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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20230711BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20230711BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20230711BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20230711BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H04N1/00 838
G06F21/31
G06F21/62 318
B41J29/00 Z
B41J29/38
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018154584
(22)【出願日】2018-08-21
(65)【公開番号】P2020031299
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】吉本 祐介
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-067207(JP,A)
【文献】特開2011-067992(JP,A)
【文献】特開2012-164107(JP,A)
【文献】特開2010-268063(JP,A)
【文献】特開2012-160884(JP,A)
【文献】特開2009-182670(JP,A)
【文献】特開2011-071651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 21/31
G06F 21/62
B41J 29/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置が着脱される装着部と、
予め定められた認証操作に応じてユーザーをログインさせるログイン処理部と、
前記装着部に前記記憶装置が装着された時にログインしていたユーザー又は前記装着部に前記記憶装置が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーを当該記憶装置に対応付ける対応付け処理部と、
前記装着部に装着された前記記憶装置にアクセス可能なユーザーを前記対応付け処理部によって当該記憶装置に対応付けられたユーザーに制限する制限処理部と、
自装置の無操作状態が予め定められた設定時間を超えて継続した場合にユーザーをログアウトさせるログアウト処理部と、
ログイン中のユーザーと前記装着部に装着されている前記記憶装置に対応付けられたユーザーとが一致する場合に、前記設定時間を短縮する第1変更処理部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記装着部に装着された前記記憶装置とユーザーとの対応関係を示す対応関係情報が格納される記憶部を備え、
前記対応付け処理部は、前記装着部に前記記憶装置が装着された場合であって当該記憶装置に対応する前記対応関係情報が前記記憶部に格納されていない場合に、当該記憶装置が装着された時にログインしていたユーザー又は当該記憶装置が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーと当該記憶装置との対応関係を示す前記対応関係情報を前記記憶部に格納する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記装着部に装着された前記記憶装置に対応するユーザーを示すユーザー情報が格納される記憶部を備え、
前記対応付け処理部は、前記装着部に前記記憶装置が装着されるごとに前記記憶部に格納されている前記ユーザー情報を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1変更処理部は、ログイン中のユーザーに対応する予め設定された前記設定時間の短縮量に基づいて、前記設定時間を短縮する、
請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザーごとに、当該ユーザーが当該ユーザーに対応する前記記憶装置を前記装着部から取り外す前にログアウトする取り外し忘れの回数をカウントするカウント処理部を備え、
前記第1変更処理部は、ログイン中のユーザーに対応する前記カウント処理部によってカウントされた前記取り外し忘れの回数が多いほど、前記設定時間の短縮量を多くする、
請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1変更処理部は、前記装着部に装着された前記記憶装置に格納されているデータの種類に基づいて前記設定時間を短縮する、
請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1変更処理部によって前記設定時間が短縮された場合にその旨を報知する報知処理部を備える、
請求項1~6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1変更処理部による前記設定時間の短縮後であって前記設定時間の短縮時にログイン中のユーザーがログアウトする前に前記装着部から前記記憶装置が取り外された場合に、短縮された前記設定時間を元の時間に戻す第2変更処理部を備える、
