(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20230711BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20230711BHJP
G03G 21/12 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G15/08 330
G03G21/12
(21)【出願番号】P 2019128385
(22)【出願日】2019-07-10
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 結
(72)【発明者】
【氏名】南野 弘治
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-054896(JP,A)
【文献】特開2017-083612(JP,A)
【文献】特開2005-234316(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0098995(US,A1)
【文献】特開2014-168914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/08
G03G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成の実行時にトナーコンテナに収容されたトナーを供給し、前記画像形成で残留したトナーを廃トナーとして廃トナーボトルに回収する画像形成装置であって、
前記トナーコンテナは、不揮発性メモリーを有し、
前記トナーコンテナが装着される第1装着部と、
画像データに基づいて前記トナーの供給量を算出する第1算出部と、
前記供給量が算出される毎に前記供給量の積算値を現在値及び最大値として、前記第1装着部に装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーにそれぞれ書き込む書込部と、
使用済の前記トナーコンテナが前記廃トナーボトルとして装着される第2装着部と、
前記画像データに基づいて前記廃トナーの発生量を算出する第2算出部と、
前記発生量が算出される毎に、前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値から前記発生量を減算して前記現在値を更新する更新部と、
前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値が、前記トナーコンテナの中の前記トナーの初期量から前記トナーコンテナの最大容量を減じた値以下になったときに前記廃トナーボトルの満杯を検出する検出部と
、
前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値が閾値以下でない場合に、前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値から所定値を減算して前記現在値を更新することにより、前記廃トナーボトルとしての装着を記録する記録部と
前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値が前記閾値以下である場合に、前記トナーの供給が可能な前記トナーコンテナが前記第2装着部に装着されている旨を通知する通知部と
を備え
、
前記記録部は、前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値が前記閾値以下であっても、前記廃トナーボトルとしての使用をユーザーが希望するとの入力が得られた場合には、前記廃トナーボトルとしての装着を記録する、画像形成装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記第1装着部に装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値と前記最大値とを比較して、前記現在値が前記最大値よりも小さい場合に、前記第1装着部に装着された前記トナーコンテナについて誤装着を通知する、請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成の実行時にトナーコンテナに収容されたトナーを供給し、前記画像形成で残留したトナーを廃トナーとして廃トナーボトルに回収する画像形成装置であって、
前記トナーコンテナは、不揮発性メモリーを有し、
前記トナーコンテナが装着される第1装着部と、
画像データに基づいて前記トナーの供給量を算出する第1算出部と、
前記供給量が算出される毎に前記供給量の積算値を現在値及び最大値として、前記第1装着部に装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーにそれぞれ書き込む書込部と、
使用済の前記トナーコンテナが前記廃トナーボトルとして装着される第2装着部と、
前記画像データに基づいて前記廃トナーの発生量を算出する第2算出部と、
前記発生量が算出される毎に、前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値から前記発生量を減算して前記現在値を更新する更新部と、
前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値が、前記トナーコンテナの中の前記トナーの初期量から前記トナーコンテナの最大容量を減じた値以下になったときに前記廃トナーボトルの満杯を検出する検出部と
