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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】操作システム、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20230710BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230710BHJP
【FI】
B60R16/02 630L
B60N2/90
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019157061
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021031039
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】及川 卓
(72)【発明者】
【氏名】市川 貴史
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0356897(US,A1)
【文献】特開2019-032762(JP,A)
【文献】特開2020-055433(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061154(WO,A1)
【文献】特開2019-104315(JP,A)
【文献】特開2010-085835(JP,A)
【文献】特開2019-077326(JP,A)
【文献】特開2019-032752(JP,A)
【文献】特開2019-119347(JP,A)
【文献】特開2011-054186(JP,A)
【文献】特開平09-175288(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016226037(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される操作システムであって、
前記車両の室内の座席が前方を向いているか後方を向いているかを示す信号を取得する方向信号取得部と、
前記車両の室内のドア部の内側に搭載される操作パネルに表示された場合に、少なくとも2つの操作子が前記車両の前後方向に配置される表示画面を生成する配置制御部と、を有し、
前記配置制御部は、
前記少なくとも2つの操作子のそれぞれの配列が維持されるように、前記方向信号取得部により取得された信号に応じて、前記少なくとも2つの操作子を、前記車両の前後方向において反転して配置する操作システム。
【請求項2】
前記車両が自動運転状態にあるか手動運転状態にあるかを示す信号を取得する状態信号取得部を有し、
前記配置制御部は、前記状態信号取得部により前記車両が自動運転状態にあることを示す信号が取得された場合に、前記方向信号取得部により取得された信号に応じて、前記少なくとも2つの操作子を、前記車両の前後方向において反転して配置する、請求項1に記載の操作システム。
【請求項3】
前記操作パネルから位置入力信号を受信し、前記車両の室内に取り付けられた機器に制御信号を送信する操作制御部を更に有し、
前記操作制御部は、前記操作パネルから位置入力信号を受信した場合に、前記配置制御部により生成された表示画面における操作子の配置を示す情報に基づいて、前記位置入力信号に対応する操作子を判定し、判定した操作子に応じた制御信号を送信する、請求項1に記載の操作システム。
【請求項4】
前記配置制御部は、前記車両の室内に取り付けられる第1の機器を操作するための複数の操作子を含む第1の領域と、前記車両の室内に取り付けられる第2の機器を操作するための複数の操作子を含む第2の領域とが、前記車両の前後方向に配置される表示画面を生成した場合、前記方向信号取得部により取得された信号に応じて、前記第1の領域と前記第2の領域とを、前記車両の前後方向において反転して配置する、請求項1に記載の操作システム。
【請求項5】
前記配置制御部は、前記方向信号取得部により取得された信号に応じて、前記少なくとも2つの操作子のいずれかの向きを、前記車両の前後方向において反転させる、請求項1に記載の操作システム。
【請求項6】
車両の室内の座席が前方を向いているか後方を向いているかを示す信号を取得する方向信号取得部と、
前記車両の室内のドア部の内側に搭載される操作パネルに表示された場合に、少なくとも2つの操作子が前記車両の前後方向に配置される表示画面を生成する配置制御部と、を有し、
前記配置制御部は、
前記少なくとも2つの操作子のそれぞれの配列が維持されるように、前記方向信号取得部により取得された信号に応じて、前記少なくとも2つの操作子を、前記車両の前後方向において反転して配置する制御装置。
【請求項7】
車両の室内の座席が前方を向いているか後方を向いているかを示す信号を取得する方向信号取得工程と、
前記車両の室内のドア部の内側に搭載される操作パネルに表示された場合に、少なくとも2つの操作子が前記車両の前後方向に配置される表示画面を生成する配置制御工程と、を有し、
前記配置制御工程は、
前記少なくとも2つの操作子のそれぞれの配列が維持されるように、前記方向信号取得工程において取得された信号に応じて、前記少なくとも2つの操作子を、前記車両の前後方向において反転して配置する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作システム、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車室内の座席は、着座時に搭乗者が前方を向くようにレイアウトされている。このため、車室内の各座席位置に対応して配置される操作パネル(各種機器を操作するために、例えば、各座席の側面に配置されるパネル)の表示も、搭乗者が前方を向いて着座していることを前提として各操作子が配置されている。
