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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】人工肺装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/18 20060101AFI20230711BHJP
   A61M 1/36 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
A61M1/18 525
A61M1/18 510
A61M1/36 111
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019013111
(22)【出願日】2019-01-29
(65)【公開番号】P2020120736
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊本 俊介
(72)【発明者】
【氏名】安村 直朗
(72)【発明者】
【氏名】簑原 瑠威
【審査官】中尾 麗
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-229917(JP,A)
【文献】特開2010-200884(JP,A)
【文献】特開2015-144857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00-1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部が塞がれた筒状を成し、血液流入ポート及び血液流出ポートを有し、軸心を横方向に向けて配置されるハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、血液が前記血液流入ポートから前記血液流出ポートへ流れる途中で、当該血液に対してガス交換を行うガス交換器と、
前記ハウジング内において、血液の流れに伴って前記ガス交換器を通過してきた気体を再び前記ガス交換器に向かわせる気体誘導部と、
を備え、
記気体誘導部は、前記ガス交換器から前記血液流出ポートへ向かう流路を横断して設けられた整流面を有し、前記整流面は、前記ガス交換器の外周面に対向しつつ前記ガス交換器を周回して設けられている、人工肺装置。
【請求項2】
前記ガス交換器は、前記ハウジング内で軸心を横方向に向けて配置された柱状を成し、
前記整流面は、第1整流面、および、前記第1整流面に対して上方に設けられた第2整流面を有し、
前記第1整流面は、血液の流れ方向における上流側部分に比べて下流側部分が前記ガス交換器の外周面に近接するよう前記外周面に対して傾斜し、
前記第2整流面は、前記第1整流面における前記上流側部分よりも前記ガス交換器の外周面に近接し、前記ガス交換器の外周面に対して平行、あるいは、前記外周面に対する傾斜角度が前記第1整流面とは異なる、
請求項1に記載の人工肺装置。
【請求項3】
前記整流面にフィルタが設けられる、請求項2に記載の人工肺装置。
【請求項4】
前記第1整流面には開口が形成され、前記開口にはフィルタが設けられている、請求項2又は3の何れかに記載の人工肺装置。
【請求項5】
前記第2整流面は前記ガス交換器の外周面に対して所定寸法だけ離隔して位置し、前記第2整流面と前記ガス交換器の外周面との間に、気体貯留部が形成されている、請求項2~4の何れかに記載の人工肺装置。
【請求項6】
前記整流面のうち少なくとも前記第2整流面は、前記ハウジングの内壁面により構成されている、請求項2~5の何れかに記載の人工肺装置。
【請求項7】
前記血液流出ポートに、フィルタが設けられている、請求項1~6の何れかに記載の人工肺装置。
【請求項8】
前記フィルタは、前記血液流出ポートにおける血液の流れ方向の寸法が、前記血液流出ポートの内径寸法より大きい柱状を成している、請求項7に記載の人工肺装置。
【請求項9】
前記気体貯留部よりも下流に気泡トラップ部を有する、請求項5に記載の人工肺装置。
【請求項10】
前記気泡トラップ部はエア抜きポートを有する、請求項9に記載の人工肺装置。
【請求項11】
両端部が塞がれた筒状を成し、血液流入ポート及び血液流出ポートを有し、軸心を横方向に向けて配置されるハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、血液が前記血液流入ポートから前記血液流出ポートへ流れる途中で、当該血液に対してガス交換を行うガス交換器と、
フィルタを有しガス交換器を周回して設けられる整流フレームと、
前記整流フレームと前記ガス交換器との間に設けられた気体貯留部と、を備え、
前記気体貯留部は前記ハウジングの上側に位置し前記ガス交換器に臨んでおり
前記整流フレームは、前記ガス交換器に近接する傾斜整流面を有し、前記傾斜整流面は、血液の流れ方向の上流側部分に比べて下流側部分が前記ガス交換器の外周面に近接する、
