(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】赤外線検出器の制御回路及び制御方法、撮像装置
(51)【国際特許分類】
G01J 1/44 20060101AFI20230711BHJP
H01L 31/10 20060101ALI20230711BHJP
H04N 5/33 20230101ALI20230711BHJP
H01L 27/144 20060101ALI20230711BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20230711BHJP
H04N 23/23 20230101ALI20230711BHJP
H04N 25/20 20230101ALI20230711BHJP
H04N 25/21 20230101ALI20230711BHJP
H04N 25/57 20230101ALI20230711BHJP
H04N 25/571 20230101ALI20230711BHJP
【FI】
G01J1/44 E
H01L31/10 G
H04N5/33
H01L27/144 K
H01L27/146 D
H04N23/23
H04N25/20
H04N25/21
H04N25/57
H04N25/571
(21)【出願番号】P 2018130803
(22)【出願日】2018-07-10
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】松宮 康夫
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135693(JP,A)
【文献】特開2015-173393(JP,A)
【文献】特開2017-208812(JP,A)
【文献】特開平05-207376(JP,A)
【文献】特開2008-111754(JP,A)
【文献】特開2014-049983(JP,A)
【文献】国際公開第2008/096434(WO,A1)
【文献】特開2011-066637(JP,A)
【文献】特開2004-063624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/42 - G01J 1/46
G01J 1/02
G01J 5/02
G01J 5/10 - G01J 5/24
G01J 5/34 - G01J 5/35
G01J 5/48
G01J 5/70
H01L 27/14 - H01L 27/148
H01L 31/10
H04N 5/30 - H04N 5/33
H04N 23/11
H04N 23/20 - H04N 23/30
H04N 25/00
H04N 25/20 - H04N 25/61
H04N 25/615- H04N 25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線検出器を構成する複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路を備え、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に前記赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げる感度調整部を備え、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、人体の表面がとりうる合理的な温度範囲に相当する入射光量の範囲に対する前記赤外線検知素子毎の出力範囲に、赤外線画像から前記人体であると識別可能な必要最低限の階調数が前記赤外線検知素子毎に割り当てられるように、前記赤外線検知素子毎の前記閾値を設定することを特徴とする赤外線検出器の制御回路。
【請求項2】
前記複数の駆動回路は、それぞれ、積分容量を備え、
前記感度調整部は、前記検知時間としての積分時間内に前記積分容量の電圧値が前記閾値としての電圧閾値に達したら前記積分時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げることを特徴とする、請求項1に記載の赤外線検出器の制御回路。
【請求項3】
前記感度調整部は、前記検知時間内に前記駆動回路の出力値が前記閾値としての出力閾値に達したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げることを特徴とする、請求項1に記載の赤外線検出器の制御回路。
【請求項4】
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記赤外線検知素子の駆動電圧を下げる駆動電圧調整部であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器の制御回路。
【請求項5】
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記赤外線検知素子の
受光面積を小さくする面積調整部であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器の制御回路。
【請求項6】
前記赤外線検知素子は、第1
受光領域と、第2
受光領域とを備え、
前記面積調整部は、前記赤外線検知素子の
前記受光面積を小さくするために
前記第1受光領域と前記第2受光領域との両方を駆動させる状態から前記第1
受光領域及び前記第2
受光領域の一方のみを駆動させる
状態に切り替える第1駆動制御部であることを特徴とする、請求項5に記載の赤外線検出器の制御回路。
【請求項7】
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記閾値に達したら一定時間経過後に前記赤外線検知素子の駆動を停止させる第2駆動制御部であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器の制御回路。
【請求項8】
複数の赤外線検知素子を備える赤外線検出器と、
前記赤外線検出器を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路を含み、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に前記赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げる感度調整部を備え、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、人体の表面がとりうる合理的な温度範囲に相当する入射光量の範囲に対する前記赤外線検知素子毎の出力範囲に、赤外線画像から前記人体であると識別可能な必要最低限の階調数が前記赤外線検知素子毎に割り当てられるように、前記赤外線検知素子毎の前記閾値を設定することを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
