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特許7309793コントローラのための決定ロジックを生成するための方法およびコンピュータシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】コントローラのための決定ロジックを生成するための方法およびコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230710BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20230710BHJP
   G06N 3/02 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
G05B23/02 P
G05B19/05 A
G05B23/02 301K
G06N3/02
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132329
(22)【出願日】2021-08-16
(65)【公開番号】P2022036032
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2021-11-08
(31)【優先権主張番号】20191650
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ポーランド
(72)【発明者】
【氏名】アダマンティオス・マリナキス
(72)【発明者】
【氏名】イオアニス・リンペロポウロス
(72)【発明者】
【氏名】ヤマン・カンシン・エブレノスオール
(72)【発明者】
【氏名】パベル・ダビドウスキ
(72)【発明者】
【氏名】シニサ・ズビック
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-165387(JP,A)
【文献】特開2017-194782(JP,A)
【文献】特開平07-322473(JP,A)
【文献】特開2019-179400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G05B 19/05
G06N 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業自動化制御システムIACSのコントローラ(31、32、33)、特に電力システム保護または電力システム制御のためのコントローラ(31、32、33)の決定ロジックを生成するための方法であって、
ラベル付きデータ(25)を使用して機械学習MLを実行し、それによってMLモデルを訓練して前記決定ロジックを生成するステップであって、
前記MLモデルは、MLモデル入力(51、211、221、231)およびMLモデル出力(53a、53b、214、224、234)を含み、
前記MLモデルは、複数の計算サブプロセス(52、53、61、65、62、66、81、85、86)に分解され、前記計算サブプロセス(52、61、62、81)の1つによって出力された中間信号(63、64、83)は、前記計算サブプロセス(53、65、66、85、86)の後続の1つに入力され、
前記中間信号の総数は3以下である、または、
前記中間信号の前記総数が3より大きいときに、前記方法がさらに、決定境界の2次元または3次元空間への投影を実行する、ステップと、
前記計算サブプロセス(52、53、61、65、62、66、81、85、86)の少なくとも1つの解釈、検証、視覚化、および/または検査のために、前記中間信号(63、64、83)に基づいて前記訓練されたMLモデルに関する情報(110、120、130、160、180、190)を生成して出力するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記訓練されたMLモデルに関する前記生成された情報に基づいて、グラフィック(110、120、130、160、180、190)を出力するように光出力装置(27)を制御するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィック(130、160)は、前記中間信号の関数としての前記決定ロジックの少なくとも1つの決定境界(121、122、161、162)または数値関数に依存する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記決定ロジックは、少なくとも2つ、任意選択で少なくとも3つの異なる制御動作のうちのどれが実行されるべきかを決定する分類器であり、前記グラフィック(130、160)は、前記制御動作を分離する決定境界(121、122、161、162)を視覚化する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記3つ以下の中間信号は、3つ以下かそれ未満の実数値スカラである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記投影は、前記決定境界の2次元または3次元空間への線形または非線形投影であり、グラフィックは、前記決定境界の前記投影を視覚化する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記機械学習は段階的学習によって反復的に実行される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
計算グラフの少なくとも一部を除去および/または置き換えるステップを含む、前記MLモデルを選択的に修正するステップと、
前記修正されたMLモデル(170)に対して教師ありの前記機械学習を繰り返すステップと、をさらに含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記MLモデルは、MLモデル入力(211、221、231)の複数のセットを受け取り、前記方法は、MLモデル入力(211、221、231)の前記複数のセットから集約情報を生成するステップと、前記集約情報を前記中間信号と組み合わせて使用して、前記訓練されたMLモデルに関する前記情報を生成するステップと、をさらに含み、任意選択で、MLモデル入力の前記複数のセットは、時間または信号タイプに従ってグループ化され、
任意選択で、前記決定ロジックのタイプに応じて、MLモデル入力(211、221、231)の前記複数のセットは、
前記MLモデルの前記入力を提供するために信号タイプによってグループ化されるか、または
前記MLモデルの前記入力を提供するために時間によってグループ化される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記MLモデルは、少なくとも1つの人工ニューラルネットワークを含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記決定ロジックは、電力システム保護ロジックであり、任意選択で、デジタル保護リレー(31、32、33)のための決定ロジックである、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記MLモデル出力(53a、53b、214、224、234)は、即時トリップ、遅延ありトリップ、および抑制の制御動作に対応し、
前記MLモデル入力(51、211、221、231)は、
-3相アドミタンス
-3相インピーダンス
-電圧と電流を含むフェーザ
-生の電圧および/または電流
-重ね合わされた電圧および/または電流
-デジタルフィルタを使用してフィルタ処理された電圧および/または電流であって、任意選択で、前記デジタルフィルタのフィルタ係数はデータ駆動型機械学習アルゴリズムによって定義される、デジタルフィルタを使用してフィルタ処理された電圧および/または電流
-アルファ-ベータ変換された電圧および/または電流
-DQ変換された電圧および/または電流
-フーリエ変換された電圧および/または電流
-ウェーブレット変換された電圧および/または電流
の少なくとも1つを含む、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
電力システムの電力システムアセットを制御する方法であって、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法を使用して、コントローラ(31、32、33)のための決定ロジックを生成するステップと、
前記決定ロジックを実行のために前記コントローラ(31、32、33)に展開するステップと、
前記コントローラ(31、32、33)の少なくとも1つの集積回路によって、前記電力システムの動作中に前記決定ロジックを実行するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
産業自動化制御システムIACSのコントローラ(31、32、33)、特に電力システム保護または電力システム制御用のコントローラ(31、32、33)の決定ロジックを生成するためのコンピュータシステム(20)であって、
少なくとも1つの集積回路(21)であって、
ラベル付きデータ(25)を使用して機械学習MLを実行し、それによってMLモデルを訓練して前記決定ロジックを生成し、
前記MLモデルは、MLモデル入力(51、211、221、231)およびMLモデル出力(53a、53b、214、224、234)を含み、
前記MLモデルは、複数の計算サブプロセス(52、53、61、65、62、66、81、85、86)に分解され、前記計算サブプロセス(52、53、61、65、62、66、81、85、86)の1つによって出力された中間信号(63、64、83)は、前記計算サブプロセス(52、53、61、65、62、66、81、85、86)の後続の1つに入力され、
前記中間信号の総数が3以下である、または
前記中間信号の前記総数が3より大きいときに、前記少なくとも1つの集積回路(21)は、決定境界の2次元または3次元空間への投影を実行するように適合され、
前記計算サブプロセス(52、53、61、65、62、66、81、85、86)の少なくとも1つの解釈、検証、視覚化、および/または検査のために、前記中間信号(63、64、83)に基づいて前記訓練されたMLモデルに関する情報を生成するように適合された少なくとも1つの集積回路(21)と、
前記訓練されたMLモデルに関する前記情報を出力するように適合された出力インターフェース(27)と、を含むコンピュータシステム(20)。
【請求項15】
産業自動化制御システムIACS、特に電力システムであって、
いくつかの制御動作のうちのどれが行わなければならないかを決定するための決定ロジックを実行するように適合されたコントローラ(31、32、33)と、
前記決定ロジックを生成するための、請求項14に記載の前記コンピュータシステム(20)と、を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業自動化制御システム(IACS)、特に送電もしくは配電システムまたは発電システムのコントローラの決定ロジックを生成するための方法および装置に関する。より具体的には、本発明は、決定ロジックを生成するための機械学習の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発電システムまたは送電システム、送電網、または変電所などの現代の産業自動化制御システム(IACS)、および現代の産業システムは、膨大な数の構成要素を含む。そのようなシステムの保護リレーなどの保護装置の決定ロジックは、どの状況下で様々なアクションのうちのどれをとるべきかを決定する。
【0003】
例示すると、電力会社のリアルタイム動作では、変圧器、架線、地下ケーブル、直列/分路要素などを含む送配電システム機器は、測定システム(電圧、電流)、デジタルリレー、および回路遮断器によって保護される。デジタルリレーに配置された制御ロジックは、測定された信号を利用し、システム機器への損傷を回避するために解決すべき深刻な障害があるかどうかを識別し、最後に回路遮断器に信号を送信して開く。障害の迅速な識別および解決は、システム全体の信頼性および安全性にとって不可欠である。
【0004】
各リレーの意思決定ロジック(すなわち、保護ロジック)、ならびに複数のリレー間の調整方式は、予想されるグリッドシナリオの下で設計およびテストされる。従来、これは人間の専門技術者によって行われている。設計段階中、技術者は、グリッド内のスイッチング事象などの障害および他の外乱のシミュレーションを実行して、保護制御ロジックの性能を評価および改良する。性能測定基準は、通常、所与のグリッドの一般的な慣行によって設定される。展開されると、保護ロジックは、その性能のエラーが観察されるまで変更されないままである。
【0005】
従来の発電機に取って代わる、時間的および空間的により多くの確率論的性質を電力供給に導入する変換器インターフェース発電、および需要に対してより多くの確率論的性質を導入するeモビリティの普及により、グリッドがその限界近くで動作するので、保護システムの設計はますます困難になっている。加えて、短絡電流容量がなく、発電の空間パターンの変化による多方向電流だけでなく、変換器インターフェース式発電機によって供給される短絡電流(例えば、遅延ゼロ交差、歪んだ信号など)の性質が異なるため、保護システムは変化する環境に適応することが望ましい。
【0006】
その結果、保護ロジックの開発はますます複雑なタスクになる。さらに、このタスクは、グリッドインフラストラクチャおよび発電/需要パターンの変化に起因して保護システムの適合性をより頻繁に再評価する必要があるため、ますます頻繁に実行する必要がある。
【0007】
保護ロジック設計の従来のやり方は、特定の設計事例ごとに、専門技術者が複数の保護機能(過電流、指向性、距離、差動保護など)またはそれらの組み合わせの中から選択し、選択された機能に関連する設定(すなわち、関数パラメータ)を決定するというものである。目的は、保護システムの安定性(すなわち、必要なときに保護システムを作動させる成功率)および信頼性(すなわち、必要でない場合に保護システムを作動させない成功率)が最大化され、任意の障害に可能な限り迅速に対応することができるように、保護機能および保護機能間のロジックのセットを考案することである。
【0008】
専門技術者は、目下の保護設計タスクに関連する潜在的な事象(例えば、突入状態、スイッチング動作などの障害および非障害)を予測することによってこれを達成し、保護機能が現場で動作することに基づいて、保護リレーによって観測される結果として生じる信号を識別するために、選択された事象のそれぞれの数値シミュレーション(例えば、電磁過渡のシミュレーション、障害後の定常状態の短絡解析)を実行する。これにより、正しい決定を確実にするために、予期されるすべての事象の保護機能、ロジック、および設定を定義およびテストすることが可能になる。通常、これは、人間の技術者によって微調整された一連のエンジニアリング手法に従うことによって実行される。
【0009】
一般的に使用される保護機能のセットが許容可能な保護システム性能を可能にしない場合、新しい保護機能を考える必要がある。これは、一般に、困難なヒューリスティックタスクである。
【0010】
電力システム保護、特に障害の検出、分類、および特定へのニューラルネットワークの適用は、例えばT.S Sidhuらによる「送電線を保護するための人工ニューラルネットワークベースの障害方向弁別器の設計、実装、およびテスト」、IEEE Transactions on Power Delivery、第10巻、第2冊、697~706ページ、1995年、D.Novoselらによる「ニューラルネットワークと決定論的方法、実世界応用のためのe技術を使用して、直列補償された線路上の障害を特定するためのアルゴリズム」、IEEE Transactions on Power Delivery、第11巻、第4冊、1728~1736ページ、1996年、A.G.JongepierおよびL.van der Sluisによる「人工ニューラルネットワークを使用した2重回路線の適応距離保護」、IEEE Transactions on Power Delivery、第12巻、第1冊、97~105ページ、1997年、D.V.CouryおよびD.C.Jorgeによる「送電線の距離保護への人工ニューラルネットワークアプローチ」、IEEE Transactions on Power Delivery、第13巻、第1冊、102~108ページ、1998年、およびM.Sanaue-PasandおよびO.P.Malikによる「エルマンネットワークベースの伝送線路方向リレーの実装および実験室テスト結果」、IEEE Transactions on Power Delivery、第14巻、第3冊、782~788ページ、1999年で提案されている。
【0011】
保護機能に使用するために電圧および電流信号から貴重な情報を抽出するために、特定の信号処理(例えば、短窓フーリエ変換または離散ウェーブレット変換)が提案されている。S.VasilicおよびM.Kezunovicによる「電力システム障害を分類するためのファジィARTニューラルネットワークアルゴリズム」、IEEE Transactions on Power Delivery、第20巻、第2冊、1306~1314ページ、2005年、およびU.Lahiriらによる「伝送線路保護のためのモジュラーニューラルネットワークベースの方向リレー」、IEEE Transactions on Power Systems、第20巻、第4冊、2154~2155ページ、2005年はその例である。
【0012】
典型的な機械学習システムは、広範囲の機能を学習する能力において強力であるが、人間の技術者にはブラックボックスとして振る舞う。これには様々な欠点があり得る。例示すると、通常、機械学習モデルを訓練することによって得られた決定ロジックが入力信号を様々な可能な制御動作にどのようにマッピングするかを、人間の技術者が理解することはできない。これは、決定ロジックの検証をより困難にし、電力システムトポロジーの変更または電力システムに対する他の更新に応答して決定ロジックを修正する必要がある場合に、人間の技術者に困難なタスクを課す。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
