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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】パージ装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230711BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20230711BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 T
B65G1/00 521D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023502157
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 JP2022001117
(87)【国際公開番号】W WO2022181103
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2021027622
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖久
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/239672(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0168488(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0360531(US,A1)
【文献】特開2010-182747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パージ対象の容器を支持する位置決めピンが取り付けられる基台と、前記位置決めピンに支持された前記容器のガス注入口に接続されるノズルとを備えたパージ装置であって、
前記位置決めピンを介して前記基台上に取り付けられる本体部と、前記本体部に連結されると共に前記ノズルが設けられたガス導入部と、を有するノズルユニットを備えた、パージ装置。
【請求項2】
前記本体部は、前記位置決めピンに支持された前記容器の底面と前記基台との間に配置される平板部材を含む、請求項1に記載のパージ装置。
【請求項3】
前記ガス導入部は前記本体部に一体化されており、前記ノズルは前記位置決めピンに対して所定の位置に配置されて固定されている、請求項1又は2に記載のパージ装置。
【請求項4】
前記ガス導入部は、前記ノズルの下側に配置されて前記ノズルを支持する弾性部材を含み、前記ノズルは前記弾性部材によって上方に付勢されると共に上下動自在である、請求項1又は2に記載のパージ装置。
【請求項5】
前記ガス導入部は、水平に配置された回動軸を介して前記本体部に連結されると共に前記本体部に対して回動可能な回動アームを含み、前記回動アームは、前記回動軸が設けられた第1端と第1端とは反対側の第2端とを含み、
前記ノズルは前記第2端に設けられている、請求項4に記載のパージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器を保管するための保管棚等の容器載置台に取り付けられ、容器に対してパージガスを供給するパージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井に設置されたレールに沿って走行するビークル(走行車)から、容器を受け取って保管する保管装置(保管棚)が知られている。特許文献1に記載された保管装置には、容器の内部にパージガスを供給するパージアセンブリが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2015-533026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の保管装置において、保管棚には、容器の内部に連通するように構成された供給ノズル及び排出ノズルが具備される。上記特許文献には記載されていないが、保管棚に容器が載置される際には、容器の位置決めが必要である。容器の位置決めがなされることにより、供給ノズルが容器のガス注入口に接続され得る。したがって、天井走行車による搬送システムにおいてパージ装置が設置される場合には、容器が所望に位置決めされて供給ノズルが確実に接続されるよう、天井走行車に対するティーチングが必要となる。
【0005】
本開示は、天井走行車等の搬送装置におけるティーチングの手間を軽減することができるパージ装置を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、パージ対象の容器を支持する位置決めピンが取り付けられる基台と、位置決めピンに支持された容器のガス注入口に接続されるノズルとを備えたパージ装置である。パージ装置は、位置決めピンを介して基台上に取り付けられる本体部と、本体部に連結されると共にノズルが設けられたガス導入部と、を有するノズルユニットを備える。
