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特許7310843警告灯システム、プラグ装置および警告灯装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】警告灯システム、プラグ装置および警告灯装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/52 20060101AFI20230711BHJP
   F21V 23/06 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B60Q1/52
F21V23/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021037426
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137764
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】312001937
【氏名又は名称】株式会社パトライト
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅本 孝哉
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3123066(JP,U)
【文献】実開昭54-156345(JP,U)
【文献】特開平07-211108(JP,A)
【文献】特開2019-114555(JP,A)
【文献】特開2013-052785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
F21V 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に着脱自在な車体装着部を備えた警告灯と、
前記車体の電源供給部に挿入可能なプラグ部と、
前記警告灯および前記プラグ部を接続するケーブルと、を含み、
前記プラグ部または、前記ケーブルの前記プラグ部の近傍の少なくとも一方に、前記警告灯の点灯パターンを制御する1個の制御スイッチ、および前記警告灯の前記点灯パターンの状態を示す少なくとも1個のインジケータを設け
前記ケーブルは、
前記制御スイッチと前記警告灯とを接続する第1ラインと、
前記少なくとも1個のインジケータと前記警告灯とを接続する第2ラインと、
前記プラグ部からの電力を前記警告灯へ供給する供給ラインと、を有し、
前記警告灯は2つ以上の前記点灯パターンを有し、
点灯状態において、前記制御スイッチを所定の時間以上連続してONすると、前記点灯パターン間で遷移し、前記制御スイッチを所定の時間より短い時間ONすると、点灯から消灯に切り替わる、警告灯システム。
【請求項2】
前記警告灯は、さらに記録部を有し、
ユーザが前記記録部に記録した設定に応じて、前記点灯パターンを1または複数種切り換えることができるとともに、
前記警告灯が消灯状態において前記制御スイッチを所定の時間より短い時間ONした場合、前回前記警告灯を消灯する直前の前記点灯パターンで点灯する、請求項1に記載の警告灯システム。
【請求項3】
前記警告灯は、
前記制御スイッチからの第1表示制御信号が入力される信号入力部と、
前記インジケータの表示制御を行うための第2表示制御信号を出力する信号出力部と、
突入電流防止回路と、を含む、請求項1または2記載の警告灯システム。
【請求項4】
前記プラグ部は、車両のシガーソケットに挿入して電源供給が可能なシガープラグまたは、車両のUSB挿入部に挿入して電源供給が可能なUSB接続部である、請求項1からのいずれか1項に記載の警告灯システム。
【請求項5】
前記少なくとも1個のインジケータは、1または複数のLEDからなる、請求項1からのいずれか1項に記載の警告灯システム。
【請求項6】
