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特許7309779医学的用量調製システムのためのワーク・ステーションの改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】医学的用量調製システムのためのワーク・ステーションの改善
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021076690
(22)【出願日】2021-04-28
(62)【分割の表示】P 2019088657の分割
【原出願日】2013-03-15
(65)【公開番号】P2021118900
(43)【公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】61/719,256
(32)【優先日】2012-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514000967
【氏名又は名称】バクスター・コーポレーション・イングルウッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER CORPORATION ENGLEWOOD
【住所又は居所原語表記】9540 S.Maroon Circle,Suite 400,Englewood,CO 80112 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウェズレイ・ジェイ・ウェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ブイ・ラナレッタ
(72)【発明者】
【氏名】イアン・マッキーチャン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0189597(US,A1)
【文献】米国特許第07028723(US,B1)
【文献】国際公開第2012/056317(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0191121(US,A1)
【文献】国際公開第2004/112685(WO,A1)
【文献】特開2004-274503(JP,A)
【文献】特開2004-294228(JP,A)
【文献】特開2005-279228(JP,A)
【文献】特開2007-93465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0198208(US,A1)
【文献】米国特許第6610973(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医学的用量調製管理のためのシステムであって、
重量計を含むプラットフォーム基部と、
前記プラットフォーム基部上に配置される支持プラットフォームと、
少なくとも一つのデバイスを収容するように構成されたハウジングにして、前記少なくとも一つのデバイスが撮像デバイスを含むハウジングと、
前記ハウジングと前記プラットフォーム基部に係合して第1位置と第2位置の間での移動のために適合された支持アームと、
メモリと、
前記メモリに通信動作可能であるプロセッサにして、
前記撮像デバイスからデジタル画像データを受け取ることにして、前記デジタル画像データは、薬剤用量命令の調製に関する少なくとも一つの画像のデータを含み、前記少なくとも一つの画像が、計量のために支持可能に配置される薬剤容器の画像を含むことと、
前記重量計から重量データを受け取ることにして、前記重量データが前記デジタル画像データに関連し、かつ前記薬剤用量命令の調製に関連することと、
前記メモリにおいて前記デジタル画像データと前記重量データを関連付けて記憶することと、
前記薬剤容器の予想重量からの前記重量データが示す前記薬剤容器の重量の偏差が閾値を超える時、警告を提供することを実行するように構成されるプロセッサと、
前記プロセッサと通信動作可能であるディスプレイにして、前記少なくとも一つの画像を表示するように構成されるディスプレイを備える、システム。
【請求項2】
前記システムが前記重量データに基づいて重量分析を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記重量データは、用量命令メタデータに付属される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
撮像デバイスを更に備え、前記用量命令メタデータは、前記撮像デバイスにより取得されるデータを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記デジタル画像データと前記重量データが同時に取得される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ディスプレイは、前記薬剤用量命令の調製に対応するワークフローを表示するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記デジタル画像データは、医薬化合物の調製に用いられる前記薬剤容器に関する画像データを含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2012年10月26日に出願された「WORK STATION FOR MEDICAL DOSE PREPARATION SYSTEM」という名称の米国仮特許出願第61/719,256号の優先権を主張するものであり、同仮特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多数のケア提供者は、そのケア提供者により治療される患者への投与のために医学的用量(medical dose)を調製する薬局を有する。この点に関して、薬局は、患者への投与のためにケア提供担当者(たとえば医師)によって命令された医学的用量命令を履行するために薬剤を調製するために処方集を用いることがある。調製されるべきいくつかの医学的用量は、薬局内の特別に構築および制御された環境(たとえば「IV室」)で調製され得る混合滅菌製品(CSP:compounded sterile product)を含むことがある。医学的用量を調製するプロセスは、現地の方針、政府の規制、業界団体(たとえば米国薬局方の第797章)、または他の適切な方針に従って実行され得る。たとえば、薬剤の調製は、一般に、医学的用量を調製する作業が課されたオペレータ(一般的には薬局の技術者)によって、層流フード、アイソレータ、または生物学的に安全なキャビネット内で行われることがある。医学的用量がひとたび調製されると、医学的用量は、患者への投与のために薬局から配給(dispense)される前に薬剤師によって確認されることが必要とされることがある。
【0003】
従来の薬局管理技術では、医学的用量命令が、用量がひとたび調製されると完成した用量に貼付されるべき医学的用量命令を示すラベルを印刷するプリンタに与えられ得る。薬局の技術者は、ラベル・プリンタからラベルを取り出し、それらのラベルを、各用量を調製するプロセスにおいて作業命令を移動する物(work order traveler)として使用することが必要とされることがある。用量がひとたび調製されると、技術者は、用量にラベルを貼付することができる。完成し、ラベルの付けられた用量は、薬剤師が、たとえば供給源成分(source ingredient)とともに、用量を調製する最中に使用される薬物容器、および/または他の材料を確認するために取っておかれることがある。この点に関して、用量を確認するために、薬剤師は、用量が調製されるクリーン・ルームに入り、用量命令に関連する材料を物理的に観察することが必要とされることがある。したがって、調製された用量の確認では、薬剤師が、防護服または保護具を着用することが求められ、これに時間と資源がかかることがある。
【0004】
そのうえ、医学的用量命令を調製するために薬局が受けることがある唯一のきっかけは、ラベルの印刷物である。この点に関して、ラベルが紛失または損傷された場合、用量が調製されないことがある。さらに、ラベル・プリンタにおけるラベル・スタックは、何の用量が命令、調製、および/または調剤されたかについての唯一の証拠になることがあるので、優先順位を決定する作業も困難になる。したがって、物理的ラベルのみに依拠して用量を追跡した結果、用量の未調剤(unprepare)、紛失、または重複がもたらされることがある。場合によっては、薬局は、当然のことながら、ラベルを複製することがあり、したがって、薬局は、すでに受け取られた他のラベルに対して各ラベルをチェックして、調製されることが必要とされる新しい用量命令をラベルが表しているかどうか判断する。この慣例が、運営費を増し薬局の効率を低下させる、薬局における管理オーバヘッドの増加をもたらすことがある。
【0005】
そのうえ、薬品の調製に関する指示は、FDAの承認を受けた薬品用の公的文書に記録されることがあるが、薬局の技術者は、用量を調製しているとき、文書を確実に調べるとは限らないであろう。むしろ、薬局の技術者は、最も一般的な薬品に必要とされるステップを覚え、次いで、それらのステップを、特定の薬品に関連するプロトコルを確認せずに、調製されるべき他の薬品に合わせて一般化する。この点に関して、用量命令が、薬局の技術者が認識しない特定の指示を含む場合、適切な技法に関する参考文献が存在しないかまたは調べられないことがある。したがって、特別な指示を含む用量命令は、より熟練した技術者によって、またはより熟練した技術者の指導の下で、調製されなければならないことが多い。どちらの点に関しても、用量を調製するために使用されるプロトコルは、調製されている薬品についてのFDA承認文書に適合しないことがある。
【0006】
さらに、従来の薬局管理技術では、薬局の技術者が、調製された用量および用量を作るために用いられた処方集から製品に関して保守される記録を作成する責任を担うことがある。たとえば、薬局の技術者は、ロット番号、使用期限、シリアル番号などの情報を転記する作業が課されていることがある。手作業で行う記録の作製は、薬局の非効率性に結びつくことがある労働集約的な慣例を必要とし、記録の誤りの可能性をもたらし、紙の記録がほとんど探索不可能になることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医学的用量の管理の助けとなり得る医学的用量調製管理システムの実施形態が本明細書で説明される。本明細書で説明する実施形態は、医学的用量命令の調製の助けとなるために使用される1つまたは複数のワーク・ステーションを含むことができる。たとえば、ワーク・ステーションは、医学的用量命令の調製に関して技術者に指針を提供するために使用されることがあり、および/またはワーク・オーダー・ステーションは、医学的用量命令に関するデータ(たとえばメタデータ)を取り込み、収集し、もしくはまとめるために使用されることがある。この点に関して、医学的用量命令に関連するメタデータは、医学的用量命令に関連する医学的用量の患者への投与の前または後にメタデータがケア提供者にとって利用可能であり得るように、医学的用量命令に対して対応する関係として格納されることがある。メタデータは、調製された用量命令、用量命令の構成要素、または調製された用量命令もしくは用量命令の構成要素が調製された様式に関するデータを含むことができる。したがって、ワーク・ステーションで取り込まれ、収集され、またはまとめられたメタデータは、医学的用量命令を組織化する、追跡する、または別の方法で管理するために使用されることがある。したがって、医学的用量調製管理システムによって促進される利点の例としては、とりわけ、優先順位付け、組織化、追跡、および医学的用量命令に関して残される記録の改善があり得る。
