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▶ ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】ヘアスタイリング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20230710BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q5/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020514537
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2018076834
(87)【国際公開番号】W WO2019068729
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】17194840.9
(32)【優先日】2017-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ロジャマノハラン,ダヤニ
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-520708(JP,A)
【文献】国際公開第2016/113316(WO,A1)
【文献】特表2016-502521(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0004200(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a 0.35~7.5重量%の感圧接着剤と、
b 45~90重量%の水と
を含むベース組成物を含む、エアロゾルヘアスタイリング組成物であって、
前記感圧接着剤は、
i 少なくとも4個の炭素を有する側鎖を有するアクリル基であって、ブチルアクリレートであるアクリル基、および
ii C~C側鎖アクリルであって、アクリル酸およびブチルメタクリレートで構成される側鎖アクリル
を含むランダムコポリマーであり、
前記ヘアスタイリング組成物が水ベースのエアロゾル組成物であり、
ベース組成物が実質的にアルコールを含まず、実質的に含まないとは、当該ベース組成物の重量に対して2重量%未満であることを意味すエアロゾルヘアスタイリング組成物。
【請求項2】
前記ベース組成物が、0.75~4.5重量%の感圧接着剤を含む、請求項1に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項3】
1~15重量%のヘアスタイリングポリマーをさらに含む、請求項1または2に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項4】
噴射剤をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のヘアスタイリング組成物。
【請求項5】
長時間持続保持のための、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物の毛髪への使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアスプレー組成物、特に水ベースのヘアスプレー組成物の分野における発明である。
【背景技術】
【0002】
ヘアスプレーなどのヘアスタイリング製品は、さまざまなヘアスタイルを実現し、毛束を所定位置に一定時間保持するために使用される。通常、ヘアスプレーはヘアスタイリングポリマーを含み、ほとんどがアルコールベースである。アルコールベースのヘアスプレーには、多量に使用すると毛髪が乾燥して傷みやすい状態になり、一部のユーザーにアレルギー反応を引き起こすという欠点がある。さらに、エタノールは環境中に蓄積し、環境問題を引き起こす可能性がある揮発性有機化合物である。
【0003】
米国特許出願公開第2015/0004200号明細書は、ヘアスタイリング製剤および液化ガス噴射剤を格納するための加圧可能な容器を含む、エアロゾルヘアスプレー製品について開示している。ヘアスタイリング製剤は、ヘアスタイリング製剤および噴射剤の総重量に対して、30~60重量%の水と、5~15重量%のヘアスタイリングポリマーと、約2重量%未満のアルコールと、を含む。
【0004】
現在のヘアスプレー性能を維持する、またはさらに優れた性能を提供する、より環境に優しく、より持続可能で、刺激が少なく、より手頃なヘアスプレー製品への、一定のニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、より優れた耐湿性を有するヘアスプレー製品を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、長時間持続保持を発揮するヘアスプレー製品を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、環境に優しく、より持続可能なヘアスプレー製品を提供することである。
【0008】
驚くべきことに、感圧接着剤を含む水ベースのエアロゾル組成物により、耐湿性に優れ、長時間持続保持を提供する、環境に優しく、より持続可能なヘアスプレー製品を得ることができることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、第1の態様では、本発明は、エアロゾルヘアスタイリング組成物であって、0.35~7.5重量%の感圧接着剤であって、少なくとも4個の炭素を有する側鎖を有するアクリル基およびC~C側鎖アクリルを含むランダムコポリマーである感圧接着剤と、45~90重量%の水と、を含むベース組成物を含み、ヘアスタイリング組成物が水ベースのエアロゾル組成物であり、ベース組成物が実質的にアルコールを含まない、エアロゾルヘアスタイリング組成物を提供する。
【0010】
第2の態様では、本発明は、長時間持続保持のための、本発明による組成物の毛髪への使用を提供する。
【0011】
本発明の文脈において、「実質的に含まない」とは、組成物の重量に対して2重量%未満、好ましくは1.8重量%未満、より好ましくは1.5重量%未満、さらにより好ましくは1重量%未満、なおより好ましくは0.5重量%未満、または0重量%さえも意味する。
