(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形、および医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 477/20 20060101AFI20230710BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20230710BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230710BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230710BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230710BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230710BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
C07D477/20 CSP
A61K31/427
A61K9/20
A61K9/48
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P15/00
(21)【出願番号】P 2019542373
(86)(22)【出願日】2018-02-06
(86)【国際出願番号】 US2018017067
(87)【国際公開番号】W WO2018145089
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-02-04
(32)【優先日】2017-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519213931
【氏名又は名称】スペロ セラピューティックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン アカシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヘッカー エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ボノー ティエリー
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/079504(WO,A1)
【文献】特表2011-504495(JP,A)
【文献】特開平08-053453(JP,A)
【文献】特開平10-195076(JP,A)
【文献】芦澤 一英、他,医薬品の多形現象と晶析の科学,丸善プラネット株式会社,2002年09月20日,第305-317頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
9.3、10.7、17.6、18.7、および20.0+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項2】
9.3、10.7、17.6、18.7、20.0および20.8+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項3】
9.3、10.7、13.0、17.6、18.7、20.0および20.8+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項4】
9.3、10.7、13.0、14.0、17.6、18.7、20.0および20.8+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項5】
9.3、10.7、13.0、14.0、17.6、18.7、20.0、20.8および26.1+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項6】
9.3、10.7、13.0、14.0、17.6、18.7、20.0、20.8、23.5および26.1+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項7】
9.3、10.7、13.0、14.0、17.6、18.7、20.0、20.4、20.8、23.5および26.1+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項8】
9.3、10.7、13.0、14.0、17.6、18.7、20.0、20.4、20.8、23.5、25.8および26.1+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項9】
32.9℃の開始値および66.3℃の最小値の吸熱、ならびに186.8℃の開始値および190.8℃の最大値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、請求項1~8のいずれか1項に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形を少なくとも90%含むテビペネムピボキシル塩、および生理学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物が、静脈内、注射可能、局所的、または経口投与剤形である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記医薬組成物が、錠剤またはカプセルの形の経口投与剤形である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
細菌感染症の治療を必要とする患者における細菌感染症を治療するための
、請求項10~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記細菌感染症が尿路感染症である、請求項13に記載
の医薬組成物。
【請求項15】
第二の活性薬剤が、前記テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形との組み合わせで患者に投与される、請求項13または14に記載
の医薬組成物。
【請求項16】
前記第二の活性薬剤が、抗生物質である、請求項15に記載
の医薬組成物。
【請求項17】
前記細菌感染症が、グラム陰性細菌感染症である、請求項13に記載
の医薬組成物。
【請求項18】
前記グラム陰性細菌感染症が、大腸菌感染症、クレブシエラ肺炎感染症、アシネトバクター・バウマンニ感染症、シュードモナス・エルジノーサ、ナイセリア・ゴノレー感染症、またはエルシニア・ペスチス感染症である、請求項17に記載
の医薬組成物。
【請求項19】
細菌感染症の治療を必要とする患者における細菌感染症を治療するための、請求項1~9のいずれか1項に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項20】
前記細菌感染症が尿路感染症である、請求項19に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項21】
第二の活性薬剤が、前記テビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形との組み合わせで患者に投与される、請求項19または20に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項22】
前記第二の活性薬剤が、抗生物質である、請求項21に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項23】
前記細菌感染症が、グラム陰性細菌感染症である、請求項19に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【請求項24】
前記グラム陰性細菌感染症が、大腸菌感染症、クレブシエラ肺炎感染症、アシネトバクター・バウマンニ感染症、シュードモナス・エルジノーサ、ナイセリア・ゴノレー感染症、またはエルシニア・ペスチス感染症である、請求項23に記載のテビペネムピボキシル臭化水素酸塩の結晶形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年2月6日に出願された米国仮出願第62/455109号からの優先権を主張するものであり、これは参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、固体のテビペネムピボキシル塩形を開示し、結晶形、テビペネムピボキシル塩形を含有する医薬組成物および調製物、細菌感染症を治療するために結晶形を使用する方法、および結晶形の製造方法を含む。
【背景技術】
【0003】
結晶固体中の分子は、結晶格子内に配置され、規則的に構造単位(単位細胞)が繰り返される三次元構造である。同じ物質(多形体)の異なる結晶形は、固有の結晶格子を有し、それらの特性、有用性、および商業的価値に重要な差異をもたらす可能性がある。例えば、黒鉛およびダイヤモンドは結晶性炭素の多形である。また、医薬化合物の多形体は、このような医薬化合物の製剤の開発ならびにこのような製剤化を含む錠剤およびカプセル等の固体投与剤形の開発に関連する特性を含む特性が、劇的ではないものの、明確に異なる可能性がある。また、薬剤の結晶形は、その製造に関する規制要件の遵守に関連する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テビペネムピボキシルは、抗生物質耐性細菌感染症の治療に有用なカルバペネム系抗生物質である。テビペネムピボキシルの治療用途を改善するために、結晶塩形などの新しい固体形が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、結晶性テビペネムピボキシル塩形を開示する。これらの結晶形は、結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形(形A)、結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形(形A)、テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形A)、テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形Aおよび形B)、テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形(形A)、テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形(形B)、テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形(形B)およびテビペネムピボキシルエジシル酸塩形を含む(形A)を含む。
【0006】
また、結晶性テビペネムピボキシル塩および薬学的に許容可能な担体を含む組成物が本明細書に開示される。
【0007】
また、治療が必要な患者に結晶性テビペネムピボキシル塩を治療有効量投与することを含む抗生物質耐性細菌感染症を治療する方法も本明細書に開示される。
【0008】
結晶性テビペネムピボキシル塩形を製造する方法も含まれる。
【0009】
本開示の上記およびその他の態様、利点および特徴は、添付図面を参照しながら、その例証される実施形態を詳細に説明することによって、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸形AのXRPDディフラクトグラムである。
【
図2】結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸形AのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図3】結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形AのXRPDディフラクトグラムである。
【
図4】結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形AのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図5】結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形AのXRPDディフラクトグラムである。
【
図6】結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形AのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図7】結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形BのXRPDディフラクトグラムである。
【
図8】結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形BのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図9】テビペネムピボキシルをMeCNに溶解させる方法1により調製された結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形AのXRPDディフラクトグラムである。
【
図10】テビペネムピボキシルをMeCNに溶解させる方法2により調製された結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形AのXRPDディフラクトグラムである。
【
図11】方法1によって調製された結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形AのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図12】結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形BのXRPDディフラクトグラムである。
【
図13】結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形BのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図14】結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形BのXRPDディフラクトグラムである。
【
図15】結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形BのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図16】結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形AのXRPDディフラクトグラムである。
【
図17】結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形AのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図18】結晶性テビペネムピボキシル遊離塩基のXRPDディフラクトグラムである。
【
図19】結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形AのXRPDディフラクトグラムである。
【
図20】テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形AのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図21】結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形CのXRPDディフラクトグラムである。
【
図22】結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形CのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図23】結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形DのXRPDディフラクトグラムである。
【
