(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】自動車用シートの調整方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20230710BHJP
G10L 15/00 20130101ALI20230710BHJP
G10L 25/51 20130101ALI20230710BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230710BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
B60N2/90
G10L15/00 200J
G10L25/51 400
G06F3/16 650
G06F3/01 510
G06F3/16 630
(21)【出願番号】P 2021066691
(22)【出願日】2021-04-09
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】202010401578.3
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユイメイ
【審査官】五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-098204(JP,A)
【文献】特開2014-201174(JP,A)
【文献】特開2010-006163(JP,A)
【文献】特表2013-538755(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162781(WO,A1)
【文献】特開2018-127026(JP,A)
【文献】特開2018-016259(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108928265(CN,A)
【文献】特開2009-046026(JP,A)
【文献】特開2009-143457(JP,A)
【文献】特開2009-282644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 ー 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法で前記ユーザの
頭部位置情報を決定することと、
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、
前記ユーザの上半身の高さ情報及び所定の身長割合情報に基づき、前記ユーザの身長情報を決定することと、
前記ユーザの身長情報を、ユーザ身長情報とシート位置情報との間の対応関係を特徴付けるためのシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得ることと、
前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整することと、
を含むことを特徴とする自動車用シートの調整方法。
【請求項2】
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することは、
前記ユーザの頭部位置情報に基づき、前記ユーザの頭部高さ情報を決定することと、
前記シートの現在の位置情報に基づき、前記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報を決定することと、
前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することは、
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報、及び前記ユーザの上半身と前記シートの座面との間の夾角である目標夾角を決定することと、
前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報及び前記目標夾角に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、を含むことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整することは、
前記目標シート位置情報に基づき、シート調整インタフェースを呼び出して、前記シートの高さ位置、前後位置又はシート角度のうちの少なくとも1つを調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザの身長情報をシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得る前に、前記方法は、
前記シート位置推薦モデルを取得することをさらに含むことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法で前記ユーザの
頭部位置情報を決定するための
第1の決定ユニットと、
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定すること、及び
前記ユーザの上半身の高さ情報及び所定の身長割合情報に基づき、前記ユーザの身長情報を決定すること、に用いられる第2の決定ユニットと、
を含む第1の取得モジュールと、
前記ユーザの身長情報を、ユーザ身長情報とシート位置情報との間の対応関係を特徴付けるためのシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得るための第2の取得モジュールと、
前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整するための調整モジュールと、
を備えることを特徴とする自動車用シートの調整装置。
【請求項7】
前記第2の決定ユニットは、具体的に、
前記ユーザの頭部位置情報に基づき、前記ユーザの頭部高さ情報を決定することと、
前記シートの現在の位置情報に基づき、前記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報を決定することと、
前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、に用いられることを特徴とする請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の決定ユニットは、具体的に、
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報、及び前記ユーザの上半身と前記シートの座面との間の夾角である目標夾角を決定することと、