請求項1~7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
記憶装置が着脱される装着部を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
予め定められた認証操作に応じてユーザーをログインさせるログインステップと、
前記装着部に前記記憶装置が装着された時にログインしていたユーザー又は前記装着部に前記記憶装置が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーを当該記憶装置に対応付ける対応付けステップと、
前記装着部に装着された前記記憶装置にアクセス可能なユーザーを前記対応付けステップによって当該記憶装置に対応付けられたユーザーに制限する制限ステップと、
前記情報処理装置の無操作状態が予め定められた設定時間を超えて継続した場合にユーザーをログアウトさせるログアウトステップと、
ログイン中のユーザーと前記装着部に装着されている前記記憶装置に対応付けられたユーザーとが一致する場合に、前記設定時間を短縮する変更ステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
USBメモリーのような記憶装置を着脱可能な装着部を備える情報処理装置が知られている。この種の情報処理装置では、前記装着部に前記記憶装置を装着したユーザーが当該記憶装置の取り外しを忘れて前記情報処理装置の傍から離れてしまうことがある。この場合、前記装着部に装着された前記記憶装置に格納されているデータが、その後に前記情報処理装置を利用する第三者によって利用されるおそれがある。これに対し、前記装着部に装着された前記記憶装置の取り外し忘れが発生した場合に、当該記憶装置に格納されているデータを当該記憶装置から退避させることが可能な情報処理システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-111496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、取り外しが忘れられた前記記憶装置に格納されているデータを退避させる場合には、前記情報処理装置側に当該データを格納可能な記憶領域を予め設けておく必要がある。
【0005】
本発明の目的は、取り外しが忘れられた記憶装置に格納されているデータを退避させることなく、当該データが第三者によって利用されることを抑制可能な情報処理装置、及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る情報処理装置は、装着部と、ログイン処理部と、対応付け処理部と、制限処理部とを備える。前記装着部には、記憶装置が着脱される。前記ログイン処理部は、予め定められた認証操作に応じてユーザーをログインさせる。前記対応付け処理部は、前記装着部に前記記憶装置が装着された時にログインしていたユーザー又は前記装着部に前記記憶装置が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーを当該記憶装置に対応付ける。前記制限処理部は、前記装着部に装着された前記記憶装置にアクセス可能なユーザーを前記対応付け処理部によって当該記憶装置に対応付けられたユーザーに制限する。
【0007】
本発明の他の局面に係る情報処理方法は、記憶装置が着脱される装着部を備える情報処理装置で実行され、以下のログインステップ、対応付けステップ、及び制限ステップを含む。前記ログインステップでは、予め定められた認証操作に応じてユーザーがログインされる。前記対応付けステップでは、前記装着部に前記記憶装置が装着された時にログインしていたユーザー又は前記装着部に前記記憶装置が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーが当該記憶装置に対応付けられる。前記制限ステップでは、前記装着部に装着された前記記憶装置にアクセス可能なユーザーが前記対応付けステップによって当該記憶装置に対応付けられたユーザーに制限される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、取り外しが忘れられた記憶装置に格納されているデータを退避させることなく、当該データが第三者によって利用されることを抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される対応付け処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行されるアクセス制限処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される対応付け処理の他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像形成装置10の構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。ここで、図1は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。
【0012】
