(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】蓄電デバイス用電極およびリチウムイオン二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/133 20100101AFI20230711BHJP
H01M 4/64 20060101ALI20230711BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20230711BHJP
H01M 4/587 20100101ALI20230711BHJP
H01M 10/0525 20100101ALI20230711BHJP
【FI】
H01M4/133
H01M4/64 A
H01M4/66 A
H01M4/587
H01M10/0525
(21)【出願番号】P 2022508486
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2021013369
(87)【国際公開番号】W WO2022208625
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】青木 卓也
(72)【発明者】
【氏名】東 修二
(72)【発明者】
【氏名】柳田 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】上林 義広
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-040489(JP,A)
【文献】特開2004-253143(JP,A)
【文献】特開2010-040488(JP,A)
【文献】特開2009-146752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/133
H01M 4/64
H01M 4/66
H01M 4/587
H01M 10/0525
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂層と、
前記樹脂層上に配置された銅を含む導電層と、
前記導電層上に配置され、黒鉛を含む活物質層と、
を備え、
前記活物質層の表面からX線回折法により測定した場合において、回折角(2θ)が48°以上53°以下の範囲の最も高いX線回折ピークの強度Aと、回折角(2θ)が52°以上57°以下の範囲の最も高いX線回折ピークの強度Bと、のピーク強度の比率A/Bが、下記(1)式
0.3≦A/B≦1 (1)
を満た
し、
前記強度Aは、前記銅に由来するCu(200)の強度であり、
前記強度Bは、前記黒鉛に由来するC(004)の強度である、
蓄電デバイス用電極。
【請求項2】
樹脂層と、
前記樹脂層上に配置された銅を含む導電層と、
前記導電層上に配置され、黒鉛を含む活物質層と、
を備え、
前記活物質層の表面からX線回折法により測定した場合において、回折角(2θ)が72°以上77°以下の範囲の最も高いX線回折ピークの強度Cと、回折角(2θ)が52°以上57°以下の範囲の最も高いX線回折ピークの強度Bと、のピーク強度の比率C/Bが、下記(2)式
0<C/B≦0.5 (2)
を満た
し、
前記強度Cは、前記銅に由来するCu(220)の強度であり、
前記強度Bは、前記黒鉛に由来するC(004)の強度である、
蓄電デバイス用電極。
【請求項3】
前記導電層は、0.2μm以上2.0μm以下の厚さを有する、請求項1または2に記載の蓄電デバイス用電極。
【請求項4】
前記ピーク強度の比率A/Bが、下記(3)式
0.4≦A/B≦1 (3)
を満たす、請求項1に記載の蓄電デバイス用電極。
【請求項5】
前記ピーク強度の比率C/Bが、下記(4)式
0.03≦C/B≦0.32 (4)
を満たす、請求項2に記載の蓄電デバイス用電極。
【請求項6】
前記活物質層の表面からX線回折法により測定した場合において、
前記銅に帰属されるX線回折ピークのうち、回折角41°以上46°以下の範囲
に位置するCu(111)のピーク強度は、強度AおよびCよりも大きい
、請求項1から5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極。
【請求項7】
前記樹脂層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂のいずれか1種を少なくとも含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極を含む負極と、
正極活物質層と、正極集電体と、を含む正極と、
前記負極と、前記正極との間に配置されるセパレータと、
リチウムイオンを含む非水電解質と、を備える、
リチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電デバイス用電極、および、リチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の集電体として、樹脂フィルムの両面に導電層を形成した複合材を用いることが提案されている。下記の特許文献1は、そのような複合材を集電体に適用した二次電池用の電極を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リチウムイオン二次電池のような蓄電デバイスにおいては、レート特性のさらなる向上が求められている。本開示の一実施形態は、蓄電デバイスのレート特性を向上させることが可能な蓄電デバイス用電極を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態による蓄電デバイス用電極は、樹脂層と、前記樹脂層上に配置された銅を含む導電層と、前記導電層上に配置され、黒鉛を含む活物質層とを備え、前記活物質層の表面からX線回折法により測定した場合において、回折角(2θ)が48°以上53°以下の範囲の最も高いX線回折ピークの強度Aと、回折角(2θ)が52°以上57°以下の範囲の最も高いX線回折ピークの強度Bと、のピーク強度の比率A/Bが、下記(1)式
0.3≦A/B≦1 (1)
を満たす。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によると、蓄電デバイスのレート特性を向上させ得る蓄電デバイス用電極が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態の蓄電デバイス用電極の一例を示す模式的な分解斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す蓄電デバイス用電極の一部の模式的な拡大断面図である。
【
図3】
図3は、X線回折法による測定を説明する模式図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の蓄電デバイス用電極のX線回折チャートの一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、本実施形態のリチウムイオン二次電池の一例を示す部分切断斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示すリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、実験例による、試料1から8および試料11から17のA/Bと放電レート特性との関係を示す一例である。
【
図8】
図8は、実験例による、試料1から8および試料11から17のC/Bと放電レート特性との関係を示す一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
特許文献1に提案されているような、樹脂フィルムおよび導電層を備えた集電体の導電層は、従来、集電体として単体で用いられる金属箔とは、厚さや製造方法の点で異なっており、どのような導電層が蓄電デバイスの充放電特性を向上させる上で適切であるかについて報告がない。このような点に鑑み、樹脂フィルムおよび導電層を備えた集電体の導電層の結晶性に着目し、レート特性の向上が可能な蓄電デバイス用電極およびリチウムイオン二次電池を想到した。
【0009】
以下、図面を参照しながら、本実施形態の蓄電デバイス用電極およびリチウムイオン二次電池の実施形態を説明する。以下の説明で提示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であって、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。また、以下に説明する各実施形態も、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0010】
本開示の図面に表された部材のそれぞれの寸法、形状等は、説明の便宜のために誇張されていることがある。また、本開示の図面では、過度の複雑さを避けるために、一部の部材を取り出して図示したり、一部の要素の図示を省略したりすることがある。そのため、本開示の図面に表された部材のそれぞれの寸法および部材間の配置は、実際のデバイスにおける部材のそれぞれの寸法および部材間の配置を反映しないことがある。本開示における「垂直」および「直交」は、2つの直線、辺、面等が厳密に90°の角度をなしていることに限られず、90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、「平行」は、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0011】
本明細書において、「セル」の用語は、少なくとも一対の正極、電解質を少なくとも含むセパレータ、および負極が一体的に組み立てられた構造を指す。本明細書の「電池」の用語は、互いに電気的に接続された1以上の「セル」を有する、電池モジュール、電池パック等の種々の形態を包括する用語として用いられる。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の蓄電デバイス用電極の一例を示す模式的分解図である。