前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報及び前記目標夾角に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、に用いられることを特徴とする請求項
6に記載の装置。
【請求項9】
前記調整モジュールは、具体的に、
前記目標シート位置情報に基づき、シート調整インタフェースを呼び出して、前記シートの高さ位置、前後位置又はシート角度のうちの少なくとも1つを調整することに用いられることを特徴とする請求項
6に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、
第2の取得モジュールが前記ユーザの身長情報をシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得る前に、前記シート位置推薦モデルを取得するための第3の取得モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項
6~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ命令は、コンピュータに請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法を実行させるために用いられることを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムでの命令は、プロセッサによって実行されるとき、請求項1~
5のいずれか1項に記載の方法を実現するためのものであることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報処理の技術分野に関し、特に、人工知能技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、人々が日々外出する際の主な交通ツールになっている。通常、運転手が車に乗った後、まず、自動車用シートを適切な位置に調整する必要がある。
【0003】
従来技術では、運転手が車に乗った後、手動で自動車用シートを視野がはっきりして心地良く座れる適切な位置に調整する必要がある。従って、従来の自動車用シートの調整方法は面倒である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車用シートの調整方法、装置、機器及び記憶媒体を提供し、ユーザの音声によるシートの自動調整が実現され、自動車用シートの調整プロセスが簡略化されることにより、自動車用シートの調整効率を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の様態によれば、自動車用シートの調整方法を提供し、
ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法で前記ユーザの身長情報を取得することと、
前記ユーザの身長情報を、ユーザ身長情報とシート位置情報との間の対応関係を特徴付けるためのシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得ることと、
前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整することと、を含む。
【0006】
以上から分かるように、従来技術との相違点は、本願の実施例において、ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法でユーザの身長情報を取得し、次に、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を決定し、続いて、目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整することである。本願の実施例によれば、ユーザの音声によるシートの自動調整が実現され、ユーザが他の操作をする必要がなく、自動車用シートの調整プロセスが簡略化されることにより、自動車用シートの調整効率を向上させることが分かる。
【0007】
第2の様態によれば、自動車用シートの調整装置を提供し、
ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法で前記ユーザの身長情報を取得するための第1の取得モジュールと、
前記ユーザの身長情報を、ユーザ身長情報とシート位置情報との間の対応関係を特徴付けるためのシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得るための第2の取得モジュールと、
前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整するための調整モジュールと、を備える。
【0008】
第3の様態によれば、電子機器を提供し、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されており、前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが上記第1の様態に記載の方法を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される。
【0009】
第4の様態によれば、コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令は、コンピュータに上記第1の様態に記載の方法を実行させるために用いられる。
【0010】
第5の態様によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを提供し、前記コンピュータプログラムでの命令は、プロセッサによって実行されるとき、上記第1態様に記載の方法を実現するためのものである。
【発明の効果】
【0011】
上記出願における1つの実施例は、以下の利点又は有益な効果を有する。ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法でユーザの身長情報を取得し、次に、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を決定し、続いて、目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整する。本願の実施例によれば、ユーザの音声によるシートの自動調整が実現され、ユーザが他の操作をする必要がなく、自動車用シートの調整プロセスが簡略化されることにより、自動車用シートの調整効率を向上させることが分かる。
