IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲーの特許一覧

特許7309750家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具
<>
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図1
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図2
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図3
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図4
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図5
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図6
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図7
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図8
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図9
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図10
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図11
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図12
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図13
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図14
  • 特許-家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】家具又は家電製品用の収納棚、家具及び家庭用器具
(51)【国際特許分類】
   A47B 46/00 20060101AFI20230710BHJP
   A47B 49/00 20060101ALI20230710BHJP
   F25D 25/02 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A47B46/00 501K
A47B49/00 502K
F25D25/02 G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020555901
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019058507
(87)【国際公開番号】W WO2019201612
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】102018108977.5
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504467554
【氏名又は名称】ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レハーゲ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】メルティンス, シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ビュッシャー, ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】アーンスト, エドゥアルト
(72)【発明者】
【氏名】マッテス, アンドレアス
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第87/004325(WO,A1)
【文献】特開平10-153382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 46/00
A47B 49/00
F25D 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具(11)又は家庭用器具(12)用の収納棚(1)であって、
家具(11)又は家庭用器具(12)の枠組み(13、14)に固定して配置された支持板(3)と、
支持板(3)に対して確実にガイドされ、回転及び並進の両方で同時に引き出し方向(A)に移動できる収納トレイ(4)とを備え、
支持板(3)と収納トレイ(4)の相互に対向した支持面(31、42)は、転動要素(6)が案内される少なくとも大部分が閉じ全周に延びた転動要素用の溝(32、44)を有する収納棚(1)において、
支持板(3)と収納トレイ(4)の支持面(31、42)は、夫々他方の支持面(31、42)に対向する成形要素を有し、該成形要素が、収納トレイ(4)の少なくとも部分的な回転運動を強制して、初期位置からローディング及びアンローディング位置の方向へ支持板(3)に対して収納トレイ(4)を移動さ
ピン(45)として形成された成形要素が支持面(31、42)の1つから突出し、該成形要素は、トレイ(4)の初期位置にて、他の支持面(31、42)から突出するカム(34)として形成された成形要素の引き出し方向(A)の後ろに位置する、収納棚(1)。
【請求項2】
カム(34)は2つの脚部を備えて構成され、第1のカム脚部(341)は、第2のカム脚部(342)に対してある角度で第1の支持面(31)の平面内に向けられている、請求項に記載の収納棚(1)。
【請求項3】
ピン(45)として形成された成形要素が支持面(31、42)の1つから突出し、トレイ(4)の初期位置にある成形要素は、ガイド溝(33)として構成された夫々の成形要素に突出し、該ガイド溝(33)は、他の支持面(31、42)に形成される、請求項1又は2に記載の収納棚(1)。
【請求項4】
支持板(3)及び収納トレイ(4)の支持面(31、42)は、夫々の他の支持面(42、31)に面する夫々のラッチ要素を有し、該ラッチ要素は、予め定められた位置、特に支持板(3)及び収納トレイ(4)の初期位置で互いに係合する、請求項1乃至の何れかに記載の収納棚(1)。
【請求項5】
ラッチ要素はまた、支持板(3)及び収納トレイ(4)の初期位置にて、及び支持板(3)が180°回転するときに互いに係合する、請求項に記載の収納棚(1)。
【請求項6】
第1の支持面(31、42)のラッチ要素は、第2の支持面(42、31)の方向に第1の支持面から突出する球形キャップ(36)として形成され、第2の支持面(42、31)のラッチ要素は、ビーズ(46)として形成される、請求項4又は5に記載の収納棚(1)。
【請求項7】
ラッチ要素は、支持面(42、31)の間に配置されて、外側から見えない、請求項4乃至6の何れかに記載の収納棚(1)。
【請求項8】
前記支持板(3)は、少なくとも1つのアダプタによって家具(11)又は家庭用器具(12)の枠組み(13、14)上に取り外し可能に保持された、請求項1乃至の何れかに記載の収納棚(1)。
【請求項9】
ベース板ホルダ(5)として構成されたアダプタによって、家具(11)又は家庭用器具(12)の枠組み(13、14)に固定されたベース板(2)を有し、前記支持板(3)はベース板(2)上にある、請求項に記載の収納棚(1)。
【請求項10】
請求項1乃至の何れかに記載の少なくとも1つの収納棚(1)を備えた枠組み(13)を有する家具(11)。
【請求項11】
請求項1乃至の何れかに記載の少なくとも1つの収納棚(1)を備えた枠組み(14)を有する家庭用器具、特に冷蔵庫又は冷凍庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に従った家具又は家電製品用の収納棚、及び家具又は家庭用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ターンテーブルがベース板に直接取り付けられている収納棚が例えばドイツ公開公報4216765号から公知である。
その後公開されたドイツ公開公報102017106170 A1号から、支持板に対して確実にガイドされ、回転および並進の両方で移動できる収納トレイが知られており、冷蔵庫や冷凍庫などの家庭用器具の収納スペースにある、他の方法では届きにくい場所からのアクセスを可能にする。
【0003】
これらの収納棚の不利な点は、特に負荷が不均一な場合や支持板の水平位置が正確でない場合に、収納棚が支持板に対して自動的に移動することと見出されてきており、これは、家具や家庭用器具の枠組みの不正確な配置によっても引き起こされ得る。
【0004】
