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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-10
(45)【発行日】2023-07-19
(54)【発明の名称】肝オルガノイド及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20230711BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20230711BHJP
   C12M 3/00 20060101ALN20230711BHJP
【FI】
C12N5/071
C12M1/00 A
C12M3/00 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022500823
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 KR2020009722
(87)【国際公開番号】W WO2021015572
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0089027
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517336290
【氏名又は名称】ティーアンドアール バイオファブ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】T & R BIOFAB CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】542ho,237 Sangidaehak-ro Siheung-si Gyeonggi-do 15073 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】ジン ソンワン
(72)【発明者】
【氏名】アン グンソン
(72)【発明者】
【氏名】カン ドング
【審査官】小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0113437(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0124972(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0122260(KR,A)
【文献】国際公開第2014/197622(WO,A2)
【文献】Genes ,2018年03月22日,Vol.9, No.4, 176,pp.1-15
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00- 7/08
C12M 1/00- 3/10
Google/Google Scholar
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が複数の区画部(110)に分けられた管状の外腔部(100)と、
前記区画部(110)に充填された細胞凝集体(200)と、
前記外腔部(100)の中心に備えられる内腔部(300)と、を含み、
前記内腔部(300)の中心には、内部が空いている管状の中空構造を持つ通孔(310)が形成され、
前記外腔部(100)と前記内腔部(300)は、血管内皮細胞を含むことで、前記外腔部(100)の外面、複数の区画部(110)同士の間、及び前記通孔(310)の外周面に血管が形成されることを特徴とする、肝オルガノイド。
【請求項2】
前記外腔部(100)と前記内腔部(300)はハイドロゲルをさらに含み、
前記細胞凝集体(300)は肝細胞及びハイドロゲルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の肝オルガノイド。
【請求項3】
前記ハイドロゲルは、アルギン酸塩、フィブリンゲル、カルボキシルメチルセルロース、へパラン硫酸、ヒアルロン酸、コラーゲン、デキストラン、アガロース、ゼラチン、ラミニン、プルロニック、特定の組織で脱細胞化されたバイオインク、マトリゲル、水酸隣灰石、ヒアルロン酸及びポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項2に記載の肝オルガノイド。
【請求項4】
肝小葉の断面パターンを有するように区画された空間を提供する区画部材(1)が備えられたバイオインク収容部(2)を準備する収容部準備ステップと、
前記バイオインク収容部(2)の各区画された空間に相異なるバイオインクを供給するバイオインク供給ステップと、
前記バイオインク収容部(2)に圧力を加えて、区画された空間に収容された相異なるバイオインクを単一ノズル(3)から吐出させる吐出ステップと、を含み、