【0012】
本発明の文脈において、「毛髪」とは一般的に、頭髪、顔面の毛および体毛を含む哺乳類の毛髪、より好ましくはヒトの頭部および頭皮上の毛髪を意味する。
【0013】
これらの態様およびその他の態様、特徴ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付の請求の範囲を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。誤解を避けるために、本発明の一態様における任意の特徴は、本発明のその他の態様において利用されてもよい。「含む」という語は、「包含する」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる」または「から構成される」を意味しない。換言すれば、列挙された工程または選択肢は、網羅的である必要はない。下記の説明で挙げられる例は、本発明を明確化することを目的とし、本発明をそれらの例自体に限定することを目的とないことに留意されたい。同様に、特に指定がない限り、すべての百分率は、重量/重量百分率である。動作例および比較例を除き、または明示的に示されている場合を除き、材料の量または反応条件、材料の物理的特性および/もしくは使用を示す説明におけるすべての数字は、「約」という単語によって修飾されるものと理解されたい。「x~y」の形式で表される数の範囲は、xおよびyを含む、と理解されたい。特定の特徴のために、複数の好ましい範囲が「x~y」形式で記載されている場合、異なる端点も統合するすべての範囲が検討されると理解される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1の態様では、本発明は、感圧接着剤および水を含むベース組成物を含むエアロゾルヘアスタイリング組成物に関する。
【0015】
本発明のヘアスタイリング組成物は、実質的にアルコールを含まないベース組成物を有する、水ベースのエアロゾル組成物である。
【0016】
感圧接着剤
本発明の感圧接着剤は、
i 少なくとも4個の炭素を伴う側鎖を有するアクリル基、および
ii C~C側鎖アクリル
を含むランダムコポリマーである。
【0017】
少なくとも4個の炭素を有する側鎖を有するアクリル基の例としては、n-ブチルアクリレートおよび2-エチルヘキシルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレートおよびドデシルアクリレートが挙げられる。
【0018】
4個以上の炭素の側鎖を有する好ましいアクリル基は、ブチルアクリレートおよび2-エチルヘキシルアクリレートであり、ブチルアクリレートが最も好ましい。
【0019】
~C側鎖アクリルの例としては、アクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリル酸およびブチルメタクリレートが挙げられる。
【0020】
好ましいC~C側鎖アクリルは、1種以上のアクリル酸、メタクリル酸またはブチルメタクリレートから選択される。
【0021】
最も好ましいC~C側鎖アクリルは、1種以上のアクリル酸またはブチルメタクリレートから選択され、アクリル酸およびブチルメタクリレートがさらに好ましい。
【0022】
好適な水性アクリル感圧接着剤には、Dow Corning PA-0560、Dow Corning PA-0580、Dow Corning MG-0560、Dow Corning MG-0580、NACOR 38-088A ex National Starch and Chemical、Acudyne MD-5800(Dow製)、Acudyne MD-5600(Dow製)、Tackwhite NA 55 ex Ichemco srl、Tackwhite A 4 MED ex Ichemco srl、Acronal 80D ex BASF AG、Acronal 85D BASF AG、Acronal A220 ex BASF AG、Acronal N 285 ex BASF AG、Acronal V 210 ex BASF AGおよびAcronal V212 ex BASF AGが挙げられる。
【0023】
特に好ましいアクリル感圧接着剤には、Acudyne MD-5800(Dow製)およびAcudyne MD-5600(RODERM(商標)MD 5600)(Dow製)が挙げられ、RODERM(商標)MD 5600が最も好ましい。
【0024】
本発明の感圧接着剤は、好ましくは10Pa~10Paの動的貯蔵値(G’)を有する。
【0025】
本発明の感圧接着剤は、好ましくは10Pa~10Paの散逸値(G’’)を有する。
【0026】
感圧接着剤のガラス転移温度は、好ましくは、-100℃~20℃、さらに好ましくは-80℃~0℃、最も好ましくは-60℃~-30℃である。
【0027】
ベース組成物は、ベース組成物の重量に対して、0.35~7.5重量%、好ましくは少なくとも0.75重量%、より好ましくは少なくとも1.5重量%、さらにより好ましくは少なくとも2.7重量%、しかし一般的に6重量%以下、より好ましくは4.5重量%以下、さらにより好ましくは3重量%以下の感圧接着剤を含む。
【0028】
感圧接着剤は、組成物全体の重量に対して、0.25~5重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも1重量%、さらにより好ましくは少なくとも1.8重量%、しかし一般的には4重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらにより好ましくは2重量%以下、の濃度でヘアスタイリング組成物中に存在する。
【0029】

ベース組成物は、ベース組成物の重量に対して、45~90重量%、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、さらにより好ましくは70重量%以上、なおより好ましくは75重量%以上、しかし一般的に85重量%以下、好ましくは80重量%以下の水を含む。
【0030】