人工肺装置。
【請求項12】
前記気体貯留部は、前記整流フレームの内周面と前記ガス交換器の外周面とを含む、請求項11に記載の人工肺装置。
【請求項13】
前記気体貯留部よりも下流に気泡トラップ部を有する、請求項11又は12に記載の人工肺装置。
【請求項14】
前記気泡トラップ部はエア抜きポートを有する、請求項13に記載の人工肺装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液に含まれる二酸化炭素を除去して酸素を付加する人工肺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓外科手術のように、患者の心臓の動きを止めてから行われる手術では、止められた心臓及び肺の機能を代替させるべく人工心肺回路が用いられる。この人工心肺回路において、肺の役割を果たしているのが人工肺装置であり、人工肺装置としては例えば特許文献1のようなものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の人工肺装置は、ハウジング及びガス交換器を備えている。ハウジングは円筒状を成し、その両端部がヘッダによって塞がれている。また、ハウジングは、各ヘッダが上下に位置するように立てて配置され、その中にガス交換器が収容されている。ガス交換器は、バンドル及び筒状コアから成り、バンドルを筒状コアに巻き付けることによって構成されている。このような人工肺装置では、ハウジングと筒状コアとの間に円環状の血液通路が形成されている。
【0004】
また、筒状コアの上端部には拡散部が形成されており、その拡散部によって筒状コア内に導かれる血液が血液通路へと拡散される。血液通路には筒状コアに巻かれたバンドルが介在している。バンドルは、複数の中空糸を帯状に並べて構成されており、隣接する中空糸の間には隙間が形成され、拡散された血液はその隙間を通って排出口へと進んでいく。また、中空糸は、その中に酸素が流れており、中空糸に触れた血液から二酸化炭素を除去し酸素を付加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表平11-508476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の人工肺装置はいわゆる縦置きタイプであるが、このような人工肺装置の他に以下のような人工肺装置も開発されている。すなわち、ハウジングを水平方向に倒して配置される横置きタイプの人工肺装置である。横置きタイプの人工肺装置では、ガス交換器もまたハウジング内において水平方向に向けられており、円環状の血液通路が水平方向に延びている。この血液通路を血液が流れるが、この血液と一緒に気泡が運ばれてくることがある。
【0007】
このような気泡は、基本的には中空糸に触れた際に吸収され、その大半が除去される。しかし、血液と共に大量の気泡が運ばれてくる場合は、中空糸では十分に吸収できないことがある。その場合、吸収されない気泡は、ハウジング内を天井へ向かって浮上し、天井付近にて溜まることになる。そして、気泡が過剰に溜まると、血液の流れによって排出口の方へと運ばれることがある。
【0008】
そこで本発明は、血液によって運ばれてくる気泡を除去しつつ、気泡が過剰に溜まることを抑制することができる人工肺装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る人工肺装置は、両端部が塞がれた筒状を成し、血液流入ポート及び血液流出ポートを有し、軸心を横方向に向けて配置されるハウジングと、前記ハウジング内に配置され、血液が前記血液流入ポートから前記血液流出ポートへ流れる途中で、当該血液に対してガス交換を行うガス交換器と、前記ハウジング内において、血液の流れに伴って前記ガス交換器を通過してきた気体を再び前記ガス交換器に向かわせる気体誘導部と、を備えている。
【0010】
このような構成により、人工肺装置内においてガス交換器を経ても吸収されなかった気体は、再びガス交換器へ向かうことになるため、より多くの気泡をガス交換器にて吸収させることができる。従って、ハウジング内の気泡を除去しつつ、気泡が過剰に溜まることを抑制することができる。
【0011】
また、上記人工肺装置について、前記ガス交換器は、前記ハウジング内で軸心を横方向に向けて配置された柱状を成し、前記気体誘導部は、前記ガス交換器から前記血液流出ポートへ向かう流路を横断して設けられた整流面を有し、前記整流面は、前記ガス交換器の外周面に対向しつつ前記ガス交換器を周回して設けられ、かつ、相対的に下方に設けられて、血液の流れ方向における上流側部分に比べて下流側部分が前記ガス交換器の外周面に近接するよう傾斜した第1整流面と、相対的に上方に設けられて、前記第1整流面における前記上流側部分よりも前記ガス交換器の外周面に近接し、前記第1整流面とは異なる傾斜を有する第2整流面と、を有していてもよい。
【0012】
