(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】自動ドアの通過支援装置、通過支援方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
E05F 15/73 20150101AFI20230711BHJP
【FI】
E05F15/73
(21)【出願番号】P 2021545628
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(86)【国際出願番号】 JP2020034548
(87)【国際公開番号】W WO2021049636
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2019167588
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501013156
【氏名又は名称】フルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】岸岡 賢二
(72)【発明者】
【氏名】中川 達哉
(72)【発明者】
【氏名】小関 吉信
(72)【発明者】
【氏名】宮之原 優介
(72)【発明者】
【氏名】市田 悦大
(72)【発明者】
【氏名】古野 元昭
(72)【発明者】
【氏名】三澤 樹
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-285006(JP,A)
【文献】特許第4283237(JP,B2)
【文献】特開2008-111886(JP,A)
【文献】特許第4745849(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部、画像取得部、識別部、通過条件選択部、および出力部を含み、
前記記憶部は、
自動ドアの通過に関する通過支援情報を記憶し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記属性情報は、画像中の移動体の移動速度及びベクトル情報の少なくとも一方を含む動き情報を含み、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
前記画像取得部は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別部は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択部は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力部は、
前記選択した通過条件を出力
し、
さらに、特定動作検知部を含み、
前記記憶部は、
さらに、移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を記憶し、
前記特定動作情報は、前記通過条件と紐づけられており、
前記領域情報は、前記自動ドアからの一定の領域に関する情報であり、前記領域内に設定された制御領域に関する制御領域情報を含み、
前記識別部は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択部は、
前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
さらに、センサデータ取得部、及び切替部を含み、
前記記憶部において、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報及び自動ドア周囲のセンサデータの属性情報とが紐付けされており、
前記センサデータ取得部は、
センサデータを取得し、
前記センサデータは、自動ドアに取り付けられているセンサ装置が取得したデータであり、
前記画像取得部は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別部は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記画像の属性情報を識別し、且つ
前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択部は、さらに、センサデータ用開閉制御部及び画像解析用開閉制御部を含み、
前記切替部は、
前記特定の動作の検知の有無によって、前記センサデータ用開閉制御部によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御部によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御部は、
前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御部は、
前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力部は、
前記選択した通過条件を出力する
ことを特徴とする自動ドアの通過支援装置。
【請求項2】
前記画像取得部は、経時的な複数のリアルタイム画像を取得する、請求項1記載の通過支援装置。
【請求項3】
前記属性情報は、
画像中の移動体の属性情報を含む、請求項1又は2記載の通過支援装置。
【請求項4】
前記記憶部の特定動作情報が、駆け込み動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する、請求項1から3のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項5】
前記記憶部の特定動作情報が、横切り動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する場合、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する、請求項1から4のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項6】
前記識別部は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記通過条件選択部は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する、請求項1から5のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項7】
前記識別部は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記切替部は、
前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、前記センサデータ用開閉制御部によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御部によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御部は、
前記特定の動作の終了が検知された場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御部は、
前記特定の動作の継続が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、請求項1から6のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項8】
前記記憶部の属性情報は、過去の画像を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項9】
前記自動ドアの開閉条件は、開く、閉める、開くタイミング、閉めるタイミング、開き速度、閉まり速度、開き保持時間、および開口幅からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1から8のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項10】
前記通過ガイド条件は、利用者に対するアナウンス内容を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項11】
前記通過ガイド条件は、音情報および視認情報の少なくとも一方である、請求項1から10のいずれか一項に記載の通過支援装置。
【請求項12】
記憶部に記憶された自動ドアの通過に関する通過支援情報を使用し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記属性情報は、画像中の移動体の移動速度及びベクトル情報の少なくとも一方を含む動き情報を含み、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
画像取得工程、識別工程、通過条件選択工程、および出力工程を含み、
前記画像取得工程は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別工程は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択工程は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力工程は、
前記選択した通過条件を出力し、
さらに、特定動作検知工程を含み、
さらに、前記記憶部に記憶された移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を使用し、
前記特定動作情報は、前記通過条件と紐づけられており、
前記領域情報は、前記自動ドアからの一定の領域に関する情報であり、前記領域内に設定された制御領域に関する制御領域情報を含み、
前記識別工程は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択工程は、
前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
さらに、センサデータ取得工程、及び切替工程を含み、
前記記憶部に記憶された前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報及び自動ドア周囲のセンサデータの属性情報とが紐付けされており、
前記センサデータ取得工程は、
センサデータを取得し、
前記センサデータは、自動ドアに取り付けられているセンサ装置が取得したデータであり、
前記画像取得工程は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別工程は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記画像の属性情報を識別し、且つ
前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択工程は、さらに、センサデータ用開閉制御工程及び画像解析用開閉制御工程を含み、
前記切替工程は、
前記特定の動作の検知の有無によって、前記センサデータ用開閉制御工程によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御工程によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御工程は、
前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御工程は、
前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力工程は、
前記選択した通過条件を出力する
ことを特徴とする自動ドアの通過支援方法。
【請求項13】
前記画像取得工程は、経時的な複数のリアルタイム画像を取得する、請求項12に記載の通過支援方法。
【請求項14】
前記属性情報は、
画像中の移動体の属性情報を含む、請求項12又は13に記載の通過支援方法。
【請求項15】
前記記憶部の特定動作情報が、駆け込み動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する、請求項12から14のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項16】
前記記憶部の特定動作情報が、横切り動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する場合、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する、請求項12から15のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項17】
前記識別工程は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記通過条件選択工程は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する、請求項12から16のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項18】
前記識別工程は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記切替工程は、
前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、前記センサデータ用開閉制御工程によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御工程によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御工程は、
前記特定の動作の終了が検知された場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御工程は、
前記特定の動作の継続が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、請求項12から17のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項19】
前記記憶部の属性情報は、過去の画像を含む、請求項12から18のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項20】
前記自動ドアの開閉条件は、開く、閉める、開くタイミング、閉めるタイミング、開き速度、閉まり速度、開き保持時間、および開口幅からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項12から19のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項21】
前記通過ガイド条件は、利用者に対するアナウンス内容を含む、請求項12から20のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項22】
前記通過ガイド条件は、音情報および視認情報の少なくとも一方である、請求項12から21のいずれか一項に記載の通過支援方法。
【請求項23】
記憶部に記憶された自動ドアの通過に関する通過支援情報を使用し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記属性情報は、画像中の移動体の移動速度及びベクトル情報の少なくとも一方を含む動き情報を含み、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
コンピュータに、画像取得手順、識別手順、通過条件選択手順、および出力手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記画像取得手順は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別手順は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択手順は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力手順は、
前記選択した通過条件を出力し、
さらに、特定動作検知手順を含み、
さらに、前記記憶部に記憶された移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を使用し、
前記特定動作情報は、前記通過条件と紐づけられており、
