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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-07
(45)【発行日】2023-07-18
(54)【発明の名称】電磁ブレーキ制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 15/00 20060101AFI20230710BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
H02P15/00 G
H02M3/155 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022552678
(86)(22)【出願日】2021-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 CN2021074569
(87)【国際公開番号】W WO2021175059
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】202010152310.0
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522347106
【氏名又は名称】奥創動力伝動(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】ALTRA INDUSTRIAL MOTION (SHENZHEN) CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.18, Huanzhen Road, Dabo Industrial Zone, Bogang County, Shajing Town, Baoan District Shenzhen, Guangdong 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】徐 暁偉
(72)【発明者】
【氏名】魯 査
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-140350(JP,A)
【文献】国際公開第2014/024244(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 15/00
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁ブレーキに適用される電磁ブレーキ制御装置であって、前記電磁ブレーキ制御装置は、
電源管理モジュールと、第1スイッチモジュールと、フリーホイールダイオードと、前記電磁ブレーキの電磁コイルの両端に接続するための第1制御出力端子及び第2制御出力端子とを含み、
ここで、前記電源管理モジュールは、電源入力端子、第1出力端子及び第2出力端子を含み、前記電源入力端子は、外部電源に接続するために用いられ、
前記第1スイッチモジュールの入力端子及び出力端子は、前記第1出力端子及び前記第1制御出力端子にそれぞれ接続され、ここで、前記第1スイッチモジュールは、パルス幅変調機能を備えるように構成され、
前記フリーホイールダイオードのカソード及びアノードは、前記第2出力端子及び前記第1制御出力端子にそれぞれ接続され、
前記第2出力端子は、前記第2制御出力端子に接続され、
前記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電圧値又は維持電流値に基づいてパルス幅変調を行う機能であり、ここで、前記維持電圧値は前記電磁ブレーキのアーマチュア吸引を維持する電圧値であり、前記維持電流値は前記電磁ブレーキのアーマチュア吸引を維持する電流値であり、
前記電磁ブレーキ制御装置は、第2スイッチモジュールをさらに含み、前記第2出力端子は、前記第2スイッチモジュールを介して前記第2制御出力端子に接続され、
前記第2スイッチモジュールは、停電高速応答機能及び過熱保護機能を備えるように構成され、
前記停電高速応答機能は、具体的には、前記外部電源が遮断されたときに前記電磁コイルの電流回路を切断する機能であり、
前記過熱保護機能は、具体的には、前記電磁ブレーキ制御装置又は前記電磁ブレーキの温度が高すぎる場合、前記電磁コイルの電流回路を切断する機能であり、
前記第1スイッチモジュールは、ワンチップマイコンと第1スイッチトランジスタとを含み、
前記第1スイッチモジュールの入力端子は、前記ワンチップマイコンの電源入力ピンであり、
前記第1スイッチモジュールの出力端子は、前記第1スイッチトランジスタのドレインであり、前記第1スイッチトランジスタのゲートは、前記ワンチップマイコンのPWM信号出力ピンに接続され、かつ前記第1スイッチトランジスタのソースは、接地され
前記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電流値に基づいてパルス幅変調を行う機能であり、
前記電磁ブレーキ制御装置は、電流サンプリングモジュールをさらに含み、前記電流サンプリングモジュールは、第6抵抗と演算増幅回路とを含み、前記第1スイッチトランジスタのソースは、前記第6抵抗を介して接地され、
前記演算増幅回路は、演算増幅器、第1容量、第2容量、第7抵抗、第8抵抗、第9抵抗、第10抵抗、第11抵抗及び第12抵抗を含み、
前記演算増幅器の電源入力ピンは、前記第1出力端子に接続され、
前記第1容量の第1端子は、前記第1出力端子に接続され、かつ前記第1容量の第2端子は、接地され、
前記演算増幅器の出力ピンは、前記第7抵抗の第1端子及び前記ワンチップマイコンのアナログ信号入力ピンにそれぞれ接続され、
前記演算増幅器の反転入力ピンは、前記第7抵抗の第2端子及び前記第8抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
前記演算増幅器の非反転入力ピンは、前記第9抵抗の第1端子及び前記第10抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
前記演算増幅器の接地ピン及び前記第9抵抗の第2端子は、接地され、
前記第8抵抗の第2端子は、前記第2容量の第1端子及び前記第11抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、かつ前記第11抵抗の第2端子は、接地され、
前記第10抵抗の第2端子は、前記第2容量の第2端子及び前記第12抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
前記第12抵抗の第2端子は、前記第1スイッチトランジスタのソースに接続され
前記第2スイッチモジュールは、第1抵抗、第2抵抗、第2スイッチトランジスタ及び第1ツェナーダイオードを含み、
前記第1抵抗は、前記第1ツェナーダイオードに並列に接続され、
前記第1ツェナーダイオードのカソードは、前記第2出力端子に接続されかつ前記第1ツェナーダイオードのアノードは、前記第2抵抗を介して接地され、
前記第2スイッチトランジスタのゲートは、前記第2抵抗を介して接地され、前記第2スイッチトランジスタのソースは、前記第2出力端子に接続され、かつ前記第2スイッチトランジスタのドレインは、前記第2制御出力端子に接続されている、電磁ブレーキ制御装置。
【請求項2】
前記ワンチップマイコンは、動作状態信号出力機能を備えるように構成され、
前記電磁ブレーキ制御装置は、動作状態表示モジュールをさらに含み、前記動作状態表示モジュールは、発光ダイオードと第3抵抗とを含み、
前記第3抵抗の第1端子は、前記ワンチップマイコンの汎用出力ピンに接続され、かつ前記第3抵抗の第2端子は、前記発光ダイオードのアノードに接続され、前記発光ダイオードのカソードは、接地され、
前記動作状態信号出力機能は、具体的には、前記パルス幅変調により得られた信号のデューティサイクルに基づいて対応する周波数の信号を出力するように前記汎用出力ピンを制御する機能であり、ここで、出力される前記信号の前記周波数と前記デューティサイクルとは正の相関を有する、
