(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】コネクタ内でPOFファイバを固定するための保持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
G02B6/36
(21)【出願番号】P 2021505962
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 US2019045705
(87)【国際公開番号】W WO2020033687
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-03-24
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516183185
【氏名又は名称】センコー アドバンスド コンポーネンツ インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】岡田 一正
(72)【発明者】
【氏名】辻田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】清島 啓太
(72)【発明者】
【氏名】飯泉 研治
(72)【発明者】
【氏名】高野 一義
(72)【発明者】
【氏名】西口 雄貴
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0301085(US,A1)
【文献】特開昭60-250312(JP,A)
【文献】米国特許第04964685(US,A)
【文献】米国特許第08876405(US,B2)
【文献】特開平11-237526(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0131857(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0059783(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバコネクタであって、
近位端及び遠位端を有するコネクタハウジングと;
バックポストであって、前記コネクタハウジングは前記バックポストを前記遠位端で受け入れるように構成されたバックポストと;
光ケーブルの光ファイバを受け入れるように構成されたフェルールであって、前記フェルールは前記コネクタハウジングの前記近位端に位置しているフェルールと;
を具備し、
前記バックポストは、
前記バックポストの近位端に一対のウィングを備え、
前記光ファイバコネクタの組み立て時において、前記一対のウィングは、前記光ファイバに直接クランプするように構成されており、
前記一対のウィングは、前記コネクタハウジングの前記遠位端の近傍に位置するように構成されている、
光ファイバコネクタ。
【請求項2】
前記一対のウィングは、前記コネクタハウジング内で前記光ファイバをクランプするように構成されている、請求項1に記載の光ファイバコネクタ。
【請求項3】
前記バックポストは、保持ネジを備えており、
前記光ファイバコネクタは、前記バックポストに固定するための、内側ネジを備えた保持キャップを更に具備している、
請求項1に記載の光ファイバコネクタ。
【請求項4】
前記光ケーブルは強度部材を含み、前記光ファイバコネクタの組み立て時において、前記保持キャップと前記バックポストとの間の前記強度部材にクランプが適用されるように構成されている、
請求項
3に記載の光ファイバコネクタ。
【請求項5】
保持ウィングを備えた保持本体を更に具備し、組み立て時において、前記光ケーブルのジャケットが前記保持ウィングの間でクランプされるように構成されている、請求項1に記載の光ファイバコネクタ。
【請求項6】
前記バックポストは、保持ネジを含んでおり、
前記光ファイバコネクタは、保持キャップを更に具備し、前記保持キャップは、前記保持キャップを前記バックポストに固定することによって前記保持ネジの間の前記光ケーブルの強度部材を固定するように構成されている、
請求項
5に記載の光ファイバコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照:
本出願は、2018年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/716,119号、及び、2019年5月24日に出願された日本特許出願第2019-098045号に対する優先権を主張し、両特許出願は、参照により完全に援用される。
