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特許7309761複数の信号を処理するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】複数の信号を処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
A61B5/00 G ZDM
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020572618
(86)(22)【出願日】2019-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2019056340
(87)【国際公開番号】W WO2019175277
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】18305278.6
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520352506
【氏名又は名称】クロノライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【弁理士】
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】シエム キム
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム シュネグロス
(72)【発明者】
【氏名】クレール マリン
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0015470(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0174903(US,A1)
【文献】特開2017-094188(JP,A)
【文献】国際公開第2017/220526(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/0538
A61B 5/06 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサによって、好適には少なくとも2つのセンサによって、生成された少なくとも2つの信号を処理するための方法であって、前記方法は、
(i)センサから少なくとも2つの信号を受信するステップであって、前記少なくとも2つの信号のうちの少なくとも1つが時間的信号である、ステップと、
(ii)前記受信された時間的信号が非同期信号でない場合、前記受信された時間的信号を前記時間的信号のイベントを含む非同期時間的信号に変換するステップであって、前記イベントは前記時間的信号の各変更を表す、ステップと、
(iii)(i)で受信された、および/または(ii)で変換された、1つのセンサから受信された前記非同期信号のそれぞれを分析し、前記分析された非同期信号のアクティビティプロファイルを提供するステップであって、前記アクティビティプロファイルは、所与の第1の時間に、前記非同期信号の連続するイベントのうちの最新のイベントから経過した時間(t)の関数として変更するアクティビティ値を少なくとも含む、ステップと、
(iv)所与の第1の時間において、
a.第1の時間的コンテキスト(tTC)を決定するステップであって、該第1の時間的コンテキストは前記非同期信号の前記所与の第1の時間におけるアクティビティプロファイルのセットとして定義される、ステップと、
b.ステップ(a)で決定された前記第1の時間的コンテキストを、少なくとも2つの所定の基準時間的コンテキストの中から選択された少なくとも1つの時間的基準コンテキストと関連付けることによって第1のメタイベント(tME)識別するステップと、
c.ステップ(b)で識別され、前記少なくとも2つの信号から生じる異なる第1のメタイベント間の相関度を決定することによって第1のメタコンテキスト(t refMC)を決定するステップと、
d.ステップ(c)で決定された前記メタコンテキストを、少なくとも2つの所定の基準メタコンテキストから選択された少なくとも1つの基準メタコンテキストと関連付けることによって第1の基準メタコンテキストを識別するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
ステップ(iii)は、
(i)で受信され、および/またjは、(ii)で変換された、1つのセンサから受信された前記非同期信号のそれぞれを分析するステップと、
前記分析された非同期信号またはセンサのアクティビティプロファイルを提供するステップであって、該アクティビティプロファイルは、前記非同期信号の連続するイベントのうちの最新のイベントから経過した時間(t)の関数として減少するアクティビティ値を少なくとも含む、ステップと、
からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
センサから受信された前記信号の全てが、時間的信号である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記受信された時間的信号の全てが非同期信号であり、ステップ(ii)が存在しない、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)において決定された基準メタコンテキストが、個人の特定の生理学的状態に相関され得る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記受信された信号のうちの少なくとも2つが、異なるスケール、測定単位または測定のシステムである、および/または、異なるセンサタイプから発生している、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記受信された信号が、心電図(ECG)、脳波(EEG)、呼吸、血圧、体温、個人の身体活動などを表す信号からなる群から選択される、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、少なくとも2つの時間的信号を含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、少なくとも3つの時間的信号を含む、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
(i)所与の時間t+nにおいて、
a’.時間的コンテキスト(t+n TC)を決定するステップであって、該コンテキストは、前記非同期信号b’の前記所与の時間t+nにおけるアクティビティプロファイルのセットとして定義される、ステップと、
b’.ステップ(a’)で決定された前記時間的コンテキストの各々を、少なくとも2つの事前定義された基準時間的コンテキストc’の中から選択された少なくとも1つの時間的基準コンテキストと関連づけることによって、メタイベント(t+n ME)を識別するステップと、
c’.ステップ(b’)で識別され、前記少なくとも2つの信号から生じる前記異なるメタイベント間の相関度を決定することによって、メタコンテキスト(t+n MC)を決定するステップと、
d’.ステップ(c’)で決定された前記メタコンテキストと、少なくとも2つの所定の基準メタコンテキストから選択された少なくとも1つの基準メタコンテキストとの関連付けによって、基準メタコンテキスト(t+n refMC)を識別するステップと、
のステップをさらに含む、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
t=t+n(n=0)である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