産業自動化制御システムIACS、特に配電システムまたは発電システムのコントローラによって実行される決定ロジックを生成するための改善された技術を提供する必要がある。特に、例えば検証目的のための専門技術者によるMLプロセスから生じる決定ロジックの解釈を容易にしながら、機械学習(ML)を使用して決定ロジックを生成することを可能にする改善された技術が必要とされている。
【0014】
本発明の実施形態によれば、決定ロジック(例えば、保護リレーの決定ロジック)を生成するために機械学習を利用することを可能にする方法およびシステムが提供される。訓練された機械学習モデルは、1つまたはいくつかのチェックポイントが計算フローに導入されるように特別に設計される。チェックポイントは、例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を使用して、以下を示す。
-決定ロジックの入力が、チェックポイントにおいて限定された数(例えば、2つまたは3つ)の中間信号に処理される方法
-チェックポイントにおける中間信号が、可能な制御動作、すなわちコントローラの出力に処理される方法
-いくつかのチェックポイントが提供される場合、訓練された機械学習モデルが、チェックポイントの1つにおける中間信号を連続するチェックポイントにおける中間信号に処理する方法
したがって、特定の機械学習アーキテクチャを使用して解釈可能な保護ロジックとして機能する方法および装置が提供される。このアーキテクチャでは、MLモデルの内部計算がいくつかのサブプロセスに分解される。
【0015】
サブプロセスの1つの出力(計算の「中間信号」とも呼ばれる)は、訓練されたMLモデルの動作または訓練されたMLモデルに関して提供された情報を視覚化するために使用される。サブプロセスの1つのこれらの出力は、訓練されたMLモデルの計算サブプロセスの少なくとも1つ、好ましくは訓練されたMLモデル全体の解釈、検証、視覚化、および/または検査のためのチェックポイントを形成する。
【0016】
方法および装置で使用される機械学習モデルは、少数の中間信号(2つまたは3つの実数値スカラ中間信号など)が計算サブプロセスの1つから次の計算サブプロセスに渡されるように設計される。
【0017】
訓練されているMLモデルは、計算サブプロセスの1つから次の計算サブプロセスまでの少数の中間信号(2つまたは3つの実数値スカラ中間信号など)が存在するように人工的に設計されているが、中間信号のMLモデルの入力に対する依存性およびMLモデルの出力の中間信号に対する依存性は、訓練プロセスの結果である。
【0018】
開示された方法およびシステムによって提供される(コントローラへの決定ロジックとして展開される)訓練されたMLモデルの解釈可能性は、様々な利点を提供することが理解されよう。例示すると、多くの場合、専門技術者が保護リレーの決定を遡り、その決定に至った原因(例えば、観測されたインピーダンスが、特定の外乱/事象に起因して特定の信号より上/下であった)を推定することが望ましいか、または必要とされる。
【0019】
実施形態によれば、コントローラ(例えば、保護リレー)内で動作する保護機能およびロジックは、受信した入力信号に基づいて回路遮断器を作動させるかどうかを連続的に決定することができる機械学習ベースの機能によって実装される。
【0020】
教師あり機械学習を使用して、MLモデルを訓練することができる。教師あり機械学習は、ラベル付き訓練データを使用して完全に自動的に実行することができる。あるいは、強化学習を用いることもできる。
【0021】
一実施形態による、産業自動化制御システムIACSのコントローラ、特に電力システム保護のためのコントローラの決定ロジックを生成する方法は、ラベル付きデータを使用して機械学習MLを実行し、それによってMLモデルを訓練して決定ロジックを生成するステップを含む。MLモデルは、MLモデル入力およびMLモデル出力を有する。MLモデルは、少なくとも1つの中間チェックポイントを提供するために複数のサブプロセスに分解され、計算サブプロセスの1つによって出力された中間信号は、計算サブプロセスの後続の(例えば、続きの)1つに入力される。方法は、計算サブプロセスの少なくとも1つの解釈、検証、視覚化、および/または検査のために、中間信号に基づいて訓練されたMLモデルに関する情報を生成および出力するステップをさらに含み得る。
【0022】
方法は、少なくとも1つの集積回路によって実行される。
機械学習を実行するステップは、教師あり機械学習を実行することであってもよく、または教師あり機械学習を実行するステップを含んでもよい。
【0023】
機械学習を実行するステップは、強化学習を実行するステップであってもよく、または強化学習を実行するステップを含んでもよい。
【0024】
サブプロセスの1つによって出力され、サブプロセスの別の1つに入力される中間信号は、訓練されたMLモデルの動作を確認するための「チェックポイント」として機能する。
【0025】
方法は、訓練されたMLモデルに関する生成された情報に基づいてグラフィックを出力するように光出力装置を制御するステップをさらに含むことができる。
【0026】
グラフィックは、中間信号の関数としての決定ロジックの少なくとも1つの決定境界に依存し得る。
【0027】
グラフィックは、中間信号の関数としての決定ロジックの少なくとも1つの数値関数に依存し得る。
【0028】
決定ロジックは、少なくとも2つまたは少なくとも3つの異なる制御動作のうちのどれが実行されなければならないかを決定する分類器であってもよい。
【0029】
グラフィックは、制御動作を分離する少なくとも2つの決定境界を視覚化することができる。
【0030】
グラフィックは、回帰および/またはスコアリング関数に依存し得る。
グラフィックは、MLモデル入力に対する中間信号の依存性を示すことができる。
【0031】
グラフィックは、MLモデルを訓練するために使用される訓練データを含み得る。
中間信号の総数は3以下であってもよい。
【0032】
中間信号は、3つまたは3つ未満の実数値スカラ変数であってもよい。
いくつかのチェックポイントが導入される場合、中間信号の総数は、少なくとも1つのチェックポイントにおいて、好ましくは各チェックポイントにおいて3以下であってもよい。
【0033】
そのような低次元チェックポイントを実装することにより、チェックポイント間のマッピングは、完全に視覚化され、解釈され、人間の技術者によってチェックされ得る。
【0034】
計算サブプロセスの数は、5未満、特に4未満、特に2または3であってもよい。
第1の計算サブプロセスによって出力された中間信号は、並列に動作する2つの別個の第2の計算サブプロセスに入力され得る。
【0035】
並列に動作する2つの第2の計算サブプロセスは、異なる分類タスクに関連付けられ得る。例示すると、第2の計算サブプロセスの1つは、回路遮断器がトリップすべきかどうかを決定することができる。第2の計算サブプロセスの別の1つは、トリップが行われる場合、それが即時トリップであるか遅延トリップであるかを決定することができる。
【0036】
第1および第2の計算サブプロセスの両方は、それぞれ人工ニューラルネットワーク(ANN)を含むことができる。ANNは、非線形活性化を有するフィードフォワードANNであってもよい。
【0037】
第2のサブプロセスの各々は、バイナリ分類タスクであってもよい。
中間信号の総数は3より大きくてもよい。中間信号は、3つ以上の実数値スカラ変数であってもよい。方法は、決定境界の2次元または3次元空間への投影を実行するステップをさらに含むことができる。
【0038】
決定境界の2次元または3次元空間への投影を視覚化するグラフィックを生成することができる。
【0039】
投影は、線形投影または非線形投影であってもよい。低次元空間への投影は、直線状であっても曲線状であってもよい線に沿った統合を含んでもよい。
【0040】
MLは、段階的学習によって反復的に行われてもよい。
MLの新しい反復は、訓練されたMLモデルの性能が不十分であると見なされるとき、および/または決定ロジックが人間の技術者によって理解され得るには複雑すぎると見なされるときに開始されてもよい。
【0041】
決定ロジックが複雑すぎて人間の技術者が理解または解釈できないと見なされる場合、MLモデルの計算グラフの一部は、段階手法による学習の後続の反復で置換または除去され得る。
【0042】
方法は、計算グラフの少なくとも一部を除去および/または置き換えるステップと、修正されたMLモデルに対してMLを繰り返すステップとを含む、MLモデルを選択的に修正するステップを含み得る。
【0043】
MLモデルは、ユーザ入力に応答して、またはMLモデル入力に対する中間値の依存性および/または中間値に対するMLモデル出力の依存性の自動評価に応答して、選択的に修正され得る。
【0044】
訓練されたMLモデルが人間の技術者によって解釈可能であると見なされるかどうかの決定は、ユーザ入力に依存することによってではなく、自動的に行われ得る。
【0045】
例示すると、段階手法による学習の新しい反復が必要かどうかを決定するために、訓練されたMLモデルの決定境界のトポロジカル特性を使用することができる。
【0046】
代替的または追加的に、段階的学習を使用して、機械学習によって訓練されたサブプロセスの一部を(例えば、教師あり機械学習または強化学習によって)置き換えることができる。例示すると、サブプロセスが訓練後に線形または他の明示的に既知の関数に似ている場合、サブプロセスは、訓練されたMLモデルの解釈可能性をさらに容易にするために、その明示的に既知の関数によって置き換えられてもよく、これはその後決定ロジックとして使用される。
【0047】
MLモデルは、複数の時間ステップの各々について、MLモデル入力のNタプルを含む時間-動的入力を受け取ることができる。
【0048】
次いで、MLモデルは、時間ステップの各々についてMLモデル出力を生成することができる。
【0049】
方法は、複数の時間ステップについてのMLモデル入力のNタプルから集約情報を生成するステップと、集約情報を中間信号と組み合わせて使用して、訓練されたMLモデルに関する情報を生成するステップと、をさらに含むことができる。
【0050】
方法は、一般に、MLモデル入力のNタプルから集約情報を生成するステップと、集約情報を中間信号と組み合わせて使用して、訓練されたMLモデルに関する情報を生成するステップと、を含むことができる。
【0051】
MLモデルは、MLモデル入力の複数のセットを受け取ることができる。
MLモデル入力の複数のセットは、時間または信号タイプに従ってグループ化されてもよい。グループ化は、人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスなどの計算サブプロセスにどの信号が一緒に供給されるかを決定する動作を指すことができる。
【0052】
異なるグループは、それぞれ異なる人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスを指すことができる。
【0053】
MLモデル入力の複数のセットは、生成される決定ロジックのタイプに応じて異なってグループ化されてもよい。例示すると、第1のタイプの決定ロジックには信号タイプによる信号のグループ化が使用されてもよく、第2のタイプの決定ロジックには時間によるグループ化が使用されてもよい。
【0054】
時間によるグループ化は、同じ時間に関連するが異なる信号タイプ(例えば、直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)を有する信号が、同じ人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスに供給されるように実装され得る。異なる信号タイプを有するが、同じ第1の時間に関連する第1の信号セット(例えば、第1の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第1のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。これらの異なる信号タイプを有するが、第1の時間とは異なる同じ第2の時間に関連する第2の信号セット(例えば、第2の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第2のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。第2のANNは、第1のANNと同じ数の層およびノードを有してもよいが、第1のANNの重みとは無関係に決定される重みを有してもよい。この概念は、3つ以上の時間に拡張されてもよい。
【0055】
信号タイプによるグループ化は、同じ信号タイプ(例えば、直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流の1つ)を有するが異なる時間に関連する信号(例えば、第1、第2、第3および第4の時間で測定された直流電圧など)が、同じ人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスに供給されるように実装され得る。同じ信号タイプを有するが、異なる時間に関連する第1の信号セット(例えば、第1、第2、第3および第4の時間で測定された直流電圧など)は、第1のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。異なる信号タイプを有するが、同じ時間に関連する第2の信号セット(例えば、第2の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第2のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。第2のANNは、第1のANNと同じ数の層およびノードを有してもよいが、第1のANNの重みとは無関係に決定される重みを有してもよい。この概念は、3つ以上の信号タイプに拡張されてもよい。
【0056】
MLモデルが動的MLモデルである場合、時系列データは、計算グラフの静的部分および動的部分を同時に学習するために使用され得る。
【0057】
あるいは、動的MLモデルを訓練するために、計算グラフの静的部分が最初に学習されてもよい。その後、動的部分(あるタイムスロットでの計算グラフから次のタイムスロットでの計算グラフへのデータの提供を含む)を訓練することができる。
【0058】
あるいは、動的MLモデルを訓練するために、計算グラフの静的部分が学習されてもよく、その動的部分は、例えば専門知識に基づいて、学習せずに適合させることができる。
【0059】
方法は、MLモデルを訓練することによって得られた決定ロジックを、実行のためにコントローラに展開するステップをさらに含むことができる。
【0060】
MLモデルは、人工ニューラルネットワークを含んでもよい。
MLモデルは、複数の人工ニューラルネットワークを含んでもよい。複数の人工ニューラルネットワークは、フィードフォワード関数および/または隠れ層の数によって互いに区別されてもよい。
【0061】
MLモデルは、複数の人工ニューラルネットワークで構成されてもよい。
MLモデルは、少なくとも1つのサポートベクターマシン(SVM)を含んでもよい。
【0062】
決定ロジックは、電力システム保護ロジックであってもよい。
決定ロジックは、距離保護ロジックであってもよい。
【0063】
決定ロジックは、保護リレー決定ロジックであってもよい。
決定ロジックの出力、すなわちMLモデル出力は、制御動作の所定のセットのうちのどれが実行されるべきかを決定することができる。
【0064】
決定ロジックは、回路遮断器がトリップすべきどうか、および任意選択で、トリップが即時トリップであるか遅延トリップであるかを決定することができる。
【0065】
MLモデル出力は、回路遮断器の即時トリップ、遅延トリップ、および抑制のための制御動作に対応することができる。
【0066】
生信号がMLモデルに入力されてもよいが、前処理を実行して、生信号からMLモデルに入力される入力を計算してもよい。例示すると、MLモデル入力は、相電流および相電圧を含むことができる。このデータは、生信号、フェーザ、シーケンス成分、重ね合わせ量、またはウェーブレット分解の形態であり得る。
【0067】
追加的または代替的に、MLモデル入力は、位相インピーダンスを含んでもよい。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有インピーダンスの形態であってもよい。
【0068】
追加的または代替的に、MLモデル入力は、位相アドミタンスを含むことができる。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有アドミタンスの形態であってもよい。
【0069】
追加的または代替的に、MLモデル入力は、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算された、位相皮相電力、または皮相電力のシーケンス成分を含み得る。
【0070】
追加的または代替的に、MLモデル入力は、電圧および/または電流信号の周波数スペクトルを含み得る。周波数スペクトルは、短期フーリエ変換または離散ウェーブレット変換を使用して決定することができる。時間周波数分析は、モーダル変換後の電圧信号および電流信号に対して実行されてもよい。
【0071】
追加的または代替的に、MLモデル入力は、上述の任意の特徴にわたるスライディングウィンドウを含むことができる。例示すると、MLモデル入力および/または中間値は、時系列にわたる有限インパルス応答(FIR)フィルタまたは無限インパルス応答(IIR)フィルタを表すことができる。
【0072】
追加的または代替的に、MLモデル入力は、隣接する変電所およびより広い領域からの情報を含むことができる。そのような情報は、周波数測定値または他の情報を含むことができる。
【0073】
MLモデルに入力する前に信号の前処理が実行される場合、方法は、信号の複数の潜在的な候補組み合わせを選択し、機械学習を実行するステップをさらに含み得る。これは、信号の異なる候補組み合わせに対して繰り返されてもよい。
【0074】
例示的な実施形態では、MLモデルは、MLモデル入力を受け取り、3つの実数値の中間信号を出力する第1の人工ニューラルネットワークを含むことができる。MLモデルは、3つの実数値の中間信号を受け取り、制御動作を識別するバイナリ決定を出力する、少なくとも1つ、好ましくは第2の人工ニューラルネットワークを含むことができる。1つの第2の人工ニューラルネットワークは、回路遮断器トリップ内または回路遮断器制限が実行されるべきかどうかを示すバイナリ決定を出力することができる。別の第2の人工ニューラルネットワークは、即時トリップまたは遅延トリップが実行されることを示すバイナリ決定を出力することができる。
