(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】カルボプラチンの非経口剤形
(51)【国際特許分類】
A61K 31/282 20060101AFI20230710BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230710BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20230710BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20230710BHJP
【FI】
A61K31/282
A61K9/08
A61K47/04
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2021510708
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(86)【国際出願番号】 IB2019057351
(87)【国際公開番号】W WO2020044311
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】201821032809
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】503422000
【氏名又は名称】サン ファーマシューティカル インダストリーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUN PHARMACEUTICAL INDUSTRIES LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】サマルス、クマール
(72)【発明者】
【氏名】マヘシュクマール、パラスマル、ソニ
(72)【発明者】
【氏名】スバス、バララム、ボーミック
(72)【発明者】
【氏名】パラシャント、ケーン
【審査官】榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第95/020956(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/074641(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
40ml~500mlの範囲の体積の水溶液を充填した注入容器を有する
すぐに注入できる非経口剤形であって、前記水溶液が1mg/ml~2mg/mlのカルボプラチン、
0.02mg/ml~2.0mg/mlの硫酸アンモニウムおよび約5ppm~50ppmの範囲の溶存酸素量を含み、前記溶液がカルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、室温で保存された時、前記溶液が物理的に安定したままである、
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項2】
前記水溶液が1mg/mlの
カルボプラチンを有する、請求項1に記載の
すぐに注入できる非経口剤。
【請求項3】
前記水溶液が0.2mg/ml~2.0mg/mlの硫酸アンモニウムを有し、前記溶存酸素量が約5ppm~10ppmの範囲である、請求項2に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項4】
前記水溶液が0.02mg/ml~2.0mg/mlの硫酸アンモニウムを有し、前記溶存酸素量が約10ppm~50ppmの範囲である、請求項2に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項5】
水溶液の前記体積が50mlである、請求項3または請求項4に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項6】
前記水溶液がデキストロースを含まない、請求項2に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項7】
前記水溶液が2mg/mlのカ
ルボプラチンを有する、請求項1に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項8】
前記水溶液が0.02mg/ml~2.0mg/mlの硫酸アンモニウムを有し、前記溶存酸素量が約10ppm~50ppmの範囲である、請求項7に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項9】
前記水溶液が0.5mg/ml~2.0mg/mlの硫酸アンモニウムを有し、前記溶存酸素量が約5ppm~10ppmの範囲である、請求項7に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項10】
水溶液の前記体積が50mlである、請求項8または請求項9に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項11】
前記水溶液がデキストロースを含まない、請求項7に記載の
すぐに注入できる非経口剤形。
【請求項12】
注入容器が灌流バック、注入バッグまたは可撓性パウチである、請求項1に記載のすぐに注入できる非経口剤形。
【請求項13】
非経口剤形が二次アルミニウムパウチで包み込まれている、請求項1に記載のすぐに注入できる非経口剤形。
【請求項14】
非経口剤形が保存の前に121℃で7分間オートクレーブされている、請求項13に記載のすぐに注入できる非経口剤形。
【請求項15】