この場合、気体誘導部の下方部分にある第1整流面では、上流側部分で受け止められた気泡が、血液の流れに沿って下流側部分へ向かうにつれて、ガス交換器の外周面に近づいていく。また、第1整流面で受け止められた気泡は、血液中を浮上して上方の第2整流面へ向かうにつれて、ガス交換器の外周面に近づいていく。従って、上記構成によれば、ガス交換器を出て気体誘導部に到達して気泡を再びガス交換器へ向かわせることができる。
【0013】
また、前記整流面にフィルタが設けられていてもよい。
【0014】
このような構成により、整流面に受け止められた血液から異物を除去することができる。
【0015】
また、上記人工肺装置において、前記第1整流面には開口が形成され、前記開口にはフィルタが設けられていてもよい。
【0016】
このような構成により、人工肺装置から血液流出ポートを経て出て行く血液から異物を除去することができる。また、フィルタは上方の気泡が集まりやすい第2整流面ではなく下方の第1整流面に設けられているため、気泡がフィルタを通過するのを抑制することができる。
【0017】
また、上記人工肺装置において、前記第2整流面は前記ガス交換器の外周面に対して所定寸法だけ離隔して位置し、前記第2整流面と前記ガス交換器の外周面との間に、気体貯留部が形成されていてもよい。
【0018】
このような構成により、整流面に沿って浮上する気泡を、第2整流面に到達するまでにガス交換器の外周面に接触させることができると共に、大量の気泡が流れてきた場合に、これを第2整流面とガス交換器の外周面との間のスペースである気体貯留部に一時的に貯留することができる。さらに、気体貯留部に一定量の気泡が貯まると、気泡は中空糸膜に引き込まれ、脱気することができる。
【0019】
また、上記人工肺装置において、前記整流面のうち少なくとも前記第2整流面は、前記ハウジングの内壁面により構成されていてもよい。
【0020】
このような構成により、組み立て時における第2整流面とガス交換器の外周面との位置合わせの精度向上を図ることができる。
【0021】
また、上記人工肺装置において、前記血液流出ポートに、フィルタが設けられていてもよい。
【0022】
このような構成により、血液流出ポートにおいて、血液から異物を除去することができる。
【0023】
また、上記人工肺装置において、前記フィルタは、前記血液流出ポートにおける血液の流れ方向の寸法が、前記血液流出ポートの内径寸法より大きい柱状を成していてもよい。
【0024】
このような構成により、フィルタの容積を増加させることができるため、より確実に血液から異物を除去することができる。
【0025】
また、上記人工肺装置において、前記気体貯留部よりも下流に気泡トラップ部を有していてもよい。
【0026】
このような構成により、例えばフィルタを追加してしまった気泡があったとしても、これを再び気体貯留部においてトラップすることができる。
【0027】
また、上記人工肺装置において、前記気泡トラップ部はエア抜きポートを有していてもよい。
【0028】
このような構成により、気体貯留部に溜まった気体を、エア抜きポートから外部へ抜くことができる。
【0029】
本発明に係る上記人工肺装置は、両端部が塞がれた筒状を成し、血液流入ポート及び血液流出ポートを有し、軸心を横方向に向けて配置されるハウジングと、前記ハウジング内に配置され、血液が前記血液流入ポートから前記血液流出ポートへ流れる途中で、当該血液に対してガス交換を行うガス交換器と、フィルタを有しガス交換器の周りに設けられる整流フレームと、前記整流フレームと前記ガス交換器との間に設けられた気体貯留部と、を備え、前記気体貯留部は前記ハウジングの上側に位置し前記ガス交換器に臨んでいる。
【0030】
このような構成により、気泡貯留部がハウジングの上側に位置し、ガス交換器に隣接するように臨んでいる。それゆえ、気泡貯留部内の空間に気泡が溜まっていくと、やがて気泡をガス交換器に触れさせることができ、ガス交換器内に取り込ませることができる。これにより、気泡貯留部内に気泡が過剰に溜まることを抑制することができる。
【0031】
また、上記人工肺装置において、前記気体貯留部は、前記整流フレームの内周面と前記ガス交換器の外周面とを含んでいてもよい。
【0032】
また、上記人工肺装置において、前記整流フレームは、前記ガス交換器に近接する傾斜整流面を有していてもよい。
【0033】
このような構成により、整流フレームが有する傾斜整流面によって、気体貯留部内の気体をガス交換器へ円滑に導いて取り込ませることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、血液によって運ばれてくる気泡が過剰に溜まるのを抑制することができる人工肺装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本実施の形態の人工肺装置の外観を示す正面図である。
図2図2は、図1の人工肺装置を切断した正面断面図である。