図24】結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形DのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図25】結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形B+CのXRPDディフラクトグラムである。
【
図26】結晶性テビペネムピボキシル
メタンスルホン酸塩形B+CのDSCおよびTGAプロファイルである。
【
図27】結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形DのXRPDディフラクトグラムである。
【
図28】結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形D+形BのDSCおよびTGAプロファイルである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照しながら、本開示をより詳細に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であるように提供され、本開示の範囲を当業者に完全に伝達するものである。同様の参照符号は、全体を通じて同様の要素を指す。
【0012】
[用語]
「投与剤形」は、活性薬剤の投与の単位を意味する。投与剤形の例には、錠剤、カプセル、注射、懸濁液、液体、乳剤、クリーム、軟膏、座薬、吸入可能剤形、経皮剤形などが含まれる。
【0013】
「医薬組成物」は、例えば、結晶性テビペネムピボキシル塩といった少なくとも一つの活性薬剤、および担体、賦形剤、または希釈剤などの少なくとも一つの他の物質を含む組成物である。 医薬組成物は、ヒトまたは非ヒト薬物に対する米国FDAのGMP(医薬品の製造および品質管理に関する実践規範)標準を満たしている。
【0014】
本明細書に記載される医薬組成物に適用される「担体」という用語は、活性化合物が提供される希釈剤、賦形剤、またはビヒクルを指す。
【0015】
「薬学的に許容可能な賦形剤」とは、一般的に安全で、毒性がなく、かつ生物学的には望ましくない薬剤の製剤組成物を調製するのに有用である賦形剤を意味し、獣医師の医薬品使用に適した賦形剤を含む。本出願で使用される場合、「薬学的に許容可能な賦形剤」は、一つ以上のこうした賦形剤を含む。
【0016】
「患者」は、医療処置を必要とするヒトまたは非ヒト動物である。医療処置には、疾患または障害、予防的または予防的治療、または診断治療などの既存の病態の治療が含まれうる。いくつかの実施形態では患者はヒト患者である。
【0017】
「提供する」とは、提供、投与、販売、分配、移動(利益目的または非利益目的)、製造、配合または分注を意味する。
【0018】
「結晶性テビペネムピボキシル塩形を少なくとも一つの追加的な活性薬剤に提供すること」は、結晶性テビペネムピボキシル塩形および追加的な活性薬剤を単一投与剤形に同時に提供し、別々の剤形で同時に提供し、またはテビペネムピボキシルと少なくとも一つの追加的な活性剤の両方が患者の血流に存在する時間量によって分けて投与するために別々の剤形で提供することを意味する。結晶性テビペネムピボキシル塩形および追加的な活性薬剤は、同医療従事者によって患者に処方される必要はない。追加的な活性薬剤は、処方を必要としない。結晶性テビペネムピボキシル塩形または少なくとも一つの追加的な活性薬剤は、任意の適切な経路、例えば、経口錠剤、口腔カプセル、口腔液体、吸入、注射、坐薬または局所接触を介して投与することができる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、結晶性テビペネムピボキシル塩形および少なくとも一つの追加的な活性薬剤を充分に提供することを含み:(a)疾患にり患しやすいが、まだ診断されていない患者に疾患または疾患の症状が発症する確率を低減する(例えば、細菌感染への暴露リスクが高い領域に移動する患者の細菌感染を防ぐ);(b)前記疾患を阻害すること、すなわち、その発症の停止;(c)前記疾患を緩和する工程と、すなわち、疾患の退縮を引き起こす。「治療する」および「治療」とは、抗生物質耐性細菌感染またはグラム陰性細菌感染などの微生物感染を有するまたはその疑いのある患者に、結晶性テビペネムピボキシル塩形および少なくとも一つの追加的活性薬剤の治療有効量を患者に提供することも意味する。
【0020】
本開示の医薬組み合わせの「治療有効量」は、患者に投与されたとき、症状の改善などの治療的利益を提供するために有効な量、例えば、細菌感染症の症状を減少させるために有効な量を意味する。例えば、細菌感染症に感染した患者は、特定の血液細胞、特に白血球(白血球)の異常なレベル、好中球の増加およびリンパ球の減少が存在し得る。したがって、治療有効量は、白血球レベルを標準範囲に戻すのに十分な量である。治療有効量はまた、患者の血液、血清、または組織内で検出可能なレベルの細菌または細菌抗体の著しい増加を防ぐ、または著しく減少させるのに十分な量である。
【0021】
本開示は、本化合物中で発生する原子のすべての同位元素を含むことが意図されている。同位体には、同一の原子数を有するが異なる質量番号を有する原子が含まれる。一般的な例として、限定されないが、水素の同位体には、トリチウムおよび重水素を含み、ならびに炭素の同位体は、11C、13C、および14Cを含む。
【0022】
要素が別の元素の「上」に存在するものとして示される場合、その要素は他の要素の上に直接的に存在し、または介在する要素がその間に存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素に「直接的に」存在するものとして示される場合、介在する要素は存在しない。
【0023】
「第一」、「第二」、「第三」などという用語は本明細書で使用して、様々な要素、成分、領域、層および/またはセクションを記述してもよいが、これらの要素、成分、領域、層および/またはセクションはこれらの用語によって限定されないことが理解されよう。これらの用語は、一つの要素、成分、領域、層またはセクションを別の要素、成分、領域、層またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、「第一の要素」、「成分」、「領域」、「層」または「セクション」は、本明細書の教示から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層またはセクションと呼ぶことができる。
【0024】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態の解説のみを目的としており、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は複数形を含むことが意図されており、その内容が明確に別途示されていない限り、「少なくとも一つ」を含む。「または」は、「および/または」を意味する。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの一つ以上の任意の組み合わせおよびすべての組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、「含む」および/または「含む」(“comprise”“comprising”)または「含む」および/または「含む」(“include”“including”)という用語は、記述された特徴、領域、整数、工程、操作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、一つ以上の他の特徴、領域、整数、工程、操作、要素、構成要素、および/またはその群の存在を除外しないことをさらに理解されたい。
【0025】
別途定義されない限り、本明細書で使用される(技術用語および科学的用語を含む)すべて用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されたものなどの用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されていない限り、理想化または過剰な形式的意味では解釈されないことがさらに理解される。
【0026】
テビペネムピボキシル(CAS Reg.No.161715-24-8)は、以下の構造(1)を有する:
【化1】
(1)
【0027】
本明細書では、結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形(形A)、結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形(形A)、テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形Aおよび形B)、テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形(形A)、テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形(形B)、およびテビペネムピボキシル臭化水素酸塩形(形B)の結晶形を開示する。
【0028】
テビペネムピボキシル塩の結晶形は、多形、溶媒和物、水和物、共結晶およびクラストを含むがこれに限定されない、単一成分および複数の構成要素の結晶形を含む。本明細書のいくつかの実施形態は、テビペネムピボキシル塩の単一成分結晶形を提供する。本明細書の他の実施形態は、テビペネムピボキシル塩を含む複数の構成要素の結晶形を提供する。本明細書に提供される複数の構成要素結晶形には、塩、共結晶、水和物、溶媒和物、クラスレートおよび/または多形体によって説明されうる結晶形が含まれ、これらの用語のうちの一つ以上によって記述されうる結晶形が含まれる。
【0029】
テビペネムピボキシル塩を含む結晶形は、以下の実施例に記載される方法、または加熱、冷却、凍結乾燥(freeze drying)、凍結乾燥(lyophilization)、溶融物の急冷、急激な溶媒揮発、遅延型溶媒揮発、溶媒による再結晶、逆溶剤添加、スラリーによる再結晶、溶融物からの再結晶、脱溶媒和、例えば、ナノ細孔または毛細管等の閉鎖空間中の結晶化、例えば、ポリマー等の表面またはテンプレート上での再結晶、例えば、共結晶カウンター分子(co-crystal counter-molecules)等の添加物の存在下での再結晶、脱溶媒和、脱水、急冷、遅延型冷却、溶媒および/または水への暴露、例えば、真空乾燥を含む乾燥、蒸気拡散、昇華、(例えば、cryo-grinding、solvent-drop grindingまたはliquid assisted grindingを含む粉砕)、マイクロ波誘導沈殿、超音波誘導沈殿、レーザー誘導沈殿ならびに超臨界液からの沈殿を含む当技術分野で知られている技術によって調製することができる。結果として生じる結晶形の粒径は、例えば、ナノメートル寸法からミリメートル寸法まで)変化し得、例えば、結晶化条件、例えば、結晶化速度および/または結晶化溶媒系、または粒径減少技術、例えば、粉砕(grinding)、粉砕(milling)、微粉化または超音波処理によって制御することができる。
【0030】
特定の理論に束縛されるものではないが、特定の結晶形は、物理的特性、例えば、安定性、溶解性、溶解率によって特徴付けられ、医薬品および治療投与剤形に適している。さらに、特定の理論に束縛されるものではないが、特定の結晶形は、物理的特性により特徴付けられ(例えば、密度、圧縮性、硬度、形態、切断、粘性、溶解性、水の取り込み、電気特性、熱的挙動、固体状態反応、物理的安定性、および化学的安定性)、特定のプロセスに影響を与え(例えば、収率、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、混合、錠剤成形、流動性、溶液、製剤、および凍結乾燥)、固体投与剤形の製造に適した特定の結晶形を作製する。こうした特性は、本明細書で説明したように、当該技術分野で周知の固体状態分析技術(例えば、X線回折、顕微鏡、分光分析および熱分析)を含む特定の分析化学技術を使用して特定することができる。
【0031】
本明細書のいくつかの実施形態は、結晶形のうちの一つ以上を含む組成物を提供する。他の実施形態は、その他の活性成分と組み合わせた一つ以上の結晶形の組成物を提供する。特定の実施形態は、本明細書に提供される疾患および障害を含むがこれに限定されない疾患および障害の治療、予防または管理におけるこれらの組成物を使用する方法を提供する。
【0032】
テビペネムピボキシル塩を含む結晶形に加えて、本明細書に提供される結晶形は、テビペネムピボキシル塩のプロドラッグを含む結晶形である。
【0034】
本明細書に提供される結晶形は、テビペネムピボキシル塩の一つ以上の原子における原子同位体の非天然の割合も含みうる。例えば、化合物は、放射性同位体、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)硫黄-35(35S)、または炭素-14(14C)で放射標識され得る。放射標識化合物は、治療剤、例えば、抗菌治療剤、治験薬、例えば、結合アッセイ試薬、および診断薬、例えば、インビボ造影剤として有用である。テビペネムピボキシル塩のすべての同位体的種類は、放射性かどうかに関わらず、本明細書に提供される実施形態の範囲に包含されることが意図されている。
【0035】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形を含み、ここでCu Kα源から得られる形の
XRPDは、
図1の特徴2θ値を有する(形A)。
【0036】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸エタンスルホン酸塩形(形A)を含み、ここでCu Kα源から得られる形のXRPDは、任意の5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれ以上の特徴的な2θ値を有する:5.7、8.8、9.6、10.8、12.4、13.7、15.1、16.9、17.8、18.4、18.7、19.0、19.3、20.0、20.3、21.0、21.8、22.1、22.4、23.0、23.4、24.9、25.2、25.9、26.2、26.5、26.8、27.2、27.9、28.6、29.2および29.7+/-0.2°2θ。
【0037】
本開示は、9.6、12.4、15.1、19.0、および20.3+/-0.2°2θまたは10.8、13.7、15.9、22.1、および27.9+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形を含む。
【0038】
本開示は、形Aの結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形を含み、追加的に
図2に実質的に示すDSCプロファイルによって特徴付けられる。
【0039】
形Aの結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形は、70.8℃の開始値および90.7℃の最小値の吸熱を有するDSCプロファイルによって追加的に特徴付けられる。
【0040】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形(形A)を含み、ここでCu Kα源から得られる形の
XRPDは、
図3の特徴的な2θ値を有する。
【0041】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形(形A)を含み、ここでCu Kα源から得られる形のXRPDは、以下の値のうちのいずれか5、6、7、8、9、10、11、12またはそれ以上を有する:5.4、8.6、9.8、10.4、10.7、12.7、13.2、13.5、14.0、16.2、17.0、17.2、17.7、18.0、18.7、18.9、19.4、19.6、20.0、20.7、21.1、21.6、21.8、22.7、23.0、23.6、24.6、26.7、27.1、27.4、28.3、28.7、または29.6。
【0042】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形(形A、8.6、10.7、13.2、16.2および17.2+/-0.2°2θまたは9.8、12.7、13.5、17、および17.7+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムにより特徴付けられる)を含む。
【0043】