tがt+nとは異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記基準時間的コンテキストまたは/および基準メタコンテキストは、イベント信号に関連付けられ、基準コンテキストが識別されると、この基準コンテキストに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、経時的に変化し、好適には減少する、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は再帰的である、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記予測は、t1+Δtにおいて識別され得る第2の基準コンテキストを含み、ここで、Δtは、事前定義された持続時間である、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記予測は、確率値に関連付けられる、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記予測は、警告に関連する、請求項15または16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人の生理学的データ(例えば、ヘルスケアシステム)または環境の一般的なステートメント、所定の空間(例えば、部屋、機械、建物)またはオブジェクト(例えば、スマートホームシステム、環境監視システム、防火システムなど)を識別および/または監視するために処理する信号処理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで、複数のおよび/または様々なセンサを使用して、個人またはオブジェクト上で、またはその近傍で、複数の信号を取得することが可能である。例えば、これらのセンサを用いて、心電図(ECG)、脳波(EEG)、呼吸、血圧、代謝物の存在、温度、個々の身体活動などを表す信号を得ることができる。同様に、これらのセンサのいくつかは、室温、湿度測定、pH、重金属検出、湿度、空気圧、空気品質、周囲光などを表す信号を得ることを可能にする。
【0003】
一例によれば、これらのセンサによって送達される信号をモニタリングすることによって、障害を受ける可能性のある個々の特定の生理学的状態を判定することが可能になる。例えば、個体が発作を有している場合、特定の信号特徴が、心電図(ECG)または呼吸に対応する信号上に現れる。別の例によれば、煙検出器および温度センサによって所定の空間(例えば、部屋)から送出される信号をモニタリングすることによって、火災の発生を防止することができる。
【0004】
米国特許第9339195号は、発作症状が検出される方法を開示している。この方法では、センサ部が複数のセンサから複数の孤立した信号を受信し、特徴検出部は発作症状に関連する前記複数の孤立した信号内の複数の孤立した所定の特徴を検出する。この文献の解決策は発作症状の検出に限定され、大量の計算能力を必要とし、孤立した独立した信号の処理に限定される。この既存の技術は、各種分離された信号を相関させず、したがって、発作状態の検出においてより高い偽陽性率に関連する。したがって、入力信号における任意の修正の発生および/または共起を検出することが可能になるようにそれらを組み合わせることによって、それぞれが異なるスケール、ユニット、または測定のシステムであり得る、複数の独立した信号を処理することができる方法が必要とされている。したがって、得られた組み合わされた処理済みデータは、より正確な高レベル情報を提供し、個人または環境の進化を予測し、識別し、または監視し、劣化の場合にリアルタイムで警告することを可能にする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、センサによって、好適には少なくとも2つのセンサによって生成される少なくとも2つの信号を処理する方法に関し、この方法は、
(i)前記少なくとも2つの信号をセンサから受信するステップであって、前記少なくとも2つの信号のうちの少なくとも1つが時間的な信号である、ステップと、
(ii)前記受信された時間的信号が非同期信号ではない場合、前記受信した時間的信号を、当該時間的信号のイベントからなる非同期時間的信号に変換するステップであって、前記イベントは前記時間的信号の各変化を表す、ステップと、
(iii)(i)で受信された、および/または(ii)で変換された、1つのセンサから受信された前記非同期信号のそれぞれを分析し、前記分析された非同期信号のアクティビティプロファイルを提供するステップであって、該アクティビティプロファイルは、前記非同期信号の連続するイベントのうちの最新のイベントから経過した時間(t)の関数として変化するアクティビティ値を少なくとも含む、ステップと、
(iv)所与の時間tにおいて、
a.前記時間的コンテキスト(t TC)を決定するステップであって、前記時間的コンテキストは前記非同期信号のそれぞれの前記所与の時間tにおけるアクティビティプロファイルのセットとして定義される、ステップと、
b.ステップ(a)で決定された前記時間的コンテキストを、少なくとも2つの所定の基準時間的コンテキストの中から選択された少なくとも1つの時間的基準コンテキストと関連付けることによってメタイベント(t ME)を識別するステップと、
c.ステップ(b)で識別された異なるメタイベント間の相関度を決定することによってメタコンテキスト(t MC)を決定するステップと、
d.ステップ(c)で決定された前記メタコンテキストを、少なくとも2つの所定の基準メタコンテキストから選択された少なくとも1つの基準メタコンテキストと関連付けることによって基準メタコンテキスト(refMC)を識別するステップと、
を含む。
【0006】
好ましい実施形態によれば、ステップ(iii)は、(i)で受信され、および/または(ii)で変換された、1つのセンサから受信された前記非同期信号のそれぞれを分析することと、前記分析された非同期信号またはセンサのアクティビティプロファイルを提供することとからなり、アクティビティプロファイルは、前記非同期信号の連続するイベントのうちの最も近いのイベントから経過した時間(t)の関数として減少するアクティビティ値を少なくとも含む。
【0007】
特別な実施形態によれば、アクティビティプロファイルの前記設定は、時間および/または空間における最も近いイベントのアクティビティプロファイルを含む。
【0008】
特別な実施形態によれば、センサからの受信信号は全て時間的信号である。
【0009】
特別な実施形態によれば、受信された時間的信号は全て非同期信号である。
【0010】
特別な実施例によれば、全ての受信された時間的信号は非同期信号であり、ステップ(ii)は存在しない。
【0011】
以下の用語または定義は、本発明の理解を助けるためにのみ提供される。これらの定義は、当技術分野を理解しない範囲で通常の技能を有すると解釈されるべきではない。
【0012】
「イベント」は、遷移状態を超える刺激によってトリガされる発生を示す。
【0013】
「イベント信号」は、イベントのシーケンスのみからなる任意の非同期信号を示し、「非同期信号」は、一連の非同期イベント(「イベント信号」と呼ばれる)によって特徴付けられる時間的信号からなる。より具体的には、それは値が非周期的に調整または更新される、すなわち、2つの値調整の間の時間が変化し得る、任意の時間的信号を指定する。
【0014】
これらの用語は全て、当該技術分野において周知である。
【0015】
「非同期信号」、「イベント信号」、「非同期イベントの配列に変換された時間的信号」は、すべて「イベントベース信号」である。
【0016】
ステップ(ii)は任意選択であり、受信された時間的信号が非同期信号ではない方法の実施形態に関する。ステップ(ii)は、受信した時間的信号を、それらが発生したときのセンサによる信号捕捉の変化を表す非同期イベント(「イベント信号」と呼ばれる)の配列に変換することからなる。本方法の以下のステップは、時間的信号から得られた非同期信号を用いてイベントが受信されるときに、アクティビティプロファイルを使用して前記イベント信号を分析することを含む。
