル70及び中継リンク36A,36Bを、アーム21から取外し、ハンドル70に前述のように格納されているガイド部材71をハンドル70から取外す。そして、
図16に示すように、ブームヘッド17のルースターシーブ27用のシャフト28に、アーム21を連結する。これにより、アーム21は、シャフト28を中心として回動可能になる。この際、前述のようにフートピン33A,33Bを用いて、アーム21がブームヘッド17に連結される。
【0060】
ここで、角度θが第1の角度θ1になる状態でサーチャフック20を使用する場合について考える。この場合、
図16に示すように、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれに、中継リンク36A,36Bの対応する一方を接続する。そして、ハンドル70を、前述のように中継部材81A,81Bを介してシャフト47に連結する。また、ガイド部材71を、前述のように連結ピン110を介してブームヘッド17に連結する。この際、ガイド部材71では、ガイドフック101Aは、規制ピン103Aによって係合位置で保持され、ガイドフック101Bは、規制ピン103Bによって係合位置で保持される。ガイド部材71をブームヘッド17に連結することにより、ガイド部材71は、係合片68A上に配置される。ただし、
図16の状態では、係合片68Aは、ガイドフック101A,101Bのいずれとも係合していない。
【0061】
また、角度θが第1の角度θ1になる状態でサーチャフック20を使用する際は、前述した第1の連結状態で、ハンドル70をシャフト47に連結する。そして、作業者等は、連結ピン85A,85Bを中心として起きる側にハンドル70を回動させる操作力を、第1のハンドル端部E1の柱部72に印加する。これにより、ハンドル70において突起86A,87Aの間の部位、及び、突起86B,87Bの間の部位がシャフト47に当接する。そして、ハンドル70のシャフト47への当接部分からシャフト47を介して、アーム21をブーム8に対して起こす作用力が、アーム21に作用する。作業者等は、前述のようにハンドル70に操作力を印加することにより、
図17に示すように、
図16の状態からアーム21をブーム8に対して起こし(矢印X1)、ガイド部材71のガイドフック101Aにアーム21の係合片68Aを係合させる。これにより、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第1の角度θ1になる状態、又は、角度θが第1の角度θ1になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。ハンドル70に操作力を印加することにより、アーム21を起こす作用力が作用するため、作業者等は、容易にアーム21を起こすことが可能となり、ガイドフック101Aを係合片68Aに容易に係合させることが可能となる。
【0062】
そして、
図18に示すように、
図17の状態から、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれを中継リンク36A,36Bの対応する一方に接続する。そして、
図18の状態から、ガイドフック101Aを係合位置から非係合位置まで回動させ、規制ピン103Aによってガイドフック101Aを非係合位置で保持する。そして、ワイヤ112を引張る等してワイヤ112に操作力を印加することにより、ガイド部材71をブーム8に対して起きる側に連結ピン110を中心として回動させる。これにより、ガイドフック101Aと係合片68Aとの係合が解除される。ワイヤ112に操作力を印加することにより、ガイド部材71が回動するため、作業者等は、ガイドフック101Aと係合片68Aとの係合を容易に解除可能となる。ここで、ガイドフック101Aと係合片68Aとの係合が解除されても、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれは、中継リンク36A,36Bの対応する一方及びアタッチメント側リンク37A,37Bの対応する一方を介して、アーム21に接続される。このため、ガイドフック101Aと係合片68Aとの係合が解除されても、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第1の角度θ1になる状態で保持される。
【0063】
なお、
図17において、角度θが第1の角度θ1になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態でアーム21が保持される場合は、前述のようにガイドフック101Aと係合片68Aとの係合を解除した後、アーム21をブーム8に対して僅かに伏せる。これにより、ブーム8に対するアーム21の角度θを第1の角度θ1にする。
【0064】
そして、
図19に示すように、アーム21のブーム8に対する角度θが第1の角度θ1に保持された状態で、ブームヘッド17からガイド部材71を取り外し、シャフト47からハンドル70を取り外す。そして、ガイド部材71を前述のようにハンドル70に格納し、ガイド部材71が格納された状態でハンドル70をアーム21に前述のように格納する。また、シャフト47に、フック22を取付ける。そして、ブーム8を起こし、ブーム8に対するアーム21の角度θが第1の角度θ1になる状態で、サーチャフック20を用いた吊荷の吊上げ等の作業を行う。
