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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】施設利用者管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230711BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019180570
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021056869
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳
(72)【発明者】
【氏名】水野 一男
(72)【発明者】
【氏名】神谷 享慶
【審査官】小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】特許第5851651(JP,B2)
【文献】特許第6172551(JP,B1)
【文献】国際公開第2015/137190(WO,A1)
【文献】特開2007-241377(JP,A)
【文献】国際公開第2018/116973(WO,A1)
【文献】特許第5794599(JP,B1)
【文献】特開2015-176220(JP,A)
【文献】特開2014-186650(JP,A)
【文献】特開2007-058763(JP,A)
【文献】特許第4528262(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設利用者管理システムであって、
サーバと、
施設内の複数の地点に設けられ、前記サーバと通信可能な複数個の監視機器と、
前記サーバと通信可能であって前記施設内の係員が携帯する係員端末と、を備え、
前記サーバは、
利用者の外観を表す利用者画像と、前記利用者を識別するための利用者IDと、前記利用者に割り当てられ、前記利用者が前記施設において搭乗する予定の搭乗予定機に関係する搭乗券IDと、を含む利用者関係情報を記憶するメモリと、
サーバ制御部と、を備えており、
前記複数個の監視機器のそれぞれは、
所定の撮影範囲を撮影する撮影部と、
前記撮影部が撮影した監視画像と、当該監視機器の設置地点を示す地点情報と、前記監視画像の撮影時刻を示す時刻情報と、を対応付けた監視情報を前記サーバに送信する監視送信部と、を備え、
前記サーバ制御部は、
前記監視機器から前記監視情報を受信すると、受信された前記監視情報に含まれる前記監視画像内に、前記メモリに記憶されている前記利用者画像が示す前記利用者と同一人物の特定画像が含まれているか否かを判断し、
前記監視画像に前記特定画像が含まれていると判断される場合に、前記利用者画像が示す前記利用者と前記特定画像が示す前記利用者との一致度合いを示すレベル値を特定し、
特定された前記レベル値と、前記監視情報と、前記利用者関係情報と、を対応付けて前記メモリに記憶させ、
前記係員端末において指示された指示レベルに適合する表示用情報を前記係員端末に送信し、
前記係員端末は、
係員端末表示部と、
前記サーバから前記表示用情報を受信する場合に、前記表示用情報に従って表される表示画面を前記係員端末表示部に表示させるとともに、前記係員による前記指示レベルの指示を受け付け、指示された前記指示レベルを前記サーバに通知する、係員端末制御部と、を備え、
前記サーバ制御部は、前記指示レベルが第1のレベル値よりも高い第2のレベル値を示す場合に、前記第2のレベル値に適合する第2種の前記表示用情報を前記係員端末に送信
前記第2のレベル値によって示される前記一致度合いに適合する前記監視情報が前記メモリに記憶されていないことに起因して、前記第2種の表示用情報によって示される第2種の前記表示画面は、前記第2種の表示用情報に含まれる前記利用者IDによって示される前記利用者を含む前記監視画像を含まず、
前記サーバ制御部は、
前記第2種の表示画面が表示された後に、前記係員端末が前記第2のレベル値から前記第1のレベル値に変更する指示を受け付ける場合に、前記第1のレベル値に適合する第1種の前記表示用情報を前記係員端末に送信し、
前記第1のレベル値によって示される前記一致度合いに適合する前記監視情報が前記メモリに記憶されていることに起因して、前記第1種の表示用情報によって示される第1種の前記表示画面は、前記第1種の表示用情報に含まれる前記利用者IDである特定の利用者IDと、前記特定の利用者IDによって識別される前記利用者の外観を表す前記利用者画像と、前記特定の利用者IDに対応付けて記憶されている前記監視情報と、を含む、
施設利用者管理システム。
【請求項2】
前記係員端末制御部は、さらに、
前記係員端末表示部に前記表示用情報に従って前記表示画面が表示されている間に、前記係員によって、前記利用者画像が示す前記利用者と前記特定画像が示す前記利用者とが一致していないと判断されたことに関係する不一致指示が入力される場合に、前記表示画面の表示を終了させる、
請求項1に記載の施設利用者管理システム。
【請求項3】
前記係員端末制御部は、さらに、
前記係員端末表示部に特定の利用者IDと第1の監視情報とを含む第1の表示用情報
に従って第1の表示画面が表示されている間に、前記係員によって所定の切替指示が入力される場合に、表示切替情報を前記サーバに送信し、
前記サーバ制御部は、さらに、
前記係員端末から前記表示切替情報を受信する場合、前記特定の利用者IDと、前記第1の監視情報とは異なる第2の監視情報を含む第2の表示用情報を前記係員端末に送信し、
前記係員端末制御部は、さらに、
前記表示切替情報の送信後に前記第2の表示用情報を受信する場合、前記第1の表示画面に代えて、前記第2の表示用情報に従って第2の表示画面を前記係員端末表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の施設利用者管理システム。
【請求項4】
前記撮影部によって撮影される前記監視画像は、現在の撮影範囲内を撮影した動画である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【請求項5】
前記サーバ制御部は、さらに、
前記複数個の監視機器のうちの1個以上の監視機器に対して、前記撮影部による撮影時の画角を変更するための画角変更指示を送信可能であり、
前記複数個の監視機器のそれぞれは、前記サーバから前記画角変更指示を受信する場合に、前記撮影部による撮影時の画角を変更する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【請求項6】
前記表示用情報は、さらに、前記利用者が過去の所定期間内に通過した経路を表す通過経路情報を含み、
前記表示画面は、前記通過経路情報に従って表示される前記利用者が過去の所定期間内に通過した経路の表示を含み、
前記通過経路情報は、前記利用者関係情報に対応付けられて前記メモリ内に記憶されている複数個の前記監視情報に基づいて生成される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【請求項7】
前記表示用情報は、さらに、前記利用者が今後通過すると予測される経路を表す予測経路情報を含み、
前記表示画面は、前記予測経路情報に従って表示される前記利用者が今後通過すると予測される経路の表示を含み、
前記予測経路情報は、前記利用者関係情報に対応付けられて前記メモリ内に記憶されている複数個の前記監視情報に基づいて生成される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【請求項8】
前記表示用情報に従って表示される前記表示画面は、前記監視情報に含まれる前記時刻情報に関係する時間を表す時間表示を含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【請求項9】
前記表示用情報は、さらに、他の係員が所持する他の係員端末の位置情報を含み、
前記表示用情報に従って表示される前記表示画面は、前記位置情報に従って表示される前記他の係員端末の位置を示す表示を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【請求項10】
前記係員端末制御部は、さらに、
前記係員端末表示部に対象の利用者IDと第3の監視情報とを含む第3の表示用情報
に従って第3の表示画面が表示されている間に、サーバから前記対象の利用者IDと、前記第3の監視情報とは異なる第4の監視情報とを含む第4の表示用情報を受信する場合、前記第3の表示画面に代えて、前記第4の表示用情報に従って第4の表示画面を前記係員端末表示部に表示させる、
請求項1から9のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【請求項11】
前記複数個の監視機器のそれぞれは、注意誘引動作を実行するための誘引部を備えている、
請求項1から10のいずれか一項に記載の施設利用者管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、施設利用者管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、搭乗ゲートに未到着の利用者(いわゆる未搭乗客)が搭乗ロビーのどのエリア内に滞在しているのかを特定するための監視システムが開示されている。この監視システムは、搭乗ロビーに入場する利用者の管理番号を取得する受付端末と、搭乗ロビーに入場する利用者の顔画像を撮影する第1の監視カメラと、搭乗ロビー内を区分した複数の分割エリアに対応して設置され、各分割エリアを撮影する第2の監視カメラと、搭乗ロビーに入場した利用者が到着すべき搭乗ゲートにおいて、利用者の管理番号を取得する搭乗ゲート端末と、搭乗ゲートに到着していない利用者を特定し、第1の監視カメラによって撮影された利用者の顔画像の特徴量、及び、第2の監視カメラによって複数の分割エリアで撮影された映像に含まれる人物の顔画像の特徴量に基づいて、特定された未到着の利用者と推定される人物が撮影された分割エリアを特定する管理装置と、を備える。これにより、システムの管理者(例えば航空会社の職員)が、未搭乗客と推定される人物が滞在する大まかな位置(分割エリア)を推測することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5851651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、第1の監視カメラによって撮影された利用者の顔画像の特徴量、及び、第2の監視カメラによって複数の分割エリアで撮影された映像に含まれる人物の顔画像の特徴量を比較する際に、二種類の顔画像の人物が同一人物か否かを判定するための基準は予め決められている。
【0005】
例えば、決められた基準が厳しすぎる場合、二種類の顔画像の人物が同一人物であると判定された場合における判定の正確性は高くなるが、二種類の顔画像の人物が本来同一人物でありながら、画像の明度や撮影時の角度等の要因で同一人物であると判定されない等の場合も多く発生する可能性がある。その場合、空港の係員等が利用者の位置を適切に推定できない可能性もある。
【0006】
一方で、決められた基準が甘すぎる場合、二種類の顔画像の人物が同一人物であると判定され易くなるが、判定の正確性が低くなるため、誤判定が多く発生する可能性がある。この場合も、空港の係員等が利用者の位置を適切に推定できない可能性がある。
【0007】
本明細書では、係員が所望する一致度合いのレベルに従って利用者の情報を提供することにより、係員に、利用者の位置を適切に把握させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
