(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】輸送業者決定装置、輸送業者決定方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230711BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G06Q10/083
B65G61/00 546
(21)【出願番号】P 2019118343
(22)【出願日】2019-06-26
【審査請求日】2022-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 文彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】大野 康夫
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-260035(JP,A)
【文献】特開2015-147653(JP,A)
【文献】特開2003-146436(JP,A)
【文献】特開2005-284755(JP,A)
【文献】特開2002-274651(JP,A)
【文献】特開2002-041853(JP,A)
【文献】国際公開第2019/235631(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物を振り分ける振分装置から入力した前記輸送対象物の管理属性情報を取得する管理属性取得部と、
前記輸送対象物の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得する配送条件取得部と、
前記輸送対象物の管理属性情報と、前記輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、前記輸送対象物を輸送する輸送業者を決定する輸送業者決定部と、
を備える輸送業者決定装置。
【請求項2】
前記輸送業者決定部は、前記輸送対象物の管理属性情報と、前記輸送業者ごとの配送条件とに基づいて、一つまたは複数の輸送業者の識別情報を含む一覧情報を出力し、当該一覧情報に含まれる輸送業者の中から選択された輸送業者を、前記輸送対象物を輸送する輸送業者と決定する
請求項1に記載の輸送業者決定装置。
【請求項3】
前記輸送業者決定部は、前記配達条件のうちの特定条件に基づいて優先する輸送業者を、前記輸送対象物を輸送する輸送業者と決定し、当該決定した輸送業者に対する前記輸送対象物の振分け量が輸送能力に達した場合に、前記特定条件に基づいて次の輸送業者を、前記輸送対象物を輸送する輸送業者と決定する
請求項1に記載の輸送業者決定装置。
【請求項4】
前記輸送業者決定部は、前記輸送対象物の管理属性情報が示す値に基づいて評価値を算出する評価関数と、前記輸送業者ごとに割り当てられた評価値との関係に基づいて、前記輸送対象物の評価値に応じた前記輸送業者を、当該輸送対象物を輸送する輸送業者と決定する
請求項1に記載の輸送業者決定装置。
【請求項5】
前記輸送対象物を輸送する輸送業者と決定した輸送業者に対して振り分けた輸送対象物の管理属性情報が前記配送条件に適合するかを判定する条件適合判定部と、
を備える請求項1から請求項4の何れか一項に記載の輸送業者決定装置。
【請求項6】
輸送業者決定装置が、
集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物を振り分ける振分装置から入力した前記輸送対象物の管理属性情報を取得し、
前記輸送対象物の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得し、
前記輸送対象物の管理属性情報と、前記輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、前記輸送対象物を輸送する輸送業者を決定する
輸送業者決定方法。
【請求項7】
輸送業者決定装置のコンピュータを、
集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物を振り分ける振分装置から入力した前記輸送対象物の管理属性情報を取得する管理属性取得手段、
前記輸送対象物の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得する配送条件取得手段、