【0065】
また、サーチャフック20を用いた作業においては、ブーム8に対するアーム21の角度θが第1の角度θ1になる状態で作業を行った後、第2の角度θ2等に角度θを変化させて、作業を行うことがある。この場合、
図19の状態から、アーム21に格納されているハンドル70を、アーム21から取外し、ハンドル70に格納されているガイド部材71をハンドル70から取外す。そして、
図20に示すように、シャフト47からフック22を取り外す。また、ハンドル70をシャフト47に取付ける。角度θが第2の角度θ2になる状態でサーチャフック20を使用する際は、前述した第2の連結状態で、ハンドル70をシャフト47に連結する。
【0066】
そして、ガイド部材71を、前述のように連結ピン110を介してブームヘッド17に連結する。この際、ガイド部材71では、ガイドフック101Aは、規制ピン103Aによって非係合位置で保持され、ガイドフック101Bは、規制ピン103Bによって係合位置で保持される。そして、ガイドフック101Aを係合位置に移動させ、ガイドフック101Aをアーム21の係合片68Aに係合させる。これにより、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第1の角度θ1になる状態、又は、角度θが第1の角度θ1になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。なお、ガイドフック101Aが係合片68Aと係合した状態での角度θが第1の角度θ1に対して僅かに大きい場合は、ハンドル70に操作力を印加するより、角度θが第1の角度θ1の状態からアーム21を僅かに起こす。これにより、ガイドフック101Aを係合片68Aに係合させる。
【0067】
そして、
図20に示すように、ガイドフック101Aが係合片68Aに係合した状態で、中継リンク36A,36Bの対応する一方へのアタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれの接続を解除する。この際、ガイドフック101Aが係合片68Aに係合しているため、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第1の角度θ1になる状態、又は、角度θが第1の角度θ1になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。そして、
図21に示すように、
図20の状態から、中継リンク36A,36Bのそれぞれを、ブーム側リンク35A,35Bの対応する一方から取外す。
【0068】
そして、作業者等は、連結ピン85A,85Bを中心として伏せる側にハンドル70を回動させる操作力を、第1のハンドル端部E1の柱部72に印加する。前述のように、角度θが第2の角度θ2になる状態でサーチャフック20を使用する際は、第2の連結状態で、ハンドル70がシャフト47に連結される。このため、前述のように第1のハンドル端部E1に操作力が印加されることにより、ハンドル70では、突起87Aにおいてハンドル70が伏せる側を向く部位、及び、突起87Bにおいてハンドル70が伏せる側を向く部位がシャフト47に当接する。そして、ハンドル70のシャフト47への当接部分からシャフト47を介して、アーム21をブーム8に対して起こす作用力が、アーム21に作用する。作業者等は、前述のようにハンドル70に操作力を印加することにより、
図21に示すように、
図20の状態からアーム21をブーム8に対して起こし(矢印X2)、ガイド部材71のガイドフック101Bにアーム21の係合片68Aを係合させる。これにより、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第2の角度θ2になる状態、又は、角度θが第2の角度θ2になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。ハンドル70に操作力を印加することにより、アーム21を起こす作用力が作用するため、作業者等は、容易にアーム21を起こすことが可能となり、ガイドフック101Aを係合片68Aに容易に係合させることが可能となる。
【0069】
また、シャフト47に第2の連結状態でハンドル70を連結することにより、梃子の原理によって、第1の連結状態に比べて、アーム21に作用するアーム21を起こす作用力が、大きくなる。このため、角度θが第2の角度θ2及びその近傍になる状態まで、アーム21を起こす場合でも、作業者等は、ハンドル70に印加する操作力を大きくすることなく、アーム21を起こすことが可能になる。
【0070】
そして、
図22に示すように、