水溶液が約4.0~6.0の範囲のpHを有する、請求項1に記載のすぐに注入できる非経口剤形。
【請求項16】
水溶液が約4.5~5.5の範囲のpHを有する、請求項1に記載のすぐに注入できる非経口剤形。
【請求項17】
水溶液が塩化ナトリウムを含まない、請求項1に記載のすぐに注入できる非経口剤形。
【請求項18】
水溶液がデキストロースおよび塩化ナトリウムを含まず、保存の前に121℃で7分間オートクレーブされている、請求項1に記載のすぐに注入できる非経口剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボプラチンの保存安定性水溶液と、それを含有する非経口剤形とに関する。
【背景技術】
【0002】
カルボプラチンは白金配位化合物であり、ジアミン[1,1-シクロブタンジカルボキシラート(2-)-0,0’]という化学名を有する。これは、Bristol-Myers Squibb社からパラプラチン(登録商標)という商標名で、凍結乾燥粉末および前濃縮水溶液(10mg/ml)の形態で市販されている。
【0003】
多数の参考文献から、またパラプラチン(登録商標)の添付文書から、カルボプラチンの再構成溶液が8時間しか安定でないことが当技術分野で知られている。実際に、『Cheung YW et al. Am J Hosp Pharm. 1987 Jan; 44(1):124-30』、『Swell GJ et al. J Clin Pharm Ther. 1987 Dec; 12(6):427-32』、『R. Gust and B. Schnurr: Monatshefte fuE r Chemie 1999;130: 637-44』の参考文献はすべて、再構成カルボプラチン溶液が極めて不安定であることを報告している。『Journal of Oncology Pharmacy Practice,2016 Feb; 22(1):31-6』の刊行物においてMyresらは、冷暗所で、または蛍光光に曝露された室温にて特別な保存条件下で再構成溶液を保存したにもかかわらず、カルボプラチンの再構成水溶液または希釈水溶液は7日間しか安定でなかったこと報告した。カルボプラチンのアッセイで有意な減少があった。さらに、カルボプラチンは分解して、ジ-p.-ヒドロキシ-ビス(シス-ジアミン白金(II))、およびトリ-p.-ヒドロキシ-トリス(シス-ジアミン白金(II)のような非常に有毒な化合物を形成し、これらはガラス容器に貯蔵された時、黒色の銀沈着物として現れる。
【0004】
さらに、当技術分野でカルボプラチンの保存安定性溶液を調製するための多くの試みと提案がなされてきたにもかかわらず、粒子状物質の出現の報告を理由に、市販のカルボプラチン溶液のリコールがあった。例えば、NovartisのマーケティングパートナーであるEbewe Pharmaは2012年3月29日付のプレスリリースにおいて、幾つかのバッチに沈殿物が現れたことを理由に、香港でカルボプラチン水溶液(10mg/ml)のリコールを発表した。同様に、2015年4月27日付のプレスリリースにおいて、インディアナ州保健局は、目に見える粒子状異物の出現を理由に、Mylan Pharmaが製造した注射用製品であるカルボプラチン10mg/mL 100mlバイアルのリコールを現地の保健局に通知した。
【0005】
それ故に、カルボプラチンの安定性に関連する多くの問題を伴わない、保存安定性の直接注入に適切な、カルボプラチンの注射溶液を提供する緊急の必要性がある。
【0006】
本発明は実際に、この目的を達成し、注入容器に保存されたカルボプラチンの保存安定性水溶液を含む非経口剤形を提供する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、1~2mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および任意に約5~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液を充填した注入容器を有する非経口剤形を提供する。
【0008】
本発明は以下の通りに要約することができる。
A. 1mg/ml~2mg/mlのカルボプラチンを含む、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液を充填した注入容器を有する非経口剤形であって、溶液が、カルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は室温で保存された時、物理的に安定したままである、非経口剤形。
B. 溶液が、1mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および任意に約5ppm~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む、Aに記載の非経口剤形。
C. 硫酸アンモニウムの安定化量が0.2mg/ml~2.0mg/mlであり、溶存酸素量が約5ppm~10ppmの範囲である、Bに記載の非経口剤形。
D. 硫酸アンモニウムの安定化量が0.02mg/ml以上であり、溶存酸素量が約10ppm~50ppmの範囲である、Bに記載の非経口剤形。
E. 水溶液の体積が50mlである、CまたはDに記載の非経口剤形。
F. 水溶液がデキストロースを含まない、AまたはBに記載の非経口剤形。
G. 溶液が、2mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および約5ppm~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む、Aに記載の非経口剤形。