前記区画部材(1)は、前記区画部材(1)の中心に形成される第3中空部(30)と、前記第3中空部(30)の外側に形成され、扇形の断面を有する複数の第2中空部(20)と、前記第2中空部(20)及び第3中空部(30)を包む構造で形成される第1中空部(10)と、を含み、
前記バイオインク供給ステップは、第1中空部(10)に第1バイオインク(11)が供給され、第2中空部(20)に第2バイオインク(21)が供給され、第3中空部(30)に第3バイオインク(31)が供給され
前記第1バイオインク(11)はハイドロゲルと血管細胞内皮を含み、
前記第2バイオインク(21)は肝細胞及びハイドロゲルを含み、
前記第3バイオインク(31)は、細胞が含まれていないハイドロゲルを含み、
前記第1乃至第3バイオインクに含まれるハイドロゲルは、アルギン酸塩、フィブリノーゲン、カルボキシルメチルセルロース、へパラン硫酸、ヒアルロン酸、コラーゲン及びデキストランよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記吐出段階以降に、前記第3中空部(30)に供給された第3バイオインク(31)を除く残りの領域の第1及び第2バイオインク(11,21)をゲル化させた後、細胞培養液として処理して第3バイオインク(31)を除去して第3中空部(30)に通孔を形成することを特徴とする、肝オルガノイドの製造方法。
【請求項5】
前記吐出ステップでバイオインク収容部(2)に加えられる圧力は0.1500kPaであることを特徴とする、請求項4に記載の肝オルガノイドの製造方法。
【請求項6】
前記吐出ステップは、前記バイオインク供給ステップと同時に行われるか、或いはバイオインク供給ステップ以後に順次行われることを特徴とする、請求項4に記載の肝オルガノイドの製造方法。
【請求項7】
前記第1バイオインクはコラーゲンと血管内皮細胞を含み、
前記第2バイオインクはコラーゲンと肝細胞を含み、
前記第3バイオインクはアルギン酸塩を含むことを特徴とする、請求項に記載の肝オルガノイドの製造方法。
【請求項8】
前記第1バイオインクは、コラーゲンとアルギン酸塩との混合物及び血管内皮細胞を含み、
前記第2バイオインクは、コラーゲンとアルギン酸塩との混合物及び肝細胞を含み、
前記第3バイオインクは、アルギン酸塩を含むことを特徴とする、請求項に記載の肝オルガノイドの製造方法。
【請求項9】
前記第1バイオインクはアルギン酸塩と血管内皮細胞を含み、
前記第2バイオインクはアルギン酸塩と肝細胞を含み、
前記第3バイオインクはゼラチンを含むことを特徴とする、請求項に記載の肝オルガノイドの製造方法。
【請求項10】
前記コラーゲンとアルギン酸塩との混合物は、pH7.0に中和された3wt%コラーゲンと3wt%アルギン酸塩が9:1の体積比率で混合されたことを特徴とする、請求項に記載の肝オルガノイドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝オルガノイドに係り、より詳細には、肝小葉(liver lobule)形態の構造を長期間維持することができる肝オルガノイド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
新薬開発には、多くの時間及び努力、そしてかなりの費用がかかる。しかし、新薬開発に成功すれば高い付加価値を創出することができる。薬物が効果を発揮するためには、その物質が標的に薬効を与えるのに十分な濃度に達しなければならない。ところが、薬物が肝で代謝されると、活性を失ってしまう。
【0003】
薬物による肝毒性メカニズムは、肝代謝活性化との関係が深い。薬物由来肝毒性は、前臨床段階で新薬開発を中断させる原因となり、臨床段階では臨床実験を中断させる原因となる。また、薬物の市販後でも、薬物由来肝毒性が発見されると、その薬物は市場から撤退される。よって、毒性及び薬物代謝研究のための三次元肝モデルの開発は重要である。
【0004】
肝は、ヒトの臓器の中で最大の器官であり、胆汁だけでなく、人体に必要な数千種の物質と酵素を生産し、各種有毒物質を除毒する機能を果たす。
【0005】
肝の構造は非常に複雑であるが、通常、肝は、肝小葉が単位構造をなしている。このような肝小葉は、中央の中心静脈と、毛細血管を送り出す3つの小葉肝静脈で構成されている。小葉肝静脈から出てきた洞様毛細血管の周囲は肝細胞に囲まれており、肝細胞同士の間には毛細胆管が形成されている。洞様毛細血管と肝細胞との間には、ディッセ腔という狭い腔所があり、肝星状細胞が位置している。このような構造的複雑性により、ヒトの肝と類似な三次元肝モデルを製作することは非常に難しく、特に肝細胞は二次元培養の際に細胞の機能が急速に低下する。
【0006】
近年、オルガノイド(organoid)を用いて三次元肝モデルを開発するための研究が盛んに行われている。ミニ臓器と呼ばれるオルガノイド(organoid)は、特定の臓器や組織に起源した前駆細胞又は幹細胞を用いて作製された構造体であって、実際の人体臓器と類似な構造及び機能を持つ三次元構造体を意味する。