図2は、
図1に示す蓄電デバイス用電極の一部の断面図である。本明細書では、説明の便宜のために、図面に、互いに直交する3つの方向であるX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印が示されている。
【0013】
蓄電デバイス用電極100は、樹脂層11と、導電層12と、活物質層20とを備える。樹脂層11および導電層12は集電体10を構成している。集電体10は、第1部分10sと第2部分10tとを含み、第1部分10sに活物質層20が配置されている。第2部分10tには活物質層20は設けられておらず、外部への電気的接続のためのタブとして機能する。活物質層20は、充電(または蓄電)および放電に伴って酸化還元される活物質を含む。集電体10は、活物質層20を支持し、活物質層20へ電子の供給し、活物質層20から電子を受け取る。
【0014】
図2に示すように、導電層12は、樹脂層11上に配置され、活物質層20は、導電層12上に配置されている。
【0015】
活物質層20は、リチウムイオンを吸蔵および放出する負極活物質として黒鉛を含む。例えば、天然または人造の黒鉛、カーボンナノチューブ、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、低温度焼成炭素等を含む。
【0016】
活物質層20は、バインダー、導電助剤等をさらに含んでいてもよい。バインダーに用いる物質として、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)およびポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリアクリル酸塩(PAA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。活物質層20は、上述した物質を1または2以上含んでいてもよい。
【0017】
導電助剤として用いることのできる物質として、カーボン粉末、カーボンナノチューブ等の炭素材料、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉末、および、ITO等の導電性酸化物の粉末等が挙げられる。活物質層20は、上述した物質を1または2以上含んでいてもよい。
【0018】
集電体10において、導電層12は活物質層20に電子を供給し、また、活物質層20から電子を受け取る。樹脂層11は導電層12を支持する。
【0019】
導電層12は銅を含む。具体的には、導電層12は銅または銅と銅以外の金属の合金を含む。導電層12の厚さは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。厚さが0.2μmよりも小さい場合、導電層12の断面積が小さくなりすぎることによって導電層12の電気的抵抗が高くなる。導電性の観点では、導電層12の厚さに制限はない。しかし、導電層12の厚さが2.0μmよりも大きくなると集電体10全体の厚さが大きくなる。このため、複数の電極対を積層した積層型リチウムイオン二次電池を構成した場合、エネルギの蓄積に寄与しない部分の割合が増え、エネルキー密度が小さくなり得る。導電層12の結晶学的特性は後述する。
【0020】
導電層12は、銅または銅を含む合金の層のみを含んでいてもよい。この場合、導電層12は、銅または銅を含む合金の層を1または2以上含んでいてもよい。また、導電層12は、銅または銅を含む合金の層と、銅以外の金属または銅以外の金属の合金の層を1または2以上含んでいてもよい。
【0021】
樹脂層11は絶縁性を備えており、樹脂を含む。樹脂層11は熱可塑性を備えていてもよい。具体的には、樹脂層11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)のいずれか1種を少なくとも含んでいてもよい。
【0022】
樹脂層11の厚さは、例えば、3μm以上12μm以下であり、好ましくは3μm以上6μm以下である。樹脂層11の厚さが3μmよりも小さいと、支持体として強度が不足する場合がある。また、樹脂層11の厚さが12μmよりも大きい場合、集電体10全体の厚さが大きくなる。このため、複数の電極対を積層した積層型リチウムイオン二次電池を構成した場合、エネルギの蓄積に寄与しない部分の割合が増え、エネルキー密度が小さくなり得る。
【0023】
集電体10は、樹脂層11と導電層12との間に位置するアンダーコート層をさらに備えていてもよい。アンダーコート層は、樹脂層11と導電層12との接合強度を高めたり、導電層にピンホールが形成されるのを抑制したりするために設けられ得る。例えば、アンダーコート層は、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の有機材料から形成された層、または、スパッタリングにより形成された、金属を含有する層であってもよい。
