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特許7309938複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 3/46 20060101AFI20230710BHJP
   B60C 23/04 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
G01S3/46
B60C23/04 140E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022011336
(22)【出願日】2022-01-27
(65)【公開番号】P2022115843
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】110103219
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】507059369
【氏名又は名称】系統電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SYSGRATION LTD.
【住所又は居所原語表記】5F.-1,No.1,Sec.1,Tiding Blvd.,Neihu Dist.,Taipei City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】游智為
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-029209(JP,A)
【文献】国際公開第2016/208055(WO,A1)
【文献】特開2007-230416(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01059177(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第105774425(CN,A)
【文献】特開2014-031156(JP,A)
【文献】特開2004-139152(JP,A)
【文献】特開2008-275554(JP,A)
【文献】特開2009-043108(JP,A)
【文献】特開2014-231337(JP,A)
【文献】特開2008-074164(JP,A)
【文献】特開2014-015123(JP,A)
【文献】特開2013-256157(JP,A)
【文献】特開2014-019360(JP,A)
【文献】特開2008-149831(JP,A)
【文献】特開2007-015491(JP,A)
【文献】特開2014-097719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 3/00- 3/74
G01S 5/00- 5/14
G01S 7/00- 7/42
G01S13/00-13/95
B60C23/00-23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法であって、複数のタイヤ空気圧検出器、受信器、CPUを有し、
前記複数のタイヤ空気圧検出器は、車両の複数のタイヤに取り付け、各タイヤ上には、少なくとも1個のタイヤ空気圧検出器を取り付け、また各タイヤ空気圧検出器はさらに、信号発射ユニットを内蔵し、
前記受信器は、2個のアンテナ及び内蔵の受信制御ユニットを有し、前記2個のアンテナ間は、一定の間隔距離を開けて設置され、各タイヤ空気圧検出器は、各信号発射ユニットにより前記2個のアンテナへと信号を発送し受信し、また各タイヤ空気圧検出器が発送した信号と各アンテナの間には、第一位相角及び第二位相角をそれぞれ形成し、前記受信制御ユニットは、各第一位相角及び各第二位相角を受信し、内蔵された演算ユニットの演算後、パラメーター値が異なる複数の位相差を取得し、前記受信制御ユニットは、各位相差のパラメーター値により各タイヤ空気圧検出器と受信器の間の相対角度を算出し、これにより左右、前後の各タイヤの位置を判断し、
前記CPUは、内蔵された信号受信ユニットを有し、前記信号受信ユニットは、受信器の演算ユニットが計算した後の情報を受信して表示し、
前記2個のアンテナの設置を利用し、各タイヤ空気圧検出器が発出する信号を受信後、第一位相角及び第二位相角を形成し、さらに、演算ユニットにより第一位相角及び第二位相角の間の位相差を計算し、こうして複数個の位相差パラメーター値を形成し、前記受信制御ユニットは、複数個の位相差パラメーター値により、各タイヤの左右、前後位置を正確に判断し、測位を完成し、
前記演算ユニット内における第一位相角、第二位相角の間の位相差の計算式は
θはタイヤ空気圧検出器と受信器の間の相対角度で、ψは前記2個のアンテナ受信の位相角度差で、λは各タイヤ空気圧検出器が各アンテナに発送する無線信号波長で、dは前記2個のアンテナの間の距離である
ことを特徴とする、
複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法。
【請求項2】
前記受信器はさらに、内蔵のRFトランシーバーユニットを有し、
