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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】タバコの吸い殻の個装紙
(51)【国際特許分類】
   A24F 19/00 20060101AFI20230710BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20230710BHJP
   A24F 19/10 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A24F19/00 G
B65D25/20 C
A24F19/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021530756
(86)(22)【出願日】2018-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 KR2018009296
(87)【国際公開番号】W WO2020036236
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0094113
(32)【優先日】2018-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521063155
【氏名又は名称】ヤン,ジュン ホ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジュン ホ
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3173254(JP,U)
【文献】特表2018-501817(JP,A)
【文献】特開2012-147725(JP,A)
【文献】登録実用新案第3036459(JP,U)
【文献】特表2010-539954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 19/00~19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコの吸い殻の個装紙であって、
長方形の形状を有する平面状の本体(11)と、
前記本体(11)の内部に形成され、長方形の形状を有し、耐熱機能を有する物質によりコーティングされた難燃コーティング面(13)と、
前記難燃コーティング面(13)の外周面を取り囲む領域であって、粘着剤が塗布された粘着剤塗布面(12)と、
前記本体(11)の下端において向かい合う両方の終端が内側に凹んで、両方の終端をそろえて粘着した際にタバコの吸い殻を入れる入口が形成されるようにする開口部形成部(15)と、
を備える、タバコの吸い殻の個装紙であって、
前記難燃コーティング面(13)の上端に上端最初粘着部(C)が形成されて、最初の粘着に際して前記上端最初粘着部(C)は一緒に巻かれる、又は、貼られることにより、難燃コーティング面(13)の上端部を密封するようにする、タバコの吸い殻の個装紙であって、
前記難燃コーティング面(13)の周りに左側最初粘着部(A)及び右側最初粘着部(B)が形成されて、左側最初粘着部(A)と右側最初粘着部(B)とを突き合わせて粘着することにより、前記難燃コーティング面(13)を丸く巻いてタバコの吸い殻を収容可能な空間を作るようにする、タバコの吸い殻の個装紙であって、
前記本体(11)の縦側の一方の終端であって、前記左側最初粘着部(A)及び前記右側最初粘着部(B)のどちらか一方の側面に形成され、他方の終端と突き合わせて貼着した際に貼り合わせられずに残るようにし、前記本体が円筒状に巻かれるようにする仕上げつば(14)をさらに備える、タバコの吸い殻の個装紙であって、
前記本体(11)の外面には、タバコの吸い殻の火種が当たった際に色が変わるようにする感熱インキ塗布部(17)が形成される、タバコの吸い殻の個装紙であって、
前記難燃コーティング面(13)と全体または一部が重なり合い、かつ、タバコの吸い殻を完全に包み込めるほどの面に空気の透過を防いで匂いを遮断する密閉コーティング面(18)が形成される、タバコの吸い殻の個装紙であって、
前記難燃コーティング面(13)と前記仕上げつば(14)との境界面には、折り畳みやすいように線に沿って予め圧力を加えておいた押し作業が行われた案内線が形成されたことを特徴とする、タバコの吸い殻の個装紙。
