(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】通信装置及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04B 3/46 20150101AFI20230711BHJP
H04L 25/02 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H04B3/46
H04L25/02 301D
(21)【出願番号】P 2019089105
(22)【出願日】2019-05-09
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池上 健一
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-198252(JP,A)
【文献】実公昭46-004937(JP,Y1)
【文献】特開2002-082714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/46
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置からの信号を伝送する第1の線路に接続されるレシーバと、
前記他の通信装置への信号を伝送する第2の線路に接続されるトランシーバと、
前記第1の線路と前記第2の線路とを接続し、前記他の通信装置から第1の線路を介して送信された信号を前記レシーバ及び前記トランシーバを介することなく前記第2の線路から前記他の通信装置に戻すことが可能な断接手段とを備え、
前記断接手段は、前記レシーバ及び前記トランシーバに電源が供給されていないときに前記第1の線路と前記第2の線路とを接続し、
また、前記断接手段は、電磁コイルと、前記第1及び第2の線路の一方の線路に電気的に接続された固定接点と、前記第1及び第2の線路の他方の線路に電気的に接続された可動接点と、前記可動接点を前記固定接点に接触する方向に付勢する付勢部材とを備え、前記電磁コイルの磁力によって前記可動接点が前記固定接点から離間するリレーによって構成されており、
前記電磁コイルに、前記レシーバ及び前記トランシーバと共通の電源が供給される、
通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置、及びこの通信装置と通信を行う前記他の通信装置を備えた通信システムであって、
前記他の通信装置は、前記通信装置に信号を送信したとき、当該送信した信号が戻ってきた場合に、前記通信装置からの信号がない場合とは異なる態様の異常報知を行う、
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場内で工作機械等の設備を制御する制御システムには、例えば特許文献1に記載されているように、ユーザーによって作成されたシーケンスプログラムを実行するプログラマブルコントローラと、このプログラマブルコントローラに接続された複数のターミナル(通信端末)とを備えたものがある。各ターミナルには、リミットスイッチや各種センサなどの入力機器や、エアバルブやアクチュエータなどの出力機器が接続される。プログラマブルコントローラと複数のターミナルとは、プログラマブルコントローラを親局とし、複数のターミナルのそれぞれを子局としたシリアル通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように構成された制御システムでは、親局であるプログラマブルコントローラから子局であるターミナルに信号を送信した後の所定時間内にターミナルから返信がない場合、プログラマブルコントローラは通信異常を報知する。そして、工場内で設備の保全作業を行う作業者は、このような通信異常の報知があった際に復旧作業を行う。この復旧作業では、異常の発生原因が報知された内容によりある程度特定されることが、円滑な作業と速やかな復旧のために望ましい。
【0005】
この異常の発生原因としては、主として、ターミナルの電源が入っていないこと、及びターミナルとの間の断線もしくは当該ターミナルの不存在が考えられるが、プログラマブルコントローラでは、これらの異常発生原因を判別することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、通信異常が発生した際の異常発生原因を判別しやすくすることができる通信装置及び通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するため、他の通信装置からの信号を伝送する第1の線路に接続されるレシーバと、前記他の通信装置への信号を伝送する第2の線路に接続されるトランシーバと、前記第1の線路と前記第2の線路とを接続し、前記他の通信装置から第1の線路を介して送信された信号を前記レシーバ及び前記トランシーバを介することなく前記第2の線路から前記他の通信装置に戻すことが可能な断接手段とを備え、前記断接手段は、前記レシーバ及び前記トランシーバに電源が供給されていないときに前記第1の線路と前記第2の線路とを接続し、また、前記断接手段は、電磁コイルと、前記第1及び第2の線路の一方の線路に電気的に接続された固定接点と、前記第1及び第2の線路の他方の線路に電気的に接続された可動接点と、前記可動接点を前記固定接点に接触する方向に付勢する付勢部材とを備え、前記電磁コイルの磁力によって前記可動接点が前記固定接点から離間するリレーによって構成されており、前記電磁コイルに、前記レシーバ及び前記トランシーバと共通の電源が供給される、通信装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、上記の目的を達成するため、前記通信装置及び前記他の通信装置を備えた通信システムであって、前記他の通信装置は、前記通信装置に信号を送信したとき、当該送信した信号が戻ってきた場合に、前記通信装置からの信号がない場合とは異なる態様の異常報知を行う、通信システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る通信装置及び通信システムによれば、通信異常が発生した際の異常発生原因を判別しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る通信システムを示す概略図である。
【
図2】(a)は、プログラマブルコントローラとIOターミナルとの間で通信が行われている通信中の状態を示し、(b)は、IOターミナルへの電源供給が遮断された状態を示し、(c)は、IOターミナルが接続されていない状態を示している。
【
図3】(a)は、第1のリレー及びその周辺部の構成例を示す概略図であり、(b)は、第2のリレー及びその周辺部の構成例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、
図1乃至
図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システム100を示す概略図である。この通信システム100は、親局であるプログラマブルコントローラ1と、ケーブル2によってプログラマブルコントローラ1に接続された子局であるIOターミナル3とを有している。プログラマブルコントローラ1は、ユーザーによって作成されたシーケンスプログラムを実行することで工作機械等の設備を制御する制御装置であり、例えば操作盤内に配置される。
【0013】
プログラマブルコントローラ1は、複数のモジュールを組み合わせて構成されている。本実施の形態では、プログラマブルコントローラ1が電源モジュール10、CPUモジュール11、通信モジュール12、及び複数の入出力モジュール13~15を有している。CPUモジュール11は、通信モジュール12や複数の入出力モジュール13~15から得られる情報に基づいてシーケンスプログラムを実行する。通信モジュール12は、ケーブル2を介してIOターミナル3との通信を行う。入出力モジュール13~15は、図略の配線により操作盤の内部あるいは外部の機器との信号の入出力を行う。
【0014】
ケーブル2は、ケーブル本体20と、ケーブル本体20の一端部に取り付けられたコネクタ201と、ケーブル本体20の他端部に取り付けられたコネクタ202とを有している。コネクタ201はプログラマブルコントローラ1の通信モジュール12に接続され、コネクタ202はIOターミナル3に接続されている。なお、コネクタ201,202を用いることなく、ケーブル本体20内の信号線(後述する差動信号線21~24)を通信モジュール12及びIOターミナル3に設けられた端子台に接続してもよい。
【0015】
IOターミナル3は、例えば工作機械のフレームに取り付けられ、電源端子台60に接続される第1及び第2の電源線61,62によって供給される電源によって動作する。本実施の形態では、この電源が直流電源である場合について説明するが、これに限らず、IOターミナル3が交流直流変換器を有し、供給される交流の電源電圧を直流の電源電圧に変換して動作するものであってもよい。
【0016】
IOターミナル3には、複数の入力信号線63によってリミットスイッチや各種センサなどの入力機器が接続されると共に、複数の出力信号線64によってエアバルブやアクチュエータなどの出力機器が接続される。IOターミナル3は、接続された入力機器の信号状態をケーブル2を介してプログラマブルコントローラ1に送信する。また、IOターミナル3は、ケーブル2を介してプログラマブルコントローラ1から送信される信号を受信し、受信した信号に応じて内部のスイッチング素子をオンオフする。これにより、出力機器が動作する。
【0017】
通信システム100において、IOターミナル3は本発明の通信装置に相当し、プログラマブルコントローラ1は本発明の他の通信装置に相当する。なお、
図1では、一例として最も簡素な構成の通信システム100を示しているが、プログラマブルコントローラ1に複数のIOターミナル3が接続されていてもよい。この場合には、複数のIOターミナル3がケーブル2によって直列又は並列に接続される。また、通信システム100内に複数のプログラマブルコントローラ1が存在していてもよい。この場合には、プログラマブルコントローラ1同士もケーブル2による通信を行う。
【0018】
図2は、プログラマブルコントローラ1とIOターミナル3との通信のための回路構成例をケーブル2の構成と共に示す構成図である。
図2(a)は、プログラマブルコントローラ1とIOターミナル3との間で通信が行われている通信中の状態を示し、
図2(b)は、IOターミナル3への電源供給が遮断された状態を示している。
図2(c)は、ケーブル2のコネクタ202にIOターミナル3が接続されていない状態を示している。
【0019】