赤外線検出器を制御する制御回路に含まれ、前記赤外線検出器を構成する複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に前記赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したか否かを判定し、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、前記閾値に達したと判定したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げ、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、人体の表面がとりうる合理的な温度範囲に相当する入射光量の範囲に対する前記赤外線検知素子毎の出力範囲に、赤外線画像から前記人体であると識別可能な必要最低限の階調数が前記赤外線検知素子毎に割り当てられるように、前記赤外線検知素子毎の前記閾値を設定することを特徴とする赤外線検出器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線検出器の制御回路及び制御方法、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の赤外線検知素子を備える撮像装置では、ダイナミックレンジの減少を防止するために、あるいは、ダイナミックレンジを拡大するために、種々の方法が提案されている。
例えば、一のフレームで全ての赤外線検知素子からの出力を読み出した後にしきい値を用いて判定を行ない、その判定結果に応じて、次のフレームで全ての赤外線検知素子に対する制御を一括して行なうことでダイナミックレンジの減少を防止するものがある。
【0003】
また、例えば、異なる感光時間で複数のフレームの画像を連続で取得した後、これらを合成することで出力画像のダイナミックレンジを拡大するものもある。
さらに、例えば、低感度画素と高感度画素を設け、一のフレームで低感度画素及び高感度画素のそれぞれからの情報を取得し、画像化する際に、高感度画素からの信号が飽和していたら、低感度画素からの信号のみを用いるものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-83870号公報
【文献】特開2008-64655号公報
【文献】特開2008-111754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、撮像装置では、赤外線検知素子のダイナミックレンジが狭いと、オーバーレンジする領域が発生し、この領域の情報が得られない。
しかしながら、従来の撮像装置では、ダイナミックレンジを拡大できたとしても、フレームレートや素子数(画素数)を犠牲にすることになる。
本発明は、フレームレートや赤外線検知素子の数(画素数)を犠牲にすることなく、赤外線検知素子のダイナミックレンジを拡大することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、赤外線検出器の制御回路は、赤外線検出器を構成する複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路を備え、複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら検知時間内に赤外線検知素子の感度を下げる感度調整部を備え、複数の駆動回路は、それぞれ、人体の表面がとりうる合理的な温度範囲に相当する入射光量の範囲に対する赤外線検知素子毎の出力範囲に、赤外線画像から人体であると識別可能な必要最低限の階調数が赤外線検知素子毎に割り当てられるように記赤外線検知素子毎の閾値を設定する。
【0007】
1つの態様では、撮像装置は、複数の赤外線検知素子を備える赤外線検出器と、赤外線検出器を制御する制御回路とを備え、制御回路は、複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路を含み、複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら検知時間内に赤外線検知素子の感度を下げる感度調整部を備え、複数の駆動回路は、それぞれ、人体の表面がとりうる合理的な温度範囲に相当する入射光量の範囲に対する赤外線検知素子毎の出力範囲に、赤外線画像から人体であると識別可能な必要最低限の階調数が赤外線検知素子毎に割り当てられるように、赤外線検知素子毎の閾値を設定する。
【0008】
1つの態様では、赤外線検出器の制御方法は、赤外線検出器を制御する制御回路に含まれ、赤外線検出器を構成する複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したか否かを判定し、複数の駆動回路は、それぞれ、閾値に達したと判定したら検知時間内に赤外線検知素子の感度を下げ、複数の駆動回路は、それぞれ、人体の表面がとりうる合理的な温度範囲に相当する入射光量の範囲に対する赤外線検知素子毎の出力範囲に、赤外線画像から人体であると識別可能な必要最低限の階調数が赤外線検知素子毎に割り当てられるように、赤外線検知素子毎の閾値を設定する。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面として、フレームレートや赤外線検知素子の数(画素数)を犠牲にすることなく、赤外線検知素子のダイナミックレンジを拡大することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路に含まれる駆動回路の構成を示す図である。
【
図2】(A)は本発明の課題を説明するための図であり、(B)は本発明の原理及び効果を説明するための図である。
【
図3】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路における第1の感度調整方法を実現するための駆動回路の構成を示す図である。
【
図4】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路における第1の感度調整方法のタイミングチャートを示す図である。
【
図5】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路における第2の感度調整方法を実現するための各画素の構成を示す図である。
【
図6】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路における第2の感度調整方法を実現するための駆動回路の構成を示す図である。
【
図7】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路における第2の感度調整方法のタイミングチャートを示す図である。
【
図8】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路における第3の感度調整方法を実現するための駆動回路の構成を示す図である。
【
図9】本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路における第3の感度調整方法のタイミングチャートを示す図である。
【
図10】本実施形態にかかる撮像装置の構成を示す斜視図である。
【
図11】(A)、(B)は本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる赤外線検出器の制御回路及び制御方法、撮像装置について、
図1~
図11を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる撮像装置は、赤外線撮像装置であって、
図10に示すように、複数の赤外線検知素子を備える赤外線検出器1と、赤外線検出器1を制御する制御回路2とを備える。
【0012】
なお、撮像装置を撮像素子ともいう。また、制御回路を赤外線検出器の制御回路ともいう。
ここで、赤外線検出器1は、被写体(撮像対象)からの赤外線を電気信号に変換する赤外線検知素子が1次元又は2次元(ここでは2次元)に配置されたものである。
ここでは、赤外線検出器1は、複数の赤外線検知素子が2次元に配置され、これらが各画素を構成する赤外線検知素子アレイである。
【0013】
