IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機ホーム機器株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/24 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
A47L9/24 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020069953
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021164617
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】水島 聡
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大介
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-252999(JP,A)
【文献】国際公開第2011/092484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵部と電動送風機を有する掃除機本体と、
前記集塵部に通じる本体吸引口が形成された本体吸引口部と、
前記本体吸引口に一端が接続可能で、他端に延長管吸引口が形成された延長管と、
前記本体吸引口及び前記延長管吸引口の両方に接続可能な接続管部が形成された継手部と、底面に吸込口が形成された吸込口体とを有する吸込具と、を備え、
前記本体吸引口は、第1形状であり、
前記延長管吸引口は、前記延長管の軸方向から見た形状が前記第1形状とは異なる第2形状であり、
前記接続管部は、
前記接続管部が前記本体吸引口に接続された状態で、前記本体吸引口の内壁に当接する第1部分と、
前記接続管部が前記延長管吸引口に接続された状態で、前記延長管吸引口の内壁に当接する第2部分と、を備え、
前記接続管部の軸方向に垂直な方向から見た前記第1部分の外形は、前記第1形状であり、
前記接続管部の軸方向に垂直な方向から見た前記第2部分の外形は、前記第2形状であり、
前記延長管の前記延長管吸引口が形成された端部には、前記延長管吸引口の縁部を形成する切り欠き部が設けられ、
前記接続管部には、前記接続管部が前記延長管吸引口に接続された状態で、前記切り欠き部が配置されることで前記延長管に覆われずに露出する露出部が設けられ、
前記第1部分は、前記露出部に設けられ、前記接続管部が前記本体吸引口に接続された状態で前記本体吸引口の内壁に当接する肉部を含む電気掃除機。
【請求項2】
前記第1形状は、真円形であり、
前記第2形状は、楕円形又は長円形である請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記吸込具は、前記吸込口体に設けられた回転ブラシ及び前記回転ブラシを駆動するモータを備え、
前記接続管部は、前記モータへの給電線に電気的に接続された端子部を備え、
前記本体吸引口部は、前記本体吸引口に前記接続管部が接続された状態で前記端子部と電気的に接続される第1導電部を備え、
前記延長管は、
前記本体吸引口に前記延長管が接続された状態で前記第1導電部と電気的に接続される第2導電部と、
前記第2導電部と配電線を介して電気的に接続され、前記延長管吸引口に前記接続管部が接続された状態で前記端子部と電気的に接続される第3導電部と、を備え、
前記端子部は、前記肉部と上下方向において重ならない位置に配置され、
前記第3導電部は、前記切り欠き部と上下方向において重ならない位置に配置される請求項1又は請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記掃除機本体と前記本体吸引口部とを接続するホース部をさらに備えた請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機においては、掃除機本体の手元操作部の一端に延長管の一端を接続し、延長管の他端に吸口体(吸込具)を接続可能であるとともに、延長管を使用せずに掃除機本体の手元操作部の一端に吸口体(吸込具)を直接に接続可能であるものが知られている(例えば、特許文献1の図1B図1C等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-024840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるような電気掃除機においては、吸込具及び延長管が接続可能な掃除機本体の手元操作部の吸引口(本体側の吸引口)と、吸込具が接続可能な延長管の吸引口とは、同形状である。