【0012】
なお、この部分に記載されている内容は、本願の実施例の肝心な又は重要な特徴を特定することを意図しておらず、本願の範囲を限定するものでもない。本願の他の特徴は、以下の説明を通じて容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用され、本願を限定するものではない。
【
図1】本願の実施例により提供される適用シーン模式図である。
【
図2】本願の1つの実施例により提供される自動車用シートの調整方法のフロー模式図である。
【
図3】本願の別の実施例により提供される自動車用シートの調整方法のフロー模式図である。
【
図4】本願の実施例により提供される自動車内の局所構造模式図である。
【
図5】本願の実施例により提供されるユーザの上半身とシートのベースとの間の目標夾角の模式図である。
【
図6】本願の別の実施例により提供される自動車用シートの調整方法のフロー模式図である。
【
図7】本願の実施例により提供される自動車用シートの調整装置の構造模式図である。
【
図8】本願の実施例の自動車用シートの調整方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を組み合わせて本願の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするためにその中には本願の実施例の様々な詳細事項が含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができる。同様に、わかりやすくかつ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構造の説明を省略する。
【0015】
まず、本願の実施例の適用シーン及び使われる一部の用語を解釈的に説明する。
【0016】
自動車は、人々が日々外出する際の主な交通ツールになっている。正しい運転姿勢が運転手の安全を効果的に保護することができ、シートの位置が適切でなければ、運転手の視線及び操作の機敏性に影響を及ぼすため、運転手が車に乗った後、通常、自動車用シートを適切な位置に調整する必要がある。
【0017】
従来技術では、運転手が車に乗った後、手動で自動車用シートを視野がはっきりして心地良く座れる適切な位置に調整する必要がある。従って、従来の自動車用シートの調整方法は面倒である。
【0018】
従来技術において自動車用シートの調整方法が面倒であるという技術問題に対し、本願の実施例において、音源定位方法でユーザの身長情報を取得し、次に、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応するシート位置情報を決定し、続いて、ユーザの身長情報に対応するシート位置情報に基づき、シートの位置を調整する。本願の実施例によれば、ユーザの音声によるシートの自動調整が実現され、自動車用シートの調整プロセスが簡略化されることにより、自動車用シートの調整効率を向上させることが分かる。
【0019】
図1は、本願の実施例により提供される適用シーン模式図である。
図1に示すように、本願の実施例の適用シーンには、自動車内に設けられる車載端末10、音声収集装置11及びシート12を含むことができるが、これらに限定されない。音声収集装置11は、ユーザ(例えば運転手)の音声情報を収集するために用いられる。車載端末10は、音声収集装置11により収集した音声情報に基づき、ユーザ音声命令(例えばシート調整音声命令)を識別し、かつ、音源定位方法でユーザの身長情報を決定し、次に、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応するシート位置情報を決定し、続いて、ユーザの身長情報に対応するシート位置情報に基づき、シート12の位置(例えば、シート12の高さ位置、前後位置又はシート角度のうちの少なくとも1つ)を調整するために用いられる。
【0020】
例示的に、本願の実施例における車載端末10は、自動車の車載システム(又は車載コンピュータと称する)を含むことができるが、これに限定されない。
【0021】
例示的に、本願の実施例に係る音声収集装置11は、マイクロホンアレイを含むことができるが、これに限定されない。マイクロホンアレイにおける異なるマイクロホンは、音源位置を正確に決定できるように、自動車内の異なる位置に設置されることができる。
【0022】
本願の実施例に係るシート位置情報(又はシートの位置情報)は、シートの高さ位置情報、前後位置情報、シート角度情報のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。シート角度情報は、シートバック(背もたれ)とベース(座面)の延伸方向との間の角度(又は夾角と称する)を指示するために用いられる。
【0023】
なお、上記シート位置情報は、上記車載端末において三次元座標情報(上記シートの高さ位置情報及び前後位置情報を指示するために用いられる)とシート角度情報を組み合わせた形で存在してよい。勿論、他の形で存在してもよく、本願の実施例においてこれに対して限定しない。
【0024】
本願の実施例に係る任意のシートの高さ(又は高さ位置情報)は、当該シートのベースの高さ(又はベース高さ位置情報)を指す。
【0025】
以下、具体的な実施例を通じて、本願の技術案について詳しく説明する。以下のいつくかの具体的な実施例は、互いに組み合わせられることができ、同じ又は類似する概念又はプロセスについて、一部の実施例において繰り返して説明しない場合がある。
【0026】
図2は、本願の1つの実施例により提供される自動車用シートの調整方法のフロー模式図である。本願の実施例の実行主体は、上記車載端末、又は上記車載端末における自動車用シートの調整装置(なお、本願の下記実施例では、実行主体を上記車載端末とする例を説明する)であってもよい。例示的に、当該自動車用シートの調整装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現されることができる。
【0027】
図2に示すように、本願の実施例により提供される自動車用シートの調整方法は、以下のステップを含むことができる。
【0028】
ステップS201において、ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法で前記ユーザの身長情報を取得する。
【0029】