更に、収納トレイの前縁の中央に牽引力が加えられ、トレイにトルクが掛らない場合は支持板と収納トレイの間の転動要素がずれ、そのため、このずれにより、その後の回転運動がブロックされる虞れがある。
【0005】
本発明の第1の目的は、動作エラーによる転動要素のブロックが効果的に防止されるような収納棚を更に開発することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、支持板に対する収納トレイの自動的な伸長が防止される収納棚を更に開発することである。
第1の目的は、請求項1の特徴を備えた収納棚によって解決される。
第2の目的は、請求項5の特徴を備えた収納棚によって解決される。
設定された目的は、請求項9の特徴を備えた家具及び請求項10の特徴を備えた家庭用器具によっても解決される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従った収納棚は、家具又は家庭用器具の枠組み上に固定して配置された支持板と、支持板に対して確実に駆動され、回転と並進の両方で1つの引き出し方向に同時に移動できる収納トレイを有する。
【0008】
互いに向き合う支持板及び収納棚の支持面は、夫々少なくとも大部分が閉じた、転動要素が案内される全周に延びた転動要素用の溝を有する。
支持板及び収納棚の支持面には、夫々他方の支持面に面する夫々の成形要素があり、該成形要素は、初期位置からローディング及びアンローディング位置に向かって、支持板に対して少なくとも比例した収納棚の回転運動を強制する。
【0009】
そのような成形要素は、支持板及び収納トレイの支持面に容易に取り付けられ又は形成される。
これらの成形要素を支持板及び収納トレイの支持面に配置することにより、回転可能に取り付けられた収納トレイが中央に作用する引張りによって引き出されるのを容易に防ぐことができ、収納トレイを初期位置からローディング位置及びアンローディング位置に向かって移動させたい使用者は、収納トレイにトルクを加えるために、収納トレイに対して横方向に作用し続けるように誘導され、従って、収納トレイの並進運動と同時に回転運動を引き起こす。
本発明に従った収納棚の有利な実施形態の変形例は、従属項の主題事項である。
【0010】
本発明の有利な実施形態の変形例に従って、ピンの形の成形要素が支持面の1つから突出し、該成形要素はトレイの初期位置にて、他の支持面から突出するカムとして形成された成形要素の引き出し方向の後ろに位置する。
【0011】
カム又はピンとして構成されたそのような成形要素は、収納棚の信頼性のある動作を可能にし、支持面に容易に形成され又は取り付けられる。
他の好ましい実施形態の変形例に従って、2つの脚部を備えて構成されるのが好ましく、第1のカム脚部は、第2のカム脚部に対してある角度で第1の支持面の平面内に向けられている
【0012】
収納棚が自動的に飛び出す(extending)のを防ぐべく、上記の如く、収納棚は支持板と該支持板に対して移動する収納トレイを有し、互いに対向するそれらの支持面はまた、上記の如く、転動要素が案内される転動要素用の溝を有し、支持板及び収納トレイの支持面は、夫々他方の各支持面に対向したラッチ要素を有し、ラッチ要素は支持板及び収納トレイの少なくとも初期位置で互いに係合する。
【0013】
そのようなラッチ要素が支持板及び収納トレイの支持面に配備された状態で、ユーザは、収納トレイが初期位置に到達したかどうかを触覚的に認識することができる。
ラッチ要素が、支持板及び収納トレイの支持面の間に配置されて、外側から見えない場合に特に有利である。このようにして、ラッチ要素は汚染及び損傷から最適に保護される。
【0014】
収納トレイをこの初期位置から動かすべく、ラッチに打ち勝ち、支持板に対する収納トレイの動きを解放するために、特定の最小の力が必要である。
【0015】
有利な実施形態の変形例に従って、第1の支持面のラッチ要素は、第2の支持面の方向に第1の支持面から突出する球形キャップとして構成され、第2の支持面のラッチ要素は、ビーズとして形成される。
これにより、支持板に対する収納トレイの信頼性のある十分なラッチが可能になり、収納トレイが自動的に飛び出すことを防ぎ、同時に支持板とのラッチから収納トレイを解放するのに少しの手動力のみが必要になる。
【0016】
他の好ましい実施形態の変形例に従って、支持板は少なくとも1つのアダプタによって家具又は家庭用器具の枠組み上に取り外し可能に保持される。
他の有利な実施形態の変形例に従って、収納棚はベース板ホルダとして構成されたアダプタによって家具又は家庭用器具の枠組みに固定されたベース板を有する。前記支持板はベース板上にある。