施設利用者管理システムであって、サーバと、施設内の複数の地点に設けられ、前記サーバと通信可能な複数個の監視機器と、前記サーバと通信可能であって前記施設内の係員が携帯する係員端末と、を備える。前記サーバは、利用者の外観を表す利用者画像と、前記利用者を識別するための利用者IDと、前記利用者に割り当てられ、前記利用者が前記施設において搭乗する予定の搭乗予定機に関係する搭乗券IDと、を含む利用者関係情報を記憶するメモリと、サーバ制御部と、を備えている。前記複数個の監視機器のそれぞれは、所定の撮影範囲を撮影する撮影部と、前記撮影部が撮影した監視画像と、当該監視機器の設置地点を示す地点情報と、前記監視画像の撮影時刻を示す時刻情報と、を対応付けた監視情報を前記サーバに送信する監視送信部と、を備える。前記サーバ制御部は、前記監視機器から前記監視情報を受信すると、受信された前記監視情報に含まれる前記監視画像内に、前記メモリに記憶されている前記利用者画像が示す前記利用者と同一人物の特定画像が含まれているか否かを判断し、前記監視画像に前記特定画像が含まれていると判断される場合に、前記利用者画像が示す前記利用者と前記特定画像が示す前記利用者との一致度合いを示すレベル値を特定し、特定された前記レベル値と、前記監視情報と、前記利用者関係情報と、を対応付けて前記メモリに記憶させ、前記係員端末において指示された指示レベルに応じて、前記メモリに記憶されている前記監視情報と、前記利用者画像と、前記利用者IDと、を含む表示用情報を前記係員端末に送信する。前記係員端末は、係員端末表示部と、前記サーバから前記表示用情報を受信する場合に、前記表示用情報に従って表される表示画面を前記係員端末表示部に表示させるとともに、前記係員による前記指示レベルの指示を受け付け、指示された前記指示レベルを前記サーバに通知する、係員端末制御部と、を備える。前記サーバ制御部は、前記指示レベルが第1のレベル値を示す場合に、前記第1のレベル値に適合する第1種の前記表示用情報を前記係員端末に送信し、前記指示レベルが前記第1のレベル値よりも高い第2のレベル値を示す場合に、前記第2のレベル値に適合する第2種の前記表示用情報を前記係員端末に送信する。
【0009】
上記の構成によると、サーバ制御部は、監視機器から監視情報を受信すると、監視画像内に特定画像が含まれているか否かを判断し、含まれていると判断される場合に、利用者画像が示す利用者と特定画像が示す利用者との一致度合いを示すレベル値を特定し、特定されたレベル値と、監視情報と、利用者関係情報と、を対応付けてメモリに記憶させる。サーバ制御部は、監視機器から監視情報を受信するたびにこれらの一連の処理を実行する。その結果、メモリには、レベル値、監視情報、及び利用者関係情報の組み合わせが蓄積される。そして、サーバ制御部は、係員端末において指示された指示レベルに応じたレベル値が対応付けられている監視情報及び利用者関係情報に基づいて表示用情報を係員端末に送信する。係員端末では、表示用情報に従って表される表示画面が係員端末表示部に表示される。表示画面には、監視情報に含まれる地点情報、時刻情報、監視画像等によって表される画像等が表示される。そのため、係員は、表示画面を見ることにより、当該利用者がどの時間帯に施設内のどの範囲に滞在していたのかを把握することができる。さらに、上記の構成によると、サーバ制御部は、係員が係員端末において指示した指示レベルが示すレベル値に適合する表示用情報(即ち、指示レベルが示すレベル値に対応付けられてメモリ内に記憶されている監視情報及び利用者関係情報に基づく表示用情報)を係員端末に送信する。そのため、係員が所望する一致度合いのレベルに従った利用者の情報を係員に提供することができる。その結果、係員が、利用者の位置を適切に把握し得る。
【0010】
前記係員端末制御部は、さらに、前記係員端末表示部に前記表示用情報に従って前記表示画面が表示されている間に、前記係員によって、前記利用者画像が示す前記利用者と前記特定画像が示す前記利用者とが一致していないと判断されたことに関係する不一致指示が入力される場合に、前記表示画面の表示を終了させてもよい。
【0011】
この構成によると、係員端末表示部に表示されている表示画面を見た係員は、表示画面に表示される利用者画像が示す利用者と特定画像が示す利用者とが一致していないと判断した場合、係員端末に不一致指示を入力する。これにより、当該表示画面の表示が終了する。この結果、係員に対して、精度の低い利用者の情報(即ち、利用者画像が示す利用者と特定画像が示す利用者とが一致しない情報)が提供されることを抑制することができる。係員に、所望の利用者の位置をより適切に把握させ得る。
【0012】
前記係員端末制御部は、さらに、前記係員端末表示部に特定の利用者IDと第1の監視情報とを含む第1の表示用情報に従って第1の表示画面が表示されている間に、前記係員によって所定の切替指示が入力される場合に、表示切替情報を前記サーバに送信してもよい。前記サーバ制御部は、さらに、前記係員端末から前記表示切替情報を受信する場合、前記特定の利用者IDと、前記第1の監視情報とは異なる第2の監視情報を含む第2の表示用情報を前記係員端末に送信してもよい。前記係員端末制御部は、さらに、前記表示切替情報の送信後に前記第2の表示用情報を受信する場合、前記第1の表示画面に代えて、前記第2の表示用情報に従って第2の表示画面を前記係員端末表示部に表示させてもよい。
【0013】
この構成によると、係員は、特定の利用者IDによって特定される特定の利用者に関する複数個の表示画面(第1の表示画面、第2の表示画面等)を、係員端末表示部に任意に切り替え表示させることができる。係員が、所望の特定の利用者に関する情報を集中的に集めることができ、所望の利用者(特定の利用者)の位置を適切に把握し易くなる。
【0014】
前記撮影部によって撮影される前記監視画像は、現在の撮影範囲内を撮影した動画であってもよい。
【0015】
この構成によると、係員は、表示画面を見ることで、監視機器の撮影部の撮影範囲内における利用者の動きを把握することができる。また、表示用情報に含まれる時刻情報が示す時刻が現在時刻に近い場合、係員は、表示画面を見ることで、利用者のリアルタイムの動きを把握することができる。
【0016】
前記サーバ制御部は、さらに、前記複数個の監視機器のうちの1個以上の監視機器に対して、前記撮影部による撮影時の画角を変更するための画角変更指示を送信可能であってもよい。前記複数個の監視機器のそれぞれは、前記サーバから前記画角変更指示を受信する場合に、前記撮影部による撮影時の画角を変更してもよい。
【0017】
この構成によると、監視機器は、サーバからの画角変更指示に応じて、撮影部による撮影時の画角を変更することができる。従って、例えば、撮影部の撮影範囲内にいた利用者が撮影部の撮影範囲外に移動した場合等であっても、撮影部の画角を変更させることで、当該利用者を継続して撮影することも可能である。
【0018】
前記表示用情報は、さらに、前記利用者が過去の所定期間内に通過した経路を表す通過経路情報を含んでもよい。前記表示画面は、前記通過経路情報に従って表示される前記利用者が過去の所定期間内に通過した経路の表示を含んでもよい。前記通過経路情報は、前記利用者関係情報に対応付けられて前記メモリ内に記憶されている複数個の前記監視情報に基づいて生成されてもよい。
【0019】
この構成によると、係員は、表示画面を見ることで、利用者が過去の所定期間内に通過した経路を把握することができる。これにより、係員は、当該利用者が今後向かう位置を予測することができる。係員は、所望の利用者の位置を適切に把握することができる。
【0020】
前記表示用情報は、さらに、前記利用者が今後通過すると予測される経路を表す予測経路情報を含んでもよい。前記表示画面は、前記予測経路情報に従って表示される前記利用者が今後通過すると予測される経路の表示を含んでもよい。前記予測経路情報は、前記利用者関係情報に対応付けられて前記メモリ内に記憶されている複数個の前記監視情報に基づいて生成されてもよい。
【0021】
この構成によると、係員は、表示画面を見ることで、利用者が今後通過すると予測される経路を把握することができる。これにより、係員は、当該利用者が今後向かう位置を予測し易くなる。係員は、所望の利用者の位置をより適切に把握することができる。
【0022】
前記表示用情報に従って表示される前記表示画面は、前記監視情報に含まれる前記時刻情報に関係する時間を表す時間表示を含んでもよい。
【0023】
この構成によると、係員は、表示画面を見た際に表示される情報(監視画像等)がどの時間帯に取得された利用者の情報であるのかを把握することができる。情報が現在時刻に近い時間帯に取得されているほど、利用者がその地点の近傍に存在する可能性が高くなる。そのため、この構成によると、係員が所望の利用者の位置を予測しやすくなる。
【0024】
前記表示用情報は、さらに、他の係員が所持する他の係員端末の位置情報を含んでもよい。前記表示用情報に従って表示される前記表示画面は、前記位置情報に従って表示される前記他の係員端末の位置を示す表示を含んでもよい。
【0025】
この構成によると、係員は、表示画面を見ることで、他の係員端末を携帯する他の係員の位置も把握することができる。これにより、例えば、係員は、自身よりも利用者の近傍に存在する他の係員に連絡する等して、他の係員に利用者の案内を行わせること等もできる。
【0026】
前記係員端末制御部は、さらに、前記係員端末表示部に対象の利用者IDと第3の監視情報とを含む第3の表示用情報に従って第3の表示画面が表示されている間に、サーバから前記対象の利用者IDと、前記第3の監視情報とは異なる第4の監視情報とを含む第4の表示用情報を受信する場合、前記第3の表示画面に代えて、前記第4の表示用情報に従って第4の表示画面を前記係員端末表示部に表示させてもよい。
【0027】
サーバは、監視機器が利用者を撮影している間、継続して、対象の利用者の状態を表す表示用情報(第3の表示用情報、第4の表示用情報を含む)を係員端末に送信することができる。そのため、上記の構成によると、係員端末制御部は、係員端末表示部に、対象の利用者の最新の状態を表す情報を含む表示画面を表示させることができる。係員は、表示画面を見ることにより、対象の利用者の最新の状態を把握することができる。
【0028】
前記複数個の監視機器のそれぞれは、注意誘引動作を実行するための誘引部を備えていてもよい。
【0029】
この構成によると、利用者に監視機器の方に視線を誘導し易くなる。撮影部によって利用者の顔を含む範囲を撮影し易くなるため、サーバ制御部において監視画像内に特定画像が含まれているか否かの判断の精度が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施例の空港利用者管理システム2の概略を示す説明図。
図2】搭乗受付機器10の構成を示すブロック図。
図3】セキュリティゲート60の構成及び端末機器80の構成を示すブロック図。
図4】ロビー監視機器100の構成を示すブロック図。
図5】搭乗ゲート110の構成及び端末機器130の構成を示すブロック図。
図6】係員端末150の構成を示すブロック図。
図7】係員端末150に表示されるリスト画面400の一例を示す説明図。
図8】第1実施例の係員端末150に表示される詳細画面500の一例を示す説明図。
図9】第1実施例の係員端末150に表示される詳細画面500の他の一例を示す説明図。
図10】サーバ300の構成を示すブロック図。
図11】利用者データベース314の記憶内容の一例を示す説明図。
図12】第2実施例の詳細画面500の一例を示す説明図。
図13】第3実施例の詳細画面500の一例を示す説明図。
図14】第6実施例の詳細画面500の一例を示す説明図。
図15】第7実施例の詳細画面500の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施例)
(空港利用者管理システム2の構成;図1
図1に示す本実施例の空港利用者管理システム2は、空港において、飛行機に搭乗する利用者(搭乗予定客。図中の符号C1等)を管理するためのシステムである。図1に示すように、空港利用者管理システム2は、搭乗受付機器10と、セキュリティゲート60と、端末機器80と、複数個のロビー監視機器100と、搭乗ゲート110と、端末機器130と、複数個の係員端末150と、サーバ300と、を備える。図1に示す空港利用者管理システム2を構成する各機器10、60、80、100、110、130、150は、ネットワーク4(図2図6図10参照)を介してサーバ300と通信可能である。また、セキュリティゲート60と端末機器80は相互に直接通信可能である。また、搭乗ゲート110と端末機器130も相互に直接通信可能である。