【0017】
アクティビティプロファイルは、各センサまたは各非同期信号(前記非同期信号が(i)においてセンサから直接受信され、および/または(ii)において変換される)について、前記センサからの連続するイベントのうちの最新のイベントから経過した時間の関数として変化するアクティビティ値を少なくとも含む。好ましい実施形態によれば、アクティビティプロファイルは、各センサについて、または各非同期信号について、少なくとも、前記センサからの連続するイベントのうちの最も近いイベントから経過した時間の関数として減少するアクティビティ値を含む。
【0018】
したがって、センサまたは非同期信号の「アクティビティプロファイル」は、値が少なくとも、このセンサまたはこの非同期信号について受信された最後のイベントの時間を表す時間の関数としての曲線として見ることができる。アクティビティプロファイルの形態は、センサによって取得された信号における特定の基本パターンの存在を示すことが観察されている。
【0019】
「イベント信号」は、所与のセンサから来るイベントのセット、または特定のイベントのサブセット(間隔サブセット:ある時間サブセットに限定され、所与の期間に限定される)とすることができる。
【0020】
特別な実施形態によれば、アクティビティプロファイルのアクティビティ値は1つのセンサから生成された連続するイベントのうち、最も近いイベントから経過した時間の関数として指数関数的に変化する。
【0021】
好ましい実施形態によれば、アクティビティプロファイルのアクティビティ値は、1つのセンサから生成された連続するイベントのうち、最も近いイベントから経過した時間の関数として指数関数的に減少する。
【0022】
特定の実施形態では、アクティビティプロファイルが、各センサまたは各非同期信号について、前記センサからの連続するイベントのうちの最も近いイベントの前のイベントから経過した時間の関数として、変化する、好適には減少するアクティビティ値を少なくとも含む。
【0023】
本発明によれば、ステップ(c)で決定された基準メタコンテキストは、個々の特定の生理学的状態、例えば臨床状態または医学的状態に相関させることができる。あるいは、基準メタコンテキストが環境、所定の空間、またはオブジェクトの特定のステートメントに相関させることができる。
【0024】
1つの特別な実施形態によれば、少なくとも2つの信号は、ステップ(i)において、前記信号を伝達するための発信器/受信機を有する通信インタフェースを介して受信される。特別な実施形態によれば、前記通信インタフェースは、有線または無線リンクを介して動作する。
【0025】
イベントベースの信号の使用は、より限定された情報のセットに対して関連付け/相関ステップを実行することを可能にする。これにより、センサによって生成されたより多くの信号を処理することができる。
【0026】
好ましい実施形態によれば、ステップbまたは/およびdにおける関連付けは、当技術分野の方法に従って実行される。1つの特別な実施形態によれば、前記関連付けは、所定の基準コンテキストのグループに属する、考慮されるコンテキスト(時間的および/またはメタコンテキスト)と、対応する基準コンテキスト(すなわち、参照時間的コンテキストおよび/または参照メタコンテキスト)との間の距離を計算することによって行われ、前記距離は最小距離である。
【0027】
別の実施形態によれば、前記関連付けステップは、スパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)、多層パーセプトロン(MLP)、または自動エンコーダ(AE)などの機械学習の分野からの方法によって行われる。スパイキング・ニューラル・ネットワークは、これらのネットワークが検出しきい値に達したときに同定された基準コンテキストを出力するので、連続的な同定のために使用されることが好ましい。
【0028】
1つの特別な実施形態によれば、同じ信号に対して、複数の検出が実行される。検出される各所定の特徴は、それ自体のイベント信号を有する。これは、時間的信号内で区分を実行することを可能にし、基準コンテキストの同定の精度を改善する。
【0029】
好ましい実施形態によれば、前記受信信号のうちの少なくとも2つは測定の異なるスケール、ユニット、または装置であり、および/または異なるセンサタイプに由来する。
【0030】
好ましい実施形態によれば、前記受信信号は、心電図(ECG)、脳波(EEG)、呼吸、血圧、体温、個々の身体活動などを表す信号からなる群から選択される。
【0031】
あるいは、前記受信信号が、室温、湿度測定、pH、重金属検出、湿度、空気圧、空気品質、周囲光などを表す信号からなる群から選択される。
【0032】
好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、少なくとも2つの時間的信号、好適には少なくとも3つの時間的信号、イベント、より好適には少なくとも5つの時間的信号を含む。
【0033】
特別な実施形態によれば、基準コンテキスト(すなわち、参照時間的コンテキストおよび/または参照メタコンテキスト)は、イベント信号に関連付けられ、基準コンテキストが識別されると、この基準コンテキストに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、時間とともに変化し、好適には減少する。特別な実施形態によれば、各基準コンテキストは、イベント信号に関連付けられ、基準コンテキストが識別されると、この基準コンテキストに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、時間とともに変化し、好適には減少する。
【0034】
注意すべきことであるが、基準信号に関連するイベント信号と、本出願において言及される所定の信号特徴に関連するイベント信号は類似の特性を有する。例えば、基準コンテキストに関連するイベント信号が調整される値、およびそのようなイベント信号の変化量の持続時間、好適には減少は、両方とも、基準コンテキストが表すものに従って当業者によって調整され得る。
【0035】
本発明による基準コンテキストに関連するイベント信号の使用は、さらなる処理を容易にする方法で基準コンテキストの各検出を追跡することを可能にする。
【0036】
別の特別な実施形態によれば、本発明の方法は、
(v)ある時間t+nで、
a’.時間的コンテキスト(t+n TC)の決定であって、前記コンテキストは、前記非同期信号b’の前記所与の時間t+nにおけるアクティビティプロファイルのセットとして定義するステップと、
b’.ステップ(a’)で決定された前記時間的コンテキストの各々を、少なくとも2つの事前定義された基準時間的コンテキストc’の中から選択された少なくとも1つの時間的基準コンテキストと関連づけることによって、メタイベント(t+n ME)を識別するステップと、
c’.ステップ(b’)で識別され、前記少なくとも2つの信号d’から生じる異なるメタイベント間の相関度を決定することによって、メタコンテキスト(t+n MC)を決定するステップと、
d’.ステップ(c’)で決定された前記メタコンテキストと、少なくとも2つの所定の基準メタコンテキストから選択された少なくとも1つの基準メタコンテキストとの関連付けによって、基準メタコンテキスト(t+n refMC)を識別するステップと、
のステップをさらに含む。特別な実施形態によれば、t=t+n(n=0)である。別の特別な実施形態によれば、tはt+nとは異なる。特別な実施形態によれば、nは≧1である。
【0037】
特別な実施形態によれば、基準コンテキスト(すなわち、参照時間的コンテキストおよび/または参照メタコンテキスト)は、イベント信号に関連付けられ、基準コンテキストが識別されると、この基準コンテキストに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、時間とともに変化し、好適には減少する。特別な実施形態によれば、各参考コンテキストは、イベント信号に関連付けられ、参考コンテキストが識別されると、この参考コンテキストに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、時間とともに変化し、好適には減少する。