図3図3は、図1の人工肺装置が備える整流フレームの斜視図である。
図4図4は、実施の形態2に係る人工肺装置の整流フレームを示す部分的な断面図である。
図5図5は、実施の形態3に係る人工肺装置の血液流出ポートを示す部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る人工肺装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する人工肺装置は、本発明の一実施形態にすぎず、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0037】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態の人工肺装置1の外観を示す正面図であり、図2は、図1の人工肺装置1を切断した正面断面図である。図1,2に示す人工肺装置1は、患者の心臓の動きを止めて行われる手術にて、患者の肺の機能を代替するために用いられるものである。そのために人工肺装置1は、患者の血液に含まれる二酸化炭素を除去して酸素を付加するガス交換機能を有し、また、血液の温度を調整する熱交換機能を有している。このような機能を有する人工肺装置1は、いわゆる横置きタイプの構成となっており、ハウジング2、内筒3、及び中筒4を備えている。
【0038】
ハウジング2は、両端部が塞がれた大略円筒状に形成されており、その中に内筒3および中筒4を収容すべく内部空間2a(図2参照)を有している。詳細には、ハウジング2は、ハウジング本体11と、吊下げ部13と、2つのキャップ部14,15とを有している。
【0039】
ハウジング本体11は大略円筒状に形成されており、その上部外周面に吊下げ部13が設けられている。吊下げ部13は、ハウジング本体11の軸線11a方向の中央部分に配置されており、ハウジング本体11の上部外周面から径方向の外側に延在している。吊下げ部13は、例えば大略柱状に形成されており、その先端側部分が外部の吊下げ装置(不図示)に取り付けて吊下げられるようになっている。従って、ハウジング本体11は吊下げ部13を介して吊下げることができ、吊下げられたハウジング本体11はその軸線11aが水平方向に延在するように構成されている。
【0040】
ハウジング本体11は、軸線11a方向の両側に開口端部を有する。このうち、一方側(図2では左側)の開口端部はキャップ部14により塞がれ、他方側(図2では右側)の開口端部はキャップ部15によって塞がれている。これらのキャップ部14,15は、大略円板状に形成されている。なお、以下では説明の便宜上、ハウジング本体11の軸線11a方向においてキャップ部14が位置する側を左側とし、キャップ部15が位置する側を右側とする。
【0041】
図1に示すように、キャップ部14にはガス供給ポート18が形成されている。ガス供給ポート18は大略円筒状に形成されており、キャップ部14の外周縁付近から軸線11a方向の左側へ突出している。ガス供給ポート18は、外部のガス供給装置(不図示)との間でガス供給チューブを介して接続されており、ガス供給装置から供給される酸素を含むガスがガス供給ポート18からハウジング2内に導かれる。
【0042】
一方、キャップ部15にはガス排出ポート19が形成されている。ガス排出ポート19は大略円筒状に形成されており、キャップ部15の外周縁付近から軸線11a方向の右側へ突出している。このガス排出ポート19は、外部のガス供給装置との間でガス排出チューブを介して接続されており、ガス供給ポート18からハウジング2内に供給されたガスを排出してガス供給装置に戻すようになっている。
【0043】
キャップ部14の中心軸(ハウジング本体11の軸線11aとほぼ一致する軸)付近には、血液流入ポート16が形成されている。血液流入ポート16は、大略円筒状に形成されており、キャップ部14の中心軸の下側から左斜め下方に突出している。血液流入ポート16には、不図示の静脈血チューブが接続され、静脈血が静脈血チューブおよび血液流入ポート16を介してハウジング本体11内に導かれる。
【0044】
一方、ハウジング本体11の外周面の下部(吊下げ部13の反対側部分)であって、且つ、人工肺装置1の軸線11a方向の中心よりも左側の位置には、血液流出ポート17が形成されている。より詳細には、血液流出ポート17は、ポート取付部17aとポート本体部17bとを備えている。このうちポート取付部17aは大略円筒状に形成され、ハウジング本体11の外周面の下部に設けられ、下方に突出している。ポート本体部17bはポート取付部17aに下方から挿入されている。ポート本体部17bは大略円筒状に形成されており、ポート取付部17aの下端から下方に突出し、その先で斜め下方に屈曲している。血液流出ポート17(ポート本体部17b)には不図示の動脈血チューブが接続され、人工肺装置1にて生成される動脈血は動脈血チューブを介して外部へ送り出される。
【0045】
