(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】手術用ロボットアームと器具とのインターフェース接続
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20230710BHJP
B25J 15/04 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A61B34/30
B25J15/04 Z
(21)【出願番号】P 2020541573
(86)(22)【出願日】2019-01-29
(86)【国際出願番号】 GB2019050237
(87)【国際公開番号】W WO2019150089
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-04-09
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516210894
【氏名又は名称】シーエムアール・サージカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CMR SURGICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】グラント・ジェームズ・オリバー
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル・キース
(72)【発明者】
【氏名】マクブレイン・ドミニック・マーティン
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0079727(US,A1)
【文献】特表2018-500070(JP,A)
【文献】特開2009-213653(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0157941(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0242861(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30
B25J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用ロボットアームを手術器具に着脱自在にインターフェース接続するためのインタ
ーフェースアセンブリであって、
インターフェース構造体であって、
前記手術器具に面する第1面と前記手術用ロボットアームに面する第2面とを有する基部と、
前記基部の後端に取り付けられた後部であって、前記手術用ロボットアームに前記インターフェース構造体を締結させるように前記手術用ロボットアームの
遠位端におけるインターフェース部の近位露出面に係合する1つ以上の締結具を備える前記後部と、を備える前記インターフェース構造体と、
前記後部上に移動可能に取り付けられ且つロック位置とアンロック位置との間で移動可能なロック要素であって、前記ロック要素が前記ロック位置にあるときは前記1つ以上の締結具に係合することによって前記1つ以上の締結具を係合位置に向けて付勢し、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときは前記1つ以上の締結具に係合しないことによって前記1つ以上の締結具を前記係合位置に向けて付勢しないロック要素と、
を備えるインターフェースアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素は前記ロック位置と前記アンロック位置との間で摺動可能である、インターフェースアセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素は略円筒状の内面を有する、インターフェースアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記後部は略円筒状の内面を有するカラーを備え、前記ロック要素は前記カラーに沿って移動可能である、インターフェースアセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載のインターフェースアセンブリにおいて、円筒状の前記カラーは、前記インターフェースアセンブリが前記手術用ロボットアームと係合されたときに前記手術用ロボットアームの肩部の周囲に締まり嵌めされるように構成されている、インターフェースアセンブリ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記締結具のうち1つ以上の締結具の外面は1つ以上の傾斜突起を備え、前記傾斜突起の深さは、前記ロック要素が前記アンロック位置から前記ロック位置まで移動する方向に沿って増加する、インターフェースアセンブリ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素は1つ以上の突出部を備え、各突出部は、前記ロック要素が前記ロック位置にあるときに前記後部内の対応する移動止めに係合するよう構成される、インターフェースアセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記1つ以上の突出部及び前記対応する移動止めは、前記1つ以上の突出部が前記対応する移動止めに係合したときにフィードバックを生じさせるように構成されている、インターフェースアセンブリ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素の前面は1つ以上のタブを備え、前記タブは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合されたときに前記手術器具の開口内に受け入れられることで、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合されたときの前記ロック要素の前記ロック位置からの移動を制限するように構成されている、インターフェースアセンブリ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素の内面は1つ以上の保持突起部を備え、前記保持突起部は、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときに前記後部の後面に係合することで、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときに前記ロック要素を前記インターフェース構造体に保持する、インターフェースアセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素の内面は1つ以上のリブを備え、前記リブは前記後部の外面内の対応する溝に係合することで、前記ロック要素が前記インターフェース構造体に対して回転することを防止する、インターフェースアセンブリ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェース構造体はさらに外囲部を備え、前記外囲部は前記基部の対向する端同士を接続することで、前記手術用ロボットアーム上に係合するときに前記インターフェース構造体を前記手術用ロボットアームに保持する、インターフェースアセンブリ。
【請求項13】
請求項1から
12のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は楕円形のピンを備え、前記楕円形のピンは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記手術器具の円形の凹部内に受け入れられる、インターフェースアセンブリ。
【請求項14】
請求項1から
12のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は丸いピンを備え、前記丸いピンは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記手術器具のスロット状の凹部内に受け入れられる、インターフェースアセンブリ。
【請求項15】
請求項1から
14のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェース構造体は1つ以上のタブを備え、前記タブに、前記器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記インターフェースアセンブリの長手方向軸心に平行な方向に前記器具の特定形状部が押し付けられることにより前記器具を前記インターフェースアセンブリに対して軸心方向に整列させる、インターフェースアセンブリ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェース構造体の内面はピンを備え、前記ピンは、前記インターフェースアセンブリが前記手術
用ロボットアームと係合するときに前記手術用ロボットアームの外面の対応するスロット状の凹部と係合することで、前記インターフェース構造体の長手方向軸心に垂直な方向へ前記インターフェース構造体の移動を
制限する、インターフェースアセンブリ。
【請求項17】
請求項1から
16のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は前記第1面と前記第2面とを有する周縁を備え、前記周縁は中空内部を取り囲
み、かつ前記器具の一部分を受け入れるように構成された開口を有し、前記開口は谷形壁を有する谷形状である、インターフェースアセンブリ。
【請求項18】
請求項
17に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記谷形壁のうち1つ以上の谷形壁の外面は1つ以上のリブを備え、前記リブは、前記器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記器具の前記一部分と係合する、インターフェースアセンブリ。
【請求項19】
請求項1から
18のいずれか一項に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は1つ以上の器具係合マーキングを備え、前記器具係合マーキングは、手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられていないときは視認可能であり、手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられているときは視認不能である、インターフェースアセンブリ。
【請求項20】
ロボットによる手術で用いられる手術用ロボットアームであって、
基台と、
前記基台を前記手術用ロボットアームの遠位端におけるインターフェース部に接続する一連の関節部であって、前記インターフェース部を前記基台に対して関節接続できる前記一連の関節部と、
請求項1から19のいずれか一項に記載の前記インターフェースアセンブリ
と、
前記インターフェースアセンブリを保持することによって手術器具とインターフェース接続するように構成された前記インターフェース部と、を備える手術用ロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
手術を支援及び実施するためのロボットを用いることが知られている。
【背景技術】
【0002】