前記領域情報は、前記自動ドアからの一定の領域に関する情報であり、前記領域内に設定された制御領域に関する制御領域情報を含み、
前記識別手順は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択手順は、
前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
さらに、センサデータ取得手順、及び切替手順を含み、
前記記憶部に記憶された前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報及び自動ドア周囲のセンサデータの属性情報とが紐付けされており、
前記センサデータ取得手順は、
センサデータを取得し、
前記センサデータは、自動ドアに取り付けられているセンサ装置が取得したデータであり、
前記画像取得手順は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別手順は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記画像の属性情報を識別し、且つ
前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択手順は、さらに、センサデータ用開閉制御手順及び画像解析用開閉制御手順を含み、
前記切替手順は、
前記特定の動作の検知の有無によって、前記センサデータ用開閉制御手順によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御手順によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御手順は、
前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御手順は、
前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力手順は、
前記選択した通過条件を出力する。
【請求項24】
前記画像取得手順は、経時的な複数のリアルタイム画像を取得する、請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記属性情報は、
画像中の移動体の属性情報を含む、請求項23又は24に記載のプログラム。
【請求項26】
前記記憶部の特定動作情報が、駆け込み動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する、請求項23から25のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項27】
前記記憶部の特定動作情報が、横切り動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する場合、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する、請求項23から26のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項28】
前記識別手順は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記通過条件選択手順は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する、請求項23から27のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項29】
前記識別手順は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記切替手順は、
前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、前記センサデータ用開閉制御手順によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御手順によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御手順は、
前記特定の動作の終了が検知された場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御手順は、
前記特定の動作の継続が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、請求項23から28のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項30】
前記記憶部の属性情報は、過去の画像を含む、請求項23から29のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項31】
前記自動ドアの開閉条件は、開く、閉める、開くタイミング、閉めるタイミング、開き速度、閉まり速度、開き保持時間、および開口幅からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項23から30のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項32】
前記通過ガイド条件は、利用者に対するアナウンス内容を含む、請求項23から31のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項33】
前記通過ガイド条件は、音情報および視認情報の少なくとも一方である、請求項23から32のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項34】
請求項23から33のいずれか一項に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアの通過支援装置、通過支援方法、プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の入り口等に設置されている自動ドアは、通常、赤外線センサ等の人感センサで人を感知して、自動で開閉が行われている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在の自動ドアに関しては、例えば、通行者が自動ドアにぶつかってしまったり、必要ではない場面で自動ドアが開いたり、混雑が生じる等の問題がある。また、このほかにも、通行に何等かの支援が必要な人に対しての支援を実行したり、通行者の衝突等による事故の発生抑制についても改良が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、例えば、自動ドア利用者の状況および自動ドアの周囲の状況に応じて、安全にスムーズな通過を可能とする新たな装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の自動ドアの通過支援装置は、
記憶部、画像取得部、識別部、通過条件選択部、および出力部を含み、
前記記憶部は、
自動ドアの通過に関する通過支援情報を記憶し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
前記画像取得部は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別部は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択部は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力部は、
前記選択した通過条件を出力することを特徴とする。
【0007】
本発明の自動ドアの通過支援方法は、
自動ドアの通過に関する通過支援情報を使用し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
画像取得工程、識別工程、通過条件選択工程、および出力工程を含み、
前記画像取得工程は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別工程は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択工程は、
前記リアルタイム画像が合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力工程は、
前記選択した通過条件を出力することを特徴とする。
【0008】
本発明のプログラムは、前記本発明の自動ドアの通過支援方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
本発明の記録媒体は、前記本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自動ドア周囲の画像を用いることによって、自動ドアの利用者および周囲の状況にあわせて、例えば、自動ドアの開閉を制御したり、利用者に対するガイド条件を出力できる。これにより、例えば、自動ドアの通過にあたって、通過者の安全を確保し、待ち時間の発生および混雑等を抑制したスムーズな通過が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1の通過支援装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の通過支援装置のその他の例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の通過支援装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態5の通過支援方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、特定動作情報が横切り動作に関する情報である場合における特定動作検知部の処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、移動体の特定の動作の終了を検知する一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態4の通過支援方法において、横切り動作を検知して自動ドアの開閉を制御する一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、制御対象となる自動ドアは、特に制限されず、人による開け閉めではなく、人の往来時に自動での開け閉めが行われるドアであればよい。前記自動ドアの設置場所は、特に制限されず、例えば、オフィスビル、商業ビル、ホテル等の施設の出入口ドア、エレベータドア、入退室に利用されるフラッパーゲート、鉄道等の改札ゲート(ホームドア)、公共交通車両(例えば、電車、バス等)等のドアがあげられる。本発明において、自動ドアの利用者とは、自動ドアを通過する人を意味する。
【0013】
自動ドアは、通常、人の出入りに使用される。本発明において、制御対象となる自動ドアは、例えば、一方向のみから通過するだけの入口として機能する自動ドアでもよいし、他方向から通過するだけの出口として機能する自動ドアでもよいし、出入りのために双方向から通過する出入口として機能する自動ドアでもよい。また、以下の実施形態において、入口、出口、入る方向、出る方向等の用語を使用するが、これらは便宜上に定めたものであって、実際に、外部から内部に入るための入口か、内部から外部に出るための出口かは、本発明においては制限されない。
【0014】
[実施形態1]
本発明の自動ドアの通過支援装置および通過支援方法の一例について、図を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の通過支援装置の一例を示すブロック図である。通過支援装置1は、記憶部10、画像取得部11、識別部12、通過条件選択部13、および出力部14を含む。記憶部10は、通過支援情報15を含む。通過支援装置1は、例えば、通過支援システムともいう。通過支援装置1は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。通過支援装置1は、例えば、
図2に示すように、さらに、通信回線網2を介して、カメラ31、自動ドア32、表示部33、スピーカー34等と接続可能でもよい。前記通過支援システムは、例えば、通過支援装置1と、任意で、自動ドア32と、表示部33と、スピーカ34とを含んでもよい。これらの形態については、適宜、後述する。
【0016】
通過支援装置1は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置1は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、端末(スマートフォン、タブレット端末)等であってもよい。さらに、本装置1は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0017】
記憶部10は、通過支援情報15を記憶し、通過支援情報15は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされている。
【0018】
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、いずれか一方でもよいが、両方が好ましい。前記自動ドアの開閉条件は、例えば、自動ドアを開く、閉じる、開くタイミング、閉めるタイミング、開き速度、閉まり速度、開き保持時間、開口幅等である。また、前記通過ガイド条件は、通過にあたっての自動ドア利用者に対するアナウンス内容(ガイド情報)であって、例えば、通過する側のアナウンス、注意のアナウンス、自動ドアの入口または出口のアナウンスである。
【0019】
記憶部10の通過支援情報15における前記画像の属性情報は、例えば、画像中の移動体の属性情報、画像中の移動体の動き情報等があげられ、いずれか一方でもよいが、両方が好ましい。
【0020】
前記移動体の属性情報は、例えば、人か否か、年齢層、付帯物の有無、人数、性別、国籍、通行配慮情報等があげられる。「人か否か」とは、人と人以外、すなわち、例えば、人、人以外の動物(犬、猫等)の分類を示す。「年齢層」は、特に制限されず、例えば、年齢そのものでもよいし、年齢の範囲でもよいし、年齢の範囲が示す属(例えば、乳児、幼児、小学生、中高生、大人、高齢者等)等でもよい。「付帯物の有無」とは、例えば、付帯物を所持しているか否かであり、前記付帯物は、特に制限されず、人が歩行において付帯しているものであり、例えば、荷物、移動付帯器具等であり、前記荷物は、例えば、乳母車、スーツケース、キャリーバッグ等であり、前記移動付帯器具とは、例えば、歩行のために付帯している器具であり、具体例として、歩行補助杖、歩行器、歩行車、車いす等があげられる。前記歩行補助杖は、例えば、視覚障害者用の白杖、身体障害者、および高齢者等の杖、けが人の松葉杖等があげられる。「人数」とは、例えば、画像に含まれる人の数であり、複数人の場合、さらに、移動体(人)間の距離の情報を含んでもよい。「性別」は、例えば、男性、女性等である。「国籍」は、例えば、日本等の国名でもよいし、アジア等の地域でもよいし、英語圏等の言語地域でもよく、その国の居住者か否かの分類でもよい。「通行配慮情報」は、通行に何らかの支援が必要な人の情報であり、具体例として、例えば、車椅子、幼児を連れた人等、通行に配慮が必要である人の属性である。また、「通行配慮情報」は、例えば、通行に配慮が必要か否かの分類でもよいし、配慮の程度、種別を示す分類でもよい。また、前記移動体の情報は、例えば、後述する識別部12によるリアルタイム画像の識別において、前記リアルタイム画像から直接識別されてもよいし、前記リアルタイム画像から識別された複数の属性の組み合わせから、識別されてもよい。
【0021】
前記移動体の動き情報は、例えば、移動速度及びベクトル情報(移動方向、顔の向き、目線等)等があげられる。「移動速度」とは、例えば、人が進行方向に移動する速さであり、移動しているか否かの意味も含む。「移動方向」とは、人が移動する進行方向であり、具体的には、例えば、進行方向の先または近傍に、開閉対象の自動ドアがあるか否か等の情報である。また、「移動方向」は、例えば、自動ドアに対する進入角度でもよい。「顔の向き」は、例えば、人の顔の向き、すなわち視線の向きであり、具体的には、例えば、視線の先または近傍に、開閉対象の自動ドアがあるか否か等の情報である。「目線」は、例えば、人の目の向き、人の焦点の向き等であり、具体的には、例えば、瞳孔の間隔等で表すこともできる。