ケーブル2は、プログラマブルコントローラ1とIOターミナル3との間で4線式全二重のシリアル通信を行うためのものである。ケーブル2のケーブル本体20は、一対の差動信号線21,22からなる第1の線路2Aと、一対の差動信号線23,24からなる第2の線路2Bとを有している。第1の線路2Aは、プログラマブルコントローラ1からIOターミナル3への信号を伝送するための信号線路であり、第2の線路2Bは、IOターミナル3からプログラマブルコントローラ1への信号を伝送するための信号線路である。
【0020】
プログラマブルコントローラ1の通信モジュール12は、CPUモジュール11との信号授受等の処理を行う処理部120と、IOターミナル3へ信号を送信するためのトランシーバ121と、IOターミナル3からの信号を受信するためのレシーバ122とを有している。トランシーバ121には、第1の線路2Aの一対の差動信号線21,22が接続されている。レシーバ122には、第2の線路2Bの一対の差動信号線23,24が接続されている。
【0021】
IOターミナル3は、入力機器の信号状態をプログラマブルコントローラ1に送信するための信号処理や、プログラマブルコントローラ1から受信した信号に応じて出力機器に接続されたスイッチング素子をオンオフする処理等を行う処理部30と、プログラマブルコントローラ1に信号を送信するためのトランシーバ31と、プログラマブルコントローラ1からの信号を受信するためのレシーバ32とを有している。トランシーバ31には、第2の線路2Bの一対の差動信号線23,24が接続されている。レシーバ32には、第1の線路2Aの一対の差動信号線21,22が接続されている。
【0022】
プログラマブルコントローラ1のトランシーバ121は、第1の線路2Aの一対の差動信号線21,22に互いに逆相の電流を流し、IOターミナル3のレシーバ32は、一対の差動信号線21,22の電位差により信号の1(オン)及び0(オフ)を判定する。また、IOターミナル3のトランシーバ31は、第2の線路2Bの一対の差動信号線23,24に互いに逆相の電流を流し、プログラマブルコントローラ1のレシーバ122は、一対の差動信号線23,24の電位差により信号の1(オン)及び0(オフ)を判定する。すなわち、トランシーバ121及びトランシーバ31は差動トランシーバであり、レシーバ122及びレシーバ32は差動レシーバである。
【0023】
また、IOターミナル3は、第1の線路2Aと第2の線路2Bとを接続し、プログラマブルコントローラ1から送信された信号を32レシーバ及びトランシーバ31を介することなく第2の線路2Bからプログラマブルコントローラ1に戻すことが可能な断接手段4を有している。本実施の形態では、この断接手段4が第1及び第2のリレー4A,4Bにより構成されている。
【0024】
図3(a)は、第1のリレー4A及びその周辺部の構成例を示す概略図であり、
図3(b)は、第2のリレー4B及びその周辺部の構成例を示す概略図である。第1のリレー4Aと第2のリレー4Bとは、同一の構成を有している。
【0025】
第1及び第2のリレー4A,4Bは、電磁コイル40と、第1及び第2の固定接点41,42と、可動接点43と、可動接点43を支持する支持導体431と、支持導体431に接続された可撓性を有するリード線432と、第1乃至第3の外部端子441~443と、筐体45と、ベース46と、ベース46に立設された支柱47と、支柱47に揺動可能に支持された揺動部材48と、揺動部材48とベース46との間に配置された付勢部材としてのコイルバネ49とを有している。
【0026】
電磁コイル40は、例えばエナメル線からなる巻線400が鉄心401に巻き回され、巻線400の両端部がそれぞれベース46から外部に突出した一対のピン402,403に接続されている。第1の固定接点41は、第1の外部端子441に接続され、第2の固定接点42は、第2の外部端子442に接続されている。また、リード線432は、第3の外部端子443に接続されている。第1乃至第3の外部端子441~443は、一方の端部が筐体45の外部に突出している。
【0027】
支持導体431は、揺動部材48に固定されており、揺動部材48と一体に揺動する。揺動部材48は、鉄等の軟磁性金属からなり、一方の端部にコイルバネ49の一端部が取り付けられ、他方の端部が鉄心401に対向している。コイルバネ49の他端部はベース46に取り付けられている。コイルバネ49は、自然長よりも伸長した状態で揺動部材48の一方の端部とベース46との間に配置されており、揺動部材48の一方の端部をベース46側(矢印A方向)に付勢している。揺動部材48は、その両端部の間の被支持部481が支柱47に支持されており、一方の端部がベース46に付勢されることにより他方の端部が鉄心401から離間する。
【0028】
電磁コイル40に通電されていないときには、
図3(a)及び(b)に実線で示すように、コイルバネ49の付勢力によって可動接点43が第2の固定接点42に接触する。また、電磁コイル40に通電されると、
図3(a)及び(b)に仮想線(二点鎖線)で示すように、コイルバネ49の付勢力に抗して揺動部材48が揺動し、可動接点43が第1の固定接点41に接触する。すなわち、コイルバネ49は、可動接点43を第1の固定接点41から離間して第2の固定接点42に接触する方向に付勢している。また、可動接点43は、電磁コイル40の磁力によって第2の固定接点42から離間して第1の固定接点41に接触する。
【0029】