図1は、基台108とアーム102と器具105とから構成される典型的な手術ロボット100を示す。基台はこのロボットを支持し、自身は例えば手術室の床、手術室の天井、又は台車に強固に取り付けられる。アームは基台と器具との間で延在する。アームはその長さに沿って多数の可撓性のジョイント103によって関節接続される。ジョイント103は患者に対して所望の位置に手術器具を配置するために用いられる。手術器具はロボットアームの遠位端104に取り付けられる。手術器具は、手術部位に接近するように孔107において患者101の体を貫通する。器具はその遠位端において、医学的手技に従事するためのエンドエフェクタ106を備えている。
【0003】
図2は、ロボットによる腹腔鏡下手術を行うための典型的な手術器具200を示す。手術器具は基台201を備える。基台201により、手術器具がロボットアームと接続される。軸202が基台201と関節部203との間で延在する。関節部203はエンドエフェクタ204内で終端する。
図2において、一対の鋸歯状のジョーがエンドエフェクタ204として示されている。関節部203はエンドエフェクタ204が軸202に対して動くことを可能にする。関節部によってエンドエフェクタ204の動作に少なくとも2自由度が付与されるのが望ましい。
【0004】
外科医は典型的な胸腔鏡下手術の途中で多くの器具を使用する。この理由から、それら器具をロボットアームの端部に対して容易に且つ素早く着脱可能とすることが望ましい。そうすることで、器具を手術の途中で交換できる。従って、ロボットアームから1つの器具を取り外して異なる器具を取り付けるのにかかる時間を最小化し且つこの取り外し及び取り付けの容易さを最大化することが望ましい。
【0005】
手術室は無菌環境である。手術ロボットシステムは、患者にさらすことができる程度に無菌でなければならない。手術器具は、手術での使用前に滅菌されるが、ロボットアームは使用前に滅菌されない。その代わりに、無菌ドレープが、手術前に手術ロボット全体に亘って掛けられる。こうすることで、患者が非無菌の手術用ロボットアームにさらされることはなくなる。手術の途中で器具を交換する際に、この無菌バリアが維持されることが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の局面によるインターフェースアセンブリは、手術用ロボットアームを手術器具に着脱自在にインターフェース接続するインターフェースアセンブリであって、インターフェース構造体であって、前記手術器具に面する第1面と前記手術用ロボットアームに面する第2面とを有する基部と、前記基部の後端に取り付けられた後部であって、前記手術用ロボットアームに前記インターフェース構造体を締結させるように前記手術用ロボットアームの近位露出面に係合する1つ以上の締結具を備える前記後部と、を備える前記インターフェース構造体と、前記後部上に移動可能に取り付けられ且つロック位置とアンロック位置との間で移動可能なロック要素であって、前記ロック要素が前記ロック位置にあるときは前記1つ以上の締結具を係合位置に向けて付勢し、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときは前記1つ以上の締結具を前記係合位置に向けて付勢しないロック要素と、を備えるインターフェースアセンブリである。
【0007】
前記ロック要素は前記ロック位置と前記アンロック位置との間で摺動可能であってもよい。
【0008】
前記ロック要素は略円筒状の内面を有してもよい。
【0009】
前記後部は略円筒状の内面を有するカラーを備えてもよく、前記ロック要素は前記カラーに沿って移動可能であってもよい。
【0010】
円筒状の前記カラーは、前記インターフェースアセンブリが前記手術用ロボットアームと係合されたときに前記手術用ロボットアームの肩部の周囲に締まり嵌めされるように構成されてもよい。
【0011】
前記締結具のうち1つ以上の締結具の外面は1つ以上の傾斜突起を備えてもよく、前記傾斜突起の深さは、前記ロック要素が前記アンロック位置から前記ロック位置まで移動する方向に沿って増加する。
【0012】
前記ロック要素は1つ以上の突出部を備えてもよく、各突出部は、前記ロック要素が前記ロック位置にあるときに前記後部内の対応する移動止めに係合するよう構成される。
【0013】
前記1つ以上の突出部及び前記対応する移動止めは、前記1つ以上の突出部が前記対応する移動止めに係合したときにフィードバックを生じさせるように構成されてもよい。
【0014】
前記ロック要素の前面は1つ以上のタブを備えてもよく、前記タブは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合されたときに前記手術器具の開口内に受け入れられることで、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合されたときの前記ロック要素の前記ロック位置からの移動を制限するように構成されている。
【0015】
前記ロック要素の内面は1つ以上の保持突起部を備えてもよく、前記保持突起部は、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときに前記後部の後面に係合することで、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときに前記ロック要素を前記インターフェース構造体に保持する。
【0016】
前記ロック要素の内面は1つ以上のリブを備えてもよく、前記リブは前記後部の外面内の対応する溝に係合することで、前記ロック要素が前記インターフェース構造体に対して回転することを防止する。
【0017】
前記インターフェース構造体はさらに外囲部を備えてもよく、前記外囲部は前記基部の対向する端同士を接続することで、前記手術用ロボットアーム上に係合するときに前記インターフェース構造体を前記手術用ロボットアームに保持する。
【0018】
前記外囲部は、前記インターフェース構造体が前記手術用ロボットアーム上に係合するときに前記手術用ロボットアームの外面に外接するような形状を有する。
【0019】
前記基部及び前記外囲部は一体的に形成されてもよい。
【0020】
前記ロック要素はドレープ内で終端してもよい。
【0021】
前記ドレープ及び前記ロック要素は一体的に形成されてもよい。
【0022】
前記基部は楕円形のピンを備えてもよく、前記楕円形のピンは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記手術器具の円形の凹部内に受け入れられる。
【0023】
前記楕円形のピンは前記インターフェース構造体の長手方向軸心を横断する方向に最も長くてもよい。
【0024】
前記基部は丸いピンを備えてもよく、前記丸いピンは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記手術器具のスロット状の凹部内に受け入れられる。
【0025】
前記インターフェース構造体は1つ以上のタブを備えてもよく、前記タブに、前記器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記インターフェースアセンブリの長手方向軸心に平行な方向に前記器具の特定形状部が押し付けられることにより前記器具を前記インターフェースアセンブリに対して軸心方向に整列させる。
【0026】
前記インターフェース構造体の内面はピンを備えてもよく、前記ピンは、前記インターフェースアセンブリが前記手術ロボットと係合するときに前記手術用ロボットアームの外面の対応するスロット状の凹部と係合することで、前記インターフェース構造体の長手方向軸心に垂直な方向への前記インターフェース構造体の移動を維持する。
【0027】
前記基部は前記第1面と前記第2面とを有する周縁を備えてもよく、前記周縁は中空内部を取り囲む。
【0028】
前記周縁は前記器具の一部分を受け入れるように構成された開口を有してもよく、前記開口は谷形壁を有する谷形状である。
【0029】
前記谷形壁のうち1つ以上の谷形壁の外面は1つ以上のリブを備えてもよく、前記リブは、前記器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記器具の前記一部分と係合する。
【0030】
前記後部は前記基部の前記周縁の後端に取り付けられた後翼部を備えてもよく、前記後翼部は前記手術用ロボットアームの近位露出面を覆うように構成されている。
【0031】
前記後翼部は前記手術用ロボットアームの遠位端から離れるように前記基部に対して傾斜してもよい。
【0032】
前記インターフェース構造体はさらに前記基部の前記周縁の前端に取り付けられた前翼部を備えてもよく、前記前翼部は前記手術用ロボットアームの遠位露出面を覆うように構成されている。
【0033】
前記基部は1つ以上の器具係合マーキングを備えてもよく、前記器具係合マーキングは、手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられていないときは視認可能であり、手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられているときは視認不能である。
【0034】
前記1つ以上の器具係合マーキングは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられているときに前記手術器具の可動部によって隠れるように構成されてもよい。
【0035】
前記インターフェースアセンブリが前記手術用ロボットアームに取り付けられているとき、前記基部は前記手術用ロボットアームの軸心方向に平行であってもよい。
【0036】
前記ロック要素は前記ロック位置と前記アンロック位置との間で回転可能であってもよい。
【0037】
本発明の第1の局面による手術用ロボットアームは、ロボットによる手術で用いられる手術用ロボットアームであって、基台と、前記基台を前記手術用ロボットアームの遠位端におけるインターフェース部に接続する一連の関節部であって、前記インターフェース部を前記基台に対して関節接続できる前記一連の関節部と、前記第1の局面の前記インターフェースアセンブリを保持することによって手術器具とインターフェース接続するように構成された前記インターフェース部と、を備える手術用ロボットアームである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
これより、添付の図面を参照しながら例を用いて本発明を説明する。図面については以下の通りである。
【
図1】外科手技を行っている手術ロボットの図である。
【
図5】
図4の器具インターフェース部の下面図である。
【
図6】インターフェース構造体が取り付けられたロボットアームの駆動アセンブリインターフェース部の図である。
【
図7】ロボットアームに係合するよう位置決めされる途中の器具の図である。
【
図8】ロック要素がアンロック位置にあるときの、ロック要素を有するインターフェースアセンブリの図である。
【
図9】ロック要素がロック位置にあるときの、
図8のインターフェースアセンブリの図である。
【
図10】
図8のインターフェースアセンブリを単独で示す背面図である。
【
図12A】
図8のインターフェースアセンブリの断面の斜視図である。
【
図13】
図9のインターフェース構造体を介してロボットアームに取り付けられた器具の図である。
【
図14A】ロック要素がアンロック位置にあるときの、ロボットアームに取り付けられた
図8のインターフェースアセンブリの断面の斜視図である。
【
図14B】ロック要素がロック位置にあるときの、ロボットアームに取り付けられた
図8のインターフェースアセンブリの断面の斜視図である。
