(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】基板加熱ユニット、基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20230711BHJP
H01L 21/268 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H01L21/306 J
H01L21/306 D
H01L21/268 J
(21)【出願番号】P 2020202481
(22)【出願日】2020-12-07
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0175714
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ シン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヨン テ
(72)【発明者】
【氏名】チョン、チ フン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォン クン
【審査官】小▲高▼ 孔頌
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-500571(JP,A)
【文献】特開2016-001642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306-21/3063
H01L 21/26-21/268
H01L 21/308
H01L 21/322-21/326
H01L 21/42-21/425
H01L 21/428
H01L 21/465-21/467
H01L 21/477-21/479
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を加熱するためのレーザービームを提供するレーザー発生器と、
前記レーザー発生器からの前記レーザービームを加工して、均一化されたエネルギー分布を有する第1ビーム、および縁部領域が強化されたエネルギー分布を有する第2ビームのうちのいずれか一つを前記基板に選択的に提供するビームシェーパーと、を含み、
前記ビームシェーパーは、
前記レーザービームを複数に分割するレンズアセンブリと、
前記レンズアセンブリによって分割された前記レーザービームを前記基板に集光させる集光レンズと、を含み、
前記レンズアセンブリは、前記レーザービームが移動する経路上に前記経路に沿って配列された複数のレンズアレイを含み、
複数の前記レンズアレイのうちの少なくとも一つは、前記経路に沿って移動可能であり、
移動可能な前記レンズアレイは、前記レーザービームが前記第1ビームに加工される第1位置、および前記第2ビームに加工される第2位置のうちのいずれか一つに選択的に配置されることを特徴とする、基板加熱ユニット。
【請求項2】
前記ビームシェーパーは、移動可能な前記レンズアレイを移動させるレンズ駆動機構をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の基板加熱ユニット。
【請求項3】
前記基板の温度分布を検出する温度検出器と、
前記温度検出器によって検出された前記基板の温度分布に基づいて前記レンズ駆動機構の作動を制御する制御器と、をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の基板加熱ユニット。
【請求項4】
複数の前記レンズアレイは、
位置が固定された第1レンズアレイ、および
前記第1レンズアレイと前記集光レンズとの間に前記経路に沿って移動可能に提供された第2レンズアレイであることを特徴とする、請求項1に記載の基板加熱ユニット。
【請求項5】
前記第1レンズアレイ、前記第2レンズアレイおよび前記集光レンズは同軸に配置されたことを特徴とする、請求項4に記載の基板加熱ユニット。
【請求項6】
移動可能な前記レンズアレイが選択的に配置される前記第1位置と前記第2位置は、それぞれ下記数式を満足する位置と下記数式を満足しない位置であり、
【数1】
式中、d
12は前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間の距離であり、f
2は前記第2レンズアレイの焦点距離であることを特徴とする、請求項4に記載の基板加熱ユニット。
【請求項7】
複数の前記レンズアレイは、
位置が固定された第1レンズアレイ、
前記第1レンズアレイと前記集光レンズとの間に前記経路に沿って移動可能に提供された第2レンズアレイ、および
前記第2レンズアレイと前記集光レンズとの間に前記経路に沿って移動可能に提供された第3レンズアレイであることを特徴とする、請求項1に記載の基板加熱ユニット。
【請求項8】
前記第1レンズアレイ、前記第2レンズアレイ、前記第3レンズアレイおよび前記集光レンズは同軸に配置されたことを特徴とする、請求項7に記載の基板加熱ユニット。
【請求項9】
移動可能な前記レンズアレイが選択的に配置される前記第1位置と前記第2位置
のうち、
前記第1位置が下記数式1と下記数式2のうちの少なくとも一つを満足する位置
であり、
前記第2位置が下記数式1と下記数式2の両方ともを満足しない位置であり、
【数2】
【数3】
これらの式中、
d
12は前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間の距離であり、
d
23は前記第2レンズアレイと前記第3レンズアレイとの間の距離であり、
f
2は前記第2レンズアレイの焦点距離であり、
f
3は前記第3レンズアレイの焦点距離であることを特徴とする、請求項7に記載の基板加熱ユニット。
【請求項10】
複数の前記レンズアレイをそれぞれ構成するレンズレットは、前記基板に対応する形状に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の基板加熱ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板処理の際に基板を加熱するために使用されるユニットに関する。また、本発明の実施形態は、このようなユニットを用いて基板を処理する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、フラットパネルディスプレイ(flat panel display、FPD)などを製造するには、様々な工程を行わなければならない。例えば、ウエハー(wafer)などの基板を処理するために、フォトレジスト塗布工程(photoresist coating process)、現像工程(developing process)、エッチング工程(etching process)、アッシング工程(ashing process)などを行うことができる。また、これらの工程で基板に付着した汚染物質を除去するために、処理液を用いて基板を洗浄する洗浄工程(wet cleaning process)、基板に残留する処理液を除去する乾燥工程(drying process)などを行うことができる。
【0003】
最近では、高温で使用される処理液、例えば硫酸(sulfuric acid)、リン酸(phosphoric acid)などを用いて、シリコン窒化膜(silicon nitride film)、シリコン酸化膜(silicon oxide film)などを選択的に除去するエッチング工程を行っている。そして、これを行う基板処理装置は、エッチング率を改善するために基板を加熱する基板加熱ユニットを含むことにより、工程の実行中に基板を所要の温度に加熱することができる。
【0004】
しかし、基板を高温の処理液でエッチングするときに、従来の基板加熱ユニットでは基板を全体的に均一に加熱することが困難であるだけでなく、高温の処理液を用いる特性上、基板を全体的に均一な温度に維持させることができないという問題点がある。
【0005】
図1は従来の基板処理時の基板の温度分布を示すグラフである。
図1において、Cは基板の中心点を示し、E1およびE2は基板の縁部のうち、互いに対向する両側箇所を示す。高温の処理液は、基板の中央部分に供給され、基板の縁部側へ広がりながら温度が低下するので、基板は、中央部分の温度が相対的に高く、縁部へ行くほど温度が相対的に低い。
【0006】
このように、基板の温度が全体的に均一でなければ、基板に対するエッチング率が温度領域ごとに異なることがあり、さらには工程不良をもたらすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許公報第10-2016-0027802号公報(2016年3月10日)
【文献】韓国公開特許公報第10-2018-0049310号(2018年5月11日)
【文献】韓国公開特許公報第10-2019-0075875号(2019年7月1日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、基板処理の際に基板を均一に加熱することができる基板加熱ユニット、基板処理装置および基板処理方法を提供しようとする。
【0009】
本発明の実施形態は、基板処理の際に基板の温度偏差を最小限に抑えることができる基板加熱ユニット、基板処理装置および基板処理方法を提供しようとする。
【0010】
本発明の実施形態は、レーザービーム(laser beam)を用いて基板を均一に加熱することができる基板加熱ユニット、基板処理装置および基板処理方法を提供しようとする。
【0011】