【0007】
このパージ装置によれば、本体部が位置決めピンによって基台上に取り付けられ、またこの位置決めピンによって容器が位置決めされ、支持される。ガス導入部は本体部に連結されており、位置決めピンに対するノズルの平面的な位置が、容器の底面の各部の位置に適合するように設定されている。これにより、容器のガス注入口にガス導入部のノズルが接続され、ノズルを通じて、パージガスが容器内に供給される。天井走行車等の搬送装置においては、位置決めピンについてのティーチングが行われる。いったんティーチングが行われれば、その後にノズル交換等のためにノズルユニットを取り替えた場合でも、位置決めピンの位置は変化しない。したがって、再度のティーチングが不要である。よって、天井走行車等の搬送装置におけるティーチングの手間を軽減することができる。この効果は、ノズルユニットの取り替え時以外であっても発揮され得る。例えば、パージ機能を有しない保管棚に対してパージ機能を付加する場合でも、上記と同様の効果が発揮される。ノズルユニットを取り付ける際には、本体部が位置決めピンを介して基台上に取り付けられるので、パージ機能を付加する前後において、位置決めピンの位置は変化しない。したがって、再度のティーチングが不要である。
【0008】
本体部は、位置決めピンに支持された容器の底面と基台との間に配置される平板部材を含んでもよい。この構成によれば、容器の底面と基台との間に存在する空間(隙間)を活用して、本体部を配置することができる。
【0009】
ガス導入部は本体部に一体化されており、ノズルは位置決めピンに対して所定の位置に配置されて固定されていてもよい。この構成によれば、本体部を基台に取り付けるだけで、ノズルユニットの設置が完了する。ノズルユニットを容易に設置でき、ノズルユニットの構成も簡易である。
【0010】
ガス導入部は、ノズルの下側に配置されてノズルを支持する弾性部材を含み、ノズルは弾性部材によって上方に付勢されると共に上下動自在であってもよい。この構成によれば、容器が位置決めピン上に載る前には、ノズルは弾性部材に付勢されて、やや上方の初期位置に位置する。容器が位置決めピン上に載ったとき、ノズルは下方に押し下げられ、ガス注入口に密着する。よって、ノズルの高さ方向の位置の調整を不要にすることができる。
【0011】
ガス導入部は、水平に配置された回動軸を介して本体部に連結されると共に本体部に対して回動可能な回動アームを含んでもよい。回動アームは、回動軸が設けられた第1端と第1端とは反対側の第2端とを含み、ノズルは第2端に設けられていてもよい。この構成によれば、回動軸からノズルまでの距離は、回動アームの長さに相当する。ノズルには、パージガスを流通させるための配管が接続される。回動軸からノズルまでの距離を長くすることにより、回動アームの回動(すなわちノズルの上下動)に伴う配管への影響を低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、天井走行車等の搬送装置におけるティーチングの手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、パージ装置が設けられた保管棚の全体構成を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るパージ装置及び保管棚と、天井走行車とを示す斜視図である。
図3図3は、図2中のパージ装置及び保管棚を示す平面図である。
図4図4(a)は第1実施形態に係るノズルユニットの平面図、図4(b)は図4(a)のIVB-IVB線に沿って切断した断面図である。
図5図5は、パージ機能を付加する前の保管棚の構成を示す断面図である。
図6図6は、パージ機能を付加した後の保管棚の構成を示す断面図である。
図7図7は、保管棚における、図1中のガス制御装置の配置を示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係るパージ装置及び保管棚を示す平面図である。
図9図9(a)は第2実施形態に係るノズルユニットの平面図、図9(b)は図9(a)のIXB-IXB線に沿って切断した断面図である。
図10図10は、第2実施形態に係るノズルユニットを取り付けた後の保管棚の構成を示す断面図である。
図11図11は、図9(a)中の回動アームの第2端を示す平面図である。
図12図12(a)は、回動アームの第2端の初期位置を示す断面図であり、図12(b)は、回動アームの第2端の作動位置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。「X方向」、「Y方向」及び「Z方向」の語は、図示する方向に基づいており便宜的なものである。
【0015】
図1及び図2に示されるように、保管棚1は、例えば、半導体製造工場の半導体搬送システムSを構成する天井走行車3の軌道5に沿って配置される。保管棚1は、FOUP又はレチクルポッド等の容器Fを一時的に保管する。保管棚1は、オーバーヘッドバッファ(OHB)である。保管棚1は、軌道5の側方に配置されたサイドトラックバッファ(STB)であってもよい。保管棚1は、容器Fの内部を窒素等のパージガス(流体)でパージするように構成されている。