ことを特徴とする請求項に記載の電磁ブレーキ制御装置。
【請求項3】
前記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電圧値に基づいてパルス幅変調を行う機能であり、
前記電磁ブレーキ制御装置は、電圧サンプリングモジュールをさらに含み、前記電圧サンプリングモジュールは、第4抵抗、第5抵抗及び第2ツェナーダイオードを含み、
前記ワンチップマイコンのアナログ信号入力ピンは、前記第4抵抗の第1端子、前記第5抵抗の第1端子及び前記第2ツェナーダイオードのカソードにそれぞれ接続され、
前記第4抵抗の第2端子は、前記第2出力端子に接続され、
前記第5抵抗の第2端子及び前記第2ツェナーダイオードのアノードは、接地されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁ブレーキ制御装置。
【請求項4】
前記外部電源は、直流電源であり、前記電源入力端子は、前記直流電源の正極及び負極にそれぞれ接続するための正極入力端子及び負極入力端子を含み、
前記電源管理モジュールは、入力保護及びフィルタリング回路と電圧安定化集積チップとをさらに含み、
前記入力保護及びフィルタリング回路は、第1ヒューズ、第1過渡電圧抑制ダイオード、ショットキーダイオード及び第3容量を含み、
前記正極入力端子は、前記第1ヒューズの第1端子であり、かつ前記第1ヒューズの第2端子は、前記第1過渡電圧抑制ダイオードの第1端子及び前記ショットキーダイオードのアノードにそれぞれ接続され、
前記負極入力端子は、前記第1過渡電圧抑制ダイオードの第2端子であり、かつ前記第1過渡電圧抑制ダイオードの第2端子は、前記第3容量の第1端子及び前記電圧安定化集積チップの接地ピンにそれぞれ接続されかつ接地され、
前記電源管理モジュールの前記第1出力端子は、前記電圧安定化集積チップの出力ピンであり、
前記電源管理モジュールの前記第2出力端子は、前記電圧安定化集積チップの入力ピンであり、ここで、前記電圧安定化集積チップの入力ピンは、前記ショットキーダイオードのカソード及び前記第3容量の第2端子にそれぞれ接続されている、
ことを特徴とする請求項1又はに記載の電磁ブレーキ制御装置。
【請求項5】
前記外部電源は、交流電源であり、前記電源入力端子は、前記交流電源のゼロ線端子及び活線端子にそれぞれ接続するためのゼロ線入力端子及び活線入力端子を含み、
前記電源管理モジュールは、入力保護及び整流回路、降圧回路及び電圧基準回路をさらに含み、
前記入力保護及び整流回路は、第2ヒューズ、第13抵抗及び整流ブリッジを含み、
前記降圧回路は、第14抵抗、第15抵抗、第16抵抗、第3ツェナーダイオード、第4ツェナーダイオード、第4容量及び第5容量を含み、
前記電圧基準回路は、第17抵抗及び第5ツェナーダイオードを含み、
前記活線入力端子は、前記第2ヒューズの第1端子であり、かつ前記第2ヒューズの第2端子は、前記第13抵抗の第1端子及び前記整流ブリッジの第1端子にそれぞれ接続され、
前記ゼロ線入力端子は、前記第13抵抗の第2端子であり、かつ前記第13抵抗の第2端子は、前記整流ブリッジの第3端子に接続され、
前記電源管理モジュールの前記第2出力端子は、前記整流ブリッジの第2端子であり、かつ前記整流ブリッジの第2端子は、前記第14抵抗の第1端子に接続され、
前記第14抵抗の第2端子は、前記第15抵抗の第1端子に接続され、前記第15抵抗の第2端子は、前記第3ツェナーダイオードのカソード、前記第4容量の第1端子、前記第16抵抗の第1端子及び前記第17抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
前記電源管理モジュールの前記第1出力端子は、前記第16抵抗の第2端子であり、かつ前記第16抵抗の第2端子は、前記第4ツェナーダイオードのカソード及び前記第5容量の第1端子にそれぞれ接続され、
前記第17抵抗の第2端子は、前記第5ツェナーダイオードのカソード及び前記ワンチップマイコンの基準電圧入力ピンにそれぞれ接続され、
前記整流ブリッジの第4端子、前記第3ツェナーダイオードのアノード、前記第4容量の第2端子、前記第4ツェナーダイオードのアノード、前記第5容量の第2端子及び前記第5ツェナーダイオードのアノードは、接地されている、
ことを特徴とする請求項1又はに記載の電磁ブレーキ制御装置。
【請求項6】
前記電磁ブレーキ制御装置は、第2過渡電圧抑制ダイオードをさらに含み、前記第2過渡電圧抑制ダイオードの両端は、前記第1制御出力端子及び前記第2制御出力端子にそれぞれ接続される、
ことを特徴とする請求項に記載の電磁ブレーキ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は2020年03月06日に提出された中国特許出願No.CN202010152310.0の優先権を主張する。先行出願の開示内容は全体の引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、制御技術分野に関し、具体的には、電磁ブレーキ制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電磁ブレーキは、現代産業における理想的な自動駆動要素であり、機械式動力伝達システムにおいて主に動力伝達及び動きの制御などの役割を果たし、現在各制御分野に広く用いられている。電磁ブレーキの電磁コイルを電源により制御することにより、電磁ブレーキ内のアーマチュアの制御を実現することができ、それにより電磁ブレーキの吸引又は遮断を制御する。
【0004】
従来技術では、電磁ブレーキの制御方式は、通常、定電圧制御であり、従来技術は、電磁ブレーキが長時間定格電圧で吸引され、電磁ブレーキの発熱焼損につながりやすく、安全上大きな懸念があるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、電磁ブレーキの発熱を低減し、電磁ブレーキの使用安全性を向上させる上で有利な電磁ブレーキ制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的効果を実現するために、本願は、電磁ブレーキに適用される電磁ブレーキ制御装置を提供し、該電磁ブレーキ制御装置は、
電源管理モジュールと、第1スイッチモジュールと、フリーホイールダイオードと、上記電磁ブレーキの電磁コイルの両端に接続するための第1制御出力端子及び第2制御出力端子とを含み、
ここで、上記電源管理モジュールは、電源入力端子、第1出力端子及び第2出力端子を含み、上記電源入力端子は、外部電源に接続するために用いられ、
上記第1スイッチモジュールの入力端子及び出力端子は、上記第1出力端子及び上記第1制御出力端子にそれぞれ接続され、ここで、上記第1スイッチモジュールは、パルス幅変調機能を備えるように構成され、
上記フリーホイールダイオードのカソード及びアノードは、上記第2出力端子及び上記第1制御出力端子にそれぞれ接続され、
上記第2出力端子は、上記第2制御出力端子に接続され、
上記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電圧値又は維持電流値に基づいてパルス幅変調を行う機能であり、ここで、上記維持電圧値は、上記電磁ブレーキのアーマチュア吸引を維持する電圧値であり、上記維持電流値は、上記電磁ブレーキのアーマチュア吸引を維持する電流値である。
【0007】
選択的に、上記電磁ブレーキ制御装置は、第2スイッチモジュールをさらに含み、上記第2出力端子は、上記第2スイッチモジュールを介して上記第2制御出力端子に接続され、
上記第2スイッチモジュールは、停電高速応答機能及び過熱保護機能を備えるように構成され、
上記停電高速応答機能は、具体的には、上記外部電源が遮断されたときに上記電磁コイルの電流回路を切断する機能であり、
上記過熱保護機能は、具体的には、上記電磁ブレーキ制御装置又は上記電磁ブレーキの温度が高すぎる場合、上記電磁コイルの電流回路を切断する機能である。
【0008】
選択的に、上記第1スイッチモジュールは、ワンチップマイコンと第1スイッチトランジスタとを含み、