本発明の解決しようとする課題は、これに限定されず、上述していないその他の課題は、通常の技術者であれば、以降の記載から明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態によれば、基板を加熱するためのレーザービームを提供するレーザー発生器と;前記レーザー発生器からの前記レーザービームを加工して、均一化されたエネルギー分布を有する第1ビーム(全体均一形態のフラットトップ(flat top)レーザービーム)および縁部領域が強化されたエネルギー分布を有する第2ビーム(縁部強化形態のフラットトップレーザービーム)のうちのいずれか一つを前記基板に選択的に提供するビームシェーパー(beam shaper)と;を含む、基板加熱ユニットが提供できる。
【0013】
前記ビームシェーパーは、加工された前記レーザービーム(すなわち、前記第1ビームおよび前記第2ビームの中から選択された一つ)を前記基板の上面または前記基板の下面に提供するように配置できる。
【0014】
前記ビームシェーパーは、前記レーザービームを複数のビーム(すなわち、ビームレット(beamlet)に分割するレンズアセンブリ(lens assembly)と、前記レンズアセンブリによって分割された前記レーザービームを前記基板に集光させる集光レンズ(condenser lens)と、を含むことができる。また、前記レンズアセンブリは、前記レーザービームが移動する経路上に前記経路に沿って配列された複数のレンズアレイ(lens array)を含み、複数の前記レンズアレイのうちの少なくとも一つは、前記経路に沿って移動可能であり、移動可能な前記レンズアレイは、前記レーザービームが前記第1ビームに加工される第1位置、および前記第2ビームに加工される第2位置のうちのいずれか一つに選択的に配置できる。
【0015】
前記ビームシェーパーは、移動可能な前記レンズアレイを移動させるレンズ駆動機構をさらに含んでもよい。
【0016】
本発明の実施形態に係る基板加熱ユニットは、前記基板の温度分布を検出する温度検出器と、前記温度検出器によって検出された前記基板の温度分布に基づいて前記レンズ駆動機構の作動を制御する制御器と、をさらに含んでもよい。
【0017】
複数の前記レンズアレイは、位置が固定された第1レンズアレイ、および前記第1レンズアレイと前記集光レンズとの間に前記経路に沿って移動可能に提供された第2レンズアレイであり得る。このとき、前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイは、前記集光レンズと同軸に配置できる。
【0018】
移動可能な前記レンズアレイが選択的に配置される前記第1位置と前記第2位置は、それぞれ下記数式を満足する位置と下記数式を満足しない位置であり、式中、d
12は前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間の距離であり、f
2は前記第2レンズアレイの焦点距離であり得る。
【数1】
【0019】
複数の前記レンズアレイは、位置が固定された第1レンズアレイ、前記第1レンズアレイと前記集光レンズとの間に前記経路に沿って移動可能に提供された第2レンズアレイ、および前記第2レンズアレイと前記集光レンズとの間に前記経路に沿って移動可能に提供された第3レンズアレイであり得る。このとき、前記第1レンズアレイ、前記第2レンズアレイおよび前記第3レンズアレイは、前記集光レンズと同軸に配置できる。
【0020】
移動可能な前記レンズアレイが選択的に配置される前記第1位置と前記第2位置は、それぞれ下記数式1と下記数式2のうちの少なくとも一つを満足する位置、および下記数式1と下記数式2の両方ともを満足しない位置であり、これらの式中、d
12は前記第1レンズアレイと前記第2レンズアレイとの間の距離であり、d
23は前記第2レンズアレイと前記第3レンズアレイとの間の距離であり、f
2は前記第2レンズアレイの焦点距離であり、f
3は前記第3レンズアレイの焦点距離であり得る。
【数2】
【0021】
【0022】
複数の前記レンズアレイをそれぞれ構成するレンズレット(lenslet)は、前記基板に対応する形状に形成できる。このとき、前記レンズレットはマイクロレンズ(microlens)であり得る。
【0023】
前記レーザー発生器からの前記レーザービームは、前記基板に吸収される波長を有することができる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、基板を支持する基板支持ユニットと、前記基板支持ユニットによって支持された前記基板を加熱する基板加熱ユニットと、を含み、前記基板加熱ユニットは、前記基板を加熱するためのレーザービームを提供するレーザー発生器と、前記レーザー発生器からの前記レーザービームを加工して、均一化されたエネルギー分布を有する第1ビーム、および縁部領域が強化されたエネルギー分布を有する第2ビームのうちのいずれか一つを前記基板に選択的に提供するビームシェーパーと、を含む、基板処理装置が提供できる。
【0025】
本発明の実施形態による基板処理装置において、前記ビームシェーパーは、前記レーザービームを複数に分割するレンズアセンブリと、前記レンズアセンブリによって分割された前記レーザービームを前記基板に集光させる集光レンズと、を含むことができる。前記レンズアセンブリは、前記レーザービームが移動する経路上に前記経路に沿って配列された複数のレンズアレイを含み、複数の前記レンズアレイのうちの少なくとも一つは、前記経路に沿って移動可能であり、移動可能な前記レンズアレイは、前記レーザービームが前記第1ビームに加工される第1位置、および前記第2ビームに加工される第2位置のうちのいずれか一つに選択的に配置できる。このような前記ビームシェーパーは、移動可能な前記レンズアレイを移動させるレンズ駆動機構をさらに含んでもよい。
【0026】
本発明の実施形態による基板処理装置は、前記基板の温度分布を検出する温度検出器と、前記温度検出器によって検出された前記基板の温度分布に基づいて前記レンズ駆動機構の作動を制御する制御器と、をさらに含んでもよい。
【0027】
本発明の実施形態による基板処理装置は、前記基板と前記ビームシェーパーとの離隔距離を調節する距離調節ユニットをさらに含んでもよい。
【0028】
前記基板支持ユニットは、前記基板の下面を露出させる露出開口を有するように構成され、前記基板加熱ユニットは、加工された前記レーザービームを前記露出開口を介して前記基板の下面に照射することができる。
【0029】
前記基板支持ユニットは、上側に前記基板が提供され、前記露出開口を有するヘッドと、前記露出開口の周囲で前記基板の側面を支持するチャックピンを有する基板チャックと、を含み得る。
【0030】
前記ヘッドは、前記露出開口が上下方向に貫通したヘッド本体と、前記ヘッド本体に前記露出開口を上方からカバーするように結合された支持プレートとを含み、前記支持プレートは、加工された前記レーザービームが透過する素材からなり、前記基板の下面を支持するように突出した支持ピンを有することができる。
【0031】
前記ヘッドは、回転駆動ユニットによって上下方向の軸を中心に回転し、昇降駆動ユニットによって上下方向に移動するスピンヘッドであり得る。前記回転駆動ユニットは、前記スピンヘッドを下側で回転可能に支持し、前記露出開口と連通するビーム通路が上下方向に提供されたヘッド支持部材を含み得る。前記昇降駆動ユニットは、前記ヘッド支持部材を下側で支持し、上端が前記ビーム通路と連通するように開放され、前記ビームシェーパーが前記基板の下面と対向するように収容されたハウジングと、前記ハウジングを昇降させるハウジング駆動器と、を含み得る。
【0032】
本発明の実施形態による基板処理装置は、加熱された処理液を前記基板の上面に供給する液供給ユニットをさらに含んでもよい。加熱された前記処理液は、硫酸、リン酸、または前記硫酸と前記リン酸との混合液であり得る。
【0033】
本発明の実施形態によれば、処理液を基板の上面に供給して前記基板を処理し、前記処理液による前記基板処理の際にレーザービームを前記基板に照射して前記基板を加熱するが、前記レーザービームとして、均一化されたエネルギー分布を有する第1ビーム、および縁部領域が強化されたエネルギー分布を有する第2ビームのうちのいずれか一つを選択的に提供する、基板処理方法が提供できる。
【0034】
本発明の実施形態による基板処理方法は、前記処理液による前記基板処理の際に前記基板の温度分布を検出し、検出された前記基板の温度分布に基づいて、前記第1ビームおよび前記第2ビームのうちのいずれか一つを前記基板に選択的に提供することができる。
【0035】
本発明の実施形態による基板処理方法は、前記レーザービームを前記基板の下面に照射することができる。
【0036】
前記レーザービームを前記基板の上面に照射して前記基板を加熱することもできる。ところが、前記レーザービームを前記基板の上面に照射すると、前記レーザービームが、前記基板の上面に供給された前記処理液を経て前記基板の上面に到達し、この過程において前記処理液が前記レーザービームを吸収するので、前記処理液が例えばリン酸水溶液など高温で使用される処理液である場合、前記処理液の温度が沸点に近接するように上昇して前記処理液に気泡が発生し、前記基板がこのように発生した前記気泡の影響により破損するおそれがある。このため、前記レーザービームを前記基板の下面に照射すると、前記処理液の温度上昇およびこれに伴う前記気泡の発生による基板の破損問題を根本的に防止することができる。
【0037】
課題の解決手段は、以下で説明する実施形態、図面などからより具体的かつ明確になるだろう。なお、以下では、上述した解決手段以外の様々な解決手段がさらに提示され得る。
【発明の効果】
【0038】
本発明の実施形態によれば、基板処理の際に、均一化されたエネルギー分布を有する第1ビーム(全体均一形態のフラットトップレーザービーム)、および縁部領域が強化されたエネルギー分布を有する第2ビーム(縁部強化形態のフラットトップレーザービーム)のうちのいずれか一つを基板に選択的に提供することができる。
