IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機ビルテクノサービス株式会社の特許一覧

特許7311065エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置
<>
  • 特許-エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置 図1
  • 特許-エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置 図2
  • 特許-エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置 図3
  • 特許-エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置 図4
  • 特許-エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置 図5
  • 特許-エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20230711BHJP
   B66B 11/02 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B66B5/02 G
B66B11/02 P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023506642
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2021011201
(87)【国際公開番号】W WO2022195821
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 武
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-180168(JP,A)
【文献】特開2015-151207(JP,A)
【文献】国際公開第2020/179011(WO,A1)
【文献】特開2008-290842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00
B66B 5/02
B66B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を受信する受信部と、
情報を記憶する記憶部と、
エレベーターの監視装置が前記エレベーターの昇降路の底部の冠水を検知する冠水検知器からの情報以外の情報に基づいて前記エレベーターのかごに設けられたカメラに前記昇降路の底部の画像を採取させ、その後、前記監視装置が前記昇降路の底部の画像の情報を送信し、その後、前記受信部が当該情報を受信した際に、前記昇降路の底部の画像の情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備え
前記制御部は、前記かごが前記昇降路の下部または上部に移動した際に、前記監視装置が前記かごに設けられたマイクにより収集された音の情報に基づいて前記カメラに前記昇降路の底部の画像を採取させ、その後、前記監視装置が前記昇降路の底部の画像の情報を送信し、その後、前記受信部が当該情報を受信した際に、前記昇降路の底部の画像の情報を前記記憶部に記憶させるエレベーターの確認装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記記憶部において記憶された前記昇降路の底部の画像の情報を表示装置に表示させる請求項1に記載のエレベーターの確認装置。
【請求項3】
情報を送信する送信部と、
情報を受信する受信部と、
情報を記憶する記憶部と、
複数のエレベーターがそれぞれ設けられた位置における複数の降雨量の実績値の情報と前記複数のエレベーターの昇降路の底部の冠水の有無の実績の情報とをそれぞれ対応付けて蓄積した蓄積部と、
前記複数のエレベーターに対し、現時点の降雨量の予測値の情報と前記蓄積部に蓄積された情報との比較結果に基づいて昇降路の底部が冠水している可能性を定量的に評価する評価部と、
前記複数のエレベーターの中から前記評価部による評価結果に基づいた複数の候補エレベーターを選定する選定部と、
前記選定部が選定した複数の候補エレベーターの監視装置に対して昇降路の底部の画像の採取を指示する情報を前記送信部に送信させ、その後、前記複数の候補エレベーターの監視装置が当該情報に基づいて前記複数の候補エレベーターに対して昇降路の底部の画像の採取をそれぞれ指示し、その後、前記複数の候補エレベーターのかごにそれぞれ設けられた複数のカメラが昇降路の底部の画像をそれぞれ採取し、その後、前記複数の候補エレベーターの監視装置が昇降路の底部の画像の情報をそれぞれ送信し、その後、前記受信部が当該情報を受信した際に、前記複数の候補エレベーターの昇降路の底部の画像の情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備えたエレベーターの確認装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記記憶部において記憶された昇降路の底部の画像の情報を表示装置に表示させる請求項3に記載のエレベーターの確認装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数のエレベーターを示す情報と昇降路の底部が冠水している可能性を示す情報とを対応付けて表示装置に表示させ、
