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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】被検体を撮像するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20230710BHJP
   H05G 1/40 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/00 330Z
H05G1/40
A61B6/00 ZDM
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022073947
(22)【出願日】2022-04-28
(65)【公開番号】P2022183027
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】17/334,465
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ザビエル・マンカルディ
(72)【発明者】
【氏名】レミ・クロース
(72)【発明者】
【氏名】ファニー・パトロー
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-023769(JP,A)
【文献】特開2020-044328(JP,A)
【文献】特表2021-510317(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0123079(US,A1)
【文献】特開平08-322826(JP,A)
【文献】特開平07-072252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/14
H05G 1/00 - 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体にX線を透過させるように動作するX線源と、
前記被検体を通過した後の前記X線のX線エネルギを受け取るように動作する検出器と、
処理システムと
を備えた医用イメージング・システムであって、前記処理システムは、
前記X線源からの低エネルギX線強度を用いて前記被検体の事前撮影(プレショット)画像を形成し、
該事前撮影画像に基づいて前記被検体の主走査用の複数の取得パラメータを決定し、
検出器較正データに基づいて、対応する前記取得パラメータについての前記検出器の飽和時間を決定することであって、前記検出器は前記被検体の主走査の前に、事前に較正されており、前記検出器較正データは、事前に較正された検出器から得られる、前記検出器の飽和時間を決定すること、
該飽和時間に基づいて、目標線量に到達するのに必要とされる時間フレーム数を決定し、
該時間フレーム数に基づいて前記X線源を用いて前記被検体のX線投与線量レベルを適用して、
該適用されたX線投与線量レベルについて前記X線検出器での前記検出された前記X線エネルギに基づいて前記被検体の画像を形成する
ようにプログラムされている、医用イメージング・システム。
【請求項2】
前記処理システムは、前記事前撮影画像に基づいて前記被検体の減弱特性を決定することにより前記複数の取得パラメータを決定するようにプログラムされている、請求項1に記載の医用イメージング・システム。
【請求項3】
前記減弱特性は、前記被検体の最も厚い位置でのポリメチルメタクリレート等価厚みを含んでいる、請求項2に記載の医用イメージング・システム。
【請求項4】
前記較正データは、前記主走査に先立って予め決定されている、請求項1に記載の医用イメージング・システム。
【請求項5】
前記処理システムは、当該医用イメージング・システムの複数の構成設定において前記被検体を存在させずに前記検出器を照射して、前記対応する構成設定の各々についての前記飽和時間をルックアップ・テーブルに記録することにより較正データを決定するようにプログラムされている、請求項4に記載の医用イメージング・システム。
【請求項6】
前記複数の構成設定は、当該イメージング・システムのあらゆる可能な構成設定又は当該医用イメージング・システムの構成設定の総数未満の構成設定を含んでいる、請求項5に記載の医用イメージング・システム。
【請求項7】
前記複数の構成設定が当該医用イメージング・システムの構成設定の総数未満の構成設定を含んでいるときには、前記ルックアップ・テーブルでの残りの構成設定点が、前記検出器を照射するために用いられる構成設定からの補間に基づいて得られる、請求項6に記載の医用イメージング・システム。
【請求項8】
前記処理システムは、飽和走査合計露光量を対応するX線源電流で除算することにより前記構成設定の各々についての前記飽和時間を記録するようにプログラムされている、請求項5に記載の医用イメージング・システム。
【請求項9】
前記複数の取得パラメータは、X線源電流(mA)、X線源電圧(kV)、目標X線投与線量(mAs)、X線管陽極材料及びX線ビーム濾波に用いられる材料(フィルタ)を含んでいる、請求項1に記載の医用イメージング・システム。