上記第1スイッチモジュールの入力端子は、上記ワンチップマイコンの電源入力ピンであり、
上記第1スイッチモジュールの出力端子は、上記第1スイッチトランジスタのドレインであり、上記第1スイッチトランジスタのゲートは、上記ワンチップマイコンのPWM信号出力ピンに接続され、かつ上記第1スイッチトランジスタのソースは、接地されている。
【0009】
選択的に、上記第2スイッチモジュールは、第1抵抗、第2抵抗、第2スイッチトランジスタ及び第1ツェナーダイオードを含み、
上記第1抵抗は、上記第1ツェナーダイオードに並列に接続され、
上記第1ツェナーダイオードのカソードは、上記第2出力端子に接続されかつ上記第1ツェナーダイオードのアノードは、上記第2抵抗を介して接地され、
上記第2スイッチトランジスタのゲートは、上記第2抵抗を介して接地され、上記第2スイッチトランジスタのソースは、上記第2出力端子に接続され、かつ上記第2スイッチトランジスタのドレインは、上記第2制御出力端子に接続されている。
【0010】
選択的に、上記ワンチップマイコンは、動作状態信号出力機能を備えるように構成され、
上記電磁ブレーキ制御装置は、動作状態表示モジュールをさらに含み、上記動作状態表示モジュールは、発光ダイオードと第3抵抗とを含み、
上記第3抵抗の第1端子は、上記ワンチップマイコンの汎用出力ピンに接続され、かつ上記第3抵抗の第2端子は、上記発光ダイオードのアノードに接続され、上記発光ダイオードのカソードは、接地され、
上記動作状態信号出力機能は、具体的には、上記パルス幅変調により得られた信号のデューティサイクルに基づいて対応する周波数の信号を出力するように上記汎用出力ピンを制御する機能であり、ここで、上記信号の対応する周波数と上記デューティサイクルとは正の相関を有する。
【0011】
選択的に、上記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電圧値に基づいてパルス幅変調を行う機能であり、
上記電磁ブレーキ制御装置は、電圧サンプリングモジュールをさらに含み、上記電圧サンプリングモジュールは、第4抵抗、第5抵抗及び第2ツェナーダイオードを含み、
上記ワンチップマイコンのアナログ信号入力ピンは、上記第4抵抗の第1端子、上記第5抵抗の第1端子及び上記第2ツェナーダイオードのカソードにそれぞれ接続され、
上記第4抵抗の第2端子は、上記第2出力端子に接続され、
上記第5抵抗の第2端子及び上記第2ツェナーダイオードのアノードは、接地されている。
【0012】
選択的に、上記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電流値に基づいてパルス幅変調を行う機能であり、
上記電磁ブレーキ制御装置は、電流サンプリングモジュールをさらに含み、上記電流サンプリングモジュールは、第6抵抗と演算増幅回路とを含み、上記第1スイッチトランジスタのソースは、上記第6抵抗を介して接地され、
上記演算増幅回路は、演算増幅器、第1容量、第2容量、第7抵抗、第8抵抗、第9抵抗、第10抵抗、第11抵抗及び第12抵抗を含み、
上記演算増幅器の電源入力ピンは、上記第1出力端子に接続され、
上記第1容量の第1端子は、上記第1出力端子に接続されかつ上記第1容量の第2端子は、接地され、
上記演算増幅器の出力ピンは、上記第7抵抗の第1端子及び上記ワンチップマイコンのアナログ信号入力ピンにそれぞれ接続され、
上記演算増幅器の反転入力ピンは、上記第7抵抗の第2端子及び上記第8抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
上記演算増幅器の非反転入力ピンは、上記第9抵抗の第1端子及び上記第10抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
上記演算増幅器の接地ピン及び上記第9抵抗の第2端子は、接地され、
上記第8抵抗の第2端子は、上記第2容量の第1端子及び上記第11抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、かつ上記第11抵抗の第2端子は、接地され、
上記第10抵抗の第2端子は、上記第2容量の第2端子及び上記第12抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
上記第12抵抗の第2端子は、上記第1スイッチトランジスタのソースに接続されている。
【0013】
選択的に、上記外部電源は、直流電源であり、上記電源入力端子は、上記直流電源の正極及び負極にそれぞれ接続するための正極入力端子及び負極入力端子を含み、
上記電源管理モジュールは、入力保護及びフィルタリング回路と電圧安定化集積チップとをさらに含み、
上記入力保護及びフィルタリング回路は、第1ヒューズ、第1過渡電圧抑制ダイオード、ショットキーダイオード及び第3容量を含み、
上記正極入力端子は、上記第1ヒューズの第1端子であり、かつ上記第1ヒューズの第2端子は、上記第1過渡電圧抑制ダイオードの第1端子及び上記ショットキーダイオードのアノードにそれぞれ接続され、
上記負極入力端子は、上記第1過渡電圧抑制ダイオードの第2端子であり、かつ上記第1過渡電圧抑制ダイオードの第2端子は、上記第3容量の第1端子及び上記電圧安定化集積チップの接地ピンにそれぞれ接続されかつ接地され、
上記電源管理モジュールの上記第1出力端子は、上記電圧安定化集積チップの出力ピンであり、
上記電源管理モジュールの上記第2出力端子は、上記電圧安定化集積チップの入力ピンであり、ここで、上記電圧安定化集積チップの入力ピンは、上記ショットキーダイオードのカソード及び上記第3容量の第2端子にそれぞれ接続されている。
【0014】
選択的に、上記外部電源は、交流電源であり、上記電源入力端子は、上記交流電源のゼロ線端子及び活線端子にそれぞれ接続するためのゼロ線入力端子及び活線入力端子を含み、
上記電源管理モジュールは、入力保護及び整流回路、降圧回路及び電圧基準回路をさらに含み、
上記入力保護及び整流回路は、第2ヒューズ、第13抵抗及び整流ブリッジを含み、
上記降圧回路は、第14抵抗、第15抵抗、第16抵抗、第3ツェナーダイオード、第4ツェナーダイオード、第4容量及び第5容量を含み、
上記電圧基準回路は、第17抵抗及び第5ツェナーダイオードを含み、
上記活線入力端子は、上記第2ヒューズの第1端子であり、かつ上記第2ヒューズの第2端子は、上記第13抵抗の第1端子及び上記整流ブリッジの第1端子にそれぞれ接続され、
上記ゼロ線入力端子は、上記第13抵抗の第2端子であり、かつ上記第13抵抗の第2端子は、上記整流ブリッジの第3端子に接続され、
上記電源管理モジュールの上記第2出力端子は、上記整流ブリッジの第2端子であり、かつ上記整流ブリッジの第2端子は、上記第14抵抗の第1端子に接続され、
上記第14抵抗の第2端子は、上記第15抵抗の第1端子に接続され、上記第15抵抗の第2端子は、上記第3ツェナーダイオードのカソード、上記第4容量の第1端子、上記第16抵抗の第1端子及び上記第17抵抗の第1端子にそれぞれ接続され、
上記電源管理モジュールの上記第1出力端子は、上記第16抵抗の第2端子であり、かつ上記第16抵抗の第2端子は、上記第4ツェナーダイオードのカソード及び上記第5容量の第1端子にそれぞれ接続され、
上記第17抵抗の第2端子は、上記第5ツェナーダイオードのカソード及び上記ワンチップマイコンの基準電圧入力ピンにそれぞれ接続され、
上記整流ブリッジの第4端子、上記第3ツェナーダイオードのアノード、上記第4容量の第2端子、上記第4ツェナーダイオードのアノード、上記第5容量の第2端子及び上記第5ツェナーダイオードのアノードは、接地されている。
【0015】
選択的に、上記電磁ブレーキ制御装置は、第2過渡電圧抑制ダイオードをさらに含み、上記第2過渡電圧抑制ダイオードの両端は、上記第1制御出力端子及び上記第2制御出力端子にそれぞれ接続されている。
【発明の効果】
【0016】