また、赤外線検知素子は、赤外線の入射量に応じて光電流を発生する赤外線検知素子であって、例えばQWIP(Quantum Well Infrared Photodetectors)やQDIP(Quantum Dot Infrared. Photodetector)などの赤外線の入射量に応じて電気抵抗が変化する赤外線検知素子である。
なお、赤外線検出器1を、赤外線検知器又は赤外線検知部ともいう。また、赤外線検知素子アレイを、センサアレイ、センサ素子アレイ、光電変換素子アレイ、赤外線焦点面アレイ(IRFPA;Infrared focal plane array)、QWIP焦点面アレイ(QWIP-FPA)、あるいは、QDIP焦点面アレイ(QDIP-FPA)ともいう。また、赤外線検知素子を、赤外線フォトディテクタ、量子型赤外線検知素子、感光素子、受光素子、センサ素子、QWIP素子、あるいは、QDIP素子ともいう。
【0014】
制御回路2は、
図11(A)、
図11(B)に示すように、複数の赤外線検知素子3のそれぞれに接続され、複数の赤外線検知素子3のそれぞれを駆動する複数の駆動回路15と、各駆動回路15の出力、即ち、赤外線が入射して各赤外線検知素子3に流れた電流量に応じた各駆動回路15の出力電圧を順次読み出すための切替回路16とを備える。
つまり、駆動回路15は、赤外線検知素子毎に、即ち、画素毎に設けられており、切替回路16によって、画素毎の出力(画素出力)を順次読み出すようになっている。
【0015】
ここでは、
図10に示すように、制御回路2は、赤外線検知素子アレイ1に、導電性の金属バンプ電極(ここではInバンプ電極)4を介して接続された読出回路チップ5に備えられる。つまり、読出回路チップ5と赤外線検知素子アレイ1とはフリップチップボンディングによって接合されている。
また、ここでは、読出回路チップ5には、さらに、ADコンバータ18が集積されている(例えば
図11参照)。なお、読出回路チップ5にADコンバータ18が集積されていない場合もある。
【0016】
なお、読出回路チップ5を、ROIC(readout integrated circuit)チップ、読出回路アレイ、制御回路チップ、集積回路チップ又は信号処理回路チップともいう。また、制御回路2を、読出回路又はROICともいう。また、切替回路16を、読出回路、信号処理回路又は信号処理部ともいう。
ここでは、複数の駆動回路15は、それぞれ、赤外線検出器1を構成する複数の赤外線検知素子3にバンプ電極4を介して接続されている。
【0017】
ここで、各駆動回路15は、赤外線検知素子3を一定条件で駆動する駆動回路であり、各駆動回路15に各赤外線検知素子3への入射赤外線光量に応じた電流が流れるようになっている。
そして、各駆動回路15は、赤外線が入射することによって各赤外線検知素子3に流れる電流を、積分容量19によって時間で積分し、電圧に変換して出力する積分回路を含む。
【0018】
つまり、各駆動回路15は、フレーム毎(具体的には検知時間毎)に各赤外線検知素子3に流れた電流を積分容量19によって積分し、積分容量19の電圧変化を、出力アンプ33を通して各画素の出力として出力するようになっている。
ここでは、各駆動回路15は、キャパシタ19(積分容量)と、キャパシタ19を赤外線検知素子3に接続するためのスイッチ20(トランジスタ)と、キャパシタ19をバイアス電源に接続するためのスイッチ21(トランジスタ)と、出力アンプ33とを備える。
【0019】
つまり、各駆動回路15は、バンプ電極4を介して赤外線検知素子3の一側(例えばQDIPやQWIPの一側)に接続されたスイッチ20と、バイアス電源に接続されたスイッチ21と、これらのスイッチ20、21に接続されたキャパシタ19とを備える。
そして、キャパシタ19及びスイッチ20、21のそれぞれの端子を接続した接点Xに出力アンプ33を介して出力端子22が接続されている。
【0020】
なお、赤外線検知素子3の他側(例えばQDIPやQWIPの他側)には共通電極としてのバンプ電極4が接続されている。
また、各駆動回路15の出力端子22には、切替回路16が接続されている。
つまり、切替回路16は、複数のソースフォロワトランジスタ23と、複数の行選択トランジスタ24と、複数の行線25と、複数の列線26と、複数の列選択トランジスタ27と、読み出し線28と、負荷トランジスタ29と、増幅器30と、垂直走査シフトレジスタ31と、水平走査シフトレジスタ32とを備える。
【0021】
そして、各ソースフォロワトランジスタ23のゲート端子に、それぞれ、各駆動回路15の出力端子22が接続されている。
なお、列線26及び読み出し線28を、出力線ともいう。また、増幅器30を、最終出力段増幅器、出力アンプ、電圧バッファ、DCアンプ、あるいは、インピーダンス変換回路ともいう。また、行選択トランジスタ24を、垂直選択スイッチともいう。また、列選択トランジスタ27を、水平選択スイッチともいう。
【0022】
ここで、ソースフォロワトランジスタ23は、ゲート端子に駆動回路15の出力端子22が接続されており、駆動回路15の出力に応じて動作するようになっている。
なお、各ソースフォロワトランジスタ23のドレイン端子は、図示しない電源に接続されており、電源電圧が供給されている。
各行選択トランジスタ24は、複数のソースフォロワトランジスタ23のソース端子のそれぞれに接続されている。
【0023】
各行線25は、それぞれ、各行の行選択トランジスタ24のゲート端子に接続されている。
各列線26は、行選択トランジスタ24を介してソースフォロワトランジスタ23に接続されている。つまり、各列線26は、それぞれ、行選択トランジスタ24を介して、各列のソースフォロワトランジスタ23に接続されている。
【0024】
各列選択トランジスタ27は、複数の列線26のそれぞれに接続されている。
読み出し線28は、全ての列選択トランジスタ27に接続されている。
垂直走査シフトレジスタ31は、全ての行線25に接続されており、各行線25を順次駆動し、各行線25に接続されている行選択トランジスタ24の導通・非導通制御を行なうようになっている。
【0025】
水平走査シフトレジスタ32は、全ての列選択トランジスタ27に接続されており、各列選択トランジスタ27を順次駆動し、各列選択トランジスタ27の導通・非導通制御を行なうようになっている。
読み出し線28は、一方が増幅器30を介して出力端子VOUTに接続されており、他方が負荷トランジスタ29を介してグランド電位(GND)に接続されている。
【0026】
そして、図示しない制御演算部から画素の選択信号が入力され、垂直走査シフトレジスタ31によって行線25が選択されると、選択された行線25に接続された行選択トランジスタ24は導通状態(オン状態)となる。
行選択トランジスタ24が導通状態となると、各赤外線検知素子3からの出力信号が、駆動回路15、ソースフォロワトランジスタ23及び行選択トランジスタ24を介して、列線26に出力される。
【0027】
一方、図示しない制御演算部から画素の選択信号が入力され、水平走査シフトレジスタ32によって列選択トランジスタ27が選択されると、選択された列選択トランジスタ27は導通状態(オン状態)となる。
列選択トランジスタ27が導通状態となると、上述のようにして各列線26に出力されている出力信号が、列選択トランジスタ27を介して読み出し線28に出力される。読み出し線28に出力された出力信号は増幅器30を介して出力端子VOUTに出力される。
【0028】
そして、本実施形態では、切替回路16の出力端子VOUTにADコンバータ18が接続されており、切替回路16からの出力信号であるアナログ電気信号がデジタル電気信号に変換され、デジタル電気信号が読出回路チップ5から制御演算部へ出力されるようになっている。
なお、読出回路チップ5からの出力信号は、制御演算部へ送られ、制御演算部で信号処理されるようになっている。
【0029】