【0038】
一実施形態によれば、ステップ(d’)で識別された各基準メタコンテキストは、イベント信号に関連付けられ、ステップ(d’)で基準メタコンテキストが識別されると、この基準メタコンテキストに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、時間とともに変化し、好適には減少する。
【0039】
本発明の方法は、再帰的であってもよい。後続のメタコンテキストは、1つまたは複数の後続の基準メタコンテキストに基づいて、1つまたは複数のイベント信号から推定することができる。
【0040】
メタコンテキストに基づく分類は、基準コンテキストを識別する必要な分類が実行された場合にのみ実行されてもよいことに留意されたい。当業者は、各区分をいつ実施すべきかを決定することができる。
【0041】
一実施形態によれば、第1の基準メタコンテキストまたは第2の基準メタコンテキストの同定には、第3の所与の時間における少なくとも1つの補助コンテキストの同定が先行し、この方法は、第3の所与の時間および所与の時間または第2の所与の時間を含む期間の基準シグネチャを同定するために、基準メタコンテキストおよび第3の基準メタコンテキストの分類ステップをさらに備える。
【0042】
この実施形態は、識別された異なる基準メタコンテキストを使用して、第3の所与の時間および第1の所与の時間または第2の所与の時間を含むこの期間上でのみ可視である状態を識別することを可能にする。
【0043】
当業者は、シグネチャを識別するためにどの分類方法を使用すべきかを知っている。
【0044】
一実施形態によれば、基準シグネチャは、イベント信号に関連付けられ、基準シグネチャが識別されると、この基準シグネチャに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、経時的に変化し、好適には減少する。
【0045】
言い換えれば、基準コンテキストと同様の方法で、シグネチャがイベント信号に関連付けられる。シグネチャが識別された後に決定され得るコンテキストに対して、例えば分類目的のために、これらのイベント信号を使用することが可能である。
【0046】
一実施形態によれば、メタコンテキストは、インジケータまたは受信データの値も含むものとして決定される。
【0047】
このインジケータはまた、当業者によってフラグ、例えば、何かを示すためにゼロまたは1に設定され得るバイナリ値として指定され得る。
【0048】
例として、利用者はこのインジケータを「1」(または「0」)に設定して、センサによって観察できない可能性がある特定の状態を示すことができ、このインジケータは、(第2の)コンテキストの一部であるため、分類ステップで考慮される。
【0049】
あるいは、受信したデータを用いてもよい。このデータはセンサを使用して取得されない、またはインジケータによって定義されない任意の追加情報であってもよい。
【0050】
一実施形態によれば、基準メタコンテキストまたは第2の基準メタコンテキストまたはシグネチャを識別するために分類を実行することは、将来の所与の時間に将来の基準メタコンテキストまたはシグネチャ(分類がシグネチャを提供する場合)を識別することをさらに含む。
【0051】
言い換えれば、将来の状態に関する予測の定義に寄与するメタコンテキストeを識別する分類(図3A参照)。
【0052】
一実施形態によれば、この方法は、この将来の参照メタコンテキストに関連付けられた確率値を配信することを含む。例えば、この確率値は、この将来の参照メタコンテキストまたはシグネチャに到達する確率を示す。
【0053】
一実施形態によれば、この方法は、識別された基準メタコンテキストおよび/または識別された基準シグネチャを考慮に入れてさらなるアクションを実行することをさらに含む。
【0054】
例として、この動作は、アラームをトリガすること、メッセージを送信すること、または閉ループ装置(シリンジポンプなど)を動作させることであってもよい。一実施形態によれば、少なくとも1つの時間的信号は、個々について取得され、個々の生理学的データに関連する。
【0055】
本発明はさらに、信号を処理するための装置に関し、前記装置は信号を生成することができる1つまたは複数のセンサを含み、前記信号のうちの少なくとも1つは、時間的信号であり、本発明の方法を実施する処理ユニットである。
【0056】
1つの特別な実施形態によれば、1つ以上のセンサは、個人が着用するように構成されたアイテム上に配置される。
【0057】
この実施形態において、1つ以上のセンサは、個々の生理学的データを取得する。
【0058】
例として、このアイテムは、シャツまたはTシャツのような衣服であってもよい。
【0059】
一例として、このアイテムは、個々の身体上に配置された電子パッチであってもよい。
【0060】
本発明の方法は、別個の装置のプロセッサによって実施することができる。この別個の装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット等であってもよい。センサと別個の装置との間の通信は有線(例えば、USB:Universal Serial Busを介して)であってもよいし、無線(例えば、Bluetooth(登録商標)を介して)であってもよい。
【0061】
特定の一実施形態では、上記で定義したステップがコンピュータプログラム命令によって決定される。
【0062】
したがって、本発明はこのプログラムがコンピュータによって実行されるとき、上述の方法のステップを実行するためのコンピュータプログラムにも向けられる。
【0063】
本発明はさらに、既存の装置にインストールされ、上述の方法の全部または一部を実施するコンピュータプログラムに関する。
【0064】
本発明はさらに、本発明の方法を実施するための命令を含むコンピュータプログラムが、このプログラムがプロセッサによって実行されるときに格納される非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【0065】
このプログラムは任意のプログラミング言語(例えば、オブジェクト指向言語または他のもの)を使用することができ、また、解釈可能なソースコード、オブジェクトコード、またはソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コード、例えば、部分的にコンパイルされた形態、完全にコンパイルされたコード、または他の任意の望ましい形態の形で使用することができる。
【0066】
情報媒体は、プログラムを記憶することが可能な任意のエンティティまたは装置とすることができる。例えば、媒体は、ROM、例えばCD ROMまたはマイクロ平均回路ROMのような記憶手段、または磁気記憶装置、例えばディスケット(フロッピー(登録商標)ディスク)または固定ディスクを含むことができる。
【0067】
あるいは、情報媒体は、プログラムが組み込まれた集積回路であってもよく、回路は当該方法を実行するように、またはその実行に使用されるように適合される。
【0068】
この実施形態では、装置が、方法の実施を可能にする命令、受信されたイベントのストリームに関するデータ、および上述のような方法の様々なステップを実行するための一時データを記憶するためのメモリを備えるコンピュータを備える。
【0069】
コンピュータは、回路をさらに備える。
【0070】
この回路は、例えば、コンピュータプログラムまたは本発明の方法のステップがケイ素またはFPGAチップ(Field-Programmable Gate Array)などのプログラマブル電子チップに記載されている電子カード、の形態で命令を解釈することができるプロセッサ、であり得る。このコンピュータは、センサからの信号を受信するための入力インタフェースを備えている。