【0075】
機械学習を実行するステップは、機械学習のためのMLモデル入力を生成するために、3つの異なる位相に関連付けられた3つの複素数値アドミタンスを計算するためにラベル付き訓練データを前処理するステップを含むことができる。
【0076】
MLモデル入力は、3つの異なる位相に関連付けられた3つの複素値アドミタンスであってもよい。MLモデル入力は、特徴選択を実施する前処理によって得られる3つの複素値アドミタンスであってもよい。決定ロジックに関連付けられた情報を生成して出力するステップは、
-アドミタンスの実数部および虚数部に対する中間信号の1つの相互依存性を表す少なくとも1つの第1のグラフを生成して出力するステップと、および/または
-3つの実数値の中間信号に対する異なる制御動作(回路遮断器制限、即時回路遮断器トリップ、遅延回路遮断器トリップなど)間の決定境界の相互依存性を表す少なくとも1つの第2のグラフを生成して出力するステップと、を含む。
【0077】
方法は、MLモデル入力の数が所定の閾値以下のままであることを保証するステップをさらに含み得る。所定の閾値は、10、9、8、7、6、または6未満であってもよい。
【0078】
方法は、最良の性能を示すMLモデル入力として使用される信号の組み合わせを識別する検索アルゴリズムを使用して特徴選択タスクを自動的に実行するステップをさらに含むことができ、任意選択で、決定ロジックが人間の技術者によって解釈可能なままであることを保証する。
【0079】
方法は、MLモデル入力の数を制限するために、正則化またはANNプルーニング技術を実行するステップをさらに含み得る。
【0080】
MLモデルは、可能なMLモデルのデータベースから選択されてもよい。方法は、電力システムまたはIACSのトポロジーに基づいて、MLモデルのうちのどれを訓練すべきかを自動的に決定するステップをさらに含むことができる。
【0081】
トポロジーは、IEC 61850に従ってSCDファイルなどの標準化された構成記述から自動的に決定することができる。
【0082】
方法は、MLモデルを訓練することによって得られた決定ロジックが所定の基準を満たすかどうかを評価する評価モジュールを自動的に実行するステップをさらに含むことができる。
【0083】
所定の基準は、MLモデル入力と中間信号との間のマッピングおよび/または中間信号とMLモデル出力との間のマッピングが、人間の技術者によって解釈され得るかどうかを定量化する基準であり得る。
【0084】
代替的または追加的に、評価モジュールは、決定ロジックが期待される特性を有するかどうかを評価することができる。例示すると、意思決定プロセスの根底にある物理システムが特定の対称性を有する場合(3相電力システムにおける障害保護の場合のように)、評価モジュールは、訓練されたMLモデルがこの対称性と一致する特性を有するかどうかを評価することができる。例示すると、評価モジュールは、中間値および/またはMLモデル出力が、対称性が予想される特徴MLモデル入力の順列(電力システムがそのような周期的順列の下で対称である場合の3相インピーダンスの周期的順列など)の下で予想通りに挙動するかどうかを評価することができる。
【0085】
評価モジュールは、機械学習によって訓練されてもよい。
方法は、トリガ信号または事象に応答して決定ロジックを生成するためにMLを実行する少なくともステップを自動的に実行するステップをさらに含むことができる。
【0086】
トリガは、電力システムトポロジーにおける変更および/または電力システム内のインテリジェント電子装置(IED)の交換であってもよい。
【0087】
さらなる実施形態によれば、IACSの装置、特に回路遮断器などの電力システムアセットを制御する方法は、
一実施形態による方法を使用して、コントローラのための決定ロジックを生成するステップと、
決定ロジックを実行のためにコントローラに展開するステップと、
コントローラの少なくとも1つの集積回路によって、例えば電力システムのIACSの寿命動作中に決定ロジックを実行するステップと、を含む。
【0088】
決定ロジックは、決定ロジックの生成中に、決定ロジックが所定の基準を満たすと見なされる場合にのみ、コントローラに選択的に展開されてもよい。所定の基準は、MLモデル入力と中間値との間および/または中間値とMLモデル出力との間のマッピングを定義する1つまたはいくつかの決定境界または他の特性のトポロジーに依存してもよい。
【0089】
所定の基準は、MLモデル入力と中間値との間および/または中間値とMLモデル出力との間のマッピングが、人間の技術者によって理解され得るかどうかに依存し得る。
【0090】
決定ロジックを実行するステップは、コントローラによって、制御コマンドを電力システムアセットに出力するステップを含んでもよい。
【0091】
制御コマンドは、回路遮断器トリップをトリガすることができる。
コントローラは、少なくとも1つの距離保護機能を実行するコントローラであってもよい。
【0092】
コントローラは、デジタル保護リレーであってもよい。
被制御装置は、回路遮断器であってもよい。
【0093】
被制御装置は、発電、配電、または送電システムの主要な構成要素であってもよい。
方法は、トリガ信号または事象に応答して決定ロジックを生成および展開するステップを繰り返すステップをさらに含むことができる。
【0094】
トリガは、電力システムトポロジーにおける変更および/または電力システム内のインテリジェント電子装置(IED)の交換であってもよい。
【0095】
方法は、センサおよび/または合流ユニットから生信号を受信するステップをさらに含むことができる。
【0096】
方法は、コントローラによって実行される決定ロジックに入力されるMLモデル入力を生成するために、コントローラによって、受信した生信号を前処理するステップをさらに含むことができる。
【0097】
受信した生信号を前処理するステップは、位相インピーダンスを計算するステップを含むことができる。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有インピーダンスの形態で計算することができる。
【0098】
受信した生信号を前処理するステップは、位相アドミタンスを計算するステップを含むことができる。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有アドミタンスの形態で計算することができる。
【0099】
受信した生信号を前処理するステップは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算された、位相皮相電力、または皮相電力のシーケンス成分を計算するステップを含み得る。
【0100】
受信した生信号を前処理するステップは、電圧信号および/または電流信号の周波数スペクトルを計算するステップを含み得る。周波数スペクトルは、短期フーリエ変換または離散ウェーブレット変換を使用して決定することができる。時間周波数分析は、モーダル変換後の電圧信号および電流信号に対して実行されてもよい。
【0101】
受信した生信号を前処理するステップは、電圧および電流にクラーク変換またはdq0変換などの信号変換を適用するステップを含み得る。
【0102】
受信した生信号を前処理するステップは、MLベースの技術によって提供される係数を有するカスタムデジタルフィルタを適用するステップを含むことができる。
【0103】
受信した生信号を前処理するステップは、隣接する変電所およびより広い領域からの情報を使用するステップを含むことができる。そのような情報は、周波数測定値または他の情報を含むことができる。
【0104】
一実施形態による、産業自動化制御システムIACSのコントローラ、特に電力システム保護のためのコントローラの決定ロジックを生成するためのコンピュータシステムは、ラベル付きデータを使用して機械学習MLを実行し、それによってMLモデルを訓練して決定ロジックを生成するように適合された少なくとも1つの集積回路を含む。MLモデルは、MLモデル入力およびMLモデル出力を有する。MLモデルは、複数のサブプロセスに分解され、計算サブプロセスの1つによって出力された中間信号は、計算サブプロセスの後続の(例えば、続きの)1つに入力される。少なくとも1つの集積回路は、計算サブプロセスの少なくとも1つの解釈、検証、視覚化、および/または検査のために、中間信号に基づいて訓練されたMLモデルに関する情報を生成するように適合される。コンピュータシステムは、訓練されたMLモデルに関する情報を出力するように適合された出力インターフェースをさらに有する。
【0105】
少なくとも1つの集積回路は、教師あり機械学習または強化学習を実行して決定ロジックを生成するように適合される。
【0106】
出力インターフェースは、訓練されたMLモデルに関する生成された情報に基づいてグラフィックを出力するように適合された光出力装置であってもよい。
【0107】
コンピュータシステムは、光出力装置によって出力されるグラフィックが、中間信号の関数としての決定ロジックの少なくとも1つの決定境界に依存し得るように適合され得る。
【0108】
コンピュータシステムは、光出力装置によって出力されるグラフィックが、中間信号の関数としての決定ロジックの少なくとも1つの数値関数に依存し得るように適合され得る。
【0109】
コンピュータシステムは、決定ロジックが、少なくとも2つまたは少なくとも3つの異なる制御動作のうちのどれが実行されるべきかを決定する分類器であるように適合され得る。
【0110】
コンピュータシステムは、光出力装置によって出力されたグラフィックが、制御動作を分離する少なくとも2つの決定境界を視覚化することができるように適合されてもよい。
【0111】
コンピュータシステムは、グラフィックが回帰および/またはスコアリング関数に依存するように適合されてもよい。
【0112】
コンピュータシステムは、グラフィックがMLモデル入力に対する中間信号の依存性を示すように適合されてもよい。
【0113】
コンピュータシステムは、グラフィックがMLモデルを訓練するために使用される訓練データを含むように適合されてもよい。
【0114】
コンピュータシステムは、中間信号の総数が3以下であるように適合されてもよい。中間信号は、3つまたは3つ未満の実数値変数であってもよい。
【0115】
コンピュータシステムは、いくつかのチェックポイントが導入される場合、中間信号の総数が、少なくとも1つのチェックポイントにおいて、好ましくは各チェックポイントにおいて3以下であり得るように適合されてもよい。
【0116】
コンピュータシステムは、計算サブプロセスの数が5未満、特に4未満、特に2または3であり得るように適合されてもよい。
【0117】
コンピュータシステムは、第1の計算サブプロセスによって出力された中間信号が、並列に動作する2つの別個の第2の計算サブプロセスに入力され得るように適合されてもよい。
【0118】
コンピュータシステムは、並列に動作する2つの第2の計算サブプロセスが、異なる分類タスクに関連付けられ得るように適合されてもよい。例示すると、第2の計算サブプロセスの1つは、回路遮断器がトリップすべきかどうかを決定することができる。第2の計算サブプロセスの別の1つは、トリップが行われる場合、それが即時トリップであるか遅延トリップであるかを決定することができる。
【0119】
コンピュータシステムは、第1および第2の計算サブプロセスの両方が、それぞれ人工ニューラルネットワーク(ANN)を含むことができるように適合されてもよい。ANNは、非線形活性化を有するフィードフォワードANNであってもよい。
【0120】
コンピュータシステムは、第2のサブプロセスの各々がバイナリ分類タスクであり得るように適合されてもよい。
【0121】
コンピュータシステムは、中間信号の総数が3よりも大きくなるように適合されてもよい。コンピュータシステムは、決定境界の2次元または3次元空間への投影を実行するように適合されてもよい。
【0122】
コンピュータシステムは、決定境界の2次元または3次元空間への投影を視覚化するグラフィックが生成され得るように適合されてもよい。
【0123】
コンピュータシステムは、投影が線形投影または非線形投影であり得るように適合されてもよい。低次元空間への投影は、直線状であっても曲線状であってもよい線に沿った統合を含んでもよい。
【0124】
コンピュータシステムは、段階的学習によってMLが反復的に行われるように適合されてもよい。
【0125】
コンピュータシステムは、訓練されたMLモデルの性能が不十分であると考えられるとき、および/または決定ロジックが人間の技術者によって解釈可能であるためには複雑すぎると見なされるときに、MLの新しい反復が選択的に開始され得るように適合されてもよい。
【0126】
コンピュータシステムは、MLモデルの計算グラフの一部が、段階手法による学習の後続の反復において選択的に置換または除去され得るように適合されてもよい。
【0127】
コンピュータシステムは、ユーザ入力に応答して、またはMLモデル入力に対する中間値の依存性および/または中間値に対するMLモデル出力の依存性の自動評価に応答して、MLモデルが選択的に修正されるように適合されてもよい。
【0128】
コンピュータシステムは、訓練されたMLモデルに関する情報が解釈可能性基準を満たしていないと決定したことに応答して、MLモデルを修正するように適合されてもよい。これは、計算グラフの少なくとも一部を除去および/または置換することと、修正されたMLモデルに対してMLを繰り返すこととを含み得る。
【0129】
コンピュータシステムは、訓練されたMLモデルが人間の技術者によって解釈可能であると見なされるかどうかの決定を自動的に行うように適合されてもよい。
【0130】
コンピュータシステムは、段階手法による学習の新しい反復が必要かどうかを決定するために、訓練されたMLモデルの決定境界のトポロジカル特性を使用するように適合されてもよい。
【0131】
コンピュータシステムは、機械学習によって訓練されたサブプロセスの一部を(例えば、教師あり機械学習または強化学習によって)置き換えるために、段階的学習を使用するように適合されてもよい。例示すると、サブプロセスが訓練後に線形または他の明示的に既知の関数に似ている場合、サブプロセスは、訓練されたMLモデルの解釈可能性をさらに容易にするために、その明示的に既知の関数によって置き換えられてもよく、これはその後決定ロジックとして使用される。
【0132】
コンピュータシステムは、MLモデルが、複数の時間ステップの各々について、MLモデル入力のNタプルを含む時間動的入力を受け取ることができるように適合されてもよい。
【0133】
コンピュータシステムは、MLモデルが次に時間ステップの各々のMLモデル出力を生成するように適合されてもよい。
【0134】
コンピュータシステムは、複数の時間ステップについてのMLモデル入力のNタプルから集約情報を生成し、集約情報を中間信号と組み合わせて使用して、訓練されたMLモデルに関する情報を生成するように適合されてもよい。
【0135】
コンピュータシステムは、一般に、MLモデル入力のNタプルから集約情報を生成し、集約情報を中間信号と組み合わせて使用して、訓練されたMLモデルに関する情報を生成するように適合されてもよい。
【0136】
MLモデルは、MLモデル入力の複数のセットを受け取ることができる。
MLモデル入力の複数のセットは、時間または信号タイプに従ってグループ化されてもよい。グループ化は、人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスなどの計算サブプロセスにどの信号が一緒に供給されるかを決定する動作を指すことができる。
【0137】
コンピュータシステムは、異なる人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスに異なるグループをそれぞれ供給するように適合されてもよい。
【0138】
コンピュータシステムは、生成される決定ロジックのタイプに応じて、MLモデル入力の複数のセットが異なってグループ化されるように適合されてもよい。例示すると、第1のタイプの決定ロジックには信号タイプによる信号のグループ化が使用されてもよく、第2のタイプの決定ロジックには時間によるグループ化が使用されてもよい。
【0139】
コンピュータシステムは、同じ時間に関連するが異なる信号タイプ(例えば、直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)を有する信号が、同じ人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスに供給されるように、時間によるグループ化が実装され得るように適合されてもよい。異なる信号タイプを有するが、同じ第1の時間に関連する第1の信号セット(例えば、第1の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第1のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。これらの異なる信号タイプを有するが、第1の時間とは異なる同じ第2の時間に関連する第2の信号セット(例えば、第2の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第2のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。第2のANNは、第1のANNと同じ数の層およびノードを有してもよいが、第1のANNの重みとは無関係に決定される重みを有してもよい。この概念は、3つ以上の時間に拡張されてもよい。
【0140】