本願の発明者が検討したところ、電磁ブレーキのアーマチュア吸引制御時、電磁ブレーキの電磁コイルに比較的大きな電圧を印加する必要があるが、電磁ブレーキのアーマチュア吸引後も、電磁ブレーキの電磁コイルの両端の電圧を一定範囲内で低減させれば、電磁ブレーキのアーマチュア吸引を保持することができることを見出した。したがって、本願によって提供される電磁ブレーキ制御装置は、電源管理モジュールと第1制御出力端子との間に第1スイッチモジュールを設け、第1制御出力端子及び第2制御出力端子を電磁ブレーキの電磁コイルの両端にそれぞれ接続し、かつ第1スイッチモジュールのパルス幅変調機能に合わせることにより、上記電磁ブレーキの電磁コイルに印加された電圧又は電流を制御することができ、それにより「高電力吸引、低電力保持」の技術的効果を実現することに有利であり、電磁ブレーキのアーマチュア吸引過程で、該電磁ブレーキの電磁コイルが長時間高圧の状態になることを回避し、さらに電磁ブレーキの発熱を低減し、電磁ブレーキの使用安全性を向上させることに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例又は従来技術の記述に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載されている図面は、本願の実施例のほんの一部であり、当業者にとっては、創造的な労働を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本願の実施例によって提供される電磁ブレーキ制御装置の回路模式図である。
図2】本願の実施例によって提供される電磁ブレーキ制御装置の回路模式図である。
図3】本願の実施例によって提供される電磁ブレーキ制御装置の電流サンプリングモジュールの回路模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、限定ではなく説明の目的で、本願の実施例を十分に理解するために、特定のシステム構造、技術などの具体的な詳細が提示される。しかしながら、本願の技術案は、これらの具体的な詳細がない他の実施例でも実現できることは、当業者には明らかであろう。その他の場合には、不用な詳細が本願の説明を妨げないように、周知のシステム、装置、回路及び方法の詳細な説明は省略される。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合に、「含む」という用語は、記述された特徴、全体、ステップ、操作、要素及び/又はコンポーネントの存在を示すが、1つ以上の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、コンポーネント及び/又はそれらの集合の存在又は追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0020】
本願の明細書で使用される用語は、特定の実施例を記述する目的のみであり、本願を制限するものではないことも理解されたい。本願の明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形の「一」、「1つ」、及び「該」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形を含むことを意図している。
【0021】
本願の明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「及び/又は」という用語は、関連して列挙された項目の1つ以上の任意の組み合わせ及び全ての可能な組み合わせを指し、これらの組み合わせを含むこともさらに理解されるべきである。
【0022】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されているように、「もし」という用語は、文脈に応じて、「時に」又は「と」又は「決定されたことに応答して」又は「検出されたことに応答して」と解釈されてもよい。同様に、「決定された場合」又は「[説明された条件又はイベント]が検出された場合」という語句は、文脈に応じて、「決定されると」又は「決定されたことに応答して」又は「[説明された条件又はイベント]が検出されると」又は「[説明された条件又はイベント]が検出されたことに応答して」を意味すると解釈されてもよい。
【0023】
以下、本願の実施例の図面を参照して、本願の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、明らかに、記述された実施例は本願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提として得た他の全ての実施例は、本願の保護の範囲に属する。
【0024】
本願の十分な理解を容易にするために、以下の説明において多くの特定の詳細が記載されているが、本願は、本明細書に記載されたものとは異なる他の方式で実施されてもよく、当業者は本願の内容に反しない場合に同様の普及を行うことができるので、本願は、以下に開示される具体的な実施例によって制限されない。
【0025】
図1は、本願の実施例によって提供される電磁ブレーキ制御装置の回路模式図を示し、図1に示すように、上記電磁ブレーキ制御装置は、
電源管理モジュール1と、第1スイッチモジュール2と、フリーホイールダイオードD1と、上記電磁ブレーキの電磁コイルの両端に接続するための第1制御出力端子COIL-及び第2制御出力端子COIL+とを含み、ここで、上記電源管理モジュール1は、電源入力端子、第1出力端子Vout及び第2出力端子VCCを含み、上記電源入力端子は、外部電源に接続するために用いられ、上記第1スイッチモジュール2の入力端子及び出力端子は、上記第1出力端子Vout及び上記第1制御出力端子COIL-にそれぞれ接続され、ここで、上記第1スイッチモジュール2は、パルス幅変調機能を備えるように構成され、上記フリーホイールダイオードD1のカソード及びアノードは、上記第2出力端子VCC及び上記第1制御出力端子COIL-にそれぞれ接続され、上記第2出力端子VCCは、上記第2制御出力端子COIL+に接続され、上記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電圧値又は維持電流値に基づいてパルス幅変調を行う機能であり、ここで、上記維持電圧値は、上記電磁ブレーキのアーマチュア吸引を維持する電圧値であり、上記維持電流値は、上記電磁ブレーキのアーマチュア吸引を維持する電流値である。上記パルス幅変調機能の原理は、パルスの幅を制御することにより、第1スイッチモジュール2のオンオフを制御し、電圧又は電流の制御を実現することである。
【0026】
上記技術案によれば、本願によって提供される電磁ブレーキ制御装置は、電源管理モジュール1と第1制御出力端子COIL-との間に第1スイッチモジュール2を設け、第1制御出力端子COIL-及び第2制御出力端子COIL+を電磁ブレーキの電磁コイルの両端にそれぞれ接続し、かつ第1スイッチモジュール2のパルス幅変調機能に合わせることにより、上記電磁ブレーキの電磁コイルに印加された電圧又は電流を制御することができ、それにより「高電力吸引、低電力保持」の技術的効果を実現することに有利であり、電磁ブレーキのアーマチュア吸引過程で、該電磁ブレーキの電磁コイルが長時間高圧の状態になることを回避し、さらに電磁ブレーキの発熱を低減し、電磁ブレーキの使用安全性を向上させることに有利である。
【0027】
第1スイッチモジュール2により予め設定された維持電圧値又は維持電流値に基づいてパルス幅変調を行い、かつパルス幅変調後の波形を出力し、それにより上記電磁ブレーキの電磁コイルに印加された電圧又は電流を制御し、上記電磁ブレーキがアーマチュアの長時間吸引を保持する場合に電磁コイルが定格電圧又は定格電流を常に保持する必要がなく、定格電圧又は定格電流よりも低い場合に通常の使用を保持することができ、電磁ブレーキの発熱を低減し、安全性を向上させるという技術的効果を達成する。
【0028】
さらに、本願によって提供される電磁ブレーキ制御装置は、電磁ブレーキの発熱量を大幅に低減させることができるため、電磁ブレーキの電磁コイル部分をある程度より薄くすることができ、それにより製品全体の小型化及び製品の軽量化に有利である。
【0029】