【0032】
図1に示すように、空港利用者管理システム2のうち、搭乗受付機器10は、空港のチェックインエリア内に設けられる。セキュリティゲート60、端末機器80、複数個のロビー監視機器100、搭乗ゲート110、端末機器130、及び、複数個の係員端末150は、いずれも搭乗ロビーBL内に設けられる。搭乗ロビーBL内は、セキュリティゲート60を通過した利用者が、搭乗予定機に搭乗するための搭乗ゲート110を通過するまでの間に滞在するロビーであり、搭乗受付機器10によるチェックイン、及び、セキュリティゲート60における各種チェック(チケットチェック、保安検査等)を終了した利用者が立ち入ることができるロビーである。空港利用者管理システム2のサーバ300は、出発空港の任意の場所(例えば管理棟等)に配置される。
【0033】
(搭乗受付機器10;図1図2
図1に示すように、搭乗受付機器10は、空港から出発する搭乗予定の飛行機(以下「搭乗予定機」と呼ぶ場合がある)によるフライトを予約している利用者C1がチェックインを行って搭乗券を受け取ると共に、手荷物B1を機内に預けるための手続を行うための機器である。他の例では、搭乗受付機器10は、利用者C1がチェックインを行うためのチェックイン機器と、利用者C1が手荷物B1を預けるためのセルフバッグドロップ(SBD:Self Bag Dropの略)機器と、の2つの機器によって構成されていてもよい。
【0034】
図2に示すように、搭乗受付機器10は、表示部12と、操作部14と、情報コード読取部16と、第1カメラ20と、スキャン部22と、搭乗券出力部24と、通信インターフェース26と、第2カメラ30と、荷物タグ出力部32と、受け入れ部34と、を備える。以下では、インターフェースのことを「I/F」と表記する。
【0035】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部14は、複数のキーを備える。利用者C1は、操作部14を操作することによって様々な指示を搭乗受付機器10に入力することができる。また、本実施例では、表示部12はタッチパネルとして構成されており、操作部としても機能する。以下の「操作部14」という表現は、操作部14そのものと、タッチパネルである表示部12と、の双方を含む意味である。
【0036】
情報コード読取部16は、二次元コード等の情報コードを読み取り、情報コードに記録された情報を取得するための読取装置である。例えば、利用者C1は、搭乗券の予約情報が記録された情報コードを情報コード読取部16に読み取らせ、各種情報を搭乗受付機器10に入力することができる。
【0037】
ICチップ読取部18は、利用者C1が所持する携帯端末等に内蔵されるICチップと近距離無線通信を実行することによってICチップを読み取り、ICチップに記録された情報を取得するための読取装置である。例えば、利用者C1は、搭乗券の予約情報が記録されたICチップが内蔵された携帯端末等をICチップ読取部18に近づけてICチップを読み取らせ、各種情報を搭乗受付機器10に入力することができる。
【0038】
第1カメラ20は、搭乗受付機器10の前に立った利用者C1の顔を含む範囲を撮影して利用者画像(図11の符号322参照)を取得するための撮影装置である。第1カメラ20は、前面から利用者C1を撮影するカメラと、側面から利用者C1を撮影するカメラと、の複数個のカメラを含んでいてもよい。また、変形例では、第1カメラ20は、搭乗受付機器10の前に立った利用者C1の顔に限られず、服装、姿勢、体格等を含めた外観全体を撮影した利用者画像を取得してもよい。
【0039】
スキャン部22は、CCD(固体撮像素子)、CIS(密着イメージセンサ)等のスキャン機構である。スキャン部22は、利用者C1が所持するパスポートをスキャンし、パスポートのスキャン画像を生成する。
【0040】
搭乗券出力部24は、利用者C1が各種情報の入力を終えた後に、搭乗券を出力する装置である。搭乗券には、当該利用者C1が入力した各種情報の一部を含む様々な情報(例えば、氏名、利用者C1の連絡先、搭乗便名、行き先、出発時間、座席番号、搭乗ゲート番号、航空会社が当該利用者C1の各種情報に対応付けて割り当てるユニークな搭乗券ID等)が表示される。
【0041】
通信I/F26は、ネットワーク4(例えばインターネット)に接続される。
【0042】
第2カメラ30は、利用者C1が搭乗予定機に預けることを希望する手荷物B1を撮影して手荷物画像(図11の符号324参照)を取得するための撮影装置である。図1の例では利用者C1は手荷物B1のみを預ける様子を図示しているが、利用者C1が複数個の手荷物を預ける場合、第2カメラ30は、各手荷物を撮影して手荷物画像を取得する。本実施例の第2カメラ30は、搭乗受付機器10の前の所定範囲に置かれた手荷物B1を撮影することができるが、他の例では、第2カメラ30は、手荷物を搬送するための受け入れ部34に載せた状態の手荷物B1を撮影してもよい。
【0043】
図2の荷物タグ出力部32は、預ける手荷物B1に取り付けるための荷物タグ50を出力するための装置である。荷物タグ50は、手荷物B1の把持部等に括り付けて取り付けることができる帯状の媒体である。荷物タグ50の表面には、利用者C1が入力した各種情報の一部を含む様々な情報(例えば、氏名、連絡先、搭乗便名、到着先、航空会社が当該利用者C1の各種情報に対応付けて割り当てるユニークな手荷物ID等)が表示される。
【0044】
図2に示すように、本実施例の荷物タグ50は、RFタグ52を内蔵している。本実施例のRFタグ52は、RFID(Radio Frequency Identifierの略)方式に従った無線通信を実行可能なパッシブタグである。荷物タグ出力部32は、荷物タグ50を出力する際、RFタグ52内に、上記の手荷物IDを含む様々な情報を記録させる。従って、荷物タグ出力部32から出力された荷物タグ50に内蔵されるRFタグ52には、手荷物IDを含む様々な情報が記録されている。利用者C1は、荷物タグ出力部32から出力された荷物タグ50を預ける手荷物B1に取り付ける。
【0045】
受け入れ部34は、荷物タグ50を取り付けた手荷物B1を受け入れ、搭乗予定機に積載するための積載地点に向けて搬送するための装置である。図1に示すように、受け入れ部34は、受け入れた手荷物B1を搬送するためのコンベア(搬送装置)を備えている。受け入れ部34は、手荷物B1の重量及びサイズを計測可能であってもよい。
【0046】
制御部40は、メモリ42に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ42は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部40が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ42は、制御部40が様々な処理を実行する際に取得及び生成する各種情報を記憶するための記憶領域を備えている。
【0047】
本実施例では、制御部40は、操作部14で入力された利用者C1の各種情報、情報コード読取部16が情報コードを読み取ることによって取得した利用者C1の各種情報、ICチップ読取部18がICチップを読み取ることによって取得した利用者C1の各種情報を取得する。また、制御部40は、第1カメラ20が撮影した利用者画像を取得する。制御部40は、スキャン部22がスキャンしたパスポートのスキャン画像を取得する。制御部40は、パスポートのスキャン画像から利用者C1の写真画像を抽出するともに、氏名、パスポート番号等の各種文字情報を抽出する。そして、制御部40は、抽出した利用者C1の写真画像と第1カメラ20が撮影した利用者画像とを比較し、パスポートの写真の人物と、搭乗受付機器10の前にいる人物とが同一人物であることを確認する。また、制御部40は、抽出した文字情報と、操作部14、情報コード読取部16、ICチップ読取部18から取得された各種情報とを比較し、各種情報に含まれる利用者の個人情報(氏名、パスポート番号等)がパスポートに記載された情報と一致することを確認する。
【0048】
次いで、制御部40は、操作部14、情報コード読取部16、ICチップ読取部18から取得された各種情報(例えば氏名、連絡先、搭乗便名、座席番号、出発時間等)と、パスポートのスキャン画像から抽出された各種情報(例えばパスポート番号等)と、を含む利用者データを生成する。言い換えると、利用者データは、利用者を識別するための各種情報を含む。そして、制御部40は、当該利用者データ及び第1カメラ20から取得された利用者画像に対応するユニークな搭乗券IDを生成する。制御部40は、搭乗券出力部24に、搭乗券IDと、利用者データの少なくとも一部と、を表示した搭乗券を出力させる。これにより、利用者C1は、搭乗券を受け取ることができる。なお、パスポートのスキャン画像から抽出した各種情報は、ICチップ読取部18により、パスポートに内蔵されるICチップから読み出されてもよい(以下本実施例において同様)。
【0049】
さらに、制御部40は、第2カメラ30が撮影した手荷物画像を取得する。制御部40は、上記の利用者データ及び搭乗券IDに対応する手荷物IDを生成する。制御部40は、荷物タグ出力部32に、手荷物IDと、搭乗券IDと、利用者データの少なくとも一部と、をRFタグ52に記録させるとともに、荷物タグ50の表面にも表示させる。RFタグ52に記録された上記情報のことを以下では「タグ情報」と呼ぶ場合がある。そして、制御部40は、荷物タグ出力部32に荷物タグ50を出力させる。これにより、利用者C1は、荷物タグ50を受け取ることができる。そして、利用者C1は、荷物タグ50を手荷物B1に取り付けて、受け入れ部34に載せる。受け入れ部34は、載せられた手荷物B1を積載地点に向けて搬送する。
【0050】
制御部40は、利用者データ(即ち利用者を識別する各種情報)、利用者画像、搭乗券ID、手荷物画像、及び、手荷物IDを含む利用者関係情報を生成し、通信I/F26及びネットワーク4を介して、利用者関係情報をサーバ300に送信する。これにより、後述の通り、サーバ300の利用者データベース314内に、利用者C1に関する搭乗客データ(図11の符号320a)が記憶される。また、この時点の搭乗客データには、利用者C1がチェックインを完了したことを示す情報、及び、チェックイン完了時刻を示す情報も含まれている。これ以後、本システム内の各デバイスが、利用者データベース314内に記憶された利用者C1に関する搭乗客データを参照して各種処理を実行することができる。
【0051】
以上の処理がすべて行われることで、利用者C1による搭乗受付機器10を用いたチェックインが完了する。
【0052】
(セキュリティゲート60及び端末機器80;図1図3
図1に示すように、セキュリティゲート60及び端末機器80は、搭乗ロビーBLの入口付近のエリアA1内に設けられている。セキュリティゲート60は、チェックイン処理を行った後の利用者C1が搭乗ロビーBLに入場しようとする際にチケットチェック、保安検査等を行うためのゲート機器である。端末機器80は、保安係員ST1が検査状況を監視するための端末機器であり、セキュリティゲート60の近傍に設置されている端末機器である。本実施例では、セキュリティゲート60と端末機器80とは別個の機器として構成されているが、他の例では、セキュリティゲート60は、端末機器80の機能も併せて実行可能に構成されていてもよい。
【0053】
図3に示すように、セキュリティゲート60は、カメラ62と、情報コード読取部64と、ICチップ読取部66と、スキャン部68と、通信I/F69と、制御部70と、メモリ72と、を備える。
【0054】
カメラ62は、セキュリティゲート60を通過しようとする利用者C1の顔を含む範囲を撮影して利用者画像(図11の符号322参照)を取得するための撮影装置である。カメラ62は、前面から利用者C1を撮影するカメラと、側面から利用者C1を撮影するカメラと、の複数個のカメラを含んでいてもよい。また、変形例では、カメラ62も、セキュリティゲート60を通過しようとする利用者C1の顔に限られず、服装、姿勢、体格等を含めた外観全体を撮影した利用者画像を取得してもよい。