前記RFトランシーバーユニットは、各タイヤ空気圧検出器の信号を受信し、前記演算ユニットが計算後の位相差パラメーター値を前記CPUへと発送する
ことを特徴とする、
請求項1に記載の複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法。
【請求項3】
前記各タイヤ空気圧検出器はさらに、処理ユニット、圧力検知ユニット、温度検知ユニット、加速度検知ユニットをそれぞれ内蔵し、
前記圧力検知ユニットは、タイヤ内の残余圧力を検知し、前記温度検知ユニットは、タイヤ内の温度を検知し、前記加速度検知ユニットは、タイヤ回転時の回転速度を検知し、前記の検知後、前記処理ユニットに集計し統合を行い、前記処理ユニットは統合完成後に、前記信号発射ユニットにより前記受信器へと発送する
ことを特徴とする、
請求項1に記載の複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法。
【請求項4】
前記各タイヤ空気圧検出器はさらに、処理ユニット、圧力検知ユニット、温度検知ユニット、加速度検知ユニットを内蔵し、
前記圧力検知ユニットは、タイヤ内の残余圧力を検知し、前記温度検知ユニットは、タイヤ内の温度を検知し、前記加速度検知ユニットは、タイヤ回転時の回転速度を検知し、前記の検知後、前記処理ユニットに集計し統合を行い、前記処理ユニットは統合完成後に、前記信号発射ユニットにより前記受信器へと発送する
ことを特徴とする、
請求項2に記載の複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法。
【請求項5】
前記アンテナの設置数は2個以上で、アンテナを複数設置し、その配列方法は線形配列、マトリックス配列或いは円形配列とすることができる
ことを特徴とする、
請求項1に記載の複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法。
【請求項6】
前記各タイヤ空気圧検出器において、各タイヤの未回転時を初期位置と定義し、各タイヤ空気圧検出器が初期位置時に受信器へと発射した信号により各タイヤの左右位置を測位でき、
前記各タイヤ空気圧検出器は、各タイヤの回転時に、受信器に相対して、それぞれ極めて近い位置、極めて遠い位置を定義し、各タイヤ空気圧検出器が前記極めて近い位置、前記極めて遠い位置にある時に受信器へと発射する信号により、各タイヤの前後位置を測位でき、
前記各タイヤ空気圧検出器は、間断なく持続的に信号を受信器に発送し、前記受信器に内蔵の演算ユニットは持続的に計算する
ことを特徴とする、
請求項5に記載の複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法に関し、特に自動車領域に応用する技術で、各タイヤ上に取り付ける各タイヤ空気圧検出器と各アンテナ間の位相角の違いを利用し相対角度を計算し、こうして各タイヤの前後、左右位置を正確かつ明確に識別し、各タイヤの測位が適正であるかどうかを判断する極めて実用性に優れた発明である複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通安全は非常に重視され、しかも強く求められている。
歩行者であろうと運転者であろうと、遵守しなければならない交通規則はたくさんあるが、中でも、ここ数年規定されたものとして、「タイヤ空気圧検知補助システム」の設置がある。
新たに発売される乗用車及び小型トラックには、必ず「タイヤ空気圧検知補助システム」を設置する必要があり、これにより歩行者の全体的な安全性を高める他、車両高速走行の安定性を確保することもできる。
【0003】
そのため、自動車メーカーは生産、組み立ての過程で、タイヤにタイヤ空気圧検出器を取り付ける。
こうして、自動車の走行時に、タイヤ空気圧検出器を利用し、タイヤの圧力、温度、電池残量などのタイヤ情報を検出し、運転者に知らせることができる。
一方、タイヤ空気圧検出器の取り付けには、いくつもの作業プロセスを経ての調整、設定、タイヤとの測位対応が必要で、こうして初めて自動車走行時にタイヤに対して検知を行うことができるのである。
タイヤ空気圧検出器の測位設定で常用される方法には、以下の二種がある
【0004】
1.手動入力:診断線(OBD II)インターフェースを通して本体に入力し、本体を手に持つ方法で、タイヤを一つ一つ順番に読み取り、しかもその時入力したタイヤの、自動車に相対した位置を人為的かつ詳細に判断しなければならず、非常に不便である。
2.自動測位:タイヤ内部式とタイヤ外部式の二種のタイヤ空気圧検出器に分けられる。その内、タイヤ内部式タイヤ空気圧検出器は、取り付け方向が固定で、受信器は検出器上のXとZ軸加速度計により数値を読み取られ、演算法を通して演算されタイヤ位置を算出する。この方法はA.WAL(Wireless Auto Location)とB.PAL(Phase Auto Location)の二種にさらに細分される。WALは、X-Axis回転方向により左右輪を判断し、次に信号強弱を通して前後輪を判断して測位する。PALは、ABSによりタイヤの回転角度を取得し、次にRF発射時間と対比して、回転時リムの位相角度差を取得し、これによりタイヤ位置を計算する。