【0016】
以下の説明では、一例として、パージ機能を有しない既設の保管棚1B(図5参照)に対してパージ機能を付加する例について説明する。パージ機能を有しない保管棚1Bに、本実施形態のパージ装置20が取り付けられる。なお、パージ装置20は、保管棚1Bへのパージ機能の付加のために用いられる以外にも、保管棚1あるいはロードポート等に適用され得る。例えば、保管棚1を新設する際に、保管棚1にパージ装置20が設けられてもよい。別のパージ装置が設けられた保管棚に対して、パージ装置20が取り付けられてもよい。
【0017】
図1に示されるように、半導体搬送システムSは、天井100から吊り下げられた複数の保管棚1と、保管棚1に対して電力供給配線6を介して電力を供給する分電盤2と、工場内の酸素濃度を監視する監視スタンド4と、天井100に敷設されて各保管棚1にパージガスを供給するガス供給配管8とを備えている。ガス供給配管8には、所望の圧力に調整されたパージガスが供給される。分電盤2と監視スタンド4は、例えば床9上に設置される。分電盤2には、緊急時等に保管棚1に対するパージガスの供給を停止するための緊急停止ボタン2aが設けられてもよい。また監視スタンド4には、酸素濃度センサ4aが設けられている。監視スタンド4には、酸素濃度低下時等にパージガスの供給を停止するための緊急停止ボタン4bが設けられてもよい。
【0018】
図1及び図2に示されるように、各保管棚1は、例えば天井100から吊り下げられた2つのベースフレーム10,10と、2つのベースフレーム10,10に架け渡された2本のビーム材14A,14Bとを備える。各ベースフレーム10は、天井100から吊り下げられて鉛直方向であるZ方向に延在する例えば2本の吊部11と、吊部11の下端に架け渡されて、水平方向であるY方向に延在する1本の支持部12とを有する。ビーム材14A,14Bは、例えば、X方向に離間する2本の支持部12,12の下面に取り付けられることで、2つのベースフレーム10,10に架け渡されている。
【0019】
ビーム材14A,14Bは、例えば、C字状の断面を有する溝形鋼からなる部材である。ビーム材14A,14Bの構成は特に限定されず、L字状の断面を有する山形鋼であってもよい。ビーム材14A,14Bは、水平方向であるX方向に平行に延びており、Y方向において離間している。ビーム材14A,14Bは、天井走行車3の位置に適合する等しい高さに配置される。
【0020】
各保管棚1において、ビーム材14A,14B上には、平板状の基台15が取り付けられている。基台15は、例えば、平面視において容器Fの底面Fa(図5及び図6参照)と略同じか、又は底面Faよりも多少小さな大きさを有する矩形の板部材である。なお、基台15は、X方向において底面Faより大きく(長く)てもよく、Y方向において底面Faより小さく(短く)てもよい(図3参照)。基台15は、例えば水平に延在する。基台15はテーブルとも呼ばれる。基台15には、容器Fの位置決めを行うための3本の位置決めピン30が取り付けられている。例えば、2本の位置決めピン30がビーム材14A上に位置し、1本の位置決めピン30がビーム材14B上に位置する。3本の位置決めピン30は、三角形の頂点に対応する位置に配置され、基台15上に突出するように設けられている。3本の位置決めピン30は、Z方向に突出する。3本の位置決めピン30は、パージ対象の容器Fを支持する。位置決めピン30は、キネマティックピンとも呼ばれる。
【0021】
ビーム材14A,14B、基台15及び位置決めピン30は、容器Fが載置される複数の(図1,2では4つの)載置部7を構成している。容器Fの底面Faには、例えば、位置決めピン30を受け入れる窪み部51(図6参照)が設けられている。位置決めピン30は、定められた規格に従った直径を有する円筒状を呈しており、基台15に垂直に立設されている。窪み部51は、位置決めピン30の直径よりも僅かに大きな幅を有する溝部である。容器Fは、これらの位置合わせ機構によって、保管棚1の載置面7a上の所定位置に載置される。載置部7は、載置部7上に容器Fを水平に載置できるように構成されている。具体的には、容器Fの底面Faにおいて同じ高さ位置、同じ深さ、及び同じ形状に形成された3つの窪み部51に対し、同じ高さ位置に設定された3本の位置決めピン30が入り、各位置決めピン30が窪み部51の底壁面(上端に形成された壁面)付近に当接する。これにより、容器Fが水平な姿勢をもって3本の位置決めピン30により支持される。
【0022】
上記した載置部7に係る構成、すなわちビーム材14A,14B、基台15及び位置決めピン30は、本実施形態の保管棚1が備える構成でもあるが、図5に示される保管棚1Bが備える構成でもある。すなわち、ビーム材14A,14B、基台15及び位置決めピン30は、パージ機能を付加する前後において、共通している構成である。図5に示されるように、保管棚1Bでは、基台15に形成された3つの取付孔15aの上に位置決めピン30の根元部30aを位置させた状態で、ねじ31によって位置決めピン30が締結・固定されている。位置決めピン30に支持された容器Fの底面Faと基台15との間には、例えばZ方向において5mm~20mm程度の一定の幅(高さ)を有する隙間Gが存在する。本実施形態のパージ装置20は、例えば、この隙間Gを活用して取り付けられる。