図21の状態から、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれをブーム側リンク35A,35Bの対応する一方に接続する。そして、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれがブーム側リンク35A,35Bの対応する一方に接続された状態において、ガイドフック101Bを係合位置から非係合位置まで回動させ、規制ピン103Bによってガイドフック101Bを非係合位置で保持する。そして、ワイヤ112を引張る等してワイヤ112に操作力を印加することにより、ガイド部材71をブーム8に対して起きる側に連結ピン110を中心として回動させる。これにより、ガイドフック101Bと係合片68Aとの係合が解除される。ワイヤ112に操作力を印加することにより、ガイド部材71が回動するため、作業者等は、ガイドフック101Bと係合片68Aとの係合を容易に解除可能となる。ここで、ガイドフック101Bと係合片68Aとの係合が解除されても、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれは、アタッチメント側リンク37A,37Bの対応する一方を介して、アーム21に接続される。このため、ガイドフック101Bと係合片68Aとの係合が解除されても、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第2の角度θ2になる状態で保持される。
【0071】
なお、
図22において、角度θが第2の角度θ2になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態でアーム21が保持される場合は、前述のようにガイドフック101Aと係合片68Aとの係合を解除した後、アーム21をブーム8に対して僅かに伏せる。これにより、ブーム8に対するアーム21の角度θを第2の角度θ2にする。
【0072】
そして、
図23に示すように、アーム21のブーム8に対する角度θが第2の角度θ2に保持された状態で、ブームヘッド17からガイド部材71を取り外し、シャフト47からハンドル70を取り外す。そして、ガイド部材71を前述のようにハンドル70に格納し、ガイド部材71が格納された状態でハンドル70をアーム21に前述のように格納する。また、シャフト47に、フック22を取付ける。また、中継リンク36A,36Bを、前述のようにアーム21に格納する。そして、ブーム8を起こし、ブーム8に対するアーム21の角度θが第2の角度θ2になる状態で、サーチャフック20を用いた吊荷の吊上げ等の作業を行う。
【0073】
前述のように、本実施形態では、アーム21のシャフト47に、ハンドル70の第2のハンドル端部E2が連結される。そして、ハンドル70の第1のハンドル端部E1に操作力を印加することにより、アーム21を起こす作用力がアーム21に作用するため、作業者等は、容易にアーム21を起こすことが可能となる。これにより、作業者等は、ブーム8の前端部へアタッチメントであるサーチャフック20を容易に連結可能となる。また、ブーム8に対するアーム21の角度θを変更する作業も、容易に行うことが可能になる。
【0074】
また、ハンドル70は、第1の連結状態及び第2の連結状態で、シャフト47に連結可能である。特に、シャフト47に第2の連結状態でハンドル70が連結されることにより、ハンドル70に操作力を印加した際にアーム21に作用するアーム21を起こす作用力が、梃子の原理によって、大きくなる。このため、角度θが第2の角度θ2及びその近傍になる状態までアーム21を起こす場合等、角度θが大きい状態までアーム21を起こす場合でも、作業者等は、ハンドル70に印加する操作力を大きくすることなく、アーム21を起こすことが可能になる。これにより、ブーム8の前端部へサーチャフック20を連結する作業、及び、ブーム8に対するアーム21の角度θを変更する作業等の作業性が向上する。
【0075】
また、本実施形態では、ガイド部材71のガイドフック101Aがアーム21の係合片68Aに係合することにより、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第1の角度θ1になる状態、又は、角度θが第1の角度θ1になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。これにより、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれを、中継リンク36A,36Bの対応する一方、及び、アタッチメント側リンク37A,37Bの対応する一方を介して、アーム21に容易に接続可能になる。これにより、角度θが第1の角度θ1になる状態でアーム21をブーム8の前端部に連結する作業における作業性が、向上する。
【0076】
また、本実施形態では、ガイド部材71のガイドフック101Bがアーム21の係合片68Aに係合することにより、アーム21は、ブーム8に対する角度(オフセット角)θが第2の角度θ2になる状態、又は、角度θが第2の角度θ2になる状態からブーム8に対して僅かに起きた状態で、保持される。これにより、ブーム側リンク35A,35Bのそれぞれを、アタッチメント側リンク37A,37Bの対応する一方を介して、アーム21に容易に接続可能になる。これにより、角度θが第2の角度θ2になる状態でアーム21をブーム8の前端部に連結する作業における作業性が、向上する。
【0077】
また、本実施形態では、作業者等によってワイヤ112に操作力が印加されることにより、連結ピン110を中心としてガイド部材71が回動する等、ガイド部材71が移動する。このため、作業者等は、ハンドル70に操作力を印加してアーム21を起こすと同時に、ワイヤ112に操作力を印加してガイド部材71を回動させることが可能となる。これにより、ブーム8の前端部へサーチャフック20を連結する作業、及び、ブーム8に対するアーム21の角度θを変更する作業等の作業性が向上する。