【0007】
最近のある研究では、ヒトの肝から抽出された成体幹細胞を用いて、ヒトの肝と類似な構造及び機能をする肝オルガノイドをin vitroで作製することに成功した。しかし、このような方法は、肝オルガノイドを作製するために必要な細胞をヒトの体内から抽出することは非常に難しく、ドナーごとに細胞の機能が異なるため、作製されたサンプルごとに差が生じるという欠点がある。さらに、細胞の自己組織化を介して培養するので、所望の形態で細胞を配列することができない。
【0008】
オルガノイド技術の他にも、微小流体力学装置、リソグラフィーを利用した三次元パターニングチップなど、特定の装置を用いた三次元培養技術も用いられているが、コスト消費が激しく、実験手順が非常に複雑である。スフェロイド技術は、バイオインクなしに細胞を凝集させて長期間培養が可能であるが、低酸素状態が凝集体中央部分で発生するので、200~300μm程度の大きさにのみ製作しなければならないという限界点がある。
【0009】
バイオプリンティング技術は、現在、オルガノイドと共に最も多く研究されている技術である。ヒトの肝構造を模写するために、様々な細胞が含有されたそれぞれのバイオインクを多重ヘッドを用いて所望の位置に吐出及び積層して数ミリメートルサイズの肝類似体を製作することができる。しかし、従来のバイオプリンティング技術は、プリンティング解像度の限界があり、大きな構造物を製作する場合には、積層により酸素低下が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、肝小葉(liver lobule)形態の構造からなるため低酸素状態を防止することができて長期培養が可能であり、且つ肝小葉形態の構造が長期間維持可能である肝オルガノイド及びその製造方法を提供するためのものであって、肝小葉形態の構造が長期間維持されることにより非臨床実験及び臨床実験の両方に使用可能な肝オルガノイド及びその製造方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態は、肝オルガノイドに関するものであり、内部が複数の区画部110に分けられた管状の外腔部100と、前記区画部110に充填された細胞凝集体200と、前記外腔部100の中心に備えられる内腔部300と、を含む。
【0012】
前記内腔部300は、内部が空いている管状構造であることが好ましい。
【0013】
また、前記外腔部100は、血管内皮細胞及びハイドロゲルを含むことができ、前記細胞凝集体200は、肝細胞及びハイドロゲルを含むことができる。
【0014】
前記ハイドロゲルは、アルギン酸塩、フィブリンゲル、カルボキシルメチルセルロース、へパラン硫酸、ヒアルロン酸、コラーゲン、デキストラン、アガロース、ゼラチン、ラミニン、プルロニック、特定の組織で脱細胞化されたバイオインク、マトリゲル、水酸隣灰石、ヒアルロン酸及びポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種を含むか、或いはこれらの中の少なくとも2種或いは3種のハイドロゲルが混合された混合ハイドロゲルが使用できる。
【0015】
一方、本発明の他の実施形態としては、肝オルガノイドの製造方法が挙げられるが、肝小葉の断面パターンを有するように区画された空間を提供する区画部材1が備えられたバイオインク収容部2を準備する収容部準備ステップと、前記バイオインク収容部2の各区画された空間に相異なるバイオインクを供給するバイオインク供給ステップと、バイオインク収容部2に物理的な力を加えて、区画された空間に収容された相異なるバイオインクを単一ノズル3から吐出させる吐出ステップと、を含む。
【0016】
前記区画部材1は、前記区画部材1の中心に形成され、リング状の断面を有する第3中空部30と、前記第3中空部30の外側に形成され、扇形の断面を有する複数の第2中空部20と、前記第2中空部20及び第3中空部30を包む構造で形成される第1中空部10と、を含むことが好ましい。
【0017】
前記バイオインク供給ステップでは、第1中空部10に第1バイオインク11が供給され、第2中空部20に第2バイオインク21が供給され、第3中空部30に第3バイオインク31が供給されることが好ましく、前記第1バイオインク11は血管細胞内皮及びハイドロゲルを含み、前記第2バイオインク21は肝細胞及びハイドロゲルを含み、前記第3バイオインク31はハイドロゲルを含むことがさらに好ましい。
【0018】
前記ハイドロゲルは、アルギン酸塩、フィブリンゲル、カルボキシルメチルセルロース、へパラン硫酸、ヒアルロン酸、コラーゲン、デキストラン、アガロース、ゼラチン、ラミニン、プルロニック、特定の組織で脱細胞化されたバイオインク、マトリゲル、水酸隣灰石、ヒアルロン酸及びポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0019】