したがって、本体側の吸引口及び延長管の吸引口とは異なる形状の吸引口、例えば先細りのサッシノズルを使用したい場合、延長管以外の、サッシノズルの吸引口と吸込具とを接続可能なサッシノズル専用アタッチメントを使用する必要がある。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、吸込具を本体側の吸引口と延長管の吸引口の両方に接続して使用できるとともに、延長管以外のアタッチメントを必要とすることなく、形状が異なる2つの吸引口である本体側の吸引口と延長管の吸引口とを清掃箇所に応じて使い分けることが可能である電気掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る電気掃除機は、集塵部と電動送風機を有する掃除機本体と、前記集塵部に通じる本体吸引口が形成された本体吸引口部と、前記本体吸引口に一端が接続可能で、他端に延長管吸引口が形成された延長管と、前記本体吸引口及び前記延長管吸引口の両方に接続可能な接続管部が形成された継手部と、底面に吸込口が形成された吸込口体とを有する吸込具と、を備え、前記本体吸引口は、第1形状であり、前記延長管吸引口は、前記延長管の軸方向から見た形状が前記第1形状とは異なる第2形状であり、前記接続管部は、前記接続管部が前記本体吸引口に接続された状態で、前記本体吸引口の内壁に当接する第1部分と、前記接続管部が前記延長管吸引口に接続された状態で、前記延長管吸引口の内壁に当接する第2部分と、を備え、前記接続管部の軸方向に垂直な方向から見た前記第1部分の外形は、前記第1形状であり、前記接続管部の軸方向に垂直な方向から見た前記第2部分の外形は、前記第2形状であり、前記延長管の前記延長管吸引口が形成された端部には、前記延長管吸引口の縁部を形成する切り欠き部が設けられ、前記接続管部には、前記接続管部が前記延長管吸引口に接続された状態で、前記切り欠き部が配置されることで前記延長管に覆われずに露出する露出部が設けられ、前記第1部分は、前記露出部に設けられ、前記接続管部が前記本体吸引口に接続された状態で前記本体吸引口の内壁に当接する肉部を含む
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る電気掃除機によれば、吸込具を本体側の吸引口と延長管の吸引口の両方に接続して使用できるとともに、延長管以外のアタッチメントを必要とすることなく、形状が異なる2つの吸引口である本体側の吸引口と延長管の吸引口とを清掃箇所に応じて使い分けることが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管と吸込具を使用した状態の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管と吸込具を使用した状態の側面図である。
図3】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部及びホース部の斜視図である。
図4】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部及びホース部の側面図である。
図5】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部及びホース部の上面図である。
図6】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部を図4中の矢印Aに示す方向から見た矢視図である。
図7】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管の斜視図である。
図8】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管の側面図である。
図9】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管の上面図である。
図10】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管を図9中の矢印Bに示す方向から見た矢視図である。
図11】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管を図9中の矢印Cに示す方向から見た矢視図である。
図12】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の上方から見た斜視図である。
図13】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の下方から見た斜視図である。
図14】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具の側面図である。