を備え、
前記第2算出部は、前記画像形成に使用される前記トナーの色に応じて前記廃トナーの発生量を補正する
、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済のトナー供給用の容器(トナーコンテナ)を廃トナー回収用の容器(廃トナーボトル)として使用することができる画像形成装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置では、トナーコンテナからのトナー供給量と同量の廃トナーが回収された時点で廃トナーボトルの満杯が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の画像形成装置では、例えばトナーコンテナの中のトナーの初期量がトナーコンテナの最大容量の80%であった場合には、トナーコンテナの最大容量の残り20%を廃トナーの回収に使用できないという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、トナーコンテナの最大容量まで廃トナーの回収に使用できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、画像形成の実行時にトナーコンテナに収容されたトナーを供給し、前記画像形成で残留したトナーを廃トナーとして廃トナーボトルに回収する画像形成装置であって、前記トナーコンテナは不揮発性メモリーを有し、第1装着部と、第1算出部と、書込部と、第2装着部と、第2算出部と、更新部と、検出部とを備える。前記第1装着部は、前記トナーコンテナが装着される。前記第1算出部は、画像データに基づいて前記トナーの供給量を算出する。前記書込部は、前記供給量が算出される毎に前記供給量の積算値を現在値及び最大値として、前記第1装着部に装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーにそれぞれ書き込む。前記第2装着部は、使用済の前記トナーコンテナが前記廃トナーボトルとして装着される。前記第2算出部は、前記画像データに基づいて前記廃トナーの発生量を算出する。前記更新部は、前記発生量が算出される毎に、前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値から前記発生量を減算して前記現在値を更新する。前記検出部は、前記第2装着部に前記廃トナーボトルとして装着された前記トナーコンテナの前記不揮発性メモリーに記憶された前記現在値が、前記トナーコンテナの中の前記トナーの初期量から前記トナーコンテナの最大容量を減じた値以下になったときに前記廃トナーボトルの満杯を検出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トナーコンテナの最大容量まで廃トナーの回収に使用できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】不揮発性メモリーの記憶内容の一例を示す図である。
【
図3】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、
図1~
図7を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、
図1を参照して、実施形態に係る画像形成装置1について説明する。
図1は、画像形成装置1の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示されるように、画像形成装置1は、操作部11と、読取部12と、記憶部13と、画像処理部14と、印刷部15と、制御部16とを備える。
【0013】
操作部11は、タッチパネルを有し、ユーザーへのメッセージを表示し、かつユーザーによる操作を受け付ける。
【0014】
読取部12は、いわゆるスキャナーであって、画像データを取得するように原稿を読み取る。
【0015】
記憶部13は、半導体メモリーのような記憶装置を備え、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。例えば、記憶部13は、読取部12が取得した画像データを記憶する。
【0016】
画像処理部14は、画像データに対して所定の画像処理を行う。例えば、画像処理部14は、階調調整処理のような画像改善処理を実行する。
【0017】
印刷部15は、記憶部13から読み出した画像データに基づいて、記録紙に画像を印刷する。印刷部15は、第1装着部151と、第2装着部152とを備える。第1装着部151は、トナーコンテナ2が装着される。トナーコンテナ2は、不揮発性メモリー21を有する。第2装着部152は、使用済のトナーコンテナ2が廃トナーボトル2aとして装着される。
【0018】
印刷部15は、記憶部13から読み出した画像データに基づいて、感光体ドラムの表面に潜像を形成する。続いて、印刷部15は、トナーコンテナ2に収容されたトナーを現像部に供給することにより、潜像をトナー像へ変換する画像形成を行う。更に、印刷部15は、感光体ドラムから記録紙にトナー像を転写し、転写したトナー像を記録紙に定着させて排紙する。最後に、印刷部15は、感光体ドラムに残留したトナーを除去し、除去したトナーを廃トナーとして廃トナーボトル2aに回収する。
【0019】
次に、
図1及び
図2を参照して、不揮発性メモリー21の記憶内容について説明する。
図2は、不揮発性メモリー21の記憶内容の一例を示す図である。