【0071】
最後に、コンピュータは利用者、スクリーニングおよびキーボードとの容易な対話を可能にするために、含むことができる。もちろん、キーボードは特に、例えばタッチセンシティブタブレットの形態を有するコンピュータのフレームワークにおいては、オプションである。
【図面の簡単な説明】
【0072】
以下、添付の図面を参照して、本開示をどのように実施することができるかを例として説明する。
図1図1は例による生理学的データを処理するための方法のステップの概略図である。
図2図2は第2のコンテキストが決定される方法のステップの概略図である。
図3A図3Aおよび図3Bは第2のコンテキストが決定される方法のステップの概略図である。
図3B図3Aおよび図3Bは第2のコンテキストが決定される方法のステップの概略図である。
図4図4は例による装置の概略図である。
図5図5は衣類アイテムを備える装置の概略図である。
図6図6は代替の衣類アイテムを備える装置の概略図である。
図7図7は、ECG、呼吸信号、酸素濃度計信号、およびEEGの融合を使用する睡眠時無呼吸検出の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1は、個々の生理学的データを処理するための方法のステップを示す。
しかしながら、本発明は、個々の生理学的データを処理することに限定されず、オブジェクト、部屋、または建物に関する信号にも適用することができる。
【0074】
第1のステップS10において、生理学的データを収集するステップが実行される。このステップは通信インタフェースを介して(例えば、有線または無線インタフェースを介して)生理学的データを受信することによって実行されてもよい。言い換えれば、本方法は、個人に対して遠隔で実行することができる。
【0075】
この例では、生理学的データが第1の時間的信号と、第2の時間的信号と、値「1」を有するインジケータまたはフラグとを含む。
【0076】
時間的信号は個人で取得されたものであってもよく、アナログタイプの電気信号(すなわち、連続信号)またはデジタル信号(すなわち、サンプリングされた信号)であってもよい。例として、第1の感知された信号はECG信号であってもよく、第2の感知された信号は個々の呼吸を監視するセンサの出力であってもよい。本出願では、時間的信号が時間と共に変化する値を有する信号であることに留意されたい。
【0077】
値「1」を有するインジケータは例えば、個々の特定の状態を示すインジケータであってもよい。例えば、インジケータは、個体が特定の手術を受けたこと、または個体が薬物を服用したことを示し得る。また、例えば、このような指標は、ステップS10で受け取った利用者の指令を介して獲得されてもよい。
【0078】
ステップS10は、時間的信号に対して新しいサンプルが取得されたときに、これらの新しいサンプルが収集される、連続的なやり方で、または準連続的なやり方で実行されてもよいことに留意されたい。
【0079】
検出ステップS21、S22、およびS23は、時間的信号およびインジケータが一旦収集されると、または、時間的信号の収集に沿って連続的に実行される。
【0080】
ステップS21において、「A」で指定された所定の信号特徴が第1の時間的信号で検出される。特徴「A」は例えば、所定値に達する第1の時間的信号であってもよい。
【0081】
特徴「A」の各検出の後には調整ステップ(ステップS31)が続き、ここではイベント信号A(t)と呼ばれる特徴「A」に関連する時間信号が値(例えば1)に調整される。図に見られるように、特徴「A」は示される時間の部分で2回検出される。イベント信号A(t)が、続いて、同じ値で2回調整され、A(t)は、所定の傾斜面で時間と共に線形的に減少する。この傾斜面は特徴「A」が関連する期間を示すために選択される。
【0082】
ステップS22では、「B」で指定された所定の信号特徴が第1の時間的信号で検出される。特徴「B」が例えば、第1の時間的信号におけるピークの幅であってもよい。
【0083】
特徴「B」の各検出はイベント信号B(t)と呼ばれる特徴「B」に関連する時間信号が値(例えば、1)に調整される調整ステップ(ステップS32)が続く。図に見られるように、特徴「B」は示される時間の部分において一度検出される。値(例えば、1)に調整された後、B(t)は所定の傾斜面で時間と共にリニアに減少する。図に見られるように、この傾斜面はイベント信号A(t)について示される傾斜面ほど急傾斜面ではない。したがって、特徴「B」はより長時間にわたり関連性を保つ個々に影響を及ぼす可能性がある。
【0084】
ステップS23において、「C」で指定された所定の信号特徴が第2の時間的信号で検出される。特徴「C」は例えば、所定値に達する第2の時間的信号であってもよい。
【0085】
特徴「C」の各検出に続いて、イベント信号C(t)と呼ばれる特徴「C」に関連する時間信号が値(例えば1)で調整される調整ステップ(ステップS33)が続き、図に見られるように、特徴「C」が示される時間の部分に1回検出される。ある値(例えば、1)に調整された後、C(t)は、所定の傾斜面でリニアに時間と共に減少する。
【0086】
所与の時点で、個人が特定の状態にあることを検出するために、イベント信号およびフラグを使用することが可能である。そのために、事前に調整されたすべてのイベント信号またはイベント信号の一部を使用することができる。
【0087】
さらに、所与の検出に対して、例えば、特定の検出に対してあまり重要でないイベント信号に1未満の係数を適用することによって、イベント信号をさらに調整することが可能である。例えば、検出のタイプごとに、イベント信号に適用される係数によって具現化されるイベント信号間の階層があってもよい。当業者は例えば、較正ステップ中に、これらの係数を決定することができる。
【0088】
ステップS40は、t0によって指定された所与の時間に実行される。例として、ステップS40は規則的な間隔で、例えば、毎分実行されてもよい。このステップでは、コンテキストCがt0における各イベント信号の値および「1」におけるフラグを含むものとして決定される。
C=(A(t0);B(t0);C(t0);“1”)
【0089】
この例では、Cは4つの成分を含むベクターである。
【0090】
次いで、このコンテキストは、基準コンテキストが識別される分類ステップS50において使用されることができる。この例では、基準コンテキストのグループが、例えば、較正ステップにおいて、事前に定義されている。各基準コンテキストは、個々の特定の状態に関連付けられてもよい。
【0091】
分類ステップS50は、距離算出(すなわち、コンテキストCとそれぞれの基準コンテキストとの間の距離)の手段で実行することができる。当業者は、どの数学的距離を使用すべきかを決定することができるかを決定することができる、または、スパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)、多層パーセプトロン(MLP)、またはオートエンコーダ(AE)などのマシンラーニングの分野からの方法によっても、決定することができる。
【0092】
次に、基準コンテキストを識別することができる。
【0093】
図2は、一例による、ECG信号である単一の感知信号300の処理を示す。この信号300は、当業者に周知の複数のQRS群(complex)を含む。信号に示された第1のQRS群は参照番号301で示されており、信号300の右側により詳細に示されている。
【0094】
図示の例では、所定の信号特徴が持続時間Tの特定の即時のに所定のレベルL1、L2、およびL3に到達する時間的信号に関する。
【0095】
これらの所定の特徴は、個々の種々の状態の同定を可能にすることが観察されている。これらの特徴が検出されるたびに、ピーク(他の形状の信号が使用されても時間)が信号302上に生成される。この信号302は、所定の特徴の検出を示す。
【0096】