形Aの結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形は、
図4に示される実質的にDSCプロファイルを有するDSCプロファイルによって追加的に特徴付けられる。
【0044】
形Aの結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形は、36.6℃の開始値および57.0℃の最小値を有する吸熱ならびに106.5℃の開始値および117℃の最小値を有する第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる。
【0045】
本開示は、Cu Kα源から得られる形の
XRPDが
図5の特徴的な2θ値を有する結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形である(形A)。
【0046】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形A)を含み、ここでCu Kα源から得られる形のXRPDは、5、6、7、8、9、10、11、12以上の以下の値を有する:8.0、8.6、10.8、11.2、11.9、12.2、12.6、15.0、15.4、15.7、16.9、18.2、18.7、19.4、19.9、20.4、21.2、22.5、23.1、24.2、24.8、25.7、26.5、27.5または28.3。
【0047】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形A、8、12.6、15.4、16.0および18.7+/-0.2°2θ、または8.6、15.0、15.7、19.4および19.9+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムにより特徴付けられる)を含む。
【0048】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形Aを含み、追加的に
図6に示す実質的にDSCプロファイルによって特徴付けられる。
【0049】
本開示は、50.6℃の開始値および74.3℃の最小値を有する吸熱ならびに103.0℃の開始値および110.1℃の最小値を有する第二吸熱を有するDSCプロファイルによりさらに特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形Aを含む。
【0050】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形を含み、ここでCu Kα源から得られる形の
XRPDは、
図7の特徴的な2θ値を有する(形B)。
【0051】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形B)を含み、ここでCu Kα源から得られる形のXRPDは、5、6、7、8、9、10、11、12以上の以下の値を有する:5.5、8.9、10.1、10.6、11.0、12.8、13.6、14.3、14.9、16.7、17.0、17.2、17.9、18.6、19.0、19.4、20.2、20.5、20.8、21.4、21.9、22.2、23.1、24.0、24.5、25.1、25.5、26.2、27.5、28.1、28.9または29.6。
【0052】
本開示は、8.9、13.6、17.0、18.6、および20.8+/-0.2°2θ値または11.0、14.3、19.0、20.2、および21.4+/-0.2±2°θの2θのピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムにより特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形B)を含む。
【0053】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形(形B)を含み、追加的に
図8に示される実質的にDSCプロファイルによって特徴付けられる。
【0054】
本開示は、40.3℃の開始値および65.3℃の最小値を有する吸熱ならびに114.7℃の開始値および119.6℃の最小値を有する第二吸熱を有するDSCプロファイルによって追加的に特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形Bを含む。
【0055】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形を含み、ここでCu Kα源から得られる形の
XRPDは、
図9の特徴的な2θ値を有する(形A)。
【0056】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形(形A)を含み、ここでCu Kα源から得られる形のXRPDは、5、6、7、8、9、10、11、12以上の以下の値を有する 9.1、9.3、11.0、11.8、12.3、12.9、13.1、14.4、14.9、15.3、16.0、16.6、17.6、18.5、19.0、19.9、20.5、20.8、21.4、21.9、22.2、23.1、23.4、23.9、24.8、25.5、26.0、26.3、27.7または28.4。
【0057】
本開示は、11.8、15.3、17.6、19.0、および23.9+/-0.2°2θ、または12.9、18.5、20.5、21.9、および26.3+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形(形A)を含む。
【0058】
本開示は、
図11に示されるように、実質的にDSCプロファイルによって特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形Aを含む。
【0059】
本開示は、32.1℃の開始値および51.1℃の最小値を有する吸熱ならびに117℃の開始値および127.6℃の最小値を有する第二吸熱を有するDSCプロファイルにより特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形Aを含む。
【0060】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形を含み、Cu Kα源から得られる形の
XRPDは、
図12の特徴的な2θ値を有する(形B)。
【0061】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形(形B)を含み、Cu Kα源から得られる形のXRPDは、5、6、7、8、9、10、11、12以上の以下の値を有する:9.1、9.6、10.9、12.6、13.9、14.6、15.4、17.2、17.5、18.2、18.4、18.7、19.4、19.6、19.8、20.4、20.6、21.5、21.9、22.2、22.9、23.6、24.5、25.3、25.6、26.4、26.9、27.1、27.5、27.8、28.0、28.6、29.4または29.8。
【0062】
本開示は、9.6、12.6、15.4、19.4、および22.2+/-0.2°2θ、または10.9、13.9、17.2、20.4、および23.6+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムにより特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形(形B)を含む。
【0063】
本開示は、
図13に示されるように、実質的にDSCプロファイルによって特徴付けられる、形Bの結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩を含む。
【0064】
本開示は、57.8℃の開始値および88.5℃の最小値を有する吸熱ならびに175.2℃の開始値および177℃の最小値を有する第二吸熱を有するDSCプロファイルにより特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形Bを含む。
【0065】
本開示は、Cu Kα源から得られた形の
XRPDが、
図14(形B)の特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形である。
【0066】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形(形B)を含み、ここでCu Kα源から得られる形のXRPDは、5、6、7、8、9、10、11、12以上の以下の値を有する:9.3、9.5、10.7、12.6、13.0、14.0、15.2、15.7、17.6、18.7、19.1、20.0、20.4、20.8,21.1、21.9、22.6、23.5、23.7、24.9、25.3、25.5、25.8、26.1、26.5、26.8、27.3、27.6、28.4、28.8、29.4、29.7または29.9+/-0.2°2θ。
【0067】
本開示の結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形(形B)は、9.3、13.0、17.6、20.8、及び26.8+/-0.2°2θ、または10.7、14.0、18.7、20.0、および23.5+/-0.2°2θの2θでピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムにより特徴付けられる。
【0068】
結晶質は、
図15に示されるように、実質的にDSCプロファイルによってさらに特徴付けられるテビペネムピボキシル臭化水素酸塩形Bを含む。
【0069】
本開示は、32.9℃の開始値および66.3℃の最小値を有する吸熱ならびに186.8℃の開始値および190.8℃の最小値を有する第二吸熱を有するDSCプロファイルによって追加的に特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形Bを含む。
【0070】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形を含み、Cu Kα源から得られる形は、
図16の特徴的な2θ値を有する。
【0071】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形(形A)を含み、Cu Kα源から得られる形のXRPDは、5、6、7、8、9、10、11、12以上の以下の値を有する。4.1、5.0、7.7、8.2、8.5、9.5、10.1、13.1、13.5、15.4、16、16.9、17.3、18、19.1、20.3、20.7、21.2、22.7、23.1、24.5、25.7、27.3、28.8+/-0.2°2θ。
【0072】
結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形(形A)は、4.1、8.2、10.1、20.3、及び21.2+/-0.2°2θ、または5.0、10.1、15.4、18.0、および20.7+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXRPDディフラクトグラムによって特徴付けられる。
【0073】
本開示は、
図17に示されるように、実質的にDSCプロファイルによって特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形Aを含む。
【0074】
本開示は、56.3℃の開始値および79.3℃の最小値を有する吸熱ならびに144.5℃の開始値および157.5℃の最小値を有する第二吸熱を有するDSCプロファイルにより特徴付けられる結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形(形A)を含む。
【0075】
本開示は、結晶性テビペネムピボキシル塩形が少なくとも90%、95%、97%、98%、99%または99.5%純粋である
図1、3、5、7、9、10、12、14、16、21または23のいずれか一つの結晶性テビペネムピボキシル塩形を含む。
【0076】
本開示は、テビペネムピボキシル塩および生理学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を含み、テビペネムピボキシル塩は、
図1、3、5、7、9、10、12、14、16、21、または23の結晶性テビペネムピボキシル塩を少なくとも90%、95%、97%、98%、99%または99.5%含む。医薬組成物は、動脈内、静脈内、注射可能、局所的、粘膜、非経口(皮下、筋肉内、またはボーラス注射)、舌下、経皮、口腔、または経口投与剤形でありうる。組成物は、例えば、錠剤またはカプセルの形態の経口投与剤形でありうる。
【0077】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物および投与剤形は、テビペネムピボキシル塩を含む一つ以上の結晶形を含む。
【0078】
本発明の単位投与剤形は、経口、粘膜(例えば、鼻腔、舌下、膣、口腔、または直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、または動脈内)、または患者への経皮投与に適する。投与剤形の例には、限定されないが、錠剤キャプレット;軟質弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル;カシェ剤;トローチ;舐剤;分散液;座薬;軟膏;パップ剤(湿布薬);ペースト;粉末;包帯;クリーム;硬膏剤;溶液;パッチ;エアロゾル(例えば、鼻のスプレーまたは吸入器);ゲル;懸濁液(懸濁液)を含む患者への経口投与または粘膜投与に適した液体剤形(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油エマルジョン、または油中水液体エマルジョン)、溶液、およびエリキシル;患者への非経口投与に適した液体剤形;患者への非経口投与に適した液剤剤形を提供するために再構成することができる滅菌固体(例えば、結晶または非晶質固体)が挙げられる。
【0079】
本発明の投与剤形の組成、形状、および種類は典型的には、それらの使用に応じて変化する。例えば、細菌感染症または関連する障害の急性治療で使用される投与剤形は、同疾患の慢性治療で使用される剤形よりも多量の活性成分を一つ以上含有してもよい。同様に、非経口投与剤形は、同疾患または障害を治療するために使用される経口剤形よりも少ない量の活性成分を一つ以上含有してもよい。本発明に包含される特定の投与剤形が互いに変化するこれらの方法および他の方法は、当業者には容易に明らかであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18編、Mack Publishing、Easton Pa.(1990)を参照されたい。
【0080】
典型的な医薬組成物および投与剤形は、一つ以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は、薬剤の当業者に周知であり、適切な賦形剤の非限定的な例が本明細書に提供されている。特定の賦形剤が医薬組成物または投与剤形への組み込みに適しているかどうかは、限定されないが、剤形が患者に投与される方法を含む当該技術分野で周知の様々な要因に依存する。例えば、錠剤などの経口投与剤形は、非経口剤形での使用に適していない賦形剤を含みうる。特定の賦形剤の適合性は、投与剤形の特定の活性成分に依存しうる。
【0081】
本発明のラクトースを含まない組成物は、当技術分野で周知の賦形剤を含むことができ、例えば、U.S.Pharmocopia (USP)SP(XXI)/NF(XVI)に列挙されている。一般的に、ラクトースを含まない組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、および薬学的に適合性の薬学的に許容可能な量の潤滑剤を含む。好ましいラクトースを含まない投与剤形は、活性成分、微結晶セルロース、予めアルファ化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0082】
本発明はさらに、水がいくつかの化合物の分解を促進する可能性があるため、活性成分を含む無水医薬組成物及び投与剤形をさらに包含する。例えば、水(例えば、5%)の添加は、保存期間または製剤の安定性などの特性を決定するために、長期保存をシミュレーションする手段として、医薬品において広く受け入れられている。例えば、Jens T.Carstensen、Drug Stability:Principles&Practice,2d.Ed.、Marcel Dekker、NY、N.Y.、1995、pp.379-80を参照されたい。有効なことに、水および熱は一部の化合物の分解を加速する。したがって、製剤への水の効果は、製剤の製造、取り扱い、包装、保管、出荷、および使用時に水分および/または湿気に一般的に遭遇するため、非常に重要となりうる。