水は、組成物全体の重量に対して30~60重量%、好ましくは33重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらにより好ましくは47重量%以上、なおより好ましくは50重量%以上、しかし一般的に57重量%以下、好ましくは53重量%以下の濃度でヘアスタイリング組成物中に存在する。
【0031】
ヘアスタイリングポリマー
本発明のヘアスタイリング組成物は、1種以上のヘアスタイリングポリマーをさらに含む。
【0032】
ヘアスタイリングポリマーは、水および液化ガス噴射剤と均一な混合物を形成するヘアスタイリングポリマーから選択される。少なくとも1つの実施形態で、ヘアスタイリングポリマーは、水およびジメチルエーテルと均一な混合物を形成するヘアスタイリングポリマーから選択される。本明細書において「均一な混合物」とは、単相の混合物を意味し、したがって均一な混合物の構成成分は、混合物の全体にわたって同じ比率を有する。
【0033】
本発明によるヘアスタイリングポリマーは、任意の水溶性皮膜形成ポリマーまたはそのようなポリマーの混合物であってよい。このようなポリマーには、ヒドロキシル基、アミン基、アミド基またはカルボキシ基などの、ポリマーに水溶性を付与する官能基を有する、天然由来または合成由来のホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる。
【0034】
ヘアスタイリングポリマーは、カチオン性ヘアスタイリングポリマーまたはカチオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級化アクリレートまたは四級化メタクリレート、ビニルイミダゾールの四級ホモポリマーまたは四級コポリマー、四級ジメチルジアリル(dimethdiallyl)アンモニウムクロリドを含むホモポリマーまたはコポリマー、非セルロース系カチオン性多糖類、カチオン性セルロース誘導体、キトサンおよびその誘導体ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0035】
カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級化アクリレートまたは四級化メタクリレートから選択される。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、a)四級化ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド(例えば、四級化ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、または四級化ジアルキルアミノアルキルアクリレート(例えば、四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート)、の少なくとも1つ、ならびにb)ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド(例えば、N-tert-ブチルアクリルアミド)、アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、およびアリルエステルまたはメタリルエステルからなる群から選択される、1種以上のモノマーを含むコポリマーである。対イオンは、メトサルフェートアニオンまたは塩化物もしくは臭化物などのハロゲン化物のいずれかであることができる。
【0036】
カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ビニルイミダゾールの四級ホモポリマーまたは四級コポリマーである。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、a)四級化ビニルイミダゾール(vinylimizazole)、およびb)1種以上のその他のモノマーを含むコポリマーである。その他のモノマーは、ビニルピロリドンもしくはビニルカプロラクタムなど、例えば、BASFよりLuviquat FC-550として市販されるビニルピロリドン/四級化ビニルイミダゾール(PQ-16)などのビニルラクタム、窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド(例えば、N-tert-ブチルアクリルアミド)、アクリル酸および/もしくはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートもしくはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アリルエステルまたはメタリルエステルからなる群から選択されてもよい。対イオンは、メトサルフェートアニオンまたは塩化物もしくは臭化物などのハロゲン化物のいずれかであることができる。
【0037】
カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、ジメチルジアリル(dimethdiallyl)アンモニウムクロリドを含む。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級ジメチルジアリル(dimethdiallyl)アンモニウムクロリドおよび別のモノマーを含むホモポリマーまたはコポリマーである。このようなもう一方のモノマーは、窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド(例えば、N-tert-ブチルアクリルアミド)、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アリルエステルまたはメタリルエステルからなる群から選択されてもよい。対イオンは、メトサルフェートアニオンまたは塩化物もしくは臭化物などのハロゲン化物のいずれかであることができる。
【0038】
カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、非セルロース系カチオン性多糖類である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、例えば、カチオン性トリアルキルアンモニウム基を含有するグアーガムである。例えば、AshlandからN-Hance 3269として市販されているグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどである。