【請求項2】
前記本体(11)の上下端の中心部と前記難燃コーティング面(13)の一方の面には斜めに押し作業が行われており、押し作業が始まっている個所は半月状に打ち抜かれたトムソン作業が行われていることを特徴とする、請求項に記載のタバコの吸い殻の個装紙
【請求項3】
展開された平面の状態で複数枚を積み重ねて保管する目的で、外面に剥離加工を施したことを特徴とする、請求項に記載のタバコの吸い殻の個装紙。
【請求項4】
前記難燃コーティング面(13)にはいずれか一つの方向に難燃コーティング物質がコーティングされており、前記本体の上端には貼着部(19)が形成されるが、前記貼着部にもいずれか一つの方向に難燃コーティング物質がコーティングされて、貼着部(19)を引き剥がして前記難燃コーティング面(13)に形成されたコーティング物質のコーティング方向と垂直になるように貼着できるようにして、タバコの吸い殻が入り込む部分が難燃コーティングにより取り囲まれるようにする、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載のタバコの吸い殻の個装紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコの吸い殻(タバコの燃えさし)の個装紙に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、タバコの吸い殻をバラバラにもしくは一括して収納して処理できるようにするタバコの吸い殻の個装紙(個包装紙)に関する。最近の喫煙文化の拡散には目を見張るものがあり、これに伴い、喫煙についての否定的な世論もまた拡散され、その結果、喫煙空間が急激に減りつつあるが、喫煙者にとっては、なお一層劣悪な環境下で喫煙をし続けることが頻繁に起こるが、このような場所にはタバコの吸い殻を処理するための施設が足りないケースも多く、これに伴い、タバコの吸い殻のポイ捨てや投げ捨てにより喫煙者と喫煙に対する認識は益々悪化の一途をたどっている。
【0003】
その一方で、このような喫煙環境下で、社会とタバコの販売社は正しい喫煙環境を提供する責任があるにも拘わらず、喫煙者にすべての責任を負わせて一貫して対策を立てずにいる。したがって、便利であり、しかも、環境にやさしいタバコの吸い殻の廃棄は、喫煙者の個人の問題のみになっているため、喫煙者の個人が、灰を落とし、タバコの吸い殻を処理できるようにする喫煙場所を選んだり、携帯型灰皿を用いたりすることを余儀なくされている。
【0004】
タバコの吸い殻は、20余種類の有害物質とプラスチック化学物質を含んでいるだけではなく、燃え残ったタバコの吸い殻は各種の化学物質の塊であるため、そのまま捨てられる場合に環境に重大な脅威になることが懸念される。有害物質と化学物質を含有しているままで捨てられているタバコの吸い殻は、世界的に年間5兆個にのぼるという研究結果もあり、このようなタバコの吸い殻を取り除けるために、ある都市では、米貨3百万ドルから1,600万ドルまでの予算を使用していると言われている。
【0005】
また、タバコの吸い殻は、火種を抱えている場合があるため、そのまま捨てられる場合にタバコの吸い殻の火種により火災が発生する可能性がいつでも存在してしまう。
【0006】
ところが、現在使われている携帯型灰皿は、現実的に有効な代案にならないのが現状である。これに関して、韓国特許出願第10-2010-0002132号(タバコの吸い殻収去用小型ボックス)などにも開示されているが、このようなハードケースタイプの携帯型灰皿は、別途に携行することを余儀なくされるという不便さがあるが故に、常に用いることが決して容易ではない。この携帯型灰皿は、収納容量のためにサイズを大きくしなければならないが、携行しやすさ(持ち歩きやすさ)のためには嵩が小さくなければならないという矛盾を有しているため、平均して約4個のタバコの吸い殻しか収納することができない。そこで、どこかでは灰とタバコの吸い殻が収納されている携帯型灰皿を空にしなければ、再利用することができない。とりわけ、ハードケースタイプの携帯型灰皿は、値段が高く、しかも、嵩高いものが多いため、喫煙者からなお一層顔を背けられているのが現状である。
【0007】