【0083】
本発明の無水医薬組成物及び投与剤形は、無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を用いて調製することができる。製造、包装、および/または保存中に水分および/または湿気に実質的に接触することが予想される場合、ラクトースおよび一級アミンまたは二級アミンを含む少なくとも一つの活性成分を含む医薬組成物および投与剤形は無水であることが好ましい。
【0084】
無水医薬組成物は、その無水性が維持されるように調製し、保存する必要がある。したがって、無水組成物は、適切な調合キットに含めることができるように、水への暴露を防止するために知られている材料を使用して包装されることが好ましい。適切な包装の例としては、密封されたホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
本発明はさらに、活性成分が分解する速度を低減する一つ以上の化合物を含む医薬組成物および投与剤形を含む。本明細書において「安定剤」と呼ばれるこのような化合物は、アスコルビン酸、pH緩衝液、または塩緩衝液などの抗酸化剤を含むが、これに限定されない。
【0086】
賦形剤の量およびタイプと同様に、投与剤形の活性成分の量および特定のタイプは、限定されないが、患者に投与される経路などの要因に依存して異なる場合がある。しかしながら、本明細書に提供される典型的な投与剤形は、午前中に一日一回の投与の場合、一日約1mg~約1,000mgの範囲内にあるが、一日を通して分割された用量として投与されることが好ましい。より具体的には、一日用量は、等しく分割された用量で二回投与される。具体的には、一日用量の範囲は、約5mg~約500mg/日、より具体的には約10mg~約200mgでありうる。患者の管理において、治療は、患者のglobal responseに応じて、低用量、おそらく約1mg~約25mg、および必要に応じて約200mg~約1,000mg/日まで増加し、単回量または分割用量として開始されうる。
【0087】
経口投与剤形。経口投与に適した本発明の医薬組成物は、限定されないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット、カプセル、および液体(例えば、味付きシロップ)等の別々の投与剤形として示すことができる。かかる投与剤形は、所定量の活性成分を含有し、当業者に周知の調剤方法によって調製されてもよい。一般的にRemington’s Pharmaceutical Sciences、18版、Mack Publishing、Easton Pa.(1990)を参照されたい。
【0088】
本発明の典型的な経口投与剤形は、有効成分(複数含む)を、従来の調剤技術に従って少なくとも一つの賦形剤と綿密に混合することによって調製される。賦形剤は、投与のために望ましい調製の形態に応じて幅広い剤形を取ることができる。例えば、経口液体またはエアロゾル投与剤形での使用に適した賦形剤には、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、および着色剤が含まれるがこれらに限定されない。固体経口投与剤形での使用に適した賦形剤の例(例えば、粉末、錠剤、カプセル、およびカプレットには、限定されないが、デンプンおよび糖、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤が含まれる。
【0089】
投与が容易なため、固形賦形剤を使用する場合、錠剤およびカプセルは最も利点のある経口剤形である。望ましい場合、錠剤は標準的な水性または非水性の技術で被覆されうる。かかる投与剤形は、調剤の任意の方法によって調製されうる。一般に、医薬組成物および投与剤形は、活性成分を液体担体、細かい固体担体、またはその両方と綿密に混合し、かつ必要に応じて製品を望ましい提示に成形することによって均一に調製される。
【0090】
例えば、錠剤は圧縮または成形によって調製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で活性成分を粉末や顆粒などの自由流動形態で圧縮することによって調製することができ、随意に賦形剤と混合することができる。成形した錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作製することができる。
【0091】
本発明の経口投与剤形に使用することができる賦形剤の例には、結合剤、充填剤、崩壊剤、および潤滑剤が含まれるがこれらに限定されない。医薬組成物および投与剤形での使用に適した結合剤には、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、またはその他のデンプン、ゼラチン、アカシア等の天然および合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、その他のアルギン酸、粉末状トラガント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)が含まれるが、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、No.2208、2906、2910)、微結晶セルロース、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
本明細書に開示される医薬組成物および投与剤形での使用に適した充填剤の例には、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の医薬組成物中の結合剤または充填剤は、典型的には医薬組成物または投与剤形の約50~約99重量パーセントで存在する。
【0093】
適切な形の微結晶セルロースには、AVICEL-PH-101(商標)、AVICEL-PH-103(商標)、AVICEL RC-581(商標)、AVICEL-PH-105(商標)(FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Sales、Marcus Hook、Pa.で入手可能)として販売されている材料およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。特定の結合剤は、微結晶セルロースおよびAVICEL RC-581(商標)として販売されるカルボキシメチルセルロースの混合物である。適切な無水または低水分の賦形剤または添加剤には、AVICEL-PH-103(商標)およびStarch 1500 LM(商標)が含まれる。
【0094】
崩壊剤は、水性環境に曝露された時に分解する錠剤を提供するために、本発明の組成物で使用される。過剰に崩壊剤を含む錠剤は保管中に分解しうる一方、崩壊剤をほとんど含まない錠剤は、望ましい速度または望ましい条件下で分解しない場合がある。したがって、有効成分の放出を有害に変化させるのに過剰でも過小でもない十分な量の崩壊剤を使用して、本発明の固体経口投与剤形を形成すべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に基づいて変化し、当業者には容易に認識できる。典型的な医薬組成物は、約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、特に約1~約5重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0095】
本発明の医薬組成物および投与剤形で使用されうる崩壊剤には、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルロースナトリウム、クロスカビドロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモもしくはタピオカでんぷん、アルファ化デンプン、その他のデンプン、粘土、その他のアルギン、その他のセルロース、ガム、およびこれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。
【0096】
本発明の医薬組成物および投与剤形で使用することができる潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、その他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、マンニトール、ポリエチレングリコール、タルク、水添植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブオイル、トウモロコシ油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、寒天、およびそれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。追加的な潤滑剤としては、例えば、syloidシリカゲル(メリーランド州バルチモアのW.R.Grace Co.Md.によって製造されたAEROSIL 200(商標))、合成シリカの凝固エアロゾル(テキサス州プラノのDegussa Co.による販売)、CAB-O-SIL(商標)(マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.が販売する発熱性二酸化ケイ素)およびそれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。すべてで使用される場合、潤滑剤は典型的には、組み込まれる医薬組成物または投与剤形の約1重量パーセント未満の量で使用される。
【0097】
徐放性投与剤形。本明細書に提供されるテビペネムピボキシル塩を含む結晶形は、制御された放出手段によって、または当業者に周知の送達装置によって投与されうる。例としては、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;および第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、および第5,733,566号が挙げられ、各々が参照により本明細書に組み込まれる。かかる投与剤形は、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、その他のポリマーマトリクス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、マイクロ粒子、リポソーム、微粒子またはその組み合わせを使用して、一つ以上の活性成分の徐放性または制御放出を提供するために使用され、割合を変化させて望ましい徐放特性を提供する。本明細書に記述したものを含む、当業者に周知の適切な徐放製剤は、本発明の活性成分と使用するために容易に選択することができる。したがって、本発明は、制御放出のために適合された、限定されないが、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、およびカプレットなどの経口投与に適した単一の単位投与剤形を包含する。
【0098】
すべての徐放医薬品は、それらの未制御医薬品によって達成された薬物療法を改善する共通の目標を有する。理想的には、医療処置における最適に設計された徐放調製の使用は、最小限の時間で病態を治癒または制御するために使用される最小の薬剤物質によって特徴付けられる。徐放製剤の利点には、薬物の延長活性、投与頻度の減少、および患者のコンプライアンスの増加が含まれる。さらに、徐放製剤は、作用開始時間または薬剤の血中レベルなどのその他の特徴に影響を及ぼすために使用することができ、副作用(例えば、有害)の発生に影響し得る。
【0099】
ほとんどの徐放製剤は、最初に、望ましい治療効果を迅速に生じさせ、その他の量の薬物を徐々に連続して放出し、長時間にわたってこのレベルの治療的または予防的効果を維持するように設計されている。身体の薬剤の定常レベルを維持するために、薬剤は、代謝され、体内から排出される薬剤の量を置換する速度で投与剤形から放出される必要がある。活性成分の徐放は、ph、温度、酵素、水、またはその他の生理学的条件または化合物を含むがこれに限定されない様々な条件によって刺激されうる。
【0100】
非経口投与剤形。非経口投与剤形は、限定されないが、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内、及び動脈内を含む様々な経路によって患者に投与することができる。それらの投与は通常、混入物に対する患者の自然防御を迂回するため、非経口投与剤形は滅菌されるか、または患者への投与前に滅菌されることが好ましい。非経口投与剤形の例としては、注射の準備ができた溶液、注射のための薬学的に許容可能なビヒクルに溶解または懸濁する準備ができた乾燥産物、注射用の懸濁液、および乳濁液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
本発明の非経口投与剤形を提供するために使用できる適切なビヒクルは、当業者に周知である。例としては、注射用水USP;塩化ナトリウム注入、リンガー注射、デキストロース注入、デキストロースおよび塩化ナトリウム注入、および乳酸加リンゲル液などの水性ビヒクル;限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどの水混和性ビヒクル;トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルなどの非水性ビヒクルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0102】
本明細書に開示される活性成分のうちの一つ以上の溶解度を増加させる化合物も、本発明の非経口投与剤形に組み込むことができる。
【0103】
経皮、局所および粘膜投与剤形。本発明の経皮、局所および粘膜投与剤形には、眼科溶液、噴霧、エアロゾル、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、エマルジョン、懸濁液、または当業者に周知の他の剤形が含まれるがこれらに限定されない。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、16版および18th版、Mack Publishing,Easton Pa.(1980&1990);およびIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms、4版、Lea&Febiger,Philadelphia(1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織の治療に適した投与剤形は、口腔洗浄または口腔ゲルとして製剤化することができる。さらに、経皮的投与剤形は、「レザバータイプ」または「マトリクスタイプ」パッチを含み、これは皮膚に適用され、所望の量の活性成分を浸透させるために特定の期間着用されうる。
【0104】
適切な賦形剤(例えば、担体および希釈剤)および本発明に包含される経皮、局所および粘膜投与剤形を提供するために使用できるその他の材料は、医薬品技術分野において公知であり、特定の医薬組成物または投与剤形が適用される特定の組織に依存する。このことを念頭において、典型的な賦形剤には、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油およびその混合物が挙げられ、非毒性および薬学的に許容可能なローション、チンキ、クリーム、乳液、ゲルまたは軟膏が形成される。所望の場合、保湿剤または湿潤剤も医薬組成物および投与剤形に添加することもできる。こうした追加的成分の例は、当該技術分野で周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、16版および18th版、Mack Publishing,Easton Pa.(1980&1990)を参照されたい。
【0105】