【0039】
カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、カチオン性セルロース誘導体である。少なくとも1つの実施形態において、カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、四級アンモニウム(例えば、グリシジルトリメチル(glycidytrimethyl)アンモニウム塩、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩またはメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、またはジメチルジアリルアンモニウム塩)を含む水溶性モノマーとグラフトしたヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)などのセルロース誘導体のコポリマーである。例えば、Akzo NobelからCelquat L200として市販される、ヒドロキシエチルセルロースdimethyldiallyammoniumクロリド[PQ4]、またはDow Personal CareからUCARE JR125として市販される4級化ヒドロキシエチルセルロース[PQ10]などである。
【0040】
カチオン性ヘアスタイリングポリマーは、キトサンおよびその誘導体から選択される。キトサンの誘導体はキトサン塩を含む。これらの塩は、好ましくは少なくとも80%の加水分解度を有するキトサンアセタート、キトサンラクテート、キトサングルタメートまたはキトサンピロリジンカルボキシレートであり得る。好適なキトサンには、CognisからのHydagen HCMFが挙げられる。
【0041】
ヘアスタイリングポリマーは、アニオン性ヘアスタイリングポリマーまたはアニオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。少なくとも1つの実施形態において、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、カルボン酸またはスルホン酸から誘導される基を含むものから選択される。酸単位を含有するコポリマーは、通常、部分的にまたは完全に中和された形態で、より好ましくは完全に中和された形態で使用される。少なくとも1つの実施形態において、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、(a)アクリル酸もしくはメタクリル酸もしくはクロトン酸などのカルボン酸もしくはそれらの塩、またはC4~C8モノ不飽和ポリカルボン酸もしくはその無水物(例えば、マレイン酸、フマル酸(furamic)、イタコン酸およびそれらの無水物)から誘導される少なくとも1種のモノマー、ならびに(b)アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキル化アクリルアミド(例えば、N-tert-ブチルアクリルアミド)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アリルエステルまたはメタリルエステル、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド(例えば、エチル/エタノールマレイミド)からなる群から選択される、1種以上のモノマーを含む。存在する場合、これらのポリマーの無水物官能基は、モノエステル化またはモノアミド化されていてもよい。少なくとも1つの実施形態において、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、スルホン酸から誘導されるモノマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、アニオン性ポリマーは、(a)ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アクリルアルキルスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸などのスルホン酸またはそれらの塩類から誘導される少なくとも1種のモノマー、ならびに(b)アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド、N-アルキル化アクリルアミド(例えば、N-tert-ブチルアクリルアミド)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アリルエステルまたはメタリルエステル、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド(例えば、エチル/エタノールマレイミド)からなる群から選択される、1種以上のモノマーを含む。存在する場合、これらのポリマーの無水物官能基は、モノエステル化またはモノアミド化されていてもよい。
【0042】
アニオン性ヘアスタイリングポリマーは水溶性ポリウレタンである。
【0043】
アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、有利にはアクリル酸から誘導されるコポリマー、例えばBASFからUltrahold 8として市販されるものなどの、アクリル酸/エチルアクリレート/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマー、Akzo NobelからAmphomerとして市販されるものなどのオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー、好ましくはAmphomer 4961として市販されるアクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、Akzo NobelからBalance CRとして市販されるものなどのメタクリル酸/エステルアクリレート/エステルメタクリレート、Akzo NobelからBalance 47として市販されるものなどのオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、Dow Chemicalから市販されるAcudyne 