【
図15】
図8のインターフェース構造体を単独で示す図である。
【
図16】
図8のインターフェースアセンブリに取り付けられた器具インターフェース部の断面の斜視図である。
【
図18A】ロボットアームに取り付けられた
図8の器具インターフェース部の断面の斜視図である。
【
図19】ロボットアームに取り付けられた
図8の器具アセンブリの断面の上面図である。
【
図20】ロボットアームに取り付けられた
図8の器具アセンブリの断面の側面図である。
【
図21A】器具取付マーキングが視認可能なように
図8のインターフェース構造体に部分的に取り付けられた器具の図。
【
図21B】器具取付マーキングが視認不能になるように
図8のインターフェース構造体に完全に取り付けられた器具の図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図3は基台301から延在するアーム300を有する手術ロボットを示す。アームは多数の剛性のリム302を備える。リムは回動ジョイント303によって連結される。最近位リム302aはジョイント303aによって基台に連結される。最近位リム302a及びその他のリムは、ジョイント303のうち、より遠い方のジョイントによって連続して連結される。好適には、手首部304が4つの個々の回動ジョイントからなる。手首部304は一のリム(302b)をアームの最遠位リム(302c)に連結する。最遠位リム302cは手術器具306用の取付物305を持ち運ぶ。アームの各ジョイント303は、操作されることで当該ジョイントにおいて回転運動させることが可能な1つ以上のモータ307と、当該ジョイントにおける現在の配置及び/又は負荷に関する情報を提供する1つ以上の位置及び/又はトルクセンサ308と、を有する。好適には、これらモータは、自身が動作駆動するジョイントよりも近位に配置されることで重量配分が向上する。明確さのため、これらモータ及びセンサのうちいくつかのみを
図3に示す。アームについては、概して本願の出願人による同時係属中の特許出願PCT/GB2014/053523に記載の通りであってもよい。
【0040】
アームは器具306とのインターフェース接続用の取付物305内で終端する。好適には、器具306は
図2に関して記載された形状を有する。器具は8mm未満の直径を有する。好適には、器具は5mmの直径を有する。器具は5mm未満の直径を有してもよい。器具の直径は軸の直径であってもよい。器具の直径は関節部の輪郭の直径であってもよい。好適には、関節部の輪郭の直径は軸の直径と一致するかそれよりも小さい。取付物305は器具の関節部を駆動させるための駆動アセンブリを備える。ロボットアームから器具へ駆動を伝達するために、駆動アセンブリインターフェース部の可動インターフェース部要素が器具インターフェース部の対応する可動インターフェース部要素に機械的に係合する。典型的な手術の間は、一の器具は他の器具と数回交換される。従って、器具は手術中にロボットアームに対して着脱可能である。駆動アセンブリインターフェース部の特定形状部と器具インターフェース部の特定形状部とは、互いに係合するときに駆動アセンブリインターフェース部と器具インターフェース部との整列を補助する。これにより、ユーザによるそれらの整列に求められる精度は低減する。
【0041】
器具306は手術を行うためのエンドエフェクタを備える。エンドエフェクタは任意の適切な形状を有してもよい。例えば、エンドエフェクタは、平坦なジョー、鋸歯状のジョー、グリッパー、鋏、縫合用の針、カメラ、レーザ、メス、ステープラー、焼灼器、吸引器であってよい。
図2に関して記載したように、器具は器具軸とエンドエフェクタとの間に関節部を備える。関節部は、エンドエフェクタを器具の軸に対して移動可能にする数個のジョイントを備える。関節部におけるジョイントはケーブルなどの駆動要素により作動する。これら駆動要素は、器具軸の他方の端部において器具インターフェース部のインターフェース部要素に固定される。従って、ロボットアームは以下のように駆動をエンドエフェクタに伝達する:駆動アセンブリインターフェース部要素が動くと器具インターフェース部要素が動き、器具インターフェース部要素が駆動要素を動かし、駆動要素が関節部のジョイントを動かし、関節部のジョイントがエンドエフェクタを動かす。
【0042】
モータ用の制御器、トルクセンサ、及びエンコーダがロボットアームに対して分散配置されている。制御器は通信母線を介して制御部309に接続される。制御部309はプロセッサ310とメモリ311とを備える。メモリ311は非一時的にソフトウェアを記憶する。ソフトウェアはプロセッサにより実行でき、これによりモータ307の動作を制御してアーム300を本明細書で記載されたように動作させる。特に、ソフトウェアにより、プロセッサ310を制御でき、これによりモータを(例えば分散配置された制御器を介して)センサ308と外科医コマンドインターフェース312とからの入力に応じて駆動させる。ソフトウェアの実行により生成された出力に応じてモータ307を駆動するため、制御部309はこれらのモータに接続される。センサ308からの感知された入力を受信するために制御部309はこれらのセンサに接続され、コマンドインターフェース312からの入力を受信するために制御部309はコマンドインターフェースに接続される。それぞれの接続は、例えば、電気ケーブル又は光ケーブルによるものでもよいし、無線接続によるものでもよい。コマンドインターフェース312は1つ以上の入力装置を備えるので、ユーザがエンドエフェクタの動作を所望の手法で要求できる。これら入力装置は、例えば、制御ハンドル又はジョイスティックなど手動操作可能な機械的入力装置又は光学的ジェスチャーセンサなどの非接触型入力装置であり得る。メモリ311に記憶されたソフトウェアは、これらの入力に応答し、それに応じてアーム及び器具のジョイントを所定の制御方式に従って動かすように構成されている。制御方式はコマンド入力に呼応してアーム及び器具の動作をやわらげる安全特徴を含んでもよい。従って、まとめると、コマンドインターフェース312における外科医は器具306を制御して所望の外科手技を行うように動かすことができる。制御部309及び/又はコマンドインターフェース312はアーム300から遠く離れていてもよい。
【0043】
図4~6は、ロボットアームから器具への駆動伝達のための、駆動アセンブリインターフェース部と器具インターフェース部との例示的な機械的相互接続を示す。器具の軸402は器具インターフェース部400内で終端する。器具インターフェース部400は複数の器具インターフェース部要素403、404、405を備える。駆動要素対(A1、A2)、(B1、B2)、(C1、C2)は軸402の端部から器具インターフェース部400内に延在する。駆動要素対のそれぞれは、器具インターフェース部要素のうちの1つの中で終端する。
図4に示す例では、駆動要素対A1、A2は器具インターフェース部要素405内で終端し、駆動要素対B1、B2は器具インターフェース部要素403内で終端し、駆動要素対C1、C2は器具インターフェース部要素404内で終端する。
【0044】
図4及び
図5は、3つの器具インターフェース部要素及び3つの駆動要素対を示す。他の例では、器具インターフェース部要素は3つより多くても少なくてもよい。駆動要素対も3つより多くても少なくてもよい。
図4及び
図5においては、器具インターフェース部要素と駆動要素対との間に1対1の関係が存在する。他の例では、器具インターフェース部要素と駆動要素対との間に他の任意の連結関係が存在してもよい。例えば、1つの器具インターフェース部要素が2対以上の駆動要素を駆動してもよい。他の例では、2つ以上の器具インターフェース部要素が1対の駆動要素を駆動してもよい。
【0045】
器具インターフェース部要素は器具インターフェース部内で変位可能である。示された例では、器具インターフェース部要素はレールに沿って摺動可能である。器具インターフェース部要素403はレール406に沿って摺動可能であり、器具インターフェース部要素404はレール407に沿って摺動可能であり、器具インターフェース部要素404はレール408に沿って摺動可能である。各器具インターフェース部要素は、当該器具インターフェース部要素に固定されている駆動要素対の伸長方向に平行な方向に沿って変位可能である。各器具インターフェース部要素は器具軸402の長手方向軸心409に平行な方向に変位可能である。器具インターフェース部要素が自身のレールに沿って移動すると、当該器具インターフェース部要素に固定されている駆動要素対に対して対応する移動を生じさせる。従って、器具インターフェース部要素を移動させると、駆動要素対ひいては器具のジョイントが動作駆動される。
【0046】
図4及び
図5の例では、各器具インターフェース部要素はフィン502、504、506を備える(
図5)。フィンは、当該器具インターフェース部要素のうち駆動アセンブリインターフェース部要素と係合する部分である。
【0047】
他の例では、各駆動アセンブリインターフェース部要素はフィンを備え、各器具インターフェース部要素は対応する駆動アセンブリインターフェース部要素のフィンを受け入れるための窪みを備える。
【0048】
図6はロボットアーム601の端部における例示的な駆動アセンブリインターフェース部600を示す。駆動アセンブリインターフェース部600は器具インターフェース部400とかみ合う。駆動アセンブリインターフェース部600は
図4及び
図5の器具インターフェース部の器具インターフェース部要素を受け入れるための構造を有する。具体的には、駆動アセンブリインターフェース部要素602、604、606は器具インターフェース部要素403、404、405を受け入れる。示された例では、各駆動アセンブリインターフェース部要素は対応する器具インターフェース部要素のフィン502、504、506を受け入れるための窪みを有する。駆動アセンブリインターフェース部要素602の窪み608は器具インターフェース部要素403のフィン502を受け入れる。駆動アセンブリインターフェース部要素604の窪み610は器具インターフェース部要素404のフィン504を受け入れる。駆動アセンブリインターフェース部要素606の窪み612は器具インターフェース部要素405のフィン506を受け入れる。
【0049】
図6は3つの駆動アセンブリインターフェース部要素を示す。他の例では、駆動アセンブリインターフェース部要素は3つより多くても少なくてもよい。
図4~6では、器具インターフェース部要素と駆動アセンブリインターフェース部要素との間に1対1の関係が存在する。他の例では、器具インターフェース部要素と駆動アセンブリインターフェース部要素との間に他の任意の連結関係が存在してもよい。例えば、1つの駆動アセンブリインターフェース部要素が2つ以上の器具インターフェース部要素を駆動してもよい。他の例では、2つ以上の駆動アセンブリインターフェース部要素が1つの器具インターフェース部要素を駆動してもよい。
【0050】
各駆動アセンブリインターフェース部要素は駆動アセンブリ内で変位可能である。この変位は駆動によるものである。例えば、この変位はモータ及び親ねじ配置での駆動によるものであってもよい。示された例では、駆動アセンブリインターフェース部要素はレールに沿って摺動可能である。各駆動アセンブリインターフェース部要素はロボットアームの末端リンクの長手方向軸心614に平行な方向に沿って変位可能である。駆動アセンブリインターフェース部要素が自身のレールに沿って移動すると、当該駆動アセンブリインターフェース部要素に固定されている器具インターフェース部要素に対して対応する移動を生じさせる。従って、駆動アセンブリインターフェース部要素を動作駆動させると器具インターフェース部要素が動作駆動され、器具インターフェース部要素が器具のエンドエフェクタの関節部を駆動する。