前記選定部は、前記表示装置が前記複数のエレベーターを示す情報と昇降路の底部が冠水している可能性を示す情報とを対応付けて表示している際に、外部からの情報に基づいて指定されたエレベーターを仮の候補エレベーターとし、外部からの情報に基づいて現時点における仮の候補エレベーターを実際の候補エレベーターとする請求項3または請求項4に記載のエレベーターの確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの昇降路の底部の冠水状況を確認するための確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの確認システムを開示する。当該確認システムによれば、昇降路の底部の冠水の有無を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本特開2008-290842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の確認システムにおいては、冠水検知器が必要となる。このため、確認システムが複雑となる。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、冠水検知器がなくても、昇降路の底部の冠水の有無を確認することができるエレベーターの確認装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの確認装置は、情報を受信する受信部と、情報を記憶する記憶部と、エレベーターの監視装置が前記エレベーターの昇降路の底部の冠水を検知する冠水検知器からの情報以外の情報に基づいて前記エレベーターのかごに設けられたカメラに前記昇降路の底部の画像を採取させ、その後、前記監視装置が前記昇降路の底部の画像の情報を送信し、その後、前記受信部が当該情報を受信した際に、前記昇降路の底部の画像の情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記かごが前記昇降路の下部または上部に移動した際に、前記監視装置が前記かごに設けられたマイクにより収集された音の情報に基づいて前記カメラに前記昇降路の底部の画像を採取させ、その後、前記監視装置が前記昇降路の底部の画像の情報を送信し、その後、前記受信部が当該情報を受信した際に、前記昇降路の底部の画像の情報を前記記憶部に記憶させる

【0007】
本開示に係るエレベーターの確認装置は、情報を送信する送信部と、情報を受信する受信部と、情報を記憶する記憶部と、複数のエレベーターがそれぞれ設けられた位置における複数の降雨量の実績値の情報と前記複数のエレベーターの昇降路の底部の冠水の有無の実績の情報とをそれぞれ対応付けて蓄積した蓄積部と、前記複数のエレベーターに対し、現時点の降雨量の予測値の情報と前記蓄積部に蓄積された情報との比較結果に基づいて昇降路の底部が冠水している可能性を定量的に評価する評価部と、前記複数のエレベーターの中から前記評価部による評価結果に基づいた複数の候補エレベーターを選定する選定部と、前記選定部が選定した複数の候補エレベーターの監視装置に対して昇降路の底部の画像の採取を指示する情報を前記送信部に送信させ、その後、前記複数の候補エレベーターの監視装置が当該情報に基づいて前記複数の候補エレベーターに対して昇降路の底部の画像の採取をそれぞれ指示し、その後、前記複数の候補エレベーターのかごにそれぞれ設けられた複数のカメラが昇降路の底部の画像をそれぞれ採取し、その後、前記複数の候補エレベーターの監視装置が昇降路の底部の画像の情報をそれぞれ送信し、その後、前記受信部が当該情報を受信した際に、前記複数の候補エレベーターの昇降路の底部の画像の情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、確認装置は、冠水検知器からの情報以外の情報に基づいて昇降路の底部の画像の情報を記憶する。このため、冠水検知器がなくても、昇降路の底部の冠水の有無を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの確認装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバのブロック図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図4】実施の形態1におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバのハードウェア構成図である。
図5】実施の形態2におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバのブロック図である。
図6】実施の形態2におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの確認装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0012】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。巻上機2は、昇降路1の上部に設けられる。主ロープ3は、巻上機2に巻き掛けられる。
【0013】
一対のかごガイドレール4は、昇降路1の内部に設けられる。一対のかごガイドレール4の各々の長手方向は、鉛直方向である。かご5は、昇降路1の内部に設けられる。かご5は、下方から主ロープ3の一側に支持される。かご5は、一対のかごガイドレール4に鉛直方向に案内される。
【0014】
一対のおもり側ガイドレール6は、昇降路1の内部に設けられる。一対のおもり側ガイドレール6の各々の長手方向は、鉛直方向である。つり合いおもり7は、昇降路1の内部に設けられる。つり合いおもり7の上部は、主ロープ3の他側に支持される。つり合いおもり7は、一対のおもり側ガイドレール6に鉛直方向に案内される。
【0015】