【0008】
たとえば、用量命令に関するメタデータとしては、医学的用量命令の構成要素に関連する1つもしくは複数の医学的用量調製画像、用量命令の調製中に実行されるステップ、または完成した用量命令があり得る。この点に関して、医学的用量調製画像は、医学的用量命令の調製を文書化するまたは証拠となるために使用されることがある。医学的用量調製管理システムによって取得される医学的用量調製画像の品質は、医学的用量調製管理システムにおける重要な考慮事項であり得ることが諒解されよう。
【0009】
したがって、ワーク・ステーションの特徴および/または属性が、メタデータ(たとえば、医学的用量調製画像データを含む)を取り込みながら、収集しながら、および/またはまとめながら、医学的用量命令がワーク・ステーションで技術者によって調製され得る正確さ、速さ、および/または品質に寄与し得ることが現在認識されている。したがって、本開示の目的は、技術者が用量命令メタデータを取得しながら医学的用量命令を効率的に調製することを可能にする、効率の良いワーク・フローを容易にするワーク・ステーションを示すことである。さらに、本開示の目的は、用量命令メタデータを含む高品質医学的用量調製画像の取り込みを容易にするワーク・ステーションを示すことである。この点に関して、医学的用量の調製中の高品質用量命令メタデータの効率の良い取り込みは、患者の安全性に寄与し、薬局の効率を改善し、薬局管理の助けとなり、および/または本明細書で提示される説明において諒解され得る他の利点を提供することができる。そのうえ、本開示の目的は、ワーク・ステーションの掃除などのワーク・ステーションで実行される管理作業に関連する利点を促進し得るワーク・ステーションを示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、医学的用量命令管理システムに関連するいくつかの態様が本明細書で説明される。本明細書で説明するさまざまな態様は、分離して、および/または本明細書で提示する態様のうちの1つもしくは複数の他の態様と組み合わせて実現され、それによって、1つまたは複数の追加の態様を構成することができる。本出願では、態様という用語は、実施形態という用語と同義で使用される。言い換えれば、本出願で説明する1つもしくは複数の態様の1つもしくは複数の特徴および/または1つもしくは複数の実施形態の1つもしくは複数の特徴は、対応する態様および/または実施形態の残りの特徴から分離され、1つまたは複数の態様および/または実施形態の別個の特徴と組み合わされて、新しい態様および/または実施形態を作り出すことができる。この点に関して、本明細書で説明する態様は、上記で説明した医学的用量管理システムのワーク・ステーションに関して使用され得る。具体的には、ワーク・ステーションは、医学的用量調製管理のためのシステムにおける使用に適合され、これに適していることがある。一態様は、医学的用量調製管理のためのワーク・ステーションの使用に関することがある。別の態様は医学的用量管理システムに関することがあり、ワーク・ステーションは、医学的用量管理システムの構成要素であることがある。
【0011】
したがって、ワーク・ステーションは、薬剤調製ステージ領域に対して支持される撮像デバイス(たとえばデジタル・カメラ)を全体的に含むことができる。医学的用量調製ステージ領域は、長さと幅とを有する基部によって少なくとも部分的に画定され得る。すなわち、基部は、ワーク・ステーションでの医学的用量命令の調製において使用される薬剤容器などの物体を支持するための面を含むことができる。撮像デバイスは、薬剤調製ステージ領域の少なくとも一部分を包含する撮像野(imaging field)を有することができる。撮像デバイスは、医学的用量調製ステージ領域(たとえば、医学的用量命令において使用されるまたはワーク・ステーションによって調製される薬剤容器を含む)のデジタル画像データ(たとえば、静止画デジタル画像および/またはビデオ・データ・ストリーム)を取り込むように動作可能であり得る。
【0012】
この点に関して、一態様は、少なくとも部分的にハウジング内に位置する撮像デバイスを含むことができる。次に、撮像デバイスの撮像野は、ハウジングの開口を通って延在することができる。さらに、透明シールドは、撮像デバイスと薬剤調製ステージ領域の間に配置され得る。特に、透明シールドは、撮像デバイスの少なくとも一部分(たとえば、撮像デバイスの少なくともレンズに対応する)を覆うことができる。透明シールドは、撮像デバイスの撮像野が延在する開口の少なくとも一部分またはほぼ全部にわたって延在することができる。
【0013】
後者の点に関して、透明シールドおよびハウジングは、密閉空間(enclosed volume)を画定することができる。したがって、透明シールドおよびハウジングは、密閉空間のまわりに配置された連続した外面を画定することができる。したがって、撮像デバイスは、密閉空間内に配置され得る。その結果、撮像デバイスは、密閉空間の外部の環境から保護され得る(たとえば、カメラは、流出または用量調製中もしくはワーク・ステーションの掃除中に発生し得るような液体もしくは有害物質と接触する他の可能性から隔離され得る)。
【0014】
別の態様では、少なくとも1つの固定された光学セッティングを有する撮像デバイスが提供され得る。一実施形態では、固定された光学セッティングは、(たとえば、ワーク・ステーションの製造中に)あらかじめ設定されてもよい。固定された光学セッティングは、医学的用量調製ステージ領域のほぼ全体を包含する視野の深さをもたらすことがある(たとえば、医学的用量調製ステージ領域内の物体の画像が視野の深さの中に配置されるように)。さまざまな実施形態では、少なくとも1つの固定された光学セッティングは、アパーチャセッティング、焦点セッティング、倍率セッティング、および/または他の適切な光学セッティングのうちの少なくとも1つに対応することがある。
【0015】
別の態様では、少なくとも1つの光源(たとえば、1つまたは複数のLED)が、ハウジング内に配置されることがある。したがって、光源は、薬剤調製ステージ領域に向かう方向にハウジングから光を放射するように動作可能であることがある。したがって、光源も密閉空間の外部の環境から保護されるように、光源も、密閉空間内に配置されることがある。
【0016】
さらに別の態様では、光偏光フィルタが、(たとえば、撮像デバイスによって取り込まれる医学的用量調製画像におけるグレアを減少させるために)光源およびワーク・ステーションの撮像デバイスとともに用いられることがある。たとえば、ワーク・ステーションは、撮像デバイスと薬剤調製ステージ領域の間に配置された第1の偏光フィルタと、光源と薬剤調製ステージ領域の間に配置された第2の偏光フィルタとを含むことができる。一適用例では、透明シールド(たとえば、上記で説明した)の少なくとも一部分は、第1の偏光フィルタまたは第2の偏光フィルタのうちの少なくとも1つを備えることができる。一実施形態では、透明シールドは、両方、すなわち第1の偏光フィルタと第2の偏光フィルタとを備えることができる。一実施形態では、第1の偏光フィルタと第2の偏光フィルタは、まとめて、ハウジングの開口の少なくとも一部分を覆うことがある。第1の偏光フィルタおよび第2の偏光フィルタは重複しない関係で配置されることがあり、第1の偏光フィルタおよび第2の偏光フィルタは、垂直な偏光配向を有することがある。したがって、偏光フィルタは、薬剤用量調製ステージ領域内の物体からのグレアを減少させるために連携して機能することができる。
【0017】
一実施形態では、撮像デバイスは、ハウジング開口の中央領域内に配置されことがあり、周辺領域は、この中央領域のまわりに延在することがある。複数の光源は、周辺領域内に(たとえば、中央領域のまわりに離隔されて)配置されることがある。この点に関して、第1の偏光フィルタは、カメラのレンズに対応する開口の一部分を覆うことがあり、第2の偏光フィルタは、光源に対応する開口の一部分を覆うことがある。
【0018】
一実施形態では、周辺領域が、基部の幅に対応する第1の方向に少なくとも延在することがある。周辺領域は、基部の長さまたは基部から延在する医学的用量調製ステージ領域の高さのうちの1つに対応する第2の方向にも少なくとも延在することもある。たとえば、以下でより詳細に説明するように、撮像デバイスは、医学的用量調製撮像デバイスに対して複数の位置に配置されることがある。したがって、撮像デバイスの方位に応じて、周辺領域は、基部の長さに対応する方向に延在することがあり、第2の位置にあるとき、周辺領域は、(たとえば、基部に垂直に延在する)医学的用量調製ステージ領域の高さに対応する方向に延在することがある。
【0019】
この点に関して、支持部材は、撮像デバイスを基部に対して支持可能に配置するために、基部とハウジングの間(たとえば、基部に対する撮像デバイスの複数の異なる位置の間)に延在する。すなわち、支持部材は、基部の薬剤調製ステージ領域に対して少なくとも第1の位置および第2の位置に選択的に位置決め可能であることがある。支持部材は、第1の位置と第2の位置の間で移動可能であることがある。追加または代替として、支持部材は、薬剤調製ステージ領域に対して複数の異なる位置に選択的に位置決め可能であることがある。
【0020】
一実施形態では、支持部材は、基部に取り付けられた第1の部分と、撮像デバイスに取り付けられた第2の部分とを含むことができる。第2の部分は、第1の部分に対して第1の位置と第2の位置の間で移動可能であることがある。たとえば、第1の部分は、蝶番式接着により(hingedly)第2の部分に接続されることがある。したがって、第1の部分および第2の部分は、第1の位置と第2の位置の間で枢動可能に配置可能であることがある。一実施形態では、第1の位置と第2の位置の間の移動が緩衝されることがある。
【0021】
支持部材が第1の位置にあるとき、撮像デバイスの撮像野は、医学的用量調製ステージ領域の少なくとも一部分を包含するために、撮像デバイスと基部の間に延在することができる。支持部材が第2の位置にあるとき、撮像デバイスの撮像野は、医学的用量調製ステージ領域の少なくとも一部分を包含するために、基部の支持面と平行な方向に延在することができる。
【0022】
一実施形態では、支持部材は、基部から、幅に沿って延在する基部の縁に隣接して延在することがある。ワーク・ステーションは、層流フードなどの中に配置されてよい。したがって、層流フードからの空気の流れは、基部の幅に対応する方向と平行であることがある。すなわち、支持具は、基部を横切る空気の層流を妨げないように基部に対して位置決めされ得る(たとえば、基部のほぼ全体は、層状の(laminar)空気流に曝露され得る)。
【0023】
そのうえ、ワーク・ステーションからのワイヤ、ケーブルなどの排除および/またはその数の減少が有利となり得ることが認識されている。たとえば、ワイヤおよび/またはケーブルの減少によって、掃除を必要とする構造および面の少数化がもたらされることがある。そのうえ、層状気流フード、アイソレータ、または生物学的に安全なキャビネットが使用されるなどの封じ込め構造の場合、封じ込め構造の外部環境へのケーブルの経路指定は、封じ込め構造の適切な封じ込めレベルを維持することの困難さを示すことがある。したがって、ワーク・ステーションにおけるワイヤ、ケーブルなどの減少および/または排除によって、ワーク・ステーションを掃除する機能が改善されることがあり、ワーク・ステーションで用いられる封じ込め構造の封じ込めのレベルを維持する助けとなることがある。
【0024】
