(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】コンベア装置及びそれを備えた梱包ライン
(51)【国際特許分類】
B65G 47/28 20060101AFI20230711BHJP
B65G 27/20 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B65G47/28 L
B65G27/20
(21)【出願番号】P 2019094000
(22)【出願日】2019-05-17
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】593025619
【氏名又は名称】トーホー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大友 要
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522494(JP,A)
【文献】特開2001-114225(JP,A)
【文献】実開昭53-095684(JP,U)
【文献】実開平05-003217(JP,U)
【文献】特開2003-191977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22-47/32
B65G 27/00-27/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送物を略水平な搬送方向に搬送するコンベア装置であって、
前記搬送方向と直交する略水平方向に軸心を有する少なくとも1対のローラと、前記ローラ間に走行可能に巻き掛けられたベルトと、前記ベルトの内周面へ振動を与える
1対の振動板と、前記振動板を上昇及び下降させるクランク機構と、
前記ローラが保持される上ベース部材と、を備え、
前記上ベース部材は、前記ベルトの上側走行部分を下支えする上面と、前記振動板が上昇する時に、前記上面より上方まで前記振動板を通動させる長尺形状の開口と、を有し、
前記1対の振動板は、夫々前記搬送方向に延びた長尺部材であり、前記搬送方向に沿って併設され、一方の前記振動板が上昇するとき、他方の前記振動板が下降することを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
前記クランク機構は、ベース部材と、前記ベース部材と前記振動板とを連結する少なくとも1対の支持リングプレートと、回転動力を発生させるギアモータと、Vベルトを介して前記ギアモータの回転動力を受ける原動軸及び該原動軸から偏心した位置に設けられた偏心軸を有するクランクディスクと、前記クランクディスクの前記偏心軸と前記支持リングプレートの一方のプレート部に設けられたヒンジピンとを連結する連結リングプレートと、を有することを特徴とする請求項1に記載のコンベア装置。
【請求項3】
前記偏心軸は、前記クランクディスクの両面の前記原動軸を挟む対極の位置に夫々設けられていることを特徴とする請求項2に記載のコンベア装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のコンベア装置と、上面が開口した箱状の被搬送物に粉砕氷を供給するアイスフィーダと、被搬送物の開口に蓋を装着させる蓋装着装置と、を備え、
前記コンベア装置が、前記アイスフィーダと前記蓋装着装置との間に配置されることを特徴とする梱包ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温管理が求められる食品の梱包に用いられるコンベア装置及びそれを備えた梱包ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、肉、魚、野菜等の生鮮食品や要冷蔵の食品は、鮮度を維持して品質の劣化を防ぐために低温管理が求められている。これらの食品は、農協や漁協等の集荷所や選果所では、大型冷蔵庫や冷凍室で低温管理されるが、輸送トラック等に積み替えられて、各市場や小売店等に出荷する際には、食品を発泡スチロール製の保冷容器に収容し、保冷容器に製氷機で製氷された粉砕氷(クラッシュアイス)を同梱することが一般的に行われている。
【0003】