【0024】
次に、導電層12の構造を結晶学的特性に基づき説明する。従来のリチウムイオン二次電池では負極の集電体として電解銅箔あるいは圧延銅箔が主として用いられている。これに対し、特許文献1に開示されているような樹脂フィルムに導電層を形成した集電体では、導電層の厚さは、一般的にこうした銅箔の厚さよりも小さく、樹脂フィルムに電解銅箔あるいは圧延銅箔を用いることが難しい。このため、半導体製造技術で利用される薄膜形成技術を用いて導電層が形成される。しかし、種々の薄膜形成技術があり、形成方法によって得られる導電層の特性も異なり得ると考えられる。また、導電層の厚さが薄いため、活物質層の形成や活物質層形成時に受け得る熱履歴によって、導電層の特性が変わり得るなどが考えられる。このため、本願発明者は活物質層が形成された状態の蓄電デバイス用電極における導電層の結晶性と蓄電デバイス用電極を用いて作製したリチウムイオン二次電池のレート特性との関係を詳細に検討した。
【0025】
導電層の結晶性の評価はX線回折法(XRD)によった。
図3に示すように、活物質層20の表面からX線を入射させ、散乱したX線の強度を測定した。この測定方法は、Out of Planeと呼ばれる、結晶性評価に用いられる通常の測定方法である。
【0026】
図4に、得られたX線回折チャートの模式的な一例を示す。以下の表1に示す主要な×線回折ピークが観測される。表1において、左欄の各回折角の範囲内において観測される最も強いX線回折ピークの帰属を右欄に示す結晶相と定義した。ピークの帰属は文献値などを参考にした。
【0027】
導電層12の結晶性の評価は、リチウムイオン二次電池を作製する前に行ってもよい。あるいは、リチウムイオン二次電池を作製し、リチウムイオン二次電池の充放電を行った後、リチウムイオン二次電池を分解し、導電層12の結晶性の評価を行ってもよい。リチウムイオン二次電池の作製、充放電後に導電層12の結晶性の評価を行う場合、リチウムイオン二次電池の充放電にともない、蓄電デバイス用電極の各構成要素が充放電による影響を受け得る。例えば、充放電によって、活物質層にリチウムイオンが挿入あるいは放出され、活物質層20中の黒鉛の結晶構造が変化し得る。しかし、このような場合でも表1に示す範囲において、炭素および銅のX線回折ピークが観測され、右側に示す結晶方位のピークまたは右側に示す結晶方位に対応するピークであることが確認できる。
【0028】
【0029】
表1に示すように、炭素のピークは、活物質層20の黒鉛に由来し、C(002)およびC(004)が観測される。また、銅のピークは、導電層12の銅に由来し、Cu(111)、Cu(200)、Cu(220)が観測される。銅に帰属されるX線回折ピークのうち、2θで41°以上46°以下の範囲に位置するCu(111)のピーク強度は、Cu(200)のピーク強度およびCu(220)のピーク強度よりも大きい。
【0030】
後述するように、導電層12を含む蓄電デバイス用電極100を種々の条件で作製した後、リチウムイオン二次電池を作製し、放電レート特性を測定した。測定したリチウムイオン二次電池を放電電圧まで放電した後に分解し、蓄電デバイス用電極100を取り出した。取り出した蓄電デバイス用電極100をDMC(ジメチルカーボネート)で洗浄、乾燥させた後、X線回折法により蓄電デバイス用電極100の導電層12の結晶性を測定した。その結果、上述したように、放電レート特性と回折ピークの強度との間には一定の相関がみられ、下記に示す条件を満たす場合に高い放電レート特性を備えたリチウムイオン二次電池が得られることが分かった。
【0031】
具体的には、回折角(2θ)が48°以上53°以下の範囲の最も高いX線回折ピークであるCu(200)のピークの強度Aと、回折角(2θ)が52°以上57°以下の範囲の最も高いX線回折ピークであるC(004)の強度Bと、のピーク強度の比率A/Bが、下記(1)式を満たすことが好ましい。
0.3≦A/B≦1 (1)
ピーク強度の比率A/Bは、下記式(3)を満たすことがより好ましい。
0.4≦A/B≦1 (3)
また、回折角(2θ)が72°以上77°以下の範囲の最も高いX線回折ピークの強度であるCu(220)のピーク強度Cと、回折角(2θ)が52°以上57°以下の範囲の最も高いX線回折ピークである、C(004)の強度Bと、のピーク強度の比率C/Bが、下記(2)式を満たすことが好ましい。
0<C/B≦0.5 (2)
ピーク強度の比率C/Bは、下記(4)式を満たすことがより好ましい。
0.03≦C/B≦0.32 (4)
【0032】
非特許文献である、日本金属学会誌 第67巻第7号(2003)342-347「高配向Cu膜の熱安定性と内部応力」(以下、文献1と呼ぶ)によれば、無配向Cu膜を熱処理すると、熱処理温度に応じてCu(111)、Cu(200)およびCu(220)のピークが強くなり、Cu膜の電気抵抗が低下すると説明されている。また、高配向Cu(111)膜では、Cu(200)、およびCu(220)のピークは、通常の測定方法では観測されず、熱処理を行っても、Cu(111)のピーク強度は変化しないこと、および、熱処理にかかわらず一定の低い抵抗値を示すことが教示されている。