本願の実施例において、上記音声収集装置は、ユーザ(例えば運転手)の音声情報を即時収集し、かつ、収集したユーザの音声情報を上記車載端末に送信することができる。さらに、上記車載端末は、受信した上記ユーザの音声情報に音声分析を行い、上記ユーザの音声情報にシート調整音声命令(シートを調整するように指示するために用いられる)が含まれていると識別した場合に、音源定位方法で上記ユーザの音声情報に測位分析を行い、上記ユーザの音声情報に対応する音源位置情報を得て、続いて、当該音源位置情報に基づき、上記ユーザの身長情報を取得することができる。
【0030】
例えば、運転手が車に乗った後、「シートを調整する」と言った場合、上記音声収集装置は、収集した音声情報(例えば「シートを調整する」)を上記車載端末に送信することができ、よって、上記車載端末は、上記音声情報(例えば「シートを調整する」)にシート調整音声命令が含まれていると識別した場合に、音源定位方法で上記音声情報に対応する音源位置情報を決定することができる。
【0031】
なお、上記音声収集装置及び上記車載端末は、通電起動後に上記操作を実行することができ、具体的な通電起動方式について、本願の実施例において限定しない。
【0032】
ステップS202において、前記ユーザの身長情報をシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得る。
【0033】
本願の実施例において、上記車載端末にシート位置推薦モデルが設けられている。前記シート位置推薦モデルは、ユーザ身長情報とシート位置情報との間の対応関係を特徴付けるために用いられる。なお、上記シート位置推薦モデルは、ビッグデータに基づいてトレーニングすることにより得られたものであってよく、異なるユーザ身長情報に対応する最適なシート位置情報を指示するために用いられることができる。
【0034】
例示的に、本願の実施例に係るシート位置情報は、シートの高さ位置情報、前後位置情報、シート角度情報のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。シート角度情報は、シートバックとベースの延伸方向との間の角度情報を指示するために用いられる。
【0035】
本ステップにおいて、上記車載端末は、上記ステップS201で取得したユーザの身長情報を上記シート位置推薦モデルに入力することができ、上記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得ることができる。上記目標シート位置情報は、シートの高さ位置情報、前後位置情報、シート角度情報のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。
【0036】
ステップS203において、前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整する。
【0037】
本ステップにおいて、車載端末は、上記ステップS202で得られた目標シート位置情報に基づき、シートの位置(例えば、高さ位置、前後位置又はシート角度のうちの少なくとも1つ)を自動的に調整することができ、これによりシートを上記ユーザにとって最も心地良く安全な位置に自動的に調整することが実現される。
【0038】
なお、上記車載端末は、上記目標シート位置情報に基づいてシートの位置を調整する時、シートの現在の位置情報と組み合わせてシートの位置を調整することができる。
【0039】
例えば、上記目標シート位置情報にシートの高さ位置情報1、前後位置情報1及びシート角度情報1が含まれ、上記現在の位置情報にシートの高さ位置情報2、前後位置情報2及びシート角度情報2が含まれ、かつ、上記目標シート位置情報における上記シート角度情報1と上記現在の位置情報における上記シート角度情報2とが同じであり、他の位置情報が異なる場合、上記車載端末は、上記目標シート位置情報と上記現在の位置情報を組み合わせて、上記目標シート位置情報における上記シートの高さ位置情報1及び前後位置情報1に基づき、シートの位置を調整することができる。
【0040】
以上をまとめると、本願の実施例において、ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法でユーザの身長情報を取得し、次に、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を決定し、続いて、目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整する。本願の実施例によれば、ユーザの音声によるシートの自動調整が実現され、ユーザが他の操作をする必要がなく、自動車用シートの調整プロセスが簡略化されることにより、自動車用シートの調整効率を向上させることが分かる。
【0041】
なお、上記車載端末は、上記ステップS202を実行する前に、上記シート位置推薦モデルを取得する必要があり、よって、上記車載端末は、取得したシート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を決定することができ、これにより、目標シート位置情報に基づき、シートの位置を自動的に調整することができる。
【0042】
本願の実施例において、上記車載端末は、上記ステップS202を実行する前に、ビッグデータに基づいてトレーニングすることにより上記シート位置推薦モデルを得ることができ、又は他の機器(例えばサーバ)から当該機器がビッグデータに基づいてトレーニングすることにより得られた上記シート位置推薦モデルを取得することができる。
【0043】
選択的に、上記車載端末は、上記目標シート位置情報に基づき、シート調整インタフェースを呼び出すことができ、上記シート調整インタフェースを介して上記目標シート位置情報を上記自動車のシートの調整装置に伝送しやすく、これにより上記シートの調整装置は、上記目標シート位置情報に基づき、上記自動車のシート位置を自動的に調整することができ、ユーザの手動操作が必要とされず、シート調整の面でユーザ体験を高めることができる。上記自動車のシート位置は、高さ位置、前後位置又はシート角度のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。
【0044】
なお、上記車載端末は、上記目標シート位置情報に基づいてシート調整インタフェースを呼び出す際に、シートの現在の位置情報と組み合わせて、上記シート調整インタフェースを介して上記目標シート位置情報のうちの一部又は全部の位置情報を容易に上記自動車のシートの調整装置に伝送することができ、これにより上記シートの調整装置は、上記目標シート位置情報のうちの一部又は全部の位置情報に基づき、上記自動車のシート位置を自動的に調整することができる。
【0045】