【0055】
情報コード読取部64は、二次元コード等の情報コードを読み取り、情報コードに記録された情報を取得するための読取装置である。例えば、利用者C1は、搭乗券に表示された情報コードを情報コード読取部64に読み取らせ、各種情報(例えば、搭乗券ID、利用者データの一部)をセキュリティゲート60に入力することができる。
【0056】
ICチップ読取部66は、利用者C1が所持する携帯端末等に内蔵されるICチップと近距離無線通信を実行することによってICチップを読み取り、ICチップに記録された情報を取得するための読取装置である。例えば、利用者C1は、紙媒体の搭乗券の代わりに、ICチップに搭乗券と同じ情報が記録された携帯端末を所持する場合がある。その場合、利用者C1は、搭乗券を情報コード読取部64に読み取らせることに代えて、携帯端末をICチップ読取部66に近づけてICチップを読み取らせることにより、各種情報をセキュリティゲート60に入力することができる。
【0057】
スキャン部68は、CCD、CIS等のスキャン機構である。スキャン部68は、利用者C1が所持するパスポートをスキャンし、パスポートのスキャン画像を生成する。
【0058】
通信I/F69は、ネットワーク4に接続されている。さらに、通信I/F69は、端末機器80の通信I/F86と直接通信可能に有線接続されている。
【0059】
制御部70は、メモリ72に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ72は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部70が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ72は、制御部70が様々な処理を実行する際に取得及び生成する各種情報を記憶するための記憶領域を備えている。また、メモリ72は、自機の設置エリアであるエリアA1を示すエリア情報を記憶している。
【0060】
図3に示すように、端末機器80は、表示部82と、操作部84と、通信I/F86と、制御部90と、メモリ92と、を備える。
【0061】
制御部90は、メモリ92に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ92は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部90が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ92は、制御部90が様々な処理を実行する際に取得及び生成する各種情報を記憶するための記憶領域を備えている。また、メモリ92は、自機の設置エリアであるエリアA1を示すエリア情報を記憶している。
【0062】
本実施例では、セキュリティゲート60の制御部70は、情報コード読取部64又はICチップ読取部66が取得した利用者C1の各種情報(利用者データ、搭乗券ID、手荷物ID等)を取得する。また、制御部70は、カメラ62が撮影した利用者画像を取得する。また、制御部70は、スキャン部68がスキャンしたパスポートのスキャン画像を取得する。制御部70は、取得した各情報及び各画像を、通信I/F69を介して端末機器80に送信する。
【0063】
端末機器80の制御部90は、通信I/F86を介して、セキュリティゲート60から、セキュリティゲート60が取得した各情報及び各画像を取得する。制御部90は、ネットワーク4を介してサーバ300の利用者データベース314にアクセスし、セキュリティゲート60から取得した各情報(利用者C1の氏名等)を含む搭乗客データ(図11の符号320a参照)を特定する。制御部90は、特定された搭乗客データを読み出す。そして、制御部90は、セキュリティゲート60から取得した各情報(利用者C1の氏名等)と、搭乗客データに含まれる各情報とが一致することを確認する。また、制御部90は、パスポートのスキャン画像から利用者C1のパスポート番号等を抽出し、搭乗客データに含まれるパスポート番号等と一致することを確認する。さらに制御部90は、セキュリティゲート60から取得した利用者画像と、搭乗客データに含まれる利用者画像とを比較(具体的には、両画像の利用者の顔の特徴点同士を比較)し、セキュリティゲート60の前に存在する人物が、搭乗受付機器10でチェックインを行った人物と同一人物であることを確認する。
【0064】
確認が終わると、制御部90は、利用者C1がセキュリティゲート60を通過することを許可する許可動作を行う。その際、制御部90は、自機の設置エリアであるエリアA1を示すエリア情報と、この時点の時刻を表わす時刻情報と、搭乗客データの一部(例えば搭乗券ID)と、を対応付けて、通信I/F86及びネットワーク4を介してサーバ300に送信する。これにより、サーバ300の利用者データベース314内の利用者C1に関係する搭乗客データ(図11の符号320a参照)に、利用者C1がセキュリティゲート60を通過したことを示す情報、利用者C1がエリアA1に滞在したことを示す情報、及び、最新の滞在時刻を示す情報が追加される。
【0065】
以上の処理に加え、所定の公知の保安検査等がすべて行われると、利用者C1は、搭乗ロビーBL内に入場することができる。搭乗ロビーBLに入場した利用者C1は、基本的には、搭乗開始時刻までに搭乗ゲート110に到着できればよく、搭乗ロビーBL内を移動したり、搭乗ロビーBL内の店舗で買い物や食事をしたりして過ごす。
【0066】
(ロビー監視機器100;図1図4
図1に示すように、搭乗ロビーBL内には、複数個のロビー監視機器100が設けられる。ロビー監視機器100は、自機の設置エリア内に滞在する利用者を監視するための機器である。図1の例では、5個のロビー監視機器100が設けられており、それぞれ、搭乗ロビーBL内のエリアA2、A3、A4、A5、A6の各エリア内を監視する。
【0067】
各ロビー監視機器100は、同様の構成を有する。図4に示すように、ロビー監視機器100は、カメラ102と、通信I/F104と、制御部106と、メモリ108と、ライト109aと、スピーカ109bと、を備える。
【0068】
カメラ102は、自機が設置されているエリア内を継続的に撮影する。例えば、エリアA2内に設置されたロビー監視機器100のカメラ102は、エリアA2内の全域を撮影する。通信I/F104は、ネットワーク4に接続されている。制御部106は、メモリ108に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ108は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部106が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ108は、制御部106が様々な処理を実行する際に取得及び生成する各種情報を記憶するための記憶領域を備えている。また、メモリ108は、自機の設置エリアを示すエリア情報を記憶している。例えば、エリアA2内に設置されたロビー監視機器100のメモリ108は、エリアA2を示すエリア情報を記憶している。
【0069】
ライト109aは、LED等を内蔵しており、カメラ102の撮影範囲内に光を照射するための発光部である。スピーカ109bは、音声を出力するための音声出力部である。
【0070】
ロビー監視機器100の制御部106は、カメラ102によって撮影される設置エリア内の画像(以下では「監視画像」と呼ぶ場合がある)に、自機の設置エリアを示すエリア情報と、撮影時点の時刻を示す時刻情報と、を対応付けた監視情報を継続的に生成する。そして、制御部106は、通信I/F104及びネットワーク4を介して、生成された監視情報をサーバ300に継続的に送信する。これにより、サーバ300の監視データベース316には、各ロビー監視機器100から受信した監視情報が時系列順に蓄積されていく。
【0071】
(搭乗ゲート110及び端末機器130;図1図5
図1に示すように、搭乗ゲート110及び端末機器130は、搭乗ロビーBLのうち、搭乗予定機への搭乗口付近のエリアA7内に設けられている。搭乗ゲート110は、搭乗予定機に搭乗する予定の利用者C1が搭乗予定機に搭乗する際に、最終のチケットチェック及び本人確認を行うためのゲート機器である。端末機器130は、搭乗係員(航空会社のグランドスタッフ)ST4がチェック状況を監視するための端末機器であり、搭乗ゲート110の近傍に設置されている端末機器である。本実施例では、搭乗ゲート110と端末機器130とは別個の機器として構成されているが、他の例では、搭乗ゲート110は、端末機器130の機能も併せて実行可能に構成されていてもよい。
【0072】
図5に示すように、搭乗ゲート110は、カメラ112と、情報コード読取部114と、ICチップ読取部116と、スキャン部118と、通信I/F119と、制御部120と、メモリ122と、を備える。
【0073】
カメラ112は、搭乗ゲート110を通過しようとする利用者C1の顔を含む範囲を撮影して利用者画像(図11の符号322参照)を取得するためのカメラである。カメラ112は、前面から利用者C1を撮影するカメラと、側面から利用者C1を撮影するカメラと、の複数個のカメラを含んでいてもよい。
【0074】
情報コード読取部114は、二次元コード等の情報コードを読み取り、情報コードに記録された情報を取得するための読取部である。例えば、利用者C1は、搭乗券に表示された情報コードを情報コード読取部114に読み取らせ、各種情報(例えば、搭乗券ID、利用者データの一部)を搭乗ゲート110に入力することができる。
【0075】
ICチップ読取部116は、利用者C1が所持する携帯端末等に内蔵されるICチップと近距離無線通信を実行することによってICチップを読み取り、ICチップに記録された情報を取得するための読取部である。利用者C1は、搭乗券を情報コード読取部114に読み取らせることに代えて携帯端末をICチップ読取部66に近づけてICチップ読み取らせ、各種情報を搭乗ゲート110に入力することができる。
【0076】
スキャン部118は、CCD、CIS等のスキャン機構である。スキャン部118は、利用者C1が所持するパスポートをスキャンし、スキャン画像を生成する。
【0077】
通信I/F119は、ネットワーク4に接続されている。また、通信I/F119は、端末機器130の通信I/F136と直接通信可能に有線接続されている。
【0078】
制御部120は、メモリ122に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ122は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部120が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ122は、制御部120が様々な処理を実行する際に取得及び生成する各種情報を記憶するための記憶領域を備えている。また、メモリ122は、自機の設置エリアであるエリアA7を示すエリア情報を記憶している。
【0079】
図5に示すように、端末機器130は、表示部132と、操作部134と、通信I/F136と、制御部140と、メモリ142と、を備える。
【0080】
表示部132は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部134は、キーボード及びマウスを備える。搭乗係員ST4は、操作部134を操作することによって様々な指示を端末機器130に入力することができる。また、表示部132はタッチパネルとして構成されていてもよく、操作部134としても機能してもよい。
【0081】
通信I/F136は、ネットワーク4に接続されている。また、通信I/F136は、搭乗ゲート110の通信I/F119と直接通信可能に有線接続されている。
【0082】