前記輸送対象物の管理属性情報と、前記輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、前記輸送対象物を輸送する輸送業者を決定する輸送業者決定手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送業者決定装置、輸送業者決定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ装置がインターネットを介して接続された端末に商品の一覧情報を含むウェブページを送信し、その商品の中から選択された購入品の選択情報と決済手段の情報とを端末から受信して、当該商品を販売処理する仮想店舗を多くの企業が運営している。このような仮想店舗の増大に応じて、商品の配送元から顧客宅の配送先への輸送量が増大し、輸送業者の労力が増している。商品の輸送において、輸送業者を選択する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、低料金の配送業者を簡便に選択可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
輸送業者は商品などの輸送対象物の輸送を行うにあたり、地域ごとに設けられた配送センターに当該配送センターの管轄する地域を配送先とする輸送対象物を集める。輸送業者は配送センターに集められた各輸送対象物を、その配送センターの管轄する地域に含まれる配送先に配送する。ここで配送センターから輸送末端の配送先までの配送を、異なる輸送業者が担う場合がある。配送センターの管理者は、配送センターなどの配送拠点から配送先までの輸送対象物の配送を担う輸送業者を決定する。ここで、配送センターの管理者は、輸送業者の決定を、輸送業者それぞれと契約した配送条件に従って行う。そのような配送条件に応じた輸送業者の決定を配送センターの管理者が行うにあたり、その作業の労力を軽減することが求められる。
【0005】
そこでこの発明は、上述の課題を解決する輸送業者決定装置、輸送業者決定方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の第一の態様によれば、輸送業者決定装置は、集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物を振り分ける振分装置から入力した前記輸送対象物の管理属性情報を管理属性取得する取得部と、前記輸送対象物の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得する配送条件取得部と、前記輸送対象物の管理属性情報と、前記輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、前記輸送対象物を輸送する輸送業者を決定する輸送業者決定部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
発明の第二の態様によれば、輸送業者決定方法は、集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物を振り分ける振分装置から入力した前記輸送対象物の管理属性情報を取得し、前記輸送対象物の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得し、前記輸送対象物の管理属性情報と、前記輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、前記輸送対象物を輸送する輸送業者を決定することを特徴とする。
【0008】
発明の第三の態様によれば、プログラムは、輸送業者決定装置のコンピュータを、集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物を振り分ける振分装置から入力した前記輸送対象物の管理属性情報を取得する管理属性取得手段、前記輸送対象物の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得する配送条件取得手段、前記輸送対象物の管理属性情報と、前記輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、前記輸送対象物を輸送する輸送業者を決定する輸送業者決定手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、輸送業者それぞれと契約した配送条件に従って行う輸送業者の決定の労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態による配送管理システムの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態による輸送業者決定装置のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態による輸送業者決定装置の機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態による振分装置における輸送対象物の搬送を示す模式図である。
【
図5】本実施形態による振分装置における載置部の構成を示す断面図である。
【
図6】本実施形態による寸法測定機構の構成を示す模式図である。