【0039】
したがって、第1ビームを基板に提供して基板を全体的に均一な温度に加熱することができる。また、基板の縁部領域の温度が相対的に低い場合には、第2ビームを基板に提供して基板の温度偏差を最小限に抑えることができる。
【0040】
発明の効果は、これに限定されず、上述していないその他の効果は、通常の技術者であれば、本明細書および添付図面から明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】従来の基板処理時の基板の温度分布を示すグラフである。
【
図2】本発明の実施形態による基板処理装置が適用された基板処理設備の構成を概略的に示す平面図である。
【
図3】本発明の実施形態による基板処理装置を示す断面図である。
【
図4】
図3のA部分を示す拡大図であって、これは本発明の実施形態による基板処理装置を構成する基板加熱ユニットの一例を示す。
【
図5】
図4に示された基板加熱ユニットの作動を示す。
【
図6】
図4に示された基板加熱ユニットの作動を示す。
【
図7】
図4に示された基板加熱ユニットのビームシェーパーを示す。
【
図8】
図4に示された基板加熱ユニットからのレーザービームのエネルギー分布を示すグラフである。
【
図9】本発明の実施形態による基板処理装置を構成する基板加熱ユニットの他の例を示す。
【
図10】本発明の実施形態による基板処理装置を構成する基板加熱ユニットの別の例を示す。
【
図11】
図10に示された基板加熱ユニットに関連して主平面を説明するための参考図である。
【
図12】
図10に示された基板加熱ユニットに関連して、レンズを透過するレーザービームが屈折される形態を説明するための参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態にについて、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。ところが、本発明は、複数の異なる形態で実施でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0043】
本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の機能や構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがあると判断された場合には、その具体的な説明を省略し、類似の機能および作用をする部分は、図面全体にわたって同じ符号を使用する。
【0044】
明細書で使用される用語の少なくとも一部は、本発明における機能を考慮して定義したものなので、ユーザー、運用者の意図、慣例などによって変わり得る。したがって、その用語については、明細書全般にわたった内容に基づいて解釈されるべきである。また、明細書において、ある構成要素を含むとするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。そして、ある部分が他の部分と連結(または、結合)されるとするとき、これは直接連結(または、結合)される場合だけでなく、他の部分を挟んで間接的に連結(または、結合)される場合も含む。
【0045】
一方、図面において、構成要素の大きさや形状、線の太さなどは、理解の便宜上、多少誇張して表現されていてもよい。
【0046】
本発明に係る基板加熱ユニットは、半導体やフラットパネルディスプレイなどを製造するための様々な基板処理工程を行うにあたり、基板を加熱するために使用できるものであるが、本発明の実施形態は、基板処理装置が処理液を用いて基板を処理する液処理装置であり、基板加熱ユニットがこのような液処理装置に適用されたものを中心に考察する。
【0047】
図2は本発明の実施形態による基板処理装置が適用された基板処理設備の構成を概略的に示す平面図である。
図2に示すように、基板処理設備は、インデックスモジュール(index module)1000および処理モジュール2000を含む。
【0048】
インデックスモジュール1000は、ロードポート(load port)1200、およびインデックスユニット1400を含む。ロードポート1200、インデックスユニット1400および処理モジュール2000は順次一列に配置される。以下では、ロードポート1200、インデックスユニット1400および処理モジュール2000が配列された方向を第1方向D-1とし、上方からみて、第1方向D-1に垂直な方向を第2方向D-2とし、第1方向D-1と第2方向D-2を含む平面に垂直な方向を第3方向D-3とする。
【0049】
ロードポート1200には、基板を収納するカセット(cassette)1300が装着される。ロードポート1200は、複数備えられ、第2方向D-2に沿って一列に配置される。
図2には、ロードポート1200が4つ備えられることが示されているが、ロードポート1200の個数は、処理モジュール2000の工程効率、フットプリント(footprint)などの実施条件に応じて増減できる。カセット1300は、オーバーヘッドトランスファー(overhead transfer)などのカセット搬送手段によってロードポート1200に置かれ得る。カセット1300は、内部に基板の縁部を支持するスロット(slot)が設けられる。カセット1300のスロットは、複数個が第3方向D-3に提供されるため、基板は、複数個が第3方向D-3に沿って互いに離隔するように間隔を置いてカセット1300の内部に収納される。カセット1300としては、前面開放一体型ポッド(front opening unified pod、FOUP)が使用できる。
【0050】
処理モジュール2000は、バッファユニット(buffer unit)2200、搬送ユニット2400および工程チャンバ(process chamber)2600を含む。搬送ユニット2400は、長さ方向が第1方向D-1と平行するように配置される。第2方向D-2に沿って搬送ユニット2400の両側にはそれぞれ工程チャンバ2600が配置される。搬送ユニット2400の両側に位置した工程チャンバ2600は、搬送ユニット2400を基準に互いに対称となるように提供できる。工程チャンバ2600の一部は、搬送ユニット2400の長さ方向である第1方向D-1に沿って配列される。また、複数の工程チャンバ2600の一部は互いに積層される。つまり、搬送ユニット2400の両方のうちの少なくとも一方には、工程チャンバ2600がA×B(AとBはそれぞれ1以上の自然数)の配列で配置できる。ここで、Aは第1方向D-1に沿って一列に提供された工程チャンバ2600の数であり、Bは第3方向D-3に沿って一列に提供された工程チャンバ2600の数である。搬送ユニット2400の両方のうちの少なくとも一方に工程チャンバ2600が4つまたは6つ提供される場合、工程チャンバ2600は2×2または3×2の配列で配置できる。工程チャンバ2600の数は増減できる。これとは異なり、工程チャンバ2600は、搬送ユニット2400の両方のうちのいずれか一方にのみ提供されてもよい。
【0051】
バッファユニット2200は、インデックスユニット1400と搬送ユニット2400との間に配置される。バッファユニット2200は、インデックスユニット1400と搬送ユニット2400との間に基板が搬送される前に基板が留まる空間を提供する。バッファユニット2200は、内部に基板が置かれるスロットが設けられる。バッファユニット2200のスロットは、複数個が互いに第3方向D-3に沿って離隔するように間隔を置いて配置される。バッファユニット2200における、インデックスユニット1400に面する部分および搬送ユニット2400に面する部分のそれぞれは、開放される。
【0052】
インデックスユニット1400は、カセット1300とバッファユニット2200との間に基板を搬送する。インデックスユニット1400には、インデックスレール(index rail)1420およびインデックスロボット(index robot)1440が提供される。インデックスレール1420は、長さ方向が第2方向D-2と並ぶように提供される。インデックスロボット1440は、インデックスレール1420上に設置され、インデックスレール1420に沿って第2方向D-2に移動する。インデックスロボット1440は、ベース(base)1441、ボディ1442およびインデックスアーム(index arm)1443を含む。インデックスロボット1440において、ベース1441はインデックスレール1420に沿って移動可能に設置され、ボディ1442はベース1441に結合される。インデックスロボット1440において、ボディ1442は、ベース1441上で第3方向D-3に沿って移動可能に提供され、また、ベース1441上で第3方向D-3の軸を中心に回転可能に提供される。インデックスロボット1440において、インデックスアーム1443は、ボディ1442に結合され、ボディ1442に対して前後移動可能に提供される。インデックスアーム1443は、複数備えられ、個別に駆動するように提供される。インデックスアーム1443は、第3方向D-3に沿って互いに離隔するように間隔を置いて配置される。複数のインデックスアーム1443のうち、一部は基板を処理モジュール2000からカセット1300へ搬送するために使用され、他の一部は基板をカセット1300から処理モジュール2000へ搬送するために使用され得る。このような構成は、インデックスロボット1440が基板を搬入または搬出する過程で工程処理前の基板から発生したパーティクル(particle)が工程処理後の基板に付着するのを防止することができる。
【0053】