制御部140は、メモリ142に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ142は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部140が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ142は、制御部140が様々な処理を実行する際に取得及び生成する各種情報を記憶するための記憶領域を備えている。また、メモリ142は、自機の設置エリアであるエリアA7を示すエリア情報を記憶している。
【0083】
本実施例では、搭乗ゲート110の制御部120は、情報コード読取部114又はICチップ読取部116が取得した利用者C1の各種情報(利用者データ、搭乗券ID、手荷物ID等)を取得する。また、制御部120は、カメラ112が撮影した利用者画像を取得する。また、制御部120は、スキャン部118がスキャンしたパスポートのスキャン画像を取得する。制御部120は、取得した各情報及び各画像を、通信I/F119を介して端末機器130に送信する。
【0084】
端末機器130の制御部140は、通信I/F136を介して、搭乗ゲート110から、搭乗ゲート110が取得した各情報及び各画像を取得する。制御部140は、ネットワーク4を介してサーバ300のデータベース314にアクセスし、搭乗ゲート110から取得した各情報(利用者C1の氏名等)を含む搭乗客データ(図11の符号320a参照)を特定する。制御部140は、特定された搭乗客データを読み出す。そして、制御部140は、搭乗ゲート110から取得した各情報(利用者C1の氏名等)と、搭乗客データに含まれる各情報とが一致することを確認する。また、制御部140は、パスポートのスキャン画像から利用者C1のパスポート番号等を抽出し、搭乗客データに含まれるパスポート番号等と一致することを確認する。さらに制御部140は、搭乗ゲート110から取得した利用者画像と、搭乗客データに含まれる利用者画像とを比較(具体的には、両画像の利用者の顔の特徴点同士を比較)し、搭乗ゲート110の前に存在する人物が、搭乗受付機器10でチェックインを行った人物と同一人物であることを確認する。
【0085】
確認が終わると、制御部140は、利用者C1が搭乗ゲート110を通過することを許可する許可動作を行う。その際、制御部140は、自機の設置エリアであるエリアA7を示すエリア情報と、この時点の時刻を表わす時刻情報と、搭乗客データの一部(例えば搭乗券ID)と、を対応付けて、通信I/F136及びネットワーク4を介してサーバ300に送信する。これにより、サーバ300の利用者データベース314内の利用者C1に関係する搭乗客データ(図11の符号320a参照)に、最新の滞在時刻を示す情報、及び、利用者C1が搭乗済みであることを示す情報、が追加される。
【0086】
以上の処理に加え、所定の公知の搭乗チェックがすべて行われると、利用者C1は、搭乗予定機に搭乗することができる。
【0087】
また、搭乗チェックの間、端末機器130の制御部140は、表示部132に、搭乗予定機に搭乗する予定のすべての利用者に関係する搭乗客データのリストを表示させることができる(図7参照)。搭乗係員ST4は、表示部132に表示されたリストを見ることで、搭乗済みの利用者と未搭乗の利用者とを把握することができる。また、搭乗係員ST4は、表示部132を見ることで、未搭乗の利用者が搭乗ロビーBLのどのエリアに滞在している可能性が高いのかを把握することもできる。
【0088】
搭乗係員ST4は、出発時刻が近くなっても搭乗ゲート110に到着しない利用者(以下では未搭乗客と呼ぶ場合がある)がいる場合、操作部134を操作して、当該未搭乗客の搭乗客データを指定し、当該未搭乗客を呼び出す(即ち、ロビー係員ST2、ST3等に未搭乗客を捜索させ、搭乗ゲート110に適切に誘導させる)ための呼出操作を入力することができる。その場合、制御部140は、通信I/F136及びネットワーク4を介して、サーバ300に呼出信号を送信する。呼出信号は、当該未搭乗客の搭乗客データの一部(例えば搭乗券ID)を含む。その場合、サーバ300は、ネットワーク4を介して、係員端末150に呼出指示を送信する。そして、係員端末150には、指定された搭乗客データを含む所定の呼出画面が表示される。
【0089】
(係員端末150;図1図6図9
図1に示すように、搭乗ロビーBL内には、複数個の係員端末150が配置される。図1の例では、2個の係員端末150が配置されており、それぞれ、搭乗ロビーBL内のロビー係員(航空会社のグランドスタッフ)ST2、ST3によって携帯されている。各係員端末150は、同様の構成を有する。以下では、特に指示しない限り、ロビー係員ST2が携帯する係員端末150の例を説明する。各係員端末150は、携帯型の端末機器(例えばタブレット端末)である。係員端末150は、搭乗予定機に搭乗する予定のすべての利用者に関係する搭乗客データのリスト(図7参照)を表示させたり、リスト内の所望の利用者の最新情報(図8図9参照)を表示させたり、出発時刻が近くなっても搭乗ゲート110に現れない利用者(以下では未搭乗客と呼ぶ場合がある)に関する情報を表示させたりするための端末機器である。
【0090】
図6に示すように、係員端末150は、表示部152と、操作部154と、通信I/F156と、制御部160と、メモリ162と、を備える。
【0091】
表示部152は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部154は、複数のキーを備える。ロビー係員ST2は、操作部154を操作することによって様々な指示を係員端末150に入力することができる。また、本実施例では、表示部152はタッチパネルとして構成されており、操作部としても機能する。以下の「操作部154」という表現は、操作部154そのものと、タッチパネルである表示部152と、の双方を含む意味である。通信I/F156は、ネットワーク4に接続される。
【0092】
制御部160は、メモリ162に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ162は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部160が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ162は、制御部160が様々な処理を実行する際に取得及び生成する各種情報を記憶するための記憶領域を備えている。
【0093】
以下、本実施例の制御部160が実行する処理の内容について、図7図9を参照して説明する。ロビー係員ST2が、待機中の係員端末150の操作部154において所定のリスト表示指示を入力すると、制御部160は、通信I/F156を介して、サーバ300にリスト表示要求を送信する。サーバ300は、係員端末150からリスト表示要求を受信したことに応じて、利用者データベース314内の各搭乗客データを用いてリストデータを生成し、係員端末150に送信する。制御部160は、サーバ300からリストデータを受信すると、リストデータに基づいて、表示部152にリスト画面400(図7参照)を表示させる。
【0094】
図7は、ロビー係員ST2によってリスト表示指示が入力された場合に表示部152に表示されるリスト画面400の一例である。図7に示すように、リスト画面400は、選択された出発日(例えば「2018/08/01」)、便名(例えば「xx901」)、及び、状態(例えば「全て」)によってソートされた利用者(利用者C1等)のリストを表示するための画面である。リスト画面400には、出発日選択欄402、便名選択欄404、状態選択欄406とともに、該当する条件の利用者の情報420a~420d等を表示するための利用者データ表示欄410が設けられている。
【0095】
出発日選択欄402、便名選択欄404、状態選択欄406は、いずれも、利用者データ表示欄410に表示させる利用者の情報をソートするための選択欄である。出発日選択欄402は、表示対象の利用者の出発日(例えば「2018/08/01」)を選択するための欄である。便名選択欄404は、表示対象の利用者の搭乗予定便名(例えば「xx901」)を選択するための欄である。状態選択欄406は、表示対象の利用者の状態(例えば、「全て」「保安検査済」「保安検査前」「搭乗前」「搭乗済み」等)を選択するための欄である。なお、状態選択欄406において「全て」が選択される場合、利用者の状態をソートしないことを意味する。
【0096】
利用者データ表示欄410には、出発日選択欄402、便名選択欄404、状態選択欄406、の各欄で選択された条件でソートされた利用者の情報420a~420d等が表示される。図7の例では、利用者データ表示欄410には、出発日が「2018/08/01」であり、搭乗予定便名が「xx901」の利用者の情報が、当該利用者の状態に関わらず全て表示される。利用者の情報420a~420dは、それぞれ、当該利用者の利用者画像、氏名、現在の状態(例えば「保安検査済」等)を含む。また、情報420dのように、現在の状態が既に「搭乗済み」である利用者の情報は、グレーアウト表示され、それ以外の状態の利用者の情報(420a~420c等)とは区別して表示される。
【0097】
ロビー係員ST2は、図7のリスト画面400を見ることで、例えば、搭乗予定便に搭乗する予定のすべての利用者の状態を把握することができる。さらに、ロビー係員ST2は、リスト画面400が表示されている間に、搭乗予定機に未搭乗の利用者に関する情報420a~420cのうち、所望の利用者の情報(例えば情報420a)を選択する操作を入力することができる。
【0098】
リスト画面400において情報420a(この例では、図1の利用者C1を示す情報)を選択する操作が入力されると、制御部160は、選択された情報420aに対応する利用者の詳細な情報の表示を要求する詳細要求信号をサーバ300に送信する。サーバ300は、当該詳細要求信号を受信することに応じて、情報420aに対応する利用者C1の搭乗客データ(例えば図11の符号320a等)を利用して表示用情報を生成し、生成した表示用情報を係員端末150に送信する。
【0099】
制御部160は、サーバ300から表示用情報を受信すると、表示用情報に基づいて、リスト画面400に代えて、表示部152に詳細画面500(図8参照)を表示させる。
【0100】
図8は、リスト画面400において、利用者C1を示す情報420aが選択された場合に表示部152に表示される詳細画面500の一例である。図8に示すように、詳細画面500は、基本情報表示領域502と、監視画像表示領域504と、画像情報表示領域506と、指示レベル選択部508と、マップ510と、を含む。
【0101】
基本情報表示領域502は、選択された利用者C1の搭乗予定便名(「xx901」等)、氏名(「Taro YAMADA」等)、現在の状態(「保安検査済」等)とともに、利用者画像322を表示する領域である。
【0102】
監視画像表示領域504は、サーバ300において、各ロビー監視機器100で撮影された複数の監視画像のうちから、画像内に利用者C1と同一の人物が写っていると判断された特定の監視画像を表示するための領域である。図8の例では、監視画像表示領域504に表示中の特定の監視画像には、利用者C1と思しき人物の画像505が含まれている。監視画像表示領域504には、特に指定がない限り、最新の特定の監視画像(即ち、複数の特定の監視画像が既に存在する場合、最も新しく撮影された特定の監視画像)が表示される。
【0103】
画像情報表示領域506は、監視画像表示領域504に表示されている特定の監視画像に関する各種情報を表示する領域である。画像情報表示領域506には、表示中の特定の監視画像が撮影された時刻及び現在時刻との差分(「9:45(5分前)」等)と、表示中の特定の監視画像を撮影したロビー監視機器100の設置エリアを表すエリア情報(「A4」等)とが含まれる。
【0104】