前記吐出ステップでバイオインク収容部2に加えられる圧力は、0.1~500kPaであることがさらに好ましい。
【0020】
前記吐出ステップは、前記バイオインク供給ステップと同時に又は順次に行われることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明による肝オルガノイドは、血管内皮細胞(vascular endothelial cell)が外腔部と内腔部を包んでおり、外腔部と内腔部との間にも血管内皮細胞が連結されて構造的に安定し、長期間培養する場合でも構造的変化なしに形態を維持することができる。
【0022】
また、本発明の肝オルガノイドは、酸素を供給する内腔部を含むことにより、低酸素状態によるアポトーシスを防止することができるため、長期間培養が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施例による肝オルガノイドの斜視図である。
図2】本発明の他の実施例による肝オルガノイドの製造過程を示す模式図である。
図3】本発明による肝オルガノイドを培養して観察した結果の顕微鏡写真である。
図4】本発明による肝オルガノイドを培養して観察した結果の顕微鏡写真である。
図5】本発明による肝オルガノイドを培養して観察した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施例によって詳細に説明する前に、本明細書及び請求の範囲で使用された用語や単語は、通常的且つ辞書的な意味に限定されて解釈されてはならず、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきであることを明らかにする。
【0025】
本明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0026】
以下では、本発明の肝オルガノイド及びその製造方法についてより詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施例による肝オルガノイドの斜視図である。
【0028】
図1を参照すると、本発明の一実施例による肝オルガノイドは、内部が複数の区画部110に分けられた管状の外腔部100と、前記区画部110に充填された細胞凝集体200と、前記外腔部100の中心に備えられ、内部が空いている管状の内腔部300と、を含み、実際の肝小葉構造と類似な構造を持つ。
前記内腔部300の中心には通孔310が形成されている。
【0029】
前記外腔部100は、肝オルガノイドの全体的な構造を維持する役割を果たすものであり、図1に示すように、内部が複数の区画部110に分けられた管状の構造で形成されることができる。
【0030】
このような外腔部100、前記複数の区画部110同士の間、及び内腔部300の中心に形成された通孔310の外周面には、血管内皮細胞(vascular endothelial cell)及びハイドロゲル(hydrogel)が含まれる。
【0031】
このような血管内皮細胞(vascular endothelial cell)は、肝オルガノイドが流体と直接当接する面である外腔部100の外面に位置して血管化されるだけでなく、細胞凝集体200からの肝細胞の離脱を防止して本発明の肝オルガノイドの構造が長期間維持されるようにする。
【0032】
また、前記複数の区画部110同士の間、及び内腔部300の中心に形成された通孔310の外周面も、血管内皮細胞が血管化される。
【0033】
前記ハイドロゲルは、アルギン酸塩、フィブリノーゲン、カルボキシルメチルセルロース、へパラン硫酸、ヒアルロン酸、コラーゲン、デキストラン、アガロース、ゼラチン、ラミニン、プルロニック、特定の組織で脱細胞化されたバイオインク、マトリゲル、水酸隣灰石、ヒアルロン酸及びポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。このようなハイドロゲルは、水分含有量が高く、生体適合性及び機械的物性に優れるため、本発明の肝オルガノイドのように、細胞が含まれた構造のオルガノイドに適用することが非常に適する。
【0034】
前記外腔部100の区画部110に充填される細胞凝集体200は、肝細胞及びハイドロゲル(hydrogel)を含む。ハイドロゲルは、細胞が付着できない空隙を提供して肝細胞間の凝集を誘導する。
【0035】