例示的に、上記シートの調整装置は、シート高さ調整サブ装置、シート前後調整サブ装置、シート角度調整サブ装置のうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。なお、上記シート高さ調整サブ装置、シート前後調整サブ装置及びシート角度調整サブ装置の可能な実現形態は、関連技術における実現形態を参照することができ、本願の実施例においてこれに対して限定しない。
【0046】
勿論、上記車載端末は、上記目標シート位置情報に基づき、他の方法でシートの位置を調整することもでき、本願の実施例においてこれに対して限定しない。
【0047】
図3は、本願の別の実施例により提供される自動車用シートの調整方法のフロー模式図である。上記実施例に基づいて、本願の実施例では、上記ステップS201において音源定位方法でユーザの身長情報を取得することの可能な実現形態について説明する。
図3に示すように、本願の実施例の方法は、以下のステップを含むことができる。
【0048】
ステップS301において、前記音源定位方法で前記ユーザの頭部位置情報を決定する。
【0049】
本ステップにおいて、車載端末は、上記音声収集装置から送信されたユーザの音声にシート調整音声命令が含まれていると識別した場合、音源定位方法で上記ユーザの音声情報に測位分析を行うことができ、上記ユーザの音声情報に対応する音源位置情報を得ることができる。音源位置情報は、上記ユーザの音声情報に対応する音源の上記自動車での位置(又は音源位置と略称する)を指示するために用いられる。例えば、上記音源位置情報は、上記音源位置の上記自動車での三次元座標情報を含むことができるが、これに限定されない。三次元座標情報におけるz座標情報は、高さを指示するために用いられる。
【0050】
なお、上記ユーザの音声情報に対応する音源位置情報は、上記ユーザの頭部位置情報と見なされてよい。
【0051】
ステップS302において、前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの身長情報を決定する。
【0052】
本ステップにおいて、上記車載端末は、シートの現在の位置情報及び上記ステップS301で決定した上記ユーザの頭部位置情報に基づき、上記ユーザの身長情報を決定することができる。なお、上記車載端末は、上記シートの現在の位置情報を知ることができる。
【0053】
選択的に、上記車載端末は、上記ユーザの頭部位置情報及び上記シートの現在の位置情報に基づき、上記ユーザの上半身の高さ情報を決定することができ、続いて、上記ユーザの上半身の高さ情報及び所定の身長割合情報に基づき、上記ユーザの身長情報を決定することができる。なお、上記所定の身長割合情報は、ビッグデータに基づいて計算することにより得られたものであってよく、任意のユーザの上半身の高さが全身の高さ(又は身長と称する)に対して占める割合を指示するために用いられることができる。
【0054】
本願の下記実施例では、「上記車載端末は、上記ユーザの頭部位置情報及び上記シートの現在の位置情報に基づき、上記ユーザの上半身の高さ情報を決定する」ことの可能な実現形態について説明する。
【0055】
1つの可能な実現形態において、上記車載端末は、上記ユーザの頭部位置情報に基づき、上記ユーザの頭部高さ情報を決定することができる。上記ユーザの頭部高さ情報は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さを指示するために用いられる。
【0056】
例えば、上記ユーザの頭部位置情報が、上記ユーザの頭部の上記自動車での三次元座標情報を含むことができる場合、上記車載端末は、上記ユーザの頭部位置情報におけるz座標情報に基づき、上記ユーザの頭部高さ情報を決定することができる。
【0057】
さらに、上記車載端末は、上記シートの現在の位置情報に基づき、前記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報を決定することができる。上記シートの現在の高さ情報は、上記シートの上記自動車での現在の高さを指示するために用いられ、上記現在のシート角度情報は、上記シートバックとベースの延伸方向との間の現在の角度を指示するために用いられる。
【0058】
さらに、上記車載端末は、上記ユーザの頭部高さ情報、上記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報に基づき、上記ユーザの上半身の高さ情報を決定することができる。
【0059】
図4は、本願の実施例により提供される自動車内の局所構造模式図である。
図4に示すように、マイクロホンアレイにおける複数のマイクロホンは、自動車内の異なる位置に設けられることができ、上記ユーザの頭部高さ情報により指示される上記ユーザの頭部の上記自動車での高さをh1とし、上記シートの現在の高さ情報により指示される上記シートの上記自動車での現在の高さをh2とし、上記現在のシート角度情報により指示されるシートバックとベースの延伸方向との間の現在の角度をα(単位が度である)とすれば、上記車載端末は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さh1、上記シートの上記自動車での現在の高さh2及び上記シートバックとベースの延伸方向との間の現在の角度αに基づき、上記ユーザの上半身の高さ情報(上記ユーザの上半身の高さを指示するために用いられる)を決定することができる。
【0060】
例示的に、上記車載端末は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さh1、上記シートの上記自動車での現在の高さh2及び上記シートバックとベースの延伸方向との間の現在の角度αに基づき、下式(1)に従って上記ユーザの上半身の高さ情報を決定することができる。
H=(h1-h2)/sin α 式(1)
【0061】
ただし、Hは、上記ユーザの上半身の高さを表す。
【0062】
勿論、上記車載端末は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さh1、上記シートの上記自動車での現在の高さh2及び上記シートバックとベースの延伸方向との間の現在の角度αに基づき、上記式(1)の他の変形又は等価式に従って上記ユーザの上半身の高さ情報を決定することもでき、本願の実施例においてこれに対して限定しない。
【0063】
別の可能な実現形態において、上記車載端末は、上記ユーザの頭部位置情報及び上記シートの現在の位置情報に基づき、上記ユーザの頭部高さ情報、上記シートの現在の高さ情報及び目標夾角を決定することができ、前記目標夾角は、上記ユーザの上半身と上記シートベースとの間の夾角である。
【0064】