ここで、制御演算部は、コンピュータやコントローラによって構成される。この制御演算部は、赤外線検知素子アレイ1に含まれる各赤外線検知素子3を駆動するための電力や駆動パルス等を出力するとともに、各赤外線検知素子3からの出力信号の処理を行ない、例えばモニタへ画像信号(画像情報)を出力するようになっている。
また、上述の赤外線検知素子アレイ1及び読出回路チップ5は、赤外線が入射しうる窓を有する真空容器内に設けられたコールドシールド内に設置されており、冷却系(冷却器)によって冷却されるようになっている。つまり、上述の撮像装置は、冷却系も備える。また、上述の撮像装置は、例えばバンドパスフィルタなどのフィルタや例えばレンズなどの光学系も備える。
【0030】
ところで、本実施形態では、
図1に示すように、画素毎に設けられた複数の駆動回路15は、それぞれ、検知時間内に赤外線検知素子3に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら検知時間内に赤外線検知素子3の感度を下げる感度調整部6を備える。なお、感度調整部6を感度調整機構ともいう。
ここで、検知時間は、駆動回路15に検知信号が入力されている時間であって、この検知時間内に赤外線検知素子3に流れる電流が検知されることになる。例えば、検知信号として積分信号が入力される場合には、検知時間は積分時間である。
【0031】
なお、検知時間はフレームに含まれる。ここでは、フレームは、検知時間と読出時間とを含む。
このため、感度調整部6は、一のフレーム内で、画素毎に、赤外線検知素子3に流れる電流に応じて得られる値(例えば積分容量19の電圧値や駆動回路15の出力値;画素出力)が一定の閾値に達したら、当該フレーム内で、画素毎に、赤外線検知素子3の感度を下げるように動作することになる。
【0032】
また、感度調整部6は、検知時間内に赤外線検知素子3に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら赤外線検知素子3の感度を下げる感度調整機能であり、検知時間内に閾値に達しない場合には赤外線検知素子3の感度を下げる感度調整は行なわない。
この場合、赤外線検出器1の制御方法としては、制御回路2に含まれる複数の駆動回路15は、それぞれ、検知時間内に赤外線検知素子3に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したか否かを判定し、複数の駆動回路15は、それぞれ、閾値に達したと判定したら検知時間内に赤外線検知素子3の感度を下げる、という各工程を含むことになる。
【0033】
ここで、感度調整部6は、検知時間内に駆動回路15の出力値(画素出力)が閾値としての出力閾値に達したら検知時間内に赤外線検知素子3の感度を下げるようになっていれば良い。
例えば、感度調整部6は、検知時間内に、外部から与えられた閾値(閾値情報)を、駆動回路15に備えられる出力アンプ33の出力値(画素出力)が超えて上がったら、駆動回路15の駆動条件(ここでは駆動電圧調整用トランジスタ20の駆動条件)を変更して、赤外線検知素子3の感度を下げるようになっていれば良い。
【0034】
このようにして、画素毎に設けられる各駆動回路15を、感度調整部6を備えるように変更することで、各赤外線検知素子3のダイナミックレンジを拡大(拡張)することができる。
つまり、従来の感度調整部を備えない場合、赤外線検知素子3を高感度に設定して用いると、入射光量と画素出力の関係は、例えば
図2(A)に示すようになり、入射光量が一定の光量を超えると、画素出力は飽和し、オーバーレンジする領域が発生し、この領域の情報が得られなくなる。
【0035】
これに対し、上述のように、感度調整部6を備えるように変更することで、赤外線検知素子3を高感度に設定して用いても、予め定めた閾値に達すると(ここでは閾値を超えると)、赤外線検知素子3の感度が下げられ、低感度に設定が変更されることになる。
このため、入射光量と画素出力の関係は、例えば
図2(B)に示すようになり、従来の感度調整部を備えない場合と比較して、より広い範囲の入射光量に対して画素出力を出すことが可能となり、各赤外線検知素子3のダイナミックレンジを拡大することができる。
【0036】
つまり、従来のオーバーレンジする領域の発生を抑制することができ、従来、情報を取得することができなかった領域においても、情報を取得することが可能となる。
このほか、複数の駆動回路15が、それぞれ、積分容量19を備える場合、感度調整部6は、検知時間としての積分時間内に積分容量19の電圧値が閾値としての電圧閾値に達したら積分時間内に赤外線検知素子3の感度を下げるようになっていても良い(例えば
図3、
図6、
図8参照)。
【0037】
例えば、感度調整部6は、検知時間としての積分時間内に、外部から与えられた閾値を、積分容量19の電圧値が超えて下がったら、駆動回路15の駆動条件(ここでは駆動電圧調整用トランジスタ20の駆動条件)を変更して、赤外線検知素子3の感度を下げるようになっていても良い。
また、感度調整部6は、赤外線検知素子3の感度を下げるために赤外線検知素子3の駆動電圧を下げる駆動電圧調整部7とすれば良い(例えば
図3参照)。
【0038】
これは、閾値に達したら赤外線検知素子3の駆動電圧(バイアス電圧)を下げて赤外線検知素子3の感度を下げる感度調整方法である。
また、感度調整部6は、赤外線検知素子3の感度を下げるために赤外線検知素子3の面積を小さくする面積調整部8としても良い(例えば
図5、
図6参照)。
これは、閾値に達したら赤外線検知素子3の面積を小さくして赤外線検知素子3の感度を下げる感度調整方法である。
【0039】
この場合、赤外線検知素子3は、第1領域3Aと、第2領域3Bとを備えるものとし(例えば
図5参照)、面積調整部8は、赤外線検知素子3の面積を小さくするために第1領域3A及び第2領域3Bの一方のみを駆動させる駆動制御部(第1駆動制御部)9とすれば良い(例えば
図6参照)。
また、感度調整部6は、赤外線検知素子3の感度を下げるために閾値に達したら一定時間経過後に赤外線検知素子3の駆動を停止させる駆動制御部(第2駆動制御部)10としても良い(例えば
図8参照)。
【0040】
これは、閾値に達したら一定時間経過後に赤外線検知素子3の駆動を停止させる感度調整方法である。
なお、赤外線検知素子3の駆動電圧(バイアス電圧)をゼロにすることで赤外線検知素子3の駆動を停止させることができる。
この感度調整方法は、例えば駆動回路15が積分容量19を備える場合は、閾値に達したら一定時間経過後に積分(信号積分)を終了することになるため、実効的な積分時間を短くする感度調整方法である。
【0041】
このように、閾値に達したら一定時間経過後に赤外線検知素子3の駆動を停止させ、赤外線検知素子3に流れる電流に応じて得られる値(例えば積分容量19の電圧値や駆動回路15の出力値;画素出力)がそれ以上変化しないようにすることで、オーバーレンジする領域が発生するのを抑制し、従来、情報を取得することができなかった領域においても、情報を取得することが可能となる。
【0042】
ところで、上述のようにしているのは、以下の理由による。
物体の熱に応じて放射される赤外線(熱赤外線)を検知する画像センサ(赤外線検知素子)は、照明を必要としないため、遠距離からの熱源の探知を得意としており、例えば海上や雪山などでの遭難者の探索に有効である。
このような利用シーンでは、低温での背景から捜索対象となる人体などの熱源を探すため、赤外線用のカメラ(赤外線カメラ;撮像装置)の感度を低温の背景に適正な値に設定して、高感度な状態で運用することが効率的である。
【0043】
このような運用の場合、捜索対象である人体などの熱源からの赤外線は低温な背景に比べて大きいため、高感度で運用しているカメラでは発見した熱源を撮像する画素部分はレンジオーバーとなり、撮像した画像では発見した熱源の輪郭のみが見えることになる。