H. 硫酸アンモニウムの安定化量が0.02mg/ml以上であり、溶存酸素量が約10ppm~約50ppmの範囲である、Gに記載の非経口剤形。
I. 硫酸アンモニウムの安定化量が0.5mg/ml~2.0mg/mlであり、溶存酸素量が約5ppm~10ppmの範囲である、Gに記載の非経口剤形。
J. 水溶液の体積が50mlである、HまたはIに記載の非経口剤形。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた時の、1mg/mlの濃度を有する比較実施例1A、1B、1C、1Dによる溶液の物理的外観(黒色沈殿物)を示す。
【
図2】
図2は、121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた時の、1mg/mlの濃度を有する作業実施例1E、1F、1G、1Hによる溶液の物理的外観(透明な溶液)を示す。
【
図3】
図3は、121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた時の、2mg/mlの濃度を有する比較実施例2A~2Gによる溶液の物理的外観(黒色沈殿物)を示す。
【
図4】
図4は、121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた時の、2mg/mlの濃度を有する作業実施例2H~2Lによる溶液の物理的外観(透明な溶液)を示す。
【発明の内容】
【0010】
カルボプラチンの不安定性は大きな妨げであった。長期保存中の粒子状物質の出現などの不安定性の問題のないカルボプラチンの保存安定性水溶液に到達するために、本発明者らは、試験物をオートクレーブにさらす極度のストレス条件を特定した。溶液がこの試験に合格すると、非経口剤形は、製品の保存可能期間を通して室温などの常温保存条件で保存される時、物理的および化学的に安定であることが想定される。
【0011】
本明細書で使用される「極度のストレス条件」という用語は、非経口剤形を121℃で7分間オートクレーブすることを意味する。試験を実施するために、非経口剤形を調製し、アルミニウム二次パウチに包み込み、次いで121℃で7分間オートクレーブする。オートクレーブ処理した充填注入容器は、変色、沈殿、または結晶形成について目視観察される。それらのいずれか一つまたはすべての存在は、不安定性の指標である。沈殿することなく、121℃で7分間のオートクレーブに耐える非経口剤形は、室温で保存された時、2年間安定であることが見いだされ、従ってそうであると見なされる。
【0012】
本明細書で使用される「硫酸アンモニウムの安定化量」という用語は、極度のストレス条件にさらされた時、注入容器を有する非経口剤形中に保存されたカルボプラチンの水溶液を安定化するために必要な硫酸アンモニウムの量を意味する。
【0013】
本明細書で使用される「物理的に安定」という用語は、121℃で7分間オートクレーブにさらされた時の、カルボプラチンの水溶液を含む非経口剤形であって、この水溶液が沈殿または結晶形成または変色の兆候を示さないことを意味する。沈殿することなく、121℃で7分間のオートクレーブに耐える非経口剤形は、室温で保存された時、2年間安定であることが見いだされ、従ってそうであると見なされる。
【0014】
本明細書で使用される「化学的に安定」という用語は、カルボプラチンの水溶液が、製品の貯蔵寿命中に、特に室温で少なくとも2年間保存された時、既知および未知の不純物の許容可能なレベルを示すことを意味する。好ましい実施形態によると、既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸の含有量は、室温で2年間保存された時、カルボプラチンの1.0重量%以下である。
【0015】
実施形態によると、非経口剤形は、約1~2mg/mlの範囲の濃度のカルボプラチンを含むカルボプラチンの保存安定性水溶液を含む。別の実施形態によると、カルボプラチンの水溶液は、121℃で7分間オートクレーブする極度の条件にさらされた時、物理的に安定していて、すなわち水溶液は沈殿または結晶または変色の兆候を示さない。別の実施形態によると、水溶液は貯蔵寿命を通して物理的および化学的に安定である。沈殿または結晶化または変色することなく、121℃で7分間オートクレーブに耐える非経口剤形は、室温で保存された時、少なくとも2年間安定である。
【0016】
本発明は、1mg/ml~2mg/mlのカルボプラチンを含む40ml~500mlの範囲の体積の水溶液を充填した注入容器を有する非経口剤形を提供し、溶液は、カルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は、約2年間室温で保存された時、物理的に安定したままである。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0017】
好ましい態様の一つにおいて、本発明は、1mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および任意に約5~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液を充填した注入容器を有する非経口剤形を提供する。一実施形態において、硫酸アンモニウムの安定化量は0.02~2.0mg/mlであり、溶存酸素量は約10~50ppmの範囲であり、水溶液の体積は50mlである。別の実施形態において、硫酸アンモニウムの安定化量は0.5~2.0mg/mlであり、溶存酸素量は約5~10ppmの範囲であり、水溶液の体積は50mlである。
【0018】