本発明に従った収納棚は、家具又は家庭用器具に使用されるのが好ましく、特に冷蔵庫又は冷凍庫に使用されるのが好ましい。この目的から、家具又は家庭用器具は収納棚を受け入れる枠組みを有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下において、本発明の好ましい実施形態の変形例は、添付した図面に基づいてより詳細に説明される。
図1】本発明による収納棚の実施形態の変形例の斜視等角図を示す。
図2】収納トレイを上方に持ち上げた状態の収納棚の斜視図を示し、支持板及び収納トレイの支持面を示す。
図3】初期位置における収納棚を上から見た斜視図である。
図4図3に示される図の詳細図を示しており、収納トレイは、支持板に対して反時計回りに1°回転している。
図5図3に示される図の詳細図を示しており、収納トレイは、支持板に対して反時計回りに1°回転している。
図6図4及び図5に対応する図を示し、収納トレイを支持板に対して反時計回りに2°回転している。
図7図4及び図5に対応する図を示し、収納トレイを支持板に対して反時計回りに2°回転している。
図8】断面が描かれた初期位置の収納棚を上から見た斜視図を示す。
図9図8でAとマークされたによる断面の断面図を示し、ラッチ要素を表示する。
図10】収納棚の代替の実施形態の変形例の斜視図を示し、取り付け可能なラッチ要素を示す。
図11図10に示されるような収納棚の下側の斜視図を示す、
図12図10及び図13に示す収納棚の断面図及び収納棚上に置かれた収納トレイの断面図であり、ラッチ要素を示す。
図13図12に示す収納トレイの他の実施形態の変形例の斜視図である。
図14】本発明に従った収納棚を備えた家具を示す。
図15】本発明に従った収納棚を備えた家庭用器具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次の図の説明では、上、下、左、右、前、後などの用語は、夫々の図で選択された収納棚、ベース板、支持板、収納トレイ、ベース板ホルダなどの例示的な表現及び位置のみを指す。これらの用語は、限定的な方法で理解されるべきではない、即ち、これらの言及は異なる作業位置又は鏡面対称な構成などのために変更され得る。
【0019】
図1において、符号1は、収納棚の実施形態の変形例を示している。
収納棚1はベース板2と支持板3を有し、該ベース板2は家具11又は家庭用器具12(図14及び図15に例として示される)の枠組み13、14に静止して固定され、前記支持板3はベース板2上に配置される。回転及び並進の両方で同時に移動することができる収納トレイ4は、前記支持板3上に置かれる。
【0020】
強制的に同時に回転運動と並進運動を行う場合、または収納トレイ4の引き出し方向Aでの直線運動のみを防止する場合、図2に示すように、支持板3及び収納トレイ4の支持面31、42に対向して、転動要素6が案内され少なくとも大部分が閉じた、全周に延びた溝32、44を有する。この場合、転動要素6としてボールが特に使用される。
【0021】
図1乃至図3に示すように、支持板3は、ベース板ホルダ5として構成されたアダプタによってベース板2に取り外し可能に取り付けられている。ベース板ホルダ5は、従来の方法で家具11又は家庭用器具12の枠組み13、14に取り付けられているが、ここでは詳細には示されていない。
収納棚1の代替の変形例においてベース板2も省略できるように、支持板3自体をそのようなアダプタに固定することも考えられる。
【0022】
支持板3及び収納トレイ4の支持面31、42と互いに対向する転動要素用の溝32、44の構成について、ドイツ公開公報102017106170号が明示的に参照され、転動要素用の溝が走行用の溝として指定されている。
【0023】
転動要素用の溝32、44は、収納トレイ4の回転及び並進運動が同時に積極的に案内されるようにに配置され、2つの部分的に重なり合う内側の転動要素用の溝44が、収納トレイ4の支持面42に導入され、同様に部分的に重なり合う2つの外側の転動要素用の溝44が、収納トレイ4の支持面42に挿入される。これらの全ての転動要素用の溝44は、全周が閉じた転動要素用の溝として構成されている。
【0024】
支持板3の支持面31はまた、内側の及び外側の転動要素用の溝32を有する。支持板3の内側の転動要素用の溝は、全周が閉じた転動要素用の溝として構成される。外側の転動要素用の溝は、収納棚1の前側に向かって開いている。