【0023】
続いて、図1図2図3図4及び図6を参照して、本実施形態のパージ装置20を備える保管棚1について詳細に説明する。図2に示されるように、1つの保管棚1に、4台のパージ装置20が取り付けられている。図1図2図3及び図4に示されるように、各パージ装置20は、上記した基台15と、基台15に取り付けられたノズルユニット22と、ガス供給配管8から分岐してノズルユニット22に接続されたガス分配配管8aと、ガス分配配管8aの分岐部に設けられたガス制御装置21とを備える。なお、図2では、ノズルユニット22は、その形状が簡略化して図示されている。
【0024】
図1に示されるように、例えば、1つの保管棚1に対して1本のガス供給配管8が敷設され、1本のガス供給配管8から、4つの載置部7(パージ装置20)に対応する4本のガス分配配管8aが分岐している。ガス制御装置21は、直方体状の筐体を有しており、保管棚1の適宜の位置に取り付けられる。ガス制御装置21は、流量コントローラ、制御基板、レギュレータ、及び電磁バルブ等(いずれも図示せず)を有する。1台のガス制御装置21が、4つのノズルユニット22を受け持つ。ガス制御装置21は、後述する着座センサ29からの信号を受け取り、保管棚1の各載置部7における容器Fの存在及び不在を検出する。ガス制御装置21は、保管棚1における1つ又は複数の容器Fの保管状態に応じて、パージガスの供給を必要とする載置部7(容器F)に対してパージガスを供給するガス供給制御を行う。
【0025】
図3及び図4に示されるように、ノズルユニット22は、基台15上に取り付けられる本体部24と、本体部24のX方向の第1端部24aに連結されたガス導入部32とを有する。本体部24には、2本の位置決めピン30A,30Aと、着座センサ29とが設けられる。位置決めピン30A,30Aは、上記した位置決めピン30の一種である。位置決めピン30A,30Aは、例えば、パージ装置20に適合するよう、専用に設計されており、図5に示される保管棚1Bの位置決めピン30と等しい大きさを有し、同じ位置に配置されている。位置決めピン30A,30Aは、ノズルユニット22を取り付けるための固定具としても用いられる。「位置決めピンの大きさ」とは、窪み部51に入る円筒状の頭部(先端部)の直径を含む意味である。「位置決めピンの位置」とは、高さ位置のみならず、空間的な位置(XYZ三次元空間における座標)をも含む意味である。図2に示されるように、保管棚1は、ビーム材14B上に位置する1本の位置決めピン30(保管棚1Bの位置決めピン30)と、ビーム材14A上に位置し、パージ装置20の設置に伴って取り付けられる2本の位置決めピン30A,30Aとを備える。
【0026】
図3に示されるように、容器Fが保管された状態において、容器Fの蓋Fbはビーム材14Aに近接する。すなわち、2本の位置決めピン30A,30Aは、Y方向において、容器Fの蓋Fb側に配置されている。
【0027】
本体部24は、位置決めピン30及び位置決めピン30A,30Aに支持された容器Fの底面Faと基台15との間に配置される平板部材を含む。本体部24は、例えば、隙間G(図5参照)内に収まるよう、隙間Gの高さよりも小さな厚みを有する。本体部24は、例えば、一定の厚みを有してもよい。X方向に延びる長尺な本体部24の第1端部24aには、着座センサ29が設けられている。着座センサ29は一方の位置決めピン30Aに近接する位置に配置されている。図3に示されるように、着座センサ29は、容器Fの位置を基準として、一方の位置決めピン30Aよりも底面Faの中央側(蓋Fbから遠い側)に設けられている。
【0028】
ノズルユニット22において、ガス導入部32は本体部24に一体化されている。例えば、ガス導入部32は平板部材を含む。ガス導入部32は、本体部24と一体化されている。ガス導入部32の厚みは、例えば本体部24の厚みに等しい。本体部24及びガス導入部32は、基台15上に載置されたとき、水平に延在する。本体部24の第1端部24aにガス導入部32が取り付けられ、固定されてもよいし、本体部24とガス導入部32とが元から一体の板部材であってもよい。図4(b)に示されるように、ガス導入部32の上面32cは、本体部24の上面24cと面一である。本体部24とガス導入部32を形成するための部材に関しては、本体部24及びガス導入部32が隙間Gの範囲に配置されることを考慮して、適宜に設計されてよい。
【0029】