搬送ユニット2400は、バッファユニット2200と工程チャンバ2600との間、および工程チャンバ2600同士の間に基板を搬送する。搬送ユニット2400には、搬送レール2420と搬送ロボット2440が提供される。搬送レール2420は、長さ方向が第1方向D-1と並ぶように配置される。搬送ロボット2440は、搬送レール2420上に設置され、搬送レール2420に沿って第1方向D-1に移動する。搬送ロボット2440は、ベース2441、ボディ2442および搬送アーム2443を含む。搬送ロボット2440において、ベース2441は搬送レール2420に沿って移動可能に設置され、ボディ2442はベース2441に結合される。搬送ロボット2440において、ボディ2442は、ベース2441上で第3方向D-3に沿って移動可能に提供され、また、ベース2441上で第3方向D-3の軸を中心に回転可能に提供される。搬送ロボット2440において、搬送アーム2443は、ボディ2442に結合され、ボディ2442に対して前後移動可能に提供される。搬送アーム2443は、複数備えられ、個別に駆動するように提供される。搬送アーム2443は、第3方向D-3に沿って互いに離隔するように間隔を置いて配置される。基板をバッファユニット2200から工程チャンバ2600へ搬送するとき、および基板を工程チャンバ2600からバッファユニット2200へ搬送するときには、互いに異なる搬送アーム2443が使用できる。
【0054】
工程チャンバ2600は、基板処理工程を行う基板処理装置を含む。工程チャンバ2600のそれぞれの基板処理装置は、実行する工程の種類によって構造が異なり得る。選択的に、工程チャンバ2600のそれぞれの基板処理装置は、同じ構造を持つことができる。選択的に、工程チャンバ2600は、複数のグループに区分され、同じグループに属する工程チャンバ2600の基板処理装置は、互いに同一の構造を持ち、互いに異なるグループに属する工程チャンバ2600の基板処理装置は、互いに異なる構造を持つことができる。例えば、工程チャンバ2600が2つのグループに区分される場合、搬送ユニット2400の両方のうち、一方には第1グループの工程チャンバ2600、他方には第2グループの工程チャンバ2600が提供され得る。選択的に、積層された工程チャンバ2600のうち、下層には第1グループの工程チャンバ2600、上層には第2グループの工程チャンバ2600が提供され得る。第1グループの工程チャンバ2600と第2グループの工程チャンバ2600は、工程に使用される処理液の種類などによって区分される。
【0055】
図3は本発明の実施形態による基板処理装置の構成を示す断面図である。
図3に示された基板処理装置は、処理液を用いて基板を処理する液処理装置であり、工程チャンバ(
図2の図面符号2600を参照)のうちの少なくとも一つは、基板処理装置として液処理装置を含む。
【0056】
図3を参照すると、本発明の実施形態による基板処理装置は、チャンバ1、処理容器2、基板支持ユニット3、第1昇降駆動ユニット4、回転駆動ユニット5、第2昇降駆動ユニット6、液供給ユニット7および基板加熱ユニット8を含む。
【0057】
チャンバ1は、基板Wに対する処理工程が行われ、外部との遮断が可能な基板処理空間(内部空間)11を提供する。基板W(以下、図面符号の併記は省略する。)に対する処理は、常圧または真空で行われ得る。チャンバ1には、基板処理空間11を減圧によって真空雰囲気に造成するための真空ポンプ(vacuum pump)が連結できる。
【0058】
液回収ユニットである処理容器2は、基板処理空間11に配置される。処理容器2は、上部が開放され、内部には開放された上部と連通する収容空間が設けられたカップ(cup)構造を持つように形成される。処理容器2の収容空間には基板支持ユニット3が配置される。基板支持ユニット3によって支持された基板の上面(表面)には、液供給ユニット7によって処理液が供給され、処理容器2は、液供給ユニット7から基板の上面に供給された処理液を回収する。処理容器2は、収容空間を包み込む第1カップ部材(第1容器)21、第1カップ部材21を一定の間隔を置いて包み込む第2カップ部材(第2容器)22、および第2カップ部材22を一定の間隔を置いて包み込む第3カップ部材(第3容器)23を含むことができる。このため、内側の第1カップ部材21と外側の第3カップ部材23との間には第2カップ部材22が配置できる。このように、処理容器2は、複数のカップ部材(容器)21、22、23で構成できる。複数のカップ部材(容器)21、22、23は、共通の中央空間を有することができる。それぞれのカップ部材21、22、23は、互いに異なる処理液を回収する用途に使用できる。第1カップ部材21は、回収する処理液が流入する開口である第1流入口21aを有することができる。第1カップ部材21と第2カップ部材22との間の開口は、回収すべき処理液が流入する第2流入口22aとして機能することができる。第2カップ部材22と第3カップ部材23との間の開口は、回収すべき処理液が流入する第3流入口23aとして機能することができる。
【0059】
第1カップ部材21は、第1壁体211、212および第1底部213を含むことができる。第1壁体211、212は、収容空間の周囲を取り囲むように形成できる。第1壁体211、212は、横断面が一定の円形構造を持つように形成された第1下部壁211と、第1下部壁211の上端から内方に一定の角度で傾斜するように延び、円錐台構造を持つ第1上部壁212と、を含むことができる。第1下部壁211と第1上部壁212とは一体に形成できる。第1上部壁212の上端にはリング状の第1突起が設けられ得る。第1突起は、第1上部壁212の上端から下方に突出した構造を持つように形成できる。第1底部213は、リング状に形成されて共通の中央空間の一部を提供することができる。第1底部213には第1下部壁211が立てられ得る。
【0060】
第2カップ部材22は、第2壁体221、222および第2底部223を含むことができる。第2壁体221、222は、第1壁体211、212の周りを一定の間隔を置いて取り囲むように形成できる。第2壁体221、222は、横断面が一定の円形構造を持つように形成された第2下部壁221と、第2下部壁221の上端から内方に一定の角度で傾斜するように延び、円錐台構造を持つ第2上部壁222と、を含むことができる。第2下部壁221と第2上部壁222とは一体に形成できる。第2上部壁222は、上端の高さが第1上部壁212の上端に比べて高く、内周の大きさが第1上部壁212の内周と同一または類似となるように形成され、第1上部壁212の上端と第2上部壁222の上端との間には、第2流入口22aとして機能する開口が形成できる。第2上部壁222の上端には、リング状の第2突起が設けられ得る。第2突起は、第2上部壁222の上端から下方に突出した構造を持つように形成できる。第2底部223は、第1底部213から下方に一定の距離離隔することができる。第2底部223は、リング状に形成され、共通の中央空間の一部を提供することができる。第2底部223には、第2下部壁221が立てられ得る。
【0061】
第3カップ部材22は、第3壁体231、232および第3底部233を含むことができる。第3壁体231、232は、第2壁体221、222の周りを一定の間隔を置いて取り囲むように形成できる。第3壁体231、232は、横断面が一定の円形構造を持つように形成された第3下部壁231と、第3下部壁231の上端から内側方向に一定の角度で傾斜するように延び、円錐台構造を持つ第3上部壁232と、を含むことができる。第3下部壁231と第3上部壁232とは一体に形成できる。第3上部壁232は、上端の高さが第2上部壁222の上端に比べて高く、内周の大きさが第2上部壁222の内周と同一または類似となるように形成され、第2上部壁222の上端と第3上部壁232の上端との間には、第3流入口23aとして機能する開口が形成できる。第3上部壁232の上端には、リング状の第3突起が設けられ得る。第3突起は、第3上部壁232の上端から下方に突出した構造を持つように形成できる。第3底部233は、第2底部223から下方に一定の距離離隔することができる。第3底部233は、リング状に形成され、共通の中央空間の一部を提供することができる。第3底部233には、第3下部壁231が立てられ得る。
【0062】
それぞれのカップ部材21、22、23は、底部213、223、233の液排出口に液排出管24、25、26がそれぞれ連結できる。それぞれの液排出管24、25、26は、下方に延び、それぞれの流入口21a、22a、23aを介してそれぞれのカップ部材21、22、23に回収された処理液を排出することができる。それぞれの液排出管24、25、26を介して排出された処理液は、液再生ユニットによって再生された後、再利用できる。
【0063】
基板支持ユニット3は、基板処理工程の実行時に基板を支持する。基板支持ユニット3は、基板処理工程が行われる間、回転駆動ユニット5によって回転することができる。基板支持ユニット3は、スピンヘッド(spin head)31および基板チャック(substrate chuck)32を含む。
【0064】
スピンヘッド31は、基板がウエハーである場合、ウエハーに対応する円形形状の上面を有することができる。スピンヘッド31の上側には基板が提供される。スピンヘッド31は処理容器2の収容空間に配置される。スピンヘッド31は、回転駆動ユニット5によって第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)の軸を中心に回転する。回転駆動ユニット5は、スピンヘッド31を高速で回転させることができる。スピンヘッド31には、支持ピン(support pin)314が複数提供される。支持ピン314は、基板の下面(裏面)を支持するようにスピンヘッド31の上面から突出し、互いに離隔するように間隔を置いて配置される。
【0065】