画像形成装置10は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能と共に、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。ここに、画像形成装置10が、本発明における情報処理装置の一例である。なお、本発明における情報処理装置は、スキャナー、プリンター、ファクシミリ装置、コピー機、パーソナルコンピューター、及びノートパソコンなどであってもよい。
【0013】
図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は、ADF(自動原稿搬送装置)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、装着部7、及び記憶部8を備える。なお、図2において、画像形成装置10は二点鎖線によって示されている。
【0014】
ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備え、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する。
【0015】
画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCDを備え、原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0016】
画像形成部3は、画像読取部2で読み取られた画像データに基づいて、電子写真方式でシートに画像を形成することが可能である。また、画像形成部3は、外部の情報処理装置から入力された画像データに基づいて、シートに画像を形成することも可能である。具体的に、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電装置、光走査装置(LSU)、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、定着ローラー、加圧ローラー、及び排紙トレイを備える。なお、画像形成部3は、インクジェット方式などの他の画像形成方式により画像を形成するものであってもよい。
【0017】
給紙部4は、給紙カセット、及び複数の搬送ローラーを備え、画像形成部3にシートを供給する。画像形成部3は、給紙部4から供給されるシートに、画像データに基づく画像を形成する。画像形成部3による画像形成後のシートは、前記排紙トレイに排出される。
【0018】
制御部5は、CPU5A、ROM5B、及びRAM5Cなどの制御機器を備える。CPU5Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM5Bは、CPU5Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM5Cは、CPU5Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。制御部5では、CPU5AによりROM5Bに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0019】
操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0020】
装着部7は、USB規格に基づいてデータの入出力が可能な外部の電子機器が着脱されるUSB接続端子を有する。例えば、装着部7には、USB規格に基づいてデータの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置20(図2参照)が着脱される。例えば、記憶装置20はUSBメモリーである。
【0021】
記憶部8は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部8は、フラッシュメモリー、及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリー、SSD(ソリッドステートドライブ)、並びにHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0022】
図2に示されるように、記憶部8は、第1記憶領域81、及び第2記憶領域82を備える。
【0023】
第1記憶領域81には、画像形成装置10にログイン可能なユーザー各々に対応する認証情報が格納されている。前記認証情報は、画像形成装置10によるユーザーの認証に用いられる。例えば、前記認証情報は、ユーザー名、及びパスワードである。
【0024】
第2記憶領域82には、画像形成装置10にログイン可能なユーザーと装着部7に装着された記憶装置20との対応関係を示す対応関係情報が格納される。ここに、第2記憶領域82が、本発明における記憶部の一例である。
【0025】
ところで、画像形成装置10では、装着部7に記憶装置20を装着したユーザーが記憶装置20の取り外しを忘れて画像形成装置10の傍から離れてしまうことがある。この場合、装着部7に装着された記憶装置20に格納されているデータが、その後に画像形成装置10を利用する第三者によって利用されるおそれがある。これに対し、装着部7に装着された記憶装置20の取り外し忘れが発生した場合に、記憶装置20に格納されているデータを記憶装置20から退避させることが可能な情報処理システムが知られている。
【0026】