選択的に、上記フリーホイールダイオードD1は、上記電磁ブレーキの電磁コイルに合わせて使用されるために用いられる。上記電磁コイルは、誘導性負荷であり、電磁コイル上の電流が急激に変化すると、電磁コイルの両端に急変電圧が発生し、このとき電磁ブレーキ上の他の部品が破壊される可能性がある。フリーホイールダイオードD1に合わせると、電磁コイルの電流を比較的緩やかに変化させることができ、急変電圧の発生を回避する。具体的には、上記フリーホイールダイオードD1は、ファーストリカバリーダイオードやショットキーダイオードであってもよいし、他のタイプのダイオードであってもよく、ここでは特に限定しない。
【0030】
選択的に、上記維持電圧値(維持電流値)は、上記電磁ブレーキのアーマチュア吸引を維持する最小電圧値(最小電流値)であってもよいし、上記電磁ブレーキの電気的パラメータ及び使用環境に基づいて、実験又はシミュレーションにより得られた、上記最小電圧値(最小電流値)よりも大きくかつ上記電磁ブレーキの定格電圧値(定格電流値)よりも小さい最適動作電圧値(最適動作電流値)であってもよい。具体的には、該最適動作電圧値(最適動作電流値)を維持することで電磁ブレーキのアーマチュアの正常な吸引を保証することができ、かつ電磁ブレーキの発熱を効果的に低減することができる。
【0031】
1つの適用シナリオでは、より速いアーマチュア吸引速度が必要な場合、上記電磁ブレーキ制御装置を用いて定格電圧が1/2の第2出力端子VCC電圧の電磁ブレーキに合わせることができる。外部電源が投入されると、上記電磁ブレーキ制御装置は100%の第2出力端子VCC電圧を上記電磁ブレーキの電磁コイルに出力し、このとき上記電磁ブレーキの電磁コイルの電圧は2倍の定格電圧であり、吸引速度がより速い。予め設定された吸引時間が経過すると、上記電磁ブレーキ制御装置の第1スイッチモジュール2は、そのパルス幅変調機能により上記電磁ブレーキの電磁コイルに印加された電圧を制御し、それにより低発熱量を実現する。
【0032】
選択的に、上記第1スイッチモジュール2は、周期的再吸引機能をさらに備えるように構成され、上記周期的再吸引機能は、具体的には、予め設定された再吸引周期及び再吸引時間に基づいて、維持時間が上記再吸引時間の100%である第2出力端子VCC電圧を周期的に出力し、上記電磁ブレーキのアーマチュアが激しい振動や給電電圧の大幅な降下などにより不測に解放された後に依然として自動的に再吸引できることを保証する機能である。
【0033】
選択的に、上記パルス幅変調機能及び上記周期的再吸引機能は、予め設定された維持電流値に基づいて実現することもできる。1つの適用シナリオでは、上記電磁ブレーキの電磁コイルの電流値を収集して上記第1スイッチモジュール2にフィードバックすることができ、上記第1スイッチモジュール2は、上記予め設定された維持電流値、上記電磁コイルの電流値及び等価抵抗に基づいてパルス幅変調調節を行って電磁コイルに印加された電流を制御し、電磁ブレーキのアーマチュアの吸引保持中に、該電磁コイル上の電流値が予め設定された維持電流値で一定になるようになり、それによりアーマチュア吸引を保持しながら電磁ブレーキの発熱量を低減することを実現する。
【0034】
さらに、従来上記電磁ブレーキの電磁コイルを電圧に基づいて制御する場合、一般的に15%の電圧変動を考慮する必要があり、即ち上記電磁コイルに印加された電圧が85%の定格電圧である場合に依然としてアーマチュア吸引を維持する。同時に、電磁コイルの発熱が続くにつれて、電磁コイルの抵抗が徐々に増大し、電磁コイルの吸引電圧値(アーマチュア吸引を維持する最小の電磁コイル電圧値)もそれに伴って変化するため、電圧に基づいて電磁ブレーキの電磁コイルを制御する際に考慮すべき設計マージン(誤差許容範囲)が比較的大きい。上記電磁ブレーキの電磁コイルを電流に基づいて制御する場合、電磁ブレーキの吸引電流値(アーマチュア吸引を維持する最小の電磁コイル電流値)は温度によってほとんど変化しないため、定電流制御を採用すると、設計マージン(誤差許容範囲)を低減し、温度上昇を低減し、消費電力を節約することができ、通電制動の電磁ブレーキについても、定トルクを達成することもできる。
【0035】
選択的に、図1に示すように、本実施例では、上記電磁ブレーキ制御装置は、第2スイッチモジュール3をさらに含み、上記第2出力端子VCCは、上記第2スイッチモジュール3を介して上記第2制御出力端子COIL+に接続され、上記第2スイッチモジュール3は、停電高速応答機能及び過熱保護機能を備えるように構成され、上記停電高速応答機能は、具体的には、上記外部電源が遮断されたときに上記電磁コイルの電流回路を迅速に切断する機能であり、上記過熱保護機能は、具体的には、上記電磁ブレーキ制御装置又は上記電磁ブレーキの温度が高すぎる場合、上記電磁コイルの電流回路を切断する機能である。
【0036】
選択的に、上記電磁コイルの電流回路を切断する上述したことは、具体的には、上記第2出力端子VCC及び上記第2制御出力端子COIL+を切断することによって実現される。1つの適用シナリオでは、上記過熱保護機能は、具体的には、上記電磁ブレーキ制御装置又は上記電磁ブレーキの温度が温度閾値よりも高い場合、上記電磁コイルの電流回路を切断し、かつ上記電磁ブレーキ制御装置又は上記電磁ブレーキの温度が該温度閾値よりも低い場合、上記電磁コイルの電流回路を再接続する機能である。
【0037】
図1に示すように、本実施例では、上記第1スイッチモジュール2は、ワンチップマイコンU1と第1スイッチトランジスタQ1とを含み、上記第1スイッチモジュール2の入力端子は、上記ワンチップマイコンU1の電源入力ピン、即ち上記ワンチップマイコンU1の電源入力ピン(即ち1番ピン)であり、上記第1スイッチモジュール2の出力端子は、上記第1スイッチトランジスタQ1のドレインであり、上記第1スイッチトランジスタQ1のゲートは、上記ワンチップマイコンU1のPWM信号出力ピン(即ち5番ピン)に接続され、かつ上記第1スイッチトランジスタQ1のソースは、接地されている。
【0038】
本実施例では、上記ワンチップマイコンU1の型番は、PIC12F615-I/SNであってもよく、上記第1スイッチトランジスタQ1は、NチャネルMOSトランジスタであってもよい。上記ワンチップマイコンU1は、パルス幅変調(PWM、Pulse Width Modulation)信号を生成して上記第1スイッチトランジスタQ1が周期的にオンオフするように制御する。図1に示すように、上記第1スイッチトランジスタQ1がオンすると、上記フリーホイールダイオードD1は逆方向にオフし、上記電磁コイルは上記外部電源に近いパルス電圧を得、上記第1スイッチトランジスタQ1がオフすると、上記フリーホイールダイオードD1はオンし、上記電磁コイル中の電流は、上記フリーホイールダイオードD1を介して回路を形成し、上記電磁コイルにほぼ定電流が流れるようになる。図1に示すように、上記外部電源が直流電源である場合、PWM原理により、等価出力電圧UOUT、第2出力端子VCC電圧U及びデューティサイクルDの関係は、UOUT=D*Uである。ここで、デューティサイクルDとは、回路がオンされている時間が回路の動作周期全体に占める割合である。ワンチップマイコンU1にプログラムを書き込んでデューティサイクルDを調節することにより等価出力電圧UOUTを100%~0%の第2出力端子VCC電圧Uの間で任意に調節することを実現することができる。1つの適用シナリオでは、ワンチップマイコンU1に異なるプログラムを書き込むことにより異なる電磁ブレーキに対する複数の制御パラメータ及び複数の選択可能な機能を実現することができ、上記電磁ブレーキ制御装置の実用性を大きく向上させる。
【0039】
1つの適用シナリオでは、上記ワンチップマイコンU1により上記第1スイッチトランジスタQ1を制御し、上記外部電源が投入されると0.3秒間連続して100%の第2出力端子VCC電圧を出力し、そして上記外部電源が遮断されるまで、50%~30%の第2出力端子VCC電圧の出力に調整する。発熱電力P=U/Rであり、したがって上記電磁ブレーキの電磁コイルの発熱量は、定電圧制御の25%~10%程度となる。これにより上記電磁ブレーキの発熱量を低減し、かつ消費電力を節約することができる。
【0040】