【0022】
また、記憶部10の通過支援情報15における前記画像の属性情報は、例えば、画像そのものでもよく、この場合、例えば、後述する識別部12によるリアルタイム画像の識別において、前者の画像と、リアルタイム画像との照合によって識別することもできる。通過支援情報15における前記画像の属性情報が画像そのものの場合、具体例として、例えば、自動ドア周囲の過去の画像があげられる。
【0023】
通過支援情報15は、前述のように、前記通過条件と前記画像の属性情報とが紐付けされている。前記通過条件は、例えば、前記画像の属性情報ごとに、適した通過条件を任意に設定でき、具体的には、前記画像の属性情報に基づいて、予測される事態に適した通過条件に設定できる。前記通過条件は、例えば、事故の発生防止および利便性の向上の観点から、設定される条件である。前記通過条件と前記画像の属性情報との組み合わせについては、具体例を後述する。前記通過条件は、例えば、任意の基準条件を設定した上で、特定の属性情報である場合に、前記基準条件をどのように変動させるか、という調整条件でもよい。
【0024】
前記画像の属性情報に紐付けされる前記通過条件は、特に制限されず、例えば、推測による仮定の条件でもよいし、過去の情報に基づいて任意に設定した条件でもよい。また、前記画像の属性情報は、前述のように、例えば、画像そのものでもよい。この場合、ある通過条件が適していると考えられる画像(例えば、自動ドア周囲の画像)を、前記画像の属性情報として記憶部10に記憶し、前記通過条件を紐付けてもよい。具体例としては、例えば、自動ドア利用者に対する「滑らないように気をつけて下さい」というアナウンスを通過ガイド条件として設定する場合、滑りが生じる可能性がある状態の画像、すなわち、自動ドア周辺の床が濡れている画像、ハイヒールの画像等を、前記画像の属性情報として記憶部10に記憶し、前記アナウンスの通過条件を紐付けてもよい。
【0025】
前記通過支援情報は、例えば、自動ドア周囲の画像と、その画像の状態に対して適している通過条件とのセットを学習データとして用い、学習により作製したモデルであってもよい。前記画像の属性情報としての「自動ドア周囲の画像」とは、例えば、実際に対象となる自動ドアの周囲の画像でもよいし、自動ドアが存在する環境の画像(つまり、他の自動ドアの周囲の画像)でもよいし、自動ドアの周囲で発生しうると考えられる事象の画像(つまり、画像自体には自動ドアが含まれない画像)であってもよい。
【0026】
画像取得部11は、自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得する。通過支援装置1においては、例えば、画像取得部11がカメラとして、リアルタイム画像を取得してもよいし、カメラで取得したリアルタイム画像が、画像取得部11に入力されてもよい。後者の場合、例えば、通過支援装置1は、前記カメラとの接続によって、リアルタイム画像を取得でき、前記接続は、特に制限されず、例えば、有線でも無線でもよい。
図2に示すように、通過支援装置1とカメラ31とは、例えば、通信回線網2を介して、接続可能である。通信回線網2は、特に制限されず、公知の通信回線網を使用でき、有線でも無線でもよく、具体的には、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、DTN(Delay Tolerant Networking)等があげられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、アクセスポイントを介した間接通信のいずれであってもよい。
【0027】
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得するカメラ31の設置箇所および数は、特に制限されない。自動ドアが入口専用の場合、例えば、入口側の周囲が撮像できる箇所にカメラ31が設置されていればよく、自動ドアが出口専用の場合、例えば、出口側の周囲が撮像できる箇所にカメラ31が設置されていればよく、自動ドアが出入口の場合、または、入口専用と出口専用とに切替可能な場合、自動ドアの両側(入口側と出口側)の周囲が撮像できる箇所にカメラ31が設置されていればよい。カメラ31は、例えば、自動ドアの上部、自動ドアの左右等に設置されてもよい。自動ドアの周囲にサイネージが配置されている場合、カメラ31は、例えば、前記サイネージに搭載されてもよい。
【0028】
前記リアルタイム画像は、例えば、連続的または非連続的に、経時的に撮像された画像であることが好ましい。
【0029】
識別部12は、前記リアルタイム画像について、属性情報を識別する。つまり、識別部12は、前記リアルタイム画像について、例えば、その画像中の移動体の属性、その画像中の移動体の動き、またはその画像中の自動ドア周囲の状況を識別する。前記移動体の属性に関しては、例えば、取得した前記リアルタイム画像を解析して、前記画像に含まれる移動体(物体)について、人か否か、年齢層、付帯物の有無、人数、性別等を識別する。前記移動体の属性は、例えば、画像解析により数値化されて、識別されてもよい。この場合、記憶部10に記憶された属性情報も、数値化されていることが好ましく、数値によって照合することもできる。前記移動体の動き情報に関しては、例えば、取得した前記リアルタイム画像を解析して、前記画像に含まれる移動体(物体)について、移動速度、及びベクトル(移動方向、顔の向き、および目線等)等を識別する。前記移動体の動き情報は、例えば、画像解析により数値化されて、識別されてもよい。この場合、記憶部10に記憶された属性情報も、数値化されていることが好ましく、数値によって照合することもできる。また、前記画像における自動ドア周囲の状況は、例えば、取得した前記リアルタイム画像を解析して、人以外の情報、例えば、地面の水たまり等を識別する。
【0030】
前記画像解析においては、例えば、前記リアルタイム画像について、前記移動体の属性が、段階的に識別されてもよい。具体例としては、前記画像解析において、例えば、前記画像に含まれる移動体について、例えば、人か人以外の動物かが判定され、前記移動体が人と判定された場合、さらに、年齢層、付帯物の有無、人数、性別等が判定される。また、付帯物は人と一体となっているため、前記画像解析においては、例えば、前記画像に含まれる移動体について、付帯物の有無の判定が、人か否かの判定を兼ね、前記付帯物が有の場合、さらに、例えば、年齢層、人数、性別等が判定されてもよい。
【0031】
前記画像解析においては、例えば、前記リアルタイム画像について、前記移動体の属性が識別されてから、さらに、前記移動体の動き情報が識別されてもよい。識別部12は、例えば、前記経時的に撮像された複数の画像を使用することによって、移動速度、移動方向等の人の動きを、より精度良く識別できる。
【0032】
識別部12は、例えば、画像解析を行う市販のシステムや人工知能(AI)を使用でき、具体例として、商品名Field Analyst(NECソリューションイノベータ社)等が利用できる。すなわち、識別部12は、例えば、人工知能(AI)によって実行してもよいが、これに限定されない。本発明は、例えば、AIを使用することで、1台のカメラで各識別を行うことができるため、低コストである。
【0033】
通過条件選択部13は、前記識別した属性情報と合致した記憶部10の属性情報に紐付けられた通過条件を選択する。
【0034】
前記リアルタイム画像には、複数の移動体が含まれる場合がある。また、自動ドアが出入口用である場合、利用者は双方向に移動して、自動ドアを通過するため、例えば、入口側と出口側の両方において、同時期のリアルタイム画像が取得される場合がある。このような場合は、前記属性情報について、予め優先順位を設定しておき、優先順位が高い属性情報に紐付けられた通過条件を、優先して選択してもよい。また、前述のように、自動ドアが出入口用である場合、例えば、入口側および出口側のいずれか一方のリアルタイム画像に基づく通過条件を優先して選択してもよい。
【0035】
そして、出力部14は、前記選択した通過条件を出力する。具体的には、前記通過条件が前記自動ドアの開閉条件の場合、出力部14は、例えば、前記開閉条件に対応する制御シグナルを、開閉を担う前記自動ドアの制御部に出力する。また、前記通過条件が前記通過ガイド条件の場合、出力部14は、例えば、前記通過ガイド条件に対応するシグナルを、表示部33およびスピーカー34等に出力する。表示部33は、例えば、スピーカー34を備えたデジタルサイネージがあげられる。前記デジタルサイネージによれば、例えば、前記通過ガイド条件を、音情報としても、視認情報としても、自動ドア32の利用者に提示することができる。前記デジタルサイネージの設置場所は、特に制限されず、例えば、自動ドア32を通過する利用者が認識できる場所であり、具体的には、自動ドア32の上または横等に設置される。また、前記デジタルサイネージは、例えば、自動ドア32に直接固定されていてもよい。
【0036】
また、本発明は、例えば、前述のように、通過支援装置1、開閉を制御する制御部を備える自動ドア32、表示部33、およびスピーカー34を備える通過支援システムでもよい。また、
図2に示すように、通過支援装置1と、自動ドア32、表示部33、およびスピーカー34とは、それぞれ、例えば、通信回線網2を介して、接続可能であってもよい。この場合、通過支援装置1の出力部14から、通信回線網2を介して、前記通過支援情報が出力され、自動ドア32に前記開閉条件のシグナルが入力されると、自動ドア32の前記制御部が、前記シグナルにしたがって、自動ドア32を開閉し、また、表示部33およびスピーカー34に前記通過ガイド条件のシグナルが入力されると、表示部33およびスピーカー34が、前記シグナルにしたがって、前記通過ガイド条件を提示する。
【0037】
前記通過ガイド条件は、前記利用者に対する情報であればよく、その種類は何ら制限されない。前記通過ガイド条件の形態は、例えば、音情報でもよいし、視認情報でもよいし、両方であってもよい。前記音情報は、例えば、音声(人の声、合成声も含む)、音楽、アラート音等でもよく、これらの組合せでもよい。前記視認情報は、視覚でとらえることのできる情報であり、例えば、言葉(文字)でもよいし、記号でもよいし、地図等のイラスト等でもよく、これらの組合せでもよい。前記音情報および前記視認情報のいずれも、言語の種類は、特に制限されず、例えば、日本語、英語、スペイン語、中国語等、様々な言語があげられる。前記言語の種類は、国籍を識別することで、前記通過ガイド条件の言語も選択できる。
【0038】
前記画像中の移動体の属性情報が、進入不可もしくは退出不可の動物である場合、前記通過ガイド条件は、例えば、動物の自動ドアへの接近を防止するアラートであってもよい。前記アラートは、例えば、音、超音波等であってもよい。
【0039】
前記通過ガイド条件の内容は、移動体の属性情報および移動体の動き情報に応じて、適宜設定できる。具体例として、安全性を確保するためのアナウンスとして、「反対側から駆け込む人が居ます。ご注意ください」、「反対側から幼児を連れた方が入ってきます。ご注意ください」等があり、また、進行方向に関するアナウンスとして、例えば、「エレベーターは、正面に50m進むと、左側にあります」等がある。また、これらのアナウンスは、例えば、前述のように、音声情報でも視認情報でもよい。
【0040】
前記通過ガイド条件の出力先は、例えば、前記通過ガイド条件の形態の種類によって、適宜設定できる。前記視認情報の場合、出力先は、例えば、表示部であり、具体例としてデジタルサイネージ等のサイネージがあげられる。前記サイネージは、例えば、自動ドアの近傍に設置されている。また、前記音情報の場合、出力先は、例えば、スピーカーである。前記スピーカーは、例えば、前記サイネージのスピーカーもよい。通過支援装置1は、例えば、
図2に示すように、通信回線網2を介して、表示部33およびスピーカー34等と接続されてもよい。
【0041】
図3に、通過支援装置1のハードウエア構成のブロック図を例示する。通過支援装置1は、例えば、CPU(中央処理装置)100、メモリ102、バス103、入力装置104、ディスプレイ105、通信デバイス106、記憶装置107等を含む。通過支援装置1の各部は、例えば、それぞれのインターフェイス(I/F)により、バス103を介して、接続されている。
【0042】
CPU100は、通過支援装置1の全体の制御を担うプロセッサであり、CPUには限定されず、他のプロセッサでもよい。通過支援装置1において、CPU100により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。通過支援装置1は、CPU100に代えて、GPU等の他の中央処理装置を含んでもよい。具体的には、例えば、CPU100が、画像取得部11、識別部12、通過条件選択部13、および出力部14として機能する。
【0043】
通過支援装置1は、例えば、バス103に接続された通信デバイス106により、通信回線網2に接続でき、通信回線網2を介して、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、例えば、前述したような、
図2に示すカメラ31、自動ドア32、表示部33、スピーカー34等である。通過支援装置1と前記外部機器との接続方式は、特に制限されず、例えば、有線による接続でもよいし、無線による接続でもよい。前記有線による接続は、例えば、コードによる接続でもよいし、通信回線網2を利用するためのケーブル等による接続でもよい。前記無線による接続は、例えば、通信回線網2を利用した接続でもよいし、無線通信を利用した接続でもよい。通信回線網2は、特に制限されず、例えば、公知の通信回線網を使用でき、前述と同様である。
【0044】
メモリ102は、例えば、メインメモリを含み、前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU100が処理を行う際には、例えば、後述する補助記憶装置に記憶されている、本発明のプログラム等の種々の動作プログラム108を、メモリ102が読み込み、CPU100は、メモリ102からデータを受け取って、プログラム108を実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ102は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
【0045】
記憶装置107は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。記憶装置107は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置107は、例えば、記憶媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)も例示できる。記憶装置107には、例えば、前述のように、プログラム108が格納され、前述のように、CPU100を実行させる際、メモリ102が、記憶装置107から動作プログラム108を読み込む。また、記憶装置107は、例えば、通過支援情報15、カメラ31からの画像、通過支援装置1により得られる情報等が記憶されてもよい。
【0046】
記憶部10は、例えば、メモリ102及び記憶装置104を使用することができる。
【0047】
通過支援装置1において、メモリ102及び記憶装置104は、ユーザのログ情報、並びに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
【0048】
入力装置104は、例えば、スキャナー、タッチパネル、キーボード、マウス等である。ディスプレイ105は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、プロジェクタ、サイネージ等があげられる。
【0049】
つぎに、本実施形態の自動ドアの通過支援方法について説明する。本実施形態の通過支援方法は、例えば、
図1~
図3に示す通過支援装置1を用いて実施できる。なお、本実施形態の通過支援方法は、これらの図面に示す通過支援装置1の使用には限定されない。また、本実施形態の通過支援方法における記載は、前述した通過支援装置1に援用できる。
【0050】
本発明の通過支援方法は、前述した自動ドアの通過支援情報を使用する。本発明の通過支援方法は、例えば、前記本発明の通過支援装置1における記憶部10に記憶された、前記通過支援情報を使用できる。また、本発明の通過支援方法は、例えば、記憶工程を有し、前記記憶工程において、前記通過支援情報を記憶してもよい。前記記憶工程は、例えば、通過支援装置1の記憶部10により実行できる。