コンピュータシステムは、同じ信号タイプ(例えば、直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流の1つ)を有するが異なる時間に関連する信号(例えば、第1、第2、第3および第4の時間で測定された直流電圧など)が、同じ人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスに供給されるように実装され得るように適合されてもよい。同じ信号タイプを有するが、異なる時間に関連する第1の信号セット(例えば、第1、第2、第3および第4の時間で測定された直流電圧など)は、第1のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。異なる信号タイプを有するが、同じ時間に関連する第2の信号セット(例えば、第2の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第2のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。第2のANNは、第1のANNと同じ数の層およびノードを有してもよいが、第1のANNの重みとは無関係に決定される重みを有してもよい。この概念は、3つ以上の信号タイプに拡張されてもよい。コンピュータシステムは、MLモデルが動的MLモデルである場合、計算グラフの静的部分および動的部分を同時に学習するために時系列データが使用され得るように適合されてもよい。
【0141】
コンピュータシステムは、動的MLモデルを訓練するために、計算グラフの静的部分が最初に学習され得るように適合されてもよい。その後、動的部分(あるタイムスロットでの計算グラフから次のタイムスロットでの計算グラフへのデータの提供を含む)を訓練することができる。
【0142】
コンピュータシステムは、動的MLモデルを訓練するために、計算グラフの静的部分を学習することができ、その動的部分を、例えば専門知識に基づいて、学習せずに適合させることができるように適合されてもよい。
【0143】
コンピュータシステムは、MLモデルを訓練することによって得られた決定ロジックを、実行のためにコントローラに展開するように適合されてもよい。
【0144】
コンピュータシステムは、MLモデルが人工ニューラルネットワークを含むように適合されてもよい。
【0145】
例示的な実施形態では、MLモデルは、MLモデル入力を受け取り、3つの実数値の中間信号を出力する第1の人工ニューラルネットワークを含むことができる。MLモデルは、3つの実数値の中間信号を受取、制御動作を識別するバイナリ決定を出力する、少なくとも1つ、好ましくは第2の人工ニューラルネットワークを含むことができる。1つの第2の人工ニューラルネットワークは、回路遮断器トリップ内または回路遮断器制限が実行されるべきかどうかを示すバイナリ決定を出力することができる。別の第2の人工ニューラルネットワークは、即時トリップまたは遅延トリップが実行されることを示すバイナリ決定を出力することができる。
【0146】
コンピュータシステムは、MLモデル入力が3つの異なる位相に関連付けられた3つの複素値アドミタンスであるように適合されてもよい。
【0147】
コンピュータシステムは、機械学習のためのMLモデル入力を生成するために、機械学習を実行するステップが、3つの異なる位相に関連付けられた3つの複素数値アドミタンスを計算するためにラベル付き訓練データを前処理するステップを含むことができるように適合されてもよい。
【0148】
コンピュータシステムは、決定ロジックに関連付けられた情報を生成および出力するステップが、
-アドミタンスの実数部および虚数部に対する中間信号の1つの相互依存性を表す少なくとも1つの第1のグラフを生成して出力するステップと、および/または
-3つの実数値の中間信号に対する異なる制御動作(回路遮断器制限、即時回路遮断器トリップ、遅延回路遮断器トリップなど)間の決定境界の相互依存性を表す少なくとも1つの第2のグラフを生成して出力するステップと、を含むように適合されてもよい。
【0149】
コンピュータシステムは、MLモデルが複数の人工ニューラルネットワークを含み得るように適合されてもよい。
【0150】
複数の人工ニューラルネットワークは、フィードフォワード関数および/または隠れ層の数によって互いに区別されてもよい。
【0151】
コンピュータシステムは、MLモデルが複数の人工ニューラルネットワークで構成され得るように適合されてもよい。
【0152】
コンピュータシステムは、MLモデルが少なくとも1つのサポートベクターマシン(SVM)を含み得るように適合されてもよい。
【0153】
コンピュータシステムは、決定ロジックが電力システム保護ロジックであるように適合されてもよい。
【0154】
コンピュータシステムは、決定ロジックが保護リレー決定ロジックであるように適合されてもよい。
【0155】
コンピュータシステムは、決定ロジックの出力、すなわちMLモデル出力が、制御動作の所定のセットのうちのどれが実行されるべきかを決定するように適合されてもよい。
【0156】
コンピュータシステムは、決定ロジックが、回路遮断器がトリップすべきかどうか、および任意選択で、トリップが即時トリップであるか遅延トリップであるかを決定するように適合されてもよい。
【0157】
コンピュータシステムは、MLモデル出力が、回路遮断器の即時トリップ、遅延トリップ、および抑制のための制御動作に対応することができるように適合されてもよい。
【0158】
コンピュータシステムは、MLモデル入力が線の3相アドミタンスを含むように適合されてもよく、または3相アドミタンスから計算された特徴に基づいてもよい。
【0159】
コンピュータシステムは、生信号がMLモデルに入力され得るように適合されてもよい。コンピュータシステムは、生信号からMLモデルに入力される入力を計算するために前処理を実行するように適合されてもよい。
【0160】
例示すると、コンピュータシステムは、MLモデル入力が相電流および相電圧を含むことができるように適合されてもよい。このデータは、生信号、フェーザ、シーケンス成分、重ね合わせ量、またはウェーブレット分解の形態であり得る。
【0161】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力が位相インピーダンスを含むことができるように適合されてもよい。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有インピーダンスの形態であってもよい。
【0162】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力が位相アドミタンスを含むことができるように適合されてもよい。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有インピーダンスの形態であってもよい。
【0163】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力が、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算された、位相皮相電力、または皮相電力のシーケンス成分を含み得るように適合されてもよい。
【0164】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力が電圧および/または電流信号の周波数スペクトルを含み得るように適合されてもよい。周波数スペクトルは、短期フーリエ変換または離散ウェーブレット変換を使用して決定することができる。時間周波数分析は、モーダル変換後の電圧信号および電流信号に対して実行されてもよい。
【0165】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力が上述の任意の特徴にわたるスライディングウィンドウを含むことができるように適合されてもよい。例示すると、MLモデル入力および/または中間値は、時系列にわたる有限インパルス応答(FIR)フィルタまたは無限インパルス応答(IIR)フィルタを表すことができる。
【0166】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力がクラーク変換またはdq0変換によって変換された電圧および/または電流を含み得るように適合されてもよい。
【0167】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力が、MLベースの技術によって提供される係数を有するカスタムデジタルフィルタを含み得るように適合されてもよい。
【0168】
追加的または代替的に、コンピュータシステムは、MLモデル入力が隣接する変電所およびより広い領域からの情報を含むことができるように適合されてもよい。そのような情報は、周波数測定値または他の情報を含むことができる。
【0169】
MLモデルに入力する前に信号の前処理が実行される場合、コンピュータシステムは、信号の複数の潜在的な候補組み合わせを選択し、機械学習を実行するように適合されてもよい。これは、信号の異なる候補組み合わせに対して繰り返されてもよい。
【0170】
コンピュータシステムは、MLモデル入力の数が所定の閾値以下のままであることを保証するように適合されてもよい。所定の閾値は、10、9、8、7、6、または6未満であってもよい。
【0171】
コンピュータシステムは、最良の性能を示すMLモデル入力として使用される信号の組み合わせを識別する検索アルゴリズムを使用して特徴選択タスクを自動的に実行し、任意選択で、決定ロジックが人間の技術者によって解釈可能なままであることを保証するように適合されてもよい。
【0172】
コンピュータシステムは、MLモデル入力の数を制限するために正則化またはANNプルーニング技術を実行するように適合されてもよい。
【0173】
コンピュータシステムは、可能なMLモデルのデータベースからMLモデルを選択するように適合されてもよい。コンピュータシステムは、電力システムまたはIACSのトポロジーに基づいて、MLモデルのうちのどれを訓練すべきかを自動的に決定するように適合されてもよい。
【0174】
コンピュータシステムは、コントローラが使用されるIACSまたは電力システムの、IEC 61850によるSCDファイルなどの標準化された構成記述からトポロジーを自動的に決定するように適合されてもよい。
【0175】
コンピュータシステムは、MLモデルを訓練することによって得られた決定ロジックが所定の基準を満たすかどうかを評価する評価モジュールを自動的に実行するように適合されてもよい。
【0176】
コンピュータシステムは、所定の基準が、MLモデル入力と中間信号との間のマッピングおよび/または中間信号とMLモデル出力との間のマッピングが人間の技術者によって解釈され得るかどうかを定量化するメトリックであり得るように適合されてもよい。
【0177】
代替的または追加的に、コンピュータシステムは、決定ロジックが期待される特性を有するかどうかを評価モジュールが評価することができるように適合されてもよい。例示すると、意思決定プロセスの根底にある物理システムが特定の対称性を有する場合(3相電力システムにおける障害保護の場合のように)、評価モジュールは、訓練されたMLモデルがこの対称性と一致する特性を有するかどうかを評価することができる。例示すると、評価モジュールは、中間値および/またはMLモデル出力が、対称性が予想される特徴MLモデル入力の順列(電力システムがそのような周期的順列の下で対称である場合の3相インピーダンスの周期的順列など)の下で予想通りに挙動するかどうかを評価することができる。
【0178】
評価モジュールは、機械学習によって訓練されてもよい。
コンピュータシステムは、トリガ信号または事象に応答して決定ロジックの生成を繰り返すように適合されてもよい。
【0179】
トリガは、電力システムトポロジーにおける変更および/または電力システム内のインテリジェント電子装置(IED)の交換であってもよい。
【0180】
産業自動化制御システムIACS、特に電力システムは、決定ロジックを実行していくつかの制御動作のうちのどれが行われるかを決定するための決定ロジックを実行するように適合されたコントローラと、決定ロジックを生成するための本発明によるコンピュータシステムとを含む。
【0181】
コンピュータシステムは、決定ロジックの生成中に、決定ロジックが所定の基準を満たすと見なされる場合にのみ、決定ロジックがコントローラに選択的に展開され得るように適合されてもよい。所定の基準は、MLモデル入力と中間値との間および/または中間値とMLモデル出力との間のマッピングを定義する1つまたはいくつかの決定境界または他の特性のトポロジーに依存してもよい。
【0182】
所定の基準は、MLモデル入力と中間値との間および/または中間値とMLモデル出力との間のマッピングが、人間の技術者によって理解され得るかどうかに依存し得る。
【0183】
コントローラは、決定ロジックを実行して制御コマンドを生成し、電力システムアセットに出力するように適合されてもよい。
【0184】
制御コマンドは、回路遮断器トリップをトリガすることができる。
コントローラは、デジタル保護リレーであってもよい。
【0185】
システムは、制御装置をさらに含んでもよい。被制御装置は、回路遮断器であってもよい。被制御装置は、発電、配電、または送電システムの主要な構成要素であってもよい。
【0186】
コントローラは、センサおよび/または合流ユニットから生信号を受信するように適合されてもよい。
【0187】
コントローラは、コントローラによって実行される決定ロジックに入力されるMLモデル入力を生成するために、受信した生信号を前処理するように適合されてもよい。
【0188】
コントローラは、受信した生信号を前処理するステップが位相インピーダンスを計算するステップを含むことができるように適合されてもよい。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有インピーダンスの形態で計算することができる。
【0189】
コントローラは、受信した生信号を前処理するステップが位相アドミタンスを計算するステップを含むことができるように適合されてもよい。このデータは、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算されたシーケンス成分または障害タイプ固有アドミタンスの形態で計算することができる。
【0190】
コントローラは、受信した生信号を前処理するステップが、電流フェーザおよび電圧フェーザに基づいて計算された、位相皮相電力または皮相電力のシーケンス成分を計算するステップを含み得るように適合されてもよい。
【0191】
受信した生信号を前処理するステップは、電圧信号および/または電流信号の周波数スペクトルを計算するステップを含み得る。周波数スペクトルは、短期フーリエ変換または離散ウェーブレット変換を使用して決定することができる。時間周波数分析は、モーダル変換後の電圧信号および電流信号に対して実行されてもよい。
【0192】
コントローラは、受信した生信号を前処理するステップが、クラーク変換またはdq0変換を計算するステップを含むことができるように適合されてもよい。
【0193】
コントローラは、受信した生信号を前処理するステップが、MLベースの技術によって配信される係数を有するカスタムデジタルフィルタを適用するステップを含むことができるように適合されてもよい。
【0194】
コントローラは、受信した生信号を前処理するステップが、隣接する変電所およびより広い領域からの情報を使用するステップを含むことができるように適合されてもよい。そのような情報は、周波数測定値または他の情報を含むことができる。
【0195】
実施形態による方法およびコンピュータシステムによって、様々な効果が達成される。
例示すると、実施形態による方法およびシステムは、決定ロジックを設計するプロセスの自動化を容易にする。人間の専門技術者は、例えば、学習に使用されるラベル付き訓練データを選択することによって、プロセスに影響を与えることができる。人間の専門技術者はまた、計算グラフの1つまたは複数の位置に導入されたチェックポイントに基づいて、機械学習によって生成された決定ロジックを視覚化、レビュー、または制御することができる。これにより、人間の専門技術者と機械学習プロセスとの対話が容易になる。
【0196】
実施形態による方法およびシステムはまた、電力システムトポロジーおよびパラメータの予期されるまたは未知の変化に起因する追加の要件の場合に、はるかに迅速な再設計を容易にする。例示すると、例えば、対応するシミュレーションシステムでそのような変更を表すことによって、または動作データからそのような変更を観察することによって、そのような変更を関連する訓練データにマッピングすることができる場合、決定ロジックの再設計は、MLモデルが設定される特定の方法によって容易にすることができる。多くの場合、サブプロセスの全部ではなく一部のみが再訓練を受けなければならない場合がある。
【0197】
図面の簡単な説明
本発明の主題は、添付の図面に示される好ましい例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0198】
図1】保護ロジック生成器を含むシステムの概略図である。
図2】システムの概略図である。
図3】信号フローチャートである。
図4】静的計算グラフである。
図5】計算グラフを示す。
図6】計算グラフを示す。
図7】方法のフローチャートである。
図8】位相サセプタンスおよびコンダクタンスの関数としての中間信号を示す。
図9】位相サセプタンスおよびコンダクタンスの関数としての中間信号を示す。
図10】中間信号の関数としての決定境界を表す3次元グラフィックを示す。
図11】中間信号の関数としての決定境界を表す3次元グラフィックを示す。
図12】位相サセプタンスおよびコンダクタンスの関数としての中間信号を示す。
図13】位相サセプタンスおよびコンダクタンスの関数としての中間信号を示す。
図14】システムの概略図である。
図15】方法のフローチャートである。
図16】中間信号の関数としての決定境界を表す3次元グラフィックを示す。
図17】中間信号の関数としての決定境界を表す3次元グラフィックを示す。
図18】計算グラフを示す。
図19】動的計算グラフである。
図20】様々な方法のフローチャートである。
図21】様々な方法のフローチャートである。
図22】様々な方法のフローチャートである。
図23】様々な方法のフローチャートである。
図24】様々な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0199】
本発明の例示的な実施形態を、同一または類似の参照符号が同一または類似の要素を示す図面を参照して説明する。いくつかの実施形態は、発電システムまたは配電システムの文脈で説明されるが、以下に詳細に説明する方法および装置は、多種多様なシステムで使用することができる。
【0200】
実施形態の特徴は、特に明記しない限り、互いに組み合わせることができる。