図15】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具を図14中の矢印Dに示す方向から見た矢視図である。
図16】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の斜視図である。
図17】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の側面図である。
図18】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の上面図である。
図19】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の断面図である。
図20】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の斜視図である。
図21】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の側面図である。
図22】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の上面図である。
図23】実施の形態1に係る電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の断面図である。
図24】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具のみを使用した状態の斜視図である。
図25】実施の形態1に係る電気掃除機の吸込具のみを使用した状態の側面図である。
図26】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管のみを使用した状態の斜視図である。
図27】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管のみを使用した状態の上面図である。
図28】実施の形態1に係る電気掃除機の延長管のみを使用した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係る電気掃除機を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態、構成例に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態及び各構成例の自由な組み合わせ、各実施の形態及び各構成例の任意の構成要素の変形、又は、各実施の形態及び各構成例の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1から図28を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は電気掃除機の延長管と吸込具を使用した状態の斜視図である。図2は電気掃除機の延長管と吸込具を使用した状態の側面図である。図3は電気掃除機の手元操作部及びホース部の斜視図である。図4は電気掃除機の手元操作部及びホース部の側面図である。図5は電気掃除機の手元操作部及びホース部の上面図である。図6は電気掃除機の手元操作部を図4中の矢印Aに示す方向から見た矢視図である。
【0011】
図7は電気掃除機の延長管の斜視図である。図8は電気掃除機の延長管の側面図である。図9は電気掃除機の延長管の上面図である。図10は電気掃除機の延長管を図9中の矢印Bに示す方向から見た矢視図である。図11は電気掃除機の延長管を図9中の矢印Cに示す方向から見た矢視図である。図12は電気掃除機の吸込具の上方から見た斜視図である。図13は電気掃除機の吸込具の下方から見た斜視図である。図14は電気掃除機の吸込具の側面図である。図15は電気掃除機の吸込具を図14中の矢印Dに示す方向から見た矢視図である。
【0012】
図16は電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の斜視図である。図17は電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の側面図である。図18は電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の上面図である。図19は電気掃除機の延長管と吸込具の接続部分の断面図である。図20は電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の斜視図である。図21は電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の側面図である。図22は電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の上面図である。図23は電気掃除機の手元操作部と吸込具の接続部分の断面図である。