【0051】
本発明の通過支援方法は、前述のように、画像取得工程、識別工程、通過条件選択工程、および出力工程を含む。前記画像取得工程は、自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得する工程であり、例えば、通過支援装置1の画像取得部11により実行できる。
【0052】
前記識別工程は、前記リアルタイム画像について、属性情報を識別する工程であり、例えば、通過支援装置1の識別部12により実行できる。前記通過条件選択工程は、前記リアルタイム画像が合致した前記属性情報に紐付けられた通過条件を選択する工程であり、例えば、通過支援装置1の通過条件選択部13により実行できる。前記出力工程は、前記選択した通過条件を出力する工程であり、例えば、通過支援装置1の出力部14により実行できる。
【0053】
本実施形態について、以下に、具体例をあげて説明する。なお、これらは例示であって、本発明は、これらの例示には制限されない。
【0054】
(具体例A)
例Aは、通過条件が自動ドアの開閉の例である。
【0055】
(A1)人か否か
人感センサによる感知で自動ドアを開閉する場合、人以外の動物が近づいた場合でも、移動体を感知して自動ドアが開く場合がある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の属性情報「人」と、通過条件である開閉条件「開く」とを紐付けられ、移動体の属性情報「人以外の動物」と、通過条件である開閉条件「閉まる」とを紐付けることができる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、移動体の属性情報が「人以外の動物」と識別されると、紐付けされた開閉条件「閉まる」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。そして、自動ドアが開いていれば閉まるように制御され、自動ドアが閉まっていればそのまま開けないという制御が行われる。このような制御により、例えば、自動ドアに向かっている対象が、犬や猫の場合には、自動ドアを開けず、人の場合にのみ、自動ドアを開けることができる。
【0056】
前記移動体の属性情報「人」と「人以外の動物」は、例えば、目的に応じて、いずれかの優先度を高く設定することもできる。つまり、動物の出入りの制御が重要な場所においては、例えば、前記移動体の属性情報「人以外の動物」の優先度を高く設定しておき、リアルタイム画像から「人」と「人以外の動物」が識別された場合には、「動物」に紐付けられた開閉条件「閉まる」を優先的に選択するようにできる。一方、人の通行が優先される場所においては、例えば、移動体の属性情報「人」の優先度を高く設定しておき、リアルタイム画像から「人」と「人以外の動物」が識別された場合には、「人」に紐付けられた開閉条件「開く」を優先的に選択するようにできる。
【0057】
(A2)幼児のみ
独り歩きができる幼児が一人でいる場合、建物から外にでてしまう危険性や、自動ドアを遊びで開こうとすることがある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の属性情報である年齢層「幼児」と、通過条件である開閉条件「閉まる」とを紐付けることができる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、移動体の属性情報が「幼児」と識別されると、紐付けされた開閉条件「閉まる」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。そして、自動ドアが開いていれば閉まるように制御され、自動ドアが閉まっていればそのまま開けないという制御が行われる。このような制御により、例えば、幼児が一人で外に出て行ったり、遊びで自動ドアを開閉することを防止できる。幼児か否かは、例えば、顔、標準体型等から識別できる。なお、前記状況から自動ドアが閉まる制御が行われる場合でも、例えば、通過する人が自動ドアに挟まれる可能性がある際は、安全性の面から、通過する人を優先して、自動ドアを開いたままに制御してもよい。
【0058】
一方、保護者がついている場合は、自動ドアを開いてもよい。このため、移動体の属性情報である年齢層「大人」の優先度を、「幼児」よりも高く設定してもよい。これによって、リアルタイム画像において、移動体が「幼児」と識別されても、同じリアルタイム画像の他の移動体が「大人」と識別された場合には、後者が優先され、それに紐付けられた開閉条件「開く」を優先的に選択できる。なお、「大人」と識別された移動体が、「幼児」と識別された移動体の保護者であるか否かについては、例えば、移動体の属性条件を「年齢層」と「人数(人と人との間の距離を含む)」の組合せとし、開閉条件と紐付けることもできる。すなわち、例えば、リアルタイム画像に2つ以上の移動体が含まれ、一方が「幼児」、他方が「大人」と識別され、且つ、前記リアルタイム画像における移動体間の距離が閾値未満の場合、「幼児をつれた保護者」または「保護者につきそわれた幼児」と識別できることから、開閉条件「閉まる」と紐付けておくことができる。
【0059】
(A3)横切り
自動ドア付近を歩いている人であっても、自動ドアを通過することなく、横切る場合がある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の動き情報「移動方向が自動ドアに向かう方向」、「顔の向きが自動ドアの方向」、または「目線が自動ドアの方向」と、通過条件である開閉条件「開く」とを紐付けることができる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、いずれかの動き情報に該当すると識別されると、紐付けされた開閉条件「開く」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。そして、自動ドアが開いていれば閉まるように制御され、自動ドアが閉まっていればそのまま開けないという制御が行われる。このような制御により、例えば、横切るだけの通行者に対して、自動ドアが開くことを防止できる。より具体的には、後述する。
【0060】
(具体例B)
例Bは、通過条件が自動ドアの開閉のタイミングの例である。
【0061】
人感センサによる感知で自動ドアを開閉する場合、通常、自動ドアから一定の距離をおいた地点における移動体の感知により、自動ドアが開き、一定時間で閉まるという制御が行われているのみである。このため、通行者が自動ドアの開いている間に自動ドアまで到着できない、通行しきれずに自動ドアにぶつかってしまう等の問題がある。本例によれば、例えば、自動ドアの開閉だけでなく、自動ドアを開けるタイミング、自動ドアを閉めるタイミングも、自動ドアの開口幅も、通行者に応じて制御されるため、安全な通行、混雑の解消が可能となる。
【0062】
本例において、自動ドア周辺の画像を取得するカメラは、通常固定されている。このため、自動ドア周辺において、リアルタイム画像として取得される領域等は、予め設定でき、その領域に人が侵入した際の自動ドアまでの距離も決定できる。そこで、リアルタイム画像において人が識別された場合に、識別された時点からどのようなタイミング(例えば、何秒後)で自動ドアを開くか、さらに、どのようなタイミング(例えば、開けてから何秒後)で自動ドアを閉じるか等は、任意に設定できる。具体的には、例えば、平均的と考えられる人の歩行速度を基準として、前記タイミングを設定できる。以下、平均的と考えられる人の歩行速度を基準に設けられた、開けるタイミングと閉めるタイミングとを、自動ドアの開閉に関する「基準条件」として、以下、開閉のタイミングについての調整の具体例を示す。
【0063】
(B1)移動速度
人が早歩きであったり駆け込みをした場合、開ききっていない自動ドアにぶつかることがある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の動き情報「移動速度が任意の速度以上」と、通過条件である開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開ける」とを紐付けることができる。前記任意の速度は、特に制限されず、例えば、早歩きの速度、駆け込みの速度等を設定できる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、動き情報が「任意の速度以上」と識別されると、紐付けされた開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開ける」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。移動速度は、例えば、経時的な複数のリアルタイム画像から人を識別して、数値化することができる。このような制御により、例えば、自動ドアに向かっている対象が駆け込みである場合も、自動ドアに激突する危険性を防止し、より安全な通過が可能になる。より具体的には、後述する。
【0064】
一方、老人等のように歩くのが遅い人の場合、自動ドアが閉まってしまうことがある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の動き情報「移動速度が任意の速度以下」と、通過条件である開閉条件「基準条件より、遅いタイミングで閉める」とを紐付けることができる。前記任意の速度は、特に制限されず、例えば、遅歩きの速度、杖等の歩行補助器具を使用した歩行の速度等を設定できる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、動き情報が「任意の速度以下」と識別されると、紐付けされた開閉条件「基準条件より、遅いタイミングで閉める」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。移動速度は、例えば、経時的な複数の画像から人を識別して、数値化することができる。このような制御により、例えば、自動ドアに向かっている対象が遅い歩行の場合も、焦ることなく余裕をもって、より安全に通過できる。
【0065】
(B2)複数人
複数の人が自動ドアを通過する場合、自動ドア付近が混雑することがある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の属性情報「人数が複数人」と、通過条件である開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開ける」とを紐付けることができる。前記複数人の数は、特に制限されず、例えば、2人以上等を設定できる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、移動体の属性情報が「人数が2人以上」と識別されると、紐付けされた開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開ける」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。このような制御により、例えば、自動ドアに向かっている対象が複数人である場合も、混雑を回避して、全員の通過を安全に行うことが可能になる。また、同様にして、通過する人数、人幅に応じて、自動ドアの開口幅を制御してもよい。
【0066】
(B3)双方向の通過
出入口用の自動ドアの場合、双方向からの人の通過になるため、接近してすれ違うことにより、混雑することがある。そこで、本例においては、前記通過支援情報として、移動体の動き情報「移動方向が双方向からの接近」と、通過条件である開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開ける」とを紐付けることができる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、動き情報が「双方向からの接近」と識別されると、紐付けされた開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開ける」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。双方向からの接近は、例えば、同時期における出口側のリアルタイム画像と入口側のリアルタイム画像の両方について、人を識別すればよい。このような制御によって、例えば、両側から人が接近してすれ違う場合でも、双方向のスムーズな通過が可能になる。また、同様にして、通過する人数、人幅に応じて、自動ドアの開口幅を制御してもよい。
【0067】
(B4)付帯物の有無
大きな荷物を持っていたり、ベビーカー、ショッピングカート、車いす等を押しながら歩行している場合、自らが杖等を使用して歩行している場合、歩行に手間取り、自動ドアが閉まってしまうことがある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の属性情報「付帯物が有」と、通過条件である開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開け、遅いタイミングで閉める」とを紐付けることができる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、移動体の属性情報が「付帯物が有」と識別されると、紐付けされた開閉条件「基準条件より、早いタイミングで開け、遅いタイミングで閉める」が選択され、このシグナルが、自動ドアに出力される。このような制御により、例えば、自動ドアに向かっている対象が、前記付帯物を有する場合でも、開くのを待ったり焦ることなく余裕をもって、より安全に通過できる。なお、前記タイミングは、例えば、前記付帯物の種類によって、適宜決定できる。また、同様にして、通過する人数、人幅に応じて、自動ドアの開口幅を制御してもよい。
【0068】
前記付帯物の有無およびその種類は、例えば、画像解析によって検出できる。前記画像解析においては、例えば、付帯物を有している人を識別した上で、付帯物を、縦横幅等の大きさおよび形状等から識別することができる。また、前記移動付帯物を有する人が、自動ドアにたどり着く時間、通過完了する時間等は、例えば、同様の属性の人の過去の通過データに基づいて予測することもできる。
【0069】
(B5)閉まりかけの状態での通過
閉まりかけのタイミングで自動ドアを通過しようとすると、自動ドアにぶつかる場合がある。本例において、前記通過支援情報として、移動体の属性情報「人」と、通過条件である開閉条件「自動ドアが閉まりかけの場合には、基準条件より、早いタイミングで開ける」とを紐付けることができる。このような制御により、例えば、自動ドアに向かっている対象が、焦ることなく余裕をもって、より安全に通過できる。
【0070】
(具体例C)
例Cは、通過条件が自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の例である。
【0071】
(C1)立ち止まり
自動ドア前後に人が立ち止まっていると、それによって人同士がぶつかったり、混雑が生じる場合がある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の動き情報「移動速度がゼロ(動きなし)」と、通過ガイド条件「“立ち止まらないで下さい”との案内」とを紐付けることができる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、動き情報が「動きなし」と識別されると、紐付けされた通過ガイド条件「“立ち止まらないで下さい”との案内」が選択され、このシグナルが出力される。立ち止まりは、例えば、経時的な複数の画像について画像解析することによって識別できる。前記立ち止まりの時間は、特に制限されず、例えば、30秒以上等に設定できる。前記案内が音声情報であれば、例えば、スピーカーに出力して、「立ち止まらないで下さい」との音声を流し、視認情報であれば、例えば、サイネージに出力して、「立ち止まらないで下さい」との文字を表示する。このような制御によって、例えば、立ち止まりを抑制して、自動ドアの通過を促し、混雑を予防できる。
【0072】
(C2)双方向の通過