治療する特定の組織に応じて、本発明の活性成分を用いた治療の前、治療と共に、または治療後に、追加的成分を使用することができる。例えば、透過促進剤を使用して、活性成分を組織に送達するのを助けることができる。適切な貫通促進剤には、アセトン;エタノール、オレイル、およびテトラヒドロフリルなどの様々なアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン;コリドングレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;Tween 80(商標)(ポリソルベート80)およびSpan 60(商標)(ソルビタンモノステアレート)などの様々な水溶性または不溶性の糖エステルが含まれるがこれに限定されない。
【0106】
医薬組成物または投与剤形、または医薬組成物または剤形が適用される組織のpHは、一つ以上の活性成分の送達を改善するように調節されてもよい。同様に、溶媒担体、そのイオン強度、または浸透圧の極性は、送達を改善するように調整されうる。ステアレートなどの化合物も、一つ以上の活性成分の親水性または親油性を有利に変化させて送達を改善するために、医薬組成物または投与剤形に追加することができる。これに関して、ステアレートは、乳化剤または界面活性剤として、および送達促進剤または透過促進剤として、製剤用の脂質ビヒクルとしての役割を果たすことができる。活性成分を含む異なる結晶形を使用して、結果として得られる組成物の特性をさらに調節することができる。
【0107】
キット。本発明は、医療実施者によって使用される場合、適切な量の活性成分の患者への投与を単純化することができるキットを包含する。
【0108】
本発明の典型的なキットは、テビペネムピボキシル塩、または薬学的に許容可能な結晶形またはそのプロドラッグの単位投与剤形、および第二の有効成分の単位投与剤形を含む。第二の活性成分の例には、本明細書に列挙されるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0109】
本発明のキットは、活性成分を投与するために使用される装置をさらに含むことができる。こうした装置の例としては、シリンジ、ドリップバッグ、パッチ、および吸入器が挙げられるがこれらに限定されない。
【0110】
本発明のキットは、一つ以上の活性成分を投与するために使用することができる薬学的に許容可能なビヒクルをさらに含むことができる。例えば、非経口投与のために再構成されなければならない結晶形で活性成分が提供される場合、キットは、活性成分を溶解して、非経口投与に適した微粒子を含まない無菌溶液を形成することができる適切なビヒクルの密封容器を含むことができる。薬学的に許容可能なビヒクルの例としては、注射用水USP;塩化ナトリウム注入、リンガー注射、デキストロース注入、デキストロースおよび塩化ナトリウム注入、および乳酸加リンゲル液などの水性ビヒクル; 限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどの水混和性ビヒクル;トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルおよび安息香酸ベンジルなどの非水性ビヒクルが挙げられるがこれらに限定されない。
【0111】
本開示は、細菌感染症を治療するための方法を含み、
図1、3、5、7、9、10、12、14、または16の結晶性テビペネムピボキシル塩を含有する医薬組成物の治療有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む。方法は、結晶性テビペネムピボキシル塩を投与することを含むことができ、組成物は結晶性テビペネムピボキシル塩に加えて活性薬剤を含有する。方法は、活性薬剤と組み合わせて患者に結晶性テビペネムピボキシル塩を投与することを含むことができる。活性薬剤は抗生物質とすることができる。細菌感染症は、大腸菌感染症等のグラム陰性細菌感染症、クレブシエラ肺炎感染症、アシネトバクター・バウマンニ感染症、シュードモナス・エルジノーサ、ナイセリア・ゴノレー感染症、またはエルシニア・ペスチス感染症でありうる。
【0112】
本発明の特定の方法は、限定されないが、抗炎症薬、抗ヒスタミン剤、およびうっ血除去薬などの追加的治療剤の投与を含むことができる。このような追加的治療薬の例としては、限定されないが、エタノールアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、及びフェノチアジンを含む抗ヒスタミン剤が挙げられるがこれらに限定されない;抗炎症薬;限定されないが、アスピリン、サリチレート、アセトミノフェン、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、フェナム酸、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、ピラゾロン誘導体を含むNSAIDS;限定されないが、皮質ステロイドおよび副腎皮質のステロイドを含むが、これに限定されない。
【0113】
上述のように、テビペネムピボキシル塩を含む特定の結晶形は、広範囲の細菌感染の治療または予防に使用されうる。疾患または病態の急性または慢性的管理における本発明の特定の活性成分の予防的または治療用量の程度は、疾患または病態の性質および重症度ならびに活性成分が投与される経路によって変化しうる。用量および投与頻度は、年齢、体重、および個々の患者の反応によっても変化する。適切な投与レジメンは、このような要因を考慮して当業者によって容易に選択されることができる。一般的に、本明細書に記述した条件の推奨される毎日の用量範囲は、一日1mg~約1,000mgの範囲内にあり、一日一回投与量として、一日を通して分割された用量として一日一回投与されることが好ましい。より具体的には、一日用量は、等しく分割された用量で二回投与される。具体的には、一日用量の範囲は、約5mg~約500mg/日、より具体的には約10mg~約200mgでありうる。具体的には、毎日の用量は、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、または100mgの投与剤形で投与されてもよい。患者の管理において、治療は低用量、約約1mg~約25mgで開始され、患者のglobal responseに応じて、単回投与または分割用量のいずれかとして必要に応じて最大約200mg~約1,000mgの増加がなされるべきである。別の方法として、毎日の用量は0.01mg/kg~100mg/kgである。
【0114】
当業者にとって明らかとなるように、本明細書に開示される範囲外の活性成分の用量を使用することが必要である場合がある。さらに、臨床医または治療医は、個別の患者応答と併せて療法をどのようにいつ中断、調整、または終了するかを知っていることに留意されたい。
【0115】
上述のように、本開示の医薬組成物は薬学的に許容可能な担体を含むことができ、結合剤、充填剤、潤滑剤、溶媒、崩壊剤またはコーティング剤などの任意の薬学的に許容可能な賦形剤でありうる。薬学的に許容可能な担体の例を上記に提供する。
【0116】
結晶性テビペネムピボキシル塩は、治療上有効な量で一般的に医薬組成物中に存在する。本明細書で使用される場合、「治療有効量」(または用量)は、患者への投与に伴い、認識可能な患者利益をもたらす量である。治療有効量は、特定の患者、投与される適応症、ならびに共投与する薬剤の効果に依存することが明らかであろう。
【0117】
上述のように、一実施形態では、組成物は医薬品使用に適しており、医薬組成物の形態であってもよい。医薬組成物は、任意の適切な剤形を有してもよく、錠剤、カプセル、溶液、懸濁液、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0118】
医薬組成物は、障害、例えば、細菌感染症を治療するために使用されうる。本明細書に提供される治療方法は、既存の障害を治療するために使用されてもよく、または患者の障害の重症度を減少させる、または患者の障害の発症を遅延させるために使用されてもよい。別の方法として、または追加的に、本明細書に提供される化合物を患者に投与して、健康な患者の感染を防止しうる。患者にはヒト、家畜化コンパニオン動物(ペット、例えば、イヌ)および家畜動物が挙げられる。障害を治療する方法は、治療を必要とする患者に医薬組成物の治療有効量を投与することを含みうる。
【0119】
医薬組成物は、治療用の薬剤の製造のためにパッケージ化されてもよく、または使用されてもよい。包装済みの医薬調製物には、治療有効量の結晶性テビペネムピボキシル塩を保持する容器が含まれ、さらに含有する組成物が障害を治療するために使用されることを示すラベリング(例えば、説明書)が含まれる。
【0120】
本開示は、制限するものとして解釈されない以下の実施例によってさらに説明する。
【実施例1】
【0121】
[計装技術]
T別段の記載がない限り、計装技術はすべての結晶形の分析に使用される。
【0122】
(X線粉体回折(XRPD))
X線粉体回折パターンを、Cu Kα放射(40Kv、40mA)、θ-2θ角度計、およびV4の分散および受けスリット、GeモノクロメーターおよびLynxeye検出器を使用して、Bruker D8回折計に回収した。aこの機器は、認定されたCorundum Standard(NIST 1976)を使用して性能がチェックされる。データ収集に使用されるソフトウェアは、Diffrac Plus XRD Commander v2.6.1であり、データを解析し、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用して提示した。試料は、受け取った粉末を使用して平坦なプレート標本として周囲条件下で操作した。試料を、研磨されたゼロバックグラウンド(510)シリコンウエハに切断されたくぼみに穏やかにパックした。試料を分析中にそれ自体の平面に回転させた。データ収集の詳細は次のとおりである。角度範囲:2~42°2θ、ステップサイズ:0.05°2θおよび収集時間:0.5秒/工程。
【0123】
(示差走査熱量測定(DSC))
DSCは、オートサンプラーおよび40Ml/分N2パージ下の冷蔵冷却システムを備えたTA Instruments Q100示差走査熱量測定で実施した。DSCサーモグラムは捲縮したAlパン内で5℃/分で得た。
【0124】
DSCデータは、50位の自動試料を装備したTA Instruments Q2000でも収集された。サファイアを使用して熱容量の較正を行い、認証されたインジウムを使用してエネルギーおよび温度の較正を実施した。典型的には、25℃~300℃で10℃/分で、0.5~3mgの各試料をピンホールアルミニウムパンで加熱した。50mL/分で乾燥窒素のパージの乾燥窒素のパージを試料の上で維持した。
【0125】
(熱重量分析(TGA))
TGAサーモグラムは、PtまたはAlパンにおいて、5℃/分で、40mL/分のN2パージ下で、16位の自動サンプラを備えたTA Instruments Q500熱重量分析器で取得した。測定器は、認定されたアルメルおよびニッケルを使用して温度較正した。一般に、5~10mgの各試料をpre-taredアルミニウムDSCパンに置き、周囲温度から300℃まで10℃/分で加熱した。60mL/分で窒素パージを試料の上で維持した。
【0126】
(高圧液体クロマトグラフィー(HPLC))
ダイオードアレイ検出器を装備したAgilent HP1100シリーズシステム上で純度分析を行い、以下に詳述する方法Bの方法Aを使用して、ChemStationソフトウェアvB.04.03を使用した。
【0127】
【0128】
ダイオードアレイ検出器を装備したAgilent HP1100/1200システム上の方法Bに従って、Chemstationソフトウェアを使用して、HPLC解析を実施した。分析は、周囲温度でのイソクラテック条件下で逆相カラムAgilent LiChrospher 100 RP-18、5μm、250×4mmを使用して行った。注入前に、試料濃度は1:1のアセトニトリル水混合物(体積対体積)(volume to volume)で約0.5mg/mLであり、注射サイズは10μLであった。移動相は、水/アセトニトリル/トリエチルアミン中の68/30/2(体積/体積/体積)(volume/volume/volume)50mMの酢酸アンモニウムであり、pHは、濃縮リン酸で3.5に調節した。流量は0.8mL/分であり、実行時間は15分であった。検出は330nm波長で行われた。
【0129】
(プロトン核磁気共鳴(1H NMR))
NMRスペクトルを、自動サンプラを備え、DRX400コンソールによって制御されたBruker400MHz測定器で回収した。標準Bruker負荷実験を使用して、Topspin v1.3で実行されるICON-NMR v4.0.7を使用して自動実験を取得した。DMSO-d6溶媒中の溶解によって試料を2~5mg/mLの濃度で調製した。ACD Scriptusプロセッサ2014を使用してオフライン解析を実施した。
【0130】
<比較例1 テビペネムピボキシルの結晶形>
結晶性テビペネムピボキシル形Aを周知の方法に従って調製した。結晶性テビペネムピボキシルのXRPDディフラクトグラムを得た(
図18)。結晶性テビペネムピボキシルのXRPDディフラクトグラムは、表1に列挙したピークを示した。
【0131】
【0132】
結晶性テビペネムピボキシルのDSCデータ(示さず)は、132.1℃で急な吸熱を示し、その後、161.8℃および175.9℃で二つの明確な発熱が示された。TGAは、約109.5℃で段階的な分解が始まり、169.2℃以降に急激な分解を示す。結晶性テビペネムピボキシルは、109.5℃~169.2℃で約2%の重量損失を示した。
【0133】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.07-1.16(m,15H)1.19(s,1H)1.98-1.99(m,1H)2.73(s,1H)2.89(s,1H)3.07(s,1H)3.24(dd,J=6.25,2.59Hz,1H)3.27-3.27(m,1H)3.31-3.38(m,3H)3.73(td,J=6.79,3.60Hz,2H)3.87(t,J=7.58Hz,2H)3.91-4.01(m,1H)4.03(d,J=7.07Hz,1H)4.18(dd,J=9.35,2.65Hz,1H)4.27-4.39(m,3H)5.09(d,J=5.18Hz,1H)5.74(d,J=5.94Hz,1H)5.89(d,J=5.94Hz,1H)7.95(s,1H)。
【0134】
<比較例2 結晶性テビペネムピボキシル塩酸塩(HCL)塩形A>
テビペネムピボキシル(35mg)をMeCN(270μL)に溶解した。その後、酸性ストック溶液(THF中の1M HCl)を1mol等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間(0.2℃/分)にわたって0℃に冷却し、0℃で約2時間維持した。フリットフィルターを使用して得られた懸濁液を濾過し、周囲温度で15分間、フィルターブロック上で空気乾燥させた。この試料は、HPLC(方法A)によって99.5%純粋であることが判明した。この結晶形のXRPDディフラクトグラムは
図19に提供され、ピークリストは表2に示されている。
【0135】
同じ形の結晶性テビペネムピボキシルHCl塩も、以下の変化を有する前述の段落の方法を使用して、同等の純度で得られた。テビペネムピボキシルをEtOH(930μL)に溶解した。その後、酸性ストック溶液(THF中の1M HCl)を1mol等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間に5℃に冷却し(0.2℃/分)、5℃で約2時間維持した。
【0136】
【0137】
結晶性テビペネムピボキシル塩酸塩形AのDSCプロファイル(
図20)は、56℃の最小値で29.4℃の開始値および38J/gの融解エンタルピーを有する広域な吸熱を示す。DSCは、194.8℃での分解開始の発熱も示す。
【0138】
TGA(
図17にも示す)は、室温から100℃で2.2%の重量損失で示された。その他の熱事象は、約150℃の分解開始まで記録されなかった。
【0139】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.05-1.18(m,15H)2.08(s,1H)3.28(dd,J=6.19,2.65Hz,1H)3.30-3.41(m,2H)3.42-3.42(m,1H)3.61-3.68(m,2H)3.89-4.01(m,3H)4.14-4.27(m,3H)4.40-4.50(m,1H)4.69-4.81(m,2H)5.14(br s,1H)5.75(d,J=5.94Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)10.46(s,1H)。1H NMRおよびHPLCを、40℃/75%相対湿度で保存後1週間繰り返した。テビペネムピボキシル塩酸塩結晶性形Aが得られ、HPLCによって98.9%純粋であることが決定された。