1000として知られるものなどのメタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル、Dow ChemicalからAcudyne 180として市販されるものなどのアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート、Dow ChemicalからAcudyne DHRとして市販されるものなどのメタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル、DSMからTilamar Fix A-1000として市販されるものなどのn-ブチルメタクリレート/メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、クロトン酸から誘導されるコポリマー、例えば、ビニルアセテート/ビニルtert-ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマー、およびAkzo NobelからResin 282930として市販されるものなどのクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノアートターポリマーから選択される。スルホン酸から誘導される好ましいヘアスタイリングポリマーとしては、AshlandからFlexan 130として市販されるポリスチレンスルホン酸ナトリウム、EastmanからEastman AQ 48として市販されるものなどのスルホポリエステル(別名ポリエステル-5)、EastmanからEastman AQ S38として市販されるものなどのスルホポリエステル(別名ポリエステル-5)、EastmanからEastman AQ 55として市販されるものなどのスルホポリエステル(別名ポリエステル-5)が挙げられる。少なくとも1つの実施形態において、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、好ましくは、アクリル酸から誘導されるコポリマー、例えばアクリル酸/エチルアクリレート/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマーなど(BASFからUltrahold 8として市販されるものなど)、Amphomerとして市販されるものなどのオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー、Akzo NobelからBalance CRとして市販されるものなどのメタクリル酸/エステルアクリレート/エステルメタクリレート、Akzo NobelからBalance 47として市販されるものなどのオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、Dow Chemicalから市販されるAcudyne 1000として知られるものなどのメタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル、Dow ChemicalからAcudyne 180として市販されるものなどのアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート、Dow ChemicalからAcudyne DHRとして市販されるものなどのメタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル、DSMからTilamar Fix A-1000として市販されるものなどのn-ブチルメタクリレート/メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、クロトン酸から誘導されるコポリマー、例えば、ビニルアセテート/ビニルtert-ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマー、およびAkzo NobelからResin 282930として市販されるものなどのクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノアートターポリマーから選択される。スチレンスルホン酸から誘導される好ましいヘアスタイリングポリマーとしては、AshlandからFlexan 130として市販されるポリスチレンスルホン酸ナトリウム、EastmanからEastman AQ 48として市販されるものなどのスルホポリエステル(別名ポリエステル-5)、EastmanからEastman AQ S38として市販されるものなどのスルホポリエステル(別名ポリエステル-5)、EastmanからEastman AQ 55として市販されるものなどのスルホポリエステル(別名ポリエステル-5)が挙げられる。
【0044】
ヘアスタイリングポリマーは、アニオン性ヘアスタイリングポリマーであり、アニオン性ヘアスタイリングポリマーは、アクリル酸から誘導されるコポリマー、例えば、アクリル酸/エチルアクリレート/N-tert-ブチルアクリルアミドターポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー、メタクリル酸/エステルアクリレート/エステルメタクリレート、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル、アクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート/種々のアクリレートエステル、n-ブチルメタクリレート/メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、クロトン酸から誘導されるコポリマー、例えば、ビニルアセテート/ビニルtert-ブチルベンゾエート/クロトン酸ターポリマーおよびクロトン酸/ビニルアセテート/ビニルネオドデカノアートターポリマーならびにこれらの混合物から選択される。
【0045】