【
図7】本実施形態による第1投光器の構成を示す模式図である。
【
図8】本実施形態による輸送業者決定装置の処理フローを示す図である。
【
図9】本実施形態による輸送業者決定装置の最小構成を示す図である。
【
図10】本実施形態による最小構成の輸送業者決定装置による処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態による輸送業者決定装置を含む配送管理システムを、図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による配送管理システムの構成を示す図である。
本開示による配送管理システム100は、輸送業者決定装置1、振分装置2を少なくとも備える。振分装置2は地域ごとに設けられた配送センターに備わり、配送センターに集荷した輸送対象物10の振り分けを行う。振分装置2はベルトコンベヤ等の搬送装置250や制御装置200を備え、振り分け後の輸送対象物10を振り分け先の一例となる輸送業者の配送車が停止する位置近傍に輸送対象物10を自動運搬する。
【0012】
振分装置2にはUI(User Interface)装置22が設けられる。UI装置22にはタッチパネル液晶画面などが備わる。UI装置22は振分装置2の内部に備わる制御装置200を介して輸送業者決定装置1と通信接続できる。振分装置2は輸送対象物10から読み取った管理属性情報を輸送業者決定装置1へ送信する。管理属性情報は、一例としては、輸送対象物10の管理番号、配送元住所、配送先住所、重量、寸法、内容物の種類、配送種別(特急配送か通常配送かなど)、配達時間帯、配送地域などの情報が含まれる。
【0013】
輸送業者決定装置1は振分装置2から輸送対象物10の管理属性情報を取得する。輸送業者決定装置1は輸送対象物10の管理属性情報と、輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、輸送対象物を輸送する輸送業者を決定する。
【0014】
輸送業者決定装置1は輸送業者を決定する際に、輸送業者の一覧をUI装置22に出力してよい。この場合、UI装置22は輸送業者の一覧をタッチパネル液晶画面に表示する。輸送業者決定装置1は輸送業者の担当者が利用する端末3と通信接続してよい。輸送業者決定装置1は端末3から例えば輸送業者の配送条件を受信して、輸送業者の決定処理に用いてよい。
【0015】
図2は本実施形態による輸送業者決定装置のハードウェア構成図である。
図2で示すように、輸送業者決定装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、データベース104、通信モジュール105等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。なお端末3や振分装置2の制御装置200やUI装置22も同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
【0016】
図3は本実施形態による輸送業者決定装置の機能ブロック図である。
輸送業者決定装置1は予め記憶する輸送業者決定プログラムを起動する。これにより輸送業者決定装置1は、制御部11、管理属性取得部12、配送条件取得部13、輸送業者決定部14、条件適合判定部15、出力部16、インタフェース部17等の機能を発揮する。
【0017】
管理属性取得部12は、振分装置2から入力した輸送対象物10の管理属性情報を取得する。
配送条件取得部13は、輸送対象物10の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得する。
輸送業者決定部14は、輸送対象物10の管理属性情報と、輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、輸送対象物10を輸送する輸送業者を決定する。
条件適合判定部15は、輸送対象物10を輸送する輸送業者と決定した輸送業者に対して振り分けた輸送対象物の管理属性情報が、当該輸送業者の配送条件に適合するかを判定する。
出力部16はUI装置22等の他の装置に情報を出力する。
インタフェース部17は、ウェブサーバの機能を有し、端末3との間の情報の入出力を行う。
【0018】
輸送業者決定装置1は、集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物10を振り分ける振分装置2から輸送対象物の管理属性情報を入力し、また輸送対象物10の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得する。そして輸送業者決定装置1は、輸送対象物10の管理属性情報と、輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、輸送対象物10を輸送する輸送業者を決定する。次に、振分装置2の詳細について説明する。