しかしながら、取り外しが忘れられた記憶装置20に格納されているデータを退避させる場合には、画像形成装置10側に当該データを格納可能な記憶領域を予め設けておく必要がある。これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、取り外しが忘れられた記憶装置20に格納されているデータを退避させることなく、当該データが第三者によって利用されることを抑制することが可能である。
【0027】
具体的に、制御部5のROM5Bには、制御部5のCPU5Aに後述の対応付け処理(図3のフローチャート参照)を実行させるための対応付けプログラムが予め格納されている。なお、前記対応付けプログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部8に格納されてもよい。
【0028】
そして、制御部5は、図2に示されるように、ログイン処理部51、対応付け処理部52、制限処理部53、ログアウト処理部54、カウント処理部55、第1変更処理部56、報知処理部57、及び第2変更処理部58を含む。具体的に、制御部5は、CPU5Aを用いてROM5Bに格納されている前記対応付けプログラムを実行する。これにより、制御部5は、ログイン処理部51、対応付け処理部52、制限処理部53、ログアウト処理部54、カウント処理部55、第1変更処理部56、報知処理部57、及び第2変更処理部58として機能する。
【0029】
ログイン処理部51は、予め定められた認証操作に応じてユーザーをログインさせるログイン処理を実行する。
【0030】
例えば、ログイン処理部51は、操作表示部6に前記認証操作を行うことが可能な認証画面を必要に応じて表示させる。そして、ログイン処理部51は、前記認証画面においてユーザーによる前記認証操作を受け付ける。例えば、前記認証操作は、ユーザー名及びパスワードなどのログイン情報の入力操作である。その後、ログイン処理部51は、操作表示部6から入力された前記ログイン情報が第1記憶領域81に格納されている前記認証情報のいずれかと一致する場合に認証成功と判断し、ユーザーを画像形成装置10にログインさせる。
【0031】
対応付け処理部52は、装着部7に記憶装置20が装着された時にログインしていたユーザー、又は装着部7に記憶装置20が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーを、当該記憶装置20に対応付ける。
【0032】
例えば、対応付け処理部52は、装着部7に記憶装置20が装着された時にログインしていたユーザー、又は装着部7に記憶装置20が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーと、当該記憶装置20との対応関係を示す前記対応関係情報を第2記憶領域82に格納することで、ユーザーと当該記憶装置20との対応付けを行う。
【0033】
具体的に、対応付け処理部52は、装着部7に記憶装置20が装着された場合に、当該記憶装置20に対応する前記対応関係情報が第2記憶領域82に格納されているか否かを判断する。ここで、対応付け処理部52は、装着部7に装着された記憶装置20に対応する前記対応関係情報が第2記憶領域82に格納されていると判断した場合は、ユーザーと当該記憶装置20とが既に対応付けられているため、ユーザーと当該記憶装置20とを対応付ける処理を実行しない。一方、対応付け処理部52は、装着部7に装着された記憶装置20に対応する前記対応関係情報が第2記憶領域82に格納されていないと判断した場合は、ユーザーと当該記憶装置20とを対応付ける処理を実行する。例えば、対応付け処理部52は、ユーザーがログインしている場合は、当該ユーザーと装着部7に装着された記憶装置20との対応関係を示す前記対応関係情報を第2記憶領域82に格納する。また、対応付け処理部52は、ユーザーがログインしていない場合は、ログイン処理部51に前記ログイン処理を実行させて、当該ログイン処理でログインしたユーザーと装着部7に装着された記憶装置20との対応関係を示す前記対応関係情報を第2記憶領域82に格納する。
【0034】
制限処理部53は、装着部7に装着された記憶装置20にアクセス可能なユーザーを、対応付け処理部52によって当該記憶装置20に対応付けられたユーザーに制限する。
【0035】
例えば、制限処理部53は、いずれかのユーザーに対応付けられた記憶装置20が装着部7に装着されている状態の継続中にいずれかのユーザーが画像形成装置10にログインした場合に、ログインしたユーザーが当該記憶装置20に対応付けられたユーザーであるか否かを判断する。そして、制限処理部53は、ログインしたユーザーが装着部7に装着された記憶装置20に対応付けられたユーザーではない場合に、当該ユーザーによる当該記憶装置20へのアクセスを禁止する。
【0036】
また、制限処理部53は、いずれかのユーザーのログイン中にいずれかのユーザーに対応付けられた記憶装置20が装着部7に装着された場合に、ログイン中のユーザーが当該記憶装置20に対応付けられたユーザーであるか否かを判断する。そして、制限処理部53は、ログインしたユーザーが装着部7に装着された記憶装置20に対応付けられたユーザーではない場合に、当該ユーザーによる当該記憶装置20へのアクセスを禁止する。
【0037】
ログアウト処理部54は、ユーザーが画像形成装置10にログイン中である場合において、予め定められたログアウト条件のいずれかを充足する場合に、ログイン中のユーザーをログアウトさせるログアウト処理を実行する。
【0038】