キャップ部15には、媒体流入ポート20及び媒体流出ポート21が設けられている。媒体流入ポート20及び媒体流出ポート21は、キャップ部15の中心軸を挟んで上下に離間させて配置されている。2つのポート20,21は、必ずしも上下に離す必要はなく、左右に離して配置してもよい。2つのポート20,21は、大略円筒状に形成されており、キャップ部15から軸線11a方向の右側に突出している。媒体流入ポート20は、不図示の媒体供給チューブに接続され、媒体供給チューブからの温水又は冷水等の熱媒体をハウジング2内に導く。媒体流出ポート21は、不図示の媒体排出チューブに接続され、ハウジング2内の熱媒体を媒体排出チューブを介してハウジング2外に排出する。
【0046】
上述したハウジング2の内部空間2aには、内筒3と中筒4とが同軸心状に収容されており、これらによって熱交換室3c及びガス交換室45などが形成されている。
【0047】
中筒4は、その外径がハウジング本体11の内径よりも小さく、互いの軸心が一致するようにハウジング本体11に対して配置されている。これにより、中筒4の外周面とハウジング本体11の内周面との間に環状空間が形成され、この環状空間がガス交換室45を成している。ガス交換室45には、中空糸体(ガス交換器)43が設けられている。
【0048】
中空糸体43は大略円筒状(あるいは、内部空間を有する柱状)に形成されており、複数の中空糸によって構成されている。詳細には、中空糸体43は、複数の中空糸を互いに交差させて積層して構成されるマット状の中空糸膜(バンドル)を、中筒4の外周面に巻き付けることによって構成されている。中空糸膜は、中空糸体43の厚みが中筒4とハウジング本体11との間の間隔と略一致するまで巻き付けられている。即ち、中空糸体43は、その外周面がハウジング本体11の内周面のほぼ全周に対して当接するよう、ハウジング本体11の内周面に沿って形成されている。
【0049】
ガス交換室45の左側の領域には、円環状のシール部材50が設けられている。シール部材50は、キャップ部14の内周面と共にガス流入空間52を形成し、このガス流入空間52にはガス供給ポート18が連通している。また、ガス交換室45の右側の領域には、円環状のシール部材51が設けられている。シール部材51は、キャップ部15の内周面と共にガス流出空間53を形成し、このガス流出空間53にはガス排出ポート19が連通している。
【0050】
中空糸体43は、上記のシール部材50とシール部材51とに左右から挟持された状態で設けられている。シール部材50は、ガス交換室45の左側において、中筒4とハウジング2との間を全周方向に亘りシールしている。また、シール部材51は、ガス交換室45の右側において、中筒4とハウジング2との間を全周方向に亘りシールしている。このような構成により、ガス供給ポート18に連通するガス流入空間52と、ガス排出ポート19に連通するガス流出空間53とは、互いに中空糸体43を構成する複数の中空糸の内孔を介して連通している。
【0051】
中空糸体43において、これを構成する複数の中空糸の各々の間には隙間が設けられており、ガス交換室45では、この隙間を血液が流れるようになっている。詳細には、ガス交換室45に導かれた血液は、中空糸体43内の隙間を通り、中空糸に触れながら軸線11a方向の右側から左側へ向かって流れていく。中空糸の内孔には、ガス供給ポート18及びガス流入空間52を介し、外部のガス供給装置から酸素リッチなガスが通される。従って、二酸化炭素濃度の高い血液が中空糸に触れると、血液と中空糸内のガスとの間でガス交換が行われる。これにより、血液から二酸化炭素が除去されると共に血液に酸素が付加される。このように、血液はガス交換が行われながら、ガス交換室45内を軸線11a方向の左側に流れていく。一方、中空糸の内孔を通るガスは、ガス交換が行われながら右側へ流れ、ガス流出空間53及びガス排出ポート19を経て外部のガス供給装置へ戻っていく。
【0052】
ここで、ガス交換室45の下流側(左側)部分は、残余の部分に比べて半径方向外側に拡径している。詳細には、図2に示すように、ハウジング本体11の左側部分の内周面には、半径方向外側に凹む環状の凹部54が形成されている。凹部54のうち左側部分はほぼ一定の径寸法である一方、右側部分は右側へ向かうにつれて先細りになっており、テーパ状に形成されている。シール部材50は凹部54の中央部分に配置されており、凹部54においてシール部材50より右側の部分は上記の通りテーパ状となっている。凹部54と中空糸体43との間に形成された外周空間55は、中空糸体43を周回して形成されており、下部にて血液流出ポート17に連通している。このような構成により、ガス交換室45でガス交換された血液は、外周空間55に導かれた後、血液流出ポート17に流れ込む。
【0053】
上記の外周空間55には、当該外周空間55に沿って円環状を成す整流フレーム56が設けられている。整流フレーム56は、ガス交換しながらガス交換室45を流れる血液と共に運ばれてくる気泡を、再び中空糸体43に向かうよう誘導して中空糸内に取り込ませるものであり、詳しくは後述する。
