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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】歯科インプラント装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022525377
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-09
(86)【国際出願番号】 US2020058584
(87)【国際公開番号】W WO2021087478
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】62/929,103
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522021712
【氏名又は名称】ミレニアム ヘルスケア テクノロジーズ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM HEALTHCARE TECHNOLOGIES,INC.
【住所又は居所原語表記】10929 South Street,Ste 106-b,Cerritos,California,90703,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ,ロバート,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ,ドーン,エム.
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/105154(WO,A1)
【文献】特表2008-509755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0154172(US,A1)
【文献】特開2019-076490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期的結果の予測可能性および成功率を高めるべく、部位へのインプラントの埋入前および埋入後に前記部位と前記インプラントの両方を消毒および処理するためのレーザベースの歯科インプラント装置であって、
ハンドピースと、
前記ハンドピースから伸長するレーザファイバと、
前記レーザファイバの一部を包むカニューラと、
パルスレーザビーム発生器と、
ディスプレイと、
超音波プローブと
を備え、
前記超音波プローブは、超音波スケーリングにより前記部位の深さを決定するように機能し、
前記レーザファイバは、前記カニューラから伸長する自由長を有し、
前記自由長は、前記部位の前記深さに一致するように調節され、
前記パルスレーザビーム発生器から出力すべきパルスレーザビームの許容レーザパラメータのセットが、前記ディスプレイ上のユーザインターフェースに選択可能に表示され、
選択された前記許容レーザパラメータのセットに従うパルスレーザビームが、埋入前に、前記レーザファイバの前記自由長の先端から照射され、前記部位を照射し、
入前に、前記パルスレーザビームは、インプラント固定具の親水性インプラント表面を得るべく、前記インプラント固定具を照射するレーザビームであり、
埋入後に、前記パルスレーザビームは、インプラント部位を刺激するレーザビームである、
ことを特徴とする歯科インプラント装置。
【請求項2】
前記選択された許容レーザパラメータのセットは、埋入前に前記部位を止血するのに十分な照射時間を含む、請求項1に記載の歯科インプラント装置。
【請求項3】
前記選択された許容レーザパラメータのセットは、埋入前に前記部位を止血するのに繰り返す照射回数を含む、請求項1に記載の歯科インプラント装置。
【請求項4】
前記選択された許容レーザパラメータのセットは、埋入前に前記部位の活性化成長因子を活性化し、遺伝子発現をアップレギュレートし、炎症性サイトカインおよびプロスタグランジンの産生を抑制するのに十分な照射時間を含む、請求項1に記載の歯科インプラント装置。
【請求項5】
前記選択された許容レーザパラメータのセットは、埋入前に前記部位の活性化成長因子を活性化し、遺伝子発現をアップレギュレートし、炎症性サイトカインおよびプロスタグランジンの産生を抑制するために繰り返す照射回数を含む、請求項1に記載の歯科インプラント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、“BLAST PROTOCOL”と題する、2019年11月1日付の米国仮特許出願番号62/929,103号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、発明者としてRobert H. Greggを含む、“Laser-Assisted Periodontics”と題する米国特許出願第14/940,126号、第15/011,441号、および第15/257,656号の全開示を参考文献として組み込む。本願は、発明者としてRobert H. Greggを含む、“Laser-Assisted Periodontics And Tooth Extraction”と題する米国仮特許出願第62/875,322号の全開示を参考文献として組み込む。本願は、米国特許第9,597,160号および第9,943,379号の全開示を参考文献として組み込む。
【0003】
本発明は、歯科方法に関する。特に、本発明は、歯科インプラント埋入の前、間、および後に実行されるステップなどの歯科手術に関連して実行されるステップに関連する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザによる組織温存、組織統合、歯科インプラント埋入および維持処置は、まだ初期段階にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
BLASTプロトコル(「BLAST」又は「ブラスト」)は、組織温存、組織統合、歯科インプラント準備、歯科インプラント埋入及びメンテナンスのプロトコルである。BLASTは、レーザを用いた口腔インプラント治療プロトコルである。
【0006】
様々な実施形態において、BLASTは、インプラント埋入前、埋入中、及び埋入後の手術部位の準備、生体適合特性の強化及びチタンインプラントの濡れ性の増加、止血の促進、炎症反応の減衰、成長因子の活性化とアップレギュレート、骨芽細胞の生存率と増殖の刺激、骨-インプラント界面の固定性の向上、インプラント治癒期間の短縮、及びより予測可能かつより成功する長期インプラント埋入結果物を実現するように設計されている。
【0007】
このプロトコルは、治癒した無歯顎部位に従来のインプラント処置を行う際に、抜歯や剥離後の即時インプラント埋入と併せて、使用されてよい。このプロトコルの一部は、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎の発生を抑えるために、定期的な組織メンテナンスのリコール中に使用してもよい。
【0008】
ブラストは、血管新生、骨消毒、繊維素、線維芽細胞、成長因子、止血、骨再生、骨再結合、骨再骨統合、選択的光熱分解、幹細胞、およびアップレギュレーションの一つ以上を含む方法および処置を含んでよい。