ガバナ8は、昇降路1の上部に設けられる。張り車9は、昇降路1の下部に設けられる。ガバナロープ10は、無端状に設けられる。ガバナロープ10は、ガバナ8と張り車9とに巻き掛けられる。
【0016】
ソケット11は、かご5の下部に設けられる。アダプタ12は、かご5の下部においてソケット11に機械的かつ電気的に接続される。照明13は、かご5の下部においてアダプタ12に機械的かつ電気的に接続される。
【0017】
カメラ14は、かご5の下部に設けられる。電源線15の一端は、カメラ14に機械的かつ電気的に接続される。プラグ16は、電源線15の他端に機械的かつ電気的に接続される。プラグ16は、アダプタ12に機械的かつ電気的に接続される。
【0018】
マイク17は、かご5の上部に設けられる。
【0019】
制御装置18は、昇降路1の上部に設けられる。
【0020】
監視装置19は、昇降路1の上部に設けられる。監視装置19は、制御装置18とソケット11とマイク17とに電気的に接続される。
【0021】
第1通信端末20は、エレベーターの所有者に所持される。
【0022】
確認システム21は、エレベーターが設けられた建築物から離れた場所に設けられる。例えば、確認システム21は、エレベーターの保守会社に設けられる。例えば、確認システム21は、処理装置22と入力装置23と表示装置24とを備える。
【0023】
第2通信端末25は、確認システム21の周辺に設けられる。
【0024】
例えば、WEBサーバ26は、確認装置として、確認システム21と同じ場所に設けられる。例えば、WEBサーバ26は、確認装置として、確認システム21と異なる場所に設けられる。WEBサーバ26は、監視回線を介して監視装置19と通信し得るように設けられる。WEBサーバ26は、処理装置22と通信し得るように設けられる。
【0025】
図1のエレベーターにおいて、制御装置18は、巻上機2を回転させる。主ロープ3は、巻上機2の回転に追従して移動する。かご5とつり合いおもり7とは、主ロープ3の移動に追従して互いに反対方向に昇降する。この際、ガバナロープ10は、かご5の昇降に追従して移動する。ガバナ8は、ガバナロープ10の移動に追従して回転する。制御装置18は、ガバナ8の回転速度に基づいてかご5の鉛直方向の位置を認識する。
【0026】
台風または豪雨が発生した際、エレベーターの保守会社において、担当者は、入力装置23を操作することにより監視装置19に対して昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報を入力する。例えば、担当者は、表示装置24に表示された内容に基づいて予め設定された「画像採取」の登録の情報を入力する。
【0027】
WEBサーバ26は、処理装置22を介して入力装置23からの情報を受信する。WEBサーバ26は、入力装置23からの情報に基づいて監視回線を介して監視装置19に対して昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報を送信する。
【0028】
監視装置19は、WEBサーバ26からの情報に基づいて制御装置18に対してかご5を昇降路1の下部まで移動させる旨を指示する情報を送信する。
【0029】
制御装置18は、監視装置19からの情報に基づいてかご5を昇降路1の下部まで移動させる。例えば、制御装置18は、かご5を最下階まで移動させる。例えば、制御装置18は、かご5を最下階の直上の階まで移動させる。
【0030】
かご5が昇降路1の下部に到着した後、監視装置19は、ソケット11に電力を供給する。当該電力の一部は、アダプタ12を介して照明13に供給される。当該電力の他部は、アダプタ12とプラグ16と電源線15とを介してカメラ14に供給される。
【0031】
照明13は、電力の供給を受けることで点灯する。カメラ14は、電力の供給を受けることで昇降路1の底部の画像を採取する。
【0032】
監視装置19は、カメラ14から昇降路1の底部の画像の情報を取得する。監視装置19は、監視回線を介して昇降路1の底部の画像の情報をWEBサーバ26に送信する。
【0033】
WEBサーバ26は、監視装置19からの昇降路1の底部の画像の情報を記憶する。WEBサーバ26は、処理装置22を介して昇降路1の底部の画像の情報を表示装置24に表示させる。
【0034】
担当者は、表示装置24に表示された情報を肉眼で確認することで昇降路1の底部の冠水の有無を判断する。
【0035】
次に、図2を用いて、WEBサーバ26を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバのブロック図である。
【0036】
図2に示されるように、WEBサーバ26は、送信部26aと受信部26bと記憶部26cと制御部26dとを備える。
【0037】
送信部26aは、情報を送信し得るように設けられる。受信部26bは、情報を受信し得るように設けられる。記憶部26cは、情報を記憶し得るように設けられる。制御部26dは、送信部26aと受信部26bと記憶部26cとの動作を制御し得るように設けられる。
【0038】
例えば、制御部26dは、入力装置23の操作に基づいて、監視装置19に対して昇降路1の画像の採取を指示する情報を送信部26aに送信させる。例えば、受信部26bが監視装置19からの昇降路1の底部の画像の情報を受信した際に当該情報を記憶部26cに記憶させる。例えば、制御部26dは、記憶部26cにおいて記憶された昇降路1の底部の画像の情報を表示装置24に表示させる。
【0039】
次に、図3を用いて、WEBサーバ26の動作の概要を説明する。
図3は実施の形態1におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0040】