前述のように、双方向からの自動ドアの通過がある場合、人の通過が多いと、混在によって通過待ちが発生する場合がある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の属性情報「人数」と移動体の動き情報「移動方向」とを組み合わせた「それぞれの方向が所定人数以上」と、通過ガイド条件「“左側通行をお願いします”との案内」とを紐付けることができる。この場合、取得した出口側と入口側の各リアルタイム画像を画像解析して、移動体の属性情報および動き情報が「出口側と入口側のそれぞれの方向が所定人数以上」と識別されると、紐付けされた通過ガイド条件「“左側通行をお願いします”との案内」が選択され、このシグナルが出力される。前記案内が、音声情報であれば、例えば、スピーカーに出力して、「左側通行をお願いします」との音声を流し、視認情報であれば、例えば、サイネージに出力して、「左側通行をお願いします」との文字を表示する。このような制御により、例えば、入場者と退出者との動線がコントロールでき、混雑を予防できる。自動ドアが、例えば、一か所の場合、本例が適している。
【0073】
前記所定人数は、特に制限されず、例えば、自動ドアの大きさ、自動ドアの設置場所等に応じて適宜設定でき、具体例として、出口側および入口側がそれぞれ10人以上と設定してもよい。また、出口側および入口側の一方が10人未満となった際、または両方について10人未満となった際、通過ガイド条件の出力を終了してもよい。また、さらに、出口側と入口側とそれぞれで、左右のどちらに所定人数以上がいるかを判定することにより、よりスムーズに通行できるガイド条件が選択されてもよい。
【0074】
(C3)複数の自動ドアの振り分け
複数の自動ドアが並んでいる場合、例えば、予め入口専用と出口専用とに振り分けられている。しかし、例えば、時間帯によっては、入場者が多くなったり、退出者が多くなったりして、必ずしも最初に振り分けた割合が適切とは限らず、その結果、混雑が生じる場合がある。本例においては、前記通過支援情報として、移動体の属性情報「人数」に関する「入口側の人数と出口側の人数との比が、入口専用自動ドアの数と出口専用自動ドアの数との比と異なる」と、ガイド条件「入口専用自動ドアの数と出口専用自動ドアの数との比が、入口側の人数と出口側の人数との比にマッチするように、入口専用の表示と、出口専用の表示を変更する」とを紐付けることができる。この場合、複数の自動ドアからなる自動ドア群について、それぞれ、入口側のリアルタイム画像と出口側のリアルタイム画像とを画像解析して、それぞれの人数をカウントし、移動体の属性条件が「入口側と出口側の人数の比が、入口専用の自動ドアの数と出口専用の自動ドアの数との比と異なる」と識別されると、紐付けされたガイド条件が選択され、このシグナルが、出力される。具体的には、例えば、入口専用自動ドアと出口専用自動ドアの数の比が2:2である状態で、入口側と出口側の人数の比が3:1の場合、人数の比にマッチするように、入口専用自動ドアと出口専用自動ドアとの比が3:1とするシグナルが出力される。前記シグナルは、例えば、視認情報の場合、サイネージ等の表示部に出力され、各自動ドアについて、「入口専用」および「出口専用」が3:1となるように表示される。これによって、例えば、入場者が多い場合は、入口専用の表示を増やし、退出者が多い場合は、出口専用の表示を増やすことで、入る人と出る人との動線がコントロールでき、混雑を予防することができる。また、さらに、どの自動ドアを入口専用もしくは出口専用にするかを判断するにあたり、例えば、どの自動ドアの前の人数が多いかを考慮してもよい。
【0075】
(C4)視覚障害者の通行
本例においては、前記通過支援情報として、移動体の属性情報「付帯物である視覚障害者用白杖が有」と、通過条件であるガイド条件「“自動ドアが開いています”との音声案内」とを紐付けることができる。この場合、取得したリアルタイム画像を画像解析して、移動体の属性情報が「視覚障害者用白杖が有」と識別されると、紐付けされたガイド条件「“自動ドアが開いています”との音声案内」が選択され、このシグナルが、スピーカーに出力される。白杖は、例えば、画像について画像解析することによって識別できる。このような制御により、例えば、視覚障害者の安全な通過が可能になる。
【0076】
(C5)アナウンスのその他の例
前述のように、保護者が幼児をつれている場合、例えば、反対側から進入する者との衝突を回避するため、前記保護者側の進路(例えば、右・左・真ん中)、および反対側から進入する者の属性(例えば、侵入速度、進入角度、付帯物の有無等)を識別し、衝突を避けるアナウンスを、サイネージに表示したり、スピーカによる音声でアナウンスすることもできる。この場合、例えば、保護者側については、「反対側から駆け込む人が居ます。ご注意ください」、反対側からの進入者には、「反対側から幼児を連れた方が入ってきます。ご注意ください。」または「反対側に幼児がいます。ご注意ください。」等のアナウンスが例示できる。
【0077】
通行者が障害者の場合、例えば、移動の便宜を図るため、エレベーター、エスカレーター等の所在地を、サイネージへの表示および音声等で通知してもよい。この場合、例えば、「エレベーターは、正面に50m進むと、左側にあります」等の音声アナウンス、サイネージに、進行方向のフロア画像、進路の矢印をAR表示すること等があげられる。
【0078】
通行者が付帯物としてキャリーバッグを有するものであり、且つ、属性が外国人と識別される場合、インバウンド観光客の可能性があることから、推測される国籍に応じた言語(複数)で注意喚起のアナウンスを行ってもよい。
【0079】
本例は、例えば、公共交通車両にも適用できる。例えば、駅ホームのゲート(自動ドア)周辺のリアルタイム画像において、障害者、付帯物を有する乗車予定者が識別された場合、車両が到着する前に、前記ゲートのスピーカーまたはサイネージ等に、乗車予定の車両の混雑状況、空いている車両等を、出力し、提示してもよい。また、駅への停車前に、車両に対してシグナルを出力し、車両の車内アナウンスによって、次の駅において、障害者等が乗車することを通知することもできる。
【0080】
また、付帯物として大きな荷物を持つ者が識別された場合は、例えば、車内および駅の双方の混雑状況と、過去の降車者データとから、駅での停車必要時間を予測し、車掌のアナウンスにより円滑な乗車および降車を促し、定時運行を支援することもできる。
【0081】
(D)その他のアナウンス
アナウンスとしては、例えば、上記の例示の他に、様々な情報を音声情報または視認情報として、通行者に対して提示してもよい。退出者に対しては、例えば、例えば、天候、気温、広告、公共交通機関の運行情報、エレベーター、階段およびエスカレーター等の移動案内等が提示されてもよく、また、進入者に対しては、例えば、障害者向けの移動案内、混雑領域、入場エリアの各種情報等が提示されてもよい。
【0082】
このように本実施形態によれば、画像解析を行うことによって、移動体の属性を識別し、また、移動体の動きを識別することで、その属性または動きに適した自動ドアの開閉およびアナウンスの提供が可能である。このため、例えば、利便性の向上、事故発生の防止が可能となる。特に、身体に障害を有する通行者、幼児を連れた保護者、老人、付帯物を有する通行者等のように、スムーズな移動が困難な通行者であっても、その特性に応じた自動ドアの開閉やアナウンスが行われるため、より人に優しい環境の実現が可能になる。また、適した開閉を行うことで、例えば、施設内の空調への影響も十分に抑制することができる。
【0083】
[実施形態2]
特定の動作を検知して、自動ドアの開閉制御を実行する形態について説明する。
【0084】
前記属性情報が、前記動き情報である場合、通過支援装置1は、
図1及び2に示すように、例えば、任意の構成として、さらに、特定動作検知部16を含んでもよい。本実施形態における通過支援装置1のハードウエア構成は、
図2に示すように、CPU100が、例えば、さらに、特定動作検知部16として機能する。本実施において、特に言及しない限り、前記実施形態1の記載を援用できる。
【0085】
本実施形態において、記憶部10は、さらに、移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を記憶する。前記特定の動作は、特に制限されないが、例えば、横切りや駆け込み等の行動である。前記特定動作情報は、前記通過条件と紐づけられている。より具体的に、横切りに関する特定動作情報は、例えば、後述するように、「制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する」等の横切りを検知するための情報である。駆け込みに関する特定動作情報は、例えば、後述するように、「制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である」等の駆け込みを検知するための情報である。
【0086】
前記領域情報は、前記自動ドアからの一定の領域に関する情報であり、前記領域内に設定された制御領域に関する制御領域情報を含む。
図5に、前記領域情報の一例を示す。
図5に示すように、前記領域情報は、例えば、検知領域、オープン領域、保護領域、及び制御領域等を含み、これらの範囲は、任意に設定可能である。前記各領域は、
図5に示すように、前記検知領域内に前記オープン領域、前記保護領域、及び前記制御領域が存在するように設定されている。さらに、前記制御領域内に、前記オープン領域及び前記保護領域が存在するように設定されている。なお、前記オープン領域及び前記保護領域は、
図5に示すように、自動ドアから保護領域、オープン領域の順で、双方の領域が重複しないよう且つ隣接するように設定されている。前記検知領域、前記オープン領域、前記保護領域、及び前記制御領域の横幅は、例えば、自動ドアの横幅と同じか、自動ドアの横幅よりも大きいことが好ましい。前記各領域の形状は、特に制限されず、例えば、四角形でも半円形でもよいが、前記制御領域の形状は、
図5に示すように、前記自動ドアと接する辺の対辺が、前記自動ドアから離れる方向に向かって弓なりになっている形状(以下、かまぼこ状ともいう)であることが好ましい。前記制御領域の形状が、かまぼこ状であることで、例えば、後述の2点交差の精度が向上する。具体的に、前記検知領域は、例えば、前記リアルタイム画像の解析が可能な範囲であり、例えば、前記自動ドアと接する辺から前記辺の対辺までの距離が、5000mm前後等の範囲内である。前記保護領域は、例えば、前記移動体や物体が存在する場合に自動ドアをクローズしない、すなわち、オープンの状態を維持する領域であり、例えば、前記自動ドアと接する辺から前記辺の対辺までの距離が、200mm前後等の範囲内である。前記オープン領域は、例えば、前記移動体や物体(車いすや買い物カート等)が存在する場合(横切りを除く)に自動ドアをオープンさせる領域であり、例えば、前記自動ドアと接する辺から前記保護領域と前記オープン領域が接する辺(すなわち、前記保護領域の前記対辺)までの距離が、201mm前後等であり、また前記自動ドアと接する辺から前記オープン領域の対辺までの距離が1000mm前後等の範囲内である。前記制御領域は、駆け込みや横切り等の特定動作を検出する境界線によって形成される領域であり、例えば、前記自動ドアと接する辺から前記辺の対辺までの距離が、3000mm前後等の範囲内である。これらの範囲はあくまで例示であり、任意に設定されてもよい。また、保護領域、オープン領域の双方の領域が重複するように設定されてもよい。
【0087】
本実施形態において、識別部12は、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別する。すなわち、識別部12は、移動体の移動速度及びベクトル情報(移動方向、顔の向き、目線等)の少なくとも一方を識別する。前記ベクトル情報は、例えば、
図5に示すように、予測線及び延長線を用いて示すことができる。前記予測線は、例えば、現時点における人のベクトル情報を示す。前記延長線は、例えば、前記予測線からリアルタイムで算出される未来のベクトル情報を示す。前記予測線は、例えば、
図6(A)に示すように、カメラの視野角の境界線と交差するまで算出することが好ましい。
【0088】
特定動作検知部16は、前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知する。具体的に、前記特定動作情報が、駆け込みに関する情報である場合、特定動作検知部16は、前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合に、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する。前記速度は、特に制限されず、任意に設定可能であり、例えば、1.4m/sec以上等である。また、前記速度は、例えば、人の性別毎や年齢層毎に設定してもよい。
【0089】
図6を用いて、前記特定動作情報が、横切り動作に関する情報である場合における特定動作検知部16の処理について説明する。この場合、特定動作検知部16は、
図6(A)に示すように、前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報(予測線及び延長線)とが2点で交差する場合に、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する。一方で、例えば、
図6(B)に示すように、前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報(予測線及び延長線)とが1点で交差する場合は、「横切り」として検知しない。具体的に、特定動作検知部16は、例えば、
図6(B)に示すように、ベクトル情報(予測線及び延長線)が動作線と交差する場合は、「横切り」として検知しない。ベクトル情報(予測線及び延長線)が動作線と交差する場合は、例えば、前記移動体が自動ドアに向かっていると識別され、前述のように、自動ドアが閉じていれば自動ドアを開けるように制御される。前記動作線は、例えば、自動ドアの横方向に沿って設定され、且つ前記制御領域内に収まる長さに設定された線である。
【0090】
通過条件選択部13は、前記検知した特定の動作と合致した記憶部10の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する。
【0091】
また、識別部12は、例えば、前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別してもよい。識別部12は、例えば、前記特定の動作の検知に用いた属性情報と同一種類の属性情報のみを識別してもよいし、他種類の属性情報を識別してもよい。同一種類の属性情報とは、例えば、駆け込みの検知を行った場合は、移動速度及びベクトル情報のことであり、横切りの検知を行った場合は、ベクトル情報のことである。続いて、特定動作検知部16は、前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知する。前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知は、例えば、一定時間及び一定距離毎に実行してもよい(例えば、50mm/sec等)。
図7に、前記移動体の特定の動作の終了を検知する一例を示す。
図7は、前記特定の動作として、横切りを例に挙げているが、これに限定されない。
図7に示す利用者Aは、横切り動作を検知された後、保護領域内で停止した。識別部12は、この利用者Aの位置及び停止を識別する。具体的に、利用者Aが保護領域内にいるか否かは、例えば、利用者Aの頭部の動作点から判断可能である。そして、特定動作検知部16は、例えば、利用者Aの停止した位置が保護領域内であれば、横切りの終了と検知する。一方で、特定動作検知部16は、例えば、利用者Aの停止した位置が保護領域外であれば、横切り動作の終了と検知しなくともよい。また、
図7に示す利用者Bは、横切り動作を検知された後、顔の正面を自動ドアの方向に向けた。識別部12は、この利用者Bのベクトル情報を再度識別する。そして、特定動作検知部16により、前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報(予測線及び延長線)とが1点で交差すると判定した場合、すなわち、2点で交差しなくなったと判定した場合、もしくは前記制御領域の境界線と交差せずに動作線とのみ交差する場合は、利用者A及びBの少なくとも一方が前記制御領域内にいる場合として、横切りの終了と検知する。また、前記特定の動作が駆け込み動作の場合について説明する。特定動作検知部16は、例えば、識別部12によって識別された移動体の移動速度が前記特定の動作の検知前に識別された移動体の移動速度よりも減速して予め設定した速度以下である場合や、前記ベクトル情報が前記自動ドアに向かう方向でなくなった場合に、駆け込みの終了と検知する。一方で、例えば、特定動作検知部16は、例えば、前記特定の動作の検知後の識別においても、同じ前記特定の動作を検知した場合は、例えば、前記特定の動作の継続として検知する。特定動作検知部16は、例えば、前記特定の動作の変更を検知してもよい。すなわち、特定動作検知部16は、例えば、前記特定の動作の終了を検知した後、さらに、他の特定の動作を検知してもよい。そして、通過条件選択部13は、前記識別した属性情報と合致した記憶部10の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する。