【0019】
図4は本実施形態による振分装置における輸送対象物の搬送を示す模式図である。
内部機構を示すため、
図4においては、振分装置2の筐体等、輸送対象物10の搬送の説明に不要な部材については不図示としている。
【0020】
搬送装置250は、一例としてはy軸の正方向又は負方向に輸送対象物10を搬送するベルトコンベアである。
図4は、輸送対象物10がy軸の正方向に向かって搬送されている途中の状態を示している。図中の一点鎖線Eは筐体の内壁の位置を示している。
【0021】
図5は本実施形態による振分装置における載置部の構成を示す断面図である。
図5は、載置部111の近傍におけるy―z断面を示している。
図4及び
図5を参照して振分装置2の重量測定機構210の構成を説明する。
【0022】
重量測定機構210は、荷重に応じた信号を生成する重量センサを含んで構成される。重量測定機構210は、載置部111に輸送対象物10が載置されているときに、輸送対象物10及び載置部111から受ける荷重を測定できるように、載置部111の下方に取り付けられている。重量測定機構210で生成された信号は、重量測定機構210から振分装置2の制御装置200に送信され、輸送対象物10の重量を示すデータとして振分装置2の制御装置200の記憶装置に一時記憶される。このように、重量測定機構210は、振分装置2の重量取得手段として機能する。なお、重量の取得の過程において、重量測定機構210は、載置部111の重量を差し引いて輸送対象物10の正味の重量を取得する処理を行う。
【0023】
図6は本実施形態による寸法測定機構の構成を示す模式図である。
図7は本実施形態による第1投光器の構成を示す模式図である。
図4、
図6及び
図7を参照して寸法測定機構220の構成を説明する。振分装置2に備わる寸法測定機構220は、第1投光器221、第1受光器222、第2投光器223、第2受光器224及び寸法算出部225を備える。第1投光器221、第1受光器222、第2投光器223及ぶ第2受光器224は振分装置2の制御装置200により制御される。振分装置2の制御装置200は、プログラムを実行することにより、寸法算出機能を発揮する。
【0024】
図7に示されるように、第1投光器221は、x方向に並ぶ複数の発光素子226を備えている。発光素子226は、例えば、赤外線を発するLED(Light Emitting Diode)である。発光素子226は、千鳥配置になっており、これにより、発光素子226を一直線に並べた場合と比べてx方向のピッチを小さくして、寸法測定の分解能を向上させることができる。発光素子226のx方向のピッチは例えば5mmであり、これにより、5mm程度の分解能で輸送対象物10の寸法を測定することが可能となる。
【0025】
第1投光器221の複数の発光素子226はそれぞれ、z軸の正方向に平行に光を発する。第1受光器222は、発光素子226のそれぞれに対応する受光素子を有している。受光素子は、例えば、赤外線を受けて電気信号を生成するフォトダイオードである。受光素子も
図7と同様に配列されているため、第1受光器222の受光素子の配置に関する詳細な説明は省略する。
【0026】
第2投光器223の複数の発光素子226はそれぞれ、x軸の負方向に平行に光を発する。第2受光器224は、発光素子226のそれぞれに対応する受光素子を有している。第2投光器223、第2受光器224の構造は、それぞれ、第1投光器221、第1受光器222と同様である。
【0027】
第1投光器221、第1受光器222、第2投光器223及び第2受光器224で囲まれた検出領域を輸送対象物10が通過すると、輸送対象物10により遮られた範囲の受光素子で検出される光量が低下した状態となる。振分装置2の制御装置200は、検出光量が低下した受光素子の個数をカウントすることにより、輸送対象物10の幅(x方向の寸法)と高さ(z方向の寸法)を計測することができる。
【0028】
また、振分装置2の制御装置200は、受光素子での検出光量が低下した時間と、搬送装置250の搬送速度とを乗算することにより、輸送対象物10の長さ(y方向の寸法)を計測することができる。以上により、振分装置2の制御装置200は、幅、長さ及び高さの3辺の寸法を示す寸法データを取得することができる。輸送対象物10の寸法データは、制御装置200の記憶装置に輸送対象物10の管理属性情報の一部として記憶される。
【0029】
再び