【0002】
本開示は、一般に光ファイバコネクタ及びシステムに関し、特に、保持アセンブリを用いてプラスチック光ファイバストランドを固定することに関する。プラスチック製のストランドは、現場で切断され、SC、LC又はMPOフェルールアセンブリに挿入される。
【背景技術】
【0003】
インターネットの普及は、通信ネットワークの前例のない成長をもたらした。サービスに対する消費者の需要と競争の激化により、ネットワークプロバイダは、コストを削減しながらサービス品質を改善する方法を継続的に見つけていく必要がある。
【0004】
特定のソリューションには、高密度相互接続パネルの展開が含まれる。高密度相互接続パネルは、急速に成長するネットワークをサポートするために必要な増加する相互接続量をコンパクトなフォームファクタに統合するように設計することができ、これにより、サービス品質が向上し、フロアスペースやサポートのオーバーヘッドなどのコストが削減される。ただし、特に光ファイバ接続に関連するデータセンタの領域には、依然として改善の余地がある。例えば、コネクタ及びアダプタのメーカーは、デバイスのサイズを小さくすると同時に、展開の容易さ、堅牢性、及び展開後の変更可能性を高めることを常に求めている。特に、既存のデータセンタ機器との下位互換性を提供するために、以前は少数のコネクタに使用されていたのと同じ設置面積で、より多くの光コネクタを収容する必要がある。例えば、現在のフットプリントの1つは、小型フォームファクタプラグ可能(SFP)トランシーバフットプリントとして知られている。このフットプリントは、現在、2つのLCタイプのフェルール光接続に対応している。しかしながら、同じフットプリント内で4つの光接続(送信/受信の2つのデュプレックス接続)に対応することが望ましい場合がある。別の現在のフットプリントは、クアッド小型フォームファクタプラグ可能(QSFP)トランシーバフットプリントである。このフットプリントは、現在、4つのLCタイプのフェルール光接続に対応している。しかしながら、同じフットプリント内でLCタイプのフェルールの8つの光接続(送信/受信の4つのデュプレックス接続)に対応することが望ましい場合がある。
【0005】
データセンタ及びスイッチングネットワークなどの通信ネットワークでは、係合コネクタ間の多数の相互接続が高密度パネル中にコンパクト化される場合がある。パネル及びコネクタの生産者は、コネクタのサイズ及び/又はパネル上の隣接するコネクタ間の間隔を縮小することにより、このような高密度に向けて最適化するかもしれない。どちらの方法もパネルコネクタの密度を高めるには効果的だが、コネクタのサイズや間隔を縮小すると、サポートコストが増加し、サービス品質が低下する可能性がある。
【0006】
高密度パネル構成では、隣接するコネクタ及びケーブルアセンブリが個々のリリースメカニズムへのアクセスを妨げる場合がある。このような物理的な障害は、ケーブル及びコネクタにかかる応力を最小限に抑えるためのオペレータの能力を妨げる可能性がある。例えば、これらのストレスは、ユーザが密集したコネクタのグループに到り、周囲の光ファイバやコネクタを押して親指と人差し指とで個々のコネクタリリースメカニズムにアクセスするとき等に適用され得る。ケーブル及びコネクタに過度のストレスをかけると、潜在的な欠陥が生じたり、終端の完全性や信頼性が損なわれたり、ネットワークパフォーマンスに重大な混乱が生じる可能性がある。
【0007】
通信インフラの信頼性は、ケーブルセグメント、ネットワーク機器、及び通信デバイス等のコンポーネント間の安全な接続に依存している。このような接続は、接続部に侵入して性能を劣化させたり、部品間の接続を切断したりする可能性のあるほこり、汚れ、湿気、及び/又は他の汚染物質に常にさらされている。
【0008】
ファイバは、典型的には、ガラスである。このガラスは、外側ジャケットと、内側強度又は補強ファイバと、被覆とを有している。これらの部品は、取り除かれ、元に戻される。ガラスファイバは切断され、フェルールアセンブリに挿入され、研磨される。ガラス繊維は、コネクタの近位端で研磨される。フェルールアセンブリは、コネクタハウジングに挿入され、そこに固定される。ファイバケーブルの遠位端は、圧着リング及び圧着ブーツで固定されている。
【0009】