ステップS1では、WEBサーバ26は、入力装置23から昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報が入力されたか否かを判定する。ステップS1で昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報が入力されていない場合、WEBサーバ26は、ステップS1の動作を繰り返す。ステップS1で昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報が入力された場合、WEBサーバ26は、ステップS2の動作を行う。
【0041】
ステップS2では、WEBサーバ26は、監視装置19に対して昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報を送信する。その後、WEBサーバ26は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、WEBサーバ26は、監視装置19からの昇降路1の底部の画像の情報が受信された否かを判定する。
【0042】
ステップS3で昇降路1の底部の画像の情報が受信されていない場合、WEBサーバ26は、ステップS3の動作を繰り返す。ステップS3で昇降路1の底部の画像の情報が受信された場合、WEBサーバ26は、ステップS4の動作を行う。
【0043】
ステップS4では、WEBサーバ26は、昇降路1の底部の画像の情報を記憶する。その後、WEBサーバ26は、ステップS5の動作を行う。ステップS5では、WEBサーバ26は、昇降路1の底部の画像の情報を表示装置24に表示させる。その後、WEBサーバ26は、動作を終了する。
【0044】
以上で説明した実施の形態1によれば、WEBサーバ26は、監視装置19が昇降路1の底部の冠水を検知する冠水検知器からの情報以外の情報に基づいてカメラ14に採取させた昇降路1の底部の画像の情報を記憶する。このため、冠水検知器がなくても、現地へ移動することなく、昇降路1の底部の冠水の有無を短時間で確認することができる。この場合、調査のためのエレベーターの停止時間が削減される。このため、エレベーターを継続的に利用することができる。
【0045】
また、WEBサーバ26は、昇降路1の底部の画像の情報を表示装置24に表示させる。このため、担当者が肉眼で昇降路1の底部の冠水の有無を確認することができる。
【0046】
また、WEBサーバ26は、入力装置23の操作に基づいて監視装置19に対して昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報を送信する。このため、担当者の判断において、昇降路1の底部の冠水の有無を確認するか否かを決定することができる。
【0047】
なお、かご5が昇降路1の下部または上部に移動した際に、監視装置19において、マイク17により収集された音の情報に基づいてカメラ14に昇降路1の底部の画像を採取させるか否かを判定してもよい。具体的には、監視装置19において、かご5またはつり合いおもり7が昇降路1の底部に溜まった水に浸かった際の音が収集された際にカメラ14に昇降路1の底部の画像を採取させればよい。この場合も、昇降路1の底部の冠水の有無を確認することができる。
【0048】
また、エレベーターの所有者が第1通信端末20を使用して第2通信端末25に連絡があった場合、担当者は、所有者からの要請に基づいて当該エレベーターの昇降路1の底部の冠水の有無を確認することとしてもよい。この場合、昇降路1の底部の冠水の有無をより効率的に確認することができる。
【0049】
次に、図4を用いて、WEBサーバ26の例を説明する。
図4は実施の形態1におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバのハードウェア構成図である。
【0050】
WEBサーバ26の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0051】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、WEBサーバ26の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、WEBサーバ26の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0052】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、WEBサーバ26の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、WEBサーバ26の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0053】
WEBサーバ26の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、制御部26dの機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、制御部26dの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0054】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせでWEBサーバ26の各機能を実現する。
【0055】
図示されないが、制御装置18の各機能も、監視装置19の各機能も、WEBサーバ26の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。処理装置22の各機能も、WEBサーバ26の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0056】
実施の形態2.
