(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20230711BHJP
A47F 7/17 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A47F7/17
(21)【出願番号】P 2019085240
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】中島 亮
(72)【発明者】
【氏名】二杉 憲司
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-129528(JP,A)
【文献】特開2011-104321(JP,A)
【文献】実開昭55-166594(JP,U)
【文献】特開2003-335344(JP,A)
【文献】特開2004-089640(JP,A)
【文献】実開平04-123188(JP,U)
【文献】特開2005-296031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
A47F 7/17
A47K 10/18-10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール製品を保持するディスペンサーであって、
ベース部と、
前記ベース部より立設し、前記ロール製品の巻芯部に挿入され、前記ロール製品の巻芯部よりも長い形状を持つロール製品保持部と、
前記ロール製品保持部に設けられ、前記ロール製品保持部に前記巻芯部が挿入された前記ロール製品が前記ロール製品保持部から脱落するのを防止する凸部を有する脱落防止機構と、を備え、
前記ロール製品保持部は、
U字棒状に形成され、前記ベース部に対して所定角度傾斜して設けら
れ、
前記脱落防止機構は、U字棒状の前記ロール製品保持部の閉鎖先端側に設けられ、
前記脱落防止機構の前記凸部は、前記ロール製品保持部に挿入した前記ロール製品の前記巻芯部から前記ロール製品保持部の先端側に露出することを特徴とするディスペンサー。
【請求項2】
前記ロール製品保持部に設けられ、前記ロール製品の巻芯部に前記ロール製品保持部が挿入された状態で前記ロール製品の下端部を支えるストッパーを備えることを特徴とする請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記ストッパーは、前記ロール製品保持部に対して略直角に設けられていることを特徴とする
請求項2に記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記ロール製品保持部は、前記ベース部に対して40°以上70°以下のなす角度で傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記ベース部に設けられ、前記ベース部を所定の取付面に対して固着するためのマグネットを備えることを特徴とする
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、キッチンタオル等のロール製品を保持するものが提案されている。
特許文献1のロール状物展示用紙製箱は、正面板と、この正面板の上縁に連設される天板と、この正面板の両側縁に連設される一対の側板と、一方の側板の正面板と反対側の側縁に連設される背面板と、この背面板の側縁と他方の側板の側縁とを接着により連結する側方連結用フラップと、正面板、背面板及び一対の側面板のそれぞれの下縁に連設される底部構成板より成る折畳み自在の底部とを1枚の板紙で折畳み自在に形成すると共に、正面板には収容されるロール状物を巻き出すための取出部を、正面板の取出部の上方から天板に亘っては開口された窓部に貼着された透明な合成樹脂製板状体を、一対の側板にはそれぞれ収容されるロール状物の中芯を保持するための芯保持部を設けることによって、ロール状物をその中空部で保持して、店頭において宣伝販売用の見本として展示するためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ホームセンターや展示場などでは、キッチンタオルやワイパーウエス等のロール状製品が試用品として展示される。これらのロール製品の展示では市販のディスペンサーが用いられており、製品は水平又は垂直に静置された状態となっている。
しかしながら、従来の展示形式では、顧客が展示エリア周辺の通路から見た場合、単に展示された状態であり、より視覚的に顧客の使用を誘引することはできていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、顧客誘引性の高いディスペンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、(1)本発明は、ロール製品を保持するディスペンサーであって、ベース部と、前記ベース部より立設し、前記ロール製品の巻芯部に挿入され、前記ロール製品の巻芯部よりも長い形状を持つロール製品保持部と、を備え、前記ロール製品保持部は、前記ベース部に対して所定角度傾斜して設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
(2)上記(1)の構成において、前記ロール製品保持部に設けられ、前記ロール製品の巻芯部に前記ロール製品保持部が挿入された状態で前記ロール製品の下端部を支えるストッパーを備える。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記ロール製品保持部に設けられ、前記ロール製品保持部に巻芯部が挿入された前記ロール製品が前記ロール製品保持部から脱落するのを防止する凸部を有する脱落防止機構を備える。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの構成において、 前記ロール製品保持部は、前記ベース部に対して40°以上70°以下のなす角度で傾斜して設けられている。
【0010】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、前記ストッパーは、前記ロール製品保持部に対して略直角に設けられている。
【0011】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの構成において、前記ベース部に設けられ、前記ベース部を所定の取付面に対して固着するためのマグネットを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、顧客誘引性の高いディスペンサーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係るディスペンサーの台上での使用状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るディスペンサーの壁面上での使用状態を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るディスペンサーの斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るディスペンサーの正面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るディスペンサーの底面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るディスペンサーの背面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るディスペンサーの平面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るディスペンサーの右側面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るディスペンサーの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたものであり、これらにより本発明を限定するものではない。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ符号を付する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの台20での使用状態を示す図である。