この場合、発見された熱源が捜索対象かどうかを確認するためには、カメラの感度を一旦下げて再度撮影する必要がある。このため、感度の切り替えを行なうことなく、熱源の輪郭以外の情報(例えば階調)が得られることが好ましい。
【0044】
そこで、上述のように、画素毎に設けられる各駆動回路15に感度調整部6を設けることで、赤外線カメラの画像センサの画素毎に、入射する赤外線の光量(入射光量;赤外線量)をモニタし、入射光量が一定値(閾値)に達した場合には画素毎に感度を下げる機能を持たせるようにしている。
この場合、低温の背景から高温の物体(撮像対象)を効率的に検出できるように、高感度で赤外線検知素子3を稼働する入射光量の範囲が最大限広がるように閾値を設定するのが好ましい。
【0045】
例えば、検出しようとする高温の物体が人体である場合、人体の表面がとりうる合理的な温度範囲(例えば室温から約40℃程度)に相当する入射光量の範囲に対する画素出力の範囲(例えば駆動回路の出力値の範囲や積分容量の電圧値の範囲)に、赤外線画像から人体であると識別できる最低限の階調数(例えば16階調など)が割り当てられるように、閾値を設定すれば良い。
【0046】
例えば、画素出力が256階調である場合、そのうちの16階調が、室温から約40℃の範囲に相当する入射光量の範囲に割り当てられるように、閾値を設定すれば良い。
これにより、高感度で赤外線検知素子3を稼動する入射光量の範囲を最大限広げながら、低感度で動作させる場合に、赤外線画像から人体であると識別できるように諧調を取得できることになる。
【0047】
次に、感度調整部6による感度調整の具体例について説明する。
ここでは、各画素において、積分時間中の積分容量19の電圧値が閾値(一定の閾値)を超えて低下した場合に、次の3種類の方法のどれかを行なうことで、感度を下げる感度調整を行なう場合を例に挙げて説明する。
まず、第1の感度調整方法は、各画素を構成する赤外線検知素子3の駆動電圧を下げることで、各画素の感度を下げる方法である。
【0048】
例えば、QWIPやQDIPなどの赤外線検知素子3で、赤外線検知素子3に印加する電圧(駆動電圧;バイアス電圧)を下げることで、各画素の感度を下げることができる。
次に、第2の感度調整方法は、各画素を構成する赤外線検知素子3の面積(受光面積)を小さくすることで、各画素の感度を下げる方法である。
例えば、各画素を構成する赤外線検知素子3を2つの領域3A、3Bに分割し、両方の領域3A、3Bを用いて赤外線検知を行なっている状態から一方の領域を用いて赤外線検知を行なうように切り替えることで、各画素の感度を下げることができる。
【0049】
次に、第3の感度調整方法は、各画素を構成する赤外線検知素子3による検知時間、即ち、積分時間を短くすることで、各画素の感度を下げる方法である。
例えば、各画素において、外部からの積分信号によって決まる本来の積分時間中に積分容量19の電圧値が閾値を超えて低下しなかった場合は、本来の積分時間が終了するまで赤外線検知素子3に流れる電流を積分する。
【0050】
これに対し、閾値を超えて低下した場合は、本来の積分時間よりも短い時間で積分を終了することで、各画素の感度を下げることができる。
具体的には、本来の積分時間中に積分容量19の電圧値が閾値を超えて低下したら、タイマーを動作させ、閾値を超えて低下した後の一定の短い時間だけ追加の積分を行なって、積分を終了するようにすれば良い。
【0051】
これらの3つの感度調整方法のいずれの場合も、各画素において、積分時間中の積分容量19の電圧値が閾値を超えて低下しない場合には高感度での赤外線検知(撮像)が行なわれ、閾値を超えて低下した場合には追加で低感度での赤外線検知(撮像)が行なわれることになる。なお、各画素からの出力は入射光量に対して非線形となるが、一対一対応の関係は崩れない。
【0052】
以下、上述の第1の感度調整方法、第2の感度調整方法、第3の感度調整方法について、具体的な構成例を挙げて順に説明する。
まず、第1の感度調整方法によって感度調整を行なう場合、例えば、
図3に示すように、画素毎に設けられる各駆動回路15に、アナログスイッチ11及びコンパレータ12を追加して感度調整部6を構成すれば良い。
【0053】
この場合、各駆動回路15に備えられる駆動電圧調整用トランジスタ(例えばMOSトランジスタ)20は、ゲートに印加する電圧で赤外線検知素子3へのバイアス電圧を調整できるようになっている。
このため、駆動電圧調整用トランジスタ20のゲートにアナログスイッチ11を接続し、このアナログスイッチ11によって、ゲートに印加する電圧として、3つのバイアス電圧(Bias0、Bias1、Bias2)を選択できるようにする。
【0054】
ここで、アナログスイッチ11に与える3つのバイアス電圧は、例えばBias0=0V、Bias1<Bias2と設定し、Bias2を与えると赤外線検知素子3があらかじめ設定した高感度で動作し、Bias1を与えると赤外線検知素子3があらかじめ設定した低感度で動作するようにすれば良い。
この場合、外部からの積分信号はアナログスイッチ11に入力するようにし、積分信号が入力されたら(オンになったら)、アナログスイッチ11が切り替わって、その出力がBias0からBias2へ切り替わるようにすれば良い。
【0055】
また、積分信号が入力されなくなったら(オフになったら)、アナログスイッチ11が切り替わって、その出力がBias2又はBias1からBias0へ切り替わるようにすれば良い。
また、各駆動回路15に備えられる積分容量19にコンパレータ12を接続し、積分容量19の電圧値Vcが外部からあらかじめ与えられる閾値を超えて低下した場合に、コンパレータ12からの出力に応じて、アナログスイッチ11が切り替わり、その出力がBias2からBias1へ切り替えられ、赤外線検知素子3が低感度で動作するようにすれば良い。
【0056】
このようにして第1の感度調整方法によって感度調整を行なう場合、画素毎に設けられる各駆動回路15に、アナログスイッチ11及びコンパレータ12を追加して感度調整部6を構成することになる。
また、感度調整部6は、赤外線検知素子3の感度を下げるために赤外線検知素子3の駆動電圧を下げる駆動電圧調整部7である。
【0057】
そして、外部から与えられるリセット信号、積分信号、閾値によって、
図4に示すタイミングチャートのように動作するようにすれば良い。
なお、
図4に示すタイミングチャートは、画素に強い入射光が入った場合の動作タイミングチャートである。
図4のタイミングチャートに示すように、リセット信号の入力によって、積分容量19が一定電圧に充電され、積分信号の入力によって、アナログスイッチ11が切り替えられ、その出力がBias0からBias2に切り替えられることで、赤外線検知素子3にバイアス電圧Bias2が印加される。これにより、赤外線検知素子3は高感度で動作することになる。
【0058】
そして、赤外線検知素子3に赤外線が入射すると、その入射光量(赤外線量)に応じて積分容量19から電流が流れ、積分容量19の電圧値Vcは徐々に低下していく。
積分容量19の電圧値は、常に、コンパレータ12によって監視されており、外部からあらかじめ与えられる閾値を超えて低下した場合には、コンパレータ12の出力に応じてアナログスイッチ11が切り替えられ、その出力がBias2からBias1へ切り替えられて、赤外線検知素子3の感度が低下する。
【0059】
つまり、赤外線検知素子3は、積分時間内に積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下した場合には、その時点から積分時間の終了まで、赤外線検知素子3は低感度で動作するようになる。