図4に戻り、撮像装置230について説明する。撮像装置230は、カメラ等の輸送対象物10の画像を取得する装置である。撮像装置230はこの画像を制御装置200へ送信する。撮像装置230は、搬送装置250によって搬送される輸送対象物10の天面に貼付されている送り状21を撮影することができるように配置されている。送り状21に記入される情報は、運送の管理に必要な管理属性情報の一部となる、運送依頼者の氏名、運送依頼者の住所、運送対象者の氏名の他、輸送対象物10の管理番号、配送元住所、配送先住所、重量、寸法、内容物の種類、配送種別(特急配送か通常配送かなど)、配達時間帯、配送地域などの情報が記入されている。送り状21は、これら情報が所定のフォーマットで記入されたラベルであってよい。送り状21にはこれらの情報を含む管理属性情報をコード化した二次元コードが印刷されており、撮像装置230はこの二次元コードを読み取ってコード化された情報を復号して管理属性情報を取得し、制御装置200へ送信してもよい。運送依頼者は、送り状21を予め作成して輸送対象物10の天面に貼付しておく。
【0030】
制御装置200は撮像装置230から取得した画像やその画像から取得した管理属性情報を一時的に記憶装置に記憶する。制御装置200は管理属性情報に寸法データを結合して一時記憶する。制御装置200は撮像装置230から画像を取得した場合には、文字認識処理により、画像中の各文字を認識し管理属性情報を特定する。制御装置200は、OCR(Optical Character Recognition)の機能を有するコンピュータである。制御装置200の代わりに、文字認識装置となる別のコンピュータが文字認識の処理を行ってもよい。つまり文字認識機能は、振分装置2の内部に含まれていてもよく、また、文字認識機能は、振分装置2の外部に設けられていてもよい。制御装置200は管理属性情報に含まれる管理番号を含む管理属性情報の問い合わせ要求を外部のサーバに送信し、当該サーバから送信された問い合わせ返答に含まれる管理属性情報を取得してもよい。制御装置200は一つの輸送対象物10について取得した全ての情報を含む管理属性情報を輸送業者決定装置1へ送信する。そして輸送業者決定装置1は管理属性情報を用いて輸送対象物10の輸送業者を決定する。
【0031】
図8は本実施形態による輸送業者決定装置の処理フローを示す図である。
輸送業者決定装置1の管理属性取得部12は、振分装置2の制御装置200から管理属性情報を取得する(ステップS101)。配送条件取得部13は、予め、輸送業者決定装置1の管理する配送センターにおいて輸送対象物10を配送先に配送する複数の輸送業者の識別情報(ID)を記憶しており、これら輸送業者のIDに紐づく配送条件の情報をデータベース等から取得する(ステップS102)。
【0032】
配送条件は、一例としては、所定期間(1日、1週間、1か月等)において配達することを契約した輸送総容量(輸送対象物10の総容量)、所定期間において配達することを契約した輸送の総重量上限値や総容量上限値、配達することを契約した配送先のエリア、配送車一台当たりに1回の配送に積むことのできる容量などの情報のうちの一つまたは複数が含まれる。
【0033】
制御部11は振分装置2からの管理属性情報の受信を検知すると、輸送業者決定部14に対して輸送業者決定指示を行う。輸送業者決定部14は、管理属性取得部12から管理属性情報を取得する。輸送業者決定部14は、各輸送業者に応じた配送条件を取得する。輸送業者決定部14は、管理属性情報と複数の配送条件とを用いて管理属性情報が配送条件に合致する一つの輸送業者を決定する(ステップS103)。
【0034】
具体的には、輸送業者決定部14は管理属性情報に含まれる一つまたは複数の属性情報と、配送条件に含まれる各属性情報に対応する条件とをそれぞれ比較する。輸送業者決定部14は、1つまたは複数の所定の属性情報の全てが、対応する配送条件を満たす輸送業者を決定する。
【0035】
例えば、輸送業者決定部14は、管理属性情報に含まれる各属性情報のうち所定の属性情報である重量と配送先を取得する。輸送業者決定部14は重量とその配送条件である上限重量を比較する。また輸送業者決定部14は配送先とその配送条件である配達可能エリアとを比較する。輸送業者決定部14は、重量が条件である上限重量以下であり、配送先が配達可能エリアに含まれると判定した場合、その配送条件に対応する輸送業者を、管理属性情報に対応する輸送対象物10を配送先まで配送する輸送業者と決定する。
【0036】
輸送業者決定部14は決定した輸送業者のIDを振分装置2へ送信する(ステップS104)。振分装置2の制御装置200は輸送業者のIDを取得する。制御装置200は決定された輸送業者のIDに基づいて、管理属性情報を検出した処理対象の輸送対象物10が輸送業者に対応する所定の位置に搬送されるよう搬送装置250を制御する。これにより、輸送対象物10が輸送業者決定装置1の決定した輸送業者によって配送される。
【0037】
例えば、輸送対象物10の搬送先の所定の位置にはカート等が載置され、そのカートに輸送対象物10が搬送される。輸送業者のドライバは、自身の所属する輸送業者の所定位置のカートに搬送された輸送対象物10を、当該輸送業者の配送車に積み込む。
【0038】