図3及び図4(a)に示されるように、ガス導入部32には、ノズル28と、ガス接続口33とが設けられる。具体的には、Y方向に延びるガス導入部32の端部32aがビーム材14Aの外側(すなわち基台15の外側)に突出しており、この端部32aの下面に、ガス接続口33が形成されている。ガス導入部32には、上面32cから僅かに突出するよう、扁平なノズル28が取り付けられている。ノズル28の表面は水平に延在する。ガス導入部32内には、ガス接続口33とノズル28とを接続してパージガスを流通させるガス導入路34が形成されている。ガス導入路34は、例えば、ガス導入部32を2部材から構成し、各部材に設けた溝を合わせることで形成されてもよい。ガス導入路34は、例えばY方向に延在する。図4(b)に示されるように、ガス接続口33にはガス分配配管8aが接続される。
【0030】
なお、保管棚1のパージ装置20では実際には用いられないが、本体部24の第2端部24bには、パージガスを排出するための排出ノズル35が設けられている。容器Fの底面Faにパージガスの排出口が設けられる場合に、当該排出口が、排出ノズル35に接続される。排出口及び排出ノズル35が接続されることにより、ガスのサンプリング又はガス流量の測定等が行われてもよい。
【0031】
ノズルユニット22において、ノズル28(及び排出ノズル35)は、2本の位置決めピン30A,30Aに対して所定の位置に配置されて固定されている。ノズル28(及び排出ノズル35)の空間的な位置(XYZ三次元空間における座標)は、2本の位置決めピン30A,30Aに対して、厳密に設定されている。ノズルユニット22の取付けに用いられる2本の位置決めピン30A,30A、ノズルユニット22の外部に配置された1本の位置決めピン30、及びノズル28の位置は、容器Fの底面Faの各部(3つの窪み部51及び1つのガス注入口52)に適合するように定められている。1本の位置決めピン30及び2本の位置決めピン30A,30Aの各頭部(先端部)は、窪み部51のそれぞれに入ることができる大きさを有する。
【0032】
図6に示されるように、本体部24には、基台15の2つの取付孔15aに重なる位置に、2つのピン挿入孔24dが形成されている。ノズルユニット22が基台15上に載置され、2つの取付孔15aのそれぞれにピン挿入孔24dが重なった状態で、位置決めピン30Aの根元部30fが挿入され、ねじ31fによって位置決めピン30Aが締結・固定されている。位置決めピン30Aの根元部30fは、円筒状をなしており、上記した頭部と同心状に形成されている。位置決めピン30Aの根元部30fの直径は、例えば、頭部の直径よりも小さい(図4(b)も参照)。ピン挿入孔24dに位置決めピン30Aの根元部30fが挿入されることができるように、ピン挿入孔24dの直径が設定されている。ねじ31fは、基台15に対して本体部24を固定する。ねじ31fは、位置決めピン30を固定するためのねじ31と共通化されてもよいが、ねじ31とは異なる専用の部材であってもよい。位置決めピン30Aのねじ31fが、位置決めピン30の根元部30aよりも細くてもよい。図6に示される2本の位置決めピン30A,30Aの中心軸線の位置及び高さ位置は、図5に示される(パージ機能付加前の)2本の位置決めピン30,30の中心軸線の位置及び高さ位置に等しい。すなわち、3本の位置決めピン30の位置(軸線)及び配置に関しては、パージ機能の付加前後においても不変である。基台15に形成された3つの取付孔15aの位置が、3本の位置決めピン30の位置(軸線)を規定する。したがって、図5に示された、3本の位置決めピン30によって支持された容器Fの位置と、図6に示された、1本の位置決めピン30及び2本の位置決めピン30A,30Aによって支持された容器Fの位置とは、同一である(不変である)。なお、図6において、1本の位置決めピン30は、本体部24よりも紙面手前側に位置する。
【0033】
パージ装置20では、2本の位置決めピン30A,30Aを介して、本体部24が基台15上に取り付けられる。図5に示された2つの取付孔15aが、ノズルユニット22の取付けの際にも利用されることで、2本の位置決めピン30A,30Aの位置が不変とされている。更に、ノズルユニット22では、2本の位置決めピン30A,30Aに対するノズル28の位置決めもなされている。図6に示された状態で、パージ装置20のノズル28は、位置決めピン30に支持された容器Fにパージガスを供給できるように、容器Fの底面に形成されたガス注入口52に密着し、ガス注入口52に接続される。
【0034】
次に、図7を参照して、ガス制御装置21の配置について説明する。図7に示されるように、保管棚1が軌道5の下方に配置された保管棚40(アンダートラックバッファ;UTB)を備える場合、ガス制御装置21は、保管棚40と保管棚1との間に形成された段差部に収納されてもよい。この場合、保管棚40と保管棚1との間のスペースを有効活用でき、またガス分配配管8aとガス接続口33との接続も容易である。ガス制御装置21は、例えば、吊部11(柱)の溝を利用して設置され得る。なお、図7において仮想線で示されるように、ガス制御装置21が、保管棚1の上方(載置部7と天井100との間)に設置されてもよい。
【0035】