【0033】
また、非特許文献である、日本材料学会誌 第56巻第10号(2007)907-912「銅めっき薄膜機械特性の微細組織依存性」(以下、文献2と呼ぶ)によれば、銅めっき膜の成長過程では、銅結晶の最稠密面である(111)結晶面が優先的に成長しやすいが、メッキ条件が同じでも結晶配向性が一定でない場合があることが記載されている。
【0034】
本願発明者の詳細な研究によれば、Cu(111)のピークは強いが、ピーク強度が大きすぎ、ピーク強度の変化と放電レート特性との相関が取りにくい。また、上記文献2に説明されている通り、Cu(111)のピーク強度にばらつきが生じやすい。一方、Cu(200)およびCu(220)のピークは、ばらつきが小さく、また、放電レート特性との間に一定の相関がみられることが分かった。
【0035】
測定条件によるピーク強度のばらつきを抑制するため、銅以外のピークであり、Cu(200)およびCu(220)のピーク強度と同程度の強度を有するC(004)の強度で、Cu(200)およびCu(220)のピーク強度を除することによって、測定条件に依存しにくい指標として、Cu(200)およびCu(220)のピークの強度を結晶性の指標として用いることができ、放電レート特性との相関を見出すことができた。
【0036】
Cu(200)のピークに関して、A/Bが0.3よりも小さい場合、導電層12の結晶性が低いことによって、導電層12の電気抵抗が大きく、蓄電デバイス用電極100の内部抵抗が大きくなることによって、放電レート特性が小さくなる。
【0037】
一方、A/Bが1よりも大きい場合も放電レート特性は低下する。この理由は、現時点では、不明である。上記文献1によれば、Cu(200)のピーク強度が大きくなるにつれて無配向銅膜の電気抵抗は低下し、一定の値を維持することが示されているため、Cu(200)のピーク強度が大きくなると、一度低下した導電層12の電気抵抗が増大することは考えにくい。放電レート特性の低下は、導電層12の電気抵抗以外の要因によるものと考えられる。
【0038】
Cu(220)については、ピークが観測できる限り、つまりC/Bが0以上であれば、放電レート特性は相対的に高い。一方、C/Bが0.5を超えると放電レート特性が低下する場合がある。この理由もCu(200)のピークと同様、現時点では不明である。
【0039】
後述するように、導電層12の製造方法によらず、式(1)から(4)の関係を満たす限り、本実施形態の蓄電デバイス用電極100は優れた放電レート特性を示し得る。
【0040】
蓄電デバイス用電極100は、例えば以下の方法によって作製することができる。
【0041】
まず、上述した材料の樹脂層11を用意し、樹脂層11上に導電層12を形成する。
【0042】
導電層12の形成方法に特に制限はなく、半導体薄膜技術で用いられる種々の方法によって形成してよい。具体的には、真空蒸着、スパッタなどの蒸着法によって形成してもよいし、電解めっき、無電解めっきなどのめっき法によって形成してもよい。また、導電層12が2以上の金属膜を含む場合には、2以上の金属膜を同じ方法で形成してもよいし、異なる方法で形成してもよい。
【0043】
例えば、導電層12は、スパッタリングにより樹脂層11の表面にニッケルクロム(NiCr)のシード層を形成した後、電解めっきによりシード層上に銅膜を形成することによって形成することができる。導電層12の形成後、例えば50℃から250℃程度の温度で導電層12を熱処理してもよい。
【0044】
その後、導電層12上に活物質層20を形成する。上述した黒鉛、導電助剤およびバインダーを用意し、溶媒を加えスラリーを調整する。溶媒には、蓄電デバイスの負極合剤に用いることのできる種々の溶媒を用いることができる。形成したスラリーをドクターブレード、スクリーン印刷などによって、導電層12上に配置する。
【0045】
スラリーを乾燥させ、得られた活物質層20に圧力をかけ、活物質層20の密度の調整等を行う。これにより、蓄電デバイス用電極100を得ることができる。
【0046】
本実施形態の蓄電デバイス用電極は活物質として黒鉛を含んでいる。黒鉛がリチウムイオンの吸蔵放出に好適な材料であるという点で、本実施形態の蓄電デバイス用電極はリチウムイオン二次電池の負極として好適に用いられる。つまり、本実施形態の蓄電デバイス用電極は、種々の正極活物質を含む正極と組み合わせてリチウムイオン二次電池を実電することが可能である。また、リチウムイオン二次電池に限らず、本実施形態の蓄電デバイス用電極は、ナトリウムイオン二次電池の負極として用いてもよい。また、適切な酸化還元電位の活物質を選択すれば、本実施形態の蓄電デバイス用電極を正極として用いることも可能である。
【0047】