【0009】
生体適合性向上効果としては、チタンインプラントの親水性(濡れ性)の向上による骨芽細胞の表面への接着性や多方向への拡散性の向上、チタンインプラントの耐食性の向上、チタンインプラントの生体適合性の向上と初期炎症事象の抑制への寄与、骨-インプラント界面の固定力の向上、長期骨結合と界面強度の促進、細胞接着能力の高いチタン表面の形成とチタン表面の生物活性向上が挙げられる。
【0010】
抗炎症効果としては、リポ多糖類誘導性炎症反応を鈍らせること、歯肉溝液中の炎症の免疫学的マーカー(インターロイキン-1ベータ(IL―1β)及び腫瘍壊死因子(TNF―α))を低下させること、炎症を起こしたヒト歯周組織における主要コラゲナーゼ種(インターロイキン―1ベータ(IL―1β)およびマトリックスメタロプロテアーゼ―8(MMP―8))を低減させつこと、およびリポ多糖類(LPS)誘導性一酸化窒素生成および内皮細胞によるインターロイキン-8生成を削減することによる炎症反応を減衰することが挙げられる。
【0011】
殺菌能力としては、バイオフィルムの除去と汚染されたインプラント表面の洗浄、人間の深い歯周ポケットのほとんどにおける培養検出限界以下の赤色およびオレンジ色の複合歯周病菌の即時抑制、および、チタン表面を損傷せずにインプラント上の好気性または嫌気性微生物種の切除が挙げられる。
【0012】
生体刺激効果としては、骨芽細胞の生存率および増殖を刺激すること、骨芽細胞におけるオステオポンチン、アルカリホスファターゼ、およびRunt―related転写因子2、線維芽細胞におけるI型コラーゲン、および内皮細胞におけるビンキュリンの発現を誘導すること、生体刺激効果を示す分子機構の基礎となること、骨芽細胞活性を増大しミネラル沈着を促進することによる骨再生を刺激すること、新しい骨形成を増加すること、ヒドロキシアパタイト被覆インプラントとの骨の相互作用を増加することによってインプラント治療期間を短縮することが挙げられる。
【0013】
本発明は、添付の図面を参照して説明される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成するこれらの図面は、詳細な説明と一緒に本発明を例示し、本発明の原理を説明し、関連技術の当業者が本発明を製造および使用することができるように、さらに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aは、本願発明のいくつかの実施形態の例示的テーブルを示す。
図1B図1Bは、本願発明のいくつかの実施形態の例示的テーブルを示す。
図2A図2Aは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2B図2Bは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2C図2Cは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2D図2Dは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2E図2Eは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2F図2Fは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2G図2Gは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2H図2Hは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
図2I図2Iは、本願発明の実施形態の例示的処置ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
BLASTプロトコル(「BLAST」又は「ブラスト」)は、組織温存、組織統合、歯科インプラント準備、歯科インプラント埋入及びメンテナンスのプロトコルである。BLASTは、インプラント埋入前、埋入中及び埋入後の手術部位の準備、生体適合性の強化及びチタンインプラントの濡れ性の増加、止血の促進、炎症反応の減衰、炎症性サイトカイン及びプロスタグランジンの生成の抑制、成長因子の活性化とアップレギュレート、骨形成関連遺伝子の発現誘導、骨芽細胞の生存と増殖の刺激、骨-インプラント界面の固定性向上、インプラント治癒期間の短縮、および、より予測可能でより成功する長期的なインプラント埋入結果の付与を目的とする、レーザベースの口腔インプラント治療プロトコルである。
【0016】
このプロトコルは、抜歯や剥離後、および、治癒した無歯顎部位に従来のインプラント治療を行う際に、即時インプラント埋入と併用して使用してよい。このプロトコルの一部は、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎の発生を抑えるために、定期的な組織メンテナンスのリコールの際に使用してよい。
【0017】
BLAST
図1Aおよび1Bは、歯科インプラントのシナリオを、各ステップを達成するために使用し得るブラストプロトコルの関連する処置ステップと関連付ける表を示す。一般に、図1Aに見られるように、乱れた部位は、その部位から歯またはインプラントが意図的または偶発的に除去された直後またはまもなくしてインプラントを受け入れてよい。代替的に、図1Bに見られるように、乱れのない部位は、歯が除去され、かつ、その部位が治癒後しばらくして、インプラントを受け入れてもよい。
【0018】
図1Aは、抜歯後(意図的)、歯の抜去後(偶発的)、または以前に埋入したインプラントが除去された後のインプラントの埋入を集計したものである。また、インプラントのメンテナンスについても以下で言及し議論する。
【0019】
インプラントの埋入が意図的、偶発的、または交換のシナリオのいずれかによって生じる場合、処置のステップは、インプラント部位を洗浄し、細菌LPS(リポポリサッカライド)の汚染、NICO(神経痛誘発性キャビテーション骨壊死)病変、BRONJ(ビスフォスフォネート関連顎骨壊死)、MRONJ(薬剤関連顎骨壊死)、歯根吸収などを含む病態を緩和することを目的としている。インプラント交換の場合、処置ステップは汚染された金属粒子の除去も含んで良い。
【0020】
ブラストプロトコルの実施形態は、これらの病態を洗浄し、緩和するための処置ステップを含む。例えば、ブラストプロトコルは、以下の処置ステップの一つ以上を与えられた順序で、又は異なる順序で含んでよい。
1.インプラント部位の軟組織を切開する。
2.抜歯部位を準備する。
3.滅菌済み超硬ドリルまたはバーを用いて骨切りを行う。
4.骨切り部位の深さを測定する。
5.準備済みインプラント部位へレーザを照射する。
6.インプラントにレーザを照射する(体外)。
7.インプラントを埋入する。
8.バイオスティミュレーションを実施する。
9.必要に応じてメンテナンス治療を行う。
【0021】
図1Bは、抜歯やインプラント除去後に治癒した部位などの治癒済み部位へのインプラントの埋入を集計したものである。インプラントのメンテナンスについても以下で言及、議論する。
【0022】