本実施例では、上記第1スイッチモジュール2は、第6容量C6と第18抵抗R18とをさらに含む。上記第6容量C6は、上記ワンチップマイコンU1の電源入力ピン(即ち1番ピン)と接地ピン(即ち8番ピン)との間に接続され、デカップリング用であり、その大きさは100ナノファラッドであってもよく、上記第18抵抗R18の大きさは10オームであってもよい。
【0041】
図1に示すように、本実施例では、上記第2スイッチモジュール3は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第2スイッチトランジスタQ2及び第1ツェナーダイオードZD1を含む。上記第1抵抗R1は、上記第1ツェナーダイオードZD1に並列に接続され、上記第1ツェナーダイオードZD1のカソードは、上記第2出力端子VCCに接続されかつ上記第1ツェナーダイオードZD1のアノードは、上記第2抵抗R2を介して接地され、上記第2スイッチトランジスタQ2のゲートは、上記第2抵抗R2を介して接地され、上記第2スイッチトランジスタQ2のソースは、上記第2出力端子VCCに接続され、上記第2スイッチトランジスタQ2のドレインは、上記第2制御出力端子COIL+に接続されている。
【0042】
本実施例では、上記第2スイッチトランジスタQ2は、PチャネルMOSトランジスタであってもよく、上記外部電源が正常に給電する場合、上記第2スイッチトランジスタQ2のゲート電圧はソース電圧よりも約11V低く、上記第2スイッチトランジスタQ2がオンし、上記電磁コイルが正常な電流回路を形成することを保証する。上記外部電源が遮断されると、上記第2スイッチトランジスタQ2のゲート電圧及びソース電圧が共に0に迅速に低減し、上記第2スイッチトランジスタQ2がオフされることにより、上記電磁コイルの電流回路が迅速に遮断され、上記電磁コイル上の電流値が瞬時に0に減衰し、それにより外部電源が遮断されると、フリーホイールダイオードD1のフリーホイール作用が解消され、上記電磁ブレーキのアーマチュアが迅速に解放されるようになる。上記第1抵抗R1は、負の温度係数(NTC、Negative Temperature Coefficient)サーミスタであり、温度が温度閾値よりも高いときにその抵抗値が非常に低くなり、それにより上記第1ツェナーダイオードZD1を短絡させ、上記第2スイッチトランジスタQ2のゲート電圧をソース電圧に接近させ、上記第2スイッチトランジスタQ2をオフさせ、それにより上記電磁コイルの電流回路を遮断する。具体的には、温度が温度閾値未満に低減すると、上記第1抵抗R1の抵抗値が正常に復帰し、それにより上記第2スイッチトランジスタQ2を再びオンさせ、上記電磁ブレーキが再び正常に動作する。これにより、電磁ブレーキの自動温度保護を実現し、過熱焼損を回避することができる。
【0043】
選択的に、図2に示すように、上記電磁ブレーキ制御装置は、動作状態表示モジュール4をさらに含み、上記動作状態表示モジュール4は、発光ダイオードLEDと第3抵抗R3とを含み、上記ワンチップマイコンU1は、動作状態信号出力機能をさらに備えるように構成される。上記第3抵抗R3の第1端子は、上記ワンチップマイコンU1の汎用出力ピン(即ち2番ピン)に接続され、かつ上記第3抵抗R3の第2端子は、上記発光ダイオードLEDのアノードに接続され、上記発光ダイオードLEDのカソードは、接地されている。上記動作状態信号出力機能は、具体的には、上記パルス幅変調により得られたPWM信号のデューティサイクルに基づいて対応する周波数の動作状態信号を出力するように上記汎用出力ピン(即ち2番ピン)を制御し、それにより上記発光ダイオードLEDの点滅周波数を制御する機能であり、ここで、上記動作状態信号の周波数と上記デューティサイクルとは正の相関を有する。1つの適用シナリオでは、上記デューティサイクルが90%である場合、上記発光ダイオードLEDの点滅周波数は9Hzであり、上記デューティサイクルが100%である場合、上記発光ダイオードLEDの点滅周波数は10Hzであり、出力されていない場合、上記発光ダイオードLEDは点灯しない。
【0044】
選択的に、上記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電圧値に基づいてパルス幅変調を行う機能である。上記電磁ブレーキ制御装置は、電圧サンプリングモジュール5をさらに含む。図2に示すように、上記電圧サンプリングモジュール5は、第4抵抗R4、第5抵抗R5及び第2ツェナーダイオードZD2を含み、上記ワンチップマイコンU1のアナログ信号入力ピン(即ち7番ピン)は、上記第4抵抗R4の第1端子、上記第5抵抗R5の第1端子及び上記第2ツェナーダイオードZD2のカソードにそれぞれ接続され、上記第4抵抗R4の第2端子は、上記第2出力端子VCCに接続され、上記第5抵抗R5の第2端子及び上記第2ツェナーダイオードZD2のアノードは、接地されている。具体的には、上記第4抵抗R4及び上記第5抵抗R5は、抵抗分圧原理を採用して電圧サンプリングを行い、かつサンプリングにより得られたサンプリング電圧を上記ワンチップマイコンU1のアナログ信号入力ピン(即ち7番ピン)に入力し、上記ワンチップマイコンU1によりAD変換して処理し、上記第2出力端子VCCの電圧値を得る。上記第2ツェナーダイオードZD2は、上記サンプリング電圧の最大値を制限するために用いられ、上記第2出力端子VCCの電圧値が高くなりすぎて上記ワンチップマイコンU1が破壊されることを回避する。
【0045】
選択的に、上記ワンチップマイコンU1は、解放機能をさらに備えるように構成され、上記解放機能は、具体的には、上記サンプリング電圧と予め設定された解放電圧値とを比較し、上記サンプリング電圧が上記予め設定された解放電圧値よりも低い場合、上記電磁コイルが位置する電流回路を遮断し、上記アーマチュアを解放させる機能である。1つの適用シナリオでは、上記ワンチップマイコンU1から出力されたPWM信号を制御することにより上記第1スイッチトランジスタQ1を連続的にオフさせることにより、上記電磁ブレーキのアーマチュアを解放させることができる。
【0046】
選択的に、上記パルス幅変調機能は、具体的には、予め設定された維持電流値に基づいてパルス幅変調を行う機能である。上記電磁ブレーキ制御装置は、電流サンプリングモジュール6をさらに含み、図3は、上記電流サンプリングモジュール6及び上記電磁ブレーキ制御装置におけるそのアクセス方式を示し、ここで他のモジュール又は回路の接続方式は、完全に示されておらず、上記図1及び図2を参照することができる。図3に示すように、上記電流サンプリングモジュール6は、第6抵抗R6と演算増幅回路とを含み、上記第1スイッチトランジスタQ1のソースは、上記第6抵抗R6を介して接地され、上記演算増幅回路は、演算増幅器U2、第1容量C1、第2容量C2、第7抵抗R7、第8抵抗R8、第9抵抗R9、第10抵抗R10、第11抵抗R11及び第12抵抗R12を含む。1つの適用シナリオでは、上記演算増幅器U2の型番は、LM358DR2Gであってもよい。上記演算増幅器U2の電源入力ピン(即ち8番ピン)は、上記第1出力端子Voutに接続され、上記第1容量C1の第1端子は、上記第1出力端子Voutに接続されかつ上記第1容量C1の第2端子は、接地され、上記演算増幅器U2の出力ピン(即ち1番ピン)は、上記第7抵抗R7の第1端子及び上記ワンチップマイコンU1のアナログ信号入力ピン(即ち7番ピン)にそれぞれ接続され、上記演算増幅器U2の反転入力ピン(即ち2番ピン)は、上記第7抵抗R7の第2端子及び上記第8抵抗R8の第1端子にそれぞれ接続され、上記演算増幅器U2の非反転入力ピン(即ち3番ピン)は、上記第9抵抗R9の第1端子及び上記第10抵抗R10の第1端子にそれぞれ接続され、上記演算増幅器U2の接地ピン(即ち4番ピン)及び上記第9抵抗R9の第2端子は、接地され、上記第8抵抗R8の第2端子は、上記第2容量C2の第1端子及び上記第11抵抗R11の第1端子にそれぞれ接続され、かつ上記第11抵抗R11の第2端子は、接地され、上記第10抵抗R10の第2端子は、上記第2容量C2の第2端子及び上記第12抵抗R12の第1端子にそれぞれ接続され、上記第12抵抗R12の第2端子は、上記第1スイッチトランジスタQ1のソースに接続される。ここで、上記第1容量C1は、上記演算増幅器U2の電源入力ピン(即ち8番ピン)及び接地ピン(即ち4番ピン)に接続され、デカップリング用である。