基板チャック32はスピンヘッド31に提供される。基板チャック32は、スピンヘッド31の上側に適用された複数のチャックピン(chuck pin)321を含む。チャックピン321は、支持ピン314に比べてスピンヘッド31の中心から遠く離隔している位置に配置できる。基板チャック32は、チャックピン321が互いに離隔した位置でそれぞれ基板の側面を支持することにより、基板が定位置から離脱することを防止するように構成できる。チャックピン321は、ピン駆動器によってスピンヘッド31の中心側と中心から外側方向に沿って移動して待機位置に位置するか或いは支持位置に位置することができる。待機位置は、チャックピン321による基板の支持が行われる支持位置に比べて、スピンヘッド31の中心から遠く離隔している位置であり得る。チャックピン321は、基板がスピンヘッド31の上側に対してロード(loading)されるときまたはアンロード(unloading)されるときには、待機位置に移動して待機することができ、ロードされた基板に対する処理工程が行われる間には、支持位置へ移動して基板を支持することができる。チャックピン321は、支持位置で基板の側面にそれぞれ接触して基板を支持することができる。
【0066】
第1昇降駆動ユニット4は、処理容器2を第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に昇降させる。第1昇降駆動ユニット4は、それぞれのカップ部材21、22、23を同時に移動させるか或いは個別に移動させるように構成できる。処理容器2が第1昇降駆動ユニット4によって昇降すると、それぞれのカップ部材21、22、23は、基板支持ユニット3によって支持された基板に対する相対高さが変更される。昇降駆動ユニット4は、ブラケット(bracket)41、昇降可能なロッド(rod)42およびロッド駆動器43を含むことができる。
【0067】
ブラケット41は、処理容器2の外部に装着できる。具体的には、ブラケット41は、最も外側に位置した第3カップ部材23を構成する第3壁体231、232の外壁に装着できる。ロッド42はブラケット41に結合できる。ロッド42は、第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に延びることができる。ロッド駆動器43は、ロッド42を動力源からの動力によって昇降させるように構成できる。
【0068】
第1昇降駆動ユニット4は、基板がスピンヘッド31の上側にロードまたはアンロードされるとき、搬送ロボット(
図2の図面符号2440を参照)と処理容器2との間の干渉の発生が防止されるように処理容器2を下降させることができる。また、第1昇降駆動ユニット4は、基板処理工程中に液供給ユニット7から基板の上面に供給される処理液の種類に応じて、処理液が、予め設定した流入口21a、22a、23aに流入するように、処理容器2を昇降させて処理容器2の高さを調整することができる。
【0069】
回転駆動ユニット5は、基板支持ユニット3を回転させて、基板支持ユニット3によって支持された基板を第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)の軸を中心に回転させる。回転駆動ユニット5によれば、基板は基板処理工程が行われる間に回転することができ、回転する基板の上面に供給された処理液は周囲に飛散することができ、飛散した処理液は予め設定した流入口21a、22a、23aに流入することができる。
【0070】
第2昇降駆動ユニット6は、基板支持ユニット3を第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に昇降させて、基板支持ユニット3によって支持された基板を基板支持ユニット3と同じ方向に昇降させる。基板支持ユニット3が第2昇降駆動ユニット6によって昇降すると、基板支持ユニット3によって支持された基板は、処理容器2に対する相対高さが変更される。また、基板に対する液供給ユニット7からの処理液供給高さが変更される。処理容器2に対する基板の相対高さが変更されることを考慮すると、処理容器2を昇降させる第1昇降駆動ユニット4は省略できる。もちろん、第1昇降駆動ユニット4の代わりに第2昇降駆動ユニット6が省略されてもよい。
【0071】
液供給ユニット7は、処理液を、基板支持ユニット3によって支持された基板の上面に供給する。液供給ユニット7は、アーム支持台71、ノズルアーム72、ノズル(nozzle)73および支持台駆動器74を含むことができる。
【0072】
アーム支持台71は、基板処理空間11において処理容器2の外部に配置され、第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に延びることができる。ノズルアーム72は、アーム支持台71の上端部分に結合され、第3方向に垂直な方向に延びることができる。ノズル73は、ノズルアーム72の先端部分に処理液を下方に吐出するように装着できる。支持台駆動器74は、アーム支持台71の回転(第3方向の軸を中心とする回転)と昇降(第3方向への昇降)のうちの少なくとも一つを行うように構成できる。支持台駆動器74が作動すると、ノズル73は移動(回転移動および/または昇降移動)できる。
【0073】
このような液供給ユニット7によれば、ノズル73は、支持台駆動器74によってアーム支持台71を中心に回転して待機位置に位置するか、或いは供給位置に位置することができる。このとき、待機位置は、ノズル73が処理容器2の垂直上部から外れた位置であり、供給位置は、ノズル73から吐出された処理液が基板の上面に供給されるようにノズル73が処理容器2の垂直上部に配置された位置であり得る。ノズル73は、基板がスピンヘッド31の上側にロードまたはアンロードされるときには、待機位置へ移動して待機することができ、ロードされた基板に対する処理工程が行われる間には、供給位置へ移動して処理液を基板の上面に供給することができる。
【0074】
一方、液供給ユニット7は、複数備えられてもよい。または、ノズル73は、複数備えられてもよい。液供給ユニット7を複数備えるか、或いは液供給ユニット7がノズル73を複数備える場合、複数の液供給ユニット7または複数のノズル73は、基板の上面に、互いに異なる処理液を供給することができる。このとき、互いに異なる処理液は第1処理液と第2処理液であり得る。第1処理液は、高温(例えば、150~170℃)で使用する処理液であり得る。具体的には、第1処理液は、リン酸、硫酸、またはリン酸と硫酸との混合液であり得る。第2処理液は、常温の純水(eionized water、DIW)であり得る。
【0075】
基板加熱ユニット8は、基板処理工程の実行時に、基板支持ユニット3によって支持された基板を加熱することができる。
図4乃至
図6に示すように、基板加熱ユニット8は、レーザー発生器81、ビームシェーパー82、温度検出器83および制御器84を含み、レーザーを用いて基板を加熱することができるように構成される。レーザー発生器81は、基板を加熱するためのレーザービームを提供し、ビームシェーパー82は、レーザー発生器81によって提供されたレーザービームを加工して、エネルギー分布が互いに異なる第1ビームB1と第2ビームB2のうちのいずれか一つを基板に選択的に提供し、基板に到達したレーザービーム(第1ビームと第2ビームの中から選択されたいずれか一つ)は、基板を加熱する。温度検出器83は、基板の温度分布をリアルタイムにて検出し、制御器84は、温度検出器83によって検出された基板の温度分布に応じて、ビームシェーパー82がレーザービームを第1ビームB1と第2ビームB2の中から選択されたいずれか一つに加工するように、ビームシェーパー82をコントロールする。基板加熱ユニット8は、ケーシング(casing)85をさらに含んでもよい。レーザー発生器81とビームシェーパー82は、ケーシング85によって外部から保護できる。ケーシング85は、レーザー発生器81から基板に移動するレーザービームとの干渉の発生がない構造を持つように構成できる。
【0076】
基板加熱ユニット8は、基板を加熱するためにレーザービームを基板の下面に照射する。レーザービームをこのように照射するために、基板支持ユニット3は、基板の下面を露出させる露出開口312が設けられた構造を持つように構成され、ビームシェーパー82は、基板支持ユニット3の下側で露出開口312を介して、第1ビームB1と第2ビームB2の中から選択されたいずれか一つを基板の下面に提供する。また、回転駆動ユニット5は、基板支持ユニット3の下側に、露出開口312に連通しているビーム通路511を提供するように構成され、第2昇降駆動ユニット6は、回転駆動ユニット5の下側に、ビーム通路511に連通しているハウジング61を提供するように構成されることにより、基板支持ユニット3、回転駆動ユニット5および第2昇降駆動ユニット6は、第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に沿って配置され、ビームシェーパー82は、レーザー発生器81と一緒にハウジング61の内部に収容される。まず、これをより具体的に考察すると、次のとおりである。
【0077】
基板支持ユニット3の露出開口312は、スピンヘッド31に設けられる。スピンヘッド31は、露出開口312が上下方向としての第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に貫通したヘッド本体311と、露出開口312の上端をカバーする支持プレート313と、を含む。
【0078】
露出開口312は、基板の下面全体を露出させる大きさに形成され、チャックピン321は、ヘッド本体311の上側で露出開口312の周囲に配置され、基板の側面を支持する。露出開口312は、上端側から下端側へ行くほど縮小される形状を持つように形成でき、ヘッド本体311も、上端側から下端側に行くほど縮小される外形を持つように形成できる。