前記信号入力部および前記信号出力部には前記突入電流防止回路の出力が接続される、請求項3に記載の警告灯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に警告灯システム、プラグ装置および警告灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パトロールカーのような緊急用車両等においては、基台上に複数個の回転灯を配置するとともに、この回転灯を赤色などの着色透光材料で構成したグローブで覆い、回転灯から発生してグローブで着色された警告光を周囲に散光するようにした警光灯制御システムが用いられている。この警光灯制御システムについては、種々の開発が行なわれている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平8-17518号公報)には、シガーソケット装置に差し込まれて、該シガーソケット装置から電源電圧を得ることができるシガープラグ装置において、遠隔操作装置からの遠隔操作信号を受信する受信部を有してなる把持部と、この把持部から突出され、シガーソケット装置に挿入されるプラグ本体部とを有し、上記遠隔操作装置により遠隔操作される被遠隔操作装置に電源電圧及び上記遠隔操作信号を供給することにより上記課題を解決するシガープラグ装置について開示されている。
【0004】
特許文献1記載のシガープラグ装置においては、 シガーソケット装置に差し込まれて、該シガーソケット装置から電源電圧の供給を受けるシガープラグ装置において、遠隔操作装置からの遠隔操作信号を受信する受信部を有してなる把持部と、この把持部から突出され、シガーソケット装置に挿入されるプラグ本体部とを有し、上記遠隔操作装置により遠隔操作される被遠隔操作装置に電源電圧及び上記遠隔操作信号を供給することを特徴とするものである。
【0005】
また、特許文献2(特開2003-137024号公報)には、消費電力が極めて少なくて使用時に車両のアイドリングを必要とせず、経済的であるとともに大気汚染の縮減に寄与することができ、また一台の警告表示装置を複数の車両に汎用的に使用でき、特に道路作業時に駐車する車両に使用するのには最適な車両用警告表示装置について開示されている。
【0006】
特許文献2記載の車両用警告表示装置においては、車両が駐車していることを照明により周囲に知らせる車両用の警告表示装置において、この装置は車両の上面部に設けられてLEDが周側面に配設された警光灯と、車両の適宜個所に設けられてLEDが前部面または後部面に配設された警告灯と、これら警光灯及び警告灯と接続され、これらを点滅させるリレー回路を具える制御装置と、車両のシガーライタソケットから給電を行うシガーライタプラグを具えた電源ケーブルとを具備して成り、且つ前記警光灯及び警告灯は、前記制御装置に対し接続自在であり、どちらか一方のみまたは双方同時に使用できるとともに、これら警光灯及び警告灯は車両に対して着脱自在であることを特徴とするものである。
【0007】
また、特許文献3(特開2015-217841号公報)には、警光灯の状態を容易に認識することができる警光灯制御システムおよび警光灯制御システムを含む車両、警光灯制御システムのプログラムについて開示されている。
【0008】
特許文献3記載の警光灯制御システムにおいては、複数の発光部が配設された警光灯を制御する、警光灯制御システムであって、ユーザの操作に基づいて、複数の操作信号を出力する操作部と、車内において複数の表示を行うことが可能な表示部と、前記警光灯の点灯パターンおよび前記表示部の表示パターンを、前記操作部の操作信号にそれぞれ対応付けたデータテーブルを記憶する記憶部と、制御部と、を含み、前記制御部は、前記操作部からの操作信号と前記データテーブルとによって対応付けられた前記警光灯の点灯パターンを用いて前記警光灯を制御するとともに、当該操作信号と前記データテーブルとによって対応付けられた前記表示部の表示パターンを用いて前記表示部を制御することを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平8-17518号公報
【文献】特開2003-137024号公報
【文献】特開2015-217841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1記載のシガープラグ装置においては、遠隔操作のため操作状態が判別しにくいという問題が残り、同様に、特許文献2記載の車両用警告表示装置においては、車内から車両用警告表示装置の状態を認識できないという問題が残る。
【0011】
特許文献3記載の警光灯制御システムにおいては、有用な技術であるが、警光灯制御システムを車両に取り付けるには、費用と時間とがかかってしまう。
【0012】