【0013】
図24は電気掃除機の吸込具のみを使用した状態の斜視図である。図25は電気掃除機の吸込具のみを使用した状態の側面図である。図26は電気掃除機の延長管のみを使用した状態の斜視図である。図27は電気掃除機の延長管のみを使用した状態の上面図である。図28は電気掃除機の延長管のみを使用した状態の側面図である。
【0014】
以下の説明では、塵埃及びその他のゴミを総称して単に「塵埃」と呼ぶ場合がある。また、塵埃が混じった空気を「含塵空気」と呼ぶ場合がある。そして、塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」と呼ぶ場合がある。
【0015】
図1及び図2に示すように、この実施の形態1に係る電気掃除機1は、掃除機本体1a、ホース部1b、手元操作部2、延長管3及び吸込具4を備えている。掃除機本体1aは、含塵空気から塵埃を分離して清浄空気を送出するものである。掃除機本体1aには、集塵部8と電動送風機6とが備えられている。集塵部8は、掃除機本体1aへと流入した含塵空気中の塵埃を捕捉して集める。電動送風機6は、掃除機本体1aの集塵部8へと含塵空気を吸引し、清浄空気を送出する気流を作り出すためのものである。
【0016】
掃除機本体1aには、吸気口及び排気口が設けられている。吸気口は掃除機本体1aの前端部に配置されている。吸気口は掃除機本体1aに含塵空気を吸引するための開口である。排気口は掃除機本体1aの後端部に配置されている。排気口は掃除機本体1aから清浄空気を送出するための開口である。掃除機本体1aの内部には、吸気風路と排気風路とが形成されている。吸気風路は、掃除機本体1aの吸気口から集塵部8に通じる風路である。排気風路は、集塵部8から電動送風機6を通って掃除機本体1aの排気口に通じる風路である。
【0017】
図3から図5に示すように、ホース部1bは、蛇腹により可撓性を備えた筒状の部材からなる。このホース部1bの一端は、掃除機本体1aの吸気口に接続されている。ホース部1bの他端部には、手元操作部2が接続されている。手元操作部2は、途中で折れ曲がった中空円筒状の接続パイプ2aとハンドル2bとを備えている。ハンドル2bは、電気掃除機1の使用者が持って操作するためのものである。ハンドル2bには、電気掃除機1の運転を制御するための操作スイッチが設けられている。
【0018】
手元操作部2の接続パイプ2aの一端はホース部1bに接続されている。手元操作部2の接続パイプ2aの他端には、第1開口部9が形成されている。第1開口部9は、接続パイプ2aの内部、ホース部1bの内部、掃除機本体1aの吸気口及び吸気風路を介して集塵部8に通じている。この構成例における第1開口部9は、集塵部8に通じる本体吸引口である。そして、この構成例における手元操作部2は、集塵部8に通じる本体吸引口が形成された本体吸引口部である。
【0019】
図6に示すように、手元操作部2の第1開口部9の形状は、第1断面形状10である。図示の構成例では、第1断面形状10は真円形である。本開示においては、この第1断面形状10のことを「第1形状」とも呼ぶ。すなわち、本体吸引口の形状は第1形状である。
【0020】
図7から図9に示すように、延長管3は、直状で細長い中空筒状の部材である。延長管3の一端には、第1挿入部11が設けられている。図10に示すように、第1挿入部11の外形は、第2断面形状12である。この第2断面形状12は、第1断面形状10と同形状である。すなわち、第2断面形状12は、前述した第1形状である。第1挿入部11を手元操作部2の第1開口部9に挿入することで、延長管3の一端を手元操作部2の第1開口部9すなわち本体吸引口部の本体吸引口に接続可能である。
【0021】
図7から図9に示すように、延長管3の他端には、第2開口部13が形成されている。この構成例の第2開口部13は、延長管3の他端に形成された延長管吸引口である。図11に示すように、第2開口部13を延長管3の軸方向から見た形状は、第3断面形状14である。第3断面形状14は、例えば、楕円形又は長円形である。本開示においては、この第3断面形状14のことを「第2形状」とも呼ぶ。この第2形状は、前述した第1形状とは異なる形状である。すなわち、延長管吸引口は、延長管3の軸方向から見た形状が前述の第1形状とは異なる第2形状である。なお、ここで説明する構成例では、楕円形又は長円形である第2形状の長軸の寸法は、真円形である前述の第1形状の直径寸法以下である。
【0022】