転動要素6は、転動要素用のケージ9に取り付けられる。ここに示された実施形態の変形例において、転動要素用のケージ9は、円形リングから半径方向外側に延びる4つのアームを備えた円形リングの形態で構成され、さらに夫々の転動要素6が自由端の各々に収容されている。
【0025】
転動要素用の溝32、44は以下のように形作られる。図1及び図3に示すように、収納トレイ4に水平方向に力が加えられると、収納トレイ4は支持板3に対して初期位置からローディング及びアンローディング位置に移動され、収納トレイ4は、90°または180°回転するだけでなく、引き出し方向Aに対して所定の距離だけ変位して、ローディング及びアンローディングを容易にする。
【0026】
ローディング及びアンローディング位置から初期位置に戻る動作は、閉じ方向、即ち引き出し方向Aと反対側の水平方向の力を加えることによって同じように簡単に実行され、収納トレイ4は最初の回転方向を維持しながら、または回転方向を逆にすることによって、さらに閉じ位置に移動する。
【0027】
収納トレイ4の回転および並進運動を同時に行うために、収納トレイ4の前面を中心とせず、前面の中心から離して水平方向に収納トレイ4に力を加えて、支持板3に直交した軸の周りに収納トレイ4にトルクを加える必要がある。
【0028】
中心に力を加えた際に転動要素6が転動要素用の溝32、44から浮き上がるのを防ぐために、支持板3及び収納トレイ4の支持面31、42は、夫々他の支持面42、31に面する各成形要素を有し、これにより、引き出し位置からローディング及びアンローディング位置に向かって、支持板3に対する収納トレイ4の少なくとも比例した回転運動が強制される。
【0029】
例えば、図2に明瞭に見られるように、ピン45の形で支持面42から突出する成形要素があり、これらは、カム34の形態の成形要素の引き出し方向Aの後ろで、収納トレイ4の初期位置に配置され、図1及び図3に見られるように、支持板3の支持面31から突出している。例として4つのピン45がある。この例示的な実施形態では、ピン45は、収納トレイ4の4つの縁領域に配置されている。
【0030】
カム34は、ベース板ホルダ5に接続された後縁近くの支持板3の角部領域に配置され、特に形成されている。
カム34は、2つの脚部を備えて構成されるのが好ましく、例えば図4乃至図7に示すように、第1のカム脚部341は、第1の支持面31の平面内で、第2のカム脚部342に対して或る角度、特に鈍角で配向される。カム34が湾曲され、特に円弧の形に成形されていることも考えられる。
【0031】
支持板3の右後縁及び左後縁にある第2のカム脚部342は、互いに位置合わせされて、図3に示すように、収納トレイ4から突き出ているピン45は、引き出し方向Aへの純粋な並進運動を妨げる。
一方、図4乃至図7に示すように、同時の回転と並進も可能である。図4図5は、収納トレイ4が左に1°回転した状態でのカム34に対する後部ピン45の位置の詳細を示す。
【0032】
図4に示すように、収納トレイ4の左後隅のピン45(図3に示すように)は、第1のカム脚部341の後ろの位置から第2のカム脚部342の側の位置に移動される。
ピン45が支持板3の支持面31に載るのを防ぐために、支持板3の支持面31は、追加のガイド溝33を有し、これは、収納トレイ4の支持面42上のピン45の配置に従って、支持板3の支持面31に埋め込まれている。
【0033】
図5はまた、支持板3の後部右隅の位置を使用して、支持板3に対して左に1°回転した収納トレイ4の位置を示しており、ピン45は、第1のカム脚部341に沿ってさらに左に移動することができる。
図6及び図7は、図4及び図5に対応しており、収納トレイ4が支持板3に対して2°回転した状態である。
【0034】
収納トレイ4の左後隅のピン45は、第2のカム脚部342に沿ってその自由端に向かって移動し、一方、収納トレイ4の後部右隅のピン45は、後部右カム34の第1のカム脚部341の自由端に向かってさらに移動した。
図2及び図3に示すように、収納トレイ4の前縁はまた、収納トレイ4の前縁はまた、収納トレイ4の初期位置で、前部角部の領域のガイド溝33内に突出するピン45を備えている。
【0035】
これらのガイド溝33はまた、ガイド溝33の横方向の縁に対して前部ピン45を突き合わせることによって、引き出し方向Aへの純粋な並進運動が防止されるように形作られている。
収納トレイ4が、収納トレイ4の収納トレイ表面41に平行な傾斜軸を中心に傾斜するのを防ぐため、傾斜防止要素7は、支持板3上、好ましくは支持板3の後側縁の中央に配置される。傾斜防止要素7は、それが収納トレイ4の上端と重なるように形作られている。