本発明の実施形態によれば、機械学習(教師あり機械学習または強化学習など)は、電力システムなどの産業自動制御システム(IACS)のコントローラの決定ロジックを生成するために使用される。電力システム(発電または送電システムなど)における保護機能は、そのような決定ロジックの例である。例示すると、本明細書に開示された技術は、機械学習技術を使用して、デジタル保護リレーの決定ロジックを生成するために使用され得るが、これに限定されない。
【0201】
図1は、一実施形態によるシステムの概略図である。
システムは、コントローラ30と総称される、1つまたはいくつかのコントローラ31、32、33を含む。コントローラ31、32、33は、センサ、合流ユニット、インテリジェント電子装置(IED)、またはIACS、発電システム、送電システム、もしくは配電システムの動作に関するデータを提供する他の装置からの信号に応答して、保護機能などの機能を実行するようにそれぞれ動作することができる。例示すると、コントローラ31、32、33の1つまたはいくつかは、回路遮断器(CB)がトリップするかどうか、およびトリップが即時トリップか遅延トリップかを決定するデジタル保護リレーであってもよい。
【0202】
重要なことに、以下で詳細に説明するように、コントローラ31、32、33の1つまたはいくつかによって実行される決定ロジックは、それぞれ訓練された機械学習(ML)モデルである。決定ロジック生成器20は、MLモデルを訓練することによって決定ロジックを生成する。訓練されたMLモデルは、IACSのライブ動作、例えば電力システムの動作中に実行するために、それぞれのコントローラ31、32、33に展開することができる。
【0203】
本明細書で使用する場合、「決定ロジック」という用語は、特に、電力システム(または別のIACS)のコントローラ31、32、33によって実行されると、コントローラに、1つまたはいくつかのデータソース(センサ、合流ユニットなど)によって提供される信号に応答してどの制御動作を行うべきかを決定させるロジックを指すことができる。制御動作は、回路遮断器(CB)トリップまたはCB抑制を含むことができる。制御動作は、即時トリップ、遅延ありトリップ、およびCBの抑制から選択することができる。
【0204】
決定ロジック生成器20は、コンピュータ、サーバ、または分散コンピューティングシステムによって実装されてもよい。決定ロジック生成器20は、少なくとも1つの集積回路21を含む。少なくとも1つの集積回路は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、および特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0205】
少なくとも1つの集積回路21は、機械学習モジュール22を実行するように動作することができる。機械学習モジュール22は、MLモデルを訓練するために教師あり機械学習または強化学習を実行するように動作することができる。MLモデルは、人工ニューラルネットワーク(ANN)または複数のANNを含んでもよい。機械学習モジュール22は、強化学習または確率的勾配降下法などの様々な技法のいずれかに従って教師あり機械学習を実行するように動作することができる。
【0206】
本明細書で使用される場合、「MLモデルを訓練する」とは、MLモデルのパラメータのパラメータ信号を決定するプロセスを指す。例示すると、MLモデルを訓練することは、ANNの重みを決定することを含んでもよい。
【0207】
教師ありMLに用いられるラベル付きデータ25は、データ記憶装置23に記憶されてもよい。ラベル付きデータ25は、(以前の動作条件および制御動作を表す)履歴データおよび/またはシミュレートされたデータを含むことができる。ラベル付きデータ25は、教師あり機械学習を実行するためにMLモジュール22によって取得され得る。適切なラベル付きデータ25は、人間の専門技術者によって指定されてもよい。かなりの量の適切なラベル付きデータ25が履歴記録から利用可能であることが理解されよう。
【0208】
MLモデル24の候補セットは、訓練されるために記憶され得る。MLモデル24の候補セットは、データ記憶装置23にローカルに記憶されてもよいし、リモートに記憶されてもよい。MLモデル24の候補セットは、異なる電力システム構成および/またはトポロジーに対応してもよい。いくつかのMLモデル24の1つは、人間の技術者によって選択されてもよい。あるいは、決定ロジック生成器20は、訓練のためにいくつかのMLモデル24の1つを自動的に選択することができる。発電、配電、または伝送システムなどの電力システムのトポロジーに関する情報は、訓練のためのMLモデル24を選択するために使用することができる。集積回路21は、SCDファイルなどの電力システムの標準化された構成記述を分析して、複数のMLモデル24のうちのどのMLモデルが教師あり機械学習によって訓練されるべきかを決定するように適合されてもよい。
【0209】
様々なMLモデル24は、例えば、MLモデル24で使用される異なる人工ニューラルネットワークの配置および数、人工ニューラルネットワークのフィードフォワード関数、層の数などにおいて互いに区別され得る。
【0210】
決定ロジック生成器20は、1つまたは複数のMLモデル24を機械学習する。ラベル付きデータ25は、このプロセスで使用される。
【0211】
以下でより詳細に説明するように、MLモデル24は、複数の計算サブプロセスに細分化されるという特別な構成を有する。例示すると、教師あり訓練を実行するために選択されるMLモデル24は、少なくとも第1の人工ニューラルネットワークと、第1の人工ニューラルネットワークの出力を受け取る少なくとも1つの第2の人工ニューラルネットワークとを含み得る。本発明の実施形態によれば、第1の人工ニューラルネットワークの出力(本明細書では決定ロジックの中間信号とも呼ばれる)の数が制限される。例示すると、MLモデル24は、第1の人工ニューラルネットワークが最大で3つの実数値を中間信号として出力するように設定することができる。次いで、これらの中間信号は、1つ、または好ましくは2つ以上の第2の人工ニューラルネットワークに供給される。
【0212】
このように、MLモデル24は、1つまたは複数のチェックポイントを含むように特別に設計されている。チェックポイントは、中間信号が利用可能な計算フローまたは計算グラフ内のポイントである。例示すると、上述の例では、第2の人工ニューラルネットワークへの入力として機能する、第1の人工ニューラルネットワークの出力によってチェックポイントが提供される。
【0213】
決定ロジック生成器20は、ユーザインターフェース27を有する。ユーザインターフェース27は、光出力装置を含むことができる。決定ロジック生成器20は、所望の性能特性を有する訓練されたMLモデルがどのように挙動するかを人間のオペレータが確認、検証、視覚化、または評価することを可能にする情報を、ユーザインターフェース27を介して出力するように動作することができる。例示すると、決定ロジック生成器20の集積回路21は、訓練されたMLモデルがどのように動作するかを示すために、ユーザインターフェース27を介してグラフィックを生成および出力するように適合されてもよい。
【0214】
決定ロジック生成器20は、出力グラフィックが以下の1つまたはいくつかを含むことができるように適合されてもよい。
-決定ロジックとして使用されることが意図されている訓練されたMLモデルの入力が、チェックポイントにおいて中間信号に処理される方法に関する情報
-チェックポイントにおける中間信号が、可能な制御動作、すなわちコントローラの出力に処理される方法に関する情報
-いくつかのチェックポイントが提供される場合、訓練された機械学習モデルが、チェックポイントの1つにおける中間信号を連続するチェックポイントにおける中間信号に処理する方法
中間信号が可能な制御動作にマッピングされる方法に関する情報は、例えば、決定境界または決定境界の投影を描写する3次元グラフィックを含むことができる。
【0215】
決定ロジック生成器20は、MLモデルの教師あり機械学習によって得られる決定ロジックを出力するためのインターフェース26を有してもよい。インターフェース26は、例えば通信ハブ19を介して、コントローラ31、32、33に通信可能に結合されてもよい。それぞれのコントローラが使用される発電、配電、または送電システムの構成およびトポロジーに応じて、コントローラ31、32、33の各々に異なる決定ロジックが出力されることが理解されよう。
【0216】
決定ロジック生成器20は、訓練されたMLモデルの性能に加えて、MLモデルの中間信号をMLモデル入力および/またはMLモデル出力に関連付ける情報の複雑さもまた、コントローラの1つに展開されるのに適している訓練されたMLモデルの合計についての基準と見なされ得るように適合されてもよい。このようにして、解釈可能性基準を満たしつつ、高い性能を有する訓練されたMLモデルのみを出力することができる。
【0217】
例示すると、決定境界のトポロジカル特性(3つの実数値の中間信号の関数として決定境界をルーティングするときに決定境界が構成される未接続部分の数など)を解釈可能性基準として使用することができる。
【0218】
MLモデル入力に対する中間信号の依存性および中間信号に対するMLモデル出力の依存性は、優先順位が知られていないことが理解されよう。むしろ、この依存性は、教師あり機械学習の結果である。
【0219】
発電、配電、または送電ネットワークの動作中、コントローラ31、32、33は、それぞれに展開された決定ロジックを実行することができる。コントローラ31、32、33の1つまたはいくつかは、その決定ロジックを使用して信号(例えば、時間領域または周波数領域における電流、電圧、またはそれらからの導出量など)を処理して、回路遮断器トリップが実行されるべきかどうか、およびいつ実行されるべきかを決定することができる。コントローラ31、32、33の所望の使用に応じて、他の制御動作が実行されてもよいことが理解されよう。
【0220】
任意選択で、コントローラ31、32、33は、動作データを保護ロジック生成器20に提供することができる。動作データは、性能評価を実行するために、および/またはデータ記憶装置23に記憶するために使用することができる。ラベル付けされている場合、このデータは将来の訓練で使用することができる。
【0221】
図2は、配電または発電システムの構成要素と共に使用される、決定ロジック生成器20と、決定ロジック生成器20によって自動的に生成された決定ロジックを実行するコントローラ31とを示す概略図である。例示すると、変電所のベイは、スイッチQB1、QB2、QC2、QA1、QB9、およびQC9、電流感知のための変圧器BC1、BC2、および電圧感知のための変圧器BA1を含むことができる。センサ装置は、任意選択で合流ユニットまたは他のユニットを介してコントローラ31に提供され得る生信号を生成するために展開される。
【0222】
決定ロジック生成器20は、本明細書でより詳細に説明するように、コントローラ31によって実行される決定ロジックを自動的に生成し、任意選択で自動的に展開するように適合される。
【0223】
MLモデルは、周波数領域の時間において生信号として電流および電圧を受け取ることができる。これは、教師あり機械学習(決定ロジックが決定ロジック生成器20によって生成される場合)およびそれぞれのコントローラ31、32、33における決定ロジックの動作の両方に適用される。
【0224】
任意選択で、前処理が実行されてもよい。例示すると、生の電圧および電流の測定に加えて、またはその代わりに、機械学習モデルは、求められる保護のタイプ(例えば、距離リレー、(アンダー/オーバー)周波数リレーなど)に応じて、異なるタイプの入力信号に依存することができる。入力信号のソースは、局所計装に限定される必要はないが、広域計装ならびに中央SCADAとすることができる。これは、教師あり機械学習とおよびそれぞれのコントローラ31、32、33内の決定ロジックの動作の両方に適用される。
【0225】
図3は、例示的な信号フロー40を示す。生信号41は、信号前処理モジュール42によって処理することができる。信号前処理モジュール42の出力は、例えば、インピーダンス、コンダクタンス、サセプタンス、アドミタンス、または他の導出量であってもよい。これらの信号は、3つの位相の各々についてそれぞれ決定されてもよい。これらの信号は、それぞれ複素数値(すなわち、複素平面内に振幅および偏角または位相を有する)であってもよい。MLモデル43は、どの制御動作が実行されるべきかの決定であり得る出力44を生成する。
【0226】
上記で説明したように、MLモデル43は、いくつかの計算サブプロセスに分解される。これは、実行されている決定ロジックの解釈を助ける。
【0227】
MLモデル入力として使用することができ、信号前処理42による前処理で生成することができる信号の潜在的で網羅的でないリストは、以下の通りである(特に、任意の複雑な量は、デカルトまたは極座標表現によって与えられ得る)。
【0228】
1.相電流I、電圧V、生信号、フェーザ、シーケンス成分、重ね合わせ量、またはウェーブレット分解
2.相インピーダンスZ、シーケンス成分、または電流および電圧フェーザに基づいて計算された障害タイプ固有のインピーダンス
3.相アドミタンスY、シーケンス成分、または電流および電圧フェーザに基づいて計算された障害タイプ固有アドミタンス
4.電流および電圧フェーザに基づいて計算された位相皮相電力、シーケンス成分皮相電力
5.短時間フーリエ変換または離散ウェーブレット変換を使用した電圧および電流信号の周波数スペクトル。この時間周波数解析は、モーダル変換後の電圧および電流信号に対して実行され得る。
【0229】
6.クラークまたはdq0変換による電圧および電流信号の変換
7.フィルタ係数がデータ駆動型MLアルゴリズムによって提供されるカスタムデジタルフィルタ
8.隣接する変電所からの情報、および周波数測定、WAMSからのデータ、需要および生成のステータス、(トポロジカル)接続性、EMS/SCADAからの最新の状態推定結果、湿度、温度などの気象データなどのより広いエリアからの情報
特徴計算42の前処理によって決定することができる上記の列挙された量の少なくともいくつかは、スライディングウィンドウまたは生信号(電圧、電流)の移動平均に基づいて計算することができる。フェーザ計算は、基本周波数の単一の全サイクルの長さを有する標準的な正弦、余弦FIRフィルタによって、またはハーフサイクルフィルタもしくは任意の他のカスタム調整されたフィルタ重みもしくはカスタムフィルタ長を使用することによって実行することができる。
【0230】
特定の時点におけるこれらの特徴および他の特徴に加えて、またはそれらの代替として、これらの特徴および他の特徴の短期ダイナミクス(例えば、これらの特徴および他の特徴の導関数の推定値、またはスライディング時間窓からの信号)をMLモデル入力として使用することができる。
【0231】
したがって、MLモデルは、図3に示すように、生の電圧および電流測定値を分類に適したMLモデル入力(推定インピーダンスなどの入力特徴)に変換する信号前処理モジュールによって先行され得る。本発明の一態様は、図24を参照してより詳細に説明されるように、解釈可能性を保証しながら保護性能が最大化されるように、どの(組み合わせの)候補入力が選択されるべきかを自動的に識別する方法を説明する。生の測定値(3つの相のそれぞれの電流信号および電圧信号など)をMLモデルに直接供給することもできることに留意されたい。
【0232】
一般に、決定ロジック生成器20によって訓練されているMLモデルへの入力、およびコントローラ31、32、33内の決定ロジックとして展開される訓練されたMLモデルへの入力は、時間依存性であり得る。言い換えれば、これらのMLモデル入力は、経時的な信号の軌跡であり得る。入力信号のインスタンスは、本明細書では信号ベクトル軌道とも呼ばれる。「信号ベクトル軌跡」という用語は、それがある期間にわたる軌跡であること、および各時点における信号のベクトルがあることの両方を反映する。このタイプのデータは、時間データまたは時間-動的データとも呼ばれる。例えば、時間データのセットは、特定の期間(例えば、直近の500ms)にわたって計算されたラインインピーダンスからなることができる。時間データから学習するタスクは、動的学習タスクと呼ばれる。
【0233】
最初に、分類器として機能するMLモデルの提案された構造、ならびに静的入力(すなわち、信号ベクトルの単一の時間スナップショットのみ)に対して動作する分類器の訓練方法について説明する。例えば、所与の瞬間の静的データポイントは、その瞬間の計算されたラインインピーダンス(「信号前処理」モジュール42で行われ、ある期間にわたってサンプリングされた測定値を使用して実行される計算)からなることができる。静的データから学習するタスクを静的学習タスクと呼ぶ。静的学習タスクとして提案されたアイデアを説明した後、動的学習タスクの場合をカバーする適応についても説明する。
【0234】
提案されたMLモデルは、計算のフローからなるので、計算グラフである。本明細書で開示される技術は、(図19図21を参照してより詳細に説明されるように)時間動的計算グラフに適用可能であるが、静的計算グラフのアーキテクチャについて最初に説明する。保護リレー31、32、33内の提案されたMLモデルは、経時的に信号ベクトルを1つずつ受取、それに応じて連続して経時的に出力を1つずつ計算することが理解されよう。機械学習の用語では、これは(バッチではなく)オンライン計算と呼ばれる。
【0235】
図4は、静的計算グラフ50である。信号ベクトル51が時間ステップで受信される。保護リレーまたはコントローラの決定ロジックは、出力54を生成するために内部計算52、53を実行する。以下でより詳細に説明するように、内部計算52、53は、教師あり機械学習を実行することによって生成される。内部計算52、53はそれぞれ、教師あり機械学習中に歪んだ人工ニューラルネットワークを含むことができる。あるいは、内部計算の1つのみ、または内部計算の一部のみが、人工ニューラルネットワークまたは別の機械学習構造を含んでもよい。
【0236】
決定ロジック(すなわち、訓練されたMLモデル)は、教師あり機械学習を使用して自動的に生成される。これは、好ましくは、生成された決定ロジックが人間によって説明/解釈可能であるように行われる。従来の複雑な計算グラフ(または人工ニューラルネットワーク)では、これはほとんど不可能であった。
