(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】硬化型感光性樹脂組成物、硬化物、レジストパターン、レジストパターンの製造方法、半導体素子及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G03F 7/037 20060101AFI20230711BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20230711BHJP
C08F 279/02 20060101ALI20230711BHJP
C08F 283/00 20060101ALI20230711BHJP
C08G 73/10 20060101ALI20230711BHJP
C08F 22/40 20060101ALI20230711BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20230711BHJP
G03F 7/027 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G03F7/037
C08F2/44 C
C08F279/02
C08F283/00
C08G73/10
C08F22/40
G03F7/004 501
G03F7/027 511
(21)【出願番号】P 2022153218
(22)【出願日】2022-09-27
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2021160323
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
(72)【発明者】
【氏名】中村 太陽
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】▲杉▼本 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】山下 眞花
(72)【発明者】
【氏名】田▲崎▼ 崇司
【審査官】川口 真隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-083958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004
C08F 2/44
C08F 279/02
C08F 283/00
C08G 73/10
C08F 22/40
G03F 7/037
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族テトラカルボン酸無水物(a1)及びダイマージアミン
からなるジアミン(a2)
の反応物であるポリイミド樹脂(A)、マレイミド類(B)、並びに、(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性二重結合を2つ以上有する多官能重合性化合物(C)を含
み、
ダイマージアミンが、下記一般式で示されるものを含み、
(B)成分が、N,N’-ジフェニルビスマレイミド類及び/又はダイマージアミン骨格を有する
ビスマレイミド類
を含み、
(C)成分が、
1,2-ブタジエンホモポリマー、ブタジエン-スチレンポリマー及びエポキシ化ポリブタジエンからなる群より選ばれる1種以上を含む硬化型感光性樹脂組成物。
【化2】
(一般式において、m+n=6~17、p+q=8~19を表す。)
【請求項2】
(a2)成分以外のアミン系化合物(D)を更に含む、請求項1に記載の硬化型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の硬化型感光性樹脂組成物の硬化物。
【請求項4】
パターンを有し、当該パターンが請求項3に記載の硬化物を含むレジストパターン。
【請求項5】
支持体上に、請求項3に記載の硬化物の層を設ける工程、前記硬化物の層の少なくとも一部に活性エネルギー線を照射して露光部を光硬化せしめる工程と、前記露光部以外の部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、を有するレジストパターンの製造方法。
【請求項6】
支持体上に、請求項3に記載の硬化物の層を設ける工程、前記硬化物の層の上にフォトレジストを搭載してパターンを形成させた後、切削により、硬化物の層を除去してレジストパターンを形成する工程と、を有するレジストパターンの製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載のレジストパターンを備える半導体素子。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体素子を備える電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化型感光性樹脂組成物、硬化物、レジストパターン、レジストパターンの製造方法、半導体素子及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量の情報を高速で伝送・処理するため、高周波の電気信号が使用されているが、高周波信号は非常に減衰しやすいため、材料側にも伝送損失をなるべく抑える工夫が求められており、絶縁材料においては低誘電率、低誘電正接化が求められている。
【0003】
例えば従来、半導体素子用保護膜、半導体表層に形成される層間絶縁膜、及び再配線層の絶縁膜には、耐熱性、電気的特性、密着性、現像性及び機械的特性に優れるポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する感光性樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1等)。
【0004】
しかし、前記ポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体を含有する感光性樹脂組成物は、硬化させる際に脱水閉環反応させるため、少なくとも230℃以上の加熱が必要となる。また、その分子構造による極性の高さから低誘電特性を示しにくい(誘電率及び/又は誘電正接が高まりやすい)課題があり、高周波の電気信号に対応するには不利な面もある。
【0005】
前記の硬化性及び低誘電特性(低誘電率及び低誘電正接)を改善するための材料としては、例えば、出願人は、芳香族テトラカルボン酸及びダイマージアミンを含むジアミン類を反応させてなるポリイミド樹脂を開示しており(特許文献2)、これを含む接着剤組成物が高周波の電気信号が用いられるフレキシブル銅張積層板に適用されている。しかしながら、当該ポリイミド樹脂を感光性樹脂組成物の材料に使用すると、その組合せによっては現像性が不十分となる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-020522号公報
【文献】特開2013-199645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、比較的低温で硬化でき、かつ、優れた現像性及び支持体に対する密着性を有し、低誘電特性を実現する硬化物を与える硬化型感光性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために、鋭意検討したところ、特定のポリイミド樹脂、マレイミド類及びこれら以外の重合性化合物を含む組成物が、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下の硬化型感光性樹脂組成物、硬化物、レジストパターン、レジストパターンの製造方法、半導体素子及び電子デバイスに関する。
【0009】
1.芳香族テトラカルボン酸無水物(a1)及びダイマージアミンを含むジアミン(a2)を含むモノマー群の反応物であるポリイミド樹脂(A)、マレイミド類(B)、並びに、(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性二重結合を2つ以上有する多官能重合性化合物(C)を含む硬化型感光性樹脂組成物。
【0010】
2.(B)成分が、N,N’-ジフェニルビスマレイミド類及び/又はダイマージアミン骨格を有するマレイミド類である前項1に記載の硬化型感光性樹脂組成物。
【0011】
3.(C)成分が、ジエン骨格を有するポリマーを含む前項1又は2に記載の硬化型感光性樹脂組成物。
【0012】
4.(a2)成分以外のアミン系化合物(D)を更に含む、前項1又は2に記載の硬化型感光性樹脂組成物。
【0013】
5.(a2)成分以外のアミン系化合物(D)を更に含む、前項3に記載の硬化型感光性樹脂組成物。
【0014】
6.前項1~5のいずれかに記載の硬化型感光性樹脂組成物の硬化物。
【0015】
7.パターンを有し、当該パターンが前項6に記載の硬化物を含むレジストパターン。
【0016】
8.支持体上に、前項6に記載の硬化物の層を設ける工程、前記硬化物の層の少なくとも一部に活性エネルギー線を照射して露光部を光硬化せしめる工程と、前記露光部以外の部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、を有するレジストパターンの製造方法。
【0017】
9.支持体上に、前項6に記載の硬化物の層を設ける工程、前記硬化物の層の上にフォトレジストを搭載してパターンを形成させた後、切削により、硬化物の層を除去してレジストパターンを形成する工程と、を有するレジストパターンの製造方法。
【0018】
10.前項7に記載のレジストパターンを備える半導体素子。
【0019】
11.前項10に記載の半導体素子を備える電子デバイス。