新しいインプラントの埋入が自然歯の交換であれ、インプラントの交換であれ、処置ステップは、インプラント部位を洗浄し、細菌LPS(リポポリサッカライド)による汚染、NICO(神経痛誘発性空洞性骨壊死)病変、BRONJ(ビスフォスフォネート関連顎骨壊死)、MRONJ(薬剤関連顎骨壊死)、歯根吸収などの病態を緩和することを目的としている。インプラント交換の場合、処置ステップは汚染された金属粒子の除去も含んでよい。
【0023】
ブラストプロトコルの実施形態は、これらの病態を洗浄し、緩和するための処置ステップを含む。例えば、ブラストプロトコルは、以下の処置ステップの1つ以上を、与えられた順序、又は異なる順序で含んでよい。
1.インプラント部位の軟組織を切開する。
2.抜歯部位を準備する。
3.滅菌済み超硬ドリルまたはバーを用いて骨切りを行う。
4.骨切り部位の深さを測定する。
5.インプラント部位にレーザを照射する
6.インプラントにレーザを照射する(体外)。
7.インプラントを埋入する。
8.バイオスティミュレーションを実施する。
9.必要に応じてメンテナンス治療を行う。
【0024】
新しいインプラントの埋入を含むBLAST
BLAST処置は、歯科用インプラントの埋入および/またはメンテナンスに関連する複数のステップを含む。例えば、BLASTは、歯の偶発的な喪失に続く歯科インプラントの埋入、または、邪魔されない部位での歯科インプラントの埋入を取り扱ってもよい。以下のステップは、インプラントを埋入するためのBLAST処置を説明する。
【0025】
図2Aは、ヒト患者の口腔200Aの無傷の部分を示す平面図である。ここでは、自然の歯列(歯列)208は、骨組織(骨)が無傷の軟組織(粘膜)204によって覆われる歯槽隆起209内に固定されている。
【0026】
歯の間の空の(歯がほとんどない)部位または空間205は、欠損した歯、この場合、欠損した第2の小臼歯に対応する。ここで、無歯顎部位は、例えば、欠損した歯を置き換えるために、歯科インプラントを受け入れるように準備される。適切な麻酔が投与された後、滅菌外科メス202が、下にある骨を露出させるために、上にある粘膜204に切開部206を作るのに使用される。
【0027】
図2Bは、ヒト患者の口腔200Bの乱れた部位の平面図である。乱されていない部位を含む図2Aと異なり、ここでは、歯の喪失は、プロセス211において、欠損した第二小臼歯の部位を取り囲む組織によるアクシデントであってもよい。歯の喪失は、外傷性剥離、抜歯、又はその両方の結果であってよい。
【0028】
治癒部位又は転覆部位のいずれかを含む第1ステップ(ステップ1)であってよいステップにおいて、歯肉軟組織215に囲まれたインプラント又は骨切り部位218は、歯肉軟組織フラップ216を反射することによって外科的に露出される。滅菌インプラントドリル及び/又は骨バー212は、歯科インプラントを受容する歯槽骨209に骨切り部位を形成するのに使用するために(例えば、ソケット又は拡大ソケットの形成に使用するために)準備される。骨移植材214は、患者の既存の歯槽骨209を補う状態保証として、その部位に挿入されてよい。
【0029】
図2Cは、患者の顎200Cにおける骨切り部位の作成を示す。第2のステップ(ステップ2)において、特定のサイズまたは様々なサイズのインプラントを受け入れるために適切に準備するために様々な寸法であってよい滅菌インプラントドリルおよび/またはバー222を用いて、骨切り処置が行われる。インプラント埋入部位218では、骨組織が歯槽骨209から除去されるため、骨が除去されるか、または空洞217が形成される。パイロットホール223が形成されてもよく、その後、歯槽骨隆起内の灰色の垂直シリンダ224(図2D参照)によって表される空洞化した骨体積である骨切り部位が形成される。
【0030】
図2Dは、患者の顎200Dに作成された骨切り部位の測定値を示す。第3のステップ(ステップ3)において、骨切り部位224の完全な深さ「d」の測定が、滅菌歯周プローブ232によって特定の点で行われる。例えば、3つ以上の測定が行われてもよい。例えば、測定は、等間隔であってもよいし、不均一な間隔であってもよいし、最も深い位置で行われてもよいし、最も浅い位置で行われてもよい。いくつかの実施形態では、この処置は、準備された部位が、特定のサイズの第2小臼歯インプラントなどの特定の歯科インプラントのその後の挿入を可能にするために、障害物がなく、および/または、適切な深さであることを保証する。
【0031】
図2Eは、骨切り部位およびその周囲200Eをレーザ照射するための準備を示す。ここで、レーザは、例えば、ハンドピース241と、ハンドピースから伸長するレーザファイバ242と、伸長するレーザファイバの一部を包むカニューラとを有するレーザ配向システムを含む。ファイバは、カニューラから伸長する自由長「l」で終端する。
【0032】
第4のステップ(ステップ4)において、レーザファイバー自由長242は、準備されたインプラント部位218に近接する。光ファイバは、臨床医によって制御される際、インプラント部位218にレーザエネルギーを伝送するためのものである。レーザファイバー自由長242は、骨切り部位224の最大深度のような特定の深度へのアクセス及び/又はエネルギー伝送を可能にするために、上記の測定値を用いて調整される。様々な実施形態において、レーザのビームは、骨切り部位への挿入の前に活性化されない。
【0033】
図2Fは、骨切り部位及びその周囲200Fをレーザ照射するためのレーザの使用を示す。第5のステップ(ステップ5)において、柔軟であってもよい光ファイバ自由長242は、骨切り部位224の全深さ254まで挿入され、その後、臨床医252によってレーザビームが活性化される。レーザビームは、ファイバーが部位から引き抜かれるときに活性化されてもよい。
【0034】
パルスレーザビームによって発生する熱により、止血が開始する。自由長242を骨切り部位224に挿入し、自由長を骨切り部位から除去する工程は、所望の量の止血または止血状態が達成されるまで繰り返されてよい。この工程は、血中に存在する成長因子の活性化、骨芽細胞の生存率および増殖を刺激するための骨形成に関連する遺伝子のアップレギュレーション発現、およびインプラント治癒期間を短縮するための炎症性サイトカインおよびプロスタグランジン生成の阻害のいずれか一つ以上を同時にもたらしてよい。
【0035】
図2Gは、インプラント挿入200Gに先立つ体外レーザ照射を示す。第6のステップ(ステップ6)において、無菌チタン歯科インプラント260は、骨切り部位224への挿入の前に照射266される。インプラントは、歯科インプラントプラットフォーム267の近くで鉗子262によって保持されてもよく、インプラントを回転264させるために使用されてもよい。注目すべきは、いくつかの実施形態において、歯科インプラントは、チタンを含んでも含まなくてもよい金属(複数可)などの一つ以上の材料から作られてもよいことである。
【0036】
いくつかの実施形態では、当接シリンダ261の下のインプラントの表面全体が、取り付けられた光ファイバを介して、パルスレーザビームによって照射される。光ファイバは、インプラント表面と接触しないように保持されてもよい。この処置により、インプラントの親水性(濡れ性)特性を高め、かつ、インプラント表面に沿った骨芽細胞の接着性および多方向への広がりを増大させ、それによって骨-インプラント界面の固定が向上する。
【0037】