この点に関して、一態様では、(たとえば、ワーク・ステーション内のケーブル、ワイヤなどの数を減少させるために)支持部材内に少なくとも部分的に配置されるアンビリカル(umbilical)が設けられることがある。アンビリカルは、信号通信材と電力通信材のうちの少なくとも1つを含むことができる。すなわち、アンビリカルは、いくつかの導電性部材を単一ケーブルに統合して、設けることが必要なケーブルの数を減少させることができる。アンビリカルは、プロセッサと通信動作可能である。
【0025】
別の実施形態では、ワイヤレス技術が、(たとえば、ワイヤなどの必要性を完全になくすために)ワーク・ステーションで組み込まれることがある。すなわち、この技術は、さまざまな構成要素とプロセッサの間で信号をワイヤレスで通信するために、ワーク・ステーションに組み込まれることがある。たとえば、画像データ、照明制御データ、重量計(scale)情報、またはワーク・ステーションのデバイスとプロセッサの間の他の通信は、ワイヤレス通信によって容易にされ得る。さらに、バッテリが、ワイヤレス動作を容易にするために、カメラ・スタンドに装備されることがある。たとえば、バッテリは、連続したワイヤレス動作を容易にするために、交換可能または再充電可能であってよい。
【0026】
一適用例では、ワーク・ステーションの基部は、1つまたは複数の吸着カップを有する面と支持可能に係合可能であることがある。この点に関して、カメラ・スタンドは、面上にしっかりと保持され得る。そのうえ、吸着カップは、外部環境からの振動絶縁の何らかの尺度を提供することがある。
【0027】
別の態様では、基部に対して着脱可能に配置可能な支持プラットフォームが設けられることがある。支持プラットフォームの取り外しによって、支持プラットフォームの掃除が容易になることがある。支持プラットフォームは、薬剤調製ステージ領域を少なくとも部分的に画定することができる。支持プラットフォームは、支持プラットフォームの変色または劣化に抵抗するために、耐UV材料から作製されてよい。
【0028】
一態様では、支持プラットフォームの支持面は、複数の薬剤容器係合機構を画定することができる。したがって、支持プラットフォームは、支持面の面に対応する基準平面を含むことができる。この点に関して、支持面は、基準平面から第1の深さだけ延在し得る、支持面内に画定された少なくとも1つの溝を含むことができる。さらに、支持面は、基準平面から第2の深さだけ延在し得る、支持面内に画定された少なくとも1つのチャネルを含むことができる。溝およびチャネルは、薬剤調製ステージ領域内に配置された薬剤容器と係合するように動作可能であり得る。一実施形態では、第1の深さは、第2の深さよりも小さいことがある。
【0029】
また、一実装形態では、溝は、基準平面から第1の深さまで延在する第1の凹状面を含むことができる。チャネルは、基準平面から第2の深さまで延在する第2の凹状面を備えることができる。第1の凹状面は、第2の凹状面の第2の曲率半径よりも大きい第1の曲率半径を有することができる。一実施形態では、支持面は、複数の溝および/または複数のチャネルを含むことができる。前記複数の溝のうちの少なくとも1つは、チャネルのうちの少なくとも1つに垂直に配置されることがある。そのうえ、複数の溝のうちの少なくとも1つは、支持面の幅に対応する基部の第1の方向に延在することができる。たとえば、少なくとも1つの溝は、支持面の幅に対応する第1の方向に、支持面のほぼ全部を横切って延在することができる。また、複数のチャネルのうちの少なくとも1つは、支持面の長さに対応する基部の第2の方向に延在することができる。たとえば、少なくとも1つのチャネルは、支持面の長さに対応する第2の方向に、支持面のほぼ全部を横切って延在することができる。
【0030】
さらに別の態様は、医学的用量調製画像が取り込まれたことをユーザに知らせるための仕組みを含むことができる。たとえば、ユーザ制御デバイスで受け取られたユーザ入力に応答して撮像デバイスによって取得された画像データからの医学的用量調製画像の取り込みを開始するためにプロセッサと通信動作可能なユーザ制御デバイス(たとえばフットスイッチ)が設けられることがある。言い換えれば、ユーザ制御デバイスは、撮像デバイスによって出力されたビデオ・データ・ストリームからの医学的用量調製画像の取り込みを開始するユーザ入力を受け取るために、ユーザ入力を受け取るように動作可能である、および/またはそのように適合されることがある。代替または追加として、医学的用量調製画像の取り込みをトリガする他の方法が、制限なく提供されてよい。いずれの点においても、医学的用量調製画像の取り込み時、光源の強度は、放射光のデフォルト強度から、光の修正された強度に自動的に修正され得る。言い換えれば、光源は、少なくとも1つの光源の強度が、放射光のデフォルト強度から放射光の修正された強度に自動的に修正されるように動作可能である、および/またはそのように適合されることがある。光度の変化は、医学的用量調製画像の取り込み後の第1の所定期間に発生することがある。そのうえ、光源は、第1の所定期間の後の第2の所定期間に、光の修正された強度から光のデフォルト強度に自動的に戻されることがある。言い換えれば、光源は、第1の所定期間の後の第2の所定期間に、光の修正された強度から光のデフォルト強度に自動的に戻されるように動作可能である、および/またはそのように適合されることがある。光源は、光の修正された強度から光のデフォルト強度に自動的に戻ることが可能であってよい。この点に関して、光源は、ユーザがワーク・フローを進めることができるように、画像が取り込まれたことをユーザに示すために、「明滅する」または「ちらつく」ように制御されることがある。
【0031】
一実施形態では、プロセッサと通信動作可能な重量計が設けられることがある。重量計は、薬剤調製ステージ領域内で支持可能に配置される薬剤容器に対応する重量を出力するように動作可能であることがある。この点に関して、基部に対して対応する関係として重量計が設けられることがある(たとえば、基部に対して配置される、および/または基部と一体化される)。
【0032】
たとえば、重量計は、一般に、医学的用量調製ステージ領域内に配置された物品の重量分析を実行するために使用されることがある。たとえば、医学的用量調製画像の取り込み時、薬剤容器の重量は、医学的用量調製画像が取り込まれたのとほぼ同時に、重量計からプロセッサによって記録され得る。言い換えれば、プロセッサは、-ユーザ入力の受け取り時に-医学的用量調製画像が取り込まれたのとほぼ同時に重量計から重量を記録するように動作可能である、および/またはそのように適合されることがある。この点に関して、ワーク・ステーションは、医学的用量調製画像および重量を格納するための、プロセッサと通信動作可能なメモリも含むことができる。たとえば、重量および医学的用量調製画像は、メモリに関連付けて格納されることがある。したがって、プロセッサは、薬剤容器の予想重量(たとえば、命令のメタデータ内で提供される)と薬剤容器の実測重量を比較するように動作可能であることがある。この点に関して、プロセッサは、予想重量に対する実測重量の偏差を計算するように動作可能であることがある。偏差は、重量、医学的用量調製画像、および/または用量命令とともに、メモリに関連付けて格納されることがある。そのうえ、偏差は、閾値偏差値と比較されることがある。したがって、偏差が閾値偏差を超えるとき、警告がユーザに提供されることがある。この態様では、基部、撮像デバイス、および重量計は、移動のために単一ユニットとして相互接続されることがある。さらに、プロセッサは、閾値偏差と偏差を比較し、ユーザに警告を提供するように動作可能である、および/またはそのように適合されることがある。
【0033】
別の態様は、撮像野のビデオ・データ・ストリームの出力のステップと、撮像野のビデオ・データ・ストリームを受け取るステップと、ユーザ制御デバイスで受け取られたユーザ入力に応答してのビデオ・データ・ストリームからの医学的用量調製画像の取り込みを開始するステップと、薬剤調製ステージ領域内に支持可能に配置された薬剤容器に対応する重量を出力するステップとを含む方法に関することがある。この方法は、ユーザ入力の受け取り時、前記医学的用量調製画像の取り込みとほぼ同時の重量計からの重量の記録をさらに提供することがある。
【0034】
本発明の多数の追加の特徴および利点は、本明細書で提供される実施形態の説明を考慮すると、当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】医学的用量調製管理システムの一実施形態およびその動作の一実施形態を示す概略的な流れ図である。
図2】医学的用量調製管理システムにおいて使用するためのワーク・ステーションの一実施形態の概略図である。
図3】ワーク・ステーションのカメラ・スタンドの一実施形態の斜視図である。
図4図3のカメラ・スタンドのハウジングの一実施形態の斜視図である。
図5】ハウジングの密閉空間内に配置されたカメラおよび光源を示す、図3のカメラ・スタンドのハウジングの実施形態の断面図である。
図6】偏光フィルタの生産中の偏光フィルタの一実施形態を示す図である。
図7】完成し位置合わせされた状態の図6の偏光フィルタの実施形態を示す図である。
図8】支持具が第2の位置に配置された、図3のカメラ・スタンドの実施形態の斜視図である。
図9】支持具が第2の位置に配置された、図3のカメラ・スタンドの実施形態の平面図である。
図10図10Aは、第1の位置における支持具の第1の部分と第2の部分の間の接続の一実施形態を示す図であり、図10Bは、第2の位置における支持具の第1の部分と第2の部分の間の接続の一実施形態を示す図である。
図11】支持具プラットフォームが取り外された位置にある、図3のカメラ・スタンドの基部の斜視図である。
図12】ワーク・ステーションの支持面の一実施形態の上面図である。
図13図12の支持面の正面図である。
図14図12の支持面の側面図である。
図15】撮像デバイスの支持具への取り付けの一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、さまざまな変更および代替形態の余地があるが、本発明の具体的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明する。しかしながら、本明細書は、本発明を特定の形態に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲に含まれるすべての変更、均等物、および代替形態を包含することができることを理解されたい。
【0037】
図1は、医学的用量の調製および/または管理の助けとなるためにケア提供者薬局12において使用され得るシステム10の一実施形態を示す。システム10は、医学的用量命令を受け取るために、用量命令入力20を含むことができる。用量命令入力20は、医学的用量を命令するために、ケア提供担当者(たとえば、医師、看護師など)によって利用され得る。
【0038】
用量命令入力20で受け取られる医学的用量命令は、患者に固有であってもよいし、命令の時点で患者に関連しない命令であってもよい。この点にて、医学的用量命令は、被含有薬剤ユニット(contained medication unit)に対応することがあり、この薬剤ユニットは、
・特定の患者への投与用に指定された薬剤ユニットを備える患者固有ユニット、
・後で特定の患者への投与用に指定されるべき薬剤ユニットを備える非患者固有ユニット、または
・(たとえば、調製後に特定の患者への投与用に指定される)患者固有ユニットまたは非患者固有ユニットの調製において使用されるべき薬剤成分供給源ユニット
のうちの1つを備えることがある。薬剤用量命令に対応することがある、被含有薬剤ユニットの例としては、
・混合滅菌製品、
・注入可能薬剤、
・化学療法薬調製、または
・患者ケア提供者による投与を必要とする栄養補助剤(たとえば、滅菌済みの注入可能な栄養補助剤)
がある。
【0039】