図1に示すように、台上20に載置されたディスペンサー10を用い、ロール製品Lを顧客に対して視覚的に目立たせることができる。
ここで、ロール製品Lには、キッチンペーパー、ペーパータオル、クッキングシートなどのロール状衛生用紙類、ロール状ワイパー類、ロール状フィルム及びロール状アルミシートなどのロール状シート類が含まれる。
【0016】
ディスペンサー10は、接地面となるベース部11と、ロール製品保持部12と、ストッパー15と、脱落防止機構13、14と、を備えている。
ベース部11の裏側には、後述するマグネットが設けられており、マグネットによりベース部11を台20に固着することができる。
【0017】
ロール製品保持部12は、ベース部11より立設し、ロール製品Lの巻芯部L1に挿入され、ロール製品Lの巻芯部L1よりも長い形状を持つ。ロール製品保持部12は、ベース部11に対して所定角度傾斜して設けられている。
【0018】
ロール製品保持部12には、脱落防止機構13が設けられている。脱落防止機構13には、ロール製品保持部12に巻芯部L1が挿入されたロール製品Lがロール製品保持部12から脱落するのを防止するための凸部14a、14bが形成されている。U字棒の閉鎖先端付近に脱落防止機構13を設けることで、使用時、展示時の顧客試用中の不意のロール製品Lの脱落を防止することができる。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの壁面21上での使用状態を示す図である。
図2に示すように、ベース部11の裏面に設けられたマグネットにより、壁面21上の所定の取付面に対して固着することができる。これにより、ディスペンサー10を壁面21で使用可能とすることができる。
ロール製品保持部12には、脱落防止機構13が設けられており、脱落防止機構13の凸部14a、14bにより、ロール製品Lがロール製品保持部12から脱落することを防止することができる。
【0020】
図3は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの斜視図である。
図4は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの正面図である。
図5は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの底面図である。
図6は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの背面図である。
図7は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの平面図である。
図8は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの右側面図である。
図9は、本発明の実施形態に係るディスペンサーの左側面図である。
【0021】
図3~
図9に示すように、ディスペンサー10は、ロール製品Lを保持するものであって、接地面となるベース部11と、ロール製品保持部12と、ストッパー15と、脱落防止機構13、14と、マグネット18a~18dと、固定部16、17と、を備える。
【0022】
ロール製品保持部12は、ベース部11より立設し、ロール製品Lの巻芯部L1に挿入され、ロール製品Lの巻芯部L1よりも長い形状を持つ。
ロール製品保持部12は、U字状の開放先端を逆方向に折り曲げることで固定部16、17とし、固定部16、17をベース部11に固定することにより、ロール製品保持部12はベース部11に固定される。固定部16、17はベース部11に対して接着固定してもよいし、一体成形することもできる。
ロール製品保持部12自体の形状及び構成は、上記に限らず、ロール製品Lの巻芯部L1に挿入されて、ホール製品Lを保持することができるものであれば、どのようなものであってもよい。ロール製品保持部12の材料は、金属製のもの、樹脂製のものであってもよい。
【0023】
ロール製品保持部12は、ベース部11に対して所定角度傾斜して設けられている。
ロール製品保持部12は、ベース部11に対して40°以上70°以下のなす角度で傾斜して設けられているのが好ましく、特に60°程度に傾斜していることが好ましい。
【0024】
ストッパー15は、ロール製品保持部12に設けられ、ロール製品Lの巻芯部L1にロール製品保持部12が挿入された状態でロール製品Lの下端部を支えるものである。ストッパー15は、ロール製品保持部12に対して略90°の略直角に設けられていることが好ましい。図に示す例では、ロール製品保持部12に直交するようにストッパー15が設けられているが、ストッパー15の形状は図に示すものに限定されない。
【0025】
脱落防止機構13は、ロール製品保持部12に設けられ、ロール製品保持部12に巻芯部L1が挿入されたロール製品Lがロール製品保持部12から脱落するのを防止する凸部14a、14bを有する。U字棒の閉鎖先端付近に脱落防止機構13を設けることで、使用時、展示時の顧客試用中の不意のロール製品Lの脱落を防止することができる。
凸部13、14の形状は、θ2をθ1よりも大きくすること(θ1<θ2)で脱落を防ぐことができる。
【0026】
本実施形態では、脱落防止機構13は、二つの凸部14a、14bを持つように構成したが、凸部は片側に一つであってもよい。また凸部14a、14bの大きさや形状を変えるようにしてもよい。
【0027】
図5に示すように、ベース部11の裏面には、ベース部11を所定の取付面に対して固着するためのマグネット18a~18dが設けられている。
本実施形態では、ベース部11の四隅にそれぞれマグネット18a~18dを設けるように構成したが、マグネットの個数や大きさは変更することができる。
【0028】
また、
図5に示す例では、ロール製品保持部12がベース部11に対して向かって右側に傾くように設けられている。このため、ロール製品Lをロール保持部12に保持させると、ディスペンサー10の重心はベース部11の中央より右側にシフトする。このため、マグネットをベース部11の中心より左側の磁石の力が大きくすることが好ましい。例えば、ベース部11の左半分の方がマグネットが大きくすることや、左半分に位置するマグネットの数を多くすることで、ベース部11の中心より左側の磁石の力を大きくすることができる。
【0029】
本実施形態によれば、
図2で示したように、ディスペンサー10を壁面21で使用可能とすると共に、
図1で示したように、台20上でもロール製品からシート引出し時にディスペンサー10自体の移動を防止することができる。
【0030】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0031】
10 ディスペンサー
11 ベース部
12 ロール製品保持部
13 脱落防止機構
14a、14b 凸部
15 ストッパー
16、17 固定部
18a~18d マグネット
L ロール製品
L1 巻芯部