指示レベル選択部508は、詳細画面500に表示させるべき特定の監視画像の画像認証のレベルを選択する部分である。ここで言う「画像認証のレベル」とは、搭乗受付機器10で撮影された利用者画像322と、監視画像内の利用者を表す画像とが同一人物を示すと判断される場合において、その一致度合いを表すレベル値のことを言う。各ロビー係員ST2、ST3は、自身の係員端末150において、所望のレベル値を指示することができる。各ロビー係員ST2、ST3によって指示されるレベル値のことを「指示レベル」と呼ぶ場合がある。指示レベルは、例えば、「High」「Low」「Medium」等のうちから選択することができる。他の例では、指示レベルは、数値(例えば1~10の間)で選択されてもよい。指示レベルのレベル値が低いほど、一致度合いが低い特定の監視画像が監視画像表示領域504に表示され得る。指示レベルのレベル値が高いほど、一致度合いが高い特定の監視画像が監視画像表示領域504に表示され得る。そのため、一般的には、指示レベルのレベル値が低いほど、監視画像表示領域504に表示される候補となりうる特定の監視画像が多くなる。
【0105】
マップ510は、搭乗ロビーBLを模式的に表わす地図であり、利用者C1の現在の推定滞在エリアに相当するエリア(図8の例ではエリアA4)が顕著表示されている。
【0106】
ロビー係員ST2は、詳細画面500を見ることで、選択した利用者C1の顔、利用者C1の最新の監視画像、及び、利用者C1の推定滞在エリアを把握することができる。ロビー係員ST2は、詳細画面500に表示された情報を参照しながら、利用者C1を捜索し、搭乗ゲート110へ案内すること等ができる。
【0107】
ロビー係員ST2は、詳細画面500が表示されている間に、所定の切替操作(例えば、スワイプ操作など)を行うことで、利用者C1の他の特定の監視画像(即ち、撮影された時間帯が異なる特定の監視画像)を監視画像表示領域504に表示させることもできる。
【0108】
また、ロビー係員ST2は、詳細画面500が表示されている間に、指示レベル選択部508を操作して、指示レベルを変更するレベル変更指示を入力することもできる。レベル変更指示が入力されると、係員端末150の制御部160は、変更後の指示レベルをサーバ300に通知する。サーバ300は、通知された変更後の指示レベルに応じた表示用情報を係員端末150に送信する。制御部160は、サーバ300から受信した表示用情報に基づいて、表示部152に新たに詳細画面500(図9参照)を表示させる。
【0109】
図9は、図8の詳細画面500が表示されている間に、指示レベルが「Low」から「High」に変更された場合に、表示部152に表示される詳細画面500の一例である。図9の詳細画面500(指示レベル=「High」)の構成も、基本的には図8の詳細画面500(指示レベル=「Low」)の構成と共通する。ただし、図9の例は、指示レベルが「High」に指定されたものの、サーバ300内には一致度合いが高い特定の監視画像が存在しないため、監視画像表示領域504に特定の監視画像が表示されない場合の例である。そのため、図9の例では、画像情報表示領域506にも情報が表示されない。もっとも、他の例では、指示レベルが「High」に指定された場合、監視画像表示領域504には、利用者画像322との一致度合いが高い特定の監視画像が表示され得る。
【0110】
このように、各ロビー係員ST2、ST3は、指示レベルを変更することで、指示レベルに応じた詳細画面500を表示部152に表示させることができる。状況に応じて、所望の一致度合いの詳細画面500を見ることができる。各ロビー係員ST2、ST3は、状況に応じて、適切に利用者を捜索、案内等することができる。
【0111】
さらに、本実施例では、制御部160は、サーバ300から、通信I/F156を介して、未搭乗客を呼び出すための呼出指示を受信する。その場合、制御部160は、呼出指示に含まれる搭乗客データの一部に基づいて、表示部152に、サーバ300から指示された未搭乗客に関する呼出画面(図示しない)を表示させる。この際に表示される呼出画面も、上記の詳細画面500(図8図9参照)とほぼ同様の構成を有する。ロビー係員ST2は、呼出画面に表示された情報を参照しながら、未搭乗客を捜索し、搭乗ゲート110へ案内することができる。
【0112】
(サーバ300;図1図10図11
サーバ300は、利用者ごとの搭乗客データを管理するための装置である。図10に示すように、サーバ300は、表示部302と、操作部304と、通信I/F306と、制御部310と、メモリ312と、を備える。
【0113】
表示部302は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部304は、キーボード及びマウスを備える。システムの管理者(図示しない)は、操作部304を操作することによって様々な指示をサーバ300に入力することができる。通信I/F306は、ネットワーク4に接続されている。
【0114】
制御部310は、メモリ312に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。メモリ312は、RAM、ROM等によって構成されており、制御部310が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。本実施例では、メモリ312内には、利用者ごとの搭乗客データが記憶された利用者データベース314と、各ロビー監視機器100から受信された監視情報が蓄積された監視データベース316と、が構築されている。
【0115】
図11を参照して、利用者データベース314の記憶内容について説明する。図11に示すように、利用者データベース314には、利用者ごとの搭乗客データ320a~320cが記憶されている。図11の例では、搭乗客データ320aが、利用者C1の搭乗客データである。搭乗客データ320aは、利用者C1の氏名(「Taro YAMADA」)、パスポート番号(「TAXXXX」)、連絡先(「xx@yyy.com」)、搭乗便名及び行き先(「XX901 ロサンゼルス行き」)、席種(「エコノミー」)、席番(「18E」)、出発時刻(「10:50」)、搭乗ゲート(「20」)、搭乗券ID(「ABCDEFG」)、手荷物ID(「HIJKLMN」)、搭乗記録(「未」)、滞在記録(「A1:9:05」等)、及び、推定滞在エリア(「A4~A5」)、の各情報を含む。また、搭乗客データ320aは、利用者C1の利用者画像322、及び、手荷物B1の手荷物画像324を含む。さらに、搭乗客データ320aは、利用者C1がロビー監視機器100によって撮影されたことによって生成される監視情報が蓄積された利用者監視データ326を含む。利用者監視データ326には、サーバ300の制御部310が、ロビー監視機器100が撮影した監視画像に含まれる人物と利用者画像322の人物とが同一人物であると判定する場合に、一致度合いを示すレベル値と、当該監視画像(即ち特定の監視画像)と、撮影時刻を示す時刻情報と、エリア情報と、を含む監視情報を利用者監視データ326に追加して記憶させる。搭乗客データ320aでは、これらの各情報が互いに対応付けられている。
【0116】
監視データベース316には、上記の通り、各ロビー監視機器100から継続的に受信される監視情報が時系列順に蓄積される。
【0117】
本実施例では、サーバ300の制御部310は、以下の各処理を行う。
【0118】
利用者C1が搭乗受付機器10において上記のチェックイン処理を行うことに伴い、制御部310は、搭乗受付機器10から、利用者データ(利用者C1の氏名、パスポート番号等)、利用者画像322、搭乗券ID、手荷物画像324、及び、手荷物IDを含む利用者関係情報を受信する。この場合、制御部310は、利用者データベース314内に、利用者C1に関する搭乗客データ320aを新たに生成する。なお、この時点では搭乗記録には未搭乗を示す「未」が対応付けられている(図11参照)。
【0119】
続いて、利用者C1がセキュリティゲート60においてチケットチェック、保安検査等を行うことに伴い、制御部310は、端末機器80から、エリアA1を示すエリア情報と、利用者C1がセキュリティゲート60の前に滞在している時点の時刻情報と、搭乗客データの一部(例えば搭乗券ID)と、を受信する。この場合、制御部310は、利用者データベース314内の搭乗客データ320aに、利用者C1がセキュリティゲート60を通過したことを示す情報、利用者C1がエリアA1に滞在したことを示す情報、及び、最新の滞在時刻を示す情報(「9:05」)を追加する。
【0120】
一方、搭乗ロビーBL内の各ロビー監視機器100は、カメラ102によって撮影される監視画像と、時刻情報と、エリア情報と、を含む監視情報を継続的にサーバ300に送信している。サーバ300の制御部310は、ロビー監視機器100から継続的に受信される監視情報を時系列順に監視データベース316に蓄積する。
【0121】
それとともに、制御部310は、ロビー監視機器100から受信される監視情報に含まれる監視画像に利用者の画像が含まれることを検出した場合、当該利用者の画像から顔の特徴点を抽出する。そして、制御部310は、利用者データベース314を参照し、抽出された特徴点と共通する特徴点を有する利用者画像(即ち、カメラ102が撮影する画像内に含まれる利用者の画像と同じ人物の画像)を含む搭乗客データを特定する。その際、制御部310は、監視画像に含まれる利用者の画像と、特定された搭乗客データに含まれる利用者画像との一致度合いを示すレベル値(例えば1~10のいずれかの値。数字が大きいほど高いレベルを意味する)を特定する。そして、制御部310は、特定された搭乗客データ(例えば図11の符号320a)内の利用者監視データ(例えば符号326)に、特定されたレベル値と監視情報とを対応付けて記憶させる。なお他の例では、制御部310は、利用者監視データ(例えば符号326)には、特定されたレベル値と、当該監視情報を識別するための識別情報とを対応付けて記憶させるようにしてもよい。その場合、制御部310は、識別情報に基づいて監視データベース316内の監視情報を特定し、アクセスすることができる。このように、制御部310は、ロビー監視機器100から受信される監視情報に含まれる監視画像に利用者の画像が含まれることを検出する毎に、顔認証を行い、一致度合いを示すレベル値を特定した上で、利用者データベース314に監視情報を記憶させている。
【0122】
上記のようにして、制御部310が、ロビー監視機器100から受信される監視情報に含まれる監視画像に利用者C1の画像が含まれると判断すると、制御部310は、利用者データベース314内の搭乗客データ320aに、特定されたレベル値と、当該監視情報とを対応付けて記憶させる。さらに、制御部310は、搭乗客データ320aに、利用者C1が当該エリア(例えばエリアA2)に滞在したことを示す情報、及び、最新の滞在時刻を示す情報(例えば「9:10」)を追加する。また、制御部310は、最新の滞在時刻に対応するエリアの情報に基づいて、利用者C1の推定滞在エリア(例えば「A4~A5」)を特定する。制御部310は、特定した推定滞在エリア(例えば「A4~A5」)を示す情報を搭乗客データ320aに追加する。
【0123】
その後、利用者C1が搭乗予定機に搭乗するために搭乗ゲート110に到着すると、制御部310は、端末機器130から、エリアA7を示すエリア情報と、利用者C1が搭乗ゲート110の前に滞在している時点の時刻情報と、搭乗客データの一部(例えば搭乗券ID)と、を受信する。この場合、制御部310は、利用者データベース314内の搭乗客データ320aに、利用者C1がエリアA7に滞在したことを示す情報、及び、最新の滞在時刻を示す情報を追加する。また、制御部310は、搭乗客データ320aに、利用者C1が搭乗済みであることを示す情報をさらに追加する。具体的には、搭乗記録に搭乗済みを示す「済」が追加される。
【0124】
また、制御部310は、例えばロビー係員ST2が自身の所持する係員端末150で所定のリスト表示指示を入力したことに応じて、係員端末150からリスト表示要求を受信することができる。制御部310は、リスト表示要求を受信すると、利用者データベース314内の各搭乗客データを用いてリストデータを生成し、係員端末150に送信する。この結果、係員端末150の表示部152には、上述のリスト画面400(図7参照)が表示される。