【0092】
つぎに、本実施形態の自動ドアの通過支援方法について説明する。本実施形態の通過支援方法は、例えば、
図1~
図3に示す通過支援装置1を用いて実施できる。なお、本実施形態の通過支援方法は、これらの図面に示す通過支援装置1の使用には限定されない。また、本実施形態の通過支援方法における記載は、前述した通過支援装置1に援用できる。
【0093】
本実施形態の通過支援方法は、さらに、前述の移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を使用する。本実施形態の通過支援方法は、例えば、前記本発明の通過支援装置1における記憶部10に記憶された、前記特定動作情報、及び前記領域情報を使用できる。また、本実施形態の通過支援方法は、例えば、記憶工程を有し、前記記憶工程において、前記特定動作情報、及び前記領域情報を記憶してもよい。前記記憶工程は、例えば、通過支援装置1の記憶部10により実行できる。
【0094】
本実施形態の通過支援方法は、さらに、特定動作検知工程を含む。本実施形態の通過支援方法において、前記識別工程は、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別する工程であり、例えば、通過支援装置1の識別部12により実行できる。前記特定動作検知工程は、前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知する工程であり、例えば、通過支援装置1の特定動作検知部16により実行できる。本実施形態の通過支援方法において、前記通過条件選択工程は、前記検知した特定の動作と合致した記憶部10の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する工程であり、例えば、通過支援装置1の通過条件選択部13により実行できる。
【0095】
特定動作情報が駆け込み動作に関する情報を含む場合、前記特定動作検知工程は、例えば、前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する工程であってもよい。また、特定動作情報が横切り動作に関する情報を含む場合、前記特定動作検知工程は、前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する場合、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する工程であってもよい。
【0096】
前記識別工程は、例えば、前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別する工程であってもよい。この場合、前記特定動作検知工程は、前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知する工程である。また、前記通過条件選択工程は、前記識別した属性情報と合致した記憶部10の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する工程である。
【0097】
このように本実施形態によれば、画像解析を行うことによって、横切りや駆け込み等の特定の動作に適した自動ドアの開閉の提供が可能である。このため、例えば、利便性の向上、事故発生の防止が可能となる。
【0098】
[実施形態3]
センサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、リアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを行う形態について説明する。
【0099】
通過支援装置1は、
図1及び2に示すように、例えば、任意の構成として、さらに、センサデータ取得部17、及び切替部18を含んでもよい。本実施形態における通過支援装置1のハードウエア構成は、
図3に示すように、CPU100が、例えば、さらに、センサデータ取得部17、及び切替部18として機能する。本実施形態において、特に言及しない限り、前記実施形態1及び2の記載を援用できる。
【0100】
本実施形態において、記憶部10は、前記通過支援情報、前記特定動作情報、及び前記領域情報を記憶する。前記通過支援情報は、前記通過条件と、前記属性情報及び自動ドア周囲のセンサデータの属性情報とが紐付けされている。前記センサデータの属性情報は、例えば、センサデータの閾値や数値範囲等に関する情報であり、移動体や物体等の存在を検知するための観点から設定される情報である。より具体的に、前記センサデータの属性情報は、例えば、自動ドアの周囲に人がいるかいないか、人か否か、自動ドアの周囲の天気、気温等が挙げられる。また、前記センサデータの属性情報は、例えば、後述する識別部12によるセンサデータの識別において、前記センサデータから直接識別されてもよいし、前記センサデータから識別された複数の属性の組み合わせから、識別されてもよい。
【0101】
また、記憶部10の通過支援情報15における前記センサデータの属性情報は、例えば、センサデータそのものでもよく、この場合、例えば。後述する識別部12によるセンサデータの識別において、前者のセンサデータと、取得したセンサデータとの照合によって識別することもできる。通過支援情報15における前記センサデータの属性情報がセンサデータそのものの場合、具体例として、例えば、自動ドア周囲の過去のセンサデータがあげられる。
【0102】
通過支援情報15は、前述のように、さらに、前記通過条件と前記センサデータの属性情報とが紐づけられている。前記通過条件は、例えば、前記センサデータの属性情報ごとに、適した通過条件を任意に設定でき、具体的には、前記センサデータの属性情報に基づいて、予測される事態に適した通過条件に設定できる。前記通過条件は、例えば、前述の記載を援用できる。
【0103】
前記センサデータの属性情報に紐付けされる前記通過条件は、特に制限されず、例えば、推測による仮定の条件でもよいし、過去の情報に基づいて任意に設定した条件でもよい。また、前記センサデータの属性情報は、前述のように、例えば、センサデータそのものでもよい。この場合、ある通過条件が適していると考えられるセンサデータ(例えば、自動ドア周囲のセンサデータ)を、前記センサデータの属性情報として記憶部10に記憶し、前記通過条件を紐付けてもよい。具体例としては、例えば、自動ドア利用者に対する「滑らないように気をつけて下さい」というアナウンスを通過ガイド条件として設定する場合、滑りが生じる可能性がある状態のセンサデータ、すなわち、自動ドア周辺に雨が降っているセンサデータ、等を、前記センサデータの属性情報として記憶部10に記憶し、前記アナウンスの通過条件を紐付けてもよい。
【0104】
前記通過支援情報は、例えば、自動ドア周囲のセンサデータと、そのセンサデータの状態に対して適している通過条件とのセットを学習データとして用い、学習により作製したモデルであってもよい。前記センサデータの属性情報としての「自動ドア周囲のセンサデータ」とは、例えば、実際に対象となる自動ドアの周囲のセンサデータでもよいし、自動ドアが存在する環境のセンサデータ(つまり、他の自動ドアの周囲のセンサデータ)でもよいし、自動ドアの周囲で発生しうると考えられる事象のセンサデータ(つまり、センサデータ自体には自動ドアが含まれないセンサデータ)であってもよい。
【0105】
センサデータ取得部17は、センサデータを取得する。前記センサデータは、自動ドアに取り付けられているセンサ装置が取得したデータである。前記センサ装置は、特に制限されず、例えば、赤外線センサ、温度センサ、重量センサ等が挙げられる。前記センサデータは、特に制限されず、例えば、重さに関するデータでもよいし、熱に関するデータでもよいし、動作に関するデータでもよい。前記センサデータ取得部17は、例えば、前記通信回線網を介して、前記センサ装置から前記センサデータを取得する。
【0106】
本実施形態において、識別部12は、前述のように、前記移動体の動き情報を含む前記画像の属性情報を識別する。さらに、識別部12は、前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別する。
【0107】
本実施形態において、通過条件選択部13は、さらに、センサデータ用開閉制御部131及び画像解析用開閉制御部132を含む。センサデータ用開閉制御部131は、特定動作検知部16によって前記特定の動作が検知されなかった場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した記憶部10のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択する。具体的に、前記通過支援情報として、センサデータの属性情報「人がいる」と、通過条件である開閉条件「開く」とを紐付けられ、センサデータの属性情報「人がいない」と、通過条件である開閉条件「閉まる」とを紐付けることができる。一方で、画像解析用開閉制御部132は、特定動作検知部16によって前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した記憶部10の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する。すなわち、画像解析用開閉制御部132は、前記実施形態2記載の通過条件選択部13と同様である。
【0108】
切替部18は、前記特定の動作の検知の有無によって、センサデータ用開閉制御部131によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、画像解析用開閉制御部132によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行する。具体的には、例えば、切替部18は、前述のように、特定動作検知部16によって前記特定の動作が検知されなかった場合に、センサデータ用開閉制御部131による処理を実行するように制御する。一方で、切替部18は、例えば、特定動作検知部16によって前記特定の動作が検知された場合、画像解析用開閉制御部132による処理を実行するように制御する。
【0109】
本実施形態において、出力部14は、前記選択した通過条件を出力する。すなわち、出力部14は、記憶部10のセンサ条件に紐付けられた通過条件又は記憶部10の特定動作情報に紐付けられた通過条件のいずれか一方を出力する。
【0110】
本実施形態において、識別部12は、例えば、前記実施形態2と同様にして、前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別してもよい。続いて、特定動作検知部16は、前記実施形態2と同様にして、前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知してもよい。この場合、切替部18は、前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、センサデータ用開閉制御部131によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、画像解析用開閉制御部132によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行する。具体的には、前記特定の動作の終了が検知された場合、センサデータ用開閉制御部131により、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した記憶部10のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択する。一方で、前記特定の動作の継続が検知された場合、画像解析用開閉制御部132により、前記検知した特定の動作と合致した記憶部10の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する。
【0111】
つぎに、本実施形態の自動ドアの通過支援方法について説明する。本実施形態の通過支援方法は、例えば、
図1~
図3に示す通過支援装置1を用いて実施できる。なお、本実施形態の通過支援方法は、これらの図面に示す通過支援装置1の使用には限定されない。また、本実施形態の通過支援方法における記載は、前述した通過支援装置1に援用できる。
【0112】
本実施形態の通過支援方法は、さらに、前述の通過条件と、センサデータの属性情報とが紐づけられた通過支援情報を使用する。本実施形態の通過支援方法は、例えば、前記本発明の通過支援装置1における記憶部10に記憶された、前記通過支援情報を使用できる。また、本実施形態の通過支援方法は、例えば、記憶工程を有し、前記記憶工程において、前記センサデータの属性情報が紐づけられた通過支援情報を記憶してもよい。前記記憶工程は、例えば、通過支援装置1の記憶部10により実行できる。
【0113】
本実施形態の通過支援方法は、さらに、センサデータ取得工程、及び切替工程を含む。また、前記通過条件選択工程は、さらに、センサデータ用開閉制御工程及び画像解析用開閉制御工程を含む。
【0114】
まず、センサデータ取得工程により、前記センサデータを取得する。前記センサデータ取得工程は、例えば、通過支援装置1のセンサデータ取得部17により実行できる。次に、前記実施形態1と同様に、前記画像取得工程により、自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得する。次に、前記識別工程により、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、且つ前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別する。次に、前記実施形態2と同様に、前記特定動作検知工程により、前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知する。次に、切替工程により、前記特定の動作の検知の有無によって、後述のセンサデータ用開閉制御工程によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、後述の画像解析用開閉制御工程によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行する。前記切替工程は、例えば、通過支援装置1の切替部18により実行できる。次に、前記センサデータ用開閉制御工程により、前記特定の動作が検知されなかった場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した記憶部10のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択する。前記センサデータ用開閉制御工程は、例えば、通過支援装置1のセンサデータ用開閉制御部131により実行できる。また、前記画像解析用開閉制御工程により、前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した記憶部10の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する。前記画像解析用開閉制御工程は、例えば、通過支援装置1の画像解析用開閉制御部132により実行できる。そして、前記実施形態1と同様に、出力工程により、前記選択した通過条件を出力し、処理を終了する。
【0115】