【0051】
図7はロボットアームとの係合途中の器具を示す。器具インターフェース部要素403と駆動アセンブリインターフェース部要素602とが係合し器具インターフェース部要素404と駆動アセンブリインターフェース部要素604とが係合し器具インターフェース部要素405と駆動アセンブリインターフェース部要素606とが係合すると、器具インターフェース部要素と駆動アセンブリインターフェース部要素とが全て同一方向に変位可能となる。この方向はロボットアームの末端リンクの長手方向軸心614と器具軸の長手方向軸心409との両方に平行である。
【0052】
手術中、非無菌の手術ロボットと無菌手術環境との間に無菌バリアを形成するため、手術ロボットは無菌ドレープに覆われる。手術器具は、手術ロボットに取り付けられる前に滅菌される。無菌ドレープは典型的にはプラスチックシートからなる。プラスチックシートは、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から作成される。好適には、ドレープは可撓性があり及び/又は変形可能である。
【0053】
無菌ドレープは駆動アセンブリインターフェース部600と器具インターフェース部400との間を直接的に通らない。駆動アセンブリインターフェース部600及び器具インターフェース部400間をインターフェース接続するために、インターフェースアセンブリ700がドレープに取り付けられる。
【0054】
図8及び
図9は、ロボットアーム601に取り付けられた例示的なインターフェースアセンブリ700を示す。インターフェースアセンブリ700は、駆動アセンブリインターフェース部600及び器具インターフェース部400間をインターフェース接続するためのインターフェース構造体802と、インターフェース構造体802をロボットアーム上にロックするための可動ロック要素804と、を備える。好適には、ドレープはロック要素804に取り付けられる。しかし、他の例では、ドレープはインターフェース構造体802に取り付けられてもよい。インターフェース構造体802又はロック要素804はドレープと一体的に形成されてもよい。あるいは、インターフェース構造体802又はロック要素804はドレープとは別々に形成されてその後にドレープに取り付けられてもよい。いずれにしても、インターフェースアセンブリ700は無菌である。インターフェース構造体802の一方側は駆動アセンブリインターフェース部と直接的に接触している。インターフェース構造体802の他方側は器具インターフェース部と直接的に接触している。従って、インターフェース構造体802は、非無菌の駆動アセンブリインターフェース部が無菌の器具インターフェース部に直接的に接することを防止することでこの2つの構成要素間の無菌バリアを維持する。
【0055】
好適には、インターフェース構造体802は単一の成形部品である。
図8及び
図9の例示的なインターフェース構造体802は、基部806と後部808とを備える。インターフェース構造体はさらに外囲部810及び/又は前翼部812を備えてもよい。好適には、インターフェース構造体802が手術用ロボットアームに取り付けられた際、基部806はロボットアームの末端リンク軸心方向に平行に位置する。基部806は、手術器具がロボットアームに取り付けられるときに当該器具に面する第1面814を備える。具体的には、第1面814は器具インターフェース部400に面する。基部806は、第1面814に対向する第2面(
図8及び
図9では視認不能)を備える。第2面は、器具がロボットアームに取り付けられるときにロボットアームに面する。具体的には、第2面は駆動アセンブリインターフェース部600に面する。第1面814は平坦であってもよい。第2面は平坦であってもよい。
【0056】
インターフェース構造体802の基部806は、中空内部818を取り囲む周縁816を備える。インターフェース構造体802がロボットアームに取り付けられるとき、周縁816は、手術用ロボットアームの外面によって手術用ロボットアームの縦方向に形成された境界に取り囲まれる。周縁816は、器具インターフェース部400の筐体の一部分を受け入れる開口820を有する。手術器具の軸の端部はこの一部分内で終端する。開口820は、谷形壁822a及び822bを有する谷形状である。器具インターフェース部400は接触面508a及び508bを有する。接触面508a及び508bは、器具インターフェース部がインターフェース構造体に係合するときに接触面508a、508bが谷形壁822a、822bに係合するように、谷形壁822a、822bを補完する形状を有している。好適には、接触面508a、508bは谷形壁822a、822bに対して軽く締まり嵌めされる。この接触面と谷形壁との係合は、基部806に対して平行であり且つインターフェース構造体802の長手方向軸心824に対する横方向である器具の動作を防止するよう作用する。この接触面と谷形壁との係合は、インターフェース構造体802の長手方向軸心824回りの器具の回転運動を防止するよう作用する。器具インターフェース部400は好適には接触面510を有する。接触面510は、器具インターフェース部がインターフェース構造体に係合するときに開口820の接触面826に当接する。接触面826は長手方向軸心824に対する横方向である。接触面826は基部の前端828に対して平行である。前端828は、基部の2つの長い方の外端830及び832を結合する。
【0057】
基部806はピン834を備えてもよい。ピン834はインターフェース構造体802の長手方向軸心824上に配置されてもよい。器具インターフェース部400は凹部512を備えてもよい。凹部512内には、インターフェース構造体802のピン834が係合する。凹部512は器具インターフェース部400の長手方向軸心408上に配置されてもよい。ピン834は凹部512内に滑りばめされる。
【0058】
このようにピン834が凹部512内に係合し且つ接触面510が接触面826上で支持されることにより、器具がインターフェース構造体に対して軸心方向に整列する。これら係合及び支持は、インターフェース構造体に対する軸心方向への器具の移動を制限するようにも作用する。
【0059】
中空内部818は、駆動アセンブリインターフェース部要素と係合する器具インターフェース部要素を受け入れる。好適には、可撓材が中空内部818を覆う。場合によっては、可撓材は中空内部818の周縁819に接着されてもよい。他の場合としては、可撓材は中空内部818を覆うように器具の構造体に着脱自在に取り付けられてもよい。どちらの場合でも、可撓材は器具インターフェース部要素と駆動アセンブリインターフェース部要素との間に無菌バリアを形成する。可撓材は、穴が開いたり破れたりすることに対する耐性が良好で且つ弾力性があり低弾性率の材料であってもよい。場合によっては、可撓材はスチレンブロック共重合体であってもよい。スチレンブロック共重合体としては、Kraton(R)という名で販売されるものなどがある。
【0060】
あるいは、基部806は駆動アセンブリインターフェース部要素用の可動カバー(不図示)を支持してもよい。この支持により、器具インターフェース部要素は駆動アセンブリインターフェース部要素と直接的には接触せず、その代わりに可動カバーを介して駆動アセンブリインターフェース部要素と係合する。例えば、基部806は、各器具インターフェース部要素に対して1つの可動カバーを支持してもよい。この可動カバーは当該器具インターフェース部要素を受け入れ且つ対応する駆動アセンブリインターフェース部要素に受け入れられるように構成されている。各可動カバーは対応する駆動アセンブリインターフェース部要素内に滑りばめされ、各可動カバーはそれぞれのインターフェース部要素を嵌合させる。これにより、駆動アセンブリインターフェース部からインターフェース構造体を介して器具インターフェース部に効果的に駆動伝達される。周縁816は中空内部818を取り囲み、中空内部818は全ての可動カバーを収容してもよい。あるいは、周縁816は3つの中空内部を取り囲み、これら中空内部のそれぞれが可動カバーのうち1つを収容してもよい。
【0061】
後部808は基部の周縁816の後端836に取り付けられる。後端836と前端828との両方が基部の2つの長い方の外端830及び832を結合する。インターフェース構造体802がロボットアームに取り付けられるとき、前端828は後端836よりもロボットアームの自由遠位端寄りに位置する。後部808は、後部808をロボットアームの近位露出面に締結するための1つ以上の第1締結具838a、838bを備える。
図8及び
図9に示した例では、2つの第1締結具838a、838bがあり、そのそれぞれは開口部837a、837bを有するクリップの形状をしており、クリップはロボットアームのスリップカラーのつまみ839a、839b上に留められるように構成されている。任意の適切な締結具を第1締結具として用いてもよい。後部808は基部806と一体に成形されてもよい。
【0062】
図8及び
図9の例では、後部808は後翼部840とカラー842(
図15を参照)とを備える。後翼部840は基部806の周縁816の後端836に取り付けられる。後翼部840はロボットアームの近位露出面を覆う。後翼部840は好適にはロボットアームの近位露出面の形状に合致する形状を有する。好適には、後翼部840は基部806に垂直な方向Bに対してロボットアームの遠位端から離れるように角度αだけ傾斜する(
図15を参照)。例えば、20°<α<50°、又は30°<α<40°、又は35°<α<37°。インターフェース構造体802をドレープに取り付ける際、この傾斜により、ロボットアームの角部々にドレープを通す処理が行いやすくなる。
【0063】
カラー842は後翼部840に取り付けられる。好適には、カラー842は後翼部840と一体に成形される。
図8及び
図9の例では、カラーは略円筒状の内面を有する。カラー842は略円錐台状の外面を有してもよい。カラー842は無菌ドレープ(不図示)内で終端してもよい。あるいは、ロック要素804(以下により詳細に記載)は無菌ドレープ(不図示)内で終端してもよい。どちらの場合でも、無菌ドレープは手術用ロボットアームを覆う。実際には、インターフェースアセンブリ700は、ロボットアームの端部においてロボットアーム上に軸心方向に、つまり、駆動アセンブリインターフェース部の長手方向軸心に沿って設置される。その後、ドレープはロボットアームの下方に向かってほどかれる。
【0064】
インターフェース構造体802はさらに外囲部810を備えてもよい。外囲部810は、基部806の外端のうち長い方830、832を接続する。これら長い方の外端は基部806の長さに沿って延びる。
図8及び
図9に示すように、外囲部810は駆動アセンブリに外接してもよい。外囲部810の形状は駆動アセンブリにおける、ロボットアームの外面の形状に合致してもよい。好適には、外囲部810は駆動アセンブリにおける、ロボットアームの外面に接触している。この接触は滑りばめによるものでもよい。この接触は鞘によるような接触でもよい。このようにして、外囲部810は駆動アセンブリにおける、ロボットアームの外面を圧迫する。これにより、外囲部810はインターフェース構造体802をロボットアームに保持するよう作用する。具体的には、外囲部810は、インターフェース構造体802の長手方向軸心824に対する横方向にインターフェース構造体802をロボットアームに保持するよう作用する。