別の好ましい態様において、本発明は、2mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および約5~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液を充填した注入容器を有する非経口剤形を提供する。一実施形態において、硫酸アンモニウムの安定化量は0.02~2.0mg/mlであり、溶存酸素量は約10~50ppmの範囲であり、水溶液の体積は50mlである。別の実施形態において、硫酸アンモニウムの安定化量は0.2~2.0mg/mlであり、溶存酸素量は約5~10ppmの範囲であり、水溶液の体積は50mlである。
【0019】
本発明によるカルボプラチンの非経口剤形は、「すぐに注入できる」または「すぐに投与できる」、すなわちカルボプラチンの水溶液が1~2mg/mlの濃度で注入容器中に含有されていて、この薬物溶液が静脈内非経口投与前に、再構成、希釈、操作、移送、取り扱いまたは調剤を必要とすることなく、患者に直接注入、または直接投与されるはずであることを意味する。
【0020】
硫酸アンモニウムの安定化量を有するカルボプラチンの水溶液は、デキストロース、および塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは任意のその他の塩化物などの塩化物塩を欠いている必要があることが留意されうる。溶液がデキストロースまたは塩化ナトリウムを含まないことが重要であり、そうでなければ溶液は、黒色沈殿物、および非常に高いレベルの不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸と総不純物とを生成することが分かっている。さらに、本発明者らは、硫酸アンモニウムの安定化量は、カルボプラチンの濃度だけでなく、溶液中の溶存酸素量と充填容器のヘッドスペース中の酸素の割合とにも依存することを見いだした。例えば、カルボプラチンの濃度が1mg/mlである場合、0.02mg/ml以上の硫酸アンモニウムが溶液を安定化したが、より低い範囲の濃度にて、水溶液中の溶存酸素量は約10~50ppmである必要があり、一方で0.2~2mg/mlの硫酸アンモニウムなどのより高い濃度を使用した場合、約10~50ppmの範囲の溶存酸素量を必要とせず、溶存酸素量は最低で約5~約10ppmであることができる。溶液中の酸素レベルは、約5~10ppmの範囲に存在する。一方で、カルボプラチンの濃度が2mg/mlである場合、0.02mg/ml以上の硫酸アンモニウムが溶液を安定化させたが、水溶液中に10~50ppmの溶存酸素量が存在する必要があったことが見いだされた。ところが、溶液が酸素でパージされていない場合、すなわち溶液中の酸素の量が約5~約10ppmの量である場合、0.5mg/ml~2mg/mlの硫酸アンモニウムが安定化のために必要であることが分かった。
【0021】
約10~50ppmの溶存酸素量、好ましくは11~50ppmの溶存酸素量を有する水溶液は、0.02mg/ml以上、好ましくは0.02~2.0mg/mlの濃度、例えば0.02、0.04、0.06、0.08、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.05、1.10、1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、1.90、1.95または2.0mg/mLなどの濃度を有する硫酸アンモニウムで安定化されることが分かった。約5~約10ppmの溶存酸素量および1mg/mlのカルボプラチンを有する溶液のための硫酸アンモニウムの安定化量は0.2mg/ml~2.0mg/mlであり、例えば0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.05、1.10、1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、1.90、1.95または2.0mg/mlなどである。約5~約10ppmの溶存酸素量および2mg/mlのカルボプラチンを有する溶液のための硫酸アンモニウムの安定化量は0.5mg/ml~2.0mg/mlであり、例えば0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.05、1.10、1.15、1.20、1.25、1.30、1.35、1.40、1.45、1.50、1.55、1.60、1.65、1.70、1.75、1.80、1.85、1.90、1.95または2.0mg/mlなどである。
【0022】
カルボプラチンの水溶液のpHは約4.0~6.0の範囲であり、好ましくは4.5~5.5の範囲であり、例えば4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4または5.5などである。最も好ましい実施形態において、カルボプラチンの水溶液はpH調整剤または緩衝剤を含まない。
【0023】
本発明の非経口剤形の水溶液は透明な溶液であり、本質的に天然の粒子であるリポソーム、ニオソーム、脂質ベシクル、他の脂質系薬物送達システム、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノ粒子などのような新規薬物送達システムなどの製剤ではない。
【0024】
本発明による非経口剤形の水溶液は、tween 20、tween 80のようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの界面活性剤を含まない。好ましい実施形態において、本発明による非経口剤形の水溶液は、エタノール、プロピレングリコールなどの有機共溶媒を含まない。好ましい実施形態において、本発明による非経口剤形の水溶液は、メタビス硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メチオニンなどの抗酸化物質を含まない。好ましい実施形態において、本発明による非経口剤形の水溶液は、エデト酸二ナトリウム、クエン酸などのキレート剤を含まない。