粉砕氷は、保冷容器に食品を収容した後に、その上から注ぎ込まれるが、粉砕氷が食品同士の隙間等、保冷容器内の隅々まで行き渡らないと、保冷性が不十分となる虞がある。そのため、粉砕氷を同梱する梱包ラインでは、作業員が保冷容器を手で揺すって、粉砕氷が保冷容器内の隅々まで行き渡らせている。しかしながら、食品と共に粉砕氷が注ぎ込まれた保冷容器は相当な重量になることもあり、保冷容器を手で揺する作業は、作業員にとって大変な手間となる。そこで、梱包ラインに、保冷容器に振動を与えて粉砕氷を行き渡らせることができるコンベア装置を取り入れることが考えられる。
【0004】
この種のものとして、1対のプーリ間に走行可能に巻き掛けられたベルトの上側スパンに載置された袋包装品を搬送するコンベアと、このコンベアのベルト上側スパン上に載置された袋包装品に振動を与える振動モータを備えた搬送装置が知らている(例えば、特許文献1参照)。また、直線的なトラフを水平方向に振動させることによってトラフ上の物品を搬送する振動コンベアが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-226929号公報
【文献】特開2002-338029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の搬送装置では、振動モータがベルトに与える振動が小さく、粉砕氷を保冷容器の隅々まで行き渡らせることができない虞がある。また、特許文献2に記載されたような振動コンベアは、一般的に粉粒体の搬送に用いられ、保冷容器のような箱状の被搬送物の搬送には適していない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、保冷容器といった箱状の被搬送物に大きな振動を与え、粉砕氷を容器内の隅々まで行き渡らせることができるコンベア装置及びそれを備えた梱包ラインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、被搬送物を略水平な搬送方向に搬送するコンベア装置であって、前記搬送方向と直交する略水平方向に軸心を有する少なくとも1対のローラと、前記ローラ間に走行可能に巻き掛けられたベルトと、前記ベルトの内周面へ振動を与える1対の振動板と、前記振動板を上昇及び下降させるクランク機構と、前記ローラが保持される上ベース部材と、を備え、前記上ベース部材は、前記ベルトの上側走行部分を下支えする上面と、前記振動板が上昇する時に、前記上面より上方まで前記振動板を通動させる長尺形状の開口と、を有し、前記1対の振動板は、夫々前記搬送方向に延びた長尺部材であり、前記搬送方向に沿って併設され、一方の前記振動板が上昇するとき、他方の前記振動板が下降することを特徴とする。
【0011】
上記コンベア装置において、前記クランク機構は、ベース部材と、前記ベース部材と前記振動板とを連結する少なくとも1対の支持リングプレートと、回転動力を発生させるギアモータと、Vベルトを介して前記ギアモータの回転動力を受ける原動軸及び該原動軸から偏心した位置に設けられた偏心軸を有するクランクディスクと、前記クランクディスクの前記偏心軸と前記支持リングプレートの一方のプレート部に設けられたヒンジピンとを連結する連結リングプレートと、を有することが好ましい。
【0012】
上記コンベア装置において、前記偏心軸は、前記クランクディスクの両面の前記原動軸を挟む対極の位置に夫々設けられていることが好ましい。
【0013】
上記コンベア装置と、上面が開口した箱状の被搬送物に粉砕氷を供給するアイスフィーダと、被搬送物の開口に蓋を装着させる蓋装着装置と、を備え、前記コンベア装置が、前記アイスフィーダと前記蓋装着装置との中間に配置されることを特徴とする梱包ラインであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動板がは、被搬送物の搬送方向に延びた長尺部材なので、ベルト上を搬送される被搬送物を持続的に振動させることができる。また、振動板は、クランク機構により斜め上下方向に昇降するので、単なる振動モータに比べて振動幅を大きくすることができる。従って、ベルトを移動する被搬送物をより大きく振動させることができ、例えば、被搬送物内に注入された粉砕氷を容器内の隅々まで行き渡らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)本発明の一実施形態に係るコンベア装置を備えた梱包ラインの平面図、(b)は側面図。
【
図2】(a)は上記コンベア装置の平面図、(b)は側面図。
【
図3】(a)(b)は上記コンベア装置に用いられるクランク機構の概略構成を示す側面図。
【
図4】(a)は上記梱包ラインに備えられる蓋装着装置の側面図。
【
図5】(a)乃至(c)は上記蓋装着装置の動作を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態に係るコンベア装置及びそれを備えた梱包ラインについて、
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態の梱包ライン1は、コンベア装置2と、上面が開口した箱状の被搬送物(保冷容器3)に粉砕氷を供給するアイスフィーダ4と、保冷容器3の開口に蓋を装着させる蓋装着装置5と、を備える。コンベア装置2は、アイスフィーダ4と蓋装着装置5との間に設置される。また、コンベア装置2の上流側及び下流側には夫々フリーローラコンベア6、7が設置される。
【0017】
アイスフィーダ4は、製氷機41からコンベア42で送り込まれた粉砕氷を、作業者M1の操作によって所定量だけ供給する。発泡樹脂製の保冷容器3には、食品30(例えば、ブロッコリー)が収められており、フリーローラコンベア6によって水平方向(図中左から右方向)に保冷容器3が搬送されてくると、食品の上に粉砕氷が注ぎ込まれる。作業者M1は、粉砕氷が注ぎ込まれた保冷容器3をコンベア装置2へ向けて押し出すと、保冷容器3はフリーローラコンベア6上を水平移動して、コンベア装置2に到達する。
【0018】
コンベア装置2は、保冷容器3を揺さ振りながら水平移動させ、粉砕氷が食品30同士の隙間等、保冷容器3内の隅々まで行き渡らせて、フリーローラコンベア7へ向けて移送する。フリーローラコンベア7へ移送された保冷容器3は、更に蓋装着装置5へ移送され、保冷容器3の開口に蓋が装着される。これにより、食品30の梱包及び粉砕氷の同梱が成され、梱包済の保冷容器は、例えば、作業者M2によって輸送用のパレット(不図示)等へ持ち運ばれる。なお、フリーローラコンベア7を省略して、コンベア装置2から蓋装着装置5へ保冷容器3が直接的に移送されるようにしてもよい。
【0019】
図2(a)(b)に示すように、コンベア装置2は、被搬送物である保冷容器3を略水平な搬送方向Dに搬送するものであり、搬送方向Dと直交する略水平方向に軸心を有する少なくとも1対のローラ21a、21bと、ローラ21a、21b間に走行可能に巻き掛けられたベルト22と、ベルト22の内周面(下面)へ振動を与える振動板23a、23bと、振動板23a、23bを上昇及び下降させるクランク機構24と、を備える。なお、
図2(a)では、振動板23a、23bを明示するため、ベルト22の図示を省略している。また、コンベア装置2の両側面は、ベルト22の走行範囲を覆うように、カバー20(
図1(b)参照)が配置されているが、
図2(b)では、カバー20の図示を省略している。
【0020】
ベルト22は、所定の強度と柔軟性を有する帯状のエンドレスベルトであり、その幅がローラ21a、21bの軸方向の長さと略等しくなるように形成されている。ベルト22は、上側走行部分において、その外周面に載置された保冷容器3(図中の一点鎖線)を、水平方向であって、ここでは、図中左から右方向への搬送方向Dへ搬送する。ベルト22は、その下側走行部分がクランク機構24の下方に位置するように、ローラ21c、21d、21eによって巻き掛けられている。下流側のローラ21bの軸心は、ベルト駆動モータ21fと連結されている。
【0021】
振動板23a、23bは、その上面及び下面が平坦で厚さが略一定な搬送方向Dに延びた長尺部材であり、本実施形態のコンベア装置2では、2つの振動板23a、23bが、搬送方向Dに沿って併設されている(
図2(a)参照)。振動板23a、23bは、例えば、一方の振動板23aが上昇するとき、他方の振動板23bが下降するように構成されている。なお、
図2(b)では、図中奥方にある振動板23bの図示を省略している。
【0022】
コンベア装置2は、ローラ21a、21b、ベルト駆動モータ21fが保持される上ベース部材25と、クランク機構24が保持される下ベース部材26と、を有する。上ベース部材25及び下ベース部材26は、平面視で搬送方向Dに長尺状の構造部材であり、設置面に立設されるフレーム20a、20bによって水平に配置される。なお、
図2(b)では、一方の側面側のフレーム20a,20bのみを表示しているが、他方の側面側にも対称にフレーム(不図示)が設けられており、上ベース部材25及び下ベース部材26は、4つのフレームによって架設された構造となっている。