コネクタのサイズが小さくなるにつれて、レセプタクルからコネクタを取り外す簡単で効率的な方法が必要になる。レセプタクルは、アダプタ又はトランシーバハウジングに配置することができる。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、ケーブルジャケットを備えた又は備えていないPOFファイバをコネクタハウジングに挿入してクランプする際の現場設置時間を短縮する。フェルールに挿入する際に露出するガラスファイバの量や、圧着前に必要な外側ケーブルジャケットの量の測定は行われない。これは、大幅な時間の節約になる。
【0011】
コネクタアセンブリは、保持本体及び保持キャップの一部として形成された1つ又は複数の固定部材を含んでいる。保持本体は、コネクタアセンブリのコネクタハウジングに固定されている。保持キャップ又はコネクタハウジングは、別個に又は両方に、1つ又は複数の固定部材を付勢し、POFファイバ及びジャケットの強度部材を固定して、コネクタアセンブリを形成する。固定部材は、少なくとも1対の対向する可撓性のウィングから形成され、これらのウィングは、POFファイバ又はケーブルの周りに閉じて付勢されている。POF光ファイバは、コネクタアセンブリの中心線を通して、孔の中に予め挿入されている。コネクタアセンブリは、コネクタハウジングと、その中のフェルールと、保持本体と、POFファイバ又はケーブルと、保持キャップと、ラッチとを含んでいる。保持本体は、コネクタハウジングの遠位端に固定され、遠位端は、コネクタハウジングのフェルール端の逆側である。コネクタハウジングのフェルール端は、近位端と呼ばれている。
【0012】
使用時には、ポリマー光ファイバケーブルジャケットは剥離されて光ファイバに戻り、強度部材が露出される。光ファイバは、保持キャップを通して孔に挿入され、コネクタハウジング内のチャネル又は孔に接続する保持本体内の孔を通じて挿入されている。フェルールは、フェルールの孔の中で、ポリマー光ファイバ(「POF」)を受け入れる。フェルールアセンブリは、フェルールを含み、POFは、典型的にはその遠位端において、コネクタハウジング内に挿入される。フェルールアセンブリがコネクタハウジング内に固定されると、保持本体がコネクタハウジングの遠位端に挿入され固定される。保持キャップは、保持本体の遠位端に挿入される。一実施形態では、1対のウィングを有する固定部材をコネクタハウジングの遠位端に挿入すると、光ファイバ、強度部材、若しくはケーブルジャケットを個別に、又は、光ファイバ、ケーブルジャケット、及び強度部材の組み合わせをクランプする。第1の固定部材の反対側の第2の固定部材は、上記各構成要素を個別に又は一緒にクランプすることができる。第1の固定部材は、コネクタハウジングの遠位端で対応する構造によってクランプされ、第2の固定部材は、保持キャップによって閉鎖又はクランプされるように付勢される。対向する固定部材は、保持本体の両端に形成されている。
【0013】
固定部材又はウィングは、フェルールの近位端の中に、コネクタの長手方向軸に沿った孔の中へと、光ファイバ、ケーブルジャケット若しくはジャケット付き光ファイバ、及び上述の構成要素の任意の組合せを案内するように、面取りされているか、又は、半径を有している。半径又は面取りは、互いに対向するか又は互いに向き合っており、面取りはウィングの一部として形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、スクリューキャップ保持アセンブリを使用する本発明のコネクタの斜視図である。
【0015】
【0016】
【
図3】
図3は、保持キャップが取り付けられた状態の
図2の線A-A’に沿った断面図である。
【0017】
【0018】
【
図5】
図5は、保持キャップの挿入時に「C」方向に圧縮された保持ウィングの斜視図である。
【0019】
【
図6】
図6は、レセプタクルに取り付けられた
図1のコネクタアセンブリの斜視図である。
【0020】
【
図7】
図7は、標準トランシーバに取り付けられた
図1のコネクタアセンブリの斜視図である。
【0021】
【
図8】
図8は、本発明に係る保持アセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【0022】
【
図9】
図9は、保持キャップが保持本体から取り外された状態の
図8を示す図である。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【
図13】
図13は、保持アセンブリの第3の実施形態の上面図である。
【0027】
【0028】
【
図15】
図15は、保持アセンブリの第4の実施形態の上面図である。
【0029】
【
図16】
図16は、POF又はポリマー光ファイバを