【請求項10】
前記処理システムは、フレーム時間及び主走査X線時間に基づいて前記目標線量に到達するのに必要とされる前記時間フレーム数を決定するようにプログラムされている、請求項9に記載の医用イメージング・システム。
【請求項11】
前記処理システムは、前記飽和時間からバッファ時間を減算することにより前記フレーム時間を決定するようにプログラムされている、請求項10に記載の医用イメージング・システム。
【請求項12】
前記処理システムは、前記目標X線投与線量(mAs)を前記X線源電流(mA)で除算することにより前記主走査X線時間を決定するようにプログラムされている、請求項10に記載の医用イメージング・システム。
【請求項13】
被検体を撮像する方法であって、
被検体にX線を透過させるように動作するX線源を用意するステップと、
前記被検体を通過した後の前記X線のX線エネルギを受け取るように動作する検出器を用意するステップと、
前記X線源からの低エネルギX線強度を用いて被検体の事前撮影画像を形成するステップと、
該事前撮影画像に基づいて前記被検体の主走査用の複数の取得パラメータを決定するステップと、
検出器較正データに基づいて、対応する前記取得パラメータについての前記検出器の飽和時間を決定するステップであって、前記検出器は前記被検体の主走査の前に、事前に較正されており、前記検出器較正データは、事前に較正された検出器から得られる、ステップと、
該飽和時間に基づいて、目標線量に到達するのに必要とされる時間フレーム数を決定するステップと、
該時間フレーム数に基づいて前記X線源を用いて前記被検体のX線投与線量レベルを適用するステップと、
該適用されたX線投与線量レベルについて前記X線検出器での前記検出された前記X線エネルギに基づいて前記被検体の画像を形成するステップと
を備えた方法。
【請求項14】
前記事前撮影画像に基づいて前記被検体の減弱特性を決定することにより前記複数の取得パラメータを決定するステップを含んでいる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
医用イメージング・システムのあらゆる可能な構成設定において前記被検体を存在させずに前記検出器を照射して、前記構成設定の各々についての前記飽和時間をルックアップ・テーブルに記録することにより較正データを決定するステップを含んでいる請求項13に記載の方法。
【請求項16】
飽和走査合計露光量を対応するX線源電流で除算することにより前記構成設定の各々についての前記飽和時間を記録するステップを含んでいる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の取得パラメータは、X線源電流(mA)、X線源電圧(kV)、目標X線投与線量(mAs)、X線管陽極材料及びX線ビーム濾波に用いられる材料(フィルタ)を含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
フレーム時間及び主走査X線時間に基づいて前記目標線量に到達するのに必要とされる前記時間フレーム数を決定するステップをさらに含んでいる請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記飽和時間からバッファ時間を減算することにより前記フレーム時間を決定するステップを含んでいる請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記目標X線投与線量(mAs)を前記X線源電流(mA)で除算することにより前記主走査X線時間を決定するステップを含んでいる請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は一般的には、医療技術に関し、さらに具体的には、被検体を撮像するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非侵襲型撮像技術は、患者又は被検体の内部の構造又は特徴の画像を、当該患者又は被検体に侵襲的処置を施さずに得ることを可能にする。具体的には、かかる非侵襲型撮像技術は、目標容積を通過するX線の透過差又は音波の反射のような様々な物理的原理を頼りにデータを取得して、患者若しくは被検体の画像を構築し又は他の方法で患者若しくは被検体の観察される内部の特徴を表わす。
【0003】
例えば、計算機式断層写真法(CT)及び他のX線方式の撮像技術では、被検体に向けてX線を照射する。被検体は典型的には、医療診断応用では患者であり、保安スクリーニング応用では小包若しくは手荷物であり、又は産業用品質管理若しくは検査応用では製造部品である。放射線の部分が検出器に入射して、検出器において画像データが収集される。ディジタルX線システムでは、検出器は検出器表面の不連続なピクセル領域に入射した放射線の量又は強度を表わすディジタル信号を発生する。次いで、これらの信号を処理して、検討のために表示され得る画像を形成することができる。かかるシステムによって形成される画像においては、患者の体内の内部構造及び器官、小包若しくは容器の内部の物体、又は製造部品の内部の欠陥(例えば割れ)を識別して検査することが可能となり得る。容積測定(ボリュメトリック)イメージング・システム(計算機式断層写真法(CT)、トモシンセシス、又はCアーム型血管造影システム等)では、線源及び検出器の一方又は両方が被撮像容積の周りを変位するにつれて、一連の検出器素子を含む検出器アレイが様々な位置を通じて相似信号を発生し、限定された又は完全な角度範囲にわたりデータを取得することが可能になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