また、前記細胞凝集体200は、肝細胞及びハイドロゲルの他にも、サイトカインなどの細胞成長因子(growth factor)をさらに含むことができる。細胞成長因子(growth factor)は、細胞の成長及び分化に影響を与える物質であって、サイトカインを含むタンパク質、ポリペプチド又はこれらの複合体を意味する。このような細胞成長因子としては、インスリン、インスリン様成長因子(IGF)、神経成長因子(NGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、塩基性FGF(bFGF)を含む線維芽細胞成長因子(FGF)、PDGFAA及びPDGF-ABを含む血小板由来成長因子(PDGF)、BMP-2及びBMP-7などを含む骨形成タンパク質(BMP)、肝細胞成長因子(HGF)、トランスフォーミング成長因子アルファ(TGF-α)、TGFβ-1及びTGFβ-3を含むトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)、上皮成長因子(EGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、インターロイキン-6(IL-6)、IL-8などが挙げられる。
【0036】
前記内腔部300は、本発明の肝オルガノイドを構成する外腔部100の中心領域に位置し、内部が空いている管状の構造を持つ。このような内腔部300は、中心に通孔310が形成されており、これにより肝オルガノイドに酸素を供給することができる。このような内腔部300を介して、細胞凝集体200に含まれた肝細胞に酸素を供給することにより、肝細胞が低酸素状態になって死滅することを防止することができる。これにより、本発明の肝オルガノイドは、長期間培養が可能であり、長期間培養しても構造が安定的に維持される。
【0037】
内腔部300の中心領域に通孔310を形成させるために、内腔部300の中心領域は、細胞が含まれていないハイドロゲルで形成されることが好ましいが、特に細胞が含まれず、吐出された以後に容易に除去可能なハイドロゲルで形成されることが好ましい。
【0038】
例えば、区画部材には、細胞が混ざっているコラーゲン(37℃の温度でゲル化される)を入れ、内腔部の中心領域には、細胞が混ざっていないアルギン酸塩(カルシウムイオンによってゲル化される)を入れることができる。吐出されたオルガノイドを37℃でゲル化させると、所望の形状にゲル化(固め)され、カルシウムイオンのないアルギン酸塩は水のように維持されるので、これを細胞培養液で洗浄すると、通孔に該当する内腔(ルーメン lumen)を形成することができる。すなわち、通孔或いは内腔形成のために、内腔部の中心領域のハイドロゲルのみをゲル化させないことにより、細胞培養液に拡散して無くなるように誘導することができる。
【0039】
図2は本発明の一実施例によって肝オルガノイドが製造される工程を概略的に示す模式図である。
【0040】
図2を参照すると、本発明の肝オルガノイドの製造方法は、試料吐出を用いた方式であって、肝小葉の断面パターンを有するように区画された空間を提供する区画部材1が備えられたバイオインク収容部2を準備する収容部準備ステップ(図2(a))と、前記バイオインク収容部2の各区画された空間に相異なるバイオインクを供給するバイオインク供給ステップ(図2(b))と、バイオインク収容部2に圧力を加えて、区画された空間に収容された相異なるバイオインクを単一ノズル3から吐出させる吐出ステップ(図2(c))と、を含むことができる。
【0041】
収容部準備ステップでの区画部材1は、上述した本発明の肝オルガノイドの断面パターンと対応する断面パターンを有するように形成されることが好ましい。具体的には、図2(a)に示すように、前記区画部材1の構造は、区画部材1の中心に形成され、リング状の断面を有する第3中空部30と、前記第3中空部30の外側に形成され、扇形の断面を有する複数の第2中空部20と、前記第2中空部20及び第3中空部30を包む構造で形成される第1中空部10と、を含む構造であり得る。
【0042】
このような第1中空部10は、上述した肝オルガノイドの外腔部100に対応し、第2中空部20は、細胞凝集体200に対応し、第3中空部30は、内腔部300の中心に位置する通孔310に対応する。
【0043】
このような区画部材1は、ABS(Acrylonitrile butadiene styrene)、PCL(polycaprolactone)、ASA(Acrylonitrile-Styrene-Acrylate)、SAN(Styrene-Acrylonitrile copolymer)、PS(Polystyrene)、PPSF/PPSU(Polyphenylsulfone)、ポリエーテルイミド(Polyetherimide)、PLA(Polylactic acid)、PDL(Poly-d-lysine)などの樹脂を用いてFDMプリンティング方式で製造されるか、或いは非鉄又は非鉄合金などを用いた機械加工方式で製造されることができる。
【0044】
バイオインク供給ステップは、区画部材1によって区画されたバイオインク収容部2の各空間に相異なるバイオインクを供給するステップである。具体的には、図2(b)に示すように、第1中空部10には第1バイオインク11が供給されることができ、第2中空部20には第2バイオインク21が供給されることができ、第3中空部30には第3バイオインク31が供給されることができる。