【0005】
上述の二種の方法では、タイヤ空気圧検出器の取り付け時に、タイヤ空気圧検出器のX軸は走行方向に平行でなければならず、Z軸は走行方向に垂直でなければならず、そうでなければ正確に加速度を計算することはできない。
しかし、タイヤ外部式のタイヤ空気圧検出器では、エアノズル角度がまちまちで、しかも回転組み立て後の角度も一定でないため、検出器そのもののX、Z軸検知データには、PAL方法測位を使用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記先行技術では、タイヤ空気圧検出器をたとえ自動車に組み付けたとしても、正確に測位できないなら、自動車走行時に、各タイヤに対するタイヤ空気圧検知システムの検知は、エラーが続く中で行われ、自動車の走行時に極めて高い危険性が存在するという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はより迅速、より正確な方法で各タイヤ上のタイヤ空気圧検出器の測位設定を行うことで、従来の技術に存在する欠点及び問題を改善できる複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法に関する。
【0008】
本発明による複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法は、複数のタイヤ空気圧検出器、受信器、CPUを有する。
該複数のタイヤ空気圧検出器は、車両の複数のタイヤに取り付け、各タイヤ上には、少なくとも1個のタイヤ空気圧検出器を取り付け、また各タイヤ空気圧検出器はさらに、信号発射ユニットを内蔵する。
該受信器は、2個のアンテナ及び内蔵の受信制御ユニットを有し、該2個のアンテナの間は、同じ水平高度で、一定の間隔を開けて設置され、各タイヤ空気圧検出器は、各信号発射ユニットにより該2個のアンテナへと信号を発送し受信し、また各タイヤ空気圧検出器が発送した信号と各アンテナの間には、第一位相角及び第二位相角をそれぞれ形成し、該受信制御ユニットは、各第一位相角及び各第二位相角を受信し、内蔵された演算ユニットの演算後、パラメーター値が異なる複数の位相差を取得し、該受信制御ユニットは、各位相差のパラメーター値により各タイヤ空気圧検出器と受信器の間の相対角度を算出し、これにより左右、前後の各タイヤの位置を判断する。
該CPUは、内蔵された信号受信ユニットを有し、該信号受信ユニットは、受信器の演算ユニットが計算した後の情報を受信し表示する。
該2個のアンテナの設置を利用し、各タイヤ空気圧検出器が発出する信号を受信後、第一位相角及び第二位相角を形成し、さらに、演算ユニットにより第一位相角及び第二位相角の間の位相差を計算し、こうして複数個の位相差パラメーター値を形成し、該受信制御ユニットは、複数個の位相差パラメーター値により、各タイヤの左右、前後位置を正確に判断し、測位を完成する。
【0009】
本発明の長所は以下の通りである。
2個のアンテナの設置により、各タイヤ上に取り付けた各タイヤ空気圧検出器の第一位相角、第二位相角を取得し、演算ユニットの計算を利用し、異なるパラメーター値の位相差を取得し、異なるパラメーター値の位相差を通して、各タイヤ空気圧検出器と受信器の間の相対角度を算出し、各タイヤの所在位置を判断し、これにより最も迅速な方法で各タイヤの正確な測位を完成し、誤差を減らして、手動入力がもたらす問題を改善できる。
すなわち、本発明は高い実用性及び進歩性を備えた発明であり、産業界へと普及を進めるに値し、社会全体にとって大きな利益となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のブロックチャートである。
図2】本発明において左下タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器が初期位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
図3】本発明において左上タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器が初期位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
図4】本発明において右下タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器が初期位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
図5】本発明において右上タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器が初期位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
図6】本発明において左下タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器がタイヤの回転時に、極めて近い位置、極めて遠い位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