【0078】
また、本実施形態では、ハンドル70及びガイド部材71の不使用時には、ガイド部材71は、ハンドル70に前述のように格納可能である。そして、ハンドル70は、ガイド部材71が格納された状態で、アーム21に前述のように格納可能である。このため、ハンドル70及びガイド部材71の不使用時等におけるハンドル70、ガイド部材71及びこれらに関連する部品の紛失が、有効に防止される。
【0079】
(変形例)
なお、ある変形例では、ジブ10が設けられなくてもよい。この場合、テンションロッド11A,11Bも設けられない。本変形例でも、前述の実施形態等と同様にして、アタッチメントであるサーチャフック20が、ブームヘッド17(ブーム8の前端部)に連結される。また、前述の実施形態等では、ハンドル70の第2のハンドル端部E2は、中継部材81A,81Bを介してシャフト47に連結されるが、ある変形例では、ハンドル70の第2のハンドル端部E2が直接的にシャフト47に連結可能であってもよい。この場合、ハンドル70は、シャフト47を中心として回動可能である。また、前述の実施形態等では、ハンドル70は、シャフト47から取外し可能であるが、ある変形例では、ハンドル70がシャフト47から取外せなくてもよい。すなわち、ハンドル70の第2のハンドル端部E2が、シャフト47に連結可能であればよい。
【0080】
また、前述の実施形態等では、角度θが第1の角度θ1又は第1の角度θ1より僅かに大きい角度になる状態、及び、角度θが第2の角度θ2又は第2の角度θ2より僅かに大きい角度になる状態の2つの状態で、ブーム8に対するアーム21の角度θを維持可能であるが、これに限るものでない。ある変形例では、角度θが所定の角度になる1つの状態でのみ、ブーム8に対するアーム21の角度θを維持可能である。この場合、ガイド部材71においてガイドフック101A,101Bと同様のガイドフックが1箇所に形成される。また、別のある変形例では、角度θが互いに対して異なる3つ以上の状態で、ブーム8に対するアーム21の角度θを維持可能である。この場合、ガイド部材71においてガイドフック101A,101Bと同様のガイドフックが3箇所以上に形成される。
【0081】
また、中継リンク36A,36Bが設けられなくてもよい。ある変形例では、中継リンク36A,36Bが設けられない構成において、角度θが前述の第2の角度θ2になる状態でのみ、サーチャフック20を使用可能となる。
【0082】
また、別のある変形例では、前述のように中継リンク36A,36Bが設けられない構成において、角度θが互いに対して異なる複数の状態で、サーチャフック20を使用可能である。この場合、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれが、延設方向(軸方向)に沿って伸縮可能である。そして、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれの延設方向(軸方向)についての寸法は、例えば、第1の寸法及び第1の寸法より小さい第2の寸法になる状態で、維持可能である。角度θが第1の角度θ1になる状態でサーチャフック20を使用する場合は、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれの延設方向についての寸法が第1の寸法で維持された状態で、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれをブーム側リンク35A,35Bの対応する一方に接続する。一方、角度θが第2の角度θ2になる状態でサーチャフック20を使用する場合は、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれの延設方向についての寸法が第2の寸法で維持された状態で、アタッチメント側リンク37A,37Bのそれぞれをブーム側リンク35A,35Bの対応する一方に接続する。
【0083】
また、ブームヘッド17に連結されるアタッチメントは、サーチャフック20に限るものではない。ある変形例では、サーチャフック20の代わりに、長手方向の寸法が短いジブが、アタッチメントとしてブームヘッド17に連結される。この場合、短尺ジブがブームヘッド17に取付けられた状態において、例えば、短尺ジブの前端部からロープ(補巻きロープ)を介して補フック(図示しない)が吊下げられる。本変形例でも、サーチャフック20と同様にして、ハンドル70及びガイド部材71等を用いて、短尺ジブをブームヘッド17に連結可能である。
【0084】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0085】
1…クレーン、2…走行車体、8…ブーム、17…ブームヘッド、20…サーチャフック、21…アーム、22…フック、35A,35B…ブーム側リンク、36A,36B…中継リンク、37A,37B…アタッチメント側リンク、47…シャフト、70…ハンドル、71…ガイド部材、81A,81B…中継部材、86A,86B,87A,87B…突起、E1…第1のハンドル端部、E2…第2のハンドル端部。