本実現形態において、上記車載端末は、上記ユーザの頭部位置情報に基づき、上記ユーザの頭部高さ情報を決定することができる。上記ユーザの頭部高さ情報は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さを指示するために用いられる。
【0065】
一方、上記車載端末は、上記シートの現在の位置情報に基づき、上記シートの現在の高さ情報を決定することができる。上記シートの現在の高さ情報は、上記シートの上記自動車での現在の高さを指示するために用いられる。
【0066】
さらに、上記車載端末は、上記ユーザの頭部位置情報及び上記シートの現在の位置情報に基づき、上記目標夾角を決定することができる。
【0067】
例えば、上記ユーザの頭部位置情報が上記ユーザの頭部の上記自動車での三次元座標情報を含むことができ、上記シートの現在の位置情報が上記シートの上記自動車での三次元座標情報を含むことができる場合、上記車載端末は、上記ユーザの頭部の上記自動車での三次元座標情報及び上記シートの上記自動車での三次元座標情報に基づき、上記目標夾角を決定することができる。
【0068】
図5は、本願の実施例により提供されるユーザの上半身とシートベースとの間の目標夾角の模式図である。
図5に示すように、上記ユーザの頭部の上記自動車での三次元座標情報により指示される三次元座標点をP1とし、上記シートの上記自動車での三次元座標情報により指示される三次元座標点をP2とすれば、上記車載端末は、三次元座標点P1及び三次元座標点P2に基づき、両者の間の結び線Lを決定することができ、続いて、結び線Lと上記シートベースとの間の角度βに基づき、上記目標夾角を決定することができる。
【0069】
さらに、上記車載端末は、上記ユーザの頭部高さ情報、上記シートの現在の高さ情報及び上記目標夾角に基づき、上記ユーザの上半身の高さ情報を決定することができる。
【0070】
図5に示すように、上記ユーザの頭部高さ情報により指示される上記ユーザの頭部の上記自動車での高さをh1とし、上記シートの現在の高さ情報により指示される上記シートの上記自動車での現在の高さをh2とし、上記ユーザの上半身と上記シートベースとの間の目標夾角をβ(単位が度である)とすれば、上記車載端末は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さh1、上記シートの上記自動車での現在の高さh2及び上記目標夾角βに基づき、上記ユーザの上半身の高さ情報(上記ユーザの上半身の高さを指示するために用いられる)を決定することができる。
【0071】
例示的に、上記車載端末は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さh1、上記シートの上記自動車での現在の高さh2及び上記目標夾角βに基づき、下式(2)に従って上記ユーザの上半身の高さ情報を決定することができる。
H=(h1-h2)/sin(180-β) 式(2)
【0072】
勿論、上記車載端末は、上記ユーザの頭部の上記自動車での高さh1、上記シートの上記自動車での現在の高さh2及び上記目標夾角βに基づき、上記式(2)の他の変形又は等価式に従って上記ユーザの上半身の高さ情報を決定することもでき、本願の実施例においてこれに対して限定しない。
【0073】
以上をまとめると、本願の実施例において、音源定位方法で上記ユーザの頭部位置情報を決定し、続いて、上記ユーザの頭部位置情報及び上記シートの現在の位置情報に基づき、上記ユーザの身長情報を正確に決定することができ、よって、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を正確に決定することができ、目標シート位置情報に基づき、シートを上記ユーザにとって最も心地良く安全な位置に自動的に調整することに寄与し、自動車用シートの調整効率を向上させる。
【0074】
図6は、本願の別の実施例により提供される自動車用シートの調整方法のフロー模式図である。上記実施例に基づいて、本願の実施例では、自動車用シートの調整方法のフロー全体について説明する。
図6に示すように、本願の実施例の方法は、以下のステップを含むことができる。
【0075】
ステップS601において、ユーザの音声情報を取得する。
【0076】
本ステップにおいて、自動車内の上記音声収集装置は、ユーザ(例えば運転手)の音声情報を即時収集し、かつ、収集したユーザの音声情報を上記車載端末に送信することができる。
【0077】
ステップS602において、前記ユーザの音声情報にシート調整音声命令が含まれているか否かを判定する。
【0078】
本ステップにおいて、上記車載端末は、受信した上記ユーザの音声情報に音声分析を行い、上記ユーザの音声情報にシート調整音声命令が含まれているか否かを判定することができる。
【0079】
さらに、上記ユーザの音声情報にシート調整音声命令が含まれていないが、他の音声命令が含まれていると決定した場合、ステップS603を実行し、上記ユーザの音声情報にシート調整音声命令が含まれていると決定した場合、ステップS604を実行する。
【0080】
ステップS603において、他の音声命令を実行する。
【0081】
ステップS604において、音源定位方法で前記ユーザの頭部位置情報を決定する。
【0082】
ステップS605において、前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの身長情報を決定する。
【0083】
ステップS606において、前記ユーザの身長情報をシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得る。
【0084】
ステップS607において、前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整する。
【0085】
なお、本願の実施例の各ステップの具体的な実現形態は、本願の上記実施例における関連内容を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0086】
以上をまとめると、本願の実施例において、受信したユーザの音声情報にシート調整音声命令が含まれているか否かを判定し、かつ、シート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法でユーザの身長情報を取得し、次に、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を決定し、続いて、目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整する。本願の実施例によれば、ユーザの音声によるシートの自動調整が実現され、自動車用シートの調整プロセスが簡略化されることにより、自動車用シートの調整効率を向上させることが分かる。