【0065】
インターフェース構造体802はさらに前翼部812を備えてもよい。前翼部812は基部806の周縁816の前端828に取り付けられる。好適には、前翼部812はインターフェース構造体の基部及び外囲部と一体に成形される。前翼部812は手術用ロボットアームの遠位露出面を覆う。前翼部812の内面はロボットアームの遠位露出面の形状と合致する形状を有してもよい。前翼部812の外面は器具の前部の形状と合致する形状を有してもよい。
【0066】
基部806は複数の第2締結具848a、848b、848c、848dを支持してもよい。これらの第2締結具は手術器具をインターフェース構造体に保持するように手術器具に係合するためのものである。第2締結具848a、848b、848c、848dは基部806の第1面814から第1面814に対する横方向に突出する。第2締結具848a、848b、848c、848dは基部806の外端のうち長い方830、832から突出する。これら長い方の外端は基部806の長さに沿って延びる。これら長い方の外端は第1面と側面フランジ部とを接続する。
図8及び
図9の例では、第2締結具は4つある。しかし、第2締結具は4つより多くても少なくてもよい。好ましくは、第2締結具は少なくとも2つあり、その1つ1つが長い方の外端830、832のうちいずれかにある。これは、インターフェース構造体の長手方向軸心824に垂直な方向に器具がインターフェースアセンブリから取り外されることを防止するためである。言い換えると、器具がロボットアームと係合する際にロボットアームの末端リンク及び器具軸のそれぞれの長手方向軸心614及び409に垂直な方向に器具がインターフェースアセンブリから取り外されるのを防止するためである。
【0067】
第2締結具848a、848b、848c、848dは基部806と一体的に形成されてもよい。
【0068】
器具がインターフェースアセンブリ700を介してロボットアームにインターフェース接続されたとき、器具の性能はインターフェースアセンブリ700を介した器具の当該アームへの接続の質と関連付けられる。接続の質の1つの指標は、器具インターフェース部ひいては器具の能力であってアーム上で正しい場所に保持される能力である。よって、器具アセンブリ700は、インターフェース構造体802をロボットアームにロックするロック要素804も備える。使用中にインターフェースアセンブリ800ひいては器具がアーム上で正しい場所に確実に保持されることで、ロック要素804は器具の性能を向上するであろう。
【0069】
ロック要素804はインターフェース構造体の後部808に移動可能に装着される。ロック要素804はアンロック位置(
図8)とロック位置(
図9~
図10)との間で移動可能である。ロック位置では、ロック要素804は第1締結具838a、838bを内方に付勢することで、インターフェース構造体802をロボットアーム上にロックする。つまり、ロック要素は、インターフェースアセンブリ700が手術用ロボットアームに取り付けられるときに第1締結具838a、838bを手術用ロボットアームに向けて付勢する。反対に、アンロック位置では、ロック要素804は第1締結具838a、838bを内方に(例えば、インターフェースアセンブリが手術用ロボットアームに取り付けられるときに手術用ロボットアームに向けて)付勢しない。
図8及び
図9に示すように、ロック要素804は円筒状の面であってもよい。この円筒の直径はカラー842の直径よりも大きいため、ロック要素804はカラー842の外部に搭載できる。ロック要素804は円錐台状であってもよい。ただし、他の例において、ロック要素が第1締結具848a、848bに大きな圧力をかけることで第1締結具848a、848bが使用中にロボットアーム(例えば、下記のつまみ839a、839b)から外れないように確実にできる限り、ロック要素804は異なる形状であってもよい。例えば、ロック要素が、これらに限定されないが、繊維強化プラスチック及びマグネシウム(例えば、カメラ本体に使用されるものと同様)などの硬質の材料から作成される場合、ロック要素は代わりに半円形断面を有してもよい。ロック要素804がロック位置とアンロック位置との間で回転可能である場合、ロック要素804は概して第1締結具用の切り抜きを有した円筒状であってもよく、ロック要素がアンロック位置にあるときは切り抜きは第1締結具と整列するためロック要素は第1締結具に係合しない。
【0070】
図8及び
図9の例では、ロック要素804はインターフェース構造体の長手方向軸心に平行な方向にカラー842に沿って摺動することでアンロック位置とロック位置との間を移動可能である。具体的には、ロック要素は方向Kに摺動することでアンロック位置からロック位置まで移動可能であり、ロック要素は方向Lに摺動することでロック位置からアンロック位置まで移動可能である。この例では、ロック要素804がロック位置に摺動すると、ロック要素804は第1締結具838a、838bと係合して第1締結具838a、838bを内方に押さえつける。つまり、インターフェースアセンブリが手術用ロボットアームに取り付けられるとき、ロック要素804は第1締結具をロボットアームに向けて且つロボットアームのつまみ839a、839b上に押さえつける。他の例では、ロック要素804はカラー842回りに(例えば、方向Zに)回転することでアンロック位置とロック位置との間を移動可能としてもよい。
【0071】
第1締結具838a、838bは、自身の外面854に1つ以上の傾斜突起又は傾斜板844a、844b、844cを備えてもよい。傾斜突起又は傾斜板844a、844b、844cは、ロック要素804が第1締結具838a、838bを内方に(例えば、ロボットアームに向けて)付勢するのを補助する。傾斜突起又は傾斜板844a、844b、844は
図10にも示されている。利点として、ロック要素804がロック位置に移動する方向に傾斜突起844a、844b、844cの深さが増加することで、ロック要素804がロック位置に移動するにつれてロック要素804が第1締結具838a、838bに与える圧力が増加する。例えば、
図8及び
図9において、ロック要素804は方向K(
図8)に摺動することでアンロック位置からロック位置まで移動可能であるため、傾斜突起の深さは方向Kに増加する。反対に、例えばロック要素804が方向Zに回転してアンロック位置からロック位置まで移動可能である場合、傾斜突起の深さは方向Zに増加してもよい。
【0072】
図8及び
図9に示す例では、第1締結具838a、838bはそれぞれ2つの傾斜突起844a、844b、844c(3つのみ示されている)を備え、その1つ1つが当該第1締結具838a、838bの開口部837a、837bいずれかの側にある。こうすることで、ロック要素804はロック位置にあるときに第1締結具838a、838bの至る所に略等しい圧力を負荷する。これにより、使用中に確実に第1締結具838a、838bをロボットアームに取り付けられたままとすることができる。反対に、
図8及び
図9の第1締結具838aが1つしか傾斜突起844aを有していないと、例えば、第1締結具838aの底はロボットアームに強固に保持されるかもしれないが、第1締結具838aの上部はさほど強固に保持されず第1締結具838aの上部がつまみ839aから抜け落ちる可能性がある。ただし、他の例では、第1締結具838a、838bごとの傾斜突起844a、844b、844cは2つより多くても少なくてもよい。例えば、1つのつまみに係合する1つの開口部を有する代わりに、第1締結具は2つの異なるつまみ部と係合する2つの開口部を備えてもよい。この例では、各第1締結具はこれら2つの開口部の間に位置する1つの傾斜突起を備えてもよい。
【0073】
他の例では、傾斜突起が第1突起部の外面上にある代わりに、1つ以上の傾斜突起はロック要素の内面にあってもよい。この場合、傾斜突起の深さをロック要素804がロック位置に移動する方向に減少させることで、ロック要素804がロック位置に移動するにつれてロック要素804が第1締結具838a、838bに与える圧力を増加させてもよい。
【0074】
手術器具が手術用ロボットアームから取り外されても、インターフェースアセンブリ700は手術用ロボットアーム内に保持される。インターフェースアセンブリは、器具インターフェース部要素の駆動アセンブリインターフェース部要素への取り付けに比べ、より強固に手術用ロボットアームに取り付けられる。従って、インターフェースアセンブリ700及びドレープは、器具交換中は手術用ロボットアームに取り付けられたままとなる。このように取り付けられたままとなることは、器具交換にかかる時間を短縮するうえで重要である。なぜなら、器具の取り外し後にインターフェース構造体をロボットアームに再度取り付ける必要がなくなるからである。このように取り付けられたままとなることは、器具交換時にドレープが破れる可能性を低減するうえでも重要である。ドレープが破れると、ドレープのロボットアーム側における非無菌環境によって無菌手術環境が汚染されるであろう。
図8及び
図9の例では、外囲部810の形状が駆動アセンブリにおける、ロボットアームの外部を取り囲むことと、外囲部810が完全に辺830及び832の長さに沿って基部806に接続することとによって、上記のように取り付けられたままとなる。手術用ロボットアームから離れるように基部806に対する横方向に力が加わったときに、外囲部810はより破断しにくくなる。これにより、器具インターフェース部要素が自身が駆動アセンブリインターフェース部要素において保持された位置からズレるのに比べて、外囲部810は自身が手術用ロボットアームに対して保持された位置からよりズレにくくなる。
【0075】
ロック要素804及び/又はインターフェース構造体802は、ロック要素804がインターフェース構造体802をロボットアームにロックするのを補助する1つ以上のロック用特定形状部を備えてもよい。例としてのロック用特定形状部を、
図10~
図14Dを参照しながら説明する。
【0076】
図10、
図11A、および
図11Bは、
図8及び
図9のロック用アセンブリ700の全体又は一部の背面図である。具体的には、
図10は、ロック要素804がアンロック位置にある場合の、
図8及び
図9のインターフェースアセンブリ700単体の背面図である。
図11Aは
図10のロック用アセンブリの領域Gの拡大図である。
図11Bは
図10のロック用アセンブリの線H-Hに沿った断面を示す。
図10~
図11Bに示すように、ロック要素804は1つ以上の保持突起部又はタブ1002a、1002b、1002c(
図10、
図11A、及び
図11B)を備えてもよい。保持突起部又はタブ1002a、1002b、1002cは、ロック要素804がアンロック位置にあるときにインターフェース構造体802の後部808に係合する。これにより、ロック要素804がアンロック位置にあるときにロック要素804をインターフェース構造体802上に保持する。
【0077】
図10~
図11Bに示すように、保持突起部1002a、1002b、1002cは、ロック要素804の内面1004であってロック要素804の遠位端1006に最も近い内面1004から突出してもよい。ロック要素804がアンロック位置にあるとき、保持突起部1002a、1002b、1002cは後部806のカラー842の後端1008に係合する。保持突起部1002a、1002b、1002cは、ロック要素がロック位置から所定の距離以上移動するのを防止する。場合によっては、保持突起部1002a、1002b、1002cは、ロック要素804がロック位置から約12mmを超えて移動するのを防止してもよい。