【発明の効果】
【0020】
本発明の硬化型感光性樹脂組成物(以下、簡単に“感光性樹脂組成物”と略記する。)によれば、比較的低温で硬化でき、かつ、優れた現像性及び支持体に対する密着性を有し、低誘電特性を実現する硬化物を与える。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の感光性樹脂組成物は、芳香族テトラカルボン酸無水物(a1)(以下、(a1)成分という。)及びダイマージアミンを含むジアミン(a2)(以下、(a2)成分という。)を含むモノマー群の反応物であるポリイミド樹脂(A)(以下、(A)成分という。)、マレイミド類(B)(以下、(B)成分という。)、並びに、(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性二重結合を2つ以上有する多官能重合性化合物(C)(以下、(C)成分という。)を含むものである。
【0022】
(A)成分は、ポリイミド樹脂であり、硬化物が低誘電特性を示し、かつ優れた耐熱性、及び支持体に対する密着性のために使用する成分である。また、当該ポリイミド樹脂は、溶剤可溶型で閉環構造を有することから、それを含む感光性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸に比べて比較的低温で硬化できる。
【0023】
(a1)成分としては、例えば、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物、4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4‐ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,3’,4,4’-テトラカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を併用しても良い。
【0024】
中でも、(a1)成分としては、(A)成分が有機溶剤に対して溶解し、かつ硬化物が優れた耐熱性、支持体に対する密着性を示す点から、下記の一般式(1)で示されるものが好ましい。
【化1】
(式(1)中、Xは単結合、-SO
2-、-CO-、-O-、-O-C
6H
4-C(CH
3)
2-C
6H
4-O-、-C(CH
3)
2-、-O-C
6H
4-SO
2-C
6H
4-O-、-C(CHF
2)
2-、-C(CF
3)
2-、-COO-(CH
2)
p-OCO-、又は-COO-H
2C-HC(-O-C(=O)-CH
3)-CH
2-OCO-を表し、pは1~20の整数を表す。)
【0025】
一般式(1)で示されるものとしては、例えば、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,3’,4,4’-テトラカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を併用しても良い。中でも、(A)成分が有機溶剤に対して良く溶解する点から、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物が好ましい。
【0026】
(A)成分を構成するモノマー群100モル%中における(a1)成分の使用量は、通常は、10~90モル%、好ましくは、25~75モル%である。
【0027】
また、(A)成分を構成するモノマー群100モル%中における一般式(1)で示されるテトラカルボン酸無水物の使用量は、通常は、10~90モル%、好ましくは、25~75モル%である。
【0028】
(a1)成分100モル%中における一般式(1)で示されるテトラカルボン酸無水物の使用量は、通常は、10~100モル%、好ましくは、50~100モル%である。
【0029】
(a2)成分は、ダイマージアミンを含むジアミンである。
【0030】
ダイマージアミンとは、ダイマー酸の全てのカルボキシル基を1級アミノ基又は1級アミノメチル基に置換したものである(例えば、特開平9-12712号公報を参照)。ここで、ダイマー酸とは、オレイン酸、リノール酸やリノレン酸等の不飽和脂肪酸を二量化して得られる炭素数36の二塩基酸を主に含むものであり、その精製度合いによって、炭素数18のモノマー酸、炭素数54のトリマー酸、炭素数20~90の重合脂肪酸を含む。なお、前記ダイマー酸には二重結合が含まれるが、例えば、水素化反応により不飽和度を低下させても良い。
【0031】
前記のダイマージアミンとしては、例えば、下記の一般式(2)で示されるものが挙げられる。なお、一般式(2)において、m+n=6~17が好ましく、p+q=8~19が好ましく、破線部は炭素-炭素単結合又は炭素-炭素二重結合を意味する。
【0032】
【0033】
また、ダイマージアミンの市販品としては、「バーサミン551」、「バーサミン552」(以上、コグニクスジャパン(株)製)、「PRIAMINE1073」、「PRIAMINE1074」、「PRIAMINE1075」(以上、クローダジャパン(株)製)等が挙げられる。
【0034】
なお、ダイマージアミン中には、前記モノマー酸、トリマー酸及び/又は重合脂肪酸由来のアミンを含んでも良く、それらの含有量としては、通常、ダイマージアミン中に30重量%以下であり、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下であり、更に好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2重量%以下である。
【0035】
さらに、ダイマージアミンは、市販品をそのまま使用しても良く、蒸留等の精製処理を施したものを使用しても良い。
【0036】
(A)成分を構成するモノマー群100モル%中におけるダイマージアミンの使用量は、通常は、5モル%以上、好ましくは、25~75モル%である。
【0037】
また、(a2)成分100モル%中におけるダイマージアミンの使用量は、通常は、10モル%以上、好ましくは、30~100モル%である。
【0038】
また、(a2)成分としては、ダイマージアミン以外のジアミン(a2-1)(以下、(a2-1)成分という。)を含んでも良い。(a2-1)成分としては、例えば、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノエーテル、ジアミノポリシロキサンを含んでも良い。なお、これらのアミンについてはダイマージアミンを除く。
【0039】
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン等が挙げられる。
【0040】
脂環族ジアミンとしては、例えば、ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノジシクロヘキシルプロパン、テトラメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
【0041】
芳香族ジアミンとしては、例えば、
2,2’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジn-プロピル-4,4’-ジアミノビフェニル等のジアミノビフェニル;
2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等のビスアミノフェノキシフェニルプロパン;
3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル等のジアミノジフェニルエーテル;
p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン;
3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド等のジアミノジフェニルスルフィド;
3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン等のジアミノジフェニルスルホン;
3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン等のジアミノベンゾフェノン;
3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン等のジアミノジフェニルメタン;
2,2-ジ(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)プロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-(4-アミノフェニル)プロパン等のジアミノフェニルプロパン;
2,2-ジ(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等のジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン;
1,1-ジ(3-アミノフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ジ(4-アミノフェニル)-1-フェニルエタン、1-(3-アミノフェニル)-1-(4-アミノフェニル)-1-フェニルエタン等のジアミノフェニルフェニルエタン;
1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン等のビスアミノフェノキシベンゼン;
1,3-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン等のビスアミノベンゾイルベンゼン;
1,3-ビス(3-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン等のビスアミノジメチルベンジルベンゼン;