図15のコネクタに固定するために使用される保持キャップの斜視図である。
【0030】
【
図17】
図17は、保持アセンブリの第5の実施形態の分解図である。
【0031】
【0032】
【
図19】
図19は、保持アセンブリの第6の実施形態の分解図である。
【0033】
【0034】
【
図21】
図21は、保持アセンブリの第7の実施形態の分解図である。
【0035】
【0036】
【
図23】
図23は、保持アセンブリの第8の実施形態の分解図である。
【0037】
【0038】
【
図25】
図25は、POFケーブル及びコネクタアセンブリの分解図である。
【0039】
【0040】
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の用語は、本出願の目的において、以下に記載される各々の意味を有するものとする。
【0042】
コネクタは、光信号を別のコネクタ又はトランシーバエレクトロニクスに伝送するファイバ束からの通信経路を完成させる装置である。電子機器は、光信号をデジタル信号に変換する。コネクタは、アダプタの何れかの端部に挿入され、固定される。コネクタは、例えば、フェルールコネクタ(FC)、ファイバ分散データインターフェース(FDDI)コネクタ、LCコネクタ、メカニカルトランスファー(MT)コネクタ、標準コネクタ(SC)コネクタ、SC二重コネクタ、又はストレートチップ(ST)コネクタである。コネクタは、一般に、コネクタハウジング本体、前記コネクタをアダプタ開口部に固定するための外部ラッチ又は凹部、及び、内部に光ファイバを有する1つ又は複数のフェルールによって画定されてもよい。幾つかの実施形態において、ハウジング本体には、本明細書に記載の構成要素の何れか又は全てが組み込まれていてもよい。
【0043】
レセプタクルは、ポート又は開口内にコネクタの近位端又はフェルール端を固定する内部構造を有するアダプタである。アダプタは、一例として、第1及び第2のコネクタが相互に接続又は対向して、光信号をケーブルアセンブリの1つの部分から別の部分に伝送することを可能にする。レセプタクルは、コネクタを受け入れるための開口部を備えたトランシーバであり得る。
【0044】
「光ファイバケーブル」又は「光ケーブル」とは、光ビームで光信号を伝導するための1つ又は複数の光ファイバを含んだケーブルを指す。光ファイバは、ガラス、ガラスファイバ、ポリマー光ファイバ、又はプラスチックなどの適切な透明材料で構成することができる。ケーブルには、光ファイバを囲むジャケット又はシース材料を含めることができる。外部シースと光ファイバとの間には、強度部材又は引張部材のストランドがある。更に、ケーブルは、ケーブルの一端又は両端のコネクタに接続することができる。
【0045】
図1は、保持アセンブリと、コネクタハウジング03aと、ラッチ01と、フェルール02とを備えた光コネクタ100の第1の実施形態を示している。保持アセンブリは、保持ネジ20を備えた保持キャップ10と、POF光ファイバ06b又は光を透過することができるプラスチックファイバストランドを受け入れる孔04とから構成されている。上記のように、光には情報を表す様々な周波数がある。
【0046】
図2は、コネクタハウジング03a内に固定された保持本体12を示し、保持ネジ20と、
図1のコネクタアセンブリの遠位端における1つ又は複数の保持ウィング16とを備えている。コネクタアセンブリの長手方向軸又はPOFファイバチャネル04は、線A-A’に沿っている。コネクタハウジング03aの近位端は、フェルール02により近く、遠位端は、入ってくるファイバ又はウィング16により近い。
【0047】
図3は、線A-A’に沿った
図1の断面を示している。POFファイバチャネル04は、長手方向の孔24(
図4)又はPOFファイバチャネル04であって、コネクタアセンブリ03の遠位端(D)から近位端(P)まで延びている。ジャケット06a付きポリマー光ファイバ(POF)又はジャケット付きファイバケーブル06は、典型的には、遠位端から底部が出るまで、又は、フェルール02の近位端を通って完全に挿入されるまで、孔24の中へと挿入される。保持キャップ18は、コネクタの遠位端上に挿入され、時計方向又は反時計方向に保持ネジ20と係合する。キャップが回転すると、保持ウィング16が円周方向に押し下げられ、POFケーブル06の周囲をクランプし、POFケーブル06をコネクタアセンブリ03の一部として固定する。より一般的な方法では、外側のケーブルジャケットに食い込む歯を有するクリンプリング上においてケーブルがクリンプされる。