【0025】
硫酸アンモニウムの代わりに、例えば抗酸化物質(メタビス硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メチオニンなど)、キレート剤(エデト酸二ナトリウム、クエン酸など)、防腐剤(ホウ酸、メタクレゾール、フェノール、クロロブタノールなど)、緩衝剤またはpH調整剤(クエン酸三ナトリウム脱水物、トロメタミン、アンモニア溶液、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸、酒石酸、メグルミン、アルギニンなど)、溶媒または可溶化剤(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリビニルピロリドン、 N,Nジメチルアセトアミン、シクロデキストリンなど)、オスモジェン(デキストロース、ソルビトール、グリセリンなど)、界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)、塩化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウムなど)などの賦形剤を試した時、水溶液は黒色沈殿物の形成もしくは変色を示し、または高含量の1,1-シクロブタンジカルボン酸不純物の生成が問題として見られた。特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウムなどの塩化物イオンを有する塩を使用した時、水溶液は黒色沈殿物の形成を示した。
【0026】
好ましい実施形態によると、水溶液は、1mg/ml~2mg/mlのカルボプラチンと、硫酸アンモニウムの安定化量とから基本的に成るか、またはそれから成り、溶液はカルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は室温で保存された時、物理的に安定したままである。「~から基本的に成る」という用語は「水溶液が、抗酸化物質(メタビス硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メチオニンなど)、キレート剤(エデト酸二ナトリウム、クエン酸など)、防腐剤(ホウ酸、メタクレゾール、フェノール、クロロブタノールなど)、緩衝剤またはpH調整剤(クエン酸三ナトリウム脱水物、トロメタミン、アンモニア溶液、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸、酒石酸、メグルミン、アルギニンなど)、溶媒または可溶化剤(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリビニルピロリドン、N,Nジメチルアセトアミン、シクロデキストリンなど)、オスモジェン(デキストロース、ソルビトール、グリセリンなど)、界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)、塩化物(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウムなど)などの賦形剤を含まない」ことを意味する。
【0027】
本発明によると、カルボプラチン溶液は、非ガラス、プラスチック、または高分子材料で作られた容器に充填される。好ましい実施形態において、容器は、プラスチックまたはポリマー材料で作られた可撓性の注入容器である。好ましい実施形態において、容器は、灌流バッグ、注入バッグ、可撓性パウチなどから選択される。可撓性注入容器は、単層または複数層であってもよい。容器は薬物溶液で充填され、ストッパーを利用するなどして密封される。一部の実施形態において、注入容器はガラスバイアル、ガラスアンプルなど、ガラスで作られていてもよい。好ましい一実施形態において、容器は静脈内に投与されている間に水溶液を回収するための単一の出口を有する。各注入容器の体積は約40~500mlの範囲であり、40、50、75、100、150、165、180、195、200、215、235、260、285、300、310、340、380、400、420、460または500mlなどである。一実施形態において、二つ以上の注入容器を有するキットが提供される。別の実施形態によると、各注入容器に提供される用量が以下に記載されている。
【0028】
【表1】
また別の実施形態によると、各注入可撓性容器に提供される用量が以下に記載されている。
【0029】
【0030】
本発明の非経口剤形は、
a. 注射用水にオスモゲンの必要な量を加え、完全に溶解するまで溶解する工程と、
b. 連続攪拌下で安定化剤硫酸アンモニウムの必要量を添加する工程と、
c. 連続攪拌下で工程(b)の溶液にカルボプラチン必要量を添加し、注射用水で所定体積にする工程と、
d. 工程(c)の溶液を0.2μフィルターで濾過する工程と、
e. 約40ml~約500mlの範囲の体積で、適切な注入容器に工程(d)の濾過済み溶液を充填して、注入容器を密封する工程と、を含むプロセスによって調製され、工程(a)と工程(b)中に、および注入容器に充填する前に、溶液中の溶存酸素量が約10~50ppmの範囲であるように、任意に注射用水中に酸素をパージし、容器を密封する前に、任意にヘッドスペースを酸素で充填し、
非経口剤形が二次アルミニウムパウチで包み込まれ、注入容器と二次アルミニウムパウチの間の空間が酸素で充填されて、密封される。
【0031】