【0045】
第1バイオインク11は、上述した外腔部100と内腔部300と区画部110との間に血管を形成するためのものであり、血管内皮細胞(vascular endothelial cell)及びハイドロゲル(hydrogel)を含むことが好ましい。
【0046】
第2バイオインク21は、区画部110内に細胞集合体200を形成するためのものであり、肝細胞及びハイドロゲルを含むことができる。
【0047】
肝細胞としては、例えば、胚由来肝幹細胞、逆分化肝幹細胞、成体肝幹細胞、一次肝細胞、不死化細胞株などが使用できる。
【0048】
また、第2バイオインク21は、肝細胞及びハイドロゲルの他にも、細胞の成長及び分化に影響を与える物質である細胞成長因子をさらに含むことができる。このような細胞成長因子(growth factor)としては、インスリン、インスリン様成長因子(IGF)、神経成長因子(NGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、塩基性FGF(bFGF)を含む線維芽細胞成長因子(FGF)、PDGFAA及びPDGF-ABを含む血小板由来成長因子(PDGF)、BMP-2及びBMP-7などを含む骨形成タンパク質(BMP)、肝細胞成長因子(HGF)、形質転換成長因子α(TGF-α)、TGFβ-1及びTGFβ-3を含むトランスフォーミング成長因子β(TGF-β)、上皮成長因子(EGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、インターロイキン-6(IL-6)、IL-8などが挙げられる。
【0049】
また、第3バイオインク31は、上述した内腔部300の中央に位置する通孔(310)を形成するためのものであり、ハイドロゲルを含むことが好ましい。
【0050】
前記ハイドロゲルは、アルギン酸塩、フィブリンゲル、カルボキシルメチルセルロース、へパラン硫酸、ヒアルロン酸、コラーゲン、デキストラン、アガロース、ゼラチン、ラミニン、プルロニック、特定の組織で脱細胞化されたバイオインク、マトリゲル、水酸隣灰石、ヒアルロン酸及びポリエチレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
【0051】
第1中空部と第3中空部には、それぞれゲル化される条件が異なる他のハイドロゲルを収容させることができるが、例えば、第1中空部には、カルシウムによってゲル化されるアルギン酸塩を入れ、第3中空部には、約30℃未満でゲル化され、30℃以上では流体状態で存在するゼラチンを入れた後に、カルシウムイオンが含有された37℃の細胞培養液に吐出させる場合、アルギン酸塩は直ちにゲル化され、ゼラチンはゲル化されない。
【0052】
したがって、ゼラチンは、流体状態で細胞培養液に拡散して溶けて無くなることにより、内腔部の中心に位置する通孔310を形成し、アルギン酸塩のみが維持されて本発明による特有の肝オルガノイドを製造することができる。
【0053】
前記吐出ステップは、図2(c)に示すように、バイオインク収容部2に圧力を加えて、区画された空間に収容された相異なるバイオインクを単一ノズル3から吐出させるステップである。このとき、相異なるバイオインクのそれぞれには同じ圧力が加えられることが好ましい。
【0054】
前記収容部2に加えられる圧力は、約0.1~500kPaの範囲の圧力であることが好ましい。圧力があまり大きくて500kPaを超える場合には、ノズル3にかかる負荷が大きくなって損傷が発生する可能性がある。また、圧力が0.1kPa未満である場合には、バイオインクの粘性による抵抗のためノズル3からスムーズに排出されない。
【0055】
前記ノズル3の直径は約0.1~100mmであることが好ましい。ノズル3の直径が0.1mm未満である場合には、排出圧力が大きくなって細胞に損傷を引き起こすおそれがあり、ノズルの直径が100mmを超える場合には、精度に劣るうえ、材料の消費量があまり増加するという問題点がある。
【0056】
このような吐出ステップは、前記バイオインク供給ステップと同時に行われてもよく、順次に行われてもよい。
【0057】
前記吐出ステップで吐出されて形成された肝オルガノイドは、そのまま使用することができ、必要によっては、所定の厚さにカットして使用したり、特定パターンで連続積層して所望の形状に積層加工したりすることも可能である。
【0058】
例えば、繊維状に長く引いて使用するか或いはこれをカットして使用することができ、所望の形態で連続的に積層加工することができる。好ましくは、直径1mmのノズルを介して吐出させるが、ヒトの肝小葉が約1mmのサイズであり、長い繊維形状に吐出された構造物を再び1mmにカットすると、肝小葉と非常に類似な構造体を得ることができるからである。また、これをカットせずに連続吐出及び積層加工して大きな塊状にする場合には、肝小葉が様々な構造に配列された肝葉(lobes of liver)を作ることも可能である。