例えば、前記ログアウト条件は、画像形成装置10の無操作状態が予め定められた設定時間を超えて継続したこと、及び操作表示部6におけるユーザーの操作によって前記ログアウト処理の実行指示が入力されたこと、を含む。例えば、前記設定時間は10分である。なお、前記設定時間は、任意に定められる時間であってよい。また、前記ログアウト条件は、画像形成装置10の無操作状態が前記設定時間を超えて継続したこと、を含んでいなくてもよい。
【0039】
カウント処理部55は、ユーザーごとに、当該ユーザーが当該ユーザーに対応する記憶装置20を装着部7から取り外す前にログアウトする取り外し忘れの回数をカウントする。
【0040】
例えば、画像形成装置10では、画像形成装置10にログイン可能なユーザー各々に対応する前記取り外し忘れの回数を示す回数情報が、前記認証情報に対応付けられて予め第1記憶領域81に格納されている。
【0041】
そして、カウント処理部55は、装着部7に装着された記憶装置20が取り外される前に当該記憶装置20に対応付けられたユーザーがログアウトした場合に、当該ユーザーに対応する前記回数情報をカウントアップする。
【0042】
第1変更処理部56は、ログイン中のユーザーと、装着部7に装着されている記憶装置20に対応付けられたユーザーとが一致する場合に、前記設定時間を短縮する。
【0043】
例えば、第1変更処理部56は、ログイン中のユーザーに対応するカウント処理部55によってカウントされた前記取り外し忘れの回数が多いほど、前記設定時間の短縮量を多くする。
【0044】
例えば、第1変更処理部56は、ログイン中のユーザーに対応するカウント処理部55によってカウントされた前記取り外し忘れの回数が0回である場合は、前記設定時間の短縮量を3分に定める。また、第1変更処理部56は、ログイン中のユーザーに対応するカウント処理部55によってカウントされた前記取り外し忘れの回数が1回増えるごとに、予め定められた上限値を限度に前記設定時間の短縮量を1分多くする。例えば、前記上限値は9分である。
【0045】
なお、画像形成装置10において、画像形成装置10にログイン可能なユーザーごとに、前記設定時間の短縮量を設定することが可能であってもよい。この場合、第1変更処理部56は、ログイン中のユーザーに対応する予め設定された前記設定時間の短縮量に基づいて、前記設定時間を短縮してよい。
【0046】
また、第1変更処理部56は、装着部7に装着された記憶装置20に格納されているデータの種類に基づいて、前記設定時間を短縮してもよい。例えば、記憶装置20に格納されているデータが、内容の開示にパスワードの入力が必要な第1特定データを含む場合には、当該第1特定データを含まない場合よりも、前記設定時間の短縮量を多くしてもよい。また、記憶装置20に格納されているデータが、「マル秘」などの予め定められたキーワードを含む第2特定データを含む場合には、当該第2特定データを含まない場合よりも、前記設定時間の短縮量を多くしてもよい。
【0047】
報知処理部57は、第1変更処理部56によって前記設定時間が短縮された場合に、その旨を報知する。例えば、報知処理部57は、前記設定時間が短縮された旨を示すメッセージを操作表示部6に表示させる。
【0048】
第2変更処理部58は、第1変更処理部56による前記設定時間の短縮後であって前記設定時間の短縮時にログイン中のユーザーがログアウトする前に装着部7から記憶装置20が取り外された場合に、短縮された前記設定時間を元の時間に戻す。
【0049】
なお、制御部5は、カウント処理部55、第1変更処理部56、報知処理部57、及び第2変更処理部58のいずれか一つ又は複数を含んでいなくてもよい。
【0050】
[対応付け処理]
以下、図3を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される対応付け処理の手順の一例とともに、本発明に係る情報処理方法の一部について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記対応付け処理は、装着部7に記憶装置20が装着された場合に実行される。
【0051】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、ユーザーがログインしているか否かを判断する。
【0052】
ここで、制御部5は、ユーザーがログインしていると判断すると(S11のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、ユーザーがログインしていなければ(S11のNo側)、制御部5は、処理をステップS12に移行させる。
【0053】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、前記ログイン処理を実行する。ここに、ステップS12の処理が、本発明におけるログインステップの一例であって、制御部5のログイン処理部51により実行される。
【0054】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、装着部7に装着された記憶装置20に対応する前記対応関係情報が第2記憶領域82に格納されているか否かを判断する。
【0055】
ここで、制御部5は、装着部7に装着された記憶装置20に対応する前記対応関係情報が第2記憶領域82に格納されていると判断すると(S13のYes側)、処理をステップS15に移行させる。また、装着部7に装着された記憶装置20に対応する前記対応関係情報が第2記憶領域82に格納されていなければ(S13のNo側)、制御部5は、処理をステップS14に移行させる。