1,3-ビス(3-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-α,α-ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン等のビスアミノジトリフルオロメチルベンジルベンゼン;
2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル等のアミノフェノキシビフェニル;
ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン等のアミノフェノキシフェニルケトン;
ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド等のアミノフェノキシフェニルスルフィド;
ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等のアミノフェノキシフェニルスルホン;
ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等のアミノフェノキシフェニルエーテル;
2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等のアミノフェノキシフェニルプロパン;
1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン等のビス(アミノフェノキシベンゾイル)ベンゼン;
1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン等のビス(アミノフェノキシ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン;
4,4’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル等のビス[(アミノアリールオキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル;
4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン等のビス(アミノ-α,α-ジメチルベンジルフェノキシ)ベンゾフェノン:
4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン等のビス[アミノ-α,α-ジメチルベンジルフェノキシ]ジフェニルスルホン;
4,4’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン等のビス[アミノフェノキシフェノキシ]ジフェニルスルホン;
3,3’-ジアミノ-4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジビフェノキシベンゾフェノン等のジアミノジアリールオキシベンゾフェノン;
3,3’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン等のジアミノアリールオキシベンゾフェノン;
1-(4-アミノフェニル)-2,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-1H-インデン-5-アミン等が挙げられる。
【0042】
ジアミノエーテルとしては、例えば、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2-アミノエチル)エーテル、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、ビス(2-アミノメトキシ)エチル]エ-テル、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2-(3-アミノプロポキシ)エチル]エーテル、1,2-ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、1,2-ビス[2-(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコ-ルビス(3-アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコ-ルビス(3-アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコ-ルビス(3-アミノプロピル)エーテル等が挙げられる。
【0043】
ジアミノポリシロキサンとしては、例えば、α,ω-ビス(2-アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(4-アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(5-アミノペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(2-アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス[3-(4-アミノフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
【0044】
これらの(a2-1)成分は、単独でも2種以上を併用しても良い。中でも、硬化物が優れた耐熱性を示す点から、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンが好ましい。
【0045】
(A)成分を構成するモノマー群100モル%中における(a2-1)成分の使用量は、通常は、90モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。
【0046】
また、(a2)成分100モル%中における(a2-1)成分の使用量は、通常は、90モル%以下、好ましくは、70モル%以下である。
【0047】
本発明の(A)成分は、各種公知の製造方法によって得ることができる。その製造方法としては、例えば、(a1)成分及び(a2)成分を含むモノマー群を、温度が好ましくは30~120℃程度、より好ましくは40~100℃程度、時間が好ましくは0.1~2時間程度、より好ましくは0.1~0.5時間程度、重付加反応させて、重付加物を得る工程、得られた重付加物を好ましくは80~250℃程度、より好ましくは80~170℃程度の温度において、好ましくは0.5~50時間程度、より好ましくは1~20時間程度、イミド化反応、即ち脱水閉環反応させる工程を含む方法等が挙げられる。なお、(a1)成分及び(a2)成分の混合の方法、順番等は特に限定されない。
【0048】
なお、イミド化反応させる工程では、各種公知の反応触媒、脱水剤、及び有機溶剤が使用されても良く、これらは、単独でも2種以上を併用しても良い。
【0049】
反応触媒は、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン;ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン;ピリジン、ピコリン、イソキノリン等の複素環式第3級アミン等が挙げられる。また、脱水剤は、無水酢酸等の脂肪族カルボン酸無水物や無水安息香酸等の芳香族カルボン酸無水物等が挙げられる。
【0050】
有機溶剤としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、ジアザビシクロウンデセン等の窒素系有機溶剤;メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン;エチレングリコールジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1-メトキシ-2-プロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。なお、有機溶剤を使用する場合、その使用量は、反応濃度が5~60重量%、好ましくは、20~50重量%となるように調整される。
【0051】
(A)成分のイミド閉環率としては、軟化点及び柔軟性が共に高い(A)成分が得られる点から、90~100%が好ましく、95~100%程度がより好ましい。ここで「イミド閉環率」とは、(A)成分のポリイミドにおける環状イミド結合の含有量を意味し、例えばNMRやIR分析等の各種分光手段により決定できる。
【0052】
(A)成分の物性としては、例えば、(A)成分の重量平均分子量は、20,000~100,000が好ましい。(A)成分の数平均分子量は、5,000~50,000が好ましい。重量平均分子量及び数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値として求められる。
【0053】
本発明の(A)成分の軟化点は、50~250℃程度が好ましく、80~200℃程度がより好ましい。なお、軟化点は、市販の測定器(商品名:「ARES-2KSTD-FCO-STD」、Rheometric Scientfic社製)等を用いて測定した貯蔵弾性率のプロファイルにおいて、貯蔵弾性率が低下し始める温度を指す。
【0054】
感光性樹脂組成物100重量%中における(A)成分の含有比率としては、硬化物が低誘電特性を示し、かつ優れた支持体に対する密着性を示す点から、不揮発分重量で、50~99重量%が好ましく、70~95重量%がより好ましい。
【0055】
(B)成分は、マレイミド類であり、マレイミド基を1つ以上有するものであれば、各種公知のものを使用できる。(B)成分を配合することにより、活性エネルギー線によって硬化でき、かつレジストパターンを形成する際に、優れた現像性を示しやすくなる。