なお、本実施形態の蓄電デバイス用電極は、式(1)から式(4)のいずれかの関係を満たしているが、これは、X線回折法によって、式(1)から式(4)のいずれかが満たされていることが実際に確認された蓄電デバイス用電極のみが本実施形態であることを意味しない。例えば、複数回同じ条件で、本実施形態の蓄電デバイス用電極を製造することによって、式(1)から式(4)のいずれかの関係を満たすことが確認され、同じ条件で作製することによって、式(1)から式(4)のいずれかの関係を満たすことが合理的に判断される場合には、同じ条件で製造されており、X線回折法によって測定が行われなかった蓄電デバイス用電極も本実施形態の蓄電デバイス用電極である。
【0048】
また、本実施形態の蓄電デバイス用電極では、集電体10は、樹脂層11の一方の面にのみ導電層12を備えている。しかし、集電体10は、樹脂層11の、互いに反対側に位置する2つの面に導電層を備えていてもよい。また、本実施形態の蓄電デバイス用電極では、さらに、2つの導電層のそれぞれに活物質層が配置されていてもよい。
【0049】
(第2の実施形態)
本実施形態のリチウムイオン二次電池の実施形態を説明する。
【0050】
図5は、リチウムイオン二次電池200の一例を示す模式的な外観図であり、
図6は、
図5に示すリチウムイオン二次電池におけるセルを取り出して示す分解斜視図である。ここでは、リチウムイオン二次電池として、パウチ型あるいはラミネート型と呼ばれるリチウムイオン二次電池を例示する。図示するリチウムイオン二次電池は、単層型であるが、積層型であってもよい。図示する例において、セルを構成する正極、セパレータおよび負極は、図のZ方向に沿って積層されている。
【0051】
リチウムイオン二次電池200は、セル201と、セル201に接続された一対のリード250および260と、セル201を覆う外装体300と、電解質290とを備える。
【0052】
セル201は、負極110と、正極120と、負極110と正極120との間に配置されたセパレータ170とを含む。図示する例では、セル201は、一対の電極を含む単層セルである。
【0053】
負極110は、上記実施形態で説明した蓄電デバイス用電極100を用いることができる。負極110は、
図1および
図2を参照しながら説明したように集電体10と活物質層20とを含む。つまり負極110は、上記式(1)から(4)の関係を満たす。
【0054】
正極120は、集電体30と、活物質層40とを含む。集電体30は、負極の集電体10と同様、樹脂層と導電層とを含む。樹脂層は、例えば、樹脂層11と同じ材料によって構成される。導電層は例えばアルミニウムを含むアルミ膜またはアルミニウムを含む合金膜である。
【0055】
活物質層40は、活物質を含む。具体的には、活物質層40は、リチウムを含有する複合金属酸化物を含む。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn2O4)、リチウムバナジウム化合物(LiV2O5)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrからなる群より選ばれる1種類以上の元素またはバナジウム酸化物)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、一般式:LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、上記一般式中のMは、Al、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crからなる群より選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、および、一般式:LiNixCoyAlzO2(0.9<x+y+z<1.1)で表される複合金属酸化物等を挙げることができる。
【0056】
集電体10は、タブとして機能する活物質層20が設けられていない第2部分10tを含み、第2部分10tにリード250が設けられている。同様に、集電体30は、タブとして機能する、活物質層40が設けられていない第2部分30tを含み、第2部分30tにリード260が設けられている。リード250の一部およびリード260の一部は、外装体300の外側に位置している。
【0057】
外装体300の内側の空間には、電解質290がさらに配置される。電解質290は、例えば非水電解液である。電解質290に非水電解液を適用した場合、典型的には、外装体300とリード250との間、および、外装体300とリード260との間に、電解液の漏出を防止するための封止材(例えば、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、
図5において不図示)が配置される。
【0058】
リチウムイオン二次電池200は、例えば以下の方法によって製造できる。まず、上記実施形態で説明したように負極110を作製する。正極120も同様の方法によって作製する。
【0059】