【0054】
ハウジング本体11の上部には、外周空間55と外部とを連通するエア抜きポート57が設けられている。このエア抜きポート57は、外周空間55の上部(気泡トラップ部)に溜まる気泡を外方に排出する。気泡トラップ部は、後述する気体貯留部70よりも下流に設けられており、気泡を貯留可能に設けられる。このような気泡トラップ部は、本実施の形態においては凹部54(特に、凹部54のうち中空糸体43より上側の部分)により構成されている。なお、エア抜きポート57の外側の開口端には、基本的には不図示のキャップ部材が被せられており、気泡の排出時を除いて、エア抜きポート57から気泡および血液が排出されないようにしている。
【0055】
ところで、上述の中筒4は、中筒本体部40とブリッジ部41とを有している。中筒本体部40は、円筒状を成してその外側に上述したガス交換室45を形成する部分であり、且つ、内側の空間には熱交換室3cを形成する内筒3を収容する。ブリッジ部41は、立体的に交差する、熱交換室3cへ出入りする熱媒体のための熱媒体流路と、熱交換室3cからガス交換室45へ向かう血液のための血液流路とを形成する。
【0056】
図2に示すように、内筒3内の熱交換室3cには、管群32がその軸線方向と内筒3の軸線方向とが一致するように挿入されて配置されている。管群32は複数の熱交換パイプの集合体である。各熱交換パイプは、例えばステンレス鋼等の熱伝導率が高い材料により構成される長尺状且つ小径の管であり、血液流入ポート16からの血液が左側の開口から流れ込むようになっている。
【0057】
内筒3は、その外径が中筒4の内径よりも小さく、互いの軸線が一致するように中筒4に対して位置決めされている。これにより、内筒3の外周面と中筒4の内周面との間には、熱媒体が流れる円環状の熱媒体室35が形成されている。熱媒体室35は、上側の第1熱媒体分室33と下側の第2熱媒体分室34とに仕切られて分室されている。上側の第1熱媒体分室33は、ブリッジ部41の熱媒体流路を介して媒体流出ポート21に連通している。下側の第2熱媒体分室34は、ブリッジ部41の別の熱媒体流路を介して媒体流入ポート20に連通している。
【0058】
図2に示すように、内筒3内には、円板状の一対の管支持体32a,32aが設けられている。管支持体32aの外径は内筒3の内径と略一致している。左側の管支持体32aは内筒3の左端に挿通され、右側の管支持体32aは内筒3の右端に挿通されている。そして、管群32を構成している各熱交換パイプは、その左端が左側の管支持体32aに放射状に配設された複数の孔部のそれぞれに挿通され、その右端が右側の管支持体32aに放射状に配設された複数の孔部のそれぞれに挿通されている。
【0059】
これにより、内筒3の両側の開口端部が一対の管支持体32aによりシールされ、且つ、管群32の各熱交換パイプの両端は内筒3の両端側に開口した状態となっている。そして、管群32の熱交換パイプにおける左側の開口は血液流入ポート16に連通し、右側の開口はブリッジ部41の血液流路を介してガス交換室45に連通している。
【0060】
また、内筒3の上部と下部とにはそれぞれ複数の貫通孔が形成されている。そして、内筒3は、上部の貫通孔を介して、内筒3内と上側の第1熱媒体分室33とが連通し、下部の貫通孔を介して、内筒3内と下側の第2熱媒体分室34とが連通している。従って、媒体流入ポート20から流入した熱媒体は、下側の第2熱媒体分室34から内筒3内(熱交換室3c)に入り、管群32の熱交換パイプの隙間を通り、その後、上側の第1熱媒体分室33を経て媒体流出ポート21から外部へ流出する。
【0061】
このような人工肺装置1では、静脈から取り出された静脈血が、血液流入ポート16からハウジング2内に入り、管群32の熱交換パイプの左側の開口から熱交換室3cへ入る。熱交換室3c内の血液は、熱交換パイプの右側の開口からブリッジ部41を経てガス交換室45にその右側から入り、ガス交換室45を左側へ流れて血液流出ポート17から外部へ送り出される。
【0062】
この間、熱交換室3cでは、媒体流入ポート20から第2熱媒体分室34を経て流入した熱媒体と、管群32の熱交換パイプ内を流れる血液との間で、熱交換が行われる。また、ガス交換室45では、中空糸体43の隙間を流れる血液と、各中空糸の内孔を通る酸素リッチなガスとの間で、ガス交換が行われる。このようにして、人工肺装置1に流入した血液は、所定温度に調温され、且つ、二酸化炭素が低減され酸素が付加されることで、動脈血として血液流出ポート17から流出する。
【0063】
ところで、この人工肺装置1は横置きタイプであり、ガス交換室45を流れる血液も概ね水平方向へ流れる構成となっている。そして、このガス交換室45を流れる血液に、いずれの箇所からか浸入した少量の気泡が混入する場合がある。このような気泡は、基本的には中空糸体43の中空糸に触れた際に吸収され、その大半が除去される。しかし、血液が中空糸体43を一度通過する間に、中空糸内に十分吸収できないことがある。そこで、本実施の形態に係る人工肺装置1は、中空糸体43にてより多くの気泡を吸収させるべく、整流フレーム56を備えている。