【0056】
(B)成分としては、例えば、マレイミド;N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-n-プロピルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-n-ブチルマレイミド、N-イソブチルマレイミド、N-tert-ブチルマレイミド、N-n-ペンチルマレイミド、N-n-ヘキシルマレイミド、N-n-ヘプチルマレイミド、N-n-オクチルマレイミド、N-n-ノニルマレイミド、N-n-デシルマレイミド、N-n-ドデシルマレイミド、N-n-テトラデシルマレイミド、N-n-ヘキサデシルマレイミド、N-n-オクタデシルマレイミド等のN-アルキルマレイミド類;
N-シクロペンチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド等のN-シクロアルキルマレイミド類;
N-フェニルマレイミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(4-メチルフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジエチルフェニル)マレイミド、N-フェニルメチルマレイミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド、N-(4-カルボキシフェニル)マレイミド、N-(4-アセチルフェニル)マレイミド、N-(4-メトキシフェニル)マレイミド、N-(4-エトキシフェニル)マレイミド、N-(4-クロロフェニル)マレイミド、N-(4-ブロモフェニル)マレイミド等のN-アリールマレイミド類;
N,N’-エチレンビスマレイミド、N,N’-トリメチレンビスマレイミド、N,N’-テトラメチレンビスマレイミド、N,N’-ペンタメチレンビスマレイミド、N,N’-ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N-ヘプタメチレンビスマレイミド、N,N-オクタメチレンビスマレイミド、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、1,1’-(デカン-1,10-ジイル)ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン)等のN,N’-アルキレンビスマレイミド類;
N,N’-ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、1,1’-[(4-ヘキシル-3-オクチルシクロヘキサン-1,2-ジイル)ビス(オクタン-1,8-ジイル)]ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン)、1,1’-(シクロヘキサン-1,10-ジイル)ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン)、1,1’-[4,4’-メチレンビス(シクロヘキサン-1,4-ジイル)]ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン)等のシクロアルカンを有するビスマレイミド類;
N,N’-キシレンビスマレイミド、N,N’-トリレンビスマレイミド、N,N’-キシリレンビスマレイミド、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-p-フェニレンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド等のフェニレンビスマレイミド類;
1,1’-[メチレンビス(1,4-フェニレン)]ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン)、1,1’-[メチレンビス(2-エチル-6-メチル-1,4-フェニレン)]ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン、1,1’-(1,3-フェニレン)]ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン、等のビスフェニレンビスマレイミド類;
3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-ジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’-4,4’-[3,3’-ジメチルジフェニルメタン]ビスマレイミド、N,N’-4,4’-[3,3’-ジエチルジフェニルメタン]ビスマレイミド、N,N’-(4,4’-ジフェニルプロパン)ビスマレイミド、N,N’-ジフェニルシクロヘキサンビスマレイミド、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、N,N’-3,3’-ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’-4,4’-ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’-ジクロロジフェニルビスマレイミド、1,1’-[2,2’-ビス(トリフルオロメチル){1,1’-ビフェニル}-4,4’-ジイル]ビス[1H-ピロール-2,5-ジオン]等のN,N’-ジフェニルビスマレイミド類;
2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-メチル-4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-メチル-4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3,5-ジメチル-4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3,5-ジメチル-4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-エチル-4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3-エチル-4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等のビス(フェノキシフェニル)アルカン類等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0057】
また、(B)成分の市販品としては、「BMI」、「BMI-70」、「BMI-80」(以上、ケイ・アイ化成(株)製)、「BMI-1000」、「BMI-1000H」、「BMI-1100」、「BMI-1100H」、「BMI-2000」、「BMI-2300」、「BMI-3000」、「BMI-3000H」、「BMI-4000」、「BMI-5100」、「BMI-7000」、「BMI-7000H」、「BMI-TMH」(以上、大和化成(株)製)等が挙げられる。
【0058】
また(B)成分としては、前段落で説明されたダイマージアミンから誘導されるマレイミド(以下、ダイマージアミン骨格を有するマレイミド類という。)を使用しても良い。当該マレイミドの市販品としては、例えば、「BMI-689」、「BMI-689C」、「BMI-1400」、「BMI-1500」、「BMI-1550」、「BMI-1700」、「BMI-2500」、「BMI-2560」、「BMI-3000-C」、「BMI-3000J」、「BMI-3000 Solution」、「BMI-5000P」、「BMI-5000T」、「BMI-6000」、「BMI-6100」(以上、Designer Molecule Inc.製)等が挙げられる。
【0059】
これらの(B)成分の中でも、(A)成分と相溶しやすく、得られた硬化物が低誘電特性を示す点から、N,N’-ジフェニルビスマレイミド類、ダイマージアミン骨格を有するマレイミド類が好ましい。
【0060】
感光性樹脂組成物100重量%中における(B)成分の含有比率としては、活性エネルギー線に対して反応し、かつ得られた硬化物が支持体に対して優れた密着性を示す点から、不揮発分重量で、1~20重量%が好ましく、2~20重量%がより好ましい。
【0061】
(C)成分は、(A)成分及び(B)成分以外のエチレン性二重結合を有する多官能重合性化合物であり、これを配合すると、硬化物が低誘電特性を示し、またレジストパターンを形成する際に、優れた現像性も改善しやすくなる。
ここでの化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーを総称したものを意味する。
【0062】
(C)成分としては、例えば、
1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、2,3-ペンタジエン、2,4-ジメチル-1,3-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、ノナジエン、デカジエン等のジエン;
ジビニルベンゼン、1,3-ジイソプロぺニルベンゼン、1,4-ジイソプロぺニルベンゼン等の芳香族ジアルケニル;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のジビニルエーテル;
エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジアリルエーテル等のジアリルエーテル;
グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等のトリアリルエーテル;
ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル等のテトラアリルエーテル;
フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル等のカルボン酸ジアリル;
ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン、トリアリルアミン等のポリアリルアミン;
1,3-ジアリル-5-メチルイソシアヌレート、1,3-ジアリル-5-グリシジルイソシアヌレート、1-アリル-3,5-ジグリシジルイソシアヌレート等のアリルイソシアヌレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化-1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリフェニレンエーテルジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート;
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート;
シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等のシクロアルカンジ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート;
ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート;
トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート;
ポリイソプレン、1,2-ポリブタジエンホモポリマー、イソブチレン-イソプレンポリマー、スチレン-イソプレンポリマー、スチレン-イソプレンポリマー-スチレン等のイソプレン系ポリマー;
ポリブタジエン、1,2-ブタジエンホモポリマー、ブタジエン-イソプレンポリマー、ブタジエン-アクリロニトリルポリマー、エトキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、ブタジエン-スチレンポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンポリマー等のブタジエン系ポリマー等が挙げられる。
【0063】
これらの(C)成分は単独でも2種以上を組み合わせても良い。中でも、硬化物が低誘電特性を示し、かつ支持体に対して優れた密着性を示しやすい点から、ジエン系ポリマーが好ましく、1,2-ブタジエンホモポリマー、ブタジエン-スチレンポリマー、エポキシ化ポリブタジエンがより好ましい。
【0064】
また、(C)成分の物性としては、溶剤への溶解性、支持体に対する密着性の点から、重量平均分子量は100~10,000が好ましく、1,000~9,000がより好ましい。なお、ここでの「重量平均分子量」は、各種化学メーカーのカタログに記載の値である。
【0065】
感光性樹脂組成物100重量%中における(C)成分の含有比率としては、低誘電性、支持体に対する密着性の点から、不揮発分重量で、0.5~20重量%が好ましく、1~15重量%がより好ましい。
【0066】
また、(B)成分のマレイミド当量及び(C)成分のエチレン性二重結合当量との比率としては、光反応性、現像性の点から、{(B)成分のマレイミド当量}/{(C)成分のエチレン性二重結合当量}=0.05~2が好ましく、0.2~1.5がより好ましい。
【0067】
(B)成分のマレイミド当量は、(B)成分の仕込み量、数平均分子量(Mn)及びマレイミド基の個数から(式ア)によって求められる。
【0068】
(式ア){(B)成分のマレイミド当量}={(B)成分の仕込み量}/[{(B)成分の分子量(Mn)}×(マレイミド基の個数)]
【0069】
前記の(C)成分のエチレン性二重結合当量は、(C)成分の仕込み量、数平均分子量(Mn)及びエチレン性二重結合の個数から(式イ)によって求められる。
【0070】
(式イ){(C)成分のエチレン性二重結合当量}={(C)成分の仕込み量}/[{(C)成分の分子量(Mn)}×(エチレン性二重結合の個数)]
【0071】
本発明の感光性樹脂組成物には、(a2)成分以外のアミン化合物(D)(以下、(D)成分という。)を更に含んでも良い。
【0072】
(D)成分としては、例えば、アミノ基を有する反応性アルコキシシリル化合物、複素環アミノ化合物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0073】
アミノ基を有する反応性アルコキシシリル化合物としては、一般式:W-Si(R1)a(OR2)3-a(式中、Wはアミノ基を含む基を、R1は水素又は炭素数1~8の炭化水素基を、R2は炭素数1~8の炭化水素基を、aは0、1又は2を示す。)で表されるものであり、例えば、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-エトキシシリル-N-(1,3-ジメチルブチリデン)プロピルアミン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0074】
複素環アミノ化合物としては、例えば、ピリジン、4,4-ジメチルアミノピリジン、4-ピペリジノピリジン等のピリジン類;
2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;
ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン等のジアザビシクロ化合物;
トリアザビシクロデセン、メチルトリアザビシクロデセン等のトリアザビシクロ化合物;これらの複素環アミノ化合物の塩等が挙げられる。前記の塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、ヘキサン酸塩、2-エチルヘキサン酸塩、オクタン酸塩、トリメリット酸塩、イソシアヌル酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0075】
感光性樹脂組成物100重量%中における(D)成分の含有比率としては、硬化物が低誘電特性を示し、レジストパターンを形成する際には優れた現像性も有する点から、不揮発分重量で、0.001~1重量%が好ましく、0.01~0.3重量%がより好ましい。
【0076】
本発明の感光性樹脂組成物は、更にビニル基を有する反応性アルコキシシリル化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含んでも良い。
【0077】
(E)成分としては、例えば、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、メチルジエトキシビニルシラン、メチルジメトキシビニルシランおよびフェニルジメトキシビニルシラン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0078】
感光性樹脂組成物100重量%中における(E)成分の含有比率としては、硬化物が支持体に対して優れた密着性を示し、また、レジストパターンを形成する際に、優れた現像性を示しやすい点から、不揮発分重量で、0.05~2重量%が好ましく、0.1~1重量%がより好ましい。
【0079】
本発明の感光性樹脂組成物は、更に前述の有機溶剤を含んでも良い。その含有量としては、感光性樹脂組成物100重量部に対して、10~2000重量部程度が好ましい。
【0080】
本発明の感光性樹脂組成物は、更に光重合開始剤を含んでも良い。
【0081】
光重合開始剤としては、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0082】
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のベンジルジメチルケタール系光重合開始剤;
1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン等のα-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤;
2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパノン-1,2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のα-アミノアセトフェノン系光重合開始剤等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0083】
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、エチル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(2,5-ジヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、(p-ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(p-ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(p-ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0084】