後者の点に関して、栄養補助剤は、完全静脈栄養法(TPN:total parenteral nutrition)またはTPNの成分を含むことがある。そのうえ、栄養補助剤は、部分的な栄養補助剤を含むことがある。栄養補助剤は、あらかじめ混合されたバッグ、基剤、および追加成分を個別に、または組み合わせて含んでもよいし、他の形態の栄養補助剤またはその成分を含んでもよい。栄養補助剤は、静脈内注射を介した投与のためのものであってもよいし、食物の形態であってもよいし、栄養チューブなどとともに使用するためのものであってもよい。
【0040】
いずれの点に関しても、医学的用量は、薬剤用量の調製の助けとなるために使用され得る情報の1つまたは複数の部分を含むことがあり、患者への用量命令の投与に関連することがあり、または用量命令に関することがある。たとえば、用量命令は、
・薬剤識別子、
・薬剤量、
・薬剤濃度、
・薬剤用量命令に関連する薬剤ユニットが投与される患者に関連する情報、
・薬剤用量命令に関連する薬剤ユニットのスケジューリング情報(たとえば、投与時刻)、または
・薬剤用量命令に関連する薬剤ユニットに関する他の適切な情報
に相当する情報を含むことがある。
【0041】
いずれの点に関しても、医学的用量命令は、医学的用量調製管理システム30に通信されることがある。医学的用量調製管理システム30は、命令処理器20から受け取られた用量命令情報から用量命令データを獲得する50ように動作可能であってもよい。医学的用量調製管理システム30はまた、用量命令データを前処理する52ことがあってもよい。前処理52としては、たとえば、医学的用量調製管理システム30によって保守されるデジタル用量命令記録を生成することが含まれ得る。デジタル用量命令記録は、たとえば医学的用量命令に関して上記で説明した情報のいずれかなどの命令から取得され得るデータが自動的に設定されることがある。この点に関して、情報は、解析されてもよいし、削除されてもよいし、命令入力20で受け取られる薬剤用量命令から取得されてもよい。具体的には、一実施形態では、医学的用量調製管理システム30は、命令入力20からの人間可読出力(たとえばプリンタ)を宛先とするデータを削除して、医学的用量命令記録に、医学的用量命令に対応するデータを設定するように動作可能であってもよい。
【0042】
一実施形態では、医学的用量調製管理システム30は、薬剤用量命令データベース32と動作可能に通信してもよい。この点に関して、薬剤用量命令データベース32は、ケア提供者施設にあってよい(すなわち、ケア提供者病院12に対してオンサイトであってよい)。医学的用量調製管理システム30は、追加または代替として、遠く離れた薬剤用量命令データベース34と通信するように動作可能であってよい。この点に関して、医学的用量調製管理システム30は、ネットワークなどを介して、遠隔の薬剤用量命令データベース34と通信することがある。いずれの点に関しても、薬剤用量命令データベース32または34は、薬剤用量命令データベース32および/または34内の薬剤用量命令記録を格納するように動作可能であってよい。さらに、薬剤用量命令データベース32または34は、格納された薬剤用量命令のそれぞれの命令に対して対応する関係として用量命令メタデータを格納してよい。薬剤用量命令データベース32または34は、アクティブな用量命令(たとえば、生成されているがまだ患者に投与されていない用量命令に相当する)またはアーカイブされた用量命令(たとえば、患者に投与された用量命令に相当する)を格納することができる。冗長なデータがオンサイト医学的用量命令データベース32およびオフサイト医学的用量命令データベース34に格納されることがある。たとえば、オフサイト医学的用量命令データベース34は、オンサイト医学的用量命令データベース32のバックアップ版であってよい。
【0043】
いずれの点に関しても、医学的用量命令メタデータは、薬剤用量命令に対して対応する関係で格納され得る。医学的用量命令メタデータは、たとえば、以下のタイプのデータを含むことがある。
・以下のうちの少なくとも1つを示す薬剤供給源データ:
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素の製造業者、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素のロット番号、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素の使用期限、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素のシリアル番号、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素の識別子を示す薬品コード
・以下のうちの少なくとも1つを示す一連の保管データ:
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットを所有するエンティティのリスト、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに関して行動を起こしたユーザのリスト。このユーザのリストは、各ユーザによって行われる特定の行動に相互に関連する。または
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの物理運動に対応する追跡情報
・以下のうちの少なくとも1つを示す履行データ:
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに対応する画像データ、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素から取得されるスキャンされたデータ、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに関する分析データ、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの少なくとも1つの薬剤師チェックに対応する薬剤師チェックデータ、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに関連するベストプラクティスに対応するコンプライアンスデータ、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに対応する無菌性評価データ、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに対応する行動のリスト、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに対応する行動に対応するタイム・スタンプ・データ、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットに対して行われたライフ・サイクル・イベントのリスト、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの実測重量および/または予想重量に対応する重量データ、または
・以下のうちの少なくとも1つを示す環境データ:
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットが曝露されている温度、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットが曝露されている温度および対応する時間期間、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットが冷却されているかどうか、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットが冷凍されているかどうか、
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットによって経験される温度プロファイル、または
- 薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの構成要素または薬剤用量命令に対応する被含有薬剤ユニットによって経験される力に対応する加速度計データ。
【0044】
医学的用量命令メタデータの上記の説明から諒解され得るように、医学的用量命令は、医学的用量命令の調製において使用される構成要素からメタデータを継承することがある。単純な例では、医学的用量命令は、第2の構成要素(たとえば希釈剤)と混合されるべき第1の構成要素(たとえば薬品)を含むことがある。この第1の構成要素は、第1の構成要素に関連する上記で説明したメタデータの1つまたは複数の部分を有することがある。さらに、第2の構成要素は、第2の構成要素に関連する上記で説明したメタデータの1つまたは複数の部分を有することがある。したがって、第1の構成要素および第2の構成要素を使用して調製される医学的用量命令は、第1の構成要素および第2の構成要素の各々からメタデータを継承することがある。この点に関して、複数の世代のメタデータは、所与の医学的用量命令に対して編集および起因され得る。一実施形態では、用量命令を調製するために使用されるあらゆる構成要素に対するメタデータは、所与の医学的用量命令に対して編集および起因され得る。したがって、医学的用量命令に関するメタデータ情報は、用量命令の構成要素の製造業者によって提供される供給源構成要素に発するメタデータを含むことがある。
【0045】
医学的用量調製管理システム30はまた、用量命令を組織化する54ように動作可能である。組織化54としては、優先順位付け、スケジューリング、または用量命令の組織化もしくは管理に関連する他の作業があり得る。医学的用量調製管理システム30はまた、用量命令を用量命令の履行において使用するための適切なワーク・ステーション40にルーティングする56ように動作可能である。この点に関して、医学的用量調製管理システム30と通信する複数のワーク・ステーション40が設けられてよい。複数のワーク・ステーション40のうちの異なるワーク・ステーション40は各々、医学的用量命令管理に関連する異なる動作に適していることがある。したがって、医学的用量の性質に応じて、特定のタイプのワーク・ステーション40は、用量を調製するために使用され得る。ワーク・ステーション40は、図1に示されるケア提供者病院12に対してオンサイトであってもよいし、オフサイトであってもよい。この点に関して、ルーティング56としては、ネットワークを介したリモート・ワーク・ステーション40への通信があり得る。そのうえ、システム10は、用量命令がルーティングされ得る56、オンサイトワーク・ステーション40ならびにオフサイトワーク・ステーション40の組み合わせを含むことができる。
【0046】
いずれの点に関しても、医学的用量調製管理システム30は、1つまたは複数のワーク・ステーション40と動作可能に通信してもよい。用量命令のルーティング56は、用量命令または用量命令の調製に関連する1つまたは複数の要因に少なくとも部分的に基づいてよい。たとえば、上記で述べたように、用量命令に対応する被含有薬剤ユニットの性質(たとえば、用量命令が化学療法薬用量命令であるか、非経口用量命令であるか、または他の特殊用量命令であるか)は、用量命令のルーティング56に関する判断を要因として考慮に入れることがある。追加または代替として、用量命令が調製されるべき様式に関するさまざまなワーク・ステーション40の機能が考慮されてよい。たとえば、いくつかの命令は、異なるレベルの封じ込め、覆うこと(hooding)、または各ワーク・ステーション40に設けられても設けられなくてもよい他の予防措置を必要とすることがある。一実施形態では、技術者のスケジュール、ワーク・ステーションのスケジュール、ワーク・ステーションの場所、薬剤用量命令スケジューリング情報、または他の情報などの他のパラメータは、用量命令を特定のワーク・ステーション40にルーティングする56ために、単独で使用されてもよいし、組み合わされて使用されてもよい。