図5は実施の形態2におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバのブロック図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0057】
図5に示されるように、WEBサーバ26は、送信部26aと受信部26bと記憶部26cと制御部26dとに加え、蓄積部26eと評価部26fと選定部26gとを備える。
【0058】
送信部26aは、情報を送信し得るように設けられる。受信部26bは、情報を受信し得るように設けられる。記憶部26cは、情報を記憶し得るように設けられる。
【0059】
蓄積部26eは、複数のエレベーターがそれぞれ設けられた位置における複数の降雨量の実績値の情報と複数のエレベーターの昇降路1の底部の冠水の有無の実績の情報とをそれぞれ対応付けて蓄積し得るように設けられる。評価部26fは、複数のエレベーターに対し、気象庁等から取得した現時点の降雨量の予測値の情報と前記蓄積部に蓄積された情報との比較結果に基づいて昇降路1の底部が冠水している可能性を定量的に評価し得るように設けられる。選定部26gは、複数のエレベーターの中から評価部26fによる評価結果に基づいた複数の候補エレベーターを選定し得るように設けられる。
【0060】
制御部26dは、送信部26aと受信部26bと記憶部26cと蓄積部26eと評価部26fと選定部26gとの動作を制御し得るように設けられる。
【0061】
例えば、制御部26dは、選定部26gが選定した複数の候補エレベーターの監視装置19に対して昇降路1の底部の画像の採取を指示する情報を送信部26aに送信させる。例えば、受信部26bが複数の監視装置19からの昇降路1の底部の画像の情報を受信した際に、制御装置18は、複数の候補エレベーターの昇降路1の底部の情報を記憶部26cに記憶させる。例えば、制御部26dは、記憶部26cにおいて記憶された複数の候補エレベーターにおける昇降路1の底部の画像の情報を表示装置24に表示させる。
【0062】
次に、図6を用いて、WEBサーバ26の動作の概要を説明する。
図6は実施の形態2におけるエレベーターの確認装置としてのWEBサーバの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0063】
ステップS11では、WEBサーバ26は、複数のエレベーターに対し、現時点の降雨量の予測値の情報と前記蓄積部22eに蓄積された情報との比較結果に基づいて昇降路1の底部が冠水している可能性を定量的に評価する。その後、WEBサーバ26は、ステップS12の動作を行う。ステップS12では、WEBサーバ26は、複数のエレベーターを示す情報と昇降路1の底部が冠水している可能性を示す情報とを対応付けて表示装置24に表示させる。例えば、WEBサーバ26は、昇降路の底部の冠水の可能性が高い順に複数のエレベーターのランキングを表示装置24に表示させる。
【0064】
その後、WEBサーバ26は、ステップS13の動作を行う。ステップS13では、WEBサーバ26は、入力装置23の操作によりいずれかのエレベーターが指定されたか否かを判定する。ステップS13でいずれかのエレベーターが指定されていない場合、WEBサーバ26は、ステップS13の動作を繰り返す。ステップS13でいずれかのエレベーターが指定された場合、WEBサーバ26は、ステップS14の動作を行う。
【0065】
ステップS14では、WEBサーバ26は、当該エレベーターを仮の候補エレベーターとする。その後、WEBサーバ26は、ステップS15の動作を行う。ステップS15では、WEBサーバ26は、入力装置23の操作により登録の要求がなされたか否かを判定する。
【0066】
ステップS15で登録の要求がなされていない場合、WEBサーバ26は、ステップS13の動作を行う。ステップS15で登録の要求がなされた場合、WEBサーバ26は、ステップS16の動作を行う。
【0067】
ステップS16では、WEBサーバ26は、現時点での仮の候補エレベーターを実際の候補エレベーターとする。その後、WEBサーバ26は、ステップS17の動作を行う。ステップS17では、WEBサーバ26は、実際の候補エレベーターとされたエレベーターの監視装置19に対し、昇降路1の底部の画面の採取を指示する。
【0068】
その後、WEBサーバ26は、ステップS18の動作を行う。ステップS18では、WEBサーバ26は、監視装置19からの昇降路1の底部の画像の情報が受信されたか否かを判定する。