本発明の目的は、車両に容易に脱着することができ、警告灯の点灯状態を簡易でかつ容易に車内から認識することができる、小型、低価格の警告灯システム、プラグ装置および警告灯装置を提供することである。
本発明の目的は、車両に容易に脱着することができ、ユーザが警告灯の点灯パターンを設定することができ、警告灯の点灯状態を簡易でかつ容易に車内から認識することができる警告灯システム、プラグ装置および警告灯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)
一局面に従う警告灯システムは、車体に着脱自在な車体装着部を備えた警告灯と、車体の電源供給部に挿入可能なプラグ部と、警告灯およびプラグ部を接続するケーブルと、を含み、プラグ部または、ケーブルのプラグ部の近傍の少なくとも一方に、警告灯の点灯パターンを制御する制御スイッチ、および警告灯の点灯パターンの状態を示す少なくとも1個のインジケータを設けたものである。
【0014】
本発明にかかる警告灯システムは、警告灯およびプラグ部がケーブルで接続されている。また、プラグ部と一体に、制御スイッチおよびインジケータが設けられる。もしくは、ケーブルのプラグ部の近傍に、制御スイッチおよびインジケータが設けられる。
【0015】
この場合、ユーザは、インジケータを確認することで、車内に居ながら、実際の車外に装着された警告灯の複数の点灯パターンの状態を認識することができる。また、警告灯は、容易に着脱することができる。さらに、制御スイッチを操作することで、警告灯の点灯パターンを切り換えることができる。
また、プラグ部と一体に、制御スイッチおよびインジケータが設けられた場合には、省スペース化を図ることができ、車両の操作においても邪魔にならない。
【0016】
(2)
第2の発明にかかる警告灯システムは、一局面にかかる警告灯システムにおいて、警告灯は2つ以上の点灯パターンを有し、制御スイッチを点灯状態において所定の時間以上連続してONすると、前記点灯パターン間で遷移し、制御スイッチを所定の時間より短い時間ONすると、点灯と消灯とが切り替わるようにしてもよい。
【0017】
この場合、1つの制御スイッチ、および警告灯とプラグ部とを接続する1本のケーブルによって、点灯パターン間の遷移と点灯消灯の切換とを行うことができ、プラグ部の小型化と警告灯システムの低価格化を実現できる。
【0018】
(3)
第3の発明にかかる警告灯システムは、一局面から第2の発明にかかる警告灯システムにおいて、警告灯は、制御スイッチからの第1表示制御信号が入力される信号入力部と、インジケータの表示制御を行うための第2表示制御信号を出力する信号出力部と、突入電流防止回路と、を含んでもよい。
【0019】
この場合、警告灯に制御スイッチからの信号を入力するための信号入力部と、インジケータに点灯パターンを出力する信号出力部とを有するため、容易に車内の制御スイッチから点灯パターンを切り換えることができ、切り換えた点灯パターンをインジケータで確認することができる。
また、警告灯への電流量が急激に変化したとしても、突入電流防止回路があるので、警告灯への電力供給時におけるサージ、ノイズも防止することができる。特に、車両のエンジン始動時、プラグ部の挿抜時に生じる突入電流を防止することができる。
また、車両の電源供給が12Vの場合、24Vの場合のいずれの場合においても対応ができる。
【0020】
(4)
第4の発明にかかる警告灯システムは、第3の発明にかかる警告灯システムにおいて、ケーブルは、信号入力部に信号を供給する第1ラインと、信号出力部からの信号を送信する第2ラインと、プラグ部からの電力を警告灯へ供給する供給ラインと、を有してもよい。
【0021】
この場合、第1ライン、第2ラインおよび供給ラインを有するので、警告灯とプラグ部を容易に接続することができる。
また、第1ライン、第2ラインおよび供給ラインは、一体に形成されていることが好ましい。その結果、複数の配線がまとめられるので、車両の操作への支障を抑止することができる。
【0022】
(5)
第5の発明にかかる警告灯システムは、一局面から第4の発明にかかる警告灯システムにおいて、警告灯は、さらに記録部を有する。ユーザが記録部に記録した設定に応じて、点灯パターンを1または複数種切り換えることができてもよい。
【0023】