図12から図14に示すように、吸込具4は、吸込口体4aと継手部5とを備えている。吸込口体4aの外観は、横長の直方体状を呈する。継手部5の一端側は、吸込口体4aの長手方向における中央に接続されている。継手部5の他端側には、第2挿入部15が設けられている。第2挿入部15は、中空筒状の部材である。継手部5と吸込口体4aとの接続部分は関節構造を有している。この関節構造により、継手部5は、予め設定された角度範囲で前後方向及び左右方向に吸込口体4aに対する第2挿入部15の向きを変化させることができる。
【0023】
吸込口体4aの内部には、横長の風路を有する吸込室が設けられている。吸込室は、継手部5の第2挿入部15に通じている。吸込室内には、回転ブラシ24が回転自在に収納されている。回転ブラシ24は、ブラシモータ25によって回転駆動される。ブラシモータ25は、吸込口体4aに内蔵されている。ブラシモータ25の駆動力は、例えばベルトを介して回転ブラシ24に伝達され、回転ブラシ24を予め設定された方向に回転させる。吸込口体4aの底面には、吸込口7が形成されている。吸込口7は、吸込室と連通している。
【0024】
この実施の形態に係る電気掃除機1においては、継手部5の第2挿入部15は、第1開口部9及び第2開口部13の両方に対して選択的に接続可能である。つまり、継手部5の第2挿入部15は、手元操作部2(本体吸引口部)の本体吸引口と、延長管3の延長管吸引口の両方に対して選択的に接続可能である。この構成例の第2挿入部15は、本体吸引口と及び延長管吸引口の両方に接続可能な接続管部である。吸込具4は、この接続管部である第2挿入部15を介して、手元操作部2と延長管3の両方に対して選択的に接続可能である。
【0025】
図3及び図6に示すように、本体吸引口部である手元操作部2には、第1ピン受け部19が設けられている。第1ピン受け部19は、手元操作部2における第1開口部9が形成された端部に配置されている。また、図7から図11に示すように、延長管3には、第1ピン部23及び第2ピン受け部22が設けられている。第1ピン部23は、延長管3における第1挿入部11が形成された端部に配置されている。第2ピン受け部22は、延長管3における第2開口部13が形成された端部に配置されている。第1ピン部23と第2ピン受け部22とは、延長管3の内部において延長管3の長手方向にわたって設けられた配電線を介して電気的に接続されている。そして、図12図14及び図15に示すように、吸込具4の継手部5の第2挿入部15すなわち前述の接続管部には、第2ピン部27が設けられている。第2ピン部27は、ブラシモータ25への給電線に電気的に接続された端子部である。
【0026】
手元操作部2に吸込具4が接続された状態、すなわち、本体吸引口である第1開口部9に接続管部である第2挿入部15が接続された状態では、吸込具4の第2ピン部27と手元操作部2の第1ピン受け部19とが電気的に接続される。この構成例における第1ピン受け部19は、本体吸引口に接続管部が接続された状態で前述の端子部と電気的に接続される第1導電部である。手元操作部2に吸込具4が接続された状態では、第2ピン部27と第1ピン受け部19とを介して、掃除機本体1a側から吸込具4へとブラシモータ25を駆動するための電力が供給される。
【0027】
また、手元操作部2に延長管3が接続された状態、すなわち、本体吸引口である第1開口部9に延長管3の第1挿入部11が接続された状態では、延長管3の第1ピン部23と手元操作部2の第1ピン受け部19とが電気的に接続される。この構成例における第1ピン部23は、本体吸引口に延長管3が接続された状態で前述の第1導電部と電気的に接続される第2導電部である。
【0028】
そして、延長管3に吸込具4が接続された状態、すなわち、延長管吸引口である第2開口部13に接続管部である第2挿入部15が接続された状態では、吸込具4の第2ピン部27と延長管3の第2ピン受け部22とが電気的に接続される。この構成例における第2ピン受け部22は、延長管吸引口に接続管部が接続された状態で前述の端子部と電気的に接続される第3導電部である。この第3導電部と前述の第2導電部とは、前述したように、延長管3に内蔵された配電線により電気的に接続されている。手元操作部2に延長管3が接続され、さらに延長管3に吸込具4が接続された状態では、第1ピン部23と第1ピン受け部19、延長管3の配電線、及び、第2ピン部27と第2ピン受け部22を介して、掃除機本体1a側から吸込具4へとブラシモータ25を駆動するための電力が供給される。
【0029】