【0069】
ステップS18で昇降路1の底部の画像の情報が受信されていない場合、WEBサーバ26は、ステップS18の動作を繰り返す。ステップS18で昇降路1の底部の画像の情報が受信された場合、WEBサーバ26は、ステップS19の動作を行う。
【0070】
ステップS19では、WEBサーバ26は、昇降路1の底部の画像の情報を記憶する。その後、WEBサーバ26は、ステップS20の動作を行う。ステップS20では、WEBサーバ26は、入力装置23の操作により表示の要求がなされたか否かを判定する。
【0071】
ステップS20で表示の要求がなされていない場合、WEBサーバ26は、ステップS18の動作を行う。ステップS20で表示の要求がなされた場合、WEBサーバ26は、ステップS21の動作を行う。
【0072】
ステップS21では、WEBサーバ26は、要求に応じて、昇降路1の底部の画像の情報を表示装置24に表示させる。例えば、WEBサーバ26は、現時点において記憶されている画像の情報の全てを表示装置24に表示させる。例えば、WEBサーバ26は、指定されたエレベーターの昇降路1の底部の画像を表示装置24に表示させる。その後、WEBサーバ26は、ステップS18の動作を行う。
【0073】
以上で説明した実施の形態2によれば、WEBサーバ26は、昇降路1が冠水している可能性が高いエレベーターの監視装置19に対して、昇降路1の底部の画像の採取を指示する。この際、昇降路1の底部が冠水している可能性は、過去の降雨量の実績値の情報と昇降路の底部の冠水の有無の実績の情報とを考慮して判定される。例えば、現時点の降雨量の予測値が少なくても、過去において当該降雨量で昇降路1の底部が冠水している場合は、昇降路1の底部が冠水している可能性が高いと判定される。このため、複数のエレベーターに対し、昇降路1の底部の冠水の有無をより効率的に確認することができる。
【0074】
また、WEBサーバ26は、外部からの情報に基づいて指定されたエレベーターを仮の候補エレベーターとし、外部からの情報に基づいて現時点における仮の候補エレベーターを実際の候補エレベーターとする。このため、担当者は、気になるエレベーターの昇降路1の底部の冠水の有無を効率よく確認することができる。
【0075】
なお、昇降路1の底部の冠水が確認された場合、当該エレベーターの運転を休止させてもよい。この際、当該エレベーターを頻繁に利用する利用者の携帯端末に向けて当該エレベーターが運転を休止している旨を示す情報と保守員をすでに手配している旨を示す情報とを送信してもよい。
【0076】
また、昇降路1の底部の冠水が確認された場合、当該エレベーターの周辺のエレベーターのかご5を最下階に移動させないようにしてもよい。例えば、当該エレベーターの周辺のエレベーターのかご5を最上階に移動させてもよい。この場合、当該エレベーターの周辺のエレベーターの昇降路1の底部の冠水が確認されていなくても、当該エレベーターの周辺のエレベーターの安全を確保することができる。
【0077】
なお、巻上機2と制御装置18と監視装置19とが昇降路1の下部に設けられるエレベーターまたは巻上機2と制御装置18と監視装置19とが機械室に設けられるエレベーターに対し、実施の形態1または実施の形態2のWEBサーバ26を適用してよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上のように、本開示のエレベーターの確認装置は、エレベーターシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0079】
1 昇降路、 2 巻上機、 3 主ロープ、 4 かごガイドレール、 5 かご、 6 おもり側ガイドレール、 7 つり合いおもり、 8 ガバナ、 9 張り車、 10 ガバナロープ、 11 ソケット、 12 アダプタ、 13 照明、 14 カメラ、 15 電源線、 16 プラグ、 17 マイク、 18 制御装置、 19 監視装置、 20 第1通信端末、 21 確認システム、 22 処理装置、 23 入力装置、 24 表示装置、 25 第2通信端末、 26 WEBサーバ、 26a 送信部、 26b 受信部、 26c 記憶部、 26d 制御部、 26e 蓄積部、 26f 評価部、 26g 選定部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
図1
図2
図3
図4
図5
図6