【0237】
解釈可能性を実現するために、MLモデルの内部計算は、2Dまたは3Dで視覚化できるステップに分解される。すなわち、計算フローは、学習されたマッピングが
-チェックポイント間および/または
-MLモデル入力とチェックポイントの1つとの間、および/または
-MLモデル出力へのチェックポイントの1つの間
がUI27を介して完全に視覚化することができ、人間が解釈し、確認することができるように、低次元チェックポイント(通常2または3次元)を含む。これらの内部計算サブプロセスの数を少なく(例えば、2つまたは3つのサブプロセス)保つことにより、人間の技術者は、任意の興味のあるMLモデル入力についてこれらのステップのシーケンスを検査し、決定が得られる方法を分析することができる。これにより、決定ロジックの検証が容易になる。例示すると、人間の技術者は、訓練された決定ロジックが仕様および/または期待に従って動作するかどうかを検証することができる。追加的または代替的に、発電、配電、または送電システムの変更が有効になったときに決定ロジックを修正する必要があるかどうかの決定を容易にすることができる。電力システムにおいて修正が有効になった後に実行される代替決定ロジックの生成が容易になる。
【0238】
図5および図6は、例示的なMLモデル60、80を示す。MLモデルは、3つの複素数または6つの実数を入力として受け取る。これは所与の時間ステップにおける入力であることが理解されよう。MLモデルは、いくつかの制御動作のうちのどれが行われるべきかを示すことができるバイナリ出力53a、53bを提供する。
【0239】
図5に示すように、MLモデル入力は、中間信号63を出力する第1の人工ニューラルネットワーク61に提供される。中間信号63は、3つまたは3つ未満の実数値(本明細書ではスコアとも呼ばれる)であってもよい。中間信号63は、連続する第2の人工ニューラルネットワーク65に入力される。連続する第2の人工ニューラルネットワーク65は、回路遮断器トリップまたは回路遮断器抑制動作が行われるべきかどうかを示すことができる出力53aを提供する。
【0240】
MLモデル入力は、中間信号64を出力する別の第1の人工ニューラルネットワーク62に提供される。中間信号64は、3つまたは3つ未満の実数値(本明細書ではスコアとも呼ばれる)であってもよい。中間信号64は、連続する別の第2の人工ニューラルネットワーク66に入力される。連続する第2の人工ニューラルネットワーク65(および/または66)は、もしあれば回路遮断器トリップが即時トリップであるか遅延トリップであるかを示すことができる出力53bを提供する。
【0241】
したがって、図5に示すように、(デカルトまたは極表現で6つの実数信号によって表され得る)3つの複素信号が、入力データ71として受信される。2つの並列な第1の人工ニューラルネットワーク61、62は、処理72(3つの複素信号の処理2回分に相当)を実行して、それぞれ3つの実数信号62、64の2つのセットを生成する。2つの並列な第2の人工ニューラルネットワーク65、66は、処理74(3つの実信号の処理2回分に相当)を実行して、バイナリ決定であってもよい決定75を生成する。
【0242】
図6に示すように、MLモデル入力は、中間信号83を出力する第1の人工ニューラルネットワーク81に提供される。中間信号83は、3つまたは3つ未満の実数値(本明細書ではスコアとも呼ばれる)であってもよい。
【0243】
中間信号83は、連続する第2の人工ニューラルネットワーク85に入力される。連続する第2の人工ニューラルネットワーク65は、回路遮断器トリップまたは回路遮断器抑制動作が行われるべきかどうかを示すことができる出力53aを提供する。
【0244】
中間信号83は、連続する第2の人工ニューラルネットワーク86にも入力される。連続する第2の人工ニューラルネットワーク86は、もしあれば回路遮断器トリップが即時トリップであるか遅延トリップであるかを示すことができる出力53aを提供する。
【0245】
したがって、図6に示すように、(デカルトまたは極表現で6つの実数信号によって表され得る)3つの複素信号が、入力データ91として受信される。第1の人工ニューラルネットワーク81は、処理72(3つの複素信号の処理に相当)を実行して、3つの実数信号93の1つのセットを生成する。2つの並列な第2の人工ニューラルネットワーク85、86は、処理94(3つの実信号の処理2回分に相当)を実行して、バイナリ決定であってもよい決定75を生成する。
【0246】
計算グラフのグラフノードにおける活性化関数は、非線形活性化を有するフィードフォワードANN、例えばReLU、シグモイド/tanh、または任意の他の非線形関数として実現することができる。活性化関数は、任意のサイズ(n1、n2、n3、n4)の可変数の隠れ層を含むことができる。層ごとに異なる数の隠れユニットが可能である。
【0247】
より具体的な例として、図5および図6のMLモデルは、MLモデルへの入力が、リレーによって監視される線の推測された3相アドミタンスからなる静的信号ベクトルである場合について説明される。すなわち、入力信号ベクトルは、位相ごとの複素数(すなわち、実数部および虚数部を有する)からなり、6つの数値入力のサイズになる。決定ロジックの解釈可能性は、以下の2つのステップで達成される。
【0248】
1.3つの複素量(すなわち、すべての3相アドミタンス)はすべて、スコアとも呼ばれる3つのスカラ量を計算するために処理される。これは、複素数(2D)をスカラ(1D)にマッピングする1つまたは複数の関数によって達成される。これらの3つのスコアは、低次元チェックポイント(3D)を構成する。3つのスコアは、実数値スカラであってもよい。
【0249】
2.MLモデル出力(すなわち、トリップ/非トリップ決定)は、上記の3つのスコアから得られる。これは、3Dから1Dへの関数マッピングによって達成される。
【0250】
図5は、上述のステップを実施する第1の変形例を示し、図6は、第2の変形例を示す。どちらの場合も、計算グラフは、入力が3つの複素量であり、出力が保護ロジックの3つの可能な決定、すなわち、「抑制」、「遅延ありトリップ」、または「即時トリップ」の1つであると仮定する。これらの3つの決定は、2つのバイナリ分類器によって分離され、1つは「抑制」を「トリップ」から分離し、1つは「即時トリップ」を「遅延ありトリップ」から分離する。2つのカスケードされたバイナリ分類器を使用する代わりに、単一の3クラス分類器を代替的に使用することができる(例えば、ソフトマックス出力層を介して実装される)。分類器の選択は、出力が解釈可能なままであるかどうかに依存することができ、それによって決定することができる。
【0251】
2D処理および3D処理の2つの決定ステップの各々は、標準的なフィードフォワード計算グラフからなる。「2D処理」は、2D入力を取得し、スカラ出力を生成する計算、すなわちアドミタンスなどの単一の複素入力特徴を取得し、スコアを計算する計算を指すことができる。「3D処理」は、3D入力、すなわちスコアを取得し、分類出力を計算する計算を指すことができる。
【0252】
一実施態様では、各バイナリ分類器は、図5に示すように、専用サブグラフ61、62によって計算された各バイナリ分類器自体の入力スコア63、64に依存することができる。調整する必要があるパラメータの数を減らし、解釈可能性を高めるために、図6に示すようなジョイント2Dストリームアーキテクチャが好ましく、2D処理は両方の3D分類器(上記で紹介した2つのカスケードされたバイナリ分類器)間で共有される。
【0253】
上述したように、計算グラフのグラフノードにおける活性化関数は、非線形活性化を有するフィードフォワードANN、例えばReLU、シグモイド/tanh、または任意の他の非線形関数として実現することができる。活性化関数は、任意のサイズ(n1、n2、n3、n4)の可変数の隠れ層を含むことができる。図5および図6に示すように、層ごとに異なる数の隠れユニットが可能である。バイナリ分類タスクが学習されるので、出力ユニットの活性化は、通常はシグモイドであるが、必ずしもシグモイドである必要はない。上述したように、ソフトマックスまたは任意の他の活性化によるマルチクラス分類は、他の実施形態でも使用され得る。
【0254】
訓練プロセスの暗黙の結果(目的はMLモデルを可能な限り正確に訓練することである)は、学習システムが、正しい決定を正しく行うために最高の値を有するように中間スコアを学習することである。MLモデルが学習されると、この事実はスコアの解釈性を極めて容易にする。
【0255】
機械学習プロセスの観点から、中間チェックポイント、すなわち実数値のスコア63、64、83は、物理的な意味を持たない。それらはむしろ、物理的データを意思決定のための貴重なメトリックに圧縮する方法として機能する。
【0256】
図5および図6から理解されるように、MLモデルは、いくつかの、例えば最大で3つの中間信号がMLモデルにおける処理の中間段階で提供され、それによって計算フローのその時点で変数の数を人為的に制約するように特に設計され得る。
【0257】
一般的な時間動的設定の場合、異なる時間に関連付けられたMLモデル入力がANN(または他の分類器)に入力される方法は、生成される決定ロジックのタイプに依存し得る。例示すると、第1のタイプの決定ロジックには信号タイプによる信号のグループ化が使用されてもよく、第2のタイプの決定ロジックには時間によるグループ化が使用されてもよい。
【0258】
時間によるグループ化は、同じ時間に関連するが異なる信号タイプ(例えば、直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)を有する信号が、同じ人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスに供給されるように実装され得る。異なる信号タイプを有するが、同じ第1の時間に関連する第1の信号セット(例えば、第1の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第1のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。これらの異なる信号タイプを有するが、第1の時間とは異なる同じ第2の時間に関連する第2の信号セット(例えば、第2の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第2のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。第2のANNは、第1のANNと同じ数の層およびノードを有してもよいが、第1のANNの重みとは無関係に決定される重みを有してもよい。この概念は、3つ以上の時間に拡張されてもよい。
【0259】
信号タイプによるグループ化は、同じ信号タイプ(例えば、直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流の1つ)を有するが異なる時間に関連する信号(例えば、第1、第2、第3および第4の時間で測定された直流電圧など)が、同じ人工ニューラルネットワークまたは他の分類器または計算サブプロセスに供給されるように実装され得る。同じ信号タイプを有するが、異なる時間に関連する第1の信号セット(例えば、第1、第2、第3および第4の時間で測定された直流電圧など)は、第1のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。異なる信号タイプを有するが、同じ時間に関連する第2の信号セット(例えば、第2の時間における直流電圧、直流電流、q電流、ゼロ電流)は、第2のANN、分類器、または計算サブプロセスに供給されてもよい。第2のANNは、第1のANNと同じ数の層およびノードを有してもよいが、第1のANNの重みとは無関係に決定される重みを有してもよい。この概念は、3つ以上の信号タイプに拡張されてもよい。
【0260】
図7は、一実施形態による方法100のフローチャートである。方法100は、決定ロジック生成器20によって自動的に実行されてもよい。
【0261】
ステップ101において、教師あり機械学習が実行されて決定ロジックを生成する。これは、MLモデルまたはいくつかのMLモデルを訓練することによって行われる。いくつかのMLモデルが訓練される場合、それらは、訓練後に、性能に関して、および任意選択で、それらの解釈可能性に関して評価され得る。
【0262】
ステップ102において、MLモデルのサブプロセスの1つまたはいくつかに関する情報が出力される。情報は、以下の1つまたは複数を含むことができる。
-決定ロジックとして使用されることが意図されている訓練されたMLモデルの入力が、チェックポイントにおいて中間信号に処理される方法に関する情報
-チェックポイントにおける中間信号が、可能な制御動作、すなわちコントローラの出力に処理される方法に関する情報
-いくつかのチェックポイントが提供される場合、訓練された機械学習モデルが、チェックポイントの1つにおける中間信号を連続するチェックポイントにおける中間信号に処理する方法
この情報は、グラフィカルユーザインターフェースまたは他の光出力装置を介して出力されてもよい。
【0263】
ステップ103において、決定ロジック(すなわち、訓練されたMLモデル)をコントローラに展開することができる。異なる決定ロジックは異なるコントローラに展開されることが理解されよう。決定ロジックは、それぞれ保護ロジックであってもよい。
【0264】
図8図11は、各面のアドミタンスY=G+jB=1/ZがそれぞれMLモデル入力として使用される場合の実施形態による方法および決定ロジック生成器20の動作を示す。ここで、Yはアドミタンス、Gはコンダクタンス、Bはサセプタンス、jは虚数単位、Zはインピーダンスである。例えば図6に示すように、3つの実数値スコアが第1の計算サブプロセスによって計算されると仮定する。さらに、MLモデルが、回路遮断器抑制、即時の回路遮断器トリップ、または遅延回路遮断器トリップに関する決定を出力することができる分類器として機能すると仮定される。
【0265】
図8および図9は、3つの実数値の中間信号(すなわち、スコア)の1つの、位相の1つのアドミタンスのコンダクタンスおよびサセプタンスに対する依存性を示すグラフィックを示す。これらのグラフィックは、第1の計算サブプロセス81および図6の動作を示す。
【0266】
スコアは、スコア-0.5、-0.2、-0.1、0.1、0.2、および0.5の等値線によって示されている。スコアが+1の最大信号に近い領域111、121は、スコアが-1の最小信号に近い領域112、122と、スコアがゼロに近い領域113、123とに区切られている。ドット114、124の各々は、訓練データを表す。
【0267】
MLモデル入力に対する中間信号の依存性を示すグラフィック110、120は、ユーザへの出力で生成することができる。上述のように、中間信号またはスコアは、一般に、直接的な物理的解釈を有さない。さらに、図8および図9のグラフィックは、図10および図11を参照して説明するグラフィックによって補足されると、人間の技術者が教師あり機械学習によって生成された決定ロジックを理解することを可能にする。
【0268】
図10および図11は、3つの実数値の中間信号(すなわち、スコア)に対する決定境界の依存性を示すグラフィックを示す。これらのグラフィックは、第2の計算サブプロセス85、86および図6の動作を示す。図10および図11は、それぞれ異なる視点からの決定境界を、3つの実数値の中間信号(すなわち、スコア)の関数として示す。これらの決定境界は、MLモデルを訓練することによって得られる。
【0269】
一方の決定境界122は、回路遮断器の抑制およびトリップ決定を分離する。他の決定境界121では、即時トリップ決定および遅延トリップ決定を分離する。
【0270】
訓練データ133は抑制を表し、訓練データ131は即時トリップを表し、訓練データ132は遅延トリップを表す。
【0271】
MLモデルが設計され、第1の計算サブプロセスの実数値出力の数が、例えば、3つまたは3つ未満に制限され、次いで、MLモデルの別のサブプロセスによってさらに処理される特定の方法は、決定境界を2Dまたは3Dで視覚化することを可能にすることが理解されよう。
【0272】
決定ロジック生成器20および/またはユーザインターフェース27は、3つの実数値の中間信号(すなわち、スコア)に応じた決定境界を表すグラフィックをユーザ入力によって回転させることができるように適合されてもよい。これは、決定ロジックが動作する方法を評価するために人間の専門技術者をさらに支援する。
【0273】
訓練後のMLモデル入力に対する中間信号(すなわち、スコア)の依存性を表すグラフィックと、中間信号(すなわち、スコア)に対するMLモデル出力の依存性を表すグラフィックとの両方を生成して出力できることが理解されよう。この情報は、コントローラに展開されてコントローラによって実行される決定ロジックを検証および/または解釈するために、人間の専門技術者によって使用され得る。
【0274】
図8図11に示すグラフィックは、図14に概略的に示すようなシステムをシミュレートすることによって得られる。保護リレー201は、電圧信号および/または電流信号を処理する。
【0275】
決定ロジック生成器20は、簡略化のためにリレー201の解釈可能な保護ロジックを生成し、線1-2および線1-3の障害のみがシミュレートされている。これらの2つの線について、いくつかの代表的な負荷条件、障害位置、障害開始角度および障害耐性について、すべてのタイプの障害をシミュレートした。線1-3の障害は「抑制」リレー決定に対応し、線1-2の80%までの障害(ゾーン1)は「即時トリップ」決定に対応し、線1-2の80%を超える障害(ゾーン2)は「遅延ありトリップ」決定に対応する。これは保護設計の例ではなく、むしろ実施形態による方法およびシステムの動作をさらに説明するための縮小された使用事例であることに留意されたい。
【0276】