【0125】
また、制御部310は、リスト画面400を見たロビー係員ST2が係員端末150で利用者C1を示す情報420aを選択する操作を入力したことに応じて、係員端末150から詳細要求信号を受信することができる。制御部310は、詳細要求信号を受信すると、情報420aに対応する利用者C1の搭乗客データ320a(図11参照)を利用して表示用情報を生成し、生成した表示用情報を係員端末150に送信する。詳しく言うと、制御部310は、詳細要求信号を参照し、係員端末150において現時点で指示されている指示レベル(この時点では「Low」)を特定し、指示レベルに対応するレベル値とともに利用者監視データ326内に記憶されている監視情報を利用して、表示用情報を生成し、その表示用情報を係員端末150に送信する。この結果、係員端末150の表示部152には、利用者C1に関する詳細画面500(図8)が表示される。この時点で表示される詳細画面500は、図8に示すように、指示レベルが「Low」に設定されている場合の画面である。
【0126】
係員端末150の表示部152に図8の詳細画面500が表示されている間に、指示レベルを「Low」から「High」に変更するレベル変更指示を入力すると、制御部310は、係員端末150から、変更後の指示レベル(「High」)の通知を受信する。制御部310は、通知された変更後の指示レベルに応じた表示用情報を係員端末150に送信する。詳しく言うと、制御部310は、詳細要求信号を参照し、変更後の指示レベル(「High」)を特定し、指示レベルに対応するレベル値とともに利用者監視データ326内に記憶されている監視情報を利用して、表示用情報を生成し、その表示用情報を係員端末150に送信する。この結果、係員端末150の表示部152には、利用者C1に関する詳細画面500(図9)が表示される。この時点で表示される詳細画面500は、図9に示すように、指示レベルが「High」に設定されている場合の画面である。ただし、この例では、サーバ300内には一致度合いが高い(即ち、「High」に対応するレベル値の)特定の監視画像が存在しないため、監視画像表示領域504に特定の監視画像が表示されない。
【0127】
また、利用者C1が、出発時刻が近くなっても搭乗ゲート110に到着しない場合には、制御部310は、端末機器130から、利用者C1(即ち未搭乗客)を呼び出すための呼出信号を受信することができる。制御部310は、呼出信号を受信すると、データベース314を参照し、呼出信号に含まれる利用者C1の搭乗客データの一部(例えば搭乗券ID)に対応する搭乗客データ320aを特定する。そして、制御部310は、搭乗客データ320aの一部(具体的には、氏名、搭乗便名及び行き先、席種、席番、出発時刻、搭乗ゲート、推定滞在エリア、利用者画像322、利用者監視データ326内に記憶されている監視情報)を含む呼出指示を生成し、係員端末150に送信する。この際、制御部310は、呼出対象の未搭乗客の推定滞在エリアの近傍に配置されている係員端末150を送信先として指定した上で、呼出指示を送信するようにしてもよい。この結果、呼出指示を受信した係員端末150の表示部152には、利用者C1を呼び出すための呼出画面(図示しない)が表示される。
【0128】
(作用効果)
以上、本実施例の空港利用者管理システム2の構成と、各機器の制御部が実行する処理の内容を説明した。上記の通り、本実施例では、ロビー係員ST2は、詳細画面500(図8)を見ることで、選択した利用者C1の顔、利用者C1の最新の監視画像、及び、利用者C1の推定滞在エリア等を把握することができる。ロビー係員ST2は、詳細画面500に表示された情報を参照しながら、利用者C1を捜索し、搭乗ゲート110へ案内すること等ができる。
【0129】
さらに、本実施例では、制御部310は、ロビー係員ST2が係員端末150において指示した指示レベルが示すレベル値に適合する表示用情報(即ち、指示レベルが示すレベル値に対応付けられて搭乗客データ320aの利用者監視データ326内に記憶されている監視情報に基づく表示用情報)を係員端末150に送信する。そのため、ロビー係員ST2が所望する一致度合いのレベルに従った利用者の情報をロビー係員ST2に提供することができる。その結果、ロビー係員ST2が、所望の利用者C1の位置を適切に把握することができる。
【0130】
また、本実施例では、詳細画面500(図8)の画像情報表示領域506には、表示中の特定の監視画像が撮影された時刻及び現在時刻との差分(「9:45(5分前)」等)と、表示中の特定の監視画像を撮影したロビー監視機器100の設置エリアを表すエリア情報(「A4」等)とが含まれる。そのため、ロビー係員ST2は、詳細画面500に表示される監視画像等がどの時間帯に取得された利用者C1の情報であるのかを把握することができる。監視画像等が現在時刻に近い時間帯に取得されているほど、利用者C1がその地点の近傍に存在する可能性が高くなる。そのため、この構成によると、ロビー係員ST2が所望の利用者C1の位置を予測しやすくなる。
【0131】
(対応関係)
本実施例と請求項の対応関係を説明しておく。複数個のロビー監視機器100が「監視機器」の一例である。カメラ102が「撮影部」の一例である。エリア情報が「地点情報」の一例である。図8図9の詳細画面500が「表示画面」の一例である。詳細画面500の画像情報表示領域506に表示された時刻及び現在時刻との差分(「9:45(5分前)」等)が「時間表示」の一例である。特定の監視画像に含まれる利用者の画像が「特定画像」の一例である。制御部310が「サーバ制御部」の一例である。
【0132】
(第2実施例)
第2実施例の空港利用者管理システム2について、上記の第1実施例と異なる点を中心に説明する。第2実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、図12に示すように、係員端末150の表示部152に表示される詳細画面500に、誤検出ボタン520がさらに表示されている点が第1実施例とは異なる。
【0133】
本実施例では、例えば、図12の詳細画面500を実際に目視したロビー係員ST2は、監視画像表示領域504に表示されている特定の監視画像に含まれる利用者と、基本情報表示領域502に表示されている利用者画像322が示す利用者とが一致していない(即ち、不一致)と判断する場合がある。その場合、ロビー係員ST2は、誤検出ボタン520を操作することにより、係員端末150に不一致指示を入力することができる。その場合、係員端末150の制御部160は、表示中の詳細画面500に対応する表示用情報と、不一致指示が入力されたことを示す不一致情報と、を対応付けてサーバ300に送信する。この場合、係員端末150の制御部160は、表示中の詳細画面500の表示を終了する。
【0134】
サーバ300の制御部310は、係員端末150から表示用情報と不一致情報との組み合わせを受信すると、不一致情報と対応付けられた表示用情報に対応する監視情報を、当該利用者C1の搭乗客データ320aに含まれる利用者監視データ326内から削除する。その場合、サーバ300の制御部310は、利用者監視データ326内に記憶されている他の監視情報(削除されたものとは異なる監視情報)を利用して、利用者C1の位置に関係する他の表示用情報を生成し、係員端末150に送信するようにしてもよい。即ち、係員端末150の表示部152には、利用者C1に関する別の詳細画面が表示される。他の例では、係員端末150に不一致指示が入力されたことに伴って詳細画面500の表示が終了された場合、係員端末150の表示部152には、リスト画面400(図7参照)が再表示されてもよい。
【0135】
本実施例の構成によると、ロビー係員ST2に対して、精度の低い利用者の情報(即ち、利用者画像が示す利用者と監視画像が示す利用者とが一致しない情報)が提供されることを抑制することができる。とくに、上記の構成によると、不一致情報に対応付けられた表示用情報の元になった監視情報は利用者データベース314から削除される。そのため、利用者データベース314内において、精度の低い利用者の情報(即ち、利用者画像が示す利用者と特定の監視画像が示す利用者とが一致しない情報)を排除することができる。利用者データベース314内の情報の精度を高めることができ、ロビー係員ST2に、所望の利用者C1の位置をより適切に把握させることができる。
【0136】
(第3実施例)
第3実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、図13に示すように、係員端末150の表示部152に表示される詳細画面500に、表示切替ボタン530がさらに表示されている点が第1実施例とは異なる。
【0137】
本実施例では、例えば、図13の詳細画面500を実際に目視したロビー係員ST2は、監視画像表示領域504に表示されている特定の監視画像に含まれる利用者(例えば符号505a)の様子を見て、その直前(又は直後)の様子を見たいと考える場合がある。その場合、ロビー係員ST2は、表示切替ボタン530を操作することにより、係員端末150に表示切替指示を入力することができる。その場合、係員端末150の制御部160は、係員端末150において表示切替指示が入力されたことを示す表示切替情報をサーバ300に送信する。
【0138】
サーバ300の制御部310は、係員端末150から表示切替情報を受信すると、同じ利用者C1の他の監視情報(例えば、直前の時間帯(例えば5秒前)の監視情報)を含む新たな表示用情報を生成し、係員端末150に送信する。
【0139】
係員端末150の制御部160は、新たな表示用情報を受信する場合、新たな表示用情報に基づく新たな詳細画面500を表示部152に表示させる。新たな詳細画面500では、監視画像表示領域504には、以前表示された利用者505aの直前の時間帯の利用者505b、505c等の画像を含む特定の監視画像が表示される。それに合わせて、画像情報表示領域506の内容も適宜変化する。
【0140】
上記の例では、ロビー係員ST2は、表示切替ボタン530を操作することにより、利用者505aの直前の時間帯の利用者505b、505cを表示させるための表示切替指示を入力する場合の各機器の動作について説明した。ロビー係員ST2が利用者505aの直後の時間帯の利用者を表示させるための表示切替指示を入力する場合の各機器の動作についても同様である。
【0141】
本実施例によると、ロビー係員ST2は、特定の利用者C1に関する複数個の詳細画面を、係員端末150の表示部152に任意に切り替え表示させることができる。ロビー係員ST2が、所望の利用者C1に関する情報を集中的に集めることができ、所望の利用者C1の位置を適切に把握し易くなる。
【0142】
(第4実施例)
第4実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、監視画像表示領域504に表示される特定の監視画像が、静止画ではなく動画である点が第1実施例とは異なる。この場合、監視画像表示領域504に表示される特定の監視画像の動画は、例えば、現在時刻の様子をリアルタイムに表す動画(いわゆるライブ動画)であってもよいし、過去の所定期間(例えば数十秒間)の様子を表す動画であってもよい。
【0143】
本実施例によると、ロビー係員ST2は、詳細画面500を見ることで、ロビー監視機器100のカメラ102の撮影範囲内における利用者C1の動きを把握することができる。また、特に動画がライブ動画である場合、ロビー係員ST2は、詳細画面500を見ることで、利用者C1のリアルタイムの動きを把握することができる。
【0144】
(第5実施例)
第5実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、各ロビー監視機器100のカメラ102が、撮影時の画角を変更可能に構成されている点が第1実施例とは異なる。また、本実施例では、サーバ300の制御部310は、例えば、管理者の指示に従って、ロビー監視機器100に対して撮影時の画角を変更するための画角変更指示を送信する。ロビー監視機器100の制御部106は、サーバ300から画角変更指示を受信する場合に、カメラ102の画角を変更する。