図2Hは、埋入の準備が整ったインプラント200Hを示す。第7のステップ(ステップ7)において、照射されたインプラント260は、歯槽骨隆起209の骨切り部位224に近接272して位置する。患者の既存の歯槽骨209を補足する状態保証として骨移植材214をその部位に挿入してもよい。
【0038】
図2Iは、骨切り部位に挿入されたインプラントおよび生体刺激200Iを示す。第8のステップ(ステップ8)において、照射されたインプラント260は、骨切り部位224内の適切な深さまで挿入284される。
【0039】
インプラント260が骨切り部位224に挿入された後、臨床医は、光ファイバ自由端242が、接触しない状態のまま、顔面及び舌面の両方からインプラント260及び/又は周囲203に向けて、レーザビームを活性化する。ここで、レーザの放出/光エネルギーは隣接組織を貫通する。様々な実施形態において、結果は、骨芽細胞活性を増加させ、ミネラル沈着を促進し、インプラント部位における軟組織及び骨組織の治癒期間を短縮することによって、骨の再生を刺激する一つ以上のレーザ誘導生体刺激を含んでよく、それによってより予測可能で、より成功した長期のインプラント埋入成果が提供される。
【0040】
既存インプラントのインプラント周囲炎を含むBLAST
インプラント周囲の感染と炎症は、歯垢や歯石(結石)に含まれるある種の細菌が原因である。これらの細菌は、歯肉を刺激する毒素を作り出し、深いポケットを生じさせ、インプラントへの骨の付着の破壊をもたらす。これらの毒素は時間とともに歯茎の組織を破壊し、感染を進行させ、骨が失われることもある。
【0041】
従って、深いポケットの除去、疾患の除去、インプラント表面への歯肉の再付着、及びインプラントの骨再結合のための低侵襲の外科的方法が必要とされている。
【0042】
したがって、本明細書に記載される1つの例示的な実施形態によれば、歯科インプラントに関連する歯科疾患が治療される。レーザの平均出力が、選択された平均出力に対応して提供される許容レーザパラメータのセットと共に、ディスプレイ上のユーザインタフェースによって選択される。レーザでインプラント周囲に歯肉溝またはフラップを形成する。感染した組織は、選択的光熱融解によって選択的に切除または変性され、感染したインプラントの周囲にポケットが作られる。腐食生成物を除去し、血管新生を促進・維持するためのステップを実施する。周辺組織をインプラントに圧接し、咬合干渉を除去する。
【0043】
この構成により、通常、インプラント粘膜炎やインプラント周囲炎を治療しながら、インプラント周囲のポケット欠損を軽減し、冠状レベルまたはその付近でインプラントに新しい結合組織を付着させ、インプラントを骨再結合することが可能である。
【0044】
一態様によれば、レーザの平均出力の選択は、ディスプレイ装置上のユーザーインターフェースを介して受信され、許容されるレーザパラメータのセットは、選択された平均出力に応答してディスプレイ装置及びレーザヘッドに提供される。レーザヘッドは、レーザパラメータに従って制御され、インプラントの周りに歯肉溝またはフラップを形成し、選択的光熱融解を介して感染組織を切除または変性し、感染組織の周りのポケットをレーザで照射する。
【0045】
さらに別の態様によれば、感染組織を切除又は変性することは、溝状上皮、接合上皮、及び角化組織を含む、炎症、感染、紅斑、浮腫、過形成、潰瘍、変性、出血、化膿、又は剥落した歯周軟組織又はインプラント周囲軟組織を、選択的光熱溶解を介して切除又は変性させることを含む。
【0046】
レーザ装置は、レーザ歯科治療(例えば、歯茎組織の細菌の切除、歯科インプラントの汚染の軽減)を含むレーザ治療を行うためのハンドヘルドレーザである。例示的なレーザは、ハンドピースに統合されてもよいし、ハンドピースが光ファイバーアンビリカルを介してレーザ装置から延びてもよい。例えば、レーザは、ミレニアムデンタルテクノロジー社によって製造された「ペリオレーズ(登録商標)MVP―7(商標)」に対応してもよい。その点、ペリオレーズ(登録商標)MVP―7(商標)は、軟組織処置を行うのに必要な機能を備えた6ワットのFR(自走)Nd:YAG(ネオジウム:イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザであり、最適な切除と止血を可能にするために、例えば、100~650マイクロ秒(μ秒)のオペレータ選択可能パルス持続時間を含んでいる。
【0047】
インプラント周囲感染と炎症およびインプラント周囲疾患は、歯垢と歯石(結石)中のある種の細菌によって引き起こされる。これらの細菌は、歯肉を刺激する毒素を作り出し、その結果、インプラントへの骨の付着が破壊される。時間が経つと、これらの毒素は歯茎の組織を破壊し、感染が進行し、骨が失われる可能性がある。インプラント周囲疾患には様々な種類があるが、最も一般的なのは、インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎である。インプラント周囲粘膜炎は、最も初期の段階で、歯周組織のみに影響を与える。この段階では、この病気はまだ逆戻り可能である。
【0048】
しかし、インプラント周囲粘膜炎は、治療しなければ、インプラント周囲炎と呼ばれるより重篤な状態に至る可能性がある。インプラントを支える歯肉、骨、その他の構造物が損傷を受ける。インプラントはゆるくなり、除去しなければならないこともある。この段階では、インプラントの喪失を防ぐために、より複雑な治療が必要となる場合がある。健康な歯肉(歯周組織)があれば、インプラントは骨にしっかりと固定される。インプラント周囲粘膜炎は、歯垢に含まれる毒素が歯肉を刺激し、赤く、柔らかく、腫れ、出血しやすくなることで発症する。インプラント周囲炎は、毒素が組織と骨を破壊することで起こる。歯茎がインプラントから剥がれ、ポケットが形成され、さらに歯垢で満たされる。インプラントが骨を失うと、インプラント周囲炎が進行する。治療しない限り、患部のインプラントは頻繁に緩み、脱落する可能性がある。
【0049】
従来、インプラント周囲炎の治療の第一歩は、歯肉縁下の歯垢や歯石を除去するスケーリングを含む徹底的なクリーニングが一般的であった。4~6mm以上の深いポケットが見つかった場合は、外科手術が必要になることもある。歯科医師や衛生士が深いポケットの歯垢や歯石を完全に除去することは困難である。また、患者が歯垢を除去して清潔に保てることはほとんどない。ポケットをそのままにしておくと、感染症や骨の破壊を招く可能性がある。
【0050】
ポケットが深く、骨が破壊されている場合、フラップ手術によってインプラントの表面にアクセスし、歯石や歯垢、病的組織を徹底的に除去し、骨をより好ましい構造に再形成する必要がある場合がある。この方法では、歯肉を持ち上げて元の位置に戻すか、清掃しやすいように新しい位置に縫合する。
【0051】
従来は、軟組織フラップの切除後に、インプラント表面の挫滅組織切除と肉芽組織の除去が行われていた。この方法を審美的に改良したものとして、オープンフラップ掻爬術、逆刃フラップ手術、ウィドマンフラップ手術及び改良ウィドマンフラップ手術、歯肉弁根尖側移動術、組織誘導再生などの名称で報告されている。
【0052】
それにもかかわらず、従来の方法は、深いポケットの減少、疾患の排除、インプラント表面への歯肉の再付着、及びインプラントの骨再結合に対する適切な低侵襲性外科手術方法を欠いている。これらの問題に対処するための例示的な実施形態を以下で説明する。