以上のように構成された電気掃除機1において、電動送風機6は、ハンドル2bに設けられた操作スイッチに対する操作に応じて駆動する。例えば、手元操作部2に延長管3が接続され、さらに延長管3に吸込具が接続された状態で電動送風機6が駆動すると、集塵部8、ホース部1b、手元操作部2、延長管3及び吸込具4の内部に吸引力が作用し、吸込具4の吸込口7から含塵空気が吸い込まれる。この時、回転ブラシ24が回転し、回転ブラシ24の回転によって掻き上げられた塵埃等も吸引される。吸込具4に吸い込まれた含塵空気は、延長管3、手元操作部2及びホース部1bを通過して集塵部8の内部に取り込まれる。集塵部8では、含塵空気から塵埃が分離される。集塵部8から排出された清浄空気は、電動送風機6を通過する。電動送風機6を通過した清浄空気は、排気口から掃除機本体1aの外部に排出される。
【0030】
図8に示すように、延長管3の第2開口部13側の端部に、切り欠き部28が形成されている。延長管3の端部が切り欠き部28によって切り欠かれることで、第2開口部13すなわち延長管吸引口の縁部が形成される。図示の構成例では、延長管3の端部の前側から下側にかけて斜めに切り欠き部28が形成されることで、第2開口部13が、前方の斜め下に向けて開口するようになっている。
【0031】
図13及び図14に示すように、接続管部である第2挿入部15には、露出部29が設けられている。この露出部29は、図16及び図17に示すように、第2挿入部15が第2開口部13に接続された状態で、延長管3の切り欠き部28が配置される部分である。そして、この露出部29は、第2挿入部15が第2開口部13に接続された状態で、延長管3に覆われずに露出する。
【0032】
露出部29には、肉部30が設けられている。肉部30は、第2挿入部15の外面から盛り上げられて形成されている。第2挿入部15は、第1部分と第2部分とに分けられる。第2挿入部15の第1部分は、第2挿入部15のうちで露出部29(肉部30を含む)が設けられた部分である。第2挿入部15の第2部分は、第2挿入部15のうちで露出部29以外の部分である。
【0033】
図15に示すように、第2挿入部15の軸方向に垂直な方向から見た第2部分の外形は、第4断面形状16である。第4断面形状16は、第2開口部13の第3断面形状14と同形状つまり前述した第2形状である。すなわち、接続管部の軸方向に垂直な方向から見た第2部分の外形は、前述した第2形状である。そして、第2挿入部15の軸方向に垂直な方向から見た第1部分の外形は、第5断面形状31である。第5断面形状31は、第1開口部9の第1断面形状10と同形状つまり前述した第1形状である。すなわち、接続管部の軸方向に垂直な方向から見た第1部分の外形は、前述した第1形状である。
【0034】
図20から図23は、吸込具4の第2挿入部15を手元操作部2の第1開口部9に接続した状態を示すものである。間に延長管3を介さずに手元操作部2と吸込具4とを直接に接続することで、手元操作部2から吸込具4までの距離を短くすることができる。したがって、被清掃面が手元操作部2から近い位置にある場合に、使用者は腕を上げることなく容易に吸込具4の吸込口7を被清掃面へ接触させることができ、掃除作業の負荷軽減を図ることが可能である。
【0035】
この際、前述したように、第2挿入部15の軸方向に垂直な方向から見た第1部分の外形である第5断面形状31と、第1開口部9の第1断面形状10とは、いずれも前述した第1形状で同形状である。このため、特に図23に示すように、第2挿入部15(接続管部)が第1開口部9(本体吸引口)に接続された状態で、第2挿入部15(接続管部)の前述した第1部分は、第1開口部9(本体吸引口)の内壁に当接する。なお、図示の構成例では、第2挿入部15の第1部分のうちでも特に肉部30が第1開口部9の内壁に当接している。
【0036】
したがって、図24及び図25に示すように、手元操作部2に直接に吸込具4を接続して電気掃除機1を使用する場合に、手元操作部2の第1開口部9と吸込具4の第2挿入部15との接続部分に隙間が生じることを抑制できる。よって、吸込具4の吸込口7から流入した含塵空気が、第1開口部9と第2挿入部15の間から漏れることを抑制することが可能である。このため、集塵部8に多くの塵埃を捕集することができ、集塵性能の向上を図ることが可能である。
【0037】
また、図16から図19は、吸込具4の第2挿入部15を延長管3の第2開口部13に接続した状態を示すものである。手元操作部2と吸込具4の間に延長管3を接続することで、手元操作部2から吸込具4までの距離を長くすることができる。したがって、被清掃面が手元操作部2から遠い位置にある場合に、使用者は腰を屈めずに容易に吸込具4の吸込口7を被清掃面へ接触させることができ、掃除作業の負荷軽減を図ることが可能である。
【0038】
この際、前述したように、第2挿入部15の軸方向に垂直な方向から見た第2部分の外形である第4断面形状16と、第2開口部13の第3断面形状14とは、いずれも前述した第2形状で同形状である。このため、特に図19に示すように、第2挿入部15(接続管部)が第2開口部13(延長管吸引口)に接続された状態で、第2挿入部15(接続管部)の前述した第2部分は、第2開口部13(延長管吸引口)の内壁に当接する。