一方、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下しない場合には、アナログスイッチ11は切り替えられず、Bias2のままで、赤外線検知素子3は高感度で動作しつづけることになる。
【0060】
つまり、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下しない場合には、赤外線検知素子3は、積分時間の全域にわたって、高感度で動作することになる。
なお、積分容量19の電圧値が閾値を超えて低下したか否かの判定は、画素毎に行なわれるため、画素毎に、赤外線検知素子3を高感度のまま動作させるか、高感度から低感度へ切り替えて動作させるかが決まることになる。
【0061】
外部からの積分信号が変化する時点、即ち、積分信号がオンからオフに切り替わる時点で、アナログスイッチ11は切り替えられ、Bias1又はBias2からBias0に切り替わり、積分が終了し、その後、一定のシーケンスで各画素の画素出力が外部に読み出された後、再度、リセット信号が入り、次のフレームの積分が開始する。
以上の動作によって、画素毎に、入射光量に応じた積分容量19の電圧値Vcが閾値に達するまでは高感度で動作し、閾値に達したら低感度で動作し、このように動作した画素出力が画素毎に得られ、このようにして得られた各画素の画素出力がフレーム毎に得られることになる。
【0062】
次に、第2の感度調整方法によって感度調整を行なう場合、例えば、
図5に示すように、各画素を構成する赤外線検知素子3を2つの領域(第1領域3A及び第2領域3B)に分割し、両方の領域を用いて赤外線検知を行なっている状態から一方の領域を用いて赤外線検知を行なうように切り替えることで、各画素の感度を下げることができるようにすれば良い。
【0063】
この場合、画素毎に設けられる各駆動回路15に、駆動電圧調整用トランジスタ20に加え、もう一つの駆動電圧調整用トランジスタ13を設け、一方を赤外線検知素子3の第1領域3Aに接続し、他方を赤外線検知素子の第2領域3Bに接続すれば良い。
なお、赤外線検知素子3の第1領域3Aに接続された駆動電圧調整用トランジスタ20を第1駆動電圧調整用トランジスタともいう。また、赤外線検知素子3の第2領域3Bに接続された駆動電圧調整用トランジスタ13を第2駆動電圧調整用トランジスタともいう。
【0064】
また、これらの第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13に、駆動電圧制御回路14を接続し、この駆動電圧制御回路14からの出力に応じて、第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13が動作するようにすれば良い。
この場合、外部からの積分信号は駆動電圧制御回路14に入力するようにし、積分信号が入力されたら(オンになったら)、駆動電圧制御回路14からの出力に応じて、第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13が動作し、赤外線検知素子3の第1領域3A及び第2領域3Bの両方の領域が用いられて高感度で赤外線検知が行なわれるようにすれば良い。
【0065】
そして、積分信号が入力されなくなったら(オフになったら)、駆動電圧制御回路14からの出力が切り替わって、第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13の動作(駆動)が停止するようにすれば良い。
また、各駆動回路15に備えられる積分容量19にコンパレータ12を接続し、積分容量19の電圧値Vcが外部からあらかじめ与えられる閾値を超えて低下した場合に、コンパレータ12からの出力に応じて、駆動電圧制御回路14からの出力が切り替わり、第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13の一方(ここでは第2駆動電圧調整用トランジスタ13)のみが動作(駆動)し、赤外線検知素子3の第1領域3A及び第2領域3Bの一方の領域(ここでは第2領域3B)のみを用いて赤外線検知を行なうように切り替わって、赤外線検知素子3が低感度で動作するようにすれば良い。
【0066】
このようにして第2の感度調整方法によって感度調整を行なう場合、画素毎に設けられる各駆動回路15に、もう一つの駆動電圧調整用トランジスタ13、駆動電圧制御回路14及びコンパレータ12を追加して感度調整部6を構成することになる。
また、感度調整部6は、赤外線検知素子3の感度を下げるために赤外線検知素子3の面積を小さくする面積調整部8である。
【0067】
この面積調整部8は、赤外線検知素子3の面積を小さくするために第1領域3A及び第2領域3Bの一方のみを駆動させる駆動制御部(第1駆動制御部)9である。
そして、外部から与えられるリセット信号、積分信号、閾値によって、
図7に示すタイミングチャートのように動作するようにすれば良い。
なお、
図7に示すタイミングチャートは、画素に強い入射光が入った場合の動作タイミングチャートである。
【0068】
図7のタイミングチャートに示すように、リセット信号の入力によって、積分容量19が一定電圧に充電され、積分信号の入力によって、駆動電圧制御回路14の出力が切り替えられ、第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13が動作し、赤外線検知素子3の第1領域3A及び第2領域3Bの両方の領域にバイアス電圧が印加される。
【0069】
これにより、赤外線検知素子3の第1領域3A及び第2領域3Bの両方の領域が用いられて高感度で動作することになる。
そして、赤外線検知素子3に赤外線が入射すると、その入射光量(赤外線量)に応じて積分容量19から電流が流れ、積分容量19の電圧値Vcは徐々に低下していく。
積分容量19の電圧値Vcは、常に、コンパレータ12によって監視されており、外部からあらかじめ与えられる閾値を超えて低下した場合には、コンパレータ12の出力に応じて駆動電圧制御回路14の出力が切り替えられ、第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13の一方(ここでは第2駆動電圧調整用トランジスタ13)のみが動作し、赤外線検知素子3の第1領域3A及び第2領域3Bの一方の領域(ここでは第2領域3B)のみにバイアス電圧が印加されることになる。
【0070】
これにより、積分時間内に積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下した場合には、その時点から積分時間の終了まで、赤外線検知素子3の第1領域3A及び第2領域3Bの一方の領域(ここでは第2領域3B)のみが用いられて低感度で動作することになる。
一方、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下しない場合には、駆動電圧制御回路14の出力は切り替えられず、赤外線検知素子3の第1領域3A及び第2領域3Bの両方の領域が用いられて高感度で動作しつづけることになる。
【0071】
つまり、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下しない場合には、積分時間の全域にわたって、高感度で動作することになる。
なお、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下したか否かの判定は、画素毎に行なわれるため、画素毎に、高感度のまま動作させるか、高感度から低感度へ切り替えて動作させるかが決まることになる。
【0072】