【0087】
図7は、本願の実施例により提供される自動車用シートの調整装置の構造模式図である。
図7に示すように、本願の実施例により提供される自動車用シートの調整装置は、第1の取得モジュール701と、第2の取得モジュール702と、調整モジュール703とを含むことができる。
【0088】
第1の取得モジュール701は、ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法で前記ユーザの身長情報を取得するために用いられ、
第2の取得モジュール702は、前記ユーザの身長情報を、ユーザ身長情報とシート位置情報との間の対応関係を特徴付けるためのシート位置推薦モデルに入力し、前記ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を得るために用いられ、
調整モジュール703は、前記目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整するために用いられる。
【0089】
1つの可能な実現形態において、前記第1の取得モジュール701は、
前記音源定位方法で前記ユーザの頭部位置情報を決定するための第1の決定ユニットと、
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの身長情報を決定するための第2の決定ユニットと、を含む。
【0090】
1つの可能な実現形態において、前記第2の決定ユニットは、具体的に、
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、
前記ユーザの上半身の高さ情報及び所定の身長割合情報に基づき、前記ユーザの身長情報を決定することと、に用いられる。
【0091】
1つの可能な実現形態において、前記第2の決定ユニットは、具体的に、
前記ユーザの頭部位置情報に基づき、前記ユーザの頭部高さ情報を決定することと、
前記シートの現在の位置情報に基づき、前記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報を決定することと、
前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報及び現在のシート角度情報に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、に用いられる。
【0092】
1つの可能な実現形態において、前記第2の決定ユニットは、具体的に、
前記ユーザの頭部位置情報及び前記シートの現在の位置情報に基づき、前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報、及び前記ユーザの上半身と前記シートベースとの間の夾角である目標夾角を決定することと、
前記ユーザの頭部高さ情報、前記シートの現在の高さ情報及び前記目標夾角に基づき、前記ユーザの上半身の高さ情報を決定することと、に用いられる。
【0093】
1つの可能な実現形態において、前記調整モジュールは、具体的に、
前記目標シート位置情報に基づき、シート調整インタフェースを呼び出して、前記シートの高さ位置、前後位置又はシート角度のうちの少なくとも1つを調整することに用いられる。
【0094】
1つの可能な実現形態において、前記装置は、
前記シート位置推薦モデルを取得するための第3の取得モジュールをさらに備える。
【0095】
本実施例により提供される自動車用シートの調整装置は、本願の上記自動車用シートの調整方法の実施例における技術案を実行するために用いられ、その技術的原理と技術効果は類似するため、ここで繰り返して説明しない。
【0096】
本願の実施例によれば、本願は、さらに電子機器及び読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0097】
図8に示すように、本願の実施例による自動車用シートの調整方法の電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、自動車内の車載システム(又は車載コンピュータと称する)、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタルアシスタント、スマートフォン、タブレットパソコン、ウェアラブルデバイス及び他の類似するコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本願の実施を制限することを意図したものではない。
【0098】
図8に示すように、当該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ801と、メモリ802と、高速インタフェース及び低速インタフェースを含む各コンポーネントを接続するためのインタフェースと、を含む。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に応じて他の方式で取り付けることができる。プロセッサは、電子機器内で実行される命令を処理することができ、当該命令は、外部入力/出力装置(例えば、インタフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIの図形情報をディスプレイするためにメモリ内又はメモリに記憶されている命令を含む。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリとともに使用することができる。
図8では、1つのプロセッサ801を例とする。
【0099】
メモリ802は、本願により提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。前記メモリには、少なくとも1つのプロセッサに本願により提供される自動車用シートの調整方法を実行させるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶されている。本願の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータに本願により提供される自動車用シートの調整方法を実行させるためのコンピュータ命令が記憶されている。
【0100】
メモリ802は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本願の実施例における自動車用シートの調整方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、