【0079】
支持プレート313は、露出開口312を上方からカバーした状態でヘッド本体311に結合される。支持プレート313は支持ピン314を有する。支持ピン314は、支持プレート313の上面から突出して一定の長さを有する。支持ピン314を含む支持プレート313は、ビームシェーパー82からの加工されたレーザービーム(すなわち、第1ビームと第2ビームの中から選択されたいずれか一つ)が透過する素材で構成され、加工されたレーザービームは、支持プレート313を透過して基板の下面に照射される。支持プレート313は、レーザー透過率と共に処理液に対する耐食性に優れた素材から構成できる。一例として、支持プレート313の素材は、サファイア(sapphire)、石英(quartz)などのセラミックであってもよい。
【0080】
回転駆動ユニット5は、ヘッド支持部材51およびヘッド駆動器を含む。ヘッド支持部材51は、スピンヘッド31が第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)の軸を中心に回転できるようにスピンヘッド31を支持し、ヘッド駆動器は、動力源からの動力によってスピンヘッド31を回転させるように構成される。
【0081】
ヘッド支持部材51は、ヘッド本体311の下側に堅固に結合され、露出開口312に連通しているビーム通路511を有する。ビーム通路511は、ヘッド支持部材51に上下方向に貫通した形状に設けられる。ヘッド支持部材51は、リング状に形成できる。ヘッド駆動器は、モータの回転力をスピンヘッド31に伝達する電動機構であって、ラックアンドピニオン(rack and pinion)を含むことができる。ピニオンに噛み合ったラックは、ヘッド本体311の下部にヘッド本体311の外周方向に沿って設けられ得る。ピニオンはヘッド支持部材51に装着できる。
【0082】
第2昇降駆動ユニット6は、ハウジング61およびハウジング駆動器(
図3の図面符号62参照)を含む。ハウジング61は、回転駆動ユニット5に結合され、ハウジング駆動器62は、動力源からの動力によって回転駆動ユニット5を昇降させるように構成される。回転駆動ユニット5が昇降すると、スピンヘッド31が同様に一緒に昇降する。ハウジング61は、ヘッド支持部材51を下方から支持し、上端が開放された形状に形成されてビーム通路511と連通する。ハウジング61は、処理容器2の共通の中央空間を通過するように配置でき、ハウジング駆動器62は、ハウジング61の下部に結合され、基板処理空間11における処理容器2の外部に配置できる。
【0083】
再び基板加熱ユニット8について考察すると、レーザー発生器81は、少なくとも一つのレーザー光源を含み、所要の波長を持つレーザービームをビームシェーパー82へ提供することができるように構成される。レーザー光源は、単一のバルクレーザー(bulk laser)であってもよく、互いに並んだ複数のファイバーレーザーからなるファイバーレーザーバンドル(fiber laser bundle)であってもよい。レーザー光源としてバルクレーザーが適用されると、レーザー発生器81は、レーザー光源から出力されたレーザービームを所要の大きさに拡大させるビーム拡大手段をさらに含んでもよい。このようなレーザー発生器81は、基板を加熱するためのレーザービームとして、基板に対して優れた吸収性を持つ波長のレーザービームを提供する。例えば、基板はウエハーであり、レーザー発生器81から出力されたレーザービームの波長は355nmであり得る。基板に対する吸収率が高い波長のレーザービームを提供すると、基板を所要の温度にさらに迅速に加熱することができる。
【0084】
レーザー発生器81によって提供されたレーザービームは、ガウス(gaussian)分布を示して、中央部分でエネルギーが大きく、縁部に行くほどエネルギーが小さい。ビームシェーパー82は、ガウス分布を持つレーザービームを加工して、均質化されたフラットトップ(flat top)レーザービームに変換することができる。
図5を参照すると、ビームシェーパー82によって加工された第1ビームB1は、全体的に均一化されたエネルギー分布を持つ全体均一形態のフラットトップレーザービームである。そして、
図6を参照すると、ビームシェーパー82によって加工された第2ビームB2は、縁部領域が相対的に強化されたエネルギー分布を持つ縁部強化形態のフラットトップレーザービームである。
【0085】
ビームシェーパー82は、基板へ提供されて基板の下面に到達したレーザービームのイメージが基板と実質的に同一または類似レベルの大きさおよび形状を持つようにレーザー発生器81からのレーザービームを加工することができる。このため、第1ビームB1を基板の下面へ提供して基板を全体的に均一化された温度に加熱することもでき、第2ビームB2を基板の下面へ提供して基板の縁部領域を基板の中央領域に比べて上昇した温度に加熱することもできる。
【0086】
図7は
図4に示された基板加熱ユニット8のビームシェーパー82を示す。
図4および
図7を参照すると、ビームシェーパー82は、レーザー発生器81からのレーザービームを複数に分割するレンズアセンブリ821と、レンズアセンブリ821によって分割されたレーザービームを基板に集光させる集光レンズ822と、を含むことにより、レーザー発生器81によって提供されたガウス分布のレーザービームを、均質化されたフラットトップレーザービームに変換することができる。レンズアセンブリ821は、レーザー発生器81からのレーザービームが移動する経路であるビーム移動経路上にビーム移動経路に沿って配列された3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3を含む。レーザー発生器81によって提供されたレーザービームは、ビーム移動経路のうちの少なくとも一部区間で基板に向かって第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に移動する。3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3は第3方向に沿って一列に配列される。3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3は同軸に配置される。集光レンズ822は3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3と同軸に配置される。
【0087】
3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3のそれぞれは、レンズベースおよびレンズレットLを含む。レンズレットLは、レンズベースに複数の列および複数の行を持つように一定の間隔で配列される。3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3のそれぞれにおいて、互いに隣接する列または互いに隣接する行のレンズレットLは、互いに同じ位置に配置されてもよく、互いにずれた位置に配置されてもよい。3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3のそれぞれには、レンズレットLとして、凹レンズおよび凸レンズのうちの少なくとも一つが適用できる。レンズレットLとしての凹レンズまたは凸レンズは、マイクロレンズ(microlens)であってもよい。3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3は、互いに同一であってもよい。
【0088】
基板の下面に到達したレーザービームのイメージは、その形状がレンズレットLの形状に応じて決定される。すなわち、レンズレットLの形状が四角形である場合には、レーザービームのイメージも四角形になり、レンズレットLの形状が円形である場合には、レーザービームのイメージも円形になる。レンズレットLの形状は、基板に対応する形状に形成される。例えば、基板がウエハーであれば、レンズレットLは、ウエハーに対応する円形に形成される。このとき、レンズベースも、ウエハーに対応する円形であり得る。
【0089】
3つのレンズアレイLA1、LA2、LA3は第1レンズアレイLA1、第2レンズアレイLA2および第3レンズアレイLA3であり、第2レンズアレイLA2は第1レンズアレイLA1と第3レンズアレイLA3との間に配置され、第3レンズアレイLA3は第2レンズアレイLA2と集光レンズ822との間に配置され、レーザー発生器81からのレーザービームは第1レンズアレイLA1、第2レンズアレイLA2、第3レンズアレイLA3および集光レンズ822を順次透過する。第1レンズアレイLA1と集光レンズ822は、位置が固定されたのに対し、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3は、それぞれビーム移動経路で第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)と並んだ区間に沿って移動可能に提供される。
【0090】
第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3は、第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に延びたガイド(guide)823に沿ってそれぞれ直線的に移動する。ビームシェーパー82は、それぞれ移動可能な第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3を独立して移動させるレンズ駆動機構824をさらに含む。レンズ駆動機構824は、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3をそれぞれ動力源からの動力によって移動させるように構成できる。