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0085】
チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η-5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0086】
オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;
アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルフォリノ-プロパノン-1-オン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等の芳香族ケトン;2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン類;
アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;
ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;
9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;
2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体又はその誘導体;
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
【0087】
これらの光重合開始剤の中でも、活性エネルギー線を照射した際に(B)成分と反応しやすい点から、チオキサントン系光重合開始剤が好ましい。
【0088】
感光性樹脂組成物100重量%中における光重合開始剤の含有比率としては、活性エネルギー線に対して反応しやすく、得られた硬化物が低誘電特性を示す点から、不揮発分重量で、0.1~4重量%が好ましく、0.5~2重量%がより好ましい。
【0089】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、有機溶剤及び光重合開始剤以外の添加剤を含んでも良い。
【0090】
添加剤としては、例えば、開環エステル化反応触媒、架橋剤、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
【0091】
前記添加剤の含有量は、感光性樹脂組成物の不揮発分100重量部として、1重量部未満、0.1重量部未満、0.01重量部未満、0重量部等が挙げられる。
【0092】
前記添加剤の含有量は、不揮発分換算で、(A)成分100重量部に対して、1重量部未満、0.1重量部未満、0.01重量部未満、0重量部等が挙げられる。
【0093】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分、必要に応じて(D)成分、(E)成分、有機溶剤、光重合開始剤、及び添加剤を混合することにより得られる。
【0094】
また、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)成分と(C)成分との反応生成物を得た後に、(B)成分、必要に応じて(D)成分、(E)成分、有機溶剤、光重合開始剤、及び添加剤を混合したものも使用できる。
【0095】
(A)成分と(C)成分とを反応させる際の(C)成分のモル量としては、(A)成分1モルに対して、0.1~10モルが好ましく、0.33~2モルがより好ましい。また、反応温度としては、50~150℃が好ましく、80~120℃がより好ましい。反応時間としては、1分~100時間が好ましく、5分~10時間がより好ましい。
【0096】
[硬化物]
本発明は、前記感光性樹脂組成物の硬化物も実施形態の1つである。
【0097】
本発明の硬化物は、支持体の少なくとも片面に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工し、熱又は活性エネルギー線の照射により硬化させることにより得られる。なお、得られた硬化物は、支持体から剥がして使用しても良く、支持体の上に硬化物の層を有した状態(すなわち、積層体として)で使用しても良い。
【0098】
支持体としては、例えば、シリコンウエハ、セラミック基板、リジット基板、フレキシブル基板、剥離紙、剥離フィルム、ガラス、支持フィルム、金属箔等が挙げられる。また、前記のシリコンウエハとしては、その上にSiN膜(窒化ケイ素)、SiO2膜(二酸化ケイ素、シリカ)等の無機系保護膜が形成されたものや、スパッタ処理、メッキ処理で銅等の金属層を形成させたものも使用できる。
【0099】
支持フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリイミド-シリカハイブリッド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、エチレンテレフタレート、フェノール、フタル酸、ヒドロキシナフトエ酸等とパラヒドロキシ安息香酸とから得られる芳香族系ポリエステル樹脂(所謂液晶ポリマー;(株)クラレ製、「ベクスター」等)、シクロオレフィンポリマー、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等)等が挙げられる。
【0100】
金属箔としては、例えば、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。またその中で銅箔としては、例えば、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。さらに、前記金属箔は、粗化、防錆化等の表面処理が施されたものも使用できる。防錆化処理は、Ni,Zn,Sn等を含むメッキ液を用いたメッキ処理、クロメート処理等の、所謂鏡面化処理が挙げられる。また、金属箔を用いた場合には、得られた感光性エレメントからエッチング処理等で金属箔を除去しても良い。
【0101】
本発明の感光性樹脂組成物を前記支持体に塗工する際、その塗工方法としては、例えば、スピン、コンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて行うこと等が挙げられる。塗工層の厚みとしては、硬化物の層で3~20μm程度が好ましく、5~20μm程度がより好ましい。また、当該硬化物の層は各種保護フィルムで保護してもよい。
【0102】
塗工層を設けた後は、熱源又は活性エネルギー線を用いて硬化物を形成させる。
【0103】
熱源としては、例えば、循風乾燥機、電気炉、ガス炉、熱媒、ヒーター等が挙げられる。また、乾燥条件としては、温度150~250℃程度が好ましく、180~220℃程度がより好ましい。また時間としては、0.1~10時間程度が好ましく、0.5~2時間程度がより好ましい。
【0104】
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、赤外線、可視光線等の光線、電子線、X線、α線、β線、γ線、中性子線等が挙げられる。本発明においては、光線が好ましく、紫外線、可視光線がより好ましい。
【0105】
紫外線の光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、無電極ランプ、LEDランプ等が挙げられる。また、紫外線の積算照射量としては、積算照射量が通常300~10000mJ/cm2である。
【0106】
なお、活性エネルギー線の照射前に、部分的に硬化させるために塗工層を加熱乾燥しても良い。なお、加熱乾燥する場合、温度80~200℃程度で1~30分間乾燥させることが好ましい。また、活性エネルギー線を照射した後も完全に硬化させる目的に、必要に応じて加熱させても良い。
【0107】
[レジストパターン]
本発明のレジストパターンは、パターンを有し、当該パターンが前記硬化物を含むものである。以下、レジストパターンの製造方法について説明する。
【0108】
[レジストパターンの製造方法]
本発明のレジストパターンの製造方法は、支持体上に前記硬化物の層を設ける工程、前記硬化物の層の少なくとも一部に活性エネルギー線を照射して露光部を光硬化せしめる工程と、前記露光部以外の部分を除去してレジストパターンを形成する工程と、を有するものである。
【0109】
硬化物の層を設ける方法としては、例えば、予め有機溶剤を加えて粘度を調整した本発明の感光性樹脂組成物を支持体に塗工した後に、温度が80~150℃、好ましくは100~130℃で乾燥すること等が挙げられる。
【0110】
支持体としては、例えば、シリコンウエハ、セラミック基板、リジット基板、フレキシブル基板、金属箔等が挙げられる。また、前記のシリコンウエハとしては、その上にSiN膜(窒化ケイ素)、SiO2膜(二酸化ケイ素、シリカ)等の無機系保護膜が形成されたものや、スパッタ処理、メッキ処理で銅等の金属層を形成させたものも使用できる。
【0111】
塗工方法としては、例えば、スピン、スリット、ロール等のコーターにて行うことや、スクリーン印刷等が挙げられる。
【0112】
乾燥条件としては、通常50~180℃であり、好ましくは80~150℃の温度で1~30分間行うことが好ましい。乾燥後の硬化物の層の厚みとしては、3~50μmが好ましく、3~30μmがより好ましく、5~20μmがさらに好ましい。
【0113】
次に、光硬化させる手段としては、例えば、硬化物の層側を所定のパターン形状を有するマスクで覆った後に露光を施し、感光性樹脂組成物の一部を重合せしめること等が挙げられる。
【0114】