【0003】
一方で、近年、自動運転の開発が進められており、実用化された場合には、走行中であっても、運転席や助手席を反転させ、後部座席の搭乗者と向かい合って着座する、いわゆる対面乗車が行われることが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-175288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、座席を反転させた場合、搭乗者は、操作パネルの操作に対して、違和感を感じることが考えられる。例えば、搭乗者から見て手前側と奥側とにそれぞれ操作子が配置されている場合、前方を向いて着座した場合と、後方を向いて着座した場合とで、搭乗者から見た場合の配列が逆になるからである。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、着座方向を変更した場合に生じる、操作パネルの操作に対する違和感を軽減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る操作システムは、
車両に搭載される操作システムであって、
前記車両の室内の座席が前方を向いているか後方を向いているかを示す信号を取得する方向信号取得部と、
前記車両の室内のドア部の内側に搭載される操作パネルに表示された場合に、少なくとも2つの操作子が前記車両の前後方向に配置される表示画面を生成する配置制御部と、を有し、
前記配置制御部は、
前記少なくとも2つの操作子のそれぞれの配列が維持されるように、前記方向信号取得部により取得された信号に応じて、前記少なくとも2つの操作子を、前記車両の前後方向において反転して配置する。
【発明の効果】
【0008】
着座方向を変更した場合に生じる、操作パネルの操作に対する違和感を軽減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】操作システムが搭載される車両における、室内の座席の方向を示す図である。
図2】操作システムのシステム構成の一例を示す図である。
図3】操作システムを構成する各部の配置例を示す図である。
図4】制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図6】配置制御部による配置制御処理の流れを示す第1のフローチャートである。
図7】配置制御部による配置制御処理の流れを示す第2のフローチャートである。
図8】側面操作パネルに表示される表示画面の表示例を示す第1の図である。
図9】側面操作パネルに表示される表示画面の表示例を示す第2の図である。
図10】側面操作パネルに表示される表示画面の表示例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0011】
[第1の実施形態]
<車室内の座席の方向>
はじめに、第1の実施形態に係る操作システムが搭載される車両における、室内の座席の方向について説明する。図1は、操作システムが搭載される車両における、室内の座席の方向を示す図である。
【0012】
図1(a)、(b)は、自動運転機能と手動運転機能とを有する車両100を、側面から見た様子を簡略化して示したものである。なお、図1(a)、(b)では、説明の便宜上、側面のドア部を省略しているが、車両100は、両側面に合計4つのドア部を有しており、それぞれに車室内の各種機器を操作するための側面操作パネルが取り付けられているものとする。
【0013】
このうち、図1(a)は、車両100が手動運転状態にあり、不図示の運転者による手動運転により、車両100が前方(矢印110方向)に走行している様子を示している。図1(a)に示すように、車両100が手動運転状態にある場合、少なくとも運転席101は、車両100の前方(矢印110方向)に向けることになる。
【0014】
一方、図1(b)は、車両100が自動運転状態にあり、前方(矢印110方向)に走行している様子を示している。図1(b)に示すように、車両100が自動運転状態にある場合、運転席101は、車両100の前方(矢印110方向)に向ける必要はなく、後方(矢印110とは反対方向)に向けることができる。なお、図1(b)の例では、運転席101を後方に向ける場合について示したが、他の座席(例えば、助手席)を後方に向けてもよい。
【0015】
このように、車両100の室内の各座席は、車両100の前方に向けることも後方に向けることも可能であり、車両100が自動運転状態にある場合、搭乗者は、図1(b)に示すような対面乗車を行うことができる。
【0016】
<操作システムのシステム構成>
次に、車両100に搭載される、第1の実施形態に係る操作システムのシステム構成について説明する。図2は、操作システムのシステム構成の一例を示す図である。図2に示すように、操作システム200は、側面操作パネル211~214、車室内の各種機器220、着座方向検出センサ231~234、制御装置240を有する。
【0017】
側面操作パネル211~214は、車室内の各種機器220を操作するための入力装置であり、表示機能と位置入力機能とを有する(いわゆるタッチパネルである)。側面操作パネル211~214に表示される表示画面には、車室内の各種機器220を操作するための操作子が含まれる。なお、当該表示画面は制御装置240において生成される。また、側面操作パネル211~214は、運転者または搭乗者の操作を受け付け、位置入力信号を制御装置240に送信する。