また、前記識別工程は、前記実施形態2と同様にして、前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別してもよい。続いて、前記特定動作検知工程は、前記実施形態2と同様にして、前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知してもよい。この場合、前記切替工程は、前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、前記センサデータ用開閉制御工程によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御工程によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行する。具体的には、前記特定の動作の終了が検知された場合、前記センサデータ用開閉制御工程により、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した記憶部10のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択する。一方で、前記特定の動作の継続が検知された場合、前記画像解析用開閉制御工程により、前記検知した特定の動作と合致した記憶部10の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する。
【0116】
このように本実施形態によれば、横切りや駆け込み等の特定の動作を検知した場合に、画像解析による自動ドアの開閉制御を行い、前記特定の動作を検知していない場合に、センサデータによる自動ドアの開閉制御を行うように、切り替えることができる。これにより、横切りや駆け込み等の特定の動作により適した自動ドアの開閉の提供が可能である。また、前記実施形態1及び2と同様に、例えば、利便性の向上、事故発生の防止が可能となる。画像解析による自動ドアの開閉制御は、センサを必要としないため、ソフトウエアによって実行される制御ともいえる。ソフトウエアによる制御が可能となることで、例えば、スケジュールデータに基づき一定時間ドアを開放する「換気モード」等に対応する事も可能になる。
【0117】
[実施形態4]
通過支援は、例えば、天気情報、イベント情報、日時情報等にもとづいて、さらなる制御を行うこともできる。すなわち、人の入退場は、例えば、天気の良し悪し、イベントの有無、曜日、時間帯等によって変動することが考えられる。このため、過去におけるこれらの項目と入退場数との関係等を蓄積しておけば、現状の各項目を蓄積したデータと照会することで、混雑状況を予想することもできる。そして、この予想された混雑状況に基づいて、例えば、前記実施形態1の(C2)および(C3)に示すように、動線コントロールのアナウンス、出口専用と入口専用との比率を変化させる表示等を行うこともできる。
【0118】
[実施形態5]
本発明の一例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。なお、本発明は、この例には何ら制限されない。
【0119】
まず、自動ドアのセンサ(赤外線センサ)による検知の有無を判断し(S101)、物体が検知された場合(YES)、ドアが閉まっているかを判断し(S102)、閉まっている場合(YES)、リアルタイム画像を解析する(S103)。また、センサによる検知が無い場合(S101 NO)も、リアルタイム画像の解析を行ってもよい(S103)。そして、識別部12により人物がいるかを識別し(S104)、いる場合(S104 YES)、4才以上の人物がいるかを識別する(S105)。4才以上の人物がいる場合(YES)、さらに、識別部12により自動ドアに向かっている人物が一人以上いるかを識別する(S106)。自動ドアに向かっている人が一人以上いる場合(YES)、識別部12により白杖を有する人がいるか(S107)を識別し、いない場合(NO)、識別部12により自動ドアに向かっている人物の進入速度を演算し(S108)、特定動作検知部16によりその速度が一定速度以上である駆け込み動作を検知する(S109)。ここで「一定速度」は、一般的な進入速度を任意で設定できる。そして、一定速度以下の場合(YES)、さらに、識別部12により自動ドアの反対側に人物がいるかを識別する(S110)。反対側に人物がいない場合(NO)、識別部12により自動ドアに向かっている人物が一人だけかを識別する(S111)。一人だけの場合(YES)、識別部12によりベビーカーを押している人物がいるかを識別し(S112)、いない場合(NO)、識別部12により人物の進行方向を識別し(S123)、特定動作検知部16により横切り動作を検知する(S124)。横切り動作が検知されない場合(NO)、通過条件選択部13により基準の開閉条件を選択し(S113)、出力部14により前記開閉条件にしたがって、自動ドアを開いてから(S114)、閉めて(S122)、終了する(END)。この流れにおいては、センサで移動体が検知され、動物ではなく人であり(S104 YES)、さらに、その人物が幼児ではなく(S105 YES)、自動ドアの方に向かっており(S106 YES)、視覚障害者ではなく(S107 NO)、駆け込み進入ではなく(S109 YES)、反対側からの進入者もなく(S110 NO)、自動ドアに向かう人数が一人であり(S111、YES)、ベビーカーを押している人ではなく(S112 NO)、横切り動作ではない(S124 NO)ことが識別されたため、基準の開閉条件(開閉タイミング)で開閉される。
【0120】
また、センサによる検知があり(S101 YES)、ドアが開いている場合(S102 NO)、基準の開閉条件を選択し(S113)、自動ドアを開いてもよい(S114)。
【0121】
他方、リアルタイム画像の解析で(S103)、人物がいないと識別された場合(S104 NO)、人ではなく動物等であるとして、自動ドアはあけず(S115)、終了する(END)。人物はいるが(S104 YES)、4才以上の人物がいない場合(S105 NO)、幼児のみと識別されるため、自動ドアはあけず(S115)、終了する(END)。4才以上の人物がいるが(S105 YES)、自動ドアに向かっている人物が一人以上いない場合(S106 NO)、自動ドアに向かう人物はいないと識別されるため、自動ドアはあけず(S115)、終了する(END)。横切り動作を検知した場合(S124 YES)、自動ドアに向かう人物はいないと識別されるため、自動ドアはあけず(S115)、終了する(END)。
【0122】
自動ドアに向かう、白杖を有する人物がいる場合(S107 YES)、視覚障害者の開閉条件を選択し(S116)、自動ドアを開け(S114)、且つ、視覚障害者用のアナウンスを行う(S117)。前記アナウンスは、例えば、スピーカーからの音声案内である。
【0123】
自動ドアに向かっている人物の進入速度が一定速度を超える場合(S109 NO)、駆け込み動作として検知されるため、駆け込み進入者の開閉条件を選択し(S118)、自動ドアを開ける(S114)。駆け込み動作を検知した場合、例えば、自動ドアの開閉制御の処理を、センサデータに基づく開閉制御から、画像解析に基づく開閉制御に切り替えてもよい。すなわち、前記開閉条件は、例えば、通過条件選択部13(画像解析用開閉制御部132)により、選択される。
【0124】
自動ドアの反対側に人物がいる場合(S110 YES)、双方向からの進入と識別されるため、双方向進入用の開閉条件を選択し(S119)、自動ドアを開ける(S114)。
【0125】
ベビーカーを押している人物がいる場合(S112 YES)、ベビーカー用の開閉条件を選択し(S121)、自動ドアを開ける(S114)。
【0126】
前記横切り動作を検知して自動ドアの開閉を制御することについて、より具体的に、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0127】
予め、例えば、自動ドアの開閉制御の処理を、センサデータに基づいて実行しているものとする。
【0128】
まず、自動ドアのセンサ(赤外線センサ)からセンサデータを取得して(S300)、前記センサデータから物体の有無を検知し(S301)、物体が検知された場合(YES)、ドアが閉まっているかを判断し(S302)、閉まっている場合(YES)、リアルタイム画像を解析する(S303)。また、センサによる検知が無い場合(S301 NO)も、リアルタイム画像の解析を行ってもよい(S303)。そして、識別部12により人物がいるかを識別し(S304)、人物がいると識別された場合(S304 YES)、さらに、その人物のベクトル情報を識別する(S305)。次に、特定動作検知部16により前記制御領域の境界線と前記ベクトル情報とが2点で交差するかを判定し(S306)、2点で交差する場合(S306 YES)、その人物の動作を横切り動作として検知する(S307)。横切り動作を検知した場合、例えば、自動ドアの開閉制御の処理を、センサデータに基づく開閉制御から、画像解析に基づく開閉制御に切り替えてもよい。そして、自動ドアに向かう人物はいないと識別されるため、通過条件選択部13(画像解析用開閉制御部132)により、選択された開閉条件に従って、自動ドアはあけず(S308)、終了する(END)。一方で、2点で交差しない場合は(S306 NO)、自動ドアに向かう人物がいる識別されるため、基準の開閉条件を選択し(S309)、前記開閉条件にしたがって、自動ドアを開いてから(S310)、閉める(S311)。そして、処理を終了する(END)。前記工程(S309)は、例えば、前記実施形態2記載の通過条件選択部13により実行されてもよいし、前記実施形態3記載のセンサデータ用通過条件選択部131により実行されてもよい。すなわち、2点で交差しない場合は(S306 NO)、特定動作検知部16により、横切り動作がないことを検知するともいえるし、横切り動作が検知されなかったともいえる。そして、前記実施形態2記載の通過条件選択部13により実行する場合は、検知結果「横切り動作がない」と対応する開閉条件を選択する(画像解析に基づく開閉制御の処理)。一方で、前記実施形態3記載のセンサデータ用通過条件選択部131により実行する場合は、前記切替を実行せず、センサデータに基づく開閉制御のまま、前記工程(S300)で取得したセンサデータと対応する開閉条件を選択する。
【0129】
一方で、人物がいないと識別された場合(S304 NO)、人ではなく動物等であるとして、自動ドアはあけず(S308)、終了する(END)。
【0130】
また、前記工程(S307)の処理から前記工程(S308)の処理までの間に、一定の間隔(例えば、50m/sec等)で前記工程(S305)~前記工程(S306)を繰り返し実行してもよい。繰り返し実行した結果、前記工程(S306)において、2点で交差しないと判定された場合は(S306 NO)、前記工程(S309)~前記工程(S311)を実行してもよい。
【0131】
また、前記工程(S307)の後、さらに、前記2点の交差が解消したか(例えば、その人物が保護領域内で停止したか等)を検知してもよい(S312)。解消したと検知した場合(S312 YES)、横切り動作の終了(自動ドアに向かう人物がいる)と識別され、基準の開閉条件を選択し(S309)、前記開閉条件にしたがって、自動ドアを開いてから(S310)、閉める(S311)。停止を検知した場合は(S312 YES)、例えば、自動ドアの開閉制御の処理を、画像解析に基づく開閉制御から、センサデータに基づく開閉制御に切り替えてもよい。一方で、停止を検知しない場合、すなわち、前記2点の交差が解消していない場合(S312 NO)、横切り動作の継続(自動ドアに向かう人物はいない)と識別され、自動ドアはあけない(S308)。停止を検知しない場合は(S312 NO)、例えば、自動ドアの開閉制御の処理を、画像解析に基づく開閉制御のままにしてもよい。
【0132】
また、センサによる検知があり(S301 YES)、ドアが開いている場合(S302 NO)、基準の開閉条件を選択し(S309)、自動ドアを開いてもよい(S310)。
【0133】
[実施形態6]
本実施形態のプログラムは、前記本発明の通過支援方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。または、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、前述のような記憶媒体等があげられる。前記本発明の通過支援方法は、例えば、人工知能(AI)によって実行してもよい。
【0134】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0135】
この出願は、2019年9月13日に出願された日本出願特願2019-167588を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【0136】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
記憶部、画像取得部、識別部、通過条件選択部、および出力部を含み、
前記記憶部は、
自動ドアの通過に関する通過支援情報を記憶し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
前記画像取得部は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別部は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択部は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力部は、
前記選択した通過条件を出力する
ことを特徴とする自動ドアの通過支援装置。
(付記2)
前記画像取得部は、経時的な複数のリアルタイム画像を取得する、付記1記載の通過支援装置。
(付記3)
前記属性情報は、
画像中の移動体の属性情報を含む、付記1又は2記載の通過支援装置。
(付記4)
前記属性情報は、
画像中の移動体の移動速度及びベクトル情報の少なくとも一方を含む動き情報を含む、付記1から3のいずれかに記載の通過支援装置。
(付記5)
さらに、特定動作検知部を含み、
前記記憶部は、
さらに、移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を記憶し、
前記特定動作情報は、前記通過条件と紐づけられており、
前記領域情報は、前記自動ドアからの一定の領域に関する情報であり、前記領域内に設定された制御領域に関する制御領域情報を含み、
前記識別部は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択部は、
前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、付記4記載の通過支援装置。
(付記6)
前記記憶部の特定動作情報が、駆け込み動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する、付記5記載の通過支援装置。
(付記7)
前記記憶部の特定動作情報が、横切り動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する場合、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する、付記5又は6記載の通過支援装置。
(付記8)
前記識別部は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記通過条件選択部は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する、付記5から7のいずれかに記載の通過支援装置。
(付記9)
さらに、センサデータ取得部、及び切替部を含み、
前記記憶部において、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報及び自動ドア周囲のセンサデータの属性情報とが紐付けされており、
前記センサデータ取得部は、
センサデータを取得し、
前記センサデータは、自動ドアに取り付けられているセンサ装置が取得したデータであり、
前記画像取得部は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別部は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記画像の属性情報を識別し、且つ
前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択部は、さらに、センサデータ用開閉制御部及び画像解析用開閉制御部を含み、
前記切替部は、
前記特定の動作の検知の有無によって、前記センサデータ用開閉制御部によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御部によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御部は、