露光方法としては、例えば、コンタクト露光、縮小投影露光等が挙げられる。また、露光波長としては、200~500nmが好ましく、310~436nmがより好ましく、365nmがさらに好ましい。更に露光量としては、10000mJ/cm2以下が好ましく、300~2000mJ/cm2がより好ましい。
【0115】
前記の露光後には、硬化物の層を設けた支持体を更に乾燥させても良い。その条件としては、好ましくは100~200℃の温度で1~30分で、より好ましくは3~20分である。
【0116】
その後は、露光部以外の部分を除去してレジストパターンを形成する。当該部分の除去には、現像液を用いる。現像液としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテルが挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。更に現像液には、現像時の溶解性を調整するため、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールを更に含ませても良い。
【0117】
現像方法としては、例えば、スプレー法、パドル法、ディップ法等の方法が挙げられる。
【0118】
次いで、現像により得られたパターンを加熱して硬化せしめることにより、所定のパターンを有する硬化物を得る。加熱温度としては、好ましくは60~230℃であり、より好ましくは150~230℃である。また、時間としては、30~120分間であることが好ましい。
【0119】
また、本発明のレジストパターンの製造方法は、支持体上に前記硬化物の層を設ける工程、硬化物の層の上にフォトレジストを搭載してパターンを形成させた後、切削により、硬化物の層を除去してレジストパターンを形成する工程と、を有するものである。
【0120】
硬化物の層を設ける方法としては、前述した方法等が挙げられる。
【0121】
次にフォトレジストを搭載してパターンを形成させる方法について説明する。フォトレジストとしては、ネガ型、ポジ型のいずれも使用できる。またフォトレジストにパターンを形成させる方法としては、前述の露光による光硬化等が挙げられる。また露光後は、ネガ型フォトレジストの場合は、露光していない部分を、ポジ型フォトレジストの場合は、露光した部分を除去して、パターニングされたフォトレジストを設けることができる。
【0122】
フォトレジストのこれらの部分の除去には現像液を用いる。現像液としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機塩基等が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。さらに現像液には、現像時の溶解性を調整するため、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールを更に含ませても良い。
【0123】
また前記のパターンを形成させた後に、必要に応じて乾燥しても良い。その条件としては、温度が80~200℃が好ましく、80~120℃がより好ましい。また時間が1~60分が好ましく、5~30分がより好ましい。
【0124】
次いで、硬化物の層を切削する手段としては、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング、レーザー加工等が挙げられる。前記の手段で切削することにより、硬化物の層の露出部分が除去され、レジストパターンを得ることができる。
【0125】
得られたレジストパターンについては、更に加熱して硬化せしめることにより、所定のパターンを有する硬化物を得ることができる。加熱温度及び加熱時間については前述した現像後の加熱条件と同様のものが挙げられる。
【0126】
これらの前記の方法により得られたレジストパターンには、更にメッキ等により銅等の金属で回路を形成させても良い。また、得られたレジストパターンには、更に前記と同様の製造方法を施して、その上にレジストパターンを形成させても良い。
【0127】
[半導体素子]
本発明の半導体素子は、前記レジストパターンを備えるものであり、当該パターンは、層間絶縁層又は表面保護層として使用できる。また、半導体素子は、例えば、多層配線構造、再配線構造等を有するファンアウトウエハレベルパッケージ、ファンアウトパネルレベルパッケージ等の半導体パッケージ技術を使用した半導体装置等であっても良い。
【0128】
[電子デバイス]
本発明の電子デバイスは、前記半導体素子を備えるものである。電子デバイスとしては、例えば、モバイル端末、サーバー、ネットワークスイッチ等が挙げられる。
【実施例】
【0129】
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、特にこれらに限定されるものではない。また特段の断りがない限り、「%」はいずれも重量基準である。
【0130】
製造例1
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA、ダイキン(株)製)(以下、6FDAともいう。)を70.0g、メチルイソブチルケトンを132.5g及びメチルシクロヘキサンを132.5g仕込み、70℃まで加熱した。次いで、ダイマージアミン(商品名:「PRIAMINE1075」、クローダジャパン(株)製)(以下、PRIAMINE1075ともいう。)81.0gを徐々に添加した後、110℃まで加熱し、15時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド樹脂(A-1)の溶液(不揮発分35%)を得た。
【0131】
製造例2
製造例1と同様の反応容器に、4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物(商品名「BisDA-1000」、SABICイノベーティブプラスチックスジャパン合同会社製)(以下、BisDAともいう。)を200.0g、エチレングリコールジメチルエーテルを265.27g及びトルエンを618.97g仕込み、760℃まで加熱した。次いで、PRIAMINE1075 197.8gを徐々に添加した後、110℃まで加熱し、10時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド樹脂(A-2)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0132】
製造例3
製造例1と同様の反応容器に、BisDAを200.0g、酢酸ブチルを619.0g、エチレングリコールジメチルエーテルを132.6g及びメチルシクロヘキサンを132.6g仕込み、75℃まで加熱した。次いで、PRIAMINE1075 197.8gを徐々に添加した後、115℃まで加熱し、10時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド樹脂(A-3)の溶液(不揮発分30%)を得た。
【0133】
実施例1
(A)成分として、ポリイミド樹脂(A-1)の溶液10g(不揮発分:3.5g)、(B)成分として、4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド(商品名:「BMI-1000H」、大和化成(株)製)0.23g(不揮発分:0.23g)、(C)成分として、ブタジエン-スチレンポリマー(商品名:「Ricon100」、Cray Valley社製)0.16g(不揮発分:0.16g)とシクロペンタノン5.17gを混合し、よく撹拌して、不揮発分25%の硬化型感光性樹脂組成物を得た。
【0134】
実施例2~20、比較例1~3
表1に示す組成で、実施例1と同様に行い、硬化型感光性樹脂組成物をそれぞれ得た。
【0135】
以下より、硬化型感光性樹脂組成物の硬化物の層については、簡単に硬化物層と表記する。
【0136】
(硬化物の作製)
実施例1~20及び比較例1~3の硬化型感光性樹脂組成物を、剥離紙((株)サンエー化研製)に塗工し、120℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀灯(200mW/cm2、1800mJ/cm2)で紫外線を照射した。さらに170℃で30分間乾燥させた後、剥離紙を剥がし、硬化物を得た。更に全体の厚さが40~150μmとなるように複数枚の硬化物を重ね合わせてプレス用支持体の上に置き、さらに硬化物層の最上部に同じプレス用支持体を置き、プレス用支持体を介して圧力5MPa、200℃で1時間加熱プレスにより硬化させた後にプレス用支持体を取り除いて、試験片をそれぞれ得た。この試験片を用いて、以下の方法で比誘電率(Dk)と誘電正接(Df)をそれぞれ測定した。なお、比較例1の感光性樹脂組成物では被膜が形成できなかったため、評価しなかった。
【0137】
(比誘電率及び誘電正接)
ネットワークアナライザ(Keysight Technologies社製、装置名:「P5003A」)と測定周波数10.124GHzのスプリットポスト誘電体共振器(QWED社製)を用いて、何も挿入していない共振器単体の共振周波数とそのピークのQ値を測定した。
次に、前記試験片を4cm×5cmに裁断して共振器内に挿入した後、試験片が挿入されたときの共振周波数とQ値を測定した。
比誘電率(Dk)は、共振器単体と試験片を挿入したときの共振周波数の差から算出し、誘電正接(Df)は、共振器単体と試験片を挿入したときのQ値の差と共振周波数の差から算出した。表1に結果を示す(以下同様)。
【0138】
実施例1~20及び比較例1~3の硬化型感光性樹脂組成物を、市販の電解銅箔(製品名:「F2-WS」、古河電気工業(株)製)(厚み18μm)に硬化物層の厚みが10μmとなるように塗工し、120℃で5分間乾燥させた。次いで、高圧水銀灯(200mW/cm2、1800mJ/cm2)で紫外線を照射して硬化させた後、更に200℃で1時間乾燥させて、積層体(1)をそれぞれ得た。