【0039】
したがって、図1及び図2に示すように、手元操作部2に延長管3を接続し、延長管3に吸込具4を接続して電気掃除機1を使用する場合に、延長管3の第2開口部と吸込具4の第2挿入部15との接続部分に隙間が生じることを抑制できる。よって、吸込具4の吸込口7から流入した含塵空気が、第2開口部13と第2挿入部15の間から漏れることを抑制することが可能である。このため、集塵部8に多くの塵埃を捕集することができ、集塵性能の向上を図ることが可能である。
【0040】
この際、特に図16図17及び図19に示すように、第2挿入部15の肉部30は、第2開口部13の縁部に沿って配置されるように設けられている。このため、第2開口部と第2挿入部15との接続部分に隙間がより一層生じにくくすることができ、風路の隙間からの空気漏れをさらに抑制して、集塵性能のさらなる向上を図ることが可能である。
【0041】
このようにして、この実施の形態の電気掃除機1によれば、被清掃面の高さ、距離等に応じて、吸込具4を手元操作部2に直接に接続するのか、あるいは、延長管3を介して接続するのかを使用者が選択可能であり、電気掃除機1を用いた掃除作業を容易にすることができる。
【0042】
さらに、図26から図28に示すように、手元操作部2の第1開口部9に延長管3を接続し、延長管3から吸込具4を取り外した状態で電気掃除機1を使用すれば、延長管3の第2開口部13すなわち延長管吸引口を用いた清掃を行うことができる。したがって、吸込具4では差し入れることができない狭い隙間の掃除が可能となる。
【0043】
また、前述したように、手元操作部2の第1開口部9(本体吸引口)と、延長管3の第2開口部13(延長管吸引口)とは異なる形状である。このため、延長管3以外のアタッチメントを必要とすることなく、清掃箇所に応じて異なる形状の吸引口を使い分けることができる。例えば、前述したように、延長管3の第2開口部13すなわち延長管吸引口は、第2形状すなわち縦長の楕円形又は長円形である。したがって、真円形(第1形状)の本体吸引口では差し入れることができない、より狭い隙間の掃除が可能となる。
【0044】
なお、前述したように、延長管3の端部が切り欠き部28によって切り欠かれることで、第2開口部13(延長管吸引口)の縁部が形成される。このようにすることで、切り欠き部28を設けない場合と比較して、第2開口部13(延長管吸引口)の開口面積を広くできる。したがって、第2開口部13(延長管吸引口)による塵埃の吸引効率を向上することが可能である。また、切り欠き部28を側面視で直線状ではなく円弧状にすることで、第2開口部13(延長管吸引口)と被清掃面が密着しにくくなり操作性を向上できる。
【0045】
なお、この実施の形態では、第3導電部である第2ピン受け部22は、切り欠き部28と上下方向において重ならない位置に配置されている。そして、端子部である第2ピン部27は、肉部30を含む露出部29と上下方向において重ならない位置に配置されている。以上で説明した構成例では、図8に示すように、切り欠き部28は第2ピン受け部22(第3導電部)より下側に配置されている。そして、これに対応して、肉部30は第2ピン部27(端子部)より下側に配置されている。このようにすることで、第2ピン部27を、延長管3の第2ピン受け部22と、手元操作部2の第1ピン受け部19の両方に適切に接続できる。
【0046】
以上においては、電気掃除機1がキャニスター型である場合の構成例について説明した。しかし、この実施の形態の電気掃除機1は、以上で説明したキャニスター型に限られない。他に例えば、電気掃除機1がスティック型であってもよい。電気掃除機1がスティック型の場合、電気掃除機1の掃除機本体1aに、電動送風機6を駆動する電力を駆動する二次電池が内蔵されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 電気掃除機
1a 掃除機本体
1b ホース部
2 手元操作部
2a 接続パイプ
2b ハンドル
3 延長管
4 吸込具
4a 吸込口体
5 継手部
6 電動送風機
7 吸込口
8 集塵部
9 第1開口部
10 第1断面形状
11 第1挿入部
12 第2断面形状
13 第2開口部
14 第3断面形状
15 第2挿入部
16 第4断面形状
19 第1ピン受け部
22 第2ピン受け部
23 第1ピン部
24 回転ブラシ
25 ブラシモータ
27 第2ピン部
28 切り欠き部
29 露出部
30 肉部
31 第5断面形状
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28