【0018】
車室内の各種機器220には、例えば、空調機221、照明機器222、オーディオ機器223等が含まれる。車室内の各種機器220は、制御装置240からの制御信号に基づいて動作する。
【0019】
着座方向検出センサ231~234は、車両100の室内に配された4つの座席に着座した運転者または搭乗者の着座方向を検出するセンサであり、それぞれ、制御装置240に接続される。着座方向検出センサ231~234は、それぞれ、運転者または搭乗者が車両100の前方を向いて着座している場合には、前方視着座信号(座席が前方を向いていることを示す信号)を出力する。また、着座方向検出センサ231~234は、それぞれ、運転者または搭乗者が、車両100の後方を向いて着座している場合には、後方視着座信号(座席が後方を向いていることを示す信号)を出力する。
【0020】
制御装置240は、車室内の各種機器220を操作するための操作子を含む表示画面を生成し、側面操作パネル211~214に送信する。制御装置240では、側面操作パネル211~214に表示する表示画面を生成するにあたり、車室内の各種機器220を操作するための操作子を、着座方向検出センサ231~234から送信される信号に応じて配置する。また、制御装置240は、表示画面を側面操作パネル211~214に送信したことで側面操作パネル211~214から出力される位置入力信号に応じた制御信号を生成し、車室内の各種機器220に送信する。
【0021】
なお、制御装置240は、車両100内のネットワーク(CAN(Controller Area Network)250)と接続され、車両100が自動運転状態にあるか手動運転状態にあるかを示す信号を取得する。これにより、制御装置240では、側面操作パネル211に表示される表示画面を、車両100が自動運転状態にあるか手動運転状態にあるかに基づいて生成することができる。
【0022】
<操作システムを構成する各部の配置例>
次に、操作システム200を構成する各部(ここでは、側面操作パネル211~214、車室内の各種機器220、着座方向検出センサ231~234)の配置例について説明する。
【0023】
図3は、操作システムを構成する各部の配置例を示す図であり、車両100の室内を上方から見た様子を示している。図3に示すように、側面操作パネル211は、運転席101の側面のドア部の内側に取り付けられ、運転席101に着座した運転者によって操作される。同様に、側面操作パネル212は、後部座席102の側面のドア部の内側に取り付けられ、後部座席102に着座した搭乗者によって操作される。
【0024】
同様に、側面操作パネル213は、助手席301の側面のドア部の内側に取り付けられ、助手席301に着座した搭乗者によって操作される。同様に、側面操作パネル214は、後部座席302の側面のドア部の内側に取り付けられ、後部座席302に着座した搭乗者によって操作される。
【0025】
また、図3に示すように、オーディオ機器223は、車両100の室内の前方中央位置に取り付けられ、空調機221は、オーディオ機器223の背面側に取り付けられる(ただし、吹き出し口は、車両100の室内の各座席位置に対応する位置に取り付けられる)。また、照明機器222は、車両100の室内の側面中央位置に取り付けられる。
【0026】
更に、図3に示すように、着座方向検出センサ231~234は、それぞれ、運転席101、助手席301、後部座席102、302の下部に取り付けられる。
【0027】
なお、図3には明示されていないが、制御装置240は、例えば、オーディオ機器223の背面側に取り付けられるものとする。
【0028】
<制御装置のハードウェア構成>
次に、制御装置240のハードウェア構成について説明する。図4は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、制御装置240は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403を有する。また、制御装置240は、I/F(Interface)装置404、通信装置405を有する。なお、制御装置240の各部は、バス406を介して相互に接続されている。
【0029】
CPU401は、ROM402にインストールされている各種プログラム(例えば、後述する制御プログラム等)を実行する演算デバイスである。ROM402は、不揮発性メモリであり、CPU401によって実行される各種プログラム及びCPU401が各種プログラムを実行する際に用いる情報を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
【0030】
RAM403は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM403は、ROM402にインストールされている各種プログラムがCPU401によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0031】
I/F装置404は、側面操作パネル211~214、車室内の各種機器220、着座方向検出センサ231~234と接続するための接続デバイスである。通信装置405は、CAN250との間で通信を行うための通信デバイスである。
【0032】
<制御装置の機能構成>