その他にも、いわゆるスナップボタン付き灰皿であって、空気入りプラスチックポーチタイプの携帯型灰皿が用いられている。これは値段がより安くて軽いことから携行しやすいとはいえ、以上において言及した欠点のために複数回にわたって再利用されるよりは、一回使われた後はタバコの吸い殻とともに捨てられてしまい、むしろごみの量を増やしているのが現状である。
【0008】
本発明においては、このような問題を解決するために、灰を落とす機能よりは、タバコの吸い殻を安全かつきれいに廃棄する方法を提示することを目的とする。
【0009】
要するに、既存の携帯型灰皿は、卓上灰皿のサイズのみを小さくして携帯性や持ち歩きやすさのみを補強したものに過ぎない。すなわち、卓上灰皿に対する固定観念を克服することができなかったのである。サイズを小さくすればするほど、タバコの吸い殻が収納されている携帯型灰皿を頻繁に空にしなければならないという決定的な欠点が存在し、このため、タバコの吸い殻のポイ捨てや投げ捨てを防ぐ目的を達成するに当たって限界がある状況である。
【0010】
しかしながら、解決の糸口はある。現在、一部の喫煙者は、自分のタバコの箱を灰皿として用いたりもする。安全かつきれいに捨てられる周辺環境ではなければ、むしろ自分のタバコの箱内に吸い終わったタバコの吸い殻を保管して、環境と他人を配慮するのである。因みに、このようにしてタバコの箱内に収納されたタバコの吸い殻は、タバコの箱とともにゴミ箱に捨てられる。すなわち、既に持ち歩いているタバコの箱を灰皿として用いるならば、問題を解決することが可能になる。但し、現在には、この方式にも不便さと危険性が伴われる。タバコの火種(いわゆる火気)を除去して収納することを余儀なくされるため、飛び散らしたタバコの火種は、火災と安全事故を起こす危険性がある。なお、未使用のタバコとタバコの吸い殻を一緒に保管すると、タバコの吸い殻の匂いがしみ込んで一緒に保管していたタバコを吸う際に喫煙の満足度を落としてしまう。
【0011】
したがって、たとえ火種を抱えたタバコの吸い殻であるとしても、安全に処理し、灰とタバコの吸い殻をきれいに処理し、未使用のタバコの味も守れるように廃棄できる方法があるならば、タバコの吸い殻は、きっとポイ捨てや投げ捨てされずにタバコの箱内に保管できる筈である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国特許出願第10-2010-0002132号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記のような問題を克服するために案出されたものであって、タバコの吸い殻の無断ポイ捨ての防止、収納作業に際してのやけどの防止、収納後のタバコの吸い殻の匂いの除去、タバコの吸い殻による火災の防止を目的とし、タバコの吸い殻の収去率を高めて環境の保護及び資源のリサイクルに一助となることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記のような目的を達成するために、タバコの吸い殻の個装紙を提供するが、タバコの吸い殻の個装紙であって、タバコの箱の形状と略同じ形状を有する平面状の本体11と、本体11の内部に形成され、タバコの吸い殻の円周の長さと略同じ横長を有し、耐熱機能を有する物質によりコーティングされた難燃コーティング面13と、難燃コーティング面13の外周面を取り囲む領域であって、粘着剤が塗布された粘着剤塗布面12と、本体11の下端において向かい合う両方の終端が内側に凹んで、両方の終端をそろえて粘着した際にタバコの吸い殻を入れる入口が形成されるようにする開口部形成部15と、を備えていてもよい。
【0015】
前記難燃コーティング面13の周りに左側最初粘着部A、右側最初粘着部Bが形成されて、左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bとを突き合わせて粘着することにより、難燃コーティング面13を丸く巻いてタバコの吸い殻を収容可能な空間を作るようにしてもよい。
【0016】
前記難燃コーティング面13の上端に上端最初粘着部Cが形成されて、最初の粘着に際して上端最初粘着部Cは一緒に巻かれたり貼られたりして難燃コーティング面13の上端部を密封するようにしてもよい。
【0017】
包装紙を外しやすくする目的で、本体の終端に粘着剤が塗布されていない紙葉分離部16をさらに備えていてもよい。
【0018】