信号302上では、増加する信号によって所定のレベルに達すると、正のピークが生成される。減少する信号によってあらかじめ定義されたレベルに達すると、負のピークが生成される。
【0097】
これらのピークの順序から、どの所定の特徴が検出されたかを知ることが可能である。
【0098】
したがって、対応する所定の特徴が検出されるたびに、対応するイベント信号F1、F2、F3、F4、およびF5をある値に調整することが可能である。各イベント信号F1~F5は、信号がある値に調整された直後に減少する。
【0099】
所与の時間t0において、コンテキストは、イベント信号F1~F5の全ての値を含むものとして決定される。
【0100】
コンテキスト304が取得される。図では、このコンテキスト304がレーダーチャートの形態で表されている。
【0101】
コンテキスト304を入力として用いて分類法を用いて基準コンテキストを識別することが可能である。例えば、コンテキスト304と基準コンテキストとの間の距離を分類に使用することができる。
【0102】
識別された基準コンテキストは、特に図に表された基準コンテキスト305A、305B、305Cを含む基準コンテキスト305のグループに属することができる(簡潔にするために他の基準コンテキストは表されていない)。基準コンテキスト305Bおよびコンテキスト304は、グラフィカルに近く、この基準コンテキストが識別されるべきである。
【0103】
識別された基準コンテキスト305B、またはこの基準コンテキストに対応する値は、さらなる分類を実行する分類器306に入力される。
【0104】
例えば、t0に先行し得る別の所与の時間t0’において、コンテキスト307を決定することが可能である。基準コンテキストのグループから別の基準コンテキストを識別することができる。この例では、基準コンテキスト308が識別される。
【0105】
基準コンテキスト308、または、この基準コンテキストに対応する値も、分類器306に入力される。
【0106】
例えば、分類器306は、それぞれが文字によって指定された5つの異なるシグネチャを検出することができる。
- N:正常状態、
- S:上室性期外収縮、
- V:心室性期外収縮、
- F:細動、および
- O:その他の分類されていないイベント。
【0107】
これらのシグネチャは、それぞれ、イベント信号に関連付けられ得る。また、基準コンテキストN:通常状態は生成されるデータの量を制限するために、第2のイベント信号に関連付けられないことが好ましい。
【0108】
好適には基準コンテキスト306はスパイキング・ニューラル・ネットワークを使用し、このスパイキング・ニューラル・ネットワークは所定の検出閾値に達した場合にのみシグネチャを出力することができる。
【0109】
図3Aは、第2のコンテキストが決定される該方法の例である。
【0110】
この図では、異なる時間的信号が示されている。これらのシグナルは、個体において獲得されている。第1の時間的信号201は、個々の呼吸を示し、第2の時間的信号202は個々のECGを示し、第3の時間的信号203は、利用者の温度を示す。これらの時間的信号は、全て異なるタイプのものである。
【0111】
時間的信号201については、図1を参照して開示したものと同様の方法をこの時間的信号のみに適用することによって、2つの可能な基準コンテキストを識別することができる。これら2つの基準コンテキストのうちの1つが識別されると、識別された基準コンテキストに対応するイベント信号E11(t)が値(例えば1)に調整される。その後、イベント信号E11(t)は、図1を参照して説明したイベント信号に類似した方法で経時的に減少する。
【0112】
同様に、他方の基準コンテキストが識別されると、この他方の基準コンテキストに対応するイベント信号E12(t)はある値(例えば、1)に調整される。その後、イベント信号E12(t)は、経時的に減少する。
【0113】
第2の時間的信号202について、3つの異なる基準コンテキストに対応する3つのイベント信号、すなわちE21(t)、E22(t)、およびE23(t)が詳述される。代替的に、これらのイベント信号の1つ以上は図2を参照して開示されるように、識別されたシグネチャに関連付けられてもよいことに留意されたい。
【0114】
第3の時間的信号203について、対応する1つのイベント信号E31(t)が詳述される。このイベント信号は、信号203の所定の信号特徴の検出に基づいて精緻化することができる。
【0115】
これらのイベント信号から、個人が識別され得る状態を検出することが可能であり、これはこの状態が時間枠内に識別されている複数の特定のコンテキストに関連付けられることが観察されているためであり、これは対応するイベント信号を観察することがこの状態を検出することを可能にすることを意味する。
【0116】
例えば、この検出は定期的に、例えば24時間毎に実行されてもよい。
【0117】
所与の時間t1においてこの状態を検出できるようにするために、コンテキストCは、
C=(E11(t1);E12(t1);E21(t1);E22(t1);E23(t1);E31(t1))
のように決定される。この例では、Cは、6成分のベクトルである。
【0118】
次いで、このコンテキストCは、第2の基準コンテキストが識別される分類ステップS80において使用され得る。この例では、第2の基準コンテキストのグループが例えば較正ステップにおいて、事前に定義されている。各第2の基準コンテキストは、個々の特定の状態に関連付けられてもよい。
【0119】
分類ステップS80は距離算出(すなわち、コンテキストCと各々の第2の基準コンテキストとの間の距離、当業者は、どの数学的距離を使用すべきかを決定することができる)の手段によって、または、スパイキング・ニューラル・ネットワーク(SNN)または多層パーセプトロン(MLP)などのマシンラーニングの分野からの方法の手段によっても実行され得る。
【0120】
図2に示すように、分類ステップは、識別された第2の基準コンテキストと予測の両方を出力する。
【0121】
この予測はt1+Δtで識別することができる第2の基準コンテキストを含み、ここで、Δtは、事前定義された持続時間である。さらに、予測は、確率値に関連付けられてもよい。
【0122】
当業者は、確率値を出力するためにも使用される適切な分類方法を選択することができる。この確率値は、この第2の基準コンテキストが識別される確率を示すことができる。
【0123】
イベント信号は、コンテキストの同定に基づいて、または第2のコンテキストの同定に基づいて、詳述され得ることに留意されたい。
【0124】
図3Bは、時間的信号201に関連するイベント信号E11(t)およびE12(t)が処理されて(ステップS100)、t1におけるこれらのイベント信号の状態を表す単一の値を得る、図3Aに示される方法の代替的な実施である。
【0125】
時間的信号202に関連するイベント信号E21(t)、E22(t)およびE23(t)は、t1におけるこれらのイベント信号の状態を表す単一の値を得るために処理される(ステップS101)。
【0126】
したがって、これは、コンテキストの決定およびステップS80の分類を単純化する
【0127】
図に示すように、コンテキストを示すレーダ図が表現されている。各成分は、異なる生理学的現象に関連する。
【0128】
図4は、一例による装置の一例を示す。このシステムは、図1図3を参照して説明した様々な実施形態を実行するように構成することができる。
【0129】
システム400は、2つの外部(装置401に関して)センサ402および403と通信する装置401を備える。通信は、装置401の通信インタフェース404を使用して取得されてもよい。例えば、通信インタフェースは、USBインタフェースのような有線通信インタフェースであってもよい。センサ402および403は、個々の生理学的データを構成する個々に関する時間的信号を取得するように構成される。
【0130】
装置401は、時間的信号を処理するプロセッサ405と、不揮発性メモリ406とをさらに備える。
【0131】