ヘアスタイリングポリマーは、水中に分散したポリウレタンである。このようなポリウレタンには、アジピン酸、1-6ヘキサンジオール(hexandiol)、ネオペンチルグリコール、イソホロンジイソシアネート、イソホロンジアミン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノエタンスルホン酸ナトリウム塩(別名ポリウレタン-48)、例えばBayerからBaycusan C1008として市販されるものなど、およびイソホロンジイソシアネート、ジメチロールプロピオン酸、4,4-イソプロピリデンジフェノール/プロピレンオキシド/エチレンオキシド(別名ポリウレタン-14)、例えばAkzo NobelからDynamX H20という商品名で混合物として市販されるものなどが挙げられる。
【0046】
ヘアスタイリングポリマーは、非イオン性ヘアスタイリングポリマーまたは非イオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。好適な合成非イオン性ヘアスタイリングポリマーとしては、(a)以下の主モノマーの少なくとも1つ:ビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ポリエチレングリコールまたはアクリルアミドなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル、および(b)1種以上のその他のモノマー、例えば、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ビニルカプロラクタム、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、ビニルエーテル、アルキルマレイミド、ヒドロキシアルキルマレイミド(例えば、エチル/エタノールマレイミド)を含むホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0047】
非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、好ましくは、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマーおよびビニルピロリドンホモポリマーなどから選択される。
【0048】
非イオン性ヘアスタイリングポリマーは、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)およびデンプンなどのセルロース誘導体である、水溶性天然ポリマーである。
【0049】
ヘアスタイリングポリマーは、両性ヘアスタイリングポリマーまたは両性ヘアスタイリングポリマーの混合物である。好適な合成両性ヘアスタイリングポリマーには、酸および塩基などのモノマー、カルボキシベタイン両性イオン性モノマーまたはスルホベタイン両性イオン性モノマー、ならびにアルキルアミンオキシドアクリレートモノマーを含むものが挙げられる。少なくとも1つの実施形態において、両性は、(a)塩基性窒素原子、例えば四級化ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド(例えば、四級化ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、または四級化ジアルキルアミノアルキルアクリレート(例えば四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート)を含有する少なくとも1種のモノマー、ならびに(b)1種以上のカルボン酸基またはスルホン酸基、例えば、アクリル酸もしくはメタクリル酸もしくはクロトン酸またはそれらの塩、またはC4~C8モノ不飽和ポリカルボン酸、または無水物(例えば、マレイン酸、フマル酸(furamic)、イタコン酸およびそれらの無水物)を含む少なくとも1種の酸性モノマー、ならびに(c)窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド(例えばN-tert-ブチルアクリルアミド)、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アリルエステルまたはメタリルエステルから選択される1種以上のモノマー、を含む。一実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、少なくとも1種のカルボキシベタイン両性イオン性モノマーまたはスルホベタイン両性イオン性モノマー、例えば、カルボキシベタインメタクリレートおよびスルホベタインメタクリレートを含む。少なくとも1つの実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、(a)少なくとも1種のカルボキシベタイン両性イオン性モノマーまたはスルホベタイン両性イオン性モノマー、例えば、カルボキシベタインメタクリレートおよびスルホベタインメタクリレート、ならびに(b)窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド(例えばN-tert-ブチルアクリルアミド)、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アリルエステルまたはメタリルエステルからなる群からを選択されるモノマーを含む。少なくとも1つの実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、少なくとも1種のアルキルアミンオキシドアクリレートを含む。少なくとも1つの実施形態において、両性ヘアスタイリングポリマーは、(a)エチルアミンオキシドメタクリレート、ならびに(b)窒素上で低級アルキル基(C1~C4)による置換があってもなくてもよいアクリルアミド、メタクリルアミド(例えばN-tert-ブチルアクリルアミド)、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、アクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル(例えば、C1~C4のアルキルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびそれらのメタクリレート誘導体)、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたアクリレートエステル(例えば、ポリ(エチレングリコール)アクリレート)、