【0047】
ワーク・ステーション40では、医学的用量命令の調製に対応するワーク・フローが表示され得る58。この点に関して、ワーク・ステーション40で現在調製されている医学的用量命令に固有のワーク・フローは、ワーク・ステーション40で技術者に提示され、用量命令を調製する技術者を支援するまたは技術者に指針を提供することができる。したがって、技術者は、一連のステップに従って、用量命令に関連する表示される58ワーク・フローに基づいて医学的用量を調製することができる。
【0048】
用量命令の調製中および/またはその後、ワーク・ステーション40は、医学的用量命令に関連する用量命令メタデータを取得する60助けとなるために使用され得る。たとえば、ワーク・ステーション40は、たとえば、製品のバーコード・スキャンの獲得、用量の調製における使用中もしくはその後の医学的用量命令容器の医学的用量調製画像の取り込み、または用量の調製に関連する他の情報の取得などの医学的用量の調製に関する書類の記録を可能とすることができる。一実施形態では、薬剤用量メタデータに関して上記で説明したデータのタイプのうちの1つまたは複数は、ワーク・ステーション40での医学的用量命令の調製に関連して獲得され得る。
【0049】
薬剤用量に関して取得される60用量メタデータの少なくとも一部分は、適切な担当者(たとえば薬剤師)による閲覧のために格納され得る。この点に関して、用量メタデータは、用量が薬局12から投薬される前に、調製された用量を確認する62ために利用され得る。一実施形態では、ワーク・ステーション40で収集されたメタデータは、ネットワークを介して薬剤師に利用され得る。この点に関して、用量命令を確認する62作業が課された薬剤師は、リモートで(たとえば、病院内であるがIV室の外部にある場所で、またはネットワークを介して病院構内から完全に離れた場所で)情報および/またはデータにアクセスすることがある。メタデータにリモートでアクセスする機能によって、薬剤師は、用量命令を確認する62ためにIV室に入らなければならない状態を回避する(すなわち、したがって、IV室の制御された環境に入ることに一般に関連する潜在的に面倒な更衣手順を回避する)ことを可能にすることができる。確認する62としては、薬剤師による、医学的用量調製画像、取得された情報、または医学的用量命令に関する他のデータの点検があり得る。たとえば、薬剤師は、正しい薬剤が医学的用量命令の調製中に集められ格納されたメタデータに基づいて正しい様式および/または正しい量で調製されたことを確認することがある。薬剤用量命令が何らかの点で間違っている場合、薬剤師は、薬剤用量命令が再処理されるまたは再開することを求めることがある。
【0050】
用量命令がひとたび調製および確認される62と、医学的用量調製管理システム30は、用量命令を配給する64ことができる。用量命令を配給する64とき、用量命令は、ケア提供者による患者への投与のために薬局12から送られることがある。たとえば、用量は、ケア提供者の指導または監督の下で、ケア提供者病院12で、またはオフサイトの場所で、投与されることがある。
【0051】
医学的用量調製管理システム30はまた、患者への投与という用量命令の追跡66を容易にする。薬局ワーク・フロー・マネージャ30はまた、格納またはアーカイブされ得る各用量に関連する記録を保持することができる。たとえば、記録は、電子的にインデックスが付与された検索可能な形でデジタルに格納され得る。記録は、各用量に関するメタデータの少なくとも一部分、好ましくはすべてを含むことができる。
【0052】
図2をさらに参照すると、ワーク・ステーション40の一実施形態を示す概略図が示されている。ワーク・ステーション40は、撮像デバイス80と通信動作可能なプロセッサ70を含むことができる。撮像デバイス80は、デジタル画像データを出力するように動作可能なデジタル・カメラであってよい。デジタル画像データは、静止画像および/またはデジタル・ビデオを含むことができる。この点に関して、撮像デバイス80は、プロセッサ70によって受け取られるビデオ・データ・ストリーム82を出力することができる。この点に関して、プロセッサ70は、撮像デバイス80からプロセッサ70で受け取られるビデオ・データ・ストリーム82を処理するためのビデオ・データ・ストリーム処理モジュール72を含むことができる。直接通信する、図2に示されるさまざまな構成要素が示されているが、これらのさまざまな構成要素は、ネットワーク・インタフェースなどによって動作可能に通信してもよい。
【0053】
撮像デバイス80は、撮像野84を含むことができる。撮像野84は、医学的用量調製ステージ領域86を包含することができる。撮像デバイス80は、基部90に支持可能に装着され得る。たとえば、支持具92は、基部90から撮像デバイス80に延在して、撮像デバイス80を基部80に対して支持することができる。この点に関して、一実施形態では、医学的用量調製ステージ領域86は、基部90の支持面94を含むことができる。医学的用量調製ステージ領域86は、面94の上の空間(たとえば、面から面に垂直なおよび/または撮像デバイス80に向かう方向に延在する)も含むことができる。いずれの点に関しても、撮像デバイス80の撮像野84は、薬剤容器100を支持可能に受け取ることができる医学的用量調製ステージ領域86を包含することができる。次に、撮像デバイス80、支持具92、および基部90は、カメラ・スタンド200をまとめて定義することができる。したがって、カメラ・スタンド200は、医学的用量命令の調製中に医学的用量調製画像および/または他のメタデータを取得する目的で、撮像デバイス80を基部90に対して支持するためにワーク・ステーション40において使用され得る。
【0054】
医学的用量調製ステージ領域86内で基部90によって支持可能な薬剤容器100は、用量の調製において使用される、任意の材料、容器、装置、または他の物体を含むことができる。たとえば、薬剤容器100は、供給源容器(source receptacle)、搬送容器、または投与容器であってもよいし、これを含んでもよい。供給源容器は、配合または用量調製の前に薬局で格納される薬剤製品を格納することができる。この点に関して、供給源容器は、薬品製造業者によって包装され、これから受け取られる容器であってよい。したがって、供給源容器は、薬剤に関する情報をその上に含むことができる。たとえば、製品名、濃度、量、ロット情報、有効期限情報、シリアル番号、他の製造情報、または他の情報は、薬剤に関連付けられることがあり、および/または供給源容器上に現れることがある。医学的用量調製管理システム30は、供給源容器上に現れることがあるデータの前述の部分のいずれかを含む、供給源容器に関するメタデータを格納するように動作可能であってよい。この点に関して、供給源容器は、(たとえば、バー・コードなどの機械可読証印(indicium)の使用を介して)ワーク・ステーション40によって識別可能であってよい。
【0055】
そのうえ、医学的用量調製管理システム30は、供給源容器からのメタデータを、上記で説明したように供給源容器が使用される用量命令に属するように動作可能であってよい。供給源容器が、薬局で配合され、かつ後で用量の調製において使用するために供給源容器中に配置された、あらかじめ調製された薬剤を含むとき、供給源容器メタデータは、医学的用量命令のためのメタデータに属されまたは付加すらされ得る。この点に関して、医学的用量命令を調製するために使用されるいくつかの世代の構成要素のためのメタデータ(たとえば、製造業者薬品などの製造業者から受け取られた元の供給源構成要素から発する)は、医学的用量命令に属され得る。したがって、医学的用量命令メタデータとしては、継承されたメタデータを含む医学的用量命令で使用されるすべての構成要素に関する情報があり得る。さまざまな構成要素のためのメタデータは、ワーク・ステーション40における容器100の識別時に(たとえば、機械可読証印をスキャンすることによって)取り出され得る。さまざまな実施形態では、供給源容器としては、バイアル、シリンジ、瓶、袋、または当技術分野で知られている他の適切な薬剤容器があり得る。
【0056】
投与容器は、患者への医学的用量の投与中に使用される任意の容器であってよい。投与容器は、任意の薬剤、希釈剤、補助剤、または患者に投与されるべき他の任意の材料を含有し得る。さまざまな実施形態では、投与容器としては、シリンジ、IVバッグ、または患者への物質の投与において使用される他の適切な薬剤容器があり得る。投与容器は、調製された医学的用量命令のためのメタデータに含まれるメタデータも含むことがある。
【0057】
搬送容器は、供給源容器から投与容器に物質を搬送するために使用され得る。たとえば、搬送容器は、シリンジまたは供給源容器から投与容器に物質を搬送することが可能な当技術分野で知られている他の任意の適切な容器であってよい。搬送容器は、調製された医学的用量命令のためのメタデータに含まれるメタデータも含むことがある。
【0058】
図2に戻ると、プロセッサ70は、さらにディスプレイ110と通信動作することができる。この点に関して、撮像デバイス80から受け取られるビデオ・データ・ストリーム82は、ユーザによって知覚可能な様式でディスプレイ110に表示され得る。ディスプレイ110に表示されるビデオ・データ・ストリーム82は、ビデオ・データ・ストリーム処理モジュール72によって処理され得る。たとえば、ビデオ・データ・ストリーム処理モジュール72は、ビデオ・データ・ストリーム82から静止画像を取り込むように動作可能であってよい。ビデオ・データ・ストリーム82は、所与のフレーム・レートで表示される一連の画像を含むことができる。たとえば、フレーム・レートは5~10フレーム/秒であってよい。
【0059】
ビデオ・データ・ストリーム処理モジュール72によって取り込まれる医学的用量調製画像としては、医学的用量命令を調製する最中に使用される1つまたは複数の薬剤容器100があり得る。この点に関して、医学的用量命令の調製は、用量を調製するために使用される薬剤容器100の画像を取り込むことによって文書化され得る。医学的用量調製画像は、医学的用量命令に関するメタデータとして格納され得る。医学的用量調製画像としては、用量の調製中のさまざまな段階における1つまたは複数の薬剤容器があり得る。たとえば、供給源容器、搬送容器、または投与容器は、用量の調製の前、その間、またはその後に撮像され得る。
【0060】
ビデオ・データ・ストリーム処理モジュール72によって取り込まれる医学的用量調製画像は、プロセッサ70と通信動作可能なメモリ120に格納され得る。この点に関して、医学的用量調製画像は、ワーク・ステーション40においてメモリ120にローカルに格納され得る。追加または代替として、医学的用量調製画像は、プロセッサ70と通信動作可能なネットワーク・インタフェース140によってリモートな場所(たとえば、図1に示されるオンサイト薬剤用量命令データベース32またはオフサイト薬剤用量命令データベース34に)に通信され得る。いずれの点に関しても、医学的用量調製画像は、医学的用量命令を確認する(たとえば、図1に関して上記で説明した、確認する62)最中に画像が後でチェックされ得るように、および/または一般にワーク・ステーション40および/または病院薬局12によって調製される用量命令に関する記録を保守するためにアクセス可能であり得る。
【0061】