本体11の縦側の一方の終端に向かい合う他方の終端と非対称的な形状に左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bのどちらか一方の側面に形成され、他方の終端と突き合わせて貼着した際に貼り合わせられずに残るようにし、本体が円筒状に巻かれるようにする仕上げつば14をさらに備えていてもよい。
【0019】
本体11の外面には、タバコの吸い殻の火種が当たった際に色が変わるようにする感熱インキ塗布部17が形成されてもよい。
【0020】
難燃コーティング面13と全体または一部が重なり合い、かつ、タバコの吸い殻を完全に包み込めるほどの面に空気の透過を防いで匂いを遮断する密閉コーティング面18が形成されてもよい。
【0021】
難燃コーティング面13、仕上げつば14の境界面には、折り畳みやすいように線に沿って予め圧力を加えておいた押し作業が行われた案内線が形成されてもよい。
【0022】
本体11の上下端の中心部と難燃コーティング面13の一方の面には斜めに押し作業が行われており、押し作業が始まっている個所は半月状に打ち抜かれたトムソン作業が行われていてもよい。
【0023】
展開された平面の状態で多数枚を積み重ねて保管する目的で、外面に剥離加工を施してもよい。
【0024】
本発明に係るタバコの吸い殻の個装紙の2枚または2枚以上を突き合わせてさらに大きな収納空間を作ってもよい。
【0025】
展開された平面形状にタバコの箱(または、財布、手帳)をはじめとする対象物に粘着して携行してもよい。
【発明の効果】
【0026】
上述したように、タバコの吸い殻の個装紙は、別物として携行することなく、タバコの箱に貼り付けて携行することができるので、喫煙者が簡便に用いることができるという効果がある。
【0027】
上述したように、タバコの吸い殻の個装紙は、タバコの箱とともに携行されて、吸い終わったばかりのタバコの吸い殻を手軽にかつ安全に収納することにより、タバコの吸い殻がバラバラに捨てられないようにして、後ほどにタバコの箱と一緒に一括して処理することを可能にするという効果を奏する。
【0028】
また、タバコの吸い殻を安全かつきれいに廃棄する方法を提示することにより、タバコの吸い殻の火種による火災の防止と、無断でポイ捨てされたタバコの吸い殻の有害物質と化学物質による環境汚染の防止を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に係る一実施形態を示す図。
図2】本発明に係る一実施形態を示す図。
図3】本発明に係る一実施形態を示す図。
図4】本発明に係る一実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に基づいて、本発明について詳しく説明する。図1は、本発明に係るタバコの吸い殻の個装紙の一実施形態の内面を示す。本発明に係るタバコの吸い殻の個装紙は、本体11の内面の奥側には粘着剤塗布面12を有する。
【0031】
粘着剤は、本発明に係るタバコの吸い殻の個装紙の多数枚を幾重にも積み重ねてタバコの箱の外面に貼り付けるためのものであって、タバコの箱の外面に貼り付けるためには別途の貼り付け手段を有していてもよいが、個々の包装紙の内面には、付箋紙(ポスト・イット(登録商標))などの方法で貼り付けるための粘着剤塗布面12が設けられる。このような構成により、タバコの吸い殻の個装紙は、タバコの箱の外面に貼り付けてから、必要に応じて、1枚ずつ引き剥がして用いることになる。
【0032】
また、粘着剤は、内面における難燃コーティング面13の外側であり、かつ、本体の全面にわたって塗布されるが、タバコの吸い殻を入れるために本体11を巻く際に本体の内面を貼り合わせる役割も果たす(図中、灰色にて示されている部分が粘着剤塗布面12であり、粘着剤が塗布されており、巻く前にはタバコの箱に粘着剤により多数枚が貼り付けられているため、バラバラに引き剥がした後、手軽に巻いて小さな封筒の形状にすることが可能である。)
【0033】
難燃コーティング面13には粘着剤が塗布されておらず、難燃コーティング面13には全体的にコーティング剤が塗布されてもよく、多数の縞模様や格子模様などの形状にコーティング剤が塗布されてもよい。コーティング剤を紙の上に印刷したり塗布したりするとき、難燃コーティング面13の全体をコーティングする場合に本体11に皺が寄ったりシワが生じたりする虞があるため、格子模様や縞模様などの形状にコーティングを施してもよい。
【0034】