一つの特定の実施形態によると、本発明の非経口剤形は、1mg/ml~2mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および約5ppm~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む40ml~500mlの範囲の体積の水溶液で充填された注入容器を含み、溶液はカルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は室温で保存された時、物理的に安定したままである。
【0032】
一つの特定の実施形態によると、本発明の非経口剤形は、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液で充填された注入容器を含み、溶液は、1mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および約10~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む。水溶液はデキストロースを含まない。硫酸アンモニウムの安定化量は0.02mg/ml~2.0mg/mlであることが好ましい。溶液は、カルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は室温で保存された時、物理的に安定したままである。
【0033】
別の特定の実施形態によると、本発明の非経口剤形は、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液で充填された注入容器を含み、溶液は、2mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および約10~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む。水溶液はデキストロースを含まない。硫酸アンモニウムの安定化量は0.02mg/ml~2.0mg/mlであることが好ましい。溶液は、カルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は室温で保存された時、物理的に安定したままである。
【0034】
別の特定の実施形態によると、本発明の非経口剤形は、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液で充填された注入容器を含み、溶液は、1mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および約5~10ppmの範囲の溶存酸素量を含む。水溶液はデキストロースを含まない。硫酸アンモニウムの安定化量は0.2mg/ml~2.0mg/mlであることが好ましい。溶液は、カルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は室温で保存された時、物理的に安定したままである。
【0035】
別の特定の実施形態によると、本発明の非経口剤形は、40ml~500mlの範囲の体積の水溶液で充填された注入容器を含み、溶液は、2mg/mlのカルボプラチン、硫酸アンモニウムの安定化量、および約5~10ppmの範囲の溶存酸素量を含む。水溶液はデキストロースを含まない。硫酸アンモニウムの安定化量は0.5mg/ml~2.0mg/mlであることが好ましい。溶液は、カルボプラチンの1.0重量%以下の量の既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸を含有し、溶液は室温で保存された時、物理的に安定したままである。
【0036】
これから本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、これらは限定的な例ではなく、例示的な例である。
【実施例】
【0037】
比較実施例1A~1Dおよび実施例1E~1H。
表1:121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた後の、カルボプラチン溶液の物理的安定性に対する様々なパラメータの効果。
【表3】
【0038】
実施例1A、1C、1D、1E、1G、1Hの非経口剤形を以下の通りに調製した。注射用水をステンレス鋼容器に入れた。必要量のマンニトールを水に加え、完全に溶解するまで攪拌した。硫酸アンモニウム保存溶液(0.5~50mg/ml)を、連続攪拌下で添加した。硫酸アンモニウムは試料1Aに添加しなかった。必要な量のカルボプラチンを、溶解するまで連続攪拌下で添加した。注射用水を加えて所定体積とした。溶液を攪拌し、0.2μフィルターを通して濾過した。得られた溶液を、50mlの充填体積の可撓性注入容器に充填した。次いで、可撓性注入容器を二次アルミニウムパウチで覆った。可撓性注入容器と二次アルミニウムパウチの間の空間は、大気で充填された。次いで、覆われた可撓性注入容器を、121℃で7分間オートクレーブするストレス条件にさらした。可撓性注入容器中の溶液はオートクレーブ後に、水溶液の物理的不安定性を示唆する黒色沈殿物または溶液の変色を示した。
【0039】
実施例1Bおよび実施例1Fの非経口剤形を以下の通りに調製した。注射用水をステンレス鋼容器中に入れ、その中で約15~30分間、酸素でパージした。必要量のマンニトールを水に加え、完全に溶解するまで攪拌した。硫酸アンモニウム保存溶液(0.5~50mg/ml)を連続攪拌下で添加した。硫酸アンモニウムは、試料1Bに添加しなかった。酸素パージを停止し、必要量のカルボプラチンを、溶解するまで連続攪拌下で添加した。酸素でパージした注射用水を加えて所定体積とした。溶液を攪拌し、0.2μフィルターを通して濾過した。得られた溶液を最後に酸素でパージし、充填体積50mlの可撓性注入容器に充填した。可撓性注入容器のヘッドスペースを、ヘッドスペース上の酸素の連続的な流れによって約30~120秒間酸素で置換し、酸素雰囲気下で密封した。次いで、可撓性注入容器を二次アルミニウムパウチで覆った。可撓性注入容器と二次アルミニウムパウチの間の空間は、酸素で充填された。