外部からの積分信号が変化する時点、即ち、積分信号がオンからオフに切り替わる時点で、駆動電圧制御回路14の出力は切り替えられ、第1駆動電圧調整用トランジスタ20及び第2駆動電圧調整用トランジスタ13の動作が停止し、積分が終了し、その後、一定のシーケンスで各画素の画素出力が外部に読み出された後、再度、リセット信号が入り、次のフレームの積分が開始する。
【0073】
以上の動作によって、画素毎に、入射光量に応じた積分容量19の電圧値Vcが閾値に達するまでは高感度で動作し、閾値に達したら低感度で動作し、このように動作した画素出力が画素毎に得られ、このようにして得られた各画素の画素出力がフレーム毎に得られることになる。
このようにして感度調整部6を構成する場合、例えば、駆動電圧などで感度を調整することができない赤外線検知素子3にも用いることができる。
【0074】
次に、第3の感度調整方法によって感度調整を行なう場合、例えば、
図8に示すように、画素毎に設けられる各駆動回路15に、アナログスイッチ34、タイマー35、AND回路36及びコンパレータ12を追加して感度調整部6を構成すれば良い。
この場合、各駆動回路15に備えられる駆動電圧調整用トランジスタ(例えばMOSトランジスタ)20は、ゲートに印加する電圧で赤外線検知素子3へのバイアス電圧を調整できるようになっている。
【0075】
このため、駆動電圧調整用トランジスタ20のゲートにアナログスイッチ34を接続し、このアナログスイッチ34によって、ゲートに印加する電圧として、2つのバイアス電圧(Bias0、Bias1)を選択できるようにする。
ここで、アナログスイッチ34に与える2つのバイアス電圧は、例えばBias0=0V、Bias0<Bias1と設定し、Bias1を与えると赤外線検知素子3があらかじめ設定した高感度で動作するようにすれば良い。
【0076】
この場合、外部からの積分信号はAND回路36に入力するようにし、さらに、タイマー35のoutからの出力がAND回路36に入力されるようにすれば良い。また、タイマー35のresetにリセット信号が入力されるようにすれば良い。
そして、タイマー35は、resetにリセット信号が入力されると、outがHighになるようにすれば良い。
【0077】
タイマー35のoutからの出力がHighになっていて、これがAND回路36に入力されている状態で、AND回路36に、積分信号が入力されたら(オンになったら)、AND条件を成立し、アナログスイッチ34が切り替わって、その出力がBias0からBias1へ切り替わるようにすれば良い。
一方、積分信号が入力されなくなったら(オフになったら)、AND条件が成立しなくなり、アナログスイッチ34が切り替わって、その出力がBiasからBias0へ切り替わるようにすれば良い。
【0078】
また、各駆動回路15に備えられる積分容量19にコンパレータ12を接続し、積分容量19の電圧値Vcが外部からあらかじめ与えられる閾値を超えて低下した場合に、コンパレータ12からの出力がタイマー35のstartに入力され、入力後一定時間経過後にタイマー35のoutがLowになり、これがAND回路36に入力され、AND条件が成立しなくなり、アナログスイッチ34が切り替わって、その出力がBias1からBias0へ切り替えられ、赤外線検知素子3の動作(駆動)を停止させるようにすれば良い。
【0079】
つまり、積分容量19の電圧値Vcが外部からあらかじめ与えられる閾値を超えて低下した場合に、閾値に達した時から一定時間経過後に赤外線検知素子3の動作(駆動)を停止させることで、実効的な積分時間を短くして、各画素の感度を下げるようにすれば良い。
この場合、各画素において、外部からの積分信号によって決まる本来の積分時間中に積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下しなかった場合は、本来の積分時間が終了するまで赤外線検知素子3に流れる電流を積分することになる。
【0080】
これに対し、閾値を超えて低下した場合は、本来の積分時間よりも短い時間、即ち、閾値を超えて低下した時点からあらかじめ設定した時間を経過した後に積分を強制的に終了することで、実効的な積分時間が短くなり、各画素の感度を実効的に下げることができる。
このようにして第3の感度調整方法によって感度調整を行なう場合、画素毎に設けられる各駆動回路15に、アナログスイッチ34、AND回路36、タイマー35及びコンパレータ12を追加して感度調整部6を構成することになる。
【0081】
また、感度調整部6は、赤外線検知素子3の感度を下げるために閾値に達したら一定時間経過後に赤外線検知素子3の駆動を停止させる駆動制御部(第2駆動制御部)10である。
そして、外部から与えられるリセット信号、積分信号、閾値によって、
図9に示すタイミングチャートのように動作するようにすれば良い。
【0082】
なお、
図9に示すタイミングチャートは、画素に強い入射光が入った場合の動作タイミングチャートである。
図9のタイミングチャートに示すように、リセット信号の入力によって、積分容量19が一定電圧に充電され、積分信号の入力によって、アナログスイッチ34が切り替えられ、その出力がBias0からBias1に切り替えられることで、赤外線検知素子3にバイアス電圧Bias1が印加される。これにより、赤外線検知素子3は高感度で動作することになる。
【0083】
そして、赤外線検知素子3に赤外線が入射すると、その入射光量(赤外線量)に応じて積分容量19から電流が流れ、積分容量19の電圧値Vcは徐々に低下していく。
積分容量19の電圧値Vcは、常に、コンパレータ12によって監視されており、外部からあらかじめ与えられる閾値を超えて低下した場合には、コンパレータ12の出力がタイマー35のstartに入力され、入力後一定時間経過後にタイマー35のoutがLowになり、これがAND回路36に入力され、AND条件が成立しなくなり、アナログスイッチ34が切り替わって、その出力がBias1からBias0へ切り替えられて、赤外線検知素子3の動作(駆動)が停止する。
【0084】
つまり、赤外線検知素子3は、積分時間内に積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下した場合には、その時点からあらかじめ設定した時間を経過した後に積分を強制的に終了することで、実効的な積分時間が短くなり、各画素の感度が実効的に下がることになる。このため、赤外線検知素子3の動作(駆動)を停止させることは、各画素の感度を高感度から低感度へ切り替えて動作させることを意味する。
【0085】
一方、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下しない場合には、アナログスイッチ34は切り替えられず、Bias1のままで、赤外線検知素子3は高感度で動作しつづけることになる。
つまり、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下しない場合には、赤外線検知素子3は、積分時間の全域にわたって、高感度で動作することになる。
【0086】
なお、積分容量19の電圧値Vcが閾値を超えて低下したか否かの判定は、画素毎に行なわれるため、画素毎に、赤外線検知素子3を高感度のまま動作させるか、高感度から低感度へ切り替えて動作させるかが決まることになる。
外部からの積分信号が変化する時点、即ち、積分信号がオンからオフに切り替わる時点で、積分が終了し、その後、一定のシーケンスで各画素の画素出力が外部に読み出された後、再度、リセット信号が入り、次のフレームの積分が開始する。
【0087】
以上の動作によって、画素毎に、入射光量に応じた積分容量19の電圧値Vcが閾値に達するまでは高感度で動作し、閾値に達したら低感度で動作し、このように動作した画素出力が画素毎に得られ、このようにして得られた各画素の画素出力がフレーム毎に得られることになる。