次に、制御装置240の機能構成について説明する。図5は、制御装置の機能構成の一例を示す図である。上述したとおり、制御装置240には制御プログラムがインストールされており、CPU401が当該制御プログラムを実行することで、制御装置240は、状態信号取得部510、方向信号取得部520、配置制御部530、操作制御部540として機能する。
【0033】
状態信号取得部510は、CAN250から、車両100が自動運転状態にあるか手動運転状態にあるかを示す信号を取得し、配置制御部530に通知する。方向信号取得部520は、着座方向検出センサ231~234から、前方視着座信号または後方視着座信号を取得し、配置制御部530に通知する。
【0034】
配置制御部530は、状態信号取得部510から、車両100が自動運転状態にあることを示す信号が通知されている場合に、方向信号取得部520から通知される運転席101の前方視着座信号または後方視着座信号を監視する。なお、配置制御部530では、助手席301、後部座席102、302の前方視着座信号または後方視着座信号については、状態信号取得部510から通知されている信号の種類に関わらず、監視を行う。
【0035】
また、配置制御部530は、側面操作パネル211~214に表示される表示画面を生成する。配置制御部530が生成する表示画面には複数の操作子が含まれ、少なくとも一部の操作子は、車両100の前後方向に配置される。配置制御部530では、前方視着座信号または後方視着座信号を監視する間、当該操作子を、前方視着座信号または後方視着座信号に応じて、車両の前後方向において反転して配置する。
【0036】
また、配置制御部530は、生成した表示画面を側面操作パネル211~214に送信する。更に、配置制御部530は、生成した表示画面における操作子の配置を示す情報を、操作制御部540に通知する。
【0037】
操作制御部540は、配置制御部530より、表示画面における操作子の配置を示す情報を取得する。また、操作制御部540は、側面操作パネル211~214から位置入力信号を受信した場合に、取得した操作子の配置を示す情報に基づいて位置入力信号に対応する操作子を判定する。更に、操作制御部540は、判定した操作子に応じた制御信号を、車室内の各種機器220に送信する。
【0038】
<配置制御処理の流れ>
次に、配置制御部530による配置制御処理の流れについて、
i)運転者が操作する側面操作パネル211に表示される表示画面を生成する場合と、
ii)運転者以外の搭乗者が操作する側面操作パネル212、213、214に表示される表示画面を生成する場合と、
にわけて説明する。図6は、配置制御部による配置制御処理の流れを示す第1のフローチャートである。なお、図6は、運転者が操作する側面操作パネル211に表示される表示画面を生成する場合の配置制御処理を示している。
【0039】
ステップS601において、配置制御部530は、状態信号取得部510から、車両100が自動運転状態にあることを示す信号を取得したか否かを判定する。ステップS601において、車両100が自動運転状態にあることを示す信号を取得したと判定した場合には(ステップS601においてYesの場合には)、ステップS602に進む。
【0040】
ステップS602において、配置制御部530は、運転者の着座方向に応じて操作子を配置することで、側面操作パネル211に表示される表示画面を生成する。
【0041】
一方、ステップS601において、車両100が自動運転状態にあることを示す信号を取得していない(車両100が手動運転状態にあることを示す信号を取得した)と判定した場合には(ステップS601においてNoの場合には)、ステップS603に進む。ステップS603において、配置制御部530は、操作子の配置をデフォルトの配置にすることで、側面操作パネル211に表示される表示画面を生成する。
【0042】
ステップS604において、配置制御部530は、生成した表示画面を側面操作パネル211に送信する。これにより、側面操作パネル211には表示画面が表示される。
【0043】
ステップS605において、配置制御部530は、配置制御処理を終了するか否かを判定する。ステップS605において、配置制御処理を終了しないと判定した場合には(ステップS605においてNoの場合には)、ステップS601に戻る。一方、ステップS605において、配置制御処理を終了すると判定した場合には、配置制御処理を終了する。
【0044】
続いて、運転者以外の搭乗者が操作する側面操作パネル212、213、214に表示される表示画面を生成する場合の配置制御処理について説明する。図7は、配置制御部による配置制御処理の流れを示す第2のフローチャートであり、運転者以外の搭乗者が操作する側面操作パネル212、213、214に表示される表示画面を生成する場合の配置制御処理を示している。
【0045】
ステップS701において、配置制御部530は、搭乗者の着座方向に応じて操作子を配置することで、側面操作パネル212、213、214に表示される表示画面を生成する。
【0046】
ステップS702において、配置制御部530は、生成した表示画面を側面操作パネル212、213、214に送信する。これにより、側面操作パネル212、213、214には表示画面が表示される。
【0047】
ステップS703において、配置制御部530は、配置制御処理を終了するか否かを判定する。ステップS703において、配置制御処理を終了しないと判定した場合には(ステップS703においてNoの場合には)、ステップS701に戻る。一方、ステップS703において、配置制御処理を終了すると判定した場合には、配置制御処理を終了する。
【0048】