続いて、パージ機能を有しない保管棚1Bにパージ機能を付加する改造方法について説明する。まず、図5に示される保管棚1Bに対し、ビーム材14Aに近接する(すなわち容器Fの蓋Fb側に配置された)2本の位置決めピン30,30(既設の位置決めピン)を取り外す。次に、ノズルユニット22を基台15上に置く。基台15の取付孔15aに本体部24のピン挿入孔24dが重なった状態で、位置決めピン30Aの根元部30fをピン挿入孔24d及び取付孔15aに挿入し、ねじ31fによって位置決めピン30Aを締結・固定する。これにより、ノズルユニット22が基台15に固定される。続いて、ガス分配配管8aをガス導入部32のガス接続口33に接続する。ガス分配配管8aは基台15よりもY方向の外側に配置されており、ガス接続口33は基台15の外側に位置する。よって、ガス分配配管8aを支障なく敷設・接続することができる。基台15の改造も不要である。
【0036】
パージ装置20によれば、本体部24が基台15上に取り付けられ、位置決めピン30,30A,及び30Aによって容器Fが位置決めされ、支持される。ガス導入部32は本体部24に連結されており、位置決めピン30A,30Aに対するノズル28の平面的な位置(XY平面における位置)が、容器Fの底面Faのガス注入口52等の位置に適合するように設定されている。これにより、容器Fのガス注入口52にガス導入部32のノズル28が接続され、ノズル28を通じて、パージガスが容器F内に供給される。天井走行車3に対しては、位置決めピン30,30A,及び30Aについてのティーチングが行われる。いったんティーチングが行われれば、その後にノズル交換等のためにノズルユニット22を取り替えた場合でも、基台15を利用することで、位置決めピン30,30A,及び30Aの位置は変化しない。よって、再度のティーチングが不要である。これにより、天井走行車3に対するティーチングの手間を軽減することができる。この効果は、ノズルユニット22の取り替え時以外であっても発揮され得る。上述のとおり、パージ機能を有しない保管棚1Bに対してパージ機能を付加する場合でも、同様の効果が発揮される。ノズルユニット22を取り付ける際には、本体部24が位置決めピン30A,30Aを介して基台15上に取り付けられるので、パージ機能を付加する前後において、位置決めピン30A,30Aの位置は変化しない。したがって、パージ装置20を後付けした際における再度のティーチングが不要である。
【0037】
本体部24は、位置決めピン30,30A,及び30Aに支持された容器Fの底面Faと基台15との間の隙間Gに配置される平板部材を含む。容器Fの底面Faと基台15との間に存在する空間(隙間G)を利用して、本体部24を配置することができる。
【0038】
ガス導入部32は本体部24に一体化されており、ノズル28は位置決めピン30A,30Aに対して所定の位置に配置されて固定されている。本体部24を基台15に取り付けるだけで、ノズルユニット22の設置が完了する。ノズルユニット22を容易に設置でき、ノズルユニット22の構成も簡易である。
【0039】
続いて、図8図12を参照して、第2実施形態に係るパージ装置20Cについて説明する。パージ装置20Cが取り付けられた保管棚1Cが上記実施形態の保管棚1と違う点は、パージ装置20のノズルユニット22とは異なる構成を備えたノズルユニット22Cが設けられた点である。ノズルユニット22Cは、本体部24Cと、ガス導入部26C(図9(a)参照)とを有する。図10に示される、保管棚1Cに保管された容器Fは、図6に示される、保管棚1に保管された容器Fと同じ位置及び姿勢である。すなわち、パージ装置20Cにおいても、本体部24Cが備える位置決めピン30A,30Aの構成はパージ装置20の本体部24と同一である。
【0040】
図8及び図9(a)に示されるように、パージ装置20Cは、位置決めピン30A,30Aを介して基台15上に取り付けられる本体部24Cと、本体部24Cに連結されると共にノズル28が設けられたガス導入部26Cとを有する。本体部24Cは、位置決めピン30及び位置決めピン30A,30Aに支持された容器Fの底面Faと基台15との間に配置される平板部材を含む。
【0041】
ノズルユニット22Cでは、ノズルユニット22と同様、本体部24Cは、位置決めピン30A,30Aを用いて基台15に固定される。一方、ガス導入部26Cは、本体部24Cとは別体である。
【0042】
ガス導入部26Cは、Y方向に(水平に)配置された回動軸41を介して本体部24Cに連結された回動アーム42を含む。回動アーム42は、例えば、X方向に延びる長尺な平板部材である。回動アーム42の厚みは、例えば本体部24Cの厚みに等しい。本体部24のX方向の第1端24eには、回動軸41が設けられており、回動アーム42は、回動軸41を中心として回動(揺動)可能である。より詳細には、本体部24Cは、第1端24eに形成されたY方向に延びる軸孔24kを有しており、軸孔24kに回動軸41が挿通されている。回動軸41の一端には、本体部24Cと回動アーム42とがX方向に平行に延在するよう、回動アーム42の第1端42e(基端部)が固定されている。すなわち、回動軸41は、回動アーム42の第1端42eに設けられている。回動軸41は、両端に設けられて軸孔24k内に挿入されたブッシュ43,43によって支持されており、軸孔24k内で回転自在である。上記構成により、回動アーム42は、本体部24Cに対して回動可能に連結されている。回動軸41、軸孔24k及びブッシュ43,43は、ピボット部を構成する。なお、回動アーム42を本体部24Cに回動可能に連結する構成(ピボット部の構成)については、上記に限られず、他の種々の構成が採用されてもよい。