この場合、ユーザは、希望する点灯パターンを記録部に記録することができる、また、ユーザは、記録部に記録された設定に応じて点灯パターンを1または複数種切り換えることができる。記録部は、予め多種の点灯パターンを記録しており、ユーザは、その多種の点灯パターンから選択する構成であってもよい。
【0024】
(6)
第6の発明にかかる警告灯システムは、一局面から第5の発明にかかる警告灯システムにおいて、プラグ部は、車両のシガーソケットに挿入して電源供給が可能なシガープラグまたは、車両のUSB挿入部に挿入して電源供給が可能なUSB接続部であってもよい。
【0025】
この場合、プラグ部は、シガーソケットに挿入可能なシガープラグまたはUSB挿入部に挿入可能なUSB接続部であるので、車内に確実にいずれかが設けられているので、容易に電源を警告灯へ供給することができる。
【0026】
(7)
第7の発明に係る警告灯システムは、一局面から第6の発明にかかる警告灯システムにおいて、少なくとも1個のインジケータは、1または複数のLEDからなり、制御スイッチは、1個の制御スイッチからなってもよい。
【0027】
この場合、1個のインジケータは、1または複数のLEDからなり、1個の制御スイッチにより制御されるので、小型化、および安価を実現することができる。特に、1個のLEDからなる場合には、さらなる小型化を実現することができる。また、インジケータは、矩形状からなってもよく、丸、楕円状、その他の任意の形状からなってもよい。
【0028】
(8)
他の局面に従うプラグ装置は、車体の電源供給部に挿入可能なプラグ部であって、プラグ部から電源供給するための対象物の状態を表示する少なくとも1個のインジケータと、プラグ部から電源供給する対象物の状態を制御する制御スイッチと、を含むものである。
【0029】
この場合、ユーザは、少なくとも1個のインジケータを確認することで、車内に居ながら、実際の車外に装着された対象物の状態を認識することができる。また、制御スイッチを操作することで、対象物の状態を切り換えることができる。
【0030】
(9)
さらに他の局面に従う警告灯装置は、車体のプラグ部から電源供給されて発光する警告灯を有する警告灯装置であって、プラグ部から供給される電源を入力する入力部と、警告灯の状態を表示するためのインジケータへの信号出力部と、警告灯の発光パターンを制御するための信号入力部と、を含むものである。
【0031】
この場合、警告灯装置は、入力部に電源が供給され、信号入力部により警告灯の発光パターンを制御することができ、インジケータへの信号出力部からの信号を表示させることで警告灯の状態を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明に係る警告灯システムの概要の一例を説明するための模式図である。
図2】本発明に係る警告灯システムの操作遷移図の一例を示す模式図である。
図3】本発明に係る警告灯システムの操作遷移図に対応するフローチャートである。
図4】警告灯の点灯パターンの表示の一例を示す模式図である。
図5】本発明に係るプラグ部の一例を示す模式図である。
図6】本発明に係る警告灯の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0034】
本実施の形態においては、「車両」として、パトロールカー、他の緊急車両、道路維持作業車、消防自動車、トラック、フォークリフト、建設機械などの他の任意の車両である。
【0035】
(実施の形態)
図1は、本発明に係る警告灯システム100の概要を説明するための模式図である。
【0036】
図1に示すように、警告灯システム100は、主に、警告灯200、ケーブル300、およびプラグ部400を含む。
ケーブル300は、電源ライン310、警告灯200へ点灯パターンを指示するための第1信号ライン320、およびユーザが制御スイッチ420を押下操作し、警告灯200の点灯パターンを示す信号を送信するための第2信号ライン330からなる。
プラグ部400は、1個のLEDからなるインジケータ部410および制御スイッチ420を含む。
なお、本実施の形態においては、1個のLEDからなることとしているが、これに限定されず、インジケータ部410は、1または複数のLEDから形成されてもよい。
【0037】
警告灯200には、筐体外部側に、車体と脱着可能な車体装着部210が設けられる。当該車体装着部210は、マグネット、吸盤、磁石、その他車体に脱着可能なブラケット等からなる。その結果、警告灯200を車体の外装に容易に着脱することができる。