【0040】
実施例1A~1Hの非経口剤形を、121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらし、任意の物理的不安定性について溶液を観察した。観察結果を表1に示す。
【0041】
1mg/mlのカルボプラチン溶液については、硫酸アンモニウムの安定化量は0.02mg/ml以上であったが、溶存酸素量が10~50ppmの範囲であり、ヘッドスペースの酸素レベルが制御されるように、酸素パージが必要であったことを、表1から結論付けることができた。しかしながら、少なくとも0.2mg/ml以上の量の硫酸アンモニウムを使用した時、酸素パージおよびヘッドスペースの酸素レベルの制御は不要であったことが分かった(実施例1Eを参照)。硫酸アンモニウムは、0.2mg/ml~2.0mg/mlなど、0.2mg/ml以上の量で安定化剤として作用する。
【0042】
比較実施例2A~2G。
表2:121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた後の、物理的安定性に対する様々なパラメータの効果。
【表4】
【0043】
実施例2H~2L
表3:121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた後の、物理的安定性に対する様々なパラメータの効果。
【表5】
【0044】
実施例2A、2C、2D、2F、2G、2I、2Jに対する様々なパラメータの効果2Lの非経口剤形を以下の通りに調製した。注射用水をステンレス鋼容器に入れた。必要量のマンニトールを水に加え、完全に溶解するまで攪拌した。サンプル2Dに、マンニトールを添加しなかった。実施例2C、2D、2G、2I、2J、2Lの場合において、硫酸アンモニウム保存溶液を連続攪拌下で添加した。実施例2Fの場合において、連続攪拌下で硫酸アンモニウムの代わりにアンモニアを添加した。実施例2Aにおいて、硫酸アンモニウムまたはアンモニアを水に添加しなかった。得られた溶液に、必要量のカルボプラチンを、溶解するまで連続攪拌下で加えた。注射用水を加えて所定体積とした。溶液を攪拌し、0.2μフィルターを通して濾過した。得られた溶液を、50mlの充填体積の可撓性注入容器に充填した。次いで、可撓性注入容器を二次アルミニウムパウチで覆った。可撓性注入容器と二次アルミニウムパウチの間の空間は、大気で充填された。次いで、覆われた可撓性注入容器を、121℃で7分間オートクレーブするストレス条件にさらした。
【0045】
実施例2B、2E、2H、2Kの非経口剤形を以下の通りに調製した。注射用水をステンレス鋼容器中に入れ、その中で約15~30分間、酸素でパージした。必要量のマンニトールを水に加え、完全に溶解するまで攪拌した。バッチ2Eにおいて、マンニトールの代わりにデキストロースを添加し、2Kにおいて、マンニトールもデキストロースも添加しなかった。硫酸アンモニウム保存溶液を、連続攪拌下で添加した。実施例2Bにおいて、水に硫酸アンモニウムもアンモニア添加しなかった。酸素パージを停止し、必要量のカルボプラチンを、溶解するまで連続攪拌下で添加した。酸素でパージした注射用水を加えて所定体積とした。溶液を攪拌し、0.2μフィルターを通して濾過した。得られた溶液を最後に酸素でパージし、充填体積50mlの可撓性注入容器に充填した。可撓性注入容器のヘッドスペースを、ヘッドスペース上の酸素の連続的な流れによって30~120秒間酸素で置換し、酸素雰囲気下で密封した。次いで、可撓性注入容器を二次アルミニウムパウチで覆った。可撓性注入容器と二次アルミニウムパウチの間の空間は、酸素で充填された。
【0046】
実施例2A~2Lの非経口剤形を、121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらし、任意の物理的不安定性について溶液を観察した。すべての実施例の非経口剤形は、実施例2H、2I、2J、2K、2Lを除き、121℃で7分間オートクレーブする極度のストレス条件にさらされた時、黒色沈殿物または変色を示した。
【0047】
2mg/mlのカルボプラチン溶液については、硫酸アンモニウムの安定化量は0.02mg/mlであったが、ヘッドスペースの酸素レベルを維持するために10~50ppmの範囲の酸素が必要であったことを、表3から結論付けることができた。しかしながら、少なくとも0.5mg/ml以上の量の硫酸アンモニウムを使用した時、酸素パージおよびヘッドスペースの酸素レベルの制御は不要であることが分かった。2mg/mlのカルボプラチン、0.02mg/mlの硫酸アンモニウム、50mg/mlのマンニトール、および10~50ppmの範囲の溶存酸素量を含む溶液を有するバッチ2Hと類似するバッチを、室温(25°C/40%の相対湿度)での安定性試験のために充填した時、溶液は約24カ月間の保存後、溶液の沈殿、結晶化、または変色なしに安定であることが分かったことがさらに観察された。また、既知の不純物および総不純物の含有量は最小量にとどまり、例えば既知の不純物1,1-シクロブタンジカルボン酸の含有量は、カルボプラチンの0.60重量%であり、すなわち1.0重量%未満であることが分かった。同様に、硫酸アンモニウムの含有量が異なり、0.2mg/mlであった別のバッチにおいて、溶液は室温(25℃/40%の相対湿度)で保存された時、27カ月間物理的および化学的に安定であることが分かった。