この不揮発性メモリ406は、参照されるコンテキスト407と、1組の命令408、408、410、および411とを備える。プロセッサ405によって実行されると、これらの命令およびプロセッサ405は、装置401のモジュールを形成する。
【0132】
命令408は、プロセッサ405によって実行されると、センサ402および403によって取得された時間的信号において、少なくとも1つの所定の信号特徴を検出することを実行する。命令408およびプロセッサ405は、信号を含む時間的信号において、少なくとも1つの所定の信号特徴を検出する検出モジュールを形成する。
【0133】
命令409は、プロセッサ405によって実行されると、イベント信号と呼ばれる少なくとも1つの所定の信号特徴に関連する時間信号をある値で調整することを実行し、少なくとも1つの所定の信号特徴が検出されると、イベント信号は、その後、経時的に減少する。命令409およびプロセッサ405は、イベント信号と呼ばれる少なくとも1つの所定の信号特徴に関連する時間信号を値で調整する調整モジュールを形成し、少なくとも1つの所定の信号特徴が検出されると、イベント信号は、その後、時間の経過とともに減少する。
【0134】
命令410はプロセッサ405によって実行されると、所与の時間に、この所与の時間におけるイベント信号の値を少なくとも含むものとしてコンテキストを決定することを実行する。命令410およびプロセッサ405は所与の時間に、この所与の時間におけるイベント信号の値を少なくとも含むコンテキストを決定する決定モジュールを形成する。
【0135】
命令411はプロセッサ405によって実行されるとき、(基準コンテキスト407からの)基準コンテキストを識別するように、コンテキストの分類を実行する。命令411とプロセッサ405は所定の時間に、基準コンテキストを識別するようにコンテキストを分類する分類モジュールを形成する。
【0136】
図5には、システム500が示されている。このシステムはスマートフォンとすることができ、図4を参照して説明した装置401に類似した装置501を含む。
【0137】
この例では、3つのセンサが衣類、Tシャツのアイテムに埋め込まれたものとして示されている。これらのセンサは、503、504、および505で参照される。3つのセンサ503~505は、通信リンクL1を介して装置501と無線で通信する通信モジュール506に接続される。無線通信は、ブルートゥース(登録商標)または他の適切な無線通信プロトコルを使用して実行することができる。
【0138】
図に示すように、デバイス501のスクリーニングは、識別された基準コンテキストに従って警告メッセージを表示することができる。
【0139】
図6には、装置600が示されている。システム600は、衣料品、アームバンドの形態であってもよい。
【0140】
このアームバンドは、アームバンドに埋め込まれ、図4を参照して説明した装置401に類似した装置601を備え、このアームバンドには、センサ602、604、604も備えられている。
【0141】
上記の例から理解されるように、本発明は、コンパクトな方法で実施することができる。
【0142】
イベント信号の使用はまた、リアルタイムの結果を得ることを可能にする(例えば、コンテキストは、毎秒識別されてもよい)。
【0143】
また、異なるタイプの時間的信号から生じる(第2の)イベント信号を使用することにより、個々の複雑な状態を識別することができる。したがって、個人を積極的に保護するために、または個人に警告するために、例えば個人にとって有害であり得る状態の検出を改善することが可能である。
【0144】
図7は、ECG、呼吸信号、酸素濃度計信号、およびEEGの融合を使用するマルチパラメトリック睡眠時無呼吸検出器への本発明のデータ融合方法の使用を示す。
【0145】
データ融合は複数のデータソースを統合して、任意の個々のデータソースによって提供される情報よりも、より一貫性があり、正確で、有用な情報を生成するプロセスである。特徴抽出は、本発明の方法を用いて、各センサからの各分離された信号に適用される。次いで、特徴を組み合わせて、特定の生理学的状態を検出する(図7を参照)。
【0146】
睡眠時無呼吸は、夜間睡眠中の複数の生理的信号のモニタリングからなる睡眠ポリグラフ(PSG:Polysomnography)方法を用いて診断されることが多い。それは、この病理の検出が、本発明のデータ融合方法を説明するための良好な例である理由である。睡眠時無呼吸は、睡眠中の呼吸の休止または浅い呼吸の期間を特徴とする睡眠障害である。各休止は数秒から数分持続し、一晩に何度も起こることがあり得る。睡眠時無呼吸には、閉塞性(OSA)、最も多い形態、中央(CSA)、混合性と呼ばれる2つの組み合わせの3つの形態がある。この疾患は正常な睡眠を妨げ、傾眠過多、神経認知機能障害、心血管疾患、代謝機能障害および呼吸不全を引き起こす可能性がある。睡眠時無呼吸も、てんかん患者によくみられる病態であり、死につながる可能性がある。モニタリングされる信号には通常、脳波(EEG)、空気流、胸部または腹部の呼吸努力信号および血中酸素飽和度が含まれる。PSGの分析は専用の人員を必要とし、非常に時間がかかる。さらに、それは、スコアラーにおける評価者間の信頼性変化量を伴う。したがって、自動的な睡眠時無呼吸検出が必要である。
【0147】
[パフォーマンス・メトリック]
睡眠時無呼吸検出器は、Se、SP、全体的精度(ACC)、およびF1スコアに関して評価される。これらの数的指標は真陽性(TP:睡眠時無呼吸と正しく同定された症例数)、真陰性(TN:睡眠時無呼吸ではないと正しく同定された症例数)、偽陽性(FP:睡眠時無呼吸と誤って同定された症例数)、偽陰性(FN:睡眠時無呼吸ではないと誤って同定された症例数)の数に依存し、
【数1】
のように計算される。感度(Se)は睡眠時無呼吸を正しく検出する能力を指し、特異性(Sp)は睡眠時無呼吸のない患者を正しく拒絶する能力を評価する。
【0148】
[結果]
データは、7時間~ほぼ10時間の35回の記録である。各記録はECG信号を含み、4記録のみが胸部および腹部呼吸エオート信号も含む。無呼吸の有無は、各記録の1分毎に示される。OSA無呼吸のみがデータセットに存在する。データ融合の関心を評価するために、ECGおよび呼吸信号の両方を含む記録のみが使用される。単一のパラメータを使用する無呼吸検出性能は呼吸信号のみに、次いで両方の信号(ECG+呼吸信号)に本発明の方法を適用することによって、複数のパラメータを使用する検出と比較される。F1スコアの15%を超える増加が、データ融合のおかげで得られる。ただし、使用可能なデータセットのサイズによって、学習と結果が制限される。
【表1】
【0149】
この方法の性能は、別のデータセットであるMIT‐BIH 睡眠ポリグラフ・データベース(Polysomnographic Database)で検証された。これは、睡眠中に複数の生理学的シグナルの録音を集めたものである。データベースには、4、6、7チャンネルの80時間以上の録音が含まれている。心電図信号、EEG信号、鼻、胸および腹部呼吸エオート(eort)信号、および耳たぶオキシメータ信号(SO2)を含む記録は4つのみである。睡眠段階および異なるタイプの無呼吸の有無は、各記録の30秒ごとに示される。データセットは、異なるタイプの無呼吸、OSAおよびCSA、ならびに異なるタイプの睡眠段階(1、2、3、4および覚醒)を含む。分類は無呼吸のタイプの違いを区別せず、信号の一部を「無呼吸」、「無呼吸」のいずれかに分類する。信号は呼吸努力信号のみを用いて分類する。81%のF1得点が得られる。心電図と呼吸の情報を組み合わせることにより、84%のF1得点が得られる。結果は、まず信号の一部を異なる睡眠段階に分類することで改善される。脳波が信号を「睡眠段階1」、「睡眠段階2」、「睡眠段階3と4」、「覚醒」の4つのカテゴリーに分類するために用いられる。そして、心電図、呼吸、およびオキシメータ信号を分析して、記録を「無呼吸」または「非無呼吸」に分類する。94.4%のF1スコアが得られる。分類の結果は、より多くの生理学的信号を加えると増加し続ける。