【0048】
ジャケット付きPOFケーブル06は、ジャケット06aと光ファイバ06bとを有している。ジャケット06aと光ファイバ06bとの間には、複数の強度部材06cがある。強度部材06cは、保持キャップ18と保持ネジ20との間に固定され、POFケーブル06にストレスが加えられたときに光ファイバ06bがフェルール02から外れるのを防止するのに役立つ。強度部材06cは、アラミド繊維又はポリエステル繊維から形成されているが、スモールゲージワイヤを使用してもよい。ジャケット06aは、強度部材06c及び光ファイバ06bを保護する。ジャケット06aは、ポリ塩化ビニルなどの樹脂で構成されていてもよい。光ファイバ06bは、データを運ぶ光信号の伝送経路を形成する高い屈折率を有している。ジャケット06a及び強度部材06cは、ファイバの周りに被覆を形成している。被覆は、光信号をファイバに反射して戻す低い屈折率を有し、それによってデータ損失を低減する。光ファイバ06bは、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂材料で構成されていてもよい。
【0049】
図4は、保持キャップ18と、孔24に通じる開口とを示している。開口は内側に面取り24aされ、POFファイバを孔24内に案内するのを助け、開口は、POFファイバが詰まることなく挿入され得ることを確実にする寸法にされる。外側の溝22は、使用者が遠位端においてキャップを保持本体12に取り付けるのを補助する。
【0050】
図5は、保持キャップ18を使用してPOF光ファイバを固定する方法を示しており、この保持キャップは、保持本体20の保持ネジ12上に回転されている。キャップ18が矢印「R」の方向に回転すると、保持ウィング16は、線O-O’に沿って孔内に挿入されたPOF光ファイバ(図示せず)上で内側に圧縮される。各保持ウィング16に加えられる圧縮力は、ネジのドラフト角度及び回転数によって決定される。ギャップ「G」は、保持ウィング16の間に形成される。ウィング16は、クランプピースとも呼ばれる。ウィング16は、POF又はジャケットPOFをPOFチャネル04を形成する孔24に導く先細りの表面16b又は半径を有している。ウィング16は、周面16a又は錐台円錐面面取り部を有し、これは保持キャップ18をウィング16上に案内し、ウィングはPOF又はジャケット付きPOFをコネクタアセンブリ03の遠位端にクランプ又は固定する。光ファイバ06b又はジャケット付きPOFケーブル06は、線O-O’に沿って挿入される。
【0051】
図6は、コネクタアセンブリ03の対を示し、ネジ付き保持キャップ18が配置され、レセプタクル05に挿入されている。ジャケット付きPOFケーブル06は、(
図5で説明されているように)保持ウィングの間に完全に挿入されて固定されていることが示されている。コネクタハウジング03aは、保持本体12をハウジングの遠位端に固定し、キャップ18は、ジャケット付きPOFケーブル06をコネクタアセンブリ03内に固定している。
【0052】
図5及び6を参照すると、本発明の実施形態を使用する現場設置可能な操作が説明されている。
図5中のS1において、ジャケット付きPOFケーブル06は、保持キャップ18の遠位端の孔24に沿って挿入される。
図3に示すように、ケーブルジャケット06bが剥がされ、強度部材06cが引張られた後、光ファイバ06bは、POFファイバチャネル04を介してフェルール02内に固定される。フェルール02は、フェルールアセンブリ2a(
図3)によって、コネクタハウジング03aの近位端に固定されている。コネクタハウジングラッチ03bは、コネクタハウジング03aの遠位端に保持本体12を固定する。
図5の参照を継続して、S1では、保持キャップ18は、ウィング16の上にテーパ面16bに沿って挿入され、このテーパ面は、保持キャップを遠位端の保持本体12上に案内し、S2において、ネジ20にねじ込まれる。
図6を継続して参照して、S3では、保持キャップ18は、保持本体20の一部として形成された保持ネジ12に完全にねじ込まれることによって完全に固定される。S4では、コネクタアセンブリ03がレセプタクル05のポートに挿入され、ラッチ01がコネクタをレセプタクル05に固定する。
【0053】
図7は、保持アセンブリが標準のSFPトランシーバレセプタクル08に完全に挿入されたコネクタアセンブリ03を示している。