【0056】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、ログイン中のユーザーと装着部7に装着された記憶装置20との対応関係を示す前記対応関係情報を第2記憶領域82に格納する。ここに、ステップS14の処理が、本発明における対応付けステップの一例であって、制御部5の対応付け処理部52により実行される。
【0057】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、以下に説明するアクセス制限処理を実行する。
【0058】
[アクセス制限処理]
次に、図4を参照しつつ、前記対応付け処理のステップS15で実行されるアクセス制限処理の手順の一例とともに、本発明に係る情報処理方法の残部について説明する。
【0059】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部5は、ログイン中のユーザーが装着部7に装着された記憶装置20に対応するユーザーであるか否かを判断する。
【0060】
ここで、制御部5は、ログイン中のユーザーが装着部7に装着された記憶装置20に対応するユーザーであると判断すると(S21のYes側)、処理をステップS31に移行させる。また、ログイン中のユーザーが装着部7に装着された記憶装置20に対応するユーザーでなければ(S21のNo側)、制御部5は、処理をステップS41に移行させる。
【0061】
<ステップS31>
ステップS31において、制御部5は、前記設定時間を短縮する。ここで、ステップS31の処理は、制御部5の第1変更処理部56により実行される。
【0062】
例えば、制御部5は、ログイン中のユーザーに対応する前記取り外し忘れの回数が多いほど、前記設定時間の短縮量を多くする。
【0063】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部5は、ステップS31による前記設定時間の短縮を報知する。ここで、ステップS32の処理は、制御部5の報知処理部57により実行される。
【0064】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたか否かを判断する。
【0065】
ここで、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたと判断すると(S33のYes側)、処理をステップS331に移行させる。また、装着部7から記憶装置20が取り外されていなければ(S33のNo側)、制御部5は、処理をステップS34に移行させる。
【0066】
<ステップS331>
ステップS331において、制御部5は、ステップS31で短縮された前記設定時間を元の時間に戻す。ここで、ステップS331の処理は、制御部5の第2変更処理部58により実行される。
【0067】
<ステップS34>
ステップS34において、制御部5は、前記ログアウト条件のいずれかを充足したか否かを判断する。
【0068】
ここで、制御部5は、前記ログアウト条件のいずれかを充足したと判断すると(S34のYes側)、処理をステップS35に移行させる。また、前記ログアウト条件のいずれも充足していなければ(S34のNo側)、制御部5は、処理をステップS33に移行させる。
【0069】
<ステップS35>
ステップS35において、制御部5は、前記ログアウト処理を実行する。ここで、ステップS35の処理は、制御部5のログアウト処理部54により実行される。
【0070】
<ステップS36>
ステップS36において、制御部5は、ステップS35でログアウトしたユーザーに対応する前記回数情報をカウントアップする。ここで、ステップS36の処理は、制御部5のカウント処理部55により実行される。
【0071】
なお、制御部5は、ステップS35の処理の実行時から予め定められた時間が経過した後においても装着部7から記憶装置20が取り外されていない場合にのみ、ログアウトしたユーザーに対応する前記回数情報をカウントアップしてもよい。即ち、ステップS35の処理の実行時から予め定められた時間が経過するまでの間に装着部7から記憶装置20が取り外された場合は、前記取り外し忘れが発生していないと判断されてよい。
【0072】
<ステップS37>
ステップS37において、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたか否かを判断する。
【0073】
ここで、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたと判断すると(S37のYes側)、前記アクセス制限処理を終了させる。また、装着部7から記憶装置20が取り外されていなければ(S37のNo側)、制御部5は、処理をステップS38に移行させる。
【0074】
<ステップS38>
ステップS38において、制御部5は、ユーザーが画像形成装置10にログインしたか否かを判断する。
【0075】
ここで、制御部5は、ユーザーが画像形成装置10にログインしたと判断すると(S38のYes側)、処理をステップS21に移行させる。また、ユーザーが画像形成装置10にログインしていなければ(S38のNo側)、制御部5は、処理をステップS37に移行させる。
【0076】
<ステップS41>