<表示画面の表示例>
次に、表示画面の表示例について説明する。ここでは、運転者が操作する側面操作パネル211に表示される表示画面の表示例として、運転者が前方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例、及び、後方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例について説明する。
【0049】
(1)表示例1
図8は、側面操作パネルに表示される表示画面の表示例を示す第1の図である。このうち、図8(a)は、運転者が前方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例を示している。図8(a)の例は、
・空調機221用の複数の操作子が含まれる空調機操作領域810(第1の領域)と、
・オーディオ機器223用の複数の操作子が含まれるオーディオ操作領域820(第2の領域)と、
が車両100の前後方向に配置された表示画面が、側面操作パネル211に表示された場合を示している。
【0050】
図8(a)に示すように、運転者が前方を向いて着座している場合、側面操作パネル211には、運転者から見て手前側にオーディオ操作領域820が配置され、奥側に空調機操作領域810が配置されることになる。
【0051】
図8の例において、配置制御部530は、運転者から見た場合の、オーディオ操作領域820と空調機操作領域810との配列が維持されるように、両者を配置する。
【0052】
図8(b)は、運転者が後方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例を示している。図8(b)に示すように、運転者が後方を向いて着座している場合、配置制御部530では、オーディオ操作領域820と空調機操作領域810とを、車両100の前後方向において反転して配置する。
【0053】
これにより、運転者が後方を向いて着座している場合も、運転者から見て手前側にオーディオ操作領域820が配置され、奥側に空調機操作領域810が配置されることになる。この結果、運転者が着座方向を変更した場合に生じる、側面操作パネル211の操作に対する違和感を軽減させることが可能になる。
【0054】
(2)表示例2
図9は、側面操作パネルの表示例を示す第2の図である。このうち、図9(a)は、運転者が前方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例を示している。図9(a)の例は、オーディオ機器223用の複数の操作子がオーディオ操作領域820において車両100の前後方向に配置された表示画面が、側面操作パネル211に表示された場合を示している。
【0055】
図9(a)に示すように、運転者が前方を向いて着座している場合、側面操作パネル211には、運転者から見て手前側に停止を指示する操作子822が配置され、奥側に再生を指示する操作子821が配置されることになる。
【0056】
図9の例において、配置制御部530は、運転者から見た場合の、オーディオ操作領域820における停止を指示する操作子822と再生を指示する操作子821の配列が維持されるように、両者を配置する。
【0057】
図9(b)は、運転者が後方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例を示している。図9(b)に示すように、運転者が後方を向いて着座している場合、配置制御部530は、オーディオ操作領域820における停止を指示する操作子822と再生を指示する操作子821とを、車両100の前後方向において反転して配置する。
【0058】
これにより、運転者が後方を向いて着座している場合も、運転者から見て手前側に停止を指示する操作子822が配置され、奥側に再生を指示する操作子821が配置されることになる。この結果、運転者が着座方向を変更した場合に生じる、側面操作パネル211の操作に対する違和感を軽減させることが可能になる。
【0059】
なお、図9(b)の例では、停止を指示する操作子822と再生を指示する操作子821とを反転して配置する際、再生を指示する操作子821については、向きも反転させている。これにより、運転者が着座方向を変更した場合に生じる、側面操作パネル211の操作に対する違和感を、より軽減させることが可能になる。
【0060】
(3)表示例3
図10は、側面操作パネルの表示例を示す第3の図である。このうち、図10(a)は、運転者が前方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例を示している。図10(a)の例は、照明機器操作領域1010に加えて、側面操作パネル211外の操作スイッチ1020に対する操作を案内するための案内子であって、
・操作スイッチ1020に対する開操作を案内するための案内子1011と、
・操作スイッチ1020に対する閉操作を案内するための案内子1012と、
が車両100の前後方向に配置された表示画面が、側面操作パネル211に表示された場合を示している。
【0061】
操作スイッチ1020は、例えば、運転席101の側面の窓の開閉を指示するための操作スイッチであり、2箇所の操作位置の一方を操作することで窓が開き、他方を操作することで窓が閉まるように構成されているものとする。
【0062】
図10(a)に示すように、運転者が前方を向いて着座している場合、側面操作パネル211には、運転者から見て手前側に閉操作を案内するための案内子1012が配置され、奥側に開操作を案内するための案内子1011が配置されることになる。
【0063】