【0064】
図3は、人工肺装置1が備える整流フレーム56の斜視図である。この整流フレーム56は、血液の流れに伴って中空糸体43に吸収されず通過してきた気体を再び中空糸体43に向かわせる気体誘導部を成している。図3に示すように、この整流フレーム56は概ね円環状を成し、且つ、概ね切頭円錐状を成している。
【0065】
詳細には、整流フレーム56は、相対的に小径を成す左側の第1開口60と、相対的に大径を成す右側の第2開口61とを有する。これら第1開口60及び第2開口61はいずれも円形を成している。そして、整流フレーム56を人工肺装置1に組み付けた状態では、第1開口60の上端60bと第2開口61の上端61bとは上下方向の位置がほぼ同じであるのに対し、第1開口60の下端60cは第2開口61の下端61cよりも上方に位置している。また、第1開口60と第2開口61とは、左右方向に所定距離だけ離隔した位置しており、これら第1開口60と第2開口61との間が曲面状の整流面62によって接続されている。従って、整流フレーム56は、第1開口60の中心線60aが第2開口61の中心線61aよりも上方に位置する切頭円錐状を成している。
【0066】
図2に示すように、この整流フレーム56は、外周空間55にて左側の第1開口60がシール部材50に固定され、右側の第2開口61がハウジング本体11の内周面に当接するようにして設けられている。その結果、整流面62は、外周空間55にてガス交換室45から血液流出ポート17へ向かう流路を横断して設けられている。そして、その整流面62は、中空糸体(ガス交換器)43の外周面に対向しつつ中空糸体43を周回して設けられている。そして、図2に示すように、整流フレーム56の上部は、エア抜きポート57の外周空間55側の開口のほぼ直下に位置し、整流フレーム56の下部は、血液流出ポート17の外周空間55側の開口のほぼ直上に位置している。
【0067】
また、整流面62は、第1整流面63と第2整流面64とを有している。このうち第1整流面63は、相対的に下方に設けられて、血液の流れ方向における上流側部分(図2の右側部分)63aに比べて下流側部分(図2の左側部分)63bが中空糸体43の外周面に近接するよう傾斜している。また、第1整流面63には一又は複数の開口65が形成され、この開口65にはフィルタ66が設けられている。第1整流面63に設けられたフィルタ66は、中空糸体43の外周面から離隔して血液の流れる方向の上流を臨んでおり、これにより、中空糸体43を通ってきた血液は、フィルタ66を通って血液流出ポート17へ向かう。このフィルタ66は、通過する血液中に混入している所定の異物を除去するものであり、公知の血液フィルタを用いることができる。
【0068】
一方、第2整流面64は、相対的に上方に設けられている。そして、第2整流面64は、第1整流面63の上流側部分63aよりも中空糸体43の外周面に近接した位置で、当該外周面に対して第1整流面63とは異なる傾斜を有している。なお、本実施の形態では、第2整流面64は中空糸体43の外周面に対してほぼ平行な面を形成している。但し、この第2整流面64も中空糸体43の外周面に対して離隔して位置しており、図2に示すように、第2整流面64と中空糸体43の外周面との間には気体貯留部70が形成されている。なお、第2整流面64にはフィルタは設けられていない。
【0069】
本実施の形態に係る整流フレーム56は、整流面62を上下の部分とこれらの間の部分との計4つの領域にほぼ等分した場合に、上部を除く3つの領域にフィルタ66を設けた例を示している。しかし、フィルタ66を設ける位置はこれに限られない。フィルタ66は、上部の第2整流面64を除く適宜の位置及び範囲に設けることができる。
【0070】
このような整流フレーム56を備える人工肺装置1では、ガス交換室45の中空糸体43を経てきた血液が、整流フレーム56のフィルタ66を通じて血液流出ポート17へ向かう。この際、血液中に混入している気泡は、整流フレーム56の整流面62にて受け止められる。この気泡は、第1整流面63に沿ってその上流側部分63aから下流側部分63bへ向かって流れたり、浮力によって上昇したりする。その結果、気泡は、第1整流面63の上流側部分63aから下流側部分63bへ向かう過程で中空糸体43に近づき、浮力により第1整流第1整流面63から第2整流面64へ上昇する過程でも中空糸体43に近づいていく。従って、人工肺装置1では、整流フレーム56により、一旦中空糸体43を経てきた血液に含まれる気泡を再び中空糸体43へ向かわせることができ、そこで中空糸体43によって吸収させることができる。
【0071】