輸送業者決定部14は、所定の属性情報の全てが対応する配送条件を満たす輸送業者を複数特定できた場合には、予め輸送業者に対して割り当てられた優先度に基づいて一つの輸送業者を決定してよい。優先度は、例えば配送単価の安い輸送業者が最も優先度が高く設定されてよい。または優先度は、過去の所定期間における配達数が少ない輸送業者が高い優先度の値と設定されてよい。または優先度は、輸送業者の所在地と配送先との距離が最も近い輸送業者を高い優先度と算出して設定してもよい。
【0039】
輸送業者決定部14は、所定の属性情報の全てが対応する配送条件を満たす輸送業者を複数特定できた場合には、それら複数の輸送業者の識別情報を含む一覧情報を生成して、振分装置2に送信してよい。振分装置2の制御装置200は、UI装置22へ一覧情報を出力する。作業者によるUI装置22の操作により、UI装置22は一覧情報の中から1つの輸送業者の指定を検出する。UI装置22はその輸送業者のIDを制御装置200へ出力する。制御装置200は、輸送業者のIDに基づいて、当該輸送業者に対応する所定の位置に搬送されるよう搬送装置250を制御する。
【0040】
なお輸送業者決定部14は、所定の属性情報の全てが対応する配送条件を満たす輸送業者が一つのみである場合にも、その輸送業者のみを含む一覧情報を生成して振分装置2へ送信してもよい。そして振分装置2の制御装置200は、UI装置22に一つの輸送業者の選択欄と、輸送業者決定の再処理を指示するボタンを含む一覧情報を出力してもよい。作業者のUI装置22の操作に基づいて、制御装置200がUI装置22から一覧情報に含まれる一つの輸送業者のIDを取得した場合には、制御装置200は、その輸送業者のIDに基づいて、当該輸送業者に対応する所定の位置に搬送されるよう搬送装置250を制御する。一方で、制御装置200は、輸送業者決定の再処理のボタンが押下されたことの情報をUI装置22から取得した場合には、輸送業者決定装置1に対して輸送業者決定の再処理要求を送信する。
【0041】
輸送業者決定装置1は再処理要求を受信する。再処理要求には一覧情報で出力した輸送業者のIDが含まれる。輸送業者決定部14は、当該IDが示す輸送業者の配送条件を除いて、輸送業者決定処理を行い、他の輸送業者を決定する。この再処理において輸送業者決定部14は、所定の属性情報の全てが対応する配送条件を満たす輸送業者が一つもない場合には、優先度に基づいて輸送業者を決定してもよいし、輸送業者の決定処理に用いる管理属性情報を変更して、再処理を行ってもよい。
【0042】
輸送業者決定部14は、配達条件のうちの特定条件に基づいて優先する輸送業者を、輸送対象物10を輸送する輸送業者と最初に決定し、当該決定した輸送業者に対する輸送対象物10を継続して振り分けた輸送対象物10の振分け量が輸送能力に達した場合に、特定条件に基づいて次の輸送業者を、輸送対象物10を輸送する輸送業者と決定してもよい。具体的には、輸送業者決定部14は、例えば1日のある初期時刻において、最初に取得した輸送対象物10の管理属性情報に基づいて、上記と同様に1つの輸送業者を決定する。この場合、輸送業者決定部14は、その決定した輸送業者に対する輸送対象物10の振分け量を監視する。
【0043】
例えば輸送業者決定部14は、決定した輸送業者のIDに基づいてその輸送業者の配送条件のうちの特定の条件を取得する。当該条件は一例としては総重量上限値や総容量上限値である。輸送業者決定部14は最初に取得した輸送対象物10の管理属性情報に基づいて1つの輸送業者を決定した後は、その後に振分装置2から順次取得した管理属性情報に基づいて、輸送対象物10の総重量や総容量を積算する。輸送業者決定部14は、積算した総重量が総重量上限値に達するまで、または積算した総容量が総容量上限値に達するまで、管理属性情報を取得する度に、最初の決定した輸送業者のIDを振分装置2の制御装置200へ送信する。
【0044】
これにより振分装置2の制御装置200は、同じ輸送業者のIDに基づいて、当該輸送業者に対応する所定の位置に搬送されるよう搬送装置250を制御し続ける。輸送業者決定部14は、積算した総重量が総重量上限値に達すると、または積算した総容量が総容量上限値に達すると、前回決定した輸送業者の配送条件を破棄し、その輸送業者以外の輸送業者の配送条件を用いて上記と同様に輸送業者を決定する。
【0045】
このような処理によれば、輸送業者決定装置1は、決定した輸送業者に対する輸送対象物の振分け量が輸送能力に達した場合に、特定条件に基づいて次の輸送業者を、輸送対象物を輸送する輸送業者と決定するという制御を行うことができる。輸送能力とは例えば配送車一台に積むことのできる輸送対象物10の総重量上限値や総容量上限値であってもよい。
【0046】