【0020】
図2に示されるように、不揮発性メモリー21は、現在値Pを記憶する第1領域21aと、最大値Mを記憶する第2領域21bと、初期空き容量Sを記憶する第3領域21cとを有する。未使用のトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21では、現在値P及び最大値Mがいずれも0に初期化されている。
【0021】
トナーコンテナ2が第1装着部151に装着された場合、第1領域21aは、画像形成の度に算出されるトナー供給量の積算値を現在値Pとして記憶する(現在値P=現在値P+トナー供給量)。また、第2領域21bは、現在値Pと同一の値を最大値Mとして記憶する。つまり、トナーコンテナ2が第1装着部151に装着された場合、不揮発性メモリー21に記憶された現在値P及び最大値Mは、トナーコンテナ2からの累積トナー供給量を表す。
【0022】
使用済のトナーコンテナ2が廃トナーボトル2aとして第2装着部152に装着された時点において、不揮発性メモリー21は、その時点までの累積トナー供給量を現在値P及び最大値Mとして記憶している。トナーコンテナ2が廃トナーボトル2aとして使用され始めると、画像形成の度に算出される廃トナー発生量が、第1領域21aに記憶された現在値Pから減算される(現在値P=現在値P-廃トナー発生量)。第2領域21bに記憶された最大値Mは更新されない。
【0023】
第3領域21cは、初期空き容量Sを記憶する。初期空き容量Sは、トナーコンテナ2の最大容量Xからトナーコンテナ2の中のトナーの初期量Yを減じた値を示す(S=X-Y>0)。最大容量Xは、トナーコンテナ2の製造時において既知である。初期量Yは、トナーコンテナ2にトナーが充填された時点で既知である。したがって、最大容量X、初期量Y、及び初期空き容量Sは、トナーが充填されたトナーコンテナ2の出荷時に既知である。初期空き容量Sは、例えばトナーコンテナ2の出荷時に第3領域21cに書き込まれる。同様に、トナーコンテナ2の出荷時に、現在値Pの初期値として0が第1領域21aに書き込まれ、最大値Mの初期値として0が第2領域21bに書き込まれる。
【0024】
図1に戻って、制御部16は、操作部11、読取部12、記憶部13、画像処理部14、及び印刷部15にそれぞれ接続されている。制御部16は、プロセッサーを備える。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0025】
制御部16は、第1算出部161、第2算出部162、書込部163、更新部164、記録部165、検出部166、及び通知部167を有する。制御部16のプロセッサーは、記憶部13の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することによって、第1算出部161、第2算出部162、書込部163、更新部164、記録部165、検出部166、及び通知部167として機能する。
【0026】
第1算出部161は、印刷部15によって画像形成が実行されるとき、画像データの印字率(ドットカウント)に基づいて、トナーコンテナ2からのトナー供給量を算出する。
【0027】
第2算出部162は、印刷部15によって画像形成が実行されるとき、画像データの印字率×(100-転写効率)に基づいて、廃トナー発生量を算出する。
【0028】
書込部163は、第1算出部161によってトナー供給量が算出される毎に、算出されたトナー供給量の積算値を現在値P及び最大値Mとして、第1装着部151に装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21にそれぞれ書き込む。具体的に説明すると、書込部163は、算出されたトナー供給量を現在値Pに加算して現在値Pを更新するとともに、更新された現在値Pと同一の値となるように最大値Mを更新する。つまり、トナー供給量がプラス方向に積算されるように、現在値P及び最大値Mが更新される。
【0029】
更新部164は、第2算出部162によって廃トナー発生量が算出される毎に、現在値Pを更新する。具体的には、更新部164は、第2装着部152に廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pから、算出された廃トナー発生量を減算する。つまり、廃トナー発生量がマイナス方向に積算されるように、現在値Pが更新される。
【0030】
記録部165は、第2装着部152に装着されたトナーコンテナ2が廃トナーボトル2aとして使用されることが確定したときに、廃トナーボトル2aとしての装着を記録する。具体的には、記録部165は、トナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pから所定値(例えば1)を減算して、現在値Pを更新する。つまり、トナーコンテナ2が第1装着部151に装着されて使用されている間は、現在値Pと最大値Mとが同一の値である。一方、第2装着部152に装着されたトナーコンテナ2が廃トナーボトル2aとして使用されることが確定した場合には、現在値Pが最大値Mよりも小さい値に書き換えられる。
【0031】
検出部166は、所定の条件下で廃トナーボトル2aの満杯を検出して、廃トナーボトル2aが満杯である旨のメッセージをユーザーに通知する。所定の条件とは、第2装着部152に廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pが「-S」以下になったことである。「-S」は、トナーコンテナ2の中のトナーの初期量Yからトナーコンテナ2の最大容量Xを減じた値(Y-X<0)に等しい。