図10~
図11Bの例では、4つの保持突起部(3つのみが示されている)があり、その1つ1つが第1締結具838a、838bのそれぞれの側においてカラー842と係合する。しかし、他の例では、保持突起部1002a、1002b、1002cは4つより多くても少なくてもよい。
【0078】
場合によっては、ロック要素804はインターフェース構造体802から着脱自在であってもよい。この場合、ロック要素804は、保持突起部1002a、1002b、1002cがカラー842の後側に位置するまでロック要素804をインターフェース構造体802の前端部を越えて(例えば、前翼部812を越えて)方向Kに摺動させることでインターフェース構造体802上に搭載されてもよい。保持突起部1002a、1002b、1002cがカラー842を越えて摺動させるのを補助するために、カラー842は凹部1510a、1510b(
図15)を備えてもよい。凹部1510a、1510bは、ロック要素がインターフェース構造体802に係合するときに保持突起部1002a、1002b、1002cと整列する。
【0079】
図12A及び
図12Bは、
図8及び
図9のインターフェースアセンブリ700の断面であって線J-Jに沿った断面の、それぞれ、斜視図及び正面図である。
図12A及び12Bに示すように、ロック要素804は1つ以上のリブ1202a、1202bを備えてもよい。リブ1202a、1202bは、ロック要素804がインターフェース構造体802と係合するときに、後部808の対応する溝1204a、1204bに係合することでロック要素804がインターフェース構造体802に対して回転するのを防止する。
図12A及び
図12Bに示すように、リブ1202a、1202bはロック要素804の内面1004上に形成されてもよく、そして径方向且つ(例えば、インターフェース構造体802の長手方向軸心に平行な方向に)ロック要素804の全体又は一部分にわたって延在してもよい。同様に、
図12A及び
図12Bに示すように、対応する溝1204a、1204bは後部の外面上に形成されてもよい。具体的には、溝1204a、1204b(
図15にも示されている)はカラー842と第1締結具838a、838bの一部分とにわたって延在してもよい。
図12A及び
図12Bの例では、2つの溝1204a、1204bがある。溝1204a、1204bのそれぞれが第1締結具838a、838bの中央に対して整列する。しかし、他の例では、溝は2つより多くても少なくてもよく、且つ/又は溝は後部808上の異なる位置にあってもよい。
【0080】
図13は、
図8及び
図9のインターフェースアセンブリを介してロボットアームに取り付けられた器具を示す。
図8及び
図9に示すように、ロック要素804は、ロック要素804の前端848から基部806の前端に向かって延在する1つ以上の器具突起部又はタブ846a、846bを備えてもよい。器具がインターフェースアセンブリ700を介してロボットアームに取り付けられるとき、器具突起部846a、846bは手術器具の開口又は切り抜き内に受け入れられる(
図13)。ロック要素804がロック位置から偶然ずれた場合に、器具突起部又はタブ846a、846bは器具と係合するように移動する(例えば、器具に押し付けられる)ことでロック位置からのロック要素804の移動を制限する。場合によっては、器具突起部又はタブ846a、846bは、ロック要素804がロック位置から1mmを超えて移動することを制限してもよい。言い換えると、器具突起部又はタブ846a、846bは、器具がインターフェースアセンブリに取り付けられるときにロック要素704がロック位置から相当量移動することを防止する。
図8、
図9、及び
図13に示す例では、2つの器具突起部846a、846bがある。しかし、他の例では、器具突起部846a、846bは2つより多くても少なくてもよい。
【0081】
図14A及び
図14Bは、
図8及び
図9のインターフェースアセンブリの線X-Xに沿った断面の斜視図である。
図14Aはアンロック位置におけるロック要素804を示し、
図14Bはロック位置におけるロック要素804を示す。
図14C及び
図14Dは
図14A及び
図14Bのインターフェースアセンブリの、それぞれ、領域Q及びRの側面図である。
図14A~
図14Dに示すように、ロック要素804はロック要素804の内面1004に1つ以上の突出部1402を備えてもよい。突出部1402は、ロック要素804がロック位置にあるときに後部806の外面上の対応する移動止め又は凹部1404と係合する(
図14B、14D)。突出部1402と移動止め1404との係合は、ロック要素804をロック位置に保持することを補助する。
図14A~
図14Dに示す例では、突出部1402はロック要素804の内面であってロック要素の前端に最も近い内面に位置し、対応する移動止め1404はカラー842の外面であってカラーの前端に最も近い外面に位置する。これにより、ロック要素がロック位置に移動するときにのみ突出部1402は移動止め1404に係合する。2つ以上の突出部及び2つ以上の移動止め1504がある場合、突出部及び移動止めは、それぞれ、ロック要素804及びカラー842の周囲に等間隔に設けられてもよい。試験により以下のことが分かった。3つの等間隔の突出部及び移動止めが、ロック要素をロック位置に保持する上で特に効果的である。なぜなら、この構成においては、ロック要素804はカラー842の円周周りに等しい力を付与するからである。例によっては、突出部は1つでもよい。この突出部はロック要素804の内面1004の円周周りに延在し、且つ、後部806の外面の円周周りに延在する1つの移動止めと係合する。
【0082】
場合によっては、1つ以上の突出部1402及び対応する移動止め1404は、突出部1402が対応する移動止め1404に係合したときに、このロック要素804が問題なくロック位置に移動したというフィードバックをユーザが受け取るような形状であってもよい。フィードバックは聞き取り可能なものであってもよい。例えば、突出部1402が移動止め1404に係合したときに、ユーザは聞き取り可能なカチッという音などを聞き取るものとしてもよい。あるいは又は加えて、フィードバックは力フィードバックであってもよい。例えば、ユーザがロック要素804をロック位置に移動したとき、ユーザは衝撃又はそれに似た力フィードバックを感じるものとしてもよい。
【0083】
インターフェースアセンブリ700が
図10~
図14Dに関して記載した特定形状部の任意の組み合わせを有することも、当業者には明白であろう。
【0084】
上述のように、場合によっては、器具インターフェース部400のインターフェースアセンブリとの適切な整列は、インターフェース構造体802内の谷形状の開口820とピン834とを介して維持されてもよい。しかし、この構成は場合によっては不十分である可能性がある。特に、ピンがプラスチックの細いセクション上に形成されている場合は不十分である可能性がある。よって、場合によっては、インターフェース構造体802は器具インターフェース部400のインターフェースアセンブリ700との整列を補助する1つ以上の付加的な器具整列特定形状部を備えてもよい。1つ以上の器具整列特定形状部は、器具インターフェース部400及びインターフェースアセンブリ700間に締まり嵌めではない密な嵌合をモータらしてもよい。例としての器具整列特定形状部を
図15~
図17を参照しながら説明する。
【0085】
図15は
図8及び
図9のインターフェース構造体802を単独で示す。器具及びインターフェース部間の整列を向上させるために、基部806上のピン834により器具の横方向整列のみが生じるものとしてもよい。この整列を達成するために、ピン834は器具インターフェース部内の丸い凹部512に係合する楕円形を有してもよい。場合によっては、楕円はインターフェース構造体802の長手方向軸心824に対する横方向においてより長く、インターフェース構造体802の長手方向軸心824に平行な方向においてより短くてもよい。あるいは、ピン834は丸い形状を有してもよく、器具インターフェース部400内の対応する凹部512は長方形であってもよい。
【0086】
インターフェース構造体の長手方向軸心824に対する横方向に器具インターフェース部400及びインターフェース構造体802間の締まりばめを確実にするために、谷形壁822a、822bのうち1つ以上は1つ以上のリブ1502を備えてもよい。リブ1502は、器具インターフェース部400がインターフェースアセンブリ802と係合するときに器具インターフェース部と係合する。
図15のリブ1502は、谷の底に向かって下方に延在する。
図15の例では、2つのリブ1502(1つのみが示されている)があり、その1つ1つが各谷形壁822a、822b上にある。しかし、他の例では、リブ1502は2つより多くても少なくてもよい。
【0087】
器具インターフェース部400のインターフェース構造体802に対する軸心方向の位置決めを向上するため、インターフェース構造体802は1つ以上のタブ1504a、1504b、1506c、1506dを備えてもよい。タブ1504a、1504b、1506c、1506dに、器具インターフェース部がインターフェース構造体802と係合されたときに軸心方向(例えば、器具構造体802の長手方向軸心に平行な方向)に器具インターフェース部400の特定形状部が押し付けられる。例えば、
図15に示すように、インターフェース構造体802は前翼部812上に位置する第1のタブ対1504a、1504bを有してもよい。第1のタブ対1504a、1504bのそれぞれはインターフェース構造体802の前部に面する面1508を有する。面1508は器具インターフェース部400の対応する特定形状部514a、514b(
図5にも示されている)と係合する。インターフェース構造体802は、第1のタブ対に加え又は代えて、周縁816上に形成される第2のタブ対1506a、1506bを有してもよい。第2のタブ対1506a、1506bのそれぞれはインターフェース構造体8-2の後部に面する面1510を有する。面1510は器具インターフェース部400の対応する特定形状部516a、516bと係合する。第2のタブ対1506a、1506bは周縁819内に凹部として形成されてもよいし、又は周縁819とは別々であってもよい。
【0088】
図16及び
図17はインターフェースアセンブリ700と係合した器具インターフェース部400の部分断面の、それぞれ、斜視図及び上面図であり、器具インターフェース部400と第1及び第2のタブ対1504a、1504b、1506a、1508bとの係合を示す。具体的には、
図16及び
図17は、器具インターフェース部がインターフェース構造体802と係合したときの器具インターフェース部400の特定形状部514a、514bの第1のタブ対1504a、1504bとのそれぞれの係合を示す。また、
図16及び
図17は、器具インターフェース部がインターフェース構造体と係合したときの器具インターフェース部400の特定形状部516a、516bの第2のタブ対1506a1506bとのそれぞれの係合を示す。器具インターフェース部400の既存の特定形状部と軸心方向に係合するタブをインターフェース構造体802に追加することで、器具インターフェース部400を改良する必要なくインターフェース構造体802に対する器具インターフェース部の軸心方向の位置について向上できる。
【0089】