図8は、スライド保持キャップ10を用いてウィング16を圧縮し、POFジャケット付きケーブル06をコネクタハウジング03a内に固定するコネクタアセンブリ03の第2の実施形態を示している。コネクタアセンブリの長手方向軸は、線B-B’に沿っている。コネクタ解放ハウジング07は、コネクタハウジング03aの遠位端に固定されている。サムリリース(Thumb release)07aは、ラッチ01を押し下げ、コネクタアセンブリ03がアダプタ又はトランシーバハウジングの一部として形成されたレセプタクルポートから解放されることを可能にする。
【0054】
図9は、
図8のコネクタアセンブリ03の部分分解図を示している。保持本体12は、スライダ保持キャップ18を受け入れてロックする一対の対向するくさび形の凸部12aを有している。凸部12aは、キャップ18の一部として形成された対応するスロット18aに受け入れられる。ウィング16は、保持本体12の遠位端に形成されている。POFジャケット付きケーブル06、又は、ジャケットなしの光ファイバ06b、即ち、ポリマー光ファイバ若しくはPOFのみが、POFファイバチャネル04で受け取られる。キャップ18がウィング16の上を矢印「I」の方向にスライドすると、ウィング16は、
図5に示すように圧縮され、キャップ18は、スロット12aに嵌め込まれた凸部12aを介して保持本体12上に保持される。
【0055】
図10は、スライドロック配備のための保持本体12を示している。保持キャップ18は、傾斜した円周面又は錐台円錐面面取り部16aと係合し、それは、キャップ18を、その内部スロット18a又はくさび形固定凸部12aと係合する凹部(
図9)に方向付ける。保持キャップ18をコネクタの近位端に向かって押し続け、圧縮力「C」を保持ウィングに加え、長手方向POFファイバチャネル04を通して既に完全に挿入されたPOFファイバを固定する。保持キャップ18は、キャップ18の面取りされた面18bが保持本体12の受け面12cに対して着座したときに、ウィング16を押し下げてPOFケーブル06に完全に挿入される。
図10を参照して、保持キャップスロット18a(
図11)は、それをスロット18aに案内するために、丸み12bを帯びたくさび形の固定凸部12aを受け入れる。保持本体12は、リブ12dを備えている。リブ12dは、ラッチ03bを受け入れ(
図3)、保持本体12をコネクタハウジング03a内に固定する。
【0056】
図11は、保持キャップ18の端面図を示している。スロット18aは、くさび形の凸部12aを受け入れる。キャップ18の孔は、保持ウィング16上に保持キャップ18を案内するために、テーパ18b状である。
図12は、B-B’線に沿った
図9(組み立て済み)の断面図である。図示されているように、ウィング16は、POFケーブル06をクランプするように圧縮されている。コールアウト26に示されているように、くさび形の凸部12aは、スロット18a内に固定されている。ケーブル06は、予め、POF光ファイバ06bがフェルール02の近位端に固定された状態で、POFチャネル04に沿って挿入されている。バイアスばね09は、組み立て後、コネクタアセンブリ03部品の向きを保持している。
【0057】
図13を参照すると、第3の実施形態は、POFケーブル06又は光ファイバ06bの影響下で前方又は後方に屈曲する傾斜保持ウィングを開示する。POFを開口部に挿入すると、保持本体12の遠位端で、ウィング17は、POF繊維の挿入「I」力の下で、コネクタの近位端に向かって移動又は偏向する。傾斜したウィング17の間の距離及び傾斜したウィングを横切る距離は、近位に面する傾斜したウィング17を偏向させるために必要な挿入力を決定する。ユーザは、POFファイバを使用して遠位方向にコネクタを取り外そうとする場合がある。傾斜したウィング17は、遠位方向に偏向するが、近位方向の傾斜のために、移動が制限される。各保持ウィングの近位面は、POFケーブル又は光ファイバに結合し、コネクタアセンブリからのPOFケーブルの引き抜きを抑制する。傾斜したウィング17の厚さ及びデュロメータ又は硬度は、単一のウィング対がコネクタ内にPOFケーブルファイバを固定することを可能にし得る。
図14は、保持本体12内の傾斜したウィング17の側面図を示している。POFは、POFチャネル04に沿って挿入される。
【0058】