【0043】
ノズルユニット22Cでは、本体部24Cの第1端24e寄り(回動軸41に近い領域)に、着座センサ29が設けられている。着座センサ29は一方の位置決めピン30Aに近接する位置に配置されている。図8に示されるように、着座センサ29は、容器Fの位置を基準として、一方の位置決めピン30Aよりも底面Faの中央側(蓋Fbから遠い側)に設けられている。
【0044】
図9(a)及び図9(b)に示されるように、ガス導入部26Cには、ノズル28と、ガス接続口33とが設けられる。回動アーム42の第1端42eの下面には、ガス接続口33が形成されている。ガス接続口33に、ガス分配配管8aが接続される。具体的には、回動アーム42の第1端42eは、Y方向に延びてビーム材14Aの外側(すなわち基台15の外側)に突出しており(図8参照)、その突出部42hの下面に、ガス接続口33が形成されている。回動アーム42の第1端42eとは反対側の第2端42fは、本体部24Cの第2端24fよりもX方向に突出している。この第2端42fに、扁平なノズル28が取り付けられている。回動アーム42内には、ガス接続口33とノズル28とを接続してパージガスを流通させるガス導入路44が形成されている。ガス導入路44は、例えば、回動アーム42をZ方向に2枚重ねることにより構成し、各回動アーム42に設けた溝を組み合わせることで形成されてもよい。ガス導入路44は、例えば、回動アーム42の全長に相当する長さを有しており、X方向に延在する。
【0045】
図11及び図12(a)に示されるように、ノズル28の下方であってノズル28と基台15との間には、Z方向に延びる軸線の周りにブッシュ46及びスプリング(弾性部材)47が配置されている。ブッシュ46の上部は、第2端42f内でZ方向に形成された円柱状のブッシュ収容孔49に収容されており、ブッシュ46の下部は、Z方向に形成された円柱状のブッシュ挿通孔48に挿通されている。ブッシュ46内にスプリング47が嵌め込まれている。ブッシュ46はスプリング47を保持する。スプリング47の下端がブッシュ46に当接し、スプリング47の上端がノズル28の裏面側に当接する。スプリング47はノズル28を支持する。ノズル28は、スプリング47によって上方に付勢されている。回動アーム42が回動軸41を中心に回動可能であるため、ノズル28は、スプリング47に支持された状態で上下動自在である。ノズル28の可動範囲は、例えば数mm程度である。
【0046】
ノズルユニット22Cにおいても、ノズル28は、2本の位置決めピン30A,30Aに対して所定の位置に配置されている。ノズル28は上下動自在であるので、ノズル28のZ方向の位置(高さ)は可変であるが、スプリング47に支持された状態(回動アーム42の第2端42fがスプリング47に載った状態)では、ノズル28のX方向及びY方向の位置は、2本の位置決めピン30A,30Aに対して、所望の位置に設定されている。ノズルユニット22Cの取付けに用いられる2本の位置決めピン30A,30A、ノズルユニット22の外部に配置された1本の位置決めピン30、及びノズル28の位置は、容器Fの底面Faの各部(3つの窪み部51及び1つのガス注入口52)に適合するように定められている。
【0047】
続いて、パージ機能を有しない保管棚1Bにパージ機能を付加する改造方法について説明する。まず、図5に示される保管棚1Bに対し、ビーム材14Aに近接する(すなわち容器Fの蓋Fb側に配置された)2本の位置決めピン30,30(既設の位置決めピン)を取り外す。次に、ノズルユニット22Cを基台15上に置く。基台15の取付孔15aに本体部24Cのピン挿入孔24dが重なった状態で、位置決めピン30Aの根元部30fをピン挿入孔24d及び取付孔15aに挿入し、ねじ31fによって位置決めピン30Aを締結・固定する。さらに、回動アーム42は、第2端42fが基台15上のスプリング47に載った姿勢で、基台15上に載置される。これにより、ノズルユニット22が基台15に固定される。続いて、ガス分配配管8aをガス導入部32のガス接続口33に接続する。ガス分配配管8aは基台15よりもY方向の外側に配置されており、ガス接続口33は基台15の外側に位置する。よって、ガス分配配管8aを支障なく敷設・接続することができる。基台15の改造も不要である。
【0048】
図12(a)に示されるように、容器Fが位置決めピン30,30A,及び30Aの上に載る前には、ノズル28はスプリング47に付勢されて、やや上方の初期位置P1に位置する。図8及び図12(b)に示されるように、容器Fが位置決めピン30,30A,及び30Aの上に載ったとき、容器Fの重量により回動アーム42とノズル28は下方に押し下げられ、ガス注入口52に密着すると共に、作動位置P2に位置する。この状態で、本体部24C及び回動アーム42は、本体部24Cと同じ高さまで回動し、略水平に延在する。