【0032】
通知部167は、第2装着部152に廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pが閾値T以下である場合に、トナーの供給が可能なトナーコンテナ2が装着されている旨のメッセージを通知する。トナーコンテナ2の中に使用可能なトナーが残っているからである。また、通知部167は、第1装着部151に装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pと最大値Mとを比較して、現在値Pが最大値Mよりも小さい場合に、トナーコンテナ2について誤装着のメッセージをユーザーに通知する。現在値Pが最大値Mよりも小さいことは、トナーコンテナ2が既に廃トナーボトル2aとして再利用されたことを示しているからである。
【0033】
次に、
図1~
図4を参照して、制御部16の処理について説明する。
図3及び
図4は、それぞれ制御部16の処理の一例を示すフローチャートである。
図3はトナー供給量管理の一例を、
図4は廃トナー発生量管理の一例をそれぞれ示している。
【0034】
ステップS101:
図3に示されるように、第1算出部161は、印刷すべき画像を表す画像データを取得する。
【0035】
ステップS103:第1算出部161は、画像データの印字率に基づいてトナー供給量を算出する。
【0036】
ステップS105:書込部163は、第1算出部161が算出したトナー供給量をプラス方向に積算するように、トナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pを更新する。
【0037】
ステップS107:書込部163は、最大値Mが更新後の現在値Pと同一の値となるように、トナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された最大値Mを更新する。
【0038】
ステップS201:
図4に示されるように、第2算出部162は、印刷すべき画像を表す画像データを取得する。
【0039】
ステップS203:第2算出部162は、画像データの印字率及び転写効率に基づいて廃トナー発生量を算出する。
【0040】
ステップS205:更新部164は、第2算出部162が算出した廃トナー発生量をマイナス方向に積算するように、廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pを更新する。
【0041】
ステップS207:検出部166は、廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pが-S以下であるか否かを判断する。現在値Pが-S以下であると検出部166が判断した場合(ステップS207でYes)には、制御部16の処理がステップS209へ進む。現在値Pが-S以下でないと検出部166が判断した場合(ステップS207でNo)には、制御部16の処理が終了する。
【0042】
ステップS209:検出部166は、廃トナーボトル2aの満杯を検出して、その旨をユーザーに通知する。その後、制御部16の処理が終了する。
【0043】
ユーザーは、廃トナーボトル2aが満杯である旨のメッセージを受けて、第2装着部152に廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2を取り外す。取り外された廃トナーボトル2aは、トナーコンテナ2の中のトナーの初期量Yの如何にかかわらず、最大容量Xまで廃トナーで満たされている。
【0044】
次に、
図1、
図2、
図5、及び
図6を参照して、制御部16の処理について更に説明する。
図5は、廃トナーボトル2aの使用開始時の制御部16の処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、操作部11の表示の一例を示す図である。
【0045】
ステップS301:
図5に示されるように、記録部165は、第2装着部152に廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pが閾値T以下であるか否かを判断する。現在値Pが閾値T以下であると記録部165が判断した場合(ステップS301でYes)には、制御部16の処理がステップS305へ進む。現在値Pが閾値T以下でないと記録部165が判断した場合(ステップS301でNo)には、制御部16の処理がステップS303へ進む。閾値Tは、例えば、トナーコンテナ2に収容されていた総トナー量の90%を示す値である。
【0046】
ステップS303:記録部165は、第2装着部152に装着されたトナーコンテナ2が、使用済のトナーコンテナ2であると判断する。その後、制御部16の処理がステップS311へ進む。
【0047】
ステップS305:通知部167は、トナーの供給が可能なトナーコンテナ2が第2装着部152に装着されている旨のメッセージ、例えば「まだトナーが残っています。廃トナーボトルとして使用しますか?」という文面のメッセージを通知する。
【0048】
操作部11は、
図6に示されるように、通知部167から通知されたメッセージに加えて、「はい」と表記された第1入力ボタン112と、「いいえ」と表記された第2入力ボタン113とをタッチパネル111に表示する。第2装着部152に装着されたトナーコンテナ2を廃トナーボトル2aとして使用することを希望するユーザーは、第1入力ボタン112を押下する。第2装着部152に装着されたトナーコンテナ2を取り外して第1装着部151に装着し直すことを希望するユーザーは、第2入力ボタン113を押下する。