ヒドロキシエステルアクリレート(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)、ヒドロキシアルキル化アクリルアミド、アミノアルキル化アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)、アルキルアクリルアミン(例えば、tert-ブチルアミノ-エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート)、アルキルエーテルアクリレート(例えば、2-エトキシエチルアクリレート)、エチレン、スチレンなどのモノエチレンモノマー、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、ビニルtert-ブチル-ベンゾエート、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール上にグラフトしたビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、フェニルビニル誘導体、アリルエステルまたはメタリルエステルからなる群からを選択されるモノマーを含む。このような両性ヘアスタイリングポリマーの一例は、ClariantからDiaformer Z 731Nとして市販されるアクリレート/エチルアミンオキシドメタクリレートである。
【0050】
ヘアスタイリングポリマーは、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸の単純なエステルのうちの1種の、2種以上のモノマーのアクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレートのアクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー、ポリウレタン-14/AMP-アクリレートコポリマーのブレンド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0051】
本発明のヘアスタイリング組成物は、組成物全体の重量に対して、1~15重量%、好ましくは少なくとも3重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、なおより好ましくは少なくとも7重量%、さらにより好ましくは少なくとも9重量%、しかし一般的に14重量%以下、好ましくは13重量%以下、またはより好ましくは11重量%以下のヘアスタイリングポリマーを含む。
【0052】
任意成分
本発明のヘアスタイリング組成物は、1種以上の任意成分を含んでもよい。
【0053】
ヘアスタイリング組成物はシリコーン化合物を含んでもよい。シリコーンは毛髪に、より滑らかな感触と輝きを与えるため有用である。好ましくは、シリコーン化合物は、ジメチコン化合物またはPEGジメチコン、例えばPEG-12ジメチコンである。
【0054】
ヘアスタイリング組成物は界面活性剤を含んでもよい。ヘアスタイリング組成物は、組成物全体の重量に対して、1重量%以下、または0.6重量%以下、または0.4重量%以下、または0.3重量%以下、の界面活性剤を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される。カチオン性界面活性剤は、セトリモニウムクロリド、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルベタイン、ベタインおよびこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。非イオン性界面活性剤は、ヒマシ油PEG-40 H、ラウレス-4、ラウレス-9、デシルグルコシド、ポリソルベート20、PEG-25水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル、シロキサンポリアルキレンオキシドコポリマー、ポリジメチルシロキサンメチルエトキシレートおよびこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。好適なアニオン性界面活性剤は、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DOSSまたは1,4-ジオクトキシ-1,4-ジオキソブタン-2-スルホン酸)である。
【0055】
ヘアスタイリング組成物は中和剤を含んでもよい。好適な中和剤には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリイソプロパノールアミン(TIPA)、2-アミノブタノール、2-アミノメチルプロパノール(AMP)、アミノエチルプロパンジオール、ジメチルステアラミン、ケイ酸ナトリウム、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、アンモニア(NH3)、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、アミノメチルプロパンジオール(AMPD)が挙げられる。少なくとも1つの実施形態において、中和剤は2-アミノブタノール、アンモニアまたは2-アミノメチルプロパノールである。
【0056】
ヘアスタイリング組成物は、1種以上の防腐剤を含んでもよい。防腐剤は、組成物全体の重量に対して、約1.5重量%未満、または0重量%~1重量%、または0.01重量%~1重量%の量で存在してもよい。好適な防腐剤としては、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、PHMB(ポリアミノプロピルビグアニド)、フェノキシエタノール+カプリルグリコール、1,2-オクタンジオールおよび1,2ヘキサンジオール、メチルベンジルアルコール、サリチル酸オクチル、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルイミダゾリジン-2,4-ジオン、EDTA、ブチレングリコールならびに各種パラベン、例えばメチルパラベン、プロピルパラベンが挙げられる。
【0057】