【0059】
以下、本発明の実施例について説明する。しかし、本発明の範疇が以下の好適な実施例に限定されるものではなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の権利範囲内で本明細書に記載された内容の種々の変形形態を実施することができる。
【0060】
[実施例1]第1バイオインクの製造
pH6.0~8.0に中和されたコラーゲン水溶液に血管内皮細胞(vascular endothelial cell)を投入し、攪拌して第1バイオインクを製造した。
【0061】
[実施例2]第2バイオインクの製造
pH6~8に中和されたコラーゲン水溶液にヒト成体肝幹細胞を投入し、攪拌して第2バイオインクを製造した。
【0062】
[実施例3]第3バイオインクの製造
アルギン酸塩を蒸留水に投入し、常温で12時間撹拌して第3バイオインクを製造した。
【0063】
[実施例]
本発明の肝オルガノイドを製造するために、図2(a)に示すように、第1中空部、第2中空部及び第3中空部を有する区画部材を、材料吐出方法でPLA(polyactic acid)を用いて製造した。
【0064】
このように製造された区画部材を3Dプリンタシリンジの収容部に挿入した後、第1中空部には上記で製造された第1バイオインクを供給し、第2中空部には第2バイオインクを供給し、第3中空部には第3バイオインクを供給した。その後、空圧を用いて約10kPaの圧力を加えてバイオインクを単一ノズル(直径:1mm)から吐出して肝オルガノイドを製造した。
【0065】
[比較例]
本発明の肝オルガノイドの効果を立証するために、2つの比較群(Mix(W/O lumen)vs Mix(W lumen))を設定して実験を進めた。まず、肝細胞(HepG2、以下同一)と血管内皮細胞(EA.hy926、以下同一)を約7:3の比率で混ぜてバイオインクと混合した後、区画部材のないシリンジにバイオインクを供給した。その後、空圧を用いて10kPaの圧力を加えてバイオインクを単一ノズル(直径:1mm)から吐出して肝オルガノイドを製造した(Mix W/O lumen)。次に、肝細胞と血管内皮細胞を約7:3の比率で混ぜてバイオインクと混合した後、肝オルガノイドと同様の方式で、2つの細胞が混合された肝オルガノイドを製造した(Mix W lumen)。
【0066】
その結果、内腔を作っていない混合モデルは、ゲルの中央内側で低酸素状態が発生して細胞が外郭のみで生き残って構造が激しく変形した。内腔を作った混合モデルは、内腔部に血管内皮細胞ではない肝細胞が一緒に成長するにつれて、内腔部分が血管化されて構造が維持されず、2つの細胞が任意に成長しながら内腔部が埋められ、結局、細胞の生存率が減少した。
【0067】
[実験例1]
実施例及び比較例の肝オルガノイドを10日間培養した後、これを顕微鏡で観察して図3図4に示した(図4のMIXは図3のMix(W lumen)と同じものであり、図4のPre-setは図3のPre-setと同じ試料である。)。
【0068】
図3のMix(W/O lumen)は、肝細胞と血管内皮細胞を同時にハイドロゲルに混ぜ、何のパターンもなく1mmのノズルから吐出して観察した結果であり、Mix(W lumen)は、肝細胞と血管内皮細胞を同時にハイドロゲルに混ぜて肝オルガノイド製造方式と同様に吐出して観察した結果である。そして、Pre-setは、予め定められたパターンで肝オルガノイドを製造し、肝細胞と血管内皮細胞を異質的に区分されるようにした結果である。特にPre-setの場合には、血管内皮細胞が外腔部、内腔部、及びこれらの間に連結されることにより構造をよく維持していることが分かる。
【0069】
[実験例2]
長期間培養する場合でも、実施例の肝オルガノイドの構造が維持されることを確認するために、実施例と同様の方式で実験を行った。
【0070】
第1具現例として、血管部にコラーゲン、肝細胞部にコラーゲン、内腔部にアルギン酸塩をそれぞれ使用し、1mmのノズルを介して10kPaの圧力で温度37℃の細胞培養培地中で長い繊維状に吐出した後、インキュベータに移した。
【0071】
コラーゲンは、37℃の温度で徐々にゲル化されるので、37℃の培養液中で吐出する場合、ゲル化されながら液体中に繊維状に存在する。ゲル化が完了すると、内側の内部孔に位置するアルギン酸塩は拡散してメディアに溶ける。
【0072】
第2具現例として、血管部にコラーゲン及びアルギン酸塩、肝細胞部にコラーゲン及びアルギン酸塩、内腔部にアルギン酸塩をそれぞれ使用して実験を行った。
【0073】
この時、コラーゲンとアルギン酸塩との混合物の場合は、pH7.0に中和された3wt%コラーゲンと3wt%アルギン酸塩を9:1の体積比で混ぜた混合物を製造した。その後、混合物をそれぞれ細胞と混合して使用し、内腔部には3wt%アルギン酸塩のみを単独で使用した。
【0074】