特に、難燃コーティング面13の両側には左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bが形成されて、タバコの吸い殻の個装紙を用いる際に左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bとを突き合わせて、難燃コーティング面13が丸い形状に巻かれるようにする。難燃コーティング面13の上端には上端最初粘着部Cが形成されて、全体的に⊂字状の最初粘着部を形成する。
【0035】
また、本体11の内面における左側最初粘着部Aや右側最初粘着部Bの一方の側には、縦方向に仕上げつば14を形成するが、難燃コーティング面13を巻いた際に円筒状に巻かれるようにしながら、仕上げつば14が残るようにする。
【0036】
仕上げつば14の部分は残すように左側最初粘着部Aや右側最初粘着部Bを粘着するようにしてもよく、仕上げつば14を残さずに両方の終端を粘着することも可能である。しかしながら、仕上げつば14の部分のみを視認できるように内面や外面に目印を付けた後、仕上げつば14の部分を残して粘着するようにすれば、タバコの吸い殻を入れてから密封した後に、もう一回さらに貼ることが可能であるため、タバコの吸い殻の包装紙の嵩も減らし、火災の危険性も減らすことが可能になる。
【0037】
図面においては、仕上げつば14の部分を残し、左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bを貼着するようにしており、仕上げつば14の部分まで満遍なく粘着剤が塗布されていて、最初に折り畳んだ封筒の形状にタバコの吸い殻を入れた後に、もう一回さらに折り畳んで密封した際に、仕上げつば14をすべて貼着することにより仕上げられる。
【0038】
使用者ごとに折り畳む形状が異なる可能性もあるが、左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bから折り畳んだり、上端最初粘着部Cから折り畳んだりしてタバコの吸い殻を入れる空間を設けるが、タバコの吸い殻を入れた後に密封をし、仕上げつば14の部分をもう一回さらに巻いて完全に密封が行われるようにしてもよい。
【0039】
本体11の内面の中央には難燃コーティング面13が形成される。難燃コーティング面13は、火種を抱えたタバコの吸い殻を入れても本体が燃えないように難燃コーティングを施すことになるが、難燃化して空気の透過率が低いようにして、タバコの吸い殻を本体11に入れて密封をした際にタバコの火種が消えるだけではなく、タバコの吸い殻から発生する匂いもまた遮断できるようにする。なお、難燃コーティング面13の横方向の長さが約26mmほどになるようにして、一般のタバコ一本の円周(8mm)と略同じくして巻いた際に一本のタバコを完全に包み込みながら粘着剤塗布面により密封され、火種が完全に消えるようにして難燃機能により火災/やけどを防ぎ、タバコから発生する匂いを遮断するようにする。
【0040】
難燃コーティング面13は、縦方向の長さの方がさらに長い形状を呈しており、長いタバコの吸い殻もまた入れられるようにし、仕上げつば14もまた縦方向に形成されているため、本体11は縦方向に巻くことを誘導して、本体11にタバコの吸い殻を入れて折り畳んだ際にタバコ一本のサイズと形状に仕上げられて、タバコの箱に再び入れられるようにする。なお、粘着剤塗布面12同士は強く貼着されるのに対し、粘着剤なし難燃コーティング面13は互いに貼着されないため、まるでトンネルのような形状に丸く巻かれてタバコの吸い殻を収納できる空間を作ることになる。
【0041】
難燃コーティング面13には、難燃コーティングとは別途に、密閉のための密閉コーティングが施されてもよい。難燃コーティングが密閉コーティングの機能を有することもあるが、通常、難燃コーティングと密閉コーティングとが区別されるため、難燃コーティングとは別途の密閉コーティングを施して密閉コーティング面18を形成してもよい。
【0042】
密閉コーティングは、本体11の内部のタバコの吸い殻から発生する粉塵や匂いが外部に排出されないようにするために施され、難燃コーティング面13と密閉コーティング面18はほとんど一致してもよいが、必要に応じて、サイズにわずかな違いがあってもよい。
【0043】