【0023】
上ベース部材25は、ベルト22の上側走行部分を下支えする上面25aと、振動板23a、23bがクランク機構24により上昇する時に、上面25aより上方まで振動板23a、23bを通動させる開口25b、25c(
図2(a)参照)と、を有する。振動板23a、23bは、最も上昇したときに、ベルト22の上側走行部分の内周面を僅かに押し上げる。そのため、ベルト22の外周面上を保冷容器3が搬送されるとき、保冷容器3は振動板23a、23bによって押し上げられて振動する。
【0024】
図3(a)乃至(c)に示すように、クランク機構24は、下ベース部材26と振動板23aとを連結する少なくとも1対の支持リングプレート27a、27bと、回転動力を発生させるギアモータ24aと、Vベルト24bを介してギアモータ24aの回転動力を受ける原動軸28a及び原動軸28aから偏心した位置に設けられた偏心軸28bを有するクランクディスク28と、クランクディスク28の偏心軸28bと一方の支持リングプレート27bのプレート部27cに設けられたヒンジピン27dとを連結する連結リングプレート29と、を有する。なお、図例では、コンベア装置2の一方の片側面にある支持リングプレート27a、27b、偏心軸28b、連結リングプレート29を示しているが、他方の片側面にも、クランクディスク28を挟んで対称に支持リングプレート、偏心軸、連結リングプレートが設けられている。
【0025】
下ベース部材26の上面26aにおける両端部には、夫々ヒンジピン26b、26cが設けられており、振動板23aの下面における両端部にも、夫々ヒンジピン23c、23dが設けられ、支持リングプレート27a、27bは、夫々ヒンジピン26b、23c、ヒンジピン26c、23dを連結している。支持リングプレート27bのプレート部27cに設けられたヒンジピン27dは、プレート部27cの長さ方向の中間位置より、振動板23a側のヒンジピン23dに近接する位置に設けられている。
【0026】
このようなクランク機構24において、ギアモータ24aを駆動させると、その回転動力がVベルト24bを介してクランクディスク28に伝わり、クランクディスク28が原動軸28aを軸として回転する。このとき、
図3(b)に示すように、偏心軸28bの位置が周回し、偏心軸28bに連結された連結リングプレート29は水平方向に移動する。また、連結リングプレート29が移動することで、ヒンジピン27dを介して連結リングプレート29と連結された支持リングプレート27bが傾斜すると共に、支持リングプレート27bとヒンジピン23dで連結された振動板23aが斜めに引き下げられる。なお、
図3(b)の点線の長尺部材は、
図3(a)における振動板23bの位置を示す。
【0027】
更にクランクディスク28が回転すると、
図3(a)に示したように、支持リングプレート27bが鉛直方向に戻り、振動板23aが引き上げられる。クランク機構24は、ギアモータ24aを連続的に駆動させることで、振動板23aを斜め上下方向に繰り返し昇降させ、振動板23aが上昇する度にベルト22(
図2(b)参照)の内周面を押し上げることで、ベルト22の外周面上を搬送される保冷容器3を大きく振動させることができ、粉砕氷を容器内の隅々まで行き渡らせることができる。
【0028】
また、偏心軸28bは、クランクディスク28の左右両面に夫々設けられおり、図示されない裏面側の偏心軸は、図示した前面側の偏心軸28bと原動軸28aを挟んで対極の位置に設けられている。つまり、前面側の偏心軸28bが
図3(a)で示したように、支持リングプレート27bに近い回転位置にあるとき、裏面側の偏心軸は、
図3(b)の符号28bで示した、支持リングプレート27bとは遠い回転位置にある。そして、裏面側の偏心軸により動作する他方の振動板23bは、
図3(b)で示した下降位置にある。
【0029】
このように、コンベア装置2では、振動板23a、23bは、保冷容器3の搬送方向Dに延びた長尺部材なので、ベルト22上を搬送される保冷容器3を持続的に振動させることができる。また、振動板23a、23bは、クランク機構24により斜め上下方向に昇降するので、単なる振動モータに比べて振動幅を大きくすることができる。また、2つの振動板23a、23bを振動させることで、ベルト22を移動する保冷容器3は、上下に交互に揺さぶられることになり、保冷容器3をより大きく振動させることができ、粉砕氷を容器内の隅々まで行き渡らせることができる。