【0036】
図1乃至図3に示すように、収納トレイ4との支持板3の軸方向の固定は、固定装置8によって行われる。
この固定装置8は本質的に、引き出し方向Aに延びる支持板3のスロット35を通って突出するねじからなり、該ねじは、支持面31から離れた支持板3の下側にスライドリングとナットで固定され、キャップによって、収納トレイ4の支持面42から離れた収納トレイ表面41に固定され、該キャップは固定装置8のねじが通って延びる締結受け入れ部47を覆う。
【0037】
図1乃至図3に更に示すように、支持板3及び収納トレイ4の支持面31、42は夫々、他の支持面42、31に対向するラッチ要素を有し、少なくとも支持板3の初期位置において、収納トレイ4にて互いに係合する。
ここで示す実施形態の変形例にて、これらのラッチ要素は、球形のキャップ36及びビーズ46として構成されており、図8をA-Aで示す断面で破断した図9に特に示すように、球形のキャップ36が支持板3の支持面31から収納トレイ4の支持面42の方向に突出し、ビーズ46は収納トレイ4の支持面42に埋め込まれている。
【0038】
逆に、凹んだビーズはまた、支持板3の支持面31上に形成され得、そして収納トレイ4の支持面42上に球形のキャップを隆起する。
ラッチ要素として、ここに示される球形のキャップ36及びビーズ46の代わりに、また、支持板3及び/又は収納トレイ4の支持面31、42に、磁気クローザ、ばねボルト、ばね式ボール、またはばね式突起を配置することも考えられる。
【0039】
ビーズに代えて、嵌合要素は、嵌合要素が所定の位置にスナップする突起、または凹みであってもよい。
この例示的な実施形態にて、ラッチ要素は外側から見えないように、収納トレイ4の収納領域42、31と支持板3との間に配置される。従って、ラッチ要素は汚染や損傷から最適に保護される。
【0040】
ラッチ要素は、収納トレイ4が支持板3に対して自動的に飛び出るのを防ぐのに役立ち、この飛び出しは、収納トレイ4が支持板3に対して正確に水平に位置合わせされていない場合に発生する可能性がある。転動要素用の溝の曲線形状を適合させることも考えられる。
図1乃至図3に更に示すように、ラッチ要素は、少なくとも支持板3の初期位置で、それらが収納トレイ4で互いに係合するように配置されており、ラッチ要素は収納トレイ4が180°回転したときでさえ、係合する。
【0041】
更に、本発明に従って、収納トレイ4が支持板3に対して任意に予め定められた開口位置、特に90°の開き角度に固定されるようにラッチ要素を配置して、収納トレイ4の有利なローディング及びアンローディングを可能にすることができる。
【0042】
図10乃至図13は、他の実施形態の変形例を示し、球形キャップ36は、支持板3の受け入れ開口部38にクリップで留めることができる別個の構成要素である。この目的から、球形キャップには延びた脚部があり、図10に示すように球形キャップの頭部が支持面31から突出しているのに加えて、図11に示すように、フックのような端部が球形キャップの頭部の後ろから突出している。
これにより、球形キャップ36を支持面31から支持板3の受け入れ開口部38に挿入することができ、図12に示すように、フック状の端部が下側から受け入れ開口部38の縁の後ろをつかむ。
【0043】
図12及び図13に示すように、収納トレイ4上に一体に成形されたビーズ46の隆起した縁部は収納トレイ4の引き出し方向Aにおいて、締結受け入れ部47に向かって傾斜路のように傾斜し、球形キャップ36のビーズへの貫通を容易にする。
上記のように、他の領域、例えば、自動車の小物入れ又はトランク、倉庫、またはスーパーマーケットのディスプレイなどのキャビネットに、収納トレイ装置を統合することも考えられる。
【符号の説明】
【0044】
1 収納棚
2 ベース板
3 支持板
31 支持面
32 転動要素用の溝
33 ガイド溝
34 カム
341 カム脚部
342 カム脚部
35 スロット
36 球形キャップ
37 下側
38 受け入れ開口部
4 収納トレイ
41 収納トレイの表面
42 支持面
44 転動要素用の溝
46 ピン
47 締結受け入れ部
48 傾斜
5 ベース板ホルダ
6 転動要素
7 傾斜防止要素
8 固定装置
9 転動要素用のケージ
11 家具
12 家庭用器具
13 枠組み
14 枠組み
A 引き出し方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15