【0140】
<実施例1 結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸(ESA)塩>
テビペネムピボキシル(35mg)をMeCN(270μL)に溶解し、次いで、酸性ストック溶液(THF中の1 M エタンスルホン酸)を1molの等量に加え、Polar Bear device装置(Cambridge Reaction Design)の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間(0.2℃/分)にわたって0℃に冷却し、次いで0℃で約2時間維持した。析出は観察されなかった。次いで、試料を0.5℃/分で、0.5℃で-15℃に冷却し、-20℃で2日間保存した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(tert-メチルブチルエーテル、TBME)を25℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、10:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比で沈殿物が形成されるまでゆっくりと加えた。フリットフィルターを使用して得られた懸濁液を濾過し、周囲温度で15分間、フィルターブロック上で空気乾燥させた。
【0141】
結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸形AのXRPDスペクトルを
図1に示す。この結晶形のXRPDディフラクトグラムは、表3に列挙された特徴的ピークを示した。テビペネムピボキシルエタンスルホン酸(エシレート)塩結晶形Aの試料は、HPLC、方法Aによって98.9%純粋であることが決定された。
【0142】
XRPDおよびHPLC分析を、40℃、相対湿度75%で保存の一週間後に再び実施した。XRPDスペクトルは実質的に変化しなかったが、試料はHPLC方法Aによって80.7%の実質的に低い純度であることが分かった。
【0143】
【0144】
結晶性テビペネムピボキシル(
図2)エタンスルホン酸塩形AのDSCプロファイルは、二つの最小値の70.8℃の開始値を有し、一つは90.7℃で二つ目は約108℃であり、第一の最小値については116J/g、第二の最小値については19J/gの融解エンタルピーを有する。この形態では、分解は150℃超で発生する。
【0145】
TGA(
図2にも示す)は、室温から110℃まで段階的な分解を2.9%の重量損失で示した。その他の熱事象は、約150℃の分解開始まで記録されなかった。
【0146】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.05(t,J=7.45Hz,3H)1.07-1.16(m,15H)2.35(q,J=7.37Hz,2H)3.07(s,1H)3.28(dd,J=6.13,2.72Hz,1H)3.34(s,17H)3.60-3.68(m,2H)3.93(br t,J=7.52Hz,3H)4.12-4.17(m,1H)4.19(br d,J=9.47Hz,2H)4.21-4.24(m,1H)4.40-4.49(m,1H)4.68-4.77(m,2H)5.11(br d,J=4.80Hz,1H)5.75(d,J=5.81Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)10.11(br s,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。1.0等量のエシレート対イオンが観察された。
【0147】
<実施例2 結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩(KTG)形A>
テビペネムピボキシル(35mg)をMeCN(270μL)に溶解した。次いで、酸性ストック溶液(THF中の1Mリンゴ酸)を1モルの等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間にわたり5℃に冷却し(0.25℃/分)、5℃で約2時間維持した。析出は観察されなかったため、試料を0.5℃/分で-15℃に冷却し、-20℃で2日間保存した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(tert-メチルブチルエーテル、TBME)を20℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、10:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比でゆっくりと加えた。24時間撹拌した後に形成された沈殿物は、フリットフィルターを使用してろ過し、周囲温度でフィルターブロックで15分間空気乾燥させた。
【0148】
結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形AのXRPDスペクトルを
図3に示す。この結晶形のXRPDディフラクトグラムは、表4に列挙された特徴的ピークを示した。テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩結晶形Aの試料は、HPLC、方法Aによって94.5%純粋であることが決定された。
【0149】
XRPDおよびHPLC分析を、40℃、相対湿度75%での保存の一週間後に繰り返した。試料が溶解したため、保存後のXRPDスペクトルを得ることができなかった。
【0150】
【0151】
結晶性テビペネムピボキシル(
図4)ケトグルタル酸塩形AのDSCプロファイルは、10J/gの融解エンタルピーで36.6℃の開始値および57.0℃の最小値を有する広域の吸熱、12J/gの融解熱で106.5℃の開始値および117.0℃の最小値を有する第二吸熱、ならびに分解中に126.4℃のピーク値の発熱を示す。
【0152】
TGA(
図4にも示す)は、室温から75℃で0.7%の重量損失を示す。
【0153】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.06-1.17(m,16H)2.45(t,J=6.63Hz,2H)2.85(br t,J=6.25Hz,2H)2.97-2.97(m,1H)3.24-3.27(m,2H)3.28-3.40(m,21H)3.43(s,4H)3.81-3.92(m,4H)3.93-4.00(m,1H)4.18(dd,J=9.47,2.65Hz,1H)4.31-4.38(m,1H)4.44(d,J=8.46Hz,2H)4.98-4.98(m,1H)5.10(br s,1H)5.74(d,J=5.81Hz,1H)5.89(d,J=5.94Hz,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。1.0等量のケトグルタル酸対イオンが観察された。
【0154】
<実施例3 結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸(MAE)塩形A>
テビペネムピボキシル(J07492、35mg)をMeCN(270μL)に溶解し、酸性ストック溶液(THF中の1 Mマレイン酸)を1molの等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間にわたって0℃に冷却し(0.2℃/分)、約1~2時間、0℃で維持した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(tert-メチルブチルエステル、TBME)を20℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、4:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比でゆっくりと加えた。24時間撹拌した後に形成された沈殿物は、フリットフィルターを使用してろ過し、周囲温度でフィルターブロックで15分間空気乾燥させた。
【0155】
結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形AのXRPDスペクトルを
図5に示す。この結晶形のXRPDディフラクトグラムは、表5に列挙された特徴的ピークを示した。テビペンピボキシルマレイン酸塩結晶形Aの試料は、HPLC、方法Aによって99.3%純粋であることが決定された。
【0156】
XRPDおよびHPLC分析を、40℃、相対湿度75%での保管の一週間後に繰り返した。XRPDディフラクトグラムは、形Aが形Bに変換されたことを示した。保存後のテビペネムピボキシルマレイン酸塩形Bは、HPLC、方法Aによっては78.6%純粋であった。
【0157】
【0158】
結晶性テビペネムピボキシル(
図6)マレイン酸塩形AのDSCプロファイルは、53J/gの融解エンタルピーで50.6℃の開始値および74.3℃の最小値を有する広域の融解吸熱、32J/gの融解エンタルピーで103.0℃の開始値および110.1℃の最小値を有する第二吸熱、ならびに分解前に139.5℃のピーク値の発熱を示す。
【0159】
TGA(
図6にも示す)は、室温から100℃で3.6%の重量損失を示す。
【0160】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm1.06-1.18(m,16H)2.07(s,1H)3.07(s,1H)3.07-3.08(m,1H)3.12-3.12(m,1H)3.27(dd,J=6.19,2.78Hz,2H)3.34(br dd,J=9.28,7.26Hz,5H)3.60(t,J=7.52Hz,2H)3.89-4.01(m,3H)4.07-4.22(m,3H)4.38-4.47(m,1H)4.67(td,J=8.87,3.85Hz,2H)5.11(br d,J=5.05Hz,1H)5.75(d,J=5.94Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)6.05(s,2H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。0.97等量のマレイン酸対イオンが観察された。
【0161】
<実施例4 結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸(MAE)塩形B>
結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形Bを以下のように調製した。テビペネムピボキシル(mg)をMeCN(270μL)中に溶解した。次いで、酸性ストック溶液(THF中の1Mマレイン酸)を1mol等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を、2時間(0.25℃/分)にわたって5℃まで冷却し、約2時間5℃で維持した。析出は観察されなかった。次いで、試料を0.5℃/分で-15℃に冷却し、-20℃で2日間保存した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(tert-メチルブチルエーテル、TBME)を25℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、5:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比でゆっくりと加えた。沈殿物は24時間撹拌した後に形成された。沈殿物は、フリットフィルターを使用してろ過し、周囲温度でフィルターブロックで15分間空気乾燥させた。
【0162】
この結晶形のXRPDディフラクトグラムは、表6に列挙された特徴的ピークを示した。
【0163】
結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形BのXRPDスペクトルを
図7に示す。テビペンピボキシルマレイン酸塩結晶形Bの試料は、HPLC、方法Aによって99.3%純粋であることが決定された。
【0164】
XRPDおよびHPLC分析を、40℃、相対湿度75%での保管の一週間後に繰り返した。XRPDディフラクトグラムは、テビペネムピボキシルマレイン酸結晶形Bに対する特徴的ピークを示した。保存後のテビペネムピボキシルマレイン酸塩形Bは、HPLC、方法Aによって90.2%純粋であった。
【0165】
【0166】
結晶性テビペネムピボキシル(
図8)マレイン酸塩形BのDSCプロファイルは、77J/gの融解エンタルピーで40.3℃の開始値および65.3℃の最小値を有する広域の吸熱、25J/gの融解エンタルピーで114.7℃の開始値および119.6℃の最小値を有する第二吸熱、ならびに分解前に140.3℃のピーク値の発熱を示す。
【0167】
TGA(
図8にも示す)は、室温から100℃で4.6%の重量損失を示す。
【0168】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm-0.21--0.21(m,1H)1.07-1.16(m,15H)3.07(s,1H)3.27(dd,J=6.19,2.78Hz,2H)3.29-3.40(m,23H)3.60(t,J=7.52Hz,2H)3.89-4.02(m,3H)4.06-4.16(m,2H)4.19(dd,J=9.54,2.72Hz,1H)4.37-4.48(m,1H)4.61-4.73(m,2H)5.11(d,J=5.18Hz,1H)5.75(d,J=5.81Hz,1H)5.89(d,J=5.94Hz,1H)6.05(s,2H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。約0.92等量のマレイン酸対イオンが観察された。
【0169】
<実施例5 結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸(MAL)塩形A>
テビペネムピボキシル(35mg)をMeCN(270μL)に溶解した。酸性ストック溶液(THF中の1Mリンゴ酸溶液)を1mol等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間(0.2℃/分)にわたって0℃に冷却し、0℃で約2時間維持した。析出は観察されなかったため、試料を0.5℃/分で-15℃に冷却し、-20℃で2日間保存した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(tert-メチルブチルエーテル、TBME)を25℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、4:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比でゆっくりと加えた。24時間撹拌した後に形成された沈殿物は、フリットフィルターを使用してろ過し、周囲温度でフィルターブロックで15分間空気乾燥させた。本手順に従って調製された結晶のための
XRPDディフラクトグラムを
図9に示す。このディフラクトグラムのピークリストが表7に提供されている。
【0170】
結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩はまた、前段落の方法を使用して同等の純度で得られたが、以下の変更点があった。テビペネムピボキシルをEtOH(930μL)に溶解した。酸性ストック溶液(THF中の1Mリンゴ酸溶液)を1mol等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を、約2時間(0.2℃/分)にわたって5℃に冷却し、5℃で約2時間維持した。その後、試料を0.2℃/分で-15℃に冷却し、-20℃で24時間保存した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(n-ヘキサン)を25℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、3:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比で沈殿物が形成されるまでゆっくりと加えた。フリットフィルターを使用して得られた懸濁液を濾過し、周囲温度で15分間、フィルターブロック上で空気乾燥させた。この方法によって調製された結晶の