【0145】
本実施例によると、例えば、カメラ102の撮影範囲内にいた利用者C1がカメラ102の撮影範囲外に移動した場合等であっても、カメラ102の画角を変更させることにより、当該利用者C1を継続して(即ち追跡して)撮影することも可能になる。
【0146】
(第6実施例)
第6実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、図14に示すように、詳細画面500のマップ510において、利用者C1が過去の所定期間内に通過した経路が強調表示されるとともに、利用者C1が今後通過すると予測される経路も強調表示されている点が第1実施例とは異なる。
【0147】
図14の例では、利用者が過去の所定期間内に通過した経路(A4、A3、A2)が、濃い色で表示される態様で強調されている。エリアA4は、最も濃い色で表示され、利用者C1が比較的直近の時間帯で通過したことを意味する。エリアA3は、エリアA4よりも薄い色で表示され、エリアA4よりも前の時間帯で利用者C1が通過したことを意味する。エリアA2は、エリアA3よりもさらに薄い色で表示され、エリアA3よりも前の時間帯で利用者C1が通過したことを意味する。本実施例における利用者C1が過去の所定期間内に通過した経路を表す情報は、利用者C1の利用者監視データ326内の複数個の監視情報に基づいて生成される。マップ510中において利用者C1が過去の所定期間内に通過した経路を表示する手法は、図示した手法(エリアの色の濃淡)に限られず、他の手法を採用してもよい。
【0148】
また、図14の例では、利用者C1が今後通過すると予測される経路(エリアA5)が星印のマーク540で表示されている。本実施例における利用者C1が今後通過すると予測される経路を表す情報も、利用者C1の利用者監視データ326内の複数個の監視情報に基づいて生成される。具体的には、利用者の経路の予測は、例えば、搭乗ロビーBLの地形、利用者の顔の角度、利用者の進行方向等に基づいて行われる。また、マップ510中において利用者C1が今後通過すると予測される経路を表示する手法は、図示した手法(マーク540の配置)に限られず、他の手法を採用してもよい。
【0149】
本実施例によると、ロビー係員ST2は、図14の詳細画面500を見ることで、利用者C1が過去の所定期間内に通過した経路、及び、将来通過すると予測される経路を把握することができる。ロビー係員ST2は、利用者C1が今後向かう位置を適切に予測することができる。そのため、ロビー係員ST2は、所望の利用者C1の位置を適切に把握することができる。
【0150】
(第7実施例)
第7実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、図15に示すように、詳細画面500のマップ510において、自機である係員端末150を携帯するロビー係員ST2の位置を示すマーク550と、他の係員端末150を携帯する他のロビー係員ST3の位置を示すマーク560と、が表示される点が第1実施例とは異なる。
【0151】
本実施例では、サーバ300から係員端末150に送信される表示用情報に、各ロビー係員ST2、ST3の位置を示す情報が含まれている。各ロビー係員ST2、ST3の位置は、各ロビー監視機器100で撮影される係員の画像を用いて顔認証を行うことで特定されてもよいし、各係員端末150とサーバ300との間で通信を実行することで特定されてもよい。
【0152】
ロビー係員ST2は、図15の詳細画面500を見ることで、搭乗ロビーBL内における自分の位置、利用者C1の位置、及び、他のロビー係員ST3の位置を把握することができる。図15の例では、ロビー係員ST2は、所望の利用者C1はエリアA4に存在すると予測されるところ、自分(エリアA1)よりも他のロビー係員ST3(エリアA4)の方が利用者C1の近傍に居ることを把握することができる。
【0153】
本実施例では、このような場合に、ロビー係員ST2は、カーソル570をマーク560に合わせて所定の連絡操作を入力することにより、利用者C1の近くに居るロビー係員ST3に対して、自分の捜索対象である利用者C1が近くに居ることを連絡することができる。これにより、ロビー係員ST2は、利用者C1のより近くに居る他のロビー係員ST3に利用者C1の発見及び案内を依頼することができる。
【0154】
(第8実施例)
第8実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、係員端末150の制御部160は、サーバ300から受信した表示用情報に基づいて、利用者C1の位置に関係する詳細画面500(図8等)を表示部152表示している間に、サーバ300から、当該利用者C1の位置に関係するより新しい表示用情報を受信する場合に、新しい表示用情報に基づいて、新しい詳細画面500を表示部152に表示させる。
【0155】
本実施例によると、係員端末150の制御部160は、表示部152に、利用者C1の最新の状態を表す情報を含む詳細画面500を常時表示させることができる。ロビー係員ST2は、詳細画面500を見ることにより、利用者C1の最新の状態を把握することができる。特に、ロビー係員ST2が利用者C1を捜索している状況において、利用者C1の状態が「搭乗済み」に変更されるような場合、最新状態が反映された詳細画面を見ることで、ロビー係員ST2はそれ以上利用者C1を探さなくて良いことを知ることもできる。本実施例において、先に表示されていた詳細画面500が「第3の表示画面」の一例であり、新しく表示される詳細画面500が「第4の表示画面」の一例である。
【0156】
(第9実施例)
第9実施例の空港利用者管理システム2も、その構成は基本的には第1実施例と共通する。本実施例では、ロビー監視機器100の制御部106は、ライト109aを発光させるとともに、スピーカ109bから所定の報知音(例えば、通行中の利用者にカメラを見るよう促すための音声メッセージ等)を出力させる。
【0157】
これにより、通行中の利用者の視線が、ロビー監視機器100(特にカメラ102)の方に誘導され易くなる。カメラ102によって、利用者の顔を含む範囲が撮影されやすくなるため、サーバ300の制御部310において、監視画像内に存在する利用者と利用者画像の利用者とが同一人物であるか否かの判定の精度が向上し得る。本実施例におけるライト109a及びスピーカ109bが「誘引部」の一例である。
【0158】
以上、実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0159】
(変形例1)搭乗受付機器10の第1カメラ20は、搭乗受付機器10の前に立った利用者C1の顔に限られず、服装、姿勢(歩き方等も含む)、体格等を含めた外観全体を撮影した利用者画像を取得してもよい。その場合、「利用者画像」は、利用者C1の外観を表す画像であればよい。利用者画像が示す利用者と、監視画像に含まれる利用者と、が同一人物であるか否かの判断も、両者の外観全体同士を比較することによって行われてもよい。
【0160】
(変形例2)上記の実施例では、係員端末150の表示部152に詳細画面500(図8等)を表示させるための指示レベルは、ロビー係員ST2によって指示されている。変形例では、時間帯に応じて(具体的に言うと、昼であるか夜であるかに応じて)、指示レベルのレベル値が調整されてもよい。一般的に、夜は周囲が暗くなるため、認証の精度が低くなる。本変形例によると、そのような夜間において、ロビー係員ST2が指示した値よりも少し低いレベル値を指示レベルとして調整することもできる。そのため、利用者の捜索を効果的に行い得る。
【0161】
(変形例3)搭乗ロビーBLのうち、ロビー監視機器100のカメラ102の撮影範囲に、赤外光を照射可能な赤外光照射部を設けておいてもよい。夜間など、周囲が暗い間に赤外光照射部に赤外光を照射させることにより、周囲の景観を損なうことなく、カメラ102によって利用者を適切に撮影することができる。夜間においても利用者の捜索を効果的に行い得る。
【0162】
(変形例4)上記の第2実施例では、係員端末150に不一致指示が入力される場合、不一致情報と対応付けられた表示用情報に対応する監視情報は、当該利用者C1の搭乗客データ320aに含まれる利用者監視データ326内から削除される。係員端末150に不一致指示が入力される場合における監視情報の扱いはこれに限られない。例えば、利用者監視データ326内に記憶され、不一致情報と対応付けられた表示用情報に対応する監視情報は、対応する一致度のレベル値の値が下げられるようにしてもよい。また、利用者監視データ326内に記憶され、不一致情報と対応付けられた表示用情報に対応する監視情報は、以後表示用情報として利用されないように、非表示フラグをさらに対応付けられてもよい。
【0163】
(変形例5)上記の各実施例では、本明細書で開示の技術は、空港において利用者を管理するための空港利用者管理システム2として実現されている。これに限られず、本明細書で開示の技術は、例えば、大型客船、バスターミナル、イベント会場等、その他任意の施設において、利用者を管理するためのシステムとして適用されてもよい。
【0164】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0165】
2 :空港利用者管理システム
4 :ネットワーク
10 :搭乗受付機器
12 :表示部
14 :操作部
16 :情報コード読取部
18 :ICチップ読取部
20 :第1カメラ
22 :スキャン部
24 :搭乗券出力部
26 :通信I/F
30 :第2カメラ
32 :荷物タグ出力部
34 :受け入れ部
40 :制御部
42 :メモリ
50 :荷物タグ
52 :RFタグ
60 :セキュリティゲート
62 :カメラ
64 :情報コード読取部
66 :ICチップ読取部
68 :スキャン部
69 :通信I/F
70 :制御部
72 :メモリ
80 :端末機器
82 :表示部
84 :操作部
86 :通信I/F
90 :制御部
92 :メモリ
100 :ロビー監視機器
102 :カメラ
104 :通信I/F
106 :制御部
108 :メモリ
109a :ライト
109b :スピーカ
110 :搭乗ゲート
112 :カメラ
114 :情報コード読取部
116 :ICチップ読取部
118 :スキャン部
119 :通信I/F
120 :制御部
122 :メモリ
130 :端末機器
132 :表示部
134 :操作部
136 :通信I/F
140 :制御部
142 :メモリ
150 :係員端末
152 :表示部
154 :操作部
156 :通信I/F
160 :制御部
162 :メモリ
230a :搭乗客データ
300 :サーバ
302 :表示部
304 :操作部
306 :通信I/F
310 :制御部
312 :メモリ
314 :利用者データベース
316 :監視データベース
320a :搭乗客データ
320b :搭乗客データ
320c :搭乗客データ
322 :利用者画像
324 :手荷物画像
326 :利用者監視データ
400 :リスト画面
402 :出発日選択欄
404 :便名選択欄
406 :状態選択欄
410 :利用者データ表示欄
420a :情報
420b :情報
420c :情報
420d :情報
500 :詳細画面
502 :基本情報表示領域
504 :監視画像表示領域
505a :利用者
505b :利用者
505c :利用者
506 :画像情報表示領域
508 :指示レベル選択部
510 :マップ
520 :誤検出ボタン
530 :表示切替ボタン
540 :マーク
550 :マーク
560 :マーク
570 :カーソル
A1 :エリア
A2 :エリア
A3 :エリア
A4 :エリア
A5 :エリア
A6 :エリア
A7 :エリア
B1 :手荷物
BL :搭乗ロビー
C1 :利用者
ST1 :保安係員
ST2 :ロビー係員
ST3 :ロビー係員
ST4 :搭乗係員
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15