前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御部は、
前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力部は、
前記選択した通過条件を出力する、付記5から8のいずれかに記載の通過支援装置。
(付記10)
前記識別部は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知部は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記切替部は、
前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、前記センサデータ用開閉制御部によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御部によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御部は、
前記特定の動作の終了が検知された場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御部は、
前記特定の動作の継続が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、付記9記載の通過支援装置。
(付記11)
前記記憶部の属性情報は、過去の画像を含む、付記1から10のいずれかに記載の通過支援装置。
(付記12)
前記自動ドアの開閉条件は、開く、閉める、開くタイミング、閉めるタイミング、開き速度、閉まり速度、開き保持時間、および開口幅からなる群から選択された少なくとも一つである、付記1から11のいずれかに記載の通過支援装置。
(付記13)
前記通過ガイド条件は、利用者に対するアナウンス内容を含む、付記1から12のいずれかに記載の通過支援装置。
(付記14)
前記通過ガイド条件は、音情報および視認情報の少なくとも一方である、付記1から13のいずれかに記載の通過支援装置。
(付記15)
記憶部に記憶された自動ドアの通過に関する通過支援情報を使用し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
画像取得工程、識別工程、通過条件選択工程、および出力工程を含み、
前記画像取得工程は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別工程は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択工程は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力工程は、
前記選択した通過条件を出力する
ことを特徴とする自動ドアの通過支援方法。
(付記16)
前記画像取得工程は、経時的な複数のリアルタイム画像を取得する、付記15に記載の通過支援方法。
(付記17)
前記属性情報は、
画像中の移動体の属性情報を含む、付記15又は16載の通過支援方法。
(付記18)
前記属性情報は、
画像中の移動体の移動速度及びベクトル情報の少なくとも一方を含む動き情報を含む、付記15から17のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記19)
さらに、特定動作検知工程を含み、
さらに、前記記憶部に記憶された移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を使用し、
前記特定動作情報は、前記通過条件と紐づけられており、
前記領域情報は、前記自動ドアからの一定の領域に関する情報であり、前記領域内に設定された制御領域に関する制御領域情報を含み、
前記識別工程は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択工程は、
前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、付記15から18のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記20)
前記記憶部の特定動作情報が、駆け込み動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する、付記19記載の通過支援方法。
(付記21)
前記記憶部の特定動作情報が、横切り動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する場合、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する、付記19又は20記載の通過支援方法。
(付記22)
前記識別工程は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記通過条件選択工程は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する、付記19から21のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記23)
さらに、センサデータ取得工程、及び切替工程を含み、
前記記憶部に記憶された前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報及び自動ドア周囲のセンサデータの属性情報とが紐付けされており、
前記センサデータ取得工程は、
センサデータを取得し、
前記センサデータは、自動ドアに取り付けられているセンサ装置が取得したデータであり、
前記画像取得工程は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別工程は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記画像の属性情報を識別し、且つ
前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択工程は、さらに、センサデータ用開閉制御工程及び画像解析用開閉制御工程を含み、
前記切替工程は、
前記特定の動作の検知の有無によって、前記センサデータ用開閉制御工程によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御工程によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御工程は、
前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御工程は、
前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力工程は、
前記選択した通過条件を出力する、付記19から22のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記24)
前記識別工程は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知工程は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記切替工程は、
前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、前記センサデータ用開閉制御工程によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御工程によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御工程は、
前記特定の動作の終了が検知された場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御工程は、
前記特定の動作の継続が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、付記23記載の通過支援方法。
(付記25)
前記記憶部の属性情報は、過去の画像を含む、付記15から24のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記26)
前記自動ドアの開閉条件は、開く、閉める、開くタイミング、閉めるタイミング、開き速度、閉まり速度、開き保持時間、および開口幅からなる群から選択された少なくとも一つである、付記15から25のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記27)
前記通過ガイド条件は、利用者に対するアナウンス内容を含む、付記15から26のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記28)
前記通過ガイド条件は、音情報および視認情報の少なくとも一方である、付記15から27のいずれかに記載の通過支援方法。
(付記29)
記憶部に記憶された自動ドアの通過に関する通過支援情報を使用し、
前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報とが紐付けされており、
前記通過条件は、自動ドアの開閉条件、および自動ドア利用者に対する通過ガイド条件の少なくとも一方であり、
コンピュータに、画像取得手順、識別手順、通過条件選択手順、および出力手順含む手順を実行させるためのプログラム:
前記画像取得手順は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別手順は、
前記リアルタイム画像について、前記属性情報を識別し、
前記通過条件選択手順は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力手順は、
前記選択した通過条件を出力する。
(付記30)
前記画像取得手順は、経時的な複数のリアルタイム画像を取得する、付記29記載のプログラム。
(付記31)
前記属性情報は、
画像中の移動体の属性情報を含む、付記29又は30記載のプログラム。
(付記32)
前記属性情報は、
画像中の移動体の移動速度及びベクトル情報の少なくとも一方を含む動き情報を含む、付記29から31のいずれかに記載のプログラム。
(付記33)
さらに、特定動作検知手順を含み、
さらに、前記記憶部に記憶された移動体の特定の動作に関する特定動作情報、及び領域情報を使用し、
前記特定動作情報は、前記通過条件と紐づけられており、
前記領域情報は、前記自動ドアからの一定の領域に関する情報であり、前記領域内に設定された制御領域に関する制御領域情報を含み、
前記識別手順は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択手順は、
前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、付記29から32のいずれかに記載のプログラム。
(付記34)
前記記憶部の特定動作情報が、駆け込み動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域内へ侵入したときの前記移動体の移動速度が、予め設定した速度以上であり、且つ、前記移動体のベクトル情報が前記自動ドアへ向かう方向である場合、前記移動体の動作を「駆け込み動作」として検知する、付記33記載のプログラム。
(付記35)
前記記憶部の特定動作情報が、横切り動作に関する情報を含み、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域の境界線と前記移動体のベクトル情報とが2点で交差する場合、前記移動体の動作を「横切り動作」として検知する、付記33又は34記載のプログラム。
(付記36)
前記識別手順は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記通過条件選択手順は、
前記識別した属性情報と合致した前記記憶部の属性情報、及び前記終了を検知した特定の動作を除く他の移動体の特定の動作に関する前記特定動作情報の少なくとも一方に紐付けられた通過条件を選択する、付記33から35のいずれかに記載のプログラム。
(付記37)
さらに、センサデータ取得手順、及び切替手順を含み、
前記記憶部に記憶された前記通過支援情報は、自動ドアの通過に関する通過条件と、自動ドア周囲の画像の属性情報及び自動ドア周囲のセンサデータの属性情報とが紐付けされており、
前記センサデータ取得手順は、
センサデータを取得し、
前記センサデータは、自動ドアに取り付けられているセンサ装置が取得したデータであり、
前記画像取得手順は、
自動ドア周囲のリアルタイム画像を取得し、
前記識別手順は、
前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記画像の属性情報を識別し、且つ
前記センサデータについて、前記センサデータの属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記制御領域情報と前記識別した属性情報とを用いて、前記移動体の特定の動作を検知し、
前記通過条件選択手順は、さらに、センサデータ用開閉制御手順及び画像解析用開閉制御手順を含み、
前記切替手順は、
前記特定の動作の検知の有無によって、前記センサデータ用開閉制御手順によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御手順によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御手順は、
前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御手順は、
前記特定の動作が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記出力手順は、
前記選択した通過条件を出力する、付記33から36のいずれかに記載のプログラム。
(付記38)
前記識別手順は、
前記特定の動作を検知した後に、さらに、前記リアルタイム画像について、前記移動体の動き情報を含む前記属性情報を識別し、
前記特定動作検知手順は、
前記特定の動作を検知した後に識別した前記移動体の動き情報に基づき、前記移動体の特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方を検知し、
前記切替手順は、
前記特定の動作の終了又は継続の少なくとも一方の検知の結果に応じて、前記センサデータ用開閉制御手順によるセンサデータに基づく自動ドアの開閉制御と、前記画像解析用開閉制御手順によるリアルタイム画像に基づく自動ドアの開閉制御との切替えを実行し、
前記センサデータ用開閉制御手順は、
前記特定の動作の終了が検知された場合、前記識別したセンサデータの属性情報と合致した前記記憶部のセンサデータの属性情報に紐付けられた通過条件を選択し、
前記画像解析用開閉制御手順は、
前記特定の動作の継続が検知された場合、前記検知した特定の動作と合致した前記記憶部の特定動作情報に紐付けられた通過条件を選択する、付記37記載のプログラム。
(付記39)
前記記憶部の属性情報は、過去の画像を含む、付記29から38のいずれかに記載のプログラム。
(付記40)
前記自動ドアの開閉条件は、開く、閉める、開くタイミング、閉めるタイミング、開き速度、閉まり速度、開き保持時間、および開口幅からなる群から選択された少なくとも一つである、付記29から39のいずれかに記載のプログラム。
(付記41)
前記通過ガイド条件は、利用者に対するアナウンス内容を含む、付記29から40のいずれかに記載のプログラム。
(付記42)
前記通過ガイド条件は、音情報および視認情報の少なくとも一方である、付記29から41のいずれかに記載のプログラム。
(付記43)
付記29から42のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明によれば、自動ドア周囲の画像を用いることによって、自動ドアの利用者および周囲の状況にあわせて、例えば、自動ドアの開閉を制御したり、利用者に対するガイド条件を出力できる。これにより、例えば、自動ドアの通過にあたって、通過者の安全を確保し、待ち時間の発生および混雑等を抑制したスムーズな通過が可能になる。
【符号の説明】
【0138】
1 通過支援装置
10 記憶部
11 画像取得部
12 識別部
13 通過条件選択部
14 出力部
15 通過支援情報
16 特定動作検知部
17 センサデータ取得部
18 切替部
31 カメラ
32 自動ドア
33 表示部
34 スピーカー
2 通信回線網