上記で説明したように、MLモデルは2つのサブグラフからなり、まず、リレーによって監視される位相アドミタンスに基づいて、位相ごとに1つのスコアが計算され、結果として3つのスコアが得られ、続いて、これら3つのスコアすべてに基づいて最終決定(すなわち、ML出力)が計算される。図8は、アドミタンスのスコア(位相ごと、3相すべての全体像を図12に示す)へのマッピングを視覚化し、図10および図11は、スコアの決定へのマッピングを示している。MLモデルの訓練に使用されたテストケースもまた、ドットとしてこれらのプロットに示されている。図12に示すように、同じスコアリング関数を各相に使用することができる。したがって、図12の3つのプロット(異なる位相のスコアリング関数を表す)は非常に類似しているように見える。図8図9、および図12では、同じスコアを有する等値線が線で示されている。上述したように、グラフ181、182、183において、正のスコアを有する領域は、等値線の最も中央の対によってマークされた0.1未満の大きさを有するスコアを有する領域の上に位置し、負のスコアを有する領域は、低スコアを有する領域の下に位置する。しかしながら、グラフ181、182、183のいずれかの選択されたドット(すなわち、シミュレーションデータ184~189のシミュレートされた事例、異なる決定は、図12の異なる記号によって示されている)は、一般に、他のグラフの別の位置に対応する。
【0277】
この視覚化は、専門技術者が使用することができる。これにより、人間の技術者は、展開のための決定ロジックを承認することができる。訓練されたMLロジックの解釈可能性は、人間の技術者による評価に加えて、またはその代替として、自動的に評価することができる。
【0278】
スコアの組み合わせにより、第2のサブグラフは、図10および図11に示すように区別することができる。スコアリング関数が、アドミタンス角に基づいてアドミタンス平面の大部分で非常に鋭い分離を行い、両側で+1および-1に近い信号を取得するが、アドミタンスが低い(すなわち、インピーダンスが高い)領域内ではゼロに近い信号を取得し、あまり鋭くない分離となることが観察され得る。図10および図11に見られるように、この領域は、ゾーン2の障害(「遅延ありトリップ」)を識別することを可能にする。3つのスコアの組み合わせは、トリップ決定と抑制決定とを区別することを可能にする。
【0279】
さらなる説明のために、相A(すなわち、A-G、A-B、A-B-G、A-B-C)のみを含む障害のサブセットに焦点を当てる。スコア関数を図13にプロットする。例えば、(特定のシステム負荷条件に対応する)ゼロに近いアドミタンス角を有するA-B障害は、+1に等しいスコアA、+1に等しいスコアC、および-1に等しいスコアBを受取(図12の直線矢印194を参照)、第2のサブグラフがそれを「即時トリップ」の場合として分類することを可能にする(図10および図11を参照)。図12はまた、相A-Bから接地までの障害についての訓練データ195、A-B-C障害についての訓練データ196、およびAから接地までの障害についての訓練データ197を示す。
【0280】
前の段落は、入力としての3相アドミタンスに基づく特定の事例のみを示している。同様の方法で、例えばインピーダンスなどの異なる信号、または電圧および電流のような生信号を入力として取る解釈可能な計算グラフを生成することが可能である。これは、異なる数および/または次元のチェックポイントをもたらす可能性がある。
【0281】
好ましくは、訓練後のMLモデル入力に対する中間信号(すなわち、スコア)の依存性を示すグラフィックに加えて、MLモデル出力の中間信号(すなわち、スコア)に対する依存性を表すグラフィックを生成および出力することができることが理解されよう。この情報は、コントローラに展開されてコントローラによって実行される決定ロジックを検証および/または解釈するために、人間の専門技術者によって使用され得る。
【0282】
本明細書で開示される概念は、一般に、MLモデル入力の数が10個の実数値スカラまたは6個以下の実数値スカラなどの閾値未満である場合に、MLモデルを訓練するのに特に有用である。所望の性能レベルに対して特定のタスクを学習するために必要なMLモデル入力の数が多いほど、解釈可能な計算グラフを設計することはより困難になる。任意の所与のタスクについて、所望の特性(性能レベル、解釈性)を有する学習モデルが存在するかどうかの問題は、機械学習アプリケーションに固有のものであるため、経験的に回答することができる。
【0283】
本発明の1つの好ましい手法は、学習された分類器の性能を非常に高く保ちながら、解釈性を容易にするために、入力次元の数を可能な限り低く保つことである。MLモデルの学習フェーズ中に可能な限り低次元のMLモデル入力のセットを選択する方法を、図24を参照して説明する。
【0284】
提案された計算グラフはまた、学習の対象ではない部分を含んでもよい。例示すると、スコアのセットを計算した後、計算グラフは、スコアに最大値をとる演算子を適用することができ、これは、例えば、スコアの「最悪」を選択する直感に対応する。
【0285】
UI27を介して出力するための解釈可能なグラフィックの生成を容易にするために低次元チェックポイント(すなわち、2または3である、MLモデルのいくつかの実数値中間信号)を有することが好ましいが、本明細書で開示される技術はこれに限定されない。例示すると、第1のサブプロセス61、62、81によって出力され、第2のサブプロセス65、66、85、86に入力される3つ以上の実数値中間信号がある場合、訓練されたMLモデルの動作を表すグラフィックが依然として生成され得る。例示すると、以下の技術のいずれか1つを使用することができる。
-線形低次元サブ空間上への投影および視覚化
-非線形低次元サブ空間(マニホールド)への投影および視覚化
-勾配、変動、最小値/最大値、低次元マニホールドに沿った単調さなどの低次元マッピングの特性の分析
視覚化のための低次元部分空間への投影は、線形投影または非線形投影であってもよいことが理解されよう。投影は、3次元を超える空間における直線または曲線に沿った積分を含み得る。
【0286】
中間信号の数を2つまたは3つの実数値変数に人工的に制限し、MLモデル入力の総数を少なめに保つことが好ましいが、本明細書に記載の技術はこれに限定されない。例示すると、計算サブプロセスの結果が線形的に組み合わされる場合、人間の技術者は、中間信号の数が3より大きい場合でも決定ロジックの動作を理解することができる。様々なロジックサブプロセスを表す複数のグラフィックを出力することができる。例示すると、図5に示すように、2つのバイナリ分類器を含むように訓練されるようにMLモデルを指定することによって、2つの分類器(例えば、第1の分類器の結果としての「トリップ」または「抑制」、第2の分類器の結果としての「即時トリップ」または「遅延ありトリップ」)のそれぞれの動作は、技術者によって別々に考慮および評価され得る。
【0287】
MLモデルを訓練するプロセスは、反復的に繰り返されてもよい。これは、性能を改善するために、および/または訓練されたMLモデルに関する出力情報が人間の技術者によって容易に理解されることを保証するために行われ得る。MLモデルは、連続する反復の間に修正され得る。
【0288】
図15は、方法140のフローチャートである。方法140は、決定ロジック生成器20によって自動的に実行されてもよい。
【0289】
ステップ141において、MLモデルを訓練するために教師あり機械学習が実行される。
【0290】
ステップ142において、決定境界が決定される。決定境界は、実数値の中間信号(すなわち、スコア)に応じて決定することができる。
【0291】
ステップ143において、次いでユーザインターフェースを介して出力される決定境界が、訓練されたMLモデルが解釈可能であると見なされるために十分に単純であるかどうかが決定される。ステップ143においてユーザ入力が使用されてもよいが、ステップ143は、完全にまたは少なくとも部分的に自動的に実施されてもよい。例示すると、決定境界のトポロジカル特性は、訓練されたMLモデルが解釈可能であると見なされるかどうかを評価するために決定され得る。限定ではなく例示すると、3つの実数値スコアがまたがる3次元空間内の決定境界を表す不連続面の数を決定し、閾値信号と比較して、訓練されたMLモデルが基準を満たすかどうか(人間が解釈可能であるなど)を評価することができる。3つの実数値スコアがまたがる3次元空間における勾配および/または曲率などの決定境界の他のトポロジカル特性も使用することができる。
【0292】
ステップ144において、訓練されたMLモデルが(出力情報が複雑すぎるという意味で)解釈不可能であると見なされる場合、MLモデルを修正することができる。これは、図18を参照してより詳細に説明するように、様々な技術を使用して行うことができる。
【0293】
ステップ145において、訓練されたMLモデルが解釈可能であると見なされる場合、MLモデルは、デジタル保護リレーなどのコントローラへの決定ロジックとして展開され得る。
【0294】
1回のショットで学習された低次元チェックポイントを有する静的計算グラフは、解釈性の点で要件を既に満たしている場合がある。しかしながら、この最初のショットで学習された関数は、複雑すぎたり、畳み込まれたりする場合がある。図8図14を参照して提示された例に基づく図16は、計算グラフの第2の部分で学習された決定関数の1つが非常に畳み込まれており、したがってほとんど解釈できない場合を示す。
【0295】
解釈可能性を高めるために、理解するのが困難すぎる、すなわち解釈不可能であると見なされるMLモデルの部分は、例えば既に説明したように視覚化によって解釈可能性を可能にするより単純なモデルに置き換えられる。これは、最終的なMLモデルを学習するタスクが1回の実行ではなく反復で実行されるため、段階的な学習手法である。
【0296】
図18は、提案されたアイデアを視覚化している。新しいより単純なモデルは、ここでも、より低い複雑度(例えば、より浅いANN、線形または非線形カーネル関数を有するSVMなど)を保証する構造を有する、ANNまたはサポートベクターマシン(SVM)などの機械学習モデルとすることができる。各サブグラフ(すなわち、一方ではサブプロセス61、62、81、他方ではサブプロセス65、66、85、86)について、モデルの複雑さを低減することは、複雑さが徐々に低減されるいくつかの反復を必要とする可能性があることに留意されたい。
【0297】
図16に示すように、元の計算グラフ、具体的には最も右側の2つのサブグラフで学習された決定境界は複雑すぎで、単純化される。これは、特に、即時トリップと遅延トリップとの間の決定境界151に適用される。したがって、図18に示すように、対応するサブグラフがMLモデルから除去され、異なる計算によって置き換えられ、それにより、図17に示すように、より容易に理解可能なグラフィックが生成される。
【0298】
図16および図17では、訓練データ133は抑制を表し、訓練データ131は即時トリップを表し、訓練データ132は遅延トリップを表すことが理解されよう。図16および図17の両方は、トリップ決定から抑制を分離する決定境界162を示す。他の決定境界151、161は、即時および遅延トリップ決定を分離する。その決定境界151は非常に複雑である。
【0299】
図18に戻ると、各々がANNであり得るサブグラフ85、86は、3つのスコアを昇順にソート171、173した後にSVM172、174が続くことによって置き換えられ得る。
【0300】
ソート171、173は、計算グラフを修正することによって実施することができる所望の対称性があるという事実によって動機付けられる。MLモデル入力は3相アドミタンスであるため、分類出力は、入力の順列、したがってスコアの順列に依存すべきではなく、それは、任意の相の障害は保護ロジックの同じ挙動を引き起こすはずであるからである。この対称性は、SVM分類172、174に供給する前に、3つのスコアを昇順にソートすることによって実施することができる。この対称性は、位相関連入力に適用されるが、シーケンスコンポーネント関連入力には適用されない。
【0301】
ソートは、昇順で実行されるだけでなく、降順で実行されてもよいことが理解されよう。また、ソートは、アドミタンス以外の入力がMLモデル入力として使用される場合にも有用である。例示すると、MLモデル入力として3相インピーダンスを使用する場合、同じ効果を達成するためにソートを実行することができる。
【0302】
より容易に解釈することができる情報を達成する事前の保証はないので、3つの中間信号(すなわち、スコア)の関数として描かれるときの決定境界の複雑さを低減することができるかどうかを評価するために反復技法を使用することができる。これにより、利用可能な機械学習モデルの範囲が大幅に強化される。解釈可能な訓練されたMLモデルを見つけることができる可能性が高まる。
【0303】
図15図18を参照して説明した段階的な訓練は、訓練されたMLモデルの検証を容易にするために使用され得るだけではない。
【0304】
例示すると、代替的または追加的に、段階的学習を使用して、学習されたサブグラフを特定の関数で置き換えることができる。例えば、サブグラフによって表される関数が、目視検査中に、または決定ロジック生成器20によって評価されたときに、既知の線形または非線形関数に近いと決定された場合、その関数はそれぞれの関数によって近似され、それに応じて計算グラフ内で置き換えられ得る。この置換ステップの後、訓練の次の反復が実行される。
【0305】
訓練
以下、MLモデルの学習に関する態様について説明する。
【0306】
本発明で提案される決定ロジック設計プロセスは、教師あり機械学習に基づいており、シミュレートされた信号、ならびに場合によっては履歴フィールドデータxiおよびラベルyiを含む訓練データセット25が、MLモデルを訓練するために使用される。ここでの訓練とは、訓練データセットに基づいてMLモデルのパラメータ(例えばニューラルネットワークの重み)を設定するために、調整方法(確率的勾配降下法など)を利用することを意味する。
【0307】
訓練データセット
訓練データ25の各信号ベクトル軌道xiについて、対応するラベルyiは、その軌道の間に障害が発生したかどうか、どの時点で障害が発生したかどうか、および保護ロジックの所望の結果として生じる決定(例えば、即時トリップ、特定の遅延後のトリップ、または抑制)または決定の何らかの派生物(例えば、決定にわたる確率分布)を示す。
【0308】
訓練データ(上述のように時間-動的または静的)は、保護ロジックが設計された特定の送電グリッドまたは配電グリッドのモデル、または保護機能が設計された異なるトポロジーの複数の送電グリッドまたは配電グリッドのモデルを使用して様々な事象をシミュレートすることによって取得することができる。
【0309】
人間の設計者は、機械学習手順によって使用される適切な訓練データを生成するために、どのシミュレーションを実行するかを決定することができる。あるいは、データは、敵対的または他の方法を使用してソフトウェアによって自律的に生成することができる。
【0310】
(例えば、過去にグリッドで発生した事象に)関連する履歴データが利用可能であるときはいつでも、それらを使用して訓練データセットを強化することもできる。
【0311】
訓練プロセス
信号ベクトル軌道を入力として取ることができ、オンライン動作中に決定軌道を出力することができるその決定ロジックのターゲットMLモデルは、必ずしも単一の訓練実行ではなく、場合によっては反復で、いわゆる段階的学習で学習される。
【0312】
静的計算グラフが2つ以上のチェックポイントを有する場合、複数の学習段階を異なる順序で配置することができる。例えば、第1の段階では、残りの部分が破棄されて再構築される間、第1のサブグラフを保持することができ、または最初の2つのサブグラフを保持することができるなどである。
【0313】
時間-動的計算グラフの学習は、図19図21を参照して説明したように、複雑さおよび精度の異なるいくつかの方法で行うことができる。
【0314】
図19は、時間-動的計算グラフ210を示す。保護ロジック決定を実行するために学習するMLモデルは、図19に示すような時間-動的計算グラフであってもよく、矢印はデータフロー(通常は数値ベクトル)を表し、ボックス212、213、222、223、232、233は計算を表す。時間-動的計算グラフ210では、出力224、234は、現在観測されている入力を出力にマッピングするだけの静的計算グラフ(図4)とは対照的に、現在の入力221、231だけでなく以前の入力にも依存する。時間-動的計算グラフは、通常、経時的な履歴を運ぶ少なくとも1つの内部状態ベクトル(例えば、内部計算213、223の出力)を含む。図19では、これは「内部計算(2)」の層に示されている。
【0315】
動作中、(例えば、保護リレーでの)コントローラの決定ロジックは、信号ベクトル211、221、231を1つずつ経時的に受け取り、それに応じて連続して経時的に出力214、224、234を1つずつ計算するMLモデルである。機械学習の用語では、これは(バッチではなく)オンライン計算と呼ばれる。
【0316】
提案された時間-動的グラフ210は、互いに接続されたサブグラフからなる。したがって、保護ロジックとして機能するために、静的MLモデルは、時間-動的設定で動作するように拡張することができる。これは、決定システムの堅牢性および速度が最適化されること、すなわち、保護ロジックの信頼性、セキュリティおよび速度が最大化または低制限のいずれかであることを保証する方法で達成することができる。
【0317】
測定値は散発的な不良データを含む可能性があるため、静的決定は通常、堅牢な分類/決定を行うには不十分である。
【0318】
図19の時間-動的MLモデルは、静的MLモデルの繰り返しで構成され、一方が他方に入力を提供する。静的MLモデル(図4)と比較して、時間-動的MLモデル210は、より多くのサブグラフを含む。結果として、通常はより低次元のチェックポイントを計算グラフに導入する必要があり、より多くの「サブグラフ」を段階的学習によってより複雑度の低いモデルに置き換える必要がある(図15図18を参照して説明したように)。
【0319】
MLモデルの最終決定(例えば、即時トリップ/トリップなし/遅延トリップ)の解釈可能性は、訓練されたMLモデルを展開できるかどうかを評価するための関連基準とすることができる。これを達成する(サブグラフの視覚化および/または段階的学習を介する)既に説明された方法に加えて、解釈可能な関数によって時間-動的モデル210を全体的に構成する静的サブモデルの個々の出力を経時的に集約することによって、解釈可能性を高めることもできる。例えば、集約は、以下の方法の1つで実行することができる。
-ローパスフィルタリング:最終決定は、213、223によって後続の静的グラフに出力される静的決定のローパスフィルタリングされたバージョンである。あるいは、任意の他のフィルタ(IIRフィルタ、FIRフィルタなど)が使用されてもよい。