図7】本発明において左上タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器がタイヤの回転時に、極めて近い位置、極めて遠い位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
図8】本発明において右下タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器がタイヤの回転時に、極めて近い位置、極めて遠い位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
図9】本発明において右上タイヤに取り付けたタイヤ空気圧検出器がタイヤの回転時に、極めて近い位置、極めて遠い位置にある時のタイヤ空気圧検出器と各アンテナとの間の測位模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
本発明が達成可能な上述の目的及び効果を明確に説明するため、図と実施例を用いて本発明の特徴と効果詳細に説明する。
【0012】
図1図9に示す通り、本発明による複数のアンテナを備えるタイヤ空気圧検出器の自動測位方法は、複数のタイヤ空気圧検出器1、受信器2、CPU3を有する。
【0013】
複数のタイヤ空気圧検出器1は、車両の複数のタイヤ10に取り付け、各タイヤ10上には、少なくとも1個のタイヤ空気圧検出器1を取り付け、また各タイヤ空気圧検出器1はさらに、信号発射ユニット11を内蔵する。
【0014】
受信器2(図は、車両末端位置への受信器2取り付けを主要な技術説明とするが、受信器2の取り付け位置を制限するものではない)は、2個のアンテナ21及び内蔵の受信制御ユニット22を有する。
2個のアンテナ21は、同じ水平面上にあり、しかも同じ高さで、一定の間隔を開けて設置される。
各タイヤ空気圧検出器1は、各信号発射ユニット11により2個のアンテナ21へと信号を発送し受信し、また各タイヤ空気圧検出器1が発送した信号と各アンテナ21の間には、第一位相角θ1及び第二位相角θ2をそれぞれ形成する。
受信制御ユニット22は、各第一位相角θ1及び各第二位相角θ2を受信し、内蔵された演算ユニット23の演算後、パラメーター値が異なる複数の位相差を取得する。
受信制御ユニット22は、各位相差のパラメーター値により、左右、前後の各タイヤ10の位置を判断する。
【0015】
CPU3は、内蔵された信号受信ユニット31を有する。
信号受信ユニット31は、受信器2の演算ユニット23が計算した後の情報を受信し、表示する。
その内、2個のアンテナ21の設置を利用し、各タイヤ空気圧検出器1が発出する信号を受信後、第一位相角θ1及び第二位相角θ2を形成する。
さらに、演算ユニット23により第一位相角θ1及び第二位相角θ2の間の位相差を計算し、こうして複数個の位相差パラメーター値を形成し、受信制御ユニット22は、複数個の位相差パラメーター値により、各タイヤ10の左右、前後位置を正確に判断し、測位を完成する。
【0016】
以下では、図1~9を用い、単一のタイヤ10中において説明を行う。
図2~5に明らかなように、図中では4個のタイヤ10を有する。
各タイヤ10には、以下の説明の便のため、それぞれA(左下)、B(左上)、C(右下)、D(右上)と符号を付す。
各タイヤ10上には、タイヤ空気圧検出器1を設置し、前述の各タイヤ10の符号に従い、各タイヤ空気圧検出器1には、それに対応する符号A1、B1、C1、D1を付す。
先ず、本発明は、各タイヤ10に偏りが未発生の状態で測位方法の説明を行う。
【0017】
図2に示す通り、Aタイヤ10の未回転時には、A1タイヤ空気圧検出器1は、固定位置にあり、それを初期位置4と定義する。
A1タイヤ空気圧検出器1は、信号発射ユニット11を利用し、受信器2に信号を発送し、受信器2に設置する2個のアンテナ21(それぞれX、Yと符号を付す)は、信号を受信する。
この時、受信器2は、Xアンテナ21及びYアンテナ21の間の距離を開けた設置の方法により、A1タイヤ空気圧検出器1からXアンテナ21までの間の第一位相角θ1、A1タイヤ空気圧検出器1からYアンテナ21までの間の第二位相角θ2を得る。
この時、第一位相角θ1の角度は、第二位相角θ2の角度より小さく、また受信制御ユニット22は、第一位相角θ1、第二位相角θ2の角度値を得た後、受信器2に内蔵の演算ユニット23を利用して位相差計算を行う。
【0018】
この時得られたパラメーター値は、Aタイヤ10専属の数値データで、さらに演算ユニット23が計算後の位相差情報をCPU3に伝送する。
CPU3は、信号受信ユニット3により1受信後、信号の処理、転換を行い、こうしてAタイヤ10を正確に測位し、Aタイヤ10現下の状況を運転者に知らせる(図2中ではA、Cを主として信号伝送を図示し左、右タイヤを判断する。他のタイヤ10も同時に信号発送を行い、点線も同様に信号の伝送を示す。図3~5も同様である)。
【0019】
他のBタイヤ10、Cタイヤ10、Dタイヤ10の測位方法も前述の方法と同様である。
上述の測位方法では、主に各タイヤ10の車両に相対した左、右位置に対してで、各タイヤ10の前後位置に関してはなお正確に判断できていない。