また、人工肺装置1は、第2整流面64と中空糸体43の外周面との間に気体貯留部70を有している。従って、仮に大量の気泡が流れてきた場合であっても、この気体貯留部70においてその気泡を一時的に貯留することが可能である。なお、第1整流面63が主に気泡を中空糸体43へ誘導する(向かわせる)機能を有するのに対し、第2整流面64は誘導されてきた気泡を一時的に貯留し、且つ、中空糸体43に接触させる機能を有する。従って、第2整流面64は、中空糸体43の外周面に対して正確に平行である必要はない。
【0072】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係る人工肺装置1Aの整流フレーム56Aを示す断面図である。より詳しくは、図4のうち(a)は、人工肺装置1Aにおいて整流フレーム56A全体を含む部分の断面図であり、(b)は、人工肺装置1Aにおいて整流フレーム56Aの上部を含む部分の断面図である。この人工肺装置1Aの整流フレーム56Aは、少なくとも一部がハウジング本体11の内壁面により形成された第2整流面64Aを有している。
【0073】
即ち、上記実施の形態1では、整流フレーム56の全体がハウジング本体11から独立して別体として構成されたものを説明した。しかし、整流フレーム56はそのような構成に限られない。具体的に説明すると、図4(b)に示す人工肺装置1Aは、ハウジング本体11の凹部54の上部右端から、中空糸体43の外周面に沿って外周空間55内へ壁部71が延設されている。この壁部71の内周面71Aが整流面62A(の一部)を成し、特に、内周面71Aのうち上部は第2整流面64Aを成している。
【0074】
また、図4(a)に示すように、正面視で整流フレーム56Aは、左右方向の幅寸法が上部から下部に至るまでほぼ同一である。そして、壁部71は、上部から下部へ向かうに従って左側への突出寸法が小さくなっており、整流フレーム56Aのうち壁部71で構成される部分以外の残余部分72は、ハウジング本体11とは別体の部材で構成されている。そして、実施の形態1の第1整流面63に対応する構成は主に残余部分72にて形成されており、フィルタ66も残余部分72に形成される開口(不図示)に設けられる。
【0075】
なお、整流フレーム56Aのうち、壁部71で構成される部分と当該部分以外の残余部分72との境界は、図4(a)の例では周方向に延びる境界線として設定しているが、これに限られず任意に設定することができる。また、整流フレーム56Aの一部を壁部71で構成するだけでなく、整流フレーム56Aの全部(フィルタ66を除く)を壁部71で構成してもよい。
【0076】
このような構成により、人工肺装置1Aの組み立て時における、第2整流面64Aと中空糸体43の外周面との位置合わせを、より容易に且つ高精度に行うことができる。
【0077】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る人工肺装置1Bの血液流出ポート17を示す断面図である。ここでは、実施の形態1,2に示す整流フレーム56,56Aが有するフィルタ66に替えて、あるいは、これに加えて異なる箇所にフィルタを設ける構成について説明する。
【0078】
図5(a)に示す血液流出ポート17は、実施の形態1,2と同様にポート取付部17aとポート本体部17bとを有している。一方、ポート取付部17aにおいて、ハウジング本体11の内部側の開口には、当該開口を覆うようにして平板状のフィルタ66Aが設けられている。フィルタ66Aの周囲は、フィルタ66Aとは異なる部材であって、フィルタ66Aをハウジングに対し固定する固定部材により固定されていてもよい。
【0079】
また、図5(b)に示す血液流出ポート17も、実施の形態1,2と同様にポート取付部17aとポート本体部17bとを有している。一方、ポート取付部17aの内部には、柱状のフィルタ66Bが設けられている。このフィルタ66Bは、ポート取付部17aの内径とほぼ同一寸法の外径を有し、ポート取付部17aの内周面に対してほぼ隙間なく接するようにして挿入されている。また、フィルタ66Bは、血液流出ポート17における血液の流れ方向の寸法が、血液流出ポート17の内径寸法より大きく構成されている。
【0080】
このようなフィルタ66A,66Bによれば、血液流出ポート17において、血液から異物を除去することができる。また、図5(b)に示すフィルタ66Bは、大きな体積を確保しやすいことから、血液からより異物を除去することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、血液に含まれる二酸化炭素を除去して酸素を付加する人工肺装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 人工肺装置
2 ハウジング
20 血液流入ポート
21 血液流出ポート
43 中空糸体(ガス交換器)
54 凹部(気泡トラップ部)
56 整流フレーム(気体誘導部)
62 整流面
63 第1整流面
64 第2整流面
66 フィルタ
66A フィルタ
66B フィルタ
70 気体貯留部
図1
図2
図3
図4
図5