XRPDを
図10に示す。
【0171】
【0172】
結晶性テビペネムピボキシル(
図11)リンゴ酸塩形AのDSCプロファイルは、51.1℃の最小値の32.1℃の開始値を有する融解吸熱ならびに9J/gの融解エンタルピーを示し、23J/gの溶融熱で、117.0℃の開始値および127.6℃の最小値を有する第二吸熱を示し、44J/gの熱で131.6℃のピーク値の発熱を示す。
【0173】
TGA(
図11にも示す)は、室温から75℃で0.7重量%の喪失を示し、75℃~130℃で0.3重量%の喪失を示す。
【0174】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.07-1.16(m,16H)2.41(dd,J=15.66,7.20Hz,1H)2.59(dd,J=15.60,5.75Hz,1H)3.07(s,1H)3.25(dd,J=6.32,2.65Hz,1H)3.32(br dd,J=9.35,7.33Hz,5H)3.39(t,J=7.52Hz,3H)3.68-3.68(m,1H)3.76-3.83(m,2H)3.88(t,J=7.58Hz,2H)3.96(br s,1H)4.15-4.18(m,1H)4.15-4.22(m,1H)4.29-4.44(m,3H)5.04-5.04(m,1H)5.09(br s,1H)5.74(d,J=5.94Hz,1H)5.89(d,J=5.94Hz,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。約1.09等量のリンゴ酸対イオンが観察された。XRPDは、40℃および75%相対湿度での保存後一週間で試みた。試料は溶解してオレンジ色の液体になったことが判明した。保存後に試料のHPLC分析は実施しなかった。
【0175】
<実施例6 テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩(MSA)形B>
テビペネムピボキシル(35mg)をMeCN(270μL)に溶解した。次いで、酸性ストック溶液(THF中の1Mメタンスルホン酸)を1mol等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間にわたり0℃に冷却し(0.2℃/分)、0℃で約2時間維持した。析出は観察されなかったため、試料を0.5℃/分で-15℃に冷却し、-20℃で2日間保存した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(tert-メチルブチルエーテル、TBME)を25℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、3:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比で沈殿物が形成されるまでゆっくりと加えた。フリットフィルターを使用して得られた懸濁液を濾過し、周囲温度で15分間、フィルターブロック上で空気乾燥させた。この手順によって得られた結晶性物質は、HPLC、方法Aによって99.5%純粋であると決定された。この形のXRPDディフラクトグラムは、
図12に示されている。特徴的ピークは表8に記載されている。
【0176】
MSA塩はまた、前の段落の方法を使用して同等の純度で同じ結晶形で得られたが、以下の変更点があった。テビペネムピボキシルをEtOH(930μL)に溶解した。酸性ストック溶液(THF中の1Mメタンスルホン酸)を1molの等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を、約2時間(0.2℃/分)にわたって5℃に冷却し、5℃で約2時間維持した。その後、試料を0.2℃/分で-15℃に冷却し、-20℃で24時間保存した。溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、逆溶剤(n-ヘキサン)を25℃、500rpmで徐々に撹拌しながら、3:1の逆溶剤:溶剤(v/v)の比で沈殿物が形成されるまでゆっくりと加えた。フリットフィルターを使用して得られた懸濁液を濾過し、周囲温度で15分間、フィルターブロック上で空気乾燥させた。
【0177】
【0178】
結晶性テビペネムピボキシル(
図13)メタンスルホン酸塩形BのDSCプロファイルは、88.5℃の最小値で57.8℃の開始値ならびに105J/gの融解熱を有する融解吸熱、分解前に48J/gの融解熱で175.2℃の開始値および177.0℃の最小値を有する第二吸熱を示す。
【0179】
TGA(
図13に示す)は、室温から100℃まで2.9%の重量損失を示す。分解が始まるまでその他の熱事象は観察されなかった。
【0180】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.07-1.18(m,16H)2.07(s,1H)2.30(s,2H)2.27-2.31(m,1H)3.07(s,1H)3.28(dd,J=6.13,2.59Hz,1H)3.30-3.46(m,6H)3.61-3.69(m,2H)3.90-4.01(m,3H)4.13-4.28(m,3H)4.40-4.50(m,1H)4.70-4.79(m,2H)5.11(br s,1H)5.75(d,J=5.94Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)10.12(br s,1H)。1H NMR(示さず)は、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。TGAによって溶媒についての分析を調整した場合、約1.06等量のメタンスルホン酸塩が観察された。40℃および75%の相対湿度で保存一週間後にXRPDおよびHPLCを行った。XRPDディフラクトグラムは、純粋なテビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩結晶形Bと一致した。試料津は、HPLC、方法Aにより99.0%純粋であった。
【0181】
<実施例7 テビペネムピボキシルHBRメタンスルホン酸塩(MSA)形Bの大規模調製>
テビペネムピボキシル(125mg)を八個の別個の20mLのシンチレーションバイアルに配置し、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで撹拌しながら、MeCN(7.5vol.940μl)に溶解した。試料を1mol等量の酸性ストック(THF中の1Mメタンスルホン酸ストック)で処理し、5℃に冷却した。5℃では沈殿物が観察されず、温度を20℃に上昇させた。逆溶剤(TBME)を加え、2:1の比(逆溶剤:溶剤(v/v)比)に、20℃で1時間撹拌した。フリットフィルターで得られた懸濁液を濾過し、吸引下で15分間乾燥させ、各試料をXRPDで分析した。メシル酸形BのXRPDパターンを示す試料をまとめて特徴化のためにプールした。XRPDディフラクトグラムの特徴的ピークを表10に列挙する。
【0182】
【0183】
【0184】
<実施例8 テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩(MSA)形C>
テビペネムピボキシル(1g)をMeCN(8vol、8mL)に溶解し、25℃、500rpmで撹拌しながら、1mol当量の酸性ストック(THF中1Mメタンスルホン酸、2mLを加えた。次いで、逆溶剤(TBME)を2:1の比(逆溶剤:溶剤(v/v)比)に加え、沈殿物が形成し始めた。さらに逆溶剤を5:1の比に加え、沈殿物を0.2℃/分で0℃に冷却した。0℃に達すると、試料を除去し、ドライアイス/アセトン浴で急速冷却して、析出を完了させた。固形物をブーフナー漏斗に真空下で濾過し、室温で16時間真空乾燥した。
【0185】
結果として得られる固体のXRPD分析は、メシル酸形Cおよび形Bの混合物であった。純粋な形Cの試料は生成することができず、したがって、この試料は以下に詳述されるようにさらに特徴付けられた。形C+形BのXRPDディフラクトグラムが
図25に提供され、DSCおよびTGAプロットは
図26に提供されている。
【0186】
【0187】
<実施例9 テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩(MSA)形D>
テビペネムピボキシル(30mg)を、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、50℃、500rpmで撹拌しながら、t-BuOH(30vol.、940μl)に溶解した。試料を1mol等量の酸性ストック(THF中、1M HBr水溶液、60μl)で処理し、その後、ドライアイス/アセトン浴で凍結し、16時間凍結乾燥した。得られた白色固体に、25℃、500rpmで撹拌しながら、THF(30vol、900μl)を加えた。懸濁液を50℃に加熱し、次いで0.2℃/分で5℃まで冷却し、5℃で12時間保持した。懸濁液のアリコートをMillipore 96ウェルフィルターブロック上で濾過し、吸引下で10分間乾燥させ、XRPDによって解析した(試料ID_EMP_01として表示)。懸濁液を25℃で4時間撹拌し、その後、Millipore 96ウェルフィルターブロック上で濾過し、真空下で10分間乾燥させ、XRPDにより分析した。
【0188】
冷却後の固体のアリコートのXRPD分析では、材料はメシル酸形Dであった。25℃で4時間成熟させた後、XRPD分析は、メシル酸形Dおよび形Bの混合物を示した。純粋な形Dの試料は、スケールアップした実験では生成することができず、したがって、この試料は表12に詳述されるようにさらに特徴付けられた。この結晶形のXRPDを
図27に示す。
【0189】
【0190】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.05-1.18(m,16H)1.76(br t,J=2.78Hz,1H)2.29(d,J=1.01Hz,3H)2.48-2.52(m,1H)3.28(dd,J=6.13,2.34Hz,1H)3.63(t,J=7.45Hz,2H)3.89-4.02(m,3H)4.10-4.26(m,3H)4.44(br s,1H)4.66-4.78(m,2H)5.11(br s,1H)5.75(d,J=5.94Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)10.10(br s,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。
【0191】
XRPDディフラクトグラムの特徴的ピークを表13に列挙し、XRPDスペクトルを
図27に示す。形B+DのDSCおよびTGAプロファイルを
図28に示す。
【0192】
【0193】
<実施例10 結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸(HBR)塩形B>
テビペネムピボキシル(35mg)をMeCN(270μL)に溶解した。対イオン(THF中の1M HBrストック)を1mol等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間にわたり0℃に冷却し(0.2℃/分)、0℃で約2時間維持した。フリットフィルターを使用して得られた懸濁液を濾過し、周囲温度で15分間、フィルターブロック上で空気乾燥させた。この材料は、HPLC、方法Aにより99.4%純粋であった。この方法によって調製したテビペネムピボキシルHBr結晶形のXRPDディフラクトグラムを表14に示し、ピークリストは表14に提供されている。
【0194】
HBr塩はまた、前の段落の方法を使用して同等の純度で得られたが、以下の変更点があった。テビペネムピボキシルをEtOH(930μL)に溶解した。対イオン(THF中の1M HBrストック)を1molの等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を2時間に5℃に冷却し(0.2℃/分)、5℃で約2時間維持した。
【0195】
【0196】
結晶性テビペネムピボキシル(
図15)臭化水素酸塩形BのDSCプロファイルは、66.3℃の最小値で32.9℃の開始値ならびに34.1J/gの融解熱を有する吸熱、分解前に190.8℃の最大値で186.8℃の開始値を有する発熱を示す。
【0197】
TGA(
図15にも示す)は、室温から100℃まで1.9重量%の損失を示す。分解が始まるまでその他の熱事象は見られなかった。
【0198】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.06-1.18(m,15H)3.28(dd,J=6.19,2.65Hz,1H)3.30-3.40(m,5H)3.61-3.69(m,2H)3.90-4.01(m,3H)4.13-4.27(m,3H)4.41-4.50(m,1H)4.69-4.79(m,2H)5.00-5.01(m,1H)5.11(br s,1H)5.75(d,J=5.94Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)10.11(s,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。TGAによる溶剤について分析が調整された場合、約1.04等量の臭化水素酸対イオンが観察された。40℃および75%の相対湿度で保存一週間後にXRPDおよびHPLCを行った。XRPDディフラクトグラムは、純粋なテビペネムピボキシルHBr結晶形Bと一致する。試料は、HPLCによって99.2%純粋であった。
【0199】
<実施例11 結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸(HBR)塩形C>
Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、50℃、500rpmで撹拌しながら、テビペネムピボキシル(30mg)をt-BuOH(940μl)に溶解した。試料を1mol等量の酸性ストック(THF中、1M HBr水溶液、60μl)で処理し、その後、ドライアイス/アセトン浴で凍結し、16時間凍結乾燥した。得られた白色固体に、1,2-ジメトキシエタン(10vol、300μl)を50℃で撹拌しながら加えた。追加の溶剤を添加して、30volの最終容量(900μl)を得て、懸濁液の効率的に撹拌した。懸濁液を0.2℃/分で5℃に冷却し、25℃で72時間維持した。得られた懸濁液をMillipore 96ウェルフィルターブロック上で濾過し、吸引下で15分間乾燥した。
【0200】
【0201】
XRPDディフラクトグラムの特徴的ピークを表16に列挙する。
【0202】
【0203】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.04-1.18(m,15H)3.28(dd,J=6.00,2.46Hz,1H)3.30-3.39(m,5H)3.64(t,J=7.52Hz,2H)3.93(br t,J=7.52Hz,3H)4.11-4.28(m,3H)4.39-4.51(m,1H)4.66-4.80(m,2H)5.11(br d,J=3.92Hz,1H)5.75(d,J=5.81Hz,1H)5.88(d,J=5.81Hz,1H)10.10(s,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。
【0204】
<実施例12 結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸(HBR)塩形D>
テビペネムピボキシル(2.5g)を、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、50℃、600rpmで撹拌しながら、t-BuOH(25vol、62.5mL)の最小容量に溶解した。試料を1mol等量の酸性ストック(THF中1M HBr等量、4mL)で処理し、ドライアイス/アセトン浴で凍結し、16時間凍結乾燥した。得られた白色固体を乳棒および乳鉢で粉砕し、60℃で4時間、真空オーブンで乾燥させた。乾燥すると、材料(1.2g)を20mLのシンチレーションバイアルに入れ、マグネチックスターラを使用して、ジエチルエーテル(12.5vol、15mL)で50℃、500rpmで、30分間撹拌した。その後、試料を0.2℃/分で50~5℃で冷却し、25℃で24時間撹拌した。得られた懸濁液をブフナーフラスコに濾過し、真空下で20分間乾燥した。