【0030】
更に、コンベア装置2では、一方の振動板23aが上昇するとき、他方の振動板23bが下降するように構成されているので、保冷容器3を進行方向から見たときに、左右に大きく揺さぶるように振動させることができ、作業員が手で揺さ振ったかのように、粉砕氷をより効率的に容器内の隅々まで行き渡らせることができる。
【0031】
また、クランクディスク28の両面の異なる位置に偏心軸28bを設けたので、1つのギアモータ24aの回転動力を用いて、2つの振動板23aを異なる向きに昇降させることができ、装置の構成を簡易にすることができる。
【0032】
図4は、蓋装着装置5の構成を示す。蓋装着装置5は、本件出願人によって既に特許出願されたており、詳細な構成については、特開2004-359296号公報に記載されているので、ここでは概略構成のみを説明する。蓋装着装置5は、保冷容器3の上端部に形成されている凸部に、蓋31に形成されている凹部を嵌合させて、保冷容器3に蓋31を装着する装置である。蓋装着装置5は、保冷容器3を略水平な搬送方向Dに搬送する本体搬送機構51と、本体搬送機構51によって搬送されている保冷容器3の前部の凸部に、蓋31の前部の凹部を係合させるように、蓋31を送り出す蓋送出機構52と、蓋送出機構52の下流側に設けられ、蓋31を前部から後部に亘って、順次、保冷容器3側に押圧することにより、蓋31の凹部を保冷容器3の凸部に嵌合させる蓋嵌合機構53等によって構成される。
【0033】
本体搬送機構51は、保冷容器3を装置内部に搬入するための第1コンベア54と、第1コンベア54よりも下流側に設けられた第2コンベア55と、第1コンベア54及び第2コンベア55によって搬送される保冷容器3を案内するためのガイドレール56等を有する。
【0034】
蓋嵌合機構53は、第2コンベア55の上方に、対向して設けられており、蓋31を保冷容器3側に押圧する押圧ローラ57、58と、蓋嵌合機構53の高さ位置を調整するための高さ調整機構59等によって構成されている。
【0035】
図5(a)に示すように、蓋装着装置5では、第2コンベア55によって搬送されてくる当初の保冷容器3及び蓋31は、夫々の凸部及び凹部の前部のみが係合し、夫々の後部が解離した状態で蓋嵌合機構53と第2コンベア55に挟まれた空間に進入する。そして、保冷容器3及び蓋31が第2コンベア55によって搬送方向Dに搬送されるに従って、
図5(b)に示すように、上流側の押圧ローラ57が蓋31をその前部から後部に亘って保冷容器3側に押圧する。これにより、蓋31の凹部が保冷容器3の凸部に対して、その前部から後部に亘って順次係合する。
【0036】
また、上流側の押圧ローラ57に若干遅れて、下流側の押圧ローラ58が蓋31をその前部から後部に亘って保冷容器3側に押圧する。押圧ローラ58は上述した高さ位置に調整されているので、図(c)に示すように、蓋31の凹部が保冷容器3の凸部に対してその前部から後部に亘って順次嵌合し、蓋31の装着が完了する。
【0037】
このように、アイスフィーダ4、コンベア装置2、蓋装着装置5を連続的に配置した梱包ライン1によれば(
図1参照)、氷詰めから蓋の装着までの一連の動作の多くを自動化することができ、作業員の人員、負担を大幅に低減することができる。
【0038】
なお、上記実施の形態において、コンベア装置2は、保冷容器3に注入された粉砕氷を容器内の隅々に行き渡らせる作業に用いられる場合に基づいて説明したが、本発明は、箱状の被搬送物を大きく振動させるものでれば、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。また、2つの振動板23a、23bを備えて構成を示したが、振動板は1つでも可能であり、また3つ以上であってもよい。また、搬送方向Dに沿って複数の振動板が設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 梱包ライン
2 コンベア装置
21a、21b ローラ
22 ベルト
23a、23b 振動板
24 クランク機構
24a ギアモータ
24b Vベルト
26 下ベース部材(ベース部材)
27a、27b 支持リングプレート
27c プレート部
27d ヒンジピン
28 クランクディスク
28a 原動軸
28b 偏心軸
29 連結リングプレート
3 保冷容器
31 蓋
4 アイスフィーダ
5 蓋装着装置