【0047】
選択的に、上記第6抵抗R6は抵抗値が非常に小さいサンプリング抵抗(本実施例では0.05オームであってもよい)であり、上記演算増幅回路は演算増幅した後にサンプリング電流を得て上記ワンチップマイコンU1にフィードバックし、上記ワンチップマイコンU1は、予め設定された維持電流値及び得られたサンプリング電流値に基づいて上記電磁コイル回路の電流路を制御することができる。
【0048】
使用時間の経過とともに、電磁ブレーキの摩擦板は、徐々に摩耗して薄くなる。摩擦板が薄くなると、間接的にギャップを大きくし、それによりアーマチュアを吸引させるためにより大きな励磁電流(電磁コイル中の電流)が必要であり、必要な励磁電流が上記電磁ブレーキの電磁コイルの最小動作電圧、最高動作温度で得られる電流を超える場合、アーマチュアは吸引できなくなるリスクがあり、即ち上記電磁ブレーキの寿命が切れる。
【0049】
1つの適用シナリオでは、上記サンプリング電流は、電磁ブレーキの寿命検出にも用いられることができ、上記ワンチップマイコンU1は、寿命検出機能をさらに備えるように構成される。上記寿命検出機能は、上記サンプリング電流値及び予め設定された励磁電流値に基づいて上記電磁ブレーキの寿命を検出する機能である。具体的には、上記電磁ブレーキの最小動作電圧、最高動作温度で得られる電流を予め設定された励磁電流Iとして上記ワンチップマイコンU1に記憶する。電磁ブレーキ吸引過程における電流変化規則に従って、上記電流サンプリングモジュール6に基づいて、検出手段により上記電磁ブレーキのアーマチュアの動き開始時刻の電流Iを検出し、予め設定された励磁電流Iと比較し、I>A*Iの場合、上記電磁ブレーキの寿命が切れたと判断して警告提示を行い、ここでAは、予め設定された許容度である。誤判断を回避するために、上記ワンチップマイコンU1に直近12回のI値を記録し、最大の2つの値と最小の2つの値を除去し、残りの8つの値の平均をとって、IPAを得、かつIPAの値に基づいて寿命検出を行う。寿命検出機能により、ユーザは上記電磁ブレーキの寿命が切れることを事前に知ることができ、それによりそれを事前に交換し、損失を回避し、安全性を向上させる。
【0050】
1つの適用シナリオでは、図1に示すように、上記外部電源は、直流電源であり、上記電源入力端子は、上記直流電源の正極及び負極にそれぞれ接続するための正極入力端子DC+及び負極入力端子DC-を含み、上記電源管理モジュール1は、入力保護及びフィルタリング回路と電圧安定化集積チップU3とをさらに含み、上記入力保護及びフィルタリング回路は、第1ヒューズF1、第1過渡電圧抑制ダイオードTVS1、ショットキーダイオードD2及び第3容量C3を含み、上記正極入力端子DC+は、上記第1ヒューズF1の第1端子であり、かつ上記第1ヒューズF1の第2端子は、上記第1過渡電圧抑制ダイオードTVS1の第1端子及び上記ショットキーダイオードD2のアノードにそれぞれ接続され、上記負極入力端子DC-は、上記第1過渡電圧抑制ダイオードTVS1の第2端子であり、かつ上記第1過渡電圧抑制ダイオードTVS1の第2端子は、上記第3容量C3の第1端子及び上記電圧安定化集積チップU3の接地ピン(即ち2番ピン)にそれぞれ接続され接地され、上記電源管理モジュール1の上記第1出力端子Voutは、上記電圧安定化集積チップU3の出力ピン(即ち1番ピン)であり、上記電源管理モジュール1の上記第2出力端子VCCは、上記電圧安定化集積チップU3の入力ピン(即ち3番ピン)であり、ここで、上記電圧安定化集積チップU3の入力ピンは、上記ショットキーダイオードD2のカソード及び上記第3容量C3の第2端子にそれぞれ接続されている。
【0051】
具体的には、上記電圧安定化集積チップU3の型番は、78L05であってもよく、上記第1ヒューズF1は、短絡保護に用いられ、上記第1過渡電圧抑制ダイオードTVS1は、上記正極入力端子DC+及び上記負極入力端子DC-のサージ電圧を抑制するために用いられ、上記ショットキーダイオードD2は、上記正極入力端子DC+及び上記負極入力端子DC-の逆接続防止保護に用いられ、上記第3容量C3は、フィルタリングに用いられ、上記電圧安定化集積チップU3は、上記ワンチップマイコンU1に安定した動作電圧を供給するために用いられ、上記第1出力端子Voutから出力された電圧は、5Vである。
【0052】
1つの適用シナリオでは、図2に示すように、上記外部電源は、交流電源であり、上記電源入力端子は、上記交流電源のゼロ線端子及び活線端子にそれぞれ接続するためのゼロ線入力端子AC-N及び活線入力端子AC-Lを含み、上記電源管理モジュール1は、入力保護及び整流回路、降圧回路及び電圧基準回路をさらに含み、上記入力保護及び整流回路は、第2ヒューズF2、第13抵抗R13及び整流ブリッジD3を含み、上記降圧回路は、第14抵抗R14、第15抵抗R15、第16抵抗R16、第3ツェナーダイオードZD3、第4ツェナーダイオードZD4、第4容量C4及び第5容量C5を含み、上記電圧基準回路は、第17抵抗R17及び第5ツェナーダイオードZD5を含む。
【0053】
上記活線入力端子AC-Lは、上記第2ヒューズF2の第1端子であり、かつ上記第2ヒューズF2の第2端子は、上記第13抵抗R13の第1端子及び上記整流ブリッジD3の第1端子にそれぞれ接続され、上記ゼロ線入力端子AC-Nは、上記第13抵抗R13の第2端子であり、かつ上記第13抵抗R13の第2端子は、上記整流ブリッジD3の第3端子に接続され、上記電源管理モジュール1の第2出力端子VCCは、上記整流ブリッジD3の第2端子であり、かつ上記整流ブリッジD3の第2端子は、上記第14抵抗R14の第1端子に接続され、上記第14抵抗R14の第2端子は、上記第15抵抗R15の第1端子に接続され、上記第15抵抗R15の第2端子は、上記第3ツェナーダイオードZD3のカソード、上記第4容量C4の第1端子、上記第16抵抗R16の第1端子及び上記第17抵抗R17の第1端子にそれぞれ接続され、上記電源管理モジュール1の第1出力端子Voutは、上記第16抵抗R16の第2端子であり、かつ上記第16抵抗R16の第2端子は、上記第4ツェナーダイオードZD4のカソード及び上記第5容量C5の第1端子にそれぞれ接続され、上記第17抵抗R17の第2端子は、上記第5ツェナーダイオードZD5のカソード及び上記ワンチップマイコンU1の基準電圧入力ピン(即ち6番ピン)にそれぞれ接続され、上記整流ブリッジD3の第4端子、上記第3ツェナーダイオードZD3のアノード、上記第4容量C4の第2端子、上記第4ツェナーダイオードZD4のアノード、上記第5容量C5の第2端子及び上記第5ツェナーダイオードZD5のアノードは、接地されている。
【0054】
ここで、上記第2ヒューズF2は、短絡保護に用いられ、上記第13抵抗R13は、バリスタであり、上記ゼロ線入力端子AC-N及び活線入力端子AC-Lのサージ電圧を抑制するために用いられ、上記整流ブリッジD3は、交流電力を直流電力に整流するために用いられる。上記降圧回路は、5V及び24Vの平滑直流電力をそれぞれ得、ここで5Vの平滑直流電力は、上記ワンチップマイコンU1に給電するために用いられる。上記電圧基準回路は、AD変換の基準電圧として、実質的に変動のない5V基準電圧を得て上記ワンチップマイコンU1用に供する。
【0055】
1つの適用シナリオでは、上記外部電源が交流電源である場合、上記電磁ブレーキ制御装置の所望の等価電圧をUOUTとし、上記ワンチップマイコンU1が上記電圧サンプリング回路及び上記電圧基準回路を介して上記交流電源の整流後の電圧瞬時値uを取得すると、上記ワンチップマイコンU1から出力されたPWM電圧パルス信号のデューティサイクル瞬時値dは以下のとおりである。
【0056】
ここで、上記所望の等価電圧UOUTは、上記ワンチップマイコンU1に予め設定された維持電圧値であり、上記電磁ブレーキの電気的パラメータに基づいて予め設定及び変更可能である。
【0057】