難燃コーティング面13には、縞模様状にコーティングを施してもよく、貼着部19にも難燃コーティングが縞模様状に施されていて、貼着部19を引き剥がして難燃コーティング面に貼って用いるようにしてもよい。このとき、縞模様状の難燃コーティングが十字状をなして、難燃コーティング面13の全体を密閉された形状にする。なお、難燃コーティング面13には2枚の紙が重ね当てされ、難燃コーティングは、難燃コーティング面13の全体に施した場合と略同じ効果を奏しながら施される。
【0044】
紙を1枚重ね当てしただけでタバコの吸い殻の火種による火災の危険性が著しく減り、たとえ火種が内側面の一部を燃やすとしても、密閉された空間内において火種がさらに大きくなることはできないため、内部に残っている空気を燃焼させてから消える。
【0045】
難燃コーティング面の縞模様状のコーティング線の脇には押し処理を施すことにより、内部に押し処理が施された部分にも空気が存在できるようにして、タバコの吸い殻を入れた際に貼着部19内において最終発火が一回起きるようにしてもよい。これは、内部の空気を完全に消費し尽くすようにして、火種による火災の脅威を減らすことになる。
【0046】
貼着部19のサイズは、難燃コーティング面13のサイズよりもわずかに大きくして、難燃コーティング面13の周りに塗布された粘着剤により貼着されるようにしてよい。
【0047】
本体11の下端の両方の終端は、内側にわずかに凹んだ形状に形成されて、開口部形成部15を形成するが、開口部形成部15は、タバコの吸い殻を入れるために本体11に形成された左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bとが貼り合わせられて最初の粘着が行われるが、難燃コーティング面13の上側には粘着剤が塗布されていて、左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bを貼着しながら巻くと、上端最初粘着部Cは一緒に巻かれながら、本体の上側は密封される。また、左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bの下端の位置は、難燃コーティング面13の下端の位置よりも高いため、本体の下端の両側に形成された開口部形成部15により下端部にはタバコの吸い殻を入れられる穴が形成されるようにし、開口部形成部15側にタバコの吸い殻を押し込むことになり、タバコの吸い殻を押し込んだ後には、開口部形成部15の部分を押圧すると、塗布された粘着剤により接着が行われ、かつ、密封が行われる。
【0048】
すなわち、本体11において縦方向に左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bを最初に粘着し、タバコの吸い殻を入れた後に開口部が形成された横方向を粘着すれば、密閉された円筒の封筒の形状になり、これは、タバコ一本のサイズよりもわずかに小さくなる。したがって、これを元のタバコの箱の中に保管することが可能になり、かつ、密封が行われるため、まだ吸われていないタバコに影響を及ぼさない。なお、タバコの箱の中の全てのタバコを吸い終わった後には、タバコの箱内にはタバコの吸い殻しか残らないため、タバコの箱を一括して捨てることにより、タバコの吸い殻もまた一括してきれいに処理することが可能になる。
【0049】
左側最初粘着部Aと右側最初粘着部Bは粘着されれば、タバコの吸い殻の個装紙を掴むための取っ手としても使用可能であり、粘着剤塗布面12の他の部位もまた取っ手として使用可能である。
【0050】
本体11の最下端には、粘着剤が塗布されていない紙葉分離部16が配設されるが、これは、タバコの箱や財布などに貼り付けられている状態で一枚ずつ引き剥がし易くするためである。粘着部分の内側は難燃コーティングと密閉コーティングにより密閉されるため、タバコの吸い殻によるやけどの危険性もまた減る。
【0051】
貼着部19が形成される場合、紙葉分離部16の上端に形成されるように示されているが、貼着部19は本体のいかなる側にも形成されることが可能である。
【0052】
図2は、本体11の外面を示す。本体の外面には、感熱インキを塗布した感熱インキ塗布部17が形成されてもよいが、感熱インキは、万が一でも未だ火種が消えていないタバコの吸い殻の部分が残っている場合、高い温度によりやけどを負わないように警告する役割を果たすことになる。感熱インキとしては、色々な温度に応じて様々な色に変わるものを用いることができるが、本発明に係る実施形態においては、45℃以上において変色される感熱インキを用いることにより、火種の部分の危険性を警告する。変色温度は、用いられる感熱インキや警告の基準となる温度に応じて異なる。