その後、セパレータ170を介して活物質層同士が対向するように負極110および正極120を保持し、外装体300の空間に挿入する。電解質290を外装体300の空間に配置し外装体300を封止することによって、リチウムイオン二次電池200が完成する。
【0060】
リチウムイオン二次電池200によれば、第1の実施形態で説明したように、負極110が上記式(1)から(4)の関係のいずれかを満たしていることによって、高い放電レート特性を実現し得る。
【0061】
(実験例)
1.試料の作製
種々の条件で、蓄電デバイス用電極およびリチウムイオン二次電池を作製し、結晶性および放電レート特性を測定した結果を説明する。
【0062】
[試料1から8および試料11から17の蓄電デバイス用電極の作製]
第1の実施形態で説明した蓄電デバイス用電極として、試料1から8および試料11から17を作製した。活物質層の厚さ、導電層の厚さ、樹脂層の厚さは、表2および表3に示す通りである。試料1から8および試料11から17の蓄電デバイス用電極の導電層12の製造方法は、以下の通りである。
【0063】
[導電層12の製造方法]
表2、3に示した厚さの樹脂層にスパッタ法を用いてアルゴンガス雰囲気中で0.05μmのCuシード層を形成した。その後、下記条件で電気めっきを行い、Cuめっき層を形成した。Cuシード層はCuめっき層を形成する工程を行うことによりCuめっき層と一体化されてCu導電層となる。
試料1:めっき電流密度:1.5A/dm2、めっき時間:60秒
試料2:めっき電流密度:2.0A/dm2、めっき時間:45秒
試料3:めっき電流密度:2.5A/dm2、めっき時間:35秒
試料4:めっき電流密度:3.0A/dm2、めっき時間:30秒
試料5:めっき電流密度:3.5A/dm2、めっき時間:50秒
試料6:めっき電流密度:4.0A/dm2、めっき時間:35秒
試料7:めっき電流密度:4.5A/dm2、めっき時間:45秒
試料8:めっき電流密度:5.0A/dm2、めっき時間:40秒
試料11:めっき電流密度:2.0A/dm2、めっき時間:45秒
試料12:めっき電流密度:2.5A/dm2、めっき時間:35秒
試料13:めっき電流密度:3.0A/dm2、めっき時間:30秒
試料14:めっき電流密度:3.5A/dm2、めっき時間:50秒
試料15:めっき電流密度:4.0A/dm2、めっき時間:35秒
試料16:めっき電流密度:4.5A/dm2、めっき時間:20秒
試料17:めっき電流密度:5.0A/dm2、めっき時間:40秒
【0064】
【0065】
【0066】
[試料1から8および試料11から17のリチウムイオン電池の作製]
試料1から8および試料11から17の蓄電デバイス用電極を用いて第2の実施形態で説明したようにリチウムイオン二次電池を作製した。正極活物質には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた。
【0067】
2. 測定
[レート特性の測定]
試料1から8および試料11から17のリチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、まず、充電レート0.2C(25℃で定電流充電を行ったときに5時間で充電終了となる電流値)の定電流充電で、電池電圧が4.2Vとなるまで充電を行った。その後、放電レート0.2Cの定電流放電で、電池電圧が2.8Vとなるまで放電を行い、初回放電容量C1を求めた。
【0068】
続いて、充電レート0.2C(25℃で定電流充電を行ったときに5時間で充電終了となる電流値)の定電流充電で、電池電圧が4.2Vとなるまで充電を行った。放電レート5C(25℃で定電流充電を行ったときに0.2時間で充電終了となる電流値)の定電流放電で、電池電圧が2.8Vとなるまで放電を行い、5C放電容量C5を求めた。
【0069】
初回放電容量C1および5C放電容量C5から、下式に従い、5Cレート特性を求めた。
5Cレート特性[%]=C5/C1×100
【0070】
試料1から7については、試料8の5Cレート特性を100とした時の5Cレート特性を容量維持率として求めた。試料11から16については、試料17の5Cレート特性を100とした時の5Cレート特性を容量維持率として計算した。結果を表2、3に示す。
【0071】
[X線回折法による測定]
レート特性を測定した試料1から8および試料11から17のリチウムイオン二次電池を放電電圧まで放電した後に分解し、負極である試料1から8および試料11から17の蓄電デバイス用電極を取り出した。取り出した蓄電デバイス用電極をDMC(ジメチルカーボネート)で洗浄、乾燥させた後、試料1から8および試料11から17の蓄電デバイス用電極の導電層の結晶性を、X線回折法を用いて測定した。
【0072】
測定に使用した装置および測定条件は以下の通りである。
装置名:Rigaku UltimaIV
加速電圧:40kV
電流:40mA
スキャンスピード:4deg./min.
サンプリング幅:0.02deg.