上述のように、器具がインターフェースアセンブリ700を介してロボットアームにインターフェース接続されると、器具の性能はインターフェースアセンブリ700を介した器具のアームへの接続の質に関連付けられる。接続の質の1つの指標は、器具インターフェース部ひいては器具の能力であってアーム上で正しい場所に保持される能力である。よって、器具の性能は、使用中にインターフェースアセンブリ800ひいては器具がアーム上で正しい場所に確実に保持されるようロック要素804を用いることで向上する可能性がある。接続の質の他の指標は接続の強固さである。典型的には、接続が強固であればあるほど、より正確にロボットの移動が器具の移動に反映される。よって、器具の性能は、インターフェースアセンブリのロボットアームへの取付の強固さを増加することでさらに向上する可能性がある。これを達成するため、インターフェース構造体802は自身の内面にロボットアームと相互作用するための1つ以上の強固化特定形状部を備えてもよい。例としての強固化特定形状部を
図18A~
図20を参照しながら説明する。
【0090】
図18Aはロボットアームに取り付けられた
図8及び
図9のインターフェース構造体802のX-Xに沿った断面の斜視図である。
図18Bは
図18Aの領域Sの拡大側面図である。
図18A及び
図18Bに示すように、インターフェース構造体802の内面1804はピン1802を備えてもよい。ピン1802は、インターフェース構造体802がロボットアームと係合するときにロボットアームの凹部1808内に受け入れられる。凹部1808は、ピンが凹部1808と係合するときにインターフェース構造体802の長手方向軸心824に垂直な方向にインターフェース構造体802が移動することを制限するような形状をしている。
図18A及び
図18Bの例では、ピン1802は開口820の後壁1806の内面1804上に位置する。しかし、他の例では、ピンはインターフェース構造体802の別の内面上に位置してもよい。ピン1802は中空であってもよい。
【0091】
図19は、ロボットアームに取り付けられた
図8及び
図9のインターフェース構造体802の線Y-Yに沿った断面の上面図である。
図19に示すように、インターフェース構造体802の1つ以上の内面1902a、1902bはリブ1904a、1904bを備えてもよい。リブ1904a、1904bは、インターフェース構造体802がロボットアームと係合するときにロボットアームの外面1906a、1906bと係合する。リブは長手方向軸心824に対する横方向へのインターフェース構造体802の動作に抵抗するよう作用する。
図19の例では、各谷形壁822a、822bの内面1902a、1902b上に1つのリブ1904a、1904bがある。これらリブ1904a、1904bにより、ロボットアームの遠位端における対応する谷形壁への締まりばめが生じる。しかし、他の例では、リブはインターフェース構造体802の他の内面上に位置してもよい。
【0092】
図20は、ロボットアームに取り付けられた
図8及び
図9のインターフェースアセンブリ構造体802の線X-Xに沿った断面の側面図である。
図20に示すように、後部808のカラー842はロボットアーム601の肩部2002に軽く締まり嵌めされるように構成されてもよい。場合によっては、肩部2002はロボットアームの最終ロールジョイントの軸心と同心円となるように構成されもよい。この場合、インターフェース構造体802のカラー842を肩部2002に軽くインターフェース嵌合させることで、器具軸を最終ロールの軸心と整列させることができると共にカラー842が最終ロールの軸心と確実に同心円となる。
【0093】
図21Aは
図8及び
図9のインターフェースアセンブリ700と部分的に係合した器具を示す。
図21Bは
図8及び
図9のインターフェース構造体802に完全に係合した器具を示す。
図21A及び
図21Bに示すように、インターフェース構造体802は1つ以上の器具係合マーキング2102a、2102bを備えてもよい。器具係合マーキング2102a、2102bは、器具がインターフェース構造体802に完全に又は適切に係合していないときは視認可能であり(
図21A)、器具がインターフェース構造体802に完全に又は適切に係合しているときは視認不能である(
図21B)。このようなマーキング2102a、2102bは、器具がインターフェース構造体802に適切に係合しているかどうかを視覚的に示す。マーキングは、これに限定されないが、赤などのインターフェースアセンブリ700の他箇所に対して区別可能な色を有してもよい。区別可能な色を有することにより器具マーキングを目立たせることができる。これにより、器具がインターフェースアセンブリ700に適切に係合しているかどうかをロボットアームの近くの人が素早く判断しやすくなる。
【0094】
図21A及び
図21Bの例では、複数対に区分された4つの器具係合マーキング2102a、2102b(2つのみが示されている)がある。各対の係合マーキング2102a、2102bは、器具がインターフェース構造体802と完全に又は適切に係合するときに当該器具係合マーキング対2102aが器具の係合部1304によって覆われるように基部806の第1面814上に且つ第2締結具対848a、848b、848c、848dの間に位置する。具体的には、
図21A及び
図21Bの例では、各対の器具係合マーキング2102a、2102bは係合部1304の対向し合う端部1306によって覆われる。しかし、他の例では、器具係合マーキングは4つより多くてもよく、又は器具係合マーキングは4つより少なくてもよい。加えて/あるいは、器具係合マーキングは、器具の別の構成要素によって覆われるように別の位置にあってもよい。
【0095】
上述のように、
図13は手術用ロボットアームと手術器具とが係合された構成を示す。
図13の例では、手術器具は本体1302と2つの係合部1304(1つが示されている)とを備える。本体1302と2つの係合部1304の全てが、
図4及び
図5に示される器具インターフェース部400を覆う。係合部は器具インターフェース部の対向し合う側にある。一方の係合部は器具インターフェース部の一方側にある第2締結具と係合し、他方の係合部は器具インターフェース部の他方側にある第2締結具と係合する。各係合部は、器具軸408の長手方向軸心を横断する方向である方向Aに本体に対して変位可能である。各係合部1304は器具の内部に向かって方向Aに沿って変位可能である。
【0096】
器具の外側本体1302及びロボットアームの外側本体は、器具がロボットアームにドッキングするときに円錐台状となるような形状としている。
【0097】
係合部1304は係合位置に向けて付勢される。係合部は、例えば、自身の位置を係合位置に向けて付勢するようにバネ式であってもよい。
【0098】
インターフェース構造体802は手術器具から無線信号を受信するための無線受信器をさらに備えてもよい。好ましくは、無線受信器は、例えばNFC、WiFi又はBluetoothなどの狭域の通信プロトコルに従って動作する。受信器は手術器具に関する信号を受信する。例えば、受信器は、手術器具の以下の特性のうち1つ以上に関する信号を受信してもよい:識別性、タイプ、起点、ステータス、使用した回数、使用した時間の長さ、使用期限までに使用可能な回数、使用期限までに使用可能な時間の長さ。無線受信器はインターフェース構造体上のどこに配置されてもよい。好ましくは、手術用ロボットアームに面するインターフェース構造体の側に配置される。無線受信器は、無線信号を手術器具に送信するための送信器も組み込んだ無線送受信機であってもよい。
【0099】
手術器具は、上述のように無線信号をインターフェース構造体に送信するための無線送信器を備えてもよい。手術器具は、上述のように無線通信を送受信するための無線送受信機を備えてもよい。
【0100】
好適には、インターフェースアセンブリ700は、手術開始前のセットアップ手順の一環としてロボットアームが無菌ドレープに覆われながら駆動アセンブリに締結される。具体的には、インターフェースアセンブリ700(インターフェースアセンブリ702上に取り付けられたロックリング804がアンロック位置にある)は、軸心方向Kに力をかけることでロボットアーム上に押込んで嵌められる(
図8及び
図9を参照)。このように押込んで嵌められることで、第1締結具838a、838bがロボットアームと係合する。ロック要素804はロック位置に押されることでインターフェースアセンブリ802をロボットアームにロックする。一旦インターフェースアセンブリ700がアーム上にロックされると、ドレープはロボットアームの下方に向かってほどかれる。
【0101】
手術中のある時点で、器具は別の器具と交換される可能性がある。器具は、ユーザが係合部1304を係合解除位置に到達するまで方向Aに動かすことでインターフェース構造体802から取り外される。ユーザは、器具軸の長手方向軸心408に垂直な方向Bにインターフェース構造体から遠ざけるように器具を持ち上げてインターフェース構造体から離す。異なる器具を上述のようにインターフェース構造体に取り付けることができる。
【0102】
この方法により、患者を非無菌環境に晒すことなく手術中に器具をロボットアームに対して素早く且つ容易に着脱できる。器具は器具の軸402に垂直な方向に持ち上げてロボットアームから離すことで取り外されるため、器具の着脱の際に患者内に器具を押し込んでしまうリスクがない。
【0103】
図面に示された第1締結具はロボットアームの凹部内に留めるためのクリップの形状を有する。図面に示された第2締結具は器具からプラグ/ニブを受け入れるための受け口の形状を有する。しかし、締結具は任意の適切な形状であってもよく、例えば、クリップ、留め金、バックル、掛け金、プラグ、受け口、ホック、小穴、スナップ、鳩目、ボタン、マジックテープ(登録商標)であってもよい。ただし、以下の基準を満たすこととする:
1)インターフェース構造体は、器具が取り外されるときにロボットアームに取り付けられたままとなる。
2)インターフェース構造体、器具、及びロボットアームは、器具の関節部がロボットアームによって駆動されても互いにずれず、これにより器具は制御卓により生成された制御信号に応じて想定通りに移動及び作動することになる。
【0104】
器具は手術以外の目的にも用いられ得る。例えば、器具は美容目的の処置に用いられ得る。
【0105】
本出願人は、本明細書に説明する個別の特徴を単独で、また、それら2つ以上の特徴の任意の組み合わせとして、ここに開示する。ただし、本明細書に開示された何らかの問題がそれらの特徴又はその組み合わせによって解決されるか否かに関係なく、かつ本願請求項の範囲に限定されることなく、それらの特徴又はその組み合わせを本明細書全体に基づき当業者にとって周知の一般的知識を踏まえて実行できることを前提とする。本出願人は、本発明の態様がかかる個別の特徴又はその組み合わせのいずれによっても構成されうることを明示する。上述の説明に鑑み、当業者にとって明白であるように、本発明の範囲内でさまざまな改変を加えることが可能である。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
手術用ロボットアームを手術器具に着脱自在にインターフェース接続するためのインターフェースアセンブリであって、
インターフェース構造体であって、
前記手術器具に面する第1面と前記手術用ロボットアームに面する第2面とを有する基部と、
前記基部の後端に取り付けられた後部であって、前記手術用ロボットアームに前記インターフェース構造体を締結させるように前記手術用ロボットアームの近位露出面に係合する1つ以上の締結具を備える前記後部と、を備える前記インターフェース構造体と、