【0053】
図2においては、仕上げつば14の部分に縦方向に本体とは異なる材質または色のつばを形成することにより、縦方向に巻くことを自然に誘導する。図2に示すように、異なるように処理されたつばが形成された場合、仕上げつば14の内面側の部分にも粘着剤が塗布されているため、つばの部分をもう一回さらに巻き付けることが可能になり、完全な円筒状に包装できるように補助する。
【0054】
本体11のサイズは、タバコの箱に貼り付け(粘着剤塗布面に面する貼り付け)が可能でありながらも、あまり吸われていないままで燃え残ったタバコの吸い殻も十分に収容可能である。但し、タバコの吸い殻の火種は、終端の部分に納めるように誘導するため、感熱インキ塗布部17は上端側に形成している。図2に提示されているサイズは単なる一実施形態に過ぎず、各種のタバコに用いられるタバコの箱のサイズに合わせて様々なサイズに作製することが可能である。
【0055】
図3は、本発明に係るタバコの吸い殻の個装紙の使用例を示す。図3において、タバコの吸い殻のサイズがやや大きめに示されているが、タバコの吸い殻を即座で作った封筒の内側に入れ、上側を密封すれば、空気が遮断されながら内部にあるタバコの吸い殻の火種は消え、難燃処理により外側からタバコの吸い殻を掴んでもやけどを負わなくなる。
【0056】
図4は、実際の使用のために押し処理(特定の形状や線に沿って予め圧力を加えて畳み込みやすくする作業)とトムソン作業(半月状に打ち抜かれる)を行った形態を示す。青色にて示された部分と、特に、i、j、k、lにより示された部分とが押し処理が施された部分であり、難燃コーティング面13の外部、仕上げつば14の境界面に押し処理が施されており、かつ、本体の中央の部分と側方にも押し処理が施されていて、中央の部分i、jは、封筒の形状にするために最初に折り畳む際に折り畳みやすくするためのものであり、側面の押し処理kは、サイズの小さなタバコの吸い殻の場合に大きく折り畳んで全体的なサイズを縮め易くするために下端の側面側に斜めに施している。i、jにおいて、トムソン作業は、押し処理が始まる部分に行って、さらに畳み込みやすくしている。
【0057】
また、本発明に係るタバコの吸い殻の個装紙は、2枚以上を突き合わせてさらに大きな形状の収納空間を作ってもよい。すなわち、以上において説明した実施形態は、一本のタバコの吸い殻を収納した後、再びタバコの箱に入れて保管していて、タバコの箱ごと捨てるためのものであるが、数人が集まって一緒にタバコを吸っていて、タバコの吸い殻のみを集めて即座でゴミ箱に廃棄することができる場合であれば、タバコの吸い殻の個装紙の2枚または2枚以上を貼り合わせることにより、多数本のタバコの吸い殻を入れることが可能になる。難燃コーティング面13の幅方向の長さは、タバコタバコの吸い殻の円周の長さよりも長く、難燃コーティング面13の縦方向の長さは、タバコの長さ分になるため、2枚のタバコの吸い殻の個装紙を貼り合わせるだけで、4本以上のタバコの吸い殻を入れて密封することが可能になり、密封された状態で捨てることもできれば、ゴミ箱が置かれている個所まで持ち歩いて捨てることもできる。
【0058】
特に、本発明は、密閉/難燃処理の施された表面を有する包装用紙を即座で封筒の形状に貼り合わせた後、タバコの吸い殻を収納して空気(酸素)により速やかにタバコの火種を消すことができるようにする。とりわけ、内面に難燃処理が施されたコーティング面がタバコの吸い殻を完全に包み込むようにして、タバコの火種による火災/やけどを防ぐ安全機能と匂いの遮断機能を有する。
【0059】
さらに、別途の携帯装置なしに、タバコの箱に貼って携行するための粘着(付箋紙)機能を有する。なお、タバコの箱内に再び収納できるコンパクトな包装であって、タバコの吸い殻の無断ポイ捨てを防ぐ機能を有する。
【0060】
その他に、これを喫煙者が便利に用いるための作業-案内式図案を有する。
【符号の説明】
【0061】
11 本体
12 粘着剤塗布面
13 難燃コーティング面
14 仕上げつば
15 開口部形成部
16 紙葉分離部
17 感熱インキ塗布部
18 密閉コーティング面
19 貼着部
A 左側最初粘着部
B 右側最初粘着部
C 上端最初粘着部
図1
図2
図3
図4