【0139】
(密着性)
前記の積層体(1)を用いて、JIS-K 5600-5-6:1999に準拠したクロスカット法により、銅箔と硬化物層との密着性を評価した。また、電解銅箔を市販のガラス(日本テストパネル(株)製)に代えて、同様に積層体(1)を作製して、同様に密着性を評価した。
【0140】
(現像性)
実施例1~20及び比較例1~3の硬化型感光性樹脂組成物を、市販の電解銅箔(製品名「F2-WS」、古河電気工業(株)製)(厚み18μm)に現像後の硬化物層の厚みが10μmとなるように塗工し、120℃で5分間乾燥させて、積層体を得た。次いで、遮光用のアルミ箔(市販品、2cm×5cm)で硬化物層の一部を覆い、高圧水銀灯(200mW/cm2、1800mJ/cm2)で紫外線を露光させた後、不揮発分濃度100%のシクロペンタノンに1分間浸漬して、遮光された未露光部分を除去した(除去後に残った部分を露光部分という。)。未露光部分及び露光部分について、それぞれ以下の評価基準にて評価した。
【0141】
(評価基準)
※未露光部分
○:浸漬後、残渣なく溶解した
×:浸漬後、残渣が残った
※露光部分
○:不溶であり、外観異常が見られなかった
×:溶解、もしくは膜の浮き上がり等の外観異常が見られた
【0142】
【0143】
表1に示す略号は、以下の化合物を示す。
<ポリイミド樹脂(A)>
・A-1-製造例1のポリイミド樹脂
・A-2-製造例2のポリイミド樹脂
・A-3-製造例3のポリイミド樹脂
<マレイミド類(B)>
・B-1-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド(商品名:「BMI-1000H」、大和化成(株)製)
・B-2-下記式(3)のビスマレイミド(商品名:「BMI-689」、Designer Molecule Inc.製)
・B-3-下記式(4)のビスマレイミド(商品名:「BMI-1700」、Designer Molecule Inc.製)
<多官能重合性化合物(C)>
・C-1-ブタジエン-スチレンポリマー(商品名:「Ricon100」、Cray Valley社製、数平均分子量:4500)
・C-2-ブタジエン-スチレンポリマー(商品名:「Ricon184」、Cray Valley社製、数平均分子量:8600)
・C-3-エポキシ化ポリブタジエン(商品名:「NISSO-PB JP-200」、日本曹達(株)製)
・C-4-1,2-ブタジエンホモポリマー(商品名:「NISSO-PB B-1000」、日本曹達(株)製、数平均分子量:1200)
<アミン系化合物>
・D-1-N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:「KBM-603」、信越化学工業(株)製)
・D-2-2-メチルイミダゾール(商品名:「キュアゾール 2MZ-H」、四国化成工業(株)製
・D-3-ジアザビシクロウンデカンの2-エチルヘキサン酸塩(商品名:「U-CAT SA102」、サンアプロ(株)製)
<光重合開始剤>
・DETX-2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン(商品名:「Omnirad DETX」、IGM Resin社製)
【0144】
【0145】
【0146】
製造例4
製造例1と同様の反応容器に、6FDAを70.0g、メチルイソブチルケトンを130.5g及びメチルシクロヘキサンを130.5g仕込み、70℃まで加熱した。次いで、ダイマージアミン(商品名:「PRIAMINE1075」、クローダジャパン(株)製、以下、PRIAMINE1075と表記)78.1gを徐々に添加した後、110℃まで加熱し、15時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド樹脂(A-4)の溶液(不揮発分35%)を得た。
【0147】
製造例5
製造例4の方法でポリイミド樹脂(A-4)の溶液(不揮発分35%)を製造した後、その溶液400.0g、シクロペンタノンを12.69g、及びN,N’-ジアリル-N’’-モノグリシジルイソシアヌレート(商品名:「DA-MGIC」、四国化成工業(株)製)を6.76g仕込み、120℃まで加熱し、7時間かけて反応させることにより、ポリイミド樹脂(A-5)の溶液(不揮発分35%)を得た。
【0148】
実施例21
(A)成分として、ポリイミド樹脂(A-4)の溶液10.0g(不揮発分:3.5g)、(B)成分として、BMI-689 0.24g(不揮発分:0.24g)、(C)成分として、ブタジエン-スチレンポリマー(商品名:「Ricon184」、Cray Valley社製)0.15g(不揮発分:0.15g)及びエポキシ化ポリブタジエン(商品名:「NISSO-PB JP-200」、日本曹達(株)製)0.06g(不揮発分:0.06g)、光重合開始剤として、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン(商品名:「Omnirad DETX」、IGM Resin社製)0.04g、並びにシクロペンタノン0.91gを混合し、よく撹拌して、不揮発分35%の硬化型感光性樹脂組成物を得た。
【0149】
実施例22~26、比較例4~6
表2に示す組成で、実施例21と同様に行い、硬化型感光性樹脂組成物をそれぞれ得た。
【0150】
(比誘電率及び誘電正接)
実施例21~26及び比較例4~6の硬化型感光性樹脂組成物を用いて、前述と同様の方法で、硬化物を作製し、比誘電率及び誘電正接を測定した。また、実施例19の感光性樹脂組成物についても同様に行った。結果を表2に示す(以下同様)。
【0151】
(密着性)
実施例19の硬化型感光性樹脂組成物を、市販の電解銅箔(製品名「F2-WS」、古河電気工業(株)製)(厚み18μm)に現像後の硬化物層の厚みが10μmとなるように塗工し、120℃で5分間乾燥させて、積層体(2)を得た。次いで、テストターゲット(商品名:「TRP-003」、シグマ光機(株)製、5cm×5cm)で硬化物層の一部を覆い、波長365nmの紫外線LEDランプ(200mW/cm2、1800mJ/cm2)で紫外線を露光させた後、不揮発分濃度100%のシクロペンタノンに1分間浸漬して、遮光された未露光部分を除去した(除去後に残った部分を露光部分という。)。JIS-K 5600-5-6:1999に準拠したクロスカット法により、銅箔と硬化物層の露光部分との密着性を評価した。また、実施例21~26及び比較例4~6の硬化型感光性樹脂組成物についても同様の方法で行い、密着性を評価した。なお、実施例23の硬化型感光性樹脂組成物については、現像後の硬化物層の厚みが2.5μmとなる条件でも評価した(実施例23-2として表2に示す(以下同様)。)。
【0152】
前段落の密着性について、電解銅箔を市販のガラス(日本テストパネル(株)製)、市販のシリコンウエハ(AKD(株)製)、及びスパッタ処理で銅層を150μm形成したシリコンウエハにそれぞれ代えて、同様に積層体(2)を作製して、同様に評価した。なお、銅層を形成したシリコンウエハについては、銅層側に硬化型感光性樹脂組成物を塗工して積層体(2)を作製した。
【0153】
(解像度)
市販のシリコンウエハ(AKD(株)製)の上に、実施例19の硬化型感光性樹脂組成物を現像後の硬化物層の厚みが10μmとなるように塗工し、120℃で5分間乾燥させて、積層体(3)を得た。次いで、テストターゲット(商品名:「TRP-003」、シグマ光機(株)製、5cm×5cm)で硬化物層の一部を覆い、波長365nmの紫外線LEDランプ(200mW/cm2、1800mJ/cm2)で紫外線を露光させた後、さらに150℃で5分間乾燥させた。そして、不揮発分濃度100%のシクロペンタノンに1分間浸漬して、半露光部分を除いた。形成された最小のライン/スペースの線幅(単位:μm)を測定し、その測定値(線幅)を解像度として評価した。また、実施例21~26及び比較例4~6の硬化型感光性樹脂組成物についても同様の方法で積層体(3)を作製し、密着性を評価した。なお、実施例23の硬化型感光性樹脂組成物については、現像後の硬化物層の厚みが2.5μmとなる条件でも評価した。数値が小さいほど、解像度が高いことを示す。
【0154】
【0155】
表2に示す略号は、以下の化合物を示す。
<ポリイミド樹脂(A)>
・A-4-製造例4のポリイミド樹脂
・A-5-製造例5のポリイミド樹脂
<マレイミド類>
・B-2-上記式(3)のビスマレイミド(商品名:「BMI-689」、Designer Molecule Inc.製)
・B-4-N-フェニルマレイミド(商品名:「イミレックス-P」、(株)日本触媒製)
<多官能重合性化合物>
・C-2-ブタジエン-スチレンポリマー(商品名:「Ricon184」、Cray Valley社製、数平均分子量:8600)
・C-3-エポキシ化ポリブタジエン(商品名:「NISSO-PB JP-200」、日本曹達(株)製)
・C-5-ブタジエン-スチレンポリマー(商品名:「Ricon181」、Cray Valley社製、数平均分子量:3200)
・C-6-N,N’-ジアリル-N’’-モノグリシジルイソシアヌレート(商品名:「DA-MGIC」、四国化成工業(株)製)
<光重合開始剤>
・DETX-2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン(商品名:「Omnirad DETX」、IGM Resin社製)
・Omni907-2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノ-1-プロパノン(商品名:「Omnirad 907」、IGM Resin社製)