一方、ステップS21でログイン中のユーザーが装着部7に装着された記憶装置20に対応するユーザーではないと判断されると、ステップS41の処理が実行される。ステップS41において、制御部5は、ログイン中のユーザーによる装着部7に装着された記憶装置20へのアクセスを禁止する。ここに、ステップS21、及びステップS41の処理が、本発明における制限ステップの一例であって、制御部5の制限処理部53により実行される。
【0077】
<ステップS42>
ステップS42において、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたか否かを判断する。
【0078】
ここで、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたと判断すると(S42のYes側)、前記アクセス制限処理を終了させる。また、装着部7から記憶装置20が取り外されていなければ(S42のNo側)、制御部5は、処理をステップS43に移行させる。
【0079】
<ステップS43>
ステップS43において、制御部5は、前記ログアウト条件のいずれかを充足したか否かを判断する。
【0080】
ここで、制御部5は、前記ログアウト条件のいずれかを充足したと判断すると(S43のYes側)、処理をステップS44に移行させる。また、前記ログアウト条件のいずれも充足していなければ(S43のNo側)、制御部5は、処理をステップS42に移行させる。
【0081】
<ステップS44>
ステップS44において、制御部5は、前記ログアウト処理を実行する。ここで、ステップS44の処理は、制御部5のログアウト処理部54により実行される。
【0082】
<ステップS45>
ステップS45において、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたか否かを判断する。
【0083】
ここで、制御部5は、装着部7から記憶装置20が取り外されたと判断すると(S45のYes側)、前記アクセス制限処理を終了させる。また、装着部7から記憶装置20が取り外されていなければ(S45のNo側)、制御部5は、処理をステップS46に移行させる。
【0084】
<ステップS46>
ステップS46において、制御部5は、ユーザーが画像形成装置10にログインしたか否かを判断する。
【0085】
ここで、制御部5は、ユーザーが画像形成装置10にログインしたと判断すると(S46のYes側)、処理をステップS21に移行させる。また、ユーザーが画像形成装置10にログインしていなければ(S46のNo側)、制御部5は、処理をステップS45に移行させる。
【0086】
このように、画像形成装置10では、装着部7に記憶装置20が装着された時にログインしていたユーザー又は当該記憶装置20が装着された状態の継続中に最初にログインしたユーザーが、当該記憶装置20に対応付けられる。そして、当該記憶装置20にアクセス可能なユーザーが当該記憶装置20に対応付けられたユーザーに制限される。そのため、装着部7に記憶装置20を装着したユーザーが当該記憶装置20の取り外しを忘れて画像形成装置10の傍から離れてしまう場合に、当該記憶装置20に格納されているデータが、第三者によって利用されることを抑制することが可能である。
【0087】
また、画像形成装置10では、無操作状態が前記設定時間を超えて継続した場合にユーザーをログアウトさせる前記ログアウト処理が実行される。そして、ログイン中のユーザーと装着部7に装着されている記憶装置20に対応付けられたユーザーとが一致する場合に、前記設定時間が短縮される。そのため、装着部7に記憶装置20を装着したユーザーが当該記憶装置20の取り外しを忘れて画像形成装置10の傍から離れてしまう場合に、当該ユーザーのログイン状態が利用されて、当該記憶装置20に格納されているデータが、第三者によって利用されることを抑制することが可能である。
【0088】
[変形例]
なお、第2記憶領域82には、前記対応関係情報に替えて、装着部7に装着された記憶装置20に対応するユーザーを示すユーザー情報が格納されてもよい。
【0089】
この場合、対応付け処理部52は、装着部7に記憶装置20が装着されるごとに、第2記憶領域82に格納されている前記ユーザー情報を更新することで、ユーザーと当該記憶装置20との対応付けを行ってもよい。
【0090】
また、前記対応付け処理は、図5に示されるように変更されてもよい。図5に示された前記対応付け処理では、図3に示された前記対応付け処理と比較して、ステップS13の処理が省略されており、ステップS14の処理に替えてステップS51の処理が実行される。ステップS51では、制御部5により、第2記憶領域82に格納されている前記ユーザー情報が更新されて、当該ユーザー情報が示すユーザーが現在ログインしているユーザーに変更される。図5に示された前記対応付け処理では、図3に示された前記対応付け処理と比較して、ユーザーごとの前記対応関係情報を第2記憶領域82に格納しなくてもよいため、第2記憶領域82の記憶容量を小さくすることが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
7 装着部
8 記憶部
10 画像形成装置
20 記憶装置
51 ログイン処理部
52 対応付け処理部
53 制限処理部
54 ログアウト処理部
55 カウント処理部
56 第1変更処理部
57 報知処理部
58 第2変更処理部
81 第1記憶領域
82 第2記憶領域
図1
図2
図3
図4
図5