輸送業者決定部14は、輸送対象物10の管理属性情報が示す値に基づいて評価値を算出する評価関数と、輸送業者ごとに割り当てられた評価値との関係に基づいて、輸送対象物10の評価値に応じた輸送業者を、当該輸送対象物10を配送する輸送業者と決定してよい。具体的には輸送業者決定部14は、管理属性情報のうちの所定の属性情報の値を評価関数に入力し評価値を算出する。例えば評価関数に入力する所定の属性情報の値を、重量、寸法であるとする。そして評価関数は重量や寸法が大きいほど値の大きな評価値を算出する評価関数であるとする。
【0047】
輸送業者決定部14は、評価値の大きさと配送条件とに応じて決定した、評価値に応じた輸送業者の対応表を予め記憶するものとする。例えば重量上限値や寸法上限値の大きな配送条件により契約する輸送業者のIDが大きな評価値に対応する対応表であるとする。輸送業者決定部14は、振分装置2の制御装置200から取得した管理属性情報と評価関数とを用いて算出した評価値以上の評価値に紐づいて対応表に記録されている輸送業者のIDを取得する。輸送業者決定部14は、算出した評価値以上の評価値に紐づいて対応表に記録されている輸送業者の中から優先度に応じて一つの輸送業者を特定してよい。こうすることで輸送業者決定部14は、評価関数に基づいて算出した評価値となる輸送対象物10を配送できない輸送業者を省いた状態で、その中から輸送業者を決定することができる。
【0048】
上述の処理において輸送業者決定部14は、輸送対象物10について取得した管理属性情報と、その輸送対象物10について決定した輸送業者のIDとを紐づけてデータベース104で記憶する管理テーブルに記録してよい。これによりどの輸送対象物10の配送をどこの輸送業者に指示したかを記録することができる。
【0049】
条件適合判定部15は、決定した輸送業者に対して振り分けた輸送対象物10の管理属性情報が配送条件に適合するかを判定する処理を行う(ステップS105)。例えば条件適合判定部15は、輸送業者決定部14が輸送業者の決定に用いた条件以外の配送条件に適合しているかを判定してよい。例えば輸送業者決定部14が、総重量上限値や総容量上限値を用いて輸送業者を決定している場合、その他の条件として、配送センターから配送先までの距離が距離上限値未満かどうかや、輸送業者を特定した際の時刻が当該輸送業者の配送できる時間帯を外れた夜間でないかどうかを判定する。
【0050】
一例として条件適合判定部15は、配送センターから配送先までの距離が決定された輸送業者の配送条件に含まれる距離上限以上である場合には、その輸送業者を除いた輸送対象物10の再決定処理を輸送業者決定部14に出力してよい。また一例として条件適合判定部15は、輸送業者を特定した際の時刻が当該輸送業者の配送できる時間帯を外れた夜間である場合には、その輸送業者を除いた輸送対象物10の再決定処理を輸送業者決定部14に出力してよい。
【0051】
出力部16は、輸送業者決定部14の決定した輸送業者のIDを取得し、その輸送業者の連絡先に、配達要請の情報を自動送信する(ステップS106)。これにより輸送業者のドライバは、自身の所属する輸送業者にたいする配達要請を認識し、配送センターへ向けて配送車を運転する。ドライバは配送センターに到着すると、自身の所属する輸送業者の位置に載置されたカートに搬送された輸送対象物10を、当該輸送業者の配送車に積み込む。
【0052】
インタフェース部17は、輸送業者が利用する端末3から配送条件を受信する。インタフェース部17は、受信した配送条件と輸送業者のIDとを対応付けてデータベース104に記録する。当該配送条件は、輸送業者決定部14が輸送業者の決定の処理に利用する。
【0053】
図9は本実施形態による輸送業者決定装置の最小構成を示す図である。
図10は本実施形態による最小構成の輸送業者決定装置による処理フローを示す図である。
輸送業者決定装置1は、管理属性取得部12、配送条件取得部13、輸送業者決定部14を少なくとも備える。
そして管理属性取得部12が、集配センターに設けられ、集荷した輸送対象物10を振り分ける振分装置2から、輸送対象物10の管理属性情報を取得する(ステップS201)。
また配送条件取得部13が、輸送対象物10の輸送業者ごとに予め定まる配送条件を取得する(ステップS201)。
そして輸送業者決定部14が、輸送対象物10の管理属性情報と、輸送業者ごとの配達条件とに基づいて、輸送対象物10を輸送する輸送業者を決定する(ステップS201)。
【0054】
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0055】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0056】
1・・・輸送業者決定装置
2・・・振分装置
3・・・端末
10・・・輸送対象物
11・・・制御部
12・・・管理属性取得部
13・・・配送条件取得部
14・・・輸送業者決定部
15・・・条件適合判定部
16・・・出力部
17・・・インタフェース部
22・・・UI装置