前述した第1具現例と同様に、1mmのノズルを介して10kPaの圧力で、カルシウムが含有された細胞培養培地中で長い繊維状に吐出した後、約5分間静置時間を置いた。アルギン酸塩の場合には、カルシウムイオンと出会うとすぐにゲル化されるが、約5分間静置する過程で、外側の外面にあるアルギン酸塩とコラーゲンとの混合物中のアルギン酸塩成分のみがゲル化され、内側にあるアルギン酸塩はゲル化されない。
【0075】
その後、カルシウムが含有された細胞培養培地をPBS(Phosphate-buffered saline)で洗浄し、カルシウムが含有されていない細胞培養培地を入れてインキュベータで培養した。このように順次コラーゲンがゲル化された後、内側の内腔部に位置するアルギン酸塩は細胞培養培地に拡散して溶けて無くなる。
【0076】
第3具現例として、血管部にアルギン酸塩、肝細胞部にアルギン酸塩、内腔部にゼラチンをそれぞれ使用した。前述した第1及び第2具現例と同様に、1mmのノズルを介して10kPaの圧力で、カルシウムが含有された細胞培養培地内で長い繊維状に吐出した後、約5分間静置した。
【0077】
静置時間後、カルシウムイオンが含有された細胞培養培地をPBS(Phosphate-buffered saline)で洗浄した後、カルシウムイオンが含有されていない細胞培養培地を入れてインキュベータで培養した。37℃でゼラチンは液状として存在するので、細胞培養培地に拡散して溶けて無くなる。
【0078】
このような具現例1乃至3のすべての試料は、24ウェルプレートに10%牛血清及び1%抗生剤が含有された細胞培養液であるDMEM(Dulbecco's modified Eagle medium)と共に37℃の細胞培養装置で培養された。培養液は、1日1回ずつ新たに交替された。アルギン酸塩のゲル化のために、PBS又は細胞培養培地に塩化カルシウム(CaCl2)を50mMの濃度で添加してカルシウムイオンを供給した。
【0079】
互いに異なる2種類の細胞を区分して観察するために、2つの細胞をそれぞれ免疫染色した。培養7日後、試料をPBSで3回洗浄し、4%ホルムアルデヒドで5分間固定(fixation)させる。固定された試料をPBSで再び3回洗浄した後、0.25%Triton-X100を用いて10分間透過化(permeabilization)させた。
【0080】
透過化された試料をPBSで3回洗浄し、1%牛血清アルブミン(bovine serum albumin)で30分間ブロッキング(blocking)し、ブロッキングされたサンプルにアルブミン(albumin)一次抗体で接地して37℃のインキュベータで約1時間培養した。その後、それぞれの試料を3回洗浄し、アルブミンに接地される蛍光が内在している二次抗体を接地して37℃のインキュベータで1時間培養する。
【0081】
このような過程を介して肝細胞がアルブミンで染色される。順次各試料を3回洗浄し、試料にCD31一次抗体で接地して37℃のインキュベータで1時間培養した。その後、試料をそれぞれ3回洗浄し、アルブミンに接地される蛍光が内在している二次抗体を接地して37℃のインキュベータで1時間培養した。これにより、血管内皮細胞がCD31で染色され、当該試料を共焦点顕微鏡で10μmの厚さにz軸方向にスキャニングして観察した。
同一の方式でMRP2も肝細胞に接地して共焦点レーザー走査顕微鏡で観察した。
【0082】
アルブミンは、肝細胞が分泌するタンパク質であって肝細胞に特異的に染色され、MRP2は、胆汁色素を肝細胞内から毛細胆管に排出するポンプタンパク質であって肝細胞に特異的に染色され、CD31は、PECMA-1であって血管内皮細胞に特異的に発現及び染色される(図5参照)。
【0083】
特定のタンパク質(アルブミン、MRP2、CD31)の発現度を確認するためにウェスタンブロットを行った。まず、サンプル(Mix W lumen、Pre-set)の混合タンパク質を抽出して同じ濃度で正規化(normalization)した。混合タンパク質をアガロースゲルに電気泳動した後、タンパク質をナイロン膜に移した。TBS(Tris-Buffered Saline)でタンパク質膜を洗浄し、1%BSAで1時間ブロッキングして一次抗体及び二次抗体で順次反応させた後、発光機器を用いてタンパク質発現度(バンド)を測定する。
【0084】
結論として、肝オルガノイド(Pre-set)のタンパク質発現及び維持が混合モデル(Mix W lumen)に比べて格段に高く、構造的維持も安定的であることを確認することができた(図4参照)。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明による肝オルガノイドは、肝小葉(liver lobule)形態の構造からなるため低酸素状態を防止することができて長期間培養が可能であり、且つ肝小葉(liver lobule)形態の構造が長期間維持可能であるので、産業上利用可能性が存在する。
図1
図2
図3
図4
図5