【0091】
図7において、f
1は第1レンズアレイLA1の焦点距離であり、f
2は第2レンズアレイLA2の焦点距離であり、f
3は第3レンズアレイLA3の焦点距離であり、f
cは集光レンズ822の焦点距離である。また、d
12は第1レンズアレイLA1と第2レンズアレイLA2との間の距離であり、d
23は第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3との間の距離であり、d
3cは第3レンズアレイLA3と集光レンズ822との間の距離であり、d
ciは集光レンズ822と基板との間の距離である。また、pはレンズレットL間のピッチ(pitch)である。第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3をレンズ駆動機構824によって移動させるズーム(zoom)作動を行うと、第1レンズアレイLA1と第2レンズアレイLA2との間の距離d
12、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3との間の距離d
23、および第3レンズアレイLA3と集光レンズ822との間の距離d
3cが変更され、これにより、基板の下面に到達したフラットトップレーザービームのイメージの大きさと共にフラットトップレーザービームの傾斜度や均質度などが変化する。
【0092】
ここで、レーザービームのイメージの大きさDは、次の式1によって計算できる。ちなみに、レンズレットLが円形であり且つ互いに連接するように配列されると、ピッチpはレンズレットLの直径であり得る。
【数4】
【0093】
そして、レーザービームのイメージが最適な傾斜度と均質度を持つように加工するには、イメージング条件(imaging condition)を満足しなければならない。イメージング条件は、次の式2および式3のようにまとめることができる。
【数5】
【0094】
【0095】
第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3が移動して式2または式3を満足するか、或いは式2と式3の両方ともを満足する位置に配置されると、最適な傾斜度と均質度を持つフラットトップレーザービームを提供することができる。最適な傾斜度と均質度を持つフラットトップレーザービームは、全体的に均一化されたエネルギー分布を持つ全体均一形態のフラットトップレーザービームである第1ビームB1である。これに対し、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3が移動して式2と式3の両方ともを満足しない位置に配置されると、相対的に低下した傾斜度と均質度を持つフラットトップレーザービームを提供することができる。相対的に低下した傾斜度と均質度を持つフラットトップレーザービームは、縁部領域が相対的に強化されたエネルギー分布を持つ縁部強化形態のフラットトップレーザービームである第2ビームB2である。
【0096】
イメージング条件を満足するとき、レーザービームのイメージの大きさDは、式4で計算できる。
【数7】
【0097】
例えば、pが4.0mmであり、f1、f2およびf3がいずれも38.24mmであり、fcが75.0mmであり、d12、d23およびdciがそれぞれ1.20mm、37.0mm、11.8mmであると仮定するとき、イメージング条件を満足するレーザービームのイメージの大きさDは8.1mmである。また、pが4.0mmであり、f1、f2およびf3がいずれも38.24mmであり、fcが75.0mmであり、d12、d23およびdciがそれぞれ12.8mm、19.0mm、18.2mmであると仮定するとき、イメージング条件を満足するレーザービームのイメージの大きさDは11.8mmである。また、pが4.0mmであり、f1、f2およびf3がいずれも38.24mmであり、fcが75.0mmであり、d12、d23およびdciがそれぞれ18.9mm、1.0mm、30.1mmであると仮定するとき、イメージング条件を満足するレーザービームのイメージの大きさDは15.5mmである。これをまとめると、表1に示すとおりである。
【0098】
【0099】
図8はビームシェーパー82によって加工されたレーザービームのエネルギー分布を示すグラフであり、(A)は第1ビームB1のエネルギー分布を示し、(B)は第2ビームB2のエネルギー分布を示す。
【0100】
図8の(A)では、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3が式2と式3のうちの少なくとも一つを満足するように配置されると、フラットトップレーザービームの傾斜度と均質度が最適に維持されて全体均一形態のフラットトップレーザービームが提供されることを確認することができる。
図8の(B)では、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3が式2と式3の両方ともを満足しないように配置されると、フラットトップレーザービームの傾斜度と均質度が相対的に低くなって縁部強化形態のフラットトップレーザービームが提供されることを確認することができる。
図8の(A)および(B)のグラフにおいてフラットトップレーザービームの縁部領域に対応する部分を対比すると、
図8の(A)の第1ビームB1は、回折効果によるレーザービームの変化が相対的に少ないので、レーザービームのエネルギー分布偏差が小さいことを確認することができ、
図8の(B)の第2ビームB2は、縁部領域のエネルギー強度が回折効果によって大幅に上昇して縁部領域が強化されたことを確認することができる。また、
図8における(A)の第1ビームB1と(B)の第2ビームB2は、傾斜度が互いに異なり、第1ビームB1は垂直に近接しているのに対し、第2ビームB2は第1ビームB1に比べて緩やかであることを確認することができる。
【0101】
温度検出器83は、基板支持ユニット3の上方に配置された熱画像カメラ(thermal imager)を含むことができる。制御器84は、温度検出器83によって検出された基板の温度分布が全般的に一定のレベルであれば、全体均一形態の第1ビームB1が基板に照射されて基板が全体的に均一化された温度に加熱されるように、レンズ駆動機構824を作動させることができる。これに対し、基板の縁部領域の温度が相対的に低いため、基板の温度分布が温度検出器83によって不均一であると検出されると、制御器84は、縁部強化形態の第2ビームB2が基板に照射されて基板の縁部領域が基板の中央領域に比べて上昇した温度に加熱されるように、レンズ駆動機構824を作動させることができる。第2ビームB2によれば、基板の中央領域と縁部領域との間の温度差を最小限に抑えることができる。基板の中央領域と縁部領域との間の温度差は、基板の中央部分に供給された高温の処理液が基板の縁部側に広がりながら発生する温度低下現象に起因したものであり得る。
【0102】
上述したような基板加熱ユニット8は、レーザー発生器81が提供するガウス分布のレーザービームを均質化されたフラットトップレーザービームに加工して基板へ提供することにより、基板を加熱することができる。この時、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3の位置に応じて、フラットトップレーザービームのイメージの大きさおよびフラットトップレーザービームの特性が決定されるので、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3をイメージング条件を満足する位置に配置させて、フラットトップレーザービームとして第1ビームB1(全体均一形態)を提供することもでき、第2レンズアレイLA2と第3レンズアレイLA3をイメージング条件を満足しない位置に配置させて、フラットトップレーザービームとして第2ビームB2(縁部強化形態)を提供することもできる。例えば、基板加熱ユニット8は、第1ビームB1のイメージが基板に対応する大きさを持ち、第2ビームB2のイメージが基板に比べてやや小さいか大きい大きさを持つように設定され、作動することができる。逆に、基板加熱ユニット8は、第2ビームB2のイメージが基板に対応する大きさを持ち、第1ビームB1のイメージが基板に比べてやや小さいか大きい大きさを持つように設定され、作動することもできる。
【0103】
一方、図面符号86は、基板とビームシェーパー82との離隔距離を調節する距離調節ユニットである。距離調節ユニット86は、ハウジング61の内部でハウジング61に装着され、ケーシング85に結合され、動力源からの動力によってケーシング85を第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)に沿って移動させるように構成できる。ハウジング61が第3方向に沿って基板側に移動すると、基板とビームシェーパー82との離隔距離は短縮される。逆に、ハウジング61が第3方向に沿って基板の向こう側に移動すると、基板とビームシェーパー82との離隔距離は延長される。
【0104】
図9は本発明の実施形態による基板処理装置に適用された基板加熱ユニットの他の例を示す。
図9を参照すると、基板加熱ユニットの他の例は、前述した基板加熱ユニットの一例と比較するとき、その他の構成およびその作用はすべて同様であるのに対し、レンズアセンブリ821が二つのレンズアレイLA1、LA2を含むことだけが異なる。ちなみに、
図9には基板加熱ユニットの他の例がビームシェーパーを中心に示されている。
【0105】