幾つかの例では、X線曝射時に被検体が撮像されているが減弱が相対的に殆ど存在しない場合(例えば撮像されている被検体の寸法、配置、又は皮膚線若しくは組織境界でのような構造のため)に、より大きい減弱が存在する他の面積では飽和しないのにこの不十分な減弱の領域の検出器アレイの部分が飽和する可能性がある。すなわち、所与の一個又は一組のピクセルにおいて蓄積した電荷が限界に達して、さらに曝射を行なっても当該ピクセルにおいて測定される電荷に、対応する増加が生じなくなる場合がある。飽和は、情報の欠落を招き、またX線曝射レベルを収容するのに不十分なダイナミック・レンジを有する検出器に特有のものであって、この例では組織の端辺又は皮膚線の近くのような関心のある被撮像領域において観察される最高の放射線レベルを収容し損なう。従って、改善されたX線イメージング・システム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の手法の一実施形態によれば、医用イメージング・システムが提供される。この医用イメージング・システムは、被検体にX線を透過させるX線源と、被検体を通過した後のX線のX線エネルギを受け取る検出器とを含んでいる。この医用イメージング・システムはさらに、X線源からの低エネルギX線強度を用いて被検体の事前撮影(プレショット)画像を形成して、この事前撮影画像に基づいて被検体の主(メイン)走査用の複数の取得パラメータを決定するようにプログラムされている処理システムを含んでいる。この処理システムはまた、検出器較正データに基づいて、対応する取得パラメータについての検出器の飽和時間を決定して、この飽和時間に基づいて、目標線量に到達するのに必要とされる時間フレーム数を決定するように構成されている。さらに、この処理システムは、時間フレーム数に基づいてX線源を用いて被検体のX線投与線量レベルを適用して、適用されたX線投与線量レベルについてX線検出器での検出されたX線エネルギに基づいて被検体の画像を形成するようにプログラムされている。
【0006】
本システムのもう一つの実施形態では、被検体を撮像する方法が提供される。この方法は、被検体にX線を透過させるX線源を用意するステップと、被検体を通過した後のX線のX線エネルギを受け取るように動作する検出器を用意するステップとを含んでいる。この方法はさらに、X線源からの低エネルギX線強度を用いて被検体の事前撮影画像を形成するステップと、この事前撮影画像に基づいて被検体の主走査用の複数の取得パラメータを決定するステップとを含んでいる。この方法はまた、検出器較正データに基づいて、対応する取得パラメータについての検出器の飽和時間を決定するステップと、この飽和時間に基づいて、目標線量に到達するのに必要とされる時間フレーム数を決定するステップとを含んでいる。最後に、この方法は、時間フレーム数に基づいてX線源を用いて被検体のX線投与線量レベルを適用するステップと、適用されたX線投与線量レベルについてX線検出器での検出されたX線エネルギに基づいて被検体の画像を形成するステップとを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明のこれら及びその他の特徴、観点及び利点は、図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むとさらに十分に理解されよう。全図面を通して、類似の文字は類似の部品を表わす。
【0008】
図1】本開示の観点に従って画像を形成するのに用いられるイメージング・システムの図である。
図2】本開示の観点に従って撮像を受けている乳房の模式図であって、X線が検出器の相異なる点において相異なる程度まで減弱している場合の図である。
図3】単一フレーム読み取り動作において異なるピクセルについての電荷蓄積を示すグラフ図である。
図4】単一フレーム取得から形成される画像に存在する皮膚線アーティファクトを示す画像の図である。
図5】本開示の観点に従って多重フレーム読み出し動作での曝射事象及び読み出し事象、並びに対応する画像を示す図である。
図6】本開示の観点に従って多重フレーム読み出し動作での異なるピクセルについての電荷蓄積を示すグラフ図である。
図7】本発明の手法の実施形態に従って被検体を撮像する方法を示す流れ図である。
図8図1のイメージング・システムの部分を示す模式図である。
図9図8の時間フレーム計算の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、1又は複数の特定の実施形態について記載する。これらの実施形態の簡潔な記載を掲げる試みにおいて、実際の具現化形態の全ての特徴が明細書に盛り込まれている訳ではない。このようなあらゆる実際の具現化形態の開発時には、どの工学的プロジェクト又は設計プロジェクトとも同じく、開発者特有の目標を達成するために、具現化形態毎に異なり得るシステム関連の制約事項及び業務関連の制約事項の遵守等のように、具現化形態特有の多くの決定を下さねばならないことを認められたい。また、かかる開発努力は複雑で時間が掛かるかもしれないが、それでも本開示の利益を得る当業者にとっては設計、製造、及び製品化の定型業務であることを認められたい。
【0010】
本発明の様々な実施形態の要素について述べるに当たり、単数不定冠詞、定冠詞、「該」及び「前記」等の用語は、当該要素の1又は複数が存在することを意味するものとする。また「備えている(comprising)」、「含んでいる(including)」及び「有している(having)」の各用語は包括的であるものとし、所載の要素以外に付加的な要素が存在し得ることを意味する。さらに、以下の議論でのあらゆる数値例は非限定的であるものとし、従って付加的な数値、範囲、及び百分率が、開示される実施形態の範囲内にある。さらに、「回路(サーキット及びサーキットリ)」、並びに「制御器(コントローラ)」との用語は、単一の構成要素又は複数の構成要素のいずれを含んでいてもよく、これらの構成要素は能動型及び/又は受動型のいずれかであり、所載の作用を提供するために共に接続され又は他の方法で結合されている。
【0011】
本発明のアプローチは、X線イメージング・システムに用いられる自動露光制御(AEC)に関する。低露光画像(事前撮影(プレショット)画像とも呼ぶ)に基づいて、AECは所要の画質に到達するのに必要とされる主取得のための取得パラメータを算出する。例えば、一実施形態では、事前撮影は、患者の画像を得るために用いられまた医療診断を下すのに用いられる後続のX線量よりも低いX線量を介して取得される低分解能二次元(「2D」)画像であってよい。事前撮影画像はまた、主取得のためのX線時間を予測するのにも用いられる。取得パラメータ、予測されるX線時間、及びX線検出器飽和モデルに基づいて、検出器を飽和させずに目標X線量に到達するのに必要とされる時間フレーム数である付加的なパラメータが決定される。取得された時間フレームを付加することにより、結果として被検体の非飽和画像が得られる。本書で用いる場合には、被検体は人間(又は患者)、動物、又はファントムである。
【0012】
以上を念頭に置いて述べると、本書で議論されるような画像再構成のためのX線減弱データを取得するのに適したX線方式のイメージング・システムの一例10が図1に掲げられている。幾つかの具現化形態では、イメージング・システム10は検出器パネル14のダイナミック・レンジを改善するように動作する。例えば、検出器14は、検出器アレイに能動型ピクセルを組み入れるように、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)材料及び手法を用いて作製され得る。本書で用いる場合には、かかる能動型ピクセルはそれぞれのピクセル回路自体の内部に増幅回路(例えば増幅器)を含むものであって(検出器アレイの下流で別個となっているものとは対照的に)、撮像セッション時の非破壊読み出しに適している。本書で用いる場合には、かかる非破壊読み出しは、所与の時刻に所与のピクセルに存在する電圧を測定することにより、当該ピクセルにおける電荷を推測する(すなわち読み取る)ことを可能にする。このように、この推測される電荷は、ピクセルにおける電荷をリセットしたり、破壊したり、他の方法で失ったりせずに(すなわちピクセル電荷をゼロにリセットせずに)決定される。本書での幾つかの例ではCMOS方式の検出器について議論するが、本発明のアプローチは、検出器の製造にCMOS構成要素を用いるか他の構成要素を用いるかを問わず、非破壊読み出し動作が可能な任意の検出器にさらに広く適用されることを認められたい。さらに、幾つかの具現化形態ではCMOS方式の検出器14は結晶シリコン(c-Si)又はアモルファス・シリコン(a-Si)を用いて作製される。
【0013】
図1に示す実施形態では、イメージング・システム10は、X線源12を検出器14と共に含んでいる。X線源12は、X線管、分散型X線源(固体若しくは熱電子型X線源等)、又は医用画像若しくは他の画像の取得に適した他の任意のX線放射線源であってよい。線源12によって発生されるX線16は、手順の際には患者18(又は物体若しくは他の被写体)が配置されている領域を通過する。
【0014】
図示の例では、X線の部分20が患者18(又は他の関心のある被検体)の内部及び周囲を通過して、検出器14として全体的に表わされている検出器アレイに入射する。本書で議論されるように、検出器14の検出器素子(すなわちピクセル)は、入射したX線20の強度を表わす電気信号を発生する。これらの信号を、本書で議論されるように取得して処理し、患者18又は関心のある被写体の内部の特徴の画像を再構成する。
【0015】
本実施形態によれば、投影データが取得されている検査手順の際には、線源12又は検出器14の一方又は両方が1若しくは複数の軸に沿って又は1若しくは複数の軸を中心として患者又は被写体に対して移動する(例えば回転する及び/又は線形に並進する)ことができる。例えば、線源12及び/又は検出器14は、被撮像容積に関して多様な異なる半径方向ビューでの投影データの取得を容易にするように、1又は複数の回転軸を中心として移動することができる。かかる撮像装置の運動は、下方に位置する患者支持体(例えばテーブル)の運動によって補われて、撮像装置と患者との相対的な位置及び運動に関して複雑な撮像軌跡を経時的に達成することができる。一実施形態では、撮像装置の構成要素の並進及び回転は、所定のプロトコルに従って決定され又は調整され得る。
【0016】
撮像装置の構成要素の移動は、1又は複数の線形/回転サブシステム46によって開始され且つ/又は制御され得る。線形/回転サブシステム46は、後にさらに詳細に議論されるように、撮像装置の構成要素の回転運動及び/又は並進運動を可能にする支持構造、モータ、歯車、及び軸受等を含み得る。一実施形態では、線形/回転サブシステム46は、線源及び検出器12、14を支持する構造的装置(例えば少なくとも二つの軸を中心とした回転運動を行なうCアーム装置、及びガントリ等)を含み得る。
【0017】
利用時に撮像構成要素の動作を支援する他のシステム及びサブシステムが存在していてもよい。例として述べると、適当なシステム10は、撮像構成要素を調整し制御するシステム制御器48を含み得る。かかるシステム制御器は、線源12の動作を制御するX線制御器50、可動サブシステムの運動を制御するモータ制御器52、及び検出器14の信号読み出しを扱うデータ取得システム(DAS)54の1又は複数を含み得る。実際には、システム制御器48は、本書に記載される動作を行なうために1又は複数のプロセッサによって実行可能な命令をまとめて記憶した有形で非一過性の機械可読の媒体を含む又はかかる媒体と連絡する1又は複数の処理装置を組み入れていてよい。
【0018】
図示のように、X線制御器50、モータ制御器52、及びデータ取得システム54は、処理構成要素56によって実行されたときに本書に記載される画像取得及び再構成手法を行なう命令を記憶した1又は複数のメモリ装置58と協働するように各々特に構成されている1又は複数の処理構成要素56を共有してもよい。さらに、処理構成要素56及びメモリ構成要素58は、様々な画像再構成工程を行なうために連係して動作することができる。システム制御器48及び該制御器48が含む様々な回路、並びに処理構成要素及びメモリ構成要素56、58は、操作者によって操作者ワークステーション60を介してアクセスされ又は他の方法で制御され得る。操作者ワークステーション60は、画像、及び患者データ等を印刷するためのプリンタ62に連絡結合されていてよい。操作者ワークステーション60はまた、操作者が様々なパラメータを実時間で観察すること、及び取得されたデータによって形成される画像を観察すること等を可能にする表示器64と連絡していてもよい。操作者ワークステーション60はまた、幾つかの実施形態では、画像保管通信システム(PACS)66に連絡結合されて、画像を他の施設、例えば遠隔クライアント68と共有することを可能にしてもよい。
【0019】
本書で議論されるように、検出器14を含み得るイメージング・システム10は、幾つかの撮像コンテキストにおいて生ずる様々なダイナミック・レンジの問題に対処した撮像工程において用いられ得る。例えば、幾つかの状況では、検出器14の1又は複数のピクセルが曝射事象の間に飽和するかもしれない。図2及び図3に移ると、マンモグラフィ走査のコンテキストでのかかる飽和事象の一例が掲げられている。この例では、単一時間フレーム取得(すなわち検出器14の単一回の読み取り事象が行なわれる走査)が図示されている。
【0020】
図2に模式的に示すように、撮像される乳房92は、乳房92の部分96が一様な厚みになるように圧迫板94と検出器14との間で圧迫される。しかしながら、乳房92の部分98は、存在する組織量のためより薄く、典型的には非一様な厚みに圧迫される。第三の撮像領域100には介在する乳房組織は存在せず、走査時には無減弱のX線で照射される。
【0021】
図示の例では3個のピクセル90が模式的に示されており、各々のピクセル90が、相異なるX線露光特性を有するそれぞれの領域96、98、又は100に対応している。例えば、厚い乳房組織領域96の下方に位置するピクセル90cは、最も減弱したX線を受光し、図3の電荷蓄積線110及び飽和閾値108によって示すように、露光時間(x軸)にわたり飽和する可能性は低い。反対に、ピクセル90aは乳房組織92の境界の外部に位置し、無減弱のX線に全面的に露光される。結果として、ピクセル90aは、組織の下方のピクセルよりも遥かに早く飽和する。最後に、ピクセル90bは皮膚線の近傍(すなわち組織境界)に位置しているように模式的に示されており、ピクセル90bに入射する放射線はピクセル90cに入射する放射線に比較すると部分的に減弱する。すなわち、ピクセル90bに入射するX線は、組織の幾分かを通過するため無減弱ではないが、図2の電荷蓄積線114によって示すように、単一時間フレームでの読み取り(読み出し132として破線で示す)に関連する走査間隔では、ピクセル90bは走査が完了してピクセル90bが読み出される前に飽和する。結果として、被撮像組織の境界(すなわち皮膚線)において有用な情報が失われる。検出器14のダイナミック・レンジに関するこの制限(すなわち関心のある組織領域における飽和)のせいで、図4に見られるように、断絶120のような皮膚線におけるアーティファクト及び/又は組織画像の辺縁の他のザラつきが生じ得る。
【0022】
組織が非一様な厚みを有するような領域、及び撮像されているさらに厚い組織領域に見られるよりも減弱が小さいような領域についての飽和の問題に対処する一アプローチを図5及び図6に関して記載する。このアプローチでは、単一回の走査曝射の過程で多重の破壊(すなわち電荷消尽性)読み出し動作を行なう。このことを図5にグラフで示しており、ここでは曝射事象130が時間tにわたって生じている。曝射130の過程で多重の破壊読み出し動作132(多重時間フレームとも呼ぶ)が行なわれており、読み出し事象は全般に、一様な厚みが達成され得ないような組織領域(例えば画像の内部の組織境界の近く等)の下方に位置する検出器パネルの面積におけるピクセルの飽和を回避するようなタイミングになっている。各々の読み出し動作132又は時間フレームが、別個の画像136として再構成され得るような減弱データを生成する。多重画像136の幾つか又は全てを結合し又は総和を取って、皮膚線アーティファクトが減少した最終画像140を形成することができる。代替的には、図5に示すように、多重画像の幾つか又は全てを推定処理144に用いてもよく、この処理では様々な画像パラメータ(例えば皮膚線境界、電子ノイズ、信号対ノイズ、最適化されたピクセル強度)を推定して用いて、最終画像又は診断画像を形成する。例えば、一具現化形態では、皮膚線境界(破線142)を推定することができ、最終画像は境界領域でのデータ損失を最小限にするように強度データを境界まで埋め込んだピクセルを含むことができる。
【0023】
図6に移ると、図3のグラフ図と同様であり図2に示すピクセル構成に基づく上述のような多重フレームの実施形態についてのピクセル電荷蓄積のグラフ図が示されている。この例では、厚い乳房組織領域96の下方に位置するピクセル90cが最も減弱したX線を受光しており、電荷蓄積線110及びセンサ飽和閾値150によって示すように読み出し事象132と読み出し事象132との間で飽和することはない。ピクセル90aは乳房組織92の境界の外部に位置し、無減弱のX線に全面的に露光される。結果として、ピクセル90aは、この多重フレームのシナリオであっても組織の下方のピクセルよりも遥かに早く飽和する。ピクセル90bは、皮膚線の近傍(すなわち組織境界)に位置しているように模式的に示されており、ピクセル90bに入射する放射線はピクセル90cに入射する放射線に比較すると部分的に減弱される。図6の電荷蓄積線114によって示すように、多重読み出し事象132に関連する走査間隔では、ピクセル90bは飽和に近づくが、飽和に到達しても、読み出されて電荷がクリアされるまでこの経過状態で実質的な時間を費やす訳ではない。結果として、被撮像組織の境界(すなわち皮膚線)であっても、或いは一様に圧迫された領域よりも組織厚みが小さい領域であっても、減弱情報は全般に失われない。
【0024】
認められるように、図示の例は理想化されており、実際には、電荷蓄積線114は、ピクセル90bが飽和閾値150に到達する前に読み出し事象が生ずることを反映する場合もあれば、或いはこれらのピクセル90bについての読み出しの前に幾分かの最小時間量が飽和状態で費やされ得ることを反映する場合もある。しかしながら、皮膚線での減弱データが全般に保持されるため、多重画像136から最終画像140を構築するのに用いられる総和工程又は推定工程は、全般に拡張された又は拡大された検出器14のダイナミック・レンジを反映することができる。
【0025】
本発明の手法の実施形態によれば、患者の主走査に必要とされる適当な取得パラメータを生成するために、自動露光制御(AEC)アルゴリズムが用いられる。尚、ここでの主走査事象は、患者の疾患の診断を下すための基礎となる患者の画像取得を指すことを特記しておく。AECアルゴリズムは、画像当たりのX線曝射を制御し、検出器14の飽和の回避を助けるものであって、図1のX線制御器50において実装され得る。一般的には、AECアルゴリズムの好適実施形態は、検出器14からの事前撮影(プレショット)画像を利用する。事前撮影画像は、患者の画像を得る主X線曝射の前に生ずる少量のX線投与から得られる。次いで、事前撮影画像から複数の取得パラメータが決定される。複数の取得パラメータは、X線管電流、X線管電圧、及び目標X線量等を含んでいる。付加的なパラメータである検出器の飽和時間が、較正方法を用いて決定される。これら複数の取得パラメータ及び検出器の飽和時間に基づいて、検出器を飽和させずに目標線量に到達するのに必要とされる時間フレーム数又は走査事象数が決定される。
【0026】
図7は、本発明の手法の実施形態に従って被検体を撮像する方法の流れ図200を示す。この方法は、ステップ202において被検体の事前撮影画像を取得することを含んでいる。前述のように、事前撮影画像は、診断のために得られる被検体の画像を生ずる被検体の主X線曝射の前に、少量のX線投与から得られる。ステップ204では、この方法は、事前撮影画像に基づいて複数の取得パラメータを決定することを含んでいる。これら複数の取得パラメータは特に、X線管電流、X線管電圧、及び検出器の目標X線量を含んでいる。
【0027】
一実施形態では、取得パラメータを決定するステップは、事前撮影画像を取得している間に決定される構成設定を基礎とすることができ、これらの構成設定は、X線源の陽極材料、X線源のピーク・キロボルト(「kVp」)、X線源のパルス当たりのミリアンペア(「mA」)の一つ等である。尚、mAはすなわち1パルスの間に線源の線管/発生器を流れる電流の積分であって、ミリアンペア秒(「mAs」)単位としてもよい。理解されるように、各実施形態において、取得パラメータは1又は複数のモデルを介した構成設定から導かれてもよく、例えば陽極材料、フィルタ選択、kVp、パルス当たり及び/又は時間当たりmAsについての値を格納したルックアップ・テーブルから導かれてもよい。
【0028】
ステップ205では、これら複数の取得パラメータに対応する検出器についての飽和時間が検出器較正データに基づいて決定される。尚、検出器較正データは、被検体の主走査に先立って事前に較正された検出器によって得られることを特記しておく。一般的には、X線システムには複数の設定値が存在する。すなわち、X線管電圧(kV)、X線管陽極材料(軌道)、及びX線ビーム濾波に用いられる材料(フィルタ)、X線源電流(mA)、目標X線投与線量(mAs)等である。検出器を較正するために、裸の検出器14(すなわち走査される被検体が存在しない状態)をX線システム10のあらゆる可能な構成設定においてX線源12によって照射する。これらの構成設定及び対応するX線管電流の各々について、検出器が飽和する時間が決定される。一実施形態では、飽和時間は、飽和走査合計露光量を飽和走査管電流で除算することにより決定され得る。このように、X線システム10の様々な構成設定についての飽和時間をルックアップ・テーブルに格納しておき、被検体の主走査時にはルックアップ・テーブルが複数の取得パラメータに対応する飽和時間を与える。
【0029】
複数の取得パラメータ及び飽和時間に基づいて、ステップ206において、検出器を飽和させずに目標線量に到達するのに必要とされる時間フレーム数又は走査事象数が決定される。ステップ208において、この方法は、時間フレーム数に基づいて被検体のX線投与線量レベルを適用することを含んでいる。X線投与線量レベルは、時間フレーム数を与えるX線制御器命令に基づいてX線源12によって適用される。最後に、ステップ210において、適用されたX線投与線量レベルについて検出されたX線エネルギに基づいて、被検体の画像が形成される。
【0030】
図8は、図1のイメージング・システム10の部分の模式図300を示す。一実施形態では、部分300は、図1のX線制御器50の一部である。X線制御器50は、較正モジュール302とAEC取得モジュール304とを含んでいる。本書で用いる場合には、「モジュール」との用語は、本書に記載される工程を行ない若しくは容易にするソフトウェア、ハードウェア若しくはファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせ、又は任意のシステム、工程若しくは作用を指す。
【0031】
一般的には、前述のように、X線システムには、X線管電圧(kV)、X線管陽極材料(軌道)、及びX線ビーム濾波に用いられる材料(フィルタ)という少なくとも3個の設定が存在し、これらの設定を変化させて、厚み及び密度(例えば乳房厚み及び密度)に応じた被検体のX線投与線量を適用する。一実施形態では、較正モジュール302は、裸の検出器14(すなわち走査される被検体が存在しない状態)をこれら3個の設定のあらゆる可能な構成においてX線源12によって照射する。もう一つの実施形態では、あらゆる可能な構成において裸の検出器を照射するのではなく、数個の構成点のみを考察して、これらの測定点のみからの補間を考察する。これら全ての構成点のAECスペクトル304が入力として較正モジュール302に与えられる。
【0032】
較正モジュール302は、構成設定(kV、軌道、フィルタ)の各々について検出器14の飽和時間308を決定する。一実施形態では、飽和時間308を決定するために、較正モジュール302は先ず、検出器が所与の構成設定について飽和するときのX線露光量である飽和走査合計露光量(mAs)310を測定する。この後に、較正モジュール302は、印加された飽和走査管電流(mA)312を測定し、次いで、管電流mA及び飽和走査合計露光量に基づいて飽和時間308が決定される。一実施形態では、飽和時間308は、飽和走査合計露光量を飽和走査管電流で除算する(すなわちmAs/mA)ことにより決定され得る。このように、X線システム10の様々な構成設定についての飽和時間が、較正モジュール302によってルックアップ・テーブルに格納される。
【0033】
AECモジュール304は先ず、被検体の減弱特性を測定するのに用いられる事前撮影画像又は事前曝射画像314を取得する。幾つかの実施形態では、減弱特性は、被検体の最も厚い位置でのポリメチルメタクリレート等価厚みである。事前撮影画像は、X線源からの被検体の低エネルギX線強度曝射に基づいて形成される。尚、ここでの低エネルギX線強度は、被検体の主走査に用いられるX線強度に比較して低い値を有するX線強度を指すことを特記しておく。当業者には認められるように、この低露光走査の結果に基づいて、どれくらいのX線が被検体によって減弱されているか(すなわち減弱特性)を決定することが可能である。一旦、減弱特性が決定されたら、次いで、この被検体の減弱特性に基づいて、主走査のスペクトル値316、管電流318及び合計露光量320を決定することができる。スペクトル値316は、主走査の構成設定(kV、軌道、フィルタ)を含んでいる。次いで、AECモジュール304は、構成設定306を較正モジュール302に与え、較正モジュール302は、構成設定306に対応する飽和時間308をルックアップ・テーブルから決定する。
【0034】
さらに、主走査合計露光量(mAs)320及び主走査管電流(mA)318もまた、被検体の減弱特性から決定される。一実施形態では、主走査管電流318及び主走査合計露光量320に基づいて、主走査X線時間322が決定される。例えば、主走査X線時間322は、主走査合計露光量320の値を主走査管電流318の値で除算することにより決定され得る。AECモジュール304はさらに、主走査構成のものと同じ構成に対応する飽和時間308からバッファ時間326を減算することにより時間フレーム324を決定する。バッファ時間326は、主X線取得からの全信号を積算するための幾分かの余分な余裕時間を与えるのに用いられる。最後に、時間フレーム324及びX線時間322に基づいて、主走査取得に必要とされる時間フレーム数328が決定される。一実施形態では、時間フレーム数328は、X線時間322を時間フレーム324で除算することにより決定され得る。次いで、数328によって決定された複数の時間フレームを用いて、主走査を取得するためにX線源330を用いて被検体のX線投与線量レベルを適用し、疾患診断のための被検体の画像を形成する。
【0035】
図9は、図8の時間フレーム計算システムの一例の模式図400を示す。模式図400から分かるように、事前撮影画像402に基づいて、AEC取得モジュール422が、主走査管電流404を60mA、主走査合計露光量406を60mAsと決定する。さらに、これらの主走査管電流404及び主走査合計露光量406に基づいて、X線時間408が(60mAs/60mA=)1秒と決定される。また、事前撮影画像402に基づいて、主走査構成設定410が、X線管電圧=34kV、フィルタ=銀、及び軌道=ロジウムと決定される。これらの主走査構成設定410が較正モジュール412に与えられ、較正モジュール412は、所与のX線管電流414(60mA)について、検出器X線飽和露光量416が7.2mAsで生ずると決定する。このように、X線管電流414及びX線飽和露光量416に基づいて、飽和時間418が0.12秒と決定される。
【0036】
模式図400では、バッファ時間は0.02秒と設定されている。従って、AEC取得モジュール422は、時間フレーム424を(0.12s-0.02s=)0.1秒に等しく決定する。最後に、X線時間408(1秒)を時間フレーム424(0.1秒)で除算することにより、時間フレームの総数426が決定され、これは10個の時間フレームに等しい。次いで、これらの10個の時間フレームがX線源428に適用されて、被検体の診断用画像を形成する。
【0037】
この書面の記載は、最適な態様を含めて発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が発明を実施することを可能にするように実例を用いている。特許付与可能な発明の範囲は特許請求の範囲によって画定されており、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する均等構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0038】
10 イメージング・システム
12 X線源
14 検出器パネル
18 患者
16 X線
20 X線の部分
48 システム制御器
90a 境界の外部のピクセル
90b 皮膚線の近傍のピクセル
90c 厚い領域96の下方のピクセル
92 乳房
94 圧迫板
96 乳房の一様な厚みの部分
98 乳房のより薄い部分
100 第三の撮像領域(乳房の存在しない部分)
108 飽和閾値
110 電荷蓄積線(非飽和)
114 電荷蓄積線(飽和)
120 断絶
132 破壊読み出し動作
140 最終画像
142 皮膚線境界
200 被検体を撮像する方法の流れ図
300 イメージング・システムの部分
400 時間フレーム計算システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9