前記後部上に移動可能に取り付けられ且つロック位置とアンロック位置との間で移動可能なロック要素であって、前記ロック要素が前記ロック位置にあるときは前記1つ以上の締結具を係合位置に向けて付勢し、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときは前記1つ以上の締結具を前記係合位置に向けて付勢しないロック要素と、
を備えるインターフェースアセンブリ。
[態様2]
態様1に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素は前記ロック位置と前記アンロック位置との間で摺動可能である、インターフェースアセンブリ。
[態様3]
態様1又は2に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素は略円筒状の内面を有する、インターフェースアセンブリ。
[態様4]
態様3に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記後部は略円筒状の内面を有するカラーを備え、前記ロック要素は前記カラーに沿って移動可能である、インターフェースアセンブリ。
[態様5]
態様4に記載のインターフェースアセンブリにおいて、円筒状の前記カラーは、前記インターフェースアセンブリが前記手術用ロボットアームと係合されたときに前記手術用ロボットアームの肩部の周囲に締まり嵌めされるように構成されている、インターフェースアセンブリ。
[態様6]
態様1から5のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記締結具のうち1つ以上の締結具の外面は1つ以上の傾斜突起を備え、前記傾斜突起の深さは、前記ロック要素が前記アンロック位置から前記ロック位置まで移動する方向に沿って増加する、インターフェースアセンブリ。
[態様7]
態様1から6のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素は1つ以上の突出部を備え、各突出部は、前記ロック要素が前記ロック位置にあるときに前記後部内の対応する移動止めに係合するよう構成される、インターフェースアセンブリ。
[態様8]
態様7に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記1つ以上の突出部及び前記対応する移動止めは、前記1つ以上の突出部が前記対応する移動止めに係合したときにフィードバックを生じさせるように構成されている、インターフェースアセンブリ。
[態様9]
態様1から8のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素の前面は1つ以上のタブを備え、前記タブは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合されたときに前記手術器具の開口内に受け入れられることで、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合されたときの前記ロック要素の前記ロック位置からの移動を制限するように構成されている、インターフェースアセンブリ。
[態様10]
態様1から9のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素の内面は1つ以上の保持突起部を備え、前記保持突起部は、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときに前記後部の後面に係合することで、前記ロック要素が前記アンロック位置にあるときに前記ロック要素を前記インターフェース構造体に保持する、インターフェースアセンブリ。
[態様11]
態様1から10のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素の内面は1つ以上のリブを備え、前記リブは前記後部の外面内の対応する溝に係合することで、前記ロック要素が前記インターフェース構造体に対して回転することを防止する、インターフェースアセンブリ。
[態様12]
態様1から11のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェース構造体はさらに外囲部を備え、前記外囲部は前記基部の対向する端同士を接続することで、前記手術用ロボットアーム上に係合するときに前記インターフェース構造体を前記手術用ロボットアームに保持する、インターフェースアセンブリ。
[態様13]
態様12に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記外囲部は、前記インターフェース構造体が前記手術用ロボットアーム上に係合するときに前記手術用ロボットアームの外面に外接する形状を有する、インターフェースアセンブリ。
[態様14]
態様12又は13に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部及び前記外囲部は一体的に形成される、インターフェースアセンブリ。
[態様15]
態様1から14のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素はドレープ内で終端する、インターフェースアセンブリ。
[態様16]
態様15に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ドレープ及び前記ロック要素は一体的に形成される、インターフェースアセンブリ。
[態様17]
態様1から16のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は楕円形のピンを備え、前記楕円形のピンは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記手術器具の円形の凹部内に受け入れられる、インターフェースアセンブリ。
[態様18]
態様17に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記楕円形のピンは前記インターフェース構造体の長手方向軸心を横断する方向に最も長い、インターフェースアセンブリ。
[態様19]
態様1から16のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は丸いピンを備え、前記丸いピンは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記手術器具のスロット状の凹部内に受け入れられる、インターフェースアセンブリ。
[態様20]
態様1から19のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェース構造体は1つ以上のタブを備え、前記タブに、前記器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記インターフェースアセンブリの長手方向軸心に平行な方向に前記器具の特定形状部が押し付けられることにより前記器具を前記インターフェースアセンブリに対して軸心方向に整列させる、インターフェースアセンブリ。
[態様21]
態様1から20のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェース構造体の内面はピンを備え、前記ピンは、前記インターフェースアセンブリが前記手術ロボットと係合するときに前記手術用ロボットアームの外面の対応するスロット状の凹部と係合することで、前記インターフェース構造体の長手方向軸心に垂直な方向への前記インターフェース構造体の移動を維持する、インターフェースアセンブリ。
[態様22]
態様1から21のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は前記第1面と前記第2面とを有する周縁を備え、前記周縁は中空内部を取り囲む、インターフェースアセンブリ。
[態様23]
態様22に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記周縁は前記器具の一部分を受け入れるように構成された開口を有し、前記開口は谷形壁を有する谷形状である、インターフェースアセンブリ。
[態様24]
態様23に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記谷形壁のうち1つ以上の谷形壁の外面は1つ以上のリブを備え、前記リブは、前記器具が前記インターフェースアセンブリと係合しているときに前記器具の前記一部分と係合する、インターフェースアセンブリ。
[態様25]
態様22から24のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記後部は前記基部の前記周縁の後端に取り付けられた後翼部を備え、前記後翼部は前記手術用ロボットアームの近位露出面を覆うように構成されている、インターフェースアセンブリ。
[態様26]
態様25に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記後翼部は前記手術用ロボットアームの遠位端から離れるように前記基部に対して傾斜している、インターフェースアセンブリ。
[態様27]
態様22から26のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェース構造体はさらに前記基部の前記周縁の前端に取り付けられた前翼部を備え、前記前翼部は前記手術用ロボットアームの遠位露出面を覆うように構成されている、インターフェースアセンブリ。
[態様28]
態様1から27のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記基部は1つ以上の器具係合マーキングを備え、前記器具係合マーキングは、手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられていないときは視認可能であり、手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられているときは視認不能である、インターフェースアセンブリ。
[態様29]
態様28に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記1つ以上の器具係合マーキングは、前記手術器具が前記インターフェースアセンブリに完全に取り付けられているときに前記手術器具の可動部によって隠れるように構成されている、インターフェースアセンブリ。
[態様30]
態様1から29のいずれかに記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記インターフェースアセンブリが前記手術用ロボットアームに取り付けられているとき、前記基部は前記手術用ロボットアームの軸心方向に平行である、インターフェースアセンブリ。
[態様31]
態様1に記載のインターフェースアセンブリにおいて、前記ロック要素は前記ロック位置と前記アンロック位置との間で回転可能である、インターフェースアセンブリ。
[態様32]
ロボットによる手術で用いられる手術用ロボットアームであって、
基台と、
前記基台を前記手術用ロボットアームの遠位端におけるインターフェース部に接続する一連の関節部であって、前記インターフェース部を前記基台に対して関節接続できる前記一連の関節部と、
態様1から31のいずれかに記載の前記インターフェースアセンブリを保持することによって手術器具とインターフェース接続するように構成された前記インターフェース部と、
を備える手術用ロボットアーム。