【表2】
【0150】
[結論]
睡眠時無呼吸の検出は、MIT-BIH 睡眠ポリグラフ・データベース(Polysomnographic Database)とCinCチャレンジ2000のデータセットの2つのマルチパラメトリック・データベースで検証されている。これらのデータベースは複数の生理学的信号を含み、データ融合の評価を可能にする。記録は、ECG、EEG、呼吸信号、および耳たぶ酸素濃度計信号から構成される。心電図および呼吸信号からの特徴を組み合わせることにより、CinCチャレンジ2000データセットについて、呼吸のみからの特徴と比較して、F1スコアの15%の増加が得られている。MIT-BIH 睡眠ポリグラフ・データベースからの記録は、異なるタイプの無呼吸、および異なる睡眠段階を提示する。信号の部分は、EEG情報を使用して、最初に睡眠段階に分類された。次に、本発明の方法をECG、呼吸および酸素濃度計信号に適用した。91%の検出感度(Se)および98%の特異性(Sp)が得られた。
【0151】
結論として、データ融合は無呼吸検出の結果を改善する。複数の生理学的信号をモニタリングすることは、異なる病状のより良好な検出をもたらすことができる。
[態様1]
センサによって、好適には少なくとも2つのセンサによって、生成された少なくとも2つの信号を処理するための方法であって、前記方法は、
(i)センサから少なくとも2つの信号を受信するステップであって、前記少なくとも2つの信号のうちの少なくとも1つが時間的信号である、ステップと、
(ii)前記受信された時間的信号が非同期信号でない場合、前記受信された時間的信号を前記時間的信号のイベントを含む非同期時間的信号に変換するステップであって、前記イベントは前記時間的信号の各変更を表す、ステップと、
(iii)(i)で受信された、および/または(ii)で変換された、1つのセンサから受信された前記非同期信号のそれぞれを分析し、前記分析された非同期信号のアクティビティプロファイルを提供するステップであって、前記アクティビティプロファイルは、所与の第1の時間に、前記非同期信号の連続するイベントのうちの最新のイベントから経過した時間(t)の関数として変更するアクティビティ値を少なくとも含む、ステップと、
(iv)所与の第1の時間において、
a.第1の時間的コンテキスト(tTC)を決定するステップであって、該第1の時間的コンテキストは前記非同期信号の前記所与の第1の時間におけるアクティビティプロファイルのセットとして定義される、ステップと、
b.ステップ(a)で決定された前記第1の時間的コンテキストを、少なくとも2つの所定の基準時間的コンテキストの中から選択された少なくとも1つの時間的基準コンテキストと関連付けることによって第1のメタイベント(tME)識別するステップと、
c.ステップ(b)で識別され、前記少なくとも2つの信号から生じる異なる第1のメタイベント間の相関度を決定することによって第1のメタコンテキスト(t refMC)を決定するステップと、
d.ステップ(c)で決定された前記メタコンテキストを、少なくとも2つの所定の基準メタコンテキストから選択された少なくとも1つの基準メタコンテキストと関連付けることによって第1の基準メタコンテキストを識別するステップと、
を含む、方法。
[態様2]
ステップ(iii)は、
(i)で受信され、および/またjは、(ii)で変換された、1つのセンサから受信された前記非同期信号のそれぞれを分析するステップと、
前記分析された非同期信号またはセンサのアクティビティプロファイルを提供するステップであって、該アクティビティプロファイルは、前記非同期信号の連続するイベントのうちの最新のイベントから経過した時間(t)の関数として減少するアクティビティ値を少なくとも含む、ステップと、
からなる、態様1に記載の方法。
[態様3]
センサから受信された前記信号の全てが、時間的信号である、態様1または2に記載の方法。
[態様4]
前記受信された時間的信号の全てが非同期信号であり、ステップ(ii)が存在しない、態様1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
[態様5]
ステップ(c)において決定された基準メタコンテキストが、個人の特定の生理学的状態に相関され得る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
[態様6]
前記受信された信号のうちの少なくとも2つが、異なるスケール、測定単位または測定のシステムである、および/または、異なるセンサタイプから発生している、態様1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
[態様7]
前記受信された信号が、心電図(ECG)、脳波(EEG)、呼吸、血圧、体温、個人の身体活動などを表す信号からなる群から選択される、態様1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
[態様8]
前記方法は、少なくとも2つの時間的信号、好適には、少なくとも3つの時間的信号、さらにより好適には、少なくとも5つの時間的信号、を含む、態様1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
[態様9]
前記方法は、少なくとも2つの時間的信号、好適には、少なくとも3つの時間的信号、さらにより好適には、少なくとも5つの時間的信号を含む、態様1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
[態様10]
前記方法は、
(i)所与の時間t+nにおいて、
a’.時間的コンテキスト(t+n TC)を決定するステップであって、該コンテキストは、前記非同期信号b’の前記所与の時間t+nにおけるアクティビティプロファイルのセットとして定義される、ステップと、
b’.ステップ(a’)で決定された前記時間的コンテキストの各々を、少なくとも2つの事前定義された基準時間的コンテキストc’の中から選択された少なくとも1つの時間的基準コンテキストと関連づけることによって、メタイベント(t+n ME)を識別するステップと、
c’.ステップ(b’)で識別され、前記少なくとも2つの信号から生じる前記異なるメタイベント間の相関度を決定することによって、メタコンテキスト(t+n MC)を決定するステップと、
d’.ステップ(c’)で決定された前記メタコンテキストと、少なくとも2つの所定の基準メタコンテキストから選択された少なくとも1つの基準メタコンテキストとの関連付けによって、基準メタコンテキスト(t+n refMC)を識別するステップと、
のステップをさらに含む、態様1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
[態様11]
t=t+n(n=0)である、態様10に記載の方法。
[態様12]
tがt+nとは異なる、態様10に記載の方法。
[態様13]
前記基準時間的コンテキストまたは/および基準メタコンテキストは、イベント信号に関連付けられ、基準コンテキストが識別されると、この基準コンテキストに関連付けられたイベント信号はある値に調整され、その後、経時的に変化し、好適には減少する、態様1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
[態様14]
前記方法は再帰的である、態様1ないし13のいずれか1項に記載の方法。
[態様15]
前記予測は、t1+Δtにおいて識別され得る第2の基準コンテキストを含み、ここで、Δtは、事前定義された持続時間である、態様1ないし14のいずれか1項に記載の方法。
[態様16]
前記予測は、確率値に関連付けられる、態様1ないし15のいずれか1項に記載の方法。
[態様17]
前記予測は、警告に関連する、態様15または16に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7