【0053】
既存のインプラント周囲疾患のレーザベースのインプラントメンテナンス治療を含むBLAST
インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎には、初期、浅い、深い骨ポケットを減らし、病的組織、インプラント周囲病原体、病理学的タンパク質、インプラント表面の歯石やその他の結石、金属インプラント劣化の腐食副産物を除去することが含まれる場合がある。これにより、インプラント固定具への新しい骨の再成長、再生、再結合を実現する。上記にかかわらず、全てのインプラントがチタン(例えば、セラミック)で作られているわけではないことに留意すべきであり、このプロセスは、そのような他の種類のインプラントに適用されてもよい。
【0054】
プロセスは、接触型レーザファイバーでインプラントの周りに歯肉溝又はフラップを形成すること(可能であれば最初に補綴歯冠を除去した後)、及び選択的光熱融解を介して感染及び炎症を起こしたポケット上皮を選択的に切除又は変性させることを含んでよい。このプロセスは、さらに、骨欠損の深さより上の軟組織付着器具を突破することなく欠損のアクセス可能な深さまで標的インプラントの全周囲の内側辺縁歯肉組織およびポケット上皮および肉芽組織を蒸発または変性すること、インプラント表面の超音波壊死組織除去すること、任意の軟組織付着物を通じて鈍的解剖を介して骨欠損の全深さに移行し骨欠損に穿孔すること、必要に応じて粘膜骨膜レベル以下の骨形成および/または骨切除による骨を修正すること、血管新生を創出すること、軟組織および硬組織ならびにインプラントを消毒および汚染除去するためにポケットへレーザ照射すること、止血を補助すること、遊離神経終末を焼灼すること、リンパ管を封鎖すること、インプラントに接近させるために冠状軟組織を準備すること、および、血流が止まり、接着が得られ、安定したフィブリン塊が形成されるまで、インプラントに対して軟性辺縁組織を圧縮することをさらに含んでよい。一例では、外傷性咬合力の除去は、典型的には、インプラント保持修復物の除去または除去が選択できない場合は咬合調整によって達成される。
【0055】
この構成により、通常、冠状レベルまたはその近傍でインプラントへの新しい結合組織付着を確立することにより、インプラント周囲粘膜炎およびインプラント周囲炎ポケット欠損を処置することが可能である。さらに、炎症を起こしたポケット上皮は、通常、結合組織を実質的に除去することなく、光熱融解を介して選択的に分離される。
【0056】
その点で、局所的に配置された麻酔薬が、その領域を麻痺させるために使用される。一例では、歯科医は、30ゲージの針を用いて、4%プリロカイン・プレーンから始めてよい。この麻酔薬は、刺すことなく軟組織を麻痺させるユニークな能力により、患者は無痛と認識する。麻酔薬は非常にゆっくりと患部に注入され、プリロカイン・プレーンが効果を発揮するのに数分かかる。その後、歯科医師は30ゲージの針を使用し、より長く作用する適切な麻酔薬を使用してこの処置を続けることができる。ただし、健康上の理由で麻酔薬が禁忌とされる場合は例外となる。この治療では、通常1~3本のインプラント固定具を使用し、LANAP(登録商標)プロトコルと組み合わせて、2つのクワドラント、または、上下どちらかの1つのアーチを治療することができる。全ての治療において、後述するボーンサウンディングにより、患部ポケットや骨欠損の深さを正確に測定すること、インプラント表面の軟組織と硬組織を積極的に除去すること、治療中に患者ができるだけ快適に過ごせるようにし、それにより患者の内因性アドレナリンの分泌を最小限に抑えること、ひいては最適な治療結果を得ること、医師の能力を最大限治療に集中できるようにすること、および、1ヘルツから5万ヘルツの周波数の超音波プローブを最適に使用することを目的として麻酔を使用する。
【0057】
別の予備段階として、歯周プローブを用いて、インプラント周囲の軟組織におけるすべての骨欠損の深さを、歯肉縁上部からアクセス可能な骨欠損の範囲まで記録し、ボーンサウンディングおよびポケット深さ測定を実施することができる。一例では、ポケットの深さは、各インプラントの周囲に6つの領域を記録した歯周プローブを用いて記録することができる。これにより、病的なポケットの深さを完全に把握することができる。歯科医師は、6つのプローブの深さ/骨の響きの合計を使用し、その数に4を乗じて、ポケットの深さ1ミリメートルあたり4/ジュールの「光線量」を計算することができる(例えば、10mmずつの深さのプローブが6つで、合計60mm×4=240ジュールの総光線量)。プローブ深度の合計数値が、照射される総ジュール量を表す。総光線量はLAPIP(商標)切除の第1ステップのレーザ照射で2/3、残りの1/3はLAPIP(商標)止血設定の第2ステップのレーザ照射で供給される(上記の例では、160ジュールがLAPIP(商標)切除ステップ中に照射され、ジュールがLAPIP(商標)止血中ステップ中に照射される)。このように、光線量計算が外科的治療と連動して行われる。
【0058】
切除が行われる。この点に関して、レーザエネルギーによる自由歯肉縁の切除は、そうでなければ除去できない自由縁の組織内の病原体や病理学的タンパク質を除去するが、インプラント表面のレーザ照射は、例えば、肉芽腫組織のみを除去し、消毒した肉芽組織を意図的に残し、ポケット組織表面の消毒、止血補助、自由神経末端の焼灼、リンパ管のシールなどに使用される。
【0059】
洗浄は、例えば、超音波ハンドピースで行われ、レーザ配向システムによる更なる洗浄と共に行われる。特に、インプラント表面は、紋切り型縁から骨基部までのインプラントの全ての側面のポケットの全深さまで、全ての異物から洗浄される。例えば、歯科医は、インプラント表面から全ての異物構造及び物質(石灰及びセメントを含む)を除去することを意図して、超音波ハンドピースを使用して、ポケットの深さまで全てのインプラント表面を超音波的にスケールし、それにより、清浄なインプラント表面へレーザ照射した軟組織の接着が可能となる。骨切りおよび/または骨切りによる骨の修正が行われることもある。次に、レーザ配向システムを用いて、1~6ワットのレーザファイバー出力パワーおよび1ヘルツ~100ヘルツの周波数を、歯周組織への細菌注入を引き起こすことなく最適な細菌破壊のために深い歯周ポケットに使用してもよい。これにより、軟組織蜂巣炎の発生を最小限に抑えることができる。
【0060】
レーザ配向システムでレーザ照射を行い、肉芽組織のみを除去し、消毒した肉芽組織を意図的に残し、ポケット組織表面の消毒、止血補助、遊離神経終末の焼灼、リンパ管のシール、ポケット組織表面の接着のための準備などを行うことができる。また、レーザ照射装置は、必要に応じて血流を停止させるために使用してもよい。
【0061】