各タイヤ10の前後位置を判断するためには、各タイヤ10が回転しなければ正確に測位することはできない。
図6に示す通り、A1タイヤ空気圧検出器1は、各タイヤ10の回転時には、受信器2に相対して、それぞれ極めて近い位置5、極めて遠い位置6を定義する
【0020】
A1タイヤ空気圧検出器1が、極めて近い位置5にある時、A1タイヤ空気圧検出器1は信号を発射し、受信器2のXアンテナ21及びYアンテナ21が受信する。
また、A1タイヤ空気圧検出器1が、極めて遠い位置6にある時、同様に信号を発射し、受信器2のXアンテナ21及びYアンテナ21が受信する。
Aタイヤ10がある一定の時間回転し、受信器2がある一定時間受信し、信号を累績した後、演算ユニット23の計算により、Aタイヤ10のもう一つの位相差パラメーター値を得る。
こうして、各タイヤ10の前後位置を測位できる。
さらに図7に示す通り、図6図7の間の第一位相角θ1及び第二位相角θ2の角度値は同じではないため、同じように左側の上、下タイヤ10の位置を非常に明確に判断できる。
【0021】
完成後に、Aタイヤ10の左、右位置を判断する際に生じる位相差パラメーター値を比較することで、Aタイヤ10のが、車両左側下方に取り付けられていることを正確に判断できる(図6中ではA、Bを主として信号伝送を図示し前、後タイヤを判断する。Aタイヤ10は、太い実線により極めて近い位置5を示し、細い実線により極めて遠い位置6を示す。他のタイヤ10も同時に信号発送を行い、点線も同様に信号の伝送を示す。図6図9も同様である)。
【0022】
他のBタイヤ10、Cタイヤ10、Dタイヤ10の測位方法も前述の方法と同様である。
こうして、各タイヤ空気圧検出器1が初期位置4で、或いは極めて近い位置5、極めて遠い位置6で2個のアンテナ21へと発射する信号を通して、演算ユニット23の一連の演算により得られた位相差パラメーターの違いにより、各タイヤ10の位置を正確かつ迅速に判断に測位することができる。
その内、θはタイヤ空気圧検出器1と受信器2の間の相対角度で、ψは位相差で、λは、各タイヤ空気圧検出器1が各アンテナ21に発送する波長で、dは2個のアンテナ21の間の距離である。
この計算式の演算により、各タイヤ空気圧検出器1が発射する信号の、2個のアンテナ21への間の位相角度差を正確に計算することができる。
これにより、受信制御ユニット22は、パラメーター値に基づき、各タイヤ10の位置を判断する。
【0023】
以下では、本発明の他の特徴について、説明する。
先ず図1に示す通り、本発明は、受信器2の信号発送において、内蔵のRFトランシーバーユニット24を採用する。
RFトランシーバーユニット24は、各タイヤ空気圧検出器1の信号を受信し、演算ユニット23が計算後の位相差パラメーター値をCPU3へと発送する。
また、本発明のCPU3は、ディスプレイスクリーンを有する電子設備で、よってCPU3により、運転者、設定者は、各タイヤ10測位後の結果、測位前の状況などの情報を見ることができる。
本発明のCPU3は、各タイヤ10の測位状態を表示できる他、各タイヤ10の細部状況を表示できる。
例えば、各タイヤ空気圧検出器1はさらに、それぞれ処理ユニット12、圧力検知ユニット13、温度検知ユニット14、加速度検知ユニット15を内蔵する。
圧力検知ユニット13は、タイヤ10内の残余圧力を検知し、温度検知ユニット14は、タイヤ10内の温度を検知し、加速度検知ユニット15は、タイヤ10回転時の回転速度を検知する。
前記の検知後、処理ユニット12に集計し統合を行い、処理ユニット12は統合完成後に、信号発射ユニット11により受信器2へと発送し、受信器2は各項情報を整理、転換後、CPU3に伝送する。
最後に、CPU3に表示し、現下の各タイヤ10の圧力、温度、加速度などの関連パラメーター値を運転者、設定者に知らせ、走行上の安全性を確保する(図1参照)。
【0024】
最後に特記する。
本発明においては、さらに正確な測位を提供するため、アンテナ21の設置数を増やすことができる。
設置されるアンテナ21が多ければ多いほど、ノイズの干渉によく抵抗でき、しかも複数のアンテナ21の配列は線形配列、マトリックス配列或いは円形配列(図示なし)とすることができる。
複数のアンテナ21の設置を通して、演算の正確性を高め、これにより各タイヤ10は測位においてより確実となる。
【0025】
前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は後述される特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0026】
10 タイヤ、
1 タイヤ空気圧検出器、
11 信号発射ユニット、
12 処理ユニット、
13 圧力検知ユニット、
14 温度検知ユニット、
15 加速度検知ユニット、
2 受信器、
21 アンテナ、
22 受信制御ユニット、
23 演算ユニット、
24 RFトランシーバーユニット、
θ1 第一位相角、
θ2 第二位相角、
3 CPU、
31 信号受信ユニット、
4 初期位置、
5 極めて近い位置、
6 極めて遠い位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9