-カウントおよび閾値設定:静的決定(例えば、214、224、234におけるトリップ決定)がカウントされる。動的決定は、一定数の静的トリップ決定が連続してカウントされた場合のトリップである。
【0320】
入力信号の複数のセットの集約は時変入力にとって魅力的であるが、入力信号の複数のセットが入力としてMLモデルに提供される他の場合にも、上記の技法を使用することができる。
【0321】
完全な動的計算グラフでは、中間静的出力(例えば、第1の内部計算213の出力は)は、カテゴリ決定ではなく連続決定スコアになるように緩和することができる。第2の内部計算223は、カウントおよび閾値設定に関する情報を記憶するために、または前述のようなローパスフィルタを実装するために使用され得る。これにより、リアルタイムの入力データを解析する際に、静的モデルの集約された「内部計算(1)」212、222に基づく決定が可能になる。このようにして、異常値および誤差を平滑化することができ、より堅牢な決定を確立することができる。
【0322】
様々な手法を使用して、図19の時間-動的計算グラフで表されるMLモデルを訓練できる。
【0323】
i.訓練データ25は、時系列データを含み得る。時系列データは、計算グラフの静的部分および動的部分を同時に学習するために使用できる。ここでの静的部分は「内部計算(1)」212、222、232までのグラフの部分を表し、動的部分は「内部計算(2)」213、223、233という名前のグラフの部分を表す。既存の最先端のフレームワークにより、様々な学習アルゴリズム(例えば、劣勾配法による勾配降下法)を利用したこの計算が可能になる。これにより、特に、計算223、233などに提供される中間静的出力を緩和して、硬判定ではなく決定スコアにすることができる。これにより、静的サブグラフを(微)調整することもできる。
【0324】
ii.決定ロジックの計算グラフの静的部分を(おそらく、上記で説明したように、段階的学習を通じて)独立して訓練する。静的部分が学習されると、動的部分、または集約層(例えば、図19の「内部計算(2)」213、223など)を調整できる。これは、多くの場合、特に単純な集計関数の場合、非常に単純なパラメータ調整によって実現できる。
【0325】
iii.計算グラフの静的部分を独立して学習し、学習せずに動的部分にヒューリスティックな「技術者の知識」ベースの集約を使用する(例えば、いくつかの連続するタイムステップに対する静的な決定がトリップするという場合はトリップする)。この場合、決定ロジックの学習処理は、静的なデータのみでよい。
【0326】
オプションiおよびiiの場合、グラフの静的部分(すなわち、ある時間ステップから次の時間ステップまでデータを運ばない計算サブプロセス212、222、232)およびグラフの動的部分(すなわち、ある時間ステップから次の時間ステップにデータを運ぶ計算サブプロセス213、223、233)に教師あり機械学習を使用できることが理解されよう。
【0327】
この手法の構造は、本明細書に記載の調整/学習ステップのほとんどが、(限定されないが)Tensorflow、PyTorch、Caffe、またはMXNetなどの、(通常は確率的勾配降下法によって)計算グラフを操作するための最先端のフレームワークの1つで実行されることを可能にする。これらのフレームワークはまた、多くの時間ステップにわたる動的グラフなどの非常に大きな計算グラフの計算効率的な処理を可能にする。しかしながら、そのようなフレームワークに頼る必要はなく、ここで説明するすべての学習は、パラメータスイープまたは勾配降下などの周知のアルゴリズムによって実行することができる。
【0328】
学習されたMLモデルの一部は、一般に「人工ニューラルネットワーク」(ANN)と呼ばれるものであり、対応する最先端の方法(確率的勾配降下法など)を採用することによって得る(「訓練する」)ことができる。しかしながら、上記で説明したように、決定ロジックは、異なる方法で取得される部分、例えばサポートベクターマシンを含み得る。
【0329】
図20は、一実施形態による方法240のフローチャートである。方法240は、決定ロジック生成器20によって自動的に実行されてもよい。
【0330】
ステップ241において、ラベル付きデータを使用して計算グラフの静的部分(すなわち、1つの時間ステップから別の時間ステップにデータを伝達しない部分)が訓練される。ラベル付きデータは時系列データである。
【0331】
ステップ242において、ラベル付きデータを使用して計算グラフの動的部分(すなわち、1つの時間ステップから別の時間ステップにデータを運ぶ部分)が訓練される。ラベル付きデータは時系列データである。
【0332】
ステップ243において、視覚化を容易にするために時間動的入力を集約することができる。これは様々な方法で行うことができる。例示すると、ローパスフィルタリング、IIRフィルタリング、またはFIRフィルタリングを使用することができる。この集約は、訓練されたMLモデルの視覚化、検証、または他の解釈に使用される入力パラメータの数を減らすことが理解されよう。
【0333】
ステップ244において、決定ロジックとして使用される訓練されたMLモデルに関する情報が生成され、出力される。生成および出力される情報は、ステップ243で決定された集約された入力とMLモデルによって実行される内部計算の中間信号との間の相互依存性を表す1つまたは複数のグラフを含むことができる。
【0334】
図21は、一実施形態による方法245のフローチャートである。方法245は、決定ロジック生成器20によって自動的に実行されてもよい。
【0335】
ステップ246において、ラベル付きデータを使用して、時間-動的計算グラフによって表されるMLモデルが訓練される。ラベル付きデータは時系列データである。これは、(限定されないが)Tensoflow、PyTorch、Caffe、またはMXNetなどの、(例えば、確率的勾配降下法によって)計算グラフを操作するためのフレームワークを使用して行うことができる。
【0336】
ステップ247において、視覚化を容易にするために時間動的入力を集約することができる。これは様々な方法で行うことができる。例示すると、ローパスフィルタリング、IIRフィルタリング、またはFIRフィルタリングを使用することができる。この集約は、訓練されたMLモデルの視覚化、検証、または他の解釈に使用される入力パラメータの数を減らすことが理解されよう。
【0337】
ステップ248において、決定ロジックとして使用される訓練されたMLモデルに関する情報が生成され、出力される。生成および出力される情報は、ステップ247で決定された集約された入力とMLモデルによって実行される内部計算の中間信号との間の相互依存性を表す1つまたはいくつかのグラフを含むことができる。
【0338】
本明細書に記載の発電、配電、または伝送システムのコントローラによって実行するための決定ロジックを生成するための技術は、訓練されたMLモデルの性能を考慮に入れる。訓練されたMLモデルは、十分な性能を有する場合にのみ決定ロジックとして展開される。しかしながら、他の基準を使用して、訓練されたMLモデルが決定ロジックとして展開されるのに適しているかどうかを決定することができる。例示すると、本明細書に記載のMLモデルは、人間の技術者による容易な検証、検査、チェック、確認、または他のレビューに役立つように特別に設定される。この目的のために、サブプロセスを定義し、ある対象プロセスから別のサブプロセスに渡される中間信号の数を少なくする(例えば、2つまたは3つ)ように強制することによって、低次元チェックポイントが計算フローに導入される。結果および訓練されたMLモデルの解釈可能性は、コントローラへの決定ロジックとして展開されるのに適していることを訓練されたMLモデルで決定するための別の基準として使用することができる。
【0339】
図22は、一実施形態による方法250のフローチャートである。方法250は、決定ロジック生成器20によって自動的に実行されてもよい。方法250は、段階的手法における学習の例示である。
【0340】
ステップ251において、初期計算グラフアーキテクチャが選択され、反復プロセスが開始される。初期計算グラフアーキテクチャは、1つまたはいくつかの人工ニューラルネットワークを含むことができる。
【0341】
ステップ252において、N番目の学習段階が開始される。最初の反復では、N=1である。
【0342】
ステップ253において、教師あり機械学習が実行される。
ステップ254において、性能基準が満たされているかどうかが決定される。性能基準が満たされていることの検証は、ラベル付き訓練データ25に含まれない試験データに基づくことができる。性能基準が満たされていない場合、方法はステップ253に戻る。性能基準が満たされている場合、方法はステップ255に進む。
【0343】
性能の評価は、様々な方法で実施できることが理解されよう。例示すると、訓練データに含まれていないいくつかのテストシナリオを訓練されたMLモデルに供給することができ、制御ロジック生成器20は、正しい決定が行われたかどうかを決定することができる。テストデータはラベル付きデータでもあるが、訓練データには含まれないことが理解されよう。特に重要なテストシナリオの正しい決定の割合および/または決定ロジックの性能を使用して、性能基準が満たされているかどうかを評価することができる。
【0344】
ステップ255において、訓練されたMLモデルを用いて、コントローラへの決定ロジックとして展開するのに適していると決定するために、訓練されたMLモデルの他の特性を評価することができる。
【0345】
いくつかの例では、訓練されたMLモデルの解釈可能性が評価され得る。これは様々な方法で行うことができる。例示すると、
-決定ロジックとして使用されることが意図されている訓練されたMLモデルの入力が、チェックポイントにおいて2つまたは3つの実数値のスカラ中間信号にマッピングされる方法に関する情報
-チェックポイントにおける中間信号が、可能な制御動作、すなわちコントローラの出力に処理される方法に関する情報
-いくつかのチェックポイントが提供される場合、訓練された機械学習モデルが、チェックポイントの1つにおける中間信号を連続するチェックポイントにおける中間信号に処理する方法
を提供するグラフィックが、人間の技術者に提供されてもよい。人間の技術者からの応答に基づいて、基準が満たされているかどうかを決定することができる。解釈可能性は、ユーザ入力を使用することによって評価されてもよいが、ステップ255における解釈可能性の評価は、部分的または完全に自動化されてもよい。例示すると、中間信号がまたがる空間内の決定境界を表すことができる2次元または3次元グラフのトポロジカル特性を使用して、訓練されたMLモデルの解釈可能性を評価することができる。
【0346】
ステップ256において、MLモデルが解釈可能ではないと見なされる場合、反復Nで使用される計算グラフの一部を除去することができる。
【0347】
ステップ257において、代替的または追加的に、計算グラフの一部は、別の計算サブプロセスまたは既知の関数によって置き換えられてもよい。例示すると、上記で説明されている場合、計算サブプロセスの1つが解釈不可能であると見なされる場合、計算サブプロセスのこの部分は、サポートベクターマシンまたは別の関数によって置き換えられてもよい。
【0348】
ステップ258において、結果として得られる新しい計算グラフアーキテクチャは、後続の学習段階における計算グラフアーキテクチャとして使用される。方法はステップ252に戻る。
【0349】
ステップ255において、訓練されたMLモデルが、ステップ254でチェックされた性能基準を満たすだけでなく、ステップ255でチェックされた基準もさらに満たすと決定された場合、訓練されたMLモデルは、ステップ259において決定ロジックとして出力され得る。
【0350】
図23は、簡略化された方法260のフローチャートである。方法260は、決定ロジック生成器20によって自動的に実行されてもよい。
【0351】
ステップ261において、教師あり機械学習が実行されて決定ロジックを生成する。
ステップ262において、生成された決定ロジックの性能がテストされる。これは、テストシナリオに応答した決定ロジックの挙動をシミュレートすることを含むことができる。テストシナリオは、履歴データおよび/またはシミュレーションによって生成されたデータに基づくことができる。
【0352】
ステップ263において、性能が許容可能であると見なされるかどうか、および任意選択の他の基準が満たされるかどうかが決定される(例えば、決定ロジックが、UI27を介して出力されるときに人間の技術者によって容易に理解され得る決定境界をもたらすかどうか)。性能が許容可能でない場合、または他の基準が満たされていない場合、方法はステップ261に戻る。次の反復のための訓練のために新しいMLモデルを選択することができる。
【0353】
性能が許容可能であり、ステップ263でチェックされ得る他の基準が満たされる場合、ステップ264において、決定ロジックを実行のためにコントローラに展開することができる。
【0354】
MLの新しい反復が必要かどうかを決定するために、様々な他の基準が使用され得ることが理解されよう。例示すると、決定ロジックがコントローラによって実行される予定の電力システムが対称性を有する場合(電力システムの3つの相の場合が多い)、訓練されたMLモデルは、その挙動がこの対称性を反映するかどうかに関して自動的に評価され得る。例えば、異なる位相に関連付けられたMLモデル入力の巡回置換もまた、予想される一貫した決定ロジック挙動をもたらすかどうかを検証することができる。
【0355】
訓練されたMLモデルに関するフィードバックをユーザ入力を使用して受信することができるが、本明細書に開示される方法およびコンピュータシステムは、学習された決定ロジックを自動的に評価するモジュールで拡張することができる。このモジュールは、機械学習によって再び訓練されてもよい。
【0356】
一般に、視覚化による低次元チェックポイントベースの解釈可能性が効果的であることを可能にするために、MLモデル入力の数が少なく保たれることが望ましい。
【0357】
これを達成するための1つの選択肢は、複数の潜在的な信号の組み合わせが、例えば人間の技術者によって定義されることである。次いで、決定ロジック生成器20は、各組み合わせに対して教師あり機械学習訓練を実行することができる。すなわち、いくつかの生信号が様々な方法でMLモデル入力のより小さいセットに組み合わされ、そのような組み合わせごとに教師あり機械学習が実行される。これは、例えば、時系列データからアドミタンスまたはインピーダンスを計算することによって行うことができる。代替的または追加的に、ウェーブレット変換またはフィルタリングを使用して、生信号をより少数のMLモデル入力に集約することができる。生信号の最も適切な組み合わせ、すなわち、保護性能と解釈性との間の良好または最適なトレードオフを達成するものを選択することができる。
【0358】
(前処理モジュール42がどのように動作するかに関する)「特徴選択」タスクは、最良の性能を達成する特徴(入力信号)の組み合わせを識別する検索アルゴリズムによって部分的に自動化することができる。人間の技術者は、これらの組み合わせのうちのどれがより「解釈可能な」保護ロジックをもたらしたかを任意選択で選択することができる。人間の技術者による特徴の選択を容易にするために、いくつかのより高いランクの視覚化が、選択のために人間の技術者に提供される。
【0359】
これは、方法270のフローチャートである図24に示されている。方法270は、決定ロジック生成器20によって実行されてもよい。ステップ271において、最適な入力(すなわち、生信号の組み合わせ)の探索を開始することができる。ステップ272において、機械学習が実行され、結果として得られた訓練されたMLモデルがさらなる評価のために記憶される。方法はステップ271に戻り、生信号の異なる組み合わせが入力として選択される。最終的に、様々な決定ロジックが、それらの性能、好ましくはそれらの解釈性に関して比較される。基礎となる電力システム(例えば、3つの相の巡回置換下で)における対称性を反映する予想される挙動などの基準を使用して、訓練されたMLモデルを評価することができる。
【0360】
さらに別の代替案は、複数の入力特徴を有するモデルを訓練し、いくつかの正則化またはANNプルーニング技術(L1正則化またはドロップアウトなど)を使用して、入力特徴の数を制限することである。
【0361】
実施形態による方法およびコンピュータシステムによって、様々な効果および利点が達成される。例示すると、決定ロジックは、機械学習(ML)を使用して自動的に生成することができる。さらに、例えば検証のための専門技術者によるMLプロセスから生じる決定ロジックの解釈。これは、電力システムの変更(例えば、トポロジーの変更または構成要素の1つの変更)に応答して決定ロジックをいつどのように修正する必要があるかについての決定を助ける。
【0362】
実施形態を保護リレーの文脈で説明してきたが、方法およびコンピュータシステムは、発電、配電、または伝送システムの保護リレーの決定ロジックを生成および/または使用することに限定されない。むしろ、開示された方法およびコンピュータシステムを使用して、IACSのコントローラまたはいくつかのコントローラの決定ロジックを生成することができる。
【0363】
本発明を図面および前述の説明において詳細に説明してきたが、そのような説明は説明的または例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、当業者によって、および特許請求された発明を実施することによって理解および達成され得る。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という語は他の要素またはステップを排除せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を排除しない。特定の要素またはステップが別個の特許請求の範囲に記載されているという単なる事実は、これらの要素またはステップの組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではなく、具体的には、実際の特許請求の範囲の従属性に加えて、任意のさらなる意味のある特許請求の範囲の組み合わせが開示されていると見なされるべきである。
図1
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