【0049】
ステップS307:
図5に示されるように、記録部165は、廃トナーボトル2aとしての使用をユーザーが希望するか否かを判断する。廃トナーボトル2aとしての使用をユーザーが希望すると記録部165が判断した場合(ステップS307でYes)には、制御部16の処理がステップS311へ進む。廃トナーボトル2aとしての使用をユーザーが希望しないと記録部165が判断した場合(ステップS307でNo)には、制御部16の処理がステップS309へ進む。
【0050】
制御部16の処理がステップS307からステップS311へ進むのは、廃トナーボトル2aとしての使用をユーザーが希望するとの入力が得られた場合である。これは、
図6の例において第1入力ボタン112が押下された場合に相当する。制御部16の処理がステップS307からステップS309へ進むのは、廃トナーボトル2aとしての使用をユーザーが希望しないとの入力が得られた場合である。これは、
図6の例において第2入力ボタン113が押下された場合に相当する。
【0051】
ステップS309:記録部165は、第2装着部152に装着されたトナーコンテナ2に廃トナーが回収されることを防止するように、廃トナーボトル2aとしての使用を禁止する。その後、制御部16の処理が終了する。
【0052】
ステップS311:記録部165は、廃トナーボトル2aとしての装着を記録する。具体的には、記録部165は、第2装着部152に廃トナーボトル2aとして装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pから所定値(例えば1)を減算して、現在値Pを更新する。その後、制御部16の処理が終了する。
【0053】
次に、
図1、
図2、及び
図7を参照して、制御部16の処理について更に説明する。
図7は、トナーコンテナ2の使用開始時の制御部16の処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS401:制御部16は、画像形成装置1の電源スイッチがオンされたか否かを判断する。画像形成装置1の電源スイッチがオンされたと制御部16が判断した場合(ステップS401でYes)には、制御部16の処理がステップS403へ進む。画像形成装置1の電源スイッチがオンされていないと制御部16が判断した場合(ステップS401でNo)には、制御部16の処理が終了する。
【0055】
ステップS403:通知部167は、第1装着部151に装着されたトナーコンテナ2の不揮発性メモリー21に記憶された現在値Pと最大値Mとを比較して、現在値Pが最大値Mよりも小さいか否かを判断する。現在値Pが最大値Mよりも小さいと通知部167が判断した場合(ステップS403でYes)には、制御部16の処理がステップS407へ進む。現在値Pが最大値Mよりも小さくないと通知部167が判断した場合(ステップS403でNo)には、制御部16の処理がステップS405へ進む。
【0056】
ステップS405:通知部167は、第1装着部151に装着されたトナーコンテナ2が廃トナーボトル2aとして未使用であると判断する。つまり、通知部167は、トナーコンテナ2の誤装着なしと判断する。その後、制御部16の処理が終了する。
【0057】
ステップS407:通知部167は、第1装着部151に装着されたトナーコンテナ2が廃トナーボトル2aとして再利用済であると判断する。その後、制御部16の処理がステップS409へ進む。
【0058】
ステップS409:通知部167は、第1装着部151に装着されたトナーコンテナ2について誤装着のメッセージを通知する。その後、制御部16の処理が終了する。
【0059】
実施形態によれば、トナーコンテナ2の最大容量Xまで廃トナーの回収に使用できる画像形成装置1が提供される。その結果、廃トナーボトル2aの交換回数が削減される。
【0060】
上記した実施形態の説明は、本発明における好適な実施形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0061】
例えば、実施形態では、
図2に示されるように、トナーコンテナ2の出荷時に初期空き容量Sが不揮発性メモリー21に書き込まれたが、本発明はこれに限られない。トナーコンテナ2の最大容量Xと、トナーコンテナ2の中のトナーの初期量Yとのうちの少なくとも一方が不揮発性メモリー21に書き込まれてもよい。例えばY=0.8×Xという関係が既知であれば、初期量Yから最大容量X及び初期空き容量Sが計算で求められ、最大容量Xから初期量Y及び初期空き容量Sが計算で求められる。初期空き容量S又はこれに代わる情報が不揮発性メモリー21に書き込まれるタイミングは、トナーコンテナ2が第1装着部151に初めて装着された時点であってもよい。
【0062】
また、第2算出部162は、画像形成に使用されるトナーの色に応じて廃トナー発生量を補正してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置
2 トナーコンテナ
2a 廃トナーボトル
15 印刷部
16 制御部
21 不揮発性メモリー
151 第1装着部
152 第2装着部
161 第1算出部
162 第2算出部
163 書込部
164 更新部
165 記録部
166 検出部
167 通知部
M 最大値
S 初期空き容量
T 閾値
X 最大容量
Y 初期量