【0073】
得られたX線回折チャートから各試料について、C(004)、Cu(200)、Cu(220)のピークを特定し、Cu(200)のピーク強度A、C(004)のピーク強度BおよびCu(220)のピーク強度Cを求め、A/B、C/Bの値をそれぞれ計算した。表2および表3にピーク強度A、B、C、A/BおよびC/Bの値を示す。
【0074】
3. 結果および考察
試料1から8および試料11から17について、A/Bと放電レート特性の容量維持率との関係を
図7に示す。同様に、試料1から8および試料11から17について、C/Bと放電レート特性の容量維持率との関係を
図7に示す。
図7および
図8において、丸は試料1から8のデータ示し、三角は試料11から17のデータ示す。
【0075】
試料1から8および試料11から17の結果から、導電層をめっきによって形成する場合、電流密度を異ならせることによって導電層の結晶性が変化していることが分かる。
【0076】
図7から、A/Bの値が0から大きくなるにつれて放電レート特性は向上し、A/Bが1程度以上になると放電レート特性が低下していることが分かる。上記文献1などにCu(200)のピーク強度が大きくなるにつれて銅膜の電気抵抗が低下することが教示されており、
図7の結果は、A/Bが1程度までの間は、導電層の結晶性が高くなり、導電層の電気抵抗が低下することによってリチウムイオン二次電池の内部抵抗が低下し、放電レート特性が向上すると考えられる。
【0077】
一方、A/Bの値が1程度より大きくなると、放電レート特性は低下している。実施形態で説明したように、この理由は現時点では不明である。
【0078】
また、試料1から7の放電レート特性は、試料11から16の放電レート特性より全体として大きくなっている。しかし、A/Bに対する放電レート特性との変化の傾向は概ね同程度である。
図7より、A/Bが0.3以上1.0以下であれば概ね良好な放電レート特性が得られることが期待でき、A/Bが0.4以上1.0以下であればより良好な放電レート特性が期待できると考えられる。
【0079】
本実験例では、2.0A/dm2以上4.5A/dm2以下の電流密度で導電層をめっきによって形成することによって、A/Bが0.3以上1.0以下となり、2.5A/dm2以上4.0A/dm2以下の電流密度で導電層をめっきによって形成することによって、A/Bが0.4以上1.0以下となった。
【0080】
図8から、試料1から8については、C/Bの値が0から大きくなるにつれて放電レート特性は向上し、C/Bが0.5程度以上になると放電レート特性が低下していることが分かる。A/Cと同様、C/Bが0から0.5程度までは、導電層の結晶性が高くなり、導電層の電気抵抗が低下することによってリチウムイオン二次電池の内部抵抗が低下し、放電レート特性が向上すると考えられる。また、C/Bの値が0.5程度より大きくなると、放電レート特性が低下する理由は現時点では不明である。
【0081】
一方、試料11から17については、C/Bの値が0から大きくなるにつれて放電レート特性は向上し、C/Bが0.3程度以上になると放電レート特性が低下していることが分かる。試料11から17については、C/Bが0.3程度以上になると放電レート特性が低下しているが、理由は現時点では不明である。
【0082】
図8より、C/Bが0.0以上0.5以下であれば概ね良好な放電レート特性が得られることが期待でき、C/Bが0.03以上0.32以下であればより良好な放電レート特性が期待できると考えられる。
【0083】
本実験例では、4.5A/dm2以下の電流密度で導電層をめっきによって形成することによって、C/Bが0.0以上0.5以下となり、2.5A/dm2以上4.0A/dm2以下の電流密度で導電層をめっきによって形成することによって、C/Bが0.03以上0.32以下となった。
【0084】
なお、本実施例では、電流密度を異ならせることによって導電層の結晶性を変化させているが、上述した文献1に示されるように、熱処理によって導電層の結晶性および電気抵抗を変化させることも可能と考えられる。つまりA/BおよびC/Bの値と放電レート特性との関係は、導電層の特定の製造方法に限られないと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示の実施形態による蓄電デバイス用電極は、各種電子機器、電動機等の電源に有用である。本開示の実施形態による蓄電デバイスは、例えば、自転車および乗用車等に代表される車両用の電源、スマートフォン等に代表される通信機器用の電源、各種センサー用の電源、無人機(Unmanned eXtended Vehicle(UxV))の動力用電源に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 集電体
10t 第2領域
11 樹脂層
12 導電層
20 活物質層
20s 第1部分
20t、30t 第2部分
30 集電体
40 活物質層
100 蓄電デバイス用電極
110 負極
120 正極
170 セパレータ
200 リチウムイオン二次電池
201 セル
250 リード
260 リード
290 電解質
300 外装体