図15は、圧着ブーツ及びリングを使用せずに、POF光ファイバを光ファイバコネクタに固定するための保持アセンブリの第4の実施形態を示している。クリンプブーツ及びリングを使用してPOFファイバケーブルを固定するためには、ケーブルには、外側のジャケット及び内側の強度ファイバが必要である。これは、ファイバケーブル自体のコストを増大させ、ユーザが(1)コネクタを選択し、ファイバを剥がすための外側被覆の量を決定しなければならないので、外側被覆のないファイバを挿入するのとは対照的に、現場設置時間を実質的に増大させる。また、(2)ユーザがフェルールにファイバを挿入し、ボトムアウトしていることを確認する必要があり、そうでない場合は、(1)に従って再度ファイバを取り外して剥がす必要があるため、更に時間がかかる。更に、ユーザは、(3)クリンプリングを挿入し、ブーツを圧着する必要がある。対照的に、POFファイバが完全に挿入され、ボトムアウトすると、保持キャップが取り付けられ、コネクタ内にファイバが固定される。
【0059】
図15を参照すると、POFファイバチャネル04は、遠位端に保持本体の一部として対向するウィング16を有している。
図16を参照すると、保持キャップ18は、ラッチ面18cの開口部を介してウィング16に係合して固定するラッチ面18cを備えた複数の脚18dを有している。脚は、POF繊維の周りでウィング16を偏向させる圧縮力を加え、これは、チャネル04内に繊維を固定する。
【0060】
図17は、保持本体12の第5の実施形態を示している。スクリュー保持キャップ18は、ギャップ「G」を形成する一対の対向するウィング16を備えた保持本体12を受け入れる。コネクタアセンブリ03は、矢印「A」の方向に組み立てられる。
図18は、
図17の組み立てられたコネクタの断面を示している。組み立て時に、ファイバジャケット06aは、コールアウトボックス26に示されているように、保持ウィング16の間にクランプ又は固定される。強度部材06cは、コールアウトボックス28に示されているように、ネジ20に保持キャップ18を固定することによって、保持ネジ20の間に固定される。
【0061】
図19及び
図20は、保持本体12の第6の実施形態を示している。POFファイバチャネル04は、ちょうど光ファイバ06bを受け入れるようなサイズである。対向するウィング16は、
図17において、光ファイバ06bを受け入れるために、より小さいギャップ「G」を形成する。バックポスト14は、ネジ切りされており、くさび形の凸部12aを受け入れる一対の対向する切り欠き14aを有している。切り欠き14aと凸部12aとの矢印「A」の方向への嵌合は、保持本体12を配向し、保持キャップ18がバックポスト14にねじ込まれたときに光ファイバ06bにストレスをかけないように、保持本体の回転を抑止する。保持本体12の周囲には、円周リブ12dが形成されている。保持キャップ18が保持本体12の遠位端にねじ込まれるか又はスライドすると、リブ12dは、光ケーブルジャケット06aに埋め込まれた状態になる。
【0062】
図20は、第6の実施形態が、POFジャケット付きケーブル06を、3つの点で固定することを示している。強度部材06cは、コールアウトボックス28に示されているように、ネジ付きバックポスト14とネジ付き保持キャップ18との間に固定されている。光ファイバ06bは、コールアウト26に示されているように、保持キャップ18が
図5に示されるようにウィング16を圧縮するときに、ウィング16の間に固定される。保持キャップ18は、ウィング16の外側テーパ面16bと対応する内側テーパ面18eを有し、保持キャップ18がバックポスト14にねじ込まれると、ケーブルジャケット06aに埋め込まれるようになる円周リブ12dをウィングの周りに円周方向に離間させる。これにより、コネクタの遠位端からジャケットが引き出されるのを抑制することができる。
【0063】
図21は、保持本体12を使用するコネクタアセンブリ03の第6の実施形態の分解図を示している。保持本体12は、バックポスト14を形成するスプリットバックポスト32の2つの半分の部分の間に固定される。各半本体部分は、本体部分(32a、32b)、ネジ部分20、ピン32c、ピン凹部32d、及び凸部12aを受け入れる切り欠き14aを更に備えている。2つの半分の部分を組み立てるために、ステップA1において、保持本体12の近位端「P」は、半分の部分の遠位端と共に部分的に配置される。次に、ピン32cが第1の半本体部分32bの対応する凹部に受け入れられると、2つの半本体がA2の方向に一緒に固定される。2つの半分の部分を一緒に固定することにより、保持本体12がバックポスト14の一部として固定される。凸部12aは、切り欠き14aで受け入れられ、これは、特に、保持キャップ18が保持ネジ20にねじ込まれてPOFケーブル06をコネクタアセンブリ03に固定するときに、組み立て中の保持本体12の回転を抑止する。保持本体12を使用したPOFケーブル06の固定は、