プロセッサ70は、ユーザ制御デバイス130とも通信動作可能である。ユーザ制御デバイス130は、ユーザ(たとえば、用量を調製する薬局の技術者)から入力を受け取るように動作可能であってよい。ユーザ制御デバイス130は、たとえば、フット・ペダル、ボタン、タッチ・スクリーン、マウス、キーボード、または当技術分野で知られている他のユーザ入力デバイスであってよい。ユーザは、ユーザ制御デバイス130を利用して、ビデオ・データ・ストリーム82からの医学的用量調製画像の取り込みをトリガすることができる。たとえば、薬剤容器100は、薬剤容器100を含む撮像野86の撮像デバイス80によって取り込まれたビデオ・データ・ストリーム82を表示するディスプレイ110を観察することによってユーザによって閲覧され得る。ディスプレイ110に表示される画像がひとたびユーザにとって許容可能であると、ユーザは、ユーザ制御デバイス130を使用して、上記で説明したように、メモリ120内またはリモート・データベース内への格納のために医学的用量調製画像の取り込みをトリガすることができる。
【0062】
ワーク・ステーション40は、医学製品に関連する用量ラベル、進行中の用量、および/または完了した用量を印刷するように動作可能なプリンタ150も含むことができる。この点に関して、プリンタ150は、金属用量および/または医学的用量命令に関連して薬局12および/または病院において使用されるラベルを印刷するように動作可能なラベル・プリンタであってよい。
【0063】
図3をさらに参照すると、カメラ・スタンド200の一実施形態が示されている。上記で説明したように、カメラ・スタンド200は、撮像デバイス80と、支持具92と、基部90とを含むことができる。撮像デバイス80に関して、撮像デバイス・ハウジング210は、カメラ212(図5に示される)を含むことができる。図4および図5をさらに参照すると、ハウジング210は、開口214を画定することができる。開口214は、カメラ212が開口214を通って医学的用量調製ステージ領域86の方へ方向付けられ得るように、ハウジング210に対して配置され得る。透明シールド216は、開口214の中に配置され得る。たとえば、透明シールド216は、ハウジング210に固着され得る。
【0064】
透明シールド216は、開口214(たとえば、レンズ226に対して対応する関係である)の少なくとも一部分を横切って延在することができる。一実施形態では、透明シールド216は、開口214のほぼ全体を横切って延在することができる。この点に関して、ハウジング210および透明シールド216はまとめて、カメラ212が配置され得る密閉空間218(図5に最も良く示されている)を画定することができる。この点に関して、透明シールド216およびハウジング210は、密閉空間218のまわりに延在する連続した外面220も画定することができる。したがって、連続した外面220は、ハウジング210および透明シールド216の容易な掃除を可能にすることができる。たとえば、連続した外面220は、掃除を容易にするためにオペレータによって拭くことが可能であることがある。連続した外面220は、密閉空間218を通る流体に対して耐性を示すことがあるので、密閉空間218の中に配置された構成要素は、外面220が流体(たとえば掃除製品)に曝露されたとき、乾燥した状態を保つことがある。以下で説明するカメラ・スタンド200のさらなる態様も、ワーク・ステーション40の掃除の助けとなり得る。
【0065】
光源基板228も、密閉空間218の中に配置され得る。光源基板228は、光源基板228に接続された1つまたは複数の光源230を含むことができる。光源230は、個々の発光ダイオード(LED:light emitting diode)を備えることができる。光源230は、光源230の動作において使用される電力および/または制御信号が光源基板228によって光源230に供給されるように、光源基板228に取り付けられ得る。この点に関して、光源基板228は、光源230と支持可能に係合し、ならびに光源230と光源基板228間の電気通信を提供するための物理的な装着基板を提供することができる。この点に関して、光源基板228は、光源230と光源基板228の間の取り付けおよび電気通信を容易にするために取り付け場所と適切な電気通信路(たとえば導電性トレース)とを含むプリント回路基板(PCB:printed circuit board)であってよい。
【0066】
光源基板228は、アパーチャ232を含むことができる。カメラ212のレンズ226は、レンズ226によって画定されるカメラ212の撮像野84がアパーチャ232を通って延在するようにアパーチャ232と位置合わせされ得る。アパーチャ232は、ハウジング210の開口214の中央領域とも位置合わせされ得る。したがって、開口214の中央領域のまわりに延在する周辺領域は、光源基板228、したがって光源230によって占有されることがある。この点に関して、光源230は、光源基板228のアパーチャ232、したがってカメラ212のレンズ226のまわりに周辺に設けられ得る。光源230は、開口214を通して光を放射することができる。したがって、光源230から放射光は、カメラ212の撮像野84と少なくとも部分的に同一の空間を占めることがある。この点に関して、光源230が開口214の周辺領域を通じてレンズ226およびアパーチャ232のまわりに分布される図4に示される光源230の分布は、光源230からの光の比較的均一な分布を容易にすることができる。
【0067】
図5をさらに参照すると、カメラ212は、ハウジング210および透明シールド216によって画定される密閉空間218に収容され得る。
【0068】
図5でさらに諒解され得るように、1つまたは複数の偏光フィルタ222および224が設けられてよい。図示のように、周辺偏光フィルタ222および中央偏光フィルタ224が設けられ得る。周辺偏光フィルタ222の少なくとも一部分および中央偏光フィルタ224の少なくとも一部分は、重複しない関係で配置され得る。たとえば、周辺偏光フィルタ222は、光源基板228および光源230に対して対応する関係である開口214の周辺領域に配置され得る。中央偏光フィルタ224は、カメラ212のレンズ226に対して対応する関係である開口214の中央領域に配置され得る。
【0069】
この点に関して、周辺偏光フィルタ222および中央偏光フィルタ224は、フィルタの偏光の方向が互いに垂直に向けられるように配置され得る。
【0070】
したがって、光が光源230から放射されるとき、放射光は、周辺偏光フィルタ222を通過し、したがって、周辺偏光フィルタ222に関連する偏光の第1の方向により偏光され得る。次いで、光は医学的用量調製ステージ領域86の方へ進み、医学的用量調製ステージ領域86は、第1の方向に偏光された放射光によって照らされ得る。光源230から発する放射光は、医学的用量調製ステージ領域86から反射されることがある。今度は、放射光が、次いで、中央偏光フィルタ224を通過し、次いで、反射光が、偏光フィルタ222に関連する偏光の第1の方向に垂直な中央偏光フィルタ224によって偏光の第2の方向に偏光される。この点に関して、ハウジング210から放射光は、周辺偏光フィルタ222によって偏光の第1の方向に偏光され、光の少なくともいくらかの偏光が変更されるように医学的用量調製領域86から反射され、中央偏光フィルタ224によって偏光の第2の方向に偏光され得る。その結果、医学的用量調製ステージ領域86に置かれた物体上のグレアが減少することができる。たとえば、特にガラスなどの光沢のある材料の場合、面に垂直な医学的用量調製ステージ領域86内の物体と衝突する光は、偏光の変化を受けないことがある。したがって、グレアを起こし得る物体に垂直に入射する光は、第1の方向からの偏光が変化しない。第2の方向の偏光を有する中央偏光フィルタ224の導入は、光が面に垂直に反射されたので依然として第1の偏光方向にある反射光を完全に遮蔽することができ、したがって、別のやり方で発生させることがある第1の偏光方向の光のグレアを減少させる。
【0071】
周辺偏光フィルタ222および中央偏光フィルタ224の偏光の前述の相対方位を達成するために、それぞれのフィルタは、偏光された材料の単一シートから製造されてよい。図6に関して、中央偏光フィルタ224は、単一偏光配向を有する偏光材料246の単一シートから切断され得る。中央偏光フィルタ224は羽根248aと248bとを含むことができ、羽根248aおよび248bは各々、装着穴250aおよび250bをそれぞれ有する。図7をさらに参照すると、中央偏光フィルタ224がひとたび偏光材料246の単一シートから分離されると、中央偏光フィルタ224は、この時点で周辺偏光フィルタ222を備える偏光材料246の単一シートの残りの部分に対して90°回転され得る。この点に関して、中央偏光フィルタ224の偏光方向は、周辺偏光フィルタに垂直であることがある。そのうえ、周辺偏光フィルタ222からの中央偏光フィルタ224の分離は、周辺偏光フィルタ222と中央偏光フィルタ224の間の重複しない関係(たとえば、中央偏光フィルタ224の羽根248aおよび248bを除いて)を提供することがある。他の実施形態では、中央偏光フィルタ224および周辺偏光フィルタ222を画定する完全に別個の部分が設けられることがある。したがって、別個の部分の偏光方向が、偏光方向の垂直な相対方位を達成するように、試験され、適切に位置合わせされ得る。
【0072】
追加または代替として、上記で説明した偏光フィルタ以外の他の光学フィルタが設けられてもよい。たとえば、医学的用量調製ステージ領域86におけるより均一な光分布を提供し得る拡散フィルタが設けられてもよい。ハイ・パス、ロー・パス、バンド・パス、または他の任意の適切な光学フィルタなどの他の光学フィルタは、光源からの光の放射を選択的に制御するために用いられてよい。さらに、特定の波長光を放射する光源も用いられてよい。さらに、異なる波長光を制御可能に放射するように動作可能な光源が用いられてもよい(たとえば、光の色は制御され得る)。
【0073】
図5では、カメラ212が密閉空間218に収容されることが諒解されよう。この点に関して、カメラ212へのアクセスは制限され得る。したがって、カメラ212に関連する光学セッティングは、カメラ212の操作によりユーザによって直接修正可能でないことがある。多くの場合、画質を改善する目的で、オペレータは、カメラ212の光学セッティングを調整することができることがわかっている。しかしながら、結果として生じる調整は、カメラ212を使用して取り込まれるべきさまざまな画像に関する最適以下の焦点および/またはアパーチャセッティングになる画像の品質を最終的に低下させ得る。
【0074】
したがって、一実施形態では、カメラ212は、少なくとも1つの固定された光学セッティングを含む。たとえば、1つまたは複数の光学セッティングは、レンズ226によって画定されるカメラ212の被写界深度が医学的用量調製ステージ領域86の少なくとも一部分を含むように固定されることがある。一実施形態では、医学的用量調製ステージ領域86の少なくとも大半は、カメラ212の被写界深度によって包含される。一実施形態では、医学的用量調製ステージ領域86の実質的にすべては、カメラ212の被写界深度によって包含される。カメラ212の固定された光学セッティングは、焦点セッティング、アパーチャセッティング、倍率、またはカメラ212の被写界深度に影響を及ぼす別の光学セッティングを含むことができる。
【0075】