【0205】
【0206】
XRPDディフラクトグラムの特徴的ピークを表18に列挙し、
XRPDディフラクトグラムを
図23に提供する。
【0207】
【0208】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.04-1.21(m,15H)3.28(dd,J=5.94,2.27Hz,1H)3.30-3.52(m,4H)3.65(t,J=7.52Hz,2H)3.88-4.01(m,3H)4.19(br dd,J=9.22,2.02Hz,3H)4.45(br d,J=5.18Hz,1H)4.66-4.81(m,2H)4.95-5.28(m,1H)5.75(d,J=5.81Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)10.11(br s,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。
【0209】
<実施例13 結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸(EDSA)塩形A>
テビペネムピボキシル(30mg)をMeCN(320μL)に溶解した。対イオン(THF中の1M エタンジスルホン酸ストック溶液)を0.5モル等量に加え、Polar Bear device装置の磁気撹拌棒を使用して、25℃、500rpmで20分間撹拌した。その後、試料を5℃で2時間にわたって冷却し(0.25℃/分)、5℃で約1時間維持した。フリットフィルターを使用して懸濁液を濾過し、周囲温度で15分間、フィルターブロック上で空気乾燥させた。本方法により調製されたテビペネムピボキシルエジシル酸結晶形AのXRPDディフラクトグラムを
図16に示し、ピークリストを表19に提供する。結晶材料は、HPLCによって94.6%純粋であることが分かった。
【0210】
【0211】
結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形A(
図17)のDSCプロファイルは、79.3℃の最小値で56.3℃の開始値を有する吸熱、および69J/gの融解エンタルピー、ならびに157.5℃の最小値で144.5℃の開始値を有する小さい吸熱、および14J/gの融解エンタルピーを示す。
【0212】
テビペネムピボキシルエジシル酸塩形AのTGA(
図17にも示す)は、室温~160℃で4.0重量%の損失を示す。分解が始まる前にその他の熱事象は見られなかった。
【0213】
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 1.05-1.19(m,15H)2.01-2.08(m,1H)2.07(s,1H)2.61(s,2H)3.27(dd,J=6.19,2.78Hz,1H)3.34(s,17H)3.62(t,J=7.52Hz,2H)3.89-4.01(m,3H)4.09-4.24(m,3H)4.39-4.49(m,1H)4.70(td,J=8.87,4.36Hz,2H)5.11(d,J=5.18Hz,1H)5.75(d,J=5.94Hz,1H)5.88(d,J=5.94Hz,1H)10.12(br s,1H)。1H NMRは、純粋なテビペネムピボキシルと一致した。約0.47等量のエジシル酸対イオンおよび0.24等量のMeCN溶媒が観察された。40℃および75%の相対湿度で保存されてから三日後、試料は溶解したことが判明した。
【0214】
<実施例14 テビペネムピボキシルHBRの大規模調製>
【化2】
【0215】
温度計および滴下漏斗および機械的撹拌を備えた20L反応フラスコでは、空の浴に浸漬し、テビペネムピボキシル(1.00kg、2.01mol、1.0等量、99.5%HPLC純度)を8.0Lアセトニトリルに溶解した。溶液(完全透明)を室温で撹拌した。別の丸底フラスコでは、アセトニトリル溶液中のHBrを調製した。1.5LのアセトニトリルをRBF中で撹拌し、氷浴中で冷却した。5℃で、温度が10℃(約15分)を超えない速度で、230mLのHBr溶液(48%の水溶液)(テビペネムピボキシルに対して1.0等量のHBr)を加えた。HBr溶液(添加前に0℃に調節されたT)を、1Lの滴下漏斗(添加中、漏斗は補充される)からテビペネムピボキシル溶液に、33mL min-1(合計1時間必要)の速度で添加した。約0.5LのHBr溶液を加えた後、析出は明らかとなった。混合物を5℃まで冷却し、1時間撹拌した。混合物を大きなP3ガラスフィルター上に濾過し、室温で、ケーキを1Lアセトニトリルで洗浄した。フィルターケーキをフィルター30分間乾燥し、次いで皿に移し、N2ブリードで真空下で乾燥させた。テビペネムピボキシル臭化水素酸(0.970g、1.68mol、収率83.6%、収率99.2%、HPLC純度)をNMR(図示せず)によって乾燥させ、大きな2Lジャーにパッケージし、2~85℃で保存した。
【0216】
<実施例15 安定性試験>
テビペネムピボキシルを使用した蛍光増感紙の結果を表20にまとめる。
【0217】
【0218】
自由形態のスクリーンから得られたテビペネムピボキシルエジシル酸塩の特徴を表21に要約する。
【0219】
【0220】
【0221】
本開示の主題は例証された実施形態を参照して説明されてきたが、当業者であれば、様々な変更を行うことができ、本開示の範囲から逸脱することなく、同等物を置換することができることが理解されるであろう。さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本開示は開示された特定の実施形態に限定されないが、添付の請求項の範囲内に収まるすべての実施形態を含むことが意図される。
(1)Cu Kα源から得られる形のXPRDが、図1の特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形。
(2)9.6、12.4、15.1、19.0および20.3+/-0.2°2θ、または10.8、13.7、15.9、22.1、および27.9+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形。
(3)図2に実質的に示されるDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(1)または(2)に記載の結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形。
(4)70.8℃の開始値および90.7℃の最小値の吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(1)または(2)に記載の結晶性テビペネムピボキシルエタンスルホン酸塩形。
(5)Cu Kα源から得られる形のXPRDが図3の前記特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形。
(6)8.6、10.7、13.2、16.2、および17.2+/-0.2°2θ、または9.8、12.7、13.5、17、および17.7+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形。
(7)図4に実質的に示されるDSCプロファイルを有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(5)または(6)に記載の結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形。
(8)36.6℃の開始値および57.0℃の最小値の吸熱、ならびに106.5℃の開始値および117℃の最小値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(5)または(6)に記載の結晶性テビペネムピボキシルケトグルタル酸塩形。
(9)Cu Kα源から得られる形の前記XPRDが図5の前記特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(10)8、12.6、15.4、16.0および18.7+/-0.2°2θ、または8.6、15.0、15.7、19.4、および19.9+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(11)図6に実質的に示されるDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(9)または(10)に記載の結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(12)50.6℃の開始値および74.3℃の最小値の吸熱、ならびに103.0℃の開始値および110.1℃の最小値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(9)または(10)に記載の結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(13)Cu Kα源から得られる形の前記XPRDが図7の前記特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(14)8.9、13.6、17.0、18.6、および20.8+/-0.2°2θ、または11.0、14.3、19.0、20.2、および21.4+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(15)図8に実質的に示されるDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(13)または(14)に記載の結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(16)40.3℃の開始値および65.3℃の最小値の吸熱、ならびに114.7℃の開始値および119.6℃の最小値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(13)または(14)に記載の結晶性テビペネムピボキシルマレイン酸塩形。
(17)Cu Kα源から得られる形の前記XPRDが、図9の前記特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形。
(18)11.8、15.3、17.6、19.0および23.9+/-0.2°2θ、または12.9、18.5、20.5、21.9、および26.3+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形。
(19)図11に実質的に示されるDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(17)または(18)に記載の結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形。
(20)32.8℃の開始値および51.1℃の最小値の吸熱、ならびに116℃の開始値および127.7℃の最小値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(17)または(18)に記載の結晶性テビペネムピボキシルリンゴ酸塩形。
(21)Cu Kα源から得られる形の前記XPRDが、図12の前記特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形。
(22)9.6、12.6、15.4、19.4および22.2+/-0.2°2θ、または10.9、13.9、17.2、20.4、および23.6+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形。
(23)図13に実質的に示されるDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(21)または(22)に記載の結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形。
(24)57.8℃の開始値および88.5℃の最小値の吸熱、ならびに175℃の開始値および177℃の最小値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(21)または(22)に記載の結晶性テビペネムピボキシルメタンスルホン酸塩形。
(25)Cu Kα源から得られる形の前記XPRDが、図14の前記特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形。
(26)9.6、13.0、17.6、20.8および26.8+/-0.2°2θ、または10.7、14.0、18.7、20.0、および23.5+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形。
(27)図15に実質的に示されるDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(25)または(26)に記載の結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形。
(28)32.9℃の開始値および66.3℃の最小値の吸熱、ならびに186.8℃の開始値および190.8℃の最大値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(25)または(26)に記載の結晶性テビペネムピボキシル臭化水素酸塩形。
(29)Cu Kα源から得られる形であり、図16の前記特徴的な2θ値を有する、結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形。
(30)4.1、8.2、10.1、20.3、および21.2+/-0.2°2θ、または5.0、10.1、15.4、18.0、および20.7+/-0.2°2θの2θ値でピークを含むCu Kα源から得られたXPRDディフラクトグラムによって特徴付けられる、結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形。
(31)図17に実質的に示されるDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(29)または(30)に記載の結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形。
(32)さらに56.3℃の開始値および79.3℃の最小値の吸熱、ならびに144.5℃の開始値および157.5℃の最小値の第二吸熱を有するDSCプロファイルによってさらに特徴付けられる、(29)または(30)に記載の結晶性テビペネムピボキシルエジシル酸塩形。
(33)前記テビペネムピボキシル塩が、(1)~(32)のいずれかに記載の結晶性テビペネムピボキシル塩の少なくとも90%を含む、テビペネムピボキシル塩および生理学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
(34)前記組成物が静脈内、注射、局所的、または経口投与剤形である、(33)に記載の医薬組成物。
(35)前記組成物が、錠剤またはカプセルの形の経口投与剤形である、(34)に記載の医薬組成物。
(36)そのような治療を必要とする患者に、(1)~(32)のいずれかに記載の結晶性テビペネムピボキシル塩または(33)、(34)または(35)に記載の医薬組成物を治療有効量投与することを含む、細菌感染症を治療する方法。
(37)前記患者がヒトである、(36)に記載の方法。
(38)前記細菌感染症が尿路感染症である、(36)または(37)に記載の方法。
(39)前記組成物が、前記結晶性テビペネムピボキシル塩の他に第二活性剤を含有する、(33)~(35)のいずれかに記載の組成物。
(40)前記第二活性剤が抗生物質である、(39)に記載の組成物。
(41)第二の活性薬剤が、前記結晶性テビペネムピボキシル塩との組み合わせで患者に投与される、(36)~(38)のいずれかに記載の方法。
(42)前記第二の活性薬剤が抗生物質である、(41)に記載の方法。
(43)前記細菌感染症が、グラム陰性細菌感染症、大腸菌感染症、クレブシエラ肺炎感染症、アシネトバクター・バウマンニ感染症、シュードモナス・エルジノーサ、ナイセリア・ゴノレー感染症、またはエルシニア・ペスチス感染症である、(36)~(38)または(41)~(42)のいずれかに記載の方法。