ひとつの具体例において、本開示はこれに限定されないが、レーザ配向システムは、陽極酸化アルミニウムTrue―Flex(登録商標)ハンドピースおよびアニールされたステンレス鋼カニューラのようなハンドピースを通るFiberFlex(商標)360ミクロン直径石英光ファイバのフィードから構成されてよい。歯科医師は、レーザを活性化して、6つの別々のポケット深さ測定位置の骨欠損の基部の骨に意図的に照射し、髄質骨からの止血を開始し、成長因子(例えば、IGF―IおよびIGF―II、TGF―β1、TGF-β2、BMP―2)の放出を刺激してアップレギュレートし、線維芽細胞および幹細胞の刺激および制御、ポケット内の血液を温めて熱分解的にフィブリノーゲンを切断し、それによって血液を身体の最初の結合組織であるフィブリンに変換し(トロンビンはフィブリノーゲンからフィブリンへの変換を触媒する)、安定したフィブリン塊を作り、血管形成(新しい血管形成)を作成し、意図的に肉芽組織(茎細胞、毛細血管、線維芽細胞)をその場に残しながら、任意の残った、残存肉芽組織、および炎症、感染および疾患のある上皮内層を除去および/または変性し、例えば、ポケット組織表面の遊離神経終末を焼灼し、リンパ管を封鎖し、ポケット組織表面を接着のために準備する。
【0062】
この処置は、外科的フラップ処置と「レーザシスト再生」に分類され、咬合調整が限定的または完全であることがある。いくつかの例では、クラウンの除去を伴わない場合、単一のインプラント固定具を治療するのに20分という時間が妥当である。上記提案したように、治療の後には、冠状研磨/予防と咬合平衡のフォローアップと治療した領域の術後チェックが行われる。
【0063】
さらに別の例示的態様によれば、感染組織を切除または変性することは、溝状上皮、接合上皮、および角化組織を含む、炎症、感染、紅斑、浮腫、過形成、潰瘍、変性、出血、化膿、または剥落した歯周またはインプラント周囲軟組織を、選択的光熱分解を介して切除または変性することを含む。
【0064】
次に、例示的な処置の一実施形態のさらなる例示的な態様を説明する。一実施例では、懸念される領域、通常は2つの象限が麻酔される。処置は、関係する各インプラントに独立して適用される。ポケットの深さは、病的ポケットの完全な深さを決定するために、ペリオプローブを用いて測定及び記録される。インプラントの長手軸方向にコンタクトレーザファイバーを照射し、歯肉縁とポケット内の上皮を切除して歯肉溝やフラップを形成し、インプラント表面を露出させる。コンタクトレーザファイバーを適切に切断することで、レーザエネルギーの正確な制御、レーザエネルギーの物理的配置、および除去する組織に対するレーザの望ましい物理的方向性を決定することができる。歯肉溝やフラップを用いてインプラント表面を露出させ、可視化する。歯肉縁を切除することで、切除不可能な組織内の病原体や病的蛋白質を除去し、止血して可視化を図る。このステップでは、機械的器具を使用する前に組織のマージンを定義し、組織の緊張を緩和することによって粘膜の完全性を維持する。また、遊離歯肉縁と、歯肉を固定している線維性コラーゲンマトリックスとの間の剥離を解除する。これにより、歯肉縁の稜線を維持することができる。ホットチップの効果により、インプラント周囲のポケット内上皮をプローブで読み取った深さまでさらに切除する。通常、光ファイバーで粘膜歯肉接合部を突破しようとはしない。ホットチップ効果(レーザエネルギーがファイバーを通過する際に二次的に伝導して加熱される組織タンパク質の蓄積)により、結合繊維組織を実質的に除去せずに、溝状およびポケット上皮と肉芽組織を選択的に除去し、周方向および放射状にこれを行うことが可能である。必要に応じて、レーザファイバーの先端に集積する切除された組織を除去する。インプラントの表面をポケットの深さまで超音波スケーリングする。ポケット内の異物を除去し、軟組織ときれいなインプラント表面との接着を可能にすることが目的である。ポケット内の肉芽組織の除去、組織の消毒、止血、神経終末の焼灼、リンパ管のシール、軟組織とフィブリン塊のインプラント表面への接着の準備のために、レーザ照射を行う。
【0065】
咬合干渉の除去は、例えば、本明細書に記載の高速ハンドピースを用いて完了する。最良の結果を得るためには、組織が治癒し、骨が再生することを可能にするので、このステップが有用である。レーザは、新しい付着が行われるように組織を修正するが、不正咬合の外傷が続くと、組織は耐えられず、直ちに破壊され始める。治療部位はすべて、組織実質性の高い殺菌性の溶液(例:グルコン酸クロルヘキシジン0.12%)で歯周ポケットの最深部まで灌流する。この灌流は、ポケット内の細菌を減少させ、デブリを除去するためにレーザを補助するものである。創傷縁の接近が完了する。必要に応じて血流をコントロールするために、さらにレーザを照射する。創縁の治癒は、二次的意図による。組織とインプラントの間に薄い血栓が形成されるように、インプラントに対して顔面および舌側から1~3分間、指圧する。
【0066】
術後には、自宅で使用する薬の処方や、患者との術後ケアの確認などを行う。前方誘導を行うために咬合スプリント、例えば「クイックスプリント(登録商標)」、または前方「ジグ」を使用することができる。徹底した咬合調整のフォローアップ検査が必要である。この治療は、骨の発育が完了するまで定期的に継続する必要がある。ポケットデプスの測定は、12ヶ月間は避けるべきである。
【0067】
別の例示的な実施形態では、レーザ支援インプラント周囲粘膜炎およびインプラント周囲炎骨再生および骨再結合処置は、自走パルスネオジム:イットリウム-アルミニウム-ガーネットレーザ装置を、波長1,064ナノメートル、デューティサイクル0.2~1.3パーセント(20ヘルツで100~650マイクロ秒)、平均出力3.0ワット、150ミリジュール、ピーク出力1500ワット/パルス、エネルギー密度147J/cm、パワー密度2947ワット/cm~平均出力3.6ワット、平均出力150ミリジュール、パワー密度2947ワット/cm、6ワット、180ミリジュール、ピーク出力1800ワット/パルス、エネルギー密度177J/cm、電力密度3537ワット/cmの自走パルスNd:YAG PerioLase(登録商標)MVP―7(商標)を好適に使用し、患者の標的インプラントに対応する粘膜歯肉組織を麻酔するステップであって、インプラントはインプラント表面を有し、ボーンサウンディングは歯周プローブを使用し、上部の歯肉縁からアクセス可能な骨欠損の範囲まで、インプラント周囲および骨までの6部位で軟組織のすべての骨欠損の深さを記録するステップと、6つのプローブ深さ/ボーンサウンディングの合計を記録し、あらかじめ指定された定数(この例では4)を乗じるステップを含む(ポケット深さ1ミリメートルあたり4ジュールの「光線量」を表す。例:各10mmの深さの6つのプローブ=60mm×4=240ジュールの総光線量)。
【0068】
総光線量は、総光線量の大部分がLAPIP(商標)切除の第1段階のレーザ照射中に照射され、総光線量の残りの部分がLAPIP(商標)止血設定の第2段階のレーザ照射中に照射されるように設定される。この例では、総光線量はLAPIP(商標)切除の第1段階のレーザ照射中に2/3適用され、残りの1/3のエネルギーはLAPIP(商標)止血設定での第2段階のレーザ照射中に供給される。この例では、160ジュールがLAPIP(商標)切除ステップで照射され、80ジュールがLAPIP(商標)止血ステップで照射される。この処置ではさらに、平均出力3.0~3.6ワット、繰り返し周波数20ヘルツ、パルス時間100マイクロ秒、デューティ・サイクル0.2パーセントを使用する。ワットの平均パワー、150ミリジュール、1500ワット/パルスのピークパワー、147J/cmのエネルギー密度、2947ワット/cmの電力密度から、3.6ワットの平均パワー、180ミリジュール、1800ワット/パルスのピークパワー、177J/cmのエネルギー密度、3537ワット/cmの電力密度になる。