別の実施形態では、カメラ212の光学セッティングは(たとえばユーザによって)調整可能であることがある。たとえば、焦点距離、倍率、またはカメラ212の他の光学パラメータは調整され得る。光学セッティングの調整は、カメラ212の一部分を操作するユーザによって手動で達成され得る。一適用例では、カメラ212の光学セッティングを調整するために、電子信号がカメラ212に提供されることがある。一実施形態では、カメラ212は、1つまたは複数の光学パラメータに関連する一連の設定によって連続的に調整可能であることがある。別の実施形態では、複数の離散的光学パラメータが選択可能であることがある。たとえば、カメラ212の光学パラメータが、少なくとも2つの異なる光学パラメータ設定の中から選択されることがある。たとえば、対応する光学パラメータ設定が、基部90に対するカメラ212の選択された位置に基づいて選択されることがある。この点に関して、カメラ212は、支持具92の異なる位置のために、および/またはカメラ・スタンド200の異なる構成のために、基部に対して異なる距離に配置され得る。この点に関して、利用可能なさまざまな異なる構成の場合、カメラ212に関連する光学パラメータが、カメラ212によって撮像されている薬剤容器100の鮮明な画像を生成するように、離散的な光学セッティングが、基部90に対する撮像デバイス80の各位置に対して提供され得る。
【0076】
一実施形態では、光源230は、医学的用量調製画像がいつ取り込まれたかを示すために使用され得る。すなわち、上記で説明したように、ユーザ制御デバイス130は、ビデオ・データ・ストリーム82からの医学的用量調製画像の取り込みを開始するために使用されることがある。医学的用量調製画像の取り込み後の第1の所定期間では、光源230のうちの少なくとも1つの強度が変化させられることがある。強度の変化は、画像が正常に取り込まれたことをユーザに示すことができる。この点に関して、光源230の光度は、デフォルト・レベルから、修正された強度(たとえば、より強く、またはより低く)に変化することがある。次いで、光源230は、第2の所定の時間の期間の後、デフォルト強度に戻ることがある。この点に関して、光源230は、「明滅する」または「ちらつく」またはデフォルト強度から、修正された強度に瞬間的に変化し、次いでデフォルト強度に戻ることがある)。強度の変動は、画像が取り込まれたこと、および医学的用量調製ステージ領域86がクリアされ、たとえば、次の画像のために準備され得ることを示すために、ユーザによって容易に知覚され得る。
【0077】
図3に戻ると、ハウジング撮像デバイス80は、支持具92によって支持可能に係合され得る。支持具92は、薬剤調製ステージ領域86に対して少なくとも第1の位置および第2の位置に支持具92を選択的に位置決めすることを可能にすることができる。たとえば、支持具92は、図3に示される方位(本明細書では第1の位置と呼ばれる)と図8および図9に示される方位(本明細書では第2の位置と呼ばれる)の間に選択的に位置決め可能であることがある。
【0078】
この点に関して、支持アーム92は、第1の部分234と、第2の部分236とを含むことができる。第1の部分234はハウジング210と支持可能に係合され得、第2の部分236は基部90と支持可能に係合され得る。第1の部分234は、接続238で第2の部分236に位置決め可能に取り付けられ得る。たとえば、第1の部分234は、第1の部分234が第2の部分236に対する相対的移動を受けて、図3に示される第1の位置と図10に示される第2の位置の間を移動することができるように、第2の部分236に移動可能に取り付けられ得る。この点に関して、接続238は、第1の位置と第2の位置の間の第1の部分234と第2の部分236の間で枢動を提供するために蝶番を備えることができる。
【0079】
第2の部分236に対する第1の部分234の移動は、緩衝され得るおよび/または緩衝可能であり得る。この点に関して、接続238は、第2の部分236に対する第1の部分234の移動を緩衝する緩衝装置を含むことができる。一実施形態では、緩衝装置は、接続238において第1の部分234および第2の部分236の各々の上に提供される楕円形プロファイルを調整することを含むことができる。楕円形プロファイルは、第1の部分234および第2の部分236の調整面として提供されることがある。たとえば不均一な輪郭にされた形状(たとえば、1つまたは複数のカム・ローブを画定するプロファイル)などの楕円形プロファイル以外の他の形状のプロファイルが提供されることがある。
【0080】
第1の部分234と第2の部分236の間の移動の緩衝を達成するように楕円面を調整することの使用を示す一実施形態が図10Aおよび図10Bに示されている。たとえば、第1の楕円面240は第1の部分234の上に設けられてよく、第2の楕円面242は第2の部分236の上に設けられてよい。楕円面240および242は同心状に配置され、弾性材料244(たとえば、弾性oリングなど)によって分離されることがある。第1の部分234が第2の部分236に対して枢動すると、楕円面240および242が互いに近寄り、弾性材料244の圧縮をもたらし、したがって第1の部分234と第2の部分236間の移動を緩衝することができる。また、戻り止め機構252を調整することは、第1の位置234および第2の位置236における第2の部分236に対する第1の部分234の位置調整(registration)のために提供されることがある。制動は、第1の部分234および第2の部分236の移動によって不均一であることがある。たとえば、第1の部分234と第2の部分236の間の移動に応答して作用する制動力は、第1の部分234および第2の部分236が第1の位置(図3に示される)の方へ移動するとき、小さいことがある。したがって、この点の近くでは、第1の部分234と第2の部分236の間の移動範囲の他の点よりも制動力が小さいと仮定すると、第2の部分236に対する第1の部分234の位置決めは、より正確であることがある。
【0081】
図3および図8図9で諒解され得るように、支持具92の第1の位置(図3に示される)では、撮像デバイス80の撮像野84が、薬剤調製ステージ領域86が撮像デバイス80と基部90の間に配置されるような様式で向けられるように、撮像デバイス80が配置され得る。すなわち、カメラ212は、基部90で、基部によって画定される薬剤調製ステージ領域86がカメラ212と基部90の間でカメラ212の撮像野84内にあるように方向付けられることがある。この点に関して、カメラ212によって取り込まれる医学的用量調製画像としては、寸法が薬剤調製ステージ領域86の長さおよび幅に対応する画像があり得る。
【0082】
第2の位置(図10に示される)では、撮像デバイス80は、撮像デバイス80の撮像野84が以下でより詳細に説明する基部90の支持面262によって画定される平面と平行に延在するように、基部90に対して向けられることがある。すなわち、カメラ212は、撮像野84が基部の支持面と平行な方向に延在して、基部90に垂直に延在する医学的用量調製ステージ領域の少なくとも一部分を包含するように、基部90に垂直に方向付けられ得る。
【0083】
支持具92はアンビリカル268の少なくとも一部分も含むことができ、アンビリカル268は、密閉空間218内に配置された構成要素(たとえば、カメラ212、光源基板228、光源230など)の間の通信を確立するように動作可能であり得る。この点に関して、アンビリカル268は、密閉空間218内の構成要素とプロセッサ70の間の電気通信路を確立することができる。いくつかの実施形態では、アンビリカル268としては、1つもしくは複数の束ねられたもしくは統合されたケーブル、1つもしくは複数の導電性トレース、複数のワイヤ、または密閉空間218内の構成要素とプロセッサ70の間の電気通信を確立するための他の適切な導体があり得る。図3に示されるように、アンビリカル268は、カメラ212および/または光源基板228から延在し、第1の部分234内に画定された通路270に入ることができる。通路270は、第1の部分234から第2の部分236に延在することができる。この点に関して、コネクタ238は、それを通るアンビリカル268の通過を容易にすることができる。たとえば、アンビリカル268は第2の部分236を通過し、そこから出ることがある。アンビリカル268としては、プロセッサ70との電気通信を確立するために使用され得る密閉空間218内の構成要素と連通する端部に対向する端部においてコネクタがあり得る。たとえば、コネクタは、専有のコネクタまたは標準的コネクタ(たとえばUSBコネクタなど)であってよい。
【0084】
アンビリカル268が複数の機能に電気通信路を提供することができることに留意されたい。たとえば、信号路および/または送電路がアンビリカル268に設けられてよい。この点に関して、複数の離散的な電気通信路は、カメラ支持具200から延在する単一のコードに統合されることがある。ワーク・ステーション40に関して、特にワーク・ステーション40を掃除することに関して、作業区域におけるワイヤの最小化によって、利点がもたらされることがある。すなわち、作業区域(層流フード、アイソレータ、または生物学的に安全なキャビネットなど)におけるワイヤが少ないほど、ワーク・ステーション40の掃除が簡単になることがある。
【0085】
そのうえ、たとえば、生物学的に安全なキャビネットに関して、カメラ・スタンドから延在するワイヤまたはケーブルを全体的に排除することが特に有利なことがあることが諒解されよう。たとえば、生物学的に安全なキャビネットは、外部環境からの完全な隔離を提供することができる。この点に関して、カメラ・スタンド200がコードを含む場合、そのコードは、生物学的に安全なキャビネットの壁を通過することが必要とされることがある。しかしながら、最小レベルの封じ込めも維持されなければならず、これは、キャビネット壁を通るコードの通過を容易にしながら達成することが困難であるまたはコストがかかることがある。この点に関して、カメラ・スタンド200は完全にワイヤレスであり得ることが企図されている。たとえば、ワイヤレス技術は、カメラ・スタンド200に組み込まれて、カメラ・スタンド200とプロセッサ70の間の電子信号の通信を容易にすることができる。そのようなワイヤレス技術の例としては、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、または他のワイヤレス・バケーション(wireless vacation)技術がある。そのうえ、カメラ・スタンド200は、カメラ・スタンド200に動作電力を提供するためにバッテリを装備することができる。このバッテリは、カメラ・スタンド200のワイヤレス動作を容易にするために、着脱可能、交換可能、および/または再充電可能であってよい。たとえば、リチウム・イオン・バッテリまたは他の適切なタイプのバッテリがカメラ・スタンド200内に設けられることがある。バッテリは、限定するものではないが、たとえば、基部90、支持具92、および/または密閉空間218を含むカメラ・スタンド200の任意の部分に設けられる。
【0086】
図15をさらに参照すると、支持具92の第1の部分234にカメラ212を取り付けるための仕組みが示されている。カメラ212は基部90へのカメラ212の位置合わせに関連する画像許容差を生じやすいことが諒解されよう。基部90におけるカメラ212間の位置合わせ不良により、キーストーニングなどの画像の歪みが生じることがある。この点に関して、基部90のカメラ212間の位置合わせに関連する画像許容差が、カメラ212を使用して高品質の医学的用量調製画像を取得するために重要であることがある。しかしながら、カメラ・スタンド200を含むさまざまな部品間の接続許容差を提供することに関連する製造上の考慮事項によって、製造中の正確なカメラ位置合わせを提供するために画像許容差を達成することが困難になることがある。すなわち、カメラ212は、カメラ・スタンド200へのカメラ212の取り付けにおいて提供される接続許容差よりも制限の多い撮像許容差を含むことができる。たとえば、接続許容差が、とりわけ境界面、基部と支持具92の第2の部分236の間、第1の部分234と第2の部分236の間、装着プレート300の取り付け部と第1の部分234の間、カメラ212への境界面と関連する装着構造の間に導入されることがある。そのうえ、これらの境界面の各々に関連する許容差が、基部90に対するカメラ212の位置合わせ不良をもたらし得る許容差積み重ね問題を呈することがあることが諒解されよう。