1つの適用シナリオでは、上記外部電源が交流電源である場合、上記ワンチップマイコンU1は、プリセット信号出力機能をさらに備えるように構成される。ここで、上記プリセット信号出力機能は、上記ワンチップマイコンU1のアナログ信号入力ピン(即ち7番ピン)の取得したサンプリング電圧に基づいてプリセット信号を周期同期させかつ上記ワンチップマイコンU1のPWM信号出力ピン(即ち5番ピン)を介してプリセット信号を出力する機能である。具体的には、上記プリセット信号は、上記ワンチップマイコンU1に予め設定されたPWM信号であり、決定された交流電源について、整流後に得られた波形は周期的であり、かつ周期は決定され、したがって、シミュレーション又は実験シミュレーションにより、上記電磁ブレーキ制御装置毎の1周期における最適PWM信号のデューティサイクル瞬時値dの時間変化関数を算出し、かつ上記最適PWM信号を上記ワンチップマイコンU1に配置することができる。使用時、上記ワンチップマイコンU1は、上記電圧サンプリング回路によりサンプリング電圧を得、内蔵された電圧比較器により上記サンプリング電圧と予め設定された周期開始電圧値とを比較し、ある時刻のサンプリング電圧が上記周期開始電圧以下である場合、該時刻が上記サンプリング電圧の周期開始時刻であると判断し、上記最適PWM信号を上記サンプリング電圧に周期同期させて出力することにより、上記電磁ブレーキを制御する。ここで、上記予め設定された周期開始電圧値は、0に近い正数である。上記ワンチップマイコンU1がプリセット信号出力を行う場合にパルス幅変調をリアルタイムで行って出力するのではなく、上記ワンチップマイコンU1がプリセット信号出力を行う場合に上記電圧基準回路が基準電圧を供給する必要がなくてもよく、上記サンプリング電圧値をリアルタイムでAD変換及び計算する必要もなく、上記電磁ブレーキ制御装置の回路構造をより簡単にすることができ、かつ上記電磁コイルが上記パルス幅変調機能に基づいて得られた電流よりも平滑な電流を得ることができる。
【0058】
図1及び図2に示すように、本実施例では、上記電磁ブレーキ制御装置は、第2過渡電圧抑制ダイオードTVS2をさらに含み、上記第2過渡電圧抑制ダイオードTVS2の両端は、上記第1制御出力端子COIL-及び第2制御出力端子COIL+にそれぞれ接続される。具体的には、上記外部電源が遮断された場合、上記第1スイッチトランジスタQ1及び上記第2スイッチトランジスタQ2は共にオフされ、上記電磁コイルの電流が瞬時に0に減衰する過程で非常に高い逆電位が発生し、上記第2過渡電圧抑制ダイオードTVS2は、上記電磁コイルで発生する逆電位を抑制し、上記電磁ブレーキ制御装置を保護するために用いられる。
【0059】
当業者であれば、上記電子部品の電気的パラメータは、実際の必要に応じて選択することができることを理解することができる。また、一部のデバイス又は回路については、従来技術において同一の機能を実現することができる他のデバイス又は回路に置き換えることができ、本願の保護範囲を超えたものと見なされるべきではない。
【0060】
当業者であれば、説明の便宜及び簡潔さのために、上記各機能ユニット、モジュールの分割のみを例に挙げて説明するが、実際の応用では、必要に応じて上記機能を異なる機能ユニット、モジュールに割り当てて完了させてもよく、即ち上記システムの内部構造を異なる機能ユニット又はモジュールに分割して、上述した機能の全部又は一部を完了させてもよいことが明らかであろう。実施例における各機能ユニット、モジュールは、1つの処理ユニットに集積されてもよく、各ユニットが別個に物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよく、上記集積されたユニットがハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてもよい。また、各機能ユニット、モジュールの具体的名称も互いに区別しやすいためだけであり、本願の保護範囲を制限するものではない。上記システムにおけるユニット、モジュールの具体的な動作過程は、前記短絡保護回路の実施例における対応する過程を参照することができ、ここではその説明を省略する。
【0061】
上記実施例では、各実施例に関する記述には独自の焦点があり、ある実施例において詳述又は記載されない部分については、他の実施例に関する記述を参照されたい。
【0062】
当業者は、本明細書に開示された実施例に関連して説明された様々な例のユニット及び回路構成が、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。これらの機能がハードウェア方式で実行されるかソフトウェア方式で実行されるかは、技術案の特定の適用及び設計制約条件に依存する。当業者は、説明された機能を実現するために、特定の適用ごとに異なる方法を使用してもよいが、そのような実現は、本願の範囲から逸脱すると見なされるべきではない。
【0063】
本願によって提供される実施例では、開示される装置/システム/回路は、他の方式で実現されてもよいことが理解されるべきである。例えば、以上に説明した装置/システム/回路の実施例は、単なる例示であり、例えば、上記モジュール又はユニットの分割は、単に論理機能の分割であり、実際に実現する時に他の分割方式であってもよく、例えば、複数のユニット又はコンポーネントが別のシステムに結合又は集積されてもよく、又はいくつかの特徴が省略されても又は実行されなくてもよい。
【0064】
上記集積された回路/モジュール/ユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現され、スタンドアロン製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本願の上記実施例を実現する全部又は一部のモジュールは、コンピュータプログラムによって関連するハードウェアに命令して完了させることもでき、上記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができ、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記回路/モジュール/ユニットの機能を実現することができる。ここで、上記コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムコードを含み、上記コンピュータプログラムコードは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、実行可能なファイル又は何らかの中間形式などであってもよい。上記コンピュータ可読媒体は、上記コンピュータプログラムコードを担持可能な任意の実体又は装置、記録媒体、Uディスク、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータメモリ、読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、電気搬送波信号、電気通信信号、及びソフトウェア配信媒体などを含んでもよい。なお、上記コンピュータ可読記憶媒体に含まれる内容は、司法管轄域の立法や特許実践の要求に応じて適宜増減することができる。
【0065】
上述した実施例は、本願の技術案を説明するためのものにすぎず、本願を限定するものではなく、本願は、前述の実施例を参照して詳細に説明されているが、前述の各実施例に記載された技術案を修正し、又はその技術的特徴の一部を同等のものと置き換えることは依然として可能であり、これらの修正又は置き換えは対応する技術案の本質が本願の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱するものではなく、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきであることが当業者には理解されるべきである。理解されるように、上記実施例の各部は自由に組み合わせ又は削除して異なる組み合わせ実施例を形成することができ、ここで各組み合わせ実施例の具体的内容の説明は省略され、ここでの説明の後、明細書は各組み合わせ実施例を既に記載し、異なる組み合わせ実施例をサポートすることができると考えられる。
図1
図2
図3