第1のリレー4Aの第2の外部端子442には、第1の線路2Aの一方の差動信号線21から分岐した支線51が接続されている。これにより、第1のリレー4Aの第2の固定接点42は、第1の線路2Aの差動信号線21に電気的に接続されている。また、第1のリレー4Aの第3の外部端子443には、第2の線路2Bの一方の差動信号線23から分岐した支線53が接続されている。これにより、第1のリレー4Aの可動接点43は、第2の線路2Bの差動信号線23に電気的に接続されている。
【0030】
第2のリレー4Bの第2の外部端子442には、第1の線路2Aの他方の差動信号線22から分岐した支線52が接続されている。これにより、第2のリレー4Bの第2の固定接点42は、第1の線路2Aの差動信号線22に電気的に接続されている。また、第2のリレー4Bの第3の外部端子443には、第2の線路2Bの他方の差動信号線24から分岐した支線54が接続されている。これにより、第2のリレー4Bの可動接点43は、第2の線路2Bの差動信号線24に電気的に接続されている。
【0031】
なお、第1及び第2のリレー4A,4Bの第1の外部端子441には、何らの配線も接続されていない。第1及び第2のリレー4A,4Bの第2の固定接点42は、特許請求の範囲に係る本発明の「固定接点」に相当する。
【0032】
処理部30ならびにトランシーバ31及びレシーバ32は、第1及び第2の電源線61,62によって供給される電源によって動作する。第1の電源線61は、電気的に接地されている。IOターミナル3への電源供給時には、第2の電源線62の電圧が所定の電源電圧となる。本実施の形態では、この電源電圧がトランシーバ31及びレシーバ32の動作電源として適した電圧(例えば5V)であるが、電源電圧がより高い場合には、DCDCコンバータ等により電源電圧を降圧して処理部30ならびにトランシーバ31及びレシーバ32に供給してもよい。
【0033】
電磁コイル40の巻線400の一方の端部に接続されたピン402は、電気的に接地されており、電磁コイル40の巻線400の他方の端部に接続されたピン403には、電源電圧が供給される。すなわち、電磁コイル40には、処理部30ならびにトランシーバ31及びレシーバ32と共通の電源が供給される。
【0034】
断接手段4は、トランシーバ31及びレシーバ32に電源が供給されていないとき、すなわちIOターミナル3への電源供給が遮断されたとき、第1の線路2Aと第2の線路2Bとを接続する。より具体的には、
図2(b)に示すように、第1のリレー4Aが第1の線路2Aの一方の差動信号線21と第2の線路2Bの一方の差動信号線23とを接続し、第2のリレー4Bが第1の線路2Aの他方の差動信号線22と第2の線路2Bの他方の差動信号線24とを接続する。
【0035】
以上のように構成された通信システム100において、通常の動作時には、プログラマブルコントローラ1からIOターミナル3への送信に対し、IOターミナル3がプログラマブルコントローラ1にレスポンスを送信する。また、
図2(c)に示すようにIOターミナル3が接続されていない場合、もしくはケーブル2が外れていたり断線している場合には、プログラマブルコントローラ1は、IOターミナル3からの返信がないため、IOターミナル3からの返信がないことを示す異常報知を行う。この異常報知は、例えばCPUモジュール11の表示部に所定のエラーコードを表示することにより行われる。
【0036】
また、
図2(b)に示すように、IOターミナル3が接続されているもののIOターミナル3に電源が供給されていない場合には、プログラマブルコントローラ1が第1の線路2Aに送出した信号が、IOターミナル3の第1及び第2のリレー4A,4Bで折り返され、そのまま第2の線路2Bによってプログラマブルコントローラ1に戻ってくる。
【0037】
プログラマブルコントローラ1は、IOターミナル3に送信した信号が第2の線路2Bから戻ってきた場合、IOターミナル3からの返信がない場合とは異なる態様の異常報知を行う。より具体的には、IOターミナル3からの返信がない場合のエラーコードとは異なるエラーコードを表示する。
【0038】
これにより、例えば工場内で設備の保全作業を行う作業者は、プログラマブルコントローラ1とIOターミナル3との通信が行われない場合、その異常発生原因を判別しやすくなる。これにより、円滑かつ速やかに復旧作業を行うことができる。
【0039】
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0040】
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、プログラマブルコントローラ1とIOターミナル3とが差動信号による通信を行う場合について説明したが、例えばプログラマブルコントローラ1とIOターミナル3との距離が近く、ノイズの影響を受けにくい場合には、差動信号を用いなくともよい。この場合には、断接手段が一つのリレーを備えればよい。
【0041】
また、上記の実施の形態では、プログラマブルコントローラ1とIOターミナル3とが通信装置として通信を行う場合について説明したが、通信装置としては、プログラマブルコントローラ等の制御装置に限らず、例えばコンピュータ等の情報処理装置であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…プログラマブルコントローラ(他の通信装置) 100…通信システム
2…ケーブル 2A…第1の線路
2B…第2の線路 3…IOターミナル(通信装置)
31…トランシーバ 32…レシーバ
4…断接手段 40…電磁コイル
42…固定接点 43…可動接点
49…コイルバネ(付勢部材) 4A…第1のリレー
4B…第2のリレー