図10の例において、配置制御部530は、運転者から見た場合の、開操作を案内するための案内子1011と、閉操作を案内するための案内子1012との配列が維持されるように、両者を配置する。
【0064】
図10(b)は、運転者が後方を向いて着座している場合に表示される表示画面の表示例を示している。図10(b)に示すように、運転者が後方を向いて着座している場合、配置制御部530は、開操作を案内するための案内子1011と閉操作を案内するための案内子1012とを、車両100の前後方向において反転して配置する。
【0065】
これにより、運転者が後方を向いて着座している場合も、運転者から見て手前側に閉操作を案内するための案内子1112が配置され、奥側に開操作を案内するための案内子1011が配置されることになる。この結果、運転者が着座方向を変更した場合に生じる、側面操作パネル211の表示に対する違和感を軽減させることが可能になる。なお、操作スイッチ1020の開操作と閉操作に応じた制御信号の割り当て(開操作を案内するための案内子1031と閉操作を案内するための案内子1032に応じた動作を行うための制御信号の割り当て)は、別途、制御されるものとする。
【0066】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係る操作システム200は、
・車両が自動運転状態にあるか手動運転状態にあるかを示す信号を取得する。
・車両の室内に搭載される側面操作パネルに表示された場合に、少なくとも2つの操作子(または案内子)が車両の前後方向に配置される表示画面を生成する。
・運転席については、車両が自動運転状態にある場合に、前方視着座信号または後方視着座信号を監視する。そして、前方視着座信号または後方視着座信号に応じて、少なくとも2つの操作子(または案内子)を、車両の前後方向において反転して配置する。
・運転者以外の搭乗者が着座する座席については、車両が自動運転状態にあるか否かに関わらず、前方視着座信号または後方視着座信号を監視する。そして、前方視着座信号または後方視着座信号に応じて、少なくとも2つの操作子(または案内子)を、車両の前後方向において反転して配置する。
【0067】
これにより、第1の実施形態によれば、運転者または搭乗者から見た場合の操作子の配列が維持されることとなり、着座方向を変更した場合に生じる、操作パネルの操作に対する違和感を軽減させることが可能になる。
【0068】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、制御装置240が制御する車室内の各種機器220として、空調機221、照明機器222、オーディオ機器223を例示したが、制御装置240が制御する車室内の各種機器220は、これらに限定されない。
【0069】
また、上記第1の実施形態において、図8では、空調機操作領域810とオーディオ操作領域820とが配置された表示画面を、側面操作パネル211に表示する場合について説明した。しかしながら、側面操作パネル211に表示する操作領域の組み合わせは、これらに限定されず、任意の組み合わせ(第1の機器の操作領域と第2の機器の操作領域の組み合わせ)が可能である。
【0070】
また、上記第1の実施形態において、図9図10では、側面操作パネル211に表示される操作子または案内子の具体例を示したが、着座方向に応じて反転して配置する操作子または案内子は、これらに限定されない。反転して配置することで搭乗者がかえって違和感を感じる操作子または案内子については除外するものとするが、それ以外の操作子または案内子全てを、反転して配置するように構成してもよい。なお、反転して配置することで搭乗者がかえって違和感を感じる操作子または案内子とは、例えば、
・空調機における温度、風量の増加を指示する操作子と減少を指示する操作子、
・オーディオ機器における巻き戻しを指示する操作子と早送りを指示する操作子、
・オーディオ機器における音量の増加を指示する操作子と減少を指示する操作子、
・照明機器の照度の増加を指示する操作子と減少を指示する操作子、
等のように、量や順序の方向を規定する操作子または案内子の組が挙げられる。
【0071】
また、上記第1の実施形態では、車室内に4つの座席があり、それぞれの座席に対応する位置に側面操作パネル211~214が搭載されるものとして説明した。しかしながら、車室内の座席の数は4つに限定されない。また、全ての座席に対応する位置に、側面操作パネルが搭載されていなくてもよい。
【0072】
また、上記第1の実施形態では、制御装置240において状態信号取得部510、方向信号取得部520、配置制御部530、操作制御部540を実現するものとして説明した。しかしながら、制御装置240において実現される機能の一部は、側面操作パネル211~214において実現されてもよい。
【0073】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0074】
100 :車両
101 :運転席
102 :後部座席
200 :操作システム
211~214 :側面操作パネル
220 :車室内の各種機器
221 :空調機
222 :照明機器
223 :オーディオ機器
231~234 :着座方向検出センサ
240 :制御装置
301 :助手席
302 :後部座席
510 :状態信号取得部
520 :方向信号取得部
530 :配置制御部
540 :操作制御部
821、822 :操作子
1011、1012 :案内子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10