【0069】
本実施例ではさらに、陽極酸化アルミニウム製TrueFlex(登録商標)ハンドピースとアニール処理したステンレス鋼製カニューラに通した直径300、320、360、400ミクロン(好ましくは360ミクロン)のFiberFlex(登録商標)石英光ファイバーを使用して、ポケットの肉芽腫組織、炎症、感染、潰瘍のある上皮内を切除、変性および気化させる。インプラント表面の硬い石灰化した結石や石を光熱的に変化、破壊、変性、脱水、破壊し、インプラントの全面のポケットの軟組織範囲に、結合組織接着と骨結合のための新しい冠状の頂部表面を準備する。本例は、グラム陰性菌のリポポリサッカライド(LPS)を破壊するべくインプラント表面にレーザを照射することと、レーザおよび/または水洗浄と20000~30000ヘルツ、8~10ワットで動作する「P」チップ、「ボール」チップ、「PS」チップを有する使用するLANAP(登録商標)圧電超音波装置を優先的に使用すること、インプラントの頂端から骨欠損底までの全面のポケットの深さまでインプラント表面から異物、石灰、セメントを除去して清掃することと、骨切りおよび/または骨切除を行い血管形成を開始するべく頂端と辺縁の骨を剥離することと、ポケットを殺菌溶液、好ましくはクロルヘキシジン0.12%で潅注することと、平均出力3.0~4.0ワット、繰り返し周波数20ヘルツ、パルス持続時間150~650マイクロ秒、好ましくはデューティーサイクルが0.3%~1.3%の間であるレーザを使用することを含む。150マイクロ秒のパルス持続時間の場合、平均パワー3.0ワット、150ミリジュール、ピークパワー1000ワット/パルス、エネルギー密度147J/cm、パワー密度2947ワット/cm、デューティサイクル0.3パーセントから、平均パワー4.0ワット、180ミリジュール、ピークパワー1333ワット/パルス、エネルギー密度196J/cm、パワー密度3930ワット/cm、デューティ・サイクル0.3パーセントであり、650マイクロ秒までのパルス持続時間に対して、平均パワー3.0ワット、150ミリジュール、ピークパワー231ワット/パルス、エネルギー密度147J/cm、電力密度2947ワット/cm、デューティ・サイクル1.3パーセントから、平均パワー4.0ワット、180ミリジュール、ピークパワー307ワット/パルス、エネルギー密度196J/cm、電力密度3930ワット/cm、デューティ・サイクル1.3パーセント。
【0070】
ひとつの態様において、この処置はさらに、陽極酸化アルミニウムTrueFlex(商標)ハンドピースおよびアニールされたステンレス鋼カニューラを通じて供給される直径300,320、360、400ミクロン(好ましくは、360ミクロン)FiberFlex(商標)の石英光ファイバーを用いること、髄質骨からの止血を開始するために6つの別々のポケット深さ測定位置において骨欠損基部に意図的にレーザを照射すること、成長因子(例えば、IGF―1およびIGF―II、TGF―β1、TGF―β2、BMP―2)の解放を刺激しかつアップレギュレートすること、線維芽細胞および幹細胞を刺激しかつアップレギュレートすること、フィブリノーゲンを熱分解的に切断し、それによって血液をフィブリンに変換(トロンビンは、フィブリノーゲンのフィブリンへの変換を触媒する)し、安定したフィブリン塊を作成し、血管形成を作成するべく、ポケット内の血液を温めること、任意の残存する、残留する肉芽組織および炎症、感染および病気の上皮内層を、肉芽組織を(幹細胞、毛細管、線維芽細胞)を意図的に残すが消毒して、除去および/または変性することと、ポケット組織表面を消毒し、止血を補助し、自由神経末端を焼灼しかつリンパ管を封鎖することと、接着のためのポケット組織表面を準備することと、組織接着のためにポケット組織表面に適応するべくポケット組織表面にレーザ照射することと、平均パワー3.0ワット、150ミリジュール、ピークパワー1000ワット/パルス、エネルギー密度147J/cm、パワー密度2947ワット/cmから、平均パワー4.0ワット、180ミリジュール、ピークパワー1333ワット/パルス、エネルギー密度196J/cm、パワー密度3930ワット/cmで、ポケット組織表面とインプラント表面を接近させること、接着を進行させるべくポケット組織表面とインプラント表面との接触を維持すること、および咬合干渉をなくすことを含む。
【0071】
1つの態様では、深さ測定は、インプラントの周囲で少なくとも6つの間隔をあけて測定する歯周プローブで完了する。別の態様では、切除、蒸発、およびレーザ照射は、インプラントの表面に平行に配向されたレーザファイバーで行われる。
【0072】
さらに別の態様では、この処置は、自走パルスNd:YAG、1064ナノメートル波長レーザ、好ましくはPerioLase(登録商標)MVP―7(商標)を提供するステップを含み、ここで、切除、変性および気化は、ファイバーの遠位端で測定される場合、平均出力パワー6.00ワット以下、100Hz以下のレーザ周波数のレーザによって完了される。平均出力3.0ワット、150ミリジュール、ピーク出力1500ワット/パルス、エネルギー密度147J/cm、パワー密度2947ワット/cmから、平均出力3.6ワット、180ミリジュール、ピーク出力1800ワット/パルス、エネルギー密度177J/cm、パワー密度3537ワット/cm
【0073】
さらに別の態様では、レーザファイバーは約200ミクロンから600ミクロンの間の直径を有する。さらに別の態様では、この方法は、ポケット組織表面とインプラント表面との間に薄い塊を形成させるために、1~3分間ポケット組織表面をインプラント表面と接触させて保持するためにしっかり圧力をかけることを含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、レーザ支援インプラント周囲粘膜炎およびインプラント周囲炎骨再生、および骨再結合処置は、波長1,064ナノメートルの自走(FR)パルスネオジウム:イットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG)レーザデバイスを使用し、0.2~1.3%(好ましくは100~650マイクロ秒、100ヘルツ以下、好ましくは20ヘルツ)のデューティーサイクルを含み、それは、平均パワー10ワット未満、好ましくは3.0ワット~3.6ワット、150ミリジュールおよび180ミリジュールの間、231ワット/パルスと1800ワット/パルスとの間のピーク電力、147J/cmと177J/cmとの間のエネルギー密度、および2947ワット/cmと3537ワット/cmの間の電力密度を含む好適なパラメータ範囲にわたって動作する。