また、警告灯200の内部には、記録部220、突入電流防止回路230、制御信号出力部240、制御信号入力部250、および電源供給部260が備えられている。
【0038】
次に、電源ライン310は、プラス電源ライン311およびマイナス電源ライン312からなる。
第1信号ライン320およびマイナス電源ライン312の間には、制御スイッチ420が設けられ、警告灯200の点灯パターンを制御する信号を警告灯200へ送るためのラインである。
第2信号ライン330およびマイナス電源ライン312の間には、インジケータ部410が設けられ、1個のLEDからなるインジケータ部410に送信するためのラインである。
マイナス電源ライン312は、プラグ部400のアース側と接続され、プラス電源ライン311は、車両のシガーソケットのプラス側と接続される。
【0039】
マイナス電源ライン312に対するプラス電源ライン311の電圧は、車両によって12Vの場合と24Vの場合とがある。第1信号ライン320および第2信号ライン330は、アース側のマイナス電源ライン312と接続されているため、車両毎の電圧の差の影響を受けることを防止できる。また、最小限の配線で、警告灯200への電源供給と、点灯パターンの制御スイッチングと、インジケータ制御とをすることができる。
【0040】
また、これによりプラグ部400に、電圧の差に対する部品、スイッチ、さらには、インジケータ制御に関する装置を設ける必要がないため、プラグ部400の部品数を最小限にすることができ、プラグ部400のサイズを最小限にすることができる。
マイナス電源ライン312に対する第1信号ライン320、第2信号ライン330、プラス電源ライン311の電圧の例としては、それぞれ2V、5V、12V、24Vとすることができる。
【0041】
本実施の形態においては、プラグ部400は、シガープラグからなり、シガープラグの天面、すなわちシガーソケットに挿入した状態で、シガーソケット外部に露出している部分に、インジケータ部410および制御スイッチ420が設けられる。
また、制御スイッチ420の押下操作部分に1個のLEDからなるインジケータ部410が一体として設けられていてもよい。なお、制御スイッチ420とインジケータ部410とが別部分に設けられていても良い。さらには、制御スイッチ420およびインジケータ部410が、プラグ部400の近傍であるケーブル300内に介挿して設けられていても良い。
【0042】
また、本実施の形態においては、プラグ部400が、シガープラグであることとしたが、これに限定されず、USB等の任意の電力供給可能接続装置からなってもよい。
さらに、図1に示すように、プラグ部400のシガープラグの先端、すなわちシガーソケットに挿入した状態で電源供給が常に行われている部分に、電源ライン310が設けられる。その結果、シガーソケットからの電源供給は、常時実施される構造となっている。
【0043】
次いで、図2は、警告灯システム100の操作遷移図の一例を示す模式図である。
図2に示すように、プラグ部400が電源供給部に挿入されない場合、中央の電源オフ(OFF)状態である。すなわち、この場合、警告灯200は、消灯状態であり、インジケータ部410も消灯状態である。
【0044】
(点灯A状態)
次に、プラグ部400が車体の電源供給部に挿入された場合、自動的に点灯A状態へ遷移する。点灯A状態は、警告灯200がパターンAの状態で点灯制御される。この場合、インジケータ部410の1個のLEDは、所定の点滅状態となる。警告灯200のパターンAの状態およびインジケータ部410の所定の点滅状態については、後述する。
【0045】
(消灯A状態)
点灯A状態において、ユーザが、制御スイッチ420を1回押下操作した場合、消灯A状態へ遷移する。
消灯A状態とは、警告灯200は、消灯状態であり、インジケータ部410のLEDも消灯する。
次いで、消灯A状態において、ユーザが、制御スイッチ420を1回押下操作した場合、点灯A状態へ遷移する。
【0046】
(点灯B状態)
次いで、点灯A状態において、ユーザが、制御スイッチ420を2秒以上押下操作した場合、点灯B状態へ遷移する。
点灯B状態は、警告灯200がパターンBの状態で点灯制御される。この場合、インジケータ部410の1個のLEDは、点灯A状態と異なる点滅状態となる。警告灯200のパターンBの状態およびインジケータ部410の点灯A状態と異なる点滅状態については、後述する。