このようにして感度調整部6を構成する場合、駆動電圧などで感度を変化させることができない赤外線検知素子3について、1画素を複数の領域3A、3Bに分割する第2の感度調整方法と比較して、赤外線検知素子3の分割に伴う有効面積の低下を伴わないという点でメリットがある。
【0088】
したがって、本実施形態にかかる赤外線検出器の制御回路及び制御方法、撮像装置は、フレームレートや赤外線検知素子3の数(画素数)を犠牲にすることなく、赤外線検知素子3のダイナミックレンジを拡大することができるという効果を有する。
つまり、単一フレーム内で画素毎に赤外線検知素子3の感度を切り替えることが可能となり、フレームレートや撮像素子数を犠牲にすることなく、赤外線検知素子3のダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
【0089】
これにより、赤外線を用いる熱源の探知を行なう赤外線検知システム(撮像装置)の運用利便性を大きく向上する効果が期待できる。
なお、本発明は、上述した実施形態及び各変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態及び各変形例に関し、更に、付記を開示する。
【0090】
(付記1)
赤外線検出器を構成する複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路を備え、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に前記赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げる感度調整部を備えることを特徴とする赤外線検出器の制御回路。
【0091】
(付記2)
前記複数の駆動回路は、それぞれ、積分容量を備え、
前記感度調整部は、前記検知時間としての積分時間内に前記積分容量の電圧値が前記閾値としての電圧閾値に達したら前記積分時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げることを特徴とする、付記1に記載の赤外線検出器の制御回路。
【0092】
(付記3)
前記感度調整部は、前記検知時間内に前記駆動回路の出力値が前記閾値としての出力閾値に達したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げることを特徴とする、付記1に記載の赤外線検出器の制御回路。
(付記4)
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記赤外線検知素子の駆動電圧を下げる駆動電圧調整部であることを特徴とする、付記1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器の制御回路。
【0093】
(付記5)
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記赤外線検知素子の面積を小さくする面積調整部であることを特徴とする、付記1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器の制御回路。
(付記6)
前記赤外線検知素子は、第1領域と、第2領域とを備え、
前記面積調整部は、前記赤外線検知素子の面積を小さくするために前記第1領域及び前記第2領域の一方のみを駆動させる第1駆動制御部であることを特徴とする、付記5に記載の赤外線検出器の制御回路。
【0094】
(付記7)
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記閾値に達したら一定時間経過後に前記赤外線検知素子の駆動を停止させる第2駆動制御部であることを特徴とする、付記1~3のいずれか1項に記載の赤外線検出器の制御回路。
(付記8)
複数の赤外線検知素子を備える赤外線検出器と、
前記赤外線検出器を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路を含み、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に前記赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げる感度調整部を備えることを特徴とする撮像装置。
【0095】
(付記9)
前記複数の駆動回路は、それぞれ、積分容量を備え、
前記感度調整部は、前記検知時間としての積分時間内に前記積分容量の電圧値が前記閾値としての電圧閾値に達したら前記積分時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げることを特徴とする、付記8に記載の撮像装置。
【0096】
(付記10)
前記感度調整部は、前記検知時間内に前記駆動回路の出力値が前記閾値としての出力閾値に達したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げることを特徴とする、付記8に記載の撮像装置。
(付記11)
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記赤外線検知素子の駆動電圧を下げる駆動電圧調整部であることを特徴とする、付記8~10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【0097】
(付記12)
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記赤外線検知素子の面積を小さくする面積調整部であることを特徴とする、付記8~10のいずれか1項に記載の撮像装置。
(付記13)
前記赤外線検知素子は、第1領域と、第2領域とを備え、
前記面積調整部は、前記赤外線検知素子の面積を小さくするために前記第1領域及び前記第2領域の一方のみを駆動させる第1駆動制御部であることを特徴とする、付記12に記載の撮像装置。
【0098】
(付記14)
前記感度調整部は、前記赤外線検知素子の感度を下げるために前記閾値に達したら一定時間経過後に前記赤外線検知素子の駆動を停止させる第2駆動制御部であることを特徴とする、付記8~10のいずれか1項に記載の撮像装置。
(付記15)
赤外線検出器を制御する制御回路に含まれ、前記赤外線検出器を構成する複数の赤外線検知素子のそれぞれに接続され、前記複数の赤外線検知素子のそれぞれを駆動する複数の駆動回路は、それぞれ、検知時間内に前記赤外線検知素子に流れる電流に応じて得られる値が閾値に達したか否かを判定し、
前記複数の駆動回路は、それぞれ、前記閾値に達したと判定したら前記検知時間内に前記赤外線検知素子の感度を下げることを特徴とする赤外線検出器の制御方法。
【符号の説明】
【0099】
1 赤外線検出器(赤外線検知素子アレイ)
2 制御回路
3 赤外線検知素子
3A 赤外線検知素子の第1領域
3B 赤外線検知素子の第2領域
4 バンプ電極
5 読出回路チップ
6 感度調整部
7 駆動電圧調整部
8 面積調整部
9 駆動制御部(第1駆動制御部)
10 駆動制御部(第2駆動制御部)
11 アナログスイッチ
12 コンパレータ
13 駆動電圧調整用トランジスタ
14 駆動電圧制御回路
15 駆動回路
16 切替回路
18 ADコンバータ
19 積分容量(キャパシタ)
20 スイッチ(トランジスタ;駆動電圧調整用トランジスタ)
21 スイッチ(トランジスタ)
22 出力端子
23 ソースフォロワトランジスタ
24 行選択トランジスタ
25 行線
26 列線
27 列選択トランジスタ
28 読み出し線
29 負荷トランジスタ
30 増幅器
31 垂直走査シフトレジスタ
32 水平走査シフトレジスタ
33 出力アンプ
34 アナログスイッチ
35 タイマー
36 AND回路