ヘアスタイリング組成物は、少なくとも1種の香料または芳香剤をさらに含んでもよい。ヘアスタイリング組成物は、組成物全体の重量に対して、最大で約0.5重量%、または約0重量%~約0.4重量%、または約0.03重量%~約0.3重量%の香料または芳香剤を含んでもよい。
【0058】
ヘアスタイリング組成物は腐食防止剤を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、腐食防止剤はEDTAである。
【0059】
ヘアスタイリング組成物は、ビタミン類およびアミノ酸、例えば、水溶性ビタミン、例えばビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチンおよびそれらの誘導体、水溶性アミノ酸、例えばアスパラギン酸、アラニン酸、インドール酸、グルタミン酸およびそれらの塩、脂溶性ビタミン類、例えばビタミンA、D、Eならびにそれらの塩および/または誘導体、チロシン、トリプタミンなどの水不溶性アミノ酸、粘度調整剤、染料、不揮発性溶剤または希釈剤(水溶性および水不溶性)、パール光沢補助剤、起泡力増進剤、追加の界面活性剤または非イオン性共活性剤、殺シラミ薬、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、ナイアシンアミド、カフェインおよびミノキシジルをさらに含んでもよい。ヘアスタイリング組成物は、ヘアスタイリング組成物全体の重量に対して、約0.01重量%~約5重量%のビタミンおよび/またはアミノ酸を含んでもよい。ヘアスタイリング組成物は、色素材料、例えば無機顔料、ニトロソ化合物、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キノリン、オキサジン、アジンまたはアントラキノンの化学物質、ならびにインジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニンなどの化合物、植物着色料、自然着色料および水溶性成分などをさらに含んでもよい。ヘアスタイリング組成物は、ヘアスタイリング組成物全体の重量に対して、約0.0001重量%~約5重量%の色素材料を含んでもよい。ヘアスタイリング組成物はまた、化粧品用殺生物剤として有用な抗菌剤を含有してもよい。ヘアスタイリング組成物は、組成物全体の重量に対して、約0.01重量%~約5重量%の抗菌剤を含んでもよい。
【0060】
噴射剤
本発明のヘアスタイリング製剤は噴射剤をさらに含み、噴射剤は容器から噴射剤以外の材料を放出するように作用し、ムース組成物中にムース特性を形成する。本発明で使用する噴射剤は、従来エアロゾル容器に使用される、任意の液化可能な気体であり得る。好適な噴射剤の例としては、ジメチルエーテル噴射剤、ならびにプロパン、n-ブタンおよびイソブタンのような炭化水素噴射剤が挙げられる。噴射剤は単独で使用しても、混合して使用してもよい。ムース組成物には、水不溶性の噴射剤、特に炭化水素噴射剤が好ましく、その理由は、攪拌すると必要に応じてエマルジョン液滴が形成され、好適なムースの泡密度が作られるためである。ジメチルエーテルはスプレー組成物に好ましい噴射剤である。
【0061】
使用される噴射剤の量は、エアロゾル技術分野で既知の、通常の要因によって管理される。ムースの場合、噴射剤の濃度は、組成物全体の重量に対して、一般的に最大35重量%であり、好ましくは2重量%~30重量%、最も好ましくは3重量%~15重量%である。ジメチルエーテルなどの噴射剤に蒸気圧低下剤(例えばトリクロロエタンまたはジクロロメタン)が含まれる場合、低下剤の量は、重量百分率計算時に噴射剤の一部として含まれる。エアロゾルスプレーの場合、噴射剤の濃度は通常より高く、組成物全体の重量に対して、好ましくは30重量%~98重量%、より好ましくは33重量%~95重量%である。
【0062】
第2の態様では、本発明は、本発明に従う組成物の、長時間持続保持のための、毛髪上での使用に関する。
【0063】
これより、以下の実施例を参照することにより、本発明についてさらに記載する。実施例において、特に指定しない限り、すべての百分率は総重量に基づく重量である。
【0064】
[実施例]
実施例1:ヘアスタイリング組成物
本発明のエアロゾルヘアスタイリング組成物は、以下の方法を使用して表1に示すように調製することができる。
【0065】
ガラスビーカーに蒸留水を添加した。この水に中和剤を添加し、オーバーヘッドスターラーを使用して2分間攪拌した。この混合物に、スタイリングポリマー1をゆっくり添加しながら200rpmで連続的に攪拌した。続いて、スタイリングポリマー2を添加し、完全に溶解するまで攪拌した。次いで、感圧接着剤をビーカーに加え、混合物が懸濁するまで攪拌した。続いて、シリコーン/コンディショニング剤、シリコーンおよび芳香剤を懸濁液に添加し、300rpm、室温で混合物を30分間攪拌した。次に、ヘッドスペース30%で、缶にベース組成物を充填し、バルブを缶に圧着し、噴射剤で充填した。
【表1】
【0066】
実施例2:耐湿性に対する感圧接着剤の効果
本実施例では、耐湿性に関して、本発明に従う組成物(実施例1)を、市場で販売される水ベースのヘアスプレーや、感圧接着剤を含まない組成物と比較した。
【表2】
【0067】
使用した材料:
-平坦な金属で留められた、ヨーロッパ人のダークブラウンの縮れた毛髪6g 8インチ
-ストレートヘアアイロン
-自動スプレー適用装置
-運動を伴うボリューム装置
耐湿性評価方法:
縮れ毛の毛束を洗浄し(14%のSLESベースの洗浄で2回)、一晩乾燥させた。
【0068】
次の日、毛髪をストレートヘアアイロンで、230℃で5回通過させて直毛にした。
【0069】
ヘアスプレーを自動スプレー装置によって適用した。ヘアスプレーを適用した毛束を静置して15分間乾燥させた。タイムラプス画像化プログラムを有するボリューム装置プログラムを設定した。乾燥させた毛束を、30℃、相対湿度80%に設定したボリューム装置へ配置した。最初の画像は、1時間の運動(640の目盛数)が開始される前に撮影した。この時間内に、ボリューム装置プログラムは、運動を3分毎に停止し、画像を取得し、その後継続した。データ分析により、タイムラプス実験中の、全体的な毛束のボリュームを測定した。
【表3】
【0070】
上記の表3は、本発明の組成物が、市場で販売される製品や、PSAを含まない組成物と比較したとき、60分後でも優れた耐湿性を提供することを示す。