また、点灯B状態において、ユーザが、制御スイッチ420を2秒以上押下操作した場合、点灯A状態へ遷移する。
【0047】
(消灯B状態)
点灯B状態において、ユーザが、制御スイッチ420を1回押下操作した場合、消灯B状態へ遷移する。
消灯B状態とは、警告灯200は、消灯状態であり、インジケータ部410のLEDも消灯する。
次いで、消灯B状態において、ユーザが、制御スイッチ420を1回押下操作した場合、点灯B状態へ遷移する。
【0048】
(操作無効)
消灯A状態および消灯B状態において、ユーザが、誤って、制御スイッチ420を2秒以上押下操作した場合は、操作が無効であるとして、状態の遷移は行われない。すなわち、操作が無効であると判定される。
【0049】
最後に、点灯A状態、点灯B状態、消灯A状態、消灯B状態のいずれの状態においても、プラグ部400が電源供給部から抜かれた場合、中央の電源オフ(OFF)状態に遷移する。
【0050】
図3は、図2の警告灯システム100の操作遷移図に対応するフローチャートである。
プラグ部400が電源供給部に差し込まれた状態がスタートに該当し、点灯A状態(S1)となる。
点灯A状態(S1)においては、制御スイッチ420がONになるかどうかを監視し、制御スイッチ420がON状態になった場合は、制御スイッチ420がOFF状態になるのを待ってON状態の時間がT(本実施例の場合2秒)より長ければ点灯B状態に遷移し、T以下であれば消灯A状態に遷移する(S2-S4)。
【0051】
消灯A状態(S5)においては、制御スイッチ420がONになるかどうかを監視し、制御スイッチ420がON状態になった場合は、制御スイッチ420がOFF状態になるのを待ってON状態の時間がT(本実施例の場合2秒)より長ければ消灯A状態のままとし、T以下であれば点灯A状態に遷移する(S6-S8)。
【0052】
点灯B状態(S9)においては、制御スイッチ420がONになるかどうかを監視し、制御スイッチ420がON状態になった場合は、制御スイッチ420がOFF状態になるのを待ってON状態の時間がT(本実施例の場合2秒)より長ければ点灯A状態に遷移し、T以下であれば消灯B状態に遷移する(S10-S12)。
消灯B状態(S13)においては、制御スイッチ420がONになるかどうかを監視し、制御スイッチ420がON状態になった場合は、制御スイッチ420がOFF状態になるのを待ってON状態の時間がT(本実施例の場合2秒)より長ければ消灯B状態のままとし、T以下であれば点灯B状態に遷移する(S14-S16)。
【0053】
以上、説明したように、本実施の形態では、制御スイッチ420のON/OFFとONの時間とを組み合わせることによって、1つの制御スイッチ420で点灯/消灯の切換とA状態/B状態の切換とを行うことができる。
なお、本実施の形態では状態は2種類のみであるが、例えば、状態がA,B,Cの3種類の場合にも、長押しするたびに、A→B→C→Aとトグルすることによって、1つの制御スイッチ420で状態を切り換えることができる。
なお、本実施に形態においては、Tを2秒であることとしているが、これに限定されず、他の任意の秒数であってもよい。
【0054】
続いて、図4は、警告灯200およびインジケータ部410の表示の一例を示す模式図である。
図4に示すように、警告灯200の点灯パターンは、警告灯200本体が、消灯している場合、通常に点灯している場合、半分の面(半面)のみ点灯している場合、光を減らした(減光)している場合の5パターンの点灯方式がある。
また、警告灯200は、内部の反射鏡を回転させることができるため、毎分60回転(回転60回転/分)させる場合、毎分120回転(回転120回転/分)させる場合、毎分180回転(回転180回転/分)させる場合、また、内部のランプをサイン波形のように徐々に明るくなり徐々に減光する場合、2回点滅させて、所定時間消灯させることを繰り返す(ダブルフラッシュ)場合、3回点滅させて、所定時間消灯させることを繰り返す(トリプルフラッシュ)場合、の6種類のパターンがある。
【0055】
本実施の形態においては、これら前半の消灯させる場合以外の4パターンの点灯方式と、6種類のパターンとの組合せの数だけ点灯パターンを有する。
すなわち、24種類の点灯パターンと消灯させる場合とで、合計25種類の点灯パターンからユーザは、点灯パターンを選択することができる。