図7に示される第1の取得モジュール701、第2の取得モジュール702及び調整モジュール703)のような、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶するために用いられることができる。プロセッサ801は、メモリ802に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、電子機器の様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち、上記の方法の実施例における自動車用シートの調整方法を実現する。
【0101】
メモリ802は、プログラムストレージエリアとデータストレージエリアとを含むことができ、プログラムストレージエリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データストレージエリアは、電子機器の使用によって作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ802は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、非一時的なメモリをさらに含むことができ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスである。いくつかの実施例では、メモリ802は、プロセッサ801に対して遠隔に設定されたメモリを選択的に含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0102】
上記電子機器は、入力装置803と出力装置804とをさらに含むことができる。プロセッサ801、メモリ802、入力装置803、及び出力装置804は、バス又は他の方式を介して接続されることができ、
図8では、バスを介して接続することを例とする。
【0103】
入力装置803は、他の装置又は機器(例えばマイクロホンアレイなど)から送信されたデータ又は情報、或は入力可能な数字又は文字情報を受信し、上記電子機器のユーザ設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置804は、ディスプレイデバイス、補助照明装置(例えば、LED)、及び触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを含むことができる。当該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスはタッチスクリーンであってもよい。
【0104】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施され、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該ストレージシステム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0105】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、高レベルのプロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピュータプログラムを実施することができる。本明細書に使用されるような、「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」の用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指し、機械読み取り可能な信号である機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。「機械読み取り可能な信号」の用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0106】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上で、ここで説明されているシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイスとを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形態(音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0107】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションする)、又はこのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットとを含む。
【0108】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、クライアントとサーバとの関係が生成される。
【0109】
本願の実施例の技術案によれば、ユーザが入力したシート調整音声命令を検出した場合、音源定位方法でユーザの身長情報を取得し、次に、シート位置推薦モデルに基づき、ユーザの身長情報に対応する目標シート位置情報を決定し、続いて、目標シート位置情報に基づき、シートの位置を調整する。本願の実施例によれば、ユーザの音声によるシートの自動調整が実現され、ユーザが他の操作をする必要がなく、自動車用シートの調整プロセスが簡略化されることにより、自動車用シートの調整効率を向上させることが分かる。
【0110】
本願の実施例によれば、本願は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムをさらに提供し、前記コンピュータプログラムでの命令は、プロセッサによって実行されるとき、本願の実施例による方法を実現するためのものである。
【0111】
上記に示される様々な形態のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除ことができる。例えば、本願に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本願で開示されている技術案が所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定しない。
【0112】
上記の発明を実施するための形態は、本願の保護範囲を制限するものではない。当業者は、設計要件と他の要因に基づいて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができる。本願の精神と原則内で行われる任意の修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。