図9に示すように、二つのレンズアレイLA1、LA2は、第1レンズアレイLA1および第2レンズアレイLA2であり、第2レンズアレイLA2は、第1レンズアレイLA1と集光レンズ822との間に配置され、レーザー発生器からのレーザービームは、同軸上の第1レンズアレイLA1、第2レンズアレイLA2および集光レンズ822を順次透過する。もちろん、第1レンズアレイLA1と集光レンズ822は、位置が固定された一方、第2レンズアレイLA2は、ビーム移動経路で第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)と並んだ区間に沿って移動可能に提供され、レンズ駆動機構は、第2レンズアレイLA2を移動させる。
【0106】
図9において、f
1は第1レンズアレイLA1の焦点距離であり、f
2は第2レンズアレイLA2の焦点距離であり、f
cは集光レンズ822の焦点距離である。また、d
12は第1レンズアレイLA1と第2レンズアレイLA2との間の距離であり、d
2cは第2レンズアレイLA2と集光レンズ822との間の距離であり、d
ciは集光レンズ822と基板との間の距離である。また、pはレンズレットL間のピッチである。第2レンズアレイLA2をレンズ駆動機構によって移動させるズーム作動を行うと、第1レンズアレイLA1と第2レンズアレイLA2との間の距離d
12および第2レンズアレイLA2と集光レンズ822との間の距離d
2cが変更され、これにより、基板の下面に到達したフラットトップレーザービームのイメージの大きさと共にフラットトップレーザービームの傾斜度、均質度などが変化する。
【0107】
ここで、レーザービームのイメージの大きさDは、次の式5によって計算できる。
【数8】
【0108】
そして、レーザービームのイメージが最適な傾斜度と均質度を持つように加工するには、イメージング条件を満足しなければならない。イメージング条件は、次の式6のとおりにまとめることができる。第2レンズアレイLA2が移動して、式5を満足する位置に配置されると、最適な傾斜度と均質度を有するフラットトップレーザービーム(すなわち、全体均一形態の第1ビーム)を提供することができる。これに対し、第2レンズアレイLA2が移動して、式5を満足しない位置に配置されると、相対的に低下した傾斜度と均質度を有するフラットトップレーザービーム(すなわち、縁部強化形態の第2ビーム)を提供することができる。
【数9】
【0109】
イメージング条件を満足するとき、レーザービームのイメージの大きさDは、式7で計算できる。
【数10】
【0110】
このようにレンズアレイを3枚ではなく、2枚備えても、第1ビーム(全体均一形態)と第2ビーム(縁部強化形態)のうちのいずれかを基板として選択的に提供することができる。
【0111】
図10は本発明の実施形態による基板処理装置に適用された基板加熱ユニットの別の例を示す。
図11および
図12は基板加熱ユニットの別の例に関連する参考図である。
【0112】
図10を参照すると、基板加熱ユニットの別の例は、前述した基板加熱ユニットの一例および他の例と比較すると、その他の構成およびその作用はすべて同様であるのに対し、レンズアセンブリ821が任意の複数枚(例えば、4つ以上)のレンズアレイLA1、LA2、LA3、LA4を含み、集光レンズ822が少なくとも一つ備えられたことだけが異なる。ちなみに、
図10には基板加熱ユニットの別の例がビームシェーパーを中心に示されている。
【0113】
図10に示すように、ビームシェーパーは、レンズアセンブリ821と集光レンズグループG3を含む。レンズアセンブリ821は、少なくとも一つのレンズアレイLA1、LA2を有する第1レンズアレイグループG1、および少なくとも一つのレンズアレイLA3、LA4を有する第2レンズアレイグループG2を含む。集光レンズグループG3は、少なくとも一つの集光レンズ822を有する。レンズアレイグループG1、G2のレンズアレイLA1、LA2および集光レンズグループG3の集光レンズ822は、ビーム移動経路に沿って配列され、同軸に配置される。第2レンズアレイグループG2は、第1レンズアレイグループG1と集光レンズグループG3との間に配置され、レーザー発生器からのレーザービームは、第1レンズアレイグループG1、第2レンズアレイグループG2および集光レンズグループG3を順次透過する。第1レンズアレイグループG1と第2レンズアレイグループG2のうちの少なくとも一つは、レンズアレイを複数有することができる。
【0114】
レーザービームの移動方向を基準に最前方に配置されたレンズアレイLA1は、位置が固定され、残りのレンズアレイLA2、LA3、LA4のうちの少なくとも一部は、ビーム移動経路において第3方向(
図2の図面符号D-3を参照)と並んだ区間に沿って移動可能に提供される。集光レンズグループG3が集光レンズ822を単数有する場合、集光レンズ822は、位置が固定される。集光レンズグループG3が集光レンズ822を複数有する場合、レーザービームの移動方向を基準に最後方に配置された集光レンズ822は、位置が固定されるが、残りの集光レンズ822は、少なくとも一部がビーム移動経路において第3方向と並んだ区間に沿って移動可能に提供されてもよく、すべての位置が固定されてもよい。移動可能なレンズアレイまたは移動可能なレンズアレイと集光レンズは、レンズ駆動機構によって移動する。
【0115】
図10において、f
1eは第1レンズアレイグループG1の等価焦点距離(equivalent focal length)であり、f
2eは第2レンズアレイグループG2の等価焦点距離であり、f
ceは集光レンズグループG3の等価焦点距離である。また、pはレンズレットL間のピッチである。
【0116】
ここで、レーザービームのイメージの大きさDは、次の式8によって計算できる。
【数11】
【0117】
第1レンズアレイグループG1の主平面から第2レンズアレイグループG2の主平面までの距離は、第2レンズアレイグループG2の等価焦点距離f2eと同一であってもよく、第1レンズアレイグループG1の等価焦点距離f1eと第2レンズアレイグループG2の等価焦点距離f2eを変化させてズーム機能を実現することができる。
【0118】
図11を参照すると、主平面とは、第1レンズアレイグループG1、第2レンズアレイグループG2および集光レンズグループG3のそれぞれから入射されるレーザービームを延長した仮想の直線が、出射されるレーザービームを延長した仮想の直線と交差する地点でビーム軸に垂直な仮想の平面である。複数枚のレンズ(レンズアレイ、集光レンズ)を備えた場合には、主平面をレンズ1枚と仮定することができる。
【0119】
等価焦点距離とは、複数枚のレンズで構成されたレンズグループ(レンズアレイグループ、集光レンズグループ)の焦点距離を仮想のレンズ1枚の焦点距離で表したものである。
【0120】
図12を参照すると、i番目のレンズの屈折能をK
i、i番目のレンズの屈折率をn
i、i番目のレンズとその次のレンズとの距離をd
i、i番目のレンズに入射されるレーザービームと出射されるレーザービームとの角度をu
i、i番目のレンズの中心点から入射されるレーザービームの高さ(幅)をh
iと表現するとき、次の式9および式10のような関係が成立することができる。
【数12】
【0121】
【0122】
一方、等価焦点距離は、屈折能の逆数で表現できる。
【数14】
【0123】
したがって、レンズが1枚であるときの等価焦点距離は、次の式12で表現できる。
【数15】
【0124】
また、レンズが2枚であるときの等価焦点距離は、次の式13で表現できる。
【数16】
【0125】
レンズがN枚であるときの等価焦点距離は、次の式14で表現できる。
【数17】
【0126】
したがって、上記の式を用いて、第1レンズアレイグループG1の等価焦点距離f1e、第2レンズアレイグループG2の等価焦点距離f2eおよび集光レンズグループG3の等価焦点距離fceを計算することができ、これにより、基板の下面に到達したレーザービームのイメージの大きさを計算することができる。この時、イメージング条件を満足させるために、第1レンズアレイグループG1の主平面から第2レンズアレイグループG2の主平面までの距離が第2レンズアレイグループG2の等価焦点距離f2eと同一になるように位置させることができる。第1レンズアレイグループG1の等価焦点距離f1e、第2レンズアレイグループG2の等価焦点距離f2eおよび集光レンズグループG3の等価焦点距離fceは、正数(positive)であり得る。
【0127】
上述したように、基板加熱ユニットの別の例の場合にも、基板加熱ユニットの一例および他の例と同様に、第1ビーム(全体均一形態)と第2ビーム(縁部強化形態)のうちのいずれか一つを基板に選択的に提供することができ、基板加熱ユニットの一例と同様にレーザービームのイメージの大きさを調節することができる。
【0128】
以上では本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態および添付図面によって限定されず、本発明の技術的思想を逸脱することなく、通常の技術者によって多様に変形することができる。また、本発明の実施形態で説明した技術的思想は、それぞれ独立して実施されてもよく、二つ以上が互いに組み合わされて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1 チャンバ
2 処理容器(液回収ユニット)
3 基板支持ユニット
31 スピンヘッド
311 ヘッド本体
312 露出開口
313 支持プレート
314 支持ピン
32 基板チャック
321 チャックピン
4 第1昇降駆動ユニット
5 回転駆動ユニット
51 ヘッド支持部材
511 ビーム通路
6 第2昇降駆動ユニット
61 ハウジング
7 液供給ユニット
73 ノズル
8 基板加熱ユニット
81 レーザー発生器
82 ビームシェーパー
821 レンズアセンブリ
822 集光レンズ
83 温度検出器
84 制御器
B1 第1ビーム
B2 第2ビーム
LA1、LA2、LA3、LA4 レンズアレイ
W 基板