【0056】
具体的には、警告灯200内部に記録部があり、当該記録部に記録された点灯パターンから、ユーザが、警告灯200に設けられたロータリースイッチを用いて選択することで、所定の点灯パターンを選択することができる。
【0057】
次いで、図5は、本実施の形態にかかるプラグ部400の一例を示す模式図である。
図5に示すように、インジケータ部410および制御スイッチ420が同じ位置に設けられている。すなわち、PUSHの文字部分には、制御スイッチ420が内蔵されており、PUSHの文字の上部分には、矩形状からなる透明部分の奥にインジケータ部410であるLEDが内蔵されている。
【0058】
本実施の形態においては、インジケータ部410および制御スイッチ420の近傍に、操作のための操作案内がシールで貼着されている。
インジケータ部410が最も明るく点滅している場合には、警告灯200の点灯パターンは、トリプルフラッシュであり、インジケータ部410がゆっくりと点滅している場合には、警告灯200の点灯パターンは、点滅している状態であり、インジケータ部410が消灯している場合には、警告灯200の点灯パターンは、消灯している状態である。
【0059】
なお、図5においては、プラグ部400について、シガープラグを図示して説明したが、これに限定されず、USB端子であってもよい。近年の車両においては、USBによる電源供給部が設けられていることも増加しつつあるからである。
【0060】
図6は、警告灯200の一例を示す模式図である。
図6に示すように、警告灯200は、例えば、流線型回転灯等からなる。警告灯200の下部には、車両の外装に脱着可能な車体装着部210が設けられる。また、警告灯200の内部には、反射鏡201、点灯装置202の他に、記録部220、突入電流防止回路230、インジケータ表示への制御信号出力部240、制御信号入力部250が、内蔵されている。また、警告灯200には、ケーブル300が接続されている。
【0061】
ユーザは、警告灯200のケーブル300を伸ばして、車体の外装に警告灯200を取り付ける。
そして、図5に示したプラグ部400を、車体のシガーソケットに挿入した後、制御スイッチ420を押下操作し、図4に示した遷移図に基づいて、警告灯200を点灯させる。
【0062】
以上のように、本発明にかかる警告灯システム100においては、ユーザが、1個のLEDからなるインジケータ部410を確認することで、車内に居ながら、実際の車外に装着された警告灯200の複数の点灯パターンの状態を認識することができる。また、警告灯200は、容易に着脱することができる。さらに、制御スイッチ420を操作することで、警告灯200の点灯パターンを切り換えることができる。また、プラグ部400と一体に、制御スイッチ420および1個のLEDからなるインジケータ部410が設けられているので、省スペース化を図ることができ、車両の操作、いわゆる運転操作または停車操作等においても邪魔になることを防止することができる。
【0063】
本発明においては、警告灯システム100が「警告灯システム」に相当し、車体装着部210が「車体装着部」に相当し、警告灯200が「警告灯、警告灯装置」に相当し、プラグ部400が「プラグ部、プラグ装置」に相当し、ケーブル300が「ケーブル」に相当し、制御スイッチ420が「制御スイッチ」に相当し、インジケータ部410が「少なくとも1個のインジケータ、1個のLED」に相当し、第1信号ライン320が「第1ライン」に相当し、制御信号入力部250が「信号入力部」に相当し、第2信号ライン330が「第2ライン」に相当し、電源ライン310が「供給ライン」に相当し、制御信号出力部240が「信号出力部」に相当し、突入電流防止回路230が「突入電流防止回路」に相当し、記録部220が、「記録部」に相当する。
【0064】
本発明の好ましい実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0065】
100 警告灯システム
200 警告灯
210 車体装着部
220 記録部
230 突入電流防止回路
240 制御信号出力部
250 制御信号入力部
300 ケーブル
320 第1信号ライン
330 第2信号ライン
400 プラグ部
410 インジケータ部
420 制御スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6