【0087】
したがって、図15に示されるように、装着プレート300は、留め具302によって取り付け部材304に固着され得る。取り付け部材304は、留め具306によって第1の部分234に固着され得る。装着構造310は、装着プレート300に固着され得る。カメラ212は、装着構造310に装着され得る。装着構造310と装着プレート300の間の境界面は、ジンバル320を画定することができる。ジンバル320は、少なくとも第1の(および潜在的には、2つ、3つ、またそれ以上の)方向におけるカメラ212の調整可能な移動を可能にすることがある。ジンバル320は、装着構造310を装着プレート300に対して調整可能に位置決めすることを可能にし得る1つまたは複数のジャック・ナット(jack nut)322を含むことができる。たとえば、ジャック・ナット322は、装着プレート300に対する装着構造310の取り付けが、ねじ付き溶接スタッド323に沿って上下に調整され得る(たとえば、少なくとも2つの方向におけるカメラ212の移動を制御するために図15に示される3つの場所で)ように、ねじ付き溶接スタッド323上に設けられた調整用ナット対を含むことができる。したがって、いったん取り付け構造310に固着されると、カメラ212は、ジャック・ナット322を操作して、カメラ212の方位を修正することによって調整され又は照準を定められ得る。
【0088】
この点に関して、取り付け部材304がひとたび第1の部分234に固着されると、取り付け部材304に装着プレート300が固着され、装着プレート300に装着構造310が固着され、装着構造310にカメラ212が固着され、カメラ212の位置合わせは基部90に垂直でないことがある(すなわち、撮像許容差が達成されないことがある)ことが諒解されよう。この点に関して、ジャック・ナット322は、カメラ212が基部90に略垂直であるように位置合わせするように操作され得、したがって、カメラ212によって取得される結果として生じる画像から、キーストーニングなどの任意の画像歪みが排除され得る。言い換えれば、撮像許容差は、ジンバル320の調整を介して達成され得る。したがって、ジンバル320によって提供される調整の量は、少なくとも、接続許容差と、基部90に対するカメラ212の位置合わせに関連する撮像許容差の差に対応することができる。
【0089】
装着プレート300および/または装着構造310はシート材料から製作され得ることが諒解されよう。この点に関して、これらの構成要素の製造業者は、許容差が比較的高いことが必要とされるときに用いられることがある他の製造技術よりも著しく低いコストで提供され得る。この点に関して、装着構造にひとたび固着されるとカメラ212の位置合わせの調整性を提供するジンバル320の使用により、カメラ・スタンド200の製造時に用いられるコストがより低い製造技術が可能となり得る。
【0090】
図15に示されていないが、ハウジング210および/または透明シールド216が装着プレート300および/または装着部材304に固着され得ることが諒解されよう。この点に関して、ハウジング210および/または透明シールド216は、装着プレート300および/または装着部材304に対して固着されて、密閉区域218を画定することがある。
【0091】
図12をさらに参照すると、カメラ・スタンド200の基部90は、プラットフォーム基部254と、プラットフォーム基部254に対して着脱可能に配置可能な支持プラットフォーム256とを含むことができる。この点に関して、支持プラットフォーム256は、たとえば、掃除などを受けるために取り外されることがある。プラットフォーム基部254は、プラットフォーム基部254が配置される面と係合できる1つまたは複数の足258を含むことができる。たとえば、プラットフォームベース254は、基部90を、延いてはカメラ・スタンド200を面に固着するために使用され得る1つまたは複数の吸着カップ基部276を含むことができる。吸着カップ基部276は、面にしっかりした取り付けを提供し、カメラ・スタンド200の安定した動作を提供することができる。すなわち、吸着カップ基部276は、振動を少なくとも部分的に隔離して、上記で説明した医学的用量調製画像を取り込むときにカメラ212によって取得される画像を改善することができる。支持プラットフォーム256は、耐UV材料から構築されてよい。
【0092】
支持プラットフォーム256は、長さ272と、幅274とを有することができる。この点に関して、支持プラットフォーム256がプラットフォーム基部254上に配置されるとき、長さ272および幅274は、基部90の寸法を定義することができる。長さ272および幅274は、支持プラットフォーム256によって少なくとも部分的に画定される医学的調整ステージ領域86に対応することもできる。
【0093】
さらに、図4を参照すると、ハウジング210の開口214の周辺領域が、第1の方向に支持プラットフォーム90の長さ274に対応して延在することができることが諒解されよう。周辺領域は、支持具92が図3に示される第1の位置にあるときと図8図9に示される第2の位置にあるときの両方で、第1の方向に基部90の長さ274に対応して延在することができる。周辺領域は、支持具92が第1の位置にあるとき、第2の方向に支持プラットフォーム256の幅274に対応して延在することができる。支持具が第2の位置(図9に最も良く示されている)にあるとき、周辺領域は、支持プラットフォーム256に垂直に延在する医学的用量調製領域86の高さに対応して、ある方向に延在することができる。
【0094】
プラットフォーム基部254は重量計を含むことができ、したがって、プラットフォーム基部254上に配置されたとき支持プラットフォーム256上に配置される物品は、計量され得る。たとえば、重量計によって測定される重量は、撮像デバイス80による医学的用量調製画像の取り込みとほぼ同時に、取り込まれることがある。したがって、重量計によって得られる重量が、用量命令メタデータに付加されることがある。一実施形態では、プロセッサにおけるプロセッサ70またはメタデータへのアクセスを有するリモート・プロセッサは、重量計によって測定された重量を使用して重量分析を実行し、たとえば、実測重量を医学的用量の予想重量と比較することができる。重量計は、プラットフォーム基部254内に(たとえば、プラットフォーム基部258の各足258のところに、または支持プラットフォーム256が支持されるところに隣接して、配置されたロード・セルを備えることができる。
【0095】
この点に関して、医学的用量の予想重量は、薬剤容器100の重量分析の助けとなるために、メタデータに含まれてよい。ワーク・ステーション40におけるプロセッサ70は、予想重量および実測重量を関連付けて格納することができる。そのうえ、プロセッサは、予想重量と実測重量を比較するように動作可能であることがある。一実施形態では、予想重量からの実際重量の偏差が計算されることがあり、偏差が閾値を超えた場合、アラームがユーザに提供されることがある。
【0096】
支持プラットフォーム256は、薬剤調製ステージ領域86を少なくとも部分的に画定することができる。たとえば、薬剤調製ステージ領域86は、支持プラットフォーム254の支持面262に垂直な方向に延在する空間を包含することができる。したがって、支持プラットフォーム254によって支持可能に係合される容器は、その容器が撮像デバイス80の撮像野内に配置されるように、薬剤調製ステージ領域86によって包含されることがある。
【0097】
支持プラットフォーム254は、支持プラットフォーム254に対して支持可能に配置される医療用容器と係合することができる1つまたは複数の薬剤容器係合機構も含むことができる。たとえば、薬剤容器係合機構は、少なくとも1つの溝264と、少なくとも1つのチャネル266とを含むことができる。図13図15をさらに参照すると、支持プラットフォーム254を備える説明した機構がさらに諒解されよう。溝264は、支持面262から第1の深さ延在することができる。チャネル266は、支持面262から第2の深さ延在することができる。第1の深さは、第2の深さよりも小さいことがある。すなわち、溝264は、支持面262から延在する深さに関して、チャネル266よりも浅いことがある。本明細書で説明する係合機構は、支持プラットフォーム254のほぼ全部を横切って延在することができ、次に、薬剤調製ステージ領域86は、支持プラットフォーム254によって少なくとも部分的に画定され得る。一実施形態では、溝264の少なくとも一部分は、チャネル266の少なくとも一部分と異なる方向に延在する。たとえば、溝264の少なくとも一部分は、チャネル266に垂直に延在することがある。さらに、溝264の少なくとも一部分は、チャネル266に対応する方向に延在することがある。
【0098】
溝264は、溝264が支持面262から延在する第1の深さと一致する方向に、第1の曲率半径を有することができる。この点に関して、溝264は、略凹状外形を有することができる。たとえば、凹状面外形は、溝264に沿って画定されることがある。同様に、チャネル266は、第2の深さと一致する方向に第2の曲率半径を含むことができる。この点に関して、チャネル266も、略凹状外形(たとえば凹状面外形)を有することができる。第1の曲率半径は、溝264がチャネル266のより急勾配の外径に対して、より浅い外径を含むように、第2の曲率半径よりも大きくてよい。
【0099】
一実施形態では、溝264は、薬剤容器の第1の部分と係合するように適合され得る。たとえば、溝264の凹状面外形は、シリンジの筒の円周に一致することがある。この点に関して、シリンジ筒は、支持プラットフォーム256上に配置され溝264によって係合されるとき、シリンジの回転に対応するシリンジ筒の移動が制限され得るように、溝264に受け入れられ得る。同様の点に関して、チャネル266は、薬剤容器の第2の部分と係合するように適合され得る。たとえば、チャネル266の凹状面外形は、シリンジの指掛けに一致することがある。追加または代替として、チャネル266の凹状面外形は、プランジャ端に一致することがある。この点に関して、シリンジの筒が溝264に配置されるとき、シリンジの指掛けおよび/またはプランジャ端は、溝264の長さに沿ってシリンジの動きを制限し得るチャネル266によって係合され得る。したがって、シリンジは、シリンジが支持プラットフォーム256から誤って移動する(たとえば、摺動する、破壊される、または他の方法で移動させられる)可能性を減少させるために、少なくとも2つの自由度において制約され得る。溝264および/またはチャネル266の凹状面外形は、その回転運動を防止するために円筒状本体(たとえば、バイアル、瓶、または他の円筒状容器)を保持するように動作可能であり得ることも諒解されよう。
【0100】
前述の本発明の説明は、例示および説明のために提示されている。そのうえ、説明は、本発明を本明細書で開示される形態に限定することを意図するものではない。したがって、上記の教示に相応する変形形態および変更形態、ならびに関連技術の技法および知識は、本発明の範囲に含まれる。先に説明した実施形態は、さらに、本発明を実施する既知のモードを説明し、当業者がそのような実施形態または他の実施形態において本発明の特定の適用例または使用法によって必要とされるさまざまな変更とともに本発明を利用することを可能にすることを意図する。添付の特許請求の範囲は、従来技術によって許容される範囲内で代替実施形態を含むと解釈されることが意図されている。
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