図17及び18に記載されている。
図22に記載されているように、2つの半本体部分(32a、32b)は、光ファイバ06bをクランプ又は固定する。
【0064】
図22は、
図21の断面を示している。光ファイバ06bは、2つの半本体部分(32a、32b)の間にクランプされ、コールアウト26に示されている。これにより、POF光ファイバがフェルール02の近くに直接に固定され、フェルール02内での光ファイバ06bの移動による挿入損失が減少する助けとなる。第2のクランプは、
図21において形成及び説明されているように、保持キャップ18の内側ネジと保持本体12の保持ネジ20との間の強度部材06cに適用される。この第2のクランプはコールアウト28に示されている。保持キャップ18及びバックポスト14保持ネジ20のネジ部分によるクランプ強度部材06cは、POFケーブル06に最大の引張力レートを提供する助けとなる。最後のクランプは、
図20に記載されているように、ウィング16を備えたPOFケーブルジャケット06aをクランプする保持キャップ18であり、コールアウト30に描かれている。
【0065】
図23は、保持本体12の第1の端部及び第2の端部にクランプ又は固定構造を有する保持本体12の最後の実施形態の分解図を示している。この実施形態は、保持本体12が2つの別個の本体部分から形成されていない1つの単一本体であることを除いては、上記の
図21及び
図22で説明したものと同様である。単一の本体により、組み立て時間が短縮され、コネクタアセンブリの安定性が向上する。
図23を参照して、保持本体12は、スロット03cによってコネクタハウジング03aの遠位端内に固定される円周方向リブ12dを更に備えている。円周リブ12d及びスロット03cは、コネクタハウジング03a内に保持本体12を固定する。同様に、リブ12dは、ラッチ3bを受け入れる。上記のように、保持キャップ18で固定するときに本体12の回転を防ぐために、凸部12eは、コネクタハウジング03aの内部ハウジングの近位端の近くに形成された内部スロット03cに取り付けられる。保持本体12がコネクタハウジング03a内に固定されると、保持キャップ18は、
図24に示されているように、コネクタアセンブリを形成するバックボディ又はバックポスト14保持ネジ20にねじ込まれる。保持本体12は、2組の固定又はクランプするウィング(16f、16r)を更に備えている。第1の組(16f)は、保持本体の近位端にある。第2の組(16r)は、保持本体の遠位端にある。
【0066】
図24は、コネクタアセンブリ03の最終アセンブリを示している。コールアウト26は、POF光ファイバ06bをクランプする前方(f)ウィング(16f)を示している。これは、強度部材06c又は外側ジャケット06aのない光ファイバの直接クランプである。コールアウト30は、POFケーブル06をクランプする後方(r)ウィング(16r)が、円周方向リブ12d(
図20で説明した通り)と共に、外側ジャケット06aに埋め込まれ、POFケーブル06の引張強度を増加させ、それによってPOFケーブル06がコネクタから引き抜かれることによるコネクタアセンブリ03の故障を減少させる。コールアウト34は、光ファイバ06bの周りにクランプされたウィング(16r)を示している。コールアウト26は、使用中のケーブルストレス下で、フェルール02内の光ファイバの動きを低減するのを助けることによって挿入損失を低減するために、光ファイバ06bをクランプする前方ウィング(16f)を示している。コールアウト28は、保持キャップの内側ネジと保持本体12の外側ネジ20との間に固定された強度部材06cを示している。
【0067】
図25は、
図23のコネクタアセンブリの分解図を示しており、強度部材06c及びPOFケーブル06が、保持本体12の遠位端に適合するように切り開かれている。組み立てるために、ユーザは、外側ケーブルジャケット06aをスライスし、強度部材06cを露出させ、第1又は前方クランプウィング16fを越えて、保持本体12を通して光ファイバ06bを挿入する。フェルールから出るまで、十分なファイバ06bが露出されてフェルール02に挿入され、その後、光ファイバ06bは、現場で、先端と同一平面に切断され得る。
【0068】
図26は、全長が46単位の長さであり、保持キャップ18を備えた従来技術のコネクタアセンブリを示している。
図27は、コネクタハウジング03a内に保持本体12を配置することによって、全長を37単位の長さに短縮したことを示している。コネクタアセンブリ03は、矢印の方向に組み立てられる。