【0049】
ノズルユニット22Cを備えたパージ装置20Cによっても、天井走行車3に対するティーチングの手間を軽減することができる。パージ装置20Cを後付けした際における再度のティーチングが不要である。また、容器Fの底面Faと基台15との間に存在する空間(隙間G)を利用して、本体部24Cを配置することができる。また、ノズル28が可動であることにより、ノズル28の高さ方向の位置の調整を不要にすることができる。
【0050】
また、回動軸41からノズル28までの距離は、回動アーム42の長さに相当する。ノズル28には、ガス接続口33を介して、パージガスを流通させるためのガス分配配管8aが接続される。ノズルユニット22Cでは、回動軸41からノズル28までの長い距離が確保されている。この距離を長くすることにより、回動アーム42の回動(すなわちノズル28の上下動)に伴う配管への影響を低減することができる。例えば、ノズル28の可動範囲(ストローク)を一定値に設定した場合、回動軸41からノズル28までの距離が長い程、回動アーム42の回動角度は小さくなる。この機構は、回動アーム42を半径と見なし、ノズル28の上下動の範囲を円周の長さと見なした場合に、自明に理解され得る。しかも、ガス分配配管8aがビーム材14A及び基台15とは異なる位置に配置され、ビーム材14A及び基台15との干渉が避けられている。よって、ノズル28の上下動作を妨げることもない。
【0051】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、上記実施形態ではノズルユニット22が2本の位置決めピン30A,30Aを介して取り付けられる場合について説明したが、この構成とは違って、ノズルユニット22が1本の位置決めピン30Aを介して取り付けられてもよい。その場合には、ノズルユニット22に、ノズルユニット22の回転方向の位置を決めるための位置規制部材が別途設けられる。位置規制部材としては、例えば、ビーム材等の容器載置台の一部に係合又は当接する部材等が挙げられる。3本の位置決めピン30のうちの1本が配置されたビーム材(14A又は14B)の方に、パージ装置20のノズルユニット22が取り付けられる。その場合でも、3本の位置決めピン30の位置及び配置は、パージ機能の付加前後において不変とされる。上記実施形態のように、ノズルユニット22が2本の位置決めピン30A,30A(固定具)を介して取り付けられる構成によれば、位置決めピン30A,30Aのみによって、ノズルユニット22の回転方向の位置が決定(固定)される。
【0052】
本開示のパージ装置では、ノズルユニットの取付けに用いられる少なくとも1本の位置決めピン30A,30A、ノズルユニットの外部に配置された他の位置決めピン30、及びノズルの位置が、容器の各部(複数の窪み部及びガス注入口及び/又は排出口)に適合するように定められている。ノズルユニットが1本のみの位置決めピン30Aを介して取り付けられる場合には、別の位置規制部材が設けられる。ノズルユニットが2本又は3本の位置決めピン30Aを介して取り付けられる場合には、それらの位置決めピン30Aがノズルユニットの位置規制手段を兼ねることとなり、別の位置規制部材は不要である。ノズルユニットが3本の位置決めピン30Aを介して取り付けられる場合、ノズルユニットの外部に配置される他の位置決めピン30は省略され得る。位置決めピン30Aが、専用に設計されなくてもよい。ノズルユニットに設けられる位置決めピンと、ノズルユニットの外部に配置される他の位置決めピン30とが同一であってもよい。
【0053】
第2実施形態のノズルユニット22Cにおけるスプリング47は、他の弾性部材に置き換えられてもよい。ノズル28の下側に、例えばゴム製又はスポンジ製の弾性部材が設けられてもよい。また、第2実施形態において、回動軸41が第1端24e以外の部位に設けられてもよい。
【0054】
天井走行車以外の搬送装置に、本開示のパージ装置及びノズルユニットが適用されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1,1C…保管棚、3…天井走行車、5…軌道、7…載置部、10…ベースフレーム、14A,14B…ビーム材、15…基台、20,20C…パージ装置、21…ガス制御装置、22,22C…ノズルユニット、24,24C…本体部、26C…ガス導入部、28…ノズル、29…着座センサ、30…位置決めピン、30A…(ノズルユニット取り付け用)位置決めピン、32…ガス導入部、40…保管棚、41…回動軸、42…回動アーム、42e…第1端、42f…第2端、43…ブッシュ、46…ブッシュ、47…スプリング(弾性部材)、51…窪み部、52…ガス注入口、100…天井、S…半導体搬送システム。
図1
図2
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図6
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図12