処置は、a)インプラントはインプラント表面を有し、患者の標的インプラントに対応する粘膜歯肉組織を麻酔すること、b)歯周プローブを使用して標的インプラント周囲のポケットでボーンサウンディングを行い、インプラント周囲の軟組織および骨に対して、歯肉上縁からアクセスできる骨欠損の範囲までの6部位におけるすべての骨欠損の深さを記録することと、c)分配されるべきジュールの単位で全光線量推定を取得するべく、すべての6プローブ深さ/ボーンサウンディングの合計を記録して、4を乗じることと、d)新しい、冠状の結合組織および骨再結合表面を準備するためにインプラントの両側のポケットの軟組織範囲に、インプラント表面の硬い石灰化した結石や歯石を光熱的に変化、破壊するべく、ポケット内部の疾患、炎症、感染、潰瘍化した上皮、インプラント腐食生成物、および肉芽組織を切除、変性、蒸発させることであって、切除、変性および蒸発のステップは、400ミクロン以下の小さな直径を有する石英光ファイバを使用して推定した全光線量の2/3の適用を含み、ハンドピースおよびアニールしたステンレススチールカニューラを介して、好ましいパラメータ内で、FR Nd:YAGレーザ装置を操作しながら行うことと、e)グラム陰性菌のリポ多糖(LPS)を破壊し変性させるべく、インプラント表面をレーザ照射することと、f)クレスタル縁から骨欠損ベースまでの全側面のポケットの全深さまで、インプラント表面の全ての異物、石灰、セメントを洗浄すること、ここで洗浄のステップは、水洗浄と20,000から30,000ヘルツおよび8から10ワットの適切なチップ操作の使用を有するレーザおよび/または優先的に圧電超音波装置を適用することを含む、g)骨切りおよび/または骨切り術を行うため、および血管新生を開始するために、頂部および辺縁隆起骨を剥離すること、h)好ましくはクロルヘキシジン0.12%の殺菌溶液でポケットを灌流すること、i)髄質骨からの止血を開始するために6つの別々のポケット深さ測定位置において骨欠損基部に意図的にレーザを照射すること、成長因子(例えば、IGF―1およびIGF―II、TGF―β1、TGF―β2、BMP―2)の解放を刺激しかつアップレギュレートし、線維芽細胞および幹細胞を刺激しかつアップレギュレートし、フィブリノーゲンを熱分解的に切断し、それによって血液をフィブリンに変換(トロンビンは、フィブリノーゲンのフィブリンへの変換を触媒する)し、安定したフィブリン塊を作成し、血管形成を作成し、ポケット内の血液を温め、任意の残存する、残留する肉芽組織および炎症、感染および病気の上皮内層を、肉芽組織を(幹細胞、毛細管、線維芽細胞)を意図的に残すが消毒して、除去および/または変性することと、ポケット組織表面を消毒し、止血を補助し、自由神経末端を焼灼しかつリンパ管を封鎖し、接着のためのポケット組織表面を準備する、j)組織接着のためにポケット組織表面を適応させるべくポケット組織表面にレーザを照射することと、ここで、工程i)およびj)のレーザ照射は、FR Nd:YAGレーザ装置を、3.0~4.0(3.6ではない)の平均電力を例外として区別され、かつ、20ヘルツで150(100ではない)~650マイクロ秒のデューティサイクルの好ましいパラメータ内で操作しながら、ハンドピースおよびアニール済みステンレス鋼カニューラを通じて供給される小径石英光ファイバを使用して全推定光線量の残りの1/3の適用を含み;k)ポケット組織表面をインプラント表面に接近させ、l)接着を進めるべく、ポケット組織表面をインプラント表面と接触させて維持することと、m)咬合干渉をなくすことを含む。
【0075】
ポケット深さは、インプラント周囲の歯周プローブを使用して測定されてもよく、ここで、伝達されるジュール単位での総光線量推定が、プローブ深さ/ボーンサウンディングの合計ミリメートルに予め指定された定数を乗じることによって得られるように、予め指定された定数が使用されてもよい。
【0076】
上記方法は、骨欠損の基部の骨に意図的に照射するためのレーザ照射を含んでよく、レーザ照射するステップは、成長因子の放出をさらに刺激してアップレギュレートし、線維芽細胞及び幹細胞を刺激してアップレギュレートする。
【0077】
上記の方法は、400~520nmの範囲で波長発光する青色発光デバイス(例えば、405、420、425、470nm)、例えば、レーザダイオード、チタンサファイアレーザ、アルゴンイオンレーザ、発光ダイオード、スーパールミネセントダイオード、ハロゲン、プラズマアークキュアリング(PAC)、または他の光源を用いて組織に同時に、順次、または単独で照射して細菌、芽胞、真菌、ウイルスおよびバクテリオファージなどを殺傷または不活性化してバイオフィルム形成抑制に用いることができる。
【0078】
一態様では、青色発光デバイスの照射は、レーザをガイドするための照準光と同軸である。別の例では、青色発光デバイスは、レーザのものとは別のエネルギー源および別のハンドピースを含む。このように、青色発光デバイスは、レーザを構成するハードウェアと組み合わせることも、完全に独立させることもできる。
【0079】
いくつかの実施形態では、リポポリサッカライドエンドトキシンを含む生物活性細菌生成物を変性又は切除するために、インプラントの表面を周方向及び放射状に照射するステップを実行するように制御される。別の例示的な態様によれば、レーザ照射は、腐食した可溶性破片、金属酸化物、粒子状破片、及び疾患軟組織内の金属溶解に起因する金属イオンを含むチタン口腔インプラントの腐食副産物を除去するために周方向及び半径方向に行うことを含む。さらに別の態様では、レーザ照射は、リポポリサッカライドエンドトキシンを含む生物活性細菌生成物を変性または切除するために、チタンインプラント表面およびスレッドに周方向および半径方向に行うことを含む。
【0080】
レーザエネルギーによる歯肉縁の切除は、切除不可能な歯肉縁の組織内の病原体や病理学的タンパク質を除去する。インプラント表面にレーザを照射することで、グラム陰性菌のリポ多糖(LPS)を破壊することができる。さらに、この方法は、より良い可視化のための止血を提供し、ピエゾ式器具に先行する組織マージンをさらに画成する。また、機械的な操作に先立ち、インプラント周囲の組織の緊張を緩和することで、自由な歯肉縁と、歯肉を固定している線維性コラーゲン基質との間の分離を解除し、粘膜の完全性を維持する。線維性コラーゲンマトリクスの治癒により、歯肉縁の頂上が術前と同レベルに維持されるため、歯肉縁の維持が可能となる。
【0081】
インプラント表面に対して30度以下の角度で方向付けた石英光ファイバーを使用して、リポポリサッカライド(LPS)を破壊するためにインプラント表面にレーザを照射することができる。30度以上では、Nd:YAGレーザパルスがインプラント表面と相互作用する可能性があるため、危険である。数パルスのNd:YAGレーザエネルギーは、インプラント内に熱が蓄積されないように照射をすぐに中止すれば、末期、病気、故障中のインプラントを傷つけることはない。石英の「裸」光ファイバーは、27度のビーム発散角を持つという性質がある。そのため、インプラント表面に平行であっても、Nd:YAGレーザ光は「側射」散乱により表面に到達することができる。
【0082】
以上、本発明の様々な実施形態を説明したが、これらは例示としてのみ提示されたものであり、限定するものではないことを理解されたい。本発明の思想及び態様から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。このように、